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特開2024-94465苗移植システム、苗移植方法および作業車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094465
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】苗移植システム、苗移植方法および作業車両
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20240703BHJP
   A01C 11/02 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A01B69/00 303T
A01C11/02 331D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211008
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【弁理士】
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【弁理士】
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】藤井 孝文
【テーマコード(参考)】
2B043
2B062
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB11
2B043AB15
2B043BA02
2B043BB06
2B043DA17
2B043EA32
2B043EA35
2B043EB05
2B043EB15
2B043EC12
2B043EC13
2B043EC14
2B043EC15
2B043ED16
2B043ED27
2B062AA08
2B062AA09
2B062AB01
2B062BA46
2B062CA05
2B062CA14
(57)【要約】
【課題】圃場の苗の移植を効率良く行う。
【解決手段】ある実施形態による苗移植システムは、圃場に苗を移植する移植機と、移植機に苗を供給する作業車両とを用いて苗の移植を行う。苗移植システムは、作業車両の動作を制御し、作業車両を自動運転させる制御装置を備える。制御装置は、圃場内で移植機と作業車両とが隣り合うように作業車両を走行させる。移植機と作業車両とが隣り合った状態で、作業車両から移植機に苗を供給する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に苗を移植する移植機と前記移植機に苗を供給する作業車両とを用いる苗移植システムであって、
前記作業車両の動作を制御し、前記作業車両を自動運転させる制御装置を備え、
前記制御装置は、前記圃場内で前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように前記作業車両を走行させ、
前記移植機と前記作業車両とが隣り合った状態で、前記作業車両から前記移植機に苗を供給する、苗移植システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように、前記圃場内の前記移植機が苗を移植する前のエリアを前記作業車両に走行させる、請求項1に記載の苗移植システム。
【請求項3】
前記制御装置は、苗を移植するために前記移植機が走行する予定の前記圃場内の走行経路であって、前記移植機が苗を未だ移植していない走行経路を前記作業車両に走行させる、請求項1または2に記載の苗移植システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記走行経路上における前記移植機よりも前方の位置を前記作業車両に走行させ、前記作業車両と前記移植機とが前後方向において隣り合うように前記作業車両を走行させる、請求項3に記載の苗移植システム。
【請求項5】
前記作業車両から前記移植機への苗の供給の開始位置を設定する処理装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記開始位置において前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように前記作業車両を走行させる、請求項1または2に記載の苗移植システム。
【請求項6】
前記処理装置は、前記移植機に載っている苗の残量が所定量以下となる位置を、前記開始位置に設定する、請求項5に記載の苗移植システム。
【請求項7】
前記処理装置は、前記移植機に載っている苗の残量がゼロより大きく且つ前記所定量以下となる位置を、前記開始位置に設定する、請求項6に記載の苗移植システム。
【請求項8】
前記処理装置は、前記移植機が到達する前に前記作業車両が到達可能な位置を、前記開始位置に設定する、請求項5に記載の苗移植システム。
【請求項9】
前記処理装置は、走行する前記作業車両が前記移植機の走行に干渉しない位置を、前記開始位置に設定する、請求項5に記載の苗移植システム。
【請求項10】
前記移植機が苗を移植するために走行する直線状の走行経路上で、前記作業車両から前記移植機に苗を供給する、請求項1に記載の苗移植システム。
【請求項11】
前記作業車両から前記移植機に苗を供給しているときの前記移植機の走行速度は、前記作業車両から前記移植機に苗を供給していないときの前記移植機の走行速度よりも小さい、請求項1または10に記載の苗移植システム。
【請求項12】
前記作業車両には、前記移植機に苗を供給する搬送装置が設けられており、
前記移植機と前記作業車両とが隣り合った状態で、前記搬送装置から前記移植機に苗を供給する、請求項1または2に記載の苗移植システム。
【請求項13】
前記移植機は、
苗を前記圃場に植え付ける苗植付装置と、
前記作業車両から供給された苗を前記苗植付装置に搬送する搬送装置と、
を備える、請求項1または2に記載の苗移植システム。
【請求項14】
前記移植機は田植機である、請求項1または2に記載の苗移植システム。
【請求項15】
前記移植機は、自動運転で前記圃場内を走行し、前記圃場に苗を移植する、請求項1または2に記載の苗移植システム。
【請求項16】
圃場に苗を移植する移植機に苗を供給する作業車両であって、
前記作業車両を走行させる走行装置と、
前記走行装置の動作を制御して前記作業車両を自動運転で走行させる制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記圃場内で前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように前記作業車両を走行させ、
前記移植機と前記作業車両とが隣り合った状態で、前記作業車両から前記移植機に苗を供給する、作業車両。
【請求項17】
圃場に苗を移植する移植機と前記移植機に苗を供給する作業車両とを用いる苗移植方法であって、
前記作業車両の動作を制御し、前記作業車両を自動運転で走行させること、
前記圃場内で前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように前記作業車両を走行させること、
前記移植機と前記作業車両とが隣り合った状態で、前記作業車両から前記移植機に苗を供給すること、
を実行する、苗移植方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、苗移植システム、苗移植方法および作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代農業として、ICT(Information and Communication Technology)およびIoT(Internet of Things)を活用したスマート農業の研究開発が進められている。圃場で使用されるトラクタおよび移植機などの農業機械の自動化および無人化に向けた研究開発も進められている。例えば、精密な測位が可能なGNSS(Global Navigation Satellite System)などの測位システムを利用して圃場内を自動運転で走行しながら農作業を行う農業機械が実用化されてきている。
【0003】
特許文献1は、圃場内を自動運転で走行可能な田植機を開示している。田植機を自動運転で走行させながら苗を圃場へ移植することで、ユーザの負荷を低減させるとともに苗の移植を効率良く行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-000046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
圃場への苗の移植をより効率良く行うことが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある実施形態による苗移植システムは、圃場に苗を移植する移植機と前記移植機に苗を供給する作業車両とを用いる苗移植システムであって、前記作業車両の動作を制御し、前記作業車両を自動運転させる制御装置を備え、前記制御装置は、前記圃場内で前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように前記作業車両を走行させ、前記移植機と前記作業車両とが隣り合った状態で、前記作業車両から前記移植機に苗を供給する。
【0007】
本開示のある実施形態による作業車両は、圃場に苗を移植する移植機に苗を供給する作業車両であって、前記作業車両を走行させる走行装置と、前記走行装置の動作を制御して前記作業車両を自動運転で走行させる制御装置とを備え、前記制御装置は、前記圃場内で前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように前記作業車両を走行させ、前記移植機と前記作業車両とが隣り合った状態で、前記作業車両から前記移植機に苗を供給する。
【0008】
本開示のある実施形態による苗移植方法は、圃場に苗を移植する移植機と前記移植機に苗を供給する作業車両とを用いる苗移植方法であって、前記作業車両の動作を制御し、前記作業車両を自動運転で走行させること、前記圃場内で前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように前記作業車両を走行させること、前記移植機と前記作業車両とが隣り合った状態で、前記作業車両から前記移植機に苗を供給することを実行する。
【0009】
本開示の包括的または具体的な態様は、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、もしくはコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、またはこれらの任意の組み合わせによって実現され得る。コンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、揮発性の記憶媒体を含んでいてもよいし、不揮発性の記憶媒体を含んでいてもよい。装置は、複数の装置で構成されていてもよい。装置が二つ以上の装置で構成される場合、当該二つ以上の装置は、一つの機器内に配置されてもよいし、分離した二つ以上の機器内に分かれて配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示のある実施形態によれば、圃場内で移植機と作業車両とが隣り合うように作業車両を走行させ、作業車両から移植機へ苗を供給する。移植機に苗を補給するために、補給用の苗が用意されたエリア(例えば枕地)に移植機を移動させる必要が無い。移植機の移植作業を中断する必要が無いため、苗の移植を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の例示的な実施形態による苗移植システムの概要を説明するための図である。
図2】作業車両の例を模式的に示す左側面図である。
図3】移植機の例を模式的に示す左側面図である。
図4】作業車両の構成例を示すブロック図である。
図5】移植機の構成例を示すブロック図である。
図6】管理装置および端末装置の構成例を示すブロック図である。
図7】作業車両の搬送装置、移植機の搬送装置、苗植付装置を示す上面図である。
図8】作業車両と移植機とが前後方向において隣り合った状態における、作業車両の搬送装置、移植機の搬送装置、苗植付装置を示す上面図である。
図9】搬送装置に苗マットを載せる動作を説明する図である。
図10】搬送装置に苗マットを載せる動作を説明する図である。
図11】搬送装置に苗マットを載せる動作を説明する図である。
図12】搬送装置に苗マットを載せる動作を説明する図である。
図13】作業車両と移植機とが前後方向において隣り合った状態で、作業車両から移植機に苗マットを供給する動作を説明する図である。
図14】作業車両と移植機とが前後方向において隣り合った状態で、作業車両から移植機に苗マットを供給する動作を説明する図である。
図15】作業車両と移植機とが前後方向において隣り合った状態で、作業車両から移植機に苗マットを供給する動作を説明する図である。
図16】圃場への苗の移植を行う移植機を示す図である。
図17】移植機の動作の例を示すフローチャートである。
図18】作業車両の動作の例を示すフローチャートである。
図19】圃場に設定された補給ポイントの例を示す図である。
図20】目標経路を走行して補給ポイントに到達した作業車両を示す図である。
