IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トータルフューチャーヘルスケア株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-健康管理システム及び健康管理方法 図1
  • 特開-健康管理システム及び健康管理方法 図2
  • 特開-健康管理システム及び健康管理方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094291
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】健康管理システム及び健康管理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240702BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】65
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023217899
(22)【出願日】2023-12-25
(31)【優先権主張番号】P 2022210497
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523378941
【氏名又は名称】トータルフューチャーヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 経世
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】対象の疾患発症リスクを算出可能な健康管理システムを提供する。
【解決手段】
実施形態に係る健康管理システム10は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・に接続される。複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれは、対象のバイタルデータを取得し、バイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの一次算出値を算出する。健康管理システム10は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・が取得した対象の複数のバイタルデータに基づき、複数のバイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出する疾患発症リスク二次算出部11を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の疾患発症リスク一次算出部に接続される健康管理システムであって、
前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、対象のバイタルデータを取得し、前記バイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて、前記対象の疾患発症リスクの一次算出値を算出し、
当該健康管理システムが、前記複数の疾患発症リスク一次算出部が取得した前記対象の複数のバイタルデータに基づき、前記複数のバイタルデータと前記疾患発症リスクの相関関係を用いて、前記対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出する疾患発症リスク二次算出部を備える、健康管理システム。
【請求項2】
前記算出された疾患発症リスクの二次算出値に基づき、前記対象が疾患発症リスクを有すると判定された場合、前記対象に医療機関で診断を受けることを推奨する診断推奨部をさらに備える、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項3】
前記対象が医療機関で診断を受けた際の診断結果を取得する診断結果取得部をさらに備える、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項4】
前記診断結果と、前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが算出した前記疾患発症リスクの一次算出値と、を比較し、前記疾患発症リスクの一次算出値が前記診断結果に近づくように、前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた前記相関関係を修正する修正部をさらに備える、請求項3に記載の健康管理システム。
【請求項5】
前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、前記バイタルデータと、閾値と、に基づいて、前記疾患発症リスクの一次算出値を算出する、請求項4に記載の健康管理システム。
【請求項6】
前記修正部が、前記診断結果に基づいて、前記閾値を修正する、請求項5に記載の健康管理システム。
【請求項7】
前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、前記バイタルデータの変化率と疾患発症リスクの相関関係を用いて、前記疾患発症リスクの一次算出値を算出する、請求項4に記載の健康管理システム。
【請求項8】
前記修正部が、前記診断結果に基づいて、前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた前記相関関係を修正する、請求項7に記載の健康管理システム。
【請求項9】
前記診断結果と、前記疾患発症リスク二次算出部が算出した前記疾患発症リスクの二次算出値と、を比較し、前記疾患発症リスクの二次算出値が前記診断結果に近づくように、前記疾患発症リスク二次算出部が用いた前記相関関係を修正する修正部をさらに備える、請求項3に記載の健康管理システム。
【請求項10】
前記疾患発症リスク二次算出部が、前記複数のバイタルデータと、閾値と、に基づいて、前記疾患発症リスクの二次算出値を算出する、請求項9に記載の健康管理システム。
【請求項11】
前記修正部が、前記診断結果に基づいて、前記閾値を修正する、請求項10に記載の健康管理システム。
【請求項12】
前記疾患発症リスク二次算出部が、前記複数のバイタルデータの変化率と疾患発症リスクの相関関係を用いて、前記疾患発症リスクの二次算出値を算出する、請求項9に記載の健康管理システム。
【請求項13】
前記修正部が、前記診断結果に基づいて、前記疾患発症リスク二次算出部が用いた前記相関関係を修正する、請求項12に記載の健康管理システム。
【請求項14】
前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた前記相関関係が前記対象に関連付けられている、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項15】
前記疾患発症リスク二次算出部が用いた前記相関関係が前記対象に関連付けられている、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項16】
前記疾患発症リスク二次算出部が、前記対象から自覚症状の入力を受け付け、前記複数のバイタルデータと前記自覚症状と前記疾患発症リスクの相関関係を用いて、前記対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出する、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項17】
前記複数のバイタルデータと前記疾患発症リスクとの相関関係を保存する相関関係記憶部をさらに備え、前記疾患発症リスク二次算出部が、前記相関関係記憶部にアクセスして前記疾患発症リスクの二次算出値を算出する、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項18】
複数の疾患発症リスク一次算出部が、それぞれ、複数のバイタルデータ取得装置に含まれる、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項19】
前記複数のバイタルデータ取得装置が、前記対象が存在する建物に配置される、請求項18に記載の健康管理システム。
【請求項20】
前記複数のバイタルデータ取得装置が、前記対象に装着される、請求項18に記載の健康管理システム。
【請求項21】
前記対象が人又は動物である、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項22】
前記疾患発症リスクの一次算出値における疾患の種類と、前記疾患発症リスクの二次算出値における疾患の種類と、が同じである、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項23】
前記疾患発症リスクの一次算出値における疾患の種類と、前記疾患発症リスクの二次算出値における疾患の種類と、が異なる、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項24】
前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれから前記バイタルデータを受信し、前記バイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、同一の疾患発症リスク一次算出部が過去に取得したバイタルデータに基づき補正するバイタルデータ補正部をさらに備える、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項25】
