(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094220
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】載置トレイ及び記録装置
(51)【国際特許分類】
B65H 11/00 20060101AFI20240702BHJP
B65H 1/04 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B65H11/00 D
B65H11/00 A
B65H1/04 320A
B65H1/04 324
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143097
(22)【出願日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】P 2022209329
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】酒井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 一俊
【テーマコード(参考)】
3F063
3F343
【Fターム(参考)】
3F063AA01
3F063AB01
3F063AB07
3F063AD01
3F063BA02
3F063BA04
3F063BA09
3F063BA10
3F063BC02
3F063CA04
3F063CB07
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC12
3F343FC30
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HE04
3F343HE13
3F343HE16
3F343HE27
3F343KB03
3F343LA04
3F343LA13
3F343LC03
3F343LC04
3F343LC12
3F343LD12
3F343LD22
(57)【要約】
【課題】載置トレイの操作性や、小型化等において、構造的に工夫の余地がある。
【解決手段】装置本体34に対して、閉状態と開状態とに変位可能に設けられる載置トレイ50は、媒体を載置する載置面51と、載置される媒体の側辺を規制するエッジガイド531,532と、載置トレイを開状態に支持するリンク部材551とを備える。エッジガイドは、載置面に沿って伏す非使用姿勢と、載置面に対して起立する使用姿勢と、に回動して切換可能な可動部571と、載置面に対して姿勢が固定され、操作される操作部611とを備える。操作部は、媒体の搬送方向Fと交差する幅方向から見た場合において、可動部と重なる位置で、且つ、少なくとも一部がリンク部材と重ならない状態に設けられる。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して、閉状態と開状態とに変位可能に設けられる載置トレイであって、
媒体を載置する載置面と、
前記載置面に載置される媒体の側面を規制するエッジガイドと、
前記装置本体と接続し、前記載置トレイを前記開状態に支持するリンク部材と、を備え、
前記エッジガイドは、
前記閉状態において前記載置面に沿って伏す非使用姿勢と、前記開状態において前記載置面に対して起立する使用姿勢と、に回動して切換可能な可動部と、
前記載置面に対して姿勢が固定され、ユーザーに操作される操作部と、を備え、
前記操作部は、前記媒体が搬送される搬送方向と交差する幅方向から見た場合において、前記可動部と重なる位置で、且つ、少なくとも一部が前記リンク部材と重ならない状態に設けられる、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の載置トレイにおいて、
前記載置トレイは、前記装置本体の側面に設けられ、
ユーザーに操作される前記操作部を有する前記エッジガイドは、前記装置本体の前面から後面に向かう奥行き方向の前面側に設けられる、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項3】
請求項1に記載の載置トレイにおいて、
ユーザーに操作される前記操作部に対応する前記リンク部材は、前記幅方向から見た場合、前記搬送方向において前記操作部よりも下流側に位置する、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項4】
請求項3に記載の載置トレイにおいて、
ユーザーに操作される前記操作部に対応する前記リンク部材は、前記幅方向から見た場合、前記搬送方向に向かって湾曲する湾曲部を備える、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の載置トレイにおいて、
前記操作部は、前記可動部が使用姿勢であるとき、前記可動部と接触することで前記可動部の姿勢を支持する、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項6】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の載置トレイにおいて、
前記可動部は、前記載置面に載置される前記媒体の上面を規制する規制部を備え、
前記載置トレイが前記閉状態に切り換わる場合に、前記規制部が前記装置本体と当接することで、前記可動部は前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項7】
請求項6に記載の載置トレイにおいて、
前記エッジガイドは、前記載置トレイが前記閉状態に切り換わる場合に、前記可動部の前記規制部と別の部位が前記装置本体の本体凸部と当接することで、前記装置本体に設けられる凹部と対向する位置に移動する、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項8】
請求項6に記載の載置トレイにおいて、
前記規制部は、前記搬送方向に沿って切り欠かれた切り欠き部を有する、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項9】
装置本体に対して、閉状態と開状態とに変位可能に設けられる載置トレイであって、
媒体を載置する載置面と、
前記載置面に載置される媒体の側面を規制するエッジガイドと、
前記装置本体と接続し、前記載置トレイを前記開状態に支持するリンク部材と、を備え、
前記エッジガイドは、
前記閉状態において前記載置面に沿って伏す非使用姿勢と、前記開状態において前記載置面に対して起立する使用姿勢と、に回動して切換可能な可動部と、
前記載置面に対して姿勢が固定され、ユーザーに操作される操作部と、を備え、
前記可動部は、
前記媒体の搬送方向に延在して搬送される媒体を搬送方向にガイドするガイド面を有する媒体ガイド部と、
前記媒体ガイド部から前記起立する方向に延在するように突設される突設接触部であって、前記開状態から前記閉状態に移行する際に前記装置本体の被接触部に接触することで前記可動部を前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換える突設接触部と、を備えている、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項10】
請求項9に記載の載置トレイにおいて、
前記操作部は、
前記操作部の基端が固定されるベース部を備え、
前記搬送方向と交差する幅方向から見た場合において、前記可動部と重なる位置に設けられ、
前記可動部は、前記ベース部に回動が可能な状態で取り付けられている、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項11】
請求項10に記載の載置トレイにおいて、
前記装置本体には、前記可動部が前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる際の前記突設接触部と接触しない位置であって、前記媒体ガイド部と接触する位置に本体凸部が位置し、
前記可動部は、前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる際に、前記媒体ガイド部が前記本体凸部に接触することで、前記回動による変位に加えて、前記ベース部が後退移動することで前記非使用姿勢に切り換わる、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項12】
