(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094242
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 651Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023190184
(22)【出願日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0185900
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ジョンドゥ,イ
(72)【発明者】
【氏名】テジョン,チェ
(72)【発明者】
【氏名】ジュヨン,ソン
(72)【発明者】
【氏名】サンミン,イ
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB16
5F157AB33
5F157AB49
5F157AB90
5F157AC03
5F157AC35
5F157CB14
5F157CB26
5F157DB32
(57)【要約】
【課題】基板処理装置を提供する。
【解決手段】内部に基板処理空間を定義するボディと、基板処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、基板処理空間から処理流体を排気する流体排気ラインと、ボディを取り囲んで固定させるように構成されたクランプボディと、ボディとクランプボディとの間に配置され、かつボディとクランプボディとの摩擦を防止するように構成された摩擦防止部材と、摩擦防止部材の外部縁の少なくとも一部に沿って伸びた導電体と、導電体に印加された電気的信号に応答して出力された出力信号から、導電体の変形如何を検出するように構成されたプロセッサと、を備える基板処理装置。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に基板処理空間を定義するボディと、
前記基板処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、
前記基板処理空間から処理流体を排気する流体排気ラインと、
前記ボディを取り囲んで固定させるように構成されたクランプボディと、
前記ボディと前記クランプボディとの間に配置され、かつ前記ボディと前記クランプボディとの摩擦を防止するように構成された摩擦防止部材と、
前記摩擦防止部材の外部縁の少なくとも一部に沿って伸びた導電体と、
前記導電体に印加された電気的信号に応答して出力された出力信号から、前記導電体の変形如何を検出するように構成されたプロセッサと、を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記ボディは、
上部ボディと、
前記上部ボディに対して相対的に移動する下部ボディと、を備え、
前記摩擦防止部材は、前記上部ボディと前記クランプボディとの間、及び前記下部ボディと前記クランプボディとの間の摩擦を防止することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記導電体から出力された出力信号を検出する電気的センサを備え、
前記導電体の一端は、前記電気的センサの正極端子と連結され、
前記導電体の他端は、前記電気的センサの負極端子と連結されたことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記電気的センサが検出した出力信号に基づいて、前記導電体の変形如何を判断するように構成された変形判断部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記変形判断部から変形如何情報を伝達されて、前記導電体が変形されたことを知らせるように構成された変形表示部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記摩擦防止部材は、
一方向に延びる第1部分と、
前記第1部分が延びる方向に交差して、前記第1部分から上に向う方向に延びる第2部分と、
前記第1部分が延びる方向に交差して、前記第1部分から下に向う方向に延びる第3部分と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第2部分と前記第3部分は、前記一方向に沿って交互に配置されたことを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記摩擦防止部材は、
前記第1部分、前記第2部分、及び前記第3部分が一体であることを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記導電体は、直径が0.05mmないし0.15mmである電線を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記摩擦防止部材は、
ポリイミドフィルムを含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
第1ボディ、及び前記第1ボディに対して相対的に移動自在に提供されて、基板を処理する空間を定義する第2ボディを備えるチャンバボディと、
前記第1ボディと前記第2ボディとが密着する閉鎖位置にある時、前記第1ボディ及び前記第2ボディを固定させるクランプボディと、
前記クランプボディに取り付けられて、前記チャンバボディと前記クランプボディとの摩擦を防止するように構成された摩擦防止部材と、
前記摩擦防止部材の内部に埋め込まれた導電体と、
前記導電体に印加された電気的信号に応答して出力された出力信号から、前記導電体の変形如何を検出するように構成されたプロセッサと、を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項12】
前記摩擦防止部材は、第1方向に延び、
前記導電体は、前記摩擦防止部材の縁に沿って延びたことを特徴とする請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記摩擦防止部材は、
一方向に延びる第1部分と、
前記第1部分が延びる方向に交差して、前記第1部分から延びる第2部分と、を備えることを特徴とする請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記導電体は、
前記第1部分及び前記第2部分の縁に沿って延びたことを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記導電体は、前記第1部分内に埋め込まれてU状に形成されたことを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記摩擦防止部材は、
複数で提供され、互いに離隔されて配置されることを特徴とする請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記摩擦防止部材のうち一部は、
上部から見る時、円周方向に沿って互いに離隔されて配列されることを特徴とする請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記摩擦防止部材は、
ポリイミドフィルムを含むことを特徴とする請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項19】
