(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094239
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】表示モジュール及び電子端末
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
G09G3/20 611C
G09G3/20 612Z
G09G3/20 623Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188598
(22)【出願日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】202211690219.X
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】ファンユン・リウ
【テーマコード(参考)】
5C080
【Fターム(参考)】
5C080AA06
5C080AA07
5C080AA10
5C080DD12
5C080FF01
5C080FF03
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ05
(57)【要約】
【課題】表示モジュールにおけるEMI放射問題又は信号の正確な伝送。
【解決手段】本発明は、表示モジュール及び電子端末を提供し、表示パネル、電源管理モジュール及びソース駆動モジュールを含み、表示パネルは、複数の画素ユニットを含み、ソース駆動モジュールが複数の前記画素ユニットと前記制御用マザーボードと電気的に接続され、ここで、ソース駆動モジュールと電源管理モジュールと電気的に接続される信号処理モジュールをさらに含み、信号処理モジュールは、電源管理モジュールによって生成される第1信号がロードされ、前記第1信号をソース駆動モジュールにロードされる第2信号に処理し、第2信号のエネルギーは第1信号のエネルギーと異なり、ソース駆動モジュールによって生成されるEMI放射を低減するか、又はエネルギーが小さいことによる信号の正確な伝送ができないという問題を改善することができ、表示モジュールの使用範囲を効果的に広げることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素ユニットを含む表示パネルと、
電源管理モジュールと、
複数の前記画素ユニットと制御用マザーボードと電気的に接続されるソース駆動モジュールと、
前記ソース駆動モジュールと前記電源管理モジュールと電気的に接続される信号処理モジュールと、を含み、
前記信号処理モジュールは、前記電源管理モジュールによって生成される第1信号がロードされ、且つ前記第1信号を前記ソース駆動モジュールにロードされる第2信号に処理し、前記第2信号のエネルギーは、前記第1信号のエネルギーと異なる、
ことを特徴とする表示モジュール。
【請求項2】
前記第2信号のエネルギーが前記第1信号のエネルギーよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項3】
前記第1信号は、第1サブ信号及び第2サブ信号を含み、前記第2信号は、第3サブ信号及び第4サブ信号を含み、
前記信号処理モジュールは、
前記電源管理モジュールによって生成される第1サブ信号がロードされ、且つ前記第1サブ信号を前記ソース駆動モジュールにロードされる第3サブ信号に処理し、前記第3サブ信号のエネルギーが前記第1サブ信号のエネルギーよりも小さい第1サブ信号処理モジュールを含むことを特徴とする請求項2に記載の表示モジュール。
【請求項4】
前記第3サブ信号のエネルギーと前記第1サブ信号のエネルギーとの差分値は、前記第4サブ信号のエネルギーと前記第2サブ信号のエネルギーとの差分値よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の表示モジュール。
【請求項5】
前記第1サブ信号処理モジュールは、インピーダンス降圧回路及び低ドロップアウトリニアレギュレータのうちの一方を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の表示モジュール。
【請求項6】
前記信号処理モジュールは、さらに、
前記電源管理モジュールによって生成される第2サブ信号がロードされ、且つ前記第2サブ信号を前記ソース駆動モジュールにロードされる第4サブ信号に処理し、前記第4サブ信号のエネルギーが前記第2サブ信号のエネルギーよりも小さい第2サブ信号処理モジュールを含むことを特徴とする請求項5に記載の表示モジュール。
【請求項7】
前記第2サブ信号処理モジュールは、前記インピーダンス降圧回路及び前記低ドロップアウトリニアレギュレータのうちの他方を含むことを特徴とする請求項6に記載の表示モジュール。
