(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094507
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】空気調和システム、換気運転の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20240703BHJP
F24F 1/0041 20190101ALI20240703BHJP
F24F 1/0035 20190101ALI20240703BHJP
F24F 11/65 20180101ALI20240703BHJP
F24F 11/70 20180101ALI20240703BHJP
F24F 11/79 20180101ALI20240703BHJP
F24F 11/58 20180101ALI20240703BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20240703BHJP
F24F 110/12 20180101ALN20240703BHJP
F24F 120/10 20180101ALN20240703BHJP
F24F 110/65 20180101ALN20240703BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F1/0041
F24F1/0035
F24F11/65
F24F11/70
F24F11/79
F24F11/58
F24F110:10
F24F110:12
F24F120:10
F24F110:65
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211091
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 穂乃伽
(72)【発明者】
【氏名】西村 圭太
(72)【発明者】
【氏名】熊井 勝伸
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直
【テーマコード(参考)】
3L056
3L260
【Fターム(参考)】
3L056BD01
3L260AB02
3L260AB15
3L260BA02
3L260BA08
3L260BA09
3L260BA13
3L260BA64
3L260CA03
3L260CA12
3L260CA17
3L260CA32
3L260CA39
3L260CB62
3L260FA02
3L260FA03
3L260FC02
3L260FC03
3L260FC15
3L260FC16
(57)【要約】
【課題】換気運転を行う。
【解決手段】空気調和システム(1)は、換気装置(1b)と、制御部(130)と、を備える。換気装置(1b)は、室外空気を室内へ供給する給気運転、及び、室内空気を室外へ排出する排気運転を行う。制御部(130)は、花粉量に関する情報を取得し、当該情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外空気を室内へ供給する給気運転、及び、室内空気を室外へ排出する排気運転を行う換気装置(1b)と、
制御部(130)と、
を備え、
前記制御部は、花粉量に関する情報を取得し、前記情報に応じて、前記給気運転及び前記排気運転の少なくとも一方を行う、
空気調和システム(100)。
【請求項2】
前記制御部は、前記情報としての花粉量が所定量よりも多いときに、前記排気運転を行う、
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記制御部は、室外の花粉量が、前記所定量としての第1閾値よりも多いとき、または、室内の花粉量が、前記所定量としての第2閾値よりも多いときに、前記排気運転を行う、
請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
室外の花粉量の取得手段と、室外の花粉量の取得手段とは、異なる、
請求項3に記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記情報として、室外の花粉量を取得し、室外の花粉量に応じて、前記給気運転と前記排気運転とを切り換える、
請求項1~4のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記情報として、室内の花粉量を取得し、室内の花粉量に応じて、前記給気運転と前記排気運転とを切り換える、
請求項1~4のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記情報に応じて、前記給気運転と前記排気運転とを自動で切り換えるモードを実行する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項8】
前記制御部は、
前記情報に応じて、前記給気運転及び前記排気運転の少なくとも一方を行う第1モードと、
室内温度及び室外温度に応じて、前記給気運転及び前記排気運転の少なくとも一方を行う第2モードと、
を選択して実行する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項9】
前記制御部は、室外から室内に人が入る、または、入ったことを検知すると、前記情報に依らずに前記排気運転を行う、
請求項1~4のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項10】
利用側装置(2)と、熱源側装置(3)と、をさらに備え、
前記制御部は、調和空気を生成する空調運転をさらに行い、前記情報に応じて前記排気運転を行うときに、前記利用側装置から吹き出される前記調和空気の風向を制御する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項11】
室外空気を室内へ供給する給気運転、及び、室内空気を室外へ排出する排気運転を行う換気装置(1b)を備える空気調和システム(100)の換気運転の制御方法であって、
花粉量に関する情報を取得する工程(S103)と、
前記情報に応じて、前記給気運転及び前記排気運転の少なくとも一方を行う工程(S104~S107)と、
を備える、
換気運転の制御方法。
【請求項12】
コンピュータに、室外空気を室内へ供給する給気運転、及び、室内空気を室外へ排出する排気運転を行う換気装置(1b)を備える空気調和システム(100)の換気運転の制御を実行させるためのプログラムであって、
花粉量に関する情報を取得する工程(S103)と、
前記情報に応じて、前記給気運転及び前記排気運転の少なくとも一方を行う工程(S104~S107)と、
を備える、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
空気調和システム、換気運転の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2006-133121号公報)には、屋外から室内への外気導入を制御する換気装置であって、大気汚染予測関連情報に基づいて外気導入を制御する換気装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1では、外気が汚染されていると判定されると、屋外から外気を導入する換気動作を行わないように、換気装置を制御している。このため、外気が汚染されていると判定されると、換気を行うことができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の空気調和システムは、換気装置と、制御部と、を備える。換気装置は、室外空気を室内へ供給する給気運転、及び、室内空気を室外へ排出する排気運転を行う。制御部は、花粉量に関する情報を取得し、当該情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。
【0005】
第1観点の空気調和システムによれば、花粉量に関する情報に応じて、換気運転としての給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行うので、換気を行うことができる。
【0006】
第2観点の空気調和システムは、第1観点の空気調和システムであって、制御部は、情報としての花粉量が所定量よりも多いときに、排気運転を行う。
【0007】
