(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094296
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】複数のアブレーションモード間で切り替わるキャリパツール
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20240702BHJP
A61B 18/14 20060101ALN20240702BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023219032
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】18/088,852
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アビバ・ゴールドバーグ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK12
4C160MM33
(57)【要約】
【課題】組織の指定された領域をアブレーションするために2つ以上のアブレーション技法を使用するアブレーション処置を行うこと。
【解決手段】方法及びシステムは、心臓壁上のアブレーション処置等の処置中に、組織部分、例えば、組織内のアブレーション部位をアブレーションするために、パルスフィールドアブレーション(PFA)を用いる組織部分の高周波(RF)アブレーション等の、複数の異なるタイプのアブレーションモードを協調させることを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織をアブレーションするためのシステムであって、
組織をアブレーションするためのアブレーションカテーテルと、
組織の領域における心内電位図(IEGM)信号を検知するための検知カテーテルと、
測定ツールと、
少なくとも前記IEGM信号から電子マップを作成するために、前記アブレーションカテーテル、前記検知カテーテル、及び前記測定ツールと通信するマッピングシステムと、
前記マッピングシステムと通信するプロセッサと、を備え、前記プロセッサが、
1)前記組織内の第1のアブレーション点と、前記第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、2)前記組織内の第2のアブレーション点と、前記アブレーションカテーテルによって形成される前記第2のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションモードと、を決定し、
1)前記第1のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションモードと、2)前記第2のアブレーション点に対する前記アブレーションカテーテルに関連付けられた前記アブレーションモードと、に対応する閾値距離を選択し、
前記電子マップ上で前記測定ツールによって決定された前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の距離が前記閾値距離以内にあるかどうかを決定する、ようにプログラムされている、システム。
【請求項2】
前記プロセッサが、前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離を上回る又は下回るときに、インジケータに信号を送るように更にプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電子マップが、ディスプレイ上に提示可能であり、
前記ディスプレイ上に提示可能なインジケータパネルであって、1)前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離を上回ることを示すための第1の可視インジケータと、2)前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離を下回ることを示すための第2の可視インジケータと、を備える、インジケータパネルを更に備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アブレーションカテーテル及び前記検知カテーテルが、同じカテーテル上にあるか、又は異なるカテーテル上にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記測定ツールがキャリパツールを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
組織をアブレーションするための方法であって、
組織内の第1のアブレーション点と、前記第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、を決定することと、
前記組織内の第2のアブレーション点と、前記第2のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションモードと、を決定することと、
1つ以上の閾値距離から閾値距離を選択することであって、前記1つ以上の閾値距離の各々が、1)前記第1のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションモードと、2)前記第2のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションモードと、に対応する、ことと、
前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の距離が前記選択された閾値距離以内であるかどうかを判定することと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記アブレーションモードが、複数のアブレーションモードを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のアブレーションモードが、高周波(RF)アブレーション及びパルスフィールドアブレーション(PFA)を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離以内である場合、次の連続するアブレーション部位のアブレーションを可能にする、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離以内にない場合、アブレーションが進行すべきでないことを示す、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離以内にない場合、前記第2のアブレーション点を前記閾値距離以内になるように調整する、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のアブレーション点が、前記第1のアブレーション点の後の次の連続するアブレーション点である、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のアブレーション点がマップ上のタグによって表され、前記第2のアブレーション点が前記マップ上の場所として提供される、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記マップ上の前記第1のアブレーション点と前記マップ上の前記第2のアブレーション点との間の前記距離が、ソフトウェア実装キャリパツールによって前記マップ上で測定される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の以前の前記距離が前記閾値距離を超えるときに、前記ソフトウェア実装キャリパツールが前記閾値距離以内に調整される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
1つ以上の閾値距離から閾値距離を前記選択することが、自動的に実行される、請求項6に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上の閾値距離が、記憶媒体に記憶される、請求項6に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上の閾値距離が、1)RFアブレーションに関連付けられた前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の第1の閾値距離と、2)PFAアブレーションに関連付けられた前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の第2の閾値距離と、3)前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の第3の閾値距離であって、前記第1のアブレーション点又は前記第2のアブレーション点の一方がRFアブレーションに関連付けられ、前記第1のアブレーション点又は前記第2のアブレーション点の他方がPFAアブレーションに関連付けられる、第3の閾値距離と、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