【請求項8】
前記第1サブ信号はアナログ電圧信号を含み、前記第2サブ信号はデジタル電圧信号を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の表示モジュール。
【請求項9】
前記ソース駆動モジュールは、
ソース又はドレインのうちの一方が接地し、ゲートが前記信号処理モジュールに電気的に接続されるトランジスタを含み、
ここで、前記第2信号は電圧信号であり、前記トランジスタのゲートの電圧の大きさは、前記第2信号に対応する電圧の大きさと正の相関関係を呈することを特徴とする請求項3に記載の表示モジュール。
【請求項10】
前記電源管理モジュールを含む制御用マザーボードを含み、前記ソース駆動モジュールは、複数の前記画素ユニットと前記制御用マザーボードとの間に設けられ、
ここで、前記信号処理モジュールは、前記制御用マザーボードに設けられ、又は
前記ソース駆動モジュールと前記制御用マザーボードとの間には、フレキシブルフラットケーブル及び接続板が設けられ、前記フレキシブルフラットケーブルは前記制御用マザーボードと前記接続板と接続され、前記信号処理モジュールは前記接続板に設けられる請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の表示モジュールを含むことを特徴とする電子端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に関し、特に表示モジュールの製造技術分野に関し、具体的には、表示モジュール及び電子端末に関する。
【背景技術】
【0002】
表示モジュールには駆動用の複数の駆動チップが設けられており、ここで、ソース駆動チップ内で一定の周波数範囲内の信号が伝送される際に、当該周波数範囲内の信号のエネルギーが比較的に集中してエネルギーが大きい可能性があり、EMI(Electromagnetic Interference、電磁干渉)放射が発生しやすく、他のシステム又は本システム内の他のサブシステムの正常動作に影響を与えるか、又は、周波数範囲内の信号のエネルギーが小さいと、減衰による信号の正確な伝送ができないという問題が存在する可能性があり、表示モジュールの使用範囲が制限縮小された。
【0003】
そのため、従来の表示モジュールにおけるソース駆動チップにEMI放射の問題が存在し、改善が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例では、従来の表示モジュールにおいて一部の信号のエネルギーが比較的集中して大きいことによりソース駆動チップにEMI放射があるか、又はエネルギーが小さいことにより信号の正確な伝送ができないという技術的問題を解決するために、表示モジュール及び電子端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例にて提供される表示モジュールは、
複数の画素ユニットを含む表示パネルと、
電源管理モジュールと、
複数の前記画素ユニットと制御用マザーボードと電気的に接続されるソース駆動モジュールとを含み、
ここで、前記表示モジュールは、さらに、前記ソース駆動モジュールと前記電源管理モジュールと電気的に接続される信号処理モジュールを含み、前記信号処理モジュールは、前記電源管理モジュールによって生成される第1信号がロードされ、且つ前記第1信号を前記ソース駆動モジュールにロードされる第2信号に処理し、前記第2信号のエネルギーは、前記第1信号のエネルギーと異なる。
【0006】
一実施例では、前記第2信号のエネルギーが前記第1信号のエネルギーよりも小さい。
【0007】
一実施例では、前記第1信号は、第1サブ信号及び第2サブ信号を含み、前記第2信号は、第3サブ信号及び第4サブ信号を含み、
前記信号処理モジュールは、
前記電源管理モジュールによって生成される第1サブ信号がロードされ、且つ前記第1サブ信号を前記ソース駆動モジュールにロードされる第3サブ信号に処理し、前記第3サブ信号のエネルギーが前記第1サブ信号のエネルギーよりも小さい第1サブ信号処理モジュールを含む。
【0008】
一実施例では、前記第3サブ信号のエネルギーと前記第1サブ信号のエネルギーとの差分値は、前記第4サブ信号のエネルギーと前記第2サブ信号のエネルギーとの差分値よりも大きい。
【0009】
一実施例では、前記第1サブ信号処理モジュールは、インピーダンス降圧回路及び低ドロップアウトリニアレギュレータのうちの一方を含む。
【0010】
一実施例では、前記信号処理モジュールは、さらに、
前記電源管理モジュールによって生成される第2サブ信号がロードされ、且つ前記第2サブ信号を前記ソース駆動モジュールにロードされる第4サブ信号に処理し、前記第4サブ信号のエネルギーが前記第2サブ信号のエネルギーよりも小さい第2サブ信号処理モジュールを含む。
