(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094298
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】カテーテルスプライン偏向モデリングを使用する電気生理学的マッピング
(51)【国際特許分類】
A61B 5/367 20210101AFI20240702BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20240702BHJP
A61B 5/287 20210101ALI20240702BHJP
A61B 34/10 20160101ALI20240702BHJP
【FI】
A61B5/367 100
A61B18/14
A61B5/287 300
A61B5/287 200
A61B34/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023219049
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】18/089,428
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB05
4C127HH13
4C127LL08
4C160KK03
4C160KK16
4C160KK24
4C160KK36
4C160KK38
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】電気生理学的(EA)マッピング及びアブレーションシステムを提供すること。
【解決手段】システムは、拡張可能な遠位端アセンブリ及びプロセッサを含む。拡張可能な遠位端アセンブリは、患者の器官の腔内に挿入するためのシャフトの遠位端に連結され、アセンブリは1つ以上の電極を含む。プロセッサは、(i)遠位端アセンブリの遠位場所及び近位場所の各々から場所信号を受信し、(ii)遠位端アセンブリに位置し、相対配向の変化を示す信号を出力するように構成された、1つ以上のセンサから相対配向角度を示す場所信号を受信し、(iii)遠位端アセンブリの近位端から遠位端まで延在する複数のスプラインの各々の、方位面における角度位置を推定し、かつ(iv)スプラインの各々の推定角度位置に基づいて3次元空間における電極のうちの1つ以上のそれぞれの場所を推定する、ように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
患者の器官の腔に挿入するためにシャフトの遠位端に結合された拡張可能な遠位端アセンブリであって、1つ以上の電極を備える、拡張可能な遠位端アセンブリと、
プロセッサであって、
前記遠位端アセンブリの遠位場所及び近位場所の各々から場所信号を受信し、
前記遠位端アセンブリに位置し、相対配向の変化を示す信号を出力するように構成された、1つ以上のセンサから、相対配向角度を示す場所信号を受信し、
前記遠位端アセンブリの前記近位端から前記遠位端まで延在する複数のスプラインの各々の、方位面における角度位置を推定し、かつ
前記スプラインの各々の前記推定された角度位置に基づいて、3次元空間における前記電極のうちの1つ以上のそれぞれの場所を推定する、ように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【請求項2】
前記スプラインは、バルーンカテーテルの表面に沿った仮想スプラインである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スプラインは、平坦なリボンとして成形されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記遠位端アセンブリは、前記電極が配置された複数のスプラインを備え、前記プロセッサは、前記スプラインの弾性係数に応じて、前記複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記角度位置を推定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のセンサは、前記遠位端アセンブリの近位端に位置する第1の磁気位置センサと、前記遠位端アセンブリの遠位端に位置する第2の磁気位置センサと、を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のセンサは力センサを含み、前記力センサは、前記遠位端アセンブリの近位端に位置し、前記角度を示す信号を出力するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
中立位置において、カテーテルの第1の長手方向軸と第2の長手方向軸は互いに平行である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記遠位端アセンブリは複数のスプラインを備え、前記プロセッサは、bスプライン又はベジエ曲線に基づいて前記スプラインのそれぞれの形状を推定することによって、前記複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記角度位置を推定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記方位面における所与のスプラインの角度位置が、(i)前記所与のスプラインと前記シャフトの長手方向軸に最も近いスプラインとの間の距離と、(ii)各スプラインに割り当てられた仮想電荷と、に関連する機械モデルを使用することによって、前記複