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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094285
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】集積回路素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20240702BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240702BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H01L21/88 J
H01L29/78 301X
H01L21/90 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216997
(22)【出願日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0186019
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 奉 槿
(72)【発明者】
【氏名】盧 明 秀
(72)【発明者】
【氏名】崔 多 云
【テーマコード(参考)】
5F033
5F140
【Fターム(参考)】
5F033GG00
5F033GG01
5F033GG02
5F033HH07
5F033HH08
5F033HH11
5F033HH15
5F033HH18
5F033HH19
5F033HH20
5F033HH21
5F033JJ07
5F033JJ08
5F033JJ11
5F033JJ15
5F033JJ18
5F033JJ19
5F033JJ20
5F033JJ21
5F033JJ32
5F033JJ33
5F033JJ34
5F033KK07
5F033KK15
5F033KK18
5F033KK19
5F033KK21
5F033KK32
5F033KK33
5F033MM13
5F033MM30
5F033NN06
5F033NN07
5F033NN13
5F033PP06
5F033PP12
5F033PP26
5F033QQ11
5F033QQ19
5F033QQ25
5F033QQ48
5F033RR01
5F033RR04
5F033RR06
5F033RR08
5F033RR15
5F033RR30
5F033SS04
5F033TT02
5F033TT08
5F033VV04
5F140BA01
5F140BA02
5F140BA03
5F140BA05
5F140BA06
5F140BA07
5F140BA08
5F140BA09
5F140BB05
5F140BB06
5F140BD09
5F140BF01
5F140BF05
5F140BF07
5F140BF10
5F140BH06
5F140BJ08
5F140BJ15
5F140BJ17
5F140BJ20
5F140BJ27
5F140BK18
5F140CB04
5F140CC02
5F140CC03
5F140CC08
5F140CC09
(57)【要約】
【課題】集積度及び電気的信頼性を向上させたパワーレールを含む集積回路素子を提供する。
【解決手段】本発明の集積回路素子は、バックサイド面を有する基板と、バックサイド面の反対側で基板上にトレンチ領域を限定するように基板から突出して第1水平方向に長く延びた一対のフィン型活性領域と、一対のフィン型活性領域のそれぞれの上に1つずつ配置された一対のソース/ドレイン領域と、トレンチ領域で一対のフィン型活性領域のそれぞれの側壁を覆う素子分離膜と、一対のフィン型活性領域の間、及び一対のソース/ドレイン領域の間に配置されて素子分離膜を垂直方向に貫通するビアパワーレールと、ビアパワーレールに垂直方向にオーバーラップする位置で基板を垂直方向に貫通してビアパワーレールの一端に連結されるバックサイドパワーレールと、基板とバックサイドパワーレールとの間に介在するエアスペーサと、を備える。
【選択図】図3B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックサイド面を有する基板と、
前記バックサイド面の反対側で前記基板上にトレンチ領域を限定するように前記基板から突出して第1水平方向に長く延びた一対のフィン型活性領域と、
前記一対のフィン型活性領域のそれぞれの上に1つずつ配置された一対のソース/ドレイン領域と、
前記トレンチ領域で前記一対のフィン型活性領域のそれぞれの側壁を覆う素子分離膜と、
前記一対のフィン型活性領域の間、及び前記一対のソース/ドレイン領域の間に配置されて前記素子分離膜を垂直方向に貫通するビアパワーレールと、
前記ビアパワーレールに垂直方向にオーバーラップする位置で前記基板を垂直方向に貫通して前記ビアパワーレールの一端に連結されるバックサイドパワーレールと、
前記基板と前記バックサイドパワーレールとの間に介在するエアスペーサと、を備えることを特徴とする集積回路素子。
【請求項2】
前記エアスペーサで前記基板及び前記素子分離膜が露出することを特徴とする請求項1に記載の集積回路素子。
【請求項3】
前記エアスペーサ内に分散された少なくとも1つの炭粒子を更に含み、
前記少なくとも1つの炭粒子は、前記少なくとも1つの炭粒子の総重量を基準に70重量%~90重量%の炭素及び10重量%~30重量%の水素を含むことを特徴とする請求項1に記載の集積回路素子。
【請求項4】
前記バックサイドパワーレールと前記エアスペーサとの間に介在する絶縁ライナーを更に含み、
前記絶縁ライナーは、前記バックサイドパワーレールに接することを特徴とする請求項1に記載の集積回路素子。
【請求項5】
前記基板は、前記エアスペーサ及び前記バックサイドパワーレールを収容する貫通領域を有し、
前記貫通領域は、前記第1水平方向に交差する第2水平方向において前記エアスペーサで露出する一対の内部側壁を有し、
前記第2水平方向において前記一対の内部側壁間の距離は、前記基板の前記バックサイド面に近くなるほど徐々に縮まることを特徴とする請求項1に記載の集積回路素子。
【請求項6】
バックサイド面を有する基板と、
前記バックサイド面の反対側で前記基板上に複数のトレンチ領域を限定するように前記基板から突出して第1水平方向に長く延びた複数のフィン型活性領域と、
前記複数のフィン型活性領域のそれぞれの上に配置された複数のソース/ドレイン領域と、
前記複数のトレンチ領域で前記複数のフィン型活性領域のそれぞれの側壁を覆う素子分離膜と、
前記複数のフィン型活性領域、及び前記複数のソース/ドレイン領域から水平方向に離隔されて前記素子分離膜を垂直方向に貫通するビアパワーレールと、
前記ビアパワーレールに垂直方向にオーバーラップする位置で前記基板を垂直方向に貫通するバックサイドパワー構造物と、を備え、
前記バックサイドパワー構造物は、
前記ビアパワーレールに垂直方向にオーバーラップする位置で前記基板を垂直方向に貫通して前記ビアパワーレールの一端に連結されるバックサイドパワーレールと、
前記基板と前記バックサイドパワーレールとの間に介在するエアスペーサと、を含むことを特徴とする集積回路素子。
【請求項7】
前記バックサイドパワー構造物は、前記バックサイドパワーレールと前記エアスペーサとの間に介在する絶縁ライナーを更に含み、
前記第1水平方向に交差する第2水平方向において、前記エアスペーサの幅は、前記基板及び前記絶縁ライナーによって限定されることを特徴とする請求項6に記載の集積回路素子。
【請求項8】
前記バックサイドパワー構造物は、前記エアスペーサ内に分散された少なくとも1つの炭粒子を更に含み、
前記少なくとも1つの炭粒子は、前記少なくとも1つの炭粒子の総重量を基準に70重量%~90重量%の炭素及び10重量%~30重量%の水素を含むことを特徴とする請求項6に記載の集積回路素子。
【請求項9】
前記バックサイドパワー構造物は、前記素子分離膜を挟んで前記一対のソース/ドレイン領域から離隔され、前記基板を挟んで前記一対のフィン型活性領域から離隔されることを特徴とする請求項6に記載の集積回路素子。
【請求項10】
バックサイド面を有する基板と、
前記バックサイド面の反対側で前記基板上にトレンチ領域を限定するように前記基板から突出するフィン型活性領域と、
前記フィン型活性領域上に配置されて前記フィン型活性領域のフィン上面から垂直方向に離隔される少なくとも1つのナノシートと、
前記フィン型活性領域上で前記少なくとも1つのナノシートを取り囲んで前記第1水平方向に交差する第2水平方向に長く延びたゲートラインと、
前記フィン型活性領域上で前記ゲートラインに隣接する位置に配置されて前記少なくとも1つのナノシートに隣接するソース/ドレイン領域と、
前記トレンチ領域で前記フィン型活性領域の側壁を覆う素子分離膜と、
前記フィン型活性領域、前記ソース/ドレイン領域、及び前記ゲートラインのそれぞれから前記第2水平方向に離隔されて前記ゲートラインを垂直方向に貫通するビアパワーレールと、
前記ビアパワーレールに垂直方向にオーバーラップする位置で前記基板を前記垂直方向に貫通するバックサイドパワー構造物と、を備え、
前記バックサイドパワー構造物は、
前記ビアパワーレールに垂直方向にオーバーラップする位置で前記基板を前記垂直方向に貫通して前記ビアパワーレールの一端に連結されるバックサイドパワーレールと、
前記基板と前記バックサイドパワーレールとの間に介在するエアスペーサと、を備えることを特徴とする集積回路素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路素子に係り、より詳細には、パワーレールを含む集積回路素子に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の小型化、多機能化、及び高性能化の要求が高まるにつれ、集積回路素子の高容量化及び高集積化が要求されている。これにより、集積回路素子で要求される機能及び動作速度を確保しながら高集積化を達成するために、配線構造を効率的に設計する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-19067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、集積度及び電気的信頼性を向上させた集積回路素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による集積回路素子は、バックサイド面を有する基板と、前記バックサイド面の反対側で前記基板上にトレンチ領域を限定するように前記基板から突出して第1水平方向に長く延びた一対のフィン型活性領域と、前記一対のフィン型活性領域のそれぞれの上に1つずつ配置された一対のソース/ドレイン領域と、前記トレンチ領域で前記一対のフィン型活性領域のそれぞれの側壁を覆う素子分離膜と、前記一対のフィン型活性領域の間、及び前記一対のソース/ドレイン領域の間に配置されて前記素子分離膜を前記垂直方向に貫通するビアパワーレールと、前記ビアパワーレールに垂直方向にオーバーラップする位置で前記基板を垂直方向に貫通して前記ビアパワーレールの一端に連結されるバックサイドパワーレールと、前記基板と前記バックサイドパワーレールとの間に介在するエアスペーサと、を備える。
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による集積回路素子は、バックサイド面を有する基板と、前記バックサイド面の反対側で前記基板上に複数のトレンチ領域を限定するように前記基板から突出して第1水平方向に長く延びた複数のフィン型活性領域と、前記複数のフィン型活性領域のそれぞれの上に配置された複数のソース/ドレイン領域と、前記複数のトレンチ領域で前記複数のフィン型活性領域のそれぞれの側壁を覆う素子分離膜と、前記複数のフィン型活性領域、及び前記複数のソース/ドレイン領域から水平方向に離隔されて前記素子分離膜を垂直方向に貫通するビアパワーレールと、前記ビアパワーレールに垂直方向にオーバーラップされる位置で前記基板を垂直方向に貫通するバックサイドパワー構造物と、を備え、前記バックサイドパワー構造物は、前記ビアパワーレールに垂直方向にオーバーラップする位置で前記基板を前記垂直方向に貫通して前記ビアパワーレールの一端に連結されるバックサイドパワーレールと、前記基板と前記バックサイドパワーレールとの間に介在するエアスペーサと、を含む。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の更に他の態様による集積回路素子は、バックサイド面を有する基板と、前記バックサイド面の反対側で前記基板上にトレンチ領域を限定するように前記基板から突出するフィン型活性領域と、前記フィン型活性領域上に配置されて前記フィン型活性領域のフィン上面から垂直方向に離隔される少なくとも1つのナノシートと、前記フィン型活性領域上で前記少なくとも1つのナノシートを取り囲んで前記第1水平方向に交差する第2水平方向に長く延びたゲートラインと、前記フィン型活性領域上で前記ゲートラインに隣接する位置に配置されて前記少なくとも1つのナノシートに隣接するソース/ドレイン領域と、前記トレンチ領域で前記フィン型活性領域の側壁を覆う素子分離膜と、前記フィン型活性領域、前記ソース/ドレイン領域、及び前記ゲートラインのそれぞれから前記第2水平方向に離隔されて前記ゲートラインを垂直方向に貫通するビアパワーレールと、前記ビアパワーレールに垂直方向にオーバーラップする位置で前記基板を垂直方向に貫通するバックサイドパワー構造物と、を備え、前記バックサイドパワー構造物は、前記ビアパワーレールに垂直方向にオーバーラップする位置で前記基板を前記垂直方向に貫通して前記ビアパワーレールの一端に連結されるバックサイドパワーレールと、前記基板と前記バックサイドパワーレールとの間に介在するエアスペーサと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の集積回路素子は、基板を貫通するバックサイドパワー構造物を含み、バックサイドパワー構造物は、バックサイドパワーレールと、バックサイドパワーレールの両側壁を覆うエアスペーサと、を含む。従って、基板とバックサイドパワーレールとの間の漏れ電流を抑制して基板とバックサイドパワーレールとの間の短絡可能性を遮断することができる。また、基板とバックサイドパワーレールとの間にエアスペーサが介在することで、基板とバックサイドパワーレールとの間の絶縁距離を減らし、これによりバックサイドパワー構造物のサイズを減少させて集積回路素子の集積度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態による集積回路素子のセルブロックの平面レイアウトの一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による集積回路素子の第1例を説明するための平面レイアウトダイヤグラムである。