【0011】
一実施例では、前記第2サブ信号処理モジュールは、前記インピーダンス降圧回路及び前記低ドロップアウトリニアレギュレータのうちの他方を含む。
【0012】
一実施例では、前記第1サブ信号はアナログ電圧信号を含み、前記第2サブ信号はデジタル電圧信号を含む。
【0013】
一実施例では、前記ソース駆動モジュールは、
ソース又はドレインのうちの一方が接地し、ゲートが前記信号処理モジュールに電気的に接続されるトランジスタを含み、
ここで、前記第2信号は電圧信号であり、前記トランジスタのゲートの電圧の大きさは、前記第2信号に対応する電圧の大きさと正の相関関係を呈する。
【0014】
一実施例では、前記電源管理モジュールを含む制御用マザーボードを含み、前記ソース駆動モジュールは、複数の前記画素ユニットと制御用マザーボードとの間に設けられ、
ここで、前記信号処理モジュールは、前記制御用マザーボードに設けられ、又は
前記ソース駆動モジュールと前記制御用マザーボードとの間には、フレキシブルフラットケーブル及び接続板が設けられ、前記フレキシブルフラットケーブルは前記制御用マザーボードと前記接続板と接続され、前記信号処理モジュールは前記接続板に設けられる。
【0015】
本発明の実施例では、上記のいずれかに記載の表示モジュールを含む電子端末を提供する。
【0016】
本発明は、表示モジュール及びその駆動方法を提供し、ソース駆動モジュールと電源管理モジュールと電気的に接続される信号処理モジュールを設け、前記電源管理モジュールによって生成される第1信号がロードされ、且つ前記第1信号を前記ソース駆動モジュールにロードされる第2信号に処理することにより、前記第2信号のエネルギーが前記第1信号のエネルギーと異なるということが実現され、信号処理モジュールを合理的に設けることにより、第1信号と比較して第2信号を増減させることを実現でき、ソース駆動モジュールによって生成されるEMI放射を低減できるか、又はエネルギーが小さいことによる信号の正確な伝送ができないという問題を改善でき、表示モジュールの使用範囲を効果的に広げた。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、本発明について図面でさらに説明する。なお、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例を説明するためのものにすぎず、当業者であれば、創造的な労力を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明の実施例にて提供される表示モジュールを展開した後の概略平面図である。
【
図2】本発明の実施例にて提供されるソース駆動モジュールにおけるトランジスタの概略構造図である。
【
図3】従来技術のソース駆動モジュールについて測定されたEMI放射の波形図である。
【
図4】本発明のソース駆動モジュールについて測定されたEMI放射の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段について明確かつ完全に説明する。説明された実施例は、すべての実施例ではなく、本発明の一部の実施例にすぎないことが明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を払わずに得られるすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0019】
本発明における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、特定の順序を説明するために使用されるのではなく、異なる対象を区別するために用いられる。さらに、「含む」及び「有する」という用語及びそれらのいずれの変形は、非排他的包含をカーバすることを意図する。例えば、一連のステップ又はモジュールを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、列挙されたステップ又はモジュールに限定されず、列挙されていないステップ又はモジュールを任意選択でさらに含むか、又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はモジュールを任意選択でさらに含む。
【0020】
本明細書に言及された「実施例」は、実施例と合わせて説明した特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各時間位置にこのフレーズが出た場合、必ずしも全て同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と排他的な独立した実施例又は代替の実施例でもない。当業者は、本明細書に説明された実施例が他の実施例と組み合わされてもよいことを明示的かつ暗示的に理解する。
