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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094267
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】帯カバー
(51)【国際特許分類】
   A41F 19/00 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A41F19/00 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023206519
(22)【出願日】2023-12-06
(31)【優先権主張番号】P 2022209724
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】308028751
【氏名又は名称】村瀬 真智子
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 真智子
(57)【要約】      (修正有)
【課題】和服帯に着脱が可能で、簡単で確実な装着ができ、和服帯と装飾品のどちらも傷つけず形状が何通りにも変化する実用的で装飾性にも優れた帯カバーを提供する。
【解決手段】和服帯用の帯カバーに、レース生地のような薄くて華奢な生地を単体で装着することは不可能であった。しかし、装着用の固定具が既に帯カバー本体に固着されているので、誰でも簡単に確実な装着ができる。その上、様々な和装帯の形状にも対応出来る装飾用の帯カバーが完成した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
和服帯に着脱可能に取り付けられる帯カバー(3)であって、帯カバー本体(3a)と、前記帯カバー本体の裏面側(3b)における長手方向の両端部(3e・3f)にそれぞれ設けられた固定具(5)とを備え、前記固定具(5)は、前記帯カバー本体の短手方向に延びるように基端部(5b)が前記帯カバー本体(3a)に固定された1または複数の突条部(5a)を有しており、前記突条部(5a)が和服帯の上縁部(2c)に取り付けられることにより、前記帯カバー本体の縁部(3d)が和服帯の裏側にある状態で、当該和服帯の上縁部(2c)を跨ぐように前記帯カバー本体(3a)を短手方向に折り返すことで、和服帯の表側(2a)の少なくとも一部を前記帯カバー本体(3a)により覆うことができる帯カバー(3)。
【請求項2】
前記突条部(5a)は、幅方向に弾性変形可能となるように、可撓性の線状体を屈曲させた形状を有する請求項1に記載の帯カバー(3)。
【請求項3】
前記突条部(5a)は、単一の前記線状体を屈曲させることにより複数連接されている請求項2に記載の帯カバー(3)。
【請求項4】
前記固定具(5)は、前記突条部の基端部(5b)が前記帯カバー本体(3a)の短手方向に互いに対向するように前記帯カバー本体の長手方向両端部(3e・3f)のそれぞれに複数設けられている請求項1に記載の帯カバー(3)。
【請求項5】
前記帯カバー本体(3a)は、長手方向に延びる縁部(3d)が非伸縮性の補強帯(4)によって補強された補強部(4a)が形成されており、前記固定具(5)は、前記補強部(4a)に固定されている請求項1に記載の帯カバー(3)。
【請求項6】
前記固定具(5)は、前記補強部(4a)に沿って間隔をあけて複数設けられている請求項5に記載の帯カバー(3)。
【請求項7】
前記帯カバー本体(3a)は、互いに重なり合う状態で前記補強部(4a)に長手方向に沿って連接された複数の重畳帯(3h)を備えており、複数の前記重畳帯(3h)のいずれかを前記補強部(4a)との境界線(4b)で折り返すことにより、前記帯カバー本体(3a)を広げることができる請求項5に記載の帯カバー(3)。
【請求項8】
複数の前記重畳帯(3h)は、短手方向の長さが互いに相違する請求項7に記載の帯カバー(3)。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は和服(1)を着用時に、和服(1)の上から胴の位置に巻かれた和服帯(2)において、着脱可能に取り付けられる帯カバー(3)であり、簡単に短時間で脱着が出来る上に多様な使用方法と美しい装飾性を兼ね備えた帯カバー(3)に関する。
【背景技術】
【0002】
和服(1)には帯(2)が必須であり、その役目は着物の着崩れを防止する為であり、洋服のベルトと同様である。そして、帯幅はベルトより格段に広い幅で形成されており、機能性は勿論のことながらベルト以上に大きな容積を占める存在である。和服姿の中央部の胴周りに位置し、目立つ部分でもあるので和服姿を美しく飾る装飾品でもある。その上、体の背面側の帯には和服姿のポイントとなる視認性が高い帯結びが構成されている。しかしながら、体の正面側の帯は所作の邪魔になるので大掛かりな飾りは装着できず、かろうじて帯状の帯飾に帯留めを工夫した発明がある。(特許文献1)そして、この発明は従来からある細い帯締め用の装飾品である。
