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特開2024-94217部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法
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  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094217
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 1/00 20060101AFI20240702BHJP
   E06B 3/46 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
E05B1/00 311J
E06B3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137396
(22)【出願日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】P 2022209458
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大宮 宏之
(72)【発明者】
【氏名】溝口 麻美
(72)【発明者】
【氏名】河合 政志
【テーマコード(参考)】
2E014
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014FC00
(57)【要約】
【課題】框に容易に固定することができる部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法を提供すること。
【解決手段】部品固定裏板2は、戸先框133に形成された框連通孔133Eを介して、中空部133Dに挿入される裏板本体21と、裏板本体21に設けられ、裏板本体21を戸先框133に仮固定する第1フック22と、裏板本体21に着脱可能に構成され、第1フック22とともに裏板本体21を戸先框133に本固定する第2フック23と、を備え、第1フック22は、裏板本体21とともに框連通孔133Eの第1周縁部Q1を挟む第1挟み部223を備え、第2フック23は、裏板本体21とともに框連通孔133Eの第2周縁部Q2を挟む第2挟み部233を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
框の中空部に配置可能に構成され、前記框に取り付けられる部品が固定される部品固定裏板であって、
前記框に形成された框連通孔を介して、前記中空部に挿入される裏板本体と、
前記裏板本体に設けられ、前記裏板本体を前記框に仮固定する第1フックと、
前記裏板本体に着脱可能に構成され、前記第1フックとともに前記裏板本体を前記框に本固定する第2フックと、を備え、
前記第1フックは、前記裏板本体とともに前記框連通孔の第1周縁部を挟む第1挟み部を備え、
前記第2フックは、前記裏板本体とともに前記框連通孔の第2周縁部を挟む第2挟み部を備えている部品固定裏板。
【請求項2】
請求項1に記載の部品固定裏板において、
前記裏板本体における前記第1フックと前記第2フックとの間には、前記裏板本体の移動時に操作される操作部が設けられている部品固定裏板。
【請求項3】
請求項2に記載の部品固定裏板において、
前記操作部は、螺合により前記裏板本体に着脱可能に取り付けられる部品固定裏板。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の部品固定裏板において、
前記框には、前記部品と前記框と前記裏板本体とを固定する部品固定部材が挿通される部品固定部材挿通孔が形成され、
前記框連通孔は、前記框の長手方向に延びる長孔状に形成され、
前記裏板本体には、前記部品固定部材挿通孔に連通された前記部品固定部材が取り付けられる部品固定部材取付部が形成され、
前記第1フックは、前記裏板本体と前記第1挟み部とを接続し、前記框連通孔の長手方向の一端側の内周面または開口縁である第1当接部分に当接する第1接続部を備え、
前記第2フックは、前記裏板本体と前記第2挟み部とを接続し、前記框連通孔の長手方向の他端側の内周面または開口縁である第2当接部分に当接する第2接続部を備え、
前記裏板本体は、前記第1当接部分と前記第1接続部との当接、および、前記第2当接部分と前記第2接続部との当接により、前記框の長手方向の位置決めがされている部品固定裏板。
【請求項5】
請求項4に記載の部品固定裏板において、
前記第2接続部には、前記第2フックと前記裏板本体とを固定する第2フック固定ねじが挿通される第2フック固定ねじ挿通孔が形成され、
前記裏板本体には、前記第2フック固定ねじが螺合される第2フック固定ねじ螺合部が形成され、
前記第2フック固定ねじ挿通孔は、前記第1フックと前記第2フックの並び方向に延びる長孔状に形成されている部品固定裏板。
【請求項6】
請求項5に記載の部品固定裏板において、
前記第1フックは、前記裏板本体に着脱可能に構成され、
前記第1接続部には、前記第1フックと前記裏板本体とを固定する第1フック固定ねじが挿通される第1フック固定ねじ挿通孔が形成され、
前記裏板本体には、前記第1フック固定ねじが螺合される第1フック固定ねじ螺合部が形成され、
前記第1フック固定ねじ挿通孔は、前記第1フックと前記第2フックの並び方向に延びる長孔状に形成されている部品固定裏板。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の部品固定裏板において、
前記框には、前記部品と前記框と前記裏板本体とを固定する部品固定部材が挿通される部品固定部材挿通孔が形成され、
前記框連通孔は、前記框の長手方向に延びる長孔状に形成され、
前記裏板本体には、前記部品固定部材挿通孔に連通された前記部品固定部材が取り付けられる部品固定部材取付部が形成され、
前記第1フックは、前記裏板本体と前記第1挟み部とを接続し、前記框連通孔の短手方向の両端側の内周面または開口縁である第3当接部分に当接する第1接続部を備え、
前記第2フックは、前記裏板本体と前記第2挟み部とを接続し、前記框連通孔の短手方向の両端側の内周面または開口縁である第4当接部分に当接する第2接続部を備え、
前記裏板本体は、前記第3当接部分と前記第1接続部との当接、および、前記第4当接部分と前記第2接続部との当接により、前記框の短手方向の位置決めがされている部品固定裏板。
【請求項8】
請求項4に記載の部品固定裏板において、
前記框は、枠体内で見付け方向にスライドする障子の戸先框であり、
前記戸先框の前記部品固定部材挿通孔および前記裏板本体の前記部品固定部材取付部は、前記框連通孔の見付け方向中心より戸先側に位置するように形成されている部品固定裏板。
【請求項9】
請求項1に記載の部品固定裏板を用いて框に部品を取り付ける部品固定方法であって、
前記第1フックが設けられ、かつ、前記第2フックが設けられていない前記裏板本体を前記框連通孔を介して前記中空部に挿入した後、前記裏板本体と前記第1挟み部とにより前記第1周縁部を挟むように、前記裏板本体を移動させることにより、前記裏板本体を前記框に仮固定し、
前記裏板本体と前記第2挟み部とにより前記第2周縁部を挟むように、前記仮固定された前記裏板本体に前記第2フックを取り付けることにより、前記第1フックとともに前記裏板本体を前記框に本固定し、
部品固定部材により前記部品と前記裏板本体とを固定する部品固定方法。
【請求項10】
請求項9に記載の部品固定方法において、
前記部品は、ハンドルである部品固定方法。
【請求項11】
請求項8に記載の部品固定裏板を用いて戸先框に部品を取り付ける部品固定方法であって、
前記部品は、支援操作部および前記支援操作部の操作時に戸先側から突出する蹴り出し部を有する開放支援機能付き操作装置であり、
前記第1フックが設けられ、かつ、前記第2フックが設けられていない前記裏板本体を前記框連通孔を介して前記中空部に挿入した後、前記裏板本体と前記第1挟み部とにより前記第1周縁部を挟むように、前記裏板本体を移動させることにより、前記裏板本体を前記框に仮固定し、
前記裏板本体と前記第2挟み部とにより前記第2周縁部を挟むように、前記仮固定された前記裏板本体に前記第2フックを取り付けることにより、前記第1フックとともに前記裏板本体を前記框に本固定し、
前記部品固定部材挿通孔に部品固定部材を挿通させて前記部品固定部材取付部に取り付けることにより前記開放支援機能付き操作装置と前記裏板本体とを固定する部品固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の建具には、高気密化や高断熱化が要望されている。このような要望に対し、例えば樹脂窓では、障子廻りのモヘアや煙返しの嵌合により密着性を向上させている。しかし、このような密着性の向上により、障子を開ける際の初動が重くなる傾向がある。