請求項10に記載の載置トレイにおいて、
前記操作部は、前記リンク部材と接触可能な接触部を備え、
前記リンク部材は、前記載置トレイが前記開状態から前記閉状態に移行する際に、前記接触部を押すことで、前記ベース部を進出移動させる、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項13】
請求項1から請求項4、請求項9から請求項12何れか1項に記載の載置トレイにおいて、
前記装置本体に設けられる給送ローラーに向かって媒体を昇降させる昇降部と、
前記搬送方向において前記昇降部の上流に設けられ、前記載置面と共に載置されている媒体を支持する補助支持部材と、を備え、
前記載置トレイが前記開状態から前記閉状態に変位することに連動して、前記補助支持部材は展開姿勢から収納姿勢に切り換わる、
ことを特徴とする載置トレイ。
【請求項14】
請求項1から請求項4、請求項9から請求項12の何れか1項に記載の載置トレイと、
前記載置トレイに載置される媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部により、搬送される媒体に対して記録を行う記録部と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、載置トレイ及び記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例として、特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1には、手差しトレイの非使用時におけるスペース効率を考慮して、手差しトレイに可倒式エッジガイドを設ける構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、可倒式エッジガイドを備える手差しトレイが記載されている。この手差しトレイは、前記エッジガイドを移動させる操作をする際には可倒部分を持って操作する構造であるが、その操作性や、小型化等において、構造的に工夫の余地があった。また、手差しトレイにはトレイ本体を支持する支持部材が設けられる場合がある。この場合においても、操作性において工夫の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る載置トレイは、装置本体に対して、閉状態と開状態とに変位可能に設けられる載置トレイであって、媒体を載置する載置面と、前記載置面に載置される媒体の側辺を規制するエッジガイドと、前記装置本体と接続し、前記載置トレイを前記開状態に支持するリンク部材と、を備え、前記エッジガイドは、前記閉状態において前記載置面に沿って伏す非使用姿勢と、前記開状態において前記載置面に対して起立する使用姿勢と、に回動して切換可能な可動部と、前記載置面に対して姿勢が固定され、操作される操作部と、を備え、前記操作部は、前記媒体が搬送される搬送方向と交差する幅方向から見た場合において、前記可動部と重なる位置で、且つ、少なくとも一部が前記リンク部材と重ならない状態に設けられることを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る載置トレイは、装置本体に対して、閉状態と開状態とに変位可能に設けられる載置トレイであって、媒体を載置する載置面と、前記載置面に載置される媒体の側辺を規制するエッジガイドと、前記装置本体と接続し、前記載置トレイを前記開状態に支持するリンク部材と、を備え、前記エッジガイドは、前記閉状態において前記載置面に沿って伏す非使用姿勢と、前記開状態において前記載置面に対して起立する使用姿勢と、に回動して切換可能な可動部と、前記載置面に対して姿勢が固定され、操作される操作部と、を備え、前記可動部は、前記媒体の搬送方向に延在して搬送される媒体を搬送方向にガイドするガイド面を有する媒体ガイド部と、前記媒体ガイド部から前記起立する方向に突設される突設接触部であって、前記開状態から前記閉状態に移行する際に前記装置本体の被接触部に接触することで前記可動部を前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換える突設接触部と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る記録装置は、後述する第1の態様から第4の態様、第9の態様から第11の態様の何れか1つの態様の載置トレイと、前記載置トレイに載置される媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により、搬送される媒体に対して記録を行う記録部と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】実施形態1に係る記録装置の内部構成を表す図。
【
図3】同実施形態1で載置トレイを開状態にした要部斜視図。
【
図4】同実施形態1で載置トレイを開状態にした要部斜視図。
【
図5】同実施形態1で載置トレイを開状態にした要部斜視図。
【
図6A】同実施形態1で載置トレイを開状態にした要部側面図。
【
図6B】同実施形態1で載置トレイを開状態にした要部側面図。
【
図7A】同実施形態1でエッジガイドの可動部の姿勢変化を説明する要部斜視図。
【
図7B】同実施形態1でエッジガイドの可動部の姿勢変化を説明する要部斜視図。
【
図8A】同実施形態1の可動部の構造を説明する要部斜視図。
【
図8B】同実施形態1の可動部の構造を説明する要部斜視図。
【
図9】同実施形態1で可動部を起立方向から見た平面図。
【
図10A】実施形態2で可動部の姿勢変化を説明する要部斜視図。
【
図10B】実施形態2で可動部の姿勢変化を説明する要部斜視図。
【
図11】同実施形態1の補助支持部材の部分の構造を説明する要部側断面図。
【
図12】同実施形態1の補助支持部材の部分の構造を説明する要部側断面図。
【
図13】同実施形態1の補助支持部材の部分の構造を説明する要部側断面図。
【
図14】実施形態3でエッジガイドの可動部の姿勢変化を説明する要部斜視図。
【
図15】実施形態3でエッジガイドの可動部の姿勢変化を説明する要部斜視図。
【
図16】実施形態3でエッジガイドの可動部の姿勢変化を説明する要部斜視図。
【
図17】載置トレイと引き出し途中の延長部の斜視図。
【
図18】載置トレイと引き出された延長部の抜け止め構造の要部斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について先ず概略的に説明する。
上記課題を解決するため、本発明に係る載置トレイの第1の態様は、装置本体に対して、閉状態と開状態とに変位可能に設けられる載置トレイであって、媒体を載置する載置面と、前記載置面に載置される媒体の側辺を規制するエッジガイドと、前記装置本体と接続し、前記載置トレイを前記開状態に支持するリンク部材と、を備え、前記エッジガイドは、前記閉状態において前記載置面に沿って伏す非使用姿勢と、前記開状態において前記載置面に対して起立する使用姿勢と、に回動して切換可能な可動部と、前記載置面に対して姿勢が固定され、操作される操作部と、を備え、前記操作部は、前記媒体が搬送される搬送方向と交差する幅方向から見た場合において、前記可動部と重なる位置で、且つ、少なくとも一部が前記リンク部材と重ならない状態に設けられることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、前記操作部は、前記媒体が搬送される搬送方向と交差する幅方向から見た場合において、前記可動部と重なる位置で、且つ、少なくとも一部が前記リンク部材と重ならない状態に設けられる。これにより、前記操作部は、前記幅方向から見た場合において、リンク部材と重ならない露呈部分ができるので、ユーザーが前記操作部を視認し易く、以って把持しやすい。
【0011】
本発明に係る載置トレイの第2の態様は、第1の態様に従属する態様であって、前記載置トレイは、前記装置本体の側面に設けられ、ユーザーに操作される前記操作部を有する前記エッジガイドは、前記装置本体の前面から後面に向かう奥行き方向の前面側に設けられることを特徴とする。
【0012】
ユーザーは前記装置本体の前面側から前記エッジガイドを操作することが多い。本態様によれば、ユーザーに操作される前記操作部を有する前記エッジガイドは、前記装置本体の前面から後面に向かう奥行き方向の前面側に設けられる。これにより、ユーザーが前記装置本体の前面側から、前記操作部を視認して操作することが可能であるので、前記操作部を把持しやすく、操作性が良い。
