(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094355
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】光透過性フィルム、その製造方法及びそれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 1/14 20150101AFI20240702BHJP
G02B 1/04 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G02B1/14
G02B1/04
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024063713
(22)【出願日】2024-04-11
(62)【分割の表示】P 2023500350の分割
【原出願日】2021-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0085706
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0085707
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0088851
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0088852
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヒョ ラ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヒョ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ハク-ギ
(57)【要約】
【課題】本発明の一実施例は、優れたフィラー分散性を有する光透過性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一実施例は、光透過性樹脂粉末を製造する段階と、前記光透過性樹脂粉末の第1含有量を第1溶媒に溶解させて光透過性樹脂溶液を製造する段階と、フィラーを第2溶媒に分散させてフィラー分散液を製造する段階と、前記フィラー分散液と前記光透過性樹脂溶液とを混合して第1混合液を製造する段階と、前記光透過性樹脂粉末の第2含有量を前記第1混合液に添加し溶解させて第2混合液を製造する段階と、を含む光透過性フィルムの製造方法、前記製造方法で製造された光透過性フィルム、及びこのような光透過性フィルムを含む表示装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性樹脂粉末を製造する段階と、
前記光透過性樹脂粉末の第1の含有量を第1の溶媒に溶解させて光透過性樹脂溶液を製造する段階と、
フィラーが第2の溶媒に分散されてなるフィラー分散液を準備する段階と、
前記フィラー分散液と前記光透過性樹脂溶液とを混合して第1混合液を製造する段階と、
前記光透過性樹脂粉末の第2の含有量を前記第1の混合液に添加し溶解させて第2の混合液を製造する段階と、を含むことを特徴とする光透過性フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記光透過性樹脂粉末の第1含有量は、前記フィラー重量の0.5~10%であることを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記光透過性樹脂粉末の第2含有量を前記第1混合液に添加する前に、前記第1混合液に第3溶媒を添加する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記第3溶媒は、前記第1溶媒と同じであることを特徴とする請求項3に記載の光透過性フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記光透過性樹脂粉末の第2含有量は、前記第1含有量の10~200倍であることを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記光透過性樹脂はイミド繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記光透過性樹脂はアミド繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルムの製造方法。
【請求項8】
光透過性マトリックスと、
前記光透過性マトリックスに分散されたフィラーと、を含み、
波数に対する散乱強度を対数的に表した超小角X線散乱(U-SAXS)グラフの0.01/Åから0.1/Åの波数範囲で、前記グラフの傾きであるpower law slopeが-3.6~-3.2であることを特徴とする光透過性フィルム。
【請求項9】
前記フィラーはシリカ(SiO2)を含むことを特徴とする請求項8に記載の光透過性フィルム。
【請求項10】
前記シリカ(SiO2)の少なくとも一部は、アルコキシ基を有する有機化合物基により表面処理されていることを特徴とする請求項9に記載の光透過性フィルム。
【請求項11】
前記フィラーの平均粒径は5~50nmであることを特徴とする請求項8に記載の光透過性フィルム。
【請求項12】
前記フィラーの含有量は、前記光透過性フィルムの全重量に対して5~46重量%であることを特徴とする請求項8に記載の光透過性フィルム。
【請求項13】
前記フィラー間の平均最短隣接距離は23~45nmであることを特徴とする請求項8に記載の光透過性フィルム。
【請求項14】
3以下の黄色度を有することを特徴とする請求項8に記載の光透過性フィルム。
【請求項15】
1%以下のヘイズを有することを特徴とする請求項8に記載の光透過性フィルム。
【請求項16】
85%以上の光透過度を有することを特徴とする請求項8に記載の光透過性フィルム。
【請求項17】
4.5GPa以上のヤング率及び95MPa以上の2%降伏強度を有することを特徴とする請求項8に記載の光透過性フィルム。
【請求項18】
前記光透過性マトリックスはイミド繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項8に記載の光透過性フィルム。
【請求項19】
前記光透過性マトリックスはアミド繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項8に記載の光透過性フィルム。
【請求項20】
光透過性マトリックスと、
光透過性マトリックスに分散されたフィラーと、を含み、
前記フィラーは0.35以下の平均粒子散乱係数(XA)を有し、
前記平均粒子散乱係数(XA)は、下記の式1で計算されることを特徴とする光透過性フィルム:
<式1>
式1のX
kは、次の式2から計算され、
<式2>
X
k=πD/λ
k
式1及び式2において、kは1~38の整数であり、
式2において、λ
k=(37+k)x10nmであり、
Dは、透過電子顕微鏡(TEM)によって測定されたフィラーの粒子のサイズである。
【請求項21】
前記フィラーの平均粒径は5~50nmであることを特徴とする請求項20に記載の光透過性フィルム。
【請求項22】
前記フィラーの含有量は、前記光透過性フィルムの全重量に対して5~50重量%であることを特徴とする請求項20に記載の光透過性フィルム。
【請求項23】
3以下の黄色度を有することを特徴とする請求項20に記載の光透過性フィルム。
【請求項24】
1%以下のヘイズを有することを特徴とする請求項20に記載の光透過性フィルム。
【請求項25】
88%以上の光透過性を有することを特徴とする請求項20に記載の光透過性フィルム。
【請求項26】
5.0GPa以上のモジュラスを有することを特徴とする請求項20に記載の光透過性フィルム。
【請求項27】
表示パネルと、
前記表示パネル上に配置された請求項8乃至26のいずれか一項に記載の光透過性フィルムと、
を含むことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れたフィラー分散性を有する光透過性フィルム、その製造方法及びそれを
含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置の薄型化、軽量化、フレキシブル化により、カバー窓としてガラスの代
わりに光透過性フィルムを用いることが検討されている。光透過性フィルムを表示装置の
カバー窓として使用するためには、光透過性フィルムが優れた硬度、耐摩耗性、屈曲性な
どの特性を有する必要がある。
【0003】
表示装置のカバー窓用の光透過性フィルムとして透明プラスチックフィルムが研究され
ている。透明プラスチックフィルムのうち、例えば、硬度の高いポリイミド系フィルムが
フレキシブル表示装置のカバー窓用の素材として研究されている。ポリイミド系フィルム
はポリイミド(PI)系樹脂で作られる。ポリイミド(PI)系樹脂は、不溶性、耐化学
性、耐熱性、耐放射線性及び低温特性などを有しており、自動車材料、航空素材、宇宙船
素材、絶縁コーティング剤、絶縁膜、保護フィルムなどとして使用されている。
【0004】
一方、光透過性フィルムが所望の物性を有するようにするために、光透過性フィルムに
フィラーを添加することもある。フィラーは、光透過性フィルムに均一に分散されること
が好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施例は、優れたフィラー分散性を有する光透過性フィルムの製造方法を提
供することを目的とする。
【0006】
本発明の一実施例は、光透過性マトリックス内に均一に分散されているフィラーを含む
光透過性フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の一実施例は、U-SAXS分析によるpower law slopeが-3
.6~-3.2の範囲である光透過性フィルムを提供することを目的とする。
【0008】
本発明の一実施例は、フィラーを均一に分散させることにより、優れた光透過性、低い
ヘイズを有する光透過性フィルムを提供することを目的とする。
【0009】
本発明の一実施例は、光透過性マトリックス内にフィラーが均一に分散されて、ヤング
率(Young’s modulus)が高い光透過性フィルムを提供することを目的と
する。
【0010】
本発明の他の実施例は、0.35以下の平均粒子散乱係数を有するようにポリイミド系
マトリックス内に分散されているフィラーを含み、優れた光学特性及び機械的特性を有す
るポリイミド系フィルムを提供することを目的とする。
【0011】
本発明のさらに他の実施例は、優れたフィラー分散性を有するポリイミド系フィルムを
含む表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例は、光透過性樹脂粉末を製造する段階と、前記光透過性樹脂粉末の第
1含有量を第1溶媒に溶解させて光透過性樹脂溶液を製造する段階と、フィラーが第2溶
媒に分散されているフィラー分散液を準備する段階と、前記フィラー分散液と前記光透過
性樹脂溶液とを混合して第1混合液を製造する段階と、前記光透過性樹脂粉末の第2含有
量を前記第1混合液に添加して溶解させて第2混合液を製造する段階と、を含む光透過性
フィルムの製造方法を提供する。
【0013】
前記光透過性樹脂粉末の第1含有量は、前記フィラー重量の0.5~10%であり得る
。
【0014】
前記光透過性樹脂粉末の第2含有量を前記第1混合液に添加する前に、前記第1混合液
に第3溶媒を添加する段階をさらに含むことができる。
【0015】
前記第3の溶媒は第1の溶媒と同じであり得る。
【0016】
前記光透過性樹脂粉末の第2含有量は、前記第1含有量の10~200倍であり得る。
【0017】
前記光透過性樹脂はイミド繰り返し単位を含むことができる。
【0018】
前記光透過性樹脂はアミド繰り返し単位を含むことができる。
【0019】
