IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローム株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094400
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】半導体発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20240702BHJP
   H01L 33/52 20100101ALN20240702BHJP
【FI】
H01L33/48
H01L33/52
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024069896
(22)【出願日】2024-04-23
(62)【分割の表示】P 2019185283の分割
【原出願日】2019-10-08
(31)【優先権主張番号】P 2019032442
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019067019
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】外山 智一郎
(72)【発明者】
【氏名】橘高 亮
(57)【要約】
【課題】 基材が半導体発光素子からの光に晒されることを抑制することが可能な半導体発光装置を提供すること。
【解決手段】 本発明に係る半導体装置は、基板と、半導体発光素子と、樹脂部と、を備える半導体発光装置であって、前記基材は、厚さ方向において互いに反対側を向く主面および裏面を有し、前記導電部は、主面部と裏面部を含み、前記半導体発光素子は、前記主面部に搭載されており、前記樹脂部は、枠状部と、主面被覆部を含み、前記主面部は、前記厚さ方向と直角である第1方向において互いに離間する主面第1部および主面第2部を含み、前記裏面部は、前記主面第1部に導通する裏面第1部を含み、前記裏面第1部は、前記第1方向および前記厚さ方向と直角である第2方向の大きさが、前記半導体発光素子の前記第2方向の大きさより大きい。
【選択図】 図31
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材および導電部を有する基板と、
前記基板に支持された半導体発光素子と、
前記基板の少なくとも一部を覆う樹脂部と、を備える半導体発光装置であって、
前記基材は、厚さ方向において互いに反対側を向く主面および裏面を有し、
前記導電部は、前記主面に形成された主面部と前記裏面に形成された裏面部を含み、
前記半導体発光素子は、前記主面部に搭載されており、
前記樹脂部は、前記厚さ方向視において前記半導体発光素子を囲む枠状部と、前記枠状部に繋がり且つ前記基材の前記主面のうち前記主面部から露出する部分を覆う主面被覆部を含み、
前記主面部は、前記厚さ方向と直角である第1方向において互いに離間する主面第1部および主面第2部を含み、
前記裏面部は、前記主面第1部に導通する裏面第1部を含み、
前記裏面第1部は、前記第1方向および前記厚さ方向と直角である第2方向の大きさが、前記半導体発光素子の前記第2方向の大きさより大きい、半導体発光装置。
【請求項2】
前記主面被覆部は、前記主面第1部と前記主面第2部との間に位置する、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記主面第1部は、前記主面と同じ側を向く主面部第1面を有し、
前記主面第2部は、前記主面と同じ側を向く主面部第2面を有し、
前記主面被覆部は、前記主面部第1面および前記主面部第2面と面一である主面被覆部第1面を有する、請求項2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記主面第1部は、前記主面部第1面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記主面に近づくほど前記第1方向において前記主面部第1面から離間するように傾斜した主面部第1傾斜面を有し、
前記主面部第1傾斜面は、前記主面被覆部によって覆われている、請求項3に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記主面第2部は、前記主面部第2面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記主面に近づくほど前記第1方向において前記主面部第2面から離間するように傾斜した主面部第2傾斜面を有し、
前記主面部第2傾斜面は、前記主面被覆部によって覆われている、請求項4に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記主面被覆部は、前記厚さ方向視において前記枠状部に囲まれた領域を前記第2方向に横断している、請求項2または3に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記裏面部は、前記主面第2部に導通する裏面第2部を含む、請求項2ないし6のいずれかに記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記樹脂部は、前記裏面のうち前記裏面部から露出する部分を覆う裏面被覆部を含む、請求項7に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記基材は、前記厚さ方向に貫通する樹脂部用貫通孔を有し、
前記樹脂部は、前記樹脂部用貫通孔に形成され且つ前記主面被覆部および前記裏面被覆部を繋ぐ連結部を含む、請求項8に記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記裏面第1部は、前記裏面と同じ側を向く裏面部第1面を有し、
前記裏面第2部は、前記裏面と同じ側を向く裏面部第2面を有し、
前記裏面被覆部は、前記裏面部第1面および前記裏面部第2面と面一である裏面被覆部第1面を有する、請求項8または9に記載の半導体発光装置。
【請求項11】
前記裏面第1部は、前記裏面部第1面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記裏面に近づくほど前記第1方向において前記裏面部第1面から離間するように傾斜した裏面部第1傾斜面を有し、
前記裏面部第1傾斜面は、前記裏面被覆部によって覆われている、請求項10に記載の半導体発光装置。
【請求項12】
前記裏面第2部は、前記裏面部第2面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記裏面に近づくほど前記第1方向において前記裏面部第2面から離間するように傾斜した裏面部第2傾斜面を有し、
前記裏面部第2傾斜面は、前記裏面被覆部によって覆われている、請求項11に記載の半導体発光装置。
【請求項13】
前記半導体発光素子は、前記主面第1部に搭載されている、請求項2ないし12のいずれかに記載の半導体発光装置。
【請求項14】
前記半導体発光素子と前記主面第2部とに接続されたワイヤをさらに備える、請求項13に記載の半導体発光装置。
【請求項15】
前記半導体発光素子と前記主面第1部とに接続されたワイヤをさらに備える、請求項14に記載の半導体発光装置。
【請求項16】
前記半導体発光素子は、前記主面第1部および前記主面第2部に導通接合されている、請求項2ないし12のいずれかに記載の半導体発光装置。
【請求項17】
前記枠状部に囲まれた空間に充填され且つ前記半導体発光素子を覆うとともに前記半導体発光素子からの光を透過させる透光樹脂部をさらに備える、請求項1ないし15のいずれかに記載の半導体発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子を光源として備える半導体発光装置が提案されている。特許文献1には、従来の半導体発光装置の一例が開示されている。同文献に開示された半導体発光装置は、LEDチップと、LEDチップが搭載された金属製のリードと、リードの一部を覆う樹脂部とを備える。樹脂部には、LEDチップを囲む枠状部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-017256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LEDチップを搭載する部材として、金属製のリードに代えて、基材および導電部を含む基板を用いることも可能である。しかしながら、そのような構成では、基材がLEDチップからの光に晒されることにより劣化するおそれがある。また、導電部の形状や配置によっては、所望の導通状態が得られない(たとえば、LEDチップが基板に適切に搭載されない、あるいは、半導体発光装置が外部基板に適切に実装されない)といった不具合が生じうる。
【0005】
上記した事情に鑑み、本開示は、基材の劣化を抑制することが可能な半導体発光装置を提供することを一の課題とする。また、本開示は、LEDチップの搭載や半導体発光装置の実装を適切に行い得る半導体発光装置を提供することを別の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の側面によれば、半導体発光装置が提供される。この半導体発光装置は、基材および導電部を有する基板と、前記基板に支持された半導体発光素子と、前記基板の少なくとも一部を覆う樹脂部と、を備える半導体発光装置であって、前記基材は、厚さ方向において互いに反対側を向く主面および裏面を有し、前記導電部は、前記主面に形成された主面部を含み、前記半導体発光素子は、前記主面部に搭載されており、前記樹脂部は、前記厚さ方向視において前記半導体発光素子を囲む枠状部と、前記枠状部に繋がり且つ前記基材の前記主面のうち前記主面部から露出する部分を覆う主面被覆部と、を含む。
【0007】
また、本開示の一の側面によれば、半導体発光装置の製造方法が提供される。この製造方法は、主面を有する基材と前記主面に形成された主面第1部および主面第2部を含む主面部を有する導電部と具備する基板を用意する工程と、金型の凸部の先端面を前記主面第1部の主面部第1面および前記主面第2部の主面部第2面に当接させ且つ前記凸部の先端面と前記主面との間に隙間を生じた状態で、樹脂材料を充填する工程と、前記樹脂材料を硬化させることにより、枠状部と、前記基材の主面に形成された前記基板に支持された半導体発光素子と、前記枠状部に繋がり且つ前記基材の前記主面のうち前記主面部から露出する部分を覆う主面被覆部と、を含む樹脂部を形成する工程と、前記枠状部に囲まれた領域に半導体発光素子を搭載する工程と、を備える。
【0008】
また、本開示の一の側面によれば、半導体発光装置が提供される。この半導体発光装置は、基材および導電部を有する基板と、前記基板に支持された半導体発光素子と、前記基板の少なくとも一部を覆う樹脂部と、を備える半導体発光装置であって、前記基材は、厚さ方向において互いに反対側を向く主面および裏面と、前記主面および前記裏面を繋ぎ且つ前記厚さ方向と直角である第1方向において互いに反対側に位置する第1側面および第2側面と、前記第1側面から凹み且つ前記主面および前記裏面に到達する第1溝部と、前記厚さ方向に貫通する第1貫通孔と、を有し、前記導電部は、前記主面に形成された主面部と、前記裏面に形成された裏面部と、前記第1溝部に形成された第1溝部連結部および前記第1貫通孔に形成された第1貫通孔連結部を少なくとも含む連結部と、を有し、前記主面部は、前記半導体発光素子が搭載された主面第1部を有し、前記裏面部は、裏面第1部を有し、前記第1貫通孔連結部は、前記主面第1部と前記裏面第1部とを連結しており、前記第1溝部連結部は、前記裏面第1部に連結しており、前記主面第1部と前記第1溝部連結部とは、互いに離間している。
【0009】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の側面の第1実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
図2】第1の側面の第1実施形態に係る半導体発光装置を示す底面図である。
図3図1のIII-III線に沿う断面図である。
図4図1のIV-IV線に沿う断面図である。
図5図1のV-V線に沿う断面図である。
図6図1のVI-VI線に沿う断面図である。
図7図1のVII-VII線に沿う断面図である。
図8】第1の側面の第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
図9】第1の側面の第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
図10図9のX-X線に沿う断面図である。
図11図9のXI-XI線に沿う断面図である。
図12】第1の側面の第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
図13図12のXIII-XIII線に沿う断面図である。
図14】第1の側面の第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