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記角度位置を推定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記プロセッサは、複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記推定された角度位置を使用して、前記拡張可能な遠位端アセンブリ上に取り付けられた電極によって実行される電気的位置検出の精度を改善するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記腔は心腔である、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して侵襲性医療用プローブに関し、詳細には心臓カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
バスケットカテーテルは通常、細長いカテーテル本体と、カテーテル本体の遠位端に装着されたバスケット形状の電極アセンブリとを有する。アセンブリは、近位端及び遠位端を有し、その近位端と遠位端とに接続された、複数のスプラインを備える。それぞれのスプラインは、少なくとも1個の電極を有している。アセンブリは、スプラインが径方向に、外側に向かって弓状になる膨張した配置と、スプラインが概ねカテーテル本体の軸に沿って配置される折り畳まれた配置との間で、バスケットの構成を変化させるために、電気生理学(electrophysiology、EP)専門家によってカテーテルに対して長手方向に可動の軸方向に細長い膨張部を有してもよい。
【0003】
カテーテルは、バスケット形状の電極アセンブリの遠位端部又はその付近に装着された遠位場所センサと、バスケット形状の電極アセンブリの近位端部又はその付近に装着された近位場所センサとを更に備えていてよい。使用時には、近位センサの座標に対する遠位場所センサの座標を決定し、これをバスケット形状のマッピングアセンブリのスプラインの曲率に関する既知の情報と共に用いることで、バスケットの長手方向の配向がシャフトの配向と平行である限り、各スプラインの少なくとも1個の電極の位置を見つけることができる。電極アセンブリ上の電極の各々についての場所情報を提供する2つの場所センサを含むバスケットカテーテルが、米国特許第9,204,929号に記載されている。
【0004】
以下の本開示の一実施例の詳細な説明を図面と併せ読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の一実施例による、カテーテルベースの電気生理学的(electro-anatomical、EA)マッピング及びアブレーションシステムの概略描写図である。
【
図2】本開示の一実施例による、組織に押圧されたときの変形形状のバスケットカテーテルベースの概略描写図である。
【
図3A】本開示の一実施例による、それぞれ、アセンブリが中立状態にあるとき、及び組織に押圧されているときの、4つのスプラインの場所を有するバスケットアセンブリの正面断面の概略モデルである。
【
図3B】本開示の一実施例による、それぞれ、アセンブリが中立状態にあるとき、及び組織に押圧されているときの、4つのスプラインの場所を有するバスケットアセンブリの正面断面の概略モデルである。
【
図4】本開示の実施例による、アセンブリが組織に対して押圧されているときの、8つのスプラインの場所を有するバスケットアセンブリの正面断面の概略モデルである。
【
図5】本開示の一実施例による、組織に押圧されたバスケットカテーテルの形状を推定する方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
概要
カテーテルの拡張可能な遠位端アセンブリに取り付けられた複数の電極を有するカテーテルを使用して、心腔などの患者の器官の腔をマッピングすることができる。マッピング処置において、医師は、最初に、例えば、(シャフトの遠位端に連結された)バスケットカテーテルの拡張可能な遠位端アセンブリを腔に挿入する。次いで、医師は、アセンブリを拡張し、拡張された遠位端アセンブリを手で動かして、チャンバ壁に接触させる。
【0007】
カテーテル上の所定の場所に取り付けられた1つ以上の磁気ベースの位置センサによって生成される場所信号を使用して、プロセッサは、心腔内のセンサのそれぞれの場所を計算し得る。センサの場所及び遠位端アセンブリの既知の形状を使用して、プロセッサは、複数の電極の場所を計算し得る。
【0008】
加えて、電極の各々のおおよその場所はまた、インピーダンスベースの追跡方法(例えば、Biosense WebsterによるACL)に基づいて判定されてもよい。インピーダンスベースの追跡では、電流がカテーテルの複数の電極に向けられ、電極皮膚パッチにおいて感知され、それにより、各カテーテル電極の場所を電極パッチを介して三角測量することができる。
【0009】
計算された電極の場所及びそれぞれのEP信号を使用して、プロセッサは、心腔表面の電気解剖学的(EA)マップを導出することができる。いくつかの例では、このようなEAマップはまた、不整脈の治療のためにアブレーションされるべき腔壁組織上の潜在的な不整脈性発生場所をグラフィックで示し得る。
【0010】
以下の説明では、例えば、そのスプライン上に複数の電極を担持するバスケットカテーテルは、プロセッサが心室の前述のEAマップを生成するために使用し得る場所及びそれぞれのEP値(以下、まとめて「データ点」と呼ぶ)を取得する。
【0011】
