(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094249
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】空調設備用リップシールパネル及びそれを用いて製造されたハウジングケース
(51)【国際特許分類】
F16J 15/10 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
F16J15/10 N
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023195939
(22)【出願日】2023-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0185778
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523436241
【氏名又は名称】エスエヌティー シーオーエルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176337
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】イム ウンソク
【テーマコード(参考)】
3J040
【Fターム(参考)】
3J040AA15
3J040BA10
3J040EA02
3J040EA03
3J040EA16
3J040FA06
3J040HA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】中間フレームを使用せずに空調設備用ハウジングケースの製造が可能な空調設備用リップシールパネル構造を提案する。
【解決手段】リップシールパネル100は、同じサイズの第1鉄板110、第2鉄板120と、前記第1鉄板及び第2鉄板の両側端部に取り付けられるブリム200、300を備える。前記ブリムは、凹凸形状の凹ブリム及び凸ブリムを備え、前記凹ブリム及び凸ブリムの凹凸面には、リップシール400が形成される。このような構成において、いずれか一つのリップシールパネルの凹ブリムと他の一つのリップシールパネルの凸ブリムが結合して組み立てられ、結合時に軟質の弾性材質であるリップシールが押されながら密着した状態を維持することになる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じサイズの第1鉄板及び第2鉄板と、
前記第1鉄板と第2鉄板の両側端部に位置するブリム、及び
前記第1鉄板と第2鉄板との間の断熱材を備え、
前記ブリムは、凹凸形状の凹ブリム及び凸ブリムを備え、
前記凹ブリム及び凸ブリムの少なくとも一つの凹凸面にはリップシールが形成されていることを特徴とする、空調設備用リップシールパネル。
【請求項2】
前記リップシールパネルの両側端部には凹ブリムと凸ブリムが形成されている、請求項1に記載の空調設備用リップシールパネル。
【請求項3】
前記リップシールパネルの両側端部には凹ブリムのみが形成されている、請求項1に記載の空調設備用リップシールパネル。
【請求項4】
前記凹ブリムは、
凹状の凹凸面を有する中央ブラケットと、
前記中央ブラケットを中心として両方向にそれぞれ延長形成されている上部ブラケットと下部ブラケットと、
前記上部ブラケットと下部ブラケットとの間に形成された固定溝部と、
前記中央ブラケットの凹凸面に形成されたリップシールとを備え、
前記中央ブラケットは、前記第1鉄板と第2鉄板との間の内部空間に位置する、請求項1に記載の空調設備用リップシールパネル。
【請求項5】
前記凸ブリムは、
凸形状の凹凸面を有する中央ブラケットと、
前記中央ブラケットを中心として両方向に延長形成されている上部ブラケットと下部ブラケットと、
前記上部ブラケットと下部ブラケットとの間に形成されている固定溝部を備え、
前記中央ブラケットは、前記第1鉄板と第2鉄板との間の側端部外部に位置する、請求項1に記載の空調設備用リップシールパネル。
【請求項6】
前記中央ブラケットの凹凸面にさらにリップシールが形成されている、請求項5に記載の空調設備用リップシールパネル。
【請求項7】
前記上部ブラケットと下部ブラケットの長さは異なり、
前記上部ブラケットは、前記固定溝部に嵌合する前記第1鉄板及び第2鉄板の折曲部の上面と接触する長さだけ形成され、
前記下部ブラケットは、前記屈曲部の下面から前記第1鉄板及び第2鉄板の内面の一部まで接触する長さだけ形成される、請求項4または5に記載の空調設備用リップシールパネル。
【請求項8】
前記リップシールは、軟質の弾性材料で形成され、