図3A図2のX1-X1’線断面図である。
図3B図2のY1-Y1’線断面図である。
図3C図2のY2-Y2’線断面図である。
図3D図3Bにおいて「EX1」で表示した部分の拡大断面図である。
図4】本発明の一実施形態による集積回路素子の第2例を説明するための断面図である。
図5】本発明の一実施形態による集積回路素子の第3例を説明するための断面図である。
図6】本発明の一実施形態による集積回路素子の第4例を説明するための断面図である。
図7】本発明の他の実施形態による集積回路素子を説明するための断面図である。
図8】本発明の更に他の実施形態による集積回路素子を説明するための断面図である。
図9】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図10】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図11】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図12】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図13】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図14】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図15】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図16】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図17A図2のX1-X1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図17B】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図17C図2のY2-Y2’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図18】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図19A図2のX1-X1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図19B】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図19C図2のY2-Y2’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図20】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図21】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図22】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図23A図2のX1-X1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図23B】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図23C図2のY2-Y2’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図24A図2のX1-X1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図24B】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図24C図2のY2-Y2’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図25A図2のX1-X1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図25B】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図25C図2のY2-Y2’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図26】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図27】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図28】本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図であって、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。
図29】本発明の他の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図である。
図30】本発明の他の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図である。
図31】本発明の他の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図である。
図32】本発明の他の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図である。
図33】本発明の他の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。図面上の同じ構成要素については、同じ参照符号を付し、それらについての重複説明は省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による集積回路素子10のセルブロック12の平面レイアウトの一例を示す図である。
【0012】
図1を参照すると、集積回路素子10のセルブロック12は、多様な回路を構成するための回路パターンを含む複数のロジックセルLCを含む。複数のロジックセルLCは、セルブロック12内で幅方向(X方向)及び高さ方向(Y方向)に沿ってマトリックス状に配列される。
【0013】
複数のロジックセルLCは、少なくとも1つの論理関数を遂行するためにPnR(Place and Route)技法によって設計されたレイアウトを有する回路パターンを含む。複数のロジックセルLCは、多様な論理関数を遂行する機能を有する。一実施形態において、複数のロジックセルLCは、複数のスタンダードセル(standard cell)を含む。一実施形態において、複数のロジックセルLCのうちの少なくとも一部は、同じ論理関数を遂行する。他の実施形態において、複数のロジックセルLCのうちの少なくとも一部は、それぞれ異なる論理関数を遂行する。
【0014】
複数のロジックセルLCは、複数の回路素子(circuit elements)を含む多様な種類のロジックセルからなる。例えば、複数のロジックセルLCは、それぞれAND、NAND、OR、NOR、XOR(exclusive OR)、XNOR(exclusive NOR)、INV(inverter)、ADD (adder)、BUF(buffer)、DLY(delay)、FIL(filter)、マルチプレクサ(MXT/MXIT)、OAI(OR/AND/INVERTER)、AO(AND/OR)、AOI(AND/OR/INVERTER)、Dフリップフロップ、リセットフリップフロップ、マスタ-スレーブフリップフロップ(master-slave flip-flop)、ラッチ(latch)、又は、それらの組み合わせからなるが、それらに限定されるものではない。
【0015】
セルブロック12において、幅方向(X方向)に沿って1つの行(R1、R2、R3、R4、R5、又は、R6)をなす複数のロジックセルLCのうちの少なくとも一部は、互いに同じ幅を有する。また、1つの行(R1、R2、R3、R4、R5、又はR6)をなす複数のロジックセルLCのうちの少なくとも一部は、それぞれ同じ高さを有する。しかし、本発明は、図1に例示したものに限定されず、1つの行(R1、R2、R3、R4、R5、又は、R6)をなす複数のロジックセルLCのうちの少なくとも一部が互いに異なる幅及び高さを有し得る。
【0016】
集積回路素子10のセルブロック12に含まれる複数のロジックセルLCのそれぞれの面積は、セルバウンダリCBDによって限定される。複数のロジックセルLCのうちの幅方向(X方向)又は高さ方向(Y方向)で互いに隣接する2個のロジックセルLC間には、それぞれのセルバウンダリCBDが出合うセル相接部CBCが含まれる。
【0017】
一実施形態において、1つの行(R1、R2、R3、R4、R5、又は、R6)をなす複数のロジックセルLCにおいて、幅方向に互いに隣接する2個のロジックセルLCは、それらの間に離隔距離なしにセル相接部CBCで互いに隣接する。他の実施形態において、1つの行(R1、R2、R3、R4、R5、又は、R6)をなす複数のロジックセルLCにおいて、幅方向に互いに隣接する2個のロジックセルLCは、それらの間に所定の離隔距離を挟んで互いに離隔される。
【0018】
一実施形態において、1つの行(R1、R2、R3、R4、R5、又は、R6)をなす複数のロジックセルLCにおいて、互いに隣接する2個のロジックセルLCは、互いに同じ機能を遂行する。その場合、互いに隣接する2個のロジックセルLCは、互いに同じ構造を有する。他の実施形態において、1つの行(R1、R2、R3、R4、R5、又は、R6)をなす複数のロジックセルLCにおいて、互いに隣接する2個のロジックセルLCは、互いに異なる機能を遂行する。
【0019】
一実施形態において、集積回路素子10のセルブロック12に含まれる複数のロジックセルLCのうちから選択されるいずれか1つのロジックセルLCと、高さ方向(図1のY方向)において選択されたロジックセルLCに隣接する他のロジックセルLCは、それらの間のセル相接部CBCを中心に互いに対称構造を有する。例えば、第3行R3にある基準ロジックセルLC_Rと、第2行R2にある下部ロジックセルLC_Lとは、それらの間のセル相接部CBCを中心に互いに対称構造を有する。また、第3行R3にある基準ロジックセルLC_Rと、第4行R2にある上部ロジックセルLC_Hとは、それらの間のセル相接部CBCを中心に互いに対称構造を有する。
【0020】
図1は、6行(R1、R2、…、R6)を含むセルブロック12を図示しているが、これは一例に過ぎず、セルブロック12は必要に応じて選択される多様な数の行を含み、1つの行は必要に応じて選択される多様な数のロジックセルを含み得る。
【0021】
幅方向(X方向)に沿って一列に配置された複数のロジックセルLCからなる複数の行(R1、R2、R3、R4、R5、R6)のそれぞれの間には、複数の接地ラインVSS及び複数の電源ラインVDDのうちから選択される1本が配置される。複数の接地ラインVSS及び複数の電源ラインVDDは、それぞれ第1水平方向(X方向)に沿って延び、第2水平方向(Y方向)に沿って互いに離隔され、交互に配置される。これにより、複数の接地ラインVSS及び複数の電源ラインVDDは、それぞれロジックセルLCの第2水平方向Yに沿うセルバウンダリCBDにオーバーラップするように配置される。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態による集積回路素子100の第1例を説明するための平面レイアウトダイヤグラムである。図2は、図1において「EX」で表示した部分の一部構成要素の平面レイアウトを例示する。図3Aは、図2のX1-X1’線断面図である。図3Bは、図2のY1-Y1’線断面図である。図3Cは、図2のY2-Y2’線断面図である。図3Dは、図3Bにおいて「EX1」で表示した部分の拡大断面図である。図2及び図3A図3Dを参照して、ナノワイヤ又はナノシート状の活性領域、及び活性領域を取り囲むゲートを含むゲートオールアラウンド(gate-all-around)構造を有する電界効果トランジスタを含む集積回路素子100について説明する。集積回路素子100は、図1に例示した複数のロジックセルLCの一部を構成する。