【0003】
このように、帯の飾りは帯の上に装飾用の紐を巻くのが唯一の方法であった。しかし、体の正面で帯の前側だけで装着できる装飾品が求められてきた。
【0004】
又、体の正面側の帯は、その位置が衿元の直ぐ下にある上に、和服より前に少し飛び出た状態で装着されているので、和服姿で飲食をした場合には食べ物の汚れを受け止める部分になっている。そこで、和服姿で食事をする時は、帯の上端線にハンカチやナプキンを挟んで、食べ物が上から落ちてきた場合の汚れを防いでいる食事姿がよく見受けられる。帯の上端部の汚れが防止できて、尚且つ装飾性のある発明のレース付き帯板である(特許文献2)。着物の着付け時に使う帯板の上部にレースを固着しており、上から帯を巻いた後にレース部分を帯の上から出して、汚れ防止と、装飾性の両面を解決している。が、脱着が可能というわけではなく、装飾のレースの部分が汚れてしまった場合、帯板から取り外すことは出来ない上に、汚れたレース部分が邪魔になって、帯板としての使用もできなくなるという問題がある。
【0005】
そして、帯に帯以外の物品を縫着し、帯と装飾品を一体化させる発明としては、帯自体の表生地と裏生地の両端の縫い合わせ部分に、装飾を施した紐状の物品を挟み込んで縫着し、帯として形成し、体に帯を撒いた時には体の正面の帯の上端部から長手方向に装飾部分が見える発明がある。(特許文献3)しかしながら、個別の帯自体の形状を変えてしまう発明では、個別の帯だけのアレンジにしかならない。
【0006】
そこで、発明の物品自体を脱着できて、尚且つ、装飾性を兼ね備えた発明が開示されている。帯を体に巻いて出来上がった帯に後から、体の正面の帯胴部に装飾布を差し入れて、帯の上端部から装飾布の一部を見せ、又、後帯の太鼓の中にも装飾布を差し入れて帯の太鼓から装飾布の一部を見せるという発明がある。結んだ帯の間に装飾布を入れて帯の間に挟むという発明である。(特許文献4)
【0007】
上記の発明の装飾布は脱着可能で、どの帯にでも使用できる。そして、装飾性もあるので、従来から要望されていた帯の装飾品の発明である。しかしながら、装飾布を巻いて出来上がった帯に差し込むだけという装着方法は無謀である。ずり落ちて美しい状態を保てない、さらに、帯から装飾布がぶら下がった状態になる、もしくは知らない間に何処かに落としたなどという問題が発生する可能性が大なので実用的ではない。解決するには、和服帯に装飾布をピンで止めるか、又は少しでも縫着して装着状態を維持する必要があり、和服帯、装飾布のどちらも傷付けてしまうことになる。
【0008】
よって、従来から和服帯に装飾品を装着する方法としては、単独で独立している金具で和服帯と装飾品の両方を重ね留めした状態で装着する方法が取られていた。しかし、個々の位置で金具を使って装着をしても、金具に負荷が掛かり、直ぐに金具が外れて落ちるので、和服帯と装飾品を最良の位置で持続しての重ね留めは不可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平5-4810号 帯状の帯飾り
【特許文献2】実用新案登録3123916号 レース付き帯板
【特許文献3】特開平10-245706号 縁飾り付の帯
【特許文献4】登実03003868号 装飾布付帯
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、体に巻きつけた和服帯に装飾品を着脱可能に取り付ける方法の解決である。従来技術としては、紐やゴム等で帯の上から巻き付ける方法は大掛かりで煩わしい仕様である上に、紐等は緩みやすくズリ落ちてしまう。又、独立した金具を用いて和服帯と装飾品の両方を重ね留めする方法は、和服帯の生地の厚さという負荷が多く、金具が直ぐに外れて落ちてしまう。つまり、どちらも確実な装着ができないので、装飾品の装着は美しい状態で維持できないという課題があった。
【0011】
そこで、確実に装着する方法として、ピンや針による縫着で和服帯に装飾品を留め付ける方法が取られてきたが、留め付け作業が危険なだけでなく和服帯と装飾品の両方共に損傷する、という問題があった。本発明の目的は、和服帯に着脱が可能で、簡単に確実な装着ができ、尚且つ、和服帯と装飾品のどちらも傷つけないという実用的で装飾性にも優れた帯カバー(3)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