図15】第1の側面の第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
図16】第1の側面の第1実施形態に係る半導体発光装置の第1変形例を示す平面図である。
図17図16のXVII-XVII線に沿う断面図である。
図18】第1の側面の第2実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
図19】第1の側面の第2実施形態に係る半導体発光装置を示す底面図である。
図20図18のXX-XX線に沿う断面図である。
図21図18のXXI-XXI線に沿う断面図である。
図22図18のXXII-XXII線に沿う断面図である。
図23】第1の側面の第2実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
図24】第1の側面の第3実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
図25】第1の側面の第4実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
図26図25のXXVI-XXVI線に沿う断面図である。
図27】第1の側面の第5実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
図28】第1の側面の第5実施形態に係る半導体発光装置を示す底面図である。
図29図27のXXIX-XXIX線に沿う断面図である。
図30】第1の側面の第6実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
図31】第1の側面の第6実施形態に係る半導体発光装置を示す底面図である。
図32図30のXXXII-XXXII線に沿う断面図である。
図33】第1の側面の第7実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
図34図33のXXXIV-XXXIV線に沿う断面図である。
図35】第2の側面に基づく第1実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
図36】第2の側面に基づく第1実施形態に係る半導体発光装置を示す底面図である。
図37図35のXXXVII-XXXVII線に沿う断面図である。
図38図35のXXXVIII-XXXVIII線に沿う断面図である。
図39図35のXXXIX-XXXIX線に沿う断面図である。
図40図35のXL-XL線に沿う断面図である。
図41】第2の側面に基づく第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
図42図41のXLII-XLII線に沿う断面図である。
図43図41のXLIII-XLIII線に沿う断面図である。
図44】第2の側面に基づく第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
図45図44のXLV-XLV線に沿う断面図である。
図46】第2の側面に基づく第1実施形態に係る半導体発光装置の第1変形例を示す断面図である。
図47】第2の側面に基づく第1実施形態に係る半導体発光装置の第2変形例を示す断面図である。
図48】第2の側面に基づく第1実施形態に係る半導体発光装置の第3変形例を示す断面図である。
図49】第2の側面に基づく第2実施形態に係る半導体発光装置を示す断面図である。
図50】第2の側面に基づく第3実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
図51】第2の側面に基づく第3実施形態に係る半導体発光装置を示す底面図である。
図52】第2の側面に基づく第4実施形態に係る半導体発光装置を示す断面図である。
図53】第2の側面に基づく第5実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
図54図53のLIV-LIV線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の好ましい実施形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0012】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0013】
図1図15は、本開示の第1の側面の第1実施形態に係る半導体発光装置およびその製造方法を示している。図示された半導体発光装置A1は、基板1、半導体発光素子4、樹脂部5および透光樹脂部6を備えている。
【0014】
図1は、半導体発光装置A1を示す平面図である。図2は、半導体発光装置A1を示す底面図である。図3は、図1のIII-III線に沿う断面図である。図4は、図1のIV-IV線に沿う断面図である。図5は、図1のV-V線に沿う断面図である。図6は、図1のVI-VI線に沿う断面図である。図7は、図1のVII-VII線に沿う断面図である。図8は、半導体発光装置A1の製造方法の一工程を示す断面図である。図9は、半導体発光装置A1の製造方法の一工程を示す断面図である。図10は、図9のX-X線に沿う断面図である。図11は、図9のXI-XI線に沿う断面図である。図12は、半導体発光装置A1の製造方法の一工程を示す断面図である。図13は、図12のXIII-XIII線に沿う断面図である。図14は、半導体発光装置A1の製造方法の一工程を示す断面図である。図15は、半導体発光装置A1の製造方法の一工程を示す断面図である。図1においては、透光樹脂部6を省略している。
【0015】
半導体発光装置A1の大きさの一例を挙げると、x方向寸法が1.6mm程度、y方向寸法が0.8mm程度、z方向寸法が0.6mm程度である。なお、半導体発光装置A1の大きさや形状は、図示の例に限定されるものではなく、適宜改変可能である。
【0016】
基板1は、半導体発光装置A1の土台となる。基板1は、基材2および導電部3を有する。
【0017】
基材2は、絶縁性材料からなる。基材2を構成する絶縁性材料は何ら限定されず、たとえばガラスエポキシ樹脂等が挙げられる。基材2は、主面21および裏面22を有する。図3図7に示すように、主面21および裏面22は、z方向において互いに反対側を向いている。図示された例においては、主面21および裏面22は、z方向に対して直角な平面である。基材2の形状は、図示の例に限定されるものではなく、適宜改変可能である。図1および図2に示すように、基材2は、たとえば、z方向視において矩形状である。基材2の厚さは、たとえば0.2mm程度である。
【0018】
基材2には、導電部用第1貫通孔25および導電部用第2貫通孔26が形成されている。導電部用第1貫通孔25は、基材2をz方向に貫通している。図1および図2に示すように、図示された例においては、2つの導電部用第1貫通孔25がy方向に離間して設けられている。導電部用第2貫通孔26は、基材2をz方向に貫通している。図1および図2に示すように、図示された例においては、2つの導電部用第2貫通孔26がy方向に離間して設けられている。2つの導電部用第2貫通孔26は、2つの導電部用第1貫通孔25に対してx方向に離間して配置されている。なお、導電部用第1貫通孔25および導電部用第2貫通孔26の個数や大きさ、配置等は、図示の例に限定されるものではなく、適宜改変可能である。
【0019】
導電部3は、基材2に形成されており、半導体発光素子4への導通経路や、半導体発光素子4を搭載するための部位を提供している。導電部3は、導電性材料からなり、Cu、Ni、Pd,Ti,Au等の金属からなる。導電部3の位置構成例を挙げると、基材2上に形成されたTiおよびCuからなる下地めっき層に、電解めっきによってCuめっき層が形成された構成が挙げられる。
【0020】
本実施形態においては、図1図7に示すように、導電部3は、主面部31、裏面部32、第1連結部33および第2連結部34を含む。
【0021】
主面部31は、基材2の主面21上に形成されている。図示された例においては、主面部31は、主面第1部311、主面第2部312、第1延出部313および第2延出部314を含む。主面部31の厚さは、たとえば40μm程度であるが、本開示がこれに限定されるわけではない。
【0022】
主面第1部311は、半導体発光素子4の一方の電極に導通する部位である。主面第2部312は、主面第1部311に対してx方向に離間して配置されており、半導体発光素子4の他方の電極が導通する部位である。主面第1部311および主面第2部312の形状や大きさは、図示の例に限定されるものではなく、適宜改変可能である。図示された例においては、主面第1部311は、主面第2部312よりも大きい。主面第1部311は、z方向視において基材2の中心と重なっている。図示された例においては、主面第1部311および主面第2部312は、基材2の端縁から離間している。
【0023】
図1および図3図7に示すように、主面第1部311は、主面部第1面3111および主面部第1傾斜面3112を有する。主面部第1面3111は、z方向において主面21と同じ側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角である平面である。主面部第1傾斜面3112は、主面部第1面3111に繋がっており、z方向において主面21に近づくほどx方向において主面部第1面3111から離間するように傾いている。図示された例においては、主面部第1傾斜面3112は、凸曲面である。主面部第1傾斜面3112は、主面第1部311のうちx方向において主面第2部312と対向する部位に設けられている。
【0024】
図1および図3図7に示すように、主面第2部312は、主面部第2面3121および主面部第2傾斜面3122を有する。主面部第2面3121は、z方向において主面21と同じ側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角である平面である。主面部第2傾斜面3122は、主面部第2面3121に繋がっており、z方向において主面21に近づくほどx方向において主面部第2面3121から離間するように傾いている。図示された例においては、主面部第2傾斜面3122は、凸曲面である。主面部第2傾斜面3122は、主面第2部312のうちx方向において主面第1部311と対向する部位に設けられている。
【0025】
図1に示すように、第1延出部313は、主面第1部311に繋がっており、z方向視において基材2の端縁に到達している。図示された例においては、主面第1部311にy方向両側から繋がる2つの第1延出部313が設けられている。
【0026】
図1に示すように、第2延出部314は、主面第2部312に繋がっており、z方向視において基材2の端縁に到達している。図示された例においては、主面第2部312にy方向両側から繋がる2つの第2延出部314が設けられている。
【0027】
裏面部32は、基材2の主面21上に形成されている。図示された例においては、裏面部32は、裏面第1部321および裏面第2部322を含む。裏面部32の厚さは、たとえば、40μm程度である。また、裏面部32の表層には、たとえば、はんだめっきやSnめっきが形成されていてもよい。
【0028】
裏面第1部321は、半導体発光素子4の一方の電極に導通する部位である。裏面第2部322は、裏面第1部321に対してx方向に離間して配置されており、半導体発光素子4の他方の電極が導通する部位である。裏面第1部321および裏面第2部322の形状や大きさは、図示の例に限定されるものではなく、適宜改変可能である。図示された例においては、裏面第1部321は、裏面第2部322よりも大きい。裏面第1部321は、z方向視において基材2の中心と重なっている。図示された例においては、裏面第1部321および裏面第2部322は、基材2の端縁から離間している。z方向視において、裏面第1部321は、主面第1部311と重なっており、裏面第2部322は、主面第2部312と重なっている。
【0029】
第1連結部33は、基材2の導電部用第1貫通孔25内に形成されており、主面第1部311と裏面第1部321とを導通させている。図4および図5に示すように、図示された例においては、第1連結部33は、めっきの手法によって裏面第1部321と一体的に形成されている。
【0030】
第2連結部34は、基材2の導電部用第2貫通孔26内に形成されており、主面第2部312と裏面第2部322とを導通させている。図4に示すように、図示された例においては、第2連結部34は、めっきの手法によって裏面第2部322と一体的に形成されている。
【0031】
主面部31の主面第1部311および主面第2部312と、裏面部32の裏面第1部321および裏面第2部322との相対的な大きさ、形状および配置の関係は、図示の例に限定されるものではなく、適宜改変可能である。本実施形態においては、図3に示すように、主面第1部311と裏面第1部321とが、z方向視においてx方向に互いにずれた関係である。主面第2部312と裏面第2部322とは、z方向視においてx方向に互いにずれた関係である。
【0032】
半導体発光素子4は、半導体発光装置A1の光源素子である。半導体発光素子4としては、たとえば、LEDチップ、半導体レーザ素子、VCSEL素子等が挙げられるが、本開示がこれに限定されるわけではない。以降の説明においては、半導体発光素子4がLEDチップである場合を例に説明する。
