(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094219
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20240702BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240702BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240702BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20240702BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240702BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240702BHJP
【FI】
G08G1/09 F
G08G1/00 D
G01C21/26 C
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023141898
(22)【出願日】2023-09-01
(62)【分割の表示】P 2022210141の分割
【原出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】514235341
【氏名又は名称】株式会社スマートドライブ
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭佐
(72)【発明者】
【氏名】岩田 卓也
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB26
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE78
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2F129FF02
2F129FF11
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF51
2F129FF57
2F129FF62
2F129FF71
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH20
2F129HH22
2F129HH35
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181MB02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡易に移動体のステータスを把握可能とする。
【解決手段】情報処理装置は、第1移動体の走行情報を路側機を介して取得する走行情報取得部と、走行情報取得部による第1移動体の走行情報の取得において、最新の走行情報の取得に対応する時刻からの第1経過時間をカウントするカウント部と、第1移動体に対応するアイテムを、第1経過期間が第1所定時間を経過するまでは第1態様で出力し、第1所定期間を経過した後は第1態様とは異なる第2態様で出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1移動体の走行情報を路側機を介して取得する走行情報取得部と、
前記走行情報取得部による前記第1移動体の走行情報の取得において、最新の走行情報の取得に対応する時刻からの第1経過時間をカウントするカウント部と、
前記第1移動体に対応するアイテムを、前記第1経過期間が第1所定時間を経過するまでは第1態様で出力し、前記第1所定期間を経過した後は前記第1態様とは異なる第2態様で出力する出力部と、
を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置は、
地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記地図情報における、前記第1移動体が直近に近傍を通過した路側機の位置を特定する路側機位置特定部と、
を更に備え、
前記出力部は、前記特定された路側機の位置に前記アイテムを前記地図情報に重畳して出力し、前記特定された路側機の位置を含む閉領域を前記地図情報に重畳して出力する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置は、
前記路側機位置特定部は、前記地図情報における、前記特定された路側機の位置の周辺にある少なくとも1つの路側機である周辺路側機の位置情報を取得し、
前記閉領域は、前記周辺路側機の位置情報に基づいて構成される、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記経過時間が第2所定時間を経過した後は、前記閉領域の大きさが増加する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第2態様は、前記第1移動体が停止している状態であるか、または移動中であるが走行情報を取得するに至っていない状態のどちらであるか分からないことと紐づけられている、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1又は5に記載の情報処理装置であって、
前記走行情報取得部は、第2移動体の走行情報を定期的に取得し、
前記カウント部は、前記走行情報取得部による前記第2移動体の走行情報の取得において、最新の走行情報の取得に対応する時刻からの第2経過時間をカウントし、
前記出力部は、前記第2移動体の走行情報に基づいて、前記第2移動体に対応するアイテムを、前記第2経過期間が第3所定時間を経過するまでは第1態様で出力し、前記第3所定期間を経過した後は前記第1態様とは異なる第3態様で出力する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記第3態様は、前記第2移動体が停止している状態と紐づけられている、
情報処理装置。
【請求項8】
移動体の走行情報を路側機を介して取得する走行情報取得部と、
前記走行情報が第1の路側機を介して取得された後に、第2の路側機を介して取得されたときは、前記第1の路側機と前記第2の路側機とが紐づけられている旨を出力する出力部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項9】