第1ボディ、及び前記第1ボディについて相対的に移動自在に提供されて、基板処理空間を定義する第2ボディを備えるチャンバボディと、
前記基板処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、
前記基板処理空間から処理流体を排気する流体排気ラインと、
前記第1ボディと前記第2ボディとが密着する閉鎖位置にある時、前記第1ボディ及び前記第2ボディを固定させるクランプボディと、
前記クランプボディに取り付けられて、前記チャンバボディと前記クランプボディとの摩擦を防止するように構成された摩擦防止部材と、
前記摩擦防止部材の外部縁に沿って設けられた導電体と、
前記導電体に印加された電気的信号に応答して出力された出力信号から、前記導電体の変形如何を検出するように構成されたプロセッサと、を備え、
前記摩擦防止部材は、
一方向に長く延びる第1部分と、
前記第1部分が延びる方向に交差して、前記第1部分から上に向う方向に延びる第2部分と、
前記第1部分が延びる方向に交差して、前記第1部分から下に向う方向に延びる第3部分と、を備え、
前記第1部分、前記第2部分、及び前記第3部分が一体をなし、
前記摩擦防止部材は、複数で提供され、互いに離隔されて配置され、
前記摩擦防止部材のうち一部は、上部から見る時、円周方向に沿って互いに離隔されて配列され、
前記導電体は、直径が0.05mmないし0.15mmである電線を含み、
前記摩擦防止部材は、ポリイミドフィルムを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、
前記導電体から出力された出力信号を検出する電気的センサと、
前記電気的センサが検出した出力信号に基づいて、前記導電体の変形如何を判断するように構成された変形判断部と、
前記変形判断部から変形如何情報を伝達されて、前記導電体が変形されたことを知らせるように構成された変形表示部と、を備え、
前記導電体の一端は、前記電気的センサの正極端子と連結され、前記導電体の他端は、前記電気的センサの負極端子と連結されたことを特徴とする請求項19に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に係り、特に、基板を洗浄するように構成されたチャンバを備える基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を製造するために、基板に写真、エッチング、アッシング、イオン注入、そして薄膜蒸着などの多様な工程を通じて、所望のパターンをウェーハなどの基板上に形成する。それぞれの工程には、多様な処理液、処理ガスが使われ、工程進行中にはパーチクル、そして工程副産物が発生する。これらのパーチクル、そして工程副産物を基板から除去するために、それぞれの工程前後には洗浄工程が行われる。
【0003】
最近には、基板上にイソプロピルアルコール(IPA)のような有機溶剤を供給して、基板上に残留するリンス液を、表面張力の低い有機溶剤に切り替え、以後、基板上に超臨界状態の処理流体を供給して、基板に残留する有機溶剤を除去する超臨界乾燥工程が用いられている。超臨界乾燥工程では、内部の密閉されている工程チャンバに乾燥用ガスを供給し、乾燥用ガスを加熱及び加圧する。これにより、乾燥用ガスの温度及び圧力は、いずれも臨界点以上に上昇し、乾燥用ガスは、超臨界状態に相変化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、基板を効率的に処理することができる基板処理装置を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、摩擦防止部材の変形時、変形如何を検出することができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は、内部に基板処理空間を定義するボディと、前記基板処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、前記基板処理空間から処理流体を排気する流体排気ラインと、前記ボディを取り囲んで固定させるように構成されたクランプボディと、前記ボディと前記クランプボディとの間に配置され、かつ前記ボディと前記クランプボディとの摩擦を防止するように構成された摩擦防止部材と、前記摩擦防止部材の外部縁の少なくとも一部に沿って延びた導電体と、前記導電体に印加された電気的信号に応答して出力された出力信号から、前記導電体の変形如何を検出するように構成されたプロセッサと、を備えることを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0006】
一実施形態によれば、前記ボディは、上部ボディと、前記上部ボディに対して相対的に移動する下部ボディを備え、前記摩擦防止部材は、前記上部ボディと前記クランプボディとの摩擦、及び前記下部ボディと前記クランプボディとの摩擦を防止することを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0007】
一実施形態によれば、前記プロセッサは、前記導電体から出力された出力信号を検出する電気的センサを備え、前記導電体の一端は、前記電気的センサの正極端子と連結され、前記導電体の他端は、前記電気的センサの負極端子と連結されたことを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0008】
一実施形態によれば、前記プロセッサは、前記電気的センサが検出した出力信号に基づいて、前記導電体の変形如何を判断するように構成された変形判断部をさらに備えることを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0009】
一実施形態によれば、前記プロセッサは、前記変形判断部から変形如何情報を伝達されて、前記導電体が変形されたことを知らせるように構成された変形表示部をさらに備えることを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0010】
一実施形態によれば、前記摩擦防止部材は、一方向に延びる第1部分と、前記第1部分が延びる方向に交差して、前記第1部分から上に向う方向に延びる第2部分と、前記第1部分が延びる方向に交差して、前記第1部分から下に向う方向に延びる第3部分と、を備えることを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0011】
一実施形態によれば、前記第2部分と前記第3部分は、前記一方向に沿って交互に配置されたことを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0012】
一実施形態によれば、前記摩擦防止部材は、前記第1部分、前記第2部分、及び前記第3部分が一体であることを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0013】
一実施形態によれば、前記摩擦防止部材は、前記第1部分、前記第2部分、及び前記第3部分が一体であることを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0014】