【0023】
図2及び図3A図3Dを参照すると、集積回路素子100は、ビアパワーレールVPRを挟んで第2水平方向(Y方向)に隣接する2個のロジックセルLCを含む。一実施形態において、ビアパワーレールVPRは、図1に例示した接地ラインVSSを構成する。
【0024】
集積回路素子100は、バックサイド面102Bを有する、基板102、及びバックサイド面102Bの反対側で基板102上に複数のトレンチ領域T1を限定するように基板102から突出する複数のフィン型活性領域F1を含む。複数のフィン型活性領域F1は、基板102上で第1水平方向(X方向)に長く延びて互いに平行に延びる。
【0025】
基板102は、Si又はGeのような半導体、或いはSiGe、SiC、GaAs、InAs、InGaAs、又はInPのような化合物半導体を含む。本明細書で使用する用語「SiGe」、「SiC」、「GaAs」、「InAs」、「InGaAs」、及び「InP」は、それぞれの用語に含まれる元素からなる材料を意味するものであって、化学量論的関係を示す化学式ではない。基板102は、導電領域、例えば不純物がドーピングされたウェル(well)、又は不純物がドーピングされた構造物を含む。
【0026】
複数のフィン型活性領域F1を限定するトレンチ領域T1には、素子分離膜112が配置される。素子分離膜112は、複数のトレンチ領域T1で複数のフィン型活性領域F1のそれぞれの側壁の一部を覆う。素子分離膜112は、シリコン酸化膜からなるが、それに限定されるものではない。
【0027】
図3B及び図3Cに例示したように、複数のフィン型活性領域F1のうちから選択されて互いに隣接する一対のフィン型活性領域F1の間、及び一対のフィン型活性領域F1上に配置された一対のソース/ドレイン領域130の間でビアパワーレールVPRが垂直方向(Z方向)に延びる。ビアパワーレールVPRは、素子分離膜112を垂直方向(Z方向)に貫通する。
【0028】
ビアパワーレールVPRの側壁は、絶縁スペーサ190によって取り囲まれる。一実施形態において、ビアパワーレールVPRは、金属配線層と、金属配線層を取り囲む導電性バリア層とを含む。金属配線層は、Ru、Co、W、又はそれらの組み合わせからなる。導電性バリア層は、Ti、TiN、Ta、TaN、又はそれらの組み合わせからなる。絶縁スペーサ190は、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜、又はそれらの組み合わせからなる。
【0029】
基板102のバックサイド面102Bは、バックサイド絶縁膜109で覆われる。バックサイド絶縁膜109は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン炭化膜、低誘電膜、又はそれらの組み合わせからなる。低誘電膜は、フッ素ドーピングされたシリコン酸化物(fluorine-doped silicon oxide)、有機シリケートガラス(organosilicate glass)、炭素ドーピングされた酸化物(carbon-doped oxide)、多孔性シリコン酸化物(porous silicon oxide)、多孔性有機シリケートガラス(porous organosilicate glass)、スピン-オン有機ポリマー誘電体(spin-on organic polymeric dielectric)、スピンオンシリコン基盤誘電体(spin-on silicon based polymeric dielectric)、又はそれらの組み合わせからなるが、例示したものに限定されるものではない。
【0030】
図3B図3C、及び図3Dに例示したように、基板102は、ビアパワーレールVPRに垂直方向(Z方向)にオーバーラップする位置で基板102を垂直方向(Z方向)に貫通するバックサイドパワー構造物PWSを含む。基板102は、バックサイドパワー構造物PWSを収容する貫通領域THRを有する。
【0031】
バックサイドパワー構造物PWSは、バックサイドパワーレールBPW、バックサイドパワーレールBPWの両側壁を覆う絶縁ライナー103、及びエアスペーサAG1を含む。本明細書で使用する用語「エアスペーサ」は、大気又は製造工程中に存在する他のガスを含む空間を意味する。
【0032】
絶縁ライナー103は、バックサイドパワーレールBPWとエアスペーサAG1との間に介在する。絶縁ライナー103は、バックサイドパワーレールBPWの側壁に接する。エアスペーサAG1は、基板102と絶縁ライナー103との間に介在する。エアスペーサAG1で、基板102、絶縁ライナー103、及び素子分離膜112が露出する。基板102及び絶縁ライナー103によってエアスペーサAG1の第2水平方向(Y方向)の幅が限定される。一実施形態において、エアスペーサAG1は、バックサイドパワーレールBPWの一側壁上で第2水平方向(Y方向)に約1nm~5nm、例えば約2nm~4nmの幅を有するが、それに限定されるものではない。素子分離膜112及びバックサイド絶縁膜109によってエアスペーサAG1の垂直方向(Z方向)の長さが限定される。
【0033】
一実施形態において、絶縁ライナー103は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はそれらの組み合わせからなる。一例において、絶縁ライナー103は、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなる単一物質膜で構成される。他の例において、絶縁ライナー103は、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を含む二重膜構造を有する。更に他の例において、絶縁ライナー103は、第1シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、及び第2シリコン酸化膜が順に積層された三重膜構造を有する。しかし、絶縁ライナー103の構成が例示したものに限定されるものではなく、絶縁ライナー103の構成物質及び構造は、本発明の技術的思想の範囲内で多様に変形可能である。
【0034】
バックサイドパワーレールBPWは、ビアパワーレールVPRに垂直方向(Z方向)にオーバーラップする位置で基板102を垂直方向(Z方向)に貫通し、ビアパワーレールVPRの一端に連結される。バックサイドパワーレールBPWのうちの素子分離膜112に向かう上面とビアパワーレールVPRのうちの基板102に向かう底面とは、互いに接する。
【0035】
一実施形態において、バックサイドパワーレールBPWは、金属配線層、及び金属配線層を取り囲む導電性バリア層を含む。バックサイドパワーレールBPWを構成する金属配線層及び導電性バリア層に関する更に詳細な構成は、ビアパワーレールVPRを構成する金属配線層及び導電性バリア層について説明したものと略同一である。
【0036】
図3Dにおいて更に明確に示したように、基板102の貫通領域THRは、バックサイドパワーレールBPW、絶縁ライナー103、及びエアスペーサAG1を収容する。基板102の貫通領域THRは、エアスペーサAG1で露出する一対の内部側壁S1を有する。貫通領域THRの一対の内部側壁S1は、第2水平方向(Y方向)に貫通領域THRの幅を限定する。第2水平方向(Y方向)において一対の内部側壁S1間の距離は、基板102のバックサイド面120Bに近くなるほど徐々に縮まる。即ち、第2水平方向(Y方向)で貫通領域THRの幅は、基板102のバックサイド面120Bに近くなるほど徐々に縮まる。
【0037】
バックサイドパワーレールBPWは、基板102のバックサイド面102Bに近くなるほど第2水平方向(Y方向)に徐々に縮まる幅を有する。しかし、絶縁ライナー103及びエアスペーサAG1は、それぞれ基板102のバックサイド面102Bからの距離とは無関係に、第2水平方向(Y方向)で略一定幅を有する。
【0038】
図3Bに例示したように、バックサイドパワー構造物PWSは、素子分離膜112を挟んでビアパワーレールVPRの両側にある一対のソース/ドレイン領域130から離隔され、基板102を挟んでビアパワーレールVPRの両側にある一対のフィン型活性領域F1から離隔される。これにより、バックサイドパワーレールBPWは、素子分離膜112を挟んでビアパワーレールVPRの両側にある一対のソース/ドレイン領域130から離隔され、基板102を挟んでビアパワーレールVPRの両側にある一対のフィン型活性領域F1から離隔される。第2水平方向(Y方向)で、エアスペーサAG1は、バックサイドパワーレールBPWの両側壁を覆う。バックサイドパワーレールBPWは、絶縁ライナー103、エアスペーサAG1、及び基板102を挟んでビアパワーレールVPRの両側にある一対のフィン型活性領域F1から離隔される。
【0039】
図2図3A、及び図3Cに例示したように、複数のフィン型活性領域F1上に複数のゲートライン160が配置される。複数のゲートライン160は、それぞれ第1水平方向(X方向)に交差する第2水平方向(Y方向)に長く延びる。複数のフィン型活性領域F1と複数のゲートライン160とが交差する領域で、複数のフィン型活性領域F1のそれぞれのフィン上面FTの上部に複数のナノシートスタックNSSが配置される。複数のナノシートスタックNSSは、それぞれフィン型活性領域F1のフィン上面FTから垂直方向(Z方向)に離隔される位置でフィン上面FTに対面する少なくとも1枚のナノシートを含む。本明細書で使用する用語「ナノシート」は、電流が流れる方向に実質的に垂直な断面を有する導電性構造体を意味する。ナノシートは、ナノワイヤを含むものと理解されなければならない。
【0040】
図3A及び図3Cに例示したように、複数のナノシートスタックNSSは、それぞれフィン型活性領域F1の上で相互に垂直方向(Z方向)にオーバーラップする第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3を含む。第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3は、フィン型活性領域F1のフィン上面FTからの垂直距離(Z方向距離)がそれぞれ異なる。複数のゲートライン160は、それぞれ垂直方向(Z方向)にオーバーラップするナノシートスタックNSSに含まれる第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3を取り囲む。
【0041】
図2は、ナノシートスタックNSSの平面形状が略方形である場合を例示しているが、それに限定されるものではない。ナノシートスタックNSSは、フィン型活性領域F1及びゲートライン160のそれぞれの平面形状によって多様な平面形状を有し得る。本実施形態では、1個のフィン型活性領域F1上に複数のナノシートスタックNSS及び複数のゲートライン160が配置され、1個のフィン型活性領域F1上で複数のナノシートスタックNSSが第1水平方向(X方向)に沿って一列に配置される構成を例示した。しかし、1個のフィン型活性領域F1上に配置されるナノシートスタックNSS及びゲートライン160のそれぞれの個数は、特に制限されない。
【0042】
ナノシートスタックNSSに含まれる第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3は、それぞれチャネル領域として機能する。一実施形態において、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3は、それぞれ約4nm~6nmの範囲内で選択される厚さを有するが、それに限定されるものではない。ここで、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3のそれぞれの厚さは、垂直方向(Z方向)に沿う大きさを意味する。一実施形態において、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3は、垂直方向(Z方向)に沿って実質的に同じ厚さを有する。他の実施形態において、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3のうちの少なくとも一部は、垂直方向(Z方向)に沿ってそれぞれ異なる厚さを有する。一実施形態において、ナノシートスタックNSSに含まれる第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3は、それぞれSi層、SiGe層、又はそれらの組み合わせからなる。
【0043】
図3Aに例示したように、1個のナノシートスタックNSSに含まれる第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3は、第1水平方向(X方向)に互いに同一又は類似する大きさを有する。他の実施形態において、図3Aの例示とは異なって、1個のナノシートスタックNSSに含まれる第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3のうちの少なくとも一部は、第1水平方向(X方向)に互いに異なる大きさを有する。本実施形態において、複数のナノシートスタックNSSがそれぞれ3個のナノシートからなる場合を例示しているが、本発明は、例示したものに限定されない。例えば、ナノシートスタックNSSは少なくとも1枚のナノシートを含み、ナノシートスタックNSSを構成するナノシートの枚数は、特に制限されない。
【0044】