【0021】
本発明の実施例では、表示モジュールを提供し、前記表示モジュールは、以下の実施例及び以下の実施例の組合せを含むが、これらに限定されない。
【0022】
一実施例では、
図1に示すように、前記表示モジュール100は、複数の画素ユニットを含む表示パネル10と、電源管理モジュール201と、複数の前記画素ユニットと制御用マザーボード20と電気的に接続されるソース駆動モジュール30と、を含み、ここで、前記表示モジュール100は、さらに、前記ソース駆動モジュール30と前記電源管理モジュール201と電気的に接続される信号処理モジュール202を含み、前記信号処理モジュール202は、前記電源管理モジュール201によって生成される第1信号V1がロードされ、且つ前記第1信号V1を前記ソース駆動モジュール30にロードされる第2信号V2に処理し、前記第2信号V2のエネルギーは前記第1信号V1のエネルギーと異なる。さらに、前記表示モジュール100は、前記電源管理モジュール201を含み得る制御用マザーボード20を含み得、前記ソース駆動モジュール30は複数の前記画素ユニットと前記制御用マザーボード20との間に設けられ、前記信号処理モジュール202は前記制御用マザーボード20に設けられ得る。
【0023】
ここで、表示パネル10は、液晶表示パネル、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、発光ダイオード表示パネル、サブミリ発光ダイオード表示パネル、マイクロ発光ダイオード表示パネルのうちの少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されない。具体的には、ソース駆動モジュール30は、複数の画素ユニットと制御用マザーボード20とを電気的に接続し、ソース駆動モジュール30は、制御用マザーボード20の制御下で各画素ユニット内の各サブ画素101に、対応するデータ信号Vdataをロードして、対応する色が各画素ユニットに表示されるように制御することができ、それにより、表示パネル10の画面表示が実現される。
【0024】
なお、制御用マザーボード20における電源管理モジュール201によって生成される第1信号V1がソース駆動モジュール30に直接作用する場合、第1信号V1に交流でエネルギーが大きい信号が存在するため、ソース駆動モジュール30自体のデバイス構造と合わせると、ソース駆動モジュール30内で伝送される一定の周波数範囲内にある信号のエネルギーが、依然として比較的集中してエネルギーが大きい可能性があり、EMI(Electromagnetic Interference、電磁干渉)放射が発生しやすく、他のシステム又は本システム内の他のサブシステムの正常動作に影響を与え、表示モジュール100の使用範囲が制限縮小された。
【0025】
本実施例では、ソース駆動モジュール30と電源管理モジュール201と電気的に接続される信号処理モジュール202が設けられ、且つ信号処理モジュール202は、電源管理モジュール201によって生成される第1信号V1をソース駆動モジュール30にロードされる第2信号V2に処理することができ、且つ第2信号V2のエネルギーが第1信号V1のエネルギーと異なり、即ち、信号処理モジュール202により、電源管理モジュール201に対して生成された、ソース駆動モジュール30にロードされる信号を処理してエネルギーを変更することが実現でき、これにより、ソース駆動モジュール30にロードされる第2信号V2のエネルギーにより少なくともソース駆動モジュール30によって生成されるEMI放射を低減して、表示モジュール100の使用範囲を制限縮小することを回避することを理解されたい。
【0026】
当然のことながら、ソース駆動モジュール30に必要な信号のエネルギーの需要に応じて、電源管理モジュール201によって生成される第1信号V1に対して対応する処理を行うように、信号処理モジュール202を合理的に設けることもでき、ここでは、第2信号V2のエネルギーと第1信号V1のエネルギーとの大きさ関係を限定せず、両者が異なればよい。具体的には、例えば、ソース駆動モジュール30内で伝送される一定の周波数範囲内にある信号のエネルギーが比較的集中してエネルギーが大きい場合、即ちソース駆動モジュール30に必要な信号のエネルギーが小さい場合、信号処理モジュール202を第2信号V2のエネルギーが第1信号V1のエネルギーによりも小さい状況に適合するように設けることができ、また例えば、ソース駆動モジュール30内で伝送される一定の周波数範囲内にある信号のエネルギーが小さい場合、即ちソース駆動モジュール30に必要な信号のエネルギーが大きい場合、信号処理モジュール202を第2信号V2のエネルギーが第1信号V1のエネルギーよりも大きい状況に適合するように設けることができる。