本発明の他の実施例は、光透過性マトリックスと、前記光透過性マトリックスに分散さ
れたフィラー(filler)とを含み、波数(wave number)に対する散乱
強度が対数的(log)に表れた超小角X線散乱(Ultra-Small Angle
X-ray Scattering,U-SAXS)グラフの0.01/Å~0.1/Å
の波数範囲で、前記グラフの傾きであるpower law slopeが-3.6~-
3.2の光透過性フィルムを提供する。
【0020】
前記フィラーはシリカ(SiO2)を含む。
【0021】
前記シリカ(SiO2)の少なくとも一部は、アルコキシ基を有する有機化合物基によ
って表面処理されたものである。
【0022】
前記フィラーの平均粒径は5~50nmである。
【0023】
前記フィラーの含有量は、前記光透過性フィルムの全重量に対して5~46重量%であ
る。
【0024】
前記フィラー間の平均最短隣接距離は23~45nmである。
【0025】
前記光透過性フィルムは、3以下の黄色度を有する。
【0026】
前記光透過性フィルムは、1%以下のヘイズ(haze)を有する。
【0027】
前記光透過性フィルムは、85%以上の光透過度を有する。
【0028】
前記光透過性フィルムは、4.5GPa以上の「ヤング率」及び95MPa以上の「2
%降伏強度」を有する。
【0029】
前記光透過性マトリックスはイミド繰り返し単位を含み得る。
【0030】
前記光透過性マトリックスはアミド繰り返し単位を含み得る。
【0031】
本発明のさらに他の実施例は、光透過性マトリックスと光透過性マトリックスに分散さ
れたフィラーとを含み、前記フィラーは0.35以下の平均粒子散乱係数(XA)を有し
、前記平均粒子散乱係数(XA)は、下記式1により計算される光透過性フィルムを提供
する。
【0032】
【0033】
式1において、Xkは次の式2から計算される。
【0034】
<式2>
Xk=πD/λk
【0035】
式1及び式2において、kは1~38の整数であり、式2において、λk =(37+
k)×10nmであり、Dは透過電子顕微鏡(TEM)によって測定されたフィラーの粒
子のサイズである。
【0036】
前記フィラーの含有量は、前記光透過性フィルムの全重量に対して5~50重量%であ
り得る。
【0037】
光透過性フィルムは、88%以上の光透過率を有することができる。
【0038】
前記光透過性フィルムは、5.0GPa以上のモジュラスを有することができる。
【0039】
本発明のさらに他の実施例は、表示パネルと、前記表示パネル上に配置された前記光透
過性フィルムと、を含む表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0040】
本発明の一実施例によれば、優れたフィラー分散性を有する光透過性フィルムを製造す
ることができる。
【0041】
一般に、光透過性フィルムにフィラーが分散されている場合、光透過性フィルムのヘイ
ズが低下することがあるが、本発明の一実施例によれば、光透過性フィルムにおいてフィ
ラー分散性に優れ、優れたヘイズ特性を有し、U-SAXS分析による光透過性フィルム
のpower law slopeが-3.6~-3.2の範囲を有することができる。
さらに、本発明の一実施例による光透過性フィルムは、優れたヤング率及び優れた降伏強
度を有することができる。
【0042】
本発明の一実施例による光透過性フィルムは、優れた光学特性及び機械的特性を有する
ため、表示装置のカバー窓として使用される場合、表示装置の表示面を効果的に保護する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明の一実施例による光透過性フィルムの概略図である。
【
図2】本発明の一実施例による光透過性フィルムのU-SAXグラフである。
【
図3】本発明の一実施例による光透過性フィルムにおけるフィラーの分散状態を説明する概略図である。
【
図4】本発明の他の実施例による表示装置の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。ただし、以下に説明す
る実施例は、本発明の明確な理解を助けるための例示的な目的として提示されるものであ
り、本発明の範囲を限定するものではない。
【0045】
本発明の実施例を説明するために図面に開示された形状、サイズ、比率、角度、数など
は例示的なものであり、本発明が図面に示された事項に限定されるものではない。明細書
の全体を通して、同じ構成要素は同じ参照番号と呼ばれることがある。本発明の説明にお
いて、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができ
ると判断される場合、その詳細な説明は省略される。
【0046】
本明細書において言及される「含む」、「有する」、「なされる」などが使用される場
合、「~のみ」という表現が使用されない限り、他の部分が追加され得る。構成要素が単
数で表される場合、特に明示的な記載がない限り複数を含む。また、構成要素を解析する
際に、別途の明示的記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0047】
位置関係の説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~
側に」など、二つの部分の位置関係を説明する場合、「直ちに」あるいは「直接」という
表現が使用されない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が配置されてもよい。
【0048】
空間的に相対的な用語である「下(below、beneath)」、「下部(low
er)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図に示すように、一
つの素子又は構成要素と他の素子又は構成要素との相関関係を容易に記述するために使わ
れてもよい。空間的に相対的である用語は、図面に示されている方向に加えて、使用時又
は動作時に素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されるべきである。例えば、図
面に示されている素子をひっくり返す場合に、他の素子の「下(below又はbene
ath)」と記述された素子は、他の素子の「上(above)」に置かれることができ
る。したがって、例示的な用語である「下」は、下と上のいずれの方向を含むことができ
る。同様に、例示的な用語である「上」も、上と下のいずれの方向を含むことができる。
【0049】
時間関係に関する説明において、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、
「~前に」などで時間的先後関係が説明される場合に、「直ちに」又は「直接」という表
現が使われない以上、連続していない場合も含むことができる。
【0050】
第1、第2などが様々な構成要素を説明するために使われるが、これらの構成要素は当
該用語によって限定されない。当該用語は、単に、一つの構成要素を他の構成要素と区別
するために使われる。したがって、以下に言及される第1構成要素は、本発明の技術的思
想内で第2構成要素であることができる。
【0051】
「少なくとも一つ」との用語は、一つ以上の関連項目から提示可能な全ての組合せを含
むものと理解されるべきである。例えば、「第1項目、第2項目及び第3項目のうち少な
くとも一つ」との意味は、第1項目、第2項目又は第3項目のそれぞれだけでなく、第1
項目、第2項目及び第3項目のうち2項目以上から提示可能なあらゆる項目の組合せも意
味できる。
【0052】
本発明の様々な実施例のそれぞれの特徴は部分的に又は全体的に互いに結合又は組合せ
可能であり、技術的に様々な連動及び駆動が可能であり、各実施例は互いに独立して実施
されてもよく、関連付けられて共に実施されてもよい。
【0053】
図1は、本発明の一実施例による光透過性フィルム100の概略図である。
【0054】
本発明の一実施例による光透過性フィルム100は、光透過性マトリックス110と、
光透過性マトリックスに分散されたフィラー120とを含む。
【0055】
本発明の一実施例によれば、光透過性マトリックス110は光透過性を有する。さらに
、光透過性マトリックス110はフレキシブル特性を有することができる。例えば、光透
過性マトリックス110は、曲げ(bending)特性、折り畳み(folding)
特性及びローラブル(rollable)特性を有することができる。
【0056】
光透過性マトリックス110は光透過性樹脂を含む。光透過性マトリックス110は、
例えば、イミド繰り返し単位を含み得る。さらに、光透過性マトリックス110は、例え
ば、アミド繰り返し単位を含み得る。
【0057】
本発明の一実施例による光透過性マトリックス110は、例えば、ジアンヒドリド及び
ジアミンを含むモノマー成分から製造することができる。詳しくは、本発明の一実施例に
よる光透過性マトリックス110は、ジアンヒドリドとジアミンによって形成されたイミ
ド繰り返し単位を有することができる。
【0058】
さらに、本発明の一実施例による光透過性マトリックス110は、ジカルボニル化合物
とジアミンによって形成されたアミド繰り返し単位を有することができる。
【0059】
本発明の一実施例による光透過性マトリックス110は、ジアンヒドリド、ジアミン及
びジカルボニル化合物を含むモノマー成分から製造することができる。したがって、本発
明の一実施例による光透過性マトリックス110は、イミド繰り返し単位とアミド繰り返
し単位を有することができる。イミド繰り返し単位とアミド繰り返し単位を有する光透過
性マトリックス110としては、例えば、ポリアミド-イミド樹脂がある。
【0060】
したがって、本発明の一実施例による光透過性マトリックス110は、ポリイミド樹脂
を含んでもよく、ポリアミド-イミド樹脂を含んでもよい。本発明の一実施例によれば、
イミド繰り返し単位を含む樹脂をポリイミド系樹脂という。ポリイミド系樹脂は、ポリイ
ミド樹脂及びポリアミド-イミド樹脂を含む。
【0061】
本発明の一実施例によれば、光透過性マトリックス110として使用される光透過性樹
脂は、優れた機械的特性及び光学特性を有することができる。
【0062】
光透過性マトリックス110は、光透過性フィルム100が表示パネルを保護するのに
十分な厚さを有することができる。例えば、光透過性マトリックス110は、10~10
0μmの厚さを有することができる。本発明の一実施例によれば、光透過性マトリックス
110の厚さは光透過性フィルム100の厚さであり得る。本発明の一実施例によれば、
光透過性フィルム100は10~100μmの厚さを有することができる。
【0063】
光透過性マトリックス110は、厚さ10~100μmを基準に、UV分光光度計で測
定された可視光領域で85%以上の平均光透過度、5以下の黄色度を有することができる
。
【0064】
本発明の一実施例による光透過性フィルム100は、例えば、光透過性マトリックス1
10としてポリイミド系樹脂を用いたポリイミド系フィルムを含む。ポリイミド系フィル
ムは、ポリイミドフィルム及びポリアミド-イミドフィルムを含む。
【0065】
フィラー120は無機物であっても有機物であってもよい。フィラー120は粒子の形
状を有することができる。フィラー120は、無機粒子、有機粒子及び有機-無機複合粒
子のうちの少なくとも一つを含むことができる。本発明の一実施例によれば、例えば、無
機物フィラーを使用することができる。
【0066】
本発明の一実施例によれば、フィラー120はシリカ(SiO2)を含むことができる
。例えば、無機物であるシリカ(SiO2)粒子をフィラー120に使用することができ
る。
【0067】
本発明の一実施例によれば、フィラー120に使用されるシリカ(SiO2)の少なく
とも一部を表面処理することができる。より詳しくは、表面処理されたシリカ(SiO2
)粒子をフィラー120に使用することができる。
【0068】