【0013】
本発明に係る載置トレイの第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に従属する態様であって、ユーザーに操作される前記操作部に対応する前記リンク部材は、前記幅方向から見た場合、前記搬送方向において前記操作部よりも下流側に位置することを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、ユーザーに操作される前記操作部に対応する前記リンク部材は、前記幅方向から見た場合、前記搬送方向において前記操作部よりも下流側に位置する。これにより、ユーザーが前記操作部を把持する際にユーザーの手と前記リンク部材とが干渉しにくい状態になるので、操作性がよい。
【0015】
本発明に係る載置トレイの第4の態様は、第1の態様から第3の態様の何れか一つの態様に従属する態様であって、ユーザーに操作される前記操作部に対応する前記リンク部材は、前記幅方向から見た場合、前記搬送方向に向かって湾曲する湾曲部を備えることを特徴とする。
【0016】
前記リンク部材による前記載置トレイの支持強度を考慮すると、前記リンク部材と前記載置トレイとが接続する接続位置は、搬送方向の上流側にある方が好ましい。しかし、その場合、前記リンク部材と前記操作部とが重なったり、装置が大型化したりする。
本態様によれば、ユーザーに操作される前記操作部に対応する前記リンク部材は、前記幅方向から見た場合、前記搬送方向に向かって湾曲する湾曲部を備える。これにより、前記リンク部材と前記載置トレイとが接続する接続位置の設計自由度を向上しつつ、前記操作部と重ならない構造を実現することができる。
【0017】
本発明に係る載置トレイの第5の態様は、第1の態様から第4の態様の何れか一つの態様に従属する態様であって、前記操作部は、前記可動部が使用姿勢であるとき、前記可動部と接触することで前記可動部の姿勢を支持することを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、前記操作部は、前記可動部が使用姿勢であるとき、前記可動部と接触することで前記可動部の姿勢を支持する。これにより、前記操作部が前記可動部の姿勢を支持するので前記可動部の姿勢が安定する。
【0019】
本発明に係る載置トレイの第6の態様は、第1の態様から第5の態様の何れか一つの態様に従属する態様であって、前記可動部は、前記載置面に載置される前記媒体の上面を規制する規制部を備え、前記載置トレイが前記閉状態に切り換わる場合に、前記規制部が前記装置本体と当接することで、前記可動部は前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わることを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、前記載置トレイが前記閉状態に切り換わる場合に、前記規制部が前記装置本体と当接することで、前記可動部は前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる。これにより、前記規制部を、前記規制部の本来の機能に加えて、前記可動部の姿勢の変更の機能も兼ねさせることができ、部品点数の増加が無く小型化を実現することができる。
【0021】
本発明に係る載置トレイの第7の態様は、第6の態様に従属する態様であって、前記エッジガイドは、前記載置トレイが前記閉状態に切り換わる場合に、前記可動部の前記規制部と別の部位が前記装置本体の本体凸部と当接することで、前記装置本体に設けられる凹部と対向する位置に移動することを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、前記載置トレイが前記閉状態に切り換わる場合に、前記可動部の前記規制部と別の部位が前記装置本体の本体凸部と当接することで、前記装置本体に設けられる凹部と対向する位置に移動する。これにより、前記エッジガイドが収納されるときに前記装置本体の前記凹部と対向する位置に移動するため、前記装置本体の本体凸部があっても収納時における小型化を実現することができる。
【0023】
本発明に係る載置トレイの第8の態様は、第6の態様又は第7に態様に従属する態様であって、前記規制部は、前記搬送方向に沿って切り欠かれた切り欠き部を有することを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、前記規制部は、前記搬送方向に沿って切り欠かれた切り欠き部を有するので、ユーザーが前記可動部と前記操作部を把持して操作する際に前記切り欠き部によって、前記規制部がユーザーの手と干渉することを抑制できる。
【0025】
本発明に係る載置トレイの第9の態様は、装置本体に対して、閉状態と開状態とに変位可能に設けられる載置トレイであって、媒体を載置する載置面と、前記載置面に載置される媒体の側辺を規制するエッジガイドと、前記装置本体と接続し、前記載置トレイを前記開状態に支持するリンク部材と、を備え、前記エッジガイドは、前記閉状態において前記載置面に沿って伏す非使用姿勢と、前記開状態において前記載置面に対して起立する使用姿勢と、に回動して切換可能な可動部と、前記載置面に対して姿勢が固定され、操作される操作部と、を備え、前記可動部は、前記媒体の搬送方向に延在して搬送される媒体を搬送方向にガイドするガイド面を有する媒体ガイド部と、前記媒体ガイド部から前記起立する方向に突設される突設接触部であって、前記開状態から前記閉状態に移行する際に前記装置本体の被接触部に接触することで前記可動部を前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換える突設接触部と、を備えていることを特徴とする。
【0026】
本態様によれば、前記可動部は、前記媒体ガイド部と、前記媒体ガイド部から前記起立する方向に延在するように突設される突設接触部とを備える。前記突設接触部は、前記載置トレイが前記開状態から前記閉状態に移行する際に前記装置本体の被接触部に接触することで前記可動部を前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換える。
このように、前記可動部は、前記媒体ガイド部と前記突設接触部とで構成されているので、エッジガイドとしてのガイド機能を維持した状態で前記可動部の小型化、即ちエッジガイドの小型化を実現することができる。また、前記本体装置側の凹凸形状と整合させることによる全体としての小型化を実現し易いという効果が得られる。
【0027】
本発明に係る載置トレイの第10の態様は、第9の態様に従属する態様であって、前記操作部は、前記操作部の基端が固定されるベース部を備え、前記搬送方向と交差する幅方向から見た場合において、前記可動部と重なる位置に設けられ、前記可動部は、前記ベース部に前記回動が可能な状態で取り付けられていることを特徴とする。
【0028】
本態様によれば、前記操作部は、前記操作部の基端が固定されるベース部を備え、前記搬送方向と交差する幅方向から見た場合において、前記可動部と重なる位置に設けられている。このように、前記操作部は、前記幅方向から見た場合において、前記可動部と重なる位置に設けられているので、ユーザーが手で前記エッジガイドを移動する際に、把持し易く、操作性がよい。
【0029】
本発明に係る載置トレイの第11の態様は、第10の態様に従属する態様であって、前記装置本体には、前記可動部が前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる際の前記突設接触部と接触しない位置であって、前記媒体ガイド部と接触する位置に本体凸部が位置し、前記可動部は、前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる際に、前記媒体ガイド部が前記本体凸部に接触することで、前記回動による変位に加えて、前記ベース部が後退移動することで前記非使用姿勢に切り換わることを特徴とする。
【0030】
本態様によれば、前記可動部は、前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる際に、前記媒体ガイド部が前記装置本体側の前記本体凸部に接触することで、前記回動による変位に加えて、前記ベース部が後退移動することで前記非使用姿勢に切り換わる。これにより、前記可動部は、前記装置本体側に前記本体凸部が在っても、その本体凸部を避けるように後退移動して前記非使用姿勢に変わるので、小型化を実現することができる。
