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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094456
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】靴支持部材及び靴浄化装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 61/04 20060101AFI20240703BHJP
   A47L 23/20 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A47B61/04 504A
A47L23/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022210997
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】外薗 泰介
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 友亮
(72)【発明者】
【氏名】安田 洸也
(72)【発明者】
【氏名】中村 芳紀
(72)【発明者】
【氏名】上林 弘和
(72)【発明者】
【氏名】藤井 貴英
(57)【要約】
【課題】靴の外部を乾燥させることができる靴支持部材及び靴浄化装置を提供する。
【解決手段】靴支持部材は、棒状の外形形状を有し、第1の方向に延び、第1の端部及び第2の端部を備え、第1の風を吹き出す第1の吹き出し口が前記第1の端部に形成された第1の部分と、棒状の外形形状を有し、前記第1の方向から傾斜した第2の方向に延び、第3の端部及び第4の端部を備え、前記第3の端部が前記第2の端部に接続される第2の部分と、を備える。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の外形形状を有し、第1の方向に延び、第1の端部及び第2の端部を備え、第1の風を吹き出す第1の吹き出し口が前記第1の端部に形成された第1の部分と、
棒状の外形形状を有し、前記第1の方向から傾斜した第2の方向に延び、第3の端部及び第4の端部を備え、前記第3の端部が前記第2の端部に接続される第2の部分と、
を備える靴支持部材。
【請求項2】
前記第1の吹き出し口は、前記第2の方向と平行をなす方向に前記第1の風を吹き出す
請求項1に記載の靴支持部材。
【請求項3】
第2の風を吹き出す第2の吹き出し口が前記第2の部分に形成される
請求項1又は2に記載の靴支持部材。
【請求項4】
前記第2の吹き出し口は、前記第4の端部に形成される吹き出し口を含む
請求項3に記載の靴支持部材。
【請求項5】
前記第1の部分は、前記第2の部分の延長線上から見て一方の側にあり、
前記第2の吹き出し口は、前記第2の部分から見て他方の側に向かって前記第2の風を吹き出す
請求項3に記載の靴支持部材。
【請求項6】
棒状の外形形状を有し、前記第1の方向から傾斜した第3の方向に延び、第5の端部及び第6の端部を備え、前記第6の端部が前記第1の端部に接続される第3の部分
を備える請求項1又は2に記載の靴支持部材。
【請求項7】
前記第3の部分は、可撓性を有する
請求項6に記載の靴支持部材。
【請求項8】
前記第3の部分は、伸縮可能である
請求項6に記載の靴支持部材。
【請求項9】
前記第4の端部に配置され紫外線を発する発光ダイオード
を備える請求項1又は2に記載の靴支持部材。
【請求項10】
第2の風を吹き出す第2の吹き出し口が前記第2の部分に形成され、
前記発光ダイオードに電気的に接続される配線を備え、
前記配線は、前記第2の吹き出し口を避けて配置される
請求項9に記載の靴支持部材。
【請求項11】
前記第1の部分は、前記第2の部分の延長線上から見て一方の側にあり、
前記発光ダイオードは、前記第2の部分から見て他方の側に向かって前記紫外線を発する
請求項9に記載の靴支持部材。
【請求項12】
第2の風を吹き出す吹き出し口が前記第4の端部に形成され、
前記発光ダイオードは、前記吹き出し口に配置される
請求項9に記載の靴支持部材。
【請求項13】
第2の風を吹き出す吹き出し口が前記第4の端部に形成され、
前記発光ダイオードは、前記第2の風により冷却される
請求項10に記載の靴支持部材。
【請求項14】
前記第4の端部に凹部が形成され、
前記発光ダイオードは、前記凹部に配置される
請求項10に記載の靴支持部材。
【請求項15】
前記凹部は、表面を有し、
前記第4の端部は、前記発光ダイオードに沿って配置される部分を備え前記表面から突出するリブを備える
請求項14に記載の靴支持部材。
【請求項16】
請求項1又は2に記載の靴支持部材と、
前記第1の風を生成する風を送る送風機構と、
を備える靴浄化装置。
【請求項17】
前記靴支持部材は、水平方向の一方の側から前記水平方向の他方の側に向かって突出する
請求項16に記載の靴浄化装置。
【請求項18】
前記送風機構は、前記風中にイオンを発生させるイオン発生装置を備える
請求項16に記載の靴浄化装置。
【請求項19】
請求項1に記載の靴支持部材と、
靴を収納する収納室が形成されたと、
を備え、
前記靴支持部材は、前記収納室に配置され、前記靴の内部に挿入されて前記靴を支持する
請求項16に記載の靴浄化装置。
【請求項20】
開口及び前記開口を経由して到達可能である収納室が形成された本体と、
前記開口を塞ぐ閉位置と前記開口を塞がない開位置との間で可動である扉と、
前記収納室に配置される複数の靴支持部材と、
電気回路と、
を備え、
前記複数の靴支持部材の各々は、請求項9に記載の靴支持部材であり、
前記複数の靴支持部材にそれぞれ備えられる複数の発光ダイオードは、電気的に直列接続されて、第1の端子を備え前記第1の端子に与えられた第1の電圧により駆動される発光ダイオード列を構成し、
前記電気回路は、
第2の端子を備え、前記発光ダイオード列に流れる電流の電流値が設定された電流値となるように前記第2の端子に与える第2の電圧の電圧値を調整し、前記第2の電圧の電圧値を設定された電圧値まで上げても前記電流値が前記設定された電流値に達しない場合に前記第2の電圧の電圧値を特定の電圧値まで下げるドライバと、
前記扉が前記閉位置に配置された場合に前記第1の端子を前記第2の端子と導通させ、前記扉が前記開位置に配置された場合に前記第1の端子を前記第2の端子と導通させないスイッチ回路と、
前記第1の電圧の電圧値に基づいて、前記扉が前記閉位置及び前記開位置のいずれに配置されているのかを判定し、前記発光ダイオード列の故障の有無を判定するコントローラと、
を備える
靴浄化装置。
【請求項21】
前記故障は、前記複数の発光ダイオードに含まれる発光ダイオードのオープン故障及びショート故障の少なくとも一方を含む
請求項20に記載の靴浄化装置。
【請求項22】
前記故障は、前記オープン故障及び前記ショート故障を含み、
前記コントローラは、前記第1の電圧の電圧値が前記特定の電圧値である場合は、前記オープン故障が有ると判定し、前記第1の電圧の電圧値が前記特定の電圧値より高く設定された電圧値以下である場合は、前記ショート故障が有ると判定する
請求項21に記載の靴浄化装置。
【請求項23】
前記コントローラは、前記扉が前記閉位置に配置されていると判定している間に、前記故障の有無を判定する
請求項20に記載の靴浄化装置。
【請求項24】
前記コントローラは、前記靴浄化装置が運転を行っている間に前記故障が有ると判定した場合に、前記靴浄化装置に前記運転を行うことを継続させ、前記靴浄化装置に次回の運転を行わせない
請求項23に記載の靴浄化装置。
【請求項25】
前記故障を報知する報知部を備え、
前記コントローラは、前記靴浄化装置が運転を行っている間に前記故障が有ると判定した場合に、前記報知部に前記故障を報知させる
請求項23に記載の靴浄化装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、靴支持部材及び靴浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、靴乾燥用アタッチメントを開示する。当該靴乾燥用アタッチメントにおいては、ノズル本体が、への字状に形成される。ノズル本体の一方の片は、ノズル部である。ノズル本体の他方の片は、姿勢安定具の装着部である。ノズル部は、布団乾燥機から送り込まれた風の吹出口を有する。靴乾燥用アタッチメントは、その先端側よりロングブーツの縦筒部内に挿入される。これにより、ノズル本体が靴内底部へ移動する(段落0010及び0015)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-276496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された靴乾燥用アタッチメントは、ロングブーツの内部を乾燥させることができるが、ロングブーツの外部を乾燥させることができない。
【0005】
本開示の一態様は、この問題に鑑みてなされた。本開示の一態様は、例えば、靴の外部を乾燥させることができる靴支持部材及び靴浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様の靴支持部材は、棒状の外形形状を有し、第1の方向に延び、第1の端部及び第2の端部を備え、第1の風を吹き出す第1の吹き出し口が前記第1の端部に形成された第1の部分と、棒状の外形形状を有し、前記第1の方向から傾斜した第2の方向に延び、第3の端部及び第4の端部を備え、前記第3の端部が前記第2の端部に接続される第2の部分と、を備える。
【0007】