第2観点の空気調和システムでは、取得した花粉量が所定量よりも多いときに、排気運転を行うことによって、室内に多くの花粉が導入されることを抑制できる。
【0008】
第3観点の空気調和システムは、第1観点または第2観点の空気調和システムであって、制御部は、室外の花粉量が、所定量としての第1閾値よりも多いとき、または、室内の花粉量が、所定量としての第2閾値よりも多いときに、排気運転を行う。
【0009】
第3観点の空気調和システムでは、室外の花粉量に関する第1閾値、または、室内の花粉量に関する第2閾値を超えるときに、排気運転を行うことによって、室内に花粉が導入されることをより抑制できる。
【0010】
第4観点の空気調和システムは、第3観点の空気調和システムであって、室外の花粉量の取得手段と、室内の花粉量の取得手段とは、異なる。
【0011】
第4観点の空気調和システムでは、室外の花粉量に関する取得手段と、室内の花粉量に関する取得手段とが異なるので、室外及び室内の花粉量に関する情報を容易に取得できる。
【0012】
第5観点の空気調和システムは、第1観点から第4観点のいずれかの空気調和システムであって、制御部は、情報として、室外の花粉量を取得し、室外の花粉量に応じて、給気運転と排気運転とを切り換える。
【0013】
第5観点の空気調和システムでは、室外の花粉量を取得して、それに応じて給気運転と排気運転とを切り換える。このため、室外の花粉量が少ないときに、給気運転を行うことによって、換気量を確保することができる。一方、室外の花粉量が多いときに、排気運転を行うことによって、室内に多くの花粉が導入されることを抑制できる。
【0014】
第6観点の空気調和システムは、第1観点から第5観点のいずれかの空気調和システムであって、制御部は、情報として、室内の花粉量を取得し、室内の花粉量に応じて、給気運転と排気運転とを切り換える。
【0015】
第6観点の空気調和システムでは、室内の花粉量を取得して、それに応じて給気運転と排気運転とを切り換える。このため、室内の花粉量が少ないときに、給気運転を行うことによって、換気量を確保することができる。一方、室内の花粉量が多いときに、排気運転を行うことによって、室内の花粉を排出することができる。
【0016】
第7観点の空気調和システムは、第1観点から第6観点のいずれかの空気調和システムであって、制御部は、花粉量に関する情報に応じて、給気運転と排気運転とを自動で切り換えるモードを実行する。
【0017】
第7観点の空気調和システムでは、花粉量に関する情報に応じて給気運転と排気運転とを自動で切り換えるモードを有している。このため、室内の花粉量を抑制しつつ、換気運転を容易に行うことができる。
【0018】
第8観点の空気調和システムは、第1観点から第7観点のいずれかの空気調和システムであって、制御部は、第1モードと、第2モードと、を選択して実行する。第1モードは、花粉量に関する情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。第2モードは、室内温度及び室外温度に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。
【0019】
第8観点の空気調和システムでは、花粉量に関する情報に応じて換気運転を行う第1モードと、室内温度及び室外温度に応じて換気運転を行う第2モードとがある。このため、花粉が飛散していない時期などには、第2モードを選択することができる。
【0020】
第9観点の空気調和システムは、第1観点から第8観点のいずれかの空気調和システムであって、制御部は、室外から室内に人が入る、または、入ったことを検知すると、情報に依らずに排気運転を行う。
【0021】
第9観点の空気調和システムでは、室外から室内に人が花粉を持ち込んでも、排気運転を行う。このため、室内の花粉量が増えることを抑制できる。
【0022】
第10観点の空気調和システムは、第1観点から第9観点のいずれかの空気調和システムであって、利用側装置と、熱源側装置と、をさらに備える。制御部は、調和空気を生成する空調運転をさらに行い、情報に応じて排気運転を行うときに、利用側装置から吹き出される調和空気の風向を制御する。
【0023】
第10観点の空気調和システムでは、換気運転及び空調運転を行うときに、利用側装置から吹き出される調和空気の風向を制御することによって、花粉の影響を小さくすることができる。
【0024】
第11観点の換気運転の制御方法は、室外空気を室内へ供給する給気運転、及び、室内空気を室外へ排出する排気運転を行う換気装置を備える空気調和システムの換気運転の制御方法であって、以下の工程を備える。花粉量に関する情報を取得する。そして、情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。
【0025】
第11観点の換気運転の制御方法によれば、花粉量に関する情報に応じて、換気運転としての給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行うので、換気を行うことができる。
【0026】
第12観点のプログラムは、コンピュータに、室外空気を室内へ供給する給気運転、及び、室内空気を室外へ排出する排気運転を行う換気装置を備える空気調和システムの換気運転の制御を実行させるためのプログラムであって、以下の工程を備える。花粉量に関する情報を取得する。情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。
【0027】
第12観点のプログラムによれば、花粉量に関する情報に応じて、換気運転としての給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行うので、換気を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の一実施形態に係る空気調和システムの外観図である。
【
図2】実施形態に係る空気調和システムで用いられる冷媒回路の系統図に空気の流れの概略を付加したものである。
【
図3】実施形態に係る空気調和システムの制御ブロック図である。
【
図5】(A)は、第1状態の切換ダンパにおける空気の流れを示す模式図であり、(B)は、第2状態の切換ダンパにおける空気の流れを示す模式図である。
【
図6】実施形態に係る制御部による第1モードの制御を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る制御部による第2モードの制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(1)全体構成
図1及び
図2に示すように、本開示の一実施形態の空気調和システム100は、建物等の室内の空調及び換気を行う。空気調和システム100は、室内の空調を行う空調装置1aと、室内の換気を行う換気装置1bと、
図3に示す制御部130と、を備えている。
【0030】
空調装置1aは、空調運転として、冷房運転及び暖房運転の少なくとも一方を行う。本実施形態の空調装置1aは、空調運転として、冷房運転、除湿運転、及び暖房運転を行う。
【0031】
換気装置1bは、換気運転として、室外空気を室内へ供給する給気運転、及び、室内空気を室外へ排出する排気運転を行う。
【0032】
制御部130は、空調装置1a及び換気装置1bの構成機器を制御する。本実施形態の制御部130は、空調運転及び換気運転を行うように制御する。制御部130は、花粉量に関する情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。
【0033】
(2)詳細構成
(2-1)空調装置
図1及び
図2に示すように、空調装置1aは、利用側装置としての室内機2と、熱源側装置としての室外機3と、連絡配管31、32を有している。室内機2は、室内に配置される。室外機3は、室外に配置される。連絡配管31、32は、室内機2と室外機3とを接続する。室内機2と室外機3とが連絡配管31、32を介して接続されることによって、蒸気圧縮式の冷媒回路が構成されている。
【0034】
(2-1-1)室内機
本実施形態の室内機2は、壁掛け型である。
図2に示すように、室内機2は、室内熱交換器11と、室内ファン12と、ファンモータ13とを含む。
【0035】
室内熱交換器11は、冷媒と室内空気との熱交換を行う。室内ファン12は、室内空気を室内機2内に吸い込ませるとともに、室内熱交換器11との間で熱交換を行った後の空気を室内に吹き出させる。ファンモータ13は、室内ファン12を回転駆動する。