図3A及び図3Cに例示したように、複数のゲートライン160は、それぞれメインゲート部分160Mと複数のサブゲート部分160Sを含む。メインゲート部分160Mは、ナノシートスタックNSSの上面を覆い、第2水平方向(Y方向)に長く延びる。複数のサブゲート部分160Sは、メインゲート部分160Mに一体に連結され、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3のそれぞれの間、及び第1ナノシートN1とフィン型活性領域F1との間にそれぞれ1つずつ配置される。垂直方向(Z方向)において、複数のサブゲート部分160Sのそれぞれの厚さは、メインゲート部分160Mの厚さよりも更に薄い。
【0045】
図3A及び図3Bに例示したように、フィン型活性領域F1上には、複数のリセスR1が形成される。複数のリセスR1のそれぞれの最低面の垂直レベルは、フィン型活性領域F1のフィン上面FTの垂直レベルよりも低い。
【0046】
図3A及び図3Bに例示したように、複数のリセスR1内には、複数のソース/ドレイン領域130が配置される。複数のソース/ドレイン領域130は、それぞれ複数のゲートライン160のうちから選択される少なくとも1本のゲートライン160に隣接する位置に配置される。複数のソース/ドレイン領域130は、それぞれ隣接するナノシートスタックNSSに含まれる第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3に対面する表面を有する。複数のソース/ドレイン領域130は、それぞれ隣接するナノシートスタックNSSに含まれる第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3に接する。
【0047】
複数のゲートライン160は、それぞれ金属、金属窒化物、金属炭化物、又はそれらの組み合わせからなる。金属は、Ti、W、Ru、Nb、Mo、Hf、Ni、Co、Pt、Yb、Tb、Dy、Er、及びPdのうちから選択される。金属窒化物は、TiN及びTaNのうちから選択される。金属炭化物は、TiAlCである。しかし、複数のゲートライン160を構成する物質が例示したものに限定されるものではない。
【0048】
ナノシートスタックNSSとゲートライン160との間には、ゲート誘電膜152が介在する。一実施形態において、ゲート誘電膜152はインターフェース誘電膜及び高誘電膜の積層構造からなる。インターフェース誘電膜は誘電率が約9以下の低誘電物質膜であり、例えばシリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、又はそれらの組み合わせからなる。一実施形態において、インターフェース誘電膜は省略される。高誘電膜は、シリコン酸化膜よりも誘電定数が更に大きい物質からなる。例えば、高誘電膜は、約10~25の誘電定数を有する。高誘電膜は、ハフニウム酸化物からなるが、それに限定されるものではない。
【0049】
図3A及び図3Cに例示したように、ゲート誘電膜152及びゲートライン160のそれぞれの上面は、キャッピング絶縁パターン168で覆われる。キャッピング絶縁パターン168は、シリコン窒化膜からなる。ゲートライン160及びキャッピング絶縁パターン168のそれぞれの両側壁は、外側絶縁スペーサ118で覆われる。外側絶縁スペーサ118は、複数のナノシートスタックNSSの上面上でメインゲート部分160Mの両側壁を覆う。外側絶縁スペーサ118は、ゲート誘電膜152を挟んでゲートライン160から離隔される。
【0050】
図3Bに例示したように、素子分離膜112の上面上には、ソース/ドレイン領域130の側壁を覆う複数のリセス側絶縁スペーサ119が配置される。一実施形態において、複数のリセス側絶縁スペーサ119は、それぞれそれに隣接する外側絶縁スペーサ118と一体に連結される。
【0051】
複数の外側絶縁スペーサ118及び複数のリセス側絶縁スペーサ119は、それぞれシリコン窒化物、シリコン酸化物、SiCN、SiBN、SiON、SiOCN、SiBCN、SiOC、又はそれらの組み合わせからなる。本明細書で使用する用語「SiCN」、「SiBN」、「SiON」、「SiOCN」、「SiBCN」、及び「SiOC」は、それぞれの用語に含まれる元素からなる材料を意味するものであって、化学量論的関係を示す化学式ではない。
【0052】
複数のソース/ドレイン領域130のそれぞれの上面には、金属シリサイド膜172が形成される。金属シリサイド膜172は、Ti、W、Ru、Nb、Mo、Hf、Ni、Co、Pt、Yb、Tb、Dy、Er、又はPdからなる金属を含む。例えば、金属シリサイド膜172は、チタンシリサイドからなるが、それに限定されるものではない。
【0053】
基板102上で複数のソース/ドレイン領域130、複数の金属シリサイド膜172、及び複数の外側絶縁スペーサ118は、絶縁ライナー142で覆われる。一実施形態において、絶縁ライナー142は、省略可能である。絶縁ライナー142上には、ゲート間絶縁膜144が配置される。絶縁ライナー142が省略された場合、ゲート間絶縁膜144は、複数のソース/ドレイン領域130に接する。一実施形態において、絶縁ライナー142は、シリコン窒化物、SiCN、SiBN、SiON、SiOCN、SiBCN、又はそれらの組み合わせからなるが、それらに限定されるものではない。ゲート間絶縁膜144は、シリコン酸化膜からなるが、それに限定されるものではない。
【0054】
複数のゲートライン160に含まれる複数のサブゲート部分160Sのそれぞれの両側壁は、ゲート誘電膜152を挟んでソース/ドレイン領域130から離隔される。ゲート誘電膜152は、ゲートライン160に含まれるサブゲート部分160Sと第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3のそれぞれとの間、及びゲートライン160に含まれるサブゲート部分160Sとソース/ドレイン領域130との間に介在する。
【0055】
複数のナノシートスタックNSSは、複数のフィン型活性領域F1と複数のゲートライン160とが交差する領域で、複数のフィン型活性領域F1のそれぞれのフィン上面FT上に配置され、フィン型活性領域F1から離隔された位置でフィン型活性領域F1のフィン上面FTに対面する。基板102上で複数のフィン型活性領域F1と複数のゲートライン160とが交差する部分に複数のナノシートトランジスタが形成される。
【0056】
図3A及び図3Bに例示したように、複数のソース/ドレイン領域130上には、複数のソース/ドレインコンタクトCAが配置される。複数のソース/ドレインコンタクトCAは、それぞれゲート間絶縁膜144及び絶縁ライナー142を垂直方向(Z方向)に貫通して金属シリサイド膜172に接する。複数のソース/ドレインコンタクトCAは、それぞれ金属シリサイド膜172を介してソース/ドレイン領域130に電気的に連結可能に構成される。複数のソース/ドレインコンタクトCAは、それぞれ外側絶縁スペーサ118を挟んでメインゲート部分160Mから第1水平方向(X方向)に離隔される。
【0057】
複数のソース/ドレインコンタクトCAは、ソース/ドレイン領域130上に順に積層された導電性バリアパターン174及びコンタクトプラグ176を含む。導電性バリアパターン174は、コンタクトプラグ176の底面及び側壁を取り囲み、コンタクトプラグ176の底面及び側壁に接する。複数のソース/ドレインコンタクトCAは、それぞれゲート間絶縁膜144及び絶縁ライナー142を貫通して垂直方向(Z方向)に長く延びる。導電性バリアパターン174は、金属シリサイド膜172とコンタクトプラグ176との間に介在する。導電性バリアパターン174は、金属シリサイド膜172に接する表面、及びコンタクトプラグ176に接する表面を有する。一実施形態において、導電性バリアパターン174は、金属又は金属窒化物からなる。例えば、導電性バリアパターン174は、Ti、Ta、W、TiN、TaN、WN、WCN、TiSiN、TaSiN、WSiN、又はそれらの組み合わせからなるが、それらに限定されるものではない。コンタクトプラグ176は、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、タングステン(W)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(TA)、アルミニウム(Al)、それらの組み合わせ、又はそれらの合金からなるが、それらに限定されるものではない。
【0058】
図3Bに例示したように、複数のソース/ドレインコンタクトCAのうち、ビアパワーレールVPRに隣接するソース/ドレインコンタクトCAは、ビアパワーレールVPRから第2水平方向(Y方向)に離隔される。
【0059】
図3A図3Cに例示したように、複数のソース/ドレインコンタクトCA、複数のキャッピング絶縁パターン168、及びゲート間絶縁膜144のそれぞれの上面は、上部絶縁構造物180で覆われる。上部絶縁構造物180は、複数のソース/ドレインコンタクトCA、複数のキャッピング絶縁パターン168、及びゲート間絶縁膜144のそれぞれの上に順に積層されたエッチング停止膜182及び層間絶縁膜184を含む。エッチング停止膜182は、シリコン炭化物(SiC)、SiN、窒素-ドーピングされたシリコン炭化物(SiC:N)、SiOC、AlN、AlON、AlO、AlOC、又はそれらの組み合わせからなる。層間絶縁膜184は、酸化膜、窒化膜、約2.2~2.4の超低誘電定数(ultra low dielectric constant K)を有するULK(ultra low-k)膜、又はそれらの組み合わせからなる。例えば、層間絶縁膜184は、TEOS(tetraethylorthosilicate)膜、HDP(high density plasma)酸化膜、BPSG(boro-phospho-silicate glass)膜、FCVD(flowable chemical vapor deposition)酸化膜、SiON膜、SiN膜、SiOC膜、SiCOH膜、又はそれらの組み合わせからなるが、それらに限定されるものではない。
【0060】
図3A及び図3Bに例示したように、複数のソース/ドレインコンタクトCA上に複数のソース/ドレインビアコンタクトVAが配置される。複数のソース/ドレインビアコンタクトVAは、それぞれ上部絶縁構造物180を貫通してソース/ドレインコンタクトCAに接する。複数のソース/ドレイン領域130は、それぞれ金属シリサイド膜172及びソース/ドレインコンタクトCAを介してソース/ドレインビアコンタクトVAに電気的に連結されるように構成される。複数のソース/ドレインビアコンタクトVAのそれぞれの底面は、ソース/ドレインコンタクトCAの上面に接する。
【0061】
図2及び図3Cに例示したように、ゲートライン160上にゲートコンタクトCBが配置される。ゲートコンタクトCBは、上部絶縁構造物180及びキャッピング絶縁パターン168を垂直方向(Z方向)に貫通してゲートライン160に連結されるように構成される。ゲートコンタクトCBの底面は、ゲートライン160の上面に接する。
【0062】
複数のソース/ドレインビアコンタクトVA及びゲートコンタクトCBは、それぞれモリブデン(Mo)、銅(Cu)、タングステン(W)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(TA)、アルミニウム(Al)、それらの組み合わせ、又はそれらの合金からなるコンタクトプラグを含むが、コンタクトプラグの構成物質が例示したものに限定されるものではない。一実施形態において、複数のソース/ドレインビアコンタクトVA及びゲートコンタクトCBは、コンタクトプラグの一部を取り囲む導電性バリアパターンを更に含む。複数のソース/ドレインビアコンタクトVA及びゲートコンタクトCBに含まれる導電性バリアパターンは、金属又は金属窒化物からなる。例えば、導電性バリアパターンは、Ti、Ta、W、TiN、TaN、WN、WCN、TiSiN、TaSiN、WSiN、又はそれらの組み合わせからなるが、それらに限定されるものではない。
【0063】
ビアパワーレールVPR及び絶縁スペーサ190は、上部絶縁構造物180、キャッピング絶縁パターン168、ゲートライン160、ゲート間絶縁膜144、絶縁ライナー142、及び素子分離膜112を垂直方向(Z方向)に貫通する。ゲートライン160でビアパワーレールVPR及び絶縁スペーサ190が垂直方向(Z方向)に貫通する部分は、複数のナノシートスタックNSSのうちの隣接する一対のナノシートスタックNSS間の領域である。ビアパワーレールVPRは、絶縁スペーサ190を挟んでゲートライン160から水平方向、例えば第2水平方向(Y方向)に離隔される。ビアパワーレールVPR及び絶縁スペーサ190は、複数のソース/ドレイン領域130から水平方向、例えば第2水平方向(Y方向)に離隔される。
【0064】
図3Cに例示したように、バックサイドパワーレールBPW、絶縁ライナー103、及びエアスペーサAG1を含むバックサイドパワー構造物PWSは、垂直方向(Z方向)にゲートライン160にオーバーラップする位置に配置される。バックサイドパワー構造物PWSは、素子分離膜112を挟んで複数のナノシートスタックNSSから離隔される。
【0065】
図3A図3B、及び図3Cに例示したように、上部絶縁構造物180、複数のソース/ドレインビアコンタクトVA、及びゲートコンタクトCBのそれぞれの上面は、上部絶縁膜192で覆われる。上部絶縁膜192の構成物質は、層間絶縁膜184の構成物質について上述したものと略同一である。