前記弾性材質は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、シリコンのうちの一つである、請求項1に記載の空調設備用リップシールパネル。
【請求項9】
前記リップシールは、
線型突起形状、中空のチューブ型突起形状、中実のブロック型突起形状のうちの一つであり、
前記凹凸面に少なくとも一つが形成されている、請求項1に記載の空調設備用リップシールパネル。
【請求項10】
前記リップシールは、二重押出方式で前記ブリムと一体に形成されるか、または前記ブリムの凹凸面に接着形成される、請求項1に記載の空調設備用リップシールパネル。
【請求項11】
前記リップシールの端部に形成された嵌合突起と、前記ブリムの凹凸面に形成された嵌合溝とを用いて、前記ブリムにリップシールを形成する、請求項1に記載の空調設備用リップシールパネル。
【請求項12】
請求項1~6、8~11のうちいずれか一項の構成を有する空調設備用リップシールパネルを備え、
上記空調設備用リップシールパネルを連続して組み立て、
いずれか一つのリップシールパネルの凹ブリムと他の一つのリップシールパネルの凸ブリムとを連結する方式で組み立てられて製造されることを特徴とする、空調設備用ハウジングケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間フレームを設けなくても十分な強度保持及び密閉性を有することができる空調設備用ハウジングケースの製造が可能な空調設備用リップシールパネルと、このようなリップシールパネルによって製造されたハウジングケースに関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機やデシカント除湿機等の空調設備用ハウジングケースは、
図1に示す形状を有するケーシングパネル10が複数個用いられて製造される。ケーシングパネル10は、所定の間隔を置いた2枚の鉄板11、12と、鉄板11、12の両端に取り付けられたブリム13とを含んで構成される。そして、ブリム13により形成された2枚の鉄板11、12の間の空間には、ウレタン等の断熱材14が発泡等の方法で充填される。
【0003】
ところが、従来、ハウジングケースを完成させるためには、アルミニウム材質の中間フレーム20を媒介体としてケーシングパネル10を組み立てなければならなかった。
【0004】
例えば、
図2はケーシングパネルの組み立て断面図、
図3は従来技術によって製造されたハウジングケースの斜視図、
図4はハウジングケースの組み立て工程を説明する分解斜視図である。
【0005】
これらの図を参照すると、ハウジングケース1を組み立てるために、中間フレーム20がケーシングパネル10の間に配置されて組み立てられていることが分かる。すなわち、中間フレーム20は、ケーシングパネル10を固定して支持するための用途として使用される。そこで、
図3に示すハウジングケース1は、中間フレーム20が必ず必要であり、中間フレーム20がなければハウジングケース1の製造が困難であった。なお、図面符号40は、ハウジングケース1のコーナーを支持するコーナーフレームを指す。
【0006】
このように、従来のハウジングケース1の製造方法は、ケーシングパネル10を連結するための中間フレーム20を必ず使用するため材料費が上昇する。そして、ケーシングパネル10と中間フレーム20との接合面には、気体漏れ防止のためのガスケット(図示せず)を設ける作業を別途伴わなければならないため、作業工数がそれだけ増加することになる。また、ガスケット作業をしても作業者の熟練度によっては完全に密閉されないことがあり、場合によっては再度作業が必要となる場合がある。
【0007】
従来にも、このような中間フレーム20を使用せずにハウジングケース1を製造する案が考えられた。しかし、中間フレーム20とガスケットの使用で得られていた気密性を確保できなくなり、ケーシングパネル10間の連結部位に気体漏れが発生する問題が生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許10-1493705号(2015.02.10.多機能を有する空気調和機ケーシング)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、前記のような問題点を解決するために案出されたものであり、中間フレームなしでも空調設備用ハウジングケースを製造できるように構造が改善された空調設備用リップシールパネルを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、リップシールパネルのみを組み立てて製造された空調設備用ハウジングケースを提供することである。
【0011】