図21】補給ポイントに到達した移植機を示す図である。
図22】移植機から離脱して待機位置に向かって走行する作業車両を示す図である。
図23】作業車両の別の例を模式的に示す左側面図である。
図24】移植機の別の例を模式的に示す左側面図である。
図25】作業車両と移植機とが前後方向において隣り合った状態で、作業車両から移植機に苗マットを供給する動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略することがある。例えば、既によく知られた事項の詳細な説明および実質的に同一の構成に関する重複する説明を省略することがある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明において、同一または類似の機能を有する構成要素については、同一の参照符号を付している。図面に付した符号F、Re、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。
【0013】
以下の実施形態は例示であり、本開示の技術は以下の実施形態に限定されない。以下の実施形態の内容はあくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。また、技術的に矛盾が生じない限りにおいて、一の態様と他の態様とを組み合わせることが可能である。
【0014】
図1は、本開示の例示的な実施形態による苗移植システム1の概要を説明するための図である。図1に示す苗移植システム1は、作業車両100と、移植機200と、端末装置400と、管理装置600とを備える。
【0015】
端末装置400は、作業車両100および移植機200を遠隔で監視するユーザが使用するコンピュータである。管理装置600は、苗移植システム1を運営する事業者が管理するコンピュータである。作業車両100、移植機200、端末装置400、および管理装置600は、ネットワーク80を介して互いに通信することができる。図1には一台の作業車両100および一台の移植機200が例示されているが、苗移植システム1は、複数の作業車両100および複数の移植機200を含んでいてもよい。苗移植システム1は、他の農業機械を含んでいてもよい。苗移植システム1は、作業車両100および移植機200によって実現されてもよい。
【0016】
移植機200は圃場を走行しながら圃場に苗を移植する。本実施形態の移植機200は、例えば、田んぼに稲苗を移植する田植機である。移植機200は、田植機に限定されず、例えば圃場に野菜の苗を移植する野菜移植機であってもよい。また、圃場は田んぼに限定されない。
【0017】
本実施形態の作業車両100は、移植機200に苗を供給する。作業車両100は、例えば、移植機200に苗を供給する機構を搭載したトラクタである。作業車両100は、例えばローバー等のトラクタ以外の車両であってもよいし、移植機200への苗の供給専用の車両であってもよい。
【0018】
作業車両100および移植機200は、自動運転機能を備える。作業車両100および移植機200は、ユーザによる手動操作によらず、制御装置の働きによって農業機械の移動を制御することができる。制御装置は、移動に必要な操舵、移動速度の調整、移動の開始および停止の少なくとも一つを制御し得る。自動運転中に農作業の動作も自動で制御されてもよい。自動運転よる移動中に、部分的にユーザの指示に基づいて移動してもよい。作業車両100および移植機200は、自動運転モードに加えて、ユーザの手動操作によって移動する手動運転モードで動作してもよい。作業車両100および移植機200は、圃場内に限らず、圃場外(例えば道路)を走行してもよい。移植機200は、自動運転に限定されず、ユーザの手動運転によって走行してもよいし、移植機200から離れた位置にいるユーザによる遠隔操作によって走行してもよい。
【0019】
作業車両100および移植機200は、GNSS受信機およびLiDARセンサなどの、測位あるいは自己位置推定のために利用される装置を備える。作業車両100および移植機200の制御装置は、作業車両100および移植機200の位置と、目標経路の情報とに基づいて、作業車両100および移植機200を自動で走行させる。作業車両100および移植機200は、圃場外の道(例えば、農道または一般道)を目標経路に沿って自動で走行してもよい。その場合、作業車両100および移植機200は、カメラ、障害物センサおよびLiDARセンサなどのセンシング装置から出力されるデータを活用しながら、道に沿って自動走行を行う。
【0020】
管理装置600は、作業車両100および移植機200による農作業を管理するコンピュータである。管理装置600は、例えば圃場に関する情報をクラウド上で一元管理し、クラウド上のデータを活用して農業を支援するサーバコンピュータであり得る。管理装置600は、例えば、作業車両100および移植機200の作業計画を作成し、その作業計画に従って、作業車両100および移植機200に農作業を実行させる。管理装置600は、例えば、ユーザが端末装置400または他のデバイスを用いて入力した情報に基づいて圃場内の目標経路を生成する。管理装置600は、さらに、作業車両100、移植機200、他の移動体等がLiDARセンサなどのセンシング装置を用いて収集したデータに基づいて、環境地図の生成および編集を行ってもよい。環境地図は、作業車両100および移植機200が移動する環境に存在する物の位置または領域を所定の座標系によって表現したデータである。環境地図を単に地図または地図データと称することがある。環境地図を規定する座標系は、例えば、地球に対して固定された地理座標系などのワールド座標系であり得る。
【0021】
管理装置600は、生成した作業計画、目標経路、および環境地図のデータを作業車両100および移植機200に送信する。作業車両100および移植機200は、それらのデータに基づいて、移動および各種作業を自動で行う。
【0022】
端末装置400は、作業車両100および移植機200から離れた場所にいるユーザが使用するコンピュータである。図1に示す端末装置400はラップトップコンピュータであるが、これに限定されない。端末装置400は、デスクトップPC(Personal Computer)などの据え置き型のコンピュータであってもよいし、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのモバイル端末でもよい。端末装置400は、作業車両100および移植機200を遠隔監視したり、作業車両100および移植機200を遠隔操作したりするために用いられ得る。例えば、端末装置400は、作業車両100および移植機200のそれぞれが備えるカメラ(撮像装置)が撮影した映像をディスプレイに表示させることができる。端末装置400は、さらに、作業車両100の作業計画(例えば各農作業のスケジュール)を作成するために必要な情報をユーザが入力するための設定画面をディスプレイに表示することもできる。ユーザが設定画面上で必要な情報を入力し送信の操作を行うと、端末装置400は、入力された情報を管理装置600に送信する。管理装置600は、その情報に基づいて作業計画を作成する。端末装置400は、さらに、目標経路を設定するために必要な情報をユーザが入力するための設定画面をディスプレイに表示する機能を備えていてもよい。
【0023】
以下、本実施形態におけるシステムの構成および動作をより詳細に説明する。
【0024】
[1.構成]
図2は、作業車両100の例を模式的に示す左側面図である。図3は、移植機200の例を模式的に示す左側面図である。
【0025】
図2に示すように、作業車両100は、車体101と、原動機(エンジン)102と、変速装置(トランスミッション)103とを備える。車体101には、タイヤ付きの車輪104と、キャビン105とが設けられている。車輪104は、一対の前輪104Fと一対の後輪104Rとを含む。キャビン105の内部に運転席107、操舵装置106、および操作のためのスイッチ群が設けられている。前輪104Fおよび後輪104Rの一方または両方は、タイヤ付き車輪ではなく、無限軌道(track)を装着した複数の車輪(クローラ)であってもよい。
【0026】
作業車両100は、作業車両100の周辺の環境をセンシングする少なくとも1つのセンシング装置と、少なくとも1つのセンシング装置から出力されるセンサデータを処理する処理装置とを備え得る。図2に示す例では、作業車両100は複数のセンシング装置を備える。センシング装置は、複数のLiDARセンサ125、複数のカメラ126、複数の障害物センサ127を含む。
【0027】
カメラ126は、例えば作業車両100の前後左右に設けられ得る。カメラ126は、作業車両100の周辺の環境を撮影し、画像データを生成する。カメラ126が取得した画像は、作業車両100に搭載された処理装置に出力され、遠隔監視を行うための端末装置400に送信され得る。また、当該画像は、無人運転時に作業車両100を監視するために用いられ得る。カメラ126は、作業車両100が圃場外の道(農道または一般道)を走行するときに、周辺の地物もしくは障害物、白線、標識、または表示などを認識するための画像を生成する用途でも使用され得る。
【0028】
作業車両100は、異なる位置に異なる向きで配置された複数のLiDARセンサを備え得る。LiDARセンサ125は、例えば作業車両100の前後に設けられ得る。LiDARセンサ125は、他の位置に設けられていてもよい。LiDARセンサ125は、3D-LiDARセンサであり得るが、2D-LiDARセンサであってもよい。LiDARセンサ125は、作業車両100の周辺の環境をセンシングして、センサデータを出力する。LiDARセンサ125は、周辺の環境に存在する物体の各計測点までの距離および方向、または各計測点の3次元もしくは2次元の座標値を示すセンサデータを繰り返し出力する。LiDARセンサ125から出力されたセンサデータは、作業車両100の制御装置によって処理される。制御装置は、センサデータと、環境地図とのマッチングにより、作業車両100の自己位置推定を行うことができる。制御装置は、さらに、センサデータに基づいて、作業車両100の周辺に存在する障害物などの物体を検出することができる。制御装置は、例えばSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などのアルゴリズムを利用して、環境地図を生成または編集することもできる。
【0029】
障害物センサ127は、例えば作業車両100の左右に設けられ得る。障害物センサ127は、他の部位にも配置され得る。障害物センサ127は、例えばレーザスキャナまたは超音波ソナーを含み得る。障害物センサ127は、自動走行時に周辺の障害物を検出して作業車両100を停止したり迂回したりするために用いられる。LiDARセンサ125が障害物センサ127の一つとして利用されてもよい。
【0030】
作業車両100は、測位装置120をさらに備える。測位装置120は、GNSS受信機を含む。GNSS受信機は、GNSS衛星からの信号を受信するアンテナと、アンテナが受信した信号に基づいて作業車両100の位置を計算するプロセッサとを備え得る。測位装置120は、複数のGNSS衛星から送信される衛星信号を受信し、衛星信号に基づいて測位を行う。GNSSは、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System、例えばみちびき)、GLONASS、Galileo、およびBeiDouなどの衛星測位システムの総称である。図2に示す測位装置120は、車両前部に設けられているが、他の位置に設けられていてもよい。
【0031】
測位装置120は、慣性計測装置(IMU)を含み得る。IMUからの信号を利用して位置データを補完することができる。IMUは、作業車両100の傾きおよび微小な動きを計測することができる。IMUによって取得されたデータを用いて、衛星信号に基づく位置データを補完することにより、測位の性能を向上させることができる。
【0032】
作業車両100の制御装置は、測位装置120による測位結果に加えて、カメラ126および/またはLiDARセンサ125などのセンシング装置が取得したセンサデータを測位に利用してもよい。農道、林道、一般道、または果樹園のように、作業車両100が走行する環境内に特徴点として機能する地物が存在する場合、カメラ126および/またはLiDARセンサ125によって取得されたデータと、予め記憶装置に格納された環境地図とに基づいて、作業車両100の位置および向きを高い精度で推定することができる。カメラ126および/またはLiDARセンサ125が取得したデータを用いて、衛星信号に基づく位置データを補正または補完することで、より高い精度で作業車両100の位置を特定できる。
【0033】
原動機102は、例えばディーゼルエンジンであり得る。原動機102が発生させた回転が前輪104Fおよび後輪104Rの少なくとも一方に伝達されることにより、作業車両100は走行することができる。ディーゼルエンジンに代えて電動モータが使用されてもよい。変速装置103は、変速によって作業車両100の推進力および移動速度を変化させることができる。変速装置103は、作業車両100の前進と後進とを切り換えることもできる。
【0034】