本開示の第2の態様の靴浄化装置は、本開示の第1の態様の靴支持部材と、前記第1の風を生成する風を送る送風機構と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の靴浄化装置を右前の上方から見下ろした状態を模式的に図示する斜視図である。
図2】第1実施形態の靴浄化装置を右前の上方から見下ろした状態を模式的に図示する斜視図である。
図3】第1実施形態の靴浄化装置を左後の下方から見上げた状態を模式的に図示する斜視図である。
図4】第1実施形態の靴浄化装置を左後の下方から見上げた状態を模式的に図示する分解斜視図である。
図5】第1実施形態の靴浄化装置を右前の上方から見下ろした状態を模式的に図示する分解斜視図である。
図6】第1実施形態の靴浄化装置の、当該靴浄化装置に備えられる送風機及び第2のダクト状構造の付近を模式的に図示する分解斜視図である。
図7】第1実施形態の靴浄化装置に備えらえる靴支持部材を模式的に図示する前面図である。
図8】第1実施形態の靴浄化装置に備えらえる靴支持部材を模式的に図示する下面図である。
図9】第1実施形態の靴浄化装置に備えらえる靴支持部材を模式的に図示する分解斜視図である。
図10】第1実施形態の靴浄化装置の、当該靴浄化装置に備えられる靴支持部材の付近を模式的に図示する上面図である。
図11】第1実施形態の靴浄化装置の、当該靴浄化装置に備えられる靴支持部材の付近を模式的に図示する上面図である。
図12】第1実施形態の靴浄化装置の、当該靴浄化装置に備えられる靴支持部材の付近を模式的に図示する前面図である。
図13】第1実施形態の靴浄化装置の、当該靴浄化装置に備えられる靴支持部材の付近を模式的に図示する前面図である。
図14】第1実施形態の変形例の靴浄化装置に備えらえる靴支持部材及び風向変更体を模式的に図示する前面図である。
図15】第1実施形態の靴浄化装置の制御系のブロック図である。
図16】第1実施形態の靴浄化装置の制御系の回路図である。
図17】第1実施形態の靴浄化装置に備えられるコントローラにより行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
1 第1実施形態
1.1 靴浄化装置
図1及び図2は、第1実施形態の靴浄化装置を右前の上方から見下ろした状態を模式的に図示する斜視図である。図3は、第1実施形態の靴浄化装置を左後の下方から見上げた状態を模式的に図示する斜視図である。図1及び図3は、第1実施形態の靴浄化装置に備えられる扉が閉じられた状態を図示する。図2は、第1実施形態の靴浄化装置に備えられる扉が開かれた状態を図示する。
【0011】
図1図2及び図3に図示される第1実施形態の靴浄化装置1は、靴を収容し、収容した靴を乾燥させ、収容した靴を除菌及び消臭する。靴浄化装置1は、直方体状の外形形状を有する。このため、靴浄化装置1は、高さ方向H、奥行方向D及び幅方向Wを有する。靴浄化装置1は、高さ方向Hが鉛直方向となり、奥行方向D及び幅方向Wが水平方向となるように置かれる。靴浄化装置1は、半足の靴81の内部及び外部の両方を乾燥させることができる。
【0012】
図1図2及び図3に図示されるように、靴浄化装置1は、本体21、扉22及びヒンジ23を備える。
【0013】
1.2 本体
図1図2及び図3に図示されるように、本体21は、筐体41を備える。
【0014】
筐体41には、開口41a、複数の収納室41b、吸気口41c及び排気口41dが形成される。
【0015】
開口41aは、本体21の表面に形成される。開口41aは、奥行方向Dの手前側に形成される。複数の収納室41bは、本体21の内部に形成される。複数の収納室41bは、開口41aを経由して到達可能である。これにより、本体21の外部から開口41aを経由して複数の収納室41bに半足の靴81を入れることができる。また、複数の収納室41bから開口41aを経由して本体21の外部に半足の靴81を出すことができる。
【0016】
複数の収納室41bは、高さ方向Hに重ねられる。複数の収納室41bが高さ方向Hに重ねられた場合は、複数の収納室41bが奥行方向D及び/又は幅方向Wに配列された場合と比較して、靴浄化装置1の奥行方向D及び/又は幅方向Wのサイズを小さくすることができる。
【0017】
複数の収納室41bの各々は、半足の靴81を横向きに収納する。したがって、複数の収納室41bの各々は、半足の靴81の足幅方向が奥行方向Dに一致する状態で半足の靴81を収納する。複数の収納室41bの各々が半足の靴81を収納する場合は、複数の収納室41bの各々が1足の靴を収納する場合と比較して、複数の収納室41bの各々の奥行方向D及び/又は幅方向Wのサイズを小さくすることができる。これにより、靴浄化装置1の奥行方向D及び/又は幅方向Wのサイズを小さくすることができる。複数の収納室41bの各々が半足の靴81の足幅方向が奥行方向Dに一致する状態で半足の靴81を収納する場合は、複数の収納室41bの各々が半足の靴81の足長方向が奥行方向Dに一致する状態で半足の靴81を収納する場合と比較して、複数の収納室41bの各々の奥行方向Dのサイズを小さくすることができる。なぜならば、半足の靴81の足幅方向のサイズは、半足の靴81の足長方向のサイズより小さいためである。
【0018】
複数の収納室41bは、望ましくは、偶数個の収納室である。これにより、靴浄化装置1が1足の靴の片方を収納することができくなることを抑制することができる。第1実施形態においては、複数の収納室41bは、4つの収納室である。これにより、靴浄化装置1は、2足の靴を収納することができる。複数の収納室41bが、6つ以上の収納室であってもよい。
【0019】
複数の収納室41bは、互いに異なる高さを有する2つの収納室41b1及び41b2を含む。これにより、靴浄化装置1が様々な高さを有する靴を収容することができるようにしながら、靴浄化装置1の高さを抑制することができる。例えば、靴浄化装置1が短靴及びハイカットスニーカー、ブーツ等の長靴を収容することができるようにしながら、靴浄化装置1の高さを抑制することができる。複数の収納室41bが、互いに異なる高さを有する3つ以上の収納室を含んでもよい。
【0020】
吸気口41cは、本体21の表面に形成される。吸気口41cは、幅方向Wの一方の側に形成される。本体21は、吸気口41cから空気を吸気し、吸気した空気を吸気口41cから複数の収納室41bまで導く。吸気口41cは、本体21の外部に露出する。これにより、本体21は、本体21の外部から複数の収納室41bまで空気を導く。
【0021】
排気口41dは、本体21の表面に形成される。排気口41dは、高さ方向Hの下側に形成される。本体21は、複数の収納室41bから排気口41dまで空気を導き、導いた空気を排気口41dから排気する。排気口41dは、本体21の外部に露出する。これにより、本体21は、複数の収納室41bから本体21の外部まで空気を導く。
【0022】
1.3 箱
図1図2及び図3に図示されるように、筐体41及び扉22は、箱61を構成する。このため、靴浄化装置1は、箱型の靴浄化装置である。箱61は、前面61a、背面61b、一方の側面61c、他方の側面61d、上面61e及び下面61fを有する。背面61b、一方の側面61c、他方の側面61d、上面61e及び下面61fは、本体21にある。
【0023】
1.4 筐体
図1図2及び図3に図示されるように、筐体41は、ベース141、前壁142、後壁143、他方の側壁145、上壁146及び底壁147を備える。
【0024】
ベース141は、本体21の骨格となる。ベース141には、前壁142、後壁143、他方の側壁145、上壁146及び底壁147が取り付けられる。ベース141には、本体21に備えられるその他の要素も取り付けられる。ベース141は、一方の側壁144を備える。
【0025】
前壁142、後壁143、一方の側壁144、他方の側壁145及び上壁146は、板状の形状を有する。底壁147は、トレー状の形状を有する。
【0026】
前壁142、後壁143、一方の側壁144、他方の側壁145、上壁146及び底壁147は、靴浄化装置1の表面に露出する外装を構成する。前壁142は、奥行方向Dの手前側にある。後壁143は、奥行方向Dの奥側にある。一方の側壁144は、幅方向Wの一方の側にある。他方の側壁145は、幅方向Wの他方の側にある。上壁146は、高さ方向Hの上側にある。底壁147は、高さ方向Hの下側にある。
【0027】
前壁142は、幅方向Wの他方の側寄りにある。一方の側壁144は、奥行方向Dの奥側寄りにある。このため、開口41aは、奥行方向Dの手前側及び幅方向Wの一方の側に跨って形成される。前壁142は、奥行方向Dの前側であって幅方向Wの他方の側において開口41aを定義する壁端部161を備える。一方の側壁144は、幅方向Wの一方の側であって奥行方向Dの奥側において開口41aを定義する壁端部162を備える。
【0028】
1.5 扉及びヒンジ
扉22は、図1に図示される、開口41aを塞ぐ閉位置181と、図2に図示される、開口41aを塞がない開位置182と、の間で可動である。扉22は、複数の収納室41bに収納された半足の靴81が乾燥させられる場合は、閉位置181に配置される。扉22は、開口41aを経由して半足の靴81が出し入れされる場合は、開位置182に配置される。開位置182は、幅方向Wの一方の側にある。
【0029】
扉22は、片開きの開き扉である。ヒンジ23は、扉22を壁端部162に接続する。これにより、扉22は、壁端部162の付近の回転軸を中心として回転可能である。このため、扉22は、閉位置181から奥行方向Dの手前側に開く。扉22が、両開きの開き扉、片開きの引き扉、両開きの引き扉等であってもよい。靴浄化装置1が、扉22に代えて、複数の収納室41bがそれぞれ形成された複数の引き出しを備えてもよい。
【0030】
扉22の回転軸の位置を決める壁端部162は、奥行方向Dの奥側寄りにある。これにより、扉22が開位置182に配置された場合における、本体21から奥行方向Dの前側への扉22の飛び出しサイズを小さくすることができる。