障子を開ける際の初動を軽くするための技術として、握りやすく操作力を伝えやすい大型引手やハンドルを、障子に後付けする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された技術では、戸先框を補強するための一対の裏板を戸先框に取り付けた後、アシストハンドルを後付けする。
裏板を取り付けるに際し、1つの裏板に対して2つ用意された裏板固定用ボルトのうちの一方を、裏板の保持用ボルト螺子孔に螺合して保持用ボルトとする。
次に、保持用ボルトを把持して、戸先框の裏板挿入孔に対して斜め上方から裏板を挿入し、裏板の基端側(保持用ボルトの取り付け位置側)を除くほぼ全体が戸先框内に挿入されたら、裏板の基端側を中心にして裏板が略垂直になるように回動操作し、裏板の全体を戸先框内に挿入するとともに戸先框の筒壁内面に重ねる。
【0004】
次に、保持用ボルトを操作して、裏板の一対の裏板固定用螺子孔と戸先框の一対の裏板固定用挿通孔とが一致するように裏板の位置を調節する。そして、保持用ボルトとして使用されていない他方の裏板固定用ボルトを、下側の裏板固定用挿通孔に挿入して下側の裏板固定用螺子孔と螺合させることにより、裏板を戸先框に対して仮固定する。
その後、保持用ボルトである裏板固定用ボルトを裏板から取り外して、上側の裏板固定用挿通孔に挿入して上側の裏板固定用螺子孔に螺合させることにより、裏板を戸先框に対して移動不能に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-214218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、裏板の戸先框への仮固定のために、戸先框内に挿入された裏板に裏板固定用ボルトを螺合する際に、慎重に作業をしないと裏板が戸先框内に落下するおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、框に容易に固定することができる部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の部品固定裏板は、框の中空部に配置可能に構成され、前記框に取り付けられる部品が固定される部品固定裏板であって、前記框に形成された框連通孔を介して、前記中空部に挿入される裏板本体と、前記裏板本体に設けられ、前記裏板本体を前記框に仮固定する第1フックと、前記裏板本体に着脱可能に構成され、前記第1フックとともに前記裏板本体を前記框に本固定する第2フックと、を備え、前記第1フックは、前記裏板本体とともに前記框連通孔の第1周縁部を挟む第1挟み部を備え、前記第2フックは、前記裏板本体とともに前記框連通孔の第2周縁部を挟む第2挟み部を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の部品固定方法は、上述の部品固定裏板を用いて框に部品を取り付ける部品固定方法であって、前記第1フックが設けられ、かつ、前記第2フックが設けられていない前記裏板本体を前記框連通孔を介して前記中空部に挿入した後、前記裏板本体と前記第1挟み部とにより前記第1周縁部を挟むように、前記裏板本体を移動させることにより、前記裏板本体を前記框に仮固定し、前記裏板本体と前記第2挟み部とにより前記第2周縁部を挟むように、前記仮固定された前記裏板本体に前記第2フックを取り付けることにより、前記第1フックとともに前記裏板本体を前記框に本固定し、部品固定部材により前記部品と前記裏板本体とを固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、框に容易に固定することができる部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態の引き違い窓を室内から見た図であり、(A)は引き手が取り付けられた状態を示し、(B)は引き手がハンドルに交換された状態を示す。
図2】第1実施形態の引き手の取付構造を示す分解斜視図である。
図3】第1実施形態のハンドルを示す分解斜視図である。
図4】第1実施形態の部品固定裏板を示す分解斜視図である。
図5】第1実施形態の部品固定裏板の取付構造を示す縦断面図である。
図6】第1実施形態の部品固定裏板の取付構造を室内から見た図である。
図7】第1実施形態の部品交換方法の裏板仮固定工程を示す斜視図であり、部品固定裏板を戸先框の内部に挿入している状態を示す。
図8】第1実施形態の部品交換方法の裏板仮固定工程を示す斜視図であり、第1フックを框連通孔に係合させた状態を示す。
図9】第1実施形態の部品交換方法の裏板本固定工程を示す斜視図である。
図10】第1実施形態の部品交換方法の部品取付工程を示す斜視図である。
図11】第2実施形態の部品固定裏板を示す分解斜視図である。
図12】第2実施形態の第1フックおよび第2フックを示す図であり、(A)は側面図、(B)は斜視図である。
図13】第2実施形態の部品固定裏板の取付構造を示す縦断面図である。
図14】第2実施形態の部品固定裏板の取付構造を室内から見た図である。
図15】第3実施形態のサポート引き手の取付構造を示す分解斜視図である。
図16】第3実施形態の部品固定裏板の取付構造を室内から見た図である。
図17】第3実施形態の引き違い窓におけるサポート引き手近傍の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
〔引き違い窓の構成〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態に係る建具である引き違い窓1は、図1(A)に示すように、窓枠11と、窓枠11内に引違い可能に配置される外障子12および内障子13とを備えている。窓枠11は、図示しない躯体の開口に固定される半外付けの開口枠である。
外障子12は、上框121、下框122、戸先框123、外召合せ框124および複層ガラス125を框組みして構成されている。内障子13は、上框131、下框132、戸先框133、内召合せ框134および複層ガラス135を框組みして構成されている。上框121,131と、下框122,132と、戸先框123,133と、外召合せ框124と、内召合せ框134とは、難燃性の樹脂押出形材により形成されている。
なお、上框121,131と、下框122,132と、戸先框123,133と、外召合せ框124と、内召合せ框134は、アルミ形材、アルミと樹脂による複合形材により形成されても良い。
【0013】
戸先框123,133の室内見付け面部123A,133Aには、それぞれ堀込みタイプ(船底タイプ)の引き手14,15が取り付けられている。
堀込みタイプの引き手14,15は、外障子12、内障子13を開ける際に指先のみの掛かり代であり操作力を伝えにくい。そこで、第1実施形態では、図1(B)に示すように、引き手14,15を、当該引き手14,15よりも操作力を外障子12、内障子13に伝えやすい部品としてのハンドル16,17に交換する方法について説明する。
【0014】
〔堀込みタイプの引き手の取付構造〕
まず、引き手14,15をハンドル16,17に交換する部品交換方法を説明する前に、引き手14,15の外障子12、内障子13への取付構造について説明する。
引き手14の取付構造と引き手15の取付構造は同じであるため、以下、内障子13への引き手15の取付構造について説明する。
【0015】
内障子13を構成する戸先框133は、室内見付け面部133Aと、当該室内見付け面部133Aに対向する室外見付け面部133Bと、室内見付け面部133Aと室外見付け面部133Bを接続する一対の見込み面部133Cとを備えている。戸先框133は、壁部としての室内見付け面部133A、室外見付け面部133Bおよび一対の見込み面部133Cにより形成される中空部133Dを有するように構成されている。
中空部133Dには、スチールやステンレスなどの金属製の補強材136が戸先框133の長手方向、つまり上下方向の略全長に亘って配置されている。補強材136は、室外見付け面部133Bに沿って配置される見付け片136Aと、各見込み面部133Cにそれぞれ沿って配置される一対の見込み片136Bとを備える断面略コ字状に形成され、戸先框133に対して上下方向の位置決めがされた状態で配置されている。
【0016】
室内見付け面部133Aには、中空部133Dに連通する框連通孔133Eが形成されている。框連通孔133Eは、上下方向に延びる長孔状に形成されている。框連通孔133Eの内周面は、互いに平行に上下方向に延びる左右一対の側方平面部133E1と、一対の側方平面部133E1の下端同士を繋ぐ半円弧面状の下円弧面部133E2と、一対の側方平面部133E1の上端同士を繋ぐ半円弧面状の上円弧面部133E3とにより構成されている。下円弧面部133E2と上円弧面部133E3は、同じ曲率の半円状に形成されている。
この框連通孔133Eに、引き手15が嵌め込まれる。
【0017】
〔ハンドルの構造〕
次に、ハンドル16,17の構造について説明する。