本発明の技術的課題は、前記の技術的課題に限定されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるといえる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するための本発明の一実施例による空調設備用リップシールパネルは、同じサイズの第1鉄板及び第2鉄板と、第1鉄板と第2鉄板の両側端部に位置するブリム、前記第1鉄板と第2鉄板との間の断熱材を備え、前記ブリムは凹凸形状の凹ブリム及び凸ブリムを備え、前記凹ブリム及び凸ブリムの少なくとも一つの凹凸面にはリップシールが形成されることを特徴とする。
【0013】
前記リップシールパネルの両側端部には凹ブリムと凸ブリムが形成される。
【0014】
前記リップシールパネルの両側端部には凹ブリムのみ形成される。
【0015】
前記凹ブリムは、凹状の凹凸面を有する中央ブラケット、前記中央ブラケットを中心として両方向にそれぞれ延長形成される上下部ブラケット、前記上下部ブラケットの間に形成された固定溝部、前記中央ブラケットの凹凸面に形成された前記リップシールとを備え、前記中央ブラケットは前記第1鉄板と第2鉄板との間の内部空間に位置することを特徴とする。
【0016】
前記凸ブリムは、凸状の凹凸面を有する中央ブラケット、前記中央ブラケットを中心として両方向に延長形成される上下部ブラケット、及び前記上下部ブラケットの間に形成された固定溝部を備え、前記中央ブラケットは前記第1鉄板と第2鉄板との間の側端部外部に位置することを特徴とする。
【0017】
前記中央ブラケットの凹凸面にさらにリップシールを形成することができる。
【0018】
前記上部ブラケットと下部ブラケットの長さは異なり、上記上部ブラケットは上記固定溝部に挟まれる上記第1鉄板及び第2鉄板の折曲部の上面と接触する長さだけ形成され、上記下部ブラケットは上記折曲部の下面から上記第1鉄板及び第2鉄板の内面の一部まで接触する長さだけ形成される。
【0019】
前記リップシールは軟質の弾性材質で形成され、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、シリコンのうちの一つであり得る。
【0020】
前記リップシールは線型突起形状、中空のチューブ型突起形状、中実のブロック型突起形状のうちの一つであり、上記凹凸面に少なくとも一つが形成される。
【0021】
前記リップシールは、二重押出方式で前記ブリムと一体に形成されるか、前記ブリムの凹凸面に接着形成される。
【0022】
前記リップシールの端部に形成された嵌合突起と、前記ブリムの凹凸面に形成された嵌合溝とを用いて、前記ブリムにリップシールを形成する。
【0023】
本発明の他の実施例に係る空調設備用ハウジングケースは、前記の構成を有する空調設備用リップシールパネルを連続して組み立てるが、いずれか一つのリップシールパネルの凹ブリムと他の一つのリップシールパネルの凸ブリムとを連結する方法で組み立てて製造されることを特徴とする。
【0024】
前記連続して組み立てられたリップシールパネルの端部には、前記ハウジングケースのコーナーを支持するコーナーフレームが組み立てられる。
【発明の効果】
【0025】
このような本発明によれば、リップシールパネルの両側端部に凹ブリム及び凸ブリムを備え、そのブリムの凹凸面にリップシールを形成することにより、リップシールパネル間の直接結合が可能であり、結合時のリップシール自体の弾性によってリップシールパネル間の密着により気体漏れを最小限に抑える効果がある。
【0026】
本発明によれば、リップシールパネルのみを組み立てて空調設備用ハウジングケースの製造が可能であるため、中間フレーム及びガスケットの使用を除くことができ、工程の簡略化及び製造コストを低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】は、従来技術によるケーシングパネルの断面図である。
【0028】
【
図2】は、従来技術によって中間フレームが使用されたケーシングパネルの組立断面図である。
【0029】
【
図3】は、従来技術によって製造された空調設備用ハウジングケースの斜視図である。
【0030】
【
図4】は、
図2のハウジングケースの組立過程を説明するための分解斜視図である。
【0031】
【
図5】は、本発明の実施例によるリップシールパネルの断面図である。
【0032】
【
図6】は、本発明の実施例によるリップシールパネルの断面図である。
【0033】
【
図7】は、本発明のリップシールパネルにおいて多様なパターンのリップシールを有するブリムの断面図である。
【0034】
【
図8】は、本発明のリップシールパネルにおいてブリムにリップシールを形成する工程例を説明する図面である。
【0035】
【