操舵装置106は、ステアリングホイールと、ステアリングホイールに接続されたステアリングシャフトと、ステアリングホイールによる操舵を補助するパワーステアリング装置とを含む。前輪104Fは操舵輪であり、その切れ角(「操舵角」とも称する)を変化させることにより、作業車両100の走行方向を変化させることができる。前輪104Fの操舵角は、ステアリングホイールを操作することによって変化させることができる。パワーステアリング装置は、前輪104Fの操舵角を変化させるための補助力を供給する油圧装置または電動モータを含む。自動操舵が行われるときには、作業車両100内に配置された制御装置からの制御により、油圧装置または電動モータの力によって操舵角が自動で調整される。
【0035】
図2に示す作業車両100は、有人運転が可能であるが、無人運転のみに対応していてもよい。その場合には、キャビン105、操舵装置106、および運転席107などの、有人運転にのみ必要な構成要素は、作業車両100に設けられていなくてもよい。無人の作業車両100は、自律走行、またはユーザによる遠隔操作によって走行することができる。
【0036】
図2に示す作業車両100には、移植機200に苗を供給する搬送装置110が搭載されている。搬送装置110は、作業車両100に対して着脱可能であり得る。搬送装置110は、例えば、作業車両100の上方に位置し、複数のフレーム113を介して作業車両100の車体101および/またはキャビン105に支持される。搬送装置110は、苗マット(「マット苗」とも称する)を移植機200の方へ導くガイド111、苗マットを移動させるベルトコンベア112、苗マットの落下を抑制するストッパ114を備える。苗マットは、苗が行列状に並んだマット状の苗の塊であり得る。苗マットは上面視において例えば略矩形を有している。搬送装置110の動作の詳細は後述する。
【0037】
図3に示すように、移植機200は、車体201と、原動機(エンジン)202と、変速装置(トランスミッション)203とを備える。車体201には、タイヤ付きの車輪204、操舵装置206、運転席207が設けられている。車輪204は、一対の前輪204Fと一対の後輪204Rとを含む。前輪204Fおよび後輪204Rの一方または両方は、タイヤ付き車輪ではなく、無限軌道を装着した複数の車輪(クローラ)であってもよい。運転席207の周囲には操作のためのスイッチ群が設けられる。
【0038】
移植機200は、移植機200の周辺の環境をセンシングする少なくとも1つのセンシング装置と、少なくとも1つのセンシング装置から出力されるセンサデータを処理する処理装置とを備え得る。図3に示す例では、移植機200は複数のセンシング装置を備える。センシング装置は、一つ以上のLiDARセンサ225、複数のカメラ226、複数の障害物センサ227を含む。
【0039】
カメラ226は、例えば移植機200の前後左右に設けられ得る。カメラ226は、移植機200の周辺の環境を撮影し、画像データを生成する。カメラ226が取得した画像は、移植機200に搭載された処理装置に出力され、遠隔監視を行うための端末装置400に送信され得る。また、当該画像は、無人運転時に移植機200を監視するために用いられ得る。カメラ226は、移植機200が圃場外の道を走行するときに、周辺の地物もしくは障害物、白線、標識、または表示などを認識するための画像を生成する用途でも使用され得る。
【0040】
LiDARセンサ225は、例えば移植機200の前部に設けられる。LiDARセンサ225は、他の位置に設けられてもよい。移植機200は、異なる位置に異なる向きで配置された複数のLiDARセンサ225を備えてもよい。LiDARセンサ225は、3D-LiDARセンサであり得るが、2D-LiDARセンサであってもよい。LiDARセンサ225は、移植機200の周辺の環境をセンシングして、センサデータを出力する。LiDARセンサ225から出力されたセンサデータは、移植機200の制御装置によって処理される。制御装置は、センサデータと、環境地図とのマッチングにより、移植機200の自己位置推定を行うことができる。制御装置は、さらに、センサデータに基づいて、移植機200の周辺に存在する障害物などの物体を検出することができる。制御装置は、例えばSLAMなどのアルゴリズムを利用して、環境地図を生成または編集することもできる。
【0041】
障害物センサ227は、例えば移植機200の左右に設けられ得る。障害物センサ227は、他の部位にも配置され得る。障害物センサ227は、例えばレーザスキャナまたは超音波ソナーを含み得る。障害物センサ227は、自動走行時に周辺の障害物を検出して移植機200を停止したり迂回したりするために用いられる。LiDARセンサ225が障害物センサ227の一つとして利用されてもよい。
【0042】
移植機200は、測位装置220をさらに備える。測位装置220は、複数のGNSS衛星から送信される衛星信号を受信し、衛星信号に基づいて測位を行う。図3に示す測位装置220は、車両前部に設けられているが、他の位置に設けられていてもよい。
【0043】
測位装置220は、IMUを含み得る。IMUからの信号を利用して位置データを補完することができる。IMUは、移植機200の傾きおよび微小な動きを計測することができる。IMUによって取得されたデータを用いて、衛星信号に基づく位置データを補完することにより、測位の性能を向上させることができる。
【0044】
移植機200の制御装置は、測位装置220による測位結果に加えて、カメラ226および/またはLiDARセンサ225などのセンシング装置が取得したセンサデータを測位に利用してもよい。農道、林道、一般道、または果樹園のように、移植機200が走行する環境内に特徴点として機能する地物が存在する場合、カメラ226および/またはLiDARセンサ225によって取得されたデータと、予め記憶装置に格納された環境地図とに基づいて、移植機200の位置および向きを高い精度で推定することができる。カメラ226および/またはLiDARセンサ225が取得したデータを用いて、衛星信号に基づく位置データを補正または補完することで、より高い精度で移植機200の位置を特定できる。
【0045】
原動機202は、例えばディーゼルエンジンであり得る。原動機202が発生させた回転が前輪204Fおよび後輪204Rの少なくとも一方に伝達されることにより、移植機200は走行することができる。ディーゼルエンジンに代えて電動モータが使用されてもよい。変速装置203は、変速によって移植機200の推進力および移動速度を変化させることができる。変速装置203は、移植機200の前進と後進とを切り換えることもできる。
【0046】
操舵装置206は、ステアリングホイールと、ステアリングホイールに接続されたステアリングシャフトと、ステアリングホイールによる操舵を補助するパワーステアリング装置とを含む。前輪204Fは操舵輪であり、その切れ角を変化させることにより、移植機200の走行方向を変化させることができる。前輪204Fの操舵角は、ステアリングホイールを操作することによって変化させることができる。パワーステアリング装置は、前輪204Fの操舵角を変化させるための補助力を供給する油圧装置または電動モータを含む。自動操舵が行われるときには、移植機200内に配置された制御装置からの制御により、油圧装置または電動モータの力によって操舵角が自動で調整される。
【0047】
図3に示す移植機200は、有人運転が可能であるが、無人運転のみに対応していてもよい。その場合には、操舵装置206および運転席207などの、有人運転にのみ必要な構成要素は、移植機200に設けられていなくてもよい。無人の移植機200は、自律走行、またはユーザによる遠隔操作によって走行することができる。
【0048】
移植機200は、圃場に苗を植え付ける苗植付装置210を備える。移植機200は、圃場を走行しながら、苗植付装置210を動作させて苗の植え付けを行う。苗植付装置210は、リンク機構213を介して車体201の後部に支持されている。苗植付装置210は、苗載せ台211と、植付機構212とを備える。苗載せ台211には、苗マットが載置される。植付機構212は、苗載せ台211に載置されている苗マットから、苗を切り出して圃場に植え付ける。例えば苗載せ台211が左右方向に移動することで、植付機構212は、左右方向に並ぶ苗を順番に切り出すことができる。苗植付装置210の構成として、公知の苗植付装置の構成を採用することができるため、ここではその構成の詳細な説明は省略する。
【0049】
移植機200は、搬送装置270をさらに備える。搬送装置270は、作業車両100から供給された苗マットを苗植付装置210に搬送する。搬送装置270は、移植機200に対して着脱可能であってもよい。搬送装置270は、例えば、移植機200の上方に位置し、複数のフレーム273を介して移植機200の車体201に支持される。搬送装置270は、作業車両100から供給された苗マットを苗植付装置210の方へ導くガイド271を備える。搬送装置270の詳細は後述する。
【0050】
図4は、作業車両100の構成例を示すブロック図である。作業車両100は、ネットワーク80を介して、端末装置400および管理装置600と通信することができる。作業車両100と移植機200とは、ネットワーク80を介して通信を行ってもよいし、ネットワーク80を介さずに直接通信を行ってもよい。
【0051】
図4に例示する作業車両100は、GNSSユニット120、LiDARセンサ125、カメラ126、障害物センサ127、操作端末131、操作スイッチ群132、ブザー133、走行装置140、センサ群150、制御装置160、通信装置190を備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続される。
【0052】
GNSSユニット120は、GNSS受信機121、RTK受信機122、慣性計測装置(IMU)123、処理回路124を備える。センサ群150は、作業車両100の各種状態を検出する。センサ群150は、ステアリングホイールセンサ151、回転センサ152、切れ角センサ153を含む。制御装置160は、プロセッサ161、RAM(Random Access Memory)162、ROM(Read Only Memory)163、記憶装置164、複数の電子制御ユニット(ECU)165から167を備える。移植機200は、走行装置240と、制御装置260と、通信装置290とを備える。図4には、作業車両100による自動運転の動作との関連性が相対的に高い構成要素が示されており、それ以外の構成要素の図示は省略されている。
【0053】
GNSSユニット120が備えるGNSS受信機121は、複数のGNSS衛星から送信される衛星信号を受信し、衛星信号に基づいてGNSSデータを生成する。GNSSデータは、例えばNMEA-0183フォーマットなどの所定のフォーマットで生成される。GNSSデータは、例えば、衛星信号が受信されたそれぞれの衛星の識別番号、仰角、方位角、および受信強度を示す値を含み得る。
【0054】
図4に例示するGNSSユニット120は、RTK(Real Time Kinematic)-GNSSを利用して作業車両100の測位を行う。RTK-GNSSによる測位では、複数のGNSS衛星から送信される衛星信号に加えて、基準局から送信される補正信号が利用される。基準局は、作業車両100が作業走行を行う圃場の付近(例えば、作業車両100から10km以内の位置)に設置され得る。基準局は、複数のGNSS衛星から受信した衛星信号に基づいて、例えばRTCMフォーマットの補正信号を生成し、GNSSユニット120に送信する。RTK受信機122は、アンテナおよびモデムを含み、基準局から送信される補正信号を受信する。GNSSユニット120の処理回路124は、補正信号に基づき、GNSS受信機121による測位結果を補正する。RTK-GNSSを用いることにより、例えば誤差数cmの精度で測位を行うことが可能である。緯度、経度、および高度の情報を含む位置データが、RTK-GNSSによる高精度の測位によって取得される。GNSSユニット120は、例えば1秒間に1回から10回程度の頻度で、作業車両100の位置を計算する。
【0055】
なお、測位方法はRTK-GNSSに限らず、必要な精度の位置データが得られる任意の測位方法(干渉測位法または相対測位法など)を用いることができる。例えば、VRS(Virtual Reference Station)またはDGPS(Differential Global Positioning System)を利用した測位を行ってもよい。基準局から送信される補正信号を用いなくても必要な精度の位置データが得られる場合は、補正信号を用いずに位置データを生成してもよい。その場合、GNSSユニット120は、RTK受信機122を備えていなくてもよい。
【0056】
RTK-GNSSを利用する場合であっても、基準局からの補正信号が得られない場所(例えば圃場から遠く離れた道路上)では、RTK受信機122からの信号によらず、他の方法で作業車両100の位置が推定される。例えば、LiDARセンサ125および/またはカメラ126から出力されたデータと、高精度の環境地図とのマッチングによって、作業車両100の位置が推定され得る。
【0057】