なお、ハンドル16とハンドル17は、左右対称の構造を有するため、ハンドル17の構成について説明する。
図3に示すハンドル17は、戸先框133の室内見付け面部133Aに固定されるハンドル基部171を備えている。ハンドル基部171は、室内見付け面部133Aに対向する面が開口する長方形箱状に形成されている。ハンドル基部171の長手方向中央には、ハンドル17の操作時にユーザが握るハンドル部172が設けられている。ハンドル基部171の長手方向両端には、ハンドル取付部171Aが設けられている。それぞれのハンドル取付部171Aには、ねじ挿通孔171Bが形成されている。ねじ挿通孔171Bには、部品固定部材としての部品固定ねじ173が挿通される。部品固定ねじ173は、ハンドル17を戸先框133に固定する際に利用される。ハンドル取付部171Aには、当該ハンドル取付部171A全体を覆うカバー174が着脱可能に取り付けられる。
【0018】
〔部品固定裏板の構成〕
次に、ハンドル16,17の外障子12、内障子13への取り付けに用いる部品固定裏板2の構成について説明する。
【0019】
図4に示す部品固定裏板2は、ハンドル16,17を戸先框123,133に固定するために、戸先框123,133の内部に取り付けられる。
部品固定裏板2は、長板状の裏板本体21と、第1フック22と、第2フック23とを備えている。
以下、部品固定裏板2の説明において、裏板本体21の長手方向を上下方向と言い、短手方向を左右方向と言い、厚さ方向を前後方向と言う場合がある。
【0020】
裏板本体21は、スチールやステンレスなどの金属により、框連通孔133Eよりも長い板状に形成されている。裏板本体21は、その左右方向の長さが框連通孔133Eの左右方向の長さ、つまり一対の側方平面部133E1の間隔よりも若干短くなるように形成されており、框連通孔133Eを介して、中空部133Dに挿入可能に構成されている。
【0021】
裏板本体21の上下方向両端側には、部品固定ねじ173が螺合される部品固定部材取付部としての部品固定ねじ螺合部211がそれぞれ形成されている。一対の部品固定ねじ螺合部211は、裏板本体21が戸先框133に本固定された際に框連通孔133Eから露出しない位置において、それらの間隔がハンドル基部171に設けられた一対のねじ挿通孔171Bの間隔と同じになるように形成されている。
裏板本体21の上下方向中央よりも下側には、第1フック固定ねじ螺合部212が形成されている。第1フック固定ねじ螺合部212には、第1フック22を裏板本体21に固定するための第1フック固定ねじ24が螺合される。
裏板本体21の上下方向中央には、第2フック固定ねじ螺合部213が形成されている。第2フック固定ねじ螺合部213には、第2フック23を裏板本体21に固定するための第2フック固定ねじ25が螺合される。
【0022】
裏板本体21における第1フック固定ねじ螺合部212と第2フック固定ねじ螺合部213との間には、操作部としての部品固定ねじ173が螺合される操作用ねじ螺合部214が形成されている。部品固定ねじ173は、上述したようにハンドル17を戸先框133に固定する際に利用されるが、操作用ねじ螺合部214に螺合される場合、作業者が裏板本体21を移動させる際に操作される。
なお、二点鎖線で示すように、部品固定ねじ173の代わりに、部品固定ねじ173よりも長い操作部としての操作用ねじ26を操作用ねじ螺合部214に螺合させても良い。このような操作用ねじ26により、作業者は、より容易に裏板本体21を中空部133Dに挿入することができる。
【0023】
第1フック22は、裏板本体21を戸先框133に仮固定する。
第2フック23は、第1フック22とともに裏板本体21を戸先框133に本固定する。
第1フック22および第2フック23は、同じ形状を有する。
【0024】
第1,第2フック22,23は、スチールやステンレスなどの金属により構成されている。第1,第2フック22,23は、室内見付け面部133Aとほぼ同じ厚さの1枚の板状部材を例えばプレス加工により屈曲させることにより、第1,第2取付部221,231と、第1,第2中間部222,232と、第1,第2挟み部223,233とを備えるように構成されている。第1,第2取付部221,231と、第1,第2中間部222,232と、第1,第2挟み部223,233とは、第1,第2フック22,23の上下方向に並ぶように形成されている。
【0025】
第1,第2取付部221,231には、当該第1,第2取付部221,231の厚さ方向に貫通し、かつ、第1,第2フック22,23の上下方向に延びる長孔状の第1,第2フック固定ねじ挿通孔221A,231Aが形成されている。
第1,第2フック固定ねじ挿通孔221A,231Aは、その左右方向の長さが、第1,第2フック固定ねじ24,25のねじ頭部の直径よりも小さく、かつ、第1,第2フック固定ねじ24,25の雄ねじ部の直径よりも若干大きい形状に形成されている。第1,第2フック固定ねじ挿通孔221A,231Aは、その上下方向の長さが第1,第2フック固定ねじ24,25の雄ねじ部の直径よりも大きい形状に形成されている。
第1,第2中間部222,232は、その面方向が第1,第2取付部221,231の面方向に対して傾斜するように設けられている。
第1,第2挟み部223,233は、その面方向が第1,第2取付部221,231の面方向に対して平行になるように設けられている。
【0026】
第1取付部221および第1中間部222は、第1接続部224を構成している。第2取付部231および第2中間部232は、第2接続部234を構成している。第1,第2接続部224,234は、第1,第2フック固定ねじ挿通孔221A,231Aに挿通された第1,第2フック固定ねじ24,25と第1,第2フック固定ねじ螺合部212,213との螺合により裏板本体21に着脱自在に取り付けられることで、第1,第2挟み部223,233と裏板本体21とを接続する。
第1,第2接続部224,234は、その左右方向の長さが框連通孔133Eの一対の側方平面部133E1の間隔とほぼ等しくなるように形成されている。
第1,第2接続部224,234は、第1,第2挟み部223,233と裏板本体21との間隔が室内見付け面部133Aの厚さとほぼ同じになるように形成され、第1,第2挟み部223,233と裏板本体21との間に室内見付け面部133Aの一部を挟むことができるように構成されている。
【0027】
〔部品固定裏板の取付構造〕
次に、部品固定裏板2の戸先框133への取付構造について説明する。
図5および図6に示すように、戸先框133の室内見付け面部133Aにおける框連通孔133Eの上方および下方には、それぞれ部品固定ねじ173が挿通される部品固定部材挿通孔としての部品固定ねじ挿通孔133Fが形成されている。一対の部品固定ねじ挿通孔133Fは、それらの間隔がハンドル17の一対のねじ挿通孔171Bの間隔と同じになるように形成されている。
【0028】
部品固定裏板2は、裏板本体21が室内見付け面部133Aの中空部133D側の面に当接し、かつ、一対の部品固定ねじ螺合部211がそれぞれ一対の部品固定ねじ挿通孔133Fに連通するように、第1,第2フック22,23により戸先框133に本固定される。
【0029】
部品固定裏板2が仮固定または本固定されている状態において、第1フック22の第1接続部224の左右両側縁が、下円弧面部133E2の室内側の開口縁上の第1当接部分P1に当接し、第1接続部224の左右両側面が、一対の側方平面部133E1の一部である第3当接部分P3に面接触し、第1挟み部223が、裏板本体21とにより框連通孔133Eの下側に位置する第1周縁部Q1を挟んでいる。
部品固定裏板2が本固定されている状態において、第2フック23の第2接続部234の左右両側縁が、上円弧面部133E3の室内側の開口縁上の第2当接部分P2に点接触し、第2接続部234の左右両側面が、一対の側方平面部133E1の一部である第4当接部分P4に面接触し、第2挟み部233が、裏板本体21とにより框連通孔133Eの上側に位置する第2周縁部Q2を挟んでいる。
【0030】
第1,第2フック22,23は、第1,第2接続部224,234と第1,第2当接部分P1,P2との点接触により、裏板本体21の上下方向の位置決めを行う。第1,第2フック22,23は、第1,第2接続部224,234と第3、第4当接部分P3,P4との面接触により、裏板本体21の左右方向の位置決めを行う。
【0031】
〔部品交換方法〕
次に、引き手14,15をハンドル16,17に交換する部品交換方法について説明する。
なお、引き手14をハンドル16に交換する方法と、引き手15をハンドル17に交換する方法は同じであるため、以下、引き手15をハンドル17に交換する方法について説明する。
【0032】
第1実施形態の部品交換方法は、引き手取り外し工程と、ねじ挿通孔形成工程と、裏板準備工程と、裏板仮固定工程と、裏板本固定工程と、部品取付工程とを備えている。裏板仮固定工程、裏板本固定工程、および、部品取付工程は、本発明の部品固定方法に含まれる。