移動体の走行情報を路側機を介して取得する走行情報取得部と、
地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記走行情報が第1の路側機を介して取得された後に、第2の路側機を介して取得されたときは、前記第1の路側機の位置に前記移動体が存在したことに対応するアイテムを前記地図情報に重畳して出力する出力部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項10】
移動体の走行情報を路側機を介して取得する走行情報取得部と、
地図情報を取得する地図情報取得部と、
前記走行情報が第1の路側機を介して取得された後に、第2の路側機を介して取得されたときは、前記取得された走行情報に基づいて、前記第1の路側機と前記第2の路側機との間の経路の少なくとも一部を前記地図情報に重畳して出力する出力部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項11】
第1移動体の走行情報を路側機を介して取得することと、
前記走行情報取得部による前記第1移動体の走行情報の取得において、最新の走行情報の取得に対応する時刻からの第1経過時間をカウントすることと、
前記第1移動体に対応するアイテムを、前記第1経過期間が第1所定時間を経過するまでは第1態様で出力し、前記第1所定期間を経過した後は前記第1態様とは異なる第2態様で出力することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
第1移動体の走行情報を路側機を介して取得することと、
前記走行情報取得部による前記第1移動体の走行情報の取得において、最新の走行情報の取得に対応する時刻からの第1経過時間をカウントすることと、
前記第1移動体に対応するアイテムを、前記第1経過期間が第1所定時間を経過するまでは第1態様で出力し、前記第1所定期間を経過した後は前記第1態様とは異なる第2態様で出力することと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体から取得された走行情報に基づいて、運転の評価に関する情報を行うサービスがある。係るサービスにより、運転品質を認識させ、運転品質の改善を促すことや、また運転品質が改善されることで、燃費の向上、事故の減少等をもたらすことができ、更には、複数の車両の運用効率を改善することが可能である。
【0003】
例えば、特許文献1には、ドライブレコーダ等の車載記録装置から取得した加速度情報等の走行情報を解析することにより得られる運転精度と基準運転精度との比較結果に応じて、運転スタイルの改善を喚起する喚起情報を通知する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、走行情報を移動体から取得するにあたって、各移動体において同一の走行情報取得のための装置を利用できるとは限らず、多様な装置を利用することがありうる。この場合、走行情報を装置にて取得するタイミングや、装置にて取得し蓄積された走行情報をサーバへ送信するタイミングが装置によって異なることがある。
【0006】
走行情報を装置にて取得するタイミングや、蓄積された走行情報をサーバへ送信するタイミングが異なると、リアルタイムまたはそれに準じるタイミングで各移動体のステータスを表示するにあたって、例えば、エンジンを切って停車した状態になったことを表示する場合などにおいて、同じステータスであっても装置の種類によって異なった表示となってしまい、表示を閲覧したユーザが各移動体のステータスを簡易に把握しづらいという課題がある。
【0007】
本発明の目的は、簡易に移動体のステータスを把握可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によると、情報処理装置は、第1移動体の走行情報を路側機を介して取得する走行情報取得部と、前記走行情報取得部による前記第1移動体の走行情報の取得において、最新の走行情報の取得に対応する時刻からの第1経過時間をカウントするカウント部と、前記第1移動体に対応するアイテムを、前記第1経過期間が第1所定時間を経過するまでは第1態様で出力し、前記第1所定期間を経過した後は前記第1態様とは異なる第2態様で出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易に移動体のステータスを把握可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態における移動体の運転の評価を制御するシステムのシステム構成図である。
【
図2】本実施形態における移動体1に備えられた情報処理装置10の機能構成を示す図である。
【
図3】本実施形態におけるサーバ20の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態における管理者端末30の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態における走行情報取得・送信処理のフローチャートである。
【
図6】本実施形態における運転評価処理のフローチャートである。
【
図7】本実施形態における移動体1の経路を地図情報に重畳して表示した例、算出した運転スコアを表示した例、更新された加速度マップを表示した例である。
【
図8】本実施形態における様々な態様の表示(他態様表示については後述する)が地図情報上になされたものの例である。
【
図9】変形例における閉領域を合わせて表示した場合の例である。
【
図10】変形例における、移動体1が移動体1aであった場合において、直近に近傍を通過した路側機と、その前に近傍を通過した路側機とを紐づけて表示した場合の例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の例として、一実施形態について図面を参照して説明する。
なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
また、これらの実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0012】
<機能構成>