前記閾値距離が、1)前記第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションスポットと、前記第2のアブレーション点に関連付けられた予測されるアブレーションスポットとの間の潜在的な重複に基づく第1の距離と、2)前記第1の距離よりも大きい第2の距離であって、前記第2の距離が、前記第1のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションスポットと、前記第2のアブレーション点に関連付けられた予測されるアブレーションスポットとの間の間隙の可能性に基づく、第2の距離との間の範囲を含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、組織の指定された領域をアブレーションするために2つ以上のアブレーション技法を使用するアブレーション処置に関する。
【背景技術】
【0002】
アブレーション治療は、人間の解剖学的構造を苦しめる様々な状態を治療するために適用されることが知られている。そのような用途の1つは、心房性不整脈の治療である。組織がアブレーションされるか、又は少なくともアブレーション発生器によって生成され、アブレーションカテーテルによって送達されるアブレーションエネルギーを受けると、病変が組織に形成される。アブレーションカテーテルの上又は中に取り付けられた電極は、心房性不整脈(異所性心房頻拍、心房性細動、及び心房粗動を含むが、これらに限定されない)などの状態を補正するために心臓組織に組織壊死を生じさせるために使用される。
【0003】
アブレーション治療を適用するための様々な技術がある。高周波(RF)アブレーションは、交流電流の通過による局所ジュール加熱の結果として、組織の領域に熱損傷を生成することに基づく。RFアブレーションに関連付けられるリスクの1つは、周囲組織への熱損傷である。
【0004】
パルスフィールドアブレーション(PFA)は、組織を短時間の高電界曝露に供することからなる代替的なアブレーション技術である。その作用機構は、熱損傷のリスクが著しく低い不可逆エレクトロポレーション(IRE)に主に基づくと考えられている。
【0005】
いくつかのアブレーション処置では、医師は、アブレーション電極を使用して、組織を部位毎に離散的にアブレーションし、アブレーション部位の計画された空間軌道を形成する。場合によっては、空間軌道に沿った部位間の距離が大きすぎるとき、軌道内に間隙が形成され得る。間隙が存在する場合、心機能障害は、処置によって緩和されない場合がある。更に、空間軌道に沿った部位間の距離が小さすぎる場合、過熱が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
方法及びシステムは、心臓壁上のアブレーション処置等の処置中に、組織部分、例えば、組織内のアブレーション部位をアブレーションするために、パルスフィールドアブレーション(PFA)を用いる組織部分の高周波(RF)アブレーション等の、複数の異なるタイプのアブレーションモードを協調させることを提供する。
【0007】
本方法及びシステムは、組織内の第1のアブレーション点と、第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、を決定することと、組織内の第1のアブレーション点と、第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、を決定することと、1つ以上の閾値距離から閾値距離を選択することであって、1つ以上の閾値距離の各々が、1)第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、2)例えば、アブレーションカテーテルによってアブレーションされる、第2のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、に対応する、ことと、によって組織アブレーション処置において動作する。次いで、第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の距離が選択された閾値距離以内であるかどうかが判定される。第1のアブレーション点と第2のアブレーションとの間の距離が閾値距離以内にある場合、アブレーションは、安全範囲以内にあるので、進行し得る。しかしながら、第1のアブレーション点と第2のアブレーションとの間の距離が閾値距離を上回る又は下回る場合、アブレーションは、潜在的に安全範囲外であるため、進行すべきではない。システムは、第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の距離が閾値距離を上回るとき及び下回るときに、視覚的及び/又は聴覚的な指示を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、図面と併せて、本開示の実施例の以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【
図1】本開示の一実施例による、カテーテルベースのアブレーションシステムの概略描写図である。
【
図2】開示された主題によるアブレーションタグを示すマップの図である。
【
図3】開示された主題によるシステムのブロック図である。
【
図4】開示される主題の例示的なプロセスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
概要
場合によっては、アブレーション部位間の適切な距離に医師を誘導し、適切な距離から逸脱したときに医師に警告することは、計画された空間軌道を医師が適切に完了するのを支援するのに非常に有益であり得る。
【0010】
心臓壁のアブレーションなどのいくつかの事例では、医師は、組織の選択された領域にわたって病変を形成するために、2つ以上のアブレーション技法を使用することを望む場合がある。例えば、医師は、RFアブレーションを用いて選択された領域の1つ以上の第1の部分をアブレーションし、PFAを用いて選択された領域の1つ以上の第2の部分をアブレーションすることが有用であることを見出し得る。
【0011】
開示される主題は、心臓壁上のアブレーション処置等の処置中に、組織部分、例えば、組織内のアブレーション部位をアブレーションするために、パルスフィールドアブレーション(PFA)を用いる組織部分の高周波(RF)アブレーション等の、2つの異なるアブレーション技法間で切り替えるときに、間隙並びに不必要な重複を回避する際に医師を補助するための方法及びシステムを提供する。典型的には、軌道に沿ってアブレーションするとき、推奨される閾値距離を維持することが望ましい。本明細書で使用される「閾値距離」は、アブレーション間の最大閾値距離と最小閾値距離との間の直線距離セグメントを含む。距離を設定する際に使用されるアブレーションは、両方のアブレーションのアブレーションモードに基づいて、前のアブレーション及び予測される又は次のアブレーションを含む。最大閾値距離は、アブレーション間に間隙が生じないアブレーション部位間の距離である。最小閾値距離は、最大閾値距離以内の距離であって、アブレーション間の重複が生じ得る距離であり、この重複は不要であり、一方又は両方のアブレーションにおいて過熱を潜在的に引き起こし、組織を損傷させる。任意選択で、重複が過熱につながらない場合であっても、それは依然として処置を不必要に延長する可能性があり、これも望ましくない。
【0012】
PFAを用いてアブレーションする場合、間隙を回避するために必要とされる推奨閾値距離は、典型的には、RFアブレーションに対して推奨されるものよりも著しく短い。任意選択で、閾値距離は範囲として定義される。閾値範囲を下回る距離は、前のアブレーションスポットと予測されるアブレーションスポットとの間の不必要な重複を示し、閾値範囲を上回る距離は、前述のアブレーション部位間の間隙の可能性を示す。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態では、アブレーション処置中に、各アブレーション部位が記録され、モニタ上に表示される治療されている心腔のEA(電気解剖学的マップ)上に例えば仮想タグでマークされてもよい。Biosense Webster,Inc.,31A Technology Drive,Irvine,CA 92618から入手可能なCARTO(商標)3 Systemは、例えば、診断カテーテルを用いて以前に収集された電気生理学的データに基づいて、EAマップを生成することを提供する例示的なシステムである。典型的には、各アブレーション部位のアブレーションパラメータは、表示された仮想タグに関連して記録される。任意選択で、タグは、視覚的に符号化されてもよく、例えば、ある色は、RFアブレーションに対応し、別の色は、PFAアブレーションに対応する。表示されたマップは、典型的には、アブレーション処置を行う医師及び/又は制御室の技術者によって視認可能である。
【0014】
開示されたシステムは、マップ上のアブレーション点間の距離、及び直近のアブレーション点などの以前のアブレーション点(例えば、対応するアブレーションスポットの中心)と、典型的には次の連続するアブレーション点(アブレーション時に次の又は連続するアブレーションスポットになる)である予測されるアブレーション点との間の距離を監視及び/又は決定するキャリパツールを含む。マップ上のアブレーション点は、組織内の実際のアブレーション点と、それらの対応するアブレーションスポットとに対応し、アブレーションスポットは、組織内の病変のアブレーション中にアブレーション点から半径方向外向きに延びるアブレーションエネルギーによって形成される。