【0027】
一実施例では、
図1に示すように、前記第1信号V1は第1サブ信号VAA及び第2サブ信号VCCを含み、前記第2信号V2は第3サブ信号VAA´及び第4サブ信号VCC´を含み、前記信号処理モジュール202は、前記電源管理モジュール201によって生成される第1サブ信号VAAがロードされ、且つ前記第1サブ信号VAAを前記ソース駆動モジュール30にロードされる第3サブ信号VAA´に処理し、前記第3サブ信号VAA´のエネルギーが前記第1サブ信号VAAのエネルギーよりも小さい第1サブ信号処理モジュール2021と、前記電源管理モジュール201によって生成される第2サブ信号VCCがロードされ、且つ前記第2サブ信号VCCを前記ソース駆動モジュール30にロードされる第4サブ信号VCC´に処理し、前記第4サブ信号VCC´のエネルギーが前記第2サブ信号VCCのエネルギーよりも小さい第2サブ信号処理モジュール2022とを含む。
【0028】
本実施例では、第1信号V1が第1サブ信号VAA及び第2サブ信号VCCを含むことに基づいて、第1サブ信号VAA及び第2サブ信号VCCの処理にそれぞれ用いられる第1サブ信号処理モジュール2021及び第2サブ信号処理モジュール2022が設けられ、一方では、異なる信号の特性に応じて対応する処理を行うことができ、他方では、ソース駆動モジュール30の各信号に対するエネルギー需要を含むがこれに限定されない需要に応じて、対応する処理を行うことができ、それにより、第1サブ信号処理モジュール2021が第1サブ信号VAAによって生成される第3サブ信号VAA´を処理すること及び第2サブ信号処理モジュール2022が第2サブ信号VCCによって生成される第4サブ信号VCC´を処理することが、それぞれソース駆動モジュール30の異なるデバイスの需要を満たすことができ、第1信号V1を処理する信頼性をさらに向上させ、表示モジュール100の使用範囲をさらに拡大することを理解されたい。
【0029】
一実施例では、
図1に示すように、前記第2サブ信号VCCのエネルギーは前記第1サブ信号VAAのエネルギーよりも小さい。具体的には、上記の説明と合わせて、第1サブ信号処理モジュール2021及び第2サブ信号処理モジュール2022は、異なる信号の特性に応じて対応する処理を行うことができ、例えば、本実施例では、第1サブ信号処理モジュール2021によって処理できる信号(例えば第1サブ信号VAA)のエネルギーが、第2サブ信号処理モジュール2022によって処理できる信号(例えば第2サブ信号VCC)のエネルギーより大きくてもよいとさらに限定することができる。
【0030】
第2サブ信号VCCのエネルギーと第1サブ信号VAAのエネルギーとの間に差があるか、又はこの差が大きい場合、第1サブ信号処理モジュール2021及び第2サブ信号処理モジュール2022を設けてそれぞれ処理し、信号処理モジュール202が第1信号V1を処理する信頼性を向上させ、第2サブ信号VCCのエネルギーと第1サブ信号VAAのエネルギーとの間の差が大きすぎて同一のサブ信号処理モジュールによって同時に処理されることができないことにより、出力される第2サブ信号VCCのエネルギーがソース駆動モジュール30を満足させることができなくなるというリスクを低減することができることを理解されたい。
【0031】
一実施例では、
図1に示すように、前記第3サブ信号VAA´のエネルギーと前記第1サブ信号VAAのエネルギーとの差分値は、前記第4サブ信号VCC´のエネルギーと前記第2サブ信号VCCのエネルギーとの差分値よりも大きい。具体的には、上記の説明と合わせて、第1サブ信号処理モジュール2021及び第2サブ信号処理モジュール2022は、ソース駆動モジュール30の各信号に対するエネルギー需要を含むがこれに限定されない需要に応じて対応する処理を行うことができ、例えば、本実施例では、信号のエネルギーを変更できる第1サブ信号処理モジュール2021の能力(例えば、第1サブ信号VAAのエネルギーを第3サブ信号VAA´のエネルギーに処理する)が、信号のエネルギーを変更できる第2サブ信号処理モジュール2022の能力(例えば、第2サブ信号VCCのエネルギーを第4サブ信号VCC´のエネルギーに処理する)よりも大きくてもよい。
【0032】
第3サブ信号VAA´のエネルギーと第1サブ信号VAAのエネルギーとの差分値と、第4サブ信号VCC´のエネルギーと前記第2サブ信号VCCのエネルギーとの差分値との間に差があるか、又はこの差が大きい場合、第1サブ信号処理モジュール2021及び第2サブ信号処理モジュール2022を設けてそれぞれ処理し、同じ原理で、信号処理モジュール202が第1信号V1を処理する信頼性を向上させ、第3サブ信号VAA´のエネルギーと第1サブ信号VAAのエネルギーとの差分値と、第4サブ信号VCC´のエネルギーと前記第2サブ信号VCCのエネルギーとの差分値との間の差が大きすぎて、同一のサブ信号処理モジュールによって同時に処理されることができないことにより、出力される第2サブ信号VCCのエネルギーがソース駆動モジュール30を満足させることができなくなるというリスクを低減することができることを理解されたい。