図1は、本実施形態の一態様に係る、移動体の運転の評価を制御するシステムのシステム構成図である。本システムにおいては、各移動体1a、1b、1cにおいてそれぞれ設けられた情報処理装置10a,10b,10cによって各移動体における走行情報がそれぞれの頻度によって収集され蓄積される。そして、各情報処理装置10において蓄積された走行情報は、それぞれのタイミングでサーバ20に送信され蓄積される。サーバ20に蓄積された走行情報に基づいて様々な処理が行われ、例えば、各移動体についての運転評価情報が生成される等の処理が行われて、対応して、管理者端末30において、運転評価情報に基づいた表示が出力される。
【0013】
ここで、走行情報とは、移動体1の走行に関する任意の情報であってよく、例えば、位置に関する情報、速度に関する情報、加速度に関する情報などが挙げられるが、これらに限られない。また、走行情報は1種類の情報によって構成されることに限られず、複数の情報を含んで構成されてもよく、例えば、走行情報は、位置情報と加速度情報を含んで構成されていてもよい。走行情報は、各情報処理装置10に固有のタイミングで収集され、また、情報処理装置10に蓄積された走行情報は固有の方法又はタイミングでサーバ20に送信される。例えば、ある情報処理装置10においては、毎秒ごとに走行情報が収集され、収集された走行情報は、毎分ごとに無線ネットワークを介してサーバ20に送信される。一方で、他の情報処理装置10においては、走行情報は10秒ごとに収集され、収集された走行情報は10分ごとにサーバ20に送信される。更には、ある情報処理装置10においては、走行情報は走行が所定条件を満たした際(例えば、200メートル走行した場合や、45度以上の方位角の変化があった場合など)に収集され、走行情報のサーバ20への送信は、情報処理装置10が搭載された移動体1の位置に応じて、例えば、サーバ20に接続された路側機の近傍を移動体1が通過した際に路側機を介して行われる(例えば、ETC2.0による方式が挙げられる)。
【0014】
また、走行情報が複数の種類の情報を含む場合は、走行情報として一括で収集及びサーバ20への送信がなされることとしてもよいし、又はそれぞれ別の頻度又は方法で収集、サーバ20への送信がなされることとしてもよい。例えば、ある情報においては第1の頻度で収集され、第2の頻度でサーバ20に送信される一方で、別の情報においては第1の頻度とは異なる第3の頻度で収集され、第2の頻度とは異なる第4の頻度でサーバ20に送信されることとしてもよい。
【0015】
運転評価情報とは、移動体1の運転の評価に関する情報であり、限定ではなく例として、運転品質をスコア化した情報である運転スコア情報、各移動体の位置情報に基づいて描写された経路情報、急ハンドル、急加速、急減速などの危険運転と思われるイベント情報(例えば、前記経路情報に重畳して表示する)、所定期間において観測された加速度情報の頻度を分布化したもの等が挙げられる。運転評価情報の詳細については後述する。
【0016】
移動体1(本実施形態においては1a、1b、1cと各種存在するが、包括して説明できる場合は移動体1と表現する)は、本実施形態では、ビジネス上利用される車両とするが、特にそのような車両に限定されない。なお、移動体1には情報処理装置10(本実施形態においては10a、10b、10cと各種存在するが、包括して説明できる場合は情報処理装置10と表現する)が備えられており、その詳細については後述する。
【0017】
図2は、
図1の移動体1に備えられた情報処理装置10の機能構成を示す図である。
本実施形態における情報処理装置10は、例えば、移動体1のソケット(一例として、シガーソケット、電気供給用ソケット、又は、接続用ソケット)に挿入して、移動体1内に固定することができる(本実施形態においては、「シガーソケット装置」と呼ぶ)。電気供給用ソケット又は接続用ソケットは、たとえばUSB(Universal Serial Bus)をサポートするソケットである。無論、情報処理装置10はかかるものに限定されず、例えば、ドライブレコーダー、カーナビゲーション装置、デジタコ等の移動体1に備えられる装置や、スマートフォン等移動体1の乗車者によって保有される機器等の他、ETC2.0の方式に基づいて走行情報を収集、送信等する機器等、任意の機器であってよく、少なくとも移動体1の走行情報を収集しサーバ20に送信することができるものであればよい。情報処理装置10は、例えば、処理部110、記憶部120、通信部130、表示部140、走行情報取得部150、時計部160、操作部170及び音出力部180を備えて構成される。
【0018】
情報処理装置10は、上述したように、走行情報を各情報処理装置10に固有のタイミングで継続的に取得し、時計部160にて取得される時間情報と紐付けて記憶部120に記憶する。そして、記憶された取得した走行情報を、固有のタイミングで通信部130を通じてネットワークNWに接続されたサーバ20に送信する。
【0019】
処理部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)を含む処理演算装置によって構成される。処理部110は各データに対する各種処理を行うとともに、記憶部120に格納されたプログラムを読み出して実行することで、通信部130、及び位置情報取得部140の各機能部を制御する。
【0020】
記憶部120は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、処理部110が処理する制御プログラムや、各種データ、例えば、各機能部によって取得した情報等を記憶する。なお、記憶部120は、情報処理装置10に内蔵されるものに限らず、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0021】
本実施形態では、記憶部120には、例えば、走行情報取得・送信処理プログラム121と、走行情報データベース122とが記憶される。
【0022】
走行情報取得・送信処理プログラム121は、処理部110によって読み出され、後述する走行情報取得・送信処理として実行されるプログラムである。
【0023】
走行情報データベース122は、各移動体1について取得された走行情報が蓄積記憶されるデータベースである。
走行情報は後述する時計部160によって発行される時刻情報と紐付けられて走行情報データベース122に記憶されるため、走行情報がいつ取得されたのかを把握可能な態様で走行情報データベース122に蓄積されている。
【0024】