前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれから前記バイタルデータを受信し、前記複数の疾患発症リスク一次算出部のうちの一つの疾患発症リスク一次算出部における前記バイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、別の疾患発症リスク一次算出部が同時に取得したバイタルデータに基づき補正するバイタルデータ補正部をさらに備える、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項26】
前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれから前記バイタルデータを受信し、受信した前記バイタルデータに基づき、種類の異なるバイタルデータを推定する推定部をさらに備える、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項27】
前記バイタルデータが、前記対象の性別、年齢、身長、及び体重の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項28】
前記バイタルデータが、前記対象の既往歴及び家族歴の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項29】
前記バイタルデータが、前記対象の心拍、呼吸、体動、体温、周辺温度、及び周辺湿度の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項30】
前記バイタルデータが、前記対象の血圧、生化学検査結果、及び血液学検査結果の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項31】
前記バイタルデータが、前記対象の摂取物を含む、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項32】
前記バイタルデータが、前記対象が受けた治療及び医薬品の投与歴を含む、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項33】
前記バイタルデータが、前記対象の遺伝情報を含む、請求項1に記載の健康管理システム。
【請求項34】
複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、対象のバイタルデータを取得し、前記バイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて算出した、前記対象の疾患発症リスクの一次算出値を健康管理システムが取得することと、
前記健康管理システムが、前記複数の疾患発症リスク一次算出部が取得した前記対象の複数のバイタルデータに基づき、前記複数のバイタルデータと前記疾患発症リスクの相関関係を用いて、前記対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出することと、
を含む、健康管理方法。
【請求項35】
前記健康管理システムが、前記算出された疾患発症リスクの二次算出値に基づき、前記対象が疾患発症リスクを有すると判定された場合、前記対象に医療機関で診断を受けることを推奨することをさらに含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項36】
前記健康管理システムが、前記対象が医療機関で診断を受けた際の診断結果を取得することをさらに含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項37】
前記健康管理システムが、前記診断結果と、前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが算出した前記疾患発症リスクの一次算出値と、を比較し、前記疾患発症リスクの一次算出値が前記診断結果に近づくように、前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた前記相関関係を修正することをさらに含む、請求項36に記載の健康管理方法。
【請求項38】
前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、前記バイタルデータと、閾値と、に基づいて、前記疾患発症リスクの一次算出値を算出する、請求項37に記載の健康管理方法。
【請求項39】
前記修正することにおいて、前記診断結果に基づいて、前記閾値を修正する、請求項38に記載の健康管理方法。
【請求項40】
前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、前記バイタルデータの変化率と疾患発症リスクの相関関係を用いて、前記疾患発症リスクの一次算出値を算出する、請求項37に記載の健康管理方法。
【請求項41】
前記修正することにおいて、前記診断結果に基づいて、前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた前記相関関係を修正する、請求項40に記載の健康管理方法。
【請求項42】
前記健康管理システムが、前記診断結果と、前記疾患発症リスクの二次算出値と、を比較し、前記疾患発症リスクの二次算出値が前記診断結果に近づくように、前記疾患発症リスクの二次算出値の算出に用いた前記相関関係を修正することをさらに含む、請求項36に記載の健康管理方法。
【請求項43】
前記疾患発症リスクの二次算出値が、前記複数のバイタルデータと、閾値と、に基づいて算出される、請求項42に記載の健康管理方法。
【請求項44】
前記修正することが、前記診断結果に基づいて、前記閾値を修正する、請求項43に記載の健康管理方法。
【請求項45】
前記疾患発症リスクの二次算出値が、前記複数のバイタルデータの変化率と疾患発症リスクの相関関係を用い算出される、請求項42に記載の健康管理方法。
【請求項46】
前記修正することにおいて、前記診断結果に基づいて、前記疾患発症リスクの二次算出値の算出に用いた前記相関関係を修正する、請求項45に記載の健康管理方法。
【請求項47】
前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた前記相関関係が前記対象に関連付けられている、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項48】
前記疾患発症リスクの二次算出値の算出が用いた前記相関関係が前記対象に関連付けられている、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項49】
前記健康管理システムが、前記対象から自覚症状の入力を受け付け、前記複数のバイタルデータと前記自覚症状と前記疾患発症リスクの相関関係を用いて、前記対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出する、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項50】
複数の疾患発症リスク一次算出部が、それぞれ、複数のバイタルデータ取得装置に含まれる、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項51】
前記複数のバイタルデータ取得装置が、前記対象が存在する建物に配置される、請求項50に記載の健康管理方法。
【請求項52】
前記複数のバイタルデータ取得装置が、前記対象に装着される、請求項50に記載の健康管理方法。
【請求項53】
前記対象が人又は動物である、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項54】
前記疾患発症リスクの一次算出値における疾患の種類と、前記疾患発症リスクの二次算出値における疾患の種類と、が同じである、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項55】
前記疾患発症リスクの一次算出値における疾患の種類と、前記疾患発症リスクの二次算出値における疾患の種類と、が異なる、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項56】
前記健康管理システムが、前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれから前記バイタルデータを受信し、前記バイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、同一の疾患発症リスク一次算出部が過去に取得したバイタルデータに基づき補正することをさらに含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項57】
前記健康管理システムが、前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれから前記バイタルデータを受信し、前記複数の疾患発症リスク一次算出部のうちの一つの疾患発症リスク一次算出部における前記バイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、別の疾患発症リスク一次算出部が同時に取得したバイタルデータに基づき補正することをさらに含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項58】
前記健康管理システムが、前記複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれから前記バイタルデータを受信し、受信した前記バイタルデータに基づき、種類の異なるバイタルデータを推定することをさらに含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項59】
