(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094279
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】磁気共鳴イメージング装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A61B5/055 370
A61B5/055 355
A61B5/055 366
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215335
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2022210799
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 聡志
(72)【発明者】
【氏名】森 昂也
(72)【発明者】
【氏名】大野 祐人
(72)【発明者】
【氏名】竹位 亮太
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB37
4C096AD07
4C096AD10
4C096AD18
4C096BB32
4C096CC06
4C096EA10
4C096EB06
(57)【要約】
【課題】被検体に対して、表面と裏面のどちらも設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能なRFコイルにおいて、天板に対するRFコイルの配置を判別できるようにすること。
【解決手段】実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、RFコイルと、天板と、収集部と、検出部と、判別部と、を備える。RFコイルは、複数の要素コイルによって構成され、被検体に対して、表面と裏面のどちらも設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能である。天板は、被検体が載置される。収集部は、複数の要素コイルの中から選択された複数の代表コイルの夫々から、任意の一軸に沿ってMR(Magnetic Resonance)信号をプリスキャンで収集する。検出部は、収集されたMR信号に基づいて、任意の一軸に沿った複数の代表コイルの夫々の位置を検出する。判別部は、検出された複数の代表コイルの夫々の位置に基づいて、天板に対するRFコイルの配置を判別する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の要素コイルによって構成されるRFコイルであって、被検体に対して、表面と裏面のどちらも設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能なRFコイルと、
前記被検体が載置される天板と、
前記複数の要素コイルの中から選択された複数の代表コイルの夫々から、任意の一軸に沿ってMR(Magnetic Resonance)信号をプリスキャンで収集する収集部と、
収集された前記MR信号に基づいて、前記任意の一軸に沿った前記複数の代表コイルの夫々の位置を検出する検出部と、
検出された前記複数の代表コイルの夫々の位置に基づいて、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する判別部と、 を備える、
磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記代表コイルは、前記RFコイルの展張領域を複数に分割することによって得られる複数のセクションの夫々を代表するように、前記セクション内の1つ以上の要素コイルから選択される、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記天板に対する前記RFコイルの配置は、前記天板に対する前記RFコイルの表裏と向きの組み合わせによって規定される、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記代表コイルは、1つの要素コイル、又は、複数の要素コイルが合成された1つの合成コイルである、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記複数のセクションは、前記RFコイルの展張領域を、第1の方向に2分割し、前記第1の方向に直交する第2の方向に2分割することによって得られる4つの前記セクションである、
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記複数のセクションは、前記RFコイルの展張領域を、第1の方向と前記第1の方向に直交する第2の方向との少なくとも1つの方向を2以上に分割することによって得られる2以上の前記セクションである、
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
前記複数のセクションは、前記RFコイルの展張領域を、第1の方向と前記第1の方向に直交する第2の方向との少なくとも1つの方向に2以上に分割することによって得られる2以上の前記セクションであり、
前記代表コイルは、前記第2の方向において隣り合う2つの代表コイル間で、前記第1の方向の位置が異なるように選択される、又は、前記第1の方向において隣り合う2つの代表コイル間で、前記第2の方向の位置が異なるように選択される、
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
前記任意の一軸は、前記天板の長手方向に沿った軸である、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
前記収集部は、前記任意の一軸である第1の軸に加え、前記第1の軸に直交する第2の軸に沿って前記MR信号を収集し、
前記検出部は、収集された前記MR信号に基づいて、前記第1の軸、及び前記第2の軸の夫々に沿った前記複数の代表コイルの夫々の位置を検出し、
前記判別部は、前記第1の軸、及び前記第2の軸の夫々に沿って検出された前記複数の代表コイルの夫々の位置に基づいて、前記RFコイルの前記天板に対する配置を判別する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
前記検出部は、前記プリスキャンにおける前記MR信号の受信強度分布を示すプロファイルデータに基づいて、前記任意の一軸に沿った前記代表コイルの位置を検出する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
前記判別部は、前記複数の代表コイルのうち前記MR信号の受信強度分布を示すプロファイルデータのピーク強度が、所定の閾値以下である代表コイルの位置を、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別するための演算に用いない、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項12】
2つ以上の代表コイル間の位置関係と、前記天板に対する前記RFコイルの配置と、を関係づけるデータテーブルを記憶する記憶部、をさらに備え、
前記判別部は、検出された複数の前記代表コイルの位置から前記2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出し、導出した前記2つ以上の代表コイル間の位置関係を用いて前記データテーブルを参照することによって、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項13】
前記判別部は、前記複数の代表コイルの前記MR信号の受信強度分布を示すプロファイルデータのピーク強度が、所定の閾値以下である場合に、前記プロファイルデータのピーク強度が前記閾値以下であるという事象をさらに反映して、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項14】
前記判別部は、2つの前記代表コイルの位置の演算及び前記演算の組み合わせに基づいて、前記2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出し、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項15】
前記判別部は、2つの前記代表コイルの位置の演算において、(a)演算値の絶対値が所定の閾値未満の場合には、2つの前記代表コイルは前記任意の一軸に沿ってほぼ同じ位置に存在する、(b)演算値の絶対値が所定の閾値以上の場合には、2つの前記代表コイルは前記演算値の符号によって示される前記任意の一軸に沿った位置に存在する、と前記2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出し、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
請求項14に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項16】
ディスプレイと、
判別された前記天板に対する前記RFコイルの配置に基づいて、前記RFコイル内の前記要素コイルをユーザに選択させるための選択支援情報を、前記ディスプレイに表示させる表示制御部と、をさらに備える、
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項17】
前記選択支援情報は、前記RFコイルが備える前記複数の要素コイルの中から、撮像部位に関する情報及び撮像条件に基づいて決定された、診断スキャンに使用するべき要素コイルに関する情報を含む、
請求項16に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項18】
前記選択支援情報は、前記RFコイル内の前記複数のセクションの前記天板に対する位置関係が識別できるように構成されたセクション分割図形であり、
前記セクション分割図形に基づいて指定された1つ又は複数の前記セクションに属する要素コイルを、前記RFコイルが備える前記複数の要素コイルの中から診断スキャンに使用する要素コイルとして選択する、要素コイル選択部、
をさらに備える、
請求項16に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項19】
前記選択支援情報は、前記RFコイルを前記天板の長手方向に複数に分割することで得られる複数のグループの前記天板に対する位置関係が識別できるように構成されたグループ分割図形であり、
前記グループ分割図形に基づいて指定された1つ又は複数のグループに属する要素コイルを、前記RFコイルが備える前記複数の要素コイルの中から診断スキャンに使用する要素コイルとして選択する、要素コイル選択部、
をさらに備える、
請求項16に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項20】
前記RFコイルを含む光学画像を取得する光学カメラと、
前記光学画像から得られる前記RFコイルの位置に関する情報を取得する情報取得部と、をさらに備え、
前記判別部は、前記光学画像から得られる前記RFコイルの位置に関する情報と、前記MR信号から得られる前記複数の代表コイルの夫々の位置と、に基づいて、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項21】
前記天板は前記RFコイルを接続できる複数個所の接続ポートを有し、
前記RFコイルが接続された接続ポート個所の接続情報から推定される前記RFコイルの位置に関する情報を取得する情報取得部、をさらに備え、
前記判別部は、前記接続ポート個所の接続情報から推定される前記RFコイルの位置に関する情報と、前記MR信号から得られる前記複数の代表コイルの夫々の位置と、に基づいて、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング装置は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF:Radio Frequency)信号で励起し、励起に伴って被検体から発生する磁気共鳴信号(MR信号)を再構成してMR画像を生成する撮像装置である。
【0003】
被検体から放出されるMR信号の受信には、WB(Whole Body)コイル、RFコイル等の受信コイルが用られる。被検体に近い位置に設置されるRFコイルには、例えば、頭部用、胸部用、脊椎用、下肢用等の一定の形状を保つ種々のタイプある。RFコイルが複数の要素コイルで構成されている場合に、良好な画質のMR画像を撮像するために、例えば、十分な受信感度が得られる位置に配置されている要素コイルを、診断スキャンに有効な要素コイルとして特定し、選択する技術が知られている。
【0004】