【0036】
また、室内機2には、吸込口18及び吹出口19が形成されている。吸込口18は、排気運転時に、室内空気を吸い込む。本実施形態では、吸込口18は、さらに、空調運転時に、室内空気を吸い込む。吹出口19は、室内空気及び室外空気を、室内に吹き出す。吸込口18及び吹出口19は、室内機2のケーシングに形成されている。
【0037】
ここでは、吸込口18は、室内熱交換器11の上流に設けられている。排気運転中に吸込口18から導入される室内空気の一部は、室内熱交換器11を通らずに、給排気口14から室外に排出される。排気運転中に吸込口18から導入される室内空気の残部は、室内熱交換器11を通る際に、室内熱交換器11と熱交換を行って、冷房、除湿または暖房された後に、吹出口19から室内に供給される。
【0038】
また、給気運転中に吸込口18から導入される室内空気は、室内熱交換器11を通って、冷房、除湿または暖房された後に、吹出口19から室内に供給される。
【0039】
また、室内機2には、給排気口14が形成されている。給排気口14は、給気運転の際に室外空気が導入される給気口であるとともに、排気運転の際に室内空気が排出される排気口である。換言すると、給気運転では、給排気口14を介して室外空気を室内に供給し、排気運転では、給排気口14を介して室内空気を室外へ排出する。さらに換言すると、給排気口14は、給気運転の際に室外空気が通る給気経路であるとともに、排気運転の際に室内空気が通る排気経路である。給排気口14と、ホース6の内部空間とは、連通する。
【0040】
また、室内機2には、各種センサが配置されている。ここでは、室内機2には、室内温度センサ15、室内湿度センサ16及び花粉センサ17が配置されている。
【0041】
室内温度センサ15は、室内の温度を検出する。室内湿度センサ16は、室内の湿度を検出する。室内温度センサ15及び室内湿度センサ16は、室内の温度及び室内の湿度を検出する室内温湿度センサであってもよい。
【0042】
なお、室内温度センサ15及び室内湿度センサ16は、室内機2ではなく、室内のどこかに配置されていてもよい。
【0043】
花粉センサ17は、室内の花粉量を検出する。ここでは、花粉センサ17は、室内機2に設けられている。
【0044】
また、室内機2は、
図3に示す室内通信部120及び室内制御部131をさらに含む。室内制御部131は、室内機2を構成する機器を制御する。本実施形態の室内制御部131は、室内ファンモータ13などを制御する。
【0045】
室内通信部120は、換気装置1bの換気通信部110及び室外機3の室外通信部125との間で信号を送受信する。また、室内通信部120は、室内制御部131に信号を送信する。
【0046】
さらに、室内通信部120は、空調運転及び換気運転の少なくとも一方の要求を受信して、室内制御部131に送信する。ここでは、室内通信部120は、室内に設けられたリモコン102からの換気運転の要求を受け付ける。室内通信部120は、例えば、リモコン102からの要求を受信するインターフェースによって実現される。
【0047】
詳細には、リモコン102には、第1モードを開始する第1選択部102dと、第2モードを開始する第2選択部102eと、が設けられている。第1モードは、花粉量に関する情報に応じて、給気運転と排気運転とを自動で切り換える。
図4では、第1選択部102dは、「花粉対策モード」のボタンである。第2モードは、室内温度及び室外温度に応じて、給気運転と排気運転とを自動で切り換える。
図4では、第2選択部102eは、「自動換気モード」のボタンである。ユーザがリモコン102の第1選択部102dまたは第2選択部102eのボタンを押すと、リモコン102から室内通信部120に第1モードまたは第2モードの換気運転の要求を送信する。そして、室内通信部120は、リモコン102から送信された各換気運転の要求を、室内制御部131に送信する。
【0048】
なお、リモコン102には、給気運転及び排気運転を選択するボタン102a、102bがさらに設けられている。この場合、ユーザがリモコン102の給気運転または排気運転のボタン102a、102bを押すと、リモコン102は、室内通信部120に給気運転または排気運転の要求を送信する。そして、室内通信部120は、リモコン102から送信された給気運転または排気運転の要求を室内制御部131に送信する。
【0049】
また、リモコン102に代えて、スマートフォン等の通信端末から室内通信部120に換気運転の要求等が送信される構成であってもよい。この場合、通信端末には、空調運転及び換気運転の少なくとも一方に関するユーザ操作が可能な専用のアプリケーションがインストールされており、ユーザが所定の画面操作を行うことで、通信端末から室内通信部120へ所定の要求を送信する。
【0050】
(2-1-2)室外機
室外機3は、圧縮機21と、四路切換弁22と、アキュムレータ23と、室外熱交換器24と、膨張弁25と、フィルタ26と、液閉鎖弁27と、ガス閉鎖弁28と、室外ファン29と、ファンモータ30と、を含む。
【0051】
圧縮機21は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を高圧になるまで圧縮する機構である。四路切換弁22は、圧縮機21の吐出側に接続される。アキュムレータ23は、圧縮機21の吸入側に接続される。室外熱交換器24は、四路切換弁22に接続される。膨張弁25は、室外熱交換器24に接続される。膨張弁25は、フィルタ26及び液閉鎖弁27を介して連絡配管32に接続されており、この連絡配管32を介して室内熱交換器11の一端と接続される。また、四路切換弁22は、ガス閉鎖弁28を介して連絡配管31に接続されており、この連絡配管31を介して室内熱交換器11の他端と接続されている。これらの連絡配管31、32は、ホース6とともに集合連絡管7を形成する。
【0052】
室外ファン29は、室外熱交換器24での熱交換後の室外空気を外部に排出する。ファンモータ30は、室外ファン29を回転駆動する。
【0053】
また、室外機3には、各種センサが配置されている。ここでは、室外機3には、室外温度センサ33及び室外湿度センサ34が配置されている。
【0054】
室外温度センサ33は、室外の温度を検出する。室外湿度センサ34は、室外の湿度を検出する。室外温度センサ33及び室外湿度センサ34は、室外の温度及び室外の湿度を検出する室外温湿度センサであってもよい。
【0055】
なお、室外温度センサ33及び室外湿度センサ34は、室外機3ではなく、室外のどこかに配置されていてもよい。
【0056】
また、室外機3は、
図3に示す室外通信部125及び室外制御部132をさらに含む。室外通信部125は、換気装置1bの換気通信部110及び室外機3の室外通信部125との間で信号を送受信する。また、室外通信部125は、室外制御部132に信号を送信する。
【0057】
室外制御部132は、室外機3を構成する機器を制御する。本実施形態の室外制御部132は、圧縮機21、四路切換弁22、膨張弁25、室外ファンモータ30などを制御する。
【0058】
(2-2)換気装置
換気装置1bは、換気ユニット4と、ホース6と、換気通信部110と、換気制御部133と、を有している。換気ユニット4は、室内または室外に配置され、ここでは室外に配置される。ホース6は、給気運転時に室外空気を室内に送る給気経路と、排気運転時に室内空気を室外に送る排気経路とを共有する。ここでは、ホース6は、換気ユニット4と室内機2とを接続する。本実施形態のホース6は、1つの部材である。
【0059】
(2-2-1)換気ユニット
換気ユニット4は、換気運転としての給気運転及び排気運転を行うことができるユニットである。
【0060】
本実施形態の換気ユニット4は、室外機3の上部に配置され、一体となっている。換気ユニット4には、給排気口41が形成されている。給排気口41は、室内機2へと送られるために取り込まれる空気が通る、または、室内機2から取り込まれて室外へと排気される空気が通る開口である。給排気口41は、換気ユニット4のケーシングに形成されている。
【0061】
換気ユニット4は、給気運転及び排気運転の一方の運転から他方の運転に切り換える切換動作を行う切換ダンパ43を含む。換言すると、切換ダンパ43は、給気運転から排気運転に切り換える切換動作、及び、排気運転から給気運転に切り換える切換動作を行う。
【0062】