【0066】
複数の上部配線層M1が上部絶縁膜192を貫通するように配置される。複数の上部配線層M1は、それぞれ下部にある複数のソース/ドレインビアコンタクトVAのうちから選択される1つのソース/ドレインビアコンタクトVA、又は複数のゲートコンタクトCB(図2及び図3C参照)のうちから選択される1つのゲートコンタクトCBに連結される。複数の上部配線層M1は、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、タングステン(W)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(TA)、アルミニウム(Al)、それらの組み合わせ、又は、それらの合金からなるが、それらに限定されるものではない。
【0067】
複数の上部配線層M1は、ビアパワーレールVPR上でビアパワーレールVPRに連結されるパワー連結導電層PCLを含む。複数のソース/ドレインビアコンタクトVAのうちから選択される1つのソース/ドレインビアコンタクトVAは、ビアパワーレールVPRから第2水平方向(Y方向)に離隔された位置でソース/ドレインコンタクトCAとパワー連結導電層PCLとの間に連結される。複数のソース/ドレイン領域130のうち、ビアパワーレールVPRに連結されるソース/ドレイン領域130は、ソース/ドレインコンタクトCA、ソース/ドレインビアコンタクトVA、及びパワー連結導電層PCLを介してビアパワーレールVPRに電気的に連結されるように構成される。
【0068】
複数の上部配線層M1及び上部絶縁膜192上には、フロントサイド配線構造物FWSが配置される。フロントサイド配線構造物FWSは、複数の配線層MN1、複数のビアコンタクトCT1、及びそれらを覆う層間絶縁膜194を含む。ビアパワーレールVPRは、上部配線層M1及びビアコンタクトCT1を介して複数の配線層MN1のうちから選択される1つの配線層MN1に連結される。複数の配線層MN1及び複数のビアコンタクトCT1の構成物質は、複数の上部配線層M1の構成物質について上述したものと略同一である。層間絶縁膜194の構成物質は、層間絶縁膜184の構成物質について上述したものと略同一である。
【0069】
バックサイド絶縁膜109下には、バックサイド配線構造物BWSが配置される。バックサイド配線構造物BWSは、複数の配線層MN2、複数のビアコンタクトCT2、及びそれらを覆う層間絶縁膜196を含む。複数のビアコンタクトCT2のうちから選択される1つのビアコンタクトCT2は、バックサイド絶縁膜109を貫通してバックサイドパワーレールBPWに隣接する一端、及び複数の配線層MN2のうちから選択される1層の配線層MN2に隣接する他端を有する。バックサイドパワーレールBPWは、1つのビアコンタクトCT2を介して複数の配線層MN2のうちから選択される1層の配線層MN2に連結される。複数の配線層MN2及び複数のビアコンタクトCT2の構成物質は、複数の上部配線層M1の構成物質について上述したものと略同一である。層間絶縁膜196の構成物質は、層間絶縁膜184の構成物質について上述したものと略同一である。
【0070】
図2及び図3A図3Dを参照して説明したように、集積回路素子100は基板102を貫通するバックサイドパワー構造物PWSを含み、バックサイドパワー構造物PWSは、バックサイドパワーレールBPW、バックサイドパワーレールBPWの両側壁を覆う絶縁ライナー103、及びエアスペーサAG1を含む。このように、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間にエアスペーサAG1が介在することで、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間の漏れ電流を抑制して、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの短絡可能性を遮断することができる。また、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間にエアスペーサAG1が介在することで、絶縁ライナー103の第2水平方向(Y方向)への厚さを減らし、これによりバックサイドパワー構造物PWSの第2水平方向(Y方向)へのサイズを減少させることができる。従って、集積回路素子100の集積度を向上させるのに有利な構造を提供することができる。
【0071】
図4は、本発明の一実施形態による集積回路素子200の第2例を説明するための断面図である。図4は、集積回路素子200のうち、図3Bにおいて「EX1」で表示した部分に対応する部分を拡大した断面構成を例示する。集積回路素子200は、図1に例示した複数のセルブロック12の一部を構成する。図4において、図2及び図3A図3Dと同じ参照符号は同一部材を示し、ここではそれらについての重複説明を省略する。
【0072】
図4を参照すると、集積回路素子200は、図2及び図3A図3Dを参照して説明した集積回路素子100と略同じ構成を有する。但し、集積回路素子200は、異なるバックサイドパワー構造物PWS2を含む。
【0073】
バックサイドパワー構造物PWS2は、図3B図3Dを参照してバックサイドパワー構造物PWSについて説明したものと略同じ構成を有する。但し、バックサイドパワー構造物PWS2は、バックサイドパワーレールBPW、バックサイドパワーレールBPWの両側壁を覆う絶縁ライナー103、エアスペーサAG2、及びエアスペーサAG2内に分散された複数の炭粒子(char particles)215を含む。
【0074】
複数の炭粒子215は、炭化水素系ポリマーの炭を含む。一実施形態において、複数の炭粒子215は、ビニル系ポリマー(vinyl polymers)の炭からなる。例えば、複数の炭粒子215は、芳香族炭化水素系ポリマー(aromatic hydrocarbon polymer)、(メト)アクリル系ポリマー((meth)acrylic polymer)、ビニルピリジン系ポリマー(vinylpyridine polymer)、ビニルエステル系ポリマー(vinylester polymer)、ビニルピロリドン系ポリマー(vinylpyrrolidone polymer)、オレフィン系ポリマー(olefin polymer)、又はそれらの組み合わせを含む共重合体の炭からなる。複数の炭粒子215を形成するのに使用されるポリマーに関する更に具体的な例示は、図10を参照して後述する。
【0075】
複数の炭粒子215は、炭化水素系ポリマーの炭素環が熱分解によって切断されつつ生成される複数種の炭化水素化合物及び/又は固形の炭化物を含む。一実施形態において、複数の炭粒子215は、複数の炭粒子215の総重量を基準に約70重量%~90重量%の炭素、及び約10重量%~30重量%の水素を含む炭化水素系ポリマーの炭を含む。例えば、複数の炭粒子215は、複数の炭粒子215の総重量を基準に約72~88重量%、約75~85重量%などの多様な炭素含量を有する。又は、複数の炭粒子215は、複数の炭粒子215の総重量を基準に約60重量%~90重量%の炭素、及び約10重量%~40重量%の水素を含む。或いは、複数の炭粒子215は、複数の炭粒子215の総重量を基準に約80重量%~95重量%の炭素、及び約5重量%~20重量%の水素を含む。
【0076】
他の実施形態において、複数の炭粒子215は、ハロゲン元素、窒素(N)、酸素(O)、硫黄(S)、リン(P)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、シリコン(Si)、鉄(Fe)、又はそれらの組み合わせを含む付加成分を更に含む。付加成分は、複数の炭粒子215を形成するために使用されるポリマーの構成元素に由来するものである。付加成分は、複数の炭粒子215の総重量を基準に約0重量%~10重量%の量で含まれる。一実施形態において、複数の炭粒子215は、ポリマーの熱分解産物からなる固相(solid phase)物質層を含む。固相物質層は、多孔性構造を有する。
【0077】
複数の炭粒子215の誘電率は、絶縁ライナー103の誘電率よりも更に小さい。一実施形態において、複数の炭粒子215の誘電率は、約1.1~3.5であるが、それに限定されるものではない。
【0078】
図4を参照して説明したように、集積回路素子200は、基板102を貫通するバックサイドパワー構造物PWS2を含み、バックサイドパワー構造物PWS2は、バックサイドパワーレールBPW、バックサイドパワーレールBPWの両側壁を覆う絶縁ライナー103、エアスペーサAG2、及びエアスペーサAG2内に分散された複数の炭粒子215を含む。このように、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間にエアスペーサAG2及び複数の炭粒子215が介在することで、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間の漏れ電流を抑制して、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間の短絡可能性を遮断することができる。また、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間にエアスペーサAG2及び複数の炭粒子215が介在することで、絶縁ライナー103の第2水平方向(Y方向)への厚さを減らし、これにより、集積回路素子200の集積度を向上させるのに有利な構造を提供することができる。
【0079】
図5は、本発明の一実施形態による集積回路素子300の第3例を説明するための断面図である。図5は、集積回路素子300のうち、図3Bにおいて「EX1」で表示した部分に対応する部分を拡大した断面構成を例示する。集積回路素子300は、図1に例示した複数のセルブロック12の一部を構成する。図5において、図2及び図3A図3Dと同じ参照符号は同一部材を示し、ここではそれらについての重複説明を省略する。
【0080】
図5を参照すると、集積回路素子300は、図2及び図3A図3Dを参照して説明した集積回路素子100と略同じ構成を有する。但し、集積回路素子300は、異なるバックサイドパワー構造物PWS3を含む。
【0081】
バックサイドパワー構造物PWS3は、図3B図3Dを参照してバックサイドパワー構造物PWSについて説明したものと略同じ構成を有する。但し、バックサイドパワー構造物PWS3は、バックサイドパワーレールBPW、及びバックサイドパワーレールBPWの両側壁を覆うエアスペーサAG3を含む。
【0082】
エアスペーサAG3において、基板102、バックサイドパワーレールBPW、素子分離膜112、及びバックサイド絶縁膜109が露出する。基板102及びバックサイドパワーレールBPWによってエアスペーサAG3の第2水平方向(Y方向)の幅が限定される。一実施形態において、エアスペーサAG3は、バックサイドパワーレールBPWの一側壁上で第2水平方向(Y方向)に約2nm~10nm、例えば約4nm~8nmの幅を有するが、それに限定されるものではない。素子分離膜112及びバックサイド絶縁膜109によってエアスペーサAG3の垂直方向(Z方向)の長さが限定される。
【0083】
図5を参照して説明したように、集積回路素子300は、基板102を貫通するバックサイドパワー構造物PWS3を含み、バックサイドパワー構造物PWS3は、バックサイドパワーレールBPWの両側壁を覆うエアスペーサAG3を含む。このように、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間にエアスペーサAG3が介在することで、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間の漏れ電流を抑制して、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間の短絡可能性を遮断することができる。また、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間にエアスペーサAG3が介在することで、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間の絶縁のための距離を減少させることができるため、集積回路素子300の集積度を向上させるのに有利な構造を提供することができる。
【0084】
図6は、本発明の一実施形態による集積回路素子400の第4例を説明するための断面図である。図6は、集積回路素子400のうち、図3Bにおいて「EX1」で表示した部分に対応する部分を拡大した断面構成を例示する。集積回路素子400は、図1に例示した複数のセルブロック12の一部を構成する。図6において、図2及び図3A図3Dと同じ参照符号は同一部材を示し、ここではそれらについての重複説明を省略する。
【0085】
図6を参照すると、集積回路素子400は、図2及び図3A図3Dを参照して説明した集積回路素子100と略同じ構成を有する。但し、集積回路素子400は、異なるバックサイドパワー構造物PWS4を含む。
【0086】
バックサイドパワー構造物PWS4は、図3B図3Dを参照してバックサイドパワー構造物PWSについて説明したものと略同じ構成を有する。但し、バックサイドパワー構造物PWS4は、バックサイドパワーレールBPW、バックサイドパワーレールBPWの両側壁を覆うエアスペーサAG4、及びエアスペーサAG4内に分散された複数の炭粒子415を含む。
【0087】
