(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009431
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】サウナ装置
(51)【国際特許分類】
A61H 33/06 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
A61H33/06 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110949
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】片山 恒
(72)【発明者】
【氏名】坂上 覚
【テーマコード(参考)】
4C094
【Fターム(参考)】
4C094AA01
4C094BA18
4C094DD09
4C094EE02
4C094FF02
4C094FF09
(57)【要約】
【課題】サウナ浴中にユーザが不快に感じることを防止するサウナ装置を提供する。
【解決手段】安定モード時、水位センサ39(下フロートスイッチ40)で所定の低水位が検知され給水弁8を開放したとき、貯水タンク6への送水又は/及びサウナ室2内への加湿空気の送風を制限する。貯水タンク6が所定の低水位以下になったとき、貯水タンク6への送水又は/及びサウナ室2内への加湿空気の送風を制限することで、貯水タンク6への送水前と比較し温度低下した加湿空気の吹出口5からの吹き出し量を抑えることができるので、ユーザの足元に冷風が触れることで不快に感じることを防止できる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定量の水を貯める貯水タンクと、
当該貯水タンクの水位を検知する水位センサと、
前記貯水タンクの水温を検知する貯水温度センサと、
前記貯水タンク内の水を加熱する加熱ヒータと、
前記貯水タンクと接続し開閉の切り替えが可能な給水弁を途中に有した給水管と、
吸込口を介して前記貯水タンクへ流入した室内の空気に前記貯水タンク内の水を含ませて加湿空気を発生させる加湿空気発生手段と、
当該加湿空気発生手段で発生した加湿空気を吹出口を介して室内へ送風する送風ファンと、
当該送風ファンにより加湿空気が吹き出される室内の温度を検知する室温センサと、
前記水位センサで所定の低水位が検知されたら所定の高水位が検知されるまで前記給水弁を開放し、前記貯水温度センサ及び前記室温センサでの検知値に基づき前記加熱ヒータの駆動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記貯水タンクへの送水又は/及び室内への加湿空気の送風を制限することを特徴としたサウナ装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記水位センサで前記所定の高水位が検知されるまでの間、前記給水弁を所定時間だけ閉止する区間を設けたことを特徴とした請求項1記載のサウナ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記水位センサで前記所定の高水位が検知されるまでの間、前記給水弁を全開状態未満の所定開度にすることを特徴とした請求項1記載のサウナ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記貯水温度センサでの検知値が少なくとも前記給水弁を開放する直前の貯水温度以上となるまでの間、前記送風ファンを現在の回転数より低い所定の低回転数で駆動することを特徴とした請求項1記載のサウナ装置。
【請求項5】
前記加湿空気発生手段は、前記貯水タンク内の水を汲み上げて周囲に飛散させる回転体と、当該回転体を所定の回転数で駆動させる回転数が可変な駆動モータと、前記回転体により周囲に飛散した水を破砕する破砕手段と、で構成され、
前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記貯水温度センサでの検知値が少なくとも前記給水弁を開放する直前の貯水温度以上となるまでの間、前記駆動モータを現在の回転数より低い所定の低回転数で駆動することを特徴とした請求項4記載のサウナ装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記所定の低水位と前記所定の高水位との間にある所定の中水位になったと判断したら、前記貯水温度センサ及び前記室温センサの検知値に関わらず前記加熱ヒータを駆動させることを特徴とした請求項1から5のいずれか1項に記載のサウナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、温度上昇した加湿空気を室内へ供給しサウナ浴を可能とするサウナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、給水管から送水された水を一定量だけ貯める貯水タンクの水中に加熱ヒータが設置され、貯水温度及び室温が設定温度以上となるよう加熱ヒータの駆動を制御すると共に、貯水タンクに設置された加湿空気発生手段により加湿空気を発生させ、送風ファンを駆動させることで加湿空気を吹出口から送風することで室内を設定温度付近で高湿状態にするサウナ装置があり、貯水タンクに接続された給水管の出口付近において、他の箇所と比較し加熱ヒータが密となるように設置することで、貯水タンク内の水位が低下したことを受けて給水管から貯水タンクへ送水されたとき、給水管から送水された水を効率よく加熱することで貯水温度の急激な低下を抑制し、吹出口から冷風が送風されることでサウナ室内のユーザが不快に感じることを防止するものがあった(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、貯水タンクの水位低下により貯水タンクへ送水されたとき、短時間で多量の水が貯水タンク内へ流入する。給水管の出口付近において加熱ヒータが密に設置されていても、貯水タンク内の水温が上昇するまで一定時間が必要である。一時的に吹出口から吹き出される加湿空気の温度が低下し、サウナ室内に存在するユーザが貯水タンク内への送水前と比較して低温となった加湿空気に触れて不快に感じることから、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、一定量の水を貯める貯水タンクと、
当該貯水タンクの水位を検知する水位センサと、
前記貯水タンクの水温を検知する貯水温度センサと、
前記貯水タンク内の水を加熱する加熱ヒータと、
前記貯水タンクと接続し開閉の切り替えが可能な給水弁を途中に有した給水管と、
吸込口を介して前記貯水タンクへ流入した室内の空気に前記貯水タンク内の水を含ませて加湿空気を発生させる加湿空気発生手段と、
当該加湿空気発生手段で発生した加湿空気を吹出口を介して室内へ送風する送風ファンと、