【0031】
1.6 送風機構及び靴支持部材
図4は、第1実施形態の靴浄化装置を左後の下方から見上げた状態を模式的に図示する分解斜視図である。図5は、第1実施形態の靴浄化装置を右前の上方から見下ろした状態を模式的に図示する分解斜視図である。図4は、第1実施形態の靴浄化装置に備えられる後壁及び底壁が当該靴浄化装置に備えられる残余部から取り外された状態を図示する。図5は、第1実施形態の靴浄化装置に備えられる他方の側壁が当該靴浄化装置に備えられる残余部から取り外された状態を図示する。
【0032】
図4及び図5に図示されるように、本体21は、送風機構221及び複数の靴支持部材222を備える。
【0033】
送風機構221は、複数の靴支持部材222に含まれる各靴支持部材222に風を送る。
【0034】
複数の靴支持部材222は、複数の収納室41bにそれぞれ配置される。2つ以上の靴支持部材222が1つの収納室41bに配置されてもよい。複数の靴支持部材222は、送られてきた複数の風をそれぞれ吹き出す。これにより、複数の靴支持部材222は、複数の風を複数の収納室41bにそれぞれ吹き出す。
【0035】
複数の靴支持部材222は、複数の収納室41bに収納された半足の靴81の内部にそれぞれ挿入されて、複数の収納室41bに収納された半足の靴81をそれぞれ支持する。複数の靴支持部材222は、複数の収納室41bに収納された半足の靴81に複数の風をそれぞれ吹き付けて、複数の収納室41bに収納された半足の靴81を乾燥させる。
【0036】
図4及び図5に図示されるように、送風機構221は、第1のダクト状構造241、イオン発生装置242、電源243、送風機244及び第2のダクト状構造245を備える。第2のダクト状構造245は、筐体41の一部である。
【0037】
第1のダクト状構造241には、吸気風路241aが形成される。吸気風路241aは、吸気口41cから送風機244に至る。これにより、吸気風路241aは、吸気口41cから送風機244まで風を導き、本体21の外部から送風機244まで風を導く。吸気風路241aは、箱61の背面61bに沿って形成される。吸気口41c及び送風機244は、幅方向Wについて互いに異なる位置に配置される。また、吸気口41c及び送風機244は、高さ方向H及び奥行方向Dについて同じ位置に配置される。このため、吸気口41cから送風機244に至る吸気風路241a及びそれが形成された第1のダクト状構造241は、幅方向Wに伸びる。吸気口41cは、一方の側壁144に形成され、送風機244は、他方の側壁145に沿って配置される。これにより、吸気風路241aの長さを長くすることができる。これにより、吸気風路241aは、導く風を整流することができる。
【0038】
イオン発生装置242は、イオンを発生させる。イオン発生装置242は、吸気風路241aに配置される。これにより、イオン発生装置242は、吸気風路241aにより導かれる風中にイオンを発生させる。これにより、複数の靴支持部材222は、複数の収納室41bに収納された半足の靴81に、風とともに発生させたイオンを吹き付ける。これにより、靴浄化装置1は、半足の靴81を除菌及び消臭することができる。イオン発生装置242は、吸気口41cから離して配置される。例えば、イオン発生装置242は、吸気口41c及び送風機244の中間位置より送風機244寄りに配置される。これにより、イオン発生装置242は、整流された風中にイオンを発生させることができる。
【0039】
電源243は、送風機244に電力を供給する。電源243には、電源アダプタ261が接続される。電源243は、接続された電源アダプタ261から供給された直流電力から、送風機244に供給する直流電力を生成する。電源243が、商用電源から供給された交流電力を直流電力に変換し、当該直流電源から送風機244に供給する直流電力を生成してもよい。
【0040】
送風機244は、供給された電力を消費して、送風機構221により送られる風を送る。
【0041】
図6は、第1実施形態の靴浄化装置の、当該靴浄化装置に備えられる送風機及び第2のダクト状構造の付近を模式的に図示する分解斜視図である。図6は、第2のダクト状構造に備えられるダクトカバーが当該第2のダクト状構造に備えられる残余部から取り外された状態を図示する。
【0042】
図6に図示されるように、送風機244は、吹き出し口244aを有する。送風機244は、送る風を吹き出し口244aから吹き出す。
【0043】
第2のダクト状構造245には、複数の風路245aが形成される。複数の風路245aは、吹き出し口244aに面する空間245bにおいて分岐して複数の収納室41bにそれぞれ至る。これにより、複数の風路245aは、吹き出された風を分流させて生成した複数の風を複数の収納室41bまでそれぞれ導く。複数の風路245aは、複数の収納室41bより幅方向Wの他方の側にある。このため、複数の風路245aは、靴浄化装置1の奥行方向Dのサイズを大きくさせない。複数の風路245aは、箱61の他方の側面61dに沿って形成される。ベース141は、複数の収納室41bの内部と複数の収納室41bの外部とを隔てる第1の隔壁281を備える。第2のダクト状構造245は、第1の隔壁281の外面に形成された溝状構造301及びダクトカバー302により構成される。ダクトカバー302は、溝状構造301に形成された開口を塞ぐ。複数の風路245aは、複数のノズル246にそれぞれ接続される。このため、複数の風路245aは、複数のノズル246まで複数の風をそれぞれ導く。
【0044】
複数の風路245aの数は、複数の収納室41bの数に一致する。そして、複数の収納室41bは、上述したように、望ましくは、偶数個の収納室である。このため、複数の風路245aも、望ましくは、偶数個の風路である。複数の収納室41bは、4つの収納室である。このため、複数の風路245aは、4つの風路である。
【0045】
1.7 排気機構
図4に図示されるように、本体21は、排気機構341を備える。
【0046】
排気機構341は、複数の収納室41bから本体21の外部まで排気風を導く。
【0047】
排気機構341は、第3のダクト状構造361及び脱臭フィルタ362を備える。
【0048】
第3のダクト状構造361には、排気風路361aが形成される。排気風路361aは、複数の収納室41bから排気口41dに至る。これにより、排気風路361aは、複数の収納室41bから排気口41dまで排気風を導き、複数の収納室41bから本体21の外部まで排気風を導く。排気風路361aは、複数の収納室41bからそれぞれ到来した複数の排気風を合流させて生成した排気風を本体21の外部まで導く。排気風路361aは、箱61の背面61bに沿って形成される。排気口41dは、高さ方向Hの下側に形成される。このため、複数の収納室41bから排気口41dに至る排気風路361a及びそれが形成された第3のダクト状構造361は、高さ方向Hに伸びる。ベース141は、複数の収納室41bの内部と複数の収納室41bの外部とを隔てる第2の隔壁381を備える。排気風路361aは、第2の隔壁381及び後壁143により挟まれる。第2の隔壁381には、複数の貫通孔401が形成される。複数の貫通孔401は、複数の収納室41bを排気風路361aにそれぞれ接続する。第1実施形態においては、複数の貫通孔401は4つの貫通孔である。
【0049】
排気風路361aは、複数の収納室41bより奥行方向Dの奥側にある。排気風路361aが複数の収納室41bより奥行方向Dの奥側にあることは、靴浄化装置1の奥行方向Dのサイズを大きくする。しかし、排気風路361aが複数の収納室41bより奥行方向Dの奥側にあることよる靴浄化装置1の奥行方向Dのサイズの増加は、複数の収納室41bが高さ方向Hに重ねられることによる靴浄化装置1の奥行方向Dのサイズの減少より小さい。また、排気風路361aが複数の収納室41bより奥行方向Dの奥側にあることにより、複数の収納室41bが高さ方向Hに重ねられることによる靴浄化装置1の転倒しやすさを解消することができる。
【0050】
複数の収納室41bに複数の風をそれぞれ導く複数の風路245aは、複数の収納室41bより幅方向Wの他方の側すなわち半足の靴81のかかと81e側にある。このため、複数の収納室41bから排気風を導く排気風路361aは、複数の収納室41bより幅方向Wの一方の側すなわち半足の靴81のつま先81d側にあってもよい。しかし、排気風路361aが複数の収納室41bより幅方向Wの一方の側にある場合は、複数のノズル246に半足の靴81を支持させるときに幅方向Wの一方の側から幅方向Wの他方の側に動かされる半足の靴81が排気機構341に干渉しやすくなる。これに対して、排気風路361aが複数の収納室41bより奥行方向Dの奥側にある場合は、複数のノズル246に半足の靴81を支持させるときに幅方向Wの一方の側から幅方向Wの他方の側に動かされる半足の靴81が排気機構341に干渉しにくくなる。
【0051】
第1のダクト状構造241は、排気風路361aを通る。これにより、第1のダクト状構造241に形成された吸気風路241aにより導かれる風により流される空気と、排気風路361aにより導かれる排気風により流される空気と、の間で熱交換を行わせることが容易になる。これにより、半足の靴81の乾燥を促進するために前者の空気が加熱される場合に、後者の空気から前者の空気に熱を移動させることができる。これにより、熱が靴浄化装置1の外部に排熱されて無駄になることを抑制することができる。
【0052】