【0033】
ここで、前記第1サブ信号処理モジュール2021は、インピーダンス降圧回路及び低ドロップアウトリニアレギュレータのうちの一方を含み得、前記第2サブ信号処理モジュール2022は、前記インピーダンス降圧回路及び前記低ドロップアウトリニアレギュレータのうちの他方を含み得る。具体的には、
図1に示すように、ここでは、前記第1サブ信号処理モジュール2021がインピーダンス降圧回路を含み、前記第2サブ信号処理モジュール2022が低ドロップアウトリニアレギュレータを含むことを例として説明する。
【0034】
ここで、インピーダンス降圧回路(第1サブ信号処理モジュール2021に含まれる)には、少なくとも1つのダイオード含まれ得、例えば、
図1において、直列に接続された複数のダイオードが含まれてもよく、ダイオードが順方向にオンなっている場合、その両端おける電圧降下が一定でほぼ変化しなく、異なるタイプのダイオードの順方向電圧降下は異なり、一般に0.5V~0.7V範囲内にあるため、1つのダイオード又は複数のダイオードを直列に接続することにより、本実施例におけるインピーダンス降圧回路の降圧を実現することができるが、なお、インピーダンス降圧回路において、各ダイオードを流れる電流は、ダイオードの過電流破壊を避けるために、その最大順方向電流を超えてはいけない。当然のことながら、インピーダンス降圧回路に、並列に設けられた抵抗が含まれてもよい。
【0035】
具体的には、低ドロップアウトリニアレギュレータは、マイクロ消費電力の低ドロップアウトリニアレギュレータとして、通常、極めて低い自己ノイズ及び高い電源除去比を有することができ、基本的な動作原理は、次のとおりである。システムに通電し、イネーブルピンがハイレベルにある場合、回路が起動し始め、定電流源回路が回路全体にバイアスを提供し、基準電源電圧が高速に確立され、出力が入力に伴って上昇し続け、出力が所定値に達する直前に、フィードバックネットワークによって得られる出力フィードバック電圧も基準電圧値に近づき、このとき、誤差増幅器が、出力フィードバック電圧と基準電圧との間の誤差が小さい信号を増幅してから、調整用トランジスタを介して出力ものまでに増幅させ、それにより、負のフィードバックが形成され、出力電圧が所定値に安定することを保証し、同じ原理で、入力電圧が変化するか又は出力電流が変化する場合、この閉ループにより、出力電圧が一定、即ちVout=(R1+R2)/R2×Vrefに保たれ、それにより、安定した電圧での出力が実現される。
【0036】
本実施例では、第1信号V1及び第2信号V2は、電圧信号として理解され得、上記の説明と合わせて、信号処理モジュール202の本質は、第1信号V1に対して昇圧又は降圧処理を行って第2信号V2を得るために、電圧変換を行うために用いられることであり得、さらに、第2信号V2は、第1信号V1に比べソース駆動モジュール30にロードされ、異なる電流信号を発生することができ、それにより、ソース駆動モジュール30内のデバイスによって伝送される電流の大きさを変更し、磁気が電気によって生成される原理と合わせて、ソース駆動モジュール30によって生成されるEMI放射を変更する(例えば、弱める)ことができることに留意されたい。
【0037】
一実施例では、
図1に示すように、前記第1サブ信号VAAは、さらに、表示パネル10のGOA回路にロードするための高圧信号VGHを生成するために用いられ、前記第2サブ信号VCCは、さらに、前記制御用マザーボード20のタイミング制御モジュール203にロードするために用いられる。ここで、制御用マザーボード20は、電源管理モジュール201、タイミング制御モジュール203等の集積回路又はチップを搭載するためのマザーボード本体204を含んでもよい。ここで、GOA回路及びソース駆動モジュール30のうちの少なくとも1つは、表示パネル10に設けられてもよく、ボンディング方式(ボンディングを含むが、これに限定されない)により表示パネル10に電気的に連結されてもよく、例えば、GOA回路は、ソース駆動モジュール30と協働して、複数行のサブ画素101のデータ信号Vdataを対応する複数行のサブ画素101に順次ロードするために、順次オンになるように複数行のサブ画素101を制御することができる。ここで、GOA回路、ソース駆動モジュール30は、タイミング制御モジュール203の制御下で複数行のサブ画素のデータ信号Vdataを対応する複数行のサブ画素101に順次ロードするために、両方ともタイミング制御モジュール203に電気的に接続することができる。