本発明の一実施例によれば、フィラー120に使用されるシリカ(SiO2)の少なく
とも一部は、アルコキシ基を有する有機化合物基によって表面処理されることができる。
例えば、置換または置換されていないアルキルアルコキシシラン及びフェニルアルコキシ
シランのうちの少なくとも一つによって表面処理されたシリカ(SiO2)粒子をフィラ
ー120に使用することができる。
【0069】
詳しくは、メチルアルコキシシラン、エチルアルコキシシランまたはフェニルアルコキ
シシランにより表面処理されたシリカ(SiO2)粒子をフィラー120に用いることが
できる。より詳しくは、トリメトキシ(メチル)シラン[trimethoxy(met
hyl)silane]、フェニルトリメトキシシラン[phenyltrimetho
xysilane]で表面処理されたシリカ(SiO2)粒子をフィラー120に用いる
ことができる。
【0070】
本発明の一実施例によれば、フィラー120は、下記の化学式1~化学式6で表される
単位構造を有することができる。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
化学式1~化学式6において、Rはそれぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基、炭
素数1~10のアルコキシ基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数6~18のフ
ェニル基のうち少なくとも一つであり得る。
【0078】
以下、本発明の一実施例による光透過性フィルム100の製造方法について説明する。
説明の便宜上、光透過性フィルム100がポリイミド系フィルムである実施例を中心に、
光透過性フィルム100の製造方法について説明する。
【0079】
本発明の一実施例による光透過性フィルム100は、溶液対溶液混合と溶液対粉末混合
を並行するハイブリッド混合法によって製造されることができる。
【0080】
本発明の一実施例によれば、光透過性フィルム100の製造方法は、光透過性樹脂粉末
を製造する段階と、光透過性樹脂粉末の第1含有量を第1溶媒に溶解させて光透過性樹脂
溶液を製造する段階と、フィラーが第2溶媒に分散されているフィラー分散液を準備する
段階と、フィラー分散液と光透過性樹脂溶液とを混合して第1混合液を製造する段階と、
第1混合液に光透過性樹脂粉末の第2含有量を添加し溶解させて第2の混合液を製造する
段階と、を含む。
【0081】
光透過性樹脂はイミド繰り返し単位を含み得る。また、光透過性樹脂はアミド繰り返し
単位を含んでもよい。本発明の一実施例によれば、光透過性樹脂として、例えば、ポリイ
ミド系樹脂を用いることができる。
【0082】
フィラー120分散液は、フィラー粒子を第2の溶媒に添加して撹拌することによって
製造することができる。
【0083】
本発明の一実施例による光透過性フィルム100の製造方法は、第2の混合液をキャス
トする段階をさらに含むことができる。
【0084】
キャスティングにはキャスティング基板が使用される。キャスティング基板の種類に特
別な制限はない。キャスティング基板としては、ガラス基板、ステンレス(SUS)基板
、テフロン(登録商標)基板などを用いることができる。本発明の一実施例によれば、キ
ャスティング基板として、例えば、ガラス基板を使用することができる。
【0085】
本発明の一実施例によれば、光透過性樹脂粉末は少なくとも2回に分けてフィラー分散
液と混合される。
【0086】
具体的には、光透過性樹脂粉末中の第1含有量は第1溶媒に溶解されて光透過性樹脂溶
液の形態でフィラー分散液と混合される。光透過性樹脂粉末の第1含有量は、フィラー重
量の0.5~10%とすることができる。より具体的には、光透過性樹脂粉末の第1含有
量は、フィラー120の全重量の1~10%の範囲とすることができる。
【0087】
また、光透過性樹脂粉末中の第2含有量は粉末状態で添加される。具体的には、光透過
性樹脂粉末中の第2含有量は、フィラー分散液と光透過性樹脂溶液とを混合してなる第1
混合液に粉末状態で添加されることができる。
【0088】
光透過性樹脂粉末の第2含有量は、光透過性フィルム100の製造に用いられる光透過
性樹脂粉末の全含有量のうち、第1含有量を除いた含有量とすることができる。例えば、
第2の含有量は、第1の含有量の5倍以上であってもよく、10倍以上であってもよく、
50倍以上であってもよい。本発明の他の実施例によれば、光透過性樹脂粉末の第2含有
量は、第1含有量の100倍以上であり得る。
【0089】
本発明の一実施例によれば、光透過性樹脂粉末の第2の含有量は、第1の含有量の10
倍~200倍であり得る。より具体的には、光透過性樹脂粉末の第2含有量は、第1含有
量の60倍~200倍であってもよい。
【0090】
本発明の一実施例によれば、光透過性樹脂粉末の第2含有量を第1混合液に添加する前
に、第1混合液に第3溶媒を添加する段階をさらに含むことができる。第3の溶媒は第1
の溶媒と同じでも異なっていてもよい。本発明の一実施例によれば、第3の溶媒として第
1の溶媒と同じ溶媒を使用することができる。
【0091】
第1の溶媒としてDMAc(N,N-Dimethylacetamide)を使用す
ることができる。第2の溶媒としては、DMAc(N,N-Dimethylaceta
mide)またはMEK(Methyl Ethyl Ketone)を使用することが
できる。第3の溶媒としては、DMAc(N,N-Dimethylacetamide
)を使用することができる。しかしながら、本発明の一実施例はこれに限定されず、第1
の溶媒、第2の溶媒及び第3の溶媒として、公知の他の溶媒を使用することができる。
【0092】
本発明の一実施例によれば、まず、光透過性樹脂粉末の一部(第1含有量)が溶媒に溶
解された後、フィラー分散液と混合される。これにより、フィラーの分散性が向上する。
【0093】
参考として、フィラーが分散しているフィラー分散液に直接光透過性樹脂粉末が投入さ
れる場合、粉末の表面から溶媒が瞬間的に粉末の内側に浸透し、このとき粉末表面周囲の
濃度が瞬間的に上昇してフィラーの凝集が発生することがある。
【0094】
一方、本発明の一実施例によれば、溶媒を含むフィラー分散液に、光透過性樹脂粉末が
溶解してなる光透過性樹脂溶液を先に添加することにより、フィラー間に分布した光透過
性樹脂の高分子鎖がフィラー間の凝集を防ぐことができる。その後、光透過性樹脂粉末を
さらに添加しても(第2含有量を添加)、フィラー間の凝集は発生しない。これにより、
フィラーの凝集を防止し、フィラーの分散性を向上させることができる。
【0095】
本発明の一実施例によれば、溶液対溶液混合と溶液対粉末混合を並行するハイブリッド
混合法により、均一に分散されたフィラー120を含む光透過性フィルム100を製造す
ることができる。
【0096】
本発明の一実施例によれば、フィラー120と光透過性樹脂との自由度を高い状態に保
つことができ、分散が容易な環境を作ることができる。これにより、高い自由度状態でフ
ィラー120と光透過性樹脂とを結合することができ、フィラー120が光透過性樹脂に
よって形成されたマトリックス110に均一に分散されている光透過性フィルム100を
製造することができる。
【0097】
本発明の一実施例によれば、フィラー120としてシリカ粒子を使用することができる
。シリカ粒子は、例えば、テトラエチルトリエトキシシランから製造することができる。
例えば、反応器にエタノールとテトラエチルトリエトキシシラン(tetraethyl
triethoxysilane,TEOS,Si(OC2H5)4)を加えて常温で撹拌
し、これにNH4OHを加えた後、撹拌して得られた反応物を濾過し、エタノールで洗浄
した後、減圧下で乾燥して、平均粒径が20nm程度のシリカ粒子[SiO2]を製造す
ることができる。
【0098】
フィラー120分散液としてシリカ分散液を使用することができる。シリカ分散液は、
例えば、反応器にジメチルアセトアミド(Dimethylacetamide,DMA
c)及びシリカ粒子を添加し、撹拌して製造することができる。
【0099】
優れたフィラー分散性を有する本発明の一実施例による光透過性フィルム100は、優
れた機械的特性及び光学特性を有する。
【0100】
本発明の一実施例による光透過性フィルム100は、-3.6~-3.2のpower
law slopeを有する。
【0101】
具体的には、本発明の一実施例による光透過性フィルム100において、波数に対する
散乱強度を対数的に表した超小角X線散乱(Ultra-Small Angle X-r
ay Scattering,U-SAXS)グラフの0.01/Å~0.1/Åの波数
範囲で、グラフの傾きであるpower law slopeが-3.6~-3.2であ
る。
【0102】
超小角X線散乱(U-SAXS)グラフは、超小角X線散乱測定により求められる。
【0103】
超小角X線散乱(U-SAXS)グラフは、X線をフィルムに入射し、フィルムに含ま
れる粒子によって散乱される散乱X線のうち、散乱角2θが5°以下の範囲で散乱強度I
の波数依存性を示すグラフである。本発明の一実施例によれば、散乱角2θは、サンプル
と検出器との離隔距離によって調整することができる。本発明の一実施例によれば、超小
角X線散乱グラフは、X線回折分析に通常適用される角度θの代わりに、波数Q(単位:
Å-1)に対する散乱強度Iで表される。波数Qは2π/λから計算され、λはX線の波
長を表す。
【0104】
例えば、
図2に示すように、0.001~0.15/Åの波数範囲で超小角X線散乱グ
ラフを得ることができる。本発明の一実施例による超小角X線散乱グラフでは、波数Qに
対する散乱強度Iは対数的に表れる。
【0105】
本発明の一実施例によれば、波数Qに対する散乱強度Iを対数的に表した超小角X線散
乱グラフの0.01/Å~0.1/Åの波数範囲においてグラフの傾きが測定され、この
ように測定された傾きがpower law slopeになる。本発明の一実施例によ
る光透過性フィルム100において、power law slopeは-3.6~-3
.2である。
【0106】
図2は、本発明の一実施例による光透過性フィルム100に対する超小角X線散乱(U
-SAXS)グラフである。
図2を参照すると、超小角X線散乱(U-SAXS)グラフ
では、波数Qに対する散乱強度Iが対数的に表れる。
図2を参照すると、0.01/Å~
0.1/Åの波数範囲で、超小角X線散乱(U-SAXS)グラフの傾きであるpowe
r law slopeは-3.4である。
【0107】
以下、0.01/Å~0.1/Åの波数範囲で超小角X線散乱(U-SAXS)グラフ
の傾きを単に「power law slope」ともいう。
【0108】
本発明の一実施例によれば、浦項加速器研究所(韓国)の9A U-SAXSビームラ
インを用いて、以下の条件で超小角X線散乱(U-SAXS)が行われて超小角X線散乱
(U-SAXS)グラフ及びグラフの傾きが得られる。
【0109】
波数範囲:0.001~2.5/Å
エネルギー(E):19.70keV
サンプルと検出器の離隔距離:6.5m
露出時間:30秒
【0110】
具体的には、本発明の一実施例によれば、光透過性フィルム100のサンプルは、浦項
加速器研究所(韓国浦項所在)の放射光加速器施設(Pohang Light Sou
rce)で測定することができる。浦項加速器研究所(韓国浦項所在)の放射光加速器は
放射光源と検出器を含み、サンプルは放射光光源と検出器との間の光路上に配置される。
本発明の一実施例によれば、透過モード(T-SAXS)でサンプルの測定が行われる。
本発明の一実施例によれば、ピーク補正のために、フィラー120を含まない光透過性マ
トリックス110のみからなるフィルムが対照として使用される。対照により、光透過性
フィルム100サンプルの測定ピークを補正することができる。
【0111】
サンプルと検出器との離隔距離によって散乱角2θの大きさを定めることができる。本
発明の一実施例によれば、浦項加速器研究所(大韓民国浦項所在)の放射光加速器内に、