当該送風ファンにより加湿空気が吹き出される室内の温度を検知する室温センサと、
前記水位センサで所定の低水位が検知されたら所定の高水位が検知されるまで前記給水弁を開放し、前記貯水温度センサ及び前記室温センサでの検知値に基づき前記加熱ヒータの駆動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記貯水タンクへの送水又は/及び室内への加湿空気の送風を制限することを特徴とした。
【0006】
また、請求項2では、前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記水位センサで前記所定の高水位が検知されるまでの間、前記給水弁を所定時間だけ閉止する区間を設けたことを特徴とした。
【0007】
また、請求項3では、前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記水位センサで前記所定の高水位が検知されるまでの間、前記給水弁を全開状態未満の所定開度にすることを特徴とした。
【0008】
また、請求項4では、前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記貯水温度センサでの検知値が少なくとも前記給水弁を開放する直前の貯水温度以上となるまでの間、前記送風ファンを現在の回転数より低い所定の低回転数で駆動することを特徴とした。
【0009】
また、請求項5では、前記加湿空気発生手段は、前記貯水タンク内の水を汲み上げて周囲に飛散させる回転体と、当該回転体を所定の回転数で駆動させる回転数が可変な駆動モータと、前記回転体により周囲に飛散した水を破砕する破砕手段と、で構成され、
前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記貯水温度センサでの検知値が少なくとも前記給水弁を開放する直前の貯水温度以上となるまでの間、前記駆動モータを現在の回転数より低い所定の低回転数で駆動することを特徴とした。
【0010】
また、請求項6では、前記制御部は、前記水位センサで前記所定の低水位が検知され前記給水弁を開放したとき、前記所定の低水位と前記所定の高水位との間にある所定の中水位になったと判断したら、前記貯水温度センサ及び前記室温センサの検知値に関わらず前記加熱ヒータを駆動させることを特徴とした。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、水位センサで所定の低水位が検知され給水弁を開放したとき、貯水タンクへの送水又は/及び室内への加湿空気の送風を制限するので、貯水タンクへの送水時に吹出口から送水前と比較して低温の加湿空気が吹き出されることを抑制できるため、ユーザが低温の加湿空気に触れて不快に感じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態を示すサウナ装置の概略構成図である。
【
図2】同一実施形態のサウナ装置の横断面図である。
【
図3】同一実施形態のサウナ装置の縦断面図である。
【
図4】同一実施形態のサウナ装置の水平断面図である。
【
図7】同一実施形態の一連の動作を示すフローチャートである。
【
図8】同一実施形態のクリーニングモードの作動を示すフローチャートである。
【
図9】同一実施形態の除菌モードAの作動を示すフローチャートである。
【
図10】同一実施形態の立ち上げモードの作動を示すフローチャートである。
【
図11】同一実施形態の安定モードの作動を示すフローチャートである。
【
図12】同一実施形態の除菌モードBの作動を示すフローチャートである。
【
図13】同一実施形態の乾燥モードの作動を示すフローチャートである。
【
図14】変形例1の安定モードの作動を示すフローチャートである。
【
図15】変形例2の安定モードの作動を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明のサウナ装置の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1において、1は低温のサウナ室2のベンチ3下に備えられた微細水滴及びマイナスイオン発生器で、サウナ室2内の上部まで延びた吸引ダクト4を介して該サウナ室2内の空気を吸引し、塵や細菌を除去した後に、加熱昇温した微細水滴及びマイナスイオンを含む加湿空気をベンチ3下方に形成した吹出口5からサウナ室2に供給して、順次これを繰り返してサウナ室2の空気を循環させることで、サウナ室2を使用室温38~42℃、相対湿度90%以上の低温高湿サウナの使用雰囲気とするものである。
【0014】
サウナ浴のためサウナ室2内に入室したユーザがベンチ3に座ると、ユーザの足元に位置する吹出口5から加湿空気が送風されるため、ユーザは足元付近で加湿空気の温度を最もよく体感する。
【0015】
次に、前記微細水滴及びマイナスイオン発生器1について、
図2~4に基づいて説明する。
6は水を一定量貯留する貯水タンク、7は貯水タンク6の一側壁に接続され貯水タンク6に給水する給水管、8は給水管7の途中に設けられ給水管7の開閉を行う給水弁、9は貯水タンク6に貯められた水を加熱し貯水タンク6の水面下で貯水タンク6底部近傍に単相200V、2KWで平面視M字状に水平に取り付けられてU字部10を3箇所有した加熱ヒータ、11は貯水タンク6の一側壁に設けたオーバーフロー管、12は貯水タンク6の底部に接続され貯水タンク6に貯められた水又は加熱ヒータ9に加熱された加熱水を排水する排水管、13は排水管12の途中に設けられ排水管12の開閉を行う排水弁である。
【0016】
14は前記貯水タンク6内を処理室15と分離室16の2室に仕切る仕切壁で、下端が分離室16側に屈曲し水面との間の連通路17を水面近傍まで下げることにより、処理室15から分離室16へ向かう空気中の大粒のミスト(水滴)を水面にぶつけて落下させる気液分離器の役目も果たすようにしている。
【0017】
前記処理室15には、貯水タンク6の蓋体18に設けた挿通穴19に、防水カバー20の凹部21に駆動モータとしてのミストモータ22の下半分を収容して挿通されている。
ミストモータ22と支軸23とを連結し、下部を水没させ上方に向かって径が拡大した擂り鉢状の回転体24は、加熱ヒータ9の給水管7から一番離れたU字部10中に垂下して設けられている。
この回転体24は、前記ミストモータ22による駆動で回転し、その遠心力によって加熱ヒータ9で加熱された貯水タンク6内の温水を回転体24に沿って吸い上げ、上端に形成された複数の細孔25から周囲に飛散させるものである。
【0018】
前記分離室16には、仕切壁14の下端を分離室16下方に向かって傾斜屈曲させた第1の邪魔板26と、この仕切壁14と対向する側壁に、下方に向かって傾斜して取り付けた第2の邪魔板27とで交互に突出させて、中央部に下部の連通路17から上部の吹出口5に向かう蛇行路28が形成されているものである。