IMU123は、3軸加速度センサおよび3軸ジャイロスコープを備え得る。IMU123は、3軸地磁気センサなどの方位センサを備えていてもよい。IMU123は、モーションセンサとして機能し、作業車両100の加速度、速度、変位、および姿勢などの諸量を示す信号を出力することができる。処理回路124は、衛星信号および補正信号に加えて、IMU123から出力された信号に基づいて、作業車両100の位置および向きをより高い精度で推定することができる。IMU123から出力された信号は、衛星信号および補正信号に基づいて計算される位置の補正または補完に用いられ得る。IMU123は、GNSS受信機121よりも高い頻度で信号を出力する。その高頻度の信号を利用して、処理回路124は、作業車両100の位置および向きをより高い頻度(例えば、10Hz以上)で計測することができる。IMU123に代えて、3軸加速度センサおよび3軸ジャイロスコープを別々に設けてもよい。IMU123は、GNSSユニット120とは別の装置として設けられていてもよい。
【0058】
LiDARセンサ125は、作業車両100の周辺の環境をセンシングして、センサデータを出力する。LiDARセンサ125は、周辺の環境に存在する物体の各計測点までの距離および方向、または各計測点の3次元もしくは2次元の座標値を示すセンサデータを繰り返し出力する。
【0059】
カメラ126は、作業車両100の周辺の環境を撮影する撮像装置である。カメラ126は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサを備える。カメラ126は、他にも、一つ以上のレンズを含む光学系、および信号処理回路を備え得る。カメラ126は、作業車両100の走行中、作業車両100の周辺の環境を撮影し、画像(例えば動画)のデータを生成する。カメラ126は、例えば、3フレーム/秒(fps: frames per second)以上のフレームレートで動画を撮影することができる。カメラ126によって生成された画像は、例えば遠隔の監視者が端末装置400を用いて作業車両100の周辺の環境を確認するときに利用され得る。カメラ126によって生成された画像は、測位または障害物の検出に利用されてもよい。複数のカメラ126が作業車両100の異なる位置に設けられていてもよいし、単数のカメラが設けられていてもよい。可視光画像を生成する可視カメラと、赤外線画像を生成する赤外カメラとが別々に設けられていてもよい。可視カメラと赤外カメラの両方が監視用の画像を生成するカメラとして設けられていてもよい。赤外カメラは、夜間において障害物の検出にも用いられ得る。
【0060】
障害物センサ127は、作業車両100の周辺に存在する物体を検出する。障害物センサ127は、例えばレーザスキャナまたは超音波ソナーを含み得る。障害物センサ127は、障害物センサ127から所定の距離よりも近くに物体が存在する場合に、障害物が存在することを示す信号を出力する。複数の障害物センサ127が作業車両100の異なる位置に設けられていてもよい。例えば、複数のレーザスキャナと、複数の超音波ソナーとが、作業車両100の異なる位置に配置されていてもよい。障害物センサ127を複数個備えることにより、作業車両100の周辺の障害物の監視における死角を減らすことができる。
【0061】
ステアリングホイールセンサ151は、作業車両100のステアリングホイールの回転角を計測する。切れ角センサ153は、操舵輪である前輪104Fの切れ角を計測する。ステアリングホイールセンサ151および切れ角センサ153による検出値は、制御装置160による操舵制御に利用される。
【0062】
回転センサ152は、車輪104に接続された車軸の回転速度、すなわち単位時間あたりの回転数を計測する。回転センサ152は、例えば磁気抵抗素子(MR)、ホール素子、または電磁ピックアップを利用したセンサであり得る。回転センサ152は、例えば、車軸の1分あたりの回転数(単位:rpm)を示す数値を出力する。回転センサ152は、例えば作業車両100の速度を計測するために使用される。
【0063】
ブザー133は、異常を報知するための警告音を発する音声出力装置である。ブザー133は、例えば、自動運転時に、障害物が検出された場合に警告音を発する。ブザー133は、制御装置160によって制御される。
【0064】
走行装置140は、原動機102、変速装置103、車輪104、操舵装置106等の作業車両100の走行のために必要な各種の装置を含む。走行装置140は、内燃機関に代えて、あるいは内燃機関とともに、トラクション用の電動モータを備えていてもよい。
【0065】
プロセッサ161は、例えば中央演算処理装置(CPU)を含む半導体集積回路であり得る。プロセッサ161は、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラによって実現され得る。あるいは、プロセッサ161は、CPUを搭載したFPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)、または、これら回路の中から選択される二つ以上の回路の組み合わせによっても実現され得る。プロセッサ161は、ROM163に格納された、少なくとも一つの処理を実行するための命令群を記述したコンピュータプログラムを逐次実行し、所望の処理を実現する。
【0066】
ROM163は、例えば、書き込み可能なメモリ(例えばPROM)、書き換え可能なメモリ(例えばフラッシュメモリ)、または読み出し専用のメモリである。ROM163は、プロセッサ161の動作を制御するプログラムを記憶する。ROM163は、単一の記憶媒体である必要はなく、複数の記憶媒体の集合体であってもよい。複数の記憶媒体の集合体の一部は、取り外し可能なメモリであってもよい。
【0067】
RAM162は、ROM163に格納された制御プログラムをブート時に一旦展開するための作業領域を提供する。RAM162は、単一の記憶媒体である必要はなく、複数の記憶媒体の集合体であってもよい。
【0068】
記憶装置164は、フラッシュメモリまたは磁気ディスクなどの一つ以上の記憶媒体を含む。記憶装置164は、GNSSユニット120、LiDARセンサ125、カメラ126、障害物センサ127、センサ群150、および制御装置160が生成する各種のデータを記憶する。記憶装置164が記憶するデータには、作業車両100が走行する環境内の地図データ(環境地図)、および自動運転のための目標経路のデータが含まれ得る。環境地図は、作業車両100が農作業を行う複数の圃場およびその周辺の道の情報を含む。環境地図および目標経路は、管理装置600のプロセッサによって生成され得る。なお、制御装置160が、環境地図および目標経路を生成または編集する機能を備えていてもよい。制御装置160は、管理装置600から取得した環境地図および目標経路を、作業車両100の走行環境に応じて編集することができる。記憶装置164は、通信装置190が管理装置600から受信した作業計画のデータも記憶する。
【0069】
記憶装置164は、プロセッサ161、ECU165-167に、後述する各種の動作を実行させるコンピュータプログラムも記憶する。そのようなコンピュータプログラムは、記憶媒体(例えば半導体メモリまたは光ディスク等)または電気通信回線(例えばインターネット)を介して作業車両100に提供され得る。そのようなコンピュータプログラムが、商用ソフトウェアとして販売されてもよい。
【0070】
制御装置160は、複数のECU165-167を含む。ECU165は、走行装置140に含まれる原動機102、変速装置103、操舵装置106等を制御することによって作業車両100の走行速度および旋回動作を制御する。
【0071】
ECU165は、GNSSユニット120、LiDARセンサ125、カメラ126、障害物センサ127、センサ群150、およびプロセッサ161から出力されたデータに基づいて、自動運転を実現するための演算および制御を行う。例えば、ECU165は、GNSSユニット120、カメラ126、およびLiDARセンサ125の少なくとも1つから出力されたデータに基づいて、作業車両100の位置を特定する。圃場内においては、ECU165は、GNSSユニット120から出力されたデータのみに基づいて作業車両100の位置を決定してもよい。ECU165は、LiDARセンサ125および/またはカメラ126が取得したデータに基づいて作業車両100の位置を推定または補正してもよい。LiDARセンサ125および/またはカメラ126が取得したデータを利用することにより、測位の精度をさらに高めることができる。例えば、ECU165は、LiDARセンサ125および/またはカメラ126から出力されるデータと、環境地図とのマッチングにより、作業車両100の位置を推定してもよい。自動運転中、ECU165は、推定された作業車両100の位置に基づいて、目標経路に沿って作業車両100が走行するために必要な演算を行う。
【0072】
ECU166は、記憶装置164に格納された作業計画に基づいて作業車両100の移動先を決定し、作業車両100の移動の開始地点から目的地点までの目標経路を決定し得る。ECU166は、LiDARセンサ125、カメラ126および障害物センサ127から出力されたデータに基づいて、作業車両100の周辺に位置する物体を検出する処理を行ってもよい。ECU167は、上述の搬送装置110の動作を制御する。
【0073】
これらのECUの働きにより、制御装置160は、自動運転および苗の搬送動作を実現する。自動運転時において、制御装置160は、計測または推定された作業車両100の位置と、目標経路とに基づいて、走行装置140を制御する。これにより、制御装置160は、作業車両100を目標経路に沿って走行させることができる。
【0074】
制御装置160に含まれる複数のECUは、例えばCAN(Controller Area Network)などのビークルバス規格に従って、相互に通信することができる。CANに代えて、車載イーサネット(登録商標)などの、より高速の通信方式が用いられてもよい。図4において、ECU165から167のそれぞれは、個別のブロックとして示されているが、これらのそれぞれの機能が、複数のECUによって実現されていてもよい。ECU165から167の少なくとも一部の機能を統合した車載コンピュータが設けられていてもよい。制御装置160は、ECU165から167以外のECUを備えていてもよく、機能に応じて任意の個数のECUが設けられ得る。各ECUは、一つ以上のプロセッサを含む処理回路を備える。プロセッサ161は、制御装置160が含むECUのいずれかと統合されていてもよい。
【0075】
通信装置190は、移植機200、端末装置400、および管理装置600と通信を行う回路を含む装置である。通信装置190は、移植機200の通信装置290との間で無線通信を行う回路を含む。これにより、移植機200に所望の動作を実行させたり、移植機200から情報を取得したりすることができる。通信装置190は、さらに、ネットワーク80を介した信号の送受信を、端末装置400および管理装置600のそれぞれの通信装置との間で実行するためのアンテナおよび通信回路を含み得る。ネットワーク80は、例えば、3G、4Gもしくは5Gなどのセルラー移動体通信網およびインターネットを含み得る。通信装置190は、作業車両100の近くにいる監視者が使用する携帯端末と通信する機能を備えていてもよい。そのような携帯端末との間では、Wi-Fi(登録商標)、3G、4Gもしくは5Gなどのセルラー移動体通信、またはBluetooth(登録商標)などの、任意の無線通信規格に準拠した通信が行われ得る。
【0076】
操作端末131は、作業車両100の走行および移植機200の動作に関する操作をユーザが実行するための端末であり、バーチャルターミナル(VT)とも称される。操作端末131は、タッチスクリーンなどの表示装置、および/または一つ以上のボタンを備え得る。表示装置は、例えば液晶または有機発光ダイオード(OLED)などのディスプレイであり得る。ユーザは、操作端末131を操作することにより、例えば自動運転モードのオン/オフの切り替え、環境地図の記録または編集、目標経路の設定などの種々の操作を実行することができる。これらの操作の少なくとも一部は、操作スイッチ群132を操作することによっても実現され得る。操作端末131は、作業車両100から取り外せるように構成されていてもよい。作業車両100から離れた場所にいるユーザが、取り外された操作端末131を操作して作業車両100の動作を制御してもよい。ユーザは、操作端末131の代わりに、端末装置400などの、必要なアプリケーションソフトウェアがインストールされたコンピュータを操作して作業車両100の動作を制御してもよい。
【0077】
図5は、移植機200の構成例を示すブロック図である。移植機200は、ネットワーク80を介して、端末装置400および管理装置600と通信することができる。移植機200と作業車両100とは、ネットワーク80を介して通信を行ってもよいし、ネットワーク80を介さずに直接通信を行ってもよい。
【0078】
図5に例示する移植機200は、GNSSユニット220、LiDARセンサ225、カメラ226、障害物センサ227、操作端末231、操作スイッチ群232、ブザー233、走行装置240、センサ群250、制御装置260、通信装置290を備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続される。
【0079】