【0015】
システムは、既に作られたアブレーションスポット(アブレーション部位)と、予測される次のアブレーションスポットをアブレーションするアブレーションカテーテルの電極の位置との間の距離又は軌道を監視するように設計される。この距離は、記憶された閾値距離と比較される。この比較の結果として、システムは、指示、すなわち、アブレーションが進行し得る/アブレーションが進行すべきでないという指示を提供し、これは、推奨される閾値距離以内に、予測される又は次のアブレーションスポットのために、アブレーションカテーテル電極を配置する際に、医師を導く。
【0016】
閾値距離は、システムによって記憶される。これらの記憶された閾値距離は、同じアブレーションモード間の閾値距離と、異なるアブレーションモード間の閾値距離とを含む。例えば、3つの異なる記憶された閾値距離が存在し得る:1)2つのRFアブレーション間の第1の閾値距離、2)2つのPFAアブレーション間の第2の閾値距離、及び3)RFアブレーションとPFAアブレーションとの間の第3の閾値距離。必要な閾値距離は、医師が行うことを望む各アブレーション状況に基づいて選択される。
【0017】
以前のアブレーションスポット及びその場所をアブレーションしたアブレーションモードと、システムによって識別されるように、軌道に沿って予測されるアブレーション点を有する次の連続する又は予測されるアブレーションスポットをアブレーションするためのアブレーションモードとに基づいて、システムは、適切な閾値距離を自動的に選択して適用する。例えば、PFA及びRFアブレーション等の2つのアブレーションモードが使用されるとき、閾値距離は、PFAアブレーション点とは異なるRFアブレーション点の距離を考慮する(すなわち、PFAは、典型的には、RFよりも高密度のアブレーション点を要求する)。システムが、マップ上のキャリパツールによって測定されるように、以前のアブレーション点と次の連続する又は予測されるアブレーション点との間の測定距離が、2つのアブレーション点の関連付けられたアブレーションモードによってアブレーションされる2つのアブレーション点間の軌道に沿った閾値距離以内に入る(本明細書では、閾値距離を超えるとも称される)と判定すると、システムは、この潜在的発生の指示を提供する。閾値距離を超えると、典型的には、以前のアブレーション部位と次の連続する予測されるアブレーション部位との間に望ましくない間隙が典型的には生じる。次のアブレーションを実行するために使用される電極の場所が閾値距離未満の距離にあるとき、組織の過熱が起こり得る。システムからの指示は、医師が補正動作を取ることを可能にし得る。
【0018】
補正動作は、例えば、アブレーションツール、例えばアブレーションカテーテル、及びその電極を再位置決め又は移動させることによって、(閾値距離又は任意選択で閾値範囲の外側にあった(すなわち、閾値距離又は閾値範囲以内になかった)以前の予測されるアブレーション点から、次の連続する又は予測されるアブレーション点を再調整することを含む。この再調整は、既存のアブレーション部位の以前のアブレーション点と、新たに予測されるアブレーション点との間の距離を閾値距離以内、又は任意選択で閾値範囲以内にするために行われる。
【0019】
開示されたシステムの結果として、医師が組織内の適切な部位でアブレーションするのを支援するために、システムによって指示が提供され、医師に視覚的又は聴覚的に提供される。例えば、アブレーションは、互いに近すぎてはならず、アブレーションされていない組織の望ましくない間隙を有するように遠すぎてもならない。
【0020】
システムの説明
例示的なカテーテルベースの電気生理学マッピング及びアブレーションシステム10を示す
図1を参照する。システム10は、患者の血管系を通って、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテル11、14を含む。典型的には、送達シースカテーテル11は、心臓12の所望の場所の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテル11に挿入して、所望の場所に到達させることができる。複数のカテーテルは、アブレーション専用のカテーテル、心内電位図(IEGM)信号を検知するカテーテル、及び/又はアブレーションと検知の両方専用のカテーテルを含むことができる。アブレーションのために構成された例示的なカテーテル14は、カテーテル14の遠位先端部28dに電極26を有する遠位端28を含み、医師24は、アブレーションのためにアブレーションカテーテルの遠位端28を標的部位、例えば心臓壁の組織中の場所に運ぶ。
【0021】
カテーテル14は、遠位先端部28dの位置及び向きを追跡してアブレーションされる領域のマップを作成するために、するために、遠位先端部28d内又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を更に含むことができる。任意選択で、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び向きを検知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサを含む。
【0022】
磁気ベースの位置センサ29は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイルを含む位置パッド25と共に動作してもよい。カテーテル14の遠位先端部28dのリアルタイム位置は、位置パッド31によって生成され、磁気ベースの位置センサ29によって検知される磁場に基づいて追跡されてもよい。磁気ベースの位置検知技術の詳細は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,5391,199号、米国特許第5,443,489号、米国特許第5,558,091号、米国特許第6,172,499号、米国特許第6,239,724号、米国特許第6,332,089号、米国特許第6,484,118号、米国特許第6,618,612号、米国特許第6,690,963号、米国特許第6,788,967号、米国特許第6,892,091号に記載されている。
【0023】
システム10は、位置パッド31の場所基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために配置された1つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に向けられ、電極皮膚パッチ38において検知され、それにより、各電極の位置を電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの場所追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、米国特許第7,756,576号、米国特許第7,848,787号、米国特許第7,869,865号、及び米国特許第8,456,182号を参照されたい。
【0024】
レコーダ41は、体表面ECG電極18で捕捉された電位
図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)とを表示する。レコーダ41は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含んでもよく、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続されてもよい。
【0025】
システム10は、アブレーションカテーテル14の遠位先端部28dにある1つ以上の電極26にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されたアブレーションエネルギー発生器50を含んでもよい。アブレーションエネルギー発生器50によって生成されるエネルギーは、不可逆エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような単極性又は双極性高電圧直流パルスを含む、高周波(RF)エネルギー又はパルスフィールドアブレーション(PFA)エネルギー、或いはそれらの組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0026】
患者インターフェースユニット(PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、位置パッド31、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、及びレコーダ11を含んでもよい。任意選択で、PIU30は、カテーテルの場所のリアルタイム計算を実装し、ECG計算を実行するための処理能力を更に含む。
【0027】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション55は、開示されるプロセスを実行するための、開示される主題のシステム300(
図3)を含んでもよい。
【0028】
ワークステーション55は、任意選択で、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデルリングし、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するためにレンダリングすることと、(2)記録された電位