【0031】
本発明に係る載置トレイの第12の態様は、第10の態様に従属する態様であって、前記操作部は、前記リンク部材と接触可能な接触部を備え、前記リンク部材は、前記載置トレイが前記開状態から前記閉状態に移行する際に、前記接触部を押すことで、前記ベース部を進出移動させることを特徴とする。
【0032】
前記装置本体の前記リンク部材に近い位置に前記載置トレイに向かって突出する凸部が設けられている場合がある。前記エッジガイドが前記リンク部材に接近した位置に在る状態で、前記載置トレイが前記開状態から前記閉状態に移行する場合、前記装置本体側の前記凸部と前記エッジガイドが干渉して前記エッジガイドを前記起立する使用姿勢から前記伏す非使用姿勢に移行させることができない虞がある。
しかし、本態様によれば、前記リンク部材は、前記載置トレイが前記開状態から前記閉状態に移行する際に、前記リンク部材が前記接触部を押すことで前記ベース部を進出移動させる。この進出移動によって前記エッジガイドを前記凸部と干渉しない位置まで移動させることが可能になる。これにより、前記エッジガイドが前記リンク部材に接近した位置に在る状態で、前記載置トレイが前記開状態から前記閉状態に移行する場合でも、前記エッジガイドを、前記凸部との干渉を回避して前記非使用姿勢に移行させることができる。
【0033】
本発明に係る載置トレイの第12の態様は、第1の態様から第11の態様の何れか一つの態様に従属する態様であって、前記装置本体に設けられる給送ローラーに向かって媒体を昇降させる昇降部と、前記搬送方向において前記昇降部の上流に設けられ、前記載置面と共に載置されている媒体を支持する補助支持部材と、を備え、前記載置トレイが前記開状態から前記閉状態に変位することに連動して、前記補助支持部材は展開姿勢から収納姿勢に切り換わることを特徴とする。
【0034】
本態様によれば、前記昇降部と前記補助支持部材とを備え、前記補助支持部材は前記載置トレイが前記開状態から前記閉状態に変位することに連動して展開姿勢から収納姿勢に切り換わる。これにより、前記昇降部の小型化が図られて、前記載置トレイと前記昇降部との間に隙間ができても前記補助支持部材によって前記隙間を覆い、前記媒体が前記隙間に落ち込む虞を低減することができる。更に、前記補助支持部材は展開姿勢から収納姿勢に切り換わるので、前記載置トレイが前記閉状態に移行する、即ち収納されるときに、前記補助支持部材が収納姿勢に切り換わることで、装置の小型化を実現することができる。
【0035】
また、本発明に係る記録装置の態様は、第1の態様から第12の態様の何れか一つの態様の載置トレイと、前記載置トレイに載置される媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により、搬送される媒体に対して記録を行う記録部と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、記録装置として、載置トレイの各態様において得られる効果を得ることができる。
【0036】
[実施形態]
以下、本発明に係る載置トレイの実施形態と、この載置トレイを備えるインクジェットプリンター等の記録装置について、図面に基づいて具体的に説明する。
以下の説明においては、互いに直交する3つの軸を、各図に示すように、それぞれX軸、Y軸、Z軸とする。3つの軸(X,Y,Z)の矢印の示す方向が各方向の+方向であり、その逆が-方向である。Z軸方向は鉛直方向即ち重力が作用する方向に相当し、+Z方向が鉛直上方を示し、-Z方向が鉛直下方を示す。X軸方向及びY軸方向は、水平方向に相当する。+Y方向が装置の前方向を示し、-Y方向が装置の後方向を示す。+X方向が装置の右方向を示し、-X方向が装置の左方向を示す。
【0037】
[実施形態1]
<記録装置>
本実施形態の記録装置1は、一例であるがインクジェットプリンターである。
図1と
図2に示したように、この記録装置1は、載置トレイ50に載置される媒体3を搬送する搬送部7と、搬送部7により搬送される用紙等の媒体3に対して記録を行う記録部5と、媒体収容部11とを備える。記録部5の媒体3への記録実行動作や媒体搬送装置による媒体3の搬送動作は、図示を省く制御部によって行われる。ここで、制御部は、CPU、フラッシュROM、及びRAMを備えている。CPUはフラッシュROMに格納されたプログラムに従って各種演算処理を行い、記録装置1全体の動作を制御する。記憶手段の一例であるフラッシュROMは読み出し及び書き込みが可能な不揮発性メモリである。記憶手段の一例であるRAMには、一時的に各種情報が格納される。
記録部5は、ここではラインヘッドであるが、媒体3の幅方向(Y軸方向)に往復移動するシリアルタイプのヘッド等でもよい。記録部5の記録実行領域8で媒体3を支持するプラテンは、ここでは無端の搬送ベルト2である。搬送ベルト2はプーリー4とプーリー6間に掛け回されて、両プーリー4,6が回転することで搬送ベルト2が回動し、これにより媒体3を搬送方向Fに搬送する。搬送ベルト2は媒体3が搬送される搬送経路9の一部を成している。
【0038】
この記録装置1は、
図1と
図2に示したように、装置本体34の一部を成す扉部17が設けられている。扉部17は、水平方向に回動して開閉する構造である。扉部17は、
図1と
図2において、-Y方向の端部の位置に図示を省く回動軸を有しており、この回動軸を回動支点として回動する。
扉部17を開くと、搬送経路9が露呈してユーザーが媒体3の詰り、即ちジャムの処理を行えるように構成されている。
【0039】
この記録装置1では、用紙等の媒体3を収容するカセット式の媒体収容部11からピックローラー10でピックされた媒体3は、給送ローラー対13によって第1搬送経路91を搬送方向Fに搬送される。尚、以下では、「ローラー対」とは、特に説明しない限り図示を省くモーターによって駆動される駆動ローラーと、この駆動ローラーに接して従動回転する従動ローラーとで構成される。
また、第1搬送経路91の給送ローラー対13の下流位置には第2搬送経路92が合流されている。第1搬送経路91と第2搬送経路92の合流地点Pより記録部5側に位置する搬送経路9を、ここでは第3搬送経路93として、以下説明する。
【0040】
合流地点Pには切替部19が配置されている。切替部19は、第1搬送経路91を開く第1状態と、第2搬送経路92を開く第2状態とに変位可能に構成されている。即ち、媒体3が第1搬送経路91を搬送方向Fに搬送される場合は、その搬送を可能にする位置をとり、媒体3が第2搬送経路92を搬送方向Fに搬送される場合は、その搬送を可能にする位置をとるように構成されている。
本実施形態では、切替部19は、扉部17が閉状態であるときに、前記第1状態と第2状態とに変位可能に構成されている。
【0041】
また、合流地点Pと記録部5の間に搬送ローラー対15が配置されている。媒体3は、第3搬送経路93を搬送ローラー対15により搬送方向Fに搬送される。媒体3の表面だけへの片面記録の場合は、媒体3は、記録実行領域8で表面への記録が実行され、搬送ローラー対12,14の搬送力を受けて排出トレイ16に排出される。
両面記録の場合は、媒体3は、搬送ローラー対12の下流位置でフラップ18によってスイッチバック経路20に誘導される。スイッチバック経路20には搬送ローラー対22,24が配置されている。スイッチバック経路20に誘導された媒体3は、搬送ローラー対22,24が逆転するように制御されることで、分岐点Kにおいて図示を省いた誘導部材によって、反転経路になる第2搬送経路92に誘導される。第2搬送経路92には、搬送ローラー対26,28と、反転ローラー30及び対を成す従動ローラー32が配置されている。
【0042】
以上の説明で理解できるように、第1搬送経路91は、媒体収容部11に収容された媒体3を第3搬送経路93に給送する給送経路であり、第2搬送経路92は、記録部5によって記録が行われた記録済み媒体3を反転させて第3搬送経路93に搬送する反転経路であり、第3搬送経路93は、記録部5による記録位置を含む記録時搬送経路である。
図2において、符号36は複数の媒体収容部としてのインク収容部を示す。各インク収容部36は着脱可能に装着されている。記録部5から吐出されるインクは、各インク収容部36から図示を省くチューブを介して記録部5に供給される。また、符号38は廃液収容部を示す。符号42は検知部を示す。検知部42は、反転経路92における媒体3の有無を検知すると共に、媒体3の幅方向(Y軸方向)における端部を検知することで媒体3の幅を検知する。