一実施形態によれば、前記導電体は、直径が0.05mmないし0.15mmである電線を含むことを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0015】
一実施形態によれば、前記摩擦防止部材は、ポリイミドフィルムを含むことを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0016】
前記課題を解決するために、本発明は、第1ボディ、及び前記第1ボディに対して相対的に移動自在に提供されて、基板を処理する空間を定義する第2ボディを備えるチャンバボディと、前記第1ボディと前記第2ボディとが密着する閉鎖位置にある時、前記第1ボディ及び前記第2ボディを固定させるクランプボディと、前記クランプボディに取り付けられて、前記チャンバボディと前記クランプボディとの摩擦を防止するように構成された摩擦防止部材と、前記摩擦防止部材の内部に埋め込まれた導電体と、前記導電体に印加された電気的信号に応答して出力された出力信号から、前記導電体の変形如何を検出するように構成されたプロセッサと、を備えることを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0017】
一実施形態によれば、前記摩擦防止部材は、第1方向に延び、前記導電体は、前記摩擦防止部材の縁に沿って延びたことを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0018】
一実施形態によれば、前記摩擦防止部材は、一方向に延びる第1部分と、前記第1部分が伸びる方向に交差して前記第1部分から延びる第2部分を備えることを特徴とする摩擦防止部材を提供する。
【0019】
一実施形態によれば、前記導電体は、前記第1部分及び前記第2部分の縁に沿って延びたことを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0020】
一実施形態によれば、前記導電体は、前記第1部分内に埋め込まれてU状に形成されたことを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0021】
一実施形態によれば、前記摩擦防止部材は、複数に提供されて、互いに離隔されて配置されることを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0022】
一実施形態によれば、前記摩擦防止部材のうち一部は、上部から見る時、円周方向に沿って互いに離隔されて配列されることを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0023】
一実施形態によれば、前記摩擦防止部材は、ポリイミドフィルムを含むことを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0024】
前記課題を解決するために、本発明は、第1ボディ、及び前記第1ボディに対して相対的に移動自在に提供されて、基板処理空間を定義する第2ボディを備えるチャンバボディと、前記基板処理空間に処理流体を供給する流体供給ユニットと、前記基板処理空間から処理流体を排気する流体排気ラインと、前記第1ボディと前記第2ボディとが密着する閉鎖位置にある時、前記第1ボディ及び前記第2ボディを固定させるクランプボディと、前記クランプボディに取り付けられて、前記チャンバボディと前記クランプボディとの摩擦を防止するように構成された摩擦防止部材と、前記摩擦防止部材の外部縁に沿って設けられた導電体と、前記導電体に印加された電気的信号に応答して出力された出力信号から、前記導電体の変形如何を検出するように構成されたプロセッサと、を備え、前記摩擦防止部材は、一方向に長く延びる第1部分と、前記第1部分が延びる方向に交差して、前記第1部分から上に向う方向に延びる第2部分と、前記第1部分が延びる方向に交差して、前記第1部分から下に向う方向に延びる第3部分と、を備え、前記第1部分、前記第2部分、及び前記第3部分は一体である形状を持ち、前記摩擦防止部材は、複数に提供されて、互いに離隔されて配置され、前記摩擦防止部材のうち一部は、上部から見る時、円周方向に沿って互いに離隔されて配列され、前記導電体は、直径が0.05mmないし0.15mmである電線を含み、前記摩擦防止部材は、ポリイミドフィルムを含むことを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0025】
一実施形態によれば、前記プロセッサは、前記導電体から出力された出力信号を検出する電気的センサと、前記電気的センサが検出した出力信号に基づいて、前記導電体の変形如何を判断するように構成された変形判断部と、前記変形判断部から変形如何情報を伝達されて、前記導電体が変形されたことを知らせるように構成された変形表示部と、を備え、前記導電体の一端は、前記電気的センサの正極端子と連結され、前記導電体の他端は、前記電気的センサの負極端子と連結されたことを特徴とする基板処理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を示す平面図である。
【
図2】
図1に示された液処理チャンバを概略的に示す断面図である。
【
図3】
図1に示された乾燥チャンバを概略的に示す断面図である。
【
図4】
図3のクランプボディのうちいずれか一つを示す斜視図である。
【
図5】
図3のクランプボディのうち他の一つを示す斜視図である。
【
図6】
図5のチャンバボディとクランプボディの一部分を拡大して示す図面である。
【
図7】本発明の一実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【
図8】本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【
図9】本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【
図10】本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【
図11】本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【
図12】本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【
図13】本発明の他の実施形態による摩擦防止部材が具備されたクランプボディを示す斜視図である。
【
図14】本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【
図15】本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【
図16】本発明の一実施形態によるプロセッサの作動過程を示すための構成図である。
【
図17】本発明の一実施形態によるプロセッサの作動過程を示すための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について当業者が容易に実施するように詳細に説明する。しかし、本発明はいろいろな相異なる形態に具現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明するに際して、関連する公知機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を、必要以上に曖昧なものにする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、類似した機能及び作用を遂行する部分については、図面全体にわたって同じ符号を使う。