【0019】
29は前記回転体24の外周に所定間隔を保持して位置し、該回転体24と共に回転する円筒状の多孔体、30は前記多孔体29全周壁に形成した多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る破砕手段としての多孔部である。
ミストモータ22、回転体24、及び多孔部30により加湿空気発生手段が構成されている。
【0020】
前記加湿空気発生手段を構成するミストモータ22を駆動させ、回転体24を回転させたことで発生する遠心力で貯水タンク6内の水を汲み上げると共に空気を飛散させ、多孔部30により水滴が破砕されることで、水の粒子を微細化してナノメートル(nm)サイズのミストが生成すると共に、水の粒子の微細化によるレナード効果でマイナスイオンを多量に発生させるものである。
【0021】
31は前記多孔体29の外周に所定の間隔を空けて多孔体29を覆うように設置された楕円形状の空気案内筒である。
当該空気案内筒31と円筒状の多孔体29との間には、一対の大流通路32、32と一対の小流通路33、33とが形成されるように、処理室15の上方を塞ぐ中蓋34に設けられている。
分離室16の上部で該分離室16と吹出口5とを連通する位置に備えられたクロスフローファンから成る回転数が可変の送風ファン35の駆動により、吸引ダクト4を介し蓋体18と中蓋34との間の吸込口36から吸引されたサウナ室2内の空気を、一側壁に吸引ダクト4が接続される吸込口36を有し蓋体18と中蓋34との間の空間で形成される給気室37に流入させる。
【0022】
前記空気案内筒31には、その内周縁に内方に突出したフランジ部38が設けられ、このフランジ部38は、回転体24の回転による遠心力により水が貯水タンク6から汲み上げられ多孔体29を介して飛散し空気案内筒31を跳ね返った水が意図しない箇所、例えば、蓋体18に固定されたミストモータ22と支軸23との接続部近傍や、給気室37内に飛散するのを防止するために、回転体24の上面よりも上方の高さ位置に設けられているものである。
【0023】
39は貯水タンク6内の底部に備えられ貯水タンク6内の水又は温水があるときに検知信号を出力する水位センサであり、前記水位センサ39は、下フロートスイッチ40、上フロートスイッチ41で構成されている。
【0024】
下フロートスイッチ40は、加熱ヒータ9が水面上に露出する直前である所定の低水位の時にOFF信号を出力し、加熱ヒータ9が完全に水面下となる水位である所定の中水位となったらON信号を出力する。
上フロートスイッチ41は、前記下フロートスイッチ40よりも鉛直方向において高い位置に設置されており、前記所定の低水位、及び前記所定の中水位の状態ではOFF信号を出力し、貯水タンク6内の水位が前記所定の中水位からさらに高くなり、所定の高水位以上を検知したらON信号を出力する。
【0025】
42は前記下フロートスイッチ40、及び上フロートスイッチ41を貯水タンク6の水面変動の影響を受けないように保護する断面コ字状の保護枠である。当該保護枠42は、正面及び両側方を水面上まで突出させた枠体で構成され、当該枠体と貯水タンク6の一側壁とで2つのフロートスイッチ40、41を囲い、上面で2つのフロートスイッチ40、41を垂下して固定している。
【0026】
43は吸引ダクト4と共に給気経路を構成する吸込口36に取り付けられたU字状の空気ヒータである。
当該空気ヒータ43は、吸込口36の側壁から突出し該側壁に対して上方を後側に寝かせて傾斜させた状態で設置され、U字状のヒータ部分が重ならずに小さな面でサウナ室2内からの送風空気と効率良く接してサウナ室2内からの空気を加熱する。
サウナ装置の運転開始時に送風ファン35を駆動させると共に、空気ヒータ43に通電してサウナ室2を循環させる空気を加熱し、サウナ室2の雰囲気温度を上昇させて、立ち上がり時間の短縮を図る。
サウナ装置の運転終了後には送風ファン35を駆動すると共に空気ヒータ43に通電させ、温風によってサウナ室2内を乾燥させ、衛生状態の良好を保つようにしたものである。
【0027】
44は貯水タンク6の下部外壁で所定水位に設けられ貯水タンク6内の貯水温度を検知する貯水温度センサ、45は同じく貯水タンク6の下部外壁で所定水位に設けられたサーモスタットであり、前記サーモスタット45は貯水タンク6が異常過熱状態になった時、加熱ヒータ9と電源とを接続する配線を断線して安全を確保するものである。
【0028】
なお、前記サーモスタット45は貯水タンク6が異常過熱状態になったことを素早くかつ確実に検知可能な位置に設置されることが望ましく、下フロートスイッチ40がOFF信号を出力する貯水タンク6の側壁付近に設置されるのが好ましい。
【0029】
46はサウナ室2内の上部に取り付けられサウナ室2内の室内温度を検知する室温センサである。47はサウナ室2を換気する換気扇、48はサウナ室2への出入り用のドア、49はドア48上部に設けられた覗き窓、50はドア48下部に設けられサウナ室2外からサウナ室2内に空気を取り込む空気取入口であり、当該空気取入口50は、換気扇47が駆動すると開いてサウナ室2外からサウナ室2内に空気を供給する構造となっている。
51は緊急スイッチで、サウナ室2内で入浴者であるユーザに異常が発生した場合に、ユーザによりこの緊急スイッチ51が操作されると、ブザーを鳴らす等によってサウナ室2内で異常が発生したことをサウナ室2外に報知し、排水弁13を開弁して貯水タンク6内の温水を排水すると共に、換気扇47を作動させることで、サウナ室2内の温度及び湿度を低下させてユーザの安全性を確保する。
【0030】
図5を参照する。52はこのサウナ装置を遠隔操作するリモコンである。当該リモコン52には、サウナ室2内の室内設定温度を表示する室内設定温度表示部53と、室温センサ46の検知するサウナ室2内の温度を表示する室内温度表示部54と、サウナ室2内のユーザが所望する室温である設定温度、例えば38℃~42℃を1℃刻みで設定する室温設定手段としての室温設定スイッチ55と、サウナ装置の運転開始及び停止を指示する運転スイッチ56と、運転スイッチ56のON/OFFを表示する運転ランプ57と、換気扇47を駆動させサウナ室2内の換気運転等を行わせる換気スイッチ58と、換気スイッチ58のON/OFFを表示する換気ランプ59と、サウナ室2内が室温設定スイッチ55で設定した設定温度に達したら点灯してサウナ室2への入室許可を報知する入浴ランプ60と、前記室温設定スイッチ55で設定したサウナ室2内の設定温度等を音声で報知するスピーカ61と、通常運転のモードである標準モードと弱モードとを選択するモード選択スイッチ62と、当該モード選択スイッチ62で選択されたモードに対応するランプが点灯するモード表示ランプ63と、が備えられている。
【0031】