上述したように、センサの場所の計算は、拡張された遠位端アセンブリの特定の幾何学的形状、特に電極間の相対的な3次元(3D)幾何学的関係を仮定し得る。いくつかの例では、各スプラインの曲率は、4次b-スプライン曲線及び/又はベジエ曲線を用いて判定される。ベジエ曲線を用いて電極の座標を追跡するための例示的なシステム及び方法は、2022年7月26日に出願された米国特許出願第17/874,224号に記載されている。4次bスプライン曲線は、4つの制約条件を必要とする。2つの制約条件は、終点である(これは、シャフト上及びバスケットの遠位端上の磁気位置センサから判定される)。追加の制約条件は、近位端におけるスプラインの仮定された0勾配である(これは仮定である)。最後の制約条件は、スプラインの既知の長さである。
【0012】
いったんプロセッサが各スプラインの曲率を判定すると、次の工程は、方位面上の各スプラインの角度位置を知ることである。中立状態では、スプラインが均等に分布しているため、これは比較的簡単である。
【0013】
しかしながら、腔壁との物理的接触の結果として、腔内の拡張可能遠位端アセンブリの形状は、変形し、したがって想定された形状から逸脱する場合がある。したがって、EAマッピング中の可変変形に起因してバスケット形状がよく分からない場合、既知の形状に依存する測定結果は、歪んだ結果をもたらす場合がある。
【0014】
例えば、バスケットの複数の拡張可能なスプライン上に取り付けられた電極の推定場所は、実際の場所と異なる場合があり、これにより、プロセッサは、腔の歪んだEAマップを生成する場合がある。この歪みを防止するために、プロセッサは、複数のスプラインを含む拡張可能な遠位端アセンブリがシャフトの軸から偏向する際に、拡張可能な遠位端アセンブリの形状を再構築する必要がある。
【0015】
特に、バスケットタイプのカテーテルの拡張可能な遠位端アセンブリが横方向の力に起因して屈曲するとき、例えば、バスケットがチャンバの壁に押圧されるとき、バスケットの形状が変化する。いくつかの例では、方位面におけるスプラインの分布は、バスケットがシャフトの軸に対して偏向するにつれて、例えば壁に押圧されたときにシフトする。例えば、壁に面するスプライン(すなわち、屈曲の方向と反対のスプライン)は束になる一方、血液プール中にあるスプライン(すなわち、屈曲の方向において壁から離れているスプライン)は離れて広がる。スプラインの相対的なシフトは、スプラインのねじり変形に対する抵抗に起因して生じ得る。任意選択的に、スプラインは、ねじれ変形に抵抗する平坦なリボンとして形成される。バスケット形状の変化は、3D空間内のスプライン上に適合される複数の感知電極の場所を推定する能力に影響を及ぼす。例えば、バスケットの既知の機械的形状に起因する、それぞれの電極からの場所信号の、空間内の電極の既知の分布への最良適合は、バスケットが壁組織に押圧されるとき、非常に不正確である。
【0016】
本明細書に記載される本開示の例は、プロセッサが、心室内のカテーテルの拡張可能な遠位端アセンブリの変化する形状をリアルタイムでモデル化し、それによって電気解剖学的マッピングの精度を向上させる技術を提供する。例えば、いくつかの例では、プロセッサはプログラムを実行して、バスケットカテーテルが心室内の腔壁と接触させられる際の変形形状をリアルタイムで推定する。変形形状を使用して、プロセッサは、マッピング中に取得される前述のデータ点の場所精度を大幅に改善し、前述のより正確なEPマップをもたらす。
【0017】
上述したように、バスケットが偏向すると、スプラインは均一な分布を失う。これは、スプラインがねじれ変形に抵抗する平坦なリボンとして形成されるために発生する。アセンブリが偏向すると、スプラインは、偏向の反対方向で赤道(すなわち、アセンブリの方位面の最大円周)に向かって束になり、次いで、その上方で分離する。
【0018】
開示された技術は、スプラインが偏向の量だけ互いに反発すると仮定することによって、不均一な分布を説明する。プロセッサは、各スプラインの中央に仮想電荷を配置することによって反発スプラインのモデルを適用する。4次bスプライン曲線でモデル化された各スプラインの形状と、仮想電荷でモデル化された角度位置と、に基づいて、スプラインの形状及び位置を定義することができ、EAマップの座標系における電極の場所を判定することもできる。
【0019】
いくつかの例では、プロセッサは、仮想電荷によって及ぼされる力に類似したモデルを使用して形状の変化をモデル化する。開示された機械モデルでは、例えば、方位面におけるバスケット型遠位端アセンブリの所与のスプラインの位置は、偏向角と、最小偏向角を有するスプライン、例えば、組織に対して押圧されるスプラインへの近接性と、に関連する。
【0020】
このモデルでは、プロセッサは、遭遇した拡張可能な遠位端アセンブリが偏向される、例えば、壁組織に押圧されるときに偏向されることによって引き起こされる弾性ポテンシャルを表す1つの仮想電荷αを割り当てる(例えば、スプラインの接触場所に配置する)。別の仮想電荷βは、他のスプラインの各々の相対的な場所に配置される。自由空間では、拡張可能な遠位端アセンブリは外力の影響を受けないため、すべての仮想電荷はβに等しい。そのような場合、スプラインは均等に分散される。
【0021】
組織壁に押圧されると、拡張可能遠位端アセンブリは、以下の
図2に見られるように、角度θでシャフトに対して屈曲する。屈曲角度は、例えば、アセンブリの近位端及び遠位端に取り付けられた磁気位置センサから推定される。別の例として、屈曲角度θは、スプライン上の複数の電極からの場所信号から推定される。
【0022】