【0028】
ある構成要素を「含む」というのは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
具体的に、「含む」または「持つ」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定するためのものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないと理解されねばならない。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態による基板処理装置を示す平面図である。
図1を参照すれば、基板処理装置は、インデックスモジュール10、処理モジュール20、そして制御器30を備える。上部から見れば、インデックスモジュール10と処理モジュール20は、一方向に沿って配置される。以下、インデックスモジュール10と処理モジュール20が配置された方向を、第1方向(x方向)といい、上部から見る時に第1方向(x方向)と垂直な方向を、第2方向(y方向)といい、第1方向(x方向)及び第2方向(y方向)にいずれも垂直な方向を、第3方向(z方向)という。
インデックスモジュール10は、基板Wが収納された容器Cから、基板Wを処理モジュール20に搬送し、処理モジュール20で処理が完了した基板Wを、容器Cに収納する。インデックスモジュール10の長手方向は、第2方向(y方向)として提供される。インデックスモジュール10は、ロードポート12とインデックスフレーム14を持つ。インデックスフレーム14を基準として、ロードポート12は、処理モジュール20の反対側に位置する。基板Wが収納された容器Cは、ロードポート12に載置される。ロードポート12は、複数が提供され、複数のロードポート12は、第2方向(y方向)に沿って配置される。
【0030】
容器Cとしては、前面開放一体式ポッド(Front Open Unified Pod:FOUP)のような密閉用容器が使われる。容器Cは、オーバヘッド・トランスファ、オーバヘッド・コンベア、または自動案内車のような移送手段(図示せず)や作業者によって、ロードポート12に載置される。
インデックスフレーム14には、インデックス・ロボット120が提供される。インデックスフレーム14内には、長手方向が第2方向(y方向)に提供されたガイドレール124が提供され、インデックス・ロボット120は、ガイドレール124上で移動自在に提供される。インデックス・ロボット120は、基板Wが載置されるハンド122を備え、ハンド122は、前進及び後進移動、第3方向(z方向)を軸とした回転、そして、第3方向(z方向)に沿って移動自在に提供される。ハンド122は、複数が上下方向に離隔されるように提供され、ハンド122は、互いに独立して前進及び後進移動する。
【0031】
制御器30は、基板処理設備を制御する。制御器30は、基板処理設備を制御するマイクロプロセッサ(コンピュータ)で形成されるプロセスコントローラと、オペレータが基板処理設備を管理するために、コマンド入力操作などを行うキーボードや、基板処理設備の駆動状況を可視化して表示するディスプレイなどで形成されるユーザインターフェースと、基板処理設備で行われる処理を、プロセスコントローラの制御で行うための制御プログラムや、各種データ及び処理条件によって、各構成部に処理を行わせるためのプログラム、すなわち、処理レシピが保存された記憶部とを備える。また、ユーザインターフェース及び記憶部は、プロセスコントローラに接続されうる。処理レシピは、記憶部のうち記憶媒体に記憶され、記憶媒体は、ハードディスクであってもよく、CD-ROM、DVDなどの携帯用ディスクや、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよい。
【0032】
処理モジュール20は、バッファユニット200、搬送チャンバ300、液処理チャンバ400、そして乾燥チャンバ500を備える。バッファユニット200は、処理モジュール20に搬入される基板Wと、処理モジュール20から搬出される基板Wが一時的にとどまる空間を提供する。液処理チャンバ400は、基板Wの上に液を供給して基板Wを液処理する液処理工程を行う。乾燥チャンバ500は、基板Wの上に残留する液を除去する乾燥工程を行う。搬送チャンバ300は、バッファユニット200、液処理チャンバ400、そして乾燥チャンバ500の間に基板Wを搬送する。
【0033】
搬送チャンバ300の長手方向は、第1方向(x方向)に提供される。バッファユニット200は、インデックスモジュール10と搬送チャンバ300との間に配置される。液処理チャンバ400及び乾燥チャンバ500は、搬送チャンバ300の側部に配置される。液処理チャンバ400及び搬送チャンバ300は、第2方向(y方向)に沿って配置される。乾燥チャンバ500及び搬送チャンバ300は、第2方向(y方向)に沿って配置される。バッファユニット200は、搬送チャンバ300の一端に位置する。
【0034】
一例によれば、液処理チャンバ400は、搬送チャンバ300の両側に配置され、乾燥チャンバ500は、搬送チャンバ300の両側に配置され、液処理チャンバ400は、乾燥チャンバ500よりバッファユニット200にさらに近い位置に配置される。搬送チャンバ300の一側で、液処理チャンバ400は、第1方向(x方向)及び第3方向(z方向)に沿って、それぞれA×B(A、Bはそれぞれ1以上の自然数)配列に提供される。また、搬送チャンバ300の一側で、乾燥チャンバ500は、第1方向(x方向)及び第3方向(z方向)に沿って、それぞれC×D(C、Dはそれぞれ1以上の自然数)個が提供される。前述したところとは異なって、搬送チャンバ300の一側には、液処理チャンバ400のみ提供され、その他側には、乾燥チャンバ500のみ提供される。
【0035】
搬送チャンバ300は、搬送ロボット320を持つ。搬送チャンバ300内には、長手方向が第1方向(x方向)として提供されたガイドレール324が提供され、搬送ロボット320は、ガイドレール324上で移動自在に提供される。搬送ロボット320は、基板Wが載置されるハンド322を備え、ハンド322は、前進及び後進移動、第3方向(z方向)を軸とした回転、そして、第3方向(z方向)に沿って移動自在に提供される。ハンド322は、複数が上下方向に離隔されるように提供され、ハンド322は、互いに独立して前進及び後進移動する。
【0036】
バッファユニット200は、基板Wが載置されるバッファ220を複数に備える。バッファ220は、第3方向(z方向)に沿って互いに離隔されて配置される。バッファユニット200は、前面(front face)と背面(rear face)が開放される。前面は、インデックスモジュール10と対向する面であり、背面は搬送チャンバ300と対向する面である。インデックス・ロボット120は、前面を通じてバッファユニット200に近付き、搬送ロボット320は、背面を通じてバッファユニット200に近付く。
【0037】
図2は、
図1に示された液処理チャンバを概略的に示す断面図である。