図5(A)及び(B)に示すように、切換ダンパ43は、ダンパケーシング44内に設けられる。ダンパケーシング44内には、切換ダンパ43の内部の空間S1と、切換ダンパ43が配置される空間S2と、空間S3とが設けられる。切換ダンパ43は、空間S2内をスライド自在に支持される。ダンパケーシング44には、空間S2とダンパケーシング44の外部とを連通する第1出入口44aと第2出入口44bとが設けられる。第1出入口44aは、給排気口41と連通する。第2出入口44bは、ホース6との接続口と連通する。ダンパケーシング44には、空間S2と空間S3とを連通する空気取入口44cと空気吹出口44dとが設けられる。切換ダンパ43は、空間S2内でスライドすることで、第1状態と第2状態とに切り換えられる。
図5(A)に示すように、第1状態の切換ダンパ43は、空気を吸い込む入口を第1出入口44aとし、空気を排出する出口を第2出入口44bとする。この第1状態で、ラジアルファン432が起動すると、室外から取り入れた室外空気を、ホース6を介して室内機2へと供給する。一方、
図5(B)に示すように、第2状態の切換ダンパ43は、空気を吸い込む入口を第2出入口44bとし、空気を排出する出口を第1出入口44aとする。この第2状態でラジアルファン432が起動すると、室内機2から取り入れた室内空気を、ホース6を介して室外へと排出する。切換ダンパ43の状態は、モータの駆動によって切り換えられる。
【0063】
(2-2-2)ホース
図1及び
図2に示すように、室外に配置された換気ユニット4と室内機2との間には、換気ユニット4からの室外空気を室内機2側に供給するとき、及び、室内空気を室外に排出するときに用いられるホース6が設けられている。ここでは、ホース6は、換気ユニット4と室内機2とを接続している。詳細には、ホース6は、壁を貫通して室外から室内に引き回され、室内機2の給排気口14に接続される。このため、給気運転では、ホース6を介して室外空気を室内へ供給し、排気運転ではホース6を介して室内空気を室外へ排出する。換言すると、ホース6は、給気運転の際に室外空気が通る給気経路を構成する部材であるとともに、排気運転の際に室内空気が通る排気経路を構成する部材である。
【0064】
(2-2-3)換気通信部
図3に示す換気通信部110は、室内機2の室内通信部120及び室外機3の室外通信部125との間で信号を送受信する。また、換気通信部110は、換気制御部133に信号を送信する。ここでは、換気通信部110は、サーバ101から花粉量に関する情報を受信して、換気制御部133に送信する。換気通信部110は、サーバ101からの花粉量を受信するインターフェースによって実現される。
【0065】
(2-2-4)換気制御部
換気制御部133は、換気装置1bを構成する機器を制御する。本実施形態の換気制御部133は、切換ダンパ43、ラジアルファン432などを制御する。
【0066】
(2-3)制御部
(2-3-1)概要
図3に示す制御部130は、例えば、コンピュータにより実現されるものである。コンピュータは、例えば、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、プロセッサを使用できる。制御部130は、プロセッサとしてのCPUを備えている。制御演算装置は、例えば、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理、演算処理またはシーケンス処理を行う。さらに、制御演算装置は、例えば、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。制御部130は、記憶装置としてのメモリを備えている。
【0067】
本実施形態の制御部130は、上述した室内機2に設けられた室内制御部131、室外機3に設けられた室外制御部132、及び換気ユニット4に設けられた換気制御部133から構成される。制御部130は、空気調和システム100(ここでは、空調装置1a及び換気装置1b)の構成機器の制御を行う。換言すると、制御部130は、空気調和システム100全体の運転制御を行う。この制御部130は、室内機2、室外機3及び換気ユニット4の各機器と、室外温度センサ33と、室外湿度センサ34と、室内温度センサ15と、室内湿度センサ16と、花粉センサ17と、に接続されている。制御部130は、リモコン102等からの運転指令に基づいて、または、自動で、暖房運転、冷房運転、除湿運転、給気運転、排気運転などの各種運転に応じて各機器の運転制御を行う。
【0068】
制御部130は、冷房運転、除湿運転、暖房運転、給気運転及び排気運転のいずれかを単独で行うように制御すること、及び、冷房運転中、除湿運転中または暖房運転中に、給気運転または排気運転を行うように制御することが可能である。
【0069】
なお、制御部130は、換気通信部110、室内通信部120、室外通信部125、及びリモコン102と、通信線等を介して接続されている。
【0070】
(2-3-2)換気装置の制御
本実施形態の制御部130は、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う、第1モードと第2モードとを選択して実行する。ここでは、制御部130は、給気運転と排気運転とを自動で切り換える、第1モードと第2モードとを選択して実行する。また、第1モード及び第2モードでは、給気運転または排気運転を常時行う。
【0071】
第1モード及び第2モードにおいて給気運転を行う際には、制御部130は、
図5(A)に示す給気経路になるように切換ダンパ43を動作させて、ラジアルファン432を起動させる。また、第1モード及び第2モードにおいて排気運転を行う際には、制御部130は、
図5(B)に示す排気経路になるように切換ダンパ43を動作させて、ラジアルファン432を起動させる。
【0072】
(2-3-2-1)第1モード
制御部130(ここでは室内制御部131)は、室内通信部120を介してリモコン102から第1モードの要求を受け付けたことを受信すると、第1モードを開始する。第1モードでは、制御部130は、換気通信部110、室外通信部125及び室内通信部120の少なくとも一つを介して、花粉量に関する情報を受信する。制御部130が取得する花粉量に関する情報は、花粉量の評価を含む。評価は、花粉量の数値、段階的な指標などである。
【0073】
花粉量に関する情報は、室外の花粉量及び室内の花粉量の少なくとも一方である。本実施形態では、制御部130は、情報として、室外の花粉量及び室内の花粉量を取得する。
【0074】
具体的には、制御部130の換気制御部133は、換気通信部110を介してサーバ101から、情報として、室外の花粉量を取得する。サーバ101は、インターネット等のネットワークを介して、空気調和システム100と通信可能に接続される外部サーバである。換気通信部110は、例えば、ネットワークを介してサーバ101から情報を受信するインターフェースによって実現される。また、換気通信部110は、サーバ101から定期的に室外の花粉量を受信して、換気制御部133に送信する。例えば、換気制御部133は、空調装置1aまたは換気装置1bの運転中において、所定時間間隔で情報を取得してもよいし、リモコン102から送信された要求に応じて情報を取得してもよい。ここでは、室外の花粉量は、気象情報の段階的な指標であり、花粉量の多い順に、「非常に多い」、「多い」、「やや多い」、「少ない」及び「未発表」である。
【0075】
また、制御部130の室内制御部131は、室内機2に設けられた花粉センサ17から、情報として、室内の花粉を取得する。また、室内制御部131は、花粉センサ17から定期的に室内の花粉量を受信する。例えば、室内制御部131は、空調装置1aまたは換気装置1bの運転中において、所定時間間隔で情報を取得してもよいし、リモコン102から送信された要求に応じて情報を取得してもよい。ここでは、室内の花粉量は、花粉センサ17で検出された花粉量の段階的な指標であり、花粉量の多い順に、「非常に多い」、「多い」、「やや多い」、「少ない」及び「なし」である。
【0076】
なお、制御部130は、花粉量に関する情報を取得すれば、さらに他の情報を取得してもよい。他の情報は、例えば、PM2.5、粉塵、黄砂、一酸化炭素などである。
【0077】
制御部130は、花粉量に関する情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行うように制御する。本実施形態では、制御部130は、室外の花粉量及び室内の花粉量に関する情報に応じて、給気運転または排気運転を行う。換言すると、制御部130は、当該情報に応じて、給気運転と排気運転とを切り換えて、換気運転を行う。また、本実施形態では、制御部130は、情報を取得した後に、情報に基づいて給気運転または排気運転を行うことを決定してから、決定した運転を行うように換気装置1bを制御する。