和服帯(2)に着脱可能に取り付けられる帯カバー(3)を提供する。帯カバー本体(3a)と、帯カバー本体の裏側(3b)の長手方向の両端部(3e・3f)にはそれぞれ固定具(5)が設けられている。その固定具(5)は、帯カバー本体(3a)の短手方向に延びるような方向で、その基端部(5b)が帯カバー本体(3a)に固定されている。又、その固定具(5)は、1または複数の突条部(5a)を有しており、その突条部(5a)が和服帯の上縁部(2c)に取り付けられることにより、帯カバー本体の縁部(3d)が和服帯の裏側(2b)に位置する状態になる。そして、和服帯の裏側(2b)の帯カバー本体(3a)を和服帯の上縁部(2c)を跨ぐように短手方向に折り返すことで和服帯の表側(2a)に至り、少なくとも和服帯の表側(2a)の一部を帯カバー本体(3a)により覆うことができる帯カバー(3)である。
【0013】
固定具の突条部(5a)は、幅方向に弾性変形可能となるように、可撓性の線状体を屈曲させた形状を有している。
【0014】
固定具の突条部(5a)は、単一の前記線状体を屈曲させることにより複数連接されている形状である。
【0015】
又、固定具の突条部の基端部(5b)が帯カバー本体(3a)の短手方向に互いに対向するように帯カバー本体の裏面側(3c)の長手方向両端部(3e・3f)のそれぞれに複数設けられているタイプの帯カバー(3)である。以下Aタイプ(3A)と称する。
【0016】
又、帯カバー本体(3a)の生地が薄くて固定具の基端部(3b)の固定に対する耐久性が足らない場合は、帯カバー本体(3a)の一方の長手方向に延びる縁部(3d)が、非伸縮性の補強帯(4)によって補強された補強部(4a)が形成されていて、固定具(5)がその補強部(4a)に固定されているタイプの帯カバー(3)である。以下Bタイプ(3B)、Cタイプ(3C)と称する。
【0017】
Bタイプ(3)、Cタイプ(3C)の帯カバー(3)には、固定具(5)が、その補強部(4a)に沿って間隔をあけて複数設けられている。
【0018】
帯カバー本体(3)が、互いに重なり合う状態で、その補強部(4a)に長手方向に沿って連接された複数の重畳帯(3h)を備えていて、複数の重畳帯(3h)のいずれかを補強部との境界線(4b)で折り返す方法により、帯カバー本体(3a)を上下に広げることができる形状の帯カバー(3)である。以下Cタイプ(3C)と称する。
【0019】
そして、その複数の重畳帯(3h)は、短手方向の長さが互いに相違している形状のCタイプの帯カバー(3C)。
【発明の効果】
【0020】
従来技術は、和服帯(2)の上から紐やゴムで巻き付ける、又は、和服帯本体にカバーや飾りを縫着や、ピンで留め付けて和服帯の生地を傷つける方法や、後付けの独立した固定具で和服帯(2)と飾りを挟んで留めるだけの安易な方法では飾りが直ぐにズリ落ちてしまい持続性がない。本発明の帯カバー(3)は、上縁部、下縁部のどちらにも使用できる。何より、煩わしい手間が省けて時短にもなる上に、誰でも簡単で確実に装着できる帯カバー(3)である。
【0021】
帯カバー(3)は、帯カバー本体(3a)と、その裏面側の長手方向両端(3e・3f)にそれぞれ設けられた固定具(5)で構成されている。その固定具の基端部(5b)が帯カバー本体(3)にしっかりと固定されているので、帯カバー本体(3a)と固定具(5)は一体化しており扱いやすい。まして、固定具(5)は1又は複数の突状部(5a)を有しているので和服帯の上縁部(2c)に確実に装着しやすい。
【0022】
装着後は帯カバー本体の縁部(3d)が和服帯の裏側(2b)に位置する構成となっており、和服帯の表裏両面の縁部(2c)を渡るので和服帯と密着した装着感があり、和服帯の上縁部(2c)から表側(2a)に美しい張りのある帯カバー(3)が提供できる。
【0023】
その上、固定具(5)が帯カバー本体の裏面側(3c)に設けられているので、和服帯の裏側(2b)と、帯カバー本体(3)の間に固定具(5)が位置するような状態で固定具の突条部(5a)が和服帯の上縁部(2c)に取り付けられる。よって、固定具の基端部(5b)が固定されている帯カバー本体の縁部(3d)は、必ず和服帯の裏側(2b)に位置する。よって、和服帯の表側(2a)からは帯カバー本体(3a)に設けられた固定具(5)などの裏方が見えないので美しい。
【0024】
又、固定具の突条部の先端部(5c)は帯カバー本体の短手方向に延びており、和服帯の上縁部(2c)の縫い目に突条部の細い先端部(5c)方向から取り付けることができ、装着はスムーズで簡単である。固定具(5)は基端部(5b)がしっかりと固定されているので、固定具の基端部(5b)まで突条部(5a)の全長を差し込むことが出来る。よって、和服帯(2)の生地の中に固定具全体を埋没させると固定具(5)が抜け落ちることがない。さらに、そして、固定具(5)が、装着された和服帯のどこからも見えない状態となり装着が完了する。
【0025】
帯カバー本体(3a)に固定されている固定具の突条部(5a)は、幅方向に弾性変形可能となるように、可撓性の線状体を屈曲させた形状を有しており、横方向の弾性変化で撓む可撓性がある線状に屈曲されて形成されているので、和服帯の上縁部(2c)の縫い目に差し込む時に、固定具(5)を指でつまむと少し細めの形状に変化して差し込みやすくなり、一旦、縫い目の中に入ると、元の幅に戻るので縫い目から抜けにくくなる特性を利用するので固定具(5)全体が埋没したままの確実な装着ができる。