一方、被検体に近い位置に設置されるRFコイルには、上記のように一定の形状を保つタイプのRFコイルの他に、被検体の体型や撮像部位等に応じて所望の形状に変形し、かつ、表面と裏面のどちらの面も被検体に当接して設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能なRFコイルもある。このような、変形可能で、かつ、配置に自由度があるRFコイルによれば、被検体の体躯部だけでなく四肢部や関節部等、幅広い撮像部位のMR画像を撮像できる。しかしながら、変形可能で、かつ、配置に自由度があるが故に、RFコイルの表面と裏面や向きの判別が難しく、RFコイルが具備する複数の要素コイルの中から、診断スキャンに有効な要素コイルを特定して選択することが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の1つは、表面と裏面のどちらの面も被検体に当接して設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能なRFコイルにおいて、天板に対するRFコイルの配置を判別できるようにすることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
なお、以下の説明では、「配置」とは、RFコイルの表裏、向き、及び位置を含む概念で用いる。また、「表面」とは、RFコイルの第1の面であり、「裏面」とは、第1の面とは反対側の第2の面であると定義する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、RFコイルと、天板と、収集部と、検出部と、判別部と、を備える。RFコイルは、複数の要素コイルによって構成され、被検体に対して、表面と裏面のどちらも設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能である。天板は、被検体が載置される。収集部は、複数の要素コイルの中から選択された複数の代表コイルの夫々から、任意の一軸に沿ってMR(Magnetic Resonance)信号をプリスキャンで収集する。検出部は、収集されたMR信号に基づいて、任意の一軸に沿った複数の代表コイルの夫々の位置を検出する。判別部は、検出された複数の代表コイルの夫々の位置に基づいて、天板に対するRFコイルの配置を判別する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成例を示す概略図。
【
図2】実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置における複数のRFコイルの配置例の説明図。
【
図3】実施形態に係るRFコイルにおける要素コイル、及び代表コイルの構成例の説明図。
【
図4】
図3のRFコイルの代表コイル、及びセクションの構成例の説明図。
【
図5】実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の動作例を示すフローチャート。
【
図6】実施形態に係るプリスキャンで取得したMR信号に基づいた代表コイルの位置の検出についての説明図。
【
図7】実施形態に係る天板に対するRFコイルの配置の判別についての説明図。
【
図8】実施形態に係る天板に対するRFコイルの配置についての説明図。
【
図9】実施形態に係るデータテーブルの第1例の説明図。
【
図10】実施形態に係るデータテーブルの第2例の説明図。
【
図11】実施形態に係るデータテーブルの第3例の説明図。
【
図12】実施形態に係るデータテーブルの第4例の説明図。
【
図13】実施形態に係るデータテーブルの第5例の説明図。
【
図14】実施形態に係るデータテーブルの第6例の説明図。
【
図15】実施形態に係るデータテーブルの第7例の説明図。
【
図16】実施形態に係るデータテーブルの第8例の説明図。
【
図17】実施形態に係るデータテーブルの第9例の説明図。
【
図18】実施形態に係るRFコイルの配置例、及び選択支援情報の表示例についての説明図。
【
図19】RFコイルの第2の配置例についての説明図。
【
図20】第2の配置例に係る選択支援情報の表示例についての説明図。
【
図21】RFコイルの第3の配置例、及び選択支援情報の表示例についての説明図。
【
図22】RFコイルの第4の配置例、及び選択支援情報の表示例についての説明図。
【
図23】RFコイルの第5の配置例、及び選択支援情報の表示例についての説明図。
【
図24】第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成例を示す概略図。
【
図25】第2の実施形態に係るRFコイルの配置例についての説明図。
【
図26】第2の実施形態に係る選択支援情報の表示例についての説明図。
【
図27】RFコイルの他の第1配置例、及び選択支援情報の表示例についての説明図。
【
図28】RFコイルの他の第2配置例、及び選択支援情報の表示例についての説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、磁気共鳴イメージング装置の実施形態について詳細に説明する。なお、プリスキャンでは、送受信RFゲインの調整、中心周波数の調整、特定のコイルの決定など、適切な診断画像を取得するためにキャリブレーションスキャンが実行される。一方、診断スキャンでは、プリスキャンの結果を反映して被検体の画像を取得するイメージングスキャンが行われる。
【0010】
(第1の実施形態:全体構成及び基本動作の概要)
本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置(MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置)1は、磁気共鳴イメージング技術を利用可能である。
図1は、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の構成例を示す概略図である。磁気共鳴イメージング装置1は、磁石架台100と、制御キャビネット300と、画像処理装置(例えば、コンソール)400と、寝台500とを備えて構成される。
【0011】
磁石架台100と寝台500は、例えば、検査室と呼ばれるシールドルームに配置される。一方、制御キャビネット300は、例えば、機械室に配置され、コンソール400は、例えば、操作室に配置される。なお、コンソール400は、磁気共鳴イメージング装置1とネットワークを介して接続されて操作室と離れた遠隔地に設置されてもよい。
【0012】
磁石架台100は、静磁場磁石10、傾斜磁場コイル11、WB(Whole Body)コイル12等を有しており、これらの構成品は円筒状の筐体に収納されている。寝台500は、寝台本体50と天板51を有している。また、磁気共鳴イメージング装置1は、被検体Pに近接して配設されるRFコイル200を有している。RFコイル200と、磁気共鳴イメージング装置1の天板51とが互いに接続可能に構成されている。以下、
図1に示すように、天板51の長手方向に沿った軸をZ軸、天板51に沿ってZ軸に垂直な軸をX軸、天板51に垂直な軸をY軸とする。
【0013】
制御キャビネット300は、傾斜磁場電源31(X軸用31x、Y軸用31y、Z軸用31z)、RF受信器32、RF送信器33、及びシーケンスコントローラ34を備えている。
【0014】
磁石架台100の静磁場磁石10は、概略円筒形状をなしており、被検体Pの撮像領域であるボア(静磁場磁石10の円筒内部の空間)内に静磁場を発生させる。静磁場磁石10は超電導コイルを内蔵し、液体ヘリウムによって超電導コイルが極低温に冷却されている。静磁場磁石10は、励磁モードにおいて静磁場用電源(図示せず)から供給される電流を超電導コイルに印加することで静磁場を発生する。その後、永久電流モードに移行すると、静磁場用電源は切り離される。一旦永久電流モードに移行すると、静磁場磁石10は長時間、例えば、1年以上に亘って、大きな静磁場を発生し続ける。なお、静磁場磁石10を永久磁石として構成してもよい。
【0015】
傾斜磁場コイル11も概略円筒形状をなし、静磁場磁石10の内側に固定されている。この傾斜磁場コイル11は、X軸用、Y軸用、Z軸用の3つの方向に傾斜磁場を発生させるコイルから構成されている。夫々の傾斜磁場コイルが傾斜磁場電源(31x、31y、31z)から傾斜磁場電流を供給されることにより、X軸、Y軸、Z軸の方向に傾斜磁場を発生し、被検体Pに印加する。
【0016】
寝台500の寝台本体50は天板51を上下方向及び水平方向に移動可能であり、撮像前に天板51に載った被検体Pを所定の高さまで移動させる。その後、撮影時には天板51を水平方向に移動させて被検体Pをボア内に移動させる。
【0017】
WBコイル12は、傾斜磁場コイル11の内側に被検体Pを取り囲むように概略円筒形状に固定されている。WBコイル12は、RF送信器33から伝送されるRFパルスを被検体Pに向けて送信する一方、水素原子核の励起によって被検体Pから放出される磁気共鳴信号(即ち、MR信号)を受信する。
【0018】
RFコイル200は、被検体Pから放出されるMR信号を被検体Pに近い位置で受信する。実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1では、従来のRFコイルに比べて柔軟性が高く、かつ、用途の広い特殊なRFコイル200を使用することができるように構成されている。このRFコイル200は、例えば、毛布のような柔軟性を有しており、被検体の胸部や腹部等の撮像部位に配置して撮像するだけではなく、脚部や腕部等の円筒状の撮像部位に巻き付けてこれらの撮像部位を撮像することもできる。この特殊なRFコイル200は、例えば、"Shape Coil"等と呼ばれることもある。RFコイル200の具体的な構成や特徴については、後述する。
【0019】
なお、磁気共鳴イメージング装置1は、従来型の比較的専用性の高いRFコイル、例えば、頭部コイル、胸部コイル、脊椎コイル、膝コイル等のRFコイルも使用できる。
【0020】
RF送信器33は、シーケンスコントローラ34からの指示に基づいて、WBコイル12にRFパルスを送信する。RF受信器32は、WBコイル12又はRFコイル200によって受信されたMR信号を検出し、検出したMR信号をデジタル化して得られるデータ(即ち、生データ)をシーケンスコントローラ34に送信する。
【0021】
シーケンスコントローラ34は、コンソール400による制御のもと、傾斜磁場電源31、RF送信器33及びRF受信器32を夫々駆動することによって被検体Pのスキャンを行う。スキャンによってRF受信器32から生データを受信すると、シーケンスコントローラ34は、その生データをコンソール400に送信する。
【0022】
シーケンスコントローラ34は、処理回路(図示を省略)を具備している。この処理回路は、例えば、所定のプログラムを実行するプロセッサや、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアで構成される。
【0023】
コンソール400は、記憶回路41、入力デバイス43、ディスプレイ42、及び処理回路40を備える。コンソール400は、通信回路44を備えてもよい。
【0024】
記憶回路41は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)の他、HDD(Hard Disk Drive)や光ディスク装置等の外部記憶装置を含む記憶媒体である。記憶回路41は、各種の情報やデータを記憶する他、処理回路40が具備するプロセッサが実行する各種のプログラムを記憶する。
【0025】
入力デバイス43は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル等であり、各種の情報やデータを操作者が入力するための種々のデバイスを含む。ディスプレイ42は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELパネル等の表示デバイスである。なお、ディスプレイ42は、表示デバイスであると共に、例えば、タッチパネル等、ユーザからの各種操作を受け付けることができるGUI(Graphical User Interface)であってもよい。通信回路44は、有線又は無線で、ネットワークに接続された各種の装置との通信を可能にし、各種の情報やデータのやり取りを行うことができるインタフェースである。
【0026】
処理回路40は、例えば、CPUや、専用又は汎用のプロセッサを備える回路である。プロセッサは、記憶回路41に記憶した各種のプログラムを実行することによって、後述する各種の機能を実現する。処理回路40は、FPGAやASIC等のハードウェアで構成してもよい。これらのハードウェアによっても後述する各種の機能を実現することができる。また、処理回路40は、プロセッサとプログラムによるソフトウェア処理と、ハードウェア処理とを組わせて、各種の機能を実現することもできる。
【0027】
これらの各構成品によって、コンソール400は、磁気共鳴イメージング装置1全体を制御する。例えば、検査技師等のユーザによる、マウスやキーボード等(入力デバイス43)の操作によって撮像部位に関する情報や撮像条件その他の各種情報や指示を受け付ける。そして、処理回路40は、入力された撮像条件等に基づいてシーケンスコントローラ34にスキャンを実行させる一方、シーケンスコントローラ34から送信されたデータに基づいて画像を再構成する。再構成された画像はディスプレイ42に表示され、或いは記憶回路41に保存される。