サンプルと検出器との離隔距離が6.5mとなるようにサンプルを配置することにより、
超小角を実現することができる。
【0112】
光学特性に関して、本発明の一実施例による光透過性フィルム100は、3以下の黄色
度を有することができ、1%以下のヘイズを有することができ、85%以上の光透過度を
有することができる。
【0113】
さらに、本発明の一実施例による光透過性フィルム100は、優れた機械的特性を有す
ることができるが、4.5GPa以上のヤング率を有することができ、95MPa以上の
「2%降伏強度」を有することができる。
【0114】
本発明の一実施例によれば、光透過性フィルム100が優れた光学特性及び機械的特性
を有するようにするために、粒子のサイズ、フィラー120の含有量及び粒子間隔を調整
することができる。
【0115】
本発明の一実施例によれば、フィラー120は5~50nmの平均粒径を有することが
できる。フィラー120の平均粒径が5nm未満であると、フィラー120の分散性が低
下してフィラー120が凝集する(aggregate)ことがある。一方、フィラー1
20の平均粒径が50nmを超えると、フィラー120を含む光透過性フィルム100の
光学特性が低下する可能性がある。例えば、平均粒径が50nmを超えるフィラー120
が過剰に含まれると、光透過性フィルム100のヘイズが増加する可能性がある。
【0116】
また、フィラー120の平均粒径が5nm未満であると、フィラー120の凝集により
、フィラー120の凝集が発生した部分で光透過性フィルム100の機械的強度が低下し
て、光透過性フィルム100のヤング率及び2%降伏強度が低下することがある。フィラ
ー120の平均粒径が50nmを超えると、光透過性フィルム100の降伏強度が95M
Pa未満となり、機械的強度が低下することがある。
【0117】
また、フィラー120の平均粒径が5nm未満の場合、フィラー120の分散性が低下
することがあり、フィラー120の平均粒径が50nmを超える場合、フィラー120間
の間隔が十分に確保されない。したがって、超小角X線散乱(U-SAXS)グラフの0
.01/Åから0.1/Åの波数の範囲で、power law slopeが-3.6
未満または-3.2を超えることがある。
【0118】
本発明の他の実施例によれば、フィラー120は10~20nmの平均粒径を有するこ
とができ、または10~15nmの平均粒径を有することができる。
【0119】
光透過性フィルム100がナノメートル単位の粒径を有するフィラー120を含む場合
、フィラー120による光散乱により光透過性フィルム100の光学特性を向上させるこ
とができる。また、光透過性フィルム100がフィラー120を含む場合、光透過性フィ
ルム100の機械的特性を向上させることができる。
【0120】
本発明の一実施例によれば、フィラー120の含有量は、光透過性フィルム100の全
重量に対して5~50重量%の範囲であり得る。より具体的には、power law
slopeを-3.6~-3.2の範囲とするための実施例では、フィラー120の含有
量は光透過性フィルム100の全重量に対して5~46重量%の範囲であり得る。
【0121】
フィラー120の含有量が光透過性フィルム100の全重量に対して5重量%未満の場
合、フィラー120による光散乱効果が微小であり、光透過性フィルム100の光透過度
の改善効果がほとんど現れないかもしれない。また、フィラー120の含有量が光透過性
フィルム100の全重量に対して5重量%未満である場合、光透過性フィルム100のヤ
ング率及び2%降伏強度改善効果が微小であり得る。
【0122】
一方、フィラー120の含有量が光透過性フィルム100の全重量に対して50重量%
を超える場合、フィラー120の分散性が低下して、光透過性フィルム100のヘイズが
低下する可能性があり、過剰なフィラー120が光を遮断して光透過性フィルム100の
光透過性を低下させる可能性がある。より具体的には、フィラー120の含有量が光透過
性フィルム100の全重量に対して46重量%を超える場合、光透過性フィルム100の
power law slopeが-3.6~-3.2の範囲を外れることがあり、光透
過性フィルム100のヘイズが低下し、光透過性フィルム100の光透過性が低下する可
能性がある。
【0123】
本発明の一実施例によれば、フィラー120間の平均最短隣接距離は23~45nmで
ある。より具体的には、最も隣接する二つのフィラー120間の平均距離は23~45n
mであり得る。
【0124】
一方、フィラー120間の平均最短隣接距離が23nm未満の場合、波数に対する散乱
強度が対数的に表れる超小角X線散乱(U-SAXS)グラフの0.01/Åから0.1
/Åの波数範囲では、power law slopeが-3.6未満または-3.2を
超え、光透過性フィルム100のヘイズが低下する。
【0125】
一方、フィラー120間の平均最短隣接距離が45nmを超えると、フィラー120に
よる光散乱効果が微小であり、光透過性フィルム100の光透過度の改善効果がほとんど
現れないことがある。
【0126】
図3は、本発明の一実施例による光透過性フィルム100におけるフィラー120の分
散状態を説明した概略図である。
【0127】
本発明の一実施例によれば、光透過性フィルム100に対する透過型電子顕微鏡(Tr
ansmission Electron Microscope,TEM)写真を用い
て、フィラー120の粒子のサイズ及びフィラー120間の距離を測定または計算するこ
とができる。
【0128】
図3を参照すると、フィラー120のうちのいくつかは互いに離間して分散しているが
、一部は凝集を形成している。
図3において、「Group A」は凝集を形成している
フィラー120を示す。
図3の「Group A」のような凝集を形成するフィラー12
0間の最短距離は20nmにはならない。一方、「Group A」のフィラー120と
は異なり、凝集せずに分散しているフィラー120(Group A以外の部分)間の最
短距離は20nm以上である。
図3の「Group A」のような凝集を形成しているフ
ィラー120の数が少ないほど、光透過性フィルム100内でフィラー120が均一に分
散しているものといえる。
【0129】
図3の「Group A」のような凝集を形成しているフィラー120の量が少ない場
合、波数に対する散乱強度が対数的に表れる超小角X線散乱(U-SAXS)グラフの0
.01/Å~0.1/Åの波数範囲で、グラフの傾きであるpower law slo
peが-3.6~-3.2の範囲となり、光透過性フィルム100が低いヘイズを有する
ことができる。
【0130】
一般に、フィラー120が含まれる場合、フィラー120が十分に均一に分散できない
と、光透過性フィルム120の光透過度が低下してヘイズが増加するなど、光透過性フィ
ルム120の光学特性が低下する可能性がある。しかしながら、本発明の一実施例によれ
ば、超小角X線散乱(U-SAXS)グラフの0.01/Å~0.1/Åの波数範囲で、
光透過性フィルム120のpower law slopeを-3.6~-3.2とする
ことで、光透過性フィルム120のヘイズの増加を防止でき、光透過度の低下を防止する
ことができる。
【0131】
本発明の一実施例によれば、波数に対する散乱強度を対数的に表した超小角X線散乱(
U-SAXS)グラフの0.01/Å~0.1/Åの波数範囲で、光透過性フィルム10
0のpower law slopeが-3.6~-3.2となり、光透過性フィルム1
00は85%以上、または89%以上、または90%以上、または91%以上の光透過度
を有することができ、3.0以下、または1.0以下の黄色度を有することができる。
【0132】
本発明の一実施例によれば、光透過性フィルム100のpower law slop
eを-3.6~-3.2とすることにより、光透過性フィルム100は3以下の黄色度を
有することができる。
【0133】
さらに、本発明の一実施例によれば、光透過性フィルム100は、1%以下のヘイズを有
することができる。
【0134】
さらに、本発明の一実施例によれば、光透過性フィルム100が、超小角X線散乱(U
-SAXS)グラフの0.01/Å~0.1/Åの波数範囲で-3.6~-3.2のpo
wer law slopeを有し、4.5GPa以上のヤング率及び95MPa以上の
2%降伏強度を有することができる。
【0135】
本発明の他の実施例によれば、光透過性マトリックス110に分散されたフィラー12
0は、0.35以下の平均粒子散乱係数(XA)を有することができる。
【0136】
フィラー120の平均粒子散乱係数XAは、下記の式1で算出される。
【0137】
【0138】
式1のXkは、次の式2から計算することができる。
【0139】
<式2>
Xk=πD/λk
【0140】
式1及び式2において、kは1~38の整数である。
【0141】
なお、式2において、λk=(37+k)×10nmであり、Dは透過電子顕微鏡(T
EM)により計算されたフィラー120の粒径である。
【0142】
本発明の他の実施例によれば、フィラー120の粒径(particle diame
ter)がフィラー120の粒子のサイズになる。本発明の他の実施例では、Dは透過電
子顕微鏡(TEM)によって計算されたフィラー120の平均粒径と等しい。より具体的
には、式2の粒子のサイズ「D」は、透過電子顕微鏡(TEM)によって撮影された画像
から算出されたフィラー120の平均粒径である。
【0143】
本発明の他の実施例によれば、式2に適用されるフィラー120の粒子のサイズDは、
光透過性フィルム100の製造に使用されるフィラー120の実際の粒子のサイズと異な
ることがある。例えば、光透過性マトリックス110内で二つ以上のフィラー120が集
まっているか、透過電子顕微鏡(TEM)の観測方向に沿って互いに重なっている場合、
透過電子顕微鏡(TEM)による撮影画像には、互いに集まっているか重なっている二つ
以上のフィラー120は、塊状の状態の一つの粒子として表れることができる。その結果
、フィラー120の実際の粒子のサイズと透過電子顕微鏡(TEM)によって撮影された
画像から算出されたフィラー120の平均粒径Dとが異なることがある。
【0144】
本発明の他の実施例によれば、フィラー120の平均粒子散乱係数を計算する過程で、
フィラー120の粒子のサイズは、透過電子顕微鏡(TEM)によって撮影された画像か
ら計算される。例えば、フィラー120の粒子のサイズは以下の方法で求めることができ
る。
【0145】
<測定装置>
透過電子顕微鏡(TEM)(メーカー:Jeol/モデル名:JEM-2100F)
【0146】
<測定条件>
加速電圧:200kV、倍率:20,000倍(20K)
【0147】
<断面処理>
Microtome(メーカー:Leica/モデル名:EM UC7)
SPEED(mm/s):1mm/s
FEED(nm):120nm
ナイフ:DiATOME/Ultra 35度
【0148】
<計算方法>
画像分析プログラムとしてImageJを用いて以下のように分析する。
【0149】
1)Imageのタイプにおいて、8bitに切り替える。
【0150】
2) Processにおいて、「Find maxima」を介してノイズは100、
Output typeは「Maxima within tolerance」とし、
「Exclude edge maxima」、「Light background」
に切り替える。
【0151】
3)ProcessのBinaryで「Fill holes」を行う。
【0152】
4)ProcessのBinaryで「Watershed」を行う。
【0153】
5)Rectangleをドラッグ(drag)してAreaを2250000~250
0000に設定する。(スケールバーのある部分を除く)
【0154】
6)「Analyze」の「Analyze particles」を行う。
size(pixel2):200-infinity、Circularity:0.