【0026】
固定具の突条部(5a)は、1つの線状体を屈曲させて作成してあり、連動しているので和服帯(2)に取り付け易く装着しやすい。そして、線状体を屈曲させて複数連結されているので、頻繁な着脱作業の負荷が分散され、幅方向の弾性変化が継続でき、経年劣化が遅くなるという利点がある。
【0027】
本発明に固定されている固定具(5)は個々の突条部(5a)の損傷や変形を防ぎ、連結した形状で強化されるので、着脱作業に頻繁使用する突条部(5a)に変形や支障が起きにくく、突条部(5a)の幅方向の柔軟な弾性変化が持続できるので、経年劣化が遅くなるという利点がある。又、和服帯の上縁部(2c)の状態により、縫い目に差し込むだけの装着方法以外にも対応できることを特徴とする。
【0028】
つまり、固定具の突条部(5a)が複数連結されている形状だと、和服帯の上縁部(2c)の縫い目が大き過ぎる場合などは、縫い目に差し込むだけの装着方法だけでなく、差し込んだ突条部(5a)と、左右両側の突条部(5a)とで和服帯の生地を挟むという装着方法に転換しても対応できる。そして、その場合は、和服帯の上縁部(2c)に装着した後、固定具(5)が和服帯の表面(2a)に露出したままになるが、帯カバー本体(3a)の生地が上から覆い隠す構造なので、外見的には露出しない。よって、固定具(5)が体に直接当たるのも、帯カバー本体の生地によって防げるので、安全な上に美しい帯カバー(3)が出来上がる。
【0029】
固定具の突条部(5)は1個、又は複数個の突条部(5a)があるので、さまざまな和服帯(2)の状態によって使い分けができる。縁部(2c)の縫い目に差し込む方法、和服帯の表側(2a)と裏側(2b)の生地を挟んで装着する方法が選択できる。本発明の帯カバー(3)は和服帯の上縁部(2d)だけでなく、下縁部(2e)にも装着できる上に、和服帯(2)の種類や生地の厚み、用途に合わせて最適な方法が選べ、臨機応変に装着することができる。又、装着後は和服帯(2)の装飾形状が美しい状態で継続できるので安心である。
【0030】
つまり、和服帯の上縁部(2c)の縫い目が大き過ぎる場合などは、縫い目に差し込んで埋没する方法ではなく、差し込んだ突条部(5a)と、その左右両側の突条部(5a)とで、和服帯の表裏(2a・2b)の生地を挟む方法が適している。その場合も、固定具(5)は帯カバー本体の生地とは既に一体化しているので、和服帯(3)の生地だけを挟めば良いので、固定具(5)に余分な負荷がかからない。又、装着後は固定具(5)が和服帯の表面側(2b)に露出しているが、帯カバー本体の生地が上から覆って隠し、見えなくなる上に、硬い固定具(5)が体に直接、触れることがない構造なので安心である。
【0031】
本発明のAタイプの帯カバー本体の裏面側(3b)には、和服帯の上縁部(2d)に装着する固定具(5)の位置として単手方向に複数設けているので、その装着位置を取り換えると和服帯の表側(2a)を覆う帯カバー本体(3a)の露出幅や形状を変える事ができる。両端対称の位置の固定具(5)で装着すると、数通りの露出幅に変化させる事が出来る。又、左右両端をズラした位置の固定具(5)を装着すると和服帯の表側(2d)の露出は斜めに変化して、動きのある形状となり面白い。1枚だけの帯カバー(3)でも多様な汎用性がある。
【0032】
さらに、Aタイプの帯カバー(3A)は、帯カバーの短手方向の固定具(5)の位置によって、多様に使用できる。先ず、帯カバー本体の単手方向の中央に設けた場合、左右両端の固定具(3e・3f)を、和服帯の上縁部(2d)に取り付けると帯カバー本体が和服帯の表裏両側に均等に配分されるので、より一層、安定した装着になる。又、短手方向の中央位置からずらして設けた場合だと、和服帯の表側を覆う幅に2つのパターンが提供できる。和服帯の表側(2d)を覆う露出幅が、和服帯の幅の半分に満たない短いタイプだと、帯締めと称する飾りの位置に達して邪魔にならない。
【0033】
さらに、長いタイプだと和服帯の表側を大部分の幅で覆い、豪華で美しく飾ることが出来る。汎用性に満ちた使用方法が取れる。
【0034】
帯カバー本体の生地が薄くて、固定具の基端部(5b)の固定に耐久性がないBタイプの帯カバー(3B)の場合は、長手方向の縁部(3d)に沿って一方の長手方向の左右両端部(3e・3f)間の全長に、非伸縮性の補強帯(4)を取り付けて帯カバー本体(3a)として一体化させる。本来、薄いレース生地等は長手方向に伸縮して掴みにくい上に、硬い和服帯生地との釣り合いが取りにくいので大変難しい装着となるのだが、作業時の長手方向の縁部(3d)の蘇生変形を阻止できるので、和服帯(2)と、帯カバー(3)との装着位置の釣り合いが簡単に取れて大幅な時短になる。よって、着付けの技術のない素人でも簡単に帯カバー(3)を装着することができる。
【0035】