前記バイタルデータが、前記対象の性別、年齢、身長、及び体重の少なくとも一つを含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項60】
前記バイタルデータが、前記対象の既往歴及び家族歴の少なくとも一つを含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項61】
前記バイタルデータが、前記対象の心拍、呼吸、体動、体温、周辺温度、及び周辺湿度の少なくとも一つを含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項62】
前記バイタルデータが、前記対象の血圧、生化学検査結果、及び血液学検査結果の少なくとも一つを含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項63】
前記バイタルデータが、前記対象の摂取物を含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項64】
前記バイタルデータが、前記対象が受けた治療及び医薬品の投与歴を含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【請求項65】
前記バイタルデータが、前記対象の遺伝情報を含む、請求項34に記載の健康管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は健康管理システム及び健康管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人又は動物のバイタルデータを測定することが提案されている(例えば、特許文献1から7参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6203765号公報
【特許文献2】特許第6217787号公報
【特許文献3】特許第6288485号公報
【特許文献4】特許第6342095号公報
【特許文献5】特許第6566241号公報
【特許文献6】特許第6577761号公報
【特許文献7】特許第7168270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、対象の疾患発症リスクを算出可能な健康管理システム及び健康管理方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る健康管理システムは、複数の疾患発症リスク一次算出部に接続される健康管理システムであって、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、対象のバイタルデータを取得し、バイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの一次算出値を算出し、当該健康管理システムが、複数の疾患発症リスク一次算出部が取得した対象の複数のバイタルデータに基づき、複数のバイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出する疾患発症リスク二次算出部を備える。
【0006】
実施形態に係る健康管理システムが、算出された疾患発症リスクの二次算出値に基づき、対象が疾患発症リスクを有すると判定された場合、対象に医療機関で診断を受けることを推奨する診断推奨部をさらに備えていてもよい。
【0007】
実施形態に係る健康管理システムが、対象が医療機関で診断を受けた際の診断結果を取得する診断結果取得部をさらに備えていてもよい。
【0008】
実施形態に係る健康管理システムが、診断結果と、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが算出した疾患発症リスクの一次算出値と、を比較し、疾患発症リスクの一次算出値が診断結果に近づくように、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた相関関係を修正する修正部をさらに備えていてもよい。
【0009】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、バイタルデータと、閾値と、に基づいて、疾患発症リスクの一次算出値を算出してもよい。
【0010】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、修正部が、診断結果に基づいて、閾値を修正してもよい。
【0011】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、バイタルデータの変化率と疾患発症リスクの相関関係を用いて、疾患発症リスクの一次算出値を算出してもよい。
【0012】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、修正部が、診断結果に基づいて、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた相関関係を修正してもよい。
【0013】
実施形態に係る健康管理システムが、診断結果と、疾患発症リスク二次算出部が算出した疾患発症リスクの二次算出値と、を比較し、疾患発症リスクの二次算出値が診断結果に近づくように、疾患発症リスク二次算出部が用いた相関関係を修正する修正部をさらに備えていてもよい。
【0014】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、疾患発症リスク二次算出部が、複数のバイタルデータと、閾値と、に基づいて、疾患発症リスクの二次算出値を算出してもよい。
【0015】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、修正部が、診断結果に基づいて、閾値を修正してもよい。
【0016】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、疾患発症リスク二次算出部が、複数のバイタルデータの変化率と疾患発症リスクの相関関係を用いて、疾患発症リスクの二次算出値を算出してもよい。
【0017】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、修正部が、診断結果に基づいて、疾患発症リスク二次算出部が用いた相関関係を修正してもよい。
【0018】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた相関関係が対象に関連付けられていてもよい。
【0019】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、疾患発症リスク二次算出部が用いた相関関係が対象に関連付けられていてもよい。
【0020】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、疾患発症リスク二次算出部が、対象から自覚症状の入力を受け付け、複数のバイタルデータと自覚症状と疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出してもよい。
【0021】
実施形態に係る健康管理システムが、複数のバイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係を保存する相関関係記憶部をさらに備え、疾患発症リスク二次算出部が、相関関係記憶部にアクセスして疾患発症リスクの二次算出値を算出してもよい。
【0022】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、複数の疾患発症リスク一次算出部が、それぞれ、複数のバイタルデータ取得装置に含まれていてもよい。
【0023】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、複数のバイタルデータ取得装置が、対象が存在する建物に配置されていてもよい。
【0024】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、複数のバイタルデータ取得装置が、対象に装着されていてもよい。
【0025】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、対象が人又は動物であってもよい。
【0026】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、疾患発症リスクの一次算出値における疾患の種類と、疾患発症リスクの二次算出値における疾患の種類と、が同じであってもよい。
【0027】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、疾患発症リスクの一次算出値における疾患の種類と、疾患発症リスクの二次算出値における疾患の種類と、が異なっていてもよい。
【0028】
実施形態に係る健康管理システムが、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれからバイタルデータを受信し、バイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、同一の疾患発症リスク一次算出部が過去に取得したバイタルデータに基づき補正するバイタルデータ補正部をさらに備えていてもよい。
【0029】
実施形態に係る健康管理システムが、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれからバイタルデータを受信し、複数の疾患発症リスク一次算出部のうちの一つの疾患発症リスク一次算出部におけるバイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、別の疾患発症リスク一次算出部が同時に取得したバイタルデータに基づき補正するバイタルデータ補正部をさらに備えていてもよい。