0~1.0
各粒子のareaを合計し、その値を粒子数で割って「平均粒子area」を求める。
「平均粒子area」は、透過電子顕微鏡(TEM)撮影画像において、各フィラーが占
めている画素数の平均に対応する。
【0155】
7)透過電子顕微鏡(TEM)で得られた画像からスケールバーをストレートセグメント
で測定して「ピクセル当たりの長さ(nm)」を求める。ピクセル当たりの長さはnmで
表すことができる(nm/pixel)。「ピクセル当たりの長さ(nm)」は、透過電
子顕微鏡(TEM)撮影画像を構成する正方形ピクセルの一辺の実際の長さに対応する。
したがって、画素一つの実際の面積は、[画素当たりの長さ(nm)]2とすることがで
きる。
【0156】
8)「6)」で得られた平均粒子area(面積、pixel)を、「7)」のピクセル
当たりの長さを用いて、メートル法単位(metric unit or SI unit
)の面積に換算して平均粒径を求める。
【0157】
透過電子顕微鏡(TEM)で得られた画像において、一つのフィラーが占める画素数の
平均値が「平均粒子area」であり、正方形画素一つの実面積は(ピクセル当たりの長
さ)2であるため、透過電子顕微鏡(TEM)で得られた画像から計算されるフィラーの
面積は「(平均粒子area)×(ピクセル当たりの長さ)2」となる。本発明の他の実
施例によれば、フィラー120が球形であるというとき、フィラー120の二次元面積は
「πr2=π(平均粒径/2)2」であると言える。
【0158】
したがって、フィラー120の平均粒径は、下記の式3により求めることができる。
【0159】
【0160】
例えば、「6)」で得られた全粒子の平均粒子area(pixel^2)=900 p
ixel2であり、「7)」で得られたpixel当たりの長さ=500/933nmの
場合、平均粒径は次のように求められる。
【0161】
平均粒径(nm)=2 * [(平均粒子area/π) * (pixel当たりの長さ)2]1
/2
= 2*[(900/π)*(500/933)2]1/2
= 18.14nm
【0162】
透過電子顕微鏡(TEM)及びImageJを用いて計算されたフィラー120の平均
粒径をフィラー120の粒子のサイズDとして使用することができる。
【0163】
このようにして得られたフィラー120の粒子のサイズDを用いて、式1及び式2に従
って計算することにより、フィラー120の平均粒子散乱係数が計算される。
【0164】
本発明の他の実施例によれば、光透過性マトリックス110に分散されたフィラー12
0が0.35以下の平均粒子散乱係数XAを有する場合、フィラー120が均一に分散さ
れて光透過性フィルム100が優れた光学特性を有することができる。また、フィラー1
20が0.35以下の平均粒子散乱係数XAで光透過性マトリックス110に分散された
場合、光透過性フィルム100の機械的特性の向上効果を極大化することができる。
【0165】
フィラー120の平均粒子散乱係数XAが0.35を超えると、可視光領域で散乱を起
こして光透過性フィルム100の光透過率が低下する可能性がある。その結果、光透過性
フィルム100の光学物性が低下するという問題が発生する。
【0166】
より具体的には、本発明の他の実施例によれば、フィラー120は、0.1以上の平均
粒子散乱係数を有することができる。フィラー120の平均粒子散乱係数が0.1以上で
あると、可視光領域で散乱が小さく、フィラー120による光透過性フィルム100の光
透過率の低下を抑制することができる。また、フィラー120の平均粒子散乱係数が0.
1以上0.35以下であり、フィラー120自体の屈折率が小さい場合、フィラー120
自体の屈折率が光透過性マトリックス110に反映されて、光透過性フィルム100の反
射率の減少による光透過率の改善効果が生じることがあり、レイリー散乱効果により光透
過性フィルム100の黄色度が低くなる利点がある。
【0167】
本発明の他の実施例によれば、フィラー120は、0.07~0.35の平均粒子散乱
係数を有することができる。
【0168】
本発明の他の実施例によれば、フィラー120は、0.17~2.0の平均粒子散乱係
数を有することができる。
【0169】
本発明の他の実施例によれば、フィラー120のサイズまたは含有量に特別な制限はな
い。本発明の他の実施例によれば、光透過性フィルム100は、光学特性及び機械的特性
を考慮してフィラー120のサイズ及び含有量を調整することができる。
【0170】
本発明の他の実施例によれば、フィラー120は5~50nmの平均粒径を有すること
ができる。
【0171】
フィラー120の平均粒径が5nm未満であると、同含有量対比粒子の数が大幅に増加
し、相対的な表面積の増加によりフィラー120の分散性が低下して、フィラー120が
凝集することがある。一方、フィラー120の平均粒径が50nmを超えると、フィラー
120を含む光透過性フィルム100の光学特性が低下する可能性がある。例えば、平均
粒径が50nmを超えるフィラー120が過剰に含まれる場合、光透過性フィルム100
の光透過率が減少し、ヘイズが増加する可能性がある。
【0172】
また、フィラー120の平均粒径が5nm未満であると、フィラー120の凝集により
、フィラー120の凝集が発生した部分で光透過性フィルム100の機械的強度が低下す
ることがある。その結果、光透過性フィルム100のモジュラスを低下させることができ
、それに応じて機械的強度を低下させることができる。
【0173】
本発明の他の実施例によれば、フィラー120が添加されると、フィラー120によっ
て適切な光散乱が発生して、光透過性フィルム100の光学特性を向上させることができ
る。光散乱効果を高めるために、光透過性フィルム100に含まれるフィラー120の含
有量を調整することができる。
【0174】
本発明の他の実施例によれば、フィラー120の含有量は、光透過性フィルム100の
全重量に対して5~50重量%の範囲であり得る。より具体的には、光透過性フィルム1
00の全重量に対するフィラー120の含有量は5~40重量%に調整することができる
。
【0175】
フィラー120の含有量が光透過性フィルム100の全重量に対して5重量%未満であ
ると、フィラー120による光散乱効果が微小であり、光透過性フィルム100の光透過
も改善効果がほとんどなく、光透過性フィルム100のモジュラス改善効果も少ない。
【0176】
一方、フィラー120の含有量が光透過性フィルム100の全重量に対して50重量%
を超える場合、フィラー120の分散性が低下して、光透過性フィルム100のヘイズが
低下する可能性があり、過剰のフィラー120によるフィラー12の凝集が発生し、この
ように凝集されたフィラー120が光を遮断して光透過性フィルム100の光透過度が低
下することがある。
【0177】
本発明の他の実施例によれば、フィラー120の含有量及び粒子のサイズを調整し、分
散方法を改良して、光透過性マトリックス110に分散されたフィラー120の平均粒子
散乱係数を0.35以下とすることにより、光透過性フィルム120のヘイズの増加を防
止することができ、光透過性の低下を防止することができる。
【0178】
本発明の他の実施例によれば、光透過性フィルム100は3以下の黄色度を有すること
ができる。より具体的には、本発明の他の実施例による光透過性フィルム100は、2.
0以下の黄色度を有してもよく、1.0以下の黄色度を有してもよい。
【0179】
本発明の他の実施例によれば、光透過性フィルム100は、1%以下のヘイズを有する
ことができる。より具体的には、本発明の他の実施例による光透過性フィルム100は、
0.9%以下のヘイズを有することができる。
【0180】
さらに、本発明の他の実施例によれば、光透過性フィルム100は、88%以上の光透
過率を有することができる。より具体的には、本発明の他の実施例による光透過性フィル
ム100は、89%以上、90%以上、または91%以上の光透過性を有することができ
る。
【0181】
本発明の他の実施例によれば、光透過性マトリックス110に分散されたフィラー12
0の平均粒子散乱係数を0.35以下とすることにより、光透過性フィルム100が5.