【0033】
引き手取り外し工程では、作業者は、引き手14を戸先框133から取り外し、框連通孔133Eを室内に露出させる。
ねじ挿通孔形成工程では、作業者は、交換対象のハンドル17を取り付けるための部品固定ねじ挿通孔133Fを、例えば型紙を用いて室内見付け面部133Aに形成する。
【0034】
裏板準備工程では、作業者は、操作用ねじ螺合部214に部品固定ねじ173が螺合されており、かつ、第1フック22が設けられているが第2フック23が設けられていない部品固定裏板2を準備する。
作業者は、部品固定裏板2が第1フック22により戸先框133に仮固定された場合、上下の部品固定ねじ螺合部211と上下の部品固定ねじ挿通孔133Fとがそれぞれ連通するように、第1フック22の上下方向の取り付け位置および取り付け角度を調整する。第1フック22の取り付け位置および取り付け角度の調整は、第1フック固定ねじ挿通孔221Aに挿通させた第1フック固定ねじ24を、第1フック固定ねじ螺合部212に緩く螺合させた状態で、裏板本体21に対して第1フック22を上下に移動させ、第1フック22を回転させることにより行われる。
【0035】
なお、作業者は、裏板準備工程をねじ挿通孔形成工程の前に行っても良い。また、二人の作業者が、それぞれねじ挿通孔形成工程および裏板準備工程を同時に行っても良い。また、操作用ねじ螺合部214に部品固定ねじ173が螺合され、かつ、上述したように第1フック22の取り付け位置が調整された部品固定裏板2が予め準備されている場合、作業者は、裏板準備工程を行う必要がない。
【0036】
裏板仮固定工程では、作業者は、第1フック22が部品固定ねじ173の下側に位置するように部品固定ねじ173を持って、部品固定裏板2を下から上に移動させつつ、図7に示すように、部品固定裏板2の下端が框連通孔133Eの下端よりも上側に位置するまで、框連通孔133Eを介して中空部133Dに挿入する。
【0037】
次に、作業者は、裏板本体21全体を中空部133Dに位置させた後、下方に移動させて、図8に示すように、第1フック22を框連通孔133Eにけんどん式に係合させることにより、部品固定裏板2を戸先框133に仮固定する。この仮固定により、第1接続部224と、第1当接部分P1および第3当接部分P3とが接触し、裏板本体21の下方向および左右方向の位置決めが行われる。また、第1挟み部223と裏板本体21により第1周縁部Q1が挟まれることにより、裏板本体21の姿勢が矯正され、裏板本体21が室内見付け面部133Aにおける中空部133D側の面に当接する。
【0038】
裏板本固定工程では、作業者は、図9に示すように、部品固定ねじ173を裏板本体21から取り外し、第2フック23を裏板本体21に取り付けることにより、部品固定裏板2を戸先框133に本固定する。この際、作業者は、第2接続部234と第2当接部分P2とが接触するように、第2フック23の上下方向の取り付け位置および取り付け角度を調整する。第2フック23の取り付け位置および取り付け角度の調整は、第1フック22の取り付け位置の調整と同様の方法により行われる。
このように第2フック23が取り付けられると、第2接続部234と第2当接部分P2および第4当接部分P4との接触により、裏板本体21の上方向および左右方向の位置決めが行われるとともに、第2挟み部233と裏板本体21により第2周縁部Q2が挟まれる。
なお、部品固定裏板2を戸先框133に本固定した後に、第1,第2フック固定ねじ24,25を緩めて、裏板本体21の上下方向の位置調整を行うことにより、上下の部品固定ねじ螺合部211と上下の部品固定ねじ挿通孔133Fとをそれぞれ連通させても良い。
【0039】
部品取付工程では、作業者は、図10に示すように、カバー174が取り付けられていないハンドル17を準備し、2つの部品固定ねじ173をそれぞれ上下のねじ挿通孔171Bおよび部品固定ねじ挿通孔133Fに挿通させて、部品固定ねじ螺合部211に螺合させることにより、ハンドル17を戸先框133に取り付ける。
最後に、作業者は、図1に示すように、2つのカバー174をそれぞれ上下のハンドル取付部171Aに取り付ける。
以上により、引き手15のハンドル17への交換が終了する。
【0040】
〔第1実施形態の効果〕
第1実施形態では、部品固定裏板2は、框連通孔133Eを介して中空部133Dに挿入される裏板本体21と、裏板本体21に設けられ、第1挟み部223を有する第1フックと、裏板本体21に着脱可能に構成され、第2挟み部233を有する第2フック23と、を備えている。
このため、裏板本体21と第1挟み部223とにより第1周縁部Q1を挟むように裏板本体21を移動させることにより、部品固定裏板2を戸先框133に仮固定した後、裏板本体21と第2挟み部233とにより第2周縁部Q2を挟むように、裏板本体21に第2フック23を取り付けることにより、第1フック22とともに裏板本体21を戸先框133に本固定することができる。
このように、裏板本体21と第1挟み部223とにより第1周縁部Q1を挟むことにより、部品固定裏板2を戸先框133に仮固定できるため、部品固定裏板2の仮固定のためにねじを裏板本体21に螺合させる構成と比べて、部品固定裏板2を戸先框133に容易に固定することができる。
また、部品固定ねじ173を用いて、ハンドル17と、戸先框133に固定された部品固定裏板2とを固定することにより、戸先框133にハンドル17を容易に取り付けることができる。
さらに、部品としてのハンドル17を戸先框133に取り付けることにより、内障子13の操作性を向上させることができる。
【0041】
裏板本体21に操作部として機能する部品固定ねじ173を設けている。
このため、作業者は、部品固定ねじ173を持って容易に部品固定裏板2を移動させることができる。
【0042】
部品固定ねじ173を裏板本体21の操作用ねじ螺合部214に螺合させる構成としている。
このため、部品固定裏板2を戸先框133に本固定した後、部品固定ねじ173を裏板本体21から取り外すことにより、部品固定ねじ173に干渉されることなくハンドル17を戸先框133に取り付けることができる。
【0043】
第1フック22の第1接続部224および第2フック23の第2接続部234を、それぞれ下円弧面部133E2の第1当接部分P1および上円弧面部133E3の第2当接部分P2との当接により、裏板本体21の上下方向の位置決めを行うように構成している。
このため、戸先框133に対する部品固定ねじ螺合部211の上下方向の位置を安定させることができ、部品固定ねじ挿通孔133Fに挿通された部品固定ねじ173を部品固定ねじ螺合部211に容易に螺合させることができる。
【0044】
裏板本体21には、第2フック固定ねじ25が螺合される第2フック固定ねじ螺合部213が形成され、第2フック23の第2接続部234には、第2フック固定ねじ25が挿通される第2フック固定ねじ挿通孔231Aが形成されている。そして、第2フック固定ねじ挿通孔231Aは、第1フック22と第2フック23の並び方向に延びる長孔状に形成されている。
このため、第2フック固定ねじ25を緩めて、第1フック22に対する第2フック23の上下方向の取り付け位置を調整することにより、框連通孔133Eの上下方向の長さに応じて、裏板本体21の上下方向の位置決めを確実に行うことができる。
【0045】
裏板本体21には、第1フック固定ねじ24が螺合される第1フック固定ねじ螺合部212が形成され、第1フック22の第1接続部224には、第1フック固定ねじ24が挿通される第1フック固定ねじ挿通孔221Aが形成されている。そして、第1フック固定ねじ挿通孔221Aは、第1フック22と第2フック23の並び方向に延びる長孔状に形成されている。
このため、第1,第2フック固定ねじ24,25を緩めて、裏板本体21に対する第1,第2フック22,23の上下方向の取り付け位置を調整することにより、框連通孔133Eに対する一対の部品固定ねじ螺合部211の上下方向の位置を調整することができる。したがって、ハンドル17の上下方向の取り付け位置を所望の位置に設定することができる。
【0046】
第1フック22の第1接続部224および第2フック23の第2接続部234を、それぞれ一対の側方平面部133E1の第3当接部分P3および第4当接部分P4との当接により、裏板本体21の左右方向の位置決めを行うように構成している。
このため、戸先框133に対する部品固定ねじ螺合部211の左右方向の位置を安定させることができ、部品固定ねじ挿通孔133Fに挿通された部品固定ねじ173を部品固定ねじ螺合部211に容易に螺合させることができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第1実施形態と第2実施形態の相違点は、部品固定裏板の構成であるため、部品固定裏板以外の構成に関する説明を省略する。また、第1実施形態と同じ構成については、同一名称および同一符号を付し、説明を簡略にするか省略する。