記録装置1は、媒体収容部11の下方にも図示を省く他の媒体収容部を備えている。他の媒体収容部内の媒体3もピックローラーでピックされ、搬送ローラー対40によって反転ローラー30のニップ位置より上流で第2搬送経路92に合流される。
【0043】
<載置トレイ>
図1から
図4に示したように、本実施形態では、手差しトレイとも称される載置トレイ50が、装置本体34に対して、閉状態(
図1)と開状態(
図2、
図3、
図4)とに変位可能に設けられている。ここでは、載置トレイ50は、装置本体34の側面に位置する扉部17に、下端部を回動支点として上端が自由端となって回動するように設けられている。
図4に示したように、開状態の載置トレイ5に載置された媒体3は、
図2に示したように、給送ローラー52と分離ローラー54の対によって1枚ずつ分離されて経路94を搬送され、反転ローラー30の手前で第2搬送経路92に送られ、搬送方向Fに搬送される。
図3から
図9に示したように、載置トレイ50は、媒体3を載置する載置面51と、載置面51に載置される媒体3の側辺31,33(
図4)に接してその位置を規制する一対のエッジガイド531,532と、装置本体34と接続し、載置トレイ50を前記開状態に支持する一対のリンク部材551,552と、を備えている。
【0044】
エッジガイド531,532は、可動部571,572とベース部591,592を備えている。可動部571,572は、載置トレイ50が閉状態において載置面51に沿って伏す非使用姿勢(
図7B)と、載置トレイ50が開状態において載置面51に対して起立する使用姿勢(
図7A)と、に回動して切換可能となるようにベース部591,592に取り付けられている。具体的には、可動部571.572は、その各基端部が回動支点となる軸部68,70を介してベース部591,592に回動可能に取り付けられている。本実施形態では、軸部68,70には図示を省く捩りコイルバネ等の弾性部材が取付けられ、この弾性部材の弾性力によって前記使用姿勢を維持するように弾性力を受けている。即ち、可動部571,572は、前記非使用姿勢にする拘束力から解放されると前記弾性部材の弾性力によって前記使用姿勢に戻るように構成されている。尚、可動部571,572は、前記弾性部材を備えない構造にして、手動で前記使用姿勢と前記非使用姿勢とに切り換えるようにしてもよい。
尚、
図8A、
図8Bに示したように、ベース部591にピン72が固定され、可動部571にピン72が係合する被係合部74を設け、可動部571が使用姿勢(
図8の上の図)においてピン70が被係合部74に係合するようにして、可動部591の載置面51と交差する方向への移動を規制するように構成してもよい。同様な構成をエッジガイド532に設けてもよい。
【0045】
ベース部591,592は、載置面51上を互いに接近及び離間する方向(Y軸方向)に移動可能に構成されている。これにより、エッジガイド531,532は、互いに接近及び離間する方向に移動可能である。この接近及び離間する方向へ移動する構造は、図示を省く公知のラックアンドピニオン機構によって実現されている。ここでは、一対のエッジガイド531とエッジガイド532の内の一方をユーザーが移動させると、前記ラックアンドピニオン機構によって他方も自動的に移動するように構成されている。
図3は、エッジガイド531とエッジガイド532が最も離れて位置する状態を示している。
図4は、エッジガイド531とエッジガイド532が
図3の状態より少し接近して位置する状態を示している。
図5は、エッジガイド531とエッジガイド532が最も接近して位置する状態を示している。
【0046】
図6A、
図6Bと
図7A、
図7Bに示したように、ベース部591,592は、載置面51に対して起立する姿勢で固定された操作部611,612を備えている。この操作部611,612は、エッジガイド531,532を、載置面51に載置される媒体3の幅寸法に合わせて接近及び離間する方向に移動させる際にユーザーの手で操作される部分である。
本実施形態では、操作部611,612は、可動部571,572が使用姿勢であるとき、可動部571,572と接触するように構成されている。即ち、操作部611,612は、前記使用姿勢である可動部571,572と接触することで、可動部571,572の使用姿勢を支持するように構成されている。
【0047】
図6A、
図6Bに示したように、操作部611、612は、媒体3が搬送される搬送方向Fと交差する幅方向(Y軸方向)から見た場合において、可動部571,572と重なる位置に設けられている。
更に、
図6Aに示したように、本実施形態では、装置本体34の前面から後面に向かう奥行き方向(Y軸方向)の前面側(+Y方向)に位置する一方の操作部611は、少なくとも一部がリンク部材551と重ならない状態に設けられている。言い換えると、一方の操作部611は、幅方向(Y軸方向)から見た場合において、リンク部材551によって全部が隠されることなく、少なくとも一部が露呈する状態で配置されている。操作部611は、装置本体34の前面側に位置するので、ユーザーは自然な操作として操作部611を手で操作してエッジガイド531,531を接近及び離間する方向に移動させる。その移動操作の際に、操作部611は、その手前にリンク部材511が位置していても、露呈部分76があるので、ユーザーは操作しやすい。
本実施形態では、
図6Bに示したように、奥行き方向(Y軸方向)の後面側(-Y方向)に位置する他方の操作部612は、リンク部材552と全く重ならない位置に設けられている。尚、操作部612も、操作部611と同様に、リンク部材552の少なくとも一部と重ならない位置に設けられるようにしてもよい。
【0048】
図6A、
図6Bに表れているように、リンク部材552は、リンク部材551よりも搬送方向Fにおいて、上流に配置されている。この上流配置により、リンク部材552は、載置トレイ50の開状態において、リンク部材551よりも、載置トレイ50を強固に支持することができる。
図6A、
図6Bにおいて、符号56,58は軸である。リンク部材551、552は、それぞれの一端が軸56,58を介して載置トレイ50と接続されている。また、リンク部材551、552のそれぞれの基端は、装置本体34に公知の構造で接続され、載置トレイ50は、リンク部材551、552との前記接続構造によって、前記開状態と閉状態の切換を行えるように構成されている。
【0049】
図6Aに示したように、本実施形態では、操作部611に対応するリンク部材551は、前記幅方向から見た場合、搬送方向Fにおいて操作部611よりも下流側に位置する。換言すると、操作部611の一部は、前記幅方向から見た場合、搬送方向Fにおいてリンク部材551よりも上流側に位置する。
更に、リンク部材551は、前記幅方向から見た場合、搬送方向Fに向かって湾曲する湾曲部63を備える。尚、軸56と軸58は、搬送方向Fにおいて、同じ位置に配置されている。
即ち、リンク部材551は、湾曲部63を備えることで、操作部611の前記下流側の部位と重なるが、操作部611の上流側の部位とは重ならないで露呈部分76ができる状態で設けられている。
【0050】
本実施形態では、
図6A、
図6Bと
図7A、
図7B及び
図9に示したように、可動部571,572は、搬送方向Fに延在し、搬送される媒体3を搬送方向Fにガイドするガイド面651,652を有する媒体ガイド部671,672を備えている。
更に、可動部571,572は、媒体ガイド部671,672から前記起立する方向に延在するように突設される突設接触部691,692を備えている。本実施形態では、
図6A、
図6Bに示したように、突設接触部691,692は、媒体ガイド部671,672の搬送方向Fにおける略中央に位置する。言い換えると、突設接触部691,692の搬送方向Fにおける上流側にも下流側にも媒体ガイド部671,672が存在している。
突設接触部691,692は、載置トレイ50が前記開状態から前記閉状態に移行する際に装置本体34の被接触部71(
図3)に接触することで、可動部571,572を前記使用姿勢(
図7A)から前記非使用姿勢(
図7B)に切り換える。
【0051】