図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的指標又は画像で表示デバイス27上に表示すること、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイム位置及び向きを表示すること、及び(4)マップ100(
図2)などの、アブレーションエネルギーが印加された場所などの関心部位を表示デバイス27上に表示すること、を含む、複数の機能を提供してもよい。システム10の要素を具体化する一商用製品は、上記で詳述したCARTO(商標)3システムである。
【0029】
例えば、
図2に示すように、対応するアブレーションタグ102(PFA)、103(RF)のマップ100は、例えばPFA102及びRF 103アブレーションによって作成された実際のアブレーション(アブレーションスポット又はアブレーション部位(アブレーション点を含む))の組織104(すなわち、心臓壁)上の場所を示す。アブレーションタグ102、103は、例えば、対応するアブレーションスポットを作成したアブレーションのモード又はタイプ、例えば、RF又はPFAに基づいて、マップ100上で異なる色で表される。マップ100は、ディスプレイ27上に示され、例えば、前述のCARTO(商標)3システムの一部として、マップ100上の表現110として示されるアブレーションカテーテル14と共に使用される。アブレーションカテーテル110の表現は、アブレーションカテーテル14並びに組織に対するその動き及び場所を反映する。
【0030】
いくつかの例では、パネル112もマップ100上に現れる。パネル112は、(対応する以前のアブレーションスポットの)以前のアブレーション点に対する(予測されるアブレーション点に対応する)カテーテル110の場所に基づくインジケータ112a、112bを含む。例えば、予測されるアブレーション点は、その対応するアブレーション点を含む、直近にアブレーションされた以前のアブレーションスポットの後の、次の連続するアブレーションスポットに対するものであってもよい。
【0031】
アブレーションカテーテル14が、予測されるアブレーション点で組織をアブレーションするために、以前のアブレーション点(例えば、直近にアブレーションされたアブレーションスポットの直近のアブレーション点)から閾値距離以内、例えば閾値範囲以内の場所にあるとき、パネル112は点灯せず、医師はアブレーションを進めることができる。アブレーションカテーテル14が閾値距離、又は任意選択で閾値範囲を上回る又は超える距離にあるとき、第1のインジケータ112aは、例えば赤色で点灯し、行われるアブレーションのモード(タイプ)、すなわちRF又はPFAに基づいて、アブレーションが行われるべきではないことを医師に知らせることができる。逆に、アブレーションカテーテル14が閾値距離、又は任意選択で閾値範囲未満の距離にあるとき、第2のインジケータ112bは、例えば青色で点灯し、行われるアブレーションのモード(タイプ)、すなわちRF又はPFAに基づいて、アブレーションが行われるべきでないことを医師に知らせることができる。
【0032】
例えば、アブレーションカテーテルが前述の閾値距離以内、又は元々は閾値範囲以内の場所に移動すると、予測されるアブレーション点に対応するカテーテル14の瞬間(現在)場所におけるアブレーションの許可を示すインジケータ112a、112bの点灯は存在しない。例えば、アブレーションカテーテル14の現在のアブレーションモード及び以前のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードに基づいて、アブレーションカテーテル14が、以前のアブレーションスポットの以前のアブレーション点から閾値距離以内、又は任意選択で閾値範囲以内に留まる限り、インジケータ112a、112bは、例えば、アブレーションカテーテル14がアブレーションカテーテル14の瞬間場所からアブレーションする許可を示す非点灯のままである。
【0033】
キャリパツール及びアブレーション距離追跡
図3は、開示された主題の1つ以上のプロセスを実行するためのアーキテクチャを示す。このアーキテクチャは、システム300を含み、これは、完全にワークステーション55の内部にあってもよいし、部分的にワークステーション55の内部にあってもよく、他の構成要素は、インターネット及び/又はクラウドなどの通信ネットワークを介してアクセス可能である。ワークステーション55は、例えば、多数の機能及び動作を提供し、開示されたプロセスを実行するための1つ以上の構成要素を含むアーキテクチャのものである。ワークステーション55は、内部及び外部の両方で、追加の記憶装置、メモリ、キャッシュ、及びデータベースに関連付けられてもよい。
【0034】
システム300は、例えば、記憶装置/メモリ304と電子的及び/又はデータ通信することを含めて、電子的に、すなわち、直接的又は間接的に接続された1つ以上のプロセッサから形成された中央処理装置(CPU)302を含む。CPU302はまた、1)アブレーションカテーテル14の瞬間(現在)場所における予測されるアブレーション、及び2)以前のアブレーションスポットのアブレーションのために、アブレーションカテーテル14のモードと結合されたキャリパツール310の読み取り値に基づいて、キャリパツール310、カテーテル14の位置検出312、アブレーションカテーテル14からのアブレーションモード検出314、及び閾値距離(計算及び分析)316を動作させるためのモジュールとの電子的及び/又はデータ通信を含む、直接的又は間接的のいずれかで電子的に接続される。また、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)などのネットワークを介して、PIU 30と通信するための通信インターフェース320もある。
【0035】
例えば、「モジュール」は、1つ以上のプロセスを実行するための命令(例えば、機械可読命令)を記憶するための1つ以上の構成要素を含み、命令を実行するためのプロセッサ、例えば、CPU302を含むか、又はそれに関連付けられる。
【0036】
前述の構成要素302、304、310、312、314、316、及び320は、直接的又は間接的に互いに通信する。ワークステーション55は単一のユニットとして示され、その中の全ての構成要素302、304、310、312、314、316、及び320と共にサーバ又は他のコンピュータとして動作可能であるが、ワークステーション55は複数のコンピュータ及び/又はサーバであってもよい。加えて、構成要素302、304、310、312、314、316、及び320のうちの1つ以上は、ネットワークに沿う、又はクラウド内を含む、ワークステーション55の外部にあってもよい。
【0037】
中央処理装置(CPU)302は、本明細書で詳述されるシステム300(ワークステーション55を含む)の機能及び動作を実行し、通信インターフェース320を制御するための、マイクロプロセッサを含む1つ以上のプロセッサから形成される。プロセッサは、例えば、サーバ、コンピュータ、及び他のコンピュータ化されたデバイスにおいて使用されるもの等のハードウェアプロセッサを含む、従来のプロセッサである。
【0038】
CPU302のプロセッサは、例えば、本明細書に記載の機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされた汎用コンピュータを含むことができる。ソフトウェアは、例えばネットワークを介して電子形式でコンピュータにダウンロードされてもよく、或いは、代替的又は追加的に、磁気メモリ、光学メモリ、又は電子メモリなどの非一時的な有形媒体に提供及び/又は格納されてもよい。
【0039】
記憶装置/メモリ304は、任意の従来の記憶媒体である。記憶装置/メモリ304は、開示されたプロセスを実行するために、CPU302によって実行される機械実行可能命令を記憶する。CPU302及び記憶装置/メモリ304のプロセッサは、代表的な目的のために単一の構成要素として示されているが、複数の構成要素であってもよく、ワークステーション55の外部にあってもよい。
【0040】
キャリパツールモジュール310は、キャリパツールとしても知られており、これらの用語は本明細書において互換的に使用され、モジュール312によって決定されるアブレーションカテーテル14/110の現在の場所と、最も近い以前のアブレーションスポットとの間の距離を監視及び/又は測定若しくは計算することによって、キャリパツール310を動作させる。本明細書で使用される場合、アブレーション点は、アブレーションエネルギーが送達された組織上の点の場所である。
【0041】
アブレーションモード検出モジュール又はアブレーションモード検出器314は、アブレーションカテーテル14/110が設定されている現在のアブレーションモード、例えばRF又はPFAを決定する。
【0042】
検出されたアブレーションモードは、閾値距離モジュール316によって使用されて、決定された距離、すなわちアブレーションカテーテル14の場所と以前のアブレーション点との間の距離を、閾値距離又は任意選択で閾値範囲に関して分析する。閾値距離又は任意選択で閾値範囲は、例えば、アブレーションカテーテル14の現在のアブレーションモード及び以前のアブレーション点のアブレーションモードに基づいて、(モジュール316内の記憶媒体に)1つ以上の記憶された閾値距離又は任意選択で記憶された閾値範囲から、モジュール316によって典型的には自動的に選択される。