【0048】
〔部品固定裏板の構成〕
まず、第2実施形態に係る部品固定裏板の構成について説明する。
図11に示す部品固定裏板3は、裏板本体21と、裏板本体21を戸先框133に仮固定する第1フック32と、第1フック32とともに裏板本体21を戸先框133に本固定する第2フック33とを備えている。
【0049】
第1フック32、および、第2フック33は、同じ形状を有する。
第1,第2フック32,33は、スチールやステンレスなどの金属により構成されている。図11および図12(A),(B)に示すように、第1,第2フック32,33は、第1,第2接続部321,331と、第1,第2挟み部322,332とを備えている。第1,第2接続部321,331と、第1,第2挟み部322,332とは、第1,第2フック32,33の上下方向に並ぶように形成されている。
【0050】
第1,第2接続部321,331は、略長方形板状に形成されている。第1,第2接続部321,331は、その一方の主面である第1,第2当接面321A,331Aが裏板本体21に当接するように、裏板本体21に取り付けられる。第1,第2接続部321,331は、その左右方向の長さが一対の側方平面部133E1の間隔とほぼ等しくなるように形成されている。
【0051】
第1,第2接続部321,331は、当該第1,第2接続部321,331の上下方向一端側の部位を構成する第1,第2中間部323,333と、他端側の部位を構成する第1,第2取付部324,334とを備えている。
【0052】
第1,第2中間部323,333は、室内見付け面部133Aよりも厚い形状に形成されている。第1,第2中間部323,333における第1,第2取付部324,334が位置する側とは反対側には、第1,第2フック円弧面部323A,333Aと、第1,第2挟み部322,332とが第1,第2中間部323,333の厚さ方向に並ぶように設けられている。
【0053】
第1,第2フック円弧面部323A,333Aは、第1,第2中間部323,333における第1,第2当接面321A,331A側の部位に設けられている。第1,第2フック円弧面部323A,333Aは、第1,第2当接面321A,331A側から見たときの形状が、框連通孔133Eの下円弧面部133E2および上円弧面部133E3と同じ曲率の半円状になるように形成されている。また、第1,第2フック円弧面部323A,333Aは、その厚さが室内見付け面部133Aの厚さとほぼ同じになるように形成されている。
【0054】
第1,第2挟み部322,332は、第1,第2中間部323,333における第1,第2当接面321A,331A側と反対側の部位に設けられている。第1,第2挟み部322,332は、第1,第2フック円弧面部323A,333Aよりも第1,第2取付部324,334が位置する側とは反対側に、板状に突出するように設けられている。上述したように、第1,第2フック円弧面部323A,333Aの厚さが室内見付け面部133Aの厚さとほぼ同じであるため、第1,第2挟み部322,332と裏板本体21との間に室内見付け面部133Aの一部を挟むことができる。
【0055】
第1,第2取付部324,334は、第1,第2フック円弧面部323A,333Aよりも薄い形状に形成されている。第1,第2取付部324,334には、当該第1,第2取付部324,334の厚さ方向に貫通し、かつ、第1,第2フック32,33の上下方向に延びる長孔状の第1,第2フック固定ねじ挿通孔324A,334Aが形成されている。
第1,第2フック固定ねじ挿通孔324A,334Aは、第1,第2フック固定ねじ挿通孔221A,231Aと同じ形状に形成されている。
【0056】
〔部品固定裏板の取付構造〕
次に、部品固定裏板3の戸先框133への取付構造について説明する。
【0057】
図13および図14に示すように、部品固定裏板3は、裏板本体21が室内見付け面部133Aの中空部133D側の面に当接し、かつ、一対の部品固定ねじ螺合部211がそれぞれ一対の部品固定ねじ挿通孔133Fに連通するように、第1,第2フック32,33により戸先框133に本固定される。
【0058】
部品固定裏板3が仮固定または本固定されている状態において、第1フック32の第1フック円弧面部323Aが、第1当接部分P11である下円弧面部133E2に面接触し、第1接続部321の左右両側面が、一対の側方平面部133E1の一部である第3当接部分P13に面接触し、第1挟み部322が、裏板本体21とにより框連通孔133Eの下側に位置する第1周縁部Q11を挟んでいる。
部品固定裏板3が本固定されている状態において、第2フック33の第2フック円弧面部333Aが、第2当接部分P12である上円弧面部133E3に面接触し、第2接続部331の左右両側面が、一対の側方平面部133E1の一部である第4当接部分P14に面接触し、第2挟み部332が、裏板本体21とにより框連通孔133Eの上側に位置する第2周縁部Q12を挟んでいる。
【0059】
第1,第2フック32,33は、第1,第2フック円弧面部323A,333Aと第1,第2当接部分P11,P12との面接触により、部品固定裏板3の上下方向の位置決めを行う。第1,第2フック32,33は、第1,第2接続部321,331と第3、第4当接部分P13,P14との面接触により、部品固定裏板3の左右方向の位置決めを行う。
【0060】
〔部品交換方法〕
次に、引き手14,15をハンドル16,17に交換する部品交換方法について説明する。
第2実施形態の部品交換方法は、引き手取り外し工程と、ねじ挿通孔形成工程と、裏板準備工程と、裏板仮固定工程と、裏板本固定工程と、部品取付工程とを備えている。裏板仮固定工程、裏板本固定工程、および、部品取付工程は、本発明の部品固定方法に含まれる。
なお、引き手取り外し工程、ねじ挿通孔形成工程および部品取付工程は、第1実施形態と同じであるため、裏板準備工程、裏板仮固定工程、および、裏板本固定工程について、第1実施形態と異なる作業を中心に説明する。
【0061】
裏板準備工程では、作業者は、操作用ねじ螺合部214に部品固定ねじ173が螺合されており、かつ、第1フック32が設けられているが第2フック33が設けられていない部品固定裏板3を準備する。
作業者は、部品固定裏板3が第1フック32により戸先框133に仮固定された場合、上下の部品固定ねじ螺合部211と上下の部品固定ねじ挿通孔133Fとがそれぞれ連通するように、第1フック32の上下方向の取り付け位置および取り付け角度を調整する。第1フック32の取り付け位置および取り付け角度の調整は、第1実施形態における第1フック32の取り付け位置および取り付け角度の調整と同様の方法により行われる。
【0062】
裏板仮固定工程では、作業者は、部品固定ねじ173を持って、第1実施形態と同様に、部品固定裏板3の下端が框連通孔133Eの下端よりも上側に位置するまで、框連通孔133Eを介して中空部133Dに挿入する。
次に、作業者は、第1フック32を框連通孔133Eにけんどん式に係合させることにより、部品固定裏板3を戸先框133に仮固定する。この仮固定により、第1フック円弧面部323Aと第1当接部分P11とが面接触するとともに、第1接続部321と第3当接部分P13とが面接触し、裏板本体21の下方向および左右方向の位置決めが行われる。また、第1挟み部322と裏板本体21により第1周縁部Q11が挟まれることにより、裏板本体21の姿勢が矯正され、裏板本体21が室内見付け面部133Aにおける中空部133D側の面に当接する。
【0063】
裏板本固定工程では、作業者は、部品固定ねじ173を裏板本体21から取り外し、第2フック33を裏板本体21に取り付けることにより、部品固定裏板3を戸先框133に本固定する。この際、作業者は、第2フック円弧面部333Aと第2当接部分P12とが面接触するとともに、第2接続部331と第4当接部分P14とが面接触するように、第2フック33の上下方向の取り付け位置および取り付け角度を調整する。第2フック33の取り付け位置および取り付け角度の調整は、第1フック32の取り付け位置および取り付け角度の調整と同様の方法により行われる。
このように第2フック33が取り付けられると、第2フック円弧面部333Aと第2当接部分P12との面接触、および、第2接続部331と第4当接部分P14との面接触により、裏板本体21の上方向および左右方向の位置決めが行われるとともに、第2挟み部332と裏板本体21により第2周縁部Q12が挟まれる。
【0064】
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0065】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第1実施形態と同じ構成については、同一名称および同一符号を付し、説明を簡略にするか省略する。
【0066】
〔サポート引き手の構造〕
まず、サポート引き手18の構造について説明する。