【0033】
図1図3および図6に示すように、半導体発光素子4は、主面第1部311に搭載されている。図示された例においては、半導体発光素子4は、z方向視において基材2の中心と重なっている。半導体発光素子4は、z方向視において、たとえば矩形状である。
【0034】
半導体発光素子4には、第1ワイヤ481および第2ワイヤ482が接続されている。第1ワイヤ481は、半導体発光素子4の一方の電極と主面第1部311とに接続されている。第2ワイヤ482は、半導体発光素子4の他方の電極と主面第2部312とに接続されている。第1ワイヤ481および第2ワイヤ482の材質は、たとえばAuであるが、本開示がこれに限定されるわけではない。半導体発光素子4は、いわゆる2ワイヤタイプのLEDチップである。
【0035】
樹脂部5は、基板1の一部を覆っている。樹脂部5を構成する樹脂は、たとえば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなるが、本開示がこれに限定されるわけではない。樹脂部5は、基材2よりも半導体発光素子4からの光によって劣化しにくい樹脂からなることが好ましい。本例においては、樹脂部5は、白色のエポキシ樹脂からなる。樹脂部5のz方向寸法は、たとえば、0.4mm程度である。
【0036】
樹脂部5は、枠状部50および主面被覆部51を有する。
【0037】
枠状部50は、図1および図3図7に示すように、z方向視において連続した矩形状である。z方向視において、枠状部50の端縁と基材2の端縁とは、互いに一致している。枠状部50は、z方向視において半導体発光素子4を囲んでいる。枠状部50は、リフレクタ501を有する。リフレクタ501は、半導体発光素子4をx方向およびy方向において挟む面である。リフレクタ501は、z方向において主面21から離間するほど半導体発光素子4からx方向またはy方向に離間するように傾いている。図示された例においては、枠状部50は、主面部31の主面第1部311および主面第2部312の各々の一部を覆っている。
【0038】
主面被覆部51は、図1図3図4および図7に示すように、枠状部50に繋がっており、主面21のうち主面部31から露出する部分を覆っている。本実施形態においては、主面21のうちx方向において主面第1部311と主面第2部312とに挟まれた領域を、主面被覆部51が覆っている。また、主面被覆部51は、主面第1部311の主面部第1傾斜面3112および主面第2部312の主面部第2傾斜面3122を覆っている。図1および図7に示すように、主面第1部311は、枠状部50によって囲まれた領域をy方向に横断しており、枠状部50のうちy方向に互いに離間する部分同士を連結している。
【0039】
主面被覆部51は、主面被覆部第1面511を有する。主面被覆部第1面511は、主面21と同じ側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角な平面である。主面被覆部第1面511は、主面部第1面3111および主面部第1傾斜面3112と面一である。
【0040】
透光樹脂部6は、図3図7に示すように、樹脂部5の枠状部50によって囲まれた空間に充填されており、主面部31の一部、半導体発光素子4、第1ワイヤ481および第2ワイヤ482を覆っている。透光樹脂部6は、半導体発光素子4からの光を透過させる材質からなり、たとえばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂を主成分とする。透光樹脂部6は、蛍光物質を含んでいてもよい。たとえば、半導体発光素子4が青色光を発する場合、青色光によって励起されることにより黄色光を発する蛍光物質を、透光樹脂部6が含んでいてもよい。この場合、半導体発光装置A1からは、白色光が発せられる。
【0041】
次に、図8図15を参照しつつ、半導体発光装置A1の製造方法の一例について説明する。
【0042】
図8に示すように、基板1Aを用意する。基板1Aは、複数の基板1を製造可能な部材である。以降の説明においては、複数の半導体発光装置A1を一括して製造する場合を例に説明するが、半導体発光装置A1の製造方法はこれに限定されない。
【0043】
基板1Aは、基材2Aおよび導電部3Aを有する。基材2Aは、上述した基材2となるものであり、主面21および裏面22を有する。導電部3Aは、上述した導電部3となるものであり、複数の主面部31および裏面部32を有する。
【0044】
図9図11に示すように、金型8を基板1Aに押し付ける。基板1Aは、図示しない支持部材によって下方から(金型8とは反対の側で)支持される。金型8は、主部81および凸部82を有する。主部81は、基板1Aからz方向に離間した部位である。凸部82は、主部81からz方向に突出した部位である。凸部82は、当接面821を有する。当接面821は、凸部82のz方向における先端に設けられている。当接面821は、z方向に対して直角な平面である。当接面821は、主面第1部311の主面部第1面3111および主面第2部312の主面部第2面3121に当接する。主面21のうちx方向において主面第1部311と主面第2部312との間に位置する部位と当接面821との間には、隙間が生じている。
【0045】
基板1Aと金型8との間の空間に、たとえば液状の熱硬化性樹脂材料を充填する。そして、この樹脂材料を硬化することにより、図12および図13に示す樹脂部5Aが形成される。主部81と基板1Aとの間に充填された樹脂材料は、枠状部50を含む部位を形成する。当接面821、主面21、主面第1部311および主面第2部312によって規定された隙間に充填された樹脂材料は、主面被覆部51を形成する。
【0046】
樹脂材料の硬化後、図14に示すように、金型8を取り除く。次いで、図15に示すように、半導体発光素子4、第1ワイヤ481および第2ワイヤ482をそれぞれボンディングする。この後は、たとえばポッティングの手法によって透光性の樹脂材料を枠状部50によって囲まれた空間に充填し、これを硬化させることにより、上述した透光樹脂部6を形成する。その後、基板1Aおよび樹脂部5Aを適宜切断することにより、上述した半導体発光装置A1が得られる。
【0047】
次に、半導体発光装置A1および半導体発光装置A1の製造方法の作用について説明する。
【0048】
本実施形態によれば、図1図3図4および図7に示すように、基材2の主面21のうち主面部31から露出した部分が、主面被覆部51によって覆われる。これにより、基材2が半導体発光素子4からの光に晒されることを抑制することができる。基材2が半導体発光素子4からの光に晒されることが抑制可能であれば、たとえば基材2が劣化することを抑制することが可能である。これにより、基材2の材質として、光により劣化し得る材質を選択することが可能であり、たとえばコスト低減を図ることができる。
【0049】
樹脂部5の材質として、基材2の材質よりも半導体発光素子4からの光によって劣化しにくい材質を用いることにより、半導体発光素子4の光による劣化を抑制することができる。
【0050】
主面被覆部51は、枠状部50によって囲まれた領域をy方向に横断しており、両端が枠状部50に繋がっている。これにより、主面被覆部51が主面21から離間することを抑制することができる。
【0051】
主面被覆部第1面511と主面部第1面3111および主面部第2面3121とが互いに面一であることにより、これらによってより大きな平面を構成することが可能である。これにより、半導体発光素子4からの光をより効率よくz方向へと反射することが可能であり、半導体発光装置A1の高輝度化に好ましい。
【0052】
主面第1部311の主面部第1傾斜面3112および主面第2部312の主面部第2傾斜面3122が主面被覆部51に覆われていることにより、主面被覆部51には、主面部第1傾斜面3112および主面部第2傾斜面3122に対応した曲面が形成される。この曲面により、主面被覆部51に応力が集中することを緩和することができる。
【0053】
図9図11に示すように、凸部82の当接面821を主面部第1面3111および主面部第2面3121に当接することにより、主面21と当接面821との間に隙間を生じさせることができる。この隙間は、主部81と基板1との間の隙間と通じている。このため、主部81と基板1との隙間に樹脂材料を充填すると、この樹脂材料が主面21と当接面821との隙間にも充填される。これにより、樹脂部5の枠状部50と主面被覆部51とを一括して形成することが可能である。また、主面被覆部51を枠状部50とは別工程で形成すると、枠状部50と主面被覆部51とを完全に一体成形することは困難である。この場合、主面被覆部51の剥離等が懸念されるが、本実施形態によれば、主面被覆部51の剥離を抑制することができる。
【0054】
図16図34は、本開示の第1の側面の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、第1の側面の上記第1実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0055】
図16および図17は、半導体発光装置A1の第1変形例を示している。図16は、本変形例の半導体発光装置A11を示す平面図である。図17は、図16のXVII-XVII線に沿う断面図である。
【0056】
半導体発光装置A11は、主面被覆部51の構成が上述した半導体発光装置A1と異なっている。本変形例の主面被覆部51は、y方向において途切れた形状である。より具体的には、主面被覆部51は、y方向における中央付近において途切れており、2つの部位に分断されている。ただし、主面被覆部51の各々の部位は、それぞれ枠状部50に繋がっている。このような主面被覆部51は、たとえば図12および図13に示す樹脂材料の充填の条件によって生じる。
【0057】
本変形例によっても、基材2が半導体発光素子4からの光に晒されることを抑制することができる。本変形例から理解されるように、本開示の主面被覆部51は、主面21のうち主面部31から露出した部分の全体を覆うものに限定されず、主面21のうち主面部31から露出した部分の一部を覆うものであってもよい。
【0058】
図18図23は、本開示の第1の側面の第2実施形態に係る半導体発光装置A2を示している。図18は、半導体発光装置A2を示す平面図である。図19は、半導体発光装置A2を示す底面図である。図20は、図18のXX-XX線に沿う断面図である。図21は、図18のXXI-XXI線に沿う断面図である。図22は、図18のXXII-XXII線に沿う断面図である。図23は、半導体発光装置A2の製造方法の一工程を示す断面図である。
【0059】
第1の側面の第2実施形態においては、基材2は、樹脂部用貫通孔28を有する。樹脂部用貫通孔28は、基材2を貫通しており、図示された例においては、z方向視において主面被覆部51と重なる。
【0060】
樹脂部5は、主面被覆部51、裏面被覆部52および連結部53を含む。裏面被覆部52は、基材2の裏面22のうち裏面部32から露出した部分を覆っている。裏面被覆部52は、裏面被覆部第1面521を有する。裏面被覆部第1面521は、裏面22と同じ側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角な平面である。裏面被覆部第1面521は、裏面部第1面3211および裏面部第2面3221と面一である。主面被覆部51は、裏面第1部321の裏面部第1傾斜面3212および裏面第2部322の裏面部第2傾斜面3222を覆っている。
【0061】
連結部53は、基材2の樹脂部用貫通孔28内に形成されており、基材2を貫通している。連結部53は、裏面被覆部52と繋がっている。図示された例においては、53は、主面被覆部51と繋がっている。図示された例とは異なり、連結部53は、枠状部50と繋がっていてもよい。
【0062】
図23に示すように、半導体発光装置A2の製造においては、基材2Aの裏面22側に金型8の副部83を押し当てる。副部83は、当接面831を有する。当接面831は、z方向に対して直角である平面である。当接面831は、裏面第1部321の裏面部第1面3211および裏面第2部322の裏面部第2面3221に当接する。当接面831と裏面22のうち裏面部32から露出した部分との間には、隙間が生じる。主部81および凸部82と基板1との間に充填された樹脂材料は、樹脂部用貫通孔28を経由して副部83と裏面22との隙間に充填される。これらの樹脂材料を硬化することにより、半導体発光装置A2の樹脂部5が得られる。
【0063】
第1の側面の第2実施形態によっても、基材2が半導体発光素子4からの光に晒されることを抑制することができる。また、第1の側面の第2実施形態によれば、主面被覆部51は、連結部53を介して裏面被覆部52と連結されている。これにより、主面被覆部51および枠状部50と裏面被覆部52とが、互いの基材2からの剥離を抑制することができる。
【0064】