【0078】
制御部130は、情報としての花粉量が所定量よりも多いときに、排気運転を行う。所定量は、花粉量が多いため、室外空気を室内に供給することを停止して、室内空気を室外へ排出する条件である。所定量は、例えば、段階的な指標の場合、中央値以上である。
【0079】
具体的には、制御部130は、室外の花粉量が、室外の花粉量に関する第1閾値よりも多いとき、または、室内の花粉量が、室内の花粉量に関する第2閾値よりも多いときに、排気運転を行う。
【0080】
ここでは、制御部130は、室外の花粉量が第1閾値以下であり、かつ、室内の花粉量が第2閾値以下のときに、給気運転を行う。このように、制御部130は、取得した室外の花粉量及び室内の花粉量と、第1閾値及び第2閾値とによって、排気運転と給気運転とを切り換える。
【0081】
本実施形態では、室外の花粉量の取得手段と、室内の花粉量の取得手段とは、異なる。詳細には、第1閾値は、空気調和システム100と通信可能に接続される外部のサーバ101から取得される気象情報の段階的な指標において、「やや多い」以上である。第2閾値は、室内機2に設けられた花粉センサ17の段階的な指標において、「やや多い」以上である。
【0082】
なお、第1閾値及び第2閾値は、任意に設定が可能である。換言すると、第1閾値及び第2閾値は、ユーザが変更できるように設定されてもよい。
【0083】
また、制御部130は、室外から室内に人が入る、または、入ったことを検知すると、情報に依らずに排気運転を行う。制御部130は、例えば、アプリのGPS、スケジュール設定などの時間、室内の照明のオンオフ状態、建物の鍵の開錠などの情報を取得して、室外から室内に人が入る、または、入ったことを判断する。ここでは、ユーザのスマートフォン等の通信端末の位置情報をサーバ101が受信し、サーバ101は、位置情報から、通信端末の位置が室内機2の位置に一致すると、制御部130にその旨を送信する。その旨を受信した制御部130は、室外から室内に人が入る、または、入ったと判断して、花粉量に関する情報に関わらずに、強制的に排気運転を行う。この場合、制御部130は、所定時間の排気運転を行った後に、花粉量に関する情報に応じて、排気運転を継続するか、給気運転に切り換えるかを判断する。
【0084】
また、制御部130は、情報に応じて排気運転を行うときに、室内機2から吹き出される空調運転により生成される調和空気の風向を制御する。ここで、制御部130が制御する、吹出口19から吹き出される調和空気の風向の一例を挙げる。制御部130は、調和空気の風向がスイングするように制御する。また、制御部130は、調和空気の風向を下向きに制御する。また、制御部130は、調和空気の風向が、人、または帰宅した人が着ていた服に向かうように制御する。この場合、室内機2または室内に、人検知センサを設置しておく。
【0085】
(2-3-2-2)第2モード
制御部130(ここでは室内制御部131)は、室内通信部120を介してリモコン102から第2モードの要求を受け付けたことを受信すると、第2モードを開始する。第2モードでは、制御部130(ここでは室外制御部132及び室内制御部131)は、室外温度センサ33及び室内温度センサ15から、室外温度及び室内温度を受信する。
【0086】
第2モードでは、制御部130は、室内温度及び室外温度に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。本実施形態では、制御部130は、室内温度及び室外温度に応じて、給気運転と排気運転とを切り換えて、換気運転を行う。
【0087】
制御部130は、室外温度と室内温度との差に応じて、排気運転または給気運転を行う。本実施形態では、制御部130は、冷房運転時及び除湿運転時に、室外温度が室内温度に対して所定温度よりも高い場合に排気運転を行うとともに、室外温度が室内温度に対して所定温度以下の場合に給気運転を行う。所定温度は、冷房運転時及び除湿運転時に、室外温度が高いため、室外空気を室内へ供給することを停止して、室内空気を室外へ排出する条件である。
【0088】
また、制御部130は、暖房運転時に、室外温度が室内温度に対して所定温度よりも小さい場合に、排気運転を行うとともに、室外温度が室内温度に対して所定温度以上の場合に、給気運転を行う。所定温度は、室外温度が低いため、室外空気を室内へ供給することを停止して、室内空気を室外へ排出する条件である。
【0089】
所定温度は、任意に設定が可能である。所定温度は、例えば、リモコン102で設定された温度と、室外空気との温度との差が2℃以上である。なお、室外空気の温度は、室外温度センサ33で測定される値である。室外空気の湿度は、室外湿度センサ34で測定される値である。
【0090】
(3)運転動作
次に、空気調和システム100の運転動作について説明する。本実施形態の空気調和システム100は、空調運転として、暖房運転、冷房運転、及び除湿運転を行うとともに、換気運転として、給気運転及び排気運転を行う。各種運転は、制御部130が各構成機器を制御することによって行われる。
【0091】
(3-1)冷房運転
冷房運転を行うときには、制御部130は、室外熱交換器24が冷媒の放熱器として機能し、かつ、室内熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する状態に、四路切換弁22を切り換える。
【0092】
このような状態の冷媒回路において、
図2に示すように、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁22を通じて、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた高圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン29によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器24において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁25に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁25において減圧された低圧の冷媒は、フィルタ26、液閉鎖弁27及び連絡配管32を通じて、室内熱交換器11に送られる。室内熱交換器11に送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器11において、室内ファン12によって供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は冷却されて室内に吹き出される。室内熱交換器11において蒸発した低圧の冷媒は、連絡配管31、ガス閉鎖弁28、四路切換弁22及びアキュムレータ23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。
【0093】
このように、冷房運転においては、制御部130によって、冷媒回路に封入された冷媒が圧縮機21、室外熱交換器24、膨張弁25、室内熱交換器11の順に循環する動作がなされる。
【0094】
(3-2)除湿運転
除湿運転を行うときには、制御部130は、冷房運転と同様に、室外熱交換器24が冷媒の放熱器として機能し、かつ、室内熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する状態になるように、四路切換弁22を切り換える。そして、除湿運転では、冷房運転と同様に、制御部130によって、冷媒回路に封入された冷媒が圧縮機21、室外熱交換器24、膨張弁25、室内熱交換器11の順に循環する動作がなされる。
【0095】
(3-3)暖房運転
暖房運転を行うときには、制御部130は、室外熱交換器24が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、室内熱交換器11が冷媒の放熱器として機能する状態に、四路切換弁22を切り換える。
【0096】