図2を参照すれば、液処理チャンバ400は、ハウジング410、カップ420、支持ユニット440、液供給ユニット460、そして昇降ユニット480を備える。ハウジング410は、基板Wが処理される内部空間を持つ。ハウジング410は、大体六面体の形状を持つ。例えば、ハウジング410は、直方体の形状を持つ。また、ハウジング410には、基板Wが搬入または搬出される開口(図示せず)が形成される。また、ハウジング410には、開口を選択的に開閉するドア(図示せず)が設けられてもよい。
【0038】
カップ420は、上部が開放されている筒状を持つ。カップ420は、処理空間を持ち、基板Wは、処理空間内で液処理される。支持ユニット440は、処理空間で基板Wを支持する。液供給ユニット460は、支持ユニット440により支持されている基板W上に処理液を供給する。処理液は複数種類で提供され、基板W上に順次に供給される。昇降ユニット480は、カップ420と支持ユニット440との相対高さを調節する。
【0039】
一例によれば、カップ420は、複数の回収筒422、424、426を持つ。回収筒422、424、426は、それぞれ基板処理に使われた液を回収する回収空間を持つ。それぞれの回収筒422、424、426は、支持ユニット440を取り囲むリング状に提供される。液処理工程が進む時、基板Wの回転によって飛散される処理液は、各回収筒422、424、426の流入口422a、424a、426aを通じて回収空間に流入される。一例によれば、カップ420は、第1回収筒422、第2回収筒424、そして第3回収筒426を持つ。第1回収筒422は、支持ユニット440を取り囲むように配置され、第2回収筒424は、第1回収筒422を取り囲むように配置され、第3回収筒426は、第2回収筒424を取り囲むように配置される。第2回収筒424に液を流入させる第2流入口424aは、第1回収筒422に液を流入させる第1流入口422aより上部に位置し、第3回収筒426に液を流入させる第3流入口426aは、第2流入口424aより上部に位置する。
【0040】
支持ユニット440は、支持板442及び駆動軸444を持つ。支持板442の上面は、大体円形に提供され、基板Wより大きい直径を持つ。支持板442の中央部には、基板Wの背面を支持する支持ピン442aが提供され、支持ピン442aは、基板Wが支持板442から一定距離離隔されるように、その上端が支持板442から突出するように提供される。支持板442の端部には、チャックピン442bが提供される。チャックピン442bは、支持板442から上部に突出して提供され、基板Wが回転する時、基板Wが支持ユニット440から離脱しないように基板Wの側部を支持する。駆動軸444は、駆動器446によって駆動され、基板Wの底面中央と連結され、支持板442を、その中心軸を基準として回転させる。
【0041】
一例によれば、液供給ユニット460は、ノズル462を備える。ノズル462は、基板Wに処理液を供給する。処理液は、ケミカル、リンス液または有機溶剤である。ケミカルは、強酸または強塩基の性質を持つケミカルである。また、リンス液は、純水である。また、有機溶剤は、イソプロピルアルコール(IPA)である。また、液供給ユニット460は、複数のノズル462を備え、それぞれのノズル462からは、相異なる種類の処理液を供給する。例えば、ノズル462のうちいずれか一つからは、ケミカルを供給し、ノズル462のうち他の一つからは、リンス液を供給し、ノズル462らのうちさらに他の一つからは、有機溶剤を供給する。また、制御器30は、ノズル462のうち他の一つから基板Wにリンス液を供給した後、ノズル462のうちさらに他の一つから有機溶剤を供給するように、液供給ユニット460を制御する。これにより、基板W上に供給されたリンス液は、表面張力の小さい有機溶剤に置換される。昇降ユニット480は、カップ420を上下方向に移動させる。カップ420の上下移動によって、カップ420と基板Wとの相対高さが変わる。これによって、基板Wに供給される液の種類によって、処理液を回収する回収筒422、424、426が変わるため、液を分離回収することができる。前述したところとは異なって、コップ420は固設され、昇降ユニット480は、支持ユニット440を上下方向に移動させてもよい。
【0042】
図3は、
図1に示された乾燥チャンバを概略的に示す断面図である。
図3を参照すれば、本発明の一実施形態による乾燥チャンバ500は、超臨界状態の乾燥用流体を用いて、基板W上に残留する処理液を除去する。例えば、乾燥チャンバ500は、超臨界状態の二酸化炭素(CO
2)を用いて、基板W上に残留する有機溶剤を除去する乾燥工程を行える。
【0043】
乾燥チャンバ500は、チャンバボディ510(第1ボディの一例)、クランプボディ520(第2ボディの一例)、流体供給ユニット530、流体排気ライン540、支持部材550、第1移動ユニット560、第2移動ユニット570、そして摩擦防止部材580を備える。チャンバボディ510とクランプボディ520は、ボディと呼んでもよい。
【0044】
チャンバボディ510は、上部ボディ512(第1ボディの他の例)、そして下部ボディ514(第2ボディの他の例)を備える。上部ボディ512と下部ボディ514は、互いに組み合わせられて、処理空間511を形成する。上部ボディ512と下部ボディ514のうちいずれか一つは、他の一つに対して相対的に移動自在に構成される。例えば、上部ボディ512と下部ボディ514のうちいずれか一つは、第1移動ユニット560によって移動する。第1移動ユニット560は、昇降駆動器562及び昇降板564を備える。昇降駆動器562は、複数に提供され、昇降板564と連結される。昇降板564は、下部ボディ514と結合される。昇降駆動器562が昇降板564を昇降させれば、下部ボディ514も、昇降板564と共に昇降する。チャンバボディ510内には、処理空間511に供給された乾燥用流体を加熱するためのヒータが埋設される。また、上部ボディ512と下部ボディ514が閉鎖位置にある時、内部空間511の気密性を高めるように、下部ボディ514には溝が形成され、前記溝には、シーリング部材であるOリング516が挿入される。
【0045】
上部ボディ512の位置は固定され、下部ボディ514が、第1移動ユニット560によって第3方向(z方向)に沿って昇降する。以下では、下部ボディ514が上昇して、上部ボディ512と当接して処理空間511を形成する位置を、閉鎖位置といい、下部ボディ514が下降して上部ボディ512と離隔される位置を、開放位置という。
【0046】
クランプボディ520は、第1クランプボディ522と第2クランプボディ524を備える。第1クランプボディ522と第2クランプボディ524は、互いに反対の位置で、チャンバボディ510を固定させる。第1クランプボディ522及び第2クランプボディ524の内側面は、閉鎖位置にあるチャンバボディ510の外側面と大体対応する形状を持つ。第1クランプボディ522と第2クランプボディ524は、第2移動ユニット570によって移動される。第2移動ユニット570は、複数に提供される。第2移動ユニット570のうちいずれか一つは、上部ボディ512及び第1クランプボディ522と連結され、第2移動ユニット570のうち他の一つは、上部ボディ512及び第2クランプボディ524と連結される。
【0047】
第2移動ユニット570は、上部ボディ522と結合される第1本体572と、クランプボディ520と結合され、かつ移動レール578に沿って移動する第2本体574と、固定された外部壁体Bと結合される第3本体576を備える。第2本体574は、第1方向(x方向)に沿って移動しつつ、クランプボディ520をチャンバボディ510に向ける方向に移動させる。