【0028】
(RFコイル)
前述したように、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1では、従来のRFコイルに比べて柔軟性が高く、かつ、用途の広い特殊なRFコイル200を使用することができるように構成されている。また、RFコイル200は、被検体Pの体型や撮像部位等に応じて所望の形状に柔軟に変形可能で、被検体Pの体躯部だけでなく円筒状の四肢部や関節部等、幅広い撮像部位に配置することができる。
【0029】
図2(a)乃至
図2(c)は、磁気共鳴イメージング装置1における複数のRFコイル200の配置例の説明図である。
図2では、互いに構造も機能も同じ2つのRFコイル200が被検体Pに配置されている。2つのRFコイル200の内、RFコイル200’A、200’B、及び200’Cは、RFコイル200と同一の構造と機能であるRFコイルが異なる配置で置かれていることを異なる符号を用いて示している。なお、
図2では、判り易さのためにRFコイル200の表面200aを太線で表しているが、RFコイル200の表面200a及び表面200aとは反対側の裏面200dの構造の違いを表すものではない。また、1つ又は複数の要素コイルによって構成され、RFコイル200の一部分となる部分コイル200b及び200cをハッチングや斜線を施して表しているが、2つの部分コイル200b及び200cの構造の違いを表すものではない。
【0030】
RFコイル200は、複数の要素コイルによって構成され、表面と裏面のどちらの面でも被検体Pに当接して設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能な汎用性の高いRFコイルである。例えば、
図2(a)のRFコイル200’Aの表面200aと裏面200dとを反対にすることで、
図2(b)のRFコイル200’Bの状態になり、
図2(a)のRFコイル200’Aの2つの部分コイル200b及び200cの向きを反対にすることで、
図2(c)のRFコイル200’Cの状態になる。このように、RFコイル200は、表面と裏面のどちらの面が被検体Pに対して外側を向くように配置してもよいし、どちらの面が被検体Pに接触するように配置してもよい。また、RFコイル200は、配置された面で回転させて被検体Pに対して任意の向きに設置することができる。
【0031】
図2に示すように、例えば、被検体Pの撮像領域が、2つのRFコイル200に亘って設定されており、RF受信器32の入力受付数に制限がある場合等に、RFコイル200が具備する複数の要素コイルの中から、診断スキャンに有効な要素コイルを特定して選択する場合がある。しかしながら、RFコイル200は、変形可能で、かつ、配置に自由度があるため、診断スキャンに有効な要素コイルの特定が難しい。例えば、
図2(a)のRFコイル200’A、及び
図2(b)のRFコイル200’Bにおいて、コイル200cを構成する複数の要素コイルが有効な要素コイルとなるのに対して、
図2(c)のRFコイル200’Cにおいて、部分コイル200cと異なる部分コイル200bを構成する複数の要素コイルが有効な要素コイルとなり、RFコイル200の配置によって、診断スキャンに有効な要素コイルが異なる。
【0032】
そこで、RFコイル200が具備する複数の要素コイルの中から、診断スキャンに有効な要素コイルを特定して選択するために、RFコイル200の表面及び裏面や向きの判別が必要となる。以下、
図3及び
図4の例示を用いて、RFコイル200の表面及び裏面や向きの判別に用いられる、RFコイル200のセクション、代表コイル、及び要素コイルの構成について説明する。
【0033】
RFコイル200は、リジット部21と、ケーブル22と、カバー部材23とを有し、そのカバー部材23内に、複数の要素コイルを有する。
図3では、RFコイル200は24個の要素コイル211a~211f、221a~221f、231a~231f、及び241a~241fによって構成されている状態を示している。RFコイル200の複数の要素コイルのMR信号はRF受信器32に入力される。
【0034】
例えば、
図4に示すように、RFコイル200の複数の要素コイルは、リジット部21及びカバー部材23内の増幅回路等を含む公知の回路構成によって、個別にケーブル22内の別々の配線に電気的に接続される。ケーブル22は先端に不図示のコネクタを有し、このコネクタが接続ポート53に接続されることで、複数の要素コイルはRF受信器32に接続される。
【0035】
RFコイル200のチャンネル数は、RF受信器32の入力受付数以下に設定される。ここで、チャンネルとは、RFコイル200から出力され、RF受信器32に入力されるまでの複数のMR信号の各経路のことである。各チャンネルで伝送され、RF受信器32に1つの信号として入力されるMR信号は、1つの要素コイルのMR信号のみから構成される場合もあるし、複数の要素コイルが合成された1つの合成コイルのMR信号、つまり合成信号の場合もある。MR信号の合成処理は、例えば、RFコイル200内において、複数の要素コイルからのMR信号を夫々、同位相、反位相、QD(quadrature)、半QD等に変換してから足し合わることで、後で分離可能に行われる。
【0036】
代表コイルは、RFコイル200の展張領域を複数に分割することによって得られる複数のセクションの夫々を代表するように、セクション内の1つ以上の要素コイルから選択される。展張領域とは、変形可能なRFコイル200を略平面上に展開した領域のことである。
【0037】
代表コイルは、1つの要素コイルでもよいし、複数の要素コイルが合成された1つの合成コイルでもよい。
図3及び
図4では、2つの要素コイル211a及び211dが合成された第1の代表コイル211、2つの要素コイル221a及び221dが合成された第2の代表コイル221、2つの要素コイル231c及び231fが合成された第3の代表コイル231、及び2つの要素コイル241c及び241fが合成された第4の代表コイル241が、夫々代表コイルとして示されている。代表コイルの夫々は、1つ以上の要素コイルから構成される。
図4以降において、代表コイルは、複数の(例えば、2つの)要素コイルが合成された1つの合成コイルである場合について説明する。
【0038】
次に、セクションと代表コイルの関係について説明する。
図4において、例えば、RFコイル200の第1の方向をZ軸方向、第2の方向をX軸方向とすると、複数のセクションは、RFコイル200の展張領域を、第1の方向に2分割し、第1の方向に直交する第2の方向に2分割することによって得られる4つのセクションである。
図4では、4つのセクションは、第1のセクション210、第2のセクション220、第3のセクション230、及び第4のセクション240である。ここで、第1の代表コイル211、第2の代表コイル221、第3の代表コイル231、及び第4の代表コイル241の4つの代表コイルは、夫々第1のセクション210、第2のセクション220、第3のセクション230、及び第4のセクション240の4つのセクションを代表するコイルである。
【0039】
なお、各セクションを構成する要素コイルの個数と、各セクションを代表する代表要素コイルを構成する要素コイルの個数とは、夫々1以上の任意の数でよく、RFコイル200を構成する要素コイルの全個数に応じて選択できる。例えば、
図3において、4つの要素コイル211a、211b、211d、及び211eで1つのセクションを構成し、当該4つの要素コイル211a、211b、211d、及び211eの内から、1つの要素コイル211aを選択してもよい。
【0040】
この場合のように、複数のセクションは、例えば、第1の方向に2分割し、第2の方向に3分割することによって得られる6つのセクションであってもよい。また、第1の方向に2分割し、第2の方向に4分割することによって得られる8つのセクション等であってもよい。複数のセクションは、RFコイル200の展張領域を、第1の方向と第1の方向に直交する第2の方向との少なくとも1つの方向を2以上に分割することによって得られる2以上のセクションである。
【0041】
複数のセクションは、各セクションを代表する代表コイルの内、少なくとも1つの代表コイルから、MR信号が受信可能なように、分割されてもよい。例えば、第1の方向、又は、第2の方向に著しく長いRFコイル200が、被検体Pに配置された場合に、任意の一軸に対するセクションの分割を多くしてもよい。
【0042】
以下、RFコイル200のセクション、代表コイル、及び要素コイルの構成を踏まえ、被検体Pに対して、表面と裏面のどちらも設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能なRFコイル200の配置を判別し、GUI上に表示するための詳細動作について説明する。
【0043】
(RFコイルの配置判別及びGUI表示)
処理回路40は、
図1に示すように、収集機能F1、検出機能F2、判別機能F3、表示制御機能F4、及び要素コイル選択機能F5の各機能を実現する。処理回路40の上記各機能の構成、及び、動作について、
図5の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の動作例を示すフローチャート、及び、
図6乃至
図18を用いて、説明する。
【0044】
始めに、寝台500の天板51の上に被検体Pが載置される。その後、予め設定された検査種別、検査名等に基づいて、被検体PにRFコイル200が、ユーザによりセッティングされる。処理回路40は、撮像部位に関する情報、撮像条件、RFコイル200の種別等の各種情報を受け付ける。RFコイル200のセッティングは、被検体Pに対して、RFコイル200の表面と裏面のいずれを設置してもよいし、任意の向きに設置してもよい。RFコイル200のセッティング後、天板51を水平方向に移動させて被検体Pをボア内に移動する。
【0045】
ステップST10において、収集機能F1は、RFコイル200の展張領域を複数に分割することによって得られる複数のセクションの夫々を代表するように、複数の代表コイルを選択する。
【0046】
前述したように、複数のセクションは、RFコイル200の展張領域を、第1の方向と第1の方向に直交する第2の方向との少なくとも1つの方向を2以上に分割することによって得られる2以上のセクションである。また、代表コイルは、RFコイル200の展張領域を複数に分割することによって得られる複数のセクションの夫々を代表するように、セクション内の1つ以上の要素コイルから選択される。
【0047】
代表コイルは、第1の方向において隣り合う2つの代表コイル間で、第2の方向の位置が異なるように選択される、又は、第2の方向において隣り合う2つの代表コイル間で、第1の方向の位置が異なるように選択される。このように代表コイルを選択することによって、より少ない複数の代表コイルで、天板51に対するRFコイル200の配置をより精度高く判別できる。
【0048】
例えば、
図3または
図4における、第1の代表コイル211及び第3の代表コイル231、第3の代表コイル231及び第2の代表コイル221、第2の代表コイル221及び第4の代表コイル241に示されるように、Z軸方向に沿って隣り合う2つの代表コイル間でX軸方向の位置が異なるように選択されている。また、例えば、第1の代表コイル211及び第3の代表コイル231、第2の代表コイル221及び第4の代表コイル241に示されるように、X軸方向に沿って隣り合う2つの代表コイル間でZ軸方向の位置が異なるように選択されている。
【0049】
図5に戻り、ステップST20において、収集機能F1は、複数の要素コイルの中から選択された複数の代表コイルの夫々から、任意の一軸に沿ってMR信号をプリスキャンで収集する。なお、プリスキャンでは、送受信RFゲインの調整、中心周波数の調整、特定のコイルの決定など、適切な診断画像を取得するためにキャリブレーションスキャンが実行される。一方、診断スキャンでは、プリスキャンの結果を反映して被検体の画像を取得するイメージングスキャンが行われる。
【0050】
任意の一軸に沿ったMR信号を収集するプリスキャンは、シーケンスコントローラ34によって、コンソール400による制御のもと、例えば、スピンエコー法等のパルスシーケンスにより任意の一軸に沿って読み出し方向の傾斜磁場が印加されることにより実行される。代表コイルの夫々から収集されたMR信号は、RF受信器32によって受信される。任意の一軸は、例えば、天板51の長手方向に沿った軸、即ち、Z軸である。なお、任意の一軸は、Z軸に直交するX軸やY軸であってもよい。プリスキャンにおいてMR信号の受信をするための撮像領域は、例えば、磁場中心を含む最大のFOV(Field Of View)が設定されてもよいし、診断スキャンの撮像領域を含むように設定されてもよい。プリスキャンにおいてMR信号の受信をするための撮像領域(例えば、
図6における-Pz~+Pz)は、任意の一軸に沿って-200[mm]~+200[mm]の領域であってもよい。
【0051】
ステップST30において、検出機能F2は、収集されたMR信号に基づいて、任意の一軸に沿った複数の代表コイルの夫々の位置を検出する。