このような状態の冷媒回路において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁22、ガス閉鎖弁28及び連絡配管31を通じて、室内熱交換器11に送られる。室内熱交換器11に送られた高圧の冷媒は、室内熱交換器11において、室内ファン12によって供給される室内空気と熱交換を行って放熱する。これにより、室内空気は加熱されて室内に吹き出される。室内熱交換器11において放熱した高圧の冷媒は、連絡配管32、液閉鎖弁27及びフィルタ26を通じて、膨張弁25に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁25において減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた低圧の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン29によって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器24において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁22及びアキュムレータ23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。
【0097】
このように、暖房運転においては、制御部130によって、冷媒回路に封入された冷媒が圧縮機21、室内熱交換器11、膨張弁25、室外熱交換器24の順に循環する動作がなされる。
【0098】
(3-4)給気運転
給気運転を行うときには、制御部130は、切換ダンパ43が給気経路になるように動作させて、ラジアルファン432を起動させる。ラジアルファン432を起動させると、室外空気を、換気ユニット4の給排気口41から、換気ユニット4内に取り込む。この室外空気は、切換ダンパ43が形成する給気経路を通って、ホース6介して、給排気口14から室内機2へと送る。室内機2に供給された室外空気は、室内熱交換器11を経て、吹出口19から室内に吹き出される。
【0099】
このように、室外から取り込まれた室外空気は、給排気口41、切換ダンパ43及びホース6を繋ぐ流路によって室内へと導かれる。
【0100】
(3-5)排気運転
排気運転を行うときには、制御部130は、切換ダンパ43が排気経路になるように動作させて、ラジアルファン432を起動させる。ラジアルファン432を起動させると、室内機2の吸込口18からから取り込まれた室内空気を、給排気口14からホース6を経て、換気ユニット4に到達させる。そして、この室内空気は、切換ダンパ43が形成する排気経路を通って、給排気口41から室外へと排出される。
【0101】
このように、室内機2から取り込まれた室内空気は、給気運転時の流路とは逆向きに通過し、換気ユニット4から室外へと排出される。
【0102】
(3-6)空調運転中の給気運転
制御部130は、空調装置1aによって上記の冷房運転、除湿運転または暖房運転を行うとともに、換気装置1bによって上記の給気運転を行うように制御する。
【0103】
具体的には、上記の給気運転にしたがって、換気ユニット4は、室外空気を、ホース6を介して室内機2の給排気口14に供給する。この室外空気は、室内熱交換器11を通って、冷房、除湿または暖房されて、室内に供給される。このため、換気装置1bによって導入された室外空気は、空調装置1aによって、冷房、除湿または暖房された室内空気と併せて、室内に供給される。
【0104】
(3-7)空調運転中の排気運転
制御部130は、空調装置1aによって上記の冷房運転、除湿運転または暖房運転を行うとともに、換気装置1bによって上記の排気運転を行うように制御する。
【0105】
具体的には、上記の排気運転にしたがって、換気ユニット4は、室内空気を、室内機2の給排気口14からホース6を介して、換気ユニット4に供給する。この室内空気は、換気ユニット4から室外に排出される。このため、室内空気の一部は、換気装置1bによって室外に排出されるとともに、室内空気の他の一部は、空調装置1aによって室内熱交換器11を通って冷房、除湿または暖房されて、室内に供給される。
【0106】
(4)換気運転の制御方法
次に、制御部130によって、換気運転としての第1モードまたは第2モードを実行する制御方法について、主に
図6及び
図7を参照して説明する。本実施形態では、制御部130によって、給気運転及び排気運転が自動で切り換わる第1モード及び第2モードの制御方法について、説明する。
【0107】
(4-1)第1モード
第1モードの制御方法について、主に
図6を参照して説明する。室内通信部120がリモコン102から第1モード(
図4の「花粉対策モード」)の要求を受け付けた場合、室内通信部120は、第1モードの要求を制御部130に送信する。制御部130は、第1モードの要求を受信すると、第1モードが選択されたと判断する。そして、制御部130は、花粉量に関する情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う第1モードを開始する(ステップS101)。
【0108】
次に、制御部130は、室外から室内に人が入る、または、入ったか否かを判断する(ステップS102)。ここでは、制御部130は、サーバ101からユーザの通信端末の位置を受信して、通信端末の移動する位置及び室内の位置から、室内にユーザが入る、または、入ったか否かを判断する。
【0109】
ステップS102において、室外から室内に人が入る、または、入ったことを検知すると、ステップS105に移行する。ステップS105では、制御部130は、排気運転を行う。このステップS105では、制御部130は、排気経路になるように切換ダンパ43を制御する。
【0110】
一方、ステップS102において、室外から室内に人が入る、または、入ったことを検知しなければ、ステップS103に移行する。
【0111】
ステップS103では、制御部130は、換気通信部110及び室内通信部120を介して、花粉量に関する情報を受信する。本実施形態では、制御部130は、室外の花粉量及び室内の花粉量を受信する。
【0112】
具体的には、制御部130は、サーバ101から、室外の花粉量に関する情報として、気象情報の段階的な指標を取得する。また、制御部130は、室内機2に設けられた花粉センサ17から、室内の花粉量に関する情報として、花粉センサ17で検出された花粉量の段階的な指標を取得する。
【0113】
次に、制御部130は、受信した情報としての室外の花粉量が、第1閾値を超えているか否かを判断する(ステップS104)。
【0114】
このステップS104の一例を挙げる。例えば、第1閾値が、「やや多い」以上であるとする。制御部130が取得した花粉量に関する情報が、「非常に多い」または「多い」とする。この場合、制御部130は、室外の花粉量が第1閾値を超えると判断して、ステップS105に移行する。一方、制御部130が取得した花粉量に関する情報が、「やや多い」、「少ない」または「未発表」とする。この場合、制御部130は、室外の花粉量が第1閾値以下であると判断して、ステップS106に移行する。
【0115】
ステップS106では、制御部130は、受信した情報としての室内の花粉量が、第2閾値を超えているか否かを判断する。
【0116】
このステップS106の一例を挙げる。例えば、第2閾値が、「やや多い」以上であるとする。制御部130が取得した花粉量に関する情報が、「非常に多い」または「多い」とする。この場合、制御部130は、室内の花粉量が第2閾値を超えると判断して、ステップS105に移行する。一方、制御部130が取得した花粉量に関する情報が、「やや多い」、「少ない」または「なし」とする。この場合、制御部130は、室内の花粉量が第2閾値以下であると判断して、ステップS107に移行する。
【0117】
ステップS107では、制御部130は、給気運転を行う。このステップS107では、制御部130は、給気経路になるように切換ダンパ43を制御する。
【0118】
また、ステップS105で排気運転を行うと、制御部130は、空調運転を行っている場合には、室内機2から吹き出される調和空気の風向を制御する(ステップS106)。このステップS106では、制御部130は、調和空気の風向がスイングするように制御してもよく、調和空気の風向を下向きに制御してもよく、調和空気の風向が人、または帰宅した人が着ていた服に向かうように制御してもよい。
【0119】