【0043】
例えば、アブレーション点間の決定された距離又は軌道が閾値距離、又は任意選択で閾値範囲(すなわち、選択された閾値距離、又は任意選択で選択された閾値範囲)を上回る場合、閾値距離モジュール316は、CPU302にインジケータ112aに信号を送り、アブレーションカテーテル14の現在の場所でアブレーションしない(又はアブレーションすることを許可されない)ことを示すために(例えば赤色で)点灯させる。
【0044】
逆に、例えば、アブレーション点間の決定された距離又は軌道が閾値距離、又は任意選択で閾値範囲(すなわち、選択された閾値距離、又は任意選択で選択された閾値範囲)未満である場合、閾値距離モジュール316は、CPU302に、インジケータ112bに信号を送らせて、アブレーションカテーテル14の現在の場所でアブレーションしない(又はアブレーションを許可されない)ことを示すように(例えば、青色で)点灯させる。
【0045】
モジュール316によって選択される様々な閾値距離、又は任意選択で閾値範囲は、閾値距離モジュール316に記憶される。例示的な記憶された閾値距離、又は任意選択で記憶された閾値範囲は、例えば、1)2つのRFアブレーション(以前のアブレーションスポット及び予測アブレーション点)間の閾値距離、又は任意選択で閾値範囲、2)2つのPFAアブレーション(以前のアブレーションスポット及び予測アブレーション点)間の閾値距離、又は任意選択で閾値範囲、及び3)RFアブレーション(以前のアブレーションスポット又は予測されるアブレーション点)とPFAアブレーション(以前のアブレーションスポット又は予測されるアブレーション点)との間の閾値距離、又は任意選択で閾値範囲について、以前のアブレーションスポット及びアブレーションに使用されたアブレーションモードと、予測されるアブレーション点、予測されるアブレーション点をアブレートするために使用されるアブレーションモードとの間の3つの異なる閾値距離を含む。
【0046】
アブレーションカテーテル14は、予測される又は次のアブレーション点をアブレーションする(対応するアブレーションスポットを生成する)ために使用されるアブレーションモードと、以前のアブレーションスポット及びそれをアブレーションするために使用されるモードとに基づいて、必要な閾値距離又は任意選択で閾値範囲以内の場所、並びに必要な閾値距離又は任意選択で閾値範囲を上回る又は下回る(すなわち、範囲以内)の場所に移動されてもよい。アブレーションカテーテル14の移動は、システム300によって連続的に監視され、その結果、パネル112上のそれぞれのインジケータ112a、112b上に表示されるような、アブレーションしないという指示がリアルタイムで行われ、アブレーションカテーテル14の瞬間的な実際の場所に対応する。
【0047】
加えて、システム300は、CPU302を介して、必要な閾値距離、又は任意選択で閾値範囲を上回る又は下回る場所にあるときにアブレーションカテーテル14/110を不活性化し、カテーテル14(及びその電極26)の場所が必要な閾値距離以内、又は任意選択で必要な閾値範囲以内に移動した後に、カテーテル14/110を再アクティブ化するようにプログラムされてもよい。
【0048】
或いは、任意のモードにおいて、決定された距離又は軌道が測定される以前のアブレーションスポットの場所は、医師が以前にアブレーションした複数の場所のうちのいずれか1つから選択される。この場合、医師は、決定された距離が測定開始されるアブレーション場所を選択することができる。その結果、医師がアブレーションスポットに戻そうとし、既に行われた2つのアブレーションの間に追加のアブレーションを追加したい場合、これを行うことができる。
【0049】
ここで
図4に注目すると、
図4は、開示される主題の実施例によるコンピュータ実装プロセスを詳述するフロー図を示す。
図1、
図2及び
図3に示す要素も参照されたい。
図4のプロセス及びサブプロセスは、システム300によって実行されるコンピュータ化されたプロセスである。上述のプロセス及びサブプロセスは、例えば、連続的に、自動的に、例えば、リアルタイムで実行される。
【0050】
プロセスは、開始ブロック402で開始する。ここで、アブレーション処置は、例えば、RF及びPFAアブレーションモード等の複数のアブレーションモードを使用して動作し、それらの間で移動又は切り替えることが可能である、アブレーションカテーテル14を使用して、行われる準備ができている。また、異なる色で示されるように、RF及びPFAによって作製されるアブレーションスポットに対応するアブレーションタグを伴うマップを作成するための、起動されたキャリパツール310、及びマッピングシステムも存在する。マッピングされたアブレーションタグ102(PFA)、103(RF)は、組織におけるそれぞれの対応する実際のアブレーションスポットに対して、組織上のサイズ及び場所を表す。また、マップ100上のアブレーションタグ102、103によって表される、全ての以前のアブレーションスポットは、既知のアブレーションモードのものであり、(各以前のアブレーションスポットに対する)アブレーション点の場所を含み、例えば、RF(タグ103)又はPFA(タグ102)は、システム300内のデータベース(図示せず)等の記憶装置に記憶される。
【0051】
プロセスはブロック404に移動し、アブレーションカテーテル14(例えば、アブレーションカテーテル電極26)の場所がマップ100及び組織104に対して決定される。この位置決定は、例えば、場所検出モジュール312によって行われる。
【0052】
ブロック406において、キャリパツール310は、例えば、組織104内に形成される予定の予測されるアブレーション点の場所に対応するアブレーションカテーテル14の電極26の瞬間場所と、例えば、直近にアブレーションされたアブレーションスポットの以前のアブレーション点との間の、「決定された距離」又は軌道として知られる距離(例えば、直線距離)を決定する。
【0053】
プロセスはブロック408に移動し、現在のアブレーションモードが、アブレーションカテーテルについて(予測される又は次のアブレーション点について)、及び(以前のアブレーションスポットの)以前のアブレーション点のアブレーションモードについて決定される。ブロック406及び408から受信した情報に基づいて、プロセスはブロック410に移動する。
【0054】
ブロック410において、閾値距離モジュール316は、以前の、及び次の、すなわち予測される2つのアブレーションについての2つのアブレーションモードに基づいて、閾値距離又は任意選択で閾値範囲を例えば自動的に選択する。選択された閾値距離又は任意選択で閾値範囲は、典型的には、システムのモジュール316に記憶される。
【0055】
プロセスは、ブロック412に移動し、CPU302は、アブレーションカテーテルの場所(例えば、その予測されるアブレーション点)と以前のアブレーション点との間の距離、すなわち、「決定された距離」又は軌道が、選択された閾値距離以内、又は任意選択で、選択された閾値範囲以内にあるかどうかを判定する。「はい」である場合、プロセスはブロック414に移動し、アブレーションしないという指示がなく、インジケータ112a及び112bは点灯されない。任意選択で、アブレーションカテーテルは、以前に不活性化されていた場合、アブレーションを実行するためにここで活性化され、アブレーションスポットが作られる。
【0056】
ブロック412において「いいえ」である場合、「決定された距離」又は軌道は、選択された閾値距離、又は任意選択で選択された閾値範囲を上回る又は下回る(すなわち、範囲以内である)のいずれかである。プロセスはブロック416に移動する。ブロック416において、パネル112上のインジケータ112aに、決定された距離又は軌道が、閾値距離又は任意選択で閾値範囲を上回ることを示す指示、例えばライトの点灯又は赤色光がある。従って、アブレーションカテーテル14の電極26の瞬間場所に、予測されるアブレーションスポットは作成されるべきではない。これは、例えば、アブレーションカテーテル14によって形成された結果として生じるアブレーションスポットが、以前のアブレーションスポットから間隙によって分離されるためであり、これは非常に望ましくなく危険である。
【0057】
また、ブロック416において、パネル112上のインジケータ112bに、決定された距離又は軌道が閾値距離又は任意選択で閾値範囲未満であることを示す指示、例えば光の点灯又は青色光がある。従って、アブレーションカテーテル14の電極26の瞬間場所に、予測されるアブレーションスポットは作成されるべきではない。これは、例えば、アブレーションカテーテル14によって作られた結果として生じるアブレーションスポットが、以前のアブレーションスポットと重なり合い、組織の過熱、非常に望ましくない危険な結果を引き起こす可能性があるからである。
【0058】
任意選択で、ブロック416において、このアブレーションカテーテル14の場所でアブレーションしないように、警告(視覚音声など)が、システム300から医師又は医師に関連付けられたデバイスに発せられてもよい。また、任意選択で、アブレーションカテーテル14は、以前のアブレーション点の閾値距離以内に入るまで、いかなるアブレーションも行うことができないように不活性化されてもよい。
【0059】