GNSSユニット220は、GNSS受信機221、RTK受信機222、慣性計測装置(IMU)223、処理回路224を備える。センサ群250は、移植機200の各種状態を検出する。センサ群250は、ステアリングホイールセンサ251、回転センサ252、切れ角センサ253を含む。制御装置260は、プロセッサ261、RAM262、ROM263、記憶装置264、複数の電子制御ユニット(ECU)265から267を備える。図5には、移植機200による自動運転の動作との関連性が相対的に高い構成要素が示されており、それ以外の構成要素の図示は省略されている。
【0080】
GNSSユニット220が備えるGNSS受信機221は、複数のGNSS衛星から送信される衛星信号を受信し、衛星信号に基づいてGNSSデータを生成する。GNSSユニット220は、RTK-GNSSを利用して移植機200の測位を行う。RTK受信機222は、アンテナおよびモデムを含み、基準局から送信される補正信号を受信する。GNSSユニット220の処理回路224は、補正信号に基づき、GNSS受信機221による測位結果を補正する。GNSSユニット120に同様に、測位方法はRTK-GNSSに限らず、必要な精度の位置データが得られる任意の測位方法(干渉測位法または相対測位法など)を用いることができる。基準局から送信される補正信号を用いなくても必要な精度の位置データが得られる場合は、補正信号を用いずに位置データを生成してもよい。その場合、GNSSユニット220は、RTK受信機222を備えていなくてもよい。
【0081】
RTK-GNSSを利用する場合であっても、基準局からの補正信号が得られない場所(例えば圃場から遠く離れた道路上)では、RTK受信機222からの信号によらず、他の方法で移植機200の位置が推定される。例えば、LiDARセンサ225および/またはカメラ226から出力されたデータと、高精度の環境地図とのマッチングによって、移植機200の位置が推定され得る。
【0082】
IMU223は、3軸加速度センサおよび3軸ジャイロスコープを備え得る。IMU223は、3軸地磁気センサなどの方位センサを備えていてもよい。IMU223は、モーションセンサとして機能し、移植機200の加速度、速度、変位、および姿勢などの諸量を示す信号を出力することができる。処理回路224は、衛星信号および補正信号に加えて、IMU223から出力された信号に基づいて、移植機200の位置および向きをより高い精度で推定することができる。IMU223から出力された信号は、衛星信号および補正信号に基づいて計算される位置の補正または補完に用いられ得る。IMU223に代えて、3軸加速度センサおよび3軸ジャイロスコープを別々に設けてもよい。IMU223は、GNSSユニット220とは別の装置として設けられていてもよい。
【0083】
LiDARセンサ225は、移植機200の周辺の環境をセンシングして、センサデータを出力する。LiDARセンサ225は、周辺の環境に存在する物体の各計測点までの距離および方向、または各計測点の3次元もしくは2次元の座標値を示すセンサデータを繰り返し出力する。
【0084】
カメラ226は、移植機200の周辺の環境を撮影する撮像装置である。カメラ226は、例えば、CCDまたはCMOSなどのイメージセンサを備える。カメラ226は、他にも、一つ以上のレンズを含む光学系、および信号処理回路を備え得る。カメラ226は、移植機200の走行中、移植機200の周辺の環境を撮影し、画像(例えば動画)のデータを生成する。カメラ226は、例えば、3フレーム/秒以上のフレームレートで動画を撮影することができる。カメラ226によって生成された画像は、例えば遠隔の監視者が端末装置400を用いて移植機200の周辺の環境を確認するときに利用され得る。カメラ226によって生成された画像は、測位または障害物の検出に利用されてもよい。可視光画像を生成する可視カメラと、赤外線画像を生成する赤外カメラとが別々に設けられていてもよい。可視カメラと赤外カメラの両方が監視用の画像を生成するカメラとして設けられていてもよい。赤外カメラは、夜間において障害物の検出にも用いられ得る。
【0085】
障害物センサ227は、移植機200の周辺に存在する物体を検出する。障害物センサ227は、例えばレーザスキャナまたは超音波ソナーを含み得る。複数の障害物センサ227が移植機200の異なる位置に設けられていてもよい。例えば、複数のレーザスキャナと、複数の超音波ソナーとが、移植機200の異なる位置に配置されていてもよい。
【0086】
ステアリングホイールセンサ251は、移植機200のステアリングホイールの回転角を計測する。切れ角センサ253は、操舵輪である前輪204Fの切れ角を計測する。ステアリングホイールセンサ251および切れ角センサ253による検出値は、制御装置260による操舵制御に利用される。
【0087】
回転センサ252は、車輪204に接続された車軸の回転速度を計測する。回転センサ252は、例えば磁気抵抗素子(MR)、ホール素子、または電磁ピックアップを利用したセンサであり得る。回転センサ252は、例えば、車軸の1分あたりの回転数を示す数値を出力する。回転センサ252は、例えば移植機200の速度を計測するために使用される。
【0088】
ブザー233は、異常を報知するための警告音を発する音声出力装置である。ブザー233は、例えば、自動運転時に、障害物が検出された場合に警告音を発する。ブザー233は、制御装置260によって制御される。
【0089】
走行装置240は、原動機202、変速装置203、車輪204、操舵装置206等の移植機200の走行のために必要な各種の装置を含む。走行装置240は、内燃機関に代えて、あるいは内燃機関とともに、トラクション用の電動モータを備えていてもよい。
【0090】
プロセッサ261、RAM262、ROM263の詳細は、プロセッサ161、RAM162、ROM163と同様である。記憶装置264は、フラッシュメモリまたは磁気ディスクなどの一つ以上の記憶媒体を含む。記憶装置264は、GNSSユニット220、LiDARセンサ225、カメラ226、障害物センサ227、センサ群250、および制御装置260が生成する各種のデータを記憶する。記憶装置264が記憶するデータには、移植機200が走行する環境内の地図データ(環境地図)、および自動運転のための目標経路のデータが含まれ得る。環境地図は、移植機200が農作業を行う複数の圃場およびその周辺の道の情報を含む。環境地図および目標経路は、管理装置600のプロセッサによって生成され得る。なお、制御装置260が、環境地図および目標経路を生成または編集する機能を備えていてもよい。制御装置260は、管理装置600から取得した環境地図および目標経路を、移植機200の走行環境に応じて編集することができる。記憶装置264は、通信装置290が管理装置600から受信した作業計画のデータも記憶する。
【0091】
記憶装置264は、プロセッサ261、ECU265-267に、後述する各種の動作を実行させるコンピュータプログラムも記憶する。そのようなコンピュータプログラムは、記憶媒体(例えば半導体メモリまたは光ディスク等)または電気通信回線(例えばインターネット)を介して移植機200に提供され得る。そのようなコンピュータプログラムが、商用ソフトウェアとして販売されてもよい。
【0092】
制御装置260は、複数のECU265-267を含む。ECU265は、走行装置240に含まれる原動機202、変速装置203、操舵装置206等を制御することによって移植機200の走行速度および旋回動作を制御する。
【0093】
ECU265は、GNSSユニット220、LiDARセンサ225、カメラ226、障害物センサ227、センサ群250、およびプロセッサ261から出力されたデータに基づいて、自動運転を実現するための演算および制御を行う。例えば、ECU265は、GNSSユニット220、カメラ226、およびLiDARセンサ225の少なくとも1つから出力されたデータに基づいて、移植機200の位置を特定する。圃場内においては、ECU265は、GNSSユニット220から出力されたデータのみに基づいて移植機200の位置を決定してもよい。ECU265は、LiDARセンサ225および/またはカメラ226が取得したデータに基づいて移植機200の位置を推定または補正してもよい。LiDARセンサ225および/またはカメラ226が取得したデータを利用することにより、測位の精度をさらに高めることができる。例えば、ECU265は、LiDARセンサ225および/またはカメラ226から出力されるデータと、環境地図とのマッチングにより、移植機200の位置を推定してもよい。自動運転中、ECU265は、推定された移植機200の位置に基づいて、目標経路に沿って移植機200が走行するために必要な演算を行う。
【0094】
ECU266は、記憶装置264に格納された作業計画に基づいて移植機200の移動先を決定し、移植機200の移動の開始地点から目的地点までの目標経路を決定し得る。ECU266は、LiDARセンサ225、カメラ226および障害物センサ227から出力されたデータに基づいて、移植機200の周辺に位置する物体を検出する処理を行ってもよい。ECU267は、上述の苗植付装置210の動作を制御する。ECU267は、上述の搬送装置270の動作の制御も行い得る。
【0095】
これらのECUの働きにより、制御装置260は、自動運転、苗の移植動作、苗の搬送動作を実現する。自動運転時において、制御装置260は、計測または推定された移植機200の位置と、目標経路とに基づいて、走行装置240を制御する。これにより、制御装置260は、移植機200を目標経路に沿って走行させることができる。
【0096】
制御装置260に含まれる複数のECUは、例えばCANなどのビークルバス規格に従って、相互に通信することができる。CANに代えて、車載イーサネット(登録商標)などの、より高速の通信方式が用いられてもよい。図5において、ECU265から267のそれぞれは、個別のブロックとして示されているが、これらのそれぞれの機能が、複数のECUによって実現されていてもよい。ECU265から267の少なくとも一部の機能を統合した車載コンピュータが設けられていてもよい。制御装置260は、ECU265から267以外のECUを備えていてもよく、機能に応じて任意の個数のECUが設けられ得る。各ECUは、一つ以上のプロセッサを含む処理回路を備える。プロセッサ261は、制御装置260が含むECUのいずれかと統合されていてもよい。
【0097】
通信装置290は、作業車両100、端末装置400、および管理装置600と通信を行う回路を含む装置である。通信装置290は、作業車両100の通信装置290との間で無線通信を行う回路を含む。これにより、作業車両100に所望の動作を実行させたり、作業車両100から情報を取得したりすることができる。通信装置290は、さらに、ネットワーク80を介した信号の送受信を、端末装置400および管理装置600のそれぞれの通信装置との間で実行するためのアンテナおよび通信回路を含み得る。通信装置290は、移植機200の近くにいる監視者が使用する携帯端末と通信する機能を備えていてもよい。
【0098】
操作端末231は、移植機200の走行および作業車両100の動作に関する操作をユーザが実行するための端末であり、バーチャルターミナル(VT)とも称される。操作端末231は、タッチスクリーンなどの表示装置、および/または一つ以上のボタンを備え得る。表示装置は、例えば液晶または有機発光ダイオード(OLED)などのディスプレイであり得る。ユーザは、操作端末231を操作することにより、例えば自動運転モードのオン/オフの切り替え、環境地図の記録または編集、目標経路の設定などの種々の操作を実行することができる。これらの操作の少なくとも一部は、操作スイッチ群232を操作することによっても実現され得る。操作端末231は、移植機200から取り外せるように構成されていてもよい。移植機200から離れた場所にいるユーザが、取り外された操作端末231を操作して移植機200の動作を制御してもよい。ユーザは、操作端末231の代わりに、端末装置400などの、必要なアプリケーションソフトウェアがインストールされたコンピュータを操作して移植機200の動作を制御してもよい。
【0099】
次に、図6を参照しながら、管理装置600および端末装置400の構成を説明する。図6は、管理装置600および端末装置400のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【0100】
管理装置600は、記憶装置650と、プロセッサ660と、ROM670と、RAM680と、通信装置690とを備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続される。管理装置600は、作業車両100および移植機200が実行する圃場における農作業のスケジュール管理を行い、管理するデータを活用して農業を支援するクラウドサーバとして機能し得る。ユーザは、端末装置400を用いて作業計画の作成に必要な情報を入力し、その情報を、ネットワーク80を介して管理装置600にアップロードすることが可能である。管理装置600は、その情報に基づき、農作業のスケジュール、すなわち作業計画を作成することができる。管理装置600は、さらに、環境地図の生成または編集を実行することができる。環境地図は、管理装置600の外部のコンピュータから配信されてもよい。
【0101】
通信装置690は、ネットワーク80を介して作業車両100、移植機200、端末装置400と通信するための通信モジュールである。通信装置690は、例えば、IEEE1394(登録商標)またはイーサネット(登録商標)などの通信規格に準拠した有線通信を行うことができる。通信装置690は、Bluetooth(登録商標)規格もしくはWi-Fi規格に準拠した無線通信、または、3G、4Gもしくは5Gなどのセルラー移動体通信を行ってもよい。