【0038】
具体的には、第1サブ信号VAAは、DC-DC電源モジュール(DC-DC電源モジュールを含むが、これに限定されない)によって高圧信号VGHを生成することができ、DC-DC電源モジュールは、マザーボード本体204に設けられてもよく、例えば、DC-DC電源モジュールは、直接マザーボード本体204に貼り付けられてもよい。さらに、電源管理モジュール201は、さらに、第1信号V1と異なる他の電圧信号を生成することができ、DC-DC電源モジュール(DC-DC電源モジュールを含むが、これに限定されない)によって低圧信号VGLなどを生成し、高圧信号VGH及び低圧信号VGLは、GOA回路に対する駆動を実現するために、両方ともGOA回路にロードされることができる。第2サブ信号VCCは、画像データ信号Vdataを含み得るが、これに限定されず、タイミング制御モジュール203にロードされた後、タイミング制御モジュール203の変換を経て、上記に言及された複数のサブ画素101に対応する複数のデータ信号Vdata及び関連の制御信号を生成することができ、さらに、上記に言及された、ソース駆動モジュール30にロードされる第3サブ信号VAA´と合わせて、対応する複数のデータ信号Vdataを複数のサブ画素101に伝送するようにソース駆動モジュール30を制御することができる。
【0039】
ここで、前記第1サブ信号VAAにはアナログ電圧信号が含まれ、前記第2サブ信号VCCにはデジタル電圧信号が含まれる。具体的には、アナログ電圧信号(第1サブ信号VAAに含まれる)は、対応するデジタル電圧信号を生成するために、アナログ量収集器(アナログ量収集器に限定されない)を通ってもよいし、直接アナログ電圧信号で伝送されてもよく、本実施例では、第3サブ信号VAA´がアナログ電圧信号であるか又はデジタル電圧信号であるかについて限定しない。デジタル電圧信号(第2サブ信号VCCに含まれる)は、対応するアナログ電圧信号を生成するために、アナログ量発生器(アナログ量発生器に限定されない)通ってもよいし、直接デジタル電圧信号で伝送されてもよく、本実施例では、第4サブ信号VCC´がアナログ電圧信号であるか又はデジタル電圧信号であるかについても限定しない。
【0040】
一実施例では、
図1及び
図2に示すように、前記ソース駆動モジュール30は、ソースS又はドレインDの一方が接地し、ゲートGが前記信号処理モジュール202に電気的に接続されるトランジスタ302を含み、ここで、前記第2信号V2は電圧信号であり、前記トランジスタ302のゲートGの電圧の大きさは、前記第2信号V2に対応する電圧の大きさと相関関係である。ここで、トランジスタ302は、スイッチトランジスタであってもよい。
【0041】
具体的には、ソース駆動モジュール30は、複数のサブソース駆動モジュール30を含んでもよく、各サブソース駆動モジュール30は、対応する複数列のサブ画素101に電気的に接続されて対応する複数のデータ信号Vdataを伝送し、さらに、各サブソース駆動モジュール30は、複数のトランジスタ302を含んでもよく、且つ上記に技術したようなトランジスタ302が少なくとも1つ存在する。具体的には、トランジスタ302がオンした後の電流式Id=1/2*β*(W/L)*(VGS-VTH)2(βがトランジスタの交流電流増幅係数であり、トランジスタの交流変化信号に対する電流増幅能力を表し、「W/L」がトランジスタのアスペクト比であり、VGSがトランジスタのゲートとソースとの間の電圧差であり、VTHがトランジスタの閾値電圧である)から、β、「W/L」及びVTHはいずれも定数であることを分かり、トランジスタ302のオン電流Idが、トランジスタ302のゲートとソースとの間の電圧差VGSと正の相関関係を呈すると考えることができる。当然のことながら、トランジスタ302のドレインDの電圧の大きさは、第2信号V2に対応する電圧の大きさに関係してもよい。
【0042】
本実施例では、トランジスタ302のソースSが接地することを例として説明し、トランジスタ302のゲートGが信号処理モジュール202に電気的に接続され、且つトランジスタ302のゲートGの電圧の大きさが第2信号V2に対応する電圧の大きさと正の相関関係を呈し、即ち、トランジスタ302のオン電流Idが第2信号V2に対応する電圧の大きさと相関があると考えることができることを理解されたい。以上の説明から分かるように、信号処理モジュール202を合理的に設けることにより、電源管理モジュール201によって生成される第1信号V1に対して対応する処理を行うことができ、例えば、ここでは、第1信号V1に比べ、第2信号V2がサブソース駆動モジュール30に作用するようにするために、第2信号V2のエネルギーが第1信号V1のエネルギーよりも大きいことに適合するように設けて、トランジスタ302のゲートとソースとの間の電圧差VGSがある程度低減することを実現でき、それにより、トランジスタ302のオン電流Idを低減し、磁気が電気によって生成される原理と合わせると、ソース駆動モジュール30によって生成されるEMI放射を変更する(例えば弱める)ことができる。