図24は、第1の側面に基づく第3実施形態に係る半導体発光装置A3を示す平面図である。半導体発光装置A3は、半導体発光素子4の構成が上述した実施形態と異なっている。第1の側面の第3実施形態の半導体発光素子4は、第2ワイヤ482が接続されており、第1ワイヤ481は接続されていない。半導体発光素子4は、主面第1部311と対向する電極(図示略)を有しており、この電極が主面部第1面3111に導通接合されている。半導体発光素子4は、いわゆる1ワイヤタイプのLEDチップである。この場合、半導体発光素子4のz方向両側に電極が形成されている。一方の電極には、第2ワイヤ482がボンディングされており、主面第2部312に導通している。他方の電極は、主面部31の主面部第1面3111に導通接合されている。この導通接合は、導電性接合材を介してなされ、たとえばAgペーストが用いられる。
【0065】
第1の側面の第3実施形態によっても、基材2が半導体発光素子4からの光に晒されることを抑制することができる。
【0066】
図25および図26は、第1の側面の第4実施形態に係る半導体発光装置A4を示している。図25は、半導体発光装置A4を示す平面図である。図26は、図25のXXVI-XXVI線に沿う断面図である。
【0067】
第1の側面の第4実施形態の半導体発光素子4は、いわゆるフリップチップタイプのLEDチップである。半導体発光素子4の一方の電極は、主面第1部311に第1導電性接合材491によって導通接合されている。半導体発光素子4の他方の電極は、主面第2部312に第2導電性接合材492によって導通接合されている。第1導電性接合材491および第2導電性接合材492は、たとえば、はんだやAgペーストである。
【0068】
第1の側面の第4実施形態によっても、基材2が半導体発光素子4からの光に晒されることを抑制することができる。また、半導体発光装置A3および半導体発光装置A4から理解されるように、本開示の半導体発光素子4の具体的構成は何ら限定されず、他の構成要素の様々な態様と適宜組み合わせて採用することができる。
【0069】
図27図29は、第1の側面の第5実施形態に係る半導体発光装置A5を示している。図27は、半導体発光装置A5を示す平面図である。図28は、半導体発光装置A5を示す底面図である。図29は、図27のXXIX-XXIX線に沿う断面図である。第1の側面の第5実施形態においては、主面第1部311と裏面第1部321とが、z方向視において互いに一致する大きさ、形状および配置である。また、主面第2部312と裏面第2部322とが、z方向視において互いに一致する大きさ、形状および配置である。
【0070】
第1の側面の第5実施形態によっても、基材2が半導体発光素子4からの光に晒されることを抑制することができる。また、上述した本実施形態から理解されるように、主面部31と裏面部32とのz方向視における互いの大きさ、形状および配置は、図示の例に限定されるものではなく、適宜改変可能である。また、半導体発光装置A5の主面部31および裏面部32の構成を上述した実施形態のいずれかに適宜採用してもよい。
【0071】
図30図32は、第1の側面の第6実施形態に係る半導体発光装置A6を示している。図30は、半導体発光装置A6を示す平面図である。図31は、半導体発光装置A6を示す底面図である。図32は、図30のXXXII-XXXII線に沿う断面図である。
【0072】
第1の側面の第6実施形態の基材2は、第1溝部23および第2溝部24を有する。第1溝部23は、基材2のx方向一方端に設けられており、x方向内方に凹む溝である。第1溝部23は、z方向において主面21および裏面22に到達している。第1溝部23の具体的形状は特に限定されず、図示された例においては、略半円形状である。第2溝部24は、基材2のx方向他方端に設けられており、x方向内方に凹む溝である。第2溝部24は、z方向において主面21および裏面22に到達している。第2溝部24の具体的形状は特に限定されず、図示された例においては、略半円形状である。
【0073】
第1の側面の第6実施形態の導電部3は、主面部31、裏面部32、第1連結部33、第2連結部34、第3連結部35および第4連結部36を有する。
【0074】
第1の側面の第6実施形態の主面部31は、主面第1部311、主面第2部312、主面第3部315および主面第4部316を有する。主面部31は、上述した実施形態の第1延出部313および第2延出部314を有していない。すなわち、主面第1部311および主面第2部312は、それぞれ基材2のz方向視における端縁から離間している。
【0075】
主面第3部315は、基材2の主面21のx方向一方端に沿って設けられている。主面第3部315は、主面第1部311からx方向に離間している。主面第3部315は、第1溝部23をz方向における主面21側から塞いでいる。主面第3部315の形状は、特に限定されず、図示された例においては、略半円形状である。また、図示された例においては、主面第3部315は、そのすべてが樹脂部5によって覆われているが、一部のみが樹脂部5によって覆われていてもよいし、そのすべてが樹脂部5から露出していてもよい。
【0076】
主面第4部316は、基材2の主面21のx方向他方端に沿って設けられている。主面第4部316は、主面第2部312からx方向に離間している。主面第4部316は、第2溝部24をz方向における主面21側から塞いでいる。主面第4部316の形状は、特に限定されず、図示された例においては、略半円形状である。また、図示された例においては、主面第4部316は、そのすべてが樹脂部5によって覆われているが、一部のみが樹脂部5によって覆われていてもよいし、そのすべてが樹脂部5から露出していてもよい。
【0077】
第1の側面の第6実施形態の裏面部32は、裏面第1部321、裏面第2部322、第1延出部323および第2延出部324を有する。
【0078】
第1の側面の第6実施形態の裏面第1部321は、基材2の裏面22のx方向一方端に到達している。裏面部321は、凹部3215を有する。凹部3215は、z方向視において基材2の第1溝部23に沿った形状の部位である。
【0079】
第1の側面の第6実施形態の裏面第2部322は、基材2の裏面22のx方向他方端に到達している。裏面第2部322は、凹部3225を有する。凹部3225は、z方向視において基材2の第2溝部24に沿った形状の部位である。
【0080】
第1延出部323は、裏面第1部321に繋がっており、z方向視において基材2の端縁に到達している。図示された例においては、裏面第1部321にy方向両側から繋がる2つの第1延出部323が設けられている。
【0081】
第2延出部324は、裏面第2部322に繋がっており、z方向視において基材2の端縁に到達している。図示された例においては、裏面第2部322にy方向両側から繋がる2つの第2延出部324が設けられている。
【0082】
第3連結部35は、基材2の第1溝部23内に形成されており、主面第3部315と裏面第1部321とを導通させている。図示された例においては、第3連結部35は、めっきの手法によって裏面第1部321と一体的に形成されている。図示された例においては、第3連結部35は、第1溝部23の内面を覆う膜状であるが、これに限定されず、たとえば、第1溝部23のすべてに充填された形態であってもよい。
【0083】
導電部用第2貫通孔26は、基材2の第2溝部24内に形成されており、主面第4部316と裏面第2部322とを導通させている。図示された例においては、第4連結部36は、めっきの手法によって裏面第2部322と一体的に形成されている。図示された例においては、第4連結部36は、第2溝部24の内面を覆う膜状であるが、これに限定されず、たとえば、第2溝部24のすべてに充填された形態であってもよい。
【0084】
第1の側面の第6実施形態によっても、基材2が半導体発光素子4からの光に晒されることを抑制することができる。また、第3連結部35および第4連結部36が設けられていることにより、半導体発光装置A6を回路基板等にはんだによって実装した際に、いわゆるはんだフィレットを形成しやすいという利点がある。
【0085】
主面第3部315および第3連結部35は、裏面第1部321および第1連結部33を介して主面第1部311と導通している。このため、主面第1部311と主面第3部315とを連結する必要がない。さらに、主面第1部311は、z方向視において、基材2の外端縁から離間している。これにより、半導体発光素子4を主面第1部311に接合するための接合材が主面第1部311上を広がりやすいものであったとしても、この接合材が主面第3部315等に不当に広がってしまうことを抑制することができる。
【0086】
裏面部32が第1延出部323および第2延出部324を有することにより、たとえば、半導体発光装置A6の製造工程において、導電部3をメッキの手法によって形成する場合に、第1延出部323および第2延出部324を用いて、電解メッキに必要な外部との導通を確保することができる。
【0087】
図33および図34は、第1の側面の第7実施形態に係る半導体発光装置A7を示している。図33は、半導体発光装置A7を示す平面図である。図34は、図33のXXXIV-XXXIV線に沿う断面図である。
【0088】
第1の側面の第7実施形態においては、上述した半導体発光装置A6における第1溝部23、第2溝部24が基材2に形成されており、導電部3の主面部31が主面第3部315および主面第4部316を有し、導電部3が第3連結部35および第4連結部36を有している。
【0089】
第1の側面の第7実施形態の導電部3は、上述した実施形態の第1連結部33および第2連結部34を有していない。また、第1の側面の第7実施形態においては、主面第1部311と主面第3部315とが互いに繋がった構成であり、主面第2部312と主面第4部316とが互いに繋がった構成である。
【0090】
第1の側面の第7実施形態によっても、基材2が半導体発光素子4からの光に晒されることを抑制することができる。また、第1の側面の第7実施形態においては、主面第1部311は、主面第3部315および第3連結部35を介して裏面第1部321と導通している。主面第2部312は、主面第4部316および第4連結部36を介して裏面第2部322と繋がっている。したがって、半導体発光装置A7を回路基板等に実装する際には、裏面第1部321および裏面第2部322をいわゆる実装電極として利用しつつ、第3連結部35および第4連結部36にはんだフィレットを形成することができる。
【0091】
本開示の第1の側面に基づく半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示の第1の側面に係る半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法の構成は、種々に設計変更自在である。本開示の第1の側面に係る半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法は、たとえば、以下の付記A1~A19のように規定することができる。
【0092】
付記1A.基材および導電部を有する基板と、前記基板に支持された半導体発光素子と、前記基板の少なくとも一部を覆う樹脂部と、を備える半導体発光装置であって、前記基材は、厚さ方向において互いに反対側を向く主面および裏面を有し、前記導電部は、前記主面に形成された主面部を含み、前記半導体発光素子は、前記主面部に搭載されており、前記樹脂部は、前記厚さ方向視において前記半導体発光素子を囲む枠状部と、前記枠状部に繋がり且つ前記基材の前記主面のうち前記主面部から露出する部分を覆う主面被覆部と、を含む、半導体発光装置。
付記2A.前記主面部は、前記厚さ方向と直角である第1方向において互いに離間する主面第1部および主面第2部を含み、
前記主面被覆部は、前記主面第1部と前記主面第2部との間に位置する、付記1Aに記載の半導体発光装置。
付記3A.前記主面第1部は、前記主面と同じ側を向く主面部第1面を有し、
前記主面第2部は、前記主面と同じ側を向く主面部第2面を有し、
前記主面被覆部は、前記主面部第1面および前記主面部第2面と面一である主面被覆部第1面を有する、付記2Aに記載の半導体発光装置。
付記4A.前記主面第1部は、前記主面部第1面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記主面に近づくほど前記第1方向において前記主面部第1面から離間するように傾斜した主面部第1傾斜面を有し、
前記主面部第1傾斜面は、前記主面被覆部によって覆われている、付記3Aに記載の半導体発光装置。
付記5A.前記主面第2部は、前記主面部第2面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記主面に近づくほど前記第1方向において前記主面部第2面から離間するように傾斜した主面部第2傾斜面を有し、
前記主面部第2傾斜面は、前記主面被覆部によって覆われている、付記4Aに記載の半導体発光装置。
付記6A.前記主面被覆部は、前記厚さ方向視において前記枠状部に囲まれた領域を前記第1方向と直角である第2方向に横断している、付記2Aまたは3Aに記載の半導体発光装置。
付記7A.前記導電部は、前記裏面に形成された裏面部を含む、付記2Aないし6Aのいずれかに記載の半導体発光装置。
付記8A.前記裏面部は、前記主面第1部に導通する裏面第1部および前記主面第2部に導通する裏面第2部を含む、付記7Aに記載の半導体発光装置。
付記9A.