【0048】
流体供給ユニット530は、処理空間511に乾燥用流体を供給する。流体供給ユニット530が供給する乾燥用流体は、二酸化炭素(CO2)を含む。流体供給ユニット530は、流体供給源531、第1供給ライン533、第1供給弁535、第2供給ライン537、そして第2供給弁539を備える。
【0049】
流体供給源531は、処理空間511に供給される乾燥用流体を保存及び/または供給する。流体供給源531は、第1供給ライン533及び/または第2供給ライン537に乾燥用流体を供給する。例えば、第1供給ライン533には、第1供給弁535が設けられる。また、第1供給ライン533は、上部ボディ512に形成された第1供給チャネル512aと連結される。また、第2供給ライン537には、第2供給弁539が設けられる。また、第2供給ライン537は、下部ボディ514に形成された第2供給チャネル514aと連結される。第1供給弁535と第2供給弁539は、オン/オフ弁である。第1供給弁535と第2供給弁539のオン/オフによって、第1供給ライン533または第2供給ライン537に選択的に乾燥用流体が流れる。
【0050】
前述した例では、一つの流体供給源531に第1供給ライン533及び第2供給ライン537が連結されることを例として挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、流体供給源531は、複数に提供され、第1供給ライン533は、複数の流体供給源531のうちいずれか一つと連結され、第2供給ライン537は、流体供給源531のうち他の一つと連結されてもよい。
【0051】
また、第1供給ライン533は、処理空間511の上部から乾燥用ガスを供給する上部供給ラインである。例えば、第1供給ライン533は、処理空間511に、上から下に向かう方向に乾燥用ガスを供給する。また、第2供給ライン537は、処理空間511の下部から乾燥用ガスを供給する下部供給ラインである。例えば、第2供給ライン537は、処理空間511に下から上に向かう方向に乾燥用ガスを供給する。
【0052】
流体排気ライン540は、処理空間511から乾燥用流体を排気する。流体排気ライン540は、処理空間に減圧を提供する減圧部材(図示せず)と連結される。また、流体排気ライン540は、下部ボディ514に形成された排気チャネル514bと連結される。減圧部材は、ポンプである。しかし、これに限定されるものではなく、減圧部材は、処理空間に減圧を提供することができる公知の装置に多様に変形されてもよい。
【0053】
支持部材550は、処理空間511で基板Wを支持する。支持部材550は、処理空間511で基板Wのエッジ領域を支持する。支持部材550は、基板Wのエッジ領域の下面を支持する。支持部材550は、上部ボディ512に設けられる。
【0054】
摩擦防止部材580は、クランプボディ520に設けられる。摩擦防止部材580は、クランプボディ520の内側面に設けられる。摩擦防止部材580は、クランプボディ520とチャンバボディ510とが互いに接触する領域、すなわち、接合面に設けられる。摩擦防止部材580は、摩擦防止フィルムとも呼ばれる。摩擦防止部材580は、複数に提供される。摩擦防止部材580のうち一部は、クラムプボディ520の内側面の下部に設けられ、摩擦防止部材580のうち他の一部は、クランプボディ520の内側面の上部に設けられる。
【0055】
一実施形態によれば、摩擦防止部材580は、ポリイミドフィルムを含む。ポリイミド材質は、超臨界流体内でスウェリング(swelling)されない。
【0056】
摩擦防止部材580は、第1クランプボディ522、第2クランプボディ524それぞれに設けられる。第1クランプボディ522の内側面の下部には、2個の摩擦防止部材580が設けられ、第1クランプボディ522の内側面の上部にも、2個の摩擦防止部材580が設けられる。これと類似して、第2クランプボディ522の内側面の下部には、2個の摩擦防止部材580が設けられ、第2クランプボディ522の内側面の上部にも、2個の摩擦防止部材580が設けられる。すなわち、摩擦防止部材580は、8個のポイントに設けられる。摩擦防止部材580の設置位置及び具体的な形状についての内容は、後述する。
【0057】
また、摩擦防止部材580は、下部ボディ514と上部ボディ512との摩擦を防止するように、上部ボディ524に取り付けられる。具体的に、下部ボディ514と当接することができる上部ボディ512の外郭部分の上面に、摩擦防止部材580が取り付けられる。
図3では、上部ボディ512の外郭部分に摩擦防止部材580が取り付けられているように図示されたが、これに限られず、下部ボディ514の外郭部分の上面に取り付けられてもよい。
【0058】
図4は、
図3のクランプボディのうちいずれか一つを示す斜視図であり、
図5は、
図3のクランプボディのうち他の一つを示す斜視図であり、
図6は、
図5のチャンバボディとクランプボディの一部分を拡大して示す図面である。以下、
図3を共に参照して説明する。
【0059】
図4、
図5、及び
図6を参照すれば、上部ボディ512及び下部ボディ514が、互いに密着する閉鎖位置にある時、チャンバボディ510の外側面は、クランプボディ520が持っている内側面と互いに対応する形状を持つ。例えば、上部ボディ512及び下部ボディ514が閉鎖位置にある時、チャンバボディ510の外側面のうち一部は、第1クランプボディ522の内側面によって固定され、チャンバボディ510の外側面のうち他の一部は、第2クランプボディ524の内側面によって固定される。
【0060】
摩擦防止部材580は、第1クランプボディ522の内側面に設けられる。摩擦防止部材580は、第2クランプボディ524の内側面に設けられる。摩擦防止部材580は、第1クランプボディ522及び第2クランプボディ524の内側面に、接着剤などによって取り付けられてもよい。しかし、これに限定されるものではなく、摩擦防止部材580は、ボルト/ねじのような結合手段によって、クランプボディ520の内側面に結合設置されてもよい。
【0061】
摩擦防止部材580は、第1クランプボディ522の内側面に複数に設けられる。第1クランプボディ522の内側面に設けられる摩擦防止部材580は、互いに離隔されて設けられる。第1クランプボディ522が、固定位置(すなわち、第1クランプボディ522が閉鎖位置にあるチャンバボディ510に密着する位置)にある時、摩擦防止部材580が圧縮されるが、摩擦防止部材580間の間隔は、摩擦防止部材580が圧縮されても、互いに干渉しない間隔で配置される。また、摩擦防止部材580は、第1クランプボディ522の内側面の下部に、複数(例えば、2個)が互いに離隔されて設けられる。また、摩擦防止部材580は、第1クランプボディ522の内側面の上部に複数(例えば、2個)が互いに離隔されて設けられる。摩擦防止部材580は、上部から見れば、円周方向に沿って互いに離隔されて設けられる。例えば、第1クランプボディ522の内側面の上部に配置される2個の摩擦防止部材580は、上部から見れば、円周方向に沿って互いに離隔されて設けられる。また、第1クランプボディ522の内側面の下部に配置される2個の摩擦防止部材580は、上部から見れば、円周方向に沿って互いに離隔されて設けられる。第2クランプボディ524に設けられる摩擦防止部材580の配置は、第1クランプボディ522に設けられる摩擦防止部材580の配置と互いに対称となるので、繰り返される説明は省略する。