いくつかの例示的な実施形態では、バルーンカテーテルの変形は、バルーンカテーテル上に仮想スプラインを画定することに基づいてモデル化される。仮想スプラインは、バルーンカテーテルの表面に沿って、バルーンの遠位先端からシャフトに接続されたバルーンの近位端まで延在してもよい。いくつかの例では、仮想スプラインの角度位置決めは、バルーンの偏向に起因して生じ得るバルーン表面の反りを画定する。バルーンの反った表面は、バルーン表面上に取り付けられた電極の位置を変化させ得る。
【0023】
X2開示されるモデルは、検出された屈曲角度に基づいて、仮想電荷αを押圧されたスプラインに割り当てる。任意選択的にかつ好ましくは、シャフトの長手方向軸に最も近いスプラインが、仮想電荷αを有するスプラインとして選択される。屈曲角度θは、次式に基づいてαを定義する。
α(θ)=β(1+Kθ)
式中、Kはスプラインの剛性を表す弾性剛性係数であり、θ>0の場合α(θ)>βである。αがβと比較して十分に大きい(すなわち、著しい屈曲を有する)場合、スプラインは、
図3のアセンブリの断面(例えば、赤道面、又は傾斜面)に見られるように、不均一に分散される。分析は、バスケットアセンブリの方位面内で実行される。
【0024】
電荷間の式に類似する弾性式を使用して、モデルは、任意の数のスプライン間の不均一な距離を判定する。スプラインは、実際のスプラインであってもよく、又はバスケットカテーテルのバルーン形状を画定する仮想スプラインであってもよい。
【0025】
推定された変形形状を使用して、プロセッサは、電極の真の場所をより良好に推定することができ、したがって、拡張可能な遠位端アセンブリ上に取り付けられた電極を使用して実行される電気的位置検出の精度を改善することができる。
【0026】
システムの説明
図1は、本開示の一実施例による、カテーテルベースの電気生理学的(EA)マッピング及びアブレーションシステム10の概略描写図である。
【0027】
システム10は、患者の血管系を通って、心臓12の心腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される1つ以上のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12の所望の場所の近くの左心房又は右心房内に挿入される。その後、1本以上のカテーテルを、送達シースカテーテルに挿入して、所望の場所に到達させることができる。1本以上のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、及び/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含んでもよい。IEGMを検知するように構成された例示的なバスケットカテーテル14が本明細書に示されている。挿入
図45に見られるように、医師24は、カテーテル14のシャフト44に取り付けられたバスケットアセンブリ28(以下、「拡張可能遠位端アセンブリ28」とも呼ばれる)を、心臓12内の標的部位を感知するために心臓壁と接触させる。アブレーションのために、医師24は、同様に、アブレーションカテーテルの遠位端をアブレーションのための標的部位に運ぶ。
【0028】
挿入
図65に見られるように、カテーテル14は、任意選択的に拡張可能な遠位端アセンブリ28において複数のスプライン22にわたって分布し、IEGM信号を検知するように構成された、1つ、好ましくは複数の電極26を含む例示的なカテーテルである。カテーテル14は、(i)シャフト44の遠位端46の位置を追跡するためにバスケットアセンブリ28内又はその近くに埋め込まれた近位位置センサ29と、(ii)バスケットアセンブリ28の遠位端の位置を追跡するための遠位位置センサ41と、を更に含む。任意選択的にかつ好ましくは、位置センサ29及び41は、3次元(three-dimensional、3D)位置を感知するための磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサである。
【0029】
磁気ベースの位置センサ29及び41は、所定の作業体積内に磁場を生成するように構成された複数の磁気コイル32を含む場所パッド25と共に動作してもよい。シャフト44の遠位端46に対するカテーテル14のバスケットアセンブリ28のリアルタイム配向は、センサ29及び41の追跡された場所から計算される(場所は、場所パッド25を用いて生成され、磁気ベースの位置センサ29及び41によって感知される磁場を使用して追跡される)。この相対配向は、
図2に記載されるように、遠位端46と拡張可能アセンブリ28の拡張ロッド42との間に形成される角度によって明らかにされる。
【0030】
磁気ベースの位置感知技術の詳細は、米国特許第5,539,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、同第6,788,967号、同第6,892,091号に記載されている。
【0031】
システム10は、場所パッド25の場所基準及び電極26のインピーダンスベースの追跡を確立するために、患者23上の皮膚接触のために配置された1つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流が電極26に向けられ、電極皮膚パッチ38において検知され、それにより、各電極の場所を電極パッチ38を介して三角測量することができる。インピーダンスベースの場所追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,576号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されている。
【0032】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位