【0030】
実施形態に係る健康管理システムが、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれからバイタルデータを受信し、受信したバイタルデータに基づき、種類の異なるバイタルデータを推定する推定部をさらに備えていてもよい。
【0031】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、バイタルデータが、対象の性別、年齢、身長、及び体重の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0032】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、バイタルデータが、対象の既往歴及び家族歴の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0033】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、バイタルデータが、対象の心拍、呼吸、体動、体温、周辺温度、及び周辺湿度の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0034】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、バイタルデータが、対象の血圧、生化学検査結果、及び血液学検査結果の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0035】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、バイタルデータが、対象の摂取物を含んでいてもよい。
【0036】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、バイタルデータが、対象が受けた治療及び医薬品の投与歴を含んでいてもよい。
【0037】
実施形態に係る健康管理システムにおいて、バイタルデータが、対象の遺伝情報を含んでいてもよい。
【0038】
実施形態に係る健康管理方法は、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、対象のバイタルデータを取得し、バイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて算出した、対象の疾患発症リスクの一次算出値を健康管理システムが取得することと、健康管理システムが、複数の疾患発症リスク一次算出部が取得した対象の複数のバイタルデータに基づき、複数のバイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出することと、を含む。
【0039】
実施形態に係る健康管理方法が、健康管理システムが、算出された疾患発症リスクの二次算出値に基づき、対象が疾患発症リスクを有すると判定された場合、対象に医療機関で診断を受けることを推奨することをさらに含んでいてもよい。
【0040】
実施形態に係る健康管理方法が、健康管理システムが、対象が医療機関で診断を受けた際の診断結果を取得することをさらに含んでいてもよい。
【0041】
実施形態に係る健康管理方法が、健康管理システムが、診断結果と、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが算出した疾患発症リスクの一次算出値と、を比較し、疾患発症リスクの一次算出値が診断結果に近づくように、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた相関関係を修正することをさらに含んでいてもよい。
【0042】
実施形態に係る健康管理方法において、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、バイタルデータと、閾値と、に基づいて、疾患発症リスクの一次算出値を算出してもよい。
【0043】
実施形態に係る健康管理方法において、修正することにおいて、診断結果に基づいて、閾値を修正してもよい。
【0044】
実施形態に係る健康管理方法において、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが、バイタルデータの変化率と疾患発症リスクの相関関係を用いて、疾患発症リスクの一次算出値を算出してもよい。
【0045】
実施形態に係る健康管理方法において、修正することにおいて、診断結果に基づいて、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた相関関係を修正してもよい。
【0046】
実施形態に係る健康管理方法が、健康管理システムが、診断結果と、疾患発症リスクの二次算出値と、を比較し、疾患発症リスクの二次算出値が診断結果に近づくように、疾患発症リスクの二次算出値の算出に用いた相関関係を修正することをさらに含んでいてもよい。
【0047】
実施形態に係る健康管理方法において、疾患発症リスクの二次算出値が、複数のバイタルデータと、閾値と、に基づいて算出されてもよい。
【0048】
実施形態に係る健康管理方法において、修正することが、診断結果に基づいて、閾値を修正することであってもよい。
【0049】
実施形態に係る健康管理方法において、疾患発症リスクの二次算出値が、複数のバイタルデータの変化率と疾患発症リスクの相関関係を用い算出されてもよい。
【0050】
実施形態に係る健康管理方法において、修正することにおいて、診断結果に基づいて、疾患発症リスクの二次算出値の算出に用いた相関関係を修正してもよい。
【0051】
実施形態に係る健康管理方法において、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれが用いた相関関係が対象に関連付けられていてもよい。
【0052】
実施形態に係る健康管理方法において、疾患発症リスクの二次算出値の算出が用いた相関関係が対象に関連付けられていてもよい。
【0053】
実施形態に係る健康管理方法において、健康管理システムが、対象から自覚症状の入力を受け付け、複数のバイタルデータと自覚症状と疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出してもよい。
【0054】
実施形態に係る健康管理方法において、複数の疾患発症リスク一次算出部が、それぞれ、複数のバイタルデータ取得装置に含まれていてもよい。
【0055】
実施形態に係る健康管理方法において、複数のバイタルデータ取得装置が、対象が存在する建物に配置されていてもよい。
【0056】
実施形態に係る健康管理方法において、複数のバイタルデータ取得装置が、対象に装着されていてもよい。
【0057】
実施形態に係る健康管理方法において、対象が人又は動物であってもよい。
【0058】
実施形態に係る健康管理方法において、疾患発症リスクの一次算出値における疾患の種類と、疾患発症リスクの二次算出値における疾患の種類と、が同じであってもよい。
【0059】
実施形態に係る健康管理方法において、疾患発症リスクの一次算出値における疾患の種類と、疾患発症リスクの二次算出値における疾患の種類と、が異なっていてもよい。
【0060】
実施形態に係る健康管理方法が、健康管理システムが、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれからバイタルデータを受信し、バイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、同一の疾患発症リスク一次算出部が過去に取得したバイタルデータに基づき補正することをさらに含んでいてもよい。
【0061】
実施形態に係る健康管理方法が、健康管理システムが、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれからバイタルデータを受信し、複数の疾患発症リスク一次算出部のうちの一つの疾患発症リスク一次算出部におけるバイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、別の疾患発症リスク一次算出部が同時に取得したバイタルデータに基づき補正することをさらに含んでいてもよい。
【0062】
実施形態に係る健康管理方法が、健康管理システムが、複数の疾患発症リスク一次算出部のそれぞれからバイタルデータを受信し、受信したバイタルデータに基づき、種類の異なるバイタルデータを推定することをさらに含んでいてもよい。
【0063】
実施形態に係る健康管理方法において、バイタルデータが、対象の性別、年齢、身長、及び体重の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0064】
実施形態に係る健康管理方法において、バイタルデータが、対象の既往歴及び家族歴の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0065】
実施形態に係る健康管理方法において、バイタルデータが、対象の心拍、呼吸、体動、体温、周辺温度、及び周辺湿度の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0066】
実施形態に係る健康管理方法において、バイタルデータが、対象の血圧、生化学検査結果、及び血液学検査結果の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0067】