前記樹脂部は、前記裏面のうち前記裏面部から露出する部分を覆う裏面被覆部を含む、付記8Aに記載の半導体発光装置。
付記10A.前記基材は、前記厚さ方向に貫通する樹脂部用貫通孔を有し、
前記樹脂部は、前記樹脂部用貫通孔に形成され且つ前記主面被覆部および前記裏面被覆部を繋ぐ連結部を含む、付記9Aに記載の半導体発光装置。
付記11A.前記裏面第1部は、前記裏面と同じ側を向く裏面部第1面を有し、
前記裏面第2部は、前記裏面と同じ側を向く裏面部第2面を有し、
前記裏面被覆部は、前記裏面部第1面および前記裏面部第2面と面一である裏面被覆部第1面を有する、付記9Aまたは10Aに記載の半導体発光装置。
付記12A.前記裏面第1部は、前記裏面部第1面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記裏面に近づくほど前記第1方向において前記裏面部第1面から離間するように傾斜した裏面部第1傾斜面を有し、
前記裏面部第1傾斜面は、前記裏面被覆部によって覆われている、付記11Aに記載の半導体発光装置。
付記13A.前記裏面第2部は、前記裏面部第2面に繋がり且つ前記厚さ方向において前記裏面に近づくほど前記第1方向において前記裏面部第2面から離間するように傾斜した裏面部第2傾斜面を有し、
前記裏面部第2傾斜面は、前記裏面被覆部によって覆われている、付記12Aに記載の半導体発光装置。
付記14A.前記半導体発光素子は、前記主面第1部に搭載されている、付記2Aないし13Aのいずれかに記載の半導体発光装置。
付記15A.前記半導体発光素子と前記主面第2部とに接続されたワイヤをさらに備える、付記14Aに記載の半導体発光装置。
付記16A.前記半導体発光素子と前記主面第1部とに接続されたワイヤをさらに備える、付記15Aに記載の半導体発光装置。
付記17A.前記半導体発光素子は、前記主面第1部および前記主面第2部に導通接合されている、付記2Aないし13Aのいずれかに記載の半導体発光装置。
付記18A.前記枠状部に囲まれた空間に充填され且つ前記半導体発光素子を覆うとともに前記半導体発光素子からの光を透過させる透光樹脂部をさらに備える、付記1Aないし16Aのいずれかに記載の半導体発光装置。
付記19A.基材および前記基材の主面に形成された導電性の主面部を含む基板であって、前記主面部が主面第1部および主面第2部を含んでいる基板を用意する工程と、金型の凸部の先端面を前記主面第1部および前記主面第2部に当接させ且つ前記凸部の前記先端面と前記主面との間に隙間を生じた状態で、前記基板および前記金型によって規定される空間に樹脂材料を充填する工程と、前記樹脂材料を硬化させることにより、枠状部および主面被覆部を含む樹脂部を形成する工程と、前記枠状部に囲まれた領域に半導体発光素子を搭載する工程と、を備えており、前記主面被覆部が、前記基材の前記主面のうち前記主面部から露出する部分を覆い且つ前記枠状部に繋がる構成とされている、半導体発光装置の製造方法。
【0093】
次に、本開示の第2の側面に係る半導体発光素子、および同半導体発光装置の製造方法について説明する。図35図40は、本開示の第2の側面の1実施形態に係る半導体発光装置を示している。図示された半導体発光装置B1は、基板1’、半導体発光素子4’、樹脂部5’および透光樹脂部6’を備えている。図35においては、透光樹脂部6’を省略している。図41~45は、半導体発光装置B1の製造方法を説明する図である。
【0094】
図35は、半導体発光装置B1を示す平面図である。図36は、半導体発光装置B1を示す底面図である。図37は、図35のXXXVII-XXXVII線に沿う断面図である。図38は、図35のXXXVIII-XXXVIII線に沿う断面図である。図39は、図35のXXXIX-XXXIX線に沿う断面図である。図40は、図35のXL-XL線に沿う断面図である。図41は、半導体発光装置B1の製造方法の一工程を示す断面図である。図42は、図41のXLII-XLII線に沿う断面図である。図43は、図41のXLIII-XLIII線に沿う断面図である。図44は、半導体発光装置B1の製造方法の一工程を示す断面図である。図45は、図44のXLV-XLV線に沿う断面図である。
【0095】
半導体発光装置B1の大きさの一例を挙げると、x方向寸法が1.6mm程度、y方向寸法が0.8mm程度、z方向寸法が0.6mm程度である。半導体発光装置B1の大きさや形状は、この例に限定されず適宜改変可能である。
【0096】
基板1’は、半導体発光装置B1の土台となる。基板1’は、基材2’および導電部3’を含む。
【0097】
基材2’は、絶縁性材料からなる。基材2’を構成する絶縁性材料は何ら限定されず、たとえばガラスエポキシ樹脂が挙げられる。基材2’は、主面21’、裏面22’、第1側面23’および第2側面24’を有する。図37図40に示すように、主面21’および裏面22’は、z方向において互いに反対側を向いている。図示された例においては、主面21’および裏面22’は、z方向に対して直角な平面である。第1側面23’は、x方向一方側において主面21’および裏面22’を繋いでおり、図示された例においては、x方向に対して直角である。第2側面24’は、x方向他方側において主面21’および裏面22’を繋いでおり、図示された例においては、x方向に対して直角である。基材2’の形状は、特に限定されず、図35および図36に示すように、たとえばz方向視において矩形状である。基材2’の厚さは、たとえば0.2mm程度である。
【0098】
本実施形態においては、基材2’には、第1溝部25’、第2溝部26’、第1貫通孔27’、第2貫通孔28’が形成されている。第1溝部25’は、第1側面23’から凹んでおり、主面21’および裏面22’に到達するように延びている。第1溝部25’の形状は特に限定されず、図示された例においては、断面半円形状である。第2溝部26’は、第2側面24’から凹んでおり、主面21’および裏面22’に到達するように延びている。第2溝部26’の形状は特に限定されず、図示された例においては、断面半円形状である。
【0099】
第1貫通孔27’は、基材2’をz方向に貫通している。図35および図36に示すように、図示された例においては、1つの第1貫通孔27’が設けられている。第2貫通孔28’は、基材2’をz方向に貫通している。図35および図36に示すように、図示された例においては、1つの第2貫通孔28’が設けられている。また、第2貫通孔28’は、第1貫通孔27’に対してx方向に離間している。第1貫通孔27’および第2貫通孔28’の個数や大きさ、配置等は、図示の例に限定されず適宜改変可能である。
【0100】
導電部3’は、基材2’に形成されており、半導体発光素子4’への導通経路や、半導体発光素子4’を搭載するための部位を提供している。導電部3’は、導電性材料からなり、Cu、Ni、Pd,Ti,Au等の金属からなる。導電部3’は、一例として、基材2’上に形成されたTiおよびCuからなる下地めっき層に、電解めっきによってCuめっき層を形成することで構成可能である。
【0101】
本実施形態においては、図35図40に示すように、導電部3’は、主面部31’、裏面部32’および連結部33’を含む。
【0102】
主面部31’は、基材2’の主面21’上に形成されている。主面部31’は、主面第1部311’、主面第2部312’、主面第3部315’および主面第4部316’を有する。主面部31’の厚さは、たとえば40μm程度であるが、本開示がこれに限定されるわけではない。
【0103】
主面第1部311’は、半導体発光素子4’の一方の電極に導通する部位である。主面第2部312’は、主面第1部311’に対してx方向に離間して配置されており、半導体発光素子4’の他方の電極が導通する部位である。主面第1部311’および主面第2部312’の形状や大きさは、特に限定されない。図示された例においては、主面第1部311’および主面第2部312’は、矩形状である。主面第1部311’は、主面第2部312’よりも大きい。主面第1部311’は、z方向視において基材2’の中心と重なっている。図示された例においては、主面第1部311’および主面第2部312’は、基材2’の端縁から離間している。
【0104】
図35および図37図40に示すように、主面第1部311’は、主面部第1面3111’および主面部第1傾斜面3112’を有する。主面部第1面3111’は、z方向において主面21’と同じ側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角である平面である。主面部第1傾斜面3112’は、主面部第1面3111’に繋がっており、z方向において主面21’に近づくほどx方向において主面部第1面3111’から離間するように傾いている。図示された例においては、主面部第1傾斜面3112’は、凸曲面である。また、主面部第1傾斜面3112’は、主面第1部311’のうちx方向において主面第2部312’と対向する部位に設けられている。
【0105】
図35および図37図40に示すように、主面第2部312’は、主面部第2面3121’および主面部第2傾斜面3122’を有する。主面部第2面3121’は、z方向において主面21’と同じ側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角である平面である。主面部第2傾斜面3122’は、主面部第2面3121’に繋がっており、z方向において主面21’に近づくほどx方向において主面部第2面3121’から離間するように傾いている。図示された例においては、主面部第2傾斜面3122’は、凸曲面である。また、主面部第2傾斜面3122’は、主面第2部312’のうちx方向において主面第1部311’と対向する部位に設けられている。
【0106】
主面第3部315’は、基材2’の主面21’の第1側面23’と接する端縁に沿って設けられている。主面第3部315’は、主面第1部311’からx方向に離間している。主面第3部315’は、第1溝部25’をz方向における主面21’側から塞いでいる。主面第3部315’の形状は、特に限定されず、図示された例においては、略半円形状である。また、図示された例においては、主面第3部315’は、そのすべてが樹脂部5’によって覆われているが、一部のみが樹脂部5’によって覆われていてもよいし、そのすべてが樹脂部5’から露出していてもよい。
【0107】