【0062】
また、第1クランプボディ522及び第2クランプボディ524の内側面は、それぞれ第1面520a、第2面520b及び520c、第3面520dを備える。第1面520aは、地面に平行な面である。第2面520b及び520cは、第1面520aから延びる面である。第2面520b及び520cは、第1面520aが延びる方向に対して、交差する方向に延びる面である。例えば、第2面520b及び520cは、第1面520aが延びる方向に対し、垂直な方向に延びる面である。第3面520dは、第1面520a及び第2面520cから延びる面である。第3面520dは、第1面520aが延びる方向に対して垂直な方向に延び、第2面520cが延びる方向に対して垂直な方向に延びる面である。
【0063】
摩擦防止部材580は、クランプボディ520が持っている内側面のうち、少なくとも2つつ以上の面を連続的に覆うように構成される。
【0064】
例えば、摩擦防止部材580は、第1部分581、第2部分582及び583、そして第3部分584を備える。第1部分581は、クランプボディ520の第1面520aを覆うように構成される。第1部分581は、上部から見れば、弧状である。
【0065】
第2部分582及び583は、第1部分581から延びる。第2部分582及び583は、第1部分581が延びる方向に交差して延びる。例えば、第2部分582及び583は、第1部分581が延びる方向に垂直な方向に延びる。第2部分582及び583は、第2面520b及び520cを覆うように構成される。第2部分582及び583のうち一部は、上方向に延び、第2部分582及び583のうち他の一部は、下方向に延びる。また、第2部分582及び583は、複数に提供され、第2部分582及び583は、互いに離隔されて提供される。第2部分582及び583が互いに離隔される間隔は、約15mmないし約20mmである。また、摩擦防止部材580は、第3面520dを覆うように構成される第3部分584をさらに備える。第3部分584は、第1部分581から延びる。
【0066】
また、摩擦防止部材580が持っている第1部分581、第2部分582及び583、そして第3部分584は、一体に形成される。すなわち、摩擦防止部材580は、複数のフィルムが、それぞれクランプボディ520の内側面に取り付けられるものではなく、第1部分581、第2部分582及び583、そして第3部分584を一つの本体が持つように、一体に加工された形態を持つ。これは、複数のフィルムが重なって、第1部分581、第2部分582及び583、そして第3部分584を持つように、摩擦防止部材580を構成する場合、処理空間511の圧力によって発生する振動によって摩擦防止部材580が破損する確率が高いからである。
図7は、本発明の一実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【0067】
図7を参照すれば、摩擦防止部材580aは、一方向に延びる第1部分581、第1部分581が延びる方向に交差して、第1部分581から上に向う方向に延びる第2部分582を備える。また、摩擦防止部材580aは、第1部分581が延びる方向に交差して、第1部分581から下に向う方向に延びる第3部分583を備える。摩擦防止部材580aの第1部分581は、第2部分582及び第3部分583と比べて相対的に長く延びた領域である。この時、第1部分581、第2部分582、及び第3部分583は、一体であってもよい。
図4を共に参照すれば、第1部分581は、クランプボディ522及び524の内側面の第1面520aに取り付けられる。また、第2部分582及び第3部分は、それぞれクランプボディ522及び524の内側面の第2面520b及び520cに取り付けられる。第2部分582及び第3部分583は、それぞれクランプボディ522及び524の内側面に接着されて、離れないほどに十分に長い領域を確保する。
【0068】
一実施形態によれば、乾燥チャンバ500は、摩擦防止部材580aの外部縁の少なくとも一部に沿って延びた導電体588aを備える。導電体588aは、摩擦防止部材580の第2部分582及び第3部分583の領域全体の縁に沿って延びる。但し、
図7には、第1部分581の右側縁の一部を覆わないように図示されているが、必ずしも前記に限定されるものではなく、実施形態によって、第1部分581のすべての縁を覆ってもよい。導電体588aは、所定の抵抗を持つ電線を含む。この時、導電体588aの直径は0.05mmないし0.15mmの範囲内にあり得るが、必ずしもこれに限定されるものではなく、摩擦防止部材580aのサイズによって前記の範囲を逸脱してもよい。
【0069】
基板処理装置は導電体588aと電気的に連結されたプロセッサ590を備える。後述するが、プロセッサ590は、導電体588aに印加された電気的信号に応答して出力された出力信号から、導電体588aの変形如何を検出するように構成される。摩擦防止部材580aが工程処理中の高圧などによって変形された場合、導電体588aも共に変形されて、プロセッサ590に電気的信号を出力する。ここで、電気的信号とは、導電体588aに沿って流れる電流の中断信号、またはプロセッサ590の正極端子(
図17の591)と負極端子(
図17の592)との回路が開放されたという信号を意味する。これは、導電体588aの変形は、プロセッサ590の正極端子591と負極端子592との回路抵抗が無限大という意味と同じであるからである。
【0070】
摩擦防止部材580aで、長さ対比の幅が最も狭い領域は、第1部分581である。その中でも、複数の第2部分582または複数の第3部分583の間の第1部分581が、最も長手対比幅が狭い。長さ対比の幅が狭い場合、外部から加えられる圧力などの外力によって、破損される確率が高くなる。よって、導電体588aは、摩擦防止部材580aの複数の第2部分582、または複数の第3部分583の間の第1部分581の縁に沿って延びるように配置される。
【0071】
図8は、本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
図8を参照すれば、
図7に示された摩擦防止部材580aと比べれば、導電体588bが、摩擦防止部材580aの内部に埋め込まれているという点を除いては、ほぼ同一であるか、類似している。よって、
図7を参考して説明した部分と重なる部分については、省略するか、簡単にする。
【0072】
図8に示された導電体588bは、摩擦防止部材580aの内部に埋め込まれて、摩擦防止部材580aの縁に沿って伸びる。摩擦防止部材580aで、長さ対比の幅が最も狭い領域は、第1部分581である。その中でも、複数の第2部分582または複数の第3部分583の間の第1部分581が、長さ対比の幅が最も狭い。長さ対比の幅が狭い場合、外部から加えられる圧力などの外力によって、破損される確率が高くなる。よって、導電体588bは、摩擦防止部材580aの複数の第2部分582、または複数の第3部分583の間の第1部分581の縁に沿って延びるように配置される。摩擦防止部材580aのみ破損され、導電体588bは破損されない状況を防止するために、導電体588bは、摩擦防止部材580aの縁に十分に近く配置される。
図9は、本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【0073】