【0102】
プロセッサ660は、例えば中央演算処理装置(CPU)を含む半導体集積回路であり得る。ROM670は、例えば、書き込み可能なメモリ(例えばPROM)、書き換え可能なメモリ(例えばフラッシュメモリ)、または読み出し専用のメモリである。RAM680は、ROM670に格納された制御プログラムをブート時に一旦展開するための作業領域を提供する。プロセッサ660、ROM670、RAM680の構成の詳細は、プロセッサ161、ROM163、RAM162と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0103】
記憶装置650は、主としてデータベースのストレージとして機能する。記憶装置650は、例えば、磁気記憶装置または半導体記憶装置であり得る。記憶装置650は、管理装置600とは独立した装置であってもよい。例えば、記憶装置650は、管理装置600にネットワーク80を介して接続される記憶装置、例えばクラウドストレージであってもよい。
【0104】
端末装置400は、入力装置420と、表示装置430と、記憶装置450と、プロセッサ460と、ROM470と、RAM480と、通信装置490とを備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続される。入力装置420は、ユーザからの指示をデータに変換してコンピュータに入力するための装置である。入力装置420は、例えば、キーボード、マウス、またはタッチパネルであり得る。表示装置430は、例えば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイであり得る。プロセッサ460、ROM470、RAM480、記憶装置450、および通信装置490のそれぞれに関する説明は、作業車両100、移植機200、管理装置600のハードウェア構成例において記載したとおりであり、それらの説明を省略する。
【0105】
[2.動作]
次に、作業車両100から移植機200に苗を供給する動作を説明する。
【0106】
図7は、搬送装置110のガイド111、搬送装置270のガイド271、苗植付装置210を示す上面図である。搬送装置110は作業車両100に搭載されている。搬送装置270は移植機200に搭載されている。
【0107】
図7に示すように、苗植付装置210の苗載せ台211には、苗マット180を載置する複数のレーン215が設けられている。複数のレーン215は、複数の壁部216で区切られており、複数のレーン215それぞれに苗マット180を載置することができる。
【0108】
図2に示すように、搬送装置110のガイド111は、作業車両100前方の位置から後方斜め上方に向かって延びた後、後方斜め下方に向かって延びて作業車両100後方の位置に達する形状を有している。図7に示すように、ガイド111には、苗マットが通る複数のレーン115が設けられている。複数のレーン115の本数は、苗植付装置210のレーン215の本数と同じであり得る。複数のレーン115は、複数の壁部116で区切られており、複数のレーン115のそれぞれで苗マット180を通過させることができる。例えばユーザによって、複数のレーン115のそれぞれに苗マット180を配置する。複数のレーン115に配置された苗マット180は、ベルトコンベア112(図2)で支持される。ベルトコンベア112を動作させることで、苗マット180をレーン115が延びる方向に沿って移動させることができる。
【0109】
図3に示すように、搬送装置270のガイド271は、移植機200前方の位置から後方斜め下方に向かって延びて、苗載せ台211の上端部の位置に達する形状を有している。図7に示すように、ガイド271には、苗マット180が通る複数のレーン275が設けられている。複数のレーン275の本数は、レーン215の本数と同じであり得る。複数のレーン275は、複数の壁部276で区切られており、複数のレーン275のそれぞれに苗マット180を載せることができる。複数のレーン275のそれぞれは底部を有し、レーン275に載せられた苗マット180は、その底部で支持されるとともに、重力の作用で底部をスライドして移動する。
【0110】
本実施形態では、作業車両100と移植機200とが前後方向において隣り合うように作業車両100および移植機200を走行させ、作業車両100と移植機200とが隣り合った状態で、作業車両100から移植機200に苗マット180を供給する。
【0111】
図8は、作業車両100と移植機200とが前後方向において隣り合った状態における、搬送装置110のガイド111、搬送装置270のガイド271、苗植付装置210を示す上面図である。搬送装置110の後端部と搬送装置270の前端部との位置合わせを行い、搬送装置110のレーン115から、搬送装置270のレーン275に、苗マット180を供給する。レーン275上の苗マット180は、レーン275に沿って後方斜め下方に向かってスライドし、搬送装置270の下端部から苗載せ台211に移動する。これにより、苗載せ台211に苗マット180を補給することができる。
【0112】
作業車両100と移植機200とを前後方向において隣り合わせることで、作業車両100と移植機200の苗植付装置210との間の苗の搬送経路を概ね直線状にすることができ、苗の供給を安定して行うことができる。
【0113】
次に、作業車両100に搭載された搬送装置110に苗マット180を載せる動作を説明する。図9から図12は、搬送装置110に苗マット180を載せる動作を説明する図である。
【0114】
搬送装置110の動作の制御は、例えば作業車両100のプロセッサ161(図4)がECU167を介して行う。搬送装置110にはカメラ126aが設けられており、プロセッサ161は、カメラ126aから出力されるセンサデータに基づいて、搬送装置110の動作状態および搬送装置110に載せられた苗マット180の状態を監視することができる。カメラ126a以外のセンサを用いてそれらの状態を監視してもよい。例示する搬送装置110では、その前半部分および後半部分のそれぞれにベルトコンベア112が配置されている。
【0115】
図9に示すように、ガイド111の前部から複数のレーン115(図7)のそれぞれに苗マット180を配置する。レーン115への苗マット180の配置は、ユーザが行ってもよいし、レーン115への苗マット180の配置が可能な装置(例えば移動ロボット)が行ってもよい。
【0116】
レーン115のそれぞれに苗マット180が配置されると、プロセッサ161は、前方側のベルトコンベア112を動作させ、ベルトコンベア112に載せられた苗マット180を所定距離だけ斜め上方に移動させる。所定距離は、苗マット180の前後方向の長さに応じて任意に設定される。苗マット180が所定距離移動することで、搬送装置110の前部には次の苗マット180を配置するスペースが生まれる。図10は、次の苗マット180が配置された搬送装置110を示している。ベルトコンベア112を動作させて苗マット180を移動させることにより、搬送装置110に苗マット18を順に配置することができる。
【0117】
苗マット18を搬送装置110の後部に移動させる場合、プロセッサ161は、前方側のベルトコンベア112および後方側のベルトコンベア112の両方を動作させ、苗マット18をガイド111に沿って後方へ移動させる。図11は、後方へ移動する苗マット18を示している。図12は、搬送装置110の後部に達した苗マット18を示している。搬送装置110に載せる苗マット18の合計個数は任意である。
【0118】
搬送装置110の後部にはストッパ114が設けられており、苗マット18の落下を抑制することができる。ストッパ114は、例えばアクチュエータ114aにより回転可能である。苗マット18を移植機200に移動させる場合には、ストッパ114は、左側面視において時計回りに回転して、苗マット18の移動の抑制を解除する。
【0119】
上述したように、本実施形態では、作業車両100と移植機200とが前後方向において隣り合うように作業車両100および移植機200を走行させ、作業車両100と移植機200とが隣り合った状態で、作業車両100から移植機200に苗マット180を供給する。
【0120】
図13から図15は、作業車両100と移植機200とが前後方向において隣り合った状態で、作業車両100から移植機200に苗マット180を供給する動作を説明する図である。
【0121】
作業車両100のプロセッサ161は、ECU165(図4)を介して、作業車両100の自動走行の制御を行う。移植機200のプロセッサ261(図5)は、ECU265を介して、移植機200の自動走行の制御を行う。
【0122】
プロセッサ161は、カメラ126および126a、LiDARセンサ125等から出力されるセンサデータに基づいて、搬送装置110の後端部および搬送装置270の前端部の位置を検出する。プロセッサ161は、搬送装置110の後端部の位置と搬送装置270の前端部の位置とが、前後左右方向で合うように作業車両100の走行を制御する。
【0123】
プロセッサ261が、カメラ226、LiDARセンサ225等から出力されるセンサデータに基づいて、搬送装置110の後端部および搬送装置270の前端部の位置を検出してもよい。この場合、プロセッサ261は、搬送装置110の後端部の位置と搬送装置270の前端部の位置とが、前後左右方向で合うように移植機200の走行を制御する。プロセッサ161とプロセッサ261とが協働して、搬送装置110と搬送装置270との位置合わせを行ってもよい。
【0124】
搬送装置110および搬送装置270は、互いを連結する連結装置を備えてもよい。搬送装置110と搬送装置270とが位置合わせされた状態で互いに連結されることで、搬送装置110と搬送装置270との位置関係を安定させることができる。
【0125】
プロセッサ161は、アクチュエータ114a(図12)を駆動して、ストッパ114を左側面視において時計回りに回転させて、苗マット18の移動の抑制を解除させる。時計回りに回転したストッパ114は、後方斜め下方に延びて、搬送装置110から搬送装置270に苗マット18を誘導するスロープとして機能し得る。
【0126】
プロセッサ161は、後方側のベルトコンベア112を動作させ、搬送装置110上の苗マット18を搬送装置270に送り出す。図14に示すように、搬送装置270に移動した苗マット18は、レーン275(図7)に沿って後方斜め下方に向かってスライドする。図15に示すように、搬送装置270をスライドする苗マット18は、搬送装置270の下端部から苗載せ台211に移動する。これにより、苗植付装置210に苗マット180が補給される。作業車両100から移植機200に供給する苗マット18の合計個数は任意である。
【0127】
なお、搬送装置270がベルトコンベアを備え、そのベルトコンベアを動作させて搬送装置270の前部から後部へ苗マット18を移動させて、苗載せ台211に苗マット180を供給してもよい。
【0128】
次に、圃場への苗の移植を行う移植機200に作業車両100から苗を供給する動作を説明する。
【0129】
図16は、圃場70への苗の移植を行う移植機200を示す図である。本実施形態の移植機200は、圃場70を自動運転で走行しながら苗の移植を行う。圃場70内において、移植機200は、予め設定された目標経路73に沿って走行しながら、苗を移植する動作を実行する。圃場70内において、移植機200の測位は、主にGNSSユニット220から出力されるデータに基づいて行われる。GNSSユニット220から出力される測位データに加え、LiDARセンサ225および/またはカメラ226から出力されるデータに基づいて移植機200の位置を推定してもよい。
【0130】
図16に示す例では、圃場70は、移植機200が苗の移植を行う作業領域71と、圃場70の外周縁付近に位置する枕地72とを含む。圃場70が田んぼである場合、枕地72は畦際とも称され得る。地図上で圃場70のどの領域が作業領域71および枕地72に該当するかは、ユーザによって事前に設定され得る。移植機200は、図16に示すような目標経路73に沿って、作業の開始地点から作業の終了地点まで、自動で走行する。なお、図16に示す目標経路73は一例に過ぎず、目標経路73の定め方は任意である。目標経路73は、ユーザの操作に基づいて作成されてもよいし、自動で作成されてもよい。目標経路73は、例えば圃場70内の作業領域71の全体をカバーするように作成され得る。
【0131】
移植機200は、目標経路73に沿って自動運転で走行しながら苗を移植する。移植機200のプロセッサ261(図5)は、移植機200を目標経路73に沿って自動運転で走行させる制御を、ECU265を介して行う。また、プロセッサ261は、苗植付装置210の苗の移植動作の制御を、ECU267を介して行う。
【0132】
目標経路73は、並列する複数の主経路73aと、複数の主経路73aを接続する複数の旋回経路73bとを含む。主経路73aは作業領域71内に位置し、旋回経路73bは枕地72内に位置する。図16に示す各主経路73aは直線状の経路であるが、各主経路73aは曲線状の部分を含んでいてもよい。移植機200は、図16に示すような目標経路73に沿って、作業の開始地点から作業の終了地点まで、往復を繰り返しながら自動で走行する。