図15に示す開放支援機能付き操作装置としてのサポート引き手18は、図1(A)に示す引き手15よりも操作力を内障子13に伝えやすい部品であり、引き手15と交換される。なお、外障子12の引き手14も左右対称の構造を有するサポート引き手と交換されるが、当該サポート引き手の構成の説明は省略する。
サポート引き手18は、戸先框133の室内見付け面部133Aに固定される長方形箱状の引き手基部181を備えている。引き手基部181には、鉛直方向に延びる軸を中心にして戸尻側に回動する支援操作部としての引き手部182と、当該引き手部182の戸尻側への回動に伴い戸先側から突出する蹴り出し部183と、が設けられている。
【0067】
〔部品固定裏板の構成〕
次に、サポート引き手18の内障子13への取り付けに用いる部品固定裏板4の構成について説明する。
部品固定裏板4は、長板状の裏板本体41と、第1フック42と、第2フック43とを備えている。
裏板本体41は、スチールやステンレスなどの金属により、框連通孔133Eよりも長く、かつ、第1,第2実施形態の裏板本体21と同じ長さの板状に形成されている。裏板本体41は、本体基部411と、当該本体基部411の上端および下端にそれぞれ設けられた一対の本体端部412と、を備える。各本体端部412は、左右方向中心が本体基部411の左右方向中心411Aよりも右側にずれるように設けられている。本体基部411および各本体端部412の左右方向の長さは、裏板本体21の左右方向の長さと同じである。
【0068】
本体基部411における左右方向中心411Aには、第1フック固定ねじ螺合部212、第2フック固定ねじ螺合部213および操作用ねじ螺合部214が、裏板本体21の各螺合部212,213,214と同じ間隔で設けられている。各本体端部412における右側には、部品固定ねじ螺合部211がそれぞれ形成されている。
【0069】
第1フック42は、裏板本体41を戸先框133に仮固定する。第2フック43は、第1フック42とともに裏板本体41を戸先框133に本固定する。第1フック42および第2フック43は、同じ形状を有する。
第1,第2フック42,43は、スチールやステンレスなどの金属により構成されている。第1,第2フック42,43は、第1,第2取付部421,431と、それぞれ一対ずつの第1,第2中間部422,432と、それぞれ一対ずつの第1,第2挟み部423,433とを備えるように構成されている。
【0070】
第1,第2取付部421,431の左右方向の長さは、第1実施形態の第1,第2取付部221,231の左右方向の長さと同じである。第1,第2取付部421,431の中央には、第1,第2フック固定ねじ挿通孔221A,231Aが形成されている。
各第1中間部422は、第1取付部421の上端および下端にそれぞれ設けられている。各第2中間部432は、第2取付部431の上端および下端にそれぞれ設けられている。各第1,第2中間部422,432は、第1実施形態の第1,第2取付部221,231に対する第1,第2中間部222,232と同じ角度で第1,第2取付部221,231に対して傾斜している。
各第1,第2挟み部423,433は、第1,第2取付部421,431に対して平行になるように、上側の第1,第2中間部422,432の上端および下側の第1,第2中間部422,432の下端にそれぞれ設けられている。
各第1,第2中間部422,432および各第1,第2挟み部423,433の左右方向の長さは、第1,第2取付部421,431および框連通孔133Eの左右方向の長さよりも短い。各第1,第2中間部422,432および各第1,第2挟み部423,433は、右側面が第1,第2取付部421,431の右側面と同一面上に位置し、かつ、左側面が第1,第2取付部421,431の左側面よりも右側に位置するように形成されている。
【0071】
第1取付部421および下側の第1中間部422は、第1接続部424を構成している。第2取付部431および上側の第2中間部432は、第2接続部434を構成している。第1,第2接続部424,434は、第1,第2フック固定ねじ挿通孔221A,231Aに挿通された第1,第2フック固定ねじ24,25と第1,第2フック固定ねじ螺合部212,213との螺合により、裏板本体41に着脱自在に取り付けられることで、第1,第2挟み部423,433と裏板本体41とを接続する。
第1,第2接続部424,434は、第1,第2挟み部423,433と裏板本体41との間に室内見付け面部133Aの一部を挟むことができるように構成されている。
【0072】
第1,第2フック42,43は、上述したような上下対称の形状を有するため、表裏反転させた裏板本体41に上下反転させて取り付けることにより、左右対称の構造を有するサポート引き手の外障子12への取り付けに用いることができる。
【0073】
次に、サポート引き手18の内障子13への取り付けに用いるスペーサ5の構成について説明する。
スペーサ5は、例えば樹脂により長板状に形成されている。スペーサ5は、サポート引き手18が内障子13に取り付けられた際に、その一部がサポート引き手18からはみ出すため、サポート引き手18と同じまたは似ている色であることが好ましい。スペーサ5の上下方向の長さは、サポート引き手18の上下方向の長さとほぼ同じであり、左右方向の長さは、サポート引き手18の左右方向の長さよりも長い。
スペーサ5の上下方向両端側には、部品固定ねじ173が挿通されるスペーサ側部品固定部材挿通孔51がそれぞれ形成されている。スペーサ側部品固定部材挿通孔51は、左右方向に延びる長孔状に形成されている。
スペーサ5の上下方向中心より若干下側、かつ、左右方向中心より若干左側には、上下方向に長い長方形状の開口部52が形成されている。開口部52内には、スペーサ5が内障子13に取り付けられた際に、各第1,第2中間部422,432および各第1,第2挟み部423,433が位置する。
スペーサ側部品固定部材挿通孔51における開口部52の左側の部分は、覆い部53を構成する。
【0074】
〔部品固定裏板の取付構造〕
次に、部品固定裏板4の戸先框133への取付構造について説明する。
図15に示すように、戸先框133の室内見付け面部133Aにおける框連通孔133Eの上方および下方には、それぞれ部品固定ねじ挿通孔133Fが形成されている。一対の部品固定ねじ挿通孔133Fは、それらの間隔がサポート引き手18の一対のねじ挿通孔171Bの間隔と同じになるように形成されている。また、一対の部品固定ねじ挿通孔133Fは、第1,第2実施形態では、框連通孔133Eの左右方向中心133G上に形成されていたのに対し、第3実施形態では、框連通孔133Eの左右方向中心133Gよりも右側、つまり戸先側にずれるように形成されている。
【0075】
部品固定裏板4は、裏板本体41が室内見付け面部133Aの中空部133D側の面に当接し、かつ、一対の部品固定ねじ螺合部211がそれぞれ一対の部品固定ねじ挿通孔133Fに連通するように、第1,第2フック42,43により戸先框133に本固定される。
部品固定裏板4が仮固定または本固定されている状態において、第1フック42の第1接続部424の右側縁が、下円弧面部133E2の右側の第1当接部分P1に当接し、第1接続部424の右側面が、右側の側方平面部133E1の一部である第3当接部分P3に面接触し、第1挟み部423が、裏板本体41とにより框連通孔133Eの下側に位置する第1周縁部Q1を挟んでいる。
部品固定裏板4が本固定されている状態において、第2フック43の第2接続部434の右側縁が、上円弧面部133E3の右側の第2当接部分P2に点接触し、第2接続部434の右側面が、右側の側方平面部133E1の一部である第4当接部分P4に面接触し、第2挟み部433が、裏板本体41とにより框連通孔133Eの上側に位置する第2周縁部Q2を挟んでいる。
また、左側の側方平面部133E1に、第1,第2フック42,43の第1,第2取付部421,431の左側面が面接触するが、第1,第2中間部422,432および第1,第2挟み部423,433の左側面が当接しない。
【0076】
〔部品交換方法〕
次に、引き手15をサポート引き手18に交換する部品交換方法について説明する。
第3実施形態の部品交換方法は、引き手取り外し工程と、ねじ挿通孔形成工程と、裏板準備工程と、スペーサ準備工程と、裏板仮固定工程と、裏板本固定工程と、部品取付工程とを備えている。裏板仮固定工程、裏板本固定工程、および、部品取付工程は、本発明の部品固定方法に含まれる。
なお、引き手取り外し工程および裏板仮固定工程は、第1実施形態と同じであるため、その他の工程について、第1実施形態と異なる作業を中心に説明する。
【0077】
ねじ挿通孔形成工程では、作業者は、交換対象のサポート引き手18を取り付けるための部品固定ねじ挿通孔133Fを室内見付け面部133Aに形成する。このとき、上述したように、部品固定ねじ挿通孔133Fを、その中心が框連通孔133Eの左右方向中心133Gよりも戸先側にずれた位置に形成する。
【0078】