排気運転を行う工程(S105)及び給気運転を行う工程(S107)において、排気運転及び給気運転を所定時間継続すると、ステップS108に移行する。ここでの所定時間は、特に限定されないが、例えば3分である。
【0120】
ステップS108では、制御部130は、第1モードの換気運転を終了するか否かを判断する。このステップS108では、ユーザによって、リモコン102の第1選択部102dとしての「花粉対策モード」を取り消しているか否かを調べる。ステップS108において、第1モードが終了している場合には、この第1モードの換気運転を終了する。一方、ステップS108において、第1モードの換気運転が終了されていない場合には、室外から室内に人が入る、または、入ったことを検知する工程(S102)に戻る。
【0121】
(4-2)第2モード
第2モードの制御方法について、主に
図7を参照して説明する。室内通信部120がリモコン102から第2モード(
図4の「自動換気モード」)の要求を受け付けた場合、室内通信部120は、第2モードの要求を制御部130に送信する。制御部130は、第2モードの要求を受信すると、第2モードが選択されたと判断する。そして、制御部130は、室内温度及び室外温度に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う第2モードを開始する(ステップS111)。
【0122】
次に、制御部130は、室内温度センサ15から室内温度と、室外温度センサ33から室外温度と、を受信する(ステップS112)。
【0123】
次に、制御部130は、室外温度が室内温度に対して所定温度よりも高いか否かを判断する(ステップS113)。本実施形態では、所定温度は2℃である。
【0124】
ステップS113において、室外温度が室内温度に対して所定温度よりも高い場合には、排気運転を行う(ステップS105)。一方、ステップS113において、室外温度が室内温度に対して所定温度以下の場合には、給気運転を行う(ステップS107)。
【0125】
第1モードと同様に、排気運転を行う工程(S105)及び給気運転を行う工程(S107)において、排気運転及び給気運転を所定時間継続すると、ステップS108に移行する。
【0126】
ステップS108では、制御部130は、第2モードの換気運転を終了するか否かを判断する。このステップS108では、ユーザによって、リモコン102の第2選択部102eとしての「自動換気モード」を取り消しているか否かを調べる。ステップS108において、第2モードが終了している場合には、この第2モードの換気運転を終了する。一方、ステップS108において、第2モードの換気運転が終了されていない場合には、室内温度及び室外温度を取得する工程(S112)に戻る。
【0127】
(5)特徴
(5-1)
本実施形態の空気調和システム100は、換気装置1bと、制御部130と、を備える。換気装置1bは、室外空気を室内へ供給する給気運転、及び、室内空気を室外へ排出する排気運転を行う。制御部130は、花粉量に関する情報を取得し、当該情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。
【0128】
本実施形態の空気調和システム100によれば、花粉量に関する情報に応じて、換気運転としての給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行うので、換気を行うことができる。
【0129】
(5-2)
本実施形態の空気調和システム100において、制御部130は、情報としての花粉量が所定量よりも多いときに、排気運転を行う。
【0130】
ここでは、取得した花粉量が所定量よりも多いときに、排気運転を行うことによって、室内の花粉を室外に排出することができる。したがって、室内に多くの花粉が導入されることを抑制できる。
【0131】
また、制御部130は、取得した花粉量が所定量以下のときに、給気運転を行うことによって、室外の花粉が室内に導入されることを抑制するとともに、換気量を増やすことができる。
【0132】
(5-3)
本実施形態の空気調和システム100において、制御部130は、室外の花粉量が、所定量としての第1閾値よりも多いとき、または、室内の花粉量が、所定量としての第2閾値よりも多いときに、排気運転を行う。
【0133】
ここでは、室外の花粉量に関する第1閾値、または、室内の花粉量に関する第2閾値を超えるときに、排気運転を行うことによって、室内に花粉が導入されることをより抑制できる。
【0134】
また、制御部130は、取得した花粉量が第1閾値以下、かつ第2閾値以下のときに、給気運転を行うことによって、室外の花粉が室内に導入されることを抑制するとともに、換気量を増やすことができる。
【0135】
(5-4)
本実施形態の空気調和システム100において、室外の花粉量の取得手段と、室内の花粉量の取得手段とは、異なる。
【0136】
ここでは、室外の花粉量の取得手段と、室内の花粉量の取得手段とが異なるので、室外及び室内の花粉量に関する情報を容易に取得できる。
【0137】
(5-5)
本実施形態の空気調和システム100において、制御部130は、情報として、室外の花粉量を取得し、室外の花粉量に応じて、給気運転と排気運転とを切り換える。
【0138】
ここでは、室外の花粉量を取得して、それに応じて給気運転と排気運転とを切り換える。このため、室外の花粉量が少ないときに、給気運転を行うことによって、換気量を確保することができる。一方、室外の花粉量が多いときに、排気運転を行うことによって、室内に多くの花粉が導入されることを抑制できる。
【0139】
(5-6)
本実施形態の空気調和システム100において、制御部130は、情報として、室内の花粉量を取得し、室内の花粉量に応じて、給気運転と排気運転とを切り換える。
【0140】
ここでは、室内の花粉量を取得して、それに応じて給気運転と排気運転とを切り換える。このため、室内の花粉量が少ないときに、給気運転を行うことによって、換気量を確保することができる。一方、室内の花粉量が多いときに、排気運転を行うことによって、室内の花粉を排出することができる。
【0141】
(5-7)
本実施形態の空気調和システム100において、制御部130は、花粉量に関する情報に応じて、給気運転と排気運転とを自動で切り換えるモードを実行する。
【0142】
ここでは、花粉量に関する情報に応じて給気運転と排気運転とを自動で切り換えるモードを有している。このため、室内の花粉量を抑制しつつ、換気運転を容易に行うことができる。
【0143】
(5-8)
本実施形態の空気調和システム100は、制御部130は、第1モードと、第2モードと、を選択して実行する。第1モードは、花粉量に関する情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。第2モードは、室内温度及び室外温度に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。
【0144】
ここでは、花粉量に関する情報に応じて換気運転を行う第1モードと、室内温度及び室外温度に応じて換気運転を行う第2モードとがある。このため、花粉が飛散していない時期などには、第2モードを選択することができる。
【0145】
(5-9)
本実施形態の空気調和システム100において、制御部130は、室外から室内に人が入る、または、入ったことを検知すると、情報に依らずに排気運転を行う。
【0146】
ここでは、帰宅時など、室外から室内に人が花粉を持ち込んでも、排気運転を行うので、室内の花粉量が増えることを抑制できる。
【0147】
(5-10)
本実施形態の空気調和システム100において、利用側装置(室内機2)と、熱源側装置(室外機3)と、をさらに備える。制御部130は、調和空気を生成する空調運転をさらに行い、情報に応じて排気運転を行うときに、利用側装置から吹き出される調和空気の風向を制御する。
【0148】
ここでは、換気運転及び空調運転を行うときに、利用側装置から吹き出される調和空気の風向を制御することによって、調和空気で花粉を落として、花粉の影響を小さくすることができる。
【0149】
(5-11)
本実施形態の換気運転の制御方法は、室外空気を室内へ供給する給気運転、及び、室内空気を室外へ排出する排気運転を行う換気装置(1b)を備える空気調和システム(100)の換気運転の制御方法であって、花粉量に関する情報を取得する工程(S103)と、当該情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う工程(S104~S107)と、を備える。