【0133】
図16に示す例では、搬送装置110に苗マット18を載せた作業車両100が枕地72で待機している。作業車両100と移植機200とは、通信装置190および290を介して互いにデータ通信を行う。
【0134】
図17は、移植機200の動作の例を示すフローチャートである。図18は、作業車両100の動作の例を示すフローチャートである。
【0135】
移植機200のプロセッサ261は、移植機200を目標経路73に沿って走行させながら苗の移植を行う制御を行う。プロセッサ261は、並行して、作業車両100から移植機200へ苗マット180を補給する補給ポイントの位置(地理座標)を設定する(ステップS101)。補給ポイントは、作業車両100から移植機200への苗マット180の供給を開始する開始位置である。図19は、圃場70に設定された補給ポイント75の例を示す図である。
【0136】
移植機200の苗載せ台211には、カメラ226a(図3)が設けられている。プロセッサ261は、カメラ226aから出力されるセンサデータに基づいて、苗植付装置210の動作状態および苗載せ台211に載せられた苗マット180の状態を監視することができる。カメラ226a以外のセンサを用いてそれらの状態を監視してもよい。プロセッサ261は、カメラ226aから出力されるセンサデータに基づいて、苗載せ台211に載っている苗の残量を検出することができる。
【0137】
プロセッサ261は、検出した苗の残量に基づいて、苗載せ台211に載っている苗の残量が所定量以下となる位置を、補給ポイント75に設定する。また、例えば、苗載せ台211に載っている苗の残量がゼロより大きく且つ所定量以下となる位置を、補給ポイント75に設定する。所定量は任意であり、例えば、苗載せ台211のレーン215の一つ当たりに載っている苗マット180の個数が一つになったことに相当する量を所定量としてもよい。また、例えば、苗載せ台211の最大積載量の半分に相当する量を所定量としてもよい。
【0138】
苗載せ台211に載っている苗がある程度減少した状態で、作業車両100から移植機200への苗の供給を開始することで、移植機200への苗の供給を効率良く行うことができる。また、苗載せ台211に載っている苗の残量がゼロになる前に作業車両100から移植機200への苗の供給を開始することで、苗の残量がゼロになることに起因して移植機200の移植作業を中断する必要が無くなり、苗の移植を効率良く行うことができる。
【0139】
プロセッサ261は、GNSSユニット220の出力データから移植機200の位置の地理座標の情報を取得することができる。移植機200が目標経路73上の単位長さだけ走行する間に消費される苗の量は予め設定されている。プロセッサ261は、移植機200の現在位置と、検出した現在の苗の残量に基づいて、苗の残量が所定量以下となる目標経路73上の位置を演算することができる。プロセッサ261は、その演算した位置を補給ポイント75に設定する。
【0140】
上述したように、作業車両100と移植機200とは、通信装置190および290を介して互いにデータ通信を行う。プロセッサ261は、移植機200の走行速度の情報、移植機200の現在位置の情報、目標経路73の情報および補給ポイント75の位置の情報を作業車両100に送信する。
【0141】
移植機200の走行速度の情報、移植機200の現在位置の情報、目標経路73の情報および補給ポイント75の位置の情報を受け取った作業車両100のプロセッサ161は、作業車両100を自動で走行させる目標経路76を設定する(図18のステップS201)。
【0142】
図19は、目標経路76の例を示している。プロセッサ161は、圃場70内の移植機200が苗を移植する前のエリアを作業車両100が走行するように目標経路76を設定する。移植機200が未だ苗を移植していないエリアを作業車両100に走行させることで、圃場70に移植済みの苗に作業車両100が接触することを抑制できる。また、プロセッサ161は、移植機200の目標経路73のうちの移植機200がこれから走行する予定の経路、すなわち、移植機200が苗を未だ移植していない目標経路73上の経路を作業車両100が走行するように目標経路76を設定する。これにより、圃場70に移植済みの苗に作業車両100が接触することを抑制しながら、作業車両100を移植機200に効率良く接近させることができる。また、目標経路73上における移植機200よりも前方の位置を作業車両100に走行させることで、作業車両100と移植機200とが前後方向において隣り合うように、作業車両100と移植機200とを接近させることができる。
【0143】
プロセッサ161は、作業車両100を目標経路76に沿って自動運転で走行させる制御を、ECU165を介して行う(ステップS202)。図20は、目標経路76を走行して補給ポイント75に到達した作業車両100を示す図である。プロセッサ161は、補給ポイント75の位置で作業車両100を待機させる(ステップS203)。プロセッサ161は、例えば、作業車両100の後部が補給ポイント75に位置するように作業車両100を待機させる。これにより、移植機200が補給ポイント75に到達したときに、作業車両100と移植機200とを前後方向において隣り合わせることができる。
【0144】
移植機200は、ステップS101において補給ポイント75の位置(地理座標)を設定した後、目標経路73に沿って自動運転で走行しながら苗を移植する作業を継続する(ステップS102)。目標経路73を走行し続けた移植機200は、補給ポイント75に到達する。図21は、補給ポイント75に到達した移植機200を示す図である。移植機200が補給ポイント75に到達することで、移植機200の前部は、待機していた作業車両100の後部と隣り合うことができる(ステップS103、S204)。移植機200を走行させながら作業車両100から移植機200に苗マット180を供給する場合は、作業車両100は移植機200と同じ速度で走行する。
【0145】
上述したように、本実施形態では、作業車両100と移植機200とが前後方向において隣り合った状態で、作業車両100から移植機200に苗マット180を供給する(ステップS104、S205)。作業車両100から移植機200に苗マット180を供給する動作は、図8および図13から図15を用いて説明したとおりである。
【0146】
作業車両100は、移植機200への苗マット180の供給を完了すると、移植機200から離脱して、待機位置に戻る(ステップS206)。図22は、移植機200から離脱して待機位置に向かって走行する作業車両100を示す図である。プロセッサ161は、移植機200が苗を移植していないエリアを作業車両100が走行するように、待機位置に戻る目標経路76を設定する。作業車両100は、目標経路76に沿って走行することで待機位置に戻ることができる。待機位置または他の位置において、作業車両100の搬送装置110には苗マット18が補充され得る。
【0147】
作業車両100からの苗マット180の供給が完了した移植機200は、目標経路73に沿って走行しながら苗の移植を継続して行う(ステップS105)。移植機200のプロセッサ261は、作業車両100から移植機200へ苗マット180を補給する補給ポイント75の位置を新たに設定する(ステップS101)。新たに設定された補給ポイント75に作業車両100および移植機200が到達することで、作業車両100から移植機200へ苗マット180を再び供給することができる。
【0148】
本実施形態によれば、圃場70内で移植機200と作業車両100とが隣り合うように作業車両100を走行させ、作業車両100から移植機200へ苗を供給する。移植機200に苗を補給するために、補給用の苗が用意されたエリア(例えば枕地72)に移植機200を移動させる必要が無い。移植機200の移植作業を中断する必要が無いため、苗の移植を効率良く行うことができる。
【0149】
なお、作業車両100のプロセッサ161は、作業車両100の走行速度の情報、作業車両100の現在位置の情報を移植機200に送信してもよい。移植機200のプロセッサ261は、移植機200および作業車両100それぞれの走行速度および現在位置に基づいて、移植機200が到達する前に作業車両100が到達可能な位置を、補給ポイント75に設定してもよい。プロセッサ261は、それらの情報に基づいて、走行する作業車両100が移植機200の走行に干渉しない位置を、補給ポイント75に設定してもよい。これにより、移植機200の走行および移植作業を妨げることを抑制できる。
【0150】
上述したように、作業車両100から移植機200への苗マット180の供給は、例えば、直線状の主経路73a上で行われる。旋回経路73bではない位置で作業車両100から移植機200へ苗を供給することで、作業車両100から移植機200への苗の供給をスムーズに行うことができる。作業車両100から移植機200に苗マット180を供給しているときの作業車両100および移植機200の走行速度は、作業車両100から移植機200に苗マット180を供給していないときの走行速度よりも小さくてもよい。これにより、直線状の主経路73aの長さが短い場合でも、その主経路73a上で作業車両100から移植機200への苗の供給を完了させることができる。
【0151】
また、作業車両100から移植機200への苗マット180の供給作業に要する時間、苗マット180の供給作業中の作業車両100および移植機200の走行速度を考慮して、補給ポイント75の位置を設定してもよい。苗マット180の供給作業に要する時間は、供給する苗マット180の量、および苗マット180を供給する速さから演算することができる。例えば、ある主経路73a上の補給ポイント75からその主経路73aの終端位置までの間で、苗マット180の供給作業が完了するように、補給ポイント75の位置を設定する。これにより、直線状の主経路73a上で苗マット180の供給作業を完了させることができる。
【0152】
また、苗の移植を行う作業領域71内で作業車両100が走行する距離ができるだけ短くなるように補給ポイント75を設定してもよい。例えば、圃場70が田んぼである場合、圃場70に稲苗を移植する前に、作業領域71内の土の状態を整える代掻きが行われ得る。作業領域71内で作業車両100が走行する距離を必要最小限にすることで、作業車両100の走行により土の状態が乱れるエリアを小さくすることができる。
【0153】
次に、作業車両100および移植機200の別の例を説明する。
【0154】
図23は、作業車両100の別の例を模式的に示す左側面図である。図24は、移植機200の別の例を模式的に示す左側面図である。図25は、作業車両100と移植機200とが前後方向において隣り合った状態で、作業車両100から移植機200に苗マット180を供給する動作を示す図である。
【0155】
図23に示す作業車両100は、自動運転が可能なローバーである。ローバーの自動運転のための構成および方法、苗マット180の供給方法として、上述した実施形態の構成および方法が適用可能である。図23に示す作業車両100には、複数の苗マット180を載置可能なラック170が搭載されている。ラック170は、作業車両100に対して着脱可能であり得る。ラック170は、作業車両100の左右両側、作業車両100の前方側、車体101の内部等の作業車両100の任意の位置に設けられ得る。
【0156】
ラック170は複数の段を備え、それぞれの段に苗マット180を載置することができる。苗マット180はパレットに載った状態でラック170に載置されていてもよい。作業車両100には、苗マット180をラック170から搬送装置110に移動させる搬送機構が搭載され得る。搬送機構として任意の機構を用いて苗マット180をラック170から搬送装置110に移動させることができる。搬送機構として、例えば、ロボットアーム、ガントリ機構、またはそれらを組み合わせた機構を用いることができる。そのような搬送機構の動作を例えばプロセッサ161が制御することにより、苗マット180をラック170から搬送装置110に自動で移動させることができる。なお、ユーザによって苗マット180をラック170から搬送装置110に移動させてもよい。
【0157】
図24に示す移植機200は、図23に示す作業車両100から苗マット180を受け取る。図24に示す移植機200の搬送装置270は、苗マット180を移動させるベルトコンベア272を備える。搬送装置270に供給された苗マット180は、ベルトコンベア272で支持される。例えばプロセッサ261の制御によりベルトコンベア272を動作させることで、苗マット180を搬送装置270の前部から苗載せ台211の方へ移動させることができる。搬送装置270がベルトコンベア272を備えることで、重力を利用して苗マット180を移動させることができない場合でも、苗マット180を移動させることができる。
【0158】
図25は、作業車両100から移植機200に苗マット180を供給する動作を示している。この例においても、図13から図15を用いて説明した動作と同様に、作業車両100と移植機200とが前後方向において隣り合った状態で、作業車両100から移植機200に苗マット180を供給することができる。
【0159】