脱臭フィルタ362は、脱臭フィルタ362を通過する風により流される空気から臭気成分を除去する。脱臭フィルタ362は、排気風路361aに配置される。このため、脱臭フィルタ362は、排気風路361aにより導かれる排気風を通過させる。このため、排気風路361aにより導かれる排気風により流される空気から臭気成分を除去する。これにより、靴を乾燥させる際に発生する臭気が、排気口41dから排気される空気により靴浄化装置1が置かれる空間に拡散することを抑制することができる。脱臭フィルタ362は、例えば、排気口41dに沿って配置される。脱臭フィルタ362は、活性炭フィルタ等である。
【0053】
排気口41dは、靴浄化装置1が置かれる面に向けて排気風を排気する。これにより、靴浄化装置1が置かれる空間に排気風が拡散することを抑制することができる。吸気口41cは、第1の面積を有する。排気口41dは、第1の面積より大きい第2の面積を有する。これにより、排気口41dにより排気される排気風の風量を小さくすることができる。これにより、靴浄化装置1が置かれる空間に排気風が拡散することを抑制することができる。
【0054】
1.8 靴支持部材
図7は、第1実施形態の靴浄化装置に備えらえる靴支持部材を模式的に図示する前面図である。図8は、第1実施形態の靴浄化装置に備えらえる靴支持部材を模式的に図示する下面図である。図9は、第1実施形態の靴浄化装置に備えらえる靴支持部材を模式的に図示する分解斜視図である。図7は、第1実施形態の靴浄化装置に備えらえる靴支持部材が半足の靴の内部に挿入された状態を図示する。
【0055】
図7から図9までに図示されるように、複数の靴支持部材222に含まれる各靴支持部材222は、曲棒状の形状を有する。各靴支持部材222は、幅方向Wの他方の側から幅方向Wの一方の側に向かって突出し、水平方向の一方の側から水平方向の他方の側に向かって突出する。このため、各靴支持部材222に半足の靴81を支持させる場合は、幅方向Wの一方の側から幅方向Wの他方の側に向かって半足の靴81が動かされ、水平方向に半足の靴81が動かされる。各靴支持部材222が水平方向の一方の側から水平方向の他方の側に向かって突出することにより、送風機構221が半足の靴81より鉛直方向の下側に配置されることを回避することができる。これにより、半足の靴81から滴り落ちた水滴が送風機構221に侵入して送風機構221を故障させることを抑制することができる。
【0056】
開口41aは、幅方向Wの一方の側まで広がる。これにより、幅方向Wの一方の側から幅方向Wの他方の側に向かって半足の靴81が動かされる場合に半足の靴81が一方の側壁144と干渉しにくくなる。これにより、複数の靴支持部材222に半足の靴81を支持させることが容易になる。
【0057】
各靴支持部材222の形状及びサイズは、各靴支持部材222に支持させる 半足の靴81に応じてそれぞれ決められる。例えば、各靴支持部材222の長さは、各靴支持部材222に支持させる半足の靴81がブーツである場合は、長くされる。
【0058】
図7から図9までに図示されるように、各靴支持部材222は、第1の部分421、第2の部分422及び第3の部分423を備える。
【0059】
第1の部分421は、棒状の外形形状を有する。第1の部分421は、まっすぐな棒状の外形形状を有する。第1の部分421は、第1の方向D1に延びる。第1の部分421は、第1の端部431及び第2の端部432を備える。
【0060】
第1の部分421は、管状の形状を有する。このため、第1の部分421には、第1の風路421aが形成される。第1の風路421aは、第1の方向D1に延びる。第1の風路421aは、第1の端部431から第2の端部432に至る。
【0061】
第1の部分421には、第1の吹き出し口421bが形成される。第1の吹き出し口421bは、第1の端部431に形成される。第1の吹き出し口421bは、第1の風路421aから第1の部分421の外部に至る。
【0062】
下述する第3の風路423aにより第1の端部431まで導かれてきた風の一部は、第1の吹き出し口421bにより第1の部分421の外側に吹き出される。第1の端部431まで導かれてきた風の一部は、第1の風路421aにより第2の端部432まで導かれる。これにより、第1の部分421は、第1の吹き出し口421bにより第1の部分421の外側に吹き出される第1の風441及び第1の風路421aにより第2の端部432まで導かれる第2の風442を生成する。
【0063】
第2の部分422は、棒状の外形形状を有する。第2の部分422は、まっすぐな棒状の外形形状を有する。第2の部分422は、第2の方向D2に延びる。第2の部分422は、第3の端部433及び第4の端部434を備える。第2の部分422の第3の端部433は、第1の部分421の第2の端部432に接続される。第2の方向D2は、第1の方向D1から傾斜する。第2の方向D2は、例えば、第1の方向D1から20°以上70°以下傾斜する。
【0064】
各靴支持部材222は、第1の部分421及び第2の部分422の境界において曲がっている。これにより、各靴支持部材222の外形形状を半足の靴81に適合する形状に近づけることができる。また、第1の部分421及び第2の部分422は、半足の靴81の内部の径より小さいの径を有する。これらにより、各靴支持部材222を半足の靴81の内部に挿入することが容易になる。また、各靴支持部材222が半足の靴81の内部に挿入された場合に各靴支持部材222が半足の靴81を圧迫することを抑制することができる。これにより、各靴支持部材222が半足の靴81の内部に挿入された場合に半足の靴81が型崩れすることを抑制することができる。
【0065】
第2の部分422は、管状の形状を有する。このため、第2の部分422には、第2の風路422aが形成される。第2の風路422aは、第2の方向D2に延びる。第2の風路422aは、第3の端部433から第4の端部434に至る。第2の風路422aは、第1の部分421の第2の端部432及び第2の部分422の第3の端部433の接続点において第1の風路421aに接続される。
【0066】
第2の部分422には、第2の吹き出し口422bが形成される。第2の吹き出し口422bは、第4の端部434に形成される吹き出し口422dを含む。第2の吹き出し口422bは、第2の風路422aから第2の部分422の外部に至る。第2の吹き出し口422bが、第3の端部433に形成される吹き出し口422cを含んでもよい。第2の吹き出し口422bが吹き出し口422cを含む場合は、吹き出し口422cは、第2の風路422aから第2の部分422の外部に至る。
【0067】
第1の風路421aにより第3の端部433まで導かれてきた第2の風442は、第2の風路422aにより第4の端部434まで導かれ、吹き出し口422dにより第2の部分422の外側に吹き出される。第2の吹き出し口422bが吹き出し口422cを含む場合は、第2の風442は、吹き出し口422cによっても第2の部分422の外側に吹き出される。
【0068】
各靴支持部材222が半足の靴81の内部に挿入された場合は、第1の部分421が半足の靴81の履き口81aを貫通する。第1の端部431は、半足の靴81の外部に配置される。第2の端部432は、半足の靴81の内部に配置される。第2の部分422は、半足の靴81の内部に配置される。第2の部分422が延びる第2の方向D2は、半足の靴81の足長方向に概ね一致する。第4の端部434は、半足の靴81のつま先81dの付近に配置される。
【0069】
第1の吹き出し口421bは、第2の部分422が延びる第2の方向D2と平行をなす方向に第1の風441を吹き出す。これにより、第1の風441は、半足の靴81のアッパー81bの上面に沿って進む。これにより、第1の風441は、半足の靴81のアッパー81bを中心に半足の靴81の外部を乾燥させる。第1の風441は、半足の靴81の外部を乾燥させることにより発生した高い湿度を有する空気を半足の靴81に近い場所から半足の靴81から遠い場所へ吹き飛ばす。これにより、各靴支持部材222が収納室41bのような閉空間に配置されるにもかかわらず、半足の靴81を効率よく乾燥させることができる。
【0070】
第1の部分421は、第2の部分422の延長線上からみて一方の側にある。吹き出し口422dは、第2の部分422から見て他方の側に向かって第2の風442を吹き出す。一方の側は、高さ方向Hの上側となる。他方の側は、高さ方向Hの下側となる。これにより、吹き出し口422dにより吹き出される第2の風442は、半足の靴81のつま先81dの付近において半足の靴81のインソール81cの上面に向かって進んでインソール81cの上面に当たり、インソール81cの上面に当たった後にインソール81cの上面に沿って半足の靴81のつま先81dの付近から半足の靴81のかかと81eの付近へ向かって進む。これにより、第2の風442は、半足の靴81のインソール81cを中心に半足の靴81の内部を乾燥させる。
【0071】
吹き出し口422dは、最も乾燥させにくい、半足の靴81のつま先81dの付近において第2の風442を吹き出す。これにより、最も乾燥させにくい、半足の靴81のつま先81dの付近に直接的に第2の風442を送ることができる。これにより、半足の靴81を効率よく乾燥させることができる。また、半足の靴81のつま先81dの付近から半足の靴81のかかと81eの付近及び履き口81aを順次に経由して半足の靴81の外部へ第2の風442を送ることができる。これにより、半足の靴81の内部を乾燥させることにより発生した高い湿度を有する空気を半足の靴81の内部から半足の靴81の外部へ効率よく排出することができる。これにより、半足の靴81を効率よく乾燥させることができる。
【0072】
半足の靴81を乾燥させる第1の風441及び第2の風442をそれぞれ吹き出す第1の吹き出し口421b及び第2の吹き出し口422bが各靴支持部材222に形成されることにより、各靴支持部材222を半足の靴81の内部に挿入するだけで、半足の靴81の位置をセンサ等で検出することなく、各靴支持部材222を第1の風441及び第2の風442で乾燥させることができる位置に配置することができる。