図6を参照する。64は記憶、演算、時間カウント等の機能を有しサウナ装置を制御する制御部である。当該制御部64は、前記リモコン52と無線又は有線により通信可能に接続されており、制御部64の入力側には、下フロートスイッチ40、上フロートスイッチ41と、貯水温度センサ44と、サーモスタット45と、室温センサ46と、緊急スイッチ51とが接続されており、出力側には、給水弁8と、加熱ヒータ9と、排水弁13と、ミストモータ22と、送風ファン35と、空気ヒータ43と、換気扇47が接続されている。
【0032】
制御部64は、サウナ装置の運転状態に応じて加熱ヒータ9への通電のON/OFF状態を適宜切り替える切替手段65を備えている。詳述すると、制御部64は、貯水タンク6内の水位が所定の低水位で下フロートスイッチ40によりOFF信号が出力された状態であれば加熱ヒータ9をOFF状態にするよう切替手段65で切り替える。貯水タンク6内の水位が低く加熱ヒータ9が水面上に露出する可能性がある状態で、加熱ヒータ9がON状態とならないようにし、加熱ヒータ9の空焚きを未然に阻止する。
【0033】
次に、サウナ装置の一実施形態の作動について説明する。
【0034】
図7を参照する。サウナ室2の側壁に備えられたリモコン52の室温設定スイッチ55によりサウナ室2の設定温度(38~42℃)を設定し、運転スイッチ56をON操作すると運転ランプ57が点灯してサウナ装置の運転が開始され、準備運転であるクリーニングモードが開始される(ステップS100)。このクリーニングモードでは、貯水タンク6内の水又は温水を排水する排水管12の開閉を行う排水弁13を開弁すると共に、貯水タンク6内に給水する給水管7を開閉する給水弁8を開弁して、貯水タンク6内に給水を行って、貯水タンク6内に水を貯める前に貯水タンク6内の底に残ったホコリ、塵、菌などを洗浄して排水するものである。
【0035】
(クリーニングモードの説明)
次に、上記のクリーニングモードにおける具体的な動作を
図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0036】
制御部64は、排水弁13を開弁させ(ステップS101)、低水位検知用の下フロートスイッチ40がOFF信号を出力したかを判断し(ステップS102)、下フロートスイッチ40がOFF信号を出力していないと判断している間は前記ステップS102の処理を繰り返し、下フロートスイッチ40がOFF信号を出力したと判断すると、一定時間遅延させた後に給水弁8を開弁させる(ステップS103)。
【0037】
前記ステップS103で給水弁8を開弁させ貯水タンク6内に給水を開始すると、続いて、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS104)、所定時間が経過したと判断すると、排水弁13を閉弁させて(ステップS105)、クリーニングモードを終了するものであり、所定時間が経過していなければ前記ステップS104の判断を繰り返す。
【0038】
図7を参照する。前記ステップS100のクリーニングモードが終了すると、続いて除菌モードA(ステップS200)に遷移する。
この除菌モードAでは、貯水タンク6内底部近傍に配設された加熱ヒータ9を切替手段65でON状態にして貯水タンク6内の水を殺菌可能な温度まで加熱すると共に、回転体24を回転させるミストモータ22を駆動させて、貯水タンク6内に貯められた水を殺菌すると共に、貯水タンク6から加熱された温水を汲み上げる回転体24や、回転体24の外周に設置され回転体24と共に回転する多孔体29や、多孔体29を覆うように設置された空気案内筒31に付着したホコリ、塵、菌等を洗い流して清潔な状態にし回転体24、多孔体29、空気案内筒31を除菌・殺菌するものである。
【0039】
(除菌モードAの説明)
次に、上記の除菌モードAにおける具体的な動作を
図9のフローチャートに基づいて説明する。
【0040】
制御部64は、低水位検知用の下フロートスイッチ40がON信号を出力したかを判断し(ステップS201)、下フロートスイッチ40がON信号を出力したと判断すると、貯水タンク6内の水を加熱する加熱ヒータ9を切替手段65でON状態にすると共に、回転体24を回転させるミストモータ22の駆動を開始させ(ステップS202)、貯水温度センサ44で検知する貯水タンク6内の貯水温度が殺菌可能な所定値(例えば60℃)以上か否かを判断する(ステップS203)。
【0041】
前記ステップS203で貯水タンク6内の貯水温度が60℃以上であると判断したら、制御部64は、加熱ヒータ9への通電を切替手段65でOFF状態にすると同時に貯水タンク6内の水を加熱殺菌する所定時間、つまり除菌時間のカウントを開始する(ステップS204)。
【0042】
前記ステップS204の後、制御部64は、貯水温度センサ44で検知する貯水タンク6内の貯水温度が58℃以下になったら加熱ヒータ9の通電をON状態にし、貯水温度センサ44で検知する貯水タンク6内の貯水温度が60℃以上になったら加熱ヒータ9への通電をOFF状態にすることで、貯水タンク6の貯水温度を殺菌可能温度に保つように切替手段65で加熱ヒータ9のON/OFF状態を切り替え(ステップS205)、除菌時間である1分間のカウントが終了するまで前記ステップS205を繰り返す(ステップS206)。
【0043】
そして、制御部64は、除菌時間のカウントが終了したと判断すれば(ステップS206でYES)、加熱ヒータ9の通電をOFF状態にし(ステップS207)、除菌モードAを終了しサウナ装置の準備運転を終了するものである。
【0044】
なお、前記ステップS203で貯水タンク6内の貯水温度が60℃より低いと判断したら、制御部64は、加熱ヒータ9への通電をON状態に切替手段65で切り替えるよう信号を送信してから所定時間である30分経過したか判断し(ステップS208)、加熱ヒータ9への通電をON状態に切り替えるよう信号を送信してから30分経過したと判断したら、排水弁13を開放して貯水タンク6内の水を排水し、切替手段65が短絡故障しており加熱ヒータ9への通電のON/OFF状態の切り替えが不可能である旨をスピーカ61から音声で報知し(ステップS209)、サウナ装置の準備運転を終了して次のステップに進まないようにする。
【0045】
また、ステップS208で加熱ヒータ9への通電をON状態にしてから30分経過していなければ(ステップS208でNo)、前記ステップS203で貯水タンク6内の貯水温度が60℃以上かの判断を繰り返す。
【0046】
また、前記ステップS201で下フロートスイッチ40がON信号を出力した後、給水が継続され高水位検知用の上フロートスイッチ41がON信号を出力したときには、制御部64は給水弁8を閉弁させて給水を終了するものであり、制御部64は水位センサ39(フロートスイッチ40、41)からの検知信号に基づき、給水弁8を制御して給水を行い、貯水タンク6を所定水位範囲内に保持するようにするものである。
【0047】