又、和服帯(2)に装着中の固定具(5)は、和服帯の上縁部(2c)の縫い目に完全に差し込まれており、もしくは和服帯の生地をしっかりと挟んでいるので、和服帯(2)からの取り外し作業時には、薄くて柔らかい帯カバー本体(3a)の生地だけを引っ張ることになりやすく、固定具の基端部(5b)の固定部分の生地が破れる懸念があるが、Bタイプの帯カバー(3B)の固定具(5)は補強生地によってしっかり補強された補強部(4)に固定されているので安心である。
【0036】
Bタイプの帯カバー(3B)は帯カバー本体(3)と一体化している補強部(4)が形成されているので、和服帯の上縁部(2c)に沿って、補強部(4)の固定具(5)は自然に沿っている。和服帯(2)に確実に装着しなくてはいけない要所の位置があるが、身体の中心を基点にして複数設けられるので、確実に装着できる。帯カバー本体の縁部(3d)が伸縮変化しないので、帯カバー(3)が身体の中心からズレたり緩んだりしない上に、固定具(5)を取り付ける安定した土台としての役目も担える優れた構造であり、和服帯(2)に装着する場合は、複数の固定具(5)が設けられている補強部(4)の設けられた一方だけを帯の上縁部(2d)に沿って装着するので、個々に違う帯幅にも関係なく臨機応変に使用できる。
【0037】
又、Bタイプのカバー(3B)本体に補強生地(4)が一体化していると、着脱作業時に突条部(5a)を有する硬い固定金具(5)によって帯カバー本体(3a)の生地の破れなどの損傷が防げ、又、帯カバー本体(3a)の生地が頻繁な着脱や使用により劣化するのも補強部(4a)によって防げる。又、複数の固定具が帯カバー本体(3a)と一体化するので、着脱作業時に固定具(5)にかかる負荷を補強帯(4)が受け止めて軽減できる。よって、固定具(5)の形状に歪みや変形が起こりにくく、健全な状態が保てる構造になる。
【0038】
又、互いに重なり合う状態で前記補強部(4)に長手方向に沿って連接された複数の重畳帯(3h)を備えたCタイプの和装帯カバー(3C)は、和服帯(2)に装着後、複数の重畳帯(3h)のいずれかを補強部(4)との境界線(4b)で折り返すと、帯カバー本体(3a)の幅を2倍に広げることができて和服帯の表側(2a)の一部分だけでなく、身体の正面側における和服の胸元にも美しい装飾が反映される。今までにない華やかさが倍増する使用方法〈図10〉ができ、大変豪華である。
【0039】
さらに、Cタイプの帯カバー(3C)においては、複数の重畳帯(3h)が短手方向の長さが互いに相違しているので、和服帯の表側に露出させる帯カバー(3)の状態に変化をもたらすことができるので汎用性が高い。
先ず、和服帯の上縁部(2d)から和服帯の表側(2a)を覆うのに、重畳帯(3h)の短手方向が長い方、短い方のどちらかの1枚だけを露出する方法〈図11〉がある。そして、さらに、短手方向に長さの違う重畳帯(3h)を重ねて露出する方法〈図12〉があり、1枚の帯カバー(3)でありながら多種多様に利用出来る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】和服帯(2)を身体の胴回り位置に巻いている図である。
図2】和服帯(2)に本発明の帯カバー(3)を装着している図である。
図3】多種多様な固定具(5)の形状である
図4】固定具の基端部(5b)を固定する縫着方法の仕様図である.
図5】本発明の帯カバー本体(3a)の帯状の生地である。
図6】本発明のAタイプの帯カバー(3A)の複数の見本図である。
図7】本発明のAタイプの帯カバー(3A)を和服帯の上縁部に(2c)取り付けた装着状態図と断面図である。
図8】生地が薄くて長手方向に伸縮変化が大きいレース生地等を使用した場合 の本発明のBタイプの帯カバー(3B)であり、帯カバー本体の裏面側(3c)に補強部(4a)が設けられ、その部分に固定具(5)が複数設けられた複数の見本図である
図9】本発明のBタイプの帯カバー(3B)を和服帯の上縁部(2c)に取り付けた装着状態図と断面図である。
図10】帯カバー本体(3a)の生地が薄くて長手方向に伸縮変化が大きいレース生地等を使用した本発明のCタイプの帯カバー(3C)であり、補強部(4a)が設けられた長手方向に沿って複数の重畳帯(3h)が連接されており、補強部(4a)には固定具(5)が複数設けられている複数の見本図である。
図11】本発明のCタイプの帯カバー(3C)を和服帯の上縁部(2c)に取り付けた後、補強部の境界線(4b)で重畳帯(3h)を上下に広げた装着状態図と断面図である。
図12】本発明のCタイプの帯カバー(3C)を和服帯の上縁部(2c)に取り付けた後、補強部の境界線(4b)で折り倒した重畳帯(3h)を、和服帯の表側(2a)に1枚だけ露出させた装着状態図と断面図である。