【0052】
図6は、実施形態に係るプリスキャンで取得したMR信号に基づいた代表コイルの位置の検出についての説明図である。
図6に示すように、RFコイル200の代表コイルの受信強度分布は、ステップST20で収集されたMR信号を一次元FFTすることによって取得できるプロファイルデータとして、代表コイルの夫々で個別に生成される。
図6では、X軸とZ軸との夫々の軸に沿って、代表コイルの受信強度分布を示すプロファイルデータが示されている。以下、任意の一軸としてZ軸を例に、Z軸に沿った代表コイルの位置の検出について説明する。
【0053】
検出機能F2は、プリスキャンにおけるMR信号の受信強度分布を示すプロファイルデータに基づいて、任意の一軸、即ち、Z軸に沿った代表コイルの位置を検出する。
【0054】
Z軸に沿った代表コイルの位置の検出は、プリスキャンにおけるMR信号の受信強度分布を示すプロファイルデータに基づく公知の検出方法を使用でき、例えば、プロファイルデータのピーク位置を用いた検出方法を用いることができる。例えば、
図6に示すように、第1の代表コイル211、第2の代表コイル221、第3の代表コイル231、及び第4の代表コイル241のZ軸に沿った受信強度分布を示すプロファイルデータにおいて、夫々の代表コイルの受信強度の最大値を示すピークの位置を、Z軸に沿って、第1の代表コイルの位置P211、第2の代表コイルの位置P221、第3の代表コイルの位置P231、及び第4の代表コイルの位置P241としてもよい。
【0055】
任意の一軸に沿った複数の代表コイルの夫々の位置は、2つ以上の代表コイル間の位置関係が導出可能であるように、検出される。例えば、
図6に示すように、磁場中心を0[mm]として、P211=-150[mm]、P221=+50[mm]、P231=-50[mm]、及びP241=+150[mm]のように、磁場中心に対して、正方向、及び負方向の、Z軸に沿った位置として検出されてもよい。
【0056】
ステップST40において、判別機能F3は、検出された複数の代表コイルの夫々の位置に基づいて、天板51に対するRFコイル200の配置を判別する。
【0057】
図7は、実施形態に係る天板51に対するRFコイル200の配置の判別についての説明図である。
図7に示すように、ステップST40は、例えば、ステップST410乃至ステップST440によって実現可能である。
【0058】
ステップST410において、判別機能F3は、複数の代表コイルの夫々のMR信号の受信強度分布を示すプロファイルデータのピーク強度が、所定の閾値以下である代表コイルを特定する。所定の閾値は、複数の代表コイルの夫々に設定される。所定の閾値は、RFコイル200を構成する各要素コイルの夫々に設定されていてもよい。
【0059】
図7では、例えば、代表コイルの所定の閾値として、第1の代表コイル211に閾値Aが、第3の代表コイル231に閾値Bが、第2の代表コイル221に閾値Cが、第4の代表コイル241に閾値Dが、夫々設定されている。そして、第1の代表コイル211、第3の代表コイル231、第2の代表コイル221、及び第4の代表コイル241の4つの代表コイルの内、第1の代表コイル211のMR信号の受信強度分布を示すプロファイルデータのピーク強度のみが所定の閾値である閾値A以下である。この場合には、第1の代表コイル211が、そのプロファイルデータのピーク強度が所定の閾値以下であることが特定される。
【0060】
判別機能F3は、そのプロファイルデータのピーク強度が所定の閾値以下であると特定された代表コイルの位置を、天板51に対するRFコイル200の配置を判別するための演算に用いなくてもよい。代表コイルのプロファイルデータのピーク強度が所定の閾値以下である場合には、低SNR(Signal to Noise Ratio)でプロファイルデータに基づいて検出される代表コイルの位置の精度が低下する可能性や、代表コイル自体が、被検体Pの撮像領域に設定されていない可能性があるため、演算に用いないことで代表コイルの位置の誤認を防げる。
【0061】
一方で、判別機能F3は、後述するステップST420における天板51に対するRFコイル200の配置を判別するためのデータテーブルの選択において、代表コイルのプロファイルデータのピーク強度が所定の閾値以下であるという事象をさらに反映して、天板51に対するRFコイル200の配置を判別してもよい。
【0062】
ステップST420において、判別機能F3は、天板51に対するRFコイル200の配置を判別するためのデータテーブルを選択して取得する。データテーブルとは、2つ以上の代表コイル間の位置関係と、天板51に対するRFコイル200の配置と、を関係づけるデータのテーブルであり、例えば、記憶回路41に記憶される。
【0063】
ここで、
図8を用いて、実施形態に係る天板51に対するRFコイル200の配置について説明する。RFコイル200は、被検体Pに対して、表面と裏面のどちらも設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能である。
【0064】
図8の中央部には、同一の面(例えば、表面)において4つの異なる向きに配置された、RFコイル200の第1の配置201、第6の配置206、第8の配置208、第4の配置204を示している。RFコイル200の第1の配置201、第6の配置206、第8の配置208、第4の配置204の配置を夫々Y軸に対して90°右回転すると、第6の配置206、第8の配置208、第4の配置204、第1の配置201になる。
【0065】
さらに、
図8では、例えば、RFコイル200の第1の配置201及び第2の配置202、第3の配置203及び第4の配置204、第5の配置205及び第6の配置206、第7の配置207及び第8の配置208のように、Z軸周りに互いに表裏反転した2つのRFコイルの配置の組み合わせを1つのケースの配置としている。
図8では、4つのケースの配置を、夫々、ケースC1の配置、ケースC2の配置、ケースC3の配置、ケースC4の配置として示している。このように、プリスキャンの基準軸として設定される任意の一軸の周りに表裏反転した2つのRFコイルの配置を、RFコイルの配置の判別において区別せずに、一つのケースとして取り扱ってもよい。
【0066】
図8の第1から第8の8つのRFコイル200に示されるように、天板51に対するRFコイル200の配置は、天板51に対するRFコイル200の表裏と向きの組み合わせによって規定される。
【0067】
ステップST420において、判別機能F3は、天板51に対するRFコイル200の配置を判別するためのデータテーブルの選択にあたり、特定の代表コイルのプロファイルデータのピーク強度が所定の閾値以下であるという事象をさらに反映して、天板51に対するRFコイル200の配置を判別してもよい。例えば、
図7の第1の代表コイル211のプロファイルデータのピーク強度が所定の閾値A以下であるという事象を用いることで、天板51に対するRFコイル200の配置の判別のために、例えば、
図9乃至
図17のデータテーブル例の中から、データテーブルDT2を選択することができる。
【0068】
ステップST430において、判別機能F3は、検出された複数の代表コイルの位置から2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出する。2つ以上の代表コイル間の位置関係の導出には、例えば、選択されたデータテーブルの演算が用いられる。
【0069】
ステップST440において、判別機能F3は、導出した2つ以上の代表コイル間の位置関係を用いてデータテーブルを参照することによって、天板51に対するRFコイル200の配置を判別する。
【0070】
図9は、4つの代表コイルの全てのプロファイルデータのピーク強度が所定の閾値よりも大きい場合のデータテーブルを示している。一方、
図10乃至
図17は、4つの代表コイルのプロファイルデータのうち、少なくとも1つのプロファイルデータのピーク強度が所定の閾値以下である場合のデータテーブルを示している。
図10乃至
図17では、所定の閾値以下のプロファイルデータに対応する代表コイルを有するセクションを、他と識別するために濃い領域(例えば、
図10の第1のセクション210)で示している。
【0071】
ステップST430及びステップST440において、例えば、選択されたデータテーブルの判定に係る演算を用いて、第1の代表コイルの位置P211、第2の代表コイルの位置P221、第3の代表コイルの位置P231、及び第4の代表コイルの位置P241から、2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出する。データテーブル毎の判定に係る演算式とは、後述する(判定11)乃至(判定91)で示される演算式である。そして、導出された2つ以上の代表コイル間の位置関係に基づいて、判定が行われる。
図9乃至
図17に示すように、選択されたデータテーブルの判定に係る演算式が成り立つ場合にはYES、演算式が成り立たない場合にはNOの演算結果が出力される。このYESやNO等の演算結果の出力を判定という。選択されたデータテーブルを参照して、判定と照らし合わせることによって、天板51に対するRFコイル200の配置を判別する。すなわち、判別機能F3は、例えば、後述する減算のように、2つの代表コイルの位置の演算及び演算の組み合わせに基づいて、2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出し、天板51に対するRFコイル200の配置を判別する。
【0072】
また、判別機能F3は、2つの代表コイルの位置の演算において、(a)演算値の絶対値が所定の閾値未満の場合には、2つの代表コイルは任意の一軸に沿ってほぼ同じ位置に存在する、(b)演算値の絶対値が所定の閾値以上の場合には、2つの代表コイルは演算値の符号によって示される任意の一軸に沿った位置に存在する、と2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出し、天板に対するRFコイル200の配置を判別してもよい。以下、
図9乃至
図17のデータテーブル例を用いて、具体的に説明する。
【0073】
図9は、全ての代表コイルが検出された場合のデータテーブルDT1であり、以下の判定11、判定12に従い、天板51に対するRFコイル200の配置は判別される。
(判定11)P211-P241<0
(判定12)P221-P231<0
【0074】
図9に示すように、判定11がYES、かつ判定12がYESの場合に、ケースC1の配置であると判別される。判定11がYES、かつ判定12がNOの場合に、ケースC2の配置であると判別される。判定11がNO、かつ判定12がYESの場合に、ケースC3の配置であると判別される。判定11がNO、かつ判定12がNOの場合に、ケースC4の配置であると判別される。なお、
図9におけるケースC1~ケースC4の配置は、
図8に示したケースC1~ケースC4の配置に対応している。以下、
図10乃至
図17においても同様である。
【0075】
図10は、第1の代表コイル211のみ非検出とされた場合のデータテーブルDT2であり、以下の判定21、判定22に従い、天板51に対するRFコイル200の配置は判別される。
(判定21)|(P221-P241)|-|(P231-P241)|>0
(判定22)P221-P231<0
【0076】
図10に示すように、判定21がYES、かつ判定22がYESの場合に、ケースC1の配置であると判別される。判定21がNO、かつ判定22がNOの場合に、ケースC2の配置であると判別される。判定21がNO、かつ判定22がYESの場合に、ケースC3の配置であると判別される。判定21がYES、かつ判定22がNOの場合に、ケースC4の配置であると判別される。
【0077】
図11は、第2の代表コイル221のみ非検出とされた場合のデータテーブルDT3であり、以下の判定31、判定32に従い、天板51に対するRFコイル200の配置は判別される。
(判定31)P211-P241<0
(判定32)|(P211-P231)|-|(P241-P231)|>0
【0078】
図11に示すように、判定31がYES、かつ判定32がYESの場合に、ケースC1の配置であると判別される。判定31がYES、かつ判定32がNOの場合に、ケースC2の配置であると判別される。判定31がNO、かつ判定32がNOの場合に、ケースC3の配置であると判別される。判定31がNO、かつ判定32がYESの場合に、ケースC4の配置であると判別される。
【0079】
図12は、第3の代表コイル231のみ非検出とされた場合のデータテーブルDT4であり、以下の判定41、判定42に従い、天板51に対するRFコイル200の配置は判別される。
(判定41)P211-P241<0
(判定42)|(P211-P221)|-|(P241-P221)|>0
【0080】
図12に示すように、判定41がYES、かつ判定42がNOの場合に、ケースC1の配置であると判別される。判定41がYES、かつ判定42がYESの場合に、ケースC2の配置であると判別される。判定41がNO、かつ判定42がYESの場合に、ケースC3の配置であると判別される。判定41がNO、かつ判定42がNOの場合に、ケースC4の配置であると判別される。