図7を参照する。前記ステップS200の除菌モードAが終了しサウナ装置の準備運転を終了すると、続いてサウナ装置の通常運転である立ち上げモード(ステップS300)に遷移する。
この立ち上げモードでは、送風ファン35を強運転に設定し送風ファン35の駆動を開始させると共に、吸込口36に取り付けられた空気ヒータ43を通電させ、さらに、貯水タンク6内に貯水されている貯水温度を、室温設定スイッチ55で設定した設定温度よりも高い温度に保つよう加熱ヒータ9の通電ON/OFF状態を切替手段65で切り替えることで、サウナ室2内の空気を空気ヒータ43により加熱し、微細水滴及びマイナスイオン発生器1にて、設定温度よりも高い温度に加熱昇温された貯水タンク6内の温水を破砕して生成された微細水滴及びマイナスイオンを、送風ファン35により吹出口5からサウナ室2に供給して、順次これを繰り返してサウナ室2の空気を循環させて、サウナ室2内の立ち上げを早急に行うものである。
【0048】
(立ち上げモードの説明)
次に、上記の立ち上げモードにおける具体的な動作について
図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
制御部64は、送風ファン35を強運転に設定し送風ファン35の駆動を開始させると共に空気ヒータ43を通電させ(ステップS301)、貯水温度センサ44で検知する貯水タンク6内の貯水温度が46℃以下になったら加熱ヒータ9の通電をON状態に切り替え、貯水温度センサ44で検知する貯水タンク6内の貯水温度が48℃以上になったら加熱ヒータ9への通電をOFF状態に切り替えるというように、貯水タンク6の貯水温度を設定温度より所定温度高い温度に保つように加熱ヒータ9への通電ON/OFF状態を切替手段65で切り替える(ステップS302)。
【0050】
ステップS302の後、制御部64は、サウナ室2の上部に設けた室温センサ46の検知する検知温度が設定温度に達したと判断したら(ステップS303でYES)、リモコン52の入浴ランプ60を点灯させると共に、サウナ室2が設定温度で相対湿度90%以上の低温サウナの使用雰囲気となり入室可能となった旨をスピーカ61で報知し(ステップS304)、立ち上げモードを終了する。
【0051】
なお、この立ち上げモード中に貯水タンク6内の温水が減少した場合であっても、制御部64は水位センサ39(フロートスイッチ40、41)からの検知信号に基づき、給水弁8の開閉を制御することで貯水タンク6を所定水位範囲内に保持している。
【0052】
図7を参照する。前記ステップS300の立ち上げモードが終了すると、続いてユーザが入浴可能な通常運転としての安定モード(ステップS400)に遷移する。
この安定モードでは、室温センサ46での検知温度がリモコン52の室温設定スイッチ55で設定された設定温度に到達するまでは貯水温度センサ44と設定温度とに基づき加熱ヒータ9のON/OFF状態を切り替え、室温センサ46での検知温度が設定温度に到達したら加熱ヒータ9をOFF状態にすることで、サウナ室2内において設定温度での安定した快適なサウナ入浴を行えるようにするものである。
【0053】
(安定モードの説明)
次に、上記の安定モードの作動について
図11のフローチャートを用いて説明する。
【0054】
制御部64は、空気ヒータ43への通電をOFF状態に切り替え、サウナ室2の設定温度と貯水温度、及び設定温度と室温との差に基づく加熱ヒータ9のON/OFF制御と、ミストモータ22、及び送風ファン35について予め設定された所定回転数で駆動する制御とを開始する(ステップS401)。
また、連続運転時間である予め設定された所定時間(例えば60分)のカウントを開始する
【0055】
制御部64は、前記ステップS401の処理が完了したら、下フロートスイッチ40がOFF信号を出力し貯水タンク6が所定の低水位以下か判断する(ステップS402)。制御部64は、下フロートスイッチ40がOFF信号を出力していると判断したら、給水弁8を開放すると共に、給水時間のカウントを開始する(ステップS403)。なお、前記ステップS402にてYes判断をした時点で加熱ヒータ9がON状態であれば、制御部64は、切替手段65により加熱ヒータ9をOFF状態に切り替える。
【0056】
制御部64は、前記ステップS403の処理を完了したら、給水弁8の開放時間が所定時間X(例えば、3秒)を超えたか判断し(ステップS404)、所定時間Xを超えていれば給水弁8を閉止すると共に、給水弁8の閉止時間カウントを開始する(ステップS405)。制御部64は、前記ステップS404で給水弁の開放時間が所定時間X以下だと判断したら、前記ステップS404の判断を繰り返す。
【0057】
制御部64は、前記ステップS405の処理が完了したら、給水弁8の閉止時間が所定時間Y(例えば、7秒)を超えたか判断し(ステップS406)、所定時間Yを超えていれば上フロートスイッチ41がON信号を出力し貯水タンク6が所定の高水位以上か判断する(ステップS407)。制御部64は、前記ステップS406で給水弁8の閉止時間が所定時間Y以下であると判断したら、前記ステップS406の判断を繰り返す。制御部64は、前記ステップS407で貯水タンク6が所定の高水位以上だと判断したら次のステップへ進み、所定の高水位未満だと判断したら前記ステップS403の処理を繰り返す。
【0058】
制御部64は、前記ステップS407で貯水タンク6が所定の高水位以上だと判断したか、前記ステップS402で下フロートスイッチ40がON信号を出力しており貯水タンク6が所定の低水位を超えていると判断したら、運転終了条件を満たしているか判断する(ステップS408)。運転終了条件とは、安定モード開始持からカウントした時間が所定の設定時間(例えば、1時間)以上となったこと、リモコン52の運転スイッチ56が押されたこと等である。制御部64は、前記ステップS408で運転終了条件を満たしていると判断したら安定モードを終了し、運転終了条件を満たしていないと判断したら前記ステップS402の判断を繰り返す。
【0059】
以上のように、水位センサ39(下フロートスイッチ40)で所定の低水位が検知され給水弁8を開放した後、所定の高水位が検知されるまでの間に給水弁8を所定時間だけ閉止する区間を設けた。水位センサ39(下フロートスイッチ40)で所定の低水位が検知され給水弁8を開放した後、所定の高水位が検知されるまで給水弁8を開放し続けると貯水タンク6内に多量の水が一度に流入し貯水温度が低下する。この状態でミストモータ22、及び送風ファン35が駆動すると、貯水タンク6への送水前と比較し低温の加湿空気が吹出口5から送風されるため、サウナ室2内にいるユーザが足元において冷風に触れて不快に感じる。給水弁8を開放した後、所定の高水位が検知されるまでの間に給水弁8を所定時間だけ閉止する区間を設けたことで、貯水タンク6内に多量の水が一度に流入せず、貯水タンク6内の温度低下が抑えられ吹出口5から吹き出す加湿空気温度が貯水タンク6への送水前と比較して大きく低下しない。サウナ室2内のユーザの足元における温度変化を最小限に抑えることができるため、サウナ室2内に存在するユーザが不快に感じることを防止できる。