図13】本発明のCタイプの帯カバー(3C)を和服帯の上縁部(2c)に取り付けた後、補強部の境界線(4b)で折り倒した重畳帯(3h)を、和服帯の表側(2a)に2枚重ねて露出させた装着状態図と断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の帯カバー(3)に使用する生地の素材としては、一般的な和装小物の生地と同様の絹、もしくはナイロンやポリエチレンでも良いが、繰り返して使用するので耐久性や、洗う事を考えると絹は縮みによる変形が大きいし、シワも発生するので不都合である。又、ナイロンやポリエチレンの化繊生地は最適だが、本発明の帯カバー(3)の形状からすると、2方の長手方向のうち、非伸縮性の補強帯(4)が縫着されてない一方の長手方向と相対する縁部は、生地の裁断された状態のままで、加工をしない。よって、ナイロンやポリエチレンだと生地のホツレが発生してしまい、帯カバーの本体(3a)にも糸引きによる傷が出来るので適さない。
【0042】
そこで、帯カバー本体(3a)の一方の長手方向と相対する縁部の状態を現状のままで放置してもホツレない素材としては、裁ち切りの状態で柄を形成しているレース生地が最適である。一般的な和装小物の生地より耐久性があり、丈夫で、変形しない上に、薄くて軽いという利点もある。本発明の帯カバー(3)は、和服帯(2)に被せるだけの装飾品なので、今まで使用出来なかった繊細で、薄くて織りの密度が粗く、その上、変わり織の要素がある生地が使用できる。華奢豪華な装飾品としてのレース生地が帯カバー本体(3a)の生地として望ましい。
【0043】
又、レース生地にも色々あるが、綿レースは洗濯により縮んで変形してしまうので使用しない方がよい。又、華奢で扱うとシワが発生するオーガンジーも不向きである。よって、レースの生地はポリエステルやレーヨン、そしてナイロンが最適である。
【0044】
本発明の帯カバー本体(3a)の長手方向の長さとしては、体の正面側を覆う長さがあれば良いので、和服帯の下に装着する帯の台座となる帯板と同寸法の長さを想定している。一般的な帯板の長さと同じく、30cm~100cmである。だが、体の前中心から和服帯(2)に重ねて装着するので、あまり長すぎて体の後から見える帯結びまでに至ると余分である。よって、体の真横部分の脇では袖で和服帯が見えない状態になるので、体の脇までの長さ38cm~80cmが最適である。しかし、着物を着る時は、帯が巻きやすい体型にするために胴のくびれ部分にタオルで厚みを補足するので、胴回りは実寸より太くなる。よって、40cm~70cmがより最適である。
【0045】
次に、本発明の帯カバー本体(3a)の短手方向の長さとしては、10cm~25cmが良い。和服帯の幅は17cm~19cmが標準的な和服帯の幅なので、その和服帯の上縁部に跨って和服帯の表側の一部分を覆い装飾する仕様なので、短手方向の中央部分に補強部を作る場合でも、12cm~20cmは必要である。そして、短手方向に複数の固定具が有り、装飾幅に違いを出す場合は、14cm~18cmが最良である。
【0046】
そして、本発明の帯カバーの本体(3a)の生地がレース生地等の薄くて耐久性のない生地の場合には、固定具の基端部(5b)を固定する為の補強として帯カバーの本体の長手方向(3d)に非伸縮性の補強生地(4)が縫着されている。その非伸縮性の補強帯(4)の生地についてだが、やはり、木綿は洗った時に縮んで変形するので使用出来ない。ナイロンやレーヨン、ポリエステル等の化繊であれば経年劣化での変質や、洗濯による変形に強く、又、固定具(5)との摩擦による耐久性にも優れているので良い。又、厚みがあると和服帯(2)に装着し難い上に、嵩高くなって装着しにくい。つまり、非伸縮性の補強帯(4)には縫い代の厚みが存在しないリボン生地が良い。リボンならホツレが発生せず、縫い代の始末も考えなくて良いので最適である。
【0047】
又、非伸縮性の補強部(4a)の長手方向の長さは、帯カバー本体(3a)一方の長手方向の縁部(3d)に沿った左右の両端部(3e・3f)の全長に取り付けるので、帯カバー本体(3a)と同じ長さになる。そして、幅についてだが、帯カバー本体(3a)の生地の厚さや織の密度、形状によって変わってくる。何より、帯カバー(3)の形状タイプによって非伸縮性の補強帯(4)の寸法も臨機応変に対応する必要があるのでタイプ別に記載する。
【0048】
先ずBタイプの帯カバー(3B)には、補強部(4a)は帯カバー本体の一方の長手方向縁部(3d)に設けられている。和装帯の上端部(2c)に固定具(5)を装着した場合、補強部(4a)だけが和装帯の裏側(2b)に位置する状態となるので、和装帯の裏側(2b)には広め幅の補強部(4a)を差し込む方が掴み易いので簡単である。よって、固定具より広い幅の1.0cm ~8.0cm位が望ましい。
しかし、あまりに幅が広いと、帯の上縁部(2c)から差し込んだ時に帯の裏側(2b)で、折れ曲がってシワになる可能性があるので2.0cm~6.0cmが良い。又、和装帯(2)はしっかりと強固に巻かれているので、和装帯の上端部(2c)から下方に真っ直ぐ差し込むのには3.0cm~5.0cmが最適である。
【0049】