実施形態に係る健康管理方法において、バイタルデータが、対象の摂取物を含んでいてもよい。
【0068】
実施形態に係る健康管理方法において、バイタルデータが、対象が受けた治療及び医薬品の投与歴を含んでいてもよい。
【0069】
実施形態に係る健康管理方法において、バイタルデータが、対象の遺伝情報を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0070】
本発明によれば、対象の疾患発症リスクを算出可能な健康管理システム及び健康管理方法を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】実施形態に係る健康管理システムを示す模式図である。
図2】実施形態に係る健康管理システムを示すフローチャートである。
図3】実施形態に係る健康管理システムを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1に示すように、実施形態に係る健康管理システム10は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・に接続される。複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれは、対象のバイタルデータを取得し、バイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの一次算出値を算出する。健康管理システム10は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・が取得した対象の複数のバイタルデータに基づき、複数のバイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出する疾患発症リスク二次算出部11を備える。
【0073】
対象は、人又は動物である。健康管理システム10は、コンピューターシステムであってもよい。
【0074】
バイタルデータとは、人又は動物の生存に関するあらゆるデータであり、特に限定されない。バイタルデータの例としては、人又は動物の性別、年齢、身長、体重、及び妊娠の有無が挙げられる。また、バイタルデータの例としては、人又は動物の既往歴及び家族歴が挙げられる。ここで、既往歴とは、人又は動物の病歴であり、家族歴とは、管理対象の人又は動物の家族の病歴である。家族歴とは、例えば、人又は動物の親、兄弟、子供、及び親類の病歴である。管理対象の人又は動物が血縁関係のある複数の人又は動物である場合、ある者の既往歴を、当該ある者と血縁関係のある者の家族歴として自動的に取得してもよい。また、バイタルデータの例としては、人又は動物が受けた治療及び医薬品の投与歴が挙げられる。
【0075】
また、バイタルデータの例としては、人又は動物の心拍、呼吸、活動量、体温、周辺温度、及び周辺湿度が挙げられる。活動量の例としては体動が挙げられる。体動の例としては、歩数、移動距離、及び移動速度が挙げられる。体動は、人又は動物の体の一部の動きであってもよい。また、バイタルデータの例としては、人又は動物の血圧、生化学検査結果、及び血液学検査結果が挙げられる。
【0076】
生化学検査結果の例としては、アルブミンとグロブリンの総タンパク量、アルブミン量、アルブミンとグロブリンの比、総ビリルビン量、直接ビリルビン量、AST量、ALT量、LDH量、アルカリフォスフォターゼ量、γ-GTP量、コリンエステラーゼ量、CPK量、アミラーゼ量、グルコース量(血糖値)、HbA1c量、ナトリウム量、カリウム量、クロール量、CRP量、中性脂肪量、総コレステロール量、HDL-C量、尿素窒素量、クレアチニン量、尿酸量、及び鉄量が挙げられる。
【0077】
血液学検査結果の例としては、白血球数、赤血球数、ヘモグロビン数、ヘマトクリット数、血小板数、好中球数、リンパ球数、単球数、好酸球数、好塩基球数、プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、フィブリノゲン数、及びD-ダイマー数が挙げられる。
【0078】
また、バイタルデータの例としては、人又は動物の摂取物が挙げられる。摂取物の例としては、朝食、昼食、夕食、及び間食等で摂取される食物、並びに乳飲料、茶、コーヒー、ジュース、アルコール飲料を含む飲料が挙げられる。さらに、バイタルデータは、摂取物の糖質量、塩分量、脂質量、及びカロリー等のデータを含んでいてもよい。
【0079】
また、バイタルデータの例としては、人又は動物の遺伝情報が挙げられる。
【0080】
複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・は、それぞれ、複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・に含まれていてもよい。複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111Cのそれぞれの例としては、身長計、体重計、心拍計、呼吸計、体動センサー、歩数計、移動距離センサー、移動速度センサー、血圧計、生化学検査装置、血液学検査装置、遺伝子検査装置、マイク、レーダーセンサー、体温センサー、画像センサー、カメラ、及びマットレスセンサーが挙げられる。複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111Cのそれぞれは、屋内及び屋外において歩数、移動距離、及び移動速度を取得する、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)の受信機であってもよい。例えば、複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・は、それぞれ、異なるバイタルデータを測定してもよい。例えば、複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・は、それぞれ、非接触によりバイタルデータを測定してもよい。
【0081】
複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111Cのそれぞれは、人又は動物が存在する建物に配置されていてもよい。建物の例としては、戸建て住宅及び集合住宅等の住居、並びに宿泊施設、寄宿舎、社宅、店舗、コンサートホール、美術館、博物館、水族館、介護施設、病院、オフィス、及び工場等の商業施設及び公共施設が挙げられる。複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111Cのそれぞれは、建物内の部屋、例えばリビング、寝室、洗面所、又はトイレに配置されてもよい。複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111Cのそれぞれは、人又は動物の動線に沿って配置されていてもよい。複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111Cのそれぞれは、人又は動物に装着されていてもよい。複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111Cのそれぞれは、ウェアラブル端末であってもよい。
【0082】
複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれで発症リスクが算出される疾患は特に限定されない。疾患の例としては、心不全、認知症、うつ、高血圧、糖尿病、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群、慢性閉塞性肺疾患、緑内障、及び熱中症が挙げられる。例えば、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・は、それぞれ、異なる疾患について発症リスクの一次算出値を算出する。複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれは、測定された人又は動物のバイタルデータに基づき、人又は動物の疾患発症リスクの一次算出値を算出する。例えば、歩数と、糖尿病及び高血圧等の慢性疾患と、の間には、負の相関がある。そのため、歩数に基づき、慢性疾患の発症リスクの一次算出値を算出してもよい。例えば、外出頻度と、認知症と、の間には、負の相関がある。そのため、外出頻度に基づき、認知症の発症リスクの一次算出値を算出してもよい。例えば、同一行動の繰り返しと、認知症と、の間には、正の相関がある。そのため、同一行動の繰り返し頻度に基づき、認知症の発症リスクの一次算出値を算出してもよい。
【0083】
例えば、画像センサー又はカメラを用いて、対象の体表面を撮影することにより、非接触により対象の血管を観察し、対象の血圧、心拍数、心拍変動、血中酸素レベル、呼吸数、交感神経ストレス、副交感神経活動、脈拍呼吸指数、ヘモグロビン量、ヘモグロビンA1Cの値、及び総コレステロール量を測定することが可能である。血圧は、心臓疾患、心臓発作、及び脳卒中に相関する。血中酸素レベルは、慢性疾患、肺疾患、心不全、睡眠時無呼吸、貧血、及び高地暴露に相関し、低酸素血症は、頭痛、頻脈、咳嗽、息切れ、喘鳴、精神錯乱、及び皮膚や粘膜の青白化をもたらす。呼吸数は、代謝異常に相関する。心拍数測定により検出される頻拍は、感染、脱水、ストレス、不安、甲状腺障害、ショック、貧血、及び心臓病に相関する。心拍変動の異常は、ストレス、及び心臓事象に相関する。ヘモグロビンが少ないことは、貧血、ビタミン不足、出血、及び慢性疾患に相関する。ヘモグロビンA1Cは、糖尿病に相関する。コレステロール量は、心臓病及び脳卒中に相関する。
【0084】