【0060】
また、この安定モードにおいて加熱ヒータ9は、室温センサ46で検知された室温値がリモコン52で設定した設定温度-0.5℃未満であり、かつ貯水温度センサ44で検知された貯水温度が前記設定温度-1℃未満であれば、加熱ヒータをON状態に切り替える。
また、加熱ヒータ9は、室温センサ46で検知された室温値がリモコン52で設定した設定温度以上であり、かつ貯水温度センサ44で検知された貯水温度が前記設定温度+1℃以上であれば、加熱ヒータをOFF状態に切り替える。
これにより、サウナ室2内を設定温度付近に保持することができる。
【0061】
ただし、前記ステップS402で貯水タンク6の水位が所定の低水位以下だと判断され、前記ステップS403で加熱ヒータ9をOFF状態に切り替えると共に給水弁8を開放した場合、下フロートスイッチ40がON信号を出力し所定の中水位状態になったら、現在の設定温度と室温センサ46、及び貯水温度センサ44との差に関わらず加熱ヒータ9をON状態に切り替える。
加熱ヒータ9が水面上に露出する虞がなく貯水タンク6内に給水され貯水温度が低下するタイミングで加熱ヒータ9をON状態に切り替えることで、貯水温度の低下が緩やかになる。吹出口5から吹き出される加湿空気の温度低下が抑えられ、ユーザが不快に感じることを防止できる。
【0062】
図7を参照する。前記ステップS400で安定モードが終了し通常運転が終了すると、続いてサウナ装置の終了運転である除菌モードB(ステップS500)に遷移する。
この除菌モードBでは、通常運転で送風ファン35を駆動させサウナ室2内の空気を循環させた結果、細菌などを取り込んだ貯水タンク6内の温水を、加熱ヒータ9により殺菌可能な温度まで加熱すると共に、回転体24を回転させるミストモータ22を駆動させることで、貯水タンク6内に貯められた温水を殺菌すると共に、その温水により貯水タンク6から加熱された温水を汲み上げる回転体24や、回転体24の外周に設置され回転体24と共に回転する多孔体29や、多孔体29を覆うように設置された空気案内筒31に付着したホコリ、塵、菌等を洗い流して清潔な状態にし、回転体24、多孔体29、空気案内筒31を除菌・殺菌するものである。
【0063】
(除菌モードBの説明)
次に、上記の除菌モードBの作動について
図12のフローチャートを用いて説明する。
【0064】
制御部64は、除菌モードBの開始時点で加熱ヒータ9がOFF状態であればON状態に切り替えた上で、貯水温度センサ44で検知する貯水タンク6内の貯水温度が殺菌可能な所定温度(例えば60℃以上)か否かを判断し(ステップS501)、貯水タンク6内の貯水温度が60℃以上であると判断したら、加熱ヒータ9への通電をOFF状態に切り替えると同時に貯水タンク6内の水(温水)を加熱殺菌する所定時間、つまり除菌時間のカウントを開始させ(ステップS502)、貯水温度センサ44で検知する貯水タンク6内の貯水温度が58℃以下になったら加熱ヒータ9への通電をON状態に切り替え、貯水温度センサ44で検知する貯水タンク6内の貯水温度が60℃以上になったら、加熱ヒータ9への通電をOFF状態に切り替えるというように、貯水タンク6の貯水温度を殺菌可能温度に保つように加熱ヒータ9の通電ON/OFF状態を切替手段65で切り替えて(ステップS503)、除菌時間、例えば1分間のカウントが終了するまで前記ステップS503を繰り返す(ステップS504)。
【0065】
そして、除菌時間のカウントが終了したと判断したら(ステップS504でYES)、制御部64は、切替手段65で加熱ヒータ9の通電をOFF状態に切り替えると共に、ミストモータ22の駆動を停止させ(ステップS505)、加熱ヒータ9とミストモータ22との駆動を停止させてから所定時間である20分が経過したか判断する(ステップS506)。除菌時間のカウントが終了してから20分経過していれば排水弁13を開放して除菌モードBを終了し(ステップS507)、20分経過していなければステップS506の判断を繰り返す。
【0066】
図7を参照する。前記ステップS500の除菌モードBが終了すると、続いて乾燥モード(ステップS600)に遷移する。
この乾燥モードでは、送風ファン35の駆動を開始させると共に、吸込口36に取り付けられた空気ヒータ43を通電させ、さらに換気扇47を駆動させることで、微細水滴及びマイナスイオン発生器1内や吸引ダクト4内及びサウナ室2内を乾燥させるものである。
【0067】
(乾燥モードの説明)
次に、上記の乾燥モードの作動について
図13のフローチャートを用いて説明する。
【0068】
制御部64は、送風ファン35を強運転に設定して送風ファン35の駆動を開始させると共に空気ヒータ43を通電させ、さらに換気扇47を駆動させ(ステップS601)、換気ランプ59が点灯し、予め設定した乾燥時間、例えば90分間のカウントが終了したか否かを判断し(ステップS602)、乾燥時間が終了したと判断すると、送風ファン35の駆動を停止させると共に空気ヒータ43の通電をOFFにし、さらに換気扇47の駆動を停止させて(ステップS603)、換気ランプ59が消灯して乾燥モードを終了しサウナ装置の終了運転を終了してサウナ装置は停止状態となるものである。
なお、排水弁13は開弁の状態のままサウナ装置は停止状態となるものである。
【0069】
次に、本発明の変形例について説明する。なお、安定モード時の動作以外は前記実施形態と同一なので、説明を省略する。
【0070】
(変形例1)
図14を参照する。ステップS401aの処理、及びステップS402aの判断は前記ステップS401、及びステップS402と同一なので説明を省略する。
制御部64は、ステップS402aで下フロートスイッチ40がOFF信号を出力していると判断したら、給水弁8を全開状態未満の所定開度である全開状態の半分の開度である半開状態で開放する(ステップS403a)。制御部64は、前記ステップS403aの処理が完了したら、上フロートスイッチ41でON信号が出力され貯水タンク6が所定の高水位以上となったか判断し(ステップS404a)、貯水タンク6が所定の高水位以上となったと判断したら次のステップへ進み、所定の高水位未満だと判断したら前記ステップS404aの判断を繰り返す。
【0071】
制御部64は、前記ステップS404aで貯水タンク6が所定の高水位以上となったと判断したか、前記ステップS402aで貯水タンク6が所定の低水位を超えていると判断したら、前記ステップS408と同様に運転終了条件を満たしているか判断する(ステップS405a)。運転終了条件の詳細については前記した実施形態と同一なので、説明を省略する。制御部64は、前記ステップS405aで運転終了条件を満たしていると判断したら安定モードを終了させ、運転終了条件を満たしていないと判断したら前記ステップS402aの判断を繰り返す。