通信部130は、例えば、LTE(Long Term Evolution)や3G、4G、5G等の移動体通信、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の狭帯域通信を用いて、インターネット等の公共のネットワークに接続し、同ネットワークに接続されたサーバー20等の各機器とのデータ通信が可能なモジュールである。または、DSRCを利用して双方向通信を行うETC2.0に対応した通信により、情報のやり取りを行うこととしてもよい。
例えば、通信部130を通じて、情報処理装置10はサーバー20と走行情報等のデータのやり取りを行う。
【0025】
表示部140は、例えば、LCD等を有して構成される表示装置であり、処理部110から出力される表示信号に基づいた各種の表示を行う。表示部140は、タッチパネルと一体的に構成されてタッチスクリーンを形成してもよい。
【0026】
走行情報取得部150は、例えば、走行情報が位置情報を含む場合は、任意の位置情報取得手段によって位置情報を取得してよいが、例えば、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいて、情報処理装置10の位置情報(例えば、緯度経度情報)を所定間隔で取得する。すなわち、情報処理装置10を備える移動体1の位置情報を取得することができる。転じて、情報処理装置10を備える移動体1を利用することで、実質的に移動体1の位置情報を取得することができる。また例えば、走行情報が速度情報を含む場合は、任意の速度情報取得手段によって速度情報を取得してよいが、例えば、移動体1に搭載される不図示の車速パルス取得部によって取得される車速パルス情報を取得し、その車速パルス情報に基づいて移動体1の速度情報を所定間隔で取得する。または、別途取得された位置情報に基づいて速度情報を算出することとしてもよい。また例えば、走行情報が加速度情報を含む場合は、任意の加速度情報取得手段によって加速度情報を取得してよいが、例えば、圧電型加速度センサによって加速度を取得する。または、別途取得した位置情報や、速度情報に基づいて、車両の加速度を算出することとしてもよい。
取得された走行情報は、当該走行情報を取得した時刻(現在時刻)に関する情報と紐付けられて、記憶部120に格納される。
【0027】
ここで、位置情報が走行情報に含まれる場合は、位置情報を取得する際に、その位置情報の精度を示す精度値(例えば、DOP値)を取得することとしてもよい。この場合、取得された位置情報及び精度値が現在時刻と紐付けられて、記憶部120に格納される。
【0028】
なお、位置情報の取得方式は、上記のものに限られず、任意の位置情報取得方式を適用してよい。例えば、道路脇に設置された路側機により発せられる当該路側機に固有の位置情報を含んだ電波を、情報処理装置10が備えられた移動体1が近接した際に位置情報取得部140が受信することで、情報処理装置10の位置情報を取得することとしてもよい。
【0029】
時計部160は、情報処理装置10の内蔵時計であり、時刻情報(計時情報)を出力する。時計部160は、例えば、水晶発振器を利用したクロック等を有して構成される。
なお、時計部160は、NITZ(Network Identity and Time Zone)規格等を適用したクロックを有して構成されてもよい。
【0030】
操作部170は、操作ボタンや操作スイッチといった、ユーザが情報処理装置10に対する各種の操作入力を行うための入力装置を有して構成される。また、操作部170は、表示部140と一体的に構成されたタッチパネルを有してもよく、このタッチパネルは、ユーザと情報処理装置10との間の入力インターフェースとして機能してもよい。操作部170からは、ユーザ操作に従った操作信号が処理部110に出力される。
【0031】
音出力部180は、スピーカ等を有して構成される音出力装置であり、処理部110から出力される音出力信号に基づいた各種の音出力を行う。
【0032】
本実施形態では、移動体1aにおいて搭載されている情報処理装置10aはETC2.0の方式に基づき機能する車載器であり、走行情報(例えば、プローブ情報)の取得は走行に応じた第1タイミング(例えば、移動体1が所定距離として200mまたは所定の方位角として45度の移動を行うごと)で行われ、蓄積した走行情報のサーバ20への送信は不定期的な第2タイミング(例えば、移動体1aがETC2.0方式に対応した路側機の近傍を通過するごと)で行われることとする。また、移動体1bにおいて搭載されている情報処理装置10bはユーザによって保持されるスマートフォンであり、走行情報の取得は定期的な第3タイミング(例えば、毎10秒)で行われ、蓄積した走行情報のサーバ20への送信は定期的な第4タイミング(例えば、毎5分)の間隔で行われることとする。また、移動体1cにおいて搭載されている情報処理装置10cはシガーソケット装置であり、走行情報の取得は定期的な第5タイミング(例えば、毎秒)で行われ、蓄積した走行情報のサーバ20への送信は定期的な第6タイミング(例えば、毎分)で行われることとする。
【0033】
なお、第3?第6タイミングにおいては、定期的に走行情報の取得が行われることとしているが、走行情報の取得は等間隔の頻度で行われることに限られないのはもちろんであり、任意の間隔の頻度であってよい。
【0034】
図3は、
図1のサーバ20の機能構成を示すブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、処理部210、記憶部220、通信部230を備えて構成される。
サーバ20は、例えば、インターネット等のネットワークを通じて接続された情報処理装置10等から位置情報等の様々な走行情報を受信し、記憶部220に記憶する。また、サーバ20においては様々な処理が行われ、例えば、記憶された情報に基づいて、後述する運転ステータス出力処理のほか、加速度情報の算出、運転レポート情報の生成等を行う。
【0035】
処理部210は、情報処理装置10の処理部110と同様に、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)を含む処理演算装置によって構成される。処理部210は各データに対する各種処理を行うとともに、記憶部220に格納されたプログラムを読み出して実行する。また、
【0036】
記憶部220は、情報処理装置10の記憶部120と同様に、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、処理部210が処理する制御プログラムや、各種データ、例えば、機器の識別情報が登録された搭載機器テーブルなどを記憶する。なお、記憶部220は、サーバー20に内蔵されるものに限らず、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0037】