【0043】
具体的には、
図3は、従来技術におけるソース駆動モジュールに対して測定したEMI放射の波形図であり、
図4は、本発明におけるソース駆動モジュールに対して測定したEMI放射の波形図であり、ここで、横座標は時間tを表し、ここでは、時間tの単位を制限せず、縦座標は統計数を表し、単位がdBであり、
図3及び
図4における波形L1はEMI放射の臨界波形であり、波形L1の上に位置するとEMI放射が大きすぎると考えられ、
図3及び
図4における波形L2は、波形L1の値よりも6dB小さい波形である。
【0044】
図3において、従来技術では、信号処理モジュール202が設けられていないため、ソース駆動モジュール30にロードされる信号のエネルギーが大きく、発生された第1EMI放射波形L3の幅値が大きいと考えることができ、
図3に示すように波形L2さえ超え、波形L1との最小距離が1.62dBであり、第1EMI放射波形L3が不合格であると考え、
図4において、本発明では、信号処理モジュール202が設けられているため、ソース駆動モジュール30にロードされる信号のエネルギーが小さく、第1EMI放射波形L3の幅値に比較して、発生された第2EMI放射波形L4の幅値がより小さく、
図4において、第2EMI放射波形L4は波形L2の下に位置し、即ち、第2EMI放射波形L4と波形L1との間の距離が6dBより大きく、第2EMI放射波形L4が合格であると考えることを理解されたい。
【0045】
具体的には、本実施例では、ソース駆動モジュール30がボンディングの方式により表示パネル10に電気的に接続されることを例として説明する。例えば、
図1に示すように、ソース駆動モジュール30内の間隔をおいて設けられた複数のサブソース駆動モジュール30が表示パネル10の少なくとも一方側に接続されることができ、さらに、ソース駆動モジュール30と制御用マザーボード20との間に、フレキシブルフラットケーブル401及び接続板402を設けることができ、フレキシブルフラットケーブル401は、制御用マザーボード20と接続板402と接続され、接続板402のフレキシブルフラットケーブル401に近い側に、第1ピン403を設けることができ、制御用マザーボード20のフレキシブルフラットケーブル401に近い側に第2ピン404を設けることができ、フレキシブルフラットケーブル401の両端のプラグは、制御用マザーボード20と接続板402との電気的接続を実現するために、第1ピン403及び第2ピン404にそれぞれ電気的に接続されてもよく、ここで、フレキシブルプリント回路を用いてフレキシブルフラットケーブル401を代替してもよい。さらに、信号処理モジュール202は、接続板402に設けられてもよく、接続板402のソース駆動モジュール30に近い側及びソース駆動モジュール30の接続板402に近い側も、ピン接続の方式(ピン接続の方式に限定されない)によって両者の電気的接続を実現することができる。
【0046】
本発明の実施例は、上記のいずれかの表示モジュールを含み得る電子端末を提供する。
【0047】
本発明は、表示モジュール及びその駆動方法を提供し、ソース駆動モジュールと電源管理モジュールと電気的に接続される信号処理モジュールを設け、前記電源管理モジュールによって生成される第1信号がロードされ、且つ前記第1信号を前記ソース駆動モジュールにロードされる第2信号に処理することにより、前記第2信号のエネルギーが前記第1信号のエネルギーと異なるということが実現され、信号処理モジュールを合理的に設けることにより、第1信号と比較して第2信号を増減させることを実現でき、ソース駆動モジュールによって生成されるEMI放射を低減できるか、又はエネルギーが小さいことによる信号の正確な伝送ができないという問題を改善でき、表示モジュールの使用範囲を効果的に広げた。
【0048】
以上、本発明の実施例にて提供される表示モジュール及びその駆動方法について詳細に紹介し、本明細書では、具体的な例を適用して本発明の原理及び実施形態について説明し、以上の実施例の説明は、本発明の技術的解決手段及びその核心思想の理解を助けるためのものに過ぎず、当業者は、依然として、前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はその一部の技術的特徴を等価置換することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質が本発明の各実施例の技術的解決手段の範囲を脱離しないことを理解するべきである。