【0073】
第3の部分423は、棒状の外形形状を有する。第3の部分423は、まっすぐな棒状の外形形状を有する。第3の部分423は、第3の方向D3に延びる。第3の部分423は、第5の端部435及び第6の端部436を備える。第3の部分423の第5の端部435は、第2のダクト状構造245に接続される。第3の部分423の第6の端部436は、第1の部分421の第1の端部431に接続される。第3の方向D3は、第1の方向D1から傾斜する。第3の方向D3は、例えば、第1の方向D1から20°以上70°以下傾斜する。
【0074】
各靴支持部材222は、第1の部分421及び第3の部分423の境界において曲がっている。
【0075】
第3の部分423は、管状の形状を有する。このため、第3の部分423には、第3の風路423aが形成される。第3の風路423aは、第3の方向D3に延びる。第3の風路423aは、第5の端部435から第6の端部436に至る。第3の風路423aは、第3の部分423の第6の端部436及び第1の部分421の第1の端部431の接続点において第1の風路421aに接続される。
【0076】
風路245aにより第5の端部435まで導かれてきた風は、第3の風路423aにより第6の端部436まで導かれる。
【0077】
第3の部分423は、可撓性を有し、伸縮可能である。これにより、半足の靴81の内部に挿入される第1の部分421及び第2の部分422を可動にすることができる。これにより、本体21を傾けたりすることなく、半足の靴81の内部に第1の部分421及び第2の部分422を挿入することができる。また、各靴支持部材222の長さを調整することができる。これにより、各靴支持部材222に、短靴、ハイカットスニーカー、ブーツ等の長靴等の様々な靴を支持させることができる。
【0078】
図10及び図11は、第1実施形態の靴浄化装置の、当該靴浄化装置に備えられる靴支持部材の付近を模式的に図示する上面図である。図12及び図13は、第1実施形態の靴浄化装置の、当該靴浄化装置に備えられる靴支持部材の付近を模式的に図示する前面図である。図10及び図12は、靴支持部材が動かされていない状態を図示する。図11及び図13は、靴支持部材が動かされた状態を図示する。
【0079】
各靴支持部材222は、図10に図示される第1の位置561と、図11に図示される、第1の位置561より奥行方向Dの手前側にある第2の位置562と、の間で可動である。これにより、各靴支持部材222を半足の靴81の内部に挿入する際に各靴支持部材222を開口41aの近く又は開口41aより外側に移動させることができる。これにより、各靴支持部材222を半足の靴81の内部に挿入することが容易になる。
【0080】
また、各靴支持部材222は、図12に図示される第1の位置581と、図13に図示される、第1の位置581より高さ方向Hの下側にある第2の位置582と、の間で可動である。これにより、各靴支持部材222をハイカットスニーカー、ブーツ等の長靴の内部に挿入する際に各靴支持部材222を高さ方向Hの下側にある第2の位置582に移動させることができる。これにより、各靴支持部材222をハイカットスニーカー、ブーツ等の長靴の内部に挿入することが容易になる。
【0081】
図8及び図9に図示されるように、各靴支持部材222は、配線461及び発光ダイオード462を備える。
【0082】
配線461は、発光ダイオード462に電気的に接続される。配線461は、発光ダイオード462まで電力を伝送する。配線461は、第2の風路422a、第1の風路421a及び第3の風路423aに跨って配置される。配線461は、第2の吹き出し口422bを避けて配置される。これにより、配線461が第2の風442の吹き出しを妨げることを抑制することができる。
【0083】
発光ダイオード462は、伝送されてきた電力を消費して紫外線を発する。
【0084】
発光ダイオード462は、第4の端部434に配置される。これにより、臭気の原因となる菌が多く存在する、半足の靴81の内部のつま先81dの付近に紫外線を直接的に照射することができる。これにより、半足の靴81を効率よく脱臭することができる。
【0085】
上述したように、第1の部分421は、第2の部分422の延長線上からみて一方の側にある。発光ダイオード462は、第2の部分422から見て他方の側に向かって紫外線を発する。一方の側は、高さ方向Hの上側となる。他方の側は、高さ方向Hの下側となる。これにより、発せられた紫外線は、半足の靴81のつま先81dの付近において半足の靴81のインソール81cの上面に向かって進む。
【0086】
発光ダイオード462は、吹き出し口422dに配置される。これにより、発光ダイオード462は、吹き出し口422dにより吹き出される第2の風442にさらされる。これにより、発光ダイオード462は、第2の風442により冷却される。これにより、熱がこもりやすい半足の靴81の内部に配置された発光ダイオード462が熱により故障することを抑制することができる。
【0087】
発光ダイオード462が第2の風442により冷却される場合は、第2の風442が発光ダイオード462により加熱される。このため、送風機構221が、送る風を加熱するヒータを備えない場合であっても、半足の靴81の内部を乾燥させる第2の風442の温度を高くすることができる。これにより、半足の靴81の内部を効率よく乾燥させることができる。
【0088】
第4の端部434には、凹部434aが形成される。凹部434aは、凹部434aの周辺の平坦面434bから凹んでいる。発光ダイオード462は、凹部434aに配置される。これにより、発光ダイオード462が平坦面434bから突出することを抑制することができる。これにより、ユーザの手等が発光ダイオード462に当たって発光ダイオード462が損傷することを抑制することができる。
【0089】
凹部434aは、円状の平面形状を有する。凹部434aの深さは、円状の平面形状の中心に近づくにつれて連続的に深くなり、当該中心において最も深くなる。発光ダイオード462は、当該中心に配置される。これにより、ユーザの手等が発光ダイオード462に当たって発光ダイオード462が損傷することをさらに抑制することができる。この場合は、吹き出し口422dは、当該中心に形成される。
【0090】
図7及び図8に図示されるように、第4の端部434は、リブ475を備える。リブ475は、凹部434aの表面から突出する。リブ475は、円状の平面形状の径方向に伸びる。リブ475の一方の端部は、円状の平面形状の中心に沿って配置される。リブ475の他方の端部は、円状の平面形状の周に沿って配置される。このため、発光ダイオード462が当該中心に配置された場合は、リブ475の一方の端部は、発光ダイオード462に沿って配置される部分となる。発光ダイオード462に沿って配置される部分は、ユーザの手等が発光ダイオード462に当たって発光ダイオード462が損傷することを抑制する。
【0091】
図14は、第1実施形態の変形例の靴浄化装置に備えられる靴支持部材及び風向変更体を模式的に図示する前面図である。
【0092】
図14に図示されるように、本体21が、風向変更体471を備えてもよい。
【0093】
風向変更体471は、第1の風441の風向きを、第2の方向D2から半足の靴81のアッパー81bに向かう方向に変更する。これにより、半足の靴81のアッパー81bに当たる風を増やすことができる。これにより、半足の靴81のアッパー81bをより効率的に乾燥することができる。
【0094】
風向変更体471は、半足の靴81より高さ方向Hの上側であって半足の靴81のつま先81dの付近に配置される。風向変更体471は、風向変更面471aを有する。風向変更面471aは、幅方向Wの他方の側から幅方向Wの一方の側に進むにつれて高さ方向Hの下側に下がる。風向変更体471は、第1の風441が風向変更面471aに当たる位置に配置される。第1の風441は、風向変更面471aに当たり、風向変更面471aに当たった後に風向変更面471aに沿って進む。これにより、風向変更体471は、第1の風441の風向きを、第2の方向D2から半足の靴81のアッパー81bに向かう方向に変更する。風向変更体471は、三角柱状の形状を有する。風向変更体471が、三角柱状の形状以外の形状を有してもよい。例えば、風向変更体471が、板状の形状を有してもよい。
【0095】
1.9 棚板
図2及び図5に図示されるように、本体21は、複数の棚板601を備える。
【0096】
複数の棚板601に含まれる各棚板601は、複数の収納室41bに含まれる隣接するふたつの収納室41bを区切る。
【0097】
第1実施形態においては、複数の棚板601は、3つの棚板である。複数の棚板601の数は、複数の収納室41bの数に応じて変化する。このため、複数の棚板601が、2つ以下の棚板又は4つ以上の棚板である場合もある。
【0098】
複数の棚板601は、高さ方向Hと垂直をなす。
【0099】
各棚板601は、筐体41に着脱可能である。これにより、各棚板601を筐体41から脱着して各棚板601により区切られていたふたつの収納室41bをあわせた広い収納室を形成することができる。これにより、ハイカットスニーカー、ブーツ等の長靴を収納することができる収納室を形成することができる。また、各棚板601が半足の靴81の底面に付着していた土、小石等により汚れた場合に、各棚板601を筐体41から脱着して清掃することができる。これにより、各棚板601を容易に清掃することができる。
【0100】
1.10 制御系
図15は、第1実施形態の靴浄化装置の制御系のブロック図である。
【0101】
図15に図示されるように、靴浄化装置1は、発光ダイオード(LED)列481、電気回路482及び報知部483を備える。