本実施形態では、記憶部220には、例えば、運転ステータス出力処理プログラム221と、総合走行情報データベース222とが記憶される。
【0038】
運転ステータス出力処理プログラム221は、処理部210によって読み出され、後述する運転ステータス出力処理として実行されるプログラムである。
【0039】
総合走行情報データベース222は、各移動体1に備えられた情報処理装置10から送信される走行情報を統合して蓄積記憶したデータベースである。
上述したように、走行情報は時刻情報と紐付けられており、走行情報がいつ取得されたのかが把握できる態様で総合走行情報データベース222に蓄積されている。
【0040】
通信部230は、有線通信インターフェースを用いて、または、情報処理装置10の通信部130と同様に、例えば、LTE(Long Term Evolution)や3G等の移動体通信、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の狭帯域通信を用いて、インターネット等のネットワークに接続し、同ネットワークに接続された情報処理装置10等の各機器とのデータ通信が可能なモジュールである。
【0041】
図4は、
図1の管理者端末30の機能構成を示すブロック図である。本実施形態における管理者端末30は、限定ではなく例として、タブレットやラップトップPCなどの電子機器であればよく、例えば、処理部310、記憶部320、通信部330、表示部340、操作部370、及び音出力部380を備えて構成される。
これら各機能部、処理部310、記憶部320、通信部330、表示部340、操作部370、及び音出力部380の構成は、情報処理装置10の処理部110、記憶部120、通信部130、表示部140、操作部170、及び音出力部180とほぼ同様であってよいため、これらの詳細な説明は省略する。
【0042】
<走行情報取得・送信処理>
以下、各情報処理装置10によって行われる、走行情報取得・送信処理について説明する。
図5は、本実施形態における走行情報取得・送信処理のフローチャートである。
【0043】
図5に示すように、まず、走行情報を取得する対象である移動体1における情報処理装置10が機能しているかどうかを判断する(S11)。すなわち、情報処理装置10が機能していれば、走行情報の取得、蓄積及び送信が可能であるため、それを確認することと基本的に同義である。なお、機能しているとは、電源が入っていて、かつ期待される処理を問題なく行える状態であることを指し、例えば、電源が入っていない状態や、電源が入っていても故障していて期待される処理が行えない状態であれば、機能していないことを意味する。なお、本ステップは省略してもよい。この場合、例えば、電源が入っていない状態であれば、自動的に走行情報の送信等各機能が発揮できない状態となるので、走行情報取得・送信処理を行うことができなくなるため、機能していないと判断される場合と同義となる。
【0044】
ステップS11において、機能していると判断されれば(S11;Y)、情報処理装置10は走行情報取得部150を通じて走行情報を取得する(S12)。機能していないと判断されれば、(S11;N)、走行情報取得処理を終了する。すなわち、再度走行情報取得処理が開始される(例えば、情報処理装置10の電源がONになる)まで、走行情報が取得されない状態となる。
【0045】
情報処理装置10において取得された走行情報は、記憶部120に記憶される(S13)。この際、時計部160において取得された時刻情報と紐づけられて記憶される。すなわち、いつその走行情報が情報処理装置10において取得されたかが把握可能な態様で記憶される。
【0046】
次に、所定条件を満たすかどうかが判断される(S14)。所定条件は、情報処理装置10における走行情報のサーバ20への送信に関する設定に応じて異なるものであり、例えば、本実施形態においては、情報処理装置10aでは、情報処理装置10aから走行情報を収集可能な路側機の近傍に移動体1aが位置したことを所定条件とし、情報処理装置10bでは、ステップS11にて走行情報の取得を開始してから、又は最後にサーバ20に走行情報を送信してから第1所定時間(例えば、5分)が経過したことを所定条件とし、情報処理装置10cでは、ステップS11にて走行情報の取得を開始してから、又は最後にサーバ20に走行情報を送信してから第2所定時間(例えば、1分)が経過したことを所定条件とする。
【0047】
所定条件を満たす場合(S14;Y)は、記憶部120に蓄積された走行情報をサーバ20へ送信する(S15)。すなわち、S12の処理を繰り返し行なって取得され記憶された走行情報をまとめてサーバ20へ送信する。所定条件を満たさない場合(S14;N)は、ステップS11へ戻りステップS12及びS13の処理が繰り返される。なお、ステップS14において所定条件を満たさない場合において繰り返される頻度、すなわち、情報処理装置10における走行情報の取得頻度は各情報処理装置10によって異なっていてよく、例えば上述した通り、情報処理装置10aにおいては第1頻度、情報処理装置10bにおいては第3頻度、情報処理装置10cにおいては第5頻度で行われる。
【0048】
ステップS15の後は、記憶部20に記録された走行情報を削除する(S16)。このようにすることで、以降新たに取得した走行情報を改めて蓄積していく仕組みとなっている。
【0049】
ステップS15の後は、ステップS11へ戻り以降の処理が繰り返される。
【0050】
このようにすることで、各情報処理装置10からは、当該情報処理装置10が機能している間(例えば、電源が入っている間)は、所定期間蓄積された走行情報がサーバ20へ所定頻度で継続して送信されることになる。すなわち、走行情報が送信されている限りは、情報処理装置10は機能していることが区別可能となる。
【0051】
<運転ステータス出力処理>
以下、サーバ20によって行われる、運転ステータス出力処理について説明する。
図6は、本実施形態における運転ステータス出力処理のフローチャートである。
【0052】
運転ステータス出力処理とは、各移動体1に搭載された情報処理装置10から送信されてくる走行情報を用いて、好ましくはリアルタイムに近い態様で、各移動体1の位置、運転ステータス等を出力するものである。