裏板準備工程では、作業者は、操作用ねじ螺合部214に部品固定ねじ173が螺合されており、かつ、第1フック42が設けられているが第2フック43が設けられていない部品固定裏板4を準備する。
スペーサ準備工程では、作業者は、スペーサ5を準備する。
裏板仮固定工程後の裏板本固定工程では、作業者は、第2フック43を裏板本体41に取り付けることにより、部品固定裏板4を戸先框133に本固定する。
【0079】
部品取付工程では、作業者は、カバー174が取り付けられていないサポート引き手18を準備し、2つの部品固定ねじ173をそれぞれ上下のねじ挿通孔171B、スペーサ側部品固定部材挿通孔51および部品固定ねじ挿通孔133Fに挿通させて、部品固定ねじ螺合部211に螺合させることにより、サポート引き手18を戸先框133に取り付ける。
ここで、サポート引き手18は、部品固定ねじ挿通孔133Fが框連通孔133Eの左右方向中心133G上に形成されている場合と比べて、戸先側に固定される。このため、框連通孔133Eの左側の部分は、サポート引き手18の戸尻側から露出してしまうが、スペーサ5の覆い部53により覆われて室内側から見えなくなる。このため、引き違い窓1の意匠性低下を抑制できる。
また、スペーサ5のスペーサ側部品固定部材挿通孔51が左右方向に延びる長孔状に形成されているため、作業者は、スペーサ5の左右方向の位置を調整できる。
最後に、作業者は、2つのカバー174をそれぞれ上下のハンドル取付部171Aに取り付ける。
以上により、引き手15のサポート引き手18への交換が終了する。
【0080】
引き手15のサポート引き手18への交換後、図17に示すように、窓枠11の縦枠111における蹴り出し部183と同じ高さ位置に、蹴り出し部183により押圧されるブロック体112を固定する。内障子13は、引き手部182の操作時に蹴り出し部183がブロック体112を押圧したときの反力により、戸尻側へスライドする。
【0081】
〔第3実施形態の効果〕
第3実施形態では、戸先框133の部品固定ねじ挿通孔133Fおよび裏板本体41の部品固定ねじ螺合部211は、框連通孔133Eの左右方向(見付け方向)中心133Gより戸先側に位置するように形成されている。
このため、部品固定ねじ挿通孔133Fおよび部品固定ねじ螺合部211が框連通孔133Eの左右方向中心133G上に形成されている場合と比べて、サポート引き手18を戸先側に固定できるため、引き手部182の操作時に蹴り出し部183で縦枠111のブロック体112を押圧しやすくできる。また、サポート引き手18を後付けする場合でも、引き違い窓1の製造時にサポート引き手18を取り付ける場合(先付けの場合)に用いるブロック体112を利用できる。
【0082】
各第1,第2中間部422,432および各第1,第2挟み部423,433は、左右方向の長さが第1,第2取付部421,431および框連通孔133Eの左右方向の長さよりも短く、左側面(戸尻側の側面)が第1,第2取付部421,431の左側面よりも右側(戸先側)に位置するように形成されている。
このため、第1,第2フック42,43と覆い部53が干渉することなく、框連通孔133Eの左側の部分を覆い部53により覆うことができる。
かつ、サポート引き手18からの覆い部53のはみ出し量が少なくなるように、開口部52を形成しても、覆い部53をある程度太くすることができ、作業中などに切れてしまうことを抑制できる。
【0083】
[変形例]
裏板本体21,41に操作用ねじ螺合部214を設けずに、裏板本体21,41に操作部として機能する部品を取り付けることができないように構成しても良い。
【0084】
操作部は、裏板本体21,41に一体的に形成され、裏板本体21,41から取り外しできないように構成されても良い。この場合、ハンドル17やサポート引き手18に操作部を収容できる収容空間を設ければ良い。
【0085】
裏板本体21,21,41が本固定された際に、第2フック23,33,43の第2接続部234,331,434と第2当接部分P2,P2,P2とが当接しないようにして、裏板本体21,21,41の上下方向の位置決めが行われないようにしても良い。
【0086】
第1,第2フック固定ねじ挿通孔221A,231Aおよびスペーサ側部品固定部材挿通孔51のうち少なくとも1つを長孔状に形成せずに、丸孔状に形状しても良い。
【0087】
第1フック22,32,42は、裏板本体21,21,41に一体的に形成され、裏板本体21,21,41から取り外しできないように構成されても良い。
【0088】
裏板本体21,21,41が本固定された際に、第1フック22,32,42の第1接続部224,321,424と一方の第3当接部分P3,P13,P3と第2フック23,33,43の第2接続部234,331,434と一方の第4当接部分P4,P14,P4とが当接しないようにして、裏板本体21,21,41の左右方向の位置決めが行われないようにしても良い。
【0089】
裏板本体41の代わりに、裏板本体21と同じ形状の裏板本体を用い、当該裏板本体における左右方向中心上に、第1フック固定ねじ螺合部212、第2フック固定ねじ螺合部213および操作用ねじ螺合部214を形成し、当該左右方向中心よりも右側に、部品固定ねじ螺合部211形成しても良い。
第1,第2フック42,43の各第1,第2中間部422,432および各第1,第2挟み部423,433の左右方向の長さを、第1,第2取付部421,431と同じにしても良い。
第1フック42に、上側の第1中間部422および第1挟み部423を設けなくても良いし、第2フック43に、下側の第2中間部432および第2挟み部433を設けなくても良い。
【0090】
部品は、ハンドル16,17に限定されず、見付け面部に取り付けられる取っ手、見込み面部に取り付けられるクレセント錠など、框の見付け面部または見込み面部に取り付け可能ないずれの部品であっても良い。部品としての開放支援機能付き操作装置は、サポート引き手18に限定されず、見込み方向に延びる軸を中心にして回動する支援操作部としてのハンドル部と、当該ハンドル部の回動に伴い戸先側から突出する蹴り出し部と、を備えるサポートハンドルであっても良い。
部品が取り付けられる框は、上框、下框、戸先框、召し合わせ框のいずれであっても良い。
部品固定部材は、部品固定ねじ173に限定されず、部品と裏板本体21とを固定できる構成であれば良く、例えばブラインドリベットであっても良い。この場合、部品固定部材取付部は、部品固定ねじ螺合部211ではなく、雌ねじが形成されていない孔であっても良い。
【0091】
部品固定ねじ螺合部211が予め形成された裏板本体21,21,41を戸先框133に本固定する構成を例示したが、裏板本体21,21,41を戸先框133に本固定してから、例えば部品固定ねじ挿通孔133Fを介して部品固定ねじ螺合部211を形成しても良い。ハンドル17またはサポート引き手18のねじ挿通孔171Bが框連通孔133Eに対応する位置に形成されている場合、裏板本体21,21,41を戸先框133に本固定した後、框連通孔133Eから露出する位置に部品固定ねじ螺合部211を形成しても良い。
引き手15取付用の框連通孔133Eを加工することなく、部品固定裏板2,3,4を取り付ける構成を例示したが、框連通孔133Eが形成されていない戸先框133に框連通孔133Eを新たに形成して、部品固定裏板2,3,4を取り付けるようにしても良い。また、部品固定裏板2,3,4の大きさに応じて、引き手15取付用の框連通孔133Eを大きくしてから部品固定裏板2,3,4を取り付けるようにしても良い。
【0092】
[本発明のまとめ]
本発明の部品固定裏板は、框の中空部に配置可能に構成され、前記框に取り付けられる部品が固定される部品固定裏板であって、前記框に形成された框連通孔を介して、前記中空部に挿入される裏板本体と、前記裏板本体に設けられ、前記裏板本体を前記框に仮固定する第1フックと、前記裏板本体に着脱可能に構成され、前記第1フックとともに前記裏板本体を前記框に本固定する第2フックと、を備え、前記第1フックは、前記裏板本体とともに前記框連通孔の第1周縁部を挟む第1挟み部を備え、前記第2フックは、前記裏板本体とともに前記框連通孔の第2周縁部を挟む第2挟み部を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、裏板本体と第1挟み部とにより第1周縁部を挟むことにより、裏板本体を框に仮固定できるため、仮固定のためにねじを裏板本体に螺合させる構成と比べて、部品固定裏板を框に容易に固定することができる。
なお、裏板本体と第1挟み部とにより第1周縁部を挟む状態は、裏板本体と第1挟み部の両方が第1周縁部に当接する状態に限らず、裏板本体および第1挟み部のうち一方が第1周縁部に当接し、他方が第1周縁部から離れた位置において第1周縁部に対向する状態であっても良い。裏板本体と第2挟み部とにより第2周縁部を挟む状態についても、同様である。
【0093】