図9】は、本発明のリップシールパネルを組み立てた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、様々な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるので、特定の実施例を図面に示し詳細に説明する。しかしながら、これは本発明の特定の実施形態を限定することを意図するものではなく、本発明の思想及び技術的範囲に含まれる全ての変換、均等物乃至代替物を含むことを理解されたい。本発明の説明において、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0037】
第1、第2等の用語は様々な構成要素を説明するために使用することができるが、前記構成要素はその用語によって限定されるべきではない。前記用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0038】
本発明で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図していない。単数の表現は、文脈上明らかに他に意味がない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたは複数の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことを理解されたい。
【0039】
空間的に相対的な用語である下(below、beneth、lower)、上(above、upper)等は、図面に示されるように、ある素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用できる。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて、使用時または動作時に素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されたい。例えば、図面に示されている素子を反転させる場合、他の素子の下(below、beneath)として記述された素子は、他の素子の上(above、upper)となり得る。したがって、例示的な用語である下は、下と上の方向の両方を含み得る。素子は他の方向にも配向することができ、これによって空間的に相対的な用語は、配向によって解釈されることができる。
【0040】
したがって、本発明の思想は、説明された実施例に局限されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、本特許請求の範囲と均等または等価的な変形のある全てのものが本発明の思想の範囲に属するといえる。
【0041】
以下では、図面に示した実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
【0042】
図5及び
図6は、本発明の実施例によるリップシールパネルの断面図である。
【0043】
本発明によれば、リップシールパネル100は、空気調和機やデシカント除湿機等の空調設備用ハウジングケースの製造に用いられる。
【0044】
このようなリップシールパネル100は、ハウジングケース(1)(
図3参照)を組み立てる順序によって、一側断面のブリム形状が凸状または凹状に形成されるが、
図5は組立開始位置及び中間位置に適用されるリップシールパネル、
図6は組立最後位置に適用されるリップシールパネルであり得る。そして、
図5及び
図6のリップシールパネルは、図面のように一側断面に位置したブリムの構成のみ異なるだけで、他の部分の構成は全て同一であるため、重複する構成の重複説明を避けるために一つのリップシールパネルに備えられた構成だけを説明する。
【0045】
図に示すように、リップシールパネル100は、内皮用鉄板(第1鉄板)110及び外皮用鉄板(第2鉄板)120と、第1鉄板110と第2鉄板120との間に取り付けられるブリム200、300を含んで構成される。リップシールパネル100の幅及び厚さは非常に多様に設計することができる。例えば、製造しようとするハウジングケース1のサイズに応じて、様々なサイズのリップシールパネル100が必要であるからである。リップシールパネル100の厚さは、第1鉄板110と第2鉄板120との間に位置するブリム200、300の大きさによって決定される。
【0046】
第1鉄板110と第2鉄板120との間には、ウレタン等の断熱材130が充填される。断熱材130は、断熱材料を単に満たして充填したり、発泡等の方法で充填することができる。
【0047】
ブリムは、凹ブリム200と凸ブリム300とに区分することができる。
図5のリップシールパネル100は、一側端部に凹ブリム200が装着され、他側端部に凸ブリム300が取り付けられている。一方、