また、運転ステータス出力処理は移動体1について行われるものであるが、複数の移動体1が存在する場合はそれぞれについて並行して行われることが好ましい。以下においては、並行して行われる処理のうち1つの移動体1についての処理について説明する。
【0053】
図6に示すように、まず、サーバ20は、処理対象となる移動体1に関する走行情報のうち、未処理の走行情報が記憶部220における総合走行情報データベース222に存在するかどうかを判断する(S201)。未処理であるとは、後述するステップS202以下の処理の対象とはまだなっていないことを意味する。
【0054】
存在する場合(S201;N)は、不存在時間カウントをリセットする(S202)。不存在時間カウントについては後述する。また、リセットするとは、例えば、初期化すること、すなわち不存在時間カウントを0とすることを意味する。
【0055】
次に、未処理の走行情報を特定する(S203)。特定された走行情報は、ステップS204以降の処理の対象とする。
【0056】
そして、ステップS203にて特定された走行情報に基づいた処理処理を実施する(S204)。かかる処理として、例えば、移動体1の経路を地図情報に重畳して表示する、運転スコアを算出する、加速度マップを更新する、等が挙げられる。
図7は、移動体1の経路を地図情報に重畳して表示した例、算出した運転スコアを表示した例、更新された加速度マップを表示した例を示す。
なお、ステップS204は省略してもよい。
【0057】
そして、特定された走行情報のうち最新の走行情報に基づいて、地図情報において対応する位置に、第1態様で示されるアイテムの表示を行う(S205)。第1態様とは、走行情報が大きな遅延なく取得できている状態を示すものであり、本実施形態においては、例えば
図8に示すような、自動車の形状の表示とその進行方向の表示と合わせて、車両名をその下部に表示したものが挙げられる。
図8は様々な態様の表示(他態様による表示については後述する)が地図情報上になされたものの例であり、第1態様は、例えば、車両名Aや車両名Cについて示されたアイテムが該当する。
【0058】
ステップS205の実行後は、所定時間待機(S206)した後、ステップS201に戻る。この所定時間は、例えば1分間等、情報処理装置10の種類にかかわらず一定でもよい、または、処理対象となる走行情報を取得する情報処理装置10によって異なっていてよく、例えば、走行情報がサーバ20に送信されるまでの蓄積される時間に対応するものであってよく、また、情報処理装置10それぞれについて異なっていてもよい。例えば、情報処理装置10aであれば60秒、情報処理装置10bであれば第4タイミングに対応する期間、情報処理装置10cであれば第6タイミングに対応する期間より短い時間であってよい。この所定時間の長さは任意であってよいが、各情報処理装置10からの走行情報の送信が2回以上発生しないような時間の長さであることが好ましい。
【0059】
または、ステップS206は省略してもよい。このようにすることで、表示後すぐにステップS201の判断が行われるが、不存在時間カウントによって各表示に関する処理は制御可能であるためである。
【0060】
一方で、S201において、未処理の走行情報が存在しない場合(S201;Y)は、不存在時間カウントが0より大きい値であるかどうかを判断する(S207)。この不存在時間カウントは、未処理の走行情報が存在しないと確認された時点から経過した時間に対応するものである。
なお、未処理の走行情報が存在しない場合とは、実質的に、情報処理装置10からの走行情報の送信が途絶えている状態であり、情報処理装置10が機能していないか、または、情報処理装置10からの走行情報の送信のための条件が満たされていない状態であることに対応する。
【0061】
不存在時間カウントが0より大きい値でない場合(S207;N)、すなわち、不存在時間カウントが0である場合は、不存在時間カウントを開始する(S208)。不存在時間カウントを開始するとは、ステップS208を起点とした経過時間を不存在時間カウントとすることを意味する。
【0062】
ステップS208の後はステップS205に進む。
【0063】
一方で、ステップS207において、不存在時間カウントが0より大きい値であった場合(S207;Y)は、不存在時間カウントが、所定閾値より大きい値であるかどうかを判断する(S209)。所定閾値とは、その値を閾値として、移動体1が移動中であるか、またはエンジンが切れている等の理由により停止中またはオフラインであるかどうかを決定するためのものである。すなわち、情報処理装置10が所定の頻度で走行情報をサーバ20に送信することが期待されているところ、所定閾値に対応する期間待機しても走行情報が取得されない状態である場合は、かかる情報処理装置10を搭載した移動体1は停車しエンジンが切れている、又は走行情報をサーバ20へ送信するための所定の条件が満たされていない状態であると推定する。
この所定閾値は、情報処理装置10の種類によらず同一の値であってもよいし、各情報処理装置10によって異なる値であってもよい。
【0064】
ステップS209において、不存在時間カウントが所定閾値より大きい値ではない場合(S209;N)は、処理はステップS205に戻る。すなわち、最新の走行情報に対応した位置に第1態様での表示を行いつつ、情報処理装置10における走行情報の所定量の蓄積に伴うサーバ20への送信待ちの状態とする。
【0065】
一方で、不存在時間カウントが所定閾値より大きい値である場合(S209;Y)は、情報処理装置10が走行情報をサーバ20に送信するにあたり、その頻度が不定期なものであるかどうかを判断する(S210)。頻度が不定期なものであるとは、例えば本実施形態においては、情報処理装置10が情報処理装置10aである場合が該当する。すなわち、移動体1が路側機の近傍に位置することで走行情報のサーバ20への送信が行われる場合など、サーバ20への走行情報の送信が定期的なトリガーによるものでない場合である。逆に、頻度が不定期なものでない場合、つまり、頻度が定期的なものである場合とは、例えば本実施形態においては、情報処理装置10が情報処理装置10bや情報処理装置10cである場合、すなわち、所定の時間が経過する度に蓄積された走行情報がサーバ20へ送信される場合が該当する。
【0066】
頻度が不定期的なものである場合(S210;Y)は、その時点における最新の走行情報に基づいて、地図情報上の対応する位置に第2態様でのアイテム表示を行う(S212)。第2態様とは、情報処理装置10から不定期に走行情報がサーバ20へ送信される仕組み下において、走行情報が所定閾値時間以上取得できていない状態を示すものであり、本実施形態においては、例えば、