0GPa以上のモジュラスを有することができる。
【0182】
図4は、本発明の他の実施例による表示装置200の一部の断面図であり、
図5は、図
4の「P」部分の拡大断面図である。
【0183】
図4を参照すると、本発明の他の実施例による表示装置200は、表示パネル501と
表示パネル501上の光透過性フィルム100とを含む。
【0184】
図4及び
図5を参照すると、表示パネル501は、基板510と、基板510上の薄膜
トランジスタ(TFT)と、薄膜トランジスタ(TFT)に接続された有機発光素子57
0と、を含む。有機発光素子570は、第1電極571と、第1電極571上の有機発光
層572と、有機発光層572上の第2電極573と、を含む。
図4及び
図5に示した表
示装置200は有機発光表示装置である。
【0185】
基板510はガラスまたはプラスチックで作ることができる。具体的には、基板510
は、光透過性樹脂や光透過性フィルムなどのプラスチックで作ることができる。図示され
ていないが、基板510上にバッファ層を配置することができる。
【0186】
薄膜トランジスタ(TFT)は基板510上に配置される。薄膜トランジスタ(TFT
)は、半導体層520と、半導体層520と絶縁されて半導体層520の少なくとも一部
と重なるゲート電極530と、半導体層520に接続されたソース電極541と、ソース
電極541と離間して半導体層520と接続されたドレイン電極542と、を含む。
【0187】
図5を参照すると、ゲート電極530と半導体層520との間にゲート絶縁膜535が
配置される。ゲート電極530上に層間絶縁膜551を配置し、層間絶縁膜551上にソ
ース電極541及びソース電極541を配置することができる。
【0188】
平坦化膜552は、薄膜トランジスタTFT上に配置されて薄膜トランジスタTFTの
上部を平坦化する。
【0189】
第1電極571は平坦化膜552上に配置される。第1電極571は、平坦化膜552
に設けられたコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ(TFT)と接続される。
【0190】
バンク層580は、第1電極571の一部及び平坦化膜552上に配置されて画素領域
又は発光領域を定義する。例えば、バンク層580を複数の画素間の境界領域にマトリク
ス構造に配置することにより、バンク層580によって画素領域を定義することができる
。
【0191】
有機発光層572は、第1電極571上に配置される。有機発光層572は、バンク層
580上にも配置されることができる。有機発光層572は、一つの発光層を含んでもよ
く、上下に積層された二つの発光層を含んでもよい。このような有機発光層572では、
赤色、緑色、青色のうちのいずれか一つの色を有する光を発することができ、白色光を発
することができる。
【0192】
第2電極573は有機発光層572上に配置される。
【0193】
第1電極571、有機発光層572及び第2電極573を積層して有機発光素子270
を形成することができる。
【0194】
図示されていないが、有機発光層572が白色光を発光する場合、個々の画素は、有機
発光層572から放出される白色光を波長別にフィルタリングするためのカラーフィルタ
を含むことができる。カラーフィルタは光の移動経路上に形成される。
【0195】
第2電極573上に薄膜封止層590を配置することができる。薄膜封止層590は、
少なくとも一つの有機膜と少なくとも一つの無機膜とを含むことができ、少なくとも一つ
の有機膜と少なくとも一つの無機膜とを交互に配置することができる。
【0196】
上述した積層構造を有する表示パネル501上に光透過性フィルム100が配置される
。光透過性フィルム100は、光透過性マトリックス110と、光透過性マトリックス1
10に分散されたフィラー120と、を含む。
【0197】
以下、製造例及び実施例を参照して本発明をより具体的に説明する。しかしながら、以
下に説明する製造例や実施例によって本発明が限定されるものではない。
【0198】
<製造例1:光透過性ポリマー固形体の製造>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器及び冷却器を取り付けた1L反応器に窒
素を通過させながら、DMAc(N,N-Dimethylacetamide)776
.655gを満たした後、反応器の温度を25℃に設定した後、TFDB 54.439
g(0.17 mol)を溶解してこの溶液を25℃に維持した。これにBPDA 15
.005g(0.051 mol)を加え、3時間攪拌してBPDAを完全に溶解させた
後、6FDA 22.657g(0.051 mol)を加えて完全に溶解した。反応器
の温度を10℃に下げた後、TPC 13.805g(0.068 mol)を加えた後
、25℃で12時間反応して固形体の濃度が12重量%のポリマー溶液を得た。
【0199】
得られたポリマー溶液にピリジン17.75g、無水酢酸22.92gを投入して30
分撹拌後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、得られたポリマー溶液にメタノー
ル20Lを加えて固形体を沈殿させ、沈殿された固形体を濾過して粉砕した後、再びメタ
ノール2Lで洗浄した後、100℃で、真空で6時間乾燥して粉末状態の光透過性ポリマ
ー固形体を得た。ここで製造された光透過性ポリマー固形体は、ポリイミド系樹脂の固形
体である。より具体的には、製造例1で製造された光透過性ポリマー固形体は、ポリアミ
ド-イミドポリマー固形体の粉末であり、光透過性樹脂粉末に相当する。
【0200】
<実施例1-1>
1L反応器に31.88gのDMAc(第1溶媒)を満たした後、反応器の温度を10
℃に保ったまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末のポリアミ
ド-イミド(光透過性樹脂粉末)0.32g(第1含有量)を投入してから1時間攪拌し
た後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0201】
DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)溶液(第2溶媒)に平均粒径10~15n
mのシリカ粒子が20重量%の含有量で分散されてなるシリカ分散液1A(DMAC-S
T、日産化学株式会社)32.20gを別の1L反応器に充填した後、反応器の温度を2
5℃に保ったまま、前記製造された液状の光透過性樹脂溶液を、シリンダポンプを用いて
1時間ゆっくり投入して、シリカ分散液と光透過性樹脂溶液とが混合された第1の混合液
を製造した。
【0202】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc 377.96gを添加して撹拌し、製造例1で
製造された固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)64.08g(第2含
有量)を添加して撹拌して第2の混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分散さ
れた光透過性樹脂溶液である。
【0203】
得られた第2混合液をキャストした。キャスティングのためにはキャスティング基板が
使用される。キャスティング基板の種類に特別な制限があるわけではない。キャスト基板
としては、ガラス基板、ステンレス(SUS)基板、テフロン(登録商標)基板などを用
いることができる。本発明の一実施例では、キャスティング基板として、例えば、有機基
板を使用することができる。
【0204】
具体的には、得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、130℃の熱風
で30分乾燥してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離して
フレームにピンで固定した。
【0205】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0206】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、80μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。ここで、
光透過性マトリックス110は、ポリイミド系樹脂によって形成され、フィルム状を有す
る。
【0207】
<実施例1-2>
1L反応器に70.51gのDMAc(第1溶媒)を満たした後、反応器の温度を10
℃に保ったまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末のポリアミ
ド-イミド(光透過性樹脂粉末)0.71g(第1含有量)を投入してから1時間攪拌し
た後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0208】
シリカ分散液1A(DMAC-ST、日産化学株式会社)118.7gを他の1L反応
器に充填した後、反応器の温度を25℃に保ったまま、前記製造した液状の光透過性樹脂
溶液を、シリンダポンプを用いて1時間ゆっくりと投入して、シリカ分散液と光透過性樹
脂溶液とを混合した第1混合液を製造した。
【0209】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc 144.29gを添加して撹拌し、製造例1で
製造された固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)74.34g(第2含
有量)を添加して撹拌して、第2の混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分散
された光透過性樹脂溶液である。
【0210】
得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、130℃の熱風で30分乾燥
してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離してフレームにピ
ンで固定した。
【0211】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0212】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、80μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0213】
<実施例1-3>
1L反応器に78.53gのDMAc(第1溶媒)を満たした後、反応器の温度を10
℃に保ったまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末のポリアミ
ド-イミド(光透過性樹脂粉末)0.79g(第1含有量)を投入してから1時間攪拌し
た後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0214】
MEK(メチルエチルケトン)溶液(第2溶媒)に平均粒径10~15nmのシリカ粒
子が40重量%の含有量で分散されてなるシリカ分散液1B(MEK-ST-40、日産
化学株式会社)39.66gを他の1L反応器に充填した後、反応器の温度を25℃に保
ったまま、前記製造された液状の光透過性樹脂溶液を、シリンダポンプを用いて1時間ゆ
っくり投入し、シリカ分散液と光透過性樹脂溶液が混合された第1の混合液を製造した。
【0215】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc 244.79gを添加して撹拌し、製造例1で
製造された固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)52.09g(第2含
有量)を添加し撹拌して第2の混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分散され
た光透過性樹脂溶液である。
【0216】
得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、130℃の熱風で30分乾燥
してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離してフレームにピ
ンで固定した。
【0217】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0218】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、80μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0219】
<実施例1-4>
1L反応器に36.81gのDMAc(第1溶媒)を満たした後、反応器の温度を10
℃に保ったまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末のポリアミ
ド-イミド(光透過性樹脂粉末)0.37g(第1含有量)を投入してから1時間攪拌し
た後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0220】
シリカ分散液1B(MEK-ST-40、日産化学株式会社)92.95gを他の1L
反応器に充填した後、反応器の温度を25℃に保ったまま、前記製造した液状の光透過性
樹脂溶液を、シリンダポンプを用いて1時間ゆっくりと投入して、シリカ分散液と光透過
性樹脂溶液とを混合した第1混合液を製造した。
【0221】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc295.46gを添加して撹拌し、製造例1で製
造された固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)61.60g(第2含有
量)を添加し撹拌して第2の混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分散された
光透過性樹脂溶液である。
【0222】
得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、130℃の熱風で30分乾燥
してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離してフレームにピ
ンで固定した。
【0223】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0224】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、80μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0225】
<比較例1-1>
溶液対粉末混合法により、比較例1に係る光透過性フィルムを製造した。
【0226】
具体的には、1L反応器に219.48gのDMAcと、シリカ分散液としてプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル(Propylene glycol monomet
hyl ether,PGME)溶液に平均粒径10~15nmのシリカ粒子が30重量
%の含有量で分散されてなるシリカ分散液1C(PGM-ST、日産化学株式会社)16
3.82gを満たした後、反応器の温度を10℃に保ったまま一定時間攪拌した。その後
、製造例1で製造した固形体粉末のポリアミド-イミド55.85gを投入してから1時
間攪拌した後、25℃に昇温させてシリカ粒子が分散された光透過性樹脂溶液を得た。
【0227】
得られたシリカ粒子が分散された光透過性樹脂溶液をガラス基板に塗布してキャストし
、130℃の熱風で30分乾燥してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス
基板から剥離してフレームにピンで固定した。
【0228】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理して、80μm厚さの光透過性フィルム
を製造した。
【0229】
<比較例1-2>
DMAc 361.71g及びポリアミド-イミド固形体粉末50.58gを用い、シ
リカ分散液としてメチルエチルケトン(MEK)溶液に平均粒径45nmのシリカ粒子が
30重量%分散されてなるシリカ分散液1D(MEK-ST-L、日産化学株式会社)2
5.29gを用いたことを除いて、比較例1と同様の工程を繰り返して、80μm厚さの
光透過性フィルムを製造した。
【0230】
<測定例>
実施例1-1~1-4及び比較例1-1、1-2で製造された光透過性フィルムについ
て以下の測定を行った。
【0231】
(1)超小角X線散乱(U-SAXS)グラフ及びpower law slope
【0232】
超小角X線散乱(U-SAXS)測定装置として浦項加速器研究所(韓国)の9A U
-SAXSビームラインを用いて、次の条件で超小角X線散乱(U-SAXS)を行い、
超小角X線散乱(U-SAXS)グラフを得た。得られたグラフから、0.01/Å~0
.1/Åの波数範囲でグラフの傾きを計算して、power law slope値を得
た。
【0233】
波数範囲:0.001~2.5/Å
エネルギー(E):19.70 keV
サンプルと検出器の離隔距離:6.5m
露光時間:30秒
【0234】
(2)光透過度(%):標準規格ASTM E313としてSpectrophotom
eter(CM-3700D、KONICA MINOLTA)を用いて、波長360~
740nmにおける平均光透過度を測定した。
【0235】
(3)黄色度:標準規格ASTM E313としてSpectrophotometer
(CM-3700D、KONICA MINOLTA)を用いて黄色度を測定した。
【0236】
(4)ヘイズ:製造された光透過性フィルムを50mm×50mmに切り、MURAKA
MI社のヘイズメーター(モデル名:HM-150)装置を用いてASTM D1003
に従って5回測定し、その平均値をヘイズ値とした。
【0237】
(5)粒子間距離:光透過性フィルムに対する透過電子顕微鏡(TEM)写真を用いて、
フィラー120間の距離を測定した。
【0238】
(6)ヤング率と2%降伏強度:ASTM D885方法に従って、インストロン社の万
能引張試験機を用いて光透過性フィルムのヤング率及び2%降伏強度を測定した。
【0239】
測定結果は以下の表1の通りである。
【0240】
【0241】
表1の測定結果に開示されるように、本発明の実施例による光透過性フィルム100は
、波数に対する散乱強度を対数的に表した超小角X線散乱(U-SAXS)グラフの0.