次にCタイプの帯カバー(3C)の場合だが、帯カバー本体の一方の長手方向の縁部(3d)に沿って、補強部(4a)が形成され、その補強部(4a)に沿って複数の重畳帯(3h)が連接されている。例えば、薄いレース生地を短手方向に折り、その折目に沿って補強部(4a)を作るのが比較的簡単にCタイプの帯カバー(3C)を作成する方法であり、補強部(4a)の幅は1cm~5cm位が適応である。しかし、広すぎる補強部(4a)を設けてしまうとレース生地の残りの幅が少なくなってしまい、和装帯の表側(2a)に露出させる装飾部分が少なくなってしまう。つまり2cm~4cm位が適切である。しかし、固定具の先端部(5c)を和服帯の上縁部(2c)の縫い目に差し込むのには、固定具の長さより補強部(4a)の幅が短い方が固定具(5)を和服帯(2)に着脱する作業時の邪魔にならない。よって、2.5cm~3.5cmが最適である。
【0050】
固定具(5)について説明する。和服帯の上縁部(2c)にある帯の縫い目に差し込むだけで、装着できる固定具(5)として、ヘアピン状の固定具、ホック類の固定具、クリップ類の固定具(8)がある。ヘアピン状の固定具は細いので縫い目に入れやすいが、そのまま抜け出てしまう上に、挟む力が弱いので直ぐに装着が取れてしまう。又、ホック類は鍵針状の形態であり、縫い目に入り、その位置の布を引っ掛けて固定する。しかし、引っ掛けるだけなので、そのまま滑り外れて役に立たない。
【0051】
クリップ類については、先端部(5c)の方向が細くなっているので縫い目に挿入し易く、太めの中間部分の挿入には挿入し易い細めの形状に瞬時に変形する。縫い目に入った後には和服帯(2)の生地の中で元通りに膨らむというバネ力があり縫い目から抜け難い。以上のような最適な特徴をクリップは持っており、固定具(5)として最適である。
【0052】
そして、突上部(5a)の数としては2つ、3つ、もっと多くの突条部(8a)を持ったクリップがあるが、和服帯の上縁部(2c)の縫い目に簡単に脱着できることを考慮すると、2つでは装着力が弱いので直ぐに歪んで変形してしまう。又、多数の突条部(5a)があると。装着するのに無駄な時間がかかる上に重くなるので、固着している帯カバー本体(3a)の負担が大きくなる。つまり、突条部(5a)が3つある形状の固定具(5)が一番使い易い上に、装着の持続力も確保できるので最良である。
【0053】
固定具(5)としてのクリップの寸法だが、横幅は1.5cm~3cmと色々ある。突条部(5a)が3つだということや装着する和服帯の上縁部(2c)の縫い目の大きさを考慮すると1.8cm~2.5cmが最適である。又、長さは3.5cm~5.0cmだと持ちやすくて扱い易いので良い、だが、長すぎると折れ曲がって変形しやすいという欠点がある。よって、短い3.0cm~4.0cmがより良い。しかし、装着後には和服帯本体(1c)の生地の中に埋没したままの状態になるので、2.5cm~3.5cmの長さが最も良い。
【0054】
固定具(5)の固定方法だが、基端部(5b)だけを固着して、残りの突条部(5c)は自由に可動できるようにすると、和服帯(1)に装着し易い。例えば、強力な接着剤で貼り付ける、固定具の基端部(5b)だけを別布で抑えて縫い付ける、等があるが、和服帯(1)への装着作業は、小さな固定具(5)をつまんで装着するので、突条部の長さを最大限に活かす為に、詳しくは、最小限の長さを縫い留める方法として、固定具の基端部(5b)を何度も重ね縫いで縫い留める方法が良い。
【0055】
固定具の基端部(5b)の縫着形状は、基端部(5b)の丸み部分を1度だけでなく何度も縫い重ねて厚くする。糸も通常は60番だが、太い40番が良い。さらに、糸がより太く、簡単に厚みを持たせることができる30番が最適である。しかしながら、上糸と下糸の両方を30番にすると滑ってほつれやすい。そこで、上糸は20番だが、下糸は60番を使用して、20番の糸で量を増し厚くする。同時に下糸の60番の細い糸で絞めながら押さえていくという特別な縫い方に決定した。よって、その基端部(5b)の連結した丸み部分を横方向に縫着するので幅方向は確実に固定できる。
【0056】
しかし、基端部(5b)は丸みを帯ており、基端部(5b)の連結した丸み部分を横方向に固定する縫い方(5d)だけでは縦方向に固定具(5)が移動してしまう。厚い生地の和服帯(2)に装着時に固定具の基端部(5b)が上下に縦移動するので装着が不安定である。そこで、基端部(5b)の丸み部分を個々に固定して縦方向の移動を止める縫い方(5e)を実行する。この2つの縫着方法を組み合わせると、確実に固定具(5)が固着できる。
【0057】
以下、実施例により本発明にかかる帯カバー(3)をより詳細に説明する。
【実施例0058】