本実施形態では、可動部571,572は、載置面51に載置される媒体3の上面を規制する規制部731,732を備えている。ここで、媒体3の上面を規制するとは、媒体3の載置枚数の上限が、規制部731,732の媒体3の上面と対向する部位の高さ位置によって定まる構造であることを意味する。規制部731,732は、突設接触部691,692の先端部に位置する。可動部571,572は、載置トレイ50が前記閉状態に切り換わる場合に、突設接触部691,692の先端部に位置する規制部731,732が装置本体34の被接触部71と当接することで、前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる。
本実施形態では、
図9に示したように、規制部731は、起立方向の先端部において、搬送方向Fに沿って切り欠かれた切り欠き部75を有する。切り欠き部75は、前記使用姿勢において、ユーザーが操作部611と突設接触部691とを把持し易くするために設けられている。
【0052】
また、本実施形態では、
図3及び
図11に示したように、載置トレイ50と、装置本体34側の給送ローラー52と分離ローラー54の対との間の経路94(
図2)に、給送ローラー52に向かって媒体3を昇降させる昇降部79、即ちホッパー79が設けられている。ホッパー79は、搬送される媒体3を下から支持する支持面部64と、支持面部64の幅方向(Y軸方向)における両端部に位置する一対のアーム部641,642とを備えている。尚、一方のアーム部641は、図面の複雑化を避けるためにその図示は省かれている。
本実施形態では、ホッパー79の小型化が図られている。これにより、載置トレイ50とホッパー79との間に隙間ができる。その隙間に媒体3が落ち込まないように、搬送方向Fにおいてホッパー79の上流に補助支持部材81が設けられている。補助支持部材81は、載置面51と共に媒体3を支持する支持面部60と、支持面部60の幅方向(Y軸方向)における両端部に位置する一対のアーム部601,602とを備えている。
【0053】
ホッパー79と補助支持部材81は、軸66を介して接続され、
図3及び
図11に示した状態と、
図12に示した状態とに変位可能に構成されている。
図3と
図11は、ホッパー79が下降した状態を示す。
図12はホッパー79が上昇した状態を示す。
図12のホッパー上昇状態において、媒体3は、経路94を構成する補助支持部材8の支持面部60とホッパー79の支持面部64に支持されて、給送ローラー52と分離ローラー54のニップ位置に誘導される。
また、補助支持部材81は、ホッパー79が下降した状態(
図11)において、載置トレイ50が前記開状態から前記閉状態に変位することに連動して、軸66を回動支点として回動する。この回動により、補助支持部材81は、
図11に示した展開姿勢から
図13に示した収納姿勢に切り換わるように構成されている。
【0054】
<実施形態1の動作の説明>
載置トレイ50を使用して媒体3を搬送する場合は、載置トレイ50を
図1の閉状態から
図3の開状態にする。エッジガイド531,532の可動部571,572は、前記捩りコイルバネ等の弾性部材の弾性力によって、閉状態の非使用姿勢(
図7B)から、載置面51に対して起立する使用姿勢(
図7A)に自動的に変わる。
載置トレイ50に載置する媒体3の幅とエッジガイド531,532の位置が合っていない場合は、ユーザーは、その媒体3の幅に合わせてエッジガイド531,532の操作部611を手で操作して移動し、例えば
図4の状態にする。その際、操作部611は、手前にリンク部材551が在るが、露呈部分76(
図6A)があるので、露呈部分76を手で操作することで操作性良く移動することができる。
【0055】
載置トレイ50の使用が済んだら、載置面51上に残っている媒体3を取り除いて、載置トレイ50を前記開状態から前記閉状態に移行させる。その際、エッジガイド531,532の可動部571,572の突設接触部691,692の先端が、本体装置34の被接触部71に最初に当接する。ここでは、突設接触部691,692の先端に位置する規制部731,732が、本体装置34の被接触部71に最初に当接する。
この状態で、載置トレイ50を更に閉じると、可動部571,572は、突設接触部691,692を介して被接触部71に押される状態となって回動し、
図7Aの状態から
図7Bの状態に変わる。即ち、可動部571,572は、載置面51に沿って伏す非使用姿勢になる。
【0056】
<実施形態1の効果の説明>
(1)本実施形態では、操作部611は、媒体3が搬送される搬送方向Fと交差する幅方向(Y軸方向)から見た場合において、可動部571と重なる位置で、且つ、少なくとも一部がリンク部材551と重ならない状態に設けられる。これにより、操作部611は、前記幅方向から見た場合において、リンク部材551と重ならない露呈部分76ができるので、ユーザーが操作部611を視認し易く、以って把持しやすい。
(2)ユーザーは装置本体34の前面側からエッジガイド531,532を操作することが多い。本実施形態では、ユーザーに操作される操作部611を有するエッジガイド531は、装置本体34の前面から後面に向かう奥行き方向(X軸方向)の前面側に設けられる。これにより、ユーザーが装置本体34の前面側から、操作部611を視認して操作することが可能であるので、操作部611を把持しやすく、操作性が良い。
(3)また、本実施形態では、ユーザーに操作される操作部611に対応するリンク部材551は、前記幅方向から見た場合、搬送方向Fにおいて操作部611よりも下流側に位置する。これにより、ユーザーが操作部611を把持する際にユーザーの手とリンク部材551とが干渉しにくい状態になるので、操作性がよい。
【0057】
(4)リンク部材551による載置トレイ50の支持強度を考慮すると、リンク部材551と載置トレイ50とが接続する接続位置は、搬送方向Fの上流側にある方が好ましい。しかし、その場合、リンク部材551と操作部611とが重なったり、装置が大型化したりする。
本実施形態では、ユーザーに操作される操作部611に対応するリンク部材551は、前記幅方向から見た場合、搬送方向Fに向かって湾曲する湾曲部63を備える。これにより、リンク部材551と載置トレイ50とが接続する接続位置の設計自由度を向上しつつ、操作部611と重ならない構造を実現することができる。
(5)また、本実施形態では、操作部611,612は、可動部571,572が使用姿勢であるとき、可動部571,572と接触することで可動部571,572の姿勢を支持する。これにより、操作部611,612が可動部571,572の姿勢を支持するので可動部571,572の姿勢が安定する。
【0058】
(6)また、本実施形態では、載置トレイ50が前記閉状態に切り換わる場合に、規制部731,732が装置本体34と当接することで、可動部571,572は前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる。これにより、規制部731,732を、規制部731,732の本来の機能に加えて、可動部571,572の姿勢の変更の機能も兼ねさせることができ、部品点数の増加が無く小型化を実現することができる。
(7)また、本実施形態では、規制部731は、搬送方向に沿って切り欠かれた切り欠き部75を有するので、ユーザーが可動部751と操作部611を把持して操作する際に、切り欠き部75によって規制部731がユーザーの手と干渉する虞を低減することができる。
【0059】
(8)また、本実施形態では、昇降部79と補助支持部材81とを備え、補助支持部材81は載置トレイ50が前記開状態から前記閉状態に変位することに連動して展開姿勢(
図11)から収納姿勢(
図13)に切り換わる。これにより、昇降部70の小型化が図られて、載置トレイ50と昇降部79との間に隙間ができても補助支持部材81によって前記隙間を覆い、媒体3が前記隙間に落ち込む虞を低減することができる。更に、補助支持部材81は前記展開姿勢から前記収納姿勢に切り換わるので、載置トレイ50が前記閉状態に移行する、即ち収納されるときに、補助支持部材81が前記収納姿勢に切り換わることで、装置の小型化を実現することができる。
【0060】
[実施形態2]
次に、実施形態2に係る載置トレイ50について、
図5と
図10Aと
図10Bに基づいて説明する。実施形態1と同一部分については同一符号を付して、その構成及び対応する効果の説明は省略する。
実施形態2の載置トレイ50は、媒体3を載置する載置面51と、載置面51に載置される媒体3の側面31,32を規制するエッジガイド531,532と、装置本体34と接続し、載置トレイ50を前記開状態に支持するリンク部材551,552と、を備えている。エッジガイド531,532は、載置トレイ50の前記閉状態において載置面51に沿って伏す非使用姿勢と、前記開状態において載置面51に対して起立する使用姿勢と、に回動して切換可能な可動部571,572と、載置面51に対して姿勢が固定され、ユーザーに操作される操作部611,612とを備えている。