図9を参照すれば、
図8に示された摩擦防止部材580aと比べれば、導電体588cが、摩擦防止部材580aの第1部分581に沿ってU状に形成されたという点を除いては、ほぼ同一であるか、類似している。よって、
図8を参考して説明した部分と重なる部分については、省略するか、簡単にする。
【0074】
図9に示された導電体588cは、摩擦防止部材580aの第1部分581に沿ってU状に形成される。前述したように、摩擦防止部材580aで、第1部分581が、外部から加えられる圧力などの外力によって破損される確率が高い。よって、導電体588cは、摩擦防止部材580aの第1部分581の内部縁に沿って延びて、摩擦防止部材580aと共に破損される場合、プロセッサ590を通じて破損を知らせることができる。摩擦防止部材580aの導電体588cが、第1部分581の内部のみに埋め込まれることで、導電体588cを形成する工程の難易度を低めることができる。
図10ないし
図12は、本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【0075】
図10ないし
図12を参照すれば、
図10ないし
図12に示された摩擦防止部材580bは、それぞれ
図7ないし
図9に示された摩擦防止部材580aと比べれば、第2部分582及び第3部分583は、第1部分581が延びた一方向に沿って交互に配置されるという点を除いては、ほぼ同一であるか、類似している。よって、
図8を参考して説明した部分と重なる部分については、省略するか、簡単にする。
【0076】
一実施形態によれば、摩擦防止部材580bの第2部分582及び第3部分583は、第1部分581から交互に形成される。第2部分582及び第3部分が第1部分581から交互に形成された場合、第1部分581に加えられる圧力などの外力が分散される。よって、導電体588aと共に摩擦防止部材580bが破損される確率が低くなる。
【0077】
図13は、本発明の他の実施形態による摩擦防止部材が具備されたクランプボディを示す斜視図であり、
図14は、本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
図15は、本発明の他の実施形態による基板処理装置に備えられた摩擦防止部材を示す概路図である。
【0078】
図13ないし
図15に示された摩擦防止部材580cは、
図4ないし
図12に示された摩擦防止部材580a及び580bとは異なって、第1部分581が延びる方向に交差して、第1部分から延びる第2部分582及び第3部分583が形成されない。よって、摩擦防止部材580cの製造が容易であり、導電体588a及び588bを形成する工程上難易度も低減する。
【0079】
図16及び
図17は、本発明の一実施形態によるプロセッサの作動過程を示すための構成図である。
【0080】
プロセッサ590は、導電体588aから出力された出力信号を検出する電気的センサ593を備える。電気的センサ593は、正極端子591及び負極端子592を備えるが、導電体588aの一端は正極端子591に連結され、導電体588aの他端は負極端子592に連結される。電気的センサ593は、正極端子591と負極端子592との間の電圧を、位置別電圧として測定する。位置別電圧は、個別または同時に測定する。位置別電圧測定のための接触のために、プローブを用いてもよい。それと共に、プローブと連結される連結線の縮小のために、同じ測定位置の電圧を用いる連結線は、互いに単一の連結線を使うことが望ましい。
【0081】
但し、電気的センサ593は、電圧だけではなく電流も測定するように構成されてもよい。この場合、電気的センサ593と連結された所定の抵抗を持つ導電体588aに流れる電流を測定する。
【0082】
一実施形態によれば、プロセッサ590は、変形判断部594、変形表示部595、及び基準値入力部596を備える。変形判断部594は、電気的センサ593が測定した電圧と、既定の基準値とを比べて、導電体588aの変形如何を判断する。
【0083】
変形判断部594は、基準値入力部596を通じて予め設定されている基準値と比べて、導電体588aの変形如何を判断する。導電体588aが変形された場合、正極端子591と負極端子592との間の回路は、開放状態になる。よって、正極端子591と負極端子592との電圧差が上昇するか、または導電体588aに流れる電流が下降する。変形判断部594は、基準値入力部596を通じて予め設定されている電圧基準値より、電気的センサ593の測定した電圧が高い場合、導電体588aが変形されたと判断する。あるいは、電気的センサ593が測定した導電体588aを通じて流れる電流より、予め設定されている電流基準値電気的センサ593の測定した電流が低い場合、導電体588aが変形されたと判断する。
【0084】
プロセッサ590が備える変形判断部594は、導電体588aに印加された電気的信号に応答して出力された出力信号から、導電体588aの変形如何を検出するように構成される。前記説明によれば、導電体588aに印加された電気的信号は、プロセッサ590が印加した電圧または電流である。また、導電体588aから出力された出力信号は、正極端子591と負極端子592との間の電圧の上昇、または導電体588aを通じて流れる電流の減少を意味する。
【0085】
変形表示部595は、変形判断部594で、導電体588aが変形されたと判断した場合、視覚または聴覚変形状態を表示する。視覚的な変形状態の表示は、発光ダイオード(LED)のような装置を用いることができ、聴覚的な変形状態の表示は、ブザーのような装置を用いる。
【0086】
図16及び
図17に示されたように、導電体588aが変形された場合、プロセッサ590が印加した電圧または電流に応答して、導電体588aは、出力信号をプロセッサ590に伝送する。この時、出力信号は、導電体588aを通じて流れる電流の下降、または導電体588aと連結された負極端子592と正極端子591との間の電圧の上昇を意味する。次いで、電気的センサ593は、前記出力信号を検出した後、変形判断部594に前記出力信号を伝送する。変形判断部594は、電気的センサ593が測定した前記電圧または電流を受信して、電圧または電流が基準値入力部596に保存されている基準電圧または基準電流の範囲を逸脱する場合、導電体588aが変形されたと判断する。変形表示部595は、変形判断部594から変形如何情報を伝達されて、導電体588aが変形されたことを知らせる。
【0087】
以上、図面及び明細書で例示的な実施形態が開示された。本明細書で特定の用語を使って実施形態が説明されたが、これは単に本発明の技術的思想を説明するための目的で使われたものであり、意味限定や特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を制限するために使われたものではない。したがって、当業者ならば、今後多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。よって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められねばならない。
【符号の説明】
【0088】
10 インデックスモジュール
20 処理モジュール
30 制御器
200 バッファユニット
300 搬送チャンバ
400 液処理チャンバ
500 乾燥チャンバ