プロセスのルートに応じてブロック414及び416の各々から、プロセスはブロック418に移動する。ブロック418において、アブレーションカテーテル14が所定の時間内にその場所を移動した場合、プロセスはブロック404に戻り、そこから、「決定された距離」又は軌道を再計算して適切な閾値距離を適用し、閾値距離又は任意選択で閾値範囲に関して「決定された距離」を分析して、アブレーションカテーテル14が予測されるアブレーション点でアブレーションすることが安全であるかどうかを決定することによって再開する。例えば、予測されるアブレーション点は、組織104において、直近にアブレーションされたアブレーション点(以前のアブレーション点)からの予測される次の連続するアブレーション点であってもよい。
【0060】
ブロック418において「いいえ」である場合、アブレーションカテーテル14/110は、所定の期間内に新しい場所に移動していない。次に、プロセスは、ブロック420に移動して終了する。プロセスは、ブロック420で終了した後に再開することができる。
【0061】
本明細書に記載される例は、主に心臓組織のアブレーションに対処するが、他の組織もまた、本明細書に開示される装置及び方法によってアブレーションされ得る。
【0062】
本明細書に開示される例は、アブレーション処置中の開示される技術及びシステムの使用に主に言及するが、開示される技術、システム及び/又はそれらの一部は、アブレーション(アブレーションプロセス)が実行される前及び/又はアブレーション(アブレーションプロセス)が実行された後の計画段階においても使用され得る。
【実施例0063】
(実施例1)
組織をアブレーションするための方法であって、組織内の第1のアブレーション点と、第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、を決定することと、組織内の第2のアブレーション点と、第2のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、を決定することと、1つ以上の閾値距離から閾値距離を選択することであって、1つ以上の閾値距離の各々が、1)第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、2)例えば、アブレーションカテーテルによってアブレーションされる、第2のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、に対応する、ことと、第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の距離が選択された閾値距離以内であるかどうかを判定することと、を含む、方法。
【0064】
(実施例2)
アブレーションモードが、複数のアブレーションモードを含む、実施例1に記載の方法。
【0065】
(実施例3)
複数のアブレーションモードが、高周波(RF)アブレーション及びパルスフィールドアブレーション(PFA)を含む、実施例1又は2に記載の方法。
【0066】
(実施例4)
第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の距離が閾値距離以内である場合、次の連続するアブレーション部位のアブレーションを可能にする、実施例1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
(実施例5)
第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の距離が閾値距離以内にない場合、アブレーションが進行すべきでないことを示す、実施例1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
(実施例6)
第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の距離が閾値距離以内にない場合、第2のアブレーション点を閾値距離以内になるように調整する、実施例1から5のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
(実施例7)
第2のアブレーション点が、第1のアブレーション点の後の次の連続するアブレーション点である、実施例1から6のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
(実施例8)
第1のアブレーション点が、マップ(100)上のタグ(102、103)によって表され、第2のアブレーション点が、マップ(100)上の場所として提供される、実施例1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
(実施例9)
マップ(100)上の第1のアブレーション点とマップ(100)上の第2のアブレーション点との間の距離が、ソフトウェア実装キャリパツール(310)によってマップ上で測定される、実施例1から8のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
(実施例10)
第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の以前の距離が閾値距離を超えるときに、ソフトウェア実装キャリパツール(310)が閾値距離以内に調整される、実施例1から9のいずれか1つに記載の方法。
【0073】
(実施例11)
1つ以上の閾値距離から閾値距離を選択することが、自動的に実行される、実施例1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
(実施例12)
1つ以上の閾値距離が、記憶媒体に記憶される、実施例1から11のいずれか1つに記載の方法。
【0075】
(実施例13)
1つ以上の閾値距離が、1)RFアブレーションに関連付けられた第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の第1の閾値距離と、2)PFAアブレーションに関連付けられた第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の第2の閾値距離と、3)第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の第3の閾値距離であって、第1のアブレーション点又は第2のアブレーション点の一方がRFアブレーションに関連付けられ、第1のアブレーション点又は第2のアブレーション点の他方がPFAアブレーションに関連付けられる、第3の閾値距離と、を含む、実施例1から12のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
(実施例14)
閾値距離が、1)第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションスポットと、第2のアブレーション点に関連付けられた予測されるアブレーションスポットとの間の潜在的な重複に基づく第1の距離と、2)第1の距離よりも大きい第2の距離であって、第2の距離が、第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションスポットと、第2のアブレーション点に関連付けられた予測されるアブレーションスポットとの間の間隙の可能性に基づく、第2の距離との間の範囲を含む、実施例1から13のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
(実施例15)
組織をアブレーションするためのシステムであって、組織をアブレーションするためのアブレーションカテーテル(14)と、組織の領域における心内電位図(IEGM)信号を検知するための検知カテーテルと、測定ツール(310)と、少なくともIEGM信号から電子マップ(100)を作成するために、アブレーションカテーテル(14)、検知カテーテル、及び測定ツールと通信するマッピングシステムと、マッピングシステムと通信するプロセッサ(302)と、を備え、プロセッサ(302)が、1)組織内の第1のアブレーション点と、第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、2)組織内の第2のアブレーション点と、アブレーションカテーテル(14)によって形成される第2のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、を決定し、1)第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、2)第2のアブレーション点に対するアブレーションカテーテル(14)に関連付けられたアブレーションモードと、に対応する閾値距離を選択し、電子マップ(100)上で測定ツール(310)によって決定された第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の距離が閾値距離以内にあるかどうかを決定する、ようにプログラムされている、システム。
【0078】
(実施例16)
プロセッサ(302)が、第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の距離が閾値距離を上回る又は下回るときに、インジケータ(112a、112b)に信号を送るように更にプログラムされている、実施例15に記載のシステム。
【0079】
(実施例17)