図8に示すように、車両を正面から見た画像の表示と合わせて、その下部に車両名と不存在時間カウントに対応する情報を表示したものが挙げられる。
図8に挙げる例においては、第2態様は、車両名Jや車両名Lに関するアイテムが該当する。
【0067】
好ましくは、第2態様は、移動体1が停止している状態であるか、または移動中であるが走行情報を取得するに至っていない状態のどちらであるか分からない旨と紐づけられている。例えば、第2態様のアイコンが、その様な意味であることを説明する文章が提示されていることや、
図8にて示すように、移動体の進行方向が特定されておらず、また走行情報が取得できていないオフラインの状態であることを示す点線の円が表示されていることと対応する。
【0068】
頻度が不定期的なものでない場合(S210;N)は、その時点における最新の走行情報に基づいて、地図情報上の対応する位置に第3態様でのアイテム表示を行う(S211)。第3態様とは、情報処理装置10から定期的に走行情報がサーバ20へ送信される仕組み下において、走行情報が所定閾値時間以上取得できていない状態を示すものであり、本実施形態においては、例えば、停車の「停」の文字の画像の表示と合わせて、その下部に車両名と不存在時間カウントに対応する情報を表示したものが挙げられる。
図8においては、第3態様は、例えば、車両名Gや車両名Hに関するアイテムが該当する。
【0069】
すなわち、移動体1に搭載された情報処理装置10からの走行情報の送信が途絶えた状態が所定閾値時間以上継続した状況下において、情報処理装置10が、情報処理装置10bや情報処理装置10cのような定期的に走行情報をサーバ20に送信するタイプのものであれば、移動体1が停車中でありエンジンを切っている等、情報処置装置10が機能していない状態にあると推測できる。一方で、同状況下において、情報処理装置10が、情報処理装置10aのような不定期に走行情報をサーバ20に送信するタイプのものであれば、情報処理装置10が機能可能な状態にないのか、または、機能している状態にありながら、移動体1が路側機の近傍をまだ通過していないのかが区別できない。したがって、前者の場合と後者の場合を区別して表示できるようにするものである。
【0070】
好ましくは、第3態様は、前記第2移動体が停止している状態と紐づけられている。例えば、
図8にて示すように、停車の「停」という文字の画像の表示がなされていることと対応する。
【0071】
このような表示とすることによって、その車両の走行情報のサーバ20への送信方式にかかわらず、サーバ20への送信タイミングに対応する移動体の位置情報のずれ量が把握できる、ステータスの継続状況がわかるといった効果を奏する。
【0072】
[変形例]
移動体1が移動体1aである場合、すなわち、情報処理装置10からサーバ20へ不定期に走行情報が送信される場合においては、上述したように、情報処理装置10が機能していない状態であるのか、または、機能している状態にありながら、移動体1が路側機の近傍をまだ通過していないのかが区別できない。
ただしこの場合、最後に走行情報が情報処理装置10からサーバ20に送信されてから、周辺にある別の路側機のいずれかの近傍をまだ通過していないことを考慮すると、移動体1はそれら路側機によって構成される閉領域内に存在する可能性が高い。
【0073】
この状況に鑑み、ステップS209において不存在時間カウントが所定閾値を超える場合であって、情報処理装置10から不定期にサーバ20に走行情報が送信される場合においては、最新の移動体1の走行情報に基づく位置、すなわち、最後に近傍を通過した路側機の位置に基づいて、その周辺にある少なくとも1つの路側機の位置、又は、何らかの閉領域を合わせて表示することとしてもよい。またこの際、表示される閉領域をその周辺にある路側機の位置に基づいて生成される閉領域としてもよい。
すなわち、移動体1がそのうち近傍を通過すると期待される路側機群のそれぞれの位置に基づき構成される閉領域を示す。
【0074】
ここで、周辺にある路側機の特定方法は、特に限定されないが、例えば、最後に近傍を通過した路側機の位置から所定範囲内(例えば、20キロメートル以内)にあるものを抽出することとしてもよいし、最後に近傍を通過した路側機から距離が近い順に所定数抽出することとしてもよい。
【0075】
図9は、閉領域を合わせて表示した場合の例である。
図9に示すように、第2態様で表示されている移動体1の位置の周辺にある少なくとも1つの路側機(本例においては4つ)に基づいて構成される閉領域が示されている。
このような閉領域を示すことで、第2態様、すなわち、停車しているか、路側機の近傍をまだ通過していないかが区別できない状態である移動体1がその時点において存在する可能性が高い領域を容易に把握することができる。
【0076】
ここで、周辺の路側機の位置に基づいて構成される閉領域は、
図9に示すような、各位置を頂点とした多角形には限定されず、移動体1の最新の位置情報を含む閉領域である限りで任意の形状を取ることが可能である。例えば、最新の移動体1の位置から各周辺の路側機位置までの距離の平均値(または最短、最長の距離)を半径とする円領域としてもよいし、最新の移動体1の位置から道路を考慮しての等距離である範囲としてもよい。
【0077】
またこのような閉領域を示す場合、ステップS209において不存在時間カウントが所定閾値を超えると判断されてからの経過時間に応じて、閉領域の大きさを徐々に広くすることとしてもよい。例えば、閉領域が円領域である場合は、その半径を大きくしてもよいし、閉領域を構成するための路側機を更に遠い位置のものとしてもよい。より具体的には、例えば、ステップS209において不存在時間カウントが所定閾値を超えると判断されてから所定期間(例えば、1時間)経過するまでは、最新の移動体1の位置からの周辺の路側機の位置又は狭い閉領域を表示するが、1時間以上経過した場合は、さらに遠くの路側機の位置又は広い閉領域を表示することとしてもよい。すなわち、ある程度の時間が経過した場合、所定期間未満の場合に対応する周辺の路側機の近傍を通過せずに、閉領域の外に移動してしまった場合が考えられることから、対応して移動体1が存在しうる領域が拡大する。従って、さらに大きな閉領域を設定するものである。
【0078】