主面第4部316’は、基材2’の主面21’の第2側面24’と接する端縁に沿って設けられている。主面第4部316’は、主面第2部312’からx方向に離間している。主面第4部316’は、第2溝部26’をz方向における主面21’側から塞いでいる。主面第4部316’の形状は、特に限定されず、図示された例においては、略半円形状である。図示された例においては、主面第4部316’は、そのすべてが樹脂部5’によって覆われているが、一部のみが樹脂部5’によって覆われていてもよいし、そのすべてが樹脂部5’から露出していてもよい。
【0108】
裏面部32’は、基材2’の主面21’上に形成されている。図示された例においては、裏面部32’は、裏面第1部321’、裏面第2部322’、第1延出部323’および第2延出部324’を有する。裏面部32’の厚さは特に限定されず、たとえば40μm程度である。裏面部32’の表層には、たとえば、はんだめっきやSnめっきが形成されていてもよい。
【0109】
裏面第1部321’は、半導体発光素子4’の一方の電極に導通する部位である。裏面第2部322’は、裏面第1部321’に対してx方向に離間して配置されており、半導体発光素子4’の他方の電極が導通する部位である。裏面第1部321’および裏面第2部322’の形状や大きさは、特に限定されない。図示された例においては、裏面第1部321’は、裏面第2部322’よりも大きい。また、裏面第1部321’は、z方向視において基材2’の中心と重なっている。
【0110】
図示された例においては、裏面第1部321’は、裏面22’の第1側面23’側の端縁に到達している。z方向視において、裏面第1部321’は、主面第1部311’と重なっている。裏面第1部321’は、凹部3215’を有する。凹部3215’は、z方向視において基材2’の第1溝部25’に沿った形状である。
【0111】
裏面第2部322’は、裏面22’の第2側面24’側の端縁に到達している。裏面第2部322’は、凹部3225’を有する。凹部3225’は、z方向視において基材2’の第2溝部26’に沿った形状である。裏面第2部322’は、主面第2部312’と重なっている。
【0112】
第1延出部323’は、裏面第1部321’に繋がっており、z方向視において基材2’のy方向の端縁に到達している。図示された例においては、裏面第1部321’にy方向両側から繋がる2つの第1延出部323’が設けられている。
【0113】
第2延出部324’は、裏面第2部322’に繋がっており、z方向視において基材2’の端縁に到達している。図示された例においては、裏面第2部322’にy方向両側から繋がる2つの第2延出部324’が設けられている。
【0114】
連結部33’は、主面部31’および裏面部32’を連結する部位を含む。本実施形態の連結部33’は、第1貫通部連結部331’、第2貫通部連結部332’、第1溝部連結部333’および第2溝部連結部334’を含む。
【0115】
第1貫通部連結部331’は、基材2’の第1貫通孔27’内に形成されており、主面第1部311’と裏面第1部321’とを導通させている。図37および図38に示すように、図示された例においては、第1貫通部連結部331’は、めっきの手法によって裏面第1部321’と一体的に形成されている。第1貫通部連結部331’は、第1貫通孔27’内に充填されており、第1貫通孔27’を埋めている。
【0116】
第2貫通部連結部332’は、基材2’の第2貫通孔28’内に形成されており、主面第2部312’と裏面第2部322’とを導通させている。図37に示すように、図示された例においては、第2貫通部連結部332’は、めっきの手法によって裏面第2部322’と一体的に形成されている。第2貫通部連結部332’は、第2貫通孔28’内に充填されており、第2貫通孔28’を埋めている。
【0117】
半導体発光素子4’は、半導体発光装置B1の光源素子である。半導体発光素子4’としては、たとえば、LEDチップ、半導体レーザ素子、VCSEL素子等が挙げられるが、本開示がこれらの例に限定されるわけではない。以降の説明においては、半導体発光素子4’がLEDチップである場合を例に説明する。
【0118】
図35図37、および図39に示すように、半導体発光素子4’は、主面第1部311’に搭載されている。図示された例においては、半導体発光素子4’は、z方向視において基材2’の中心と重なっている。半導体発光素子4’は、z方向視において、たとえば矩形状である。本実施形態の半導体発光素子4’は、いわゆる1ワイヤタイプのLEDチップである。
【0119】
半導体発光素子4’は、下面に形成された電極が、導電性接合材491’によって主面第1部311’の主面部第1面3111’に接合されている。導電性接合材491’は、たとえば、はんだやAgペーストであるが、その他、導電性を有し、半導体発光素子4’を主面部第1面3111’に接合可能な材料であればよい。
【0120】
半導体発光素子4’には、第1ワイヤ481’が接続されている。第1ワイヤ481’は、半導体発光素子4’の上面に形成された電極と主面第2部312’とに接続されている。第1ワイヤ481’の材質は、特に限定されず、たとえばAuである。
【0121】
樹脂部5’は、基板1’の一部を覆っている。樹脂部5’を構成する樹脂は、たとえばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる。樹脂部5’は、基材2’よりも半導体発光素子4’からの光によって劣化しにくい材料からなることが好ましい。本例においては、樹脂部5’は、白色のエポキシ樹脂からなる。樹脂部5’のz方向寸法は特に限定されず、たとえば0.4mm程度である。
【0122】
樹脂部5’は、枠状部50’および主面被覆部51’を有する。
【0123】
枠状部50’は、図35に示すように、z方向視において連続した矩形状である。z方向視において、枠状部50’の端縁と基材2’の端縁とは、互いに一致している。枠状部50’は、z方向視において半導体発光素子4’を囲んでいる。枠状部50’は、リフレクタ501’を有する。図37および図39に示すように、リフレクタ501’は、半導体発光素子4’をx方向およびy方向において挟む面である。リフレクタ501’は、z方向において主面21’から離間するほど半導体発光素子4’からx方向またはy方向に離間するように傾いている。図示された例においては、枠状部50’は、主面部31’の主面第1部311’および主面第2部312’の各々の一部を覆っている。
【0124】
主面被覆部51’は、図35図37および図40に示すように、枠状部50’に繋がっており、主面21’のうち主面部31’から露出する部分を覆っている。本実施形態においては、主面21’のうちx方向において主面第1部311’と主面第2部312’とに挟まれた露出領域を主面被覆部51’が覆っている。また、図示された例においては、主面被覆部51’は、主面第1部311’の主面部第1傾斜面3112’および主面第2部312’の主面部第2傾斜面3122’を覆っている。図35および図40に示すように、主面第1部311’は、枠状部50’によって囲まれた領域をy方向に沿って延びている。枠状部50’は、y方向に互いに離間する2つの部分を含み、主面第1部311’は、これら2つの部分同士を連結している。
【0125】
主面被覆部51’は、主面被覆部第1面511’を有する。主面被覆部第1面511’は、主面21’と同じ側を向く面であり、図示された例においては、z方向に対して直角な平面である。主面被覆部第1面511’は、主面部第1面3111’および主面部第1傾斜面3112’と面一である。
【0126】
透光樹脂部6’は、図37図40に示すように、樹脂部5’の枠状部50’によって囲まれた空間に充填されており、主面部31’の一部、半導体発光素子4’および第1ワイヤ481’を覆っている。透光樹脂部6’は、半導体発光素子4’からの光を透過させる材質からなり、たとえばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂を主成分とする。透光樹脂部6’は、蛍光物質を含んでいてもよい。たとえば、半導体発光素子4’が青色光を発する場合、青色光によって励起されることにより黄色光を発する蛍光物質を透光樹脂部6’が含んでいてもよい。この場合、半導体発光装置B1からは白色光が発せられる。
【0127】
透光樹脂部6’は、表面61’を有する。図示された例においては、表面61’は、z方向下方に湾曲している。このような形状を有する透光樹脂部6’は、たとえば液体の樹脂材料を枠状部50’によって囲まれた領域に滴下し、これを硬化させることにより形成可能である。
【0128】
次に、図41図45を参照しつつ、半導体発光装置B1の製造方法の一例について説明する。
【0129】
まず、基板1Bを用意する。基板1Bは、複数の基板1’を製造可能な部材である。以降の説明においては、複数の半導体発光装置B1を一括して製造する場合を例に説明するが、半導体発光装置B1の製造方法はこれに限定されない。
【0130】
図41に示すように、基板1Bは、基材2Bおよび導電部3Bを有する。基材2Bは、上述した基材2’となるものであり、主面21’および裏面22’を有する。導電部3Bは、上述した導電部3’となるものであり、複数の主面部31’および裏面部32’を有する。基材2Bには、第1溝部用貫通孔25Bおよび第2溝部用貫通孔26Bが形成されている。第1溝部用貫通孔25Bおよび第2溝部用貫通孔26Bは、後述の工程において切断されることにより、それぞれ第1溝部25’および第2溝部26’となるものである。第1溝部用貫通孔25Bおよび第2溝部用貫通孔26Bは、たとえば断面円形状である。
【0131】
次いで、金型8’を基板1Bに押し付ける。基板1Bは、支持部材(図示略)によってz方向図中下方から支持される。金型8’は、主部81’および凸部82’を有する。主部81’は、基板1Bからz方向に離間した部位である。凸部82’は、主部81’からz方向に突出した部位である。凸部82’は、当接面821’を有する。当接面821’は、凸部82’のz方向における先端に設けられている。当接面821’は、z方向に対して直角な平面である。当接面821’は、主面第1部311’の主面部第1面3111’および主面第2部312’の主面部第2面3121’に当接する。主面21’のうちx方向において主面第1部311’と主面第2部312’との間に位置する部位と当接面821’との間には、隙間が生じている。
【0132】
次いで、基板1Bと金型8’との間の空間に、たとえば液状の熱硬化性樹脂材料を充填する。その後、この樹脂材料を硬化することにより、図44および図45に示す樹脂部5Bが形成される。主部81’と基板1Bとの間に充填された樹脂材料は、枠状部50’を含む部位を形成する。当接面821’、主面21’、主面第1部311’および主面第2部312’によって規定された隙間に充填された樹脂材料は、主面被覆部51’を形成する。