本発明の部品固定裏板において、前記裏板本体における前記第1フックと前記第2フックとの間には、前記裏板本体の移動時に操作される操作部が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、作業者は、操作部を持って容易に裏板本体を移動させることができる。
【0094】
本発明の部品固定裏板において、前記操作部は、螺合により前記裏板本体に着脱可能に取り付けられることが好ましい。
本発明によれば、裏板本体を框の内部に本固定した後、操作部を裏板本体から取り外すことにより、操作部に干渉されることなく部品を框に取り付けることができる。
【0095】
本発明の部品固定裏板において、前記框には、前記部品と前記框と前記裏板本体とを固定する部品固定部材が挿通される部品固定部材挿通孔が形成され、前記框連通孔は、前記框の長手方向に延びる長孔状に形成され、前記裏板本体には、前記部品固定部材挿通孔に連通された前記部品固定部材が取り付けられる部品固定部材取付部が形成され、前記第1フックは、前記裏板本体と前記第1挟み部とを接続し、前記框連通孔の長手方向の一端側の内周面または開口縁である第1当接部分に当接する第1接続部を備え、前記第2フックは、前記裏板本体と前記第2挟み部とを接続し、前記框連通孔の長手方向の他端側の内周面または開口縁である第2当接部分に当接する第2接続部を備え、前記裏板本体は、前記第1当接部分と前記第1接続部との当接、および、前記第2当接部分と前記第2接続部との当接により、前記框の長手方向の位置決めがされていることが好ましい。
本発明によれば、裏板本体の框長手方向の位置決めが行われるため、框に対する部品固定部材取付部の框長手方向の位置を安定させることができる。したがって、部品固定部材挿通孔に挿通された部品固定部材を部品固定部材取付部に容易に取り付けることができる。
【0096】
本発明の部品固定裏板において、前記第2接続部には、前記第2フックと前記裏板本体とを固定する第2フック固定ねじが挿通される第2フック固定ねじ挿通孔が形成され、前記裏板本体には、前記第2フック固定ねじが螺合される第2フック固定ねじ螺合部が形成され、前記第2フック固定ねじ挿通孔は、前記第1フックと前記第2フックの並び方向に延びる長孔状に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、框連通孔の長手方向の長さに応じて、裏板本体の框長手方向の位置決めが確実に行われるように、第1フックに対する第2フックの框長手方向の取り付け位置を調整することができる。
【0097】
本発明の部品固定裏板において、前記第1フックは、前記裏板本体に着脱可能に構成され、前記第1接続部には、前記第1フックと前記裏板本体とを固定する第1フック固定ねじが挿通される第1フック固定ねじ挿通孔が形成され、前記裏板本体には、前記第1フック固定ねじが螺合される第1フック固定ねじ螺合部が形成され、前記第1フック固定ねじ挿通孔は、前記第1フックと前記第2フックの並び方向に延びる長孔状に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、裏板本体に対する第1フックおよび第2フックの框長手方向の取り付け位置を調整することにより、框連通孔に対する部品固定部材取付部の框長手方向の位置を調整することができる。したがって、部品の框長手方向の取り付け位置を所望の位置に設定することができる。
【0098】
本発明の部品固定裏板において、前記框には、前記部品と前記框と前記裏板本体とを固定する部品固定部材が挿通される部品固定部材挿通孔が形成され、前記框連通孔は、前記框の長手方向に延びる長孔状に形成され、前記裏板本体には、前記部品固定部材挿通孔に連通された前記部品固定部材が取り付けられる部品固定部材取付部が形成され、前記第1フックは、前記裏板本体と前記第1挟み部とを接続し、前記框連通孔の短手方向の両端側の内周面または開口縁である第3当接部分に当接する第1接続部を備え、前記第2フックは、前記裏板と前記第2挟み部とを接続し、前記框連通孔の短手方向の両端側の内周面または開口縁である第4当接部分に当接する第2接続部を備え、前記裏板本体は、前記第3当接部分と前記第1接続部との当接、および、前記第4当接部分と前記第2接続部との当接により、前記框の短手方向の位置決めがされていることが好ましい。
本発明によれば、裏板本体の框短手方向の位置決めが行われるため、框に対する部品固定部材取付部の框短手方向の位置を安定させることができる。したがって、部品固定部材挿通孔に挿通された部品固定部材を部品固定部材取付部に容易に取り付けることができる。
【0099】
本発明の部品固定裏板において、前記框は、枠体内で見付け方向にスライドする障子の戸先框であり、前記戸先框の前記部品固定部材挿通孔および前記裏板本体の前記部品固定部材取付部は、前記框連通孔の見付け方向中心より戸先側に位置するように形成されていることが好ましい。
本発明によれば、部品固定部材を用いて、戸先框に開放支援機能付き操作装置を容易に取り付けることができる。
【0100】
本発明の部品固定方法は、上述の部品固定裏板を用いて框に部品を取り付ける部品固定方法であって、前記第1フックが設けられ、かつ、前記第2フックが設けられていない前記裏板本体を前記框連通孔を介して前記中空部に挿入した後、前記裏板本体と前記第1挟み部とにより前記第1周縁部を挟むように、前記裏板本体を移動させることにより、前記裏板本体を前記框に仮固定し、前記裏板本体と前記第2挟み部とにより前記第2周縁部を挟むように、前記仮固定された前記裏板本体に前記第2フックを取り付けることにより、前記第1フックとともに前記裏板本体を前記框に本固定し、部品固定部材により前記部品と前記裏板本体とを固定することを特徴とする。
本発明によれば、部品固定部材を用いて、部品と、框に固定された裏板本体とを固定することにより、框に部品を容易に取り付けることができる。
【0101】
本発明の部品固定方法において、前記部品は、ハンドルであることが好ましい。
本発明によれば、ハンドルを框に取り付けることにより、框を有する建具の操作性を向上させることができる。
【0102】
本発明の部品固定方法は、上述の部品固定裏板を用いて戸先框に部品を取り付ける部品固定方法であって、前記部品は、支援操作部および前記支援操作部の操作時に戸先側から突出する蹴り出し部を有する開放支援機能付き操作装置であり、前記第1フックが設けられ、かつ、前記第2フックが設けられていない前記裏板本体を前記框連通孔を介して前記中空部に挿入した後、前記裏板本体と前記第1挟み部とにより前記第1周縁部を挟むように、前記裏板本体を移動させることにより、前記裏板本体を前記框に仮固定し、前記裏板本体と前記第2挟み部とにより前記第2周縁部を挟むように、前記仮固定された前記裏板本体に前記第2フックを取り付けることにより、前記第1フックとともに前記裏板本体を前記框に本固定し、前記部品固定部材挿通孔に部品固定部材を挿通させて前記部品固定部材取付部に取り付けることにより前記開放支援機能付き操作装置と前記裏板本体とを固定する。
本発明によれば、部品固定部材を用いて、戸先框に開放支援機能付き操作装置を容易に取り付けることができる。また、部品固定部材挿通孔および部品固定部材取付部が框連通孔の見付け方向中心上に形成されている場合と比べて、開放支援機能付き操作装置を戸先側に固定できるため、支援操作部の操作時に蹴り出し部で枠体の縦枠、または、縦枠に取り付けられたブロック体を押圧しやすくできる。
【符号の説明】
【0103】
1…引き違い窓(建具)、2,3,4…部品固定裏板、5…スペーサ、16,17…ハンドル(部品)、18…サポート引き手(部品、開放支援機能付き操作装置)、21,41…裏板本体、22,32,42…第1フック、23,33,43…第2フック、24…第1フック固定ねじ、25…第2フック固定ねじ、26…操作用ねじ(操作部)、52…開口部、53…覆い部、123,133…戸先框(框)、123A,133A…室内見付け面部、133D…中空部、133E…框連通孔、133E1…側方平面部、133E2…下円弧面部、133E3…上円弧面部、133F…部品固定ねじ挿通孔(部品固定部材挿通孔)、173…部品固定ねじ(部品固定部材、操作部)、211…部品固定ねじ螺合部(部品固定部材取付部)、212…第1フック固定ねじ螺合部、213…第2フック固定ねじ螺合部、214…操作用ねじ螺合部、221A,324A…第1フック固定ねじ挿通孔、223,322,423…第1挟み部、224,321,424…第1接続部、231A,334A…第2フック固定ねじ挿通孔、233,332,433…第2挟み部、234,331,434…第2接続部、323A…第1フック円弧面部、333A…第2フック円弧面部、P1,P11…第1当接部分、P2,P12…第2当接部分、P3,P13…第3当接部分、P4,P14…第4当接部分、Q1,Q11…第1周縁部、Q2,Q12…第2周縁部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
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図17