図21と、カテーテル14の電極26で捕捉された心内電位図(IEGM)とを表示する。レコーダ11は、心臓の律動をペーシングするためのペーシング能力を含んでもよく、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続されてもよい。
【0033】
システム10は、アブレーションするように構成されたカテーテルの遠位先端にある1つ以上の電極にアブレーションエネルギーを伝達するように適合されたアブレーションエネルギー発生器50を含んでもよい。アブレーションエネルギー発生器50によって生成されるエネルギーは、不可逆エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような単極性又は双極性高電圧直流パルスを含む、高周波(RF)エネルギー又はパルス場アブレーション(PFA)エネルギー、或いはそれらの組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0034】
患者インターフェースユニット(PIU)30は、カテーテルと、電気生理学的機器と、電源と、システム10の動作を制御するワークステーション55との間の電気通信を確立するように構成されている。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、場所パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、及びレコーダ11を含んでもよい。任意選択的にかつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの場所のリアルタイム計算を実施し、ECG計算を実行するための処理能力を更に含む。
【0035】
ワークステーション55は、メモリ57と、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニット56と、ユーザインターフェース機能と、を含む。ワークステーション55は、任意選択で、(1)心内膜解剖学的構造を3次元(3D)でモデリングし、モデル又は解剖学的マップ20をディスプレイデバイス27上に表示するためにレンダリングすることと、(2)記録された電位
図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的指標又は画像でディスプレイデバイス27上に表示すること、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイム場所及び配向を表示すること、及び(5)アブレーションエネルギーが印加された場所などの関心部位をディスプレイデバイス27上に表示すること、を含む、複数の機能を提供してもよい。システム10の各要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.31A Technology Drive,Irvine,CA,92618、から市販されている、CARTO(登録商標)3システムとして入手可能である。
【0036】
カテーテルスプライン偏向モデル
図2は、本開示の一実施例による、組織に押圧されたときの変形形状のバスケットカテーテルベースの概略描写図である。
図2は、バスケットの拡張可能な遠位端アセンブリ28の形状に対する押圧力の影響を示す。図示されるように、アセンブリ28の伸長ロッド42は、シャフト44の遠位端46に対して角度θ208をなす。角度208は、伸長ロッド42の長手方向軸206と遠位端46の長手方向軸208との間に画定される。位置センサ29及び41、並びに伸長ロッド42及び遠位端46の既知の幾何学形状を使用して、プロセッサは角度θ208を容易に計算することができる。
【0037】
しかしながら、押圧側(42)のスプライン22が内向きに圧縮される一方、自由側(例えば、心室血液プール内)のスプライン22が外向きに曲がることは明らかであるが、スプライン22がたどる形状は不明である。変形形状の分析は、
図3及び
図4において、正面断面L1-L2 212(例えば、方位面)を見ることによって行われる。スプライン22は弾性があり連続しているため、プロセッサは、1つのそのような平面内のスプライン場所214を見つけることによってバスケット形状全体を再構築することができる。
【0038】
図3A及び
図3Bは、それぞれ、本開示の一実施例による、アセンブリが中立状態にあるとき(
図3A)及び組織に押圧されているとき(
図3B)の、4つのスプライン場所325及び326を有するバスケットアセンブリの正面断面の概略モデル327及び328である。
【0039】
図2の定義に従って、断面は方位面L1-L2に沿っている。
【0040】
4つの未知数、すなわちスプライン間距離X1、X2、X3、及びX4が存在する。
図3Aに見られるように、例えば、横方向の力が加えられていない、バスケット遠位端の中立状態では、バスケットの全周
【0041】
【0042】
【0043】
図3B(及び
図2)に見られるように、スプラインの角度位置は、組織に押圧されたときにシフトする。例えば、スプライン326Bは一緒に束ねられ、電極326から離れている。方位面上の各スプラインの角度位置をモデル化するために、仮想電荷α(346)及びβ(356)は、平面L1-L2内のスプラインのそれぞれの交点326A及び326Bに配置される。
【0044】
対称性を考慮すると、X3=X2及びX4=X1であるので、2つの未知数が存在する。
【0045】
所与の拡張状態において、バスケットの全周
【0046】
【数3】
は、拡張可能なフレームの定数であり、以下の第1の式をもたらす。
【0047】
【0048】