帯カバー(2)には固定具(5)が固着されるので、装着が短時間で、確実に和服帯の上縁部(2c)に帯カバーを装着することができる。その場合の実施図を帯カバー(3)のタイプ別に示す。帯カバー本体の長手方向の両端(3e・3f)にそれぞれ固定具を設けたAタイプ<図6>、<図7>、次に、長手方向に伸びる縁部(3d)が非伸縮性の補強帯(4)によって補強された補強部(4a)が設けられており、その補強部(4a)に沿って固定具(5)が間隔を開けて設けられているBタイプ<図8>、<図9>、そして、長手方向に沿って連接された複数の重畳帯(3h)を備えており補強部との境界線(4b)で折り返すことにより帯カバー本体(3a)を広げることができるCタイプ<図10>、<図11>、<図12>、<図13>に示す。
【0059】
Aタイプの帯カバーの実施例<図6>、<図7>である。
固定具(5)の数は2個、3個、4個である。帯カバー本体の長手方向の両端(3e・3f)に左右対称に複数の固定具(5)が設けられており、帯カバー本体(3a)の生地を短手方向に折った状態で和服帯の上縁部(2c)に跨がせて和服帯の表裏(2a・2b)両面側に振り分けて使用する。その時に、固定具(5)を和服帯の上縁部(2c)の縫い目に差し込んで埋没させても、挟み込む方法でも装着できる。
【0060】
さらに、Aタイプの帯カバー(3A)は、帯カバーの短手方向の固定具(5)の位置によって、多様に使用できる。帯カバー本体の長手方向の左右両端の固定具(3e・3f)を単手方向の中央位置に設けた場合や、短手方向の中央位置からずらして設けた場合があり、和服帯の表側を覆う幅に3つの違う幅が提供できて汎用性に満ちた使用方法が取れる。
【0061】
又、固定具(5)を帯カバー本体の長手方向の左右両端(3e・3f)だけでなく、長手方向の中央位置に固定具(5f)を設けると、装着した帯カバー本体(3a)が和服帯の上縁部(2c)から長手方向に沿って緩み、シワが発生するのが防げる。さらに、身体の中央部分の位置で和服帯の上端部(2c)から帯カバー本体(3a)が浮き上がるのも防げる。
【0062】
Bタイプの帯カバーの実施例<図8>、<図9>である。
帯カバー本体(3a)の生地がレース生地等の薄くて柔らかく、伸縮変化が大きい生地を使用する時には非伸縮性の補強帯(4)によって長手方向が補強された補強部(4a)が形成されており、補強部(4a)の長手方向に沿って固定具(5)が間隔を開けて3個、4個、5個、設けられている。
【0063】
そして、和服帯の上縁部(2c)に補強部の境界線(4b)を沿わせて装着した時は、帯カバー本体(3)は、和服帯の表側(2a)に露出し、補強部(4a)だけが和装帯の裏側(2b)に位置する。
【0064】
Cタイプの帯カバーの実施例<図10>、<図11><図12>、<図13>、である。
固定具(5)の数は3個、4個、5個で、補強部(4a)を土台として、その長手方向に沿って固定されている。
帯カバー本体(3a)の生地が補強部(4a)の長手方向に沿って連接された複数の重畳帯(3h)を備えており、その短手方向の長さが互いに相違している。
図11>は装着後に補強部との境界線(4b)で上下に折返すことにより帯カバー本体(3a)が大きく広がり、和服帯の表側(2a)だけでなく、和服の胸元にも至って華やかに飾ることができる。
図12>は帯カバー本体(3a)の生地が複数の重畳帯(3h)になっており、それぞれの短手方向の長さが違うので、長い方、短い方のどちらか1枚を和服帯の表側(2a)に露出させる。残りの重畳帯(3h)は和装帯の裏側(2b)に位置する。
図13>は帯カバー本体(3a)の生地が複数の重畳帯(3h)になっており、それぞれの短手方向の長さが違うので、長い方、短い方の2枚を重ねて和服帯の表側(2a)に露出させる。
【符号の説明】
【0065】
1 和服
2 和服帯
2a 和服帯の表側
2b 和服帯の裏側
2c 和服帯の上縁部
2d 和服帯の下縁部
3 帯カバー
3a 帯カバー本体
3b 帯カバー本体の表面側
3c 帯カバー本体の裏面側
3d 帯カバー本体の一方の長手方向縁部
3e ・3f 帯カバー本体の長手方向の両端部
3g 和服帯の上縁部に装着した帯カバーの折り返し線
3h 帯カバーの重曹帯
3A Aタイプの帯カバー
3B Bタイプの帯カバー
3C Cタイプの帯カバー
4 非伸縮性の補強帯
4a 帯カバー本体の一方の長手方向縁部を非伸縮性の補強帯によって補強された補強部
4b 補強部との境界線
5 固定具
5a 固定具の突条部
5b 固定具の基端部
5c 固定具の突条部の先端部
5d 固定具の基端部の連結した丸み部分を横方向に固定する縫い方
5e 固定具の基端部の丸み部分を個々に固定して縦方向の移動を止める縫い方
5f 帯カバー本体の長手方向の中央位置に固着された固定具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正の内容】
図11
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正の内容】
図12
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正の内容】
図13