【0102】
LED列481は、複数の靴支持部材222にそれぞれ備えられる複数の発光ダイオード462により構成される。複数の発光ダイオード462は、電気的に直列接続される。
【0103】
図15に図示されるように、LED列481は、第1の端子511を備える。LED列481は、第1の端子511に与えられた第1の電圧491により駆動される負荷である。LED列481には、与えられた第1の電圧491に応じた電流493が流れる。LED列481は、LED列481に流れる電流493に応じた光を発する。
【0104】
図15に図示されるように、電気回路482は、ドライバ501、スイッチ回路502及びコントローラ503を備える。
【0105】
図15に図示されるように、ドライバ501は、第2の端子512を備える。
【0106】
ドライバ501は、LED列481を駆動する。ドライバ501は、入力された電圧494を昇圧してLED列481を駆動する第2の電圧492を生成する昇圧装置である。入力される電圧494の電圧値は、特定の電圧値であり、例えば、約12Vである。生成される第2の電圧492の電圧値は、特定の電圧値より高い電圧値であり、例えば、約24Vである。ドライバ501は、生成した第2の電圧492を第2の端子512に与える。ドライバ501は、LED列481に流れる電流493の電流値が設定された電流となるように第2の端子512に与える第2の電圧492の電圧値を調整する。
【0107】
LED列481を駆動する第2の電圧492の電圧値は、一定ではない。なぜならば、LED列481を構成する複数の発光ダイオード462に個体差があるからである。例えば、直列接続された4つの発光ダイオード462の各々の駆動電圧値が6Vである場合は、ドライバ501は、入力された電圧494を24Vの電圧値を有する第2の電圧492に昇圧しなければならない。しかし、直列接続された4つの発光ダイオード462の各々の駆動電圧値が5.9Vである場合は、ドライバ501は、入力された電圧494を23.6Vの電圧値を有する第2の電圧492に昇圧しなければならない。
【0108】
ドライバ501は、第2の電圧492の電圧値を設定された電圧値まで上げても電流493の電流値が設定された電流値に達しない場合に、入力された電圧494を昇圧することを停止し、第2の電圧492の電圧値を上述した特定の電圧値まで下げる。これにより、複数の発光ダイオード462に含まれる発光ダイオード462が故障した場合にLED列481を駆動する第2の電圧492の電圧値が過剰に高くなることを抑制することができる。
【0109】
スイッチ回路502は、扉22が閉位置181及び開位置182のいずれに配置されているのかを検知する扉開閉検知機構である。スイッチ回路502は、ドライバ501とLED列481及びコントローラ503との間に配置される。スイッチ回路502は、扉22が閉位置181に配置された場合に、第1の端子511を第2の端子512と導通させる。一方、スイッチ回路502は、扉22が開位置182に配置された場合に、第1の端子511を第2の端子512と導通させない。これにより、スイッチ回路502は、扉22が閉位置に配置された場合に、第1の電圧491の電圧値を第2の電圧492の電圧値と一致させ、ドライバ501がLED列481を駆動することができるようにする。一方、スイッチ回路502は、扉22が開位置182に配置された場合は、第1の電圧491の電圧値を第2の電圧492の電圧値と一致させず、第1の電圧491をグランドレベルの0Vとし、ドライバ501がLED列481を駆動することができないようにする。これにより、扉22が閉位置181に配置された場合は、LED列481が駆動され、扉22が開位置182に配置された場合は、LED列481が駆動されないようにすることができる。これにより、靴浄化装置1の安全性を高くすることができる。
【0110】
コントローラ503は、第1の電圧491を検知する電圧検知装置である。コントローラ503は、第1の電圧491の電圧値に基づいて、扉22が閉位置181及び開位置182のいずれに配置されているのかを判定する。また、コントローラ503は、第1の電圧491の電圧値に基づいて、LED列481の故障の有無を判定する。有無が判定されるLED列481の故障は、複数の発光ダイオード462に含まれる発光ダイオード462のオープン故障及びショート故障の両方を含む。有無が判定されるLED列481の故障が、当該オープン故障及び当該ショート故障の片方のみを含んでもよい。
【0111】
扉22が閉位置181に配置され、LED列481の故障が無い場合は、第1の電圧491の電圧値は、第2の電圧492の電圧値に一致する。また、第2の電圧492の電圧値は、ドライバ501に入力された電圧を昇圧した電圧の電圧値(以下では、「正常電圧値」という)になる。このため、第1の電圧491の電圧値は、正常電圧値になる。このため、コントローラ503は、第1の電圧491の電圧値が正常電圧値である場合は、扉22が閉位置181に配置されていると判定し、LED列481の故障が無いと判定する。
【0112】
扉22が開位置182に配置された場合は、LED列481の故障の有無にかかわらず、第1の電圧491の電圧値は、グランドレベルの0Vになる。このため、コントローラ503は、第1の電圧491の電圧値がグランドレベルの0Vである場合は、扉22が開位置182に配置されていると判定する。
【0113】
扉22が閉位置181に配置され、発光ダイオード462のオープン故障がある場合は、第1の電圧491の電圧値は、第2の電圧492の電圧値に一致する。また、第2の電圧492の電圧値は、LED列481に流れる電流493の電流値が0となるため、上述した特定の電圧値になる。このため、第1の電圧491の電圧値は、上述した特定の電圧値になる。このため、コントローラ503は、第1の電圧491の電圧値が上述した特定の電圧値である場合は、発光ダイオード462のオープン故障があると判定する。
【0114】
扉22が閉位置181に配置され、発光ダイオード462のショート故障がある場合は、第1の電圧491の電圧値は、第2の電圧492の電圧値に一致する。また、第2の電圧492の電圧値は、上述した特定の電圧値より高いが上述した正常電圧値より低い電圧値になる。例えば、直列接続された4つの発光ダイオード462の各々の駆動電圧値が6Vであり、1つの発光ダイオード462のショート故障がある場合は、第2の電圧492の電圧値は、上述した特定の電圧値の12Vより高いが正常電圧値の24Vより低い18Vになる。このため、コントローラ503は、第1の電圧491の電圧値が上述した特定の電圧値より高く上述した正常電圧値より低く設定された電圧値以下である場合は、発光ダイオード462のショート故障があると判定する。
【0115】
コントローラ503による判定は、第1の電圧491の電圧値に基づいて行われる。このため、コントローラ503による判定のためにコントローラ503に入力しなければならない信号は、第1の電圧491というひとつ信号のみである。そして、コントローラ503は、ひとつ信号のみに基づいて、扉22が閉位置181に配置された状態及び扉22が開位置182に配置された状態からなる2状態を識別することができ、扉22が閉位置181に配置されLED列481の故障が無い状態、扉22が閉位置181に配置され発光ダイオード462のオープン故障が有る状態及び扉22が閉位置181に配置され発光ダイオード462のショート故障がある状態からなる3状態を識別することができる。したがって、コントローラ503は、合計4状態を識別することができる。
【0116】
コントローラ503は、靴浄化装置1が運転を行っている間にLED列481の故障が有ると判定した場合に、靴浄化装置1に運転を行うことを継続させ、靴浄化装置1に次回の運転を行わせない。これにより、靴浄化装置1が運転を終了した時点で靴浄化装置1が機能を十分に発揮することができないにもかからず靴浄化装置1が次回の運転を行うことを抑制することができる。コントローラ503は、靴浄化装置1に運転を行わせる場合は、イオン発生装置242、送風機244及び発光ダイオード列481に電力を供給してイオン発生装置242、送風機244及び発光ダイオード列481に動作を行わせる。
【0117】
コントローラ503がLED列481の故障が有ると判定しているにもかかわらずコントローラ503が靴浄化装置1に運転を行うことを継続させるのは、LED列481の故障が有る場合でも、正常に動作している発光ダイオード462が存在し、正常に動作している発光ダイオード462により発揮される機能により靴浄化装置1の有用性が完全には失われない場合があるからである。また、LED列481の故障が有る場合でも、正常に動作している他の要素、例えばイオン発生装置242及び送風機244が存在し、正常に動作している他の要素により靴浄化装置1の有用性が完全には失われない場合があるからである。
【0118】
コントローラ503は、靴浄化装置1が運転を行っている間にLED列481の故障が有ると判定した場合に、報知部483にLED列481の故障を報知させる。これにより、ユーザに靴浄化装置1の修理を促すことができる。報知部483は、ランプを点灯させること、スピーカ、ブザー等に音を発せさせること、ディスプレイに表示を行わせること等により、LED列481の故障を報知する。
【0119】
図16は、第1実施形態の靴浄化装置の制御系の回路図である。
【0120】
図16に示されるように、LED列481は、アノード4811及びカソード4812を備える。
【0121】
LED列481は、アノード4811に与えられた第1の電圧491により駆動される。アノード4811は、上述した第1の端子511になる。
【0122】