エアスペーサAG4に関する更に詳細な構成は、図5を参照してエアスペーサAG3について説明したものと略同一である。複数の炭粒子415に関する更に詳細な構成は、図4を参照して複数の炭粒子215について説明したものと略同一である。
【0088】
図6を参照して説明したように、集積回路素子300は基板102を貫通するバックサイドパワー構造物PWS4を含み、バックサイドパワー構造物PWS4は、バックサイドパワーレールBPWの両側壁を覆うエアスペーサAG4及びエアスペーサAG4内に分散された複数の炭粒子415を含む。従って、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間の漏れ電流を抑制して、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間の短絡可能性を遮断することができる。また、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間にエアスペーサAG4及び複数の炭粒子415が介在することで、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの絶縁のための距離を減少させることができるため、集積回路素子400の集積度を向上させるのに有利な構造を提供することができる。
【0089】
図7は、本発明の他の実施形態による集積回路素子500を説明するための断面図である。図7は、集積回路素子500のうち、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の断面構成を例示する。図7において、図2及び図3A図3Dと同じ参照符号は同一部材を示し、ここではそれらについての重複説明を省略する。集積回路素子500は、図1に例示した複数のセルブロック12の一部を構成する。
【0090】
図7を参照すると、集積回路素子500は、図2及び図3A図3Dを参照して説明した集積回路素子100と略同じ構成を有する。但し、集積回路素子500で複数のソース/ドレイン領域130のうち、ビアパワーレールVPRに連結されるソース/ドレイン領域130上には、ソース/ドレインコンタクトCA5が形成される。ソース/ドレインコンタクトCA5は、ビアパワーレールVPRに連結されるソース/ドレイン領域130とビアパワーレールVPRとの間に連結され、ソース/ドレイン領域130とビアパワーレールVPRとを互いに電気的に連結可能な構造にする。ソース/ドレインコンタクトCA5は、複数のソース/ドレイン領域130のうち、ビアパワーレールVPRに連結されない他のソース/ドレイン領域130上に形成されたソース/ドレインコンタクトCAよりも第2水平方向(Y方向)の幅が更に大きくなる。
【0091】
ソース/ドレインコンタクトCA5は、ソース/ドレイン領域130上に順に積層された導電性バリアパターン574及びコンタクトプラグ576を含む。導電性バリアパターン574は、金属シリサイド膜172に接する部分、及びビアパワーレールVPRに接する部分を含む。導電性バリアパターン574及びコンタクトプラグ576のそれぞれに関する更に詳細な構成は、図3A及び図3Bを参照して導電性バリアパターン174及びコンタクトプラグ176について説明したものと略同一である。
【0092】
ソース/ドレインビアコンタクトVAのうちから選択される1つのソース/ドレインビアコンタクトVAは、ソース/ドレインコンタクトCA5とパワー連結導電層PCLとの間に連結されてソース/ドレインコンタクトCA5が複数の上部配線層M1の上部に配置されたフロントサイド配線構造物FWSに電気的に連結可能に構成される。
【0093】
図8は、本発明の更に他の実施形態による集積回路素子600を説明するための断面図である。図8は、集積回路素子600のうち、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の断面構成を例示する。図8において、図2及び図3A図3Dと同じ参照符号は同一部材を示し、ここではそれらについての重複説明を省略する。集積回路素子600は、図1に例示した複数のセルブロック12の一部を構成する。
【0094】
図8を参照すると、集積回路素子600は、図2及び図3A図3Dを参照して説明した集積回路素子100と略同じ構成を有する。但し、集積回路素子600で、複数のソース/ドレインビアコンタクトVAは、ビアパワーレールVPRに連結されるパワー連結ビアPCVを含む。
【0095】
複数のソース/ドレイン領域130のうち、ビアパワーレールVPRに連結されるソース/ドレイン領域130上には、ソース/ドレインコンタクトCA及びパワー連結ビアPCVが順に積層される。ビアパワーレールVPRに連結されるソース/ドレイン領域130上に配置されたソース/ドレインコンタクトCAは、ビアパワーレールVPRに連結されないソース/ドレイン領域130上に配置されたソース/ドレインコンタクトCAと略同じ構成を有する。パワー連結ビアPCVは、複数のソース/ドレインビアコンタクトVAのうち、ビアパワーレールVPRに連結されない他のソース/ドレインビアコンタクトVAよりも第2水平方向(Y方向)の幅が更に大きくなる。パワー連結ビアPCVは、ビアパワーレールVPRに連結されない他のソース/ドレインビアコンタクトVAと同じ垂直レベルに配置され、他のソース/ドレインビアコンタクトVAと同じ物質からなる。
【0096】
パワー連結ビアPCVは、ビアパワーレールVPRに連結されるソース/ドレイン領域130上に配置されたソース/ドレインコンタクトCAとビアパワーレールVPRとの間に連結され、ソース/ドレイン領域130がソース/ドレインコンタクトCA及びパワー連結ビアPCVを介してビアパワーレールVPRに互いに電気的に連結可能な構造になる。
【0097】
パワー連結ビアPCVは、複数の上部配線層M1のうちから選択された1つの上部配線層M1に連結され、選択された1つの上部配線層M1を介して複数の上部配線層M1の上部に配置されるフロントサイド配線構造物FWSに電気的に連結可能に構成される。
【0098】
図7及び図8を参照して説明した集積回路素子(500、600)は、図2及び図3A図3Dを参照して説明した集積回路素子100についての説明と同様に基板102を貫通するバックサイドパワー構造物PWSを含み、バックサイドパワー構造物PWSは、バックサイドパワーレールBPW、バックサイドパワーレールBPWの両側壁を覆う絶縁ライナー103、及びエアスペーサAG1を含む。従って、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの間の漏れ電流を抑制して、基板102とバックサイドパワーレールBPWとの短絡可能性を遮断することができる。また、バックサイドパワー構造物PWSの第2水平方向(Y方向)におけるサイズを減少させ、集積回路素子100の集積度を向上させるのに有利な構造を提供することができる。
【0099】
次いで、本発明の実施形態による集積回路素子の一例の製造方法を説明する。
【0100】
図9図28は、本発明の一実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために工程順序によって示す断面図である。更に具体的に、図9図16図17B図18図19B図20図22図23B図24B図25B、及び図26図28は、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。図17A図19A図23A図24A、及び図25Aは、図2のX1-X1’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。図17C図19C図23C図24C、及び図25Cは、図2のY2-Y2’線断面に対応する部分の工程順序による断面構造の一例を示す断面図である。図9図28Dを参照して図2及び図3A図3Dに例示した集積回路素子100の製造方法を説明する。図9図28において、図2及び図3A図3Dと同じ参照符号は同一部材を示し、ここではそれらについての詳細な説明を省略する。
【0101】
図9を参照すると、基板102を準備し、基板102のフロントサイド面102Fから基板102の一部をエッチングして基板102に犠牲トレンチSLTを形成する。犠牲トレンチSLTの底面で基板102が露出する。犠牲トレンチSLTの側壁は、基板102のフロントサイド面120Fからバックサイド面102Bに近くなるにつれて、基板102のフロントサイド面120Fの鉛直方向に対して傾いた方向に延びる。第2水平方向(Y方向)への犠牲トレンチSLTの幅は、基板102のフロントサイド面120Fからバックサイド面102Bに近くなるにつれて、徐々に縮まる。犠牲トレンチSLTの底側の一部空間は、後続工程でバックサイドパワー構造物PWS(図3B図3D参照)が形成される空間を提供する。
【0102】
図10を参照すると、図9の結果物を洗浄した後、犠牲トレンチSLTが形成された基板102を覆うポリマーブラシ層(polymer brush layer)PBLを形成する。
【0103】
一実施形態において、ポリマーブラシ層PBLを形成するために次のような一連の工程を遂行する。先ず、アンカー基(anchoring group)を有するアンカーポリマーを含むポリマー組成物を犠牲トレンチSLTが形成された基板102上にコーティングしてポリマー組成物層PCを形成する。一実施形態において、ポリマー組成物層PCは、同一又は類似の分子量を有するアンカーポリマーのみを含むように形成される。例えば、ポリマー組成物層PCに含まれる全てのアンカーポリマーは、約2,000~500,000の範囲内で選択される数平均分子量(Mn)を有する。ポリマー組成物層PCに含まれるアンカーポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である多分散度(Mw/Mn)は、約1.5以下、例えば約1.0以下であるが、それに限定されるものではない。
【0104】
その後、ポリマー組成物層PCを熱処理してポリマー組成物層PCに隣接する基板102の表面上にアンカーポリマーがグラフトされるようにアンカーポリマーのアンカー基と基板102の表面との反応を誘導し、基板102上にポリマーブラシ層PBLを形成する。一実施形態において、基板102の洗浄後、基板102の表面に残ったヒドロキシ基とアンカーポリマーのアンカー基のヒドロキシ基との縮合反応(condensation reaction)によって、アンカーポリマーが基板102の表面にグラフトされる。ポリマーブラシ層PBLを形成するための熱処理は、約150℃~300℃の範囲内で約60秒~300秒間遂行されるが、それに限定されるものではない。一実施形態において、ポリマーブラシ層PBLは、第2水平方向(Y方向)に約2nm~10nm、例えば約4nm~8nmの幅を有するが、それに限定されるものではない。
【0105】
ポリマー組成物層PCに含まれるアンカーポリマーは、C-C30のモノマーに由来するビニル系ポリマーからなる。例えば、アンカーポリマーは、芳香族炭化水素系ポリマー、(メト)アクリル系ポリマー、ビニルピリジン系ポリマー、ビニルエステル系ポリマー、ビニルピロリドン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、又はそれらの組み合わせを含むコポリマーからなる。アンカーポリマーがコポリマーからなる場合、コポリマーは、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーである。
【0106】
芳香族炭化水素系ポリマーは、スチレン(styrene)、o-メチルスチレン(o-methylstyrene)、m-メチルスチレン(m-methylstyrene)、p-メチルスチレン(p-methylstyrene)のようなスチレンモノマーから誘導されるモノマーユニットを含む。
【0107】
(メト)アクリレート系ポリマーは、アルキル(メト)アクリレート系モノマー、ヒドロキシアルキル(メト)アクリレート系モノマー、オキシアルキル(メト)アクリレート系モノマー、アミノアルキル(メト)アクリレート系モノマー、フッ素原子含有単官能(メト)アクリレート系モノマー、(メト)アクリルアミド系モノマーなどから誘導されるモノマーユニットを含む。上記例示したモノマーにおいて、アルキル基は、C-C10アルキル基である。
【0108】
ビニルピリジン系ポリマーは、2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、4-ビニルピリジンのようなビニルピリジン系モノマー(vinylpyridine monomers)から誘導されるモノマーユニットを含む。
【0109】
ビニルエステル系ポリマーは、酢酸ビニル(vinyl acetate)から誘導されるモノマーユニットを含む。ビニルピロリドン系ポリマーは、N-ビニル-2-ピロリドン(N-vinyl-2-pyrrolidone)から誘導されるモノマーユニットを含む。
【0110】
オレフィン系ポリマーを構成するモノマーは、エチレン、ブタジエンなどのオレフィン系モノマーから誘導されるモノマーユニットを含む。
【0111】
例えば、アンカーポリマーは、ポリスチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メチルメタクリレート-ランダム-トリフルオロエチルメタクリレート)(P(MMA-r-TFEMA))、又はポリ(メチルメタクリレート-ランダム-ドデカフルオロヘプチルメタクリレート)(P(MMA-r-DFHMA))を含む。
【0112】