【0081】
図13は、第4の代表コイル241のみ非検出とされた場合のデータテーブルDT5であり、以下の判定51、判定52に従い、天板51に対するRFコイル200の配置は判別される。
(判定51)|(P221-P211)|-|(P231-P211)|>0
(判定52)P221-P231<0
【0082】
図13に示すように、判定51がNO、かつ判定52がYESの場合に、ケースC1の配置であると判別される。判定51がYES、かつ判定52がNOの場合に、ケースC2の配置であると判別される。判定51がYES、かつ判定52がYESの場合に、ケースC3の配置であると判別される。判定51がNO、かつ判定52がNOの場合に、ケースC4の配置であると判別される。
【0083】
図14は、第1の代表コイル211及び第2の代表コイル221が非検出とされた場合のデータテーブルDT6であり、以下の判定61、判定62に従い、天板51に対するRFコイル200の配置は判別される。
(判定61)P231-P241<0
(判定62)|(P231-P241)|<α
αは、RFコイル200夫々で決定される所定の閾値であり、例えば、代表コイル間の位置関係等に応じて決定されてもよい。
【0084】
図14に示すように、判定61がYES、かつ判定62がNOの場合に、ケースC2の配置であると判別される。判定61がNO、かつ判定62がNOの場合に、ケースC3の配置であると判別される。
【0085】
しかしながら、判定62がYESの場合に、判定61がYESであってもNOであっても、ケースC1の配置であるかケースC4の配置であるかの判別ができない。そこで、MR信号が検出された第3の代表コイル231及び第4の代表コイル241は、MR信号が非検出とされた第1の代表コイル211及び第2の代表コイル221と比べて、磁場中心に近い位置にあると推定してもよい。
【0086】
また、第3の代表コイル231及び第4の代表コイル241が非検出とされた場合の判別は、第1の代表コイル211及び第2の代表コイル221が非検出とされた場合のデータテーブルDT6の判定61、判定62において、第3の代表コイルの位置P231を第1の代表コイルの位置P211に、第4の代表コイルの位置P241を第2の代表コイルの位置P221に夫々置き換えて考えることができる。
【0087】
図15は、第1の代表コイル211及び第3の代表コイル231が非検出とされた場合のデータテーブルDT7であり、以下の判定71、判定72に従い、天板51に対するRFコイル200の配置は判別される。
(判定71)P221-P241<0
(判定72)|(P221-P241)|<β
βは、RFコイル200夫々で決定される所定の閾値であり、例えば、代表コイル間の位置関係等に応じて決定されてもよい。
【0088】
図15に示すように、判定71がYES、かつ判定72がYESの場合に、ケースC1の配置であると判別される。判定71がYES、かつ判定72がNOの場合に、ケースC2の配置であると判別される。判定71がNO、かつ判定72がNOの場合に、ケースC3の配置であると判別される。判定71がNO、かつ判定72がYESの場合に、ケースC4の配置であると判別される。
【0089】
また、第2の代表コイル221及び第4の代表コイル241が非検出とされた場合の判別は、第1の代表コイル211及び第3の代表コイル231が非検出とされた場合のデータテーブルDT7の判定71、判定72において、第2の代表コイルの位置P221を第1の代表コイルの位置P211に、第4の代表コイルの位置P241を第3の代表コイルの位置P231に夫々置き換えて考えることができる。
【0090】
図16は、第1の代表コイル211及び第4の代表コイル241が非検出とされた場合のデータテーブルDT8である。以下の判定81、判定82に従い、天板51に対するRFコイル200の配置は判別される。
(判定81)P221-P231<0
(判定82)|(P221-P231)|<γ
γは、RFコイル200夫々で決定される所定の閾値であり、例えば、代表コイル間の位置関係等に応じて決定されてもよい。
【0091】
図16に示すように、判定81がYES、かつ判定82がYESの場合に、ケースC1の配置であると判別される。判定81がNO、かつ判定82がNOの場合に、ケースC2の配置であると判別される。判定81がYES、かつ判定82がNOの場合に、ケースC3の配置であると判別される。判定81がNO、かつ判定82がYESの場合に、ケースC4の配置であると判別される。
【0092】
なお、第2の代表コイル221及び第3の代表コイル231は、RFコイル200の中央部にあることから、第1の代表コイル211及び第4の代表コイル241が検出され、第2の代表コイル221及び第3の代表コイル231が非検出とされる場合は想定されがたいため、判別を行わず、ユーザにエラーである旨の提示をしてもよい。
【0093】
図17は、4つの代表コイルのうち、3つの代表コイル、例えば、第2の代表コイル221、第3の代表コイル231、及び第4の代表コイル241が非検出とされた場合のデータテーブルDT9である。第1の代表コイル211のみが検出されているため、判定91では、演算による2つ以上の代表コイル間の位置関係の導出は行わない。
【0094】
このように、第1の代表コイル211のMR信号が検出され、第2の代表コイル221、第3の代表コイル231、及び第4の代表コイル241のMR信号が非検出とされた場合は、判定91において、MR信号が検出された第1の代表コイル211が、MR信号が非検出とされた第2の代表コイル221、第3の代表コイル231、及び第4の代表コイル241と比べて、磁場中心に近い位置にあると推定してもよい。
【0095】
さらに、後述する光学カメラ8の併用により、Z軸に沿って、第1の代表コイル211と第2の代表コイル221とがほぼ同じ位置であるはずのケースC1及びケースC3の場合において、第1の代表コイル211のMR信号が検出され、第2の代表コイル221のMR信号が非検出とされるのは不適切として、エラーである旨の警告をユーザに提示してもよい。
【0096】
また、第4の代表コイル241のMR信号が検出され、第1の代表コイル211、第2の代表コイル221、及び第3の代表コイル231のMR信号が非検出とされた場合は、MR信号が検出された第4の代表コイル241が、MR信号が非検出とされた第1の代表コイル211、第2の代表コイル221、及び第3の代表コイル231と比べて、磁場中心に近い位置にあると推定してもよい。
【0097】
なお、第2の代表コイル221、又は第3の代表コイル231は、RFコイル200の中央部にあることから、第2の代表コイル221、又は第3の代表コイル231のいずれかのみが非検出とされる場合は想定されがたいため、判別を行わず、エラーである旨の警告をユーザに提示してもよい。
【0098】
以上、プリスキャンにおいてプロファイルデータを取得するためのMR信号を収集する任意の一軸がZ軸の一軸である場合について説明してきたが、MR信号が収集される軸は、一軸であってもよく、互いに異なる2軸や3軸の複数軸であってもよい。MR信号を収集する軸が複数軸である場合には、複数軸の夫々の任意の一軸に沿ってMR信号が収集される。収集されたMR信号から、複数軸の夫々の任意の一軸に沿った複数の代表コイルの位置が検出されれば、複数の代表コイルの位置に関する情報が増え、より正確なRFコイルの配置の判別が可能となりうる。
【0099】
例えば、
図6では、Z軸に加えて、X軸に沿っても、MR信号が収集されて、受信強度分布を示すプロファイルデータが2軸で取得されている。そして、X軸に沿って、第1の代表コイルの位置P211’、第2の代表コイルの位置P221’、第3の代表コイルの位置P231’、及び第4の代表コイルの位置P241’が検出されている。このように例えば、Z軸とX軸とのように、互いに直交する二軸に沿ってMR信号の受信強度分布を示すプロファイルデータが2次元的に生成されれば、任意の一軸周りに表裏反転した2つのRFコイルの配置において、区別せずに一つのケースとして取り扱っていた2つのRFコイルの配置間での区別が可能となりうる。
【0100】
収集機能F1が、任意の一軸である第1の軸に加え、第1の軸に直交する第2の軸に沿ってMR信号を収集し、検出機能F2が、収集されたMR信号に基づいて、第1の軸、及び第2の軸の夫々に沿った複数の代表コイルの位置を検出し、判別機能F3が、第1の軸、及び第2の軸の夫々に沿って検出された複数の代表コイルの位置に基づいて、RFコイルの天板に対する配置を判別してもよい。
【0101】
このように、ステップST40において、判別機能F3は、検出された複数の代表コイルの夫々の位置に基づいて、天板51に対するRFコイル200の配置を判別する。さらに、判別機能F3は、判別された天板51に対するRFコイル200の配置が、診断スキャンで用いられるべきRFコイル200の特定の配置と合致しているか否かを判別してもよい。診断スキャンで用いられるべきRFコイル200の特定の配置は、例えば、処理回路40によって、撮像部位に関する情報、撮像条件、RFコイル200の種別等の各種情報に基づいて決定される、検査に適したRFコイル200の配置である。判別された天板51に対するRFコイル200の配置が、診断スキャンで用いられるべきRFコイル200の特定の配置と合致しているか否かを、ユーザに提示してもよい。また、判別された天板51に対するRFコイル200の配置が、診断スキャンで用いられるべきRFコイル200の特定の配置と合致していない場合には、ユーザがRFコイル200の再セッティングをするか否かを確認してもよい。この場合、ユーザが再セッティングをしない場合には、ステップST50に進む。また、ユーザが再セッティングをする場合には、ステップST10に戻ることになる。
【0102】
ステップST50において、表示制御機能F4は、判別された天板51に対するRFコイル200の配置に基づいて、RFコイル200内の要素コイルをユーザに選択させるための選択支援情報を、ディスプレイ42に表示させる。選択支援情報には、RFコイル200が備える複数の要素コイルの中から、撮像部位に関する情報及び撮像条件に基づいて決定された、診断スキャンに使用するべき要素コイルに関する情報を含まれてもよい。診断スキャンに使用するべき要素コイルに関する情報は、例えば、処理回路40によって決定され、使用するべき要素コイルを含むセクションやグループに関する情報であってもよい。表示制御機能F4は、使用するべき要素コイルを含むセクションやグループをハイライト等でディスプレイ42上に明示して、ユーザが容易に選択できるようにしてもよい。また、予め診断スキャンに使用するべきとされた要素コイルが実際に診断スキャンに使用されるように、ユーザによる許可を求める表示がされてもよい。
図18は、実施形態に係るRFコイルの配置例、及び選択支援情報の表示例としてのGUI(Graphical User Interface)表示の説明図である。GUI表示には、例えば、GUI(セクション型)とGUI(グループ型)の2つの表示形態が考えられる。
【0103】
図18の右下部に示すGUI(セクション型)の表示例では、第1のセクション210、第2のセクション220、第3のセクション230、及び第4のセクション240のそれぞれに対応するセクション分割図形である「セクション1」、「セクション2」、「セクション3」、及び「セクション4」を用いて表示している。この図形表示により、第1のセクション210、第2のセクション220、第3のセクション230、及び第4のセクション240の位置関係が識別できる。このように、選択支援情報は、RFコイル200内の複数のセクションの天板51に対する位置関係が識別できるように構成されたセクション分割図形であってもよい。
【0104】
一方、
図18の右上部に示すGUI(グループ型)の表示例では、選択支援情報は、RFコイル200を天板51の長手方向に複数に分割することで得られる複数のグループの天板51に対する位置関係が識別できるように構成されたグループ分割図形A、及びBであってもよい。
図18の右上部に示すGUI(グループ型)の表示例では、グループ分割図形Aは「セクション1」及び「セクション3」と表示された2つのセクションで構成され、グループ分割図形Bは「セクション2」及び「セクション4」と表示された2つのセクションで構成されている。なお、グループ分割図形は、グループ分割図形を構成するセクションの構成に応じて、天板51の長手方向に直交する方向に複数に分割するグループ分割図形等であってもよい。
【0105】
さらに、選択支援情報として、セクション分割図形、及びグループ分割図形の少なくとも一つに加えて、被検体Pの位置、磁場中心からの位置等、ユーザがRFコイル200内の要素コイルを選択するための支援となる他の情報が表示されてもよい。
【0106】