例えば、レーダーセンサーを用いることにより、非接触で対象の呼吸及び心拍を測定することが可能である。呼吸及び心拍の測定値に基づいて、睡眠時無呼吸症候群の発症リスクを算出することが可能である。また、うつ病、パーキンソン病、双極性障害、及び認知症は音声に影響するため、対象の音声をマイクで収録することにより、うつ病、パーキンソン病、双極性障害、及び認知症の発症リスクを算出することが可能である。また、対象の睡眠時の呼吸をマットレスセンサーで測定し、呼吸と相関のある心不全の発症リスクを算出することが可能である。
【0085】
例えば、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれは、バイタルデータの値が標準範囲の閾値内にある人又は動物に対して、管理対象の人又は動物の疾患発症リスクが何倍であるか、算出する。あるいは、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれは、時間に対するバイタルデータの変化率が標準範囲の閾値内にある人又は動物に対して、管理対象の人又は動物の疾患発症リスクが何倍であるか、算出する。例えば、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれは、管理対象の人又は動物のバイタルデータに応じて、疾患発症リスクを算出する。例えば、管理対象の人又は動物の糖類の摂取量が多い場合や、血糖値が高い場合は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・の少なくも一つは、バイタルデータに応じて、糖尿病の発症リスクを算出する。
【0086】
バイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・は、それぞれ、バイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係を保存する相関関係記憶部102A、102B、102C・・・をさらに備えていてもよい。疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・は、それぞれ、相関関係記憶部102A、102B、102C・・・にアクセスして、測定された人又は動物のバイタルデータと、バイタルデータと疾患発症リスクの相関関係と、に基づいて、疾患発症リスクの一次算出値を算出してもよい。相関関係は、個々の対象に関連付けられていてもよい。
【0087】
バイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係は、特に限定されない。相関関係記憶部102A、102B、102C・・・は、それぞれ、例えば、バイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係を定義したアルゴリズムを保存する。バイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係は、例えば、下記(1)式で与えられる。
y=f(x) (1)
【0088】
(1)式において、xはバイタルデータの独立変数を表し、yはある疾患の発症リスクの従属変数を表す。相関関係記憶部102A、102B、102C・・・は、それぞれ、疾患ごとに、バイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係を保存する。バイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係は、予め取得される。例えば、多数の被験者のバイタルデータと、当該被験者の疾患発症実績と、を統計的に解析して、バイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係を、予め取得し、相関関係記憶部102A、102B、102C・・・のそれぞれに保存することが可能である。例えば、バイタルデータが血圧である場合は、血圧が高くなるほど、糖尿病発症のリスクが高くなるよう、バイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係は設定される。
【0089】
バイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・は、それぞれ、疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・が算出した疾患発症リスクの一次算出値を保存する一次算出値記憶部103A、103B、103C・・・をさらに備えていてもよい。
【0090】
バイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・は、出力装置122に接続されていてもよい。出力装置122は、疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・が算出した疾患発症リスクの一次算出値を出力してもよい。出力装置122の例としては、ディスプレイ及びスピーカが挙げられる。ディスプレイはミラーディスプレイやタブレットに組み込まれていてもよい。スピーカはスマートスピーカであってもよい。
【0091】
健康管理システム10の疾患発症リスク二次算出部11は、複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・から複数のバイタルデータを取得する。健康管理システム10は、複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・に、有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよい。健康管理システム10は、複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・に、ネットワークを介して接続されていてよい。健康管理システム10は、複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・に近接して配置されていてもよいし、遠隔地に配置されていてもよい。
【0092】
疾患発症リスク二次算出部11は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・が取得した対象の複数のバイタルデータに基づき、複数のバイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出する。疾患発症リスク二次算出部11は、複数のバイタルデータに基づいて疾患発症リスクを算出するため、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれよりも、高い精度で疾患発症リスクを算出する。
【0093】
疾患発症リスク二次算出部11で発症リスクが算出される疾患は特に限定されない。疾患の例としては、ガン、糖尿病、虚血性心疾患、認知症、高血圧、不整脈、脳卒中、及び心不全が挙げられる。例えば、疾患発症リスク二次算出部11は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・の少なくともいずれかと同じ疾患について発症リスクを算出してもよい。また、疾患発症リスク二次算出部11は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101Cで発症リスクが算出される疾患とは異なる疾患について発症リスクを算出してもよい。
【0094】
例えば、疾患発症リスク二次算出部11は、複数のバイタルデータのそれぞれの値が標準範囲の閾値内にある人又は動物に対して、管理対象の人又は動物の疾患発症リスクが何倍であるか、算出する。あるいは、疾患発症リスク二次算出部11は、時間に対する複数のバイタルデータのそれぞれの変化率が標準範囲の閾値内にある人又は動物に対して、管理対象の人又は動物の疾患発症リスクが何倍であるか、算出する。例えば、疾患発症リスク二次算出部11は、管理対象の人又は動物のバイタルデータに応じて、疾患発症リスクを算出する。例えば、管理対象の人又は動物の糖類の摂取量が多い場合や、血糖値が高い場合は、疾患発症リスク二次算出部11は、バイタルデータに応じて、糖尿病の発症リスクを算出する。
【0095】
健康管理システム10は、複数のバイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係を保存する相関関係記憶部12をさらに備えていてもよい。疾患発症リスク二次算出部11は、相関関係記憶部12にアクセスして、複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・から取得した複数のバイタルデータと、複数のバイタルデータと疾患発症リスクの相関関係と、に基づいて、疾患発症リスクの二次算出値を算出してもよい。相関関係は、個々の対象に関連付けられていてもよい。
【0096】
複数のバイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係は、特に限定されない。相関関係記憶部12は、例えば、複数のバイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係を定義したアルゴリズムを保存する。複数のバイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係は、例えば、下記(2)式で与えられる。
z=f(v1,v2,v3,・・・,vn) (2)
【0097】