可動部571,572は、媒体3の搬送方向Fに延在して、載置面51上を搬送される媒体3を搬送方向Fにガイドするガイド面651,652を有する媒体ガイド部671,672と、媒体ガイド部671,672から前記起立する方向に延在するように突設される突設接触部691,692と、を備えている。突設接触部691,692は、載置トレイ50が前記開状態から前記閉状態に移行する際に、装置本体34の被接触部71に接触することで押されて、可動部571,572を前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換える。
【0061】
本実施形態では、操作部611,612は、操作部611,612の基端が固定されるベース部591,592を備えている。即ち、操作部611,612は、ユーザーに操作される部分として載置面51に対して姿勢が固定される状態でベース部591,592に基端が固定されている。可動部571,572は、ベース部591,592に、軸部68,70を介して前記回動が可能な状態で取り付けられている。
更に、操作部611,612は、搬送方向Fと交差する幅方向(Y軸方向)から見た場合において、可動部571,572と重なる位置に設けられている。
【0062】
本実施形態では、装置本体34には本体凸部83が存在する。本体凸部83は、ここでは、装置本体34が給送ローラー52を備えていることで、載置トレイ50の載置面51と対向する面側に凸部となって存在する。すなわち、本体凸部83は、給送ローラー52を覆うカバーであるとも言える。
本体凸部83は、可動部571,572が前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる際に、突設接触部691,692と接触しない位置であって、媒体ガイド部671,672と接触する位置に在る。言い方を変えると、可動部571,572の突設接触部691,692は、本体凸部83と接触しない位置に配置され、媒体ガイド部671,672は、その一部が本体凸部83と接触する位置に配置されている。
即ち、本実施形態では、本体凸部83は、エッジガイド531とエッジガイド532が最も接近した
図5に示した位置又はその近くに位置するときに、媒体ガイド部671,672と接触するが、
図3や
図4に示した位置にあるときは、媒体ガイド部671,672と接触しない構造である。
可動部571,572は、前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる際に、媒体ガイド部671,672が本体凸部83に接触することで、前記回動による変位に加えて、ベース部591,592が後退移動することで前記非使用姿勢に切り換わるように構成されている。なお、後退移動とは、エッジガイド531とエッジガイド532が互いに離れる方向に移動することを指す。
【0063】
突設接触部691,692が接触する装置本体34の被接触部71は、本体凸部83に対しては「凹部」と言える。そこで、別の言い方をすると、エッジガイド531,532は、載置トレイ50が前記閉状態に切り換わる場合に、可動部571,572の突設接触部691,692及び規制部731,732とは別の部位である媒体ガイド部671,672の一部が、装置本体34の本体凸部83と当接することで、装置本体34に設けられる「凹部」となる被接触部71と対向する位置に、前記後退移動によって移動すると言うことができる。
【0064】
<実施形態2の動作の説明>
図5に示した位置にエッジガイド531,532が移動した状態で、載置トレイ50が前記開状態から閉状態に移行する場合について
図10Aと
図10Bを用いて説明する。なお、
図5に示した位置は、載置トレイ50に載置可能な最小サイズの用紙が載置されるときにエッジガイド531,532が移動される位置である。
この場合、可動部571,572の突設接触部691,692の先端部が、被接触部71の中の当接位置851,852に当接する。
尚、突設接触部691,692の先端部が被接触部71の当接位置851,852に当接した状態を実際に図で示すことは、図面が複雑化するだけでなく却って解り難くなる。そのため、
図10Aと
図10Bにおいては、載置トレイ50は開状態のままで、実際には突設接触部691,692の先端部が被接触部71の当接位置851,852に当接したとして、突設接触部691,692、即ちエッジガイド531,532の挙動である変位の状態を示している。
即ち、
図10Aは、
図5の状態から載置トレイ50が閉じ始めて突設接触部691,692の先端部が被接触部71の当接位置851,852に当接して間もない時点の状態を示している。突設接触部691,692の先端部が被接触部71に押されることで、可動部571,572は前記使用姿勢から非使用姿勢に向かって回動変位を始める。この回動変位を始める時点では、可動部571,572の媒体ガイド部671,672は、本体凸部83と非接触の状態である。可動部571,572が更に回動すると、媒体ガイド部671,672の当接部位891,892が、本体凸部83の側部871,872に接触する。
【0065】
媒体ガイド部671,672の当接部位891,892が、本体凸部83の側部871,872に接触した状態で可動部571,572が更に回動すると、
図10Bに示したように、媒体ガイド部671,672の当接部位891,892は、本体凸部83の側部871,872によって互いに近づくことができなくなる。エッジガイド531,532のベース部591,592は、互いに接近及び離間する方向の移動がフリーであるので、可動部571,572は、回動しつつ、ベース部591,592が後退移動する動きに変わる。即ち、エッジガイド531,532は、互いに離れる方向に後退移動し、これにより
図10Aに示した状態から下の図に示した状態になって非使用姿勢に至る。この後退移動する構造によって、エッジガイド531,532は、本体凸部83が在っても、本体凸部83と干渉することなく使用姿勢から非使用姿勢に切り換ることができる。
【0066】
<実施形態2の効果の説明>
(1)本実施形態では、可動部571,572は、媒体ガイド部671,672と、媒体ガイド部671,672から前記起立する方向に延在するように突設される突設接触部691,692とを備える。突設接触部691,692は、載置トレイ50が前記開状態から前記閉状態に移行する際に装置本体34の被接触部71に接触することで可動部571,572を前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換える。このように、可動部571,572は、媒体ガイド部671,672と突設接触部691,692とで構成されているので、エッジガイド531,532としてのガイド機能を維持した状態で可動部571,572の小型化、即ちエッジガイド531,532の小型化を実現することができる。また、本体装置34側の凹凸形状と整合させることによる全体としての小型化を実現し易いという効果が得られる。
【0067】
(2)また、本実施形態では、操作部611,612は、操作部611,612の基端が固定されるベース部591,592を備え、搬送方向Fと交差する幅方向から見た場合において、可動部571,572と重なる位置に設けられている。このように、操作部611,612は、前記幅方向から見た場合において、可動部571,572と重なる位置に設けられているので、ユーザーが手でエッジガイド531,532を移動する際に、把持し易く、操作性がよい。
【0068】
(3)また、本実施形態では、可動部571,572は、前記使用姿勢から前記非使用姿勢に切り換わる際に、媒体ガイド部671,672が装置本体34側の本体凸部83に接触することで、前記回動による変位に加えて、ベース部591,592が後退移動することで前記非使用姿勢に切り換わる。これにより、可動部571,572は、装置本体34側に本体凸部83が在っても、その本体凸部83を避けるように後退移動して前記非使用姿勢に変わるので、小型化を実現することができる。