ステップST60において、要素コイル選択機能F5は、RFコイル200が備える複数の要素コイルの中から診断スキャンに使用する要素コイルを選択する。診断スキャンに使用する要素コイルの選択は、例えば、GUIを備えたディスプレイ42を介したユーザの入力操作等によって行われる。他に、選択支援情報として予め明示された、診断スキャンに使用するべき要素コイルに関する情報、使用するべき要素コイルを含むセクションやグループに関する情報が、実際に診断スキャンに使用する要素コイルの選択に用いられてもよい。この場合、例えば、ユーザは明示されたように選択する許可をしてもよいし、明示された情報を踏まえた上で診断スキャンに使用する要素コイルをさらに選択しなおしてもよい。
【0107】
選択支援情報がGUI(セクション型)の場合には、要素コイル選択機能F5は、セクション分割図形に基づいて指定された1つ又は複数のセクションに属する要素コイルを、RFコイル200が備える複数の要素コイルの中から診断スキャンに使用する要素コイルとして選択する。
【0108】
一方、選択支援情報がGUI(グループ型)の場合には、要素コイル選択機能F5は、グループ分割図形に基づいて指定された1つ又は複数のグループに属する要素コイルを、RFコイル200が備える複数の要素コイルの中から診断スキャンに使用する要素コイルとして選択する。
【0109】
このように、選択支援情報を用いて要素コイルが選択されれば、RF受信器32に入力可能なチャンネル数に制限がある場合であっても、診断スキャンに使用する要素コイルを的確に選択できる。例えば、少なくとも1つのRFコイル200を含む複数のRFコイルの夫々を構成する全ての要素コイルによるチャンネル数が多い場合に、RF受信器32に入力可能なチャンネル数に応じて、診断スキャンに使用する要素コイルを選択できる。
【0110】
実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1によれば、被検体Pに対して、表面と裏面のどちらも設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能なRFコイル200において、天板51に対するRFコイル200の配置を判別できるようにすることができる。以下、代表コイルの位置に具体的な数値を用いて、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1における天板51に対するRFコイル200のいくつかの配置例の判別結果について、任意の一軸をZ軸として各代表コイルのZ軸上の位置が検出された場合を例に説明する。
【0111】
(第1の配置例)
第1の配置例では、1つのRFコイル200が、X軸及びZ軸が夫々ほぼRFコイル200の第1の方向又は第2の方向に平行であるように被検体Pに配置される。以下、第1の配置例について、1つのケースの配置についてのみ説明するが、他の全てのケースにおいて、同様の手順によって、天板51に対するRFコイル200の配置を判別できる。
【0112】
図3に示すように、第1の代表コイルの位置P211、第2の代表コイルの位置P221、第3の代表コイルの位置P231、及び第4の代表コイルの位置P241が、例えば、Z軸に沿って、磁場中心を0[mm]として、P211=-150[mm]、P221=+50[mm]、P231=-50[mm]、及びP241=+150[mm]と検出されたとする。全ての代表コイルが検出された場合、データテーブルDT1が選択されることになり、データテーブルDT1の判定11、判定12の演算に従って、2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出する。判定11、判定12の演算において、P211-P241=-300[mm]、P221-P231=+100[mm]となる。よって、データテーブルDT1を参照すると、判定11がYES、判定12がNOであるため、RFコイル200は、ケースC2の配置であると判別される。
【0113】
(第2の配置例)
図19は、RFコイル200A及び200Bの第2の配置例についての説明図である。なお、RFコイル200A及び200Bは、同一の構造と機能であるRFコイル200が異なる配置で置かれていることを異なる符号を用いて示している。
図19に示すように、第2の配置例は、2つのRFコイル200(200A及び200B)が被検体Pに配置される。以下、第2の配置例についても、1つのケースの配置についてのみ説明するが、他の全てのケースにおいて、同様の手順によって、天板51に対するRFコイル200の配置を判別できる。
【0114】
図19で、RFコイル200Aの複数の代表コイルの位置が、Z軸に沿って、磁場中心を0[mm]として、P221=-150[mm]、P231=-250[mm]、及びP241=-50[mm]であり、第1の代表コイル211のMR信号のみ非検出であったとする。RFコイル200Aの判別において、データテーブルDT2が選択されることになり、データテーブルDT2の判定21、判定22の演算に従って、2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出する。判定21、判定22の演算において、|(P221-P241)|-|(P231-P241)|=-100[mm]、P221-P231=+100[mm]となる。よって、データテーブルDT2を参照すると、判定21がNO、判定22がNOであるため、RFコイル200Aは、ケースC2の配置であると判別される。
【0115】
一方、
図19で、RFコイル200Bの複数の代表コイルの位置が、Z軸に沿って、磁場中心を0[mm]として、P211=+150[mm]、P221=+150[mm]、P231=+50[mm]、及びP241=+50[mm]であり、全ての代表コイルでMR信号が検出されたとする。RFコイル200Bの判別において、データテーブルDT1が選択されることになり、データテーブルDT1の判定11、判定12の演算に従って、2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出する。判定11、判定12の演算において、P211-P241=+100[mm]、P221-P231=+100[mm]となる。よって、データテーブルを参照すると、判定11がYES、判定12がYESであるため、RFコイル200Bは、ケースC1の配置であると判別される。
【0116】
なお、2つのRFコイル200(200A及び200B)が被検体Pに配置される場合に、一方のRFコイル200Aと他方のRFコイル200Bとの間側にある代表コイルでMR信号が非検出とされる場合は想定されがたい。一方のRFコイル200Aにおいて、第1の代表コイル211のMR信号が非検出であり、かつ、第2の代表コイル221のMR信号が検出されていることからも、第1の代表コイル211が第2の代表コイル221よりも磁場中心から遠い位置にあるケースC1の配置であると判別されうる。
【0117】
上述したように、第2の配置例のように2つ以上のRFコイル200が被検体Pに配置される場合であっても、夫々のRFコイル200において判定式を用いた演算を行うことで、天板51に対する夫々のRFコイル200の配置を判別できる。
【0118】
図20は、第2の配置例に係る選択支援情報の表示例についての説明図である。
図20下段に示すGUI(セクション型)の表示例では、RFコイル200A及びRFコイル200Bの夫々において、第1のセクション210、第2のセクション220、第3のセクション230、及び第4のセクション240は、セクション分割図形「セクション1」、「セクション2」、「セクション3」、及び「セクション4」で表示される。表示されたセクション分割図形により、一方のRFコイル200A及び他方のRFコイル200Bの、夫々の第1のセクション210、第2のセクション220、第3のセクション230、及び第4のセクション240の位置関係が識別できる。
【0119】
一方、
図20の上段に示すGUI(グループ型)の表示例では、RFコイル200Aについて、グループ分割図形Aは「セクション1」及び「セクション3」と表示された2つのセクションで構成され、グループ分割図形Bは「セクション2」及び「セクション4」と表示された2つのセクションで構成されている。また、RFコイル200Bについて、グループ分割図形Aは「セクション3」及び「セクション4」と表示された2つのセクションで構成され、グループ分割図形Bは「セクション1」及び「セクション2」と表示された2つのセクションで構成されている。
【0120】
このように、複数のRFコイル200夫々の複数のセクションの天板51に対する位置関係が識別できるようにRFコイル200の配置を表示できる。また、GUI(グループ型)で表示されるグループ分割図形A及びBが、コイル毎に異なるセクションによって構成されていてもよい。さらに、一方のRFコイル200A及び他方のRFコイル200Bの天板51に対する配置の違いを、RFコイル200(200A及び200B)の第1の方向と第2の方向とにおける長さの違いとして識別可能に表示してもよい。
【0121】
(第3の配置例)
図21は、RFコイル200の第3の配置例、及び選択支援情報の表示例についての説明図である。
図21に示すように、第3の配置例では、RFコイル200が、例えば、被検体Pの太腿に巻き付ける等、Z軸周りに折りたたむように変形されて配置される。以下、第3の配置例についても1つのケースの配置についてのみ説明するが、他の全てのケースにおいて、同様の手順によって、天板51に対するRFコイル200の配置を判別できる。
【0122】
RFコイル200の複数の代表コイルの位置が、磁場中心を0[mm]として、P211=+50[mm]、P221=+50[mm]、P231=-50[mm]、及びP241=-50[mm]と、全ての代表コイルでMR信号が検出されたとする。RFコイル200の判別において、データテーブルDT1が選択されることになり、データテーブルDT1の判定11、判定12の演算に従って、2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出する。判定11、判定12の演算において、P211-P241=+100[mm]、P221-P231=+100[mm]となる。よって、データテーブルDT1を参照すると、判定11がNO、判定12がNOであるため、RFコイル200は、ケースC3の配置であると判別される。
【0123】
上述したように、第3の配置例のようにRFコイル200がZ軸周りに折りたたむように変形されて配置された場合であっても、第1の配置例と同様に、天板51に対する夫々のRFコイル200の配置を判別できる。また、
図21の右下部に示すGUI(グループ型)の表示例では、グループ分割図形Aは「セクション3」及び「セクション4」と表示された2つのセクションで構成され、グループ分割図形Bは「セクション1」及び「セクション2」と表示された2つのセクションで構成されている。不図示のGUI(セクション型)の表示を含め、第3の配置例においても第1の配置例と同様に、RFコイル200内の複数のセクションの天板51に対する位置関係が識別できるようにRFコイル200の配置を表示できる。
【0124】
(第4の配置例)
図22は、RFコイル200の第4の配置例、及び選択支援情報の表示例についての説明図である。
図22に示すように、第4の配置例では、天板51に対してRFコイル200の配置が角度を持っている。第4の配置例においても、1つのケースの配置についてのみ説明するが、他の全てのケースにおいて、同様の手順によって、天板51に対するRFコイル200の配置を判別できる。
【0125】
RFコイル200の複数の代表コイルの位置が、磁場中心を0[mm]として、P211=+150[mm]、P221=+150[mm]、P231=+50[mm]、及びP241=+50[mm]と、全ての代表コイルでMR信号が検出されたとする。RFコイル200Bの判別において、データテーブルDT1が選択されることになり、データテーブルDT1の判定11、判定12の演算に従って、2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出する。判定11、判定12の演算において、P211-P241=+100[mm]、P221-P231=+100[mm]となる。よって、データテーブルを参照すると、判定11がYES、判定12がYESであるため、RFコイル200は、ケースC1の配置であると判別される。
【0126】
上述したように、第4の配置例のように天板51に対してRFコイル200の配置が角度を持っている場合であっても、第1の配置例と同様に、天板51に対する夫々のRFコイル200の配置を判別できる。
図22に示すGUI(グループ型)の表示例のように、第4の配置例においても第1の配置例と同様に、RFコイル200内の複数のセクションの天板51に対する位置関係が識別できるようにRFコイル200のグループ分割図形A、及びBを用いて表示してもよい。また、
図22に示すGUI(グループ型)の表示例では、グループ分割図形Aは「セクション1」及び「セクション3」と表示された2つのセクションで構成され、グループ分割図形Bは「セクション2」及び「セクション4」と表示された2つのセクションで構成されている。
【0127】
なお、天板51に対するRFコイル200の配置に応じて、第2の代表コイルの位置P221と第3の代表コイルの位置P231が入れ替わった場合には、RFコイル200の配置が変わったと判別され、