【0072】
以上のように、貯水タンク6が所定の低水位以下になって給水弁8を開放するとき、給水弁8を半開状態で開放するので、給水弁8を全開状態で開放した場合と比較して貯水タンク6へ流入する時間当たりの水量が減少する。貯水タンク6内に多量の水が一度に流入しないことで、貯水タンク6内の温度低下を抑えられ吹出口5から吹き出す加湿空気温度が貯水タンク6への送水前と比較して大きく低下しない。サウナ室2内のユーザの足元における温度変化を最小限に抑えることができるため、ユーザが不快に感じることを防止できる。
【0073】
また、本変形例においても、前記ステップS402aで貯水タンク6の水位が所定の低水位以下だと判断され、前記ステップS403aで給水弁8を半開状態で開放した場合、下フロートスイッチ40がON信号を出力し所定の中水位状態になったら、現在の設定温度と室温センサ46、及び貯水温度センサ44との差に関わらず加熱ヒータ9をON状態に切り替える。
加熱ヒータ9が水面上に露出する虞がなく貯水タンク6内に給水され貯水温度が低下するタイミングで加熱ヒータ9をON状態に切り替えることで、貯水温度の低下が緩やかになる。吹出口5から吹き出される加湿空気の温度低下が抑えられ、ユーザが不快に感じることを防止できる。
【0074】
また、本変形例において、貯水タンク6が所定の低水位以下になり給水弁8を開放するときの所定開度を、全開状態の半分の開度である半開状態としているが、これに限られない。例えば、給水弁8を全開状態未満から半開状態よりも大きな開度、あるいは半開状態よりも小さな開度であってもよい。貯水タンク6への送水時における単位時間あたりの流入量が給水弁8を全開状態で開放したときと比較し低下すればよいので、給水弁8の開度は、全開状態未満の所定開度で開放されているものは本発明の範疇である。
【0075】
(変形例2)
図15を参照する。ステップS401bの処理、及びステップS402bの判断は前記ステップS401、及びステップS402と同一なので説明を省略する。
制御部64は、ステップS402bで下フロートスイッチ40がOFF信号を出力していると判断したら、貯水温度センサ44で検知された現在の貯水温度を記憶し、給水弁8を開放して、送風ファン35を現在の回転数より低い所定の低回転数で駆動させると共に、ミストモータ22を現在の回転数より低い所定の低回転数で駆動させる(ステップS403b)。
【0076】
制御部64は、前記ステップS403bの処理が完了したら、上フロートスイッチ41がON信号を出力し貯水タンク6の水位が所定の高水位以上となったか判断し(ステップS404b)、貯水タンク6の水位が所定の高水位以上になったと判断したら給水弁8を閉止する(ステップS405b)。制御部64は、前記ステップS404bで貯水タンク6の水位が所定の高水位未満だと判断したら、前記ステップS404bの判断を繰り返す。
【0077】
制御部64は、前記ステップS405bの処理が完了したら、貯水温度センサ44で検知される貯水温度が前記ステップS403bで記憶した給水弁8を開放する直前である貯水タンク6への送水前の温度以上か判断し(ステップS406b)、貯水温度が送水前の温度以上だと判断したら送風ファン35、及びミストモータ22を所定の低回転数から送水前の回転数である予め設定された所定回転数に戻す(ステップS407b)。制御部64は、前記ステップS406bで貯水温度が送水前の温度未満だと判断したら前記ステップS406bの判断を繰り返す。
【0078】
制御部64は、前記ステップS407bの処理が完了したか、前記ステップS402bで貯水タンク6の水位が所定の低水位を超えていると判断したら、前記ステップS408と同様に運転終了条件を満たしているか判断する(ステップS408b)。運転終了条件の詳細については前記した実施形態と同一なので、説明を省略する。制御部64は、前記ステップS408bで運転終了条件を満たしていると判断したら安定モードを終了させ、運転終了条件を満たしていないと判断したら前記ステップS402bの判断を繰り返す。
【0079】
以上のように、貯水タンク6が所定の低水位以下になって給水弁8を開放するとき、送風ファン35、及びミストモータ22を現在の回転数より低い所定の低回転数で駆動させる。送水により貯水温度が低下した貯水タンク6内で発生する加湿空気量、及び吹出口5からサウナ室2内へ吹き出される加湿空気の送風量が給水弁8開放前と比較し減少する。サウナ室2内へ送風される加湿空気量が減少し、サウナ室2内のユーザの足元における温度変化を最小限に抑えることができるため、ユーザが不快に感じることを防止できる。
【0080】
また、本変形例においても、前記ステップS402bで貯水タンク6の水位が所定の低水位以下だと判断され、前記ステップS403bで給水弁8を開放した場合、下フロートスイッチ40がON信号を出力し所定の中水位状態になったら、現在の設定温度と室温センサ46、及び貯水温度センサ44との差に関わらず加熱ヒータ9をON状態に切り替える。
加熱ヒータ9が水面上に露出する虞がなく貯水タンク6内に給水され貯水温度が低下するタイミングで加熱ヒータ9をON状態に切り替えることで、貯水温度の低下が緩やかになる。吹出口5から吹き出される加湿空気の温度低下が抑えられ、ユーザが不快に感じることを防止できる。
【0081】
また、送風ファン35、及びミストモータ22を所定の低回転数で駆動させた後、貯水タンク6の貯水温度が給水弁8開放による送水前の貯水温度以上になったら、送風ファン35、及びミストモータ22を所定の低回転数から送水前の元の設定回転数に戻す。吹出口5から低温の加湿空気が送風される虞がなくなったら加湿空気の発生量、及び加湿空気の送風量が上がるので、ユーザの足元における温度変化を最小限に抑えつつ、サウナ室2内を設定温度付近で保持することができるので、ユーザのサウナ浴における満足度が向上する。
【0082】
なお、本変形例では所定の低水位が検知され給水弁8を開放したとき、送風ファン35とミストモータ22とを所定の低回転数にしているが、ここでの所定の低回転数は、送風ファン35とミストモータ22とでそれぞれ同一値、あるいは異なる値のいずれであってもよい。貯水タンク6への送水前と比較し、ミストモータ22、及び送風ファン35の回転数が低下していることで、サウナ室2へ低温の加湿空気が送風されることを防止できるので、貯水タンク6への送水時における送風ファン35とミストモータ22の現在の回転数と比較して回転数が低下していれば、ミストモータ22と送風ファン35とで回転数が同一か相違するかは問わない。
【0083】
また、本変形例では貯水タンク6への送水時に送風ファン35、及びミストモータ22が共に所定の低回転数となるよう回転数変更しているが、送風ファン35のみを所定の低回転数に変更するものであってもよい。貯水タンク6への送水時、送風ファン35を所定の低回転数にすると、吹出口5からサウナ室2内へ送風される加湿空気の風量が低下するため、ユーザの足元における冷風感を防止できる。