(2)式において、nは自然数を表し、vnはバイタルデータのn個の独立変数を表し、zはある疾患の発症リスクの従属変数を表す。相関関係記憶部12は、疾患ごとに、複数のバイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係を保存する。複数のバイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係は、予め取得される。例えば、多数の被験者の複数のバイタルデータと、当該被験者の疾患発症実績と、を統計的に解析して、複数のバイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係を、予め取得し、相関関係記憶部12に保存する。例えば、バイタルデータが血圧である場合は、血圧が高くなるほど、糖尿病発症のリスクが高くなるよう、バイタルデータと疾患発症リスクとの相関関係は設定される。
【0098】
疾患発症リスク二次算出部11は、算出された疾患の発症リスクに基づいて、当該疾患に関連する別の疾患の発症リスクを算出してもよい。例えば、相関関係記憶部12は、ある疾患の発症リスクと、別の疾患の発症リスクとの相関関係を保存する。疾患発症リスク二次算出部11は、相関関係記憶部12にアクセスして、算出された疾患の発症リスクと、当該疾患の発症リスクと別の疾患の発症リスクの相関関係と、に基づいて、別の疾患の発症リスクを算出してもよい。相関関係は、個々の対象に関連付けられていてもよい。
【0099】
ある疾患の発症リスクと別の疾患の発症リスクとの相関関係は、特に限定されない。相関関係記憶部12は、例えば、ある疾患の発症リスクと別の疾患の発症リスクとの相関関係を定義したアルゴリズムを保存する。ある疾患の発症リスクと別の疾患の発症リスクとの相関関係は、例えば、下記(3)式で与えられる。
d=f(z) (3)
【0100】
(3)式において、zはある疾患の発症リスクの独立変数を表し、zは別の疾患の発症リスクの従属変数を表す。相関関係記憶部12は、ある疾患の発症リスクごとに、別の疾患の発症リスクとの相関関係を保存する。ある疾患の発症リスクと別の疾患の発症リスクとの相関関係は、予め取得される。例えば、多数の被験者におけるある疾患の発症実績と、当該被験者の別の疾患の発症実績と、を統計的に解析して、ある疾患の発症リスクと別の疾患の発症リスクを、予め取得し、相関関係記憶部12に保存する。例えば、ある疾患が糖尿病である場合は、糖尿病の発症リスクが高くなるほど、心不全の発症リスクが高くなるよう、ある疾患の発症リスクと別の疾患の発症リスクとの相関関係は設定される。
【0101】
疾患発症リスク二次算出部11は、対象から自覚症状の入力を受け付け、複数のバイタルデータと自覚症状と疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出してもよい。健康管理システム10の疾患発症リスク二次算出部11は、例えば、自覚症状入力装置121を介して自覚症状を取得する。健康管理システム10は、自覚症状入力装置121に、有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよい。健康管理システム10は、自覚症状入力装置121に、ネットワークを介して接続されていてよい。健康管理システム10は、自覚症状入力装置121に近接して配置されていてもよいし、遠隔地に配置されていてもよい。
【0102】
複数のバイタルデータと自覚症状と疾患発症リスクとの相関関係は、特に限定されない。相関関係記憶部12は、例えば、複数のバイタルデータと自覚症状と疾患発症リスクとの相関関係を定義したアルゴリズムを保存する。複数のバイタルデータと自覚症状と疾患発症リスクとの相関関係は、例えば、下記(4)式で与えられる。
z=f(v1,v2,v3,・・・,vn,w) (4)
【0103】
(4)式において、nは自然数を表し、vnはバイタルデータのn個の独立変数を表し、wは自覚症状の独立変数を表し、zはある疾患の発症リスクの従属変数を表す。相関関係記憶部12は、疾患ごとに、複数のバイタルデータと自覚症状と疾患発症リスクとの相関関係を保存する。複数のバイタルデータと自覚症状と疾患発症リスクとの相関関係は、予め取得される。例えば、多数の被験者の複数のバイタルデータ及び自覚症状と、当該被験者の疾患発症実績と、を統計的に解析して、複数のバイタルデータと自覚症状と疾患発症リスクとの相関関係を、予め取得し、相関関係記憶部12に保存する。
【0104】
健康管理システム10は、疾患発症リスク二次算出部11が算出した疾患発症リスクの二次算出値を保存する二次算出値記憶部13をさらに備えていてもよい。出力装置122は、疾患発症リスク二次算出部11が算出した疾患発症リスクの二次算出値を出力してもよい。
【0105】
健康管理システム10は、疾患発症リスク二次算出部11で算出された疾患発症リスクの二次算出値に基づき、対象が疾患発症リスクを有すると判定された場合、対象に医療機関で診断を受けることを推奨する診断推奨部14をさらに備えていてもよい。例えば、疾患発症リスクの二次算出値が閾値以上である場合、対象が疾患発症のリスクを有すると判定される。判定するのは、疾患発症リスク二次算出部11であってもよいし、診断推奨部14であってもよい。診断推奨部14は、出力装置122を介して、対象に医療機関で診断を受けることを推奨する。診断推奨部14は、対象が所属する会社等の組織の産業医等の対象の健康を管理する者に、対象に医療機関で診断を受けることを推奨したことを送信してもよい。この場合、複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111Cのそれぞれは、社宅に配置されていてもよい。出力装置122は、健康管理システム10に、有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよい。出力装置122は、健康管理システム10に、ネットワークを介して接続されていてよい。出力装置122は、健康管理システム10に近接して配置されていてもよいし、遠隔地に配置されていてもよい。
【0106】
健康管理システム10は、対象が医療機関で診断を受けた際の診断結果を取得する診断結果取得部15をさらに備えていてもよい。診断結果は、例えば、対象における疾患の有無、対象における疾患の程度、及び対象における疾患の可能性を含む。健康管理システム10の診断結果取得部15は、例えば、診断結果入力装置123を介して診断結果を取得する。健康管理システム10は、診断結果入力装置123に、有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよい。健康管理システム10は、診断結果入力装置123に、ネットワークを介して接続されていてよい。健康管理システム10は、診断結果入力装置123に近接して配置されていてもよいし、遠隔地に配置されていてもよい。診断結果取得部15への診断結果の送信、あるいは診断結果入力装置123への診断結果の入力は、対象が行ってもよいし、医療機関が行ってもよい。オンライン診断による診断結果が、診断結果入力装置123に入力されてもよい。
【0107】
健康管理システム10は、診断結果取得部15が取得した診断結果と、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれが算出した疾患発症リスクの一次算出値と、を比較し、疾患発症リスクの一次算出値が診断結果に近づくように、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれが用いた閾値及び/又は相関関係を修正する修正部16をさらに備えていてもよい。
【0108】
修正部16は、例えば、複数の一次算出値記憶部103A、103B、103C・・・の少なくともいずれかに保存されている疾患発症リスクの一次算出値と、診断結果取得部15が取得した診断結果と、を比較する。疾患発症リスクの一次算出値が診断結果と比較して低い場合、修正部16は、疾患発症リスクの一次算出値が高くなるよう、疾患発症リスクの一次算出値の算出に用いた閾値及び/又は相関関係を修正する。疾患発症リスクの一次算出値が診断結果と比較して高い場合、修正部16は、疾患発症リスクの一次算出値が低くなるよう、疾患発症リスクの一次算出値の算出に用いた閾値及び/又は相関関係を修正する。
【0109】
修正部16は、診断結果取得部15が取得した診断結果と、疾患発症リスク二次算出部11が算出した疾患発症リスクの二次算出値と、を比較し、疾患発症リスクの二次算出値が診断結果に近づくように、疾患発症リスク二次算出部11が用いた閾値及び/又は相関関係を修正してもよい。
【0110】
修正部16は、例えば、二次算出値記憶部13に保存されている疾患発症リスクの二次算出値と、診断結果取得部15が取得した診断結果と、を比較する。疾患発症リスクの二次算出値が診断結果と比較して低い場合、修正部16は、疾患発症リスクの二次算出値が高くなるよう、疾患発症リスクの二次算出値の算出に用いた閾値及び/又は相関関係を修正する。疾患発症リスクの二次算出値が診断結果と比較して高い場合、修正部16は、疾患発症リスクの二次算出値が低くなるよう、疾患発症リスクの二次算出値の算出に用いた閾値及び/又は相関関係を修正する。
【0111】
修正部16は、疾患発症リスクの二次算出値が高くなるよう、疾患発症リスクの二次算出値の算出に用いた閾値及び/又は相関関係を修正した場合、当該疾患の保険料を高くするよう修正してもよい。また、修正部16は、疾患発症リスクの二次算出値が低くなるよう、疾患発症リスクの二次算出値の算出に用いた閾値及び/又は相関関係を修正した場合、当該疾患の保険料を安くするよう修正してもよい。
【0112】