図22に示すGUI(グループ型)の表示例では、グループ分割図形Aは「セクション1」及び「セクション2」と表示された2つのセクションで構成され、グループ分割図形Bは「セクション3」及び「セクション4」と表示された2つのセクションで構成されることになる。不図示のGUI(セクション型)の表示を含め、第4の配置例においても第1の配置例と同様に、RFコイル200内の複数のセクションの天板51に対する位置関係が識別できるようにRFコイル200の配置を表示できる。
【0128】
(第5の配置例)
図23は、RFコイル200の第5の配置例、及び選択支援情報の表示例についての説明図である。
図23に示すように、第5の配置例では、RFコイル200が、例えば、被検体Pの肩に巻き付ける等、X軸周りに折りたたむように変形されて配置され。第5の配置例においても1のケースの配置についてのみ説明するが、他の全てのケースにおいて、同様の手順によって、天板51に対するRFコイル200の配置を判別できる。
【0129】
RFコイル200の複数の代表コイルの位置が、磁場中心を0[mm]として、P211=-50[mm]、P221=+50[mm]、P231=+50[mm]、及びP241=-50[mm]と、全ての代表コイルでMR信号が検出されたとする。RFコイル200の判別において、データテーブルDT1が選択されることになり、データテーブルDT1の判定11、判定12の演算に従って、2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出する。判定11、判定12の演算において、P211-P241=0[mm]、P221-P231=0[mm]となる。このように、P211とP241、P221とP231、夫々がほぼ同じ位置にある場合には、RFコイル200がX軸周りに折りたたむように変形されていると認識される。
【0130】
上述したように、第5の配置例のようにRFコイル200が天板51に対してX軸周りに折りたたむように変形されて配置された場合であっても、天板51に対する夫々のRFコイル200の配置を判別できる。また、
図23に示すGUI(グループ型)の表示例では、グループ分割図形Aは「セクション1」、「セクション2」、「セクション3」、及び「セクション4」と表示された4つのセクションで構成されている。このように、RFコイル200内の複数のセクションにおいて、天板51に対する位置関係を区別しないで、1のグループ分割図形Aのみを用いて表示してもよい。
【0131】
(第2の実施形態)
図24は、第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の構成例を示す概略図である。
図24に示すように、第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1は、光学カメラ8をさらに備え、処理回路40のプロセッサが情報取得機能F6を実現する。第2の実施形態は、光学画像から得られるRFコイル200の位置に関する情報を、RFコイル200の配置の判別にさらに用いる点で、第1の実施形態と異なる。また、
図25は、第2の実施形態に係るRFコイル200の配置例についての説明図である。
図25に示すように、第2の実施形態は、2つのRFコイル200が被検体Pに配置される。第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の構成と実質的に異ならない他の同一構成には同一符号を付して説明を省略する。なお、RFコイル200A及び200Bは、同一の構造と機能であるRFコイル200が異なる配置で置かれていることを異なる符号を用いて示している。
【0132】
光学カメラ8は、例えば、磁気共鳴イメージング装置1が設置される撮像室の天井に設置される。光学カメラ8は、不図示の、レンズ、イメージセンサ、増幅器、A/D(Analog to Digital)変換器等を備える。レンズは、光を屈折させて集束させるための光学素子である。イメージセンサは、対物光学系を介して、撮影対象を撮影する。増幅器は、イメージセンサからの出力ビデオ信号を増幅させる。A/D変換器は、増幅器から出力されたアナログビデオ信号をデジタル信号に変換する。光学カメラ8は、処理回路40に接続されており、撮影された光学画像はデジタル信号として処理回路40に出力される。
【0133】
光学カメラ8は、磁石架台100に進入する前の天板51の全部又は一部を上方から撮影し、天板51に載置される被検体Pに配置されたRFコイル200を含む光学画像を取得する。つまり、RFコイル200のセッティング後、天板51を水平方向に移動させて被検体Pをボア内に移動する前に、光学画像は取得される。例えば、光学カメラ8は、RFコイル200を含む光学画像として、所定のフレームレートで順次撮影することにより得られる動画像を取得することができる。また、光学カメラ8は、天井に設置される場合に限定されるものではなく、磁石架台100を覆うカバー等に固定されていてもよく、また、磁石架台100または磁石架台100周辺の壁に取り付けられていてもよい。
【0134】
RFコイル200は表面と裏面のどちらも設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能であるため、光学カメラ8により取得された光学画像により、RFコイル200の配置を判別できない場合もあるが、RFコイル200の設置されている位置やRFコイル200の設置範囲等に関する情報は取得可能である。例えば、被検体Pに複数のRFコイル200が配置されている場合には、夫々のRFコイル200の設置されている位置関係や夫々のRFコイル200間の重なりの情報も取得できる。
【0135】
情報取得機能F6は、光学画像から得られるRFコイル200の位置に関する情報を取得する。情報取得機能F6によるRFコイル200の位置に関する情報の取得は
図5のフローチャートにおいて、例えば、ステップST10の前に行われる。
【0136】
光学画像から得られるRFコイル200の位置に関する情報は、他の実施形態に係る天板51に対するRFコイル200の配置の判別において併用可能である。判別機能F3が、光学画像から得られるRFコイル200の位置に関する情報と、MR信号から得られる複数の代表コイルの夫々の位置と、に基づいて、天板51に対するRFコイル200の配置を判別する。
【0137】
例えば、光学画像から得られるRFコイル200の位置に関する情報から、RFコイル200が折りたたむように変形されていたり、天板51に対して角度をもって配置されていたりするRFコイル200の設置状態や、2つ以上のRFコイル200の相対的な位置関係、等の情報を取得可能である。例えば、MR信号が検出されない代表コイルがあった場合においても、光学画像から得られるRFコイル200の位置に関する情報から、RFコイル200の配置を暫定的にGUI上に表示することも可能である。また、天板51の移動によって、MR信号が検出されなかった代表コイルから新たにMR信号が検出された場合には、再度、RFコイル200の配置を判別し、GUI表示を更新してもよい。また、光学画像から得られるRFコイル200の位置と、MR信号から得られる複数の代表コイルの夫々の位置とにずれが生じていた場合には、光学画像から得られるRFコイル200の位置に関する情報に従って、GUI表示を調整してもよい。
【0138】
第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1によれば、MR信号が検出されなかった代表コイルがあった場合等、判別に困難性が伴う場合においても、光学画像から得られるRFコイル200の位置に基づいて、より正確にRFコイル200の配置の判別が可能となる。
【0139】
図26は、第2の実施形態に係る選択支援情報の表示例についての説明図である。
図26の上段に示すGUI(グループ型)の表示例では、RFコイル200Aにおいて、グループ分割図形Aは「セクション1」及び「セクション3」と表示された2つのセクションで構成され、グループ分割図形Bは「セクション2」及び「セクション4」と表示された2つのセクションで構成される。また、RFコイル200Bにおいて、グループ分割図形Aは「セクション4」及び「セクション2」と表示された2つのセクションで構成され、グループ分割図形Bは「セクション3」及び「セクション1」と表示された2つのセクションで構成されている。
図26の下段に示すGUI(セクション型)の表示例では、複数のRFコイル200夫々の複数のセクションの天板51に対する位置関係が識別できるようにRFコイル200の配置を表示できる。
【0140】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、処理回路40のプロセッサが情報取得機能F6を実現する。第3の実施形態は、接続ポート個所の情報から推定されるRFコイル200の位置に関する情報を、RFコイル200の配置の判別にさらに用いる点で、第1の実施形態と異なる。なお、
図25は、第3の実施形態に係るRFコイル200の配置例についての説明図でもある。
図25に示すように、第3の実施形態は、2つのRFコイル200が被検体Pに配置される他、第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の構成と実質的に異ならないため、同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0141】
天板51はRFコイル200を接続できる複数個所の接続ポート53a及び53bを有する。なお、接続ポートの個所が2個の例を説明するが、接続ポートの個数は1個でも3個以上でもよい。接続ポート53a及び53bは、例えば、天板51の長手方向に沿って、天板51の両端部等、異なる複数個所に設けられている。RFコイル200A及び200Bは、接続ポート53a及び53bを介して磁気共鳴イメージング装置1に接続され、当該RFコイルの接続情報が認識される。
【0142】
少なくとも1つのRFコイル200が接続された異なる複数個所の接続ポート53の接続情報とRFコイル200の本体及びケーブルの寸法とから、RFコイル200の設置されている位置が推定できる。例えば、
図25のように2個所に接続ポート53a及び53bがある場合には、一方の接続ポート53aに接続されている一方のRFコイル200Aが一方の接続ポート53a側に位置し、他方の接続ポート53bに接続されている他方のRFコイル200Bが他方の接続ポート53b側に位置すると推定される。
【0143】
情報取得機能F6が、RFコイル200A及び200Bが接続された接続ポート個所の接続情報から推定される、RFコイル200A及び200Bの位置に関する情報を取得する。情報取得機能F6によるRFコイル200A及び200Bの位置に関する情報の取得は
図5のフローチャートにおいて、例えば、ステップST10の前に行われる。
【0144】
判別機能F3は、接続ポート個所の接続情報から推定されるRFコイル200の位置に関する情報と、MR信号から得られる複数の代表コイルの夫々の位置と、に基づいて、天板に対するRFコイル200の配置を判別する。接続ポート個所の接続情報から推定されるRFコイル200の位置に関する情報は、全ての実施形態に係る天板51に対するRFコイル200の配置の判別において併用可能である。
【0145】
RFコイル200が接続された接続ポート個所の接続情報から推定されるRFコイル200の位置を逸脱するような、例えば、RFコイル200の本体及びケーブルの寸法からRFコイル200が存在しえないような位置において、複数の代表コイルのいずれかでMR信号から検出された場合には、その旨の警告をユーザに提示してもよい。
【0146】
第3の実施形態に係る選択支援情報は、
図26の第2の実施形態に係る選択支援情報の表示例と同様に表示することが可能である。第3の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1によれば、MR信号が検出されなかった代表コイルがあった場合等、判別に困難性が伴う場合においても、接続ポート個所の接続情報から推定されるRFコイル200の位置に基づいて、より正確にRFコイル200の配置の判別が可能となる。
【0147】
(他の配置例とGUI表示)
図27は、RFコイル200Cの他の第1配置例、及び選択支援情報の表示例についての説明図である。他の第1配置例に係るRFコイル200Cは、8つの代表コイルで構成され、即ち、8つのセクションに分割されており、
図27に示すように、RFコイル200Cのグループ分割図形A、B、C、及びDの夫々は、2つの代表コイルを代表に持つ2つのセクションから構成されている。このように、セクションの分割方法、及び、選択支援情報の表示例であるグループ分割図形の分割方法は、RFコイル200Cの第1の方向と第2の方向とにおける長さ、代表コイルの数及び配置、要素コイルの数及び配置、等に応じて変更してもよい。
【0148】
図28は、RFコイル200の他の第2配置例、及び選択支援情報の表示例についての説明図である。他の第2の配置例では、2つのRFコイル200A及び200Bが被検体Pに配置され、