図23から図25に示す例では、複数の苗マット180を載置可能なラック170が作業車両100に設けられている。これにより、作業車両100は一度に多くの苗マット180を運搬することが可能である。また、作業車両100に苗マット180を補充する回数を減らすことができる。
【0160】
上述の実施形態の説明で例示した作業車両100は、複数の移植機200に順に苗マット180を供給してもよい。ラック170が作業車両100に設けられている形態では、より多くの移植機200に苗マット180を供給することができる。
【0161】
上述の実施形態の説明では、作業車両100と移植機200とは前後方向に隣接していたが、左右方向に隣接してもよい。この場合、作業車両100および移植機200には、左右方向に隣接した状態で苗マット180の供給が可能な搬送装置110および270が設けられる。
【0162】
搬送装置110は、作業車両100に連結されるインプルメントであってもよい。また、作業車両100は、移植機200に苗を供給する専用の車両であってもよい。
【0163】
上述の実施形態の説明では、苗マット180が作業車両100から移植機200に供給されていたが、供給される苗の形態は苗マットに限定されない。例えば、ポット苗が作業車両100から移植機200に供給されてもよい。
【0164】
上述したように、作業車両100および移植機200は、無人運転のみに対応していてもよい。その場合、車両に人間が乗るスペースを確保する必要が無いため、搬送装置110および270の高さを低くすることができる。これにより車両の安定性を向上させることができる。
【0165】
上述した苗移植システム1は、作業車両100および移植機200によって実現されてもよい。
【0166】
苗移植システム1においてプロセッサ161および261が実行する処理の一部または全部は、他の装置によって実行されてもよい。そのような他の装置は、管理装置600のプロセッサ660、端末装置400のプロセッサ460および操作端末131の少なくとも一つであってもよい。その場合、そのような他の装置のプロセッサが苗移植システム1の制御装置および処理装置に含まれ得る。
【0167】
以上のように、本開示は、以下に記載の苗移植システム、苗移植方法および作業車両を含む。
【0168】
[項目1]
圃場に苗を移植する移植機と前記移植機に苗を供給する作業車両とを用いる苗移植システムであって、
前記作業車両の動作を制御し、前記作業車両を自動運転させる制御装置を備え、
前記制御装置は、前記圃場内で前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように前記作業車両を走行させ、
前記移植機と前記作業車両とが隣り合った状態で、前記作業車両から前記移植機に苗を供給する、苗移植システム。
【0169】
本開示のある実施形態によれば、圃場内で移植機と作業車両とが隣り合うように作業車両を走行させ、作業車両から移植機へ苗を供給する。移植機に苗を補給するために、補給用の苗が用意されたエリア(例えば枕地)に移植機を移動させる必要が無い。移植機の移植作業を中断する必要が無いため、苗の移植を効率良く行うことができる。
【0170】
[項目2]
前記制御装置は、前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように、前記圃場内の前記移植機が苗を移植する前のエリアを前記作業車両に走行させる、項目1に記載の苗移植システム。
【0171】
移植機が未だ苗を移植していないエリアを作業車両に走行させることで、圃場に移植済みの苗に作業車両が接触することを抑制できる。
【0172】
[項目3]
前記制御装置は、苗を移植するために前記移植機が走行する予定の前記圃場内の走行経路であって、前記移植機が苗を未だ移植していない走行経路を前記作業車両に走行させる、項目1または2に記載の苗移植システム。
【0173】
これにより、圃場に移植済みの苗に作業車両が接触することを抑制しながら、作業車両を移植機に効率良く接近させることができる。
【0174】
[項目4]
前記制御装置は、前記走行経路上における前記移植機よりも前方の位置を前記作業車両に走行させ、前記作業車両と前記移植機とが前後方向において隣り合うように前記作業車両を走行させる、項目3に記載の苗移植システム。
【0175】
これにより、作業車両の後部から移植機の前部へ苗を供給することができる。作業車両と移植機の植付装置との間の苗の搬送経路を概ね直線状にすることができ、苗の供給を安定して行うことができる。
【0176】
[項目5]
前記作業車両から前記移植機への苗の供給の開始位置を設定する処理装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記開始位置において前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように前記作業車両を走行させる、項目1から4のいずれかに記載の苗移植システム。
【0177】
苗の供給の開始位置を設定し、その開始位置に作業車両を移動させることで、作業車両から移植機への苗の供給をスムーズに行うことができる。
【0178】
[項目6]
前記処理装置は、前記移植機に載っている苗の残量が所定量以下となる位置を、前記開始位置に設定する、項目5に記載の苗移植システム。
【0179】
移植機に載っている苗がある程度減少した状態で移植機への苗の供給を開始することで、移植機への苗の供給を効率良く行うことができる。
【0180】
[項目7]
前記処理装置は、前記移植機に載っている苗の残量がゼロより大きく且つ前記所定量以下となる位置を、前記開始位置に設定する、項目6に記載の苗移植システム。
【0181】
移植機に載っている苗の残量がゼロになる前に移植機への苗の供給を開始することで、苗の残量がゼロになることに起因して移植機の移植作業を中断する必要が無くなり、苗の移植を効率良く行うことができる。
【0182】
[項目8]
前記処理装置は、前記移植機が到達する前に前記作業車両が到達可能な位置を、前記開始位置に設定する、項目5から7のいずれかに記載の苗移植システム。
【0183】
これにより、圃場に移植済みの苗に作業車両が接触することを抑制するとともに、作業車両から移植機への苗の供給をスムーズに行うことができる。
【0184】
[項目9]
前記処理装置は、走行する前記作業車両が前記移植機の走行に干渉しない位置を、前記開始位置に設定する、項目5から8のいずれかに記載の苗移植システム。
【0185】
これにより、移植機の走行および移植作業をスムーズに行うことができる。
【0186】
[項目10]
前記移植機が苗を移植するために走行する直線状の走行経路上で、前記作業車両から前記移植機に苗を供給する、項目1から9のいずれかに記載の苗移植システム。
【0187】
旋回経路ではない位置で作業車両から移植機へ苗を供給することで、作業車両から移植機への苗の供給をスムーズに行うことができる。
【0188】
[項目11]
前記作業車両から前記移植機に苗を供給しているときの前記移植機の走行速度は、前記作業車両から前記移植機に苗を供給していないときの前記移植機の走行速度よりも小さい、項目1から10のいずれかに記載の苗移植システム。
【0189】
これにより、作業車両から移植機への苗の供給を安定して行うことができる。直線状の走行経路の長さが短い場合でも、直線状の走行経路上で作業車両から移植機への苗の供給を完了させることができる。
【0190】
[項目12]
前記作業車両には、前記移植機に苗を供給する搬送装置が設けられており、
前記移植機と前記作業車両とが隣り合った状態で、前記搬送装置から前記移植機に苗を供給する、項目1から11のいずれかに記載の苗移植システム。
【0191】
これにより、作業車両から移植機への苗の供給を自動で行うことができる。
【0192】
[項目13]
前記移植機は、
苗を前記圃場に植え付ける苗植付装置と、
前記作業車両から供給された苗を前記苗植付装置に搬送する搬送装置と、
を備える、項目1から12のいずれかに記載の苗移植システム。
【0193】
これにより、作業車両から受け取った苗を植付装置に自動で供給することができる。
【0194】
[項目14]
前記移植機は田植機である、項目1から13のいずれかに記載の苗移植システム。
【0195】
これにより、稲苗を圃場に移植する作業を効率良く行うことができる。
【0196】
[項目15]
前記移植機は、自動運転で前記圃場内を走行し、前記圃場に苗を移植する、項目1から14のいずれかに記載の苗移植システム。
【0197】
これにより、圃場への苗の移植を効率良く行うことができる。
【0198】
[項目16]
圃場に苗を移植する移植機に苗を供給する作業車両であって、
前記作業車両を走行させる走行装置と、
前記走行装置の動作を制御して前記作業車両を自動運転で走行させる制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記圃場内で前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように前記作業車両を走行させ、
前記移植機と前記作業車両とが隣り合った状態で、前記作業車両から前記移植機に苗を供給する、作業車両。
【0199】
本開示のある実施形態によれば、圃場内で移植機と作業車両とが隣り合うように作業車両を走行させ、作業車両から移植機へ苗を供給する。移植機に苗を補給するために、補給用の苗が用意されたエリア(例えば枕地)に移植機を移動させる必要が無い。移植機の移植作業を中断する必要が無いため、苗の移植を効率良く行うことができる。
【0200】
[項目17]
圃場に苗を移植する移植機と前記移植機に苗を供給する作業車両とを用いる苗移植方法であって、
前記作業車両の動作を制御し、前記作業車両を自動運転で走行させること、
前記圃場内で前記移植機と前記作業車両とが隣り合うように前記作業車両を走行させること、
前記移植機と前記作業車両とが隣り合った状態で、前記作業車両から前記移植機に苗を供給すること、
を実行する、苗移植方法。
【0201】
本開示のある実施形態によれば、圃場内で移植機と作業車両とが隣り合うように作業車両を走行させ、作業車両から移植機へ苗を供給する。移植機に苗を補給するために、補給用の苗が用意されたエリア(例えば枕地)に移植機を移動させる必要が無い。移植機の移植作業を中断する必要が無いため、苗の移植を効率良く行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0202】
本開示の技術は、農業機械の分野において特に有用である。
【符号の説明】
【0203】
1:苗移植システム、 70:圃場、 71:作業領域、 72:枕地、 73:目標経路、 73a:主経路、 73b:旋回経路、 75:補給ポイント(開始位置)、 76:目標経路、 80:ネットワーク、 100:作業車両、 101:車体、 102:原動機(エンジン)、 103:変速装置(トランスミッション)、 104:車輪、 105:キャビン、 106:操舵装置、 107:運転席、 110:搬送装置、 111:ガイド、 112:ベルトコンベア、 113:フレーム、 114:ストッパ(スロープ)、 114a:アクチュエータ、 115:レーン、 116:壁部、 120:測位装置(GNSSユニット)、 121:GNSS受信機、 122:RTK受信機、 123:慣性計測装置(IMU)、 124:処理回路、 125:LiDARセンサ、 126:カメラ、 127:障害物センサ、 131:操作端末、 132:操作スイッチ群、 133:ブザー、 140:駆動装置、 150:センサ群、 151:ステアリングホイールセンサ、 152:回転センサ、 153:切れ角センサ、 160:制御装置、 161:プロセッサ、 162:RAM、 163:ROM、 164:記憶装置、 165-167:ECU、 170:ラック、 180:苗マット、 190:通信装置、 200:移植機、 201:車体、 202:原動機(エンジン)、 203:変速装置(トランスミッション)、 204:車輪、 206:操舵装置、 207:運転席、 210:苗植付装置、 211:苗載せ台、 212:植付機構、 213:リンク機構、 215:レーン、 216:壁部、 220:測位装置(GNSSユニット)、 221:GNSS受信機、 222:RTK受信機、 223:慣性計測装置(IMU)、 224:処理回路、 225:LiDARセンサ、 226:カメラ、 227:障害物センサ、 231:操作端末、 232:操作スイッチ群、 233:ブザー、 240:駆動装置、 250:センサ群、 251:ステアリングホイールセンサ、 252:回転センサ、 253:切れ角センサ、 260:制御装置、 261:プロセッサ、 262:RAM、 263:ROM、 264:記憶装置、 265-267:ECU、 270:搬送装置、 271:ガイド、 272:ベルトコンベア、 273:フレーム、 275:レーン、 276:壁部、 290:通信装置、 400:端末装置、 420:入力装置、 430:表示装置、 450:記憶装置、 460:プロセッサ、 470:ROM、 480:RAM、 490:通信装置、 600:管理装置、 660:プロセッサ、 650:記憶装置、 670:ROM、 680:RAM、 690:通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
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