電子マップ(100)が、ディスプレイ(27)上に提示可能であり、ディスプレイ(27)上に提示可能なインジケータパネル(112)であって、1)第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の距離が閾値距離を上回ることを示すための第1の可視インジケータ(112a)と、2)第1のアブレーション点と第2のアブレーション点との間の距離が閾値距離を下回ることを示すための第2の可視インジケータ(112b)と、を備える、インジケータパネルを更に備える、実施例15又は16に記載のシステム。
【0080】
(実施例18)
アブレーションカテーテル(14)及び検知カテーテルが、同じカテーテル上にあるか、又は異なるカテーテル上にある、実施例15から17のいずれか1つに記載のシステム。
【0081】
(実施例19)
測定ツール(310)が、キャリパツール(310)を含む、実施例15から18のいずれか1つに記載のシステム。
【0082】
本開示の実施例の方法及び/又はシステムの実装は、選択されたタスクを手動で、自動的に、又はそれらの組み合わせで実行及び/又は完了することを伴うことができる。更に、本開示の方法及び/又はシステムの実施例の実際の計装及び機器によれば、いくつかの選択されたタスクは、ハードウェアによって、ソフトウェアによって、又はファームウェアによって、又はそれらの組み合わせによって、オペレーティングシステム又はクラウドベースのプラットフォームを使用して実装され得る。
【0083】
例えば、本開示の実施例による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップ又は回路として実装され得る。ソフトウェアとして、本開示の実施例による選択されたタスクは、任意の好適なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実装され得る。本開示の例示的な実施例では、本明細書に記載される方法及び/又はシステムの例示的な実施例による1つ以上のタスクは、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。任意選択で、データプロセッサは、命令及び/若しくはデータを記憶するための揮発性メモリ、並びに/又は命令及び/若しくはデータを記憶するための不揮発性記憶装置、例えば磁気ハードディスク及び/若しくはリムーバブル媒体などの非一時的記憶媒体を含む。任意選択的に、ネットワーク接続も提供される。ディスプレイ及び/又はキーボード若しくはマウスなどのユーザ入力デバイスも、任意選択的に提供される。
【0084】
例えば、1つ以上の非一時的コンピュータ可読(記憶)媒体の任意の組み合わせが、本開示の上記に列挙された例に従って利用され得る。この非一時的コンピュータ可読(記憶)媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、限定されるものではないが、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外、若しくは半導体システム、機器、若しくはデバイス、又は前述の任意の好適な組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(包括的なリスト)には、以下、すなわち1本又は2本以上の配線を有する電気接続、携帯用コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、又は上記の任意の適宜の組み合わせが含まれよう。本開示の文脈で、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はこれらと接続して使用するためのプログラムを収容し、又は記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。
【0085】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにおいて、又は搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された伝搬データ信号を含んでもよい。そのような伝搬信号は、電磁気、光学、又はそれらの任意の好適な組み合わせを含むが、これらに限定されない、種々の形態のうちのいずれかをとってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを通信、伝搬、又は移送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0086】
上記で提供された段落及び参照される図面を参照して理解されるように、コンピュータ実装方法の様々な例が本明細書で提供され、それらのうちのいくつかは、本明細書で説明される装置及びシステムの様々な例によって実行することができ、それらのうちのいくつかは、本明細書で説明される非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令に従って実行することができる。更に、本明細書で提供されるコンピュータ実装方法のいくつかの例は、他の装置又はシステムによって実行することができ、本明細書で説明される例を参照して当業者に明らかになるように、本明細書で説明されるもの以外のコンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令に従って実行することができる。以下のコンピュータ実装方法に関するシステム及びコンピュータ可読記憶媒体への任意の参照は、説明の目的で提供されており、上述のコンピュータ実装方法の例に関して、そのようなシステムのいずれか及びそのような非一時的コンピュータ可読記憶媒体のいずれかを限定することを意図していない。同様に、システム及びコンピュータ可読記憶媒体に関する以下のコンピュータ実装方法への任意の参照は、説明目的のために提供され、本明細書に開示されるそのようなコンピュータ実装方法のいずれも限定することを意図しない。
【0087】
図中のフロー図及びブロック図は、本開示の様々な実施例に基づくシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この点に関して、流れ図又はブロック図における各ブロックは、示された論理機能を実施するための1つ又は2つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又は命令の部分を表し得るものである。また留意されたいこととして、いくつかの別の実現形態において、ブロックに記載した機能は、図に記載した順序に反して生じてもよい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されることもあり、又はブロックは逆の順序で実行されることもあり、ブロック図及び/又はフローチャート図、及びブロック図及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、特定の機能又は動作を実行する専用のハードウェアベースのシステム、又は専用のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実装できる。本開示の様々な実施形態の説明は例示の目的で示されたものであるが、網羅的であることも開示される実施例に限定されることも意図していない。記載された実施例の範囲及び精神から逸脱することなく、多くの修正及び変形は、当業者には明らかであろう。
【0088】
本発明で使用する場合、その内容に別段の明確な指示がない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示物を含むものとする。
【0089】
本発明の特定の特徴は、明確性のために別個の実施形態の文脈において記載されているが、これはまた、単一の実施形態において組み合わせて提示され得ることを理解されたい。逆に、本開示の種々の特徴は、簡潔さのために、単一の実施例の文脈において記載されているが、これはまた、別個に、若しくは任意の好適な部分的組み合わせで、又は本開示の任意の他の記載される実施例において好適にもたらされ得る。種々の実施例の文脈において記載される特定の特徴は、その実施例がそれらの要素なしには動作不可能である場合を除き、それらの実施例の必須特徴であるとして考慮されるべきではない。
【0090】
上述したプロセスは、その一部を含めて、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって実行することができる。これらのプロセス及びその一部は、コンピュータ、コンピュータタイプのデバイス、ワークステーション、クラウドベースのプラットフォーム、プロセッサ、マイクロプロセッサ、他の電子検索ツール、並びにそれらに関連付けられたメモリ及び他の非一時的記憶装置タイプのデバイスによって実行され得る。プロセス及びその一部はまた、プログラム可能な非一時的記憶媒体、例えば、機械などによって読み取り可能なコンパクトディスク(CD)若しくは磁気、光学などを含む他のディスク、又は磁気、光学、若しくは半導体記憶装置を含む他のコンピュータ使用可能記憶媒体、又は他の電子信号源において具現化され得る。
【0091】