【0133】
次いで、金型8’を取り除き、半導体発光素子4’および第1ワイヤ481’をそれぞれボンディングする。この後は、たとえばポッティングの手法によって透光性の樹脂材料を枠状部50’によって囲まれた空間に充填し、これを硬化させることにより、透光樹脂部6’を形成する。基板1Bおよび樹脂部5Bを適宜切断することにより、上述した半導体発光装置B1が得られる。
【0134】
次に、半導体発光装置B1の作用について説明する。
【0135】
本実施形態によれば、導電部3’が、第1溝部25’に沿った第1溝部連結部333’を有している。このため、半導体発光装置B1をたとえば回路基板に実装した際に、はんだフィレットを形成することが可能である。これにより、半導体発光装置B1の実装強度を高めるとともに、はんだの形成良否を目視によって確認しやすくなる。また、主面第1部311’と連結部33’とは、第1貫通部連結部331’および裏面第1部321’を介して互いに導通する一方、主面21’上において互いに離間している。これにより、半導体発光素子4’を主面第1部311’に搭載する際の導電性接合材491’の材料が、第1溝部連結部333’へと広がることを抑制することができる。したがって、半導体発光素子4’の搭載や半導体発光装置B1の実装を適切に行うことができる。
【0136】
導電部3’が、第2溝部26’に沿った第2溝部連結部334’を有している。このため、半導体発光装置B1のx方向両側にはんだフィレットを形成することが可能である。これは、半導体発光装置B1の実装強度を高めることや、はんだの形成良否を目視にて確認するために好ましい。また、半導体発光素子4’を搭載する際に、導電性接合材491’の材料が主面第2部312’へと広がったとしても、これが第2溝部連結部334’へ到達することを抑制することができる。
【0137】
本実施形態によれば、図35図37および図40に示すように、基材2’の主面21’のうち主面部31’から露出した部分が、主面被覆部51’によって覆われている。これにより、基材2’が半導体発光素子4’からの光に晒されることを抑制することができるので、基材2’の劣化を抑制することが可能である。また、基材2’の材質として、光により劣化し得る材質を選択することが可能となるので、コスト低減を図ることができる。
【0138】
樹脂部5’の材質として、基材2’の材質よりも半導体発光素子4’からの光によって劣化しにくい材質を用いることにより、半導体発光素子4’の光による劣化を抑制することができる。
【0139】
主面被覆部51’は、枠状部50’によって囲まれた領域をy方向に横断しており、両端が枠状部50’に繋がっている。これにより、主面被覆部51’が主面21’から離間することを抑制することができる。
【0140】
主面被覆部第1面511’と主面部第1面3111’および主面部第2面3121’とが互いに面一であることにより、これらによって大きな平面を構成することが可能である。これにより、半導体発光素子4’からの光をより効率よくz方向へと反射することが可能であり、半導体発光装置B1の高輝度化に好ましい。
【0141】
主面第1部311’の主面部第1傾斜面3112’および主面第2部312’の主面部第2傾斜面3122’が主面被覆部51’に覆われていることにより、主面被覆部51’には、主面部第1傾斜面3112’および主面部第2傾斜面3122’に対応した曲面が形成される。この曲面により、主面被覆部51’に応力が集中することを緩和することができる。
【0142】
図46図54は、本開示の第2の側面における変形例および他の実施形態を示している。これらの図において、上述した実施形態と同一または類似の要素には、当該実施形態と同一の符号を付している。
【0143】
図46は、半導体発光装置B1の第1変形例を示す断面図である。図示された半導体発光装置B11は、第1貫通孔27’および第1貫通部連結部331’の位置が、上述した半導体発光装置B1と異なっている。
【0144】
本変形例においては、第1貫通孔27’および第1貫通部連結部331’は、z方向視において半導体発光素子4’と重なる位置に配置されている。言い換えると、第1貫通部連結部331’は、半導体発光素子4’のz方向直下に位置する。
【0145】
本変形例によっても、半導体発光素子4’の搭載や半導体発光装置B11の実装を適切に実現することができる。また、第1貫通部連結部331’が半導体発光素子4’の直下に設けられていることにより、半導体発光素子4’からの放熱を促進することができる。本変形例から理解されるように、第1貫通部連結部331’および第2貫通部連結部332’の位置は、適宜改変可能である。第1貫通部連結部331’および第2貫通部連結部332’は、複数個設けられていてもよい。
【0146】
図47は、半導体発光装置B1の第2変形例を示す断面図である。本変形例の半導体発光装置B12は、樹脂部5’の構造が、上述した半導体発光装置B1と異なっている。
【0147】
本変形例の樹脂部5’は、金型8’による樹脂成形ではなく、たとえば、予め形成しておいた樹脂部5’(または樹脂部5’を形成可能な複数の樹脂中間品)を、基板1’(基板1B)に接合することによって形成されている。樹脂部5’は、たとえば接合層59’によって基板1’に接合される。接合層59’は、たとえば接着剤からなる。本変形例の樹脂部5’は、上述した主面被覆部51’を有していない。
【0148】
本変形例によっても、半導体発光素子4’の搭載や半導体発光装置B12の実装を適切に実現することができる。また、本変形例から理解されるように、樹脂部5’の具体的構成は特に限定されず、他の変形例および実施形態においては、樹脂部5’に対し、種々の構成を採用することが可能である。
【0149】
図48は、半導体発光装置B1の第3変形例を示す断面図である。本変形例の半導体発光装置B13は、第1溝部25’および第2溝部26’を覆う構造が、上述した半導体発光装置B1と異なっている。
【0150】
半導体発光装置B13は、第1絶縁層71’および第2絶縁層72’を備えている。第1絶縁層71’は、第1溝部25’をz方向上方から塞いでいる。第2絶縁層72’は、第2溝部26’をz方向上方から塞いでいる。第1絶縁層71’および第2絶縁層72’は、たとえば、絶縁性のレジスト層からなる。第1絶縁層71’および第2絶縁層72’の形状は特に限定されず、たとえば、上述の主面第3部315’および主面第4部316’と同様の形状としてもよい。第1絶縁層71’および第2絶縁層72’は、たとえば、図41の基材2Bの第1溝部用貫通孔25Bおよび第2溝部用貫通孔26Bに対して、レジスト層をなすフィルムを押圧するようにして形成される。この場合、第1絶縁層71’および第2絶縁層72’は、図示の例のように、第1溝部25’および第2溝部26’に一部が食い込んだ形状となる。
【0151】
本変形例によっても、半導体発光素子4’の搭載や半導体発光装置B13の実装を適切に実現することができる。また、第1絶縁層71’および第2絶縁層72’は、樹脂部5’と基板1との接合強度の向上に資する。
【0152】
図49は、第2の側面の2実施形態に係る半導体発光装置を示す断面図である。図示された半導体発光装置B2は、主に導電部3’の構成が上述した半導体発光装置B1と異なっている。
【0153】
基材2’には、第1貫通孔27’が形成されているが、第2貫通孔28’(図37参照)は形成されていない。本実施形態の連結部33’は、第1貫通部連結部331’を有するが、第2貫通部連結部332’(図37参照)を有しない。
【0154】
本実施形態の主面部31’では、主面第2部312’と主面第4部316’とが互いに繋がっている。主面第4部316’は、第2溝部連結部334’によって裏面第2部322’に連結されている。
【0155】
本実施形態によっても、半導体発光素子4’の搭載や半導体発光装置B2の実装を適切に実現することができる。また、主面第2部312’と主面第4部316’とが繋がっている構成であっても、導電性接合材491’の形成工程において、導電性接合材491’の材料が主面第2部312’へと広がることを防止すれば、意図しない不具合を抑制することができる。
【0156】
図50および図51は、第2の側面の3実施形態に係る半導体発光装置B3を示している。図50は、半導体発光装置B3を示す平面図であり、図51は、半導体発光装置B3を示す底面図である。
【0157】
本実施形態においては、基材2’が2つの第1溝部25’および2つの第2溝部26’を有する。2つの第1溝部25’は、基材2’の主面21’のy方向の両端にそれぞれ個別に接している。2つの第2溝部26’は、基材2’の主面21’のy方向の両端にそれぞれ個別に接している。
【0158】
主面部31’は、2つの主面第3部315’と2つの主面第4部316’とを有する。2つの主面第3部315’は、2つの第1溝部25’に沿って個別に形成されている。2つの主面第4部316’は、2つの第2溝部26’に沿って個別に形成されている。
【0159】
裏面部32’は、2つの第3延出部325’および2つの第4延出部326’を有する。2つの第3延出部325’は、2つの第1溝部25’の一部ずつに沿っており、裏面第1部321’からy方向に延出している。2つの第3延出部325’は、裏面22’のy方向両端に個別に到達している。2つの第4延出部326’は、2つの第2溝部26’の一部ずつに沿っており、裏面第2部322’からy方向に延出している。2つの第4延出部326’は、裏面22’のy方向両端に個別に到達している。
【0160】
裏面第1部321’は、2つの凹部3215’を有する。2つの凹部3215’は、2つの第1溝部25’の一部ずつに個別に沿っている。裏面第2部322’は、2つの凹部3225’を有する。2つの凹部3225’は、2つの第2溝部26’の一部ずつに個別に沿っている。
【0161】
本実施形態によっても、半導体発光素子4’の搭載や半導体発光装置B3の実装を適切に実現することができる。また、本実施形態から理解されるように、第1溝部25’および第2溝部26’の個数や配置は何ら限定されない。本実施形態のように、第1溝部25’および第2溝部26’を、基材2’のz方向視における隅部に配置すれば、主面第1部311’や主面第2部312’との干渉を回避しやすいという利点がある。
【0162】
図52は、第2の側面の4実施形態に係る半導体発光装置B4を示す断面図である。半導体発光装置B4は、第1ワイヤ481’および第2ワイヤ482’を有する。
【0163】