別の言い方をすると、エッジガイド531,532は、載置トレイ50が前記閉状態に切り換わる場合に、可動部571,572の突設接触部691,692及び規制部731,732とは別の部位である媒体ガイド部671,672の一部が、装置本体34の本体凸部83と当接することで、装置本体34に設けられる「凹部」となる被接触部71と対向する位置に、前記後退移動する。これにより、装置本体34側に本体凸部83が在っても小型化を実現することができる。
【0069】
[実施形態3]
次に、実施形態3に係る載置トレイ50について、
図14から
図16に基づいて説明する。実施形態1及び実施形態2と同一部分については同一符号を付して、その構成及び対応する効果の説明は省略する。
本実施形態では、操作部611は、リンク部材551と接触可能な接触部100を備えている。リンク部材551は、載置トレイ50が前記開状態から前記閉状態に移行する際に、接触部100を押すことで、ベース部591を進出移動させるように構成されている。ここで、「進出移動」とは、エッジガイド531とエッジガイド532が互いに接近する方向に移動することを指す。即ち、エッジガイド531が載置面51上をリンク部材551から離れる方向に移動することを「進出移動」と言う。
図14は、載置トレイ50が前記開状態にあり、リンク部材551は接触部100と接触していない。
図15は、載置トレイ50が前記開状態から前記閉状態に移行し始め、リンク部材551が接触部100に接触した状態を示している。
図16は、載置トレイ50が
図15の状態から前記閉状態に更に移行し、リンク部材551が接触部100に接触し、更に押している状態を示している。
【0070】
具体的には、接触部10には、リンク部材551と対向する側に傾斜辺101が形成されている。また、リンク部材551には傾斜辺101と接触し、更に傾斜辺101を押す押し部102が設けられている。押し部102は、載置トレイ50が前記開状態から前記閉状態に移行する際に、リンク部材551の上端側となる基端が装置本体34に接続された状態で上方(+Z方向)にスライド移動することで、傾斜辺101に接し、更に押す動作をするように構成されている。
図15及び
図16に示したように、傾斜辺101が押し部102から押されると、傾斜辺101の押し部102との接触位置が傾斜辺101の傾斜方向に沿って移動する。これにより、操作部611すなわちベース部591は、リンク部材551から離れる方向である矢印105の方向に移動する。即ち、ベース部591は進出移動する。別の言い方をすると、傾斜辺101は、前記進出移動を実現するように傾斜方向が設定されている。
本実施形態では、他方の操作部612にも、操作部611と同様に、リンク部材552と接触可能な接触部100が設けられている。他方の操作部612の接触部100は、その構造と動作は、操作部611の接触部100と同様であるので、その説明は省略する。
【0071】
本実施形態では、リンク部材551は、載置トレイ50が前記開状態から前記閉状態に移行する際に、接触部100を押すことで、ベース部591を矢印105の方向に進出移動させる。
装置本体34のリンク部材551に近い位置に載置トレイ50の載置面51方向に突出する凸部が設けられている場合がある。この場合に、エッジガイド531がリンク部材551に接近した位置に在る状態で、載置トレイ50が前記開状態から前記閉状態に移行すると、装置本体34側の前記凸部とエッジガイド531が干渉してエッジガイド531を前記起立する使用姿勢から前記伏す非使用姿勢に移行させることができない虞がある。
しかし、本実施形態によれば、前記進出移動によってエッジガイド531を前記凸部と干渉しない位置まで移動させることが可能である。これにより、エッジガイド531がリンク部材551に接近した位置に在る状態で、載置トレイ50が前記開状態から前記閉状態に移行する場合でも、エッジガイド531を、前記凸部との干渉を回避して前記非使用姿勢に移行させることができる。
【0072】
[他の構造:載置トレイの延長部の抜け止め構造]
図17と
図18に基づいて、載置トレイ50の延長部200の抜け止め構造について説明する。
図17の引き出し方向を示す矢印201で示したように、延長部200を引き出すことで載置面51の面積を拡大することができる。
図18に示したように、延長部200の引き出し方向201における後端部には、凸状の第1係止部202と第2係止部203が設けられている。第2係止部203は、延長部200の最後端部に位置し、第1係止部202は、第2係止部203よりも引き出し方向において前方側に少し離れて位置する。
載置トレイ50の載置面51を有するトレイ本体400は、載置面51と反対側となる裏面が裏面カバー301で覆われている。トレイ本体400と裏面カバー301は、トレイ本体400の載置面51側から挿入されるネジ401によって締結されて一体化されている。
図18では、内部が見えるように。裏面カバー301の内面に設けられている補強リブ302だけが記載され、他の部分の記載は省かれている。
【0073】
裏面カバー301の内面、即ち延長部200と対向する面には、第1被係止部303と第2被係止部304が設けられている。本実施形態では、第1被係止部303と第2被係止部304は、補強リブ302に設けられている。
延長部200を引き出すと、第1係止部202の当接部204が第1被係止部303に当接して係止する。更に、第2係止部203の当接部205が第2被係止部304に当接して係止する。即ち、延長部200は、引き出し方向201に離れて位置する第1被係止部303と第2被係止部304が位置する2ヶ所において、延長部200の抜け止めが図られている。
更に、
図18に示したように、ネジ401は、引き出し方向において第1被係止部303よりも後方に少し離れて位置する。そして、第2被係止部304は、引き出し方向においてネジ401の前記締結の位置と略同じ位置に配置されている。これにより、第2被係止部304の変形に対する強度が向上され、抜け止めの確実性が高められている。
【0074】
〔他の実施形態〕
本発明に係る載置トレイ50及び載置トレイ50を備える記録装置1は、以上述べた実施形態の構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことは勿論可能である。
載置トレイ50を備えるものとして、上記実施形態ではインクジェットプリンターについて説明したが、このプリンター以外のものでもよい。即ち、媒体3を搬送する載置トレイ50を有する他の装置にも適用可能である。
上記実施形態では、エッジガイド531,532は、いずれも移動する構造について説明したが、一方のエッジガイド531のみが移動可能で、他のエッジガイド532は移動しない構造のものにも本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1…記録装置、2…搬送ベルト、3…媒体、4…プーリー、5…記録部、
6…プーリー、7…搬送部、8…記録実行領域、9…搬送経路、
10…ピックローラー、11…媒体収容部、12…搬送ローラー対、
13…給送ローラー対、14…搬送ローラー対、15…搬送ローラー対、
16…排出トレイ、17…扉部、18…フラップ、19…切替部、
20…スイッチバック経路、22…搬送ローラー対、24…搬送ローラー対、
26…搬送ローラー対、28…搬送ローラー対、30…反転ローラー、31…側辺、
32…従動ローラー、33…側辺、34…装置本体、36…インク収容部、
38…廃液収容部、40…搬送ローラー対、42…検知部、50…載置トレイ、
51…載置面、52…給送ローラー、54…分離ローラー、56…軸、58…軸、
60…支持面部、63…湾曲部、66…軸、68…軸部、70…軸部、
71…被接触部、72…ピン、74…露呈部分、75…切り欠き部、
79…昇降部(ホッパー)、81…補助支持部材、83…本体凸部、
91…第1搬送経路、92…第2搬送経路、93…第3搬送経路、94…経路、
100…接触部、101…傾斜辺、102…押し部、200…延長部、
201…引き出し方向、202…第1係止部、203…第2係止部、204…当接部、
205…当接部、301…裏面カバー、302…補強リブ、303…第1係止部、
304…第2係止部、400…トレイ本体、401…ネジ、
531,532…エッジガイド、551,552…リンク部材、
571,572…可動部、591,592…ベース部、601,602…アーム部、
611,612…操作部、651,652…ガイド面、
671,672…媒体ガイド部、691,692…突設接触部、
731,732…規制部、851,852…当接位置、871,872…側部、
891,892…当接部位、F…搬送方向、K…分岐点、P…合流地点