01/Å~0.1/Åの波数範囲で、グラフの傾きであるpower law slop
eが-3.6~-3.2の範囲であることが確認できる。そのようなpower law
slope値を有する本発明の実施例による光透過性フィルム100は、優れた光透過
度、低い黄色度、及び低いヘイズを有する。さらに、本発明の実施例による光透過性フィ
ルム100において、フィラー120は、20nm以上の平均間隔で互いに離隔している
ことを確認することができる。
【0242】
<実施例2-1>
1L反応器に56.28重量部のDMAc(第1溶媒)を充填した後、反応器の温度を
10℃に保ったまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末のポリ
アミド-イミド(光透過性樹脂粉末)0.569重量部(第1含有量)を投入してから1
時間攪拌した後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0243】
DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)溶液(第2溶媒)に平均粒径10~15n
mのシリカ粒子が30重量%の含有量で分散されてなるシリカ分散液2A(SSD_33
0T、Ranco)37.9重量部を他の1L反応器に充填した後、反応器の温度を25
℃に維持したまま、前記製造された液状の光透過性樹脂溶液を、シリンダポンプを用いて
1時間ゆっくり投入し、シリカ分散液と光透過性樹脂溶液とが混合された第1混合液を製
造した。
【0244】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc 338.40重量部を添加して撹拌し、製造例
1で製造した固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)63.832重量部
(第2含有量)を添加し撹拌して第2混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分
散された光透過性樹脂溶液である。
【0245】
得られた第2混合液をキャストした。キャスティングのためにキャスティング基板が使
用される。キャスティング基板の種類に特別な制限はない。キャスティング基板としては
、ガラス基板、ステンレス(SUS)基板、テフロン(登録商標)基板などを用いること
ができる。本発明の一実施例によれば、キャスト基板として有機基板を使用することがで
きる。
【0246】
具体的には、得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、120℃の熱風
で30分乾燥してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離して
フレームにピンで固定した。
【0247】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0248】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、50μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0249】
<実施例2-2>
1L反応器に212.50重量部のDMAc(第1溶媒)を充填した後、反応器の温度
を10℃に保ったまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末のポ
リアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)2.147重量部(第1含有量)を投入してから
1時間攪拌した後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0250】
DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)溶液(第2溶媒)に平均粒径10~15n
mのシリカ粒子が30重量%の含有量で分散されてなるシリカ分散液2A(SSD_33
0T、Ranco)143.1重量部を他の1L反応器に充填後、反応器の温度を25℃
に維持したまま、前記製造された液状の光透過性樹脂溶液を。シリンダポンプを用いて1
時間ゆっくり投入し、シリカ分散液と光透過性樹脂溶液とが混合された第1混合液を製造
した。
【0251】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc 264.76重量部を加えて撹拌し、製造例1
で製造した固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)62.254重量部(
第2含有量)を添加し撹拌して第2混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分散
された光透過性樹脂溶液である。
【0252】
得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、120℃の熱風で30分乾燥
してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離してフレームにピ
ンで固定した。
【0253】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0254】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、50μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0255】
<実施例2-3>
1L反応器に56.28重量部のDMAc(第1溶媒)を充填した後、反応器の温度を
10℃に保ったまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末のポリ
アミド-イミド(光透過性樹脂粉末)0.569重量部(第1含有量)を投入してから1
時間攪拌した後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0256】
DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)溶液(第2溶媒)に平均粒径30nmのシリ
カ粒子が30重量%の含量で分散されてなるシリカ分散液2B(SSK230U2、Ra
nco)37.9重量部を他の1L反応器に充填した後、反応器の温度を25℃に維持し
たまま、前記製造された液状の光透過性樹脂溶液を、シリンダポンプを用いて1時間ゆっ
くり投入し、シリカ分散液と光透過性樹脂溶液とが混合された第1混合液を製造した。
【0257】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc 338.40重量部を添加し撹拌して製造例1
で製造した固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)63.832重量部(
第2含有量)を添加し撹拌して第2混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分散
された光透過性樹脂溶液である。
【0258】
得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、120℃の熱風で30分乾燥
してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離してフレームにピ
ンで固定した。
【0259】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0260】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、50μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0261】
<実施例2-4>
1L反応器に136.62重量部のDMAc(第1溶媒)を満たした後、反応器の温度
を10℃に維持したまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末の
ポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)1.38重量部(第1含有量)を投入してから
1時間攪拌した後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0262】
シリカ分散液2B(SSK230U2、Ranco)92重量部を他の1L反応器に充
填した後、反応器の温度を25℃に維持したまま、前記製造された液状の光透過性樹脂溶
液をシリンダポンプを用いて1時間ゆっくりと投入させ、シリカ分散液と光透過性樹脂溶
液とを混合した第1混合液を製造した。
【0263】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc 300.53重量部を添加して撹拌し、製造例
1で製造した固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)63.02重量部(
第2含有量)を添加し撹拌して第2混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分散
された光透過性樹脂溶液である。
【0264】
得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、120℃の熱風で30分乾燥
してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離してフレームにピ
ンで固定した。
【0265】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0266】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、50μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0267】
<実施例2-5>
1L反応器に16.83重量部のDMAc(第1溶媒)を充填した後、反応器の温度を
10℃に保ったまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末のポリ
アミド-イミド(光透過性樹脂粉末)0.17重量部(第1含有量)を投入してから1時
間攪拌した後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0268】
DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)溶液(第2溶媒)に平均粒径50nmのシ
リカ粒子が20重量%の含量で分散されてなるシリカ分散液2C(50nmSP-AD1
,Admatechs)17重量部を他の1L反応器に充填した後、反応器の温度を25
℃に維持したまま、前記製造された液状の光透過性樹脂溶液を、シリンダポンプを用いて
1時間ゆっくり投入し、シリカ分散液と光透過性樹脂溶液とが混合された第1混合液を製
造した。
【0269】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc 351.33重量部を添加して撹拌し、製造例
1で製造した固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)64.23重量部(
第2含有量)を添加し撹拌して第2混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分散
された光透過性樹脂溶液である。
【0270】
得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、120℃の熱風で30分乾燥
してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離してフレームにピ
ンで固定した。
【0271】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0272】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、50μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0273】
<比較例2-1>
1L反応器に398.66重量部のDMAc(第1溶媒)を充填した後、反応器の温度
を10℃に保ったまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末のポ
リアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)3.936重量部(第1含有量)を投入してから
1時間攪拌した後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0274】
DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)溶液(第2溶媒)に平均粒径10~15n
mのシリカ粒子が30重量%の含有量で分散されてなるシリカ分散液2A(SSD_33
0T、Ranco)262.4重量部を他の1L反応器に充填した後、反応器の温度を2
5℃に維持したまま、前記製造された液状の光透過性樹脂溶液を、シリンダポンプを用い
て1時間ゆっくり投入し、シリカ分散液と光透過性樹脂溶液とが混合された第1混合液を
製造した。
【0275】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc 181.25重量部を添加して撹拌し、製造例
1で製造した固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)60.464重量部
(第2含有量)を添加し撹拌して第2混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分
散された光透過性樹脂溶液である。
【0276】
得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、120℃の熱風で30分乾燥
してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離してフレームにピ
ンで固定した。