ポリマー組成物層PCに含まれるアンカーポリマーにおいて、アンカー基は、基板102上でポリマー組成物層PCに隣接する露出表面にアンカーポリマーを定着させる役割をする。一実施形態において、アンカー基は、置換若しくは非置換のヒドロキシ基(hydroxyl group)、チオール基(thiol group)、アジド基(azide group)、カルボン酸基(carboxylic acid group)、アミド基(amide group)、エポキシド基(epoxide group)、ビニル基(vinyl group)、又は卜リクロロシラン基(trichlorosilane group)を含む。例えば、アンカーポリマーは、ヒドロキシ基末端ポリスチレン、ヒドロキシ基末端ポリメチルメタクリレートなどのようにヒドロキシ基末端を有するポリマーからなる。
【0113】
図11を参照すると、図10の結果物において、ポリマー組成物層PCの未反応部分を、有機溶媒を用いて除去し、ポリマーブラシ層PBLを露出させる。
【0114】
有機溶媒として、PGMEA(propylene glycol monomethyl ester acetate)、PGME(propylene glycol monomethyl ester)、EEP(ethyl-3-ethoxy propionate)、EL(ethyl lactate)、HBM(methyl 2-hydroxybutyate)、GBL(gamma-butyro lactone)などを使用することができるが、それらに限定されるものではない。
【0115】
ポリマーブラシ層PBLは、基板102の表面に定着した複数のグラフトポリマーGPを含む。複数のグラフトポリマーGPのそれぞれの一端は基板102の表面に固定され、複数のグラフトポリマーGPのそれぞれの他端はどこにも固定されない自由端として構成される。図10に例示したポリマー組成物層PCに含まれる全てのアンカーポリマーとして同一又は類似の分子量を有するポリマーを使用することで、基板102の表面に定着した複数のグラフトポリマーGPのそれぞれの長さを略一定にすることができる。その結果、犠牲トレンチSLTの内部及び外部で露出する基板102の表面上で略均一な厚さを有するポリマーブラシ層PBLが得られる。
【0116】
図12を参照すると、ポリマーブラシ層PBL上に絶縁ライナー103を形成する。
【0117】
絶縁ライナー103は、ポリマーブラシ層PBLを略均一な厚さにコンフォーマルに覆うように形成される。絶縁ライナー103を形成するためにALD(atomic layer deposition)工程を利用する。絶縁ライナー103は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はそれらの組み合わせからなる。
【0118】
図13を参照すると、図12の結果物において、絶縁ライナー103上に残った犠牲トレンチSLTを満たすのに十分な厚さの犠牲膜を形成し、基板102のフロントサイド面102Fが露出するように基板102のフロントサイド面102F上にある不要な部分を除去する。その結果、犠牲膜のうち、絶縁ライナー103上で犠牲トレンチSLTを満たす部分からなる犠牲パターンSPが残る。
【0119】
犠牲パターンSPは、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、又はそれらの組み合わせからなる。一実施形態において、犠牲パターンSPは、絶縁ライナー103とは互いに異なるエッチング特性を有する物質からなる。一例において、絶縁ライナー103はシリコン酸化膜からなり、犠牲パターンSPはシリコン窒化膜からなる。他の例において、絶縁ライナー103はシリコン窒化膜からなり、犠牲パターンSPはシリコン酸化膜からなる。しかし、本発明は例示したものに限定されるものではなく、犠牲パターンSPの構成物質は、当該技術分野で使用される多様な物質から選択され得る。
【0120】
図14を参照すると、図13の結果物において、基板102のフロントサイド面102F及び犠牲パターンSP上に複数の犠牲半導体層104と複数のナノシート半導体層NSとを一層ずつ交互に積層する。
【0121】
複数の犠牲半導体層104と複数のナノシート半導体層NSとは、エッチング選択比が互いに異なる半導体材料からなる。一実施形態において、複数のナノシート半導体層NSはSi層からなり、複数の犠牲半導体層104はSiGe層からなる。一実施形態において、複数の犠牲半導体層104内で、Ge含量は一定している。複数の犠牲半導体層104を構成するSiGe層は、約5原子%~60原子%、例えば約10原子%~40原子%の範囲内で選択される一定したGe含量を有する。複数の犠牲半導体層104を構成するSiGe層内におけるGe含量は、必要に応じて多様に選択される。
【0122】
図15を参照すると、図14の結果物上にマスクパターンMPを形成した後、マスクパターンMPをエッチングマスクとして利用して複数の犠牲半導体層104、複数のナノシート半導体層NS、及び基板102の一部をエッチングして基板102に複数のフィン型活性領域F1を形成する。複数のフィン型活性領域F1によって基板102上に複数のトレンチ領域T1が定義される。一実施形態において、マスクパターンMPは、酸化膜パターン及びシリコン窒化膜パターンの積層構造からなる。マスクパターンMPは、基板102上で第1水平方向(X方向)に沿って互いに平行に延びる。複数のフィン型活性領域F1のそれぞれのフィン上面FT上には、複数の犠牲半導体層104及び複数のナノシート半導体層NSの積層構造が残る。
【0123】
複数のフィン型活性領域F1を形成するために、基板102の一部をエッチングする間に、基板102のフロントサイド面102Fに隣接する部分からポリマーブラシ層PBL、絶縁ライナー103、及び犠牲パターンSPのそれぞれの一部も共にエッチングされてポリマーブラシ層PBL、絶縁ライナー103、及び犠牲パターンSPのそれぞれの上面の垂直レベルが低くなる。ポリマーブラシ層PBL、絶縁ライナー103、及び犠牲パターンSPのそれぞれの上面は、トレンチ領域T1の一部を限定する。
【0124】
図16を参照すると、図15の結果物上に素子分離絶縁膜P112を形成する。素子分離絶縁膜P112は、複数のトレンチ領域T1を満たすのに十分な厚さに形成される。一実施形態において、素子分離絶縁膜P112は、シリコン酸化膜からなるが、それに限定されるものではない。
【0125】
素子分離絶縁膜P112を形成するために、PECVD(plasma enhanced chemical vapor deposition)、HDP CVD(high density plasma CVD)、ICP CVD(inductively coupled plasma CVD)、CCP CVD(capacitor coupled plasma CVD)、FCVD(flowable chemical vapor deposition)、スピンコーティング(spin coating)工程などを利用する。
【0126】
図17A図17B、及び図17Cを参照すると、図16の結果物を平坦化してマスクパターンMPの上面を露出させた後、露出したマスクパターンMPを除去し、素子分離絶縁膜P112の一部を除去するためのリセス(recess)工程を遂行し、素子分離絶縁膜P112の残りの部分からなる素子分離膜112を形成する。その結果、素子分離膜112の上面上で複数の犠牲半導体層104及び複数のナノシート半導体層NS(図16参照)が突出する。
【0127】
素子分離絶縁膜P112のリセス工程を遂行するために、乾式エッチング、湿式エッチング、又は乾式及び湿式を組み合わせたエッチング工程を利用する。この際、エッチング液としてNHOH、TMAH(tetramethyl ammonium hydroxide)、KOH(potassium hydroxide)などを利用する湿式エッチング工程、又はICP(inductively coupled plasma)、TCP(transformer coupled plasma)、ECR(electron cyclotron resonance)、RIE(reactive ion etch)のような乾式エッチング工程を利用する。乾式エッチング工程を利用して素子分離絶縁膜P112のリセス工程を遂行する場合、エッチングガスとしてCFのようなフッ素含有ガス、Clのような塩素含有ガス、HBrなどを利用する。
【0128】
次いで、複数の犠牲半導体層104及び複数のナノシート半導体層NSの積層構造上に複数のダミゲート構造物DGSを形成する。複数のダミゲート構造物DGSは、それぞれ第2水平方向(Y方向)に長く延びるように形成される。複数のダミゲート構造物DGSは、それぞれ酸化膜D122、ダミゲート層D124、及びキャッピング層D126が順に積層された構造を有する。一実施形態において、酸化膜D122は、複数の犠牲半導体層104及び複数のナノシート半導体層NS(図16参照)のそれぞれの表面を酸化させて得られた膜である。ダミゲート層D124はポリシリコンからなり、キャッピング層D126はシリコン窒化膜からなる。
【0129】
複数のダミゲート構造物DGSのそれぞれの両側壁を覆う複数の外側絶縁スペーサ118を形成した後、複数のダミゲート構造物DGS及び複数の外側絶縁スペーサ118をエッチングマスクとして利用して複数の犠牲半導体層104及び複数のナノシート半導体層NSのそれぞれの一部とフィン型活性領域F1の一部とをエッチングし、複数のナノシート半導体層NSを、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3をそれぞれ含む複数のナノシートスタックNSSに分割し、フィン型活性領域F1の上部に複数のリセスR1を形成する。複数のリセスR1を形成するために、乾式エッチング、湿式エッチング、又はそれらの組み合わせを用いてエッチングする。複数のリセスR1が形成された後、フィン型活性領域F1のそれぞれの両側で素子分離膜112上に複数のリセスR1に隣接して配置される複数のリセス側絶縁スペーサ119が形成される。
【0130】
図18を参照すると、図17A図17B、及び図17Cの結果物において、複数のリセスR1を満たす複数のソース/ドレイン領域130を形成する。
【0131】
複数のソース/ドレイン領域130を形成するために、複数のリセスR1の底面で露出するフィン型活性領域F1の表面と、ナノシートスタックNSSに含まれる第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3のそれぞれの側壁から半導体物質をエピタキシャル成長させる。
【0132】
図19A図19B、及び図19Cを参照すると、図18の結果物を覆う絶縁ライナー142を形成し、絶縁ライナー142上にゲート間絶縁膜144を形成した後、絶縁ライナー142及びゲート間絶縁膜144のそれぞれの一部をエッチングして複数のキャッピング層D126の上面を露出させる。その後、複数のキャッピング層D126を除去してダミゲート層D124を露出させ、ゲート間絶縁膜144の上面とダミゲート層D124の上面とが略同じレベルになるように絶縁ライナー142及びゲート間絶縁膜144を一部除去する。
【0133】
図20を参照すると、図19A図19B、及び図19Cの結果物から、ダミゲート層D124及びその下部の酸化膜D122を除去してゲート空間GSを設け、ゲート空間GSを介して複数のナノシートスタックNSSを露出させる。その後、フィン型活性領域F1上に残った複数の犠牲半導体層104を、ゲート空間GSを介して除去し、ゲート空間GSを第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3のそれぞれの間の空間と、第1ナノシートN1とフィン上面FTとの間の空間まで拡張する。一実施形態において、複数の犠牲半導体層104を選択的に除去するために、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3と複数の犠牲半導体層104とのエッチング選択比差を利用する。
【0134】
複数の犠牲半導体層104を選択的に除去するために、液相又は気相のエッチング液を使用する。一実施形態において、複数の犠牲半導体層104を選択的に除去するために、CHCOOH基盤のエッチング液、例えばCHCOOH、HNO、及びHFの混合物からなるエッチング液、又はCHCOOH、H、及びHFの混合物からなるエッチング液を利用するが、例示したものに限定されるものではない。
【0135】
図21を参照すると、図20の結果物において、第1ナノシートN1、第2ナノシートN2、及び第3ナノシートN3、及びフィン型活性領域F1のそれぞれの露出した表面を覆うゲート誘電膜152を形成する。ゲート誘電膜152を形成するために、ALD工程を利用する。
【0136】
図22を参照すると、ゲート誘電膜152上でゲート空間GS(図21参照)を満たしながらゲート間絶縁膜144の上面を覆うゲートライン160と、ゲート空間GSでゲートライン160及びゲート誘電膜152のそれぞれの上面を覆うキャッピング絶縁パターン168とを形成する。
【0137】