LED列481には、与えられた第1の電圧491に応じた電流493が流れる。当該電流493は、アノード4811に流入し、アノード4811からカソード4812まで流れ、カソード4812から流出する。したがって、カソード4812から流出する電流493の電流値は、LED列481に流れる電流493の電流値である。
【0123】
図16に示されるように、ドライバ501は、ドライバ集積回路(IC)521を備える。ドライバIC521は、Vin端子5211、Vout端子5212及びIin端子5213を備える。
【0124】
ドライバIC521のVin端子5211は、ドライバ501に入力される電圧494の供給源に電気的に接続される。このため、ドライバIC521のVin端子5211には、電圧494が入力される。
【0125】
ドライバIC521のIin端子5213は、LED列481のカソード4812に電気的に接続される。このため、ドライバIC521のIin端子5213には、LED列481のカソード4812から流出する電流493が流入する。
【0126】
ドライバIC521は、Vin端子5211に入力された電圧494を昇圧して第2の電圧492を生成し、生成した第2の電圧492をVout端子5212に与える。これにより、ドライバIC521は、Vout端子5212から第2の電圧492を出力する。ドライバIC521のVout端子5212は、上述した第2の端子512になる。
【0127】
ドライバIC521は、Iin端子5213に流入した電流493をグランドに流す。ドライバIC521は、Iin端子5213に流入する電流493の電流値が設定された電流値となるようにVout端子5212に与える第2の電圧492の電圧値を調整する。ただし、ドライバIC521は、Vout端子5212に与える第2の電圧492の電圧値を設定された電圧値まで上げてもIin端子5213に流入する電流493の電流値が設定された電流値に達しない場合は、Vin端子5211に入力された電圧494を昇圧することを停止する。これにより、ドライバIC521は、Vout端子5212に与える第2の電圧492の電圧値を、Vin端子5211に入力された電圧494の電圧値である特定の電圧値まで下げる。
【0128】
ドライバIC521の一部又は全部がディスクリート回路に置き換えられてもよい。
【0129】
図16に示されるように、スイッチ回路502は、第1の抵抗531、第2の抵抗532、スイッチ533及びpチャネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOS-FET)534を備える。第1の抵抗531は、一方の端子5311及び他方の端子5312を備える。第2の抵抗532は、一方の端子5321及び他方の端子5322を備える。スイッチ533は、一方の端子5331及び他方の端子5332を備える。pチャネルMOS-FET534は、ゲート5341、ドレイン5342及びソース5343を備える。
【0130】
第1の抵抗531の一方の端子5311は、ドライバIC521のVout端子5212に電気的に接続される。第2の抵抗532の一方の端子5321は、第1の抵抗531の他方の端子5312に電気的に接続される。スイッチ533の一方の端子5331は、第2の抵抗532の他方の端子5322に電気的に接続される。スイッチ533の他方の端子5332は、グランド541に電気的に接続される。これにより、第1の抵抗531、第2の抵抗532及びスイッチ533は、電気的に直列接続される。
【0131】
pチャネルMOS-FET534のソース5343は、第1の抵抗531の一方の端子5311に電気的に接続される。pチャネルMOS-FET534のゲート5341は、第1の抵抗531の他方の端子5312に電気的に接続される。pチャネルMOS-FET534のドレイン5342は、LED列481のアノード4811に電気的に接続される。
【0132】
スイッチ533は、扉22が閉位置181及び開位置182のいずれに配置されているのかを検知する。スイッチ533は、扉22が閉位置181に配置された場合は、他方の端子5332を一方の端子5331と導通させる。一方、スイッチ533は、扉22が開位置182に配置された場合は、他方の端子5332を一方の端子5331と導通させない。
【0133】
pチャネルMOS-FET534は、ソース5343とゲート5341との間に一定の電位差以上の電位差が与えられた場合は、ドレイン5342をソース5343と導通させる。一方、pチャネルMOS-FET534は、ソース5343とゲート5341との間にに一定の電位差以上の電位差が与えられない場合は、ドレイン5342をソース5343と導通させない。
【0134】
ドライバIC521のVout端子5212から出力される第2の電圧492が一定の電圧値以上の電圧値を有する場合に扉22が閉位置181に配置されたときには、スイッチ533が、他方の端子5332を一方の端子5331と導通させる。これにより、ドライバIC521のVout端子5212から第1の抵抗531、第2の抵抗532及びスイッチ533を順次に経由してグランド541まで電流が流れる。これにより、第1の抵抗531の一方の端子5311と第1の抵抗531の他方の端子5312との間に一定の電位差以上の電位差が生じる。これにより、pチャネルMOS-FET534のソース5343とpチャネルMOS-FET534のゲート5341との間に一定の電位差以上の電位差が与えられる。これにより、pチャネルMOS-FET534は、ドレイン5342をソース5343と導通させ、ドライバIC521によるLED列481の駆動を阻害しなくなる。これにより、スイッチ回路502は、LED列481のアノード4811すなわち第1の端子511をドライバIC521のVout端子5212すなわち第2の端子512と導通させる。これにより、ドライバIC521のVout端子5212からpチャネルMOS-FET534のソース5343とpチャネルMOS-FET534のドレイン5342との間を経由してLED列481のアノード4811まで電流が流れる。これにより、LED列481は、ドライバIC521のVout端子5212に与えられる第2の電圧492の電圧値に一致する電圧値を有しLED列481のアノード4811に与えられる第1の電圧491により駆動される。
【0135】
扉22が開位置182に配置された場合は、スイッチ533が、他方の端子5332を一方の端子5331と導通させない。これにより、ドライバIC521のVout端子5212から第1の抵抗531、第2の抵抗532及びスイッチ533を順次に経由してグランド541まで電流が流れない。これにより、第1の抵抗531の一方の端子5311と第1の抵抗531の他方の端子5312との間に一定の電位差以上の電位差が生じない。これにより、pチャネルMOS-FET534のソース5343とpチャネルMOS-FET534のゲート5341との間に一定の電位差以上の電位差が与えられない。これにより、pチャネルMOS-FET534は、ドレイン5342をソース5343と導通させず、ドライバIC521によるLED列481の駆動を阻害する。これにより、スイッチ回路502は、LED列481のアノード4811すなわち第1の端子511をドライバIC521のVout端子5212すなわち第2の端子512と導通させない。これにより、ドライバIC521のVout端子5212からpチャネルMOS-FET534のソース5343とpチャネルMOS-FET534のドレイン5342との間を経由してLED列481のアノード4811まで電流が流れない。これにより、LED列481は、駆動されない。これにより、扉22が開位置182に配置された場合にLED列481が駆動されない。これにより、靴浄化装置1の安全性を高めることができる。
【0136】
図16に示されるように、コントローラ503は、マイクロコントローラ551、第3の抵抗552及び第4の抵抗553を有する。マイクロコントローラ551は、Vin端子5551を備える。第3の抵抗552は、一方の端子5521及び他方の端子5522を備える。第4の抵抗553は、一方の端子5531及び他方の端子5532を備える。
【0137】
第3の抵抗552の一方の端子5521は、LED列481のアノード4811に電気的に接続される。マイクロコントローラ551のVin端子5551は、第3の抵抗552の他方の端子5522に電気的に接続される。これにより、マイクロコントローラ551のVin端子5551には、第3の抵抗552を介して、LED列481のアノード4811に与えられる第1の電圧491の電圧値に応じた電圧値を有する電圧が入力される。これにより、マイクロコントローラ551は、第1の電圧491の電圧値を監視し、監視する第1の電圧491の電圧値に基づいて上述した判定を行うことができる。
【0138】
第4の抵抗553の一方の端子5531は、第3の抵抗552の一方の端子5521に電気的に接続される。第4の抵抗553の他方の端子5532は、グランド541に接続される。これにより、マイクロコントローラ551のVin端子5551が、電気的に直列接続された第3の抵抗552及び第4の抵抗553によりプルダウンされる。
【0139】
図17は、第1実施形態の靴浄化装置に備えられるコントローラにより行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0140】
コントローラ503は、靴浄化装置1に運転を開始することを指示する操作が受け付けられるのに応答して、図17に示されるステップS101からS106までを実行する。
【0141】
ステップS101においては、コントローラ503は、LED列481の故障が有ることを示す故障フラグが設定されているか否かを判定する。コントローラ503は、故障フラグが設定されていると判定した場合は、ステップS103を実行する。コントローラ503は、故障フラグが設定されていないと判定した場合は、ステップS102を実行した後に処理を終了する。