同様に、移動体1が移動体1aである場合、すなわち、情報処理装置10からサーバ20へ不定期に走行情報が送信される場合において、移動体1がある路側機(路側機Aとする)の近傍を最後に通過した後から、新たに次の路側機(路側機Bとする)の近傍を通過するまでの間は、表示上は路側機Aの位置に第1態様または第2態様によるアイテム表示がなされる。そして、路側機Bの近傍を通過した後は、路側機Bの位置に第1態様または第2態様によるアイテム表示がなされる。
このことを踏まえると、路側機Bの近傍を通過すると、その前はどのような経路で運転がなされていたのかが分からなくなってしまう。
【0079】
このことに鑑み、
図10に示すように、情報処理装置10からサーバ20へ不定期に走行情報が送信される場合においては、新たな路側機Bの近傍を通過した後は、所定時間(例えば、10分、または3つ)の新たな路側機の近傍を通過するまでの期間)、路側機Aの位置に何らかの表示(例えば、路側機画像でもよいし、その路側機の近傍を通過した時刻を表示するものでもよいし、第1態様または第2態様によるアイテム表示を半透明としたものでもよく、任意のものでよい)を行うこととしてもよい。このようにすることで、路側機Bを通過する前に近傍を通過した路側機が路側機Aであることが把握でき、移動体1による過去の運転の経路を把握することができる。
【0080】
更には、同様の期間において、路側機Aと路側機Bが紐づいていることを示す表示(例えば、
図10に示すように、点線で繋いだ表示)を行うこととしてもよい。
【0081】
更には、路側機Aから路側機Bへ移動する間に取得された走行情報(位置情報を含む)に基づいて、
図10に示すように路側機Aから路側機Bまでの経路の少なくとも一部の表示を、所定時間または新たに路側機の近傍を通過するまでの期間、行うこととしてもよい。
【0082】
まとめると、移動体1が移動体1aである場合、すなわち、情報処理装置10からサーバ20へ不定期に走行情報が送信される場合においては、移動体1がある路側機の近傍を通過した後に、新たに別の(または同一の)路側機の近傍を通過するまでの間にしばらく時間が空いてしまうと、停車しているのかそれとも単に路側機の近傍を通過せずに運転がなされているのかが分からないという課題がある。かかる課題に対して、このように、過去に近傍を通過した路側機はどこであるのか、または直近に近傍を通過した路側機に至るまでにどのような経路を辿ったのかを表示することで、移動体1が過去どのような移動をしたのかを把握することができる。
【0083】
また、上記の実施形態では、移動体1が移動体1aである場合、すなわち、走行情報が非定期的に収集される場合の例として、ETC2.0による方式によるものを挙げているが、この方式に限られない。例えば、移動体1が走行上の何らかの条件(例えば、所定の距離を走行した、所定の方位角の変動があった、等)を満たしたときに、路側機経由ではなく無線通信を介して情報処理装置10が取得した走行情報をサーバ20に送信するといった方式であってもよく、非定期的に走行情報を収集する方式は任意であってよい。
【0084】
また、上記の実施形態では、各移動体について、ステータスに応じたアイテムを、移動体の位置に応じて地図情報に重畳して表示することを示したが、アイテムの表示方法はこれに限られない。例えば、地図情報なしに、各移動体のステータスを示す表示をすることとしてもよい。
【0085】
また、上記の実施形態では、各種の処理に係る各種のプログラムやデータが、記憶部に記憶されており、処理部がこれらのプログラムを読み出して実行することで、上記の各実施形態における処理が実現された。この場合、各装置の記憶部は、ROMやEEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、RAMといった内部記憶装置の他に、メモリカード(SDカード)やコンパクトフラッシュ(登録商標)カード、メモリスティック、USBメモリ、CD-RW(光学ディスク)、MO(光磁気ディスク)といった記録媒体(記録メディア、外部記憶装置、記憶媒体)を有していてもよく、これらの記録媒体に上記の各種のプログラムやデータを記憶させることとしてもよい。
【0086】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態および変形例に限定されない。また、上記の実施形態および変形例は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 移動体
10 情報処理装置
20 サーバ
30 管理者端末
【手続補正書】
【提出日】2023-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の走行情報を路側機を介して時系列的に取得する走行情報取得部と、
前記走行情報が、第1の路側機を介して取得された後に、第2の路側機を介して取得されたときは、
前記第1の路側機と前記第2の路側機とが紐づけられていることに対応する情報、
前記第1の路側機の位置に前記移動体が存在したことに対応する情報、及び、
前記第1の路側機と前記第2の路側機との間の経路の少なくとも一部に対応する情報
のうち少なくとも1つを出力する出力部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記出力部による出力は、所定期間、又は前記移動体が新たに所定数の路側機の近傍を通過することに対応する期間行われる、
情報処理装置。
【請求項3】
移動体の走行情報を路側機を介して時系列的に取得することと、
前記走行情報が、第1の路側機を介して取得された後に、第2の路側機を介して取得されたときは、
前記第1の路側機と前記第2の路側機とが紐づけられていることに対応する情報、
前記第1の路側機の位置に前記移動体が存在したことに対応する情報、及び、
前記第1の路側機と前記第2の路側機との間の経路の少なくとも一部に対応する情報
のうち少なくとも1つを出力することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータに、
移動体の走行情報を路側機を介して時系列的に取得することと、
前記走行情報が、第1の路側機を介して取得された後に、第2の路側機を介して取得されたときは、
前記第1の路側機と前記第2の路側機とが紐づけられていることに対応する情報、
前記第1の路側機の位置に前記移動体が存在したことに対応する情報、及び、
前記第1の路側機と前記第2の路側機との間の経路の少なくとも一部に対応する情報
のうち少なくとも1つを出力することと、
を実行させる、プログラム。