平衡の第2の式は、弾性ポテンシャルから導かれる。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
例示的なα=2βの場合、方位面における電極の変位は、数ミリメートルに達する可能性がある。
【0053】
図4は、本開示の例による、アセンブリが組織に押圧されたときの、8つのスプラインの場所を有するバスケットアセンブリの正面断面の概略モデル428である。
図2の定義に従って、断面は平面L1-L2に沿っている。
【0054】
図示されるように、仮想電荷α(346)及びβ(356)は、平面L1-L2内のスプラインのそれぞれの交点426A及び426Bに配置される。
【0055】
8つの未知数、すなわち、スプライン間距離X1、X11、X21、X2、X3、X31、X41、及びX4が存在する。バスケットの中立状態において、バスケットの全周
【0056】
【0057】
【数9】
である。対称性を考慮すると、X3=X2、X31=X21、X41=X11、及びX4=X1となり、したがって4つの未知数が存在する。
【0058】
所与の拡張状態において、バスケットの全周
【0059】
【数10】
は、拡張可能なフレームの定数であり、以下の第1の式をもたらす。
【0060】
【0061】
平衡の第2の式は、弾性ポテンシャルから導かれる。
【0062】
【数12】
X2≒X1及びX21≒X11と仮定する。
【0063】
これにより、
【0064】
【0065】
【0066】
組織に押圧されたバスケットカテーテルの形状を推定する方法
図5は、本開示の一実施例による、組織に押圧されたバスケットカテーテルの形状を推定する方法を概略的に示すフローチャートである。アルゴリズムは、提示された例によれば、カテーテル取得ステップ502において、医師24が拡張可能な遠位端アセンブリ28を心室内で移動させることから始まり、
図2に見られるように、アセンブリ28は、心室壁と接触すると、可変的に変形する。
【0067】
アセンブリ28は、プロセッサが心室の前述のEAマップを生成するために使用し得る場所及びそれぞれのEP値(「データ点」)を取得するために、そのスプライン上に複数の電極を担持する。例えば、バスケット形状がEAマッピング中に可変的に変形するためによく分からない場合、磁気場所センサによって感知される1つの場所のみに依存する測定結果は、歪んだ結果をもたらす可能性がある。例えば、バスケットの複数の拡張可能なスプライン上に取り付けられた電極の仮定場所は誤っている場合があり、これにより、プロセッサは、腔の歪んだEPマップを生成する場合がある。
【0068】
偏向推定ステップ503において、プロセッサは、一方がシャフト上、他方がバスケットの遠位先端上に配置された磁気場所センサからの信号を使用して、シャフトの長手方向軸から偏向の量(すなわち、ロール及びピッチ方向の屈曲角度θ及びφ)を推定する。
【0069】
電極の場所を補正する(例えば、電極位置に最良適合を適用する)ために、プロセッサは、仮想電荷α(θ,φ)(346)及びβ(356)に基づくアセンブリ形状の前述の機械モデルと共に、測定された屈曲角度θ及びφを使用する。リアルタイムでモデルを解くことによって、遠位端アセンブリ形状推定ステップ504において、プロセッサは、各スプラインの方位面上の角度位置を推定する。
【0070】
スプライン形状決定ステップ505において、プロセッサは、B-スプライン及び/又はベジエ曲線法に基づいて各スプラインの形状を判定する。
【0071】
最後に、推定された変形形状及び角度位置決めに基づいて、プロセッサは、バスケット上の1つ以上の電極の3D位置を判定する。場所追跡改善ステップ506において、判定された3D位置は、電気的検出(例えば、前述のインピーダンスベースの場所追跡)を使用して取得されたデータ点の精度を、任意の所与の時間に変形された形状と一致する場所によって改善する。
【0072】
図5に示すフローチャートは、単に概念を明確化する目的で選択されたものである。本実施例はまた、接触力の推定などのアルゴリズムの追加の工程を含んでもよい。この工程及び他の可能な工程は、より単純化されたフローチャートを提供するために、本明細書における開示内容から意図的に省略されている。
【実施例0073】
(実施例1)
システム(10)は、拡張可能な遠位端アセンブリ(28)と、プロセッサ(56)と、を含む。拡張可能な遠位端アセンブリは、患者の器官の腔内に挿入するためのシャフト(44)の遠位端に連結され、アセンブリは1つ以上の電極(26)を含む。プロセッサは、(i)遠位端アセンブリの遠位場所及び近位場所の各々から場所信号を受信し、(ii)遠位端アセンブリ(28)に位置し、相対配向の変化を示す信号を出力するように構成された、1つ以上のセンサ(41、46)から相対配向角度(208)を示す場所信号を受信し、(iii)遠位端アセンブリ(28)の近位端から遠位端まで延在する複数のスプライン(22)の各々の、方位面(212)における角度位置を推定し、かつ(iv)スプライン(22)の各々の推定角度位置に基づいて3次元空間における電極(26)のうちの1つ以上のそれぞれの場所を推定する、ように構成されている。
【0074】
(実施例2)
スプラインは、バルーンカテーテルの表面に沿った仮想スプラインである、実施例1に記載のシステム(10)。
【0075】
(実施例3)
スプライン(22)は、平坦なリボンとして成形されている、実施例1又は2に記載のシステム(10)。
【0076】
(実施例4)