【0142】
ステップS102においては、コントローラ503は、報知部483にLED列481の故障を報知させ、イオン発生装置242、送風機244及びLED列481に動作を行わせない。これにより、コントローラ503は、前回の運転においてLED列481の故障が有ると判定して故障フラグを設定した後には、靴浄化装置1に運転を開始することを指示する操作が受け付けられても、靴浄化装置1に運転を行わせない。
【0143】
ステップS103においては、コントローラ503は、扉22が閉位置181に配置されているか否かを判定する。コントローラ503は、第1の電圧491の電圧値が特定の電圧値以上である場合は、扉22が閉位置181に配置されていると判定する。コントローラ503は、第1の電圧491の電圧値が特定の電圧値未満である場合は、扉22が開位置182に配置されていないと判定する。コントローラ503は、扉22が閉位置181に配置されていると判定した場合は、ステップS104を実行する。コントローラ503は、扉22が閉位置181に配置されていないと判定した場合は、再びステップS103を実行する。
【0144】
ステップS104においては、コントローラ503は、LED列481の故障があるか否かを判定する。コントローラ503は、第1の電圧491の電圧値が特定の電圧値である場合は、発光ダイオード462のオープン故障が有ると判定し、第1の電圧491の電圧値が特定の電圧値より高く正常電圧値より低く設定された電圧値以下である場合は、発光ダイオード462のショート故障が有ると判定する。コントローラ503は、LED列481の故障が有ると判定した場合は、ステップS105を実行した後に再びステップS103を実行する。コントローラ503は、LED列481の故障が無いと判定した場合は、ステップS106を実行した後に再びステップS103を実行する。
【0145】
ステップS105においては、コントローラ503は、故障フラグを設定し、イオン発生装置242、送風機244及びLED列481に動作を行わせる。
【0146】
ステップS106においては、コントローラ503は、イオン発生装置242、送風機244及びLED列481に動作を行わせる。
【0147】
ステップS104からS106までにより、コントローラ503は、LED列481の故障が有ると判定した場合及びLED列481の故障が無いと判定した場合のいずれにおいても、靴浄化装置1に運転を行うことを継続させる。コントローラ503は、LED列481の故障が有ると判定した場合は、故障フラグを設定し、LED列481の故障が無いと判定した場合は、故障フラグを設定しない。せ
【0148】
ステップS103からS106までにより、コントローラ503は、扉22が閉位置181に配置されていると判定している間に、LED列481の故障の有無を判定する。
【0149】
上述したように、発光ダイオード462のショート故障が有る場合は、ドライバIC521のVout端子5212から出力される第2の電圧492の電圧値は、ドライバIC521のVin端子5211に入力された電圧494の電圧値より高いが正常電圧値より低い電圧値になる。このため、コントローラ503は、第1の電圧491の電圧値がドライバIC521のVin端子5211に入力された電圧494の電圧値である特定の電圧値より高く正常電圧値より低い閾値以下である場合は、発光ダイオード462のショート故障が有ると判定する。しかし、複数の発光ダイオード462の駆動電圧値には個体差が存在するため、当該閾値を複数の靴浄化装置1に共通する固定値とした場合は、発光ダイオード462のショート故障が有るか否かを適切に判定することができない可能性がある。例えば、複数の発光ダイオード462の各々の駆動電圧値が駆動電圧値の範囲5~7Vの下限の5Vである場合は、発光ダイオード462のショート故障が無いときには、複数の発光ダイオード462の全体の駆動電圧値は、20Vになる。一方で、複数の発光ダイオード462の各々の駆動電圧値が駆動電圧値の範囲5~7Vの上限の7Vである場合は、発光ダイオード462のショート故障が無いときには、複数の発光ダイオード462の全体の駆動電圧値は、28Vになり、ひとつの発光ダイオード462のショート故障が有るときには、複数の発光ダイオード462の全体の駆動電圧値は、21Vになる。このため、21Vより高い閾値が設定された場合は、複数の発光ダイオード462の各々の駆動電圧値が7Vであるときには発光ダイオード462のショート故障が有るか否かを適切に判定することができるが、複数の発光ダイオード462の各々の駆動電圧値が5Vであるときには発光ダイオード462のショート故障が有るか否かを適切に判定することができない。
【0150】
このため、当該閾値は、靴浄化装置1に対して出荷時検査が行われる際に設定される。靴浄化装置1に対して出荷時検査が行われる際には、複数の発光ダイオード462のショート故障が無いことが確認され、複数の発光ダイオード462の全体の駆動電圧値に基づいて当該閾値が設定される。複数の発光ダイオード462のショート故障が無いことが確認されているため、当該閾値の基礎となる複数の発光ダイオード462の全体の駆動電圧値は、正常電圧値であると判断することができる。
【0151】
発光ダイオード462の駆動電圧値は、連続稼働時の発熱に伴う電圧降下を除いて、時間が経過しても一定である。すなわち、発光ダイオード462の駆動電圧値には、個体差があるが、発光ダイオード462の駆動電圧値が駆動電圧値の範囲5~7V内において変化するわけではない。このため、靴浄化装置1に対して出荷時検査が行われる際に設定された閾値を後に再設定する必要はない。このため、靴浄化装置1においては、靴浄化装置1に対して出荷時検査が行われる際に設定された閾値との比較を行うのみで、発光ダイオード462のショート故障が有るか否かを判定することができる。これにより、判定が容易になる。
【0152】
閾値は、例えば、下式にしたがって設定される。
【0153】
【数1】
【0154】
上式において、Vthは、設定される閾値である。また、Vは、複数の発光ダイオード462の全体の駆動電圧値すなわち正常電圧値である。mは、複数の発光ダイオード462の全体の駆動電圧値の下限となる最低値である。rは、複数の発光ダイオード462の全体の駆動電圧値の上限となる最高値から複数の発光ダイオード462の全体の駆動電圧値の下限となる最低値を減じた差である。nは、複数の発光ダイオード462の数である。fは、複数の発光ダイオード462が連続駆動された際の複数の発光ダイオード462の全体の駆動電圧値の電圧降下率である。
【0155】
本開示は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0156】
1 靴浄化装置、21 本体、22 扉、23 ヒンジ、41 筐体、41a 開口、41b,41b1,41b2 複数の収納室、41c 吸気口、41d 排気口、61 箱、61a 前面、61b 背面、61c 一方の側面、61d 他方の側面、61e 上面、61f 下面、81 半足の靴、81a 履き口、81b アッパー、81c インソール、81d つま先、81e かかと、141 ベース、142 前壁、143 後壁、144 一方の側壁、145 他方の側壁、146 上壁、147 底壁、161 壁端部、162 壁端部、181 閉位置、182 開位置、221 送風機構、222 靴支持部材、241 第1のダクト状構造、241a 吸気風路、242 イオン発生装置、243 電源、244 送風機、244a 吹き出し口、245 第2のダクト状構造、245a 風路、245b 空間、261 電源アダプタ、281 第1の隔壁、301 溝状構造、302 ダクトカバー、341 排気機構、361 第3のダクト状構造、361a 排気風路、362 脱臭フィルタ、381 第2の隔壁、401 貫通孔、421 第1の部分、421a 第1の風路、421b 第1の吹き出し口、422 第2の部分、422a 第2の風路、422b 第2の吹き出し口、422c 吹き出し口、422d 吹き出し口、423 第3の部分、423a 第3の風路、431 第1の端部、432 第2の端部、433 第3の端部、434 第4の端部、435 第5の端部、436 第6の端部、441 第1の風、442 第2の風、461 配線、462 発光ダイオード、471 風向変更体、481 発光ダイオード(LED)列、4811 アノード、4812 カソード、482 電気回路、483 報知部、491 第1の電圧、492 第2の電圧、493 電流、494 電圧、501 ドライバ、502 スイッチ回路、503 コントローラ、511 第1の端子、512 第2の端子、521 ドライバ集積回路(IC)、5211 Vin端子、5212 Vout端子、5213 Iin端子、561 第1の位置、562 第2の位置、581 第1の位置、582 第2の位置、531 第1の抵抗、5311 一方の端子、5312 他方の端子、532 第2の抵抗、5321 一方の端子、5322 他方の端子、533 スイッチ、5331 一方の端子、5332 他方の端子、534 pチャネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOS-FET)、5341 ゲート、5342 ドレイン、5343 ソース、541 グランド、551 マイクロコントローラ、5551 Vin端子、552 第3の抵抗、5521 一方の端子、5522 他方の端子、553 第4の抵抗、5531 一方の端子、5532 他方の端子、601 棚板、H 高さ方向、D 奥行方向、W 幅方向、D1 第1の方向、D2 第2の方向、D3 第3の方向。

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