【0277】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0278】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、50μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0279】
<比較例2-2>
1L反応器に368.16重量部のDMAcを充填した後、反応器の温度を10℃に維
持したまま一定時間撹拌した。ここに、DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)溶液
(第2溶媒)に平均粒径50nmのシリカ粒子が20重量%の含有量で分散されてなるシ
リカ分散液2C(50nmSP-AD1、Admatechs)17重量部を充填した後
、製造例1で製造された固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)64.4
重量部を投入してから1時間攪拌した後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂混合液
を製造した。
【0280】
得られた混合液をガラス基板に塗布した後にキャストし、120℃の熱風で30分乾燥
してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離してフレームにピ
ンで固定した。
【0281】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0282】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、50μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0283】
<比較例2-3>
1L反応器に319.49重量部のDMAc(第1溶媒)を満たした後、反応器の温度
を10℃に保ったまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末のポ
リアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)0.568重量部(第1含有量)を投入してから
1時間攪拌した後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0284】
DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)溶液(第2溶媒)に平均粒径70nmのシ
リカ粒子が20重量%の含有量で分散されてなるシリカ分散液2D(DMAc-ST-Z
L、Nissan)56.8重量部を他の1L反応器に充填した後、反応器の温度を25
℃に維持したまま、前記製造された液状の光透過性樹脂溶液を、シリンダポンプを用いて
1時間ゆっくり投入し、シリカ分散液と光透過性樹脂溶液とが混合された第1混合液を製
造した。
【0285】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc 319.49重量部を添加して撹拌し、製造例
1で製造した固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)63.832重量部
(第2含有量)を添加し撹拌して第2混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分
散された光透過性樹脂溶液である。
【0286】
得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、120℃の熱風で30分乾燥
してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離してフレームにピ
ンで固定した。
【0287】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0288】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、50μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0289】
<比較例2-4>
1L反応器に56.23重量部のDMAc(第1溶媒)を充填した後、反応器の温度を
10℃に保ったまま一定時間撹拌した。その後、製造例1で製造された固形体粉末のポリ
アミド-イミド(光透過性樹脂粉末)0.568重量部(第1含有量)を投入してから1
時間攪拌した後、25℃に昇温させて液状の光透過性樹脂溶液を製造した。
【0290】
DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)溶液(第2溶媒)に平均粒径100nmの
シリカ粒子が20重量%の含量で分散されてなるシリカ分散液2E(Y100SP-CD
1,Admatechs)56.8重量部を他の1L反応器に充填した後、反応器の温度
を25℃に維持したまま、前記製造された液状の光透過性樹脂溶液を、シリンダポンプを
用いて1時間ゆっくり投入し、シリカ分散液と光透過性樹脂溶液とが混合された第1混合
液を製造した。
【0291】
第1混合液に第3溶媒であるDMAc 319.49重量部を添加して撹拌し、製造例
1で製造した固形体粉末のポリアミド-イミド(光透過性樹脂粉末)63.832重量部
(第2含有量)を添加し撹拌して第2混合液を製造した。第2混合液は、シリカ粒子が分
散された光透過性樹脂溶液である。
【0292】
得られた第2混合液をガラス基板に塗布してキャストし、120℃の熱風で30分乾燥
してフィルムを製造した後、製造されたフィルムをガラス基板から剥離してフレームにピ
ンで固定した。
【0293】
フィルムが固定されたフレームを真空オーブンに入れ、100℃から280℃まで2時
間ゆっくり加熱した後、徐々に冷却してフレームから分離して光透過性フィルムを得た。
再び光透過性フィルムを250℃で5分間熱処理した。
【0294】
その結果、光透過性マトリックス110及び光透過性マトリックスに分散されたシリカ
系フィラー120を含む、50μm厚さの光透過性フィルム100が完成した。
【0295】
<測定例>
実施例2-1~2-5及び比較例2-1~2-4で製造された光透過性フィルムについ
て以下の測定を行った。
【0296】
(1)平均粒子散乱係数
【0297】
<測定装置>
透過電子顕微鏡(TEM)(メーカー:Jeol/モデル名:JEM-2100F)
【0298】
<測定条件>
加速電圧:200kV、倍率:20,000倍(20K)
【0299】
<断面処理>
Microtome(メーカー:Leica/モデル名:EM UC7)
SPEED(mm/s):1mm/s
FEED(nm):120nm
ナイフ:DiATOME/Ultra 35度
【0300】
<計算方法>
画像分析プログラムとしてImageJを用いて以下のように分析する。
【0301】
1)Imageのタイプにおいて、8bitに切り替える。
【0302】
2)Processにおいて「Find maxima」を介してノイズは100、Ou
tput typeは「Maxima within tolerance」とし、「E
xclude edge maxima」、「Light background」に切
り替える。
【0303】
3)ProcessのBinaryで「Fill holes」を行う。
【0304】
4)ProcessのBinaryで「Watershed」を行う。
【0305】
5)Rectangleをドラッグ(drag)してAreaを2250000~250
0000に設定する。(スケールバーのある部分を除く)
【0306】
6)「Analyze」の「Analyze particles」を行う。
size(pixel2):200-infinity、Circularity:0.
0~1.0
【0307】
各粒子のareaを合計し、その値を粒子数で割って「平均粒子area」を求める。
【0308】
7)透過電子顕微鏡(TEM)で得られた画像からスケールバーをストレートセグメント
(straight segment)で測定して、「ピクセル当たりの長さ(nm)」
を求める。
【0309】
8)「6)」から得られた平均粒子area(面積、pixel)を、「7)」のピクセ
ル当たりの長さを用いて、メートル法単位(metric unit or SI uni
t)の面積に換算して平均粒径を求める。
【0310】
【0311】
透過電子顕微鏡(TEM)及びImageJを用いて計算されたフィラー120の平均
粒径をフィラー120の式2の粒子のサイズDとして用いた。
【0312】
このようにして得られたフィラー120の粒子のサイズDを用いて、式1及び式2に従
って計算することにより、フィラー120の平均粒子散乱係数が計算される。
【0313】
【0314】
式1のXkは、次の式2から計算することができる。
【0315】
<式2>
Xk=πD/λk
【0316】
式1及び式2において、kは1~38の整数である。
【0317】
また、式2において、λk=(37+k)×10nmであり、Dは透過電子顕微鏡(T
EM)により測定されたフィラー120の粒子のサイズである。
【0318】
(2)光透過度(%):標準規格ASTM E313としてSpectrophotom
eter(CM-3700D、KONICA MINOLTA)を用いて、波長360~
740nmでの平均光透過度を測定した。
【0319】
(3)黄色度:標準規格ASTM E313としてSpectrophotometer
(CM-3700D、KONICA MINOLTA)を用いて、黄色度を測定した。
【0320】
(4)ヘイズ:製造された光透過性フィルムを50mm×50mmに切り、MURAKA
MI社のヘイズメーター(モデル名:HM-150)装置を用いてASTM D1003
に従って5回測定し、その平均値をヘイズ値とした。
【0321】
(5)モジュラス(modulus):ASTM D885方法に従って、インストロン
社の万能引張試験機を用いて光透過性フィルムのモジュラス度を測定した。
【0322】
- フィルム製造後、3時間以内の測定基準
- Road Cell 30KN、Grip 250N.
- 試料のサイズ:10×50mm、引張速度:25mm/min
【0323】
測定結果は以下の表2の通りである。
【0324】
【0325】
表2の測定結果に開示したように、本発明の実施例による光透過性フィルム100は、
0.35以下の平均粒子散乱係数を有して優れた光透過度、低い黄色度、及び低いヘイズ
を有することを確認することができる。
【符号の説明】
【0326】
100:光透過性フィルム
110:光透過性マトリックス
120:フィラー
200:表示装置
501:表示パネル
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性マトリックスと、
前記光透過性マトリックスに分散されたフィラーと、を含み、
波数に対する散乱強度を対数的に表した超小角X線散乱(U-SAXS)グラフの0.01/Åから0.1/Åの波数範囲で、前記グラフの傾きであるpower law slopeが-3.6~-3.2であることを特徴とする光透過性フィルム。
【請求項2】
前記フィラーはシリカ(SiO2)を含むことを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルム。
【請求項3】
前記シリカ(SiO2)の少なくとも一部は、アルコキシ基を有する有機化合物基により表面処理されていることを特徴とする請求項2に記載の光透過性フィルム。
【請求項4】
前記フィラーの平均粒径は5~50nmであることを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルム。
【請求項5】
前記フィラーの含有量は、前記光透過性フィルムの全重量に対して5~46重量%であることを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルム。
【請求項6】
前記フィラー間の平均最短隣接距離は23~45nmであることを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルム。
【請求項7】
3以下の黄色度を有することを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルム。
【請求項8】
1%以下のヘイズを有することを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルム。
【請求項9】
85%以上の光透過度を有することを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルム。
【請求項10】
4.5GPa以上のヤング率及び95MPa以上の2%降伏強度を有することを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルム。
【請求項11】
前記光透過性マトリックスはイミド繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルム。
【請求項12】
前記光透過性マトリックスはアミド繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1に記載の光透過性フィルム。
【請求項13】
光透過性マトリックスと、
光透過性マトリックスに分散されたフィラーと、を含み、
前記フィラーは0.35以下の平均粒子散乱係数(XA)を有し、
前記平均粒子散乱係数(XA)は、下記の式1で計算されることを特徴とする光透過性フィルム:
<式1>
式1のX
kは、次の式2から計算され、
<式2>
X
k=πD/λ
k
式1及び式2において、kは1~38の整数であり、
式2において、λ
k=(37+k)x10nmであり、
Dは、透過電子顕微鏡(TEM)によって測定されたフィラーの粒子のサイズである。
【請求項14】
前記フィラーの平均粒径は5~50nmであることを特徴とする請求項13に記載の光透過性フィルム。
【請求項15】
前記フィラーの含有量は、前記光透過性フィルムの全重量に対して5~50重量%であることを特徴とする請求項13に記載の光透過性フィルム。
【請求項16】
3以下の黄色度を有することを特徴とする請求項13に記載の光透過性フィルム。
【請求項17】
1%以下のヘイズを有することを特徴とする請求項13に記載の光透過性フィルム。
【請求項18】
88%以上の光透過性を有することを特徴とする請求項13に記載の光透過性フィルム。
【請求項19】
5.0GPa以上のモジュラスを有することを特徴とする請求項13に記載の光透過性フィルム。
【請求項20】
表示パネルと、
前記表示パネル上に配置された請求項1乃至19のいずれか一項に記載の光透過性フィルムと、
を含むことを特徴とする表示装置。