図6のリップシールパネル100’は、両側端部
のいずれにも凹ブリム200が取り付けられている。したがって、一つのリップシールパネルの凹ブリム200に他のリップシールパネルの凸ブリム300が結合されて組み立てられるのである。なお、
図6のリップシールパネル100’は、図を基準に左側の
凹ブリム200にはリップシールが形成され、右側の凹ブリム200’にはリップシー
ルが形成されないように設計されている。しかしながら、右側の凹ブリム200’にも
左側の凹ブリム200のようにリップシールを形成して提供することができることは当然である。
【0048】
このようなブリム200、300の構造は、
図5に示す拡大図を参照されたい。
【0049】
図5を参照すると、凹ブリム200は、中央に凹状の凹凸面220が形成された中央ブラケット210が形成され、中央ブラケット210を中心に両側には上下部ブラケット231、232によってそれぞれ固定溝部240が形成される。上下部ブラケット231、232は、中央ブラケット210において所定間隔を置いた状態で一方向に延長して一体に形成される。このような固定溝部240に第1鉄板110と第2鉄板120の折曲部112、122が嵌合固定される。
【0050】
そして、上下部ブラケット231、232は長さが異なるように形成されている。上部ブラケット231は、折曲部112、122の上面のみが接触する長さを有するように形成され、下部ブラケット232は、折曲部112、122の下面と鉄板110、120の内面の一部まで接触する長さを有するように形成される。下部ブラケット232の長さが上部ブラケット231の長さよりも長く形成されつつ鉄板の内面まで支持されるのである。このような構造によれば、鉄板110、120とブリム200とは互いに支持されるようになる。
【0051】
図5において、凸ブリム300は凹ブリム200と同じであり、前述したように中央ブラケット310の形状のみが凸状に形成される。凸ブリム300の凸状中央ブラケット310とそれに結合する凹ブリム200の凹状中央ブラケット210とは、サイズが互いに対応するように形成されるべきである。
【0052】
本発明によれば、ブリム200、300の凹凸面220、320にはリップシール400が形成される。
【0053】
リップシール400は軟質の材料で形成され、凹ブリム200と凸ブリム300との組み立てによるハウジングケース1の気密性を保持できる。リップシール400は、凹ブリム200と凸ブリム300の両方に設けられてもよいが、本実施例は、気密効果が最も大きいと判断された凹ブリム200の凹凸面220に設けられるものを例に挙げて説明する。
【0054】
リップシール400は、軟質で弾性のある材質で形成することが密閉性を向上させることができる。以下の表1にリップシールの材質を示す。
【0055】
【表1】
もっとも、リップシール400は、上記[表1]の材質に限らず軟質の弾性のある材質であり、凹ブリム200と凸ブリム300とが互いに結合して接触した場合、内部で気体漏れが発生しないようにできる他の任意の材料で形成することができる。
【0056】
本発明によるリップシール400は様々な形状に形成することができる。
図7は、本発明のリップシールパネルにおいて様々なパターンのリップシールを有するブリムの断面図である。
【0057】
図7に示すように、リップシール400は特定の形状を外れて様々なパターンで形成することができる。
図7の(a)及び(b)は、線型突起形状のリップシールが形成された例である。線型突起は一つ以上形成することができ、太さや長さは全て同じまたは異なるように形成することができる。
【0058】
図7の(c)~(h)は、チューブ型の突起形状のリップシールが形成された例である。チューブ型突起は中空の形状であり、半円形状、四角形状、三角形状等様々な形状であり得る。そして、このような半円形状、四角形状、三角形状のリップシールは少なくとも一つが形成される。また、リップシールが二つ以上形成される場合、リップシールの大きさは全て同じであっても異なって形成されてもよい。また、半円形状、四角形状、三角形状のリップシールを一つのブリムに一度に形成することもできる。例えば、ブリムの中央ブラケットの一面において、中央に半円形状のリップシールを形成し、左右方向に四角形状のリップシールと三角形状のリップシールを組み合わせて形成するものである。
【0059】
図7の(i)~(n)は、中実のブロック型の突起形状のリップシールが形成された例である。前述のチューブ型の突起形状のリップシールと比較すると、中空であるか中実であるかの条件のみが異なるだけで、大きさ及び個数、互いに異なる形状の組み合わせで構成されることはいずれも同一である。
【0060】