図28に示すように、2つのRFコイル200A及び200Bの一方のRFコイル200Aが被検体Pの腹部側に、他方のRFコイル200Bが被検体Pの背部側に、共にZ軸方向のほぼ同じ位置に配置されている。この場合にも、前述した方法と同様に、夫々のRFコイル200A及び200Bで配置を判別することができる。そして、GUI(グループ型)の表示においては、Z軸上の同じ位置に一方のRFコイル200Aと他方のRFコイル200Bとを重ねて表示してもよい。なお、一方のRFコイル200Aと他方のRFコイル200Bとが被検体Pの背部側と腹部側とのいずれに配置されているかは、第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1における光学画像から得られるRFコイル200の位置に関する情報が用いられて判別されてもよい。
【0149】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、被検体に対して、表面と裏面のどちらも設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能なRFコイルにおいて、天板に対するRFコイルの配置を判別できるようにすることができる。
【0150】
なお、上記実施形態において、「プロセッサ」という文言は、例えば、専用または汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、または、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びFPGA)等の回路を意味するものとする。プロセッサは、記憶媒体に保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。
【0151】
また、上記実施形態では処理回路の単一のプロセッサが各機能を実現する場合の例について示したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサが各機能を実現してもよい。また、プロセッサが複数設けられる場合、プログラムを記憶する記憶媒体は、プロセッサごとに個別に設けられてもよいし、1つの記憶媒体が全てのプロセッサの機能に対応するプログラムを一括して記憶してもよい。
【0152】
なお、実施形態の説明における収集機能F1、検出機能F2、判別機能F3、表示制御機能F4、要素コイル選択機能F5、及び情報取得機能F6は、夫々、特許請求の範囲の記載における、収集部、検出部、判別部、表示制御部、要素コイル選択部、及び情報取得部の一例である。
【0153】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0154】
以上の実施形態に関し、発明の一側面及び選択的な特徴として以下の付記を開示する。
[付記1]
複数の要素コイルによって構成されるRFコイルであって、被検体に対して、表面と裏面のどちらも設置可能で、かつ、任意の向きに設置可能なRFコイルと、
前記被検体が載置される天板と、
前記複数の要素コイルの中から選択された複数の代表コイルの夫々から、任意の一軸に沿ってMR(Magnetic Resonance)信号をプリスキャンで収集する収集部と、
収集された前記MR信号に基づいて、前記任意の一軸に沿った前記複数の代表コイルの夫々の位置を検出する検出部と、
検出された前記複数の代表コイルの夫々の位置に基づいて、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する判別部と、を備える、
磁気共鳴イメージング装置。
[付記2]
前記代表コイルは、前記RFコイルの展張領域を複数に分割することによって得られる複数のセクションの夫々を代表するように、前記セクション内の1つ以上の要素コイルから選択される、
付記1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記3]
前記天板に対する前記RFコイルの配置は、前記天板に対する前記RFコイルの表裏と向きの組み合わせによって規定される、
付記2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記4]
前記代表コイルは、1つの要素コイル、又は、複数の要素コイルが合成された1つの合成コイルである、
付記1乃至3のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記5]
前記複数のセクションは、前記RFコイルの展張領域を、第1の方向に2分割し、前記第1の方向に直交する第2の方向に2分割することによって得られる4つの前記セクションである、
付記2乃至4のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記6]
前記複数のセクションは、前記RFコイルの展張領域を、第1の方向と前記第1の方向に直交する第2の方向との少なくとも1つの方向を2以上に分割することによって得られる2以上の前記セクションである、
付記2乃至4のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記7]
前記複数のセクションは、前記RFコイルの展張領域を、第1の方向と前記第1の方向に直交する第2の方向との少なくとも1つの方向に2以上に分割することによって得られる2以上の前記セクションであり、
前記代表コイルは、前記第2の方向において隣り合う2つの代表コイル間で、前記第1の方向の位置が異なるように選択される、又は、前記第1の方向において隣り合う2つの代表コイル間で、前記第2の方向の位置が異なるように選択される、
付記2乃至4のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記8]
前記任意の一軸は、前記天板の長手方向に沿った軸である、
付記1乃至7のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記9]
前記収集部は、前記任意の一軸である第1の軸に加え、前記第1の軸に直交する第2の軸に沿って前記MR信号を収集し、
前記検出部は、収集された前記MR信号に基づいて、前記第1の軸、及び前記第2の軸の夫々に沿った前記複数の代表コイルの夫々の位置を検出し、
前記判別部は、前記第1の軸、及び前記第2の軸の夫々に沿って検出された前記複数の代表コイルの夫々の位置に基づいて、前記RFコイルの前記天板に対する配置を判別する、
付記1乃至7のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記10]
前記検出部は、前記プリスキャンにおける前記MR信号の受信強度分布を示すプロファイルデータに基づいて、前記任意の一軸に沿った前記代表コイルの位置を検出する、
付記1乃至9のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記11]
前記判別部は、前記複数の代表コイルのうち前記MR信号の受信強度分布を示すプロファイルデータのピーク強度が、所定の閾値以下である代表コイルの位置を、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別するための演算に用いない、
付記1乃至10のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記12]
2つ以上の代表コイル間の位置関係と、前記天板に対する前記RFコイルの配置と、を関係づけるデータテーブルを記憶する記憶部、をさらに備え、
前記判別部は、検出された複数の前記代表コイルの位置から前記2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出し、導出した前記2つ以上の代表コイル間の位置関係を用いて前記データテーブルを参照することによって、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
付記1乃至11のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記13]
前記判別部は、前記複数の代表コイルの前記MR信号の受信強度分布を示すプロファイルデータのピーク強度が所定の閾値以下である場合に、前記プロファイルデータのピーク強度が前記閾値以下であるという事象をさらに反映して、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
付記1乃至12に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記14]
前記判別部は、2つの前記代表コイルの位置の演算及び前記演算の組み合わせに基づいて、前記2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出し、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
付記1乃至13に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記15]
前記判別部は、2つの前記代表コイルの位置の演算において、(a)演算値の絶対値が所定の閾値未満の場合には、2つの前記代表コイルは前記任意の一軸に沿ってほぼ同じ位置に存在する、(b)演算値の絶対値が所定の閾値以上の場合には、2つの前記代表コイルは前記演算値の符号によって示される前記任意の一軸に沿った位置に存在する、と前記2つ以上の代表コイル間の位置関係を導出し、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
付記14に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記16]
ディスプレイと、
判別された前記天板に対する前記RFコイルの配置に基づいて、前記RFコイル内の前記要素コイルをユーザに選択させるための選択支援情報を、前記ディスプレイに表示させる表示制御部と、をさらに備える、
付記2乃至15のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記17]
前記選択支援情報は、前記RFコイルが備える前記複数の要素コイルの中から、撮像部位に関する情報及び撮像条件に基づいて決定された、診断スキャンに使用するべき要素コイルに関する情報を含む、
付記16に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記18]
前記選択支援情報は、前記RFコイル内の前記複数のセクションの前記天板に対する位置関係が識別できるように構成されたセクション分割図形であり、
前記セクション分割図形に基づいて指定された1つ又は複数の前記セクションに属する要素コイルを、前記RFコイルが備える前記複数の要素コイルの中から診断スキャンに使用する要素コイルとして選択する、要素コイル選択部、
をさらに備える、
付記16に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記19]
前記選択支援情報は、前記RFコイルを前記天板の長手方向に複数に分割することで得られる複数のグループの前記天板に対する位置関係が識別できるように構成されたグループ分割図形であり、
前記グループ分割図形に基づいて指定された1つ又は複数のグループに属する要素コイルを、前記RFコイルが備える前記複数の要素コイルの中から診断スキャンに使用する要素コイルとして選択する、要素コイル選択部、
をさらに備える、
付記16に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記20]
前記RFコイルを含む光学画像を取得する光学カメラと、
前記光学画像から得られる前記RFコイルの位置に関する情報を取得する情報取得部と、をさらに備え、
前記判別部は、前記光学画像から得られる前記RFコイルの位置に関する情報と、前記MR信号から得られる前記複数の代表コイルの夫々の位置と、に基づいて、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
付記1乃至19のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
[付記21]
前記天板は前記RFコイルを接続できる複数個所の接続ポートを有し、
前記RFコイルが接続された接続ポート個所の接続情報から推定される前記RFコイルの位置に関する情報を取得する情報取得部、をさらに備え、
前記判別部は、前記接続ポート個所の接続情報から推定される前記RFコイルの位置に関する情報と、前記MR信号から得られる前記複数の代表コイルの夫々の位置と、に基づいて、前記天板に対する前記RFコイルの配置を判別する、
付記1乃至19のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【符号の説明】
【0155】
1…磁気共鳴イメージング装置 8…光学カメラ 40…処理回路 41…記憶回路 42…ディスプレイ 43…入力デバイス 51…天板 53…接続ポート F1…収集機能 F2…検出機能 F3…判別機能 F4…表示制御機能 F5…要素コイル選択機能 F6…情報取得機能