本実施形態の半導体発光素子4’は、上面に2つの電極を有する、いわゆる2ワイヤタイプの半導体発光素子である。第1ワイヤ481’は、半導体発光素子4’の一方の電極と主面第2部312’とに接続されている。第2ワイヤ482’は、半導体発光素子4’の他方の電極と主面第1部311’とに接続されている。
【0164】
半導体発光素子4’は、接合材492’によって主面第1部311’の主面部第1面3111’に接合されている。接合材492’は、導電性であってもよいし、絶縁性であってもよい。
【0165】
本実施形態によっても、半導体発光素子4’の搭載や半導体発光装置B4の実装を適切に実現することができる。
【0166】
図53および図54は、第2の側面の5実施形態に係る半導体発光装置B5を示す断面図である。図53は、半導体発光装置B5を示す平面図である。図54は、図53のLIV-LIV線に沿う断面図である。半導体発光装置B5においては、主に、半導体発光素子4’の構成が、上述した実施形態と異なっている。
【0167】
本実施形態の半導体発光素子4’は、フリップチップタイプのLEDチップである。半導体発光素子4’の一方の電極は、主面第1部311’に導電性接合材491’によって導通接合されている。半導体発光素子4’の他方の電極は、主面第2部312’に導電性接合材491’によって導通接合されている。導電性接合材491’は、たとえば、はんだやAgペーストである。
【0168】
本実施形態においては、半導体発光素子4’が基材2’の略中央に配置されている。これに対応して、主面第1部311’と主面第2部312’とのx方向寸法は、略同じとされている。また、主面被覆部51’は、半導体発光装置B5のx方向における略中央に位置している。裏面第1部321’と裏面第2部322’とのx方向寸法は、略同じとされている。
【0169】
本実施形態によっても、半導体発光素子4’の搭載や半導体発光装置B5の実装を適切に実現することができる。また、半導体発光装置B4および半導体発光装置B5から理解されるように、本開示の半導体発光素子4’の具体的構成は何ら限定されず、他の構成要素の様々な態様と適宜組み合わせて採用することができる。
【0170】
半導体発光素子4’の基板1上における配置は特に限定されない、z方向視において、半導体発光素子4’の中心が基材2’の中心と一致する配置でもよいし、半導体発光素子4’がz方向の中心と重なる配置でもよい。また、半導体発光素子4’が、基材2’の中心から離れた配置であってもよい。
【0171】
本開示の第2の側面に基づく半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示の第2の側面に係る半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法の構成は、種々に設計変更自在である。本開示の第2の側面に係る半導体発光装置は、たとえば、以下の付記B1~B20のように規定することができる。
【0172】
付記B1.基材および導電部を有する基板と、前記基板に支持された半導体発光素子と、前記基板の少なくとも一部を覆う樹脂部と、を備える半導体発光装置であって、前記基材は、厚さ方向において互いに反対側を向く主面および裏面と、前記主面および前記裏面を繋ぎ且つ前記厚さ方向と直角である第1方向において互いに反対側に位置する第1側面および第2側面と、前記第1側面から凹み且つ前記主面および前記裏面に到達する第1溝部と、前記厚さ方向に貫通する第1貫通孔と、を有し、前記導電部は、前記主面に形成された主面部と、前記裏面に形成された裏面部と、前記第1溝部に形成された第1溝部連結部および前記第1貫通孔に形成された第1貫通孔連結部を少なくとも含む連結部と、を有し、前記主面部は、前記半導体発光素子が搭載された主面第1部を有し、前記裏面部は、裏面第1部を有し、前記第1貫通孔連結部は、前記主面第1部と前記裏面第1部とを連結しており、前記第1溝部連結部は、前記裏面第1部に連結しており、前記主面第1部と前記第1溝部連結部とは、互いに離間している、半導体発光装置。
付記2B.前記主面部は、前記第1溝部を前記厚さ方向視において覆い且つ前記第1溝部連結部によって前記裏面第1部と連結された主面第3部を有する、付記1Bに記載の半導体発光装置。
付記3B.前記第1溝部は、前記厚さ方向および前記第1方向と直角である第2方向における前記主面の両端から離間している、付記1Bまたは2Bに記載の半導体発光装置。
付記4B.前記第1溝部は、前記厚さ方向および前記第1方向と直角である第2方向における前記主面の両端のいずれかに接している、付記1Bまたは2Bに記載の半導体発光装置。
付記5B.前記基材は、前記厚さ方向および前記第1方向と直角である第2方向における前記主面の両端に個別に接する2つの前記第1溝部を有する、付記1Bまたは2Bに記載の半導体発光装置。
付記6B.前記主面第1部と前記裏面第1部とは、前記厚さ方向視において互いに重なる、付記1Bないし5Bのいずれかに記載の半導体発光装置。
付記7B.前記第1溝部連結部は、前記第1溝部の内面に沿って形成されている、付記1Bないし6Bのいずれかに記載の半導体発光装置。
付記8B.前記第1貫通孔連結部は、前記第1貫通孔に充填されている、付記1Bないし7Bのいずれかに記載の半導体発光装置。
付記9B.前記第1溝部を前記厚さ方向視において覆う第1絶縁層を備える、付記1Bに記載の半導体発光装置。
付記10B.ワイヤをさらに備える構成において、前記主面部は、前記主面第1部から離間した主面第2部を有し、前記ワイヤは、前記半導体発光素子と前記主面第2部とに接続されている、付記1Bないし9Bのいずれかに記載の半導体発光装置。
付記11B.前記基材は、前記第2側面から凹み且つ前記主面および前記裏面に到達する第2溝部と、前記厚さ方向に貫通する第2貫通孔と、を有し、前記裏面部は、前記裏面第1部から離間した裏面第2部を有し、前記連結部は、前記第2溝部に形成された第2溝部連結部および前記第2貫通孔に形成された第2貫通孔連結部を含み、前記第2貫通孔連結部は、前記主面第2部と前記裏面第2部とを連結しており、前記第2溝部連結部は、前記裏面第2部に連結しており、前記主面第2部と前記第2溝部連結部とは、互いに離間している、付記10Bに記載の半導体発光装置。
付記12B.前記主面部は、前記第2溝部を前記厚さ方向視において覆い且つ前記第2溝部連結部によって前記裏面第2部と連結された主面第4部を有する、付記11Bに記載の半導体発光装置。
付記13B.前記第2溝部は、前記厚さ方向および前記第1方向と直角である第2方向における前記主面の両端から離間している、付記11Bまたは12Bに記載の半導体発光装置。
付記14B.前記第2溝部は、前記厚さ方向および前記第1方向と直角である第2方向における前記主面の両端のいずれかに接している、付記11Bまたは12Bに記載の半導体発光装置。
付記15B.前記基材は、前記厚さ方向および前記第1方向と直角である第2方向における前記主面の両端に個別に接する2つの前記第2溝部を有する、付記11Bまたは12Bに記載の半導体発光装置。
付記16B.前記主面第2部と前記裏面第2部とは、前記厚さ方向視において互いに重なる、付記11Bないし15Bのいずれかに記載の半導体発光装置。
付記17B.前記第2溝部連結部は、前記第2溝部の内面に沿って形成されている、付記11Bないし16Bのいずれかに記載の半導体発光装置。
付記18B.前記第2貫通孔連結部は、前記第2貫通孔に充填されている、付記11Bないし17Bのいずれかに記載の半導体発光装置。
付記19B.前記第2溝部を前記厚さ方向視において覆う第2絶縁層を備える、付記11Bに記載の半導体発光装置。
付記20.前記樹脂部は、前記厚さ方向視において前記半導体発光素子を囲む枠状部と、前記枠状部に繋がり且つ前記基材の前記主面のうち前記主面部から露出する部分を覆う主面被覆部と、を含む、付記1Bないし19Bのいずれかに記載の半導体発光装置。
【符号の説明】
【0173】
A1,A11,A2,A3,A4,A5,A6:半導体発光装置
1 :基板
1A :基板
2 :基材
2A :基材
3 :導電部
3A :導電部
4 :半導体発光素子
5 :樹脂部
5A :樹脂部
6 :透光樹脂部
8 :金型
21 :主面
22 :裏面
25 :導電部用第1貫通孔
26 :導電部用第2貫通孔
28 :樹脂部用貫通孔
31 :主面部
32 :裏面部
33 :第1連結部
34 :第2連結部
50 :枠状部
51 :主面被覆部
52 :裏面被覆部
53 :連結部
81 :主部
82 :凸部
83 :副部
311 :主面第1部
312 :主面第2部
313 :第1延出部
314 :第2延出部
321 :裏面第1部
322 :裏面第2部
481 :第1ワイヤ
482 :第2ワイヤ
491 :第1導電性接合材
492 :第2導電性接合材
501 :リフレクタ
511 :主面被覆部第1面
521 :裏面被覆部第1面
821 :当接面
831 :当接面
3111 :主面部第1面
3112 :主面部第1傾斜面
3121 :主面部第2面
3122 :主面部第2傾斜面
3211 :裏面部第1面
3212 :裏面部第1傾斜面
3221 :裏面部第2面
3222 :裏面部第2傾斜面
B1,B11,B12,B13,B2,B3,B4,B5:半導体発光装置
1’,1B :基板
2’,2B :基材
3’,3B :導電部
4’ :半導体発光素子
5’,5B :樹脂部
6’ :透光樹脂部
8’ :金型
21’ :主面
22’ :裏面
23’ :第1側面
24’ :第2側面
25’ :第1溝部
25B :第1溝部用貫通孔
26’ :第2溝部
26B :第2溝部用貫通孔
27’ :第1貫通孔
28’ :第2貫通孔
31’ :主面部
32’ :裏面部
33’ :連結部
50’ :枠状部
51’ :主面被覆部
59’ :接合層
61’ :表面
71’ :第1絶縁層
72’ :第2絶縁層
81’ :主部
82’ :凸部
311’ :主面第1部
312’ :主面第2部
315’ :主面第3部
316’ :主面第4部
321’ :裏面第1部
322’ :裏面第2部
323’ :第1延出部
324’ :第2延出部
325’ :第3延出部
326’ :第4延出部
331’ :第1貫通部連結部
332’ :第2貫通部連結部
333’ :第1溝部連結部
334’ :第2溝部連結部
481’ :第1ワイヤ
482’ :第2ワイヤ
491’ :導電性接合材
492’ :接合材
501’ :リフレクタ
511’ :主面被覆部第1面
821’ :当接面
3111’ :主面部第1面
3112’ :主面部第1傾斜面
3121’ :主面部第2面
3122’ :主面部第2傾斜面
3215’ :凹部
3225’ :凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54