図23A図23B、及び図23Cを参照すると、図22の結果物において、絶縁ライナー142及びゲート間絶縁膜144を含む絶縁構造物を貫通してソース/ドレイン領域130を露出させるソース/ドレインコンタクトホールを形成した後、ソース/ドレインコンタクトホールを介してソース/ドレイン領域130の一部領域を異方性エッチング工程で除去してソース/ドレインコンタクトホールが基板102側に更に長く延びる。その後、ソース/ドレインコンタクトホールのボトム側で露出するソース/ドレイン領域130上に金属シリサイド膜172を形成する。一実施形態において、金属シリサイド膜172を形成するために、ソース/ドレイン領域130の露出表面をコンフォーマルに覆う金属ライナー(図示せず)を形成し、熱処理してソース/ドレイン領域130と金属ライナーを構成する金属との反応を誘導する工程を含む。金属シリサイド膜172が形成された後、金属ライナーの残留部分は除去される。金属シリサイド膜172の形成工程時、ソース/ドレイン領域130の一部が消耗する。一実施形態において、金属シリサイド膜172がチタンシリサイドからなる場合、金属ライナーはTi膜からなる。
【0138】
次いで、金属シリサイド膜172上に導電性バリアパターン174及びコンタクトプラグ176を含むソース/ドレインコンタクトCAを形成する。
【0139】
図24A図24B、及び図24Cを参照すると、図23A図23B、及び図23Cの結果物において、ゲート間絶縁膜144、複数のソース/ドレインコンタクトCA、及び複数のキャッピング絶縁パターン168のそれぞれの上面を覆うエッチング停止膜182及び層間絶縁膜184を順に形成して上部絶縁構造物180を形成する。
【0140】
その後、上部絶縁構造物180を垂直方向(Z方向)に貫通して複数のソース/ドレインコンタクトCAに連結される複数のソース/ドレインビアコンタクトVA、上部絶縁構造物180及びキャッピング絶縁パターン168を垂直方向(Z方向)に貫通してゲートライン160に連結されるゲートコンタクトCB、及びビアパワーレールVPR及び絶縁スペーサ190を含むビアパワーレール構造物を形成する。ソース/ドレインビアコンタクトVA、ゲートコンタクトCB、及びビアパワーレール構造物の形成順序は、特に制限されない。
【0141】
ビアパワーレール構造物を形成するために、上部絶縁構造物180、ゲート間絶縁膜144、絶縁ライナー142、ゲートライン160、ゲート誘電膜152、及び素子分離膜112を垂直方向(Z方向)に貫通する貫通ホールを形成する。この際、貫通ホールを形成するに当たって、犠牲パターンSPをエッチング終了点として設定することで、エッチング工程の完了時点を精密に制御することができる。引き続き、貫通ホール内に絶縁スペーサ190及びビアパワーレールVPRを順に形成する。
【0142】
図25A図25B、及び図25Cを参照すると、図24A図24B、及び図24Cの結果物において、上部絶縁構造物180を覆う上部絶縁膜192と、上部絶縁膜192を貫通してソース/ドレインビアコンタクトVA、ゲートコンタクトCB、及びビアパワーレールVPRに連結される複数の上部配線層M1とを形成する。複数の上部配線層M1は、ビアパワーレールVPR上でビアパワーレールVPRに連結されたパワー連結導電層PCLを含む。その後、上部絶縁膜192及び複数の上部配線層M1上にフロントサイド配線構造物FWSを形成する。
【0143】
次いで、基板102のバックサイド面102Bから犠牲パターンSPが露出するまで基板102の一部を除去する。このために、基板102の一部を除去してポリマーブラシ層PBLを露出させ、基板102を更に除去しつつ、露出したポリマーブラシ層PBLの一部を除去して絶縁ライナー103を露出させ、引き続き基板102を更に除去しつつ、露出した絶縁ライナー103の一部を除去して犠牲パターンSPを露出させる。犠牲パターンSPが露出するまで基板102を除去するために、機械的なグラインディング(grinding)工程、CMP(chemical mechanical polishing)工程、湿式エッチング工程、又はそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの工程を利用する。
【0144】
犠牲パターンSPが露出するまで基板102の一部を除去する工程で、犠牲パターンSP、絶縁ライナー103、及びポリマーブラシ層PBLのうちの少なくとも1つをエッチング終了点に設定することで、基板102の一部を除去する工程の完了時点を精密に制御することができる。犠牲パターンSPが露出するまで基板102を除去した結果物において、基板102のバックサイド面102Bは、垂直方向(Z方向)にフィン型活性領域F1に更に近くなる。
【0145】
図26を参照すると、図25A図25B、及び図25Cの結果物において、犠牲パターンSPをバックサイドパワーレールBPWで置換する。このために、犠牲パターンSPを選択的に除去した後、犠牲パターンSPが位置していた空間をバックサイドパワーレールBPWで満たす。
【0146】
図27を参照すると、図26の結果物において、ポリマーブラシ層PBLを除去して基板102と絶縁ライナー103との間にエアスペーサAG1を形成する。
【0147】
一実施形態において、ポリマーブラシ層PBLを除去するために、アッシング(ashing)工程及びストリップ(strip)工程を利用する。アッシング工程は通常のプラズマ工程に比べて低温で遂行される。従って、ポリマーブラシ層PBLをアッシング工程で除去することにより、ポリマーブラシ層PBL周辺で基板102上に残った構造物が比較的高温のプラズマ工程によって損傷することを防止することができる。
【0148】
図28を参照すると、図27の結果物において、基板102のバックサイド面102B下にバックサイド絶縁膜109を形成する。バックサイド絶縁膜109は、基板102のバックサイド面102B、バックサイドパワーレールBPW、及び絶縁ライナー103を覆い、エアスペーサAG1の垂直方向(Z方向)の長さを限定するように形成される。
【0149】
その後、図3A図3Cに例示したように、バックサイド絶縁膜109下にバックサイド配線構造物BWSを形成して集積回路素子100を製造する。
【0150】
図29図33は、本発明の他の実施形態による集積回路素子の製造方法を説明するために、工程順序によって示す断面図である。図29図33は、図2のY1-Y1’線断面に対応する部分の工程順序による一例の断面構造を例示する。図29図33を参照して、図2及び図3A図3Dに例示した集積回路素子100の他の例示的な製造方法を説明する。図29図33において、図2図3A図3D、及び図9図28と同じ参照符号は同一部材を示し、ここではそれらについての詳細な説明を省略する。
【0151】
図29を参照すると、基板102を準備し、図14を参照して説明したものと同様の方法で、基板102のフロントサイド面102F上に複数の犠牲半導体層104と複数のナノシート半導体層NSとを一層ずつ交互に積層する。
【0152】
図30を参照すると、図15の説明と同様の方法によって、図29の結果物上にマスクパターンMPを形成し、マスクパターンMPをエッチングマスクとして利用して複数の犠牲半導体層104、複数のナノシート半導体層NS、及び基板102の一部をエッチングして基板102に複数のフィン型活性領域F1を形成して基板102上に複数のトレンチ領域T1を定義する。
【0153】
次いで、基板102上に複数のフィン型活性領域F1を覆って基板102の一部領域を露出させるマスクパターンMP2を形成し、マスクパターンMP2をエッチングマスクとして利用して基板102の露出した部分をエッチングして基板102に犠牲トレンチSLT2を形成する。一実施形態において、マスクパターンMP2は、フォトレジストパターン又はSOH(spin on hardmask)パターンからなるが、それらに限定されるものではない。
【0154】
図31を参照すると、図10及び図11を参照して説明したものと同様の工程を遂行し、図30の結果物において、露出した表面上にポリマーブラシ層PBLを形成する。
【0155】
図32を参照すると、図31の結果物について図12を参照して説明したものと同様の工程を遂行し、ポリマーブラシ層PBL上に絶縁ライナー103を形成する。
【0156】
図33を参照すると、図32の結果物において、絶縁ライナー103上に残った犠牲トレンチSLT2を満たすのに十分な厚さの犠牲膜を形成し、犠牲膜、絶縁ライナー103、及びポリマーブラシ層PBLが犠牲トレンチSLT2内にのみ残るように犠牲膜、絶縁ライナー103、及びポリマーブラシ層PBLのそれぞれの一部をエチバック工程によって除去する。
【0157】
その後、マスクパターンMP2を除去し、図16図28を参照して説明した工程を遂行して集積回路素子100を製造する。
【0158】
以上、図8図33を参照して、図2及び図3A図3Dに例示した集積回路素子100の例示的な製造方法を説明したが、図8図33を参照して説明したものから、本発明の範囲内で多様な変形及び変更を加え、図4図8に例示した集積回路素子(200、300、400、500、600)、及びそれらから変形及び変更された多様な構造を有する集積回路素子の製造が可能であるということを、当業者であれば容易に理解するであろう。
【0159】
例えば、図4に例示した集積回路素子200を製造するために、図9図28を参照して説明したものと同様の工程を遂行する。但し、図27を参照して説明した工程において、ポリマーブラシ層PBLを除去するためにアッシング工程を遂行した後、アッシングされたポリマーブラシ層PBLの一部のみを除去する。その結果、ポリマーブラシ層PBLが位置していた領域は、エアスペーサAG2として残り、エアスペーサAG2内にアッシングされたポリマーブラシ層PBLの残りの部分からなる複数の炭粒子215が分散された結果物が得られる。その後、図28を参照して説明した工程を遂行する。
【0160】
図5に例示した集積回路素子300を製造するために、図9図28を参照して説明したものと同様の工程を遂行する。但し、図27を参照して説明した工程で、ポリマーブラシ層PBLを除去してエアスペーサAG1を形成する工程の前又は後に、絶縁ライナー103を除去する工程を更に遂行する。その結果、第2水平方向(Y方向)でエアスペーサAG1よりも拡張された幅を有するエアスペーサAG3を形成する。その後、図28を参照して説明した工程を遂行する。
【0161】
図6に例示した集積回路素子400を製造するために、図9図28を参照して説明したものと同様の工程を遂行する。但し、図27を参照して説明した工程でポリマーブラシ層PBLを除去してエアスペーサAG1を形成する工程の前に、絶縁ライナー103を除去する工程を更に遂行する。その後、図27を参照して説明したものと同様の方法でポリマーブラシ層PBLを除去する。但し、ポリマーブラシ層PBLを除去するためにアッシング工程を遂行した後、アッシングされたポリマーブラシ層PBLの一部のみを除去する。その結果、ポリマーブラシ層PBL及び絶縁ライナー103が位置していた領域は、エアスペーサAG4として残り、エアスペーサAG4内にアッシングされたポリマーブラシ層PBLの残りの部分からなる複数の炭粒子415が分散された結果物が得られる。その後、図28を参照して説明した工程を遂行する。
【0162】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0163】
10、100、200、300、400、500、600 集積回路素子
12 セルブロック
102 基板
102B バックサイド面
102F フロントサイド面
103 絶縁ライナー
104 犠牲半導体層
109 バックサイド絶縁膜
112 素子分離膜
118 外側絶縁スペーサ
119 リセス側絶縁スペーサ
130 ソース/ドレイン領域
142 絶縁ライナー
144 ゲート間絶縁膜
152 ゲート誘電膜
160 ゲートライン
160M メインゲート部分
160S サブゲート部分
168 キャッピング絶縁パターン
172 金属シリサイド膜
174、574 導電性バリアパターン
176、576 コンタクトプラグ
180 上部絶縁構造物
182 エッチング停止膜
184、194、196 層間絶縁膜
190 絶縁スペーサ
192 上部絶縁膜
215、415 炭粒子(char particles)
AG1、AG2、AG3、AG4 エアスペーサ
BPW バックサイドパワーレール
BWS バックサイド配線構造物
CA、CA5 ソース/ドレインコンタクト
CB ゲートコンタクト
CBC セル相接部
CBD セルバウンダリ
CT1、CT2 ビアコンタクト
D122 酸化膜
D124 ダミゲート層
D126 キャッピング層
DGS ダミゲート構造物
F1 フィン型活性領域
FT フィン上面
FWS フロントサイド配線構造物
GP グラフトポリマー
GS ゲート空間
LC ロジックセル
LC_H 上部ロジックセル
LC_L 下部ロジックセル
LC_R 基準ロジックセル
M1 上部配線層
MN1、MN2 配線層
MP、MP2 マスクパターン
N1~N3 第1~第3ナノシート
NS ナノシート半導体層
NSS ナノシートスタック
P112 素子分離絶縁膜
PBL ポリマーブラシ層
PC ポリマー組成物層
PCL パワー連結導電層
PCV パワー連結ビア
PWS、PWS2、PWS3、PWS4 バックサイドパワー構造物
R1~R6 第1~第6行
R1 リセス
S1 内部側壁
SLT、SLT2 犠牲トレンチ
SP 犠牲パターン
T1 トレンチ領域
THR 貫通領域
VA ソース/ドレインビアコンタクト
VDD 電源ライン
VPR ビアパワーレール
VSS 接地ライン
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18
図19A
図19B
図19C
図20
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図24A
図24B
図24C
図25A
図25B
図25C
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33