本明細書におけるプロセス(方法)及びシステムは、その構成要素を含めて、特定のハードウェア及びソフトウェアを例示的に参照して説明されている。プロセス(方法)は、例示的なものとして説明されており、それによって、特定のステップ及びそれらの順序は、過度の実験なしに実施するために、これらの例を減らすために当業者によって省略及び/又は変更することができる。プロセス(方法)及びシステムは、当業者が、必要に応じて他のハードウェア及びソフトウェアを容易に適合させて、過度の実験を行うことなく、従来の技術を使用して実施例のいずれかを減らすことを可能にするのに十分な方法で説明されている。
【0092】
本出願における開示の例の説明は、例として提供されており、開示の範囲を限定することを意図していない。説明した実施形態は、異なる機構を備えるが、それらの全てが本開示の全ての例において必要とされるわけではない。いくつかの例は、機構のいくつか又は機構の可能な組み合わせのみを利用する。説明される本開示の例の変形、及び説明した例で述べられた機構の異なる組み合わせを含む本開示の例は、当業者が思いつくものであろう。本開示の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0093】
従って、上に記載される実施例は例として挙げたものであり、本明細書の上記で具体的に図示及び記載されたものに開示された主題を限定するものではないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読んで当業者が思いつくであろう、先行技術には開示されていないそれらの変形及び修正を含む。参照により本特許出願に組み込まれた文献は、本出願の不可欠な部分とみなされるべきであり、ただし、これらの組み込まれた文献においていずれかの用語が、本明細書で明示的又は暗黙的になされた定義と矛盾する方法で定義されている限り、本明細書の定義のみが考慮されるべきである。
【0094】
〔実施の態様〕
(1) 組織をアブレーションするための方法であって、
組織内の第1のアブレーション点と、前記第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、を決定することと、
前記組織内の第2のアブレーション点と、前記第2のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションモードと、を決定することと、
1つ以上の閾値距離から閾値距離を選択することであって、前記1つ以上の閾値距離の各々が、1)前記第1のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションモードと、2)前記第2のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションモードと、に対応する、ことと、
前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の距離が前記選択された閾値距離以内であるかどうかを判定することと、
を含む、方法。
(2) 前記アブレーションモードが、複数のアブレーションモードを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記複数のアブレーションモードが、高周波(RF)アブレーション及びパルスフィールドアブレーション(PFA)を含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離以内である場合、次の連続するアブレーション部位のアブレーションを可能にする、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離以内にない場合、アブレーションが進行すべきでないことを示す、実施態様1に記載の方法。
【0095】
(6) 前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離以内にない場合、前記第2のアブレーション点を前記閾値距離以内になるように調整する、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記第2のアブレーション点が、前記第1のアブレーション点の後の次の連続するアブレーション点である、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記第1のアブレーション点がマップ上のタグによって表され、前記第2のアブレーション点が前記マップ上の場所として提供される、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記マップ上の前記第1のアブレーション点と前記マップ上の前記第2のアブレーション点との間の前記距離が、ソフトウェア実装キャリパツールによって前記マップ上で測定される、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の以前の前記距離が前記閾値距離を超えるときに、前記ソフトウェア実装キャリパツールが前記閾値距離以内に調整される、実施態様9に記載の方法。
【0096】
(11) 1つ以上の閾値距離から閾値距離を前記選択することが、自動的に実行される、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記1つ以上の閾値距離が、記憶媒体に記憶される、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記1つ以上の閾値距離が、1)RFアブレーションに関連付けられた前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の第1の閾値距離と、2)PFAアブレーションに関連付けられた前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の第2の閾値距離と、3)前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の第3の閾値距離であって、前記第1のアブレーション点又は前記第2のアブレーション点の一方がRFアブレーションに関連付けられ、前記第1のアブレーション点又は前記第2のアブレーション点の他方がPFAアブレーションに関連付けられる、第3の閾値距離と、を含む、実施態様3に記載の方法。
(14) 前記閾値距離が、1)前記第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションスポットと、前記第2のアブレーション点に関連付けられた予測されるアブレーションスポットとの間の潜在的な重複に基づく第1の距離と、2)前記第1の距離よりも大きい第2の距離であって、前記第2の距離が、前記第1のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションスポットと、前記第2のアブレーション点に関連付けられた予測されるアブレーションスポットとの間の間隙の可能性に基づく、第2の距離との間の範囲を含む、実施態様1に記載の方法。
(15) 組織をアブレーションするためのシステムであって、
組織をアブレーションするためのアブレーションカテーテルと、
組織の領域における心内電位図(IEGM)信号を検知するための検知カテーテルと、
測定ツールと、
少なくとも前記IEGM信号から電子マップを作成するために、前記アブレーションカテーテル、前記検知カテーテル、及び前記測定ツールと通信するマッピングシステムと、
前記マッピングシステムと通信するプロセッサと、を備え、前記プロセッサが、
1)前記組織内の第1のアブレーション点と、前記第1のアブレーション点に関連付けられたアブレーションモードと、2)前記組織内の第2のアブレーション点と、前記アブレーションカテーテルによって形成される前記第2のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションモードと、を決定し、
1)前記第1のアブレーション点に関連付けられた前記アブレーションモードと、2)前記第2のアブレーション点に対する前記アブレーションカテーテルに関連付けられた前記アブレーションモードと、に対応する閾値距離を選択し、
前記電子マップ上で前記測定ツールによって決定された前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の距離が前記閾値距離以内にあるかどうかを決定する、ようにプログラムされている、システム。
【0097】
(16) 前記プロセッサが、前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離を上回る又は下回るときに、インジケータに信号を送るように更にプログラムされている、実施態様15に記載のシステム。
(17) 前記電子マップが、ディスプレイ上に提示可能であり、
前記ディスプレイ上に提示可能なインジケータパネルであって、1)前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離を上回ることを示すための第1の可視インジケータと、2)前記第1のアブレーション点と前記第2のアブレーション点との間の前記距離が前記閾値距離を下回ることを示すための第2の可視インジケータと、を備える、インジケータパネルを更に備える、実施態様16に記載のシステム。
(18) 前記アブレーションカテーテル及び前記検知カテーテルが、同じカテーテル上にあるか、又は異なるカテーテル上にある、実施態様15に記載のシステム。
(19) 前記測定ツールがキャリパツールを含む、実施態様15に記載のシステム。