図8は、本発明のリップシールパネルにおいてブリムにリップシールを形成する工程例を説明する図である。
【0061】
ブリムにリップシールを形成する方法は様々である。
【0062】
図8の(a)は、二重押出方法でリップシール400をブリム200に形成することを示す。すなわち、ブリム200を製造しながら、そのブリム200の一面に異なる材質を有するリップシール400が形成されるように押出成形するものである。ブリム200の一面にリップシール400が一体に形成されるので、別途の接着手段が全く必要ない。
【0063】
図8の(b)は接着方法である。図示されたようにブリム200の凹凸面220にリップシール400を接着する方法である。このとき、リップシール400は、一つずつ個別に接着することができ、或いは一面にリップシール400が取り付けられた接着フィルム410の裏面を凹凸面220に接着する方法であってもよい。
【0064】
図8の(c)及び(d)は嵌合方式である。(c)に示すように、ブリム200の凹凸面220には嵌合溝222が形成され、各嵌合溝222にリップシール400を嵌合固定する方法である。そして(d)は、楕円形状のリップシール400の一面に複数の嵌合突起420を形成し、凹凸面220に形成された嵌合溝222に嵌合突起420を嵌めて固定する方法である。一方、
図8の嵌合方式で嵌合固定する際には、リップシール400の先端や嵌合溝222内に接着材等を供してより堅固に固定することもできる。
【0065】
図9は、本発明のリップシールパネルを組み立てた断面図である。
図9を参照して、ハウジングケース1を製造する方法を説明することができる。説明に先立ち、
図5に示すリップシールパネル100を第1リップシールパネルとし、
図6に示すリップシールパネル100’を第2リップシールパネルと称して説明する。
【0066】
図9に示すように、製造しようとするハウジングケース1のコーナーを形成するコーナーフレーム40が位置した状態で、最初の第1-1リップシールパネル100-1を連結して組み立てる。
【0067】
その状態で、第1-1リップシールパネル100-1に、二番目の第1-2リップシールパネル100-2を組み立てる。すなわち、第1-1リップシールパネル100-1の凸ブリムと第1-2リップシールパネル100-2の凹ブリムが結合して組み立てられる。そして、このような組み立てにより、第1-2リップシールパネル100-2の凹ブリムに形成されたリップシールは、第1-1リップシールパネル100-1の凸ブリムによって押されながら密着した状態を有することになる。
【0068】
その後、第1-2リップシールパネル100-2に他の第1リップシールパネル100-3、100-4、・・・を連続して組み立て、製造しようとするハウジングケース1の大きさによって、適切な数の第1リップシールパネル100が組み立てられる。
【0069】
第1リップシールパネル100を全て組み立てた後、最後に第2リップシールパネル100’を組み立てる。第2リップシールパネル100’は両側がいずれも凹ブリムで
形成されたパネルであり、一側端部の凹ブリムには、隣接する第1-2リップシールパネル100-2の凸ブリムが組み立てられる。そして他側端部の凹ブリムには、コーナーフレーム40の側面ブラケットが組み立てられる。
【0070】
このような組立方法によって、コーナーフレーム40の間に本発明のリップシールパネル100、100’を連続して組み立ててハウジングケース1を製造することができ
る。このようにリップシールパネル100、100’のみでハウジングケース1を形成
することができるので、
図2の従来技術で述べた中間フレーム20が不要となる。したがって、
図3のハウジングケース1を参照すると、中間フレーム20なしでリップシールパネルのみが組み立てられる。
【0071】
以上、本発明の図示された実施例を参照して説明してきたが、これは例示的なものに過ぎず、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の要旨及び範囲を逸脱することなく種々の変形、変更、及び均等な他の実施例が可能であることは明らかに理解されよう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0072】
1:ハウジングケース 40:コーナーフレーム
100、100’:リップシールパネル
110:第1鉄板 120:第2鉄板
112:折曲部 122:折曲部
130:断熱材(ウレタン)
200、200’:凹ブリム
210:中央ブラケット 220:凹凸面
222:嵌合溝
231:上部ブラケット 232:下部ブラケット
240:固定溝部
300:凸ブリム
400:リップシール
410:接着フィルム
420:嵌合突起