【0084】
また、説明した一実施形態、及び変形例では、安定モードにおいて貯水タンク6が所定の低水位以下になったとき、給水弁8を開放した後に所定時間だけ閉止する区間を設ける、あるいは給水弁8を半開状態で開放するという、貯水タンク6への送水量を制限する手段か、送風ファン35、及び/又はミストモータ22を現在の回転数よりも低下させた所定の低回転数にするという、サウナ室2への送風量を制限する手段かのいずれかについてのみ実施する内容であるが、これに限られない。
例えば、安定モード時に貯水タンク6が所定の低水位以下になったら、給水弁8について所定時間だけ閉止する区間を設ける、あるいは給水弁8を半開状態で開放しつつ、送風ファン35、及び/又はミストモータ22を現在の回転数よりも低下させた所定の低回転数にするといった、送水量の制限と送風量の制限とを組み合わせた制御であってもよい。
貯水タンク6内に送水され貯水温度が低下するとき、貯水タンク6への送水量を制限しつつ、サウナ室2内への送風量の制限をすることで、吹出口5から低温の加湿空気が吹き出されることをより効果的に抑制できるため、貯水タンク6への送水時に冷風が吹き出されユーザが不快に感じることをより効果的に防止できる。
【0085】
次に、本発明の効果を説明する。
【0086】
安定モード時、水位センサ39(下フロートスイッチ40)で所定の低水位が検知され給水弁8を開放したとき、貯水タンク6への送水又は/及びサウナ室2内への加湿空気の送風を制限する。水位センサ39(下フロートスイッチ40)で所定の低水位が検知され給水弁8を開放した後、所定の高水位が検知されるまで給水弁8を開放し続けると貯水タンク6内に多量の水が一度に流入し貯水温度が低下する。この状態でミストモータ22、及び送風ファン35が駆動すると、貯水タンク6への送水前と比較し低温の加湿空気が吹出口5から送風されるため、サウナ室2内にいるユーザが足元において冷風に触れてユーザが不快に感じる。貯水タンク6が所定の低水位以下になったとき、貯水タンク6への送水又は/及びサウナ室2内への加湿空気の送風を制限することで、貯水タンク6への送水前と比較し温度低下した加湿空気の吹出口5からの吹き出し量を抑えることができるので、ユーザの足元に冷風が触れて不快に感じることを防止できる。
【0087】
また、水位センサ39(下フロートスイッチ40)で所定の低水位が検知され給水弁8を開放したとき、水位センサ39(上フロートスイッチ41)で所定の高水位が検知されるまでの間、給水弁8を所定時間だけ閉止する区間を設けた。給水弁8を開放し貯水タンク6へ送水するとき、貯水タンク6内に多量の水が一度に流入せず、貯水タンク6内の温度低下を抑えられ吹出口5から吹き出す加湿空気温度が貯水タンク6への送水前と比較して大きく低下しない。サウナ室2内のユーザの足元における温度変化を最小限に抑えることができるため、ユーザが不快に感じることを防止できる。
【0088】
また、水位センサ39(下フロートスイッチ40)で所定の低水位が検知され給水弁8を開放したとき、水位センサ39(上フロートスイッチ41)で所定の高水位が検知されるまでの間、給水弁8を全開状態未満の所定開度にする。給水弁8を全開状態で開放した場合と比較して貯水タンク6へ流入する時間当たりの水量が減少する。貯水タンク6内に多量の水が一度に流入しないことで、貯水タンク6内の温度低下を抑えられ吹出口5から吹き出す加湿空気温度が貯水タンク6への送水前と比較して大きく低下しない。サウナ室2内のユーザの足元における温度変化を最小限に抑えることができるため、ユーザが不快に感じることを防止できる。
【0089】
また、水位センサ39(下フロートスイッチ40)で所定の低水位が検知され給水弁8を開放したとき、貯水温度センサ44での検知値が少なくとも給水弁8を開放する直前の貯水温度以上となるまでの間、送風ファン35を現在の回転数より低い所定の低回転数で駆動する。貯水タンク6への送水時、送風ファン35を所定の低回転数にすると、吹出口5からサウナ室2内へ送風される加湿空気の風量が低下する。サウナ室2内のユーザの足元における温度変化を最小限に抑えることができるため、ユーザが不快に感じることを防止できる。
【0090】
また、加湿空気発生手段は、貯水タンク6内の水を汲み上げて周囲に飛散させる回転体24と、当該回転体24を所定の回転数で駆動させる回転数が可変なミストモータ22と、回転体24により周囲に飛散した水を破砕する多孔部30と、で構成され、水位センサ39(下フロートスイッチ40)で所定の低水位が検知され給水弁8を開放したとき、貯水温度センサ44での検知値が少なくとも給水弁8を開放する直前の貯水温度以上となるまでの間、ミストモータ22を現在の回転数より低い所定の低回転数で駆動する。送水により貯水温度が低下した貯水タンク6内で発生する加湿空気量が給水弁8開放前と比較し減少する。サウナ室2内へ送風される加湿空気量が減少し、サウナ室2内のユーザの足元における温度変化を最小限に抑えることができるため、ユーザが不快に感じることを防止できる。
【0091】
また、水位センサ39(下フロートスイッチ40)で所定の低水位が検知され給水弁8を開放したとき、所定の低水位と所定の高水位との間にある所定の中水位になったと判断したら、貯水温度センサ44及び室温センサ46の検知値に関わらず加熱ヒータ9を駆動させる。貯水タンク6内に給水され貯水温度が低下するタイミングで加熱ヒータ9をON状態に切り替えることで、貯水温度の低下が緩やかになる。吹出口5から吹き出される加湿空気の温度低下が抑えられ、ユーザが不快に感じることを防止できる。
【0092】
なお、説明した実施形態、及び変形例では、加湿空気発生手段について、回転体24の回転により水を微細化してミストを発生させ、サウナ室2内に微細化したミストを含む加湿空気を送風する内容で説明したが、これに限られない。
例えば、貯水タンク6内の水を加熱ヒータ9で加熱し高温の蒸気をサウナ室2内へ送風することでサウナ浴を可能とする蒸気浴でのサウナ装置においても適用可能である。貯水タンク6にある水を用いて室内に加湿空気を送風しサウナ浴が可能な装置において、貯水タンク6が所定の低水位になったとき、貯水タンク6への送水を制限する又は/及び室内への送風を制限し、室内へ吹き出される加湿空気の温度低下を抑え、ユーザが不快に感じることを防止できるものであれば、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0093】
2 サウナ室
5 吹出口
6 貯水タンク
9 加熱ヒータ
22 ミストモータ(駆動モータ)(加湿空気発生手段)
24 回転体(加湿空気発生手段)
30 多孔部(加湿空気発生手段)
35 送風ファン
39 水位センサ
40 下フロートスイッチ
41 上フロートスイッチ
44 貯水温度センサ
46 室温センサ
64 制御部