遠位端アセンブリ(28)は、電極(26)が配置された複数のスプライン(22)を備え、プロセッサ(56)は、スプラインの弾性係数に応じて、複数のスプライン(22)の各々の、方位面(212)における角度位置を推定するように構成されている、実施例1~3のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0077】
(実施例5)
1つ以上のセンサ(41、46)は、遠位端アセンブリ(28)の近位端に位置する第1の磁気位置センサ(46)と、遠位端アセンブリ(28)の遠位端に位置する第2の磁気位置センサ(41)と、を備える、実施例1~3のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0078】
(実施例6)
1つ以上のセンサは力センサを含み、力センサは、遠位端アセンブリ(28)の近位端に位置し、角度(212)を示す信号を出力するように構成されている、実施例1~3のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0079】
(実施例7)
中立位置において、カテーテル(14)の第1の長手方向軸(204)と第2の長手方向軸(206)は互いに平行である、実施例1~6のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0080】
(実施例8)
遠位端アセンブリ(28)は複数のスプライン(22)を備え、プロセッサ(56)は、bスプライン又はベジエ曲線に基づいてスプライン(22)のそれぞれの形状を推定することによって、複数のスプラインの各々の、方位面(212)における角度位置を推定するように構成されている、実施例1~7のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0081】
(実施例9)
プロセッサ(56)は、方位面(212)における所与のスプラインの角度位置が、(i)所与のスプラインとシャフトの長手方向軸に最も近いスプラインとの間の距離と、(ii)各スプラインに割り当てられた仮想電荷(346.356)と、に関連する機械モデルを使用することによって、複数のスプライン(22)の各々の、方位面における角度位置を推定するように構成されている、実施例1~8のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0082】
(実施例10)
プロセッサ(56)は、複数のスプライン(22)の各々の、方位面における推定角度位置を使用して、拡張可能な遠位端アセンブリ(28)上に取り付けられた電極(26)によって実行される電気的位置検出の精度を向上させるように更に構成されている、請求項1~9のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0083】
(実施例11)
腔は心腔である、実施例1~10のいずれか1つに記載のシステム(10)。
【0084】
(実施例12)
方法は、シャフト(44)の遠位端に連結された拡張可能な遠位端アセンブリ(28)を患者の器官の腔に挿入することであって、拡張可能な遠位端アセンブリ(38)が1つ以上の電極(26)を備える。場所信号は、遠位端アセンブリ(28)の遠位場所及び近位場所の各々から受信される。相対配向角度を示す場所信号は、遠位端アセンブリに位置し、相対配向の変化(208)を示す信号を出力するように構成された、1つ以上のセンサ(41、46)から受信される。角度位置は、遠位端アセンブリ(28)の近位端から遠位端まで延在する複数のスプライン(22)の各々の方位面において推定される。スプラインの各々の推定された角度位置に基づいて、3次元空間における電極のうちの1つ以上のそれぞれの場所が推定される。
【0085】
本明細書に記載の実施例は、主に心臓診断用途に対処するものであるが、本明細書に記載の方法及びシステムは、他の医療用途にも使用することができる。
【0086】
上に記載される実施例は例として挙げたものであり、本開示は本明細書の上記で特に図示及び記載されるものに限定されない点が理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読んで当業者が思いつくであろう、先行技術には開示されていないそれらの変形及び修正を含む。
【0087】
〔実施の態様〕
(1) システムであって、
患者の器官の腔に挿入するためにシャフトの遠位端に結合された拡張可能な遠位端アセンブリであって、1つ以上の電極を備える、拡張可能な遠位端アセンブリと、
プロセッサであって、
前記遠位端アセンブリの遠位場所及び近位場所の各々から場所信号を受信し、
前記遠位端アセンブリに位置し、相対配向の変化を示す信号を出力するように構成された、1つ以上のセンサから、相対配向角度を示す場所信号を受信し、
前記遠位端アセンブリの前記近位端から前記遠位端まで延在する複数のスプラインの各々の、方位面における角度位置を推定し、かつ
前記スプラインの各々の前記推定された角度位置に基づいて、3次元空間における前記電極のうちの1つ以上のそれぞれの場所を推定する、ように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
(2) 前記スプラインは、バルーンカテーテルの表面に沿った仮想スプラインである、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記スプラインは、平坦なリボンとして成形されている、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記遠位端アセンブリは、前記電極が配置された複数のスプラインを備え、前記プロセッサは、前記スプラインの弾性係数に応じて、前記複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記角度位置を推定するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記1つ以上のセンサは、前記遠位端アセンブリの近位端に位置する第1の磁気位置センサと、前記遠位端アセンブリの遠位端に位置する第2の磁気位置センサと、を含む、実施態様4に記載のシステム。