健康管理システム10は、複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111Cのそれぞれのそれぞれを制御する制御部17をさらに備えていてもよい。制御部17は、例えば、診断結果取得部15が取得した診断結果によって、疾患が有る又は疾患の可能性があるとされた疾患の発症リスクの算出に用いるバイタルデータ取得装置がバイタルデータを取得する頻度を上げるように、バイタルデータ取得装置に指示する。また、制御部17は、疾患が有る又は疾患の可能性があるとされた疾患とは異なる疾患の発症リスクの算出に用いるバイタルデータ取得装置がバイタルデータを取得する頻度を下げるように、バイタルデータ取得装置に指示する。また、制御部17は、疾患が無い又は疾患の可能性が無いとされた疾患の発症リスクの算出に用いるバイタルデータ取得装置がバイタルデータを取得する頻度を下げるように、バイタルデータ取得装置に指示する。
【0113】
制御部17は、例えば、診断結果取得部15が取得した診断結果によって、疾患が有る又は疾患の可能性があるとされた疾患の発症リスクの算出に用いるバイタルデータ取得装置がバイタルデータを測定する環境を向上するように、バイタルデータ取得装置に指示してもよい。
【0114】
制御部17は、診断結果により疾患が有る又は疾患の可能性があるとされた疾患とは異なる疾患の発症リスクの算出に用いるバイタルデータ取得装置の一次算出値記憶部に保存されている疾患発症リスクの一次算出値を削除又は圧縮するよう、バイタルデータ取得装置に指示してもよい。また、制御部17は、疾患が無い又は疾患の可能性が無いとされた疾患の発症リスクの算出に用いるバイタルデータ取得装置の一次算出値記憶部に保存されている疾患発症リスクの一次算出値を削除又は圧縮するよう、バイタルデータ取得装置に指示してもよい。
【0115】
健康管理システム10は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれからバイタルデータを受信し、バイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、同一の疾患発症リスク一次算出部が過去に取得したバイタルデータに基づき補正するバイタルデータ補正部18をさらに備えていてもよい。バイタルデータ補正部18は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれからバイタルデータを受信し、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のうちの一つの疾患発症リスク一次算出部におけるバイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、別の疾患発症リスク一次算出部が同時に取得したバイタルデータに基づき補正してもよい。
【0116】
制御部17は、バイタルデータの欠損及び/又は精度の低下が生じているバイタルデータ取得装置を出力装置122に出力し、当該バイタルデータ取得装置の修理、交換、及び配置に変更等を推奨してもよい。
【0117】
健康管理システム10は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれからバイタルデータを受信し、受信したバイタルデータに基づき、種類の異なるバイタルデータを推定する推定部19をさらに備えていてもよい。例えば、推定部19は、心拍のバイタルデータに基づき、血圧のバイタルデータを推定してもよい。疾患発症リスク二次算出部11は、推定部19が推定したバイタルデータと、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・が取得した対象の複数のバイタルデータと、に基づき、複数のバイタルデータと疾患発症リスクの相関関係を用いて、対象の疾患発症リスクの二次算出値を算出してもよい。
【0118】
次に、図2を参照して、実施形態に係る健康管理方法について説明する。ステップS101で、複数のバイタルデータ取得装置111A、111B、111C・・・にそれぞれ含まれる複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・が、バイタルデータを取得する。ステップS102で、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・は、それぞれ、相関関係記憶部102A、102B、102C・・・から相関関係を読み出す。ステップS103で、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・は、それぞれ、バイタルデータに基づき、相関関係を用いて、疾患発症リスクの一次算出値を算出する。複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・は、それぞれ、算出した疾患発症リスクの一次算出値を一次算出値記憶部103A、103B、103C・・・に保存する。
【0119】
ステップS104で、任意で、バイタルデータ補正部18は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれからバイタルデータを受信し、バイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、同一の疾患発症リスク一次算出部が過去に取得したバイタルデータに基づき補正する。あるいは、バイタルデータ補正部18は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のうちの一つの疾患発症リスク一次算出部におけるバイタルデータの欠損及び/又は精度の低下を、別の疾患発症リスク一次算出部が同時に取得したバイタルデータに基づき補正する。ステップS105で、任意で、推定部19は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれから受信したバイタルデータに基づき、種類の異なるバイタルデータを推定する。
【0120】
ステップS106で、疾患発症リスク二次算出部11は、相関関係記憶部12から相関関係を読み出す。ステップS107で、疾患発症リスク二次算出部11は、対象から自覚症状の入力を受け付ける。ステップS108で、疾患発症リスク二次算出部11は、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・から受信した複数のバイタルデータと、自覚症状と、に基づき、相関関係を用いて、疾患発症リスクの二次算出値を算出する。複数のバイタルデータは、バイタルデータ補正部18で補正されたバイタルデータであってもよい。複数のバイタルデータは、推定部19で推定されたバイタルデータを含んでいてもよい。疾患発症リスク二次算出部11は、算出した疾患発症リスクの二次算出値を二次算出値記憶部13に保存する。ステップS109で、疾患発症リスク二次算出部11で算出された疾患発症リスクの二次算出値に基づき、対象が疾患発症リスクを有すると判定された場合、診断推奨部14は、対象に医療機関で診断を受けることを推奨する。ステップS110で、診断結果取得部15は、対象が医療機関で診断を受けた際の診断結果を取得する。
【0121】
ステップS111で、修正部16は、診断結果取得部15が取得した診断結果と、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれが算出した疾患発症リスクの一次算出値と、を比較し、疾患発症リスクの一次算出値が診断結果に近づくように、複数の疾患発症リスク一次算出部101A、101B、101C・・・のそれぞれが用いた閾値及び/又は相関関係を修正する。また、修正部16は、診断結果取得部15が取得した診断結果と、疾患発症リスク二次算出部11が算出した疾患発症リスクの二次算出値と、を比較し、疾患発症リスクの二次算出値が診断結果に近づくように、疾患発症リスク二次算出部11が用いた閾値及び/又は相関関係を修正する。
【0122】
ステップS112で、制御部17は、例えば、診断結果取得部15が取得した診断結果によって、疾患が有る又は疾患の可能性があるとされた疾患の発症リスクの算出に用いるバイタルデータ取得装置がバイタルデータを取得する頻度を上げるように、バイタルデータ取得装置に指示する。また、制御部17は、疾患が有る又は疾患の可能性があるとされた疾患とは異なる疾患の発症リスクの算出に用いるバイタルデータ取得装置がバイタルデータを取得する頻度を下げるように、バイタルデータ取得装置に指示する。また、制御部17は、疾患が無い又は疾患の可能性が無いとされた疾患の発症リスクの算出に用いるバイタルデータ取得装置がバイタルデータを取得する頻度を下げるように、バイタルデータ取得装置に指示する。
【0123】
ステップS113で、制御部17は、疾患が有る又は疾患の可能性があるとされた疾患とは異なる疾患の発症リスクの算出に用いるバイタルデータ取得装置の一次算出値記憶部に保存されている疾患発症リスクの一次算出値を削除又は圧縮するよう、バイタルデータ取得装置に指示する。また、制御部17は、疾患が無い又は疾患の可能性が無いとされた疾患の発症リスクの算出に用いるバイタルデータ取得装置の一次算出値記憶部に保存されている疾患発症リスクの一次算出値を削除又は圧縮するよう、バイタルデータ取得装置に指示する。
【0124】
上記のように本発明を実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。
【符号の説明】
【0125】
10・・・健康管理システム、11・・・疾患発症リスク二次算出部、12・・・相関関係記憶部、13・・・二次算出値記憶部、14・・・診断推奨部、15・・・診断結果取得部、16・・・修正部、17・・・制御部、18・・・バイタルデータ補正部、19・・・推定部、101・・・疾患発症リスク一次算出部、102・・・相関関係記憶部、103・・・一次算出値記憶部、111・・・バイタルデータ取得装置、121・・・自覚症状入力装置、122・・・出力装置、123・・・診断結果入力装置
図1
図2
図3