【0088】
(6) 前記1つ以上のセンサは力センサを含み、前記力センサは、前記遠位端アセンブリの近位端に位置し、前記角度を示す信号を出力するように構成されている、実施態様4に記載のシステム。
(7) 中立位置において、カテーテルの第1の長手方向軸と第2の長手方向軸は互いに平行である、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記遠位端アセンブリは複数のスプラインを備え、前記プロセッサは、bスプライン又はベジエ曲線に基づいて前記スプラインのそれぞれの形状を推定することによって、前記複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記角度位置を推定するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記プロセッサは、前記方位面における所与のスプラインの角度位置が、(i)前記所与のスプラインと前記シャフトの長手方向軸に最も近いスプラインとの間の距離と、(ii)各スプラインに割り当てられた仮想電荷と、に関連する機械モデルを使用することによって、前記複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記角度位置を推定するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(10) 前記プロセッサは、複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記推定された角度位置を使用して、前記拡張可能な遠位端アセンブリ上に取り付けられた電極によって実行される電気的位置検出の精度を改善するように更に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0089】
(11) 前記腔は心腔である、実施態様1に記載のシステム。
(12) 方法であって、
シャフトの遠位端に結合された拡張可能な遠位端アセンブリを患者の器官の腔に挿入することであって、前記拡張可能な遠位端アセンブリが1つ以上の電極を備える、ことと、
前記遠位端アセンブリの遠位場所及び近位場所の各々から場所信号を受信することと、
前記遠位端アセンブリに位置し、相対配向の変化を示す信号を出力するように構成された、1つ以上のセンサから、相対配向角度を示す場所信号を受信することと、
前記遠位端アセンブリの前記近位端から前記遠位端まで延在する複数のスプラインの各々の、方位面における角度位置を推定することと、
前記スプラインの各々の前記推定された角度位置に基づいて、3次元空間における前記電極のうちの1つ以上のそれぞれの場所を推定することと、を含む、方法。
(13) 前記スプラインは、バルーンカテーテルの表面に沿った仮想スプラインである、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記スプラインは、平坦なリボンとして成形されている、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記遠位端アセンブリは、前記電極が配置された複数のスプラインを備え、前記スプラインの弾性係数に応じて、前記複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記角度位置を推定することを含む、実施態様12に記載の方法。
【0090】
(16) 前記1つ以上のセンサは、前記遠位端アセンブリの近位端に位置する第1の磁気位置センサと、前記遠位端アセンブリの遠位端に位置する第2の磁気位置センサと、を含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記1つ以上のセンサは力センサを含み、前記力センサは、前記遠位端アセンブリの近位端に位置し、前記角度を示す信号を出力するように構成されている、実施態様15に記載の方法。
(18) 中立位置において、カテーテルの第1の長手方向軸と第2の長手方向軸は互いに平行である、実施態様12に記載の方法。
(19) 前記遠位端アセンブリは複数のスプラインを備え、bスプライン又はベジエ曲線に基づいて前記スプラインのそれぞれの形状を推定することによって、前記複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記角度位置を推定することを含む、実施態様12に記載の方法。
(20) 前記方位面における所与のスプラインの角度位置が、(i)前記所与のスプラインと前記シャフトの長手方向軸に最も近いスプラインとの間の距離と、(ii)各スプラインに割り当てられた仮想電荷と、に関連する機械モデルを使用することによって、前記複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記角度位置を推定することを含む、実施態様12に記載の方法。
【0091】
(21) 前記複数のスプラインの各々の、前記方位面における前記推定された角度位置を使用して、前記拡張可能な遠位端アセンブリ上に取り付けられた電極によって実行される電気的位置検出の精度を改善することを含む、実施態様12に記載の方法。
(22) 前記腔は心腔である、実施態様12に記載の方法。