【0150】
本実施形態の換気運転の制御方法によれば、花粉量に関する情報に応じて、換気運転としての給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行うので、換気を行うことができる。
【0151】
(6)変形例
(6-1)変形例1
上記実施形態では、制御部130の換気制御部133が、室外の花粉量に関する情報をサーバ101から取得しているが、これに限定されない。本変形例では、空気調和システムは、情報として、室外の花粉量を検出する花粉センサをさらに備えている。花粉センサは、室外機3、または、室外のどこかに配置されている。花粉センサが室外機3以外に配置されている場合には、制御部130の室外制御部132は、室外通信部125を介して、情報として、室外の花粉量を、花粉センサから取得する。この場合、室外通信部125は、花粉センサ自体または花粉センサから情報を受信するインターフェースによって実現される。花粉センサが室外機3に配置されている場合には、室外制御部132は、情報として、室外の花粉量を、室外通信部125を介さずに、花粉センサから取得する。室外制御部132は、花粉センサからの検出結果を定期的に取得する。例えば、室外制御部132は、空調装置1aまたは換気装置1bの運転中において、所定時間間隔で情報を取得してもよい。
【0152】
(6-2)変形例2
上記実施形態では、制御部130の換気制御部133が、室外の花粉量に関する情報をサーバ101から取得しているが、これに限定されない。本変形例では、換気制御部133の代わりに、室外制御部132が、室外通信部125を介して、室外の花粉量に関する情報をサーバ101から取得する。
【0153】
(6-3)変形例3
上記実施形態では、制御部130の室内制御部131は、室内の花粉量に関する情報を室内機2に設けられた花粉センサ17から取得しているが、これに限定されない。室内の花粉量を測定する花粉センサは、室内のどこかに配置されていればよい。本変形例では、花粉センサは、室内に配置された空気清浄機に設けられる。この場合の花粉センサは、室内機2、リモコン102などと通信可能であり、定期的に花粉量を室内機2の室内通信部120、リモコン102などに送信するようにしてもよい。
【0154】
(6-4)変形例4
上記実施形態では、制御部130が取得する花粉量は、段階的な指標であり、所定量としての第1閾値及び第2閾値も、段階的な指標の1つとしているが、これに限定されない。本変形例では、制御部130が取得する花粉量、第1閾値及び第2閾値は、光を透過させて電流計を用いた測定方法により測定される電流値である。この場合、第2閾値は、第1閾値よりも小さいことが好ましい。これにより、室内に花粉が導入されることをより抑制できる。
【0155】
(6-5)変形例5
上記実施形態では、制御部130は、室内制御部131と、室外制御部132と、換気制御部133とから構成されるが、これに限定されない。本変形例の制御部130は、例えば、空気調和システムの構成機器に対して遠隔に位置する、遠隔サーバである。遠隔サーバは、換気運転を制御させるためのプログラムを有している。遠隔サーバは、ユーザのスマートフォン等の通信端末とネットワークを介して繋がっている。本変形例においても、
図6に示される処置を行う。
図6に示される処理は、予め、プログラムが遠隔サーバの記憶装置に格納されており、遠隔サーバのCPUが当該プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0156】
本変形例のプログラムは、コンピュータ(ここでは遠隔サーバ)に、室外空気を室内へ供給する給気運転、及び、室内空気を室外へ排出する排気運転を行う換気装置1bを備える空気調和システム100の換気運転の制御を実行させるためのプログラムであって、以下の工程を備える。花粉量に関する情報を取得する(S103)。そして、当該情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う(S104~S107)。
【0157】
本変形例のプログラムによれば、花粉量に関する情報に応じて、換気運転としての給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行うので、換気を行うことができる。
【0158】
(6-6)変形例6
上記実施形態では、制御部130は、室内制御部131と、室外制御部132と、換気制御部133とを含むが、これに限定されない。本変形例では、制御部130は、換気制御部133を含まない構成である。換言すると、換気ユニット4は、換気制御部133を含まない構成である。この場合、換気ユニット4の各機器は、室外機3が有する室外制御部132によって制御される。
【0159】
(6-7)変形例7
上記実施形態では、室内制御部131が、室内通信部120を介して換気運転及び空調運転を受け付けるが、これに限定されない。空気調和システム100の構成のいずれかが、換気運転及び空調運転の少なくとも一方を受け付けてもよく、室内機2、室外機3、及び換気ユニット4のそれぞれが換気運転及び空調運転の少なくとも一方を受け付けてもよい。
【0160】
(6-8)変形例8
上記実施形態では、第1モード及び第2モードでは、給気運転及び排気運転の一方を常時行うが、これに限定されない。第1モード及び第2モードの少なくとも一方は、給気運転と排気運転とを同時に行ってもよい。また、第1モード及び第2モードの少なくとも一方は、給気運転及び排気運転を一時的に停止してもよい。
【0161】
(6-9)変形例9
上記実施形態では、制御部130は、情報として、室外及び室内の花粉量を取得しているが、これに限定されない。制御部130は、情報として、室外及び室内の一方の花粉量を取得してもよい。この場合、
図6におけるステップS104またはステップS106が省略される。具体的には、制御部130は、取得した情報が、室外の花粉量に関する第1閾値及び室内の花粉量に関する第2閾値の一方よりも多い場合に、排気運転を行う。
【0162】
(6-10)変形例10
上記実施形態では、花粉量に関する情報に応じて給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う第1モードを開始する第1選択部102dがリモコン102に設けられているが、これに限定されない。本変形例では、第1選択部102dは、スマートフォン等の通信端末の画面に設けられる。
【0163】
また、室内温度及び室外温度に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う第2モードを開始する第2選択部102eも、スマートフォン等の通信端末の画面に設けられてもよい。
【0164】
(6-11)変形例11
上記実施形態では、制御部130は、室外から室内に人が入る、または、入ったことを検知すると、花粉量に関する情報に依らずに所定時間排気運転を行うが、これに限定されない。本変形例では、制御部130は、室外から室内に人が入る、または、入った時に、花粉量に関する情報に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。なお、
図6におけるステップS102が省略されてもよい。
【0165】
(6-12)変形例12
上記実施形態では、制御部130は、第2モードでは、冷房運転時、除湿運転時及び暖房運転時に、室内温度及び室外温度に応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行うが、これに限定されない。本変形例では、制御部130は、第2モードでは、室内湿度及び室外湿度に、応じて、給気運転及び排気運転の少なくとも一方を行う。
【0166】
具体的には、制御部130は、冷房運転時及び除湿運転時に、室外湿度が室内湿度に対して所定湿度よりも大きい場合に排気運転を行うとともに、室外湿度が室内湿度に対して所定湿度以下の場合に給気運転を行う。所定湿度は、冷房運転時及び除湿運転時に、室外湿度が高いため、室外空気を室内へ供給することを停止して、室内空気を室外へ排出する条件である。
【0167】
また、制御部130は、暖房運転時に、室外湿度が室内湿度に対して所定湿度よりも小さい場合に、排気運転を行うとともに、室外湿度が室内湿度に対して所定湿度以上の場合に、給気運転を行う。所定湿度は、室外湿度が低いため、室外空気を室内へ供給することを停止して、室内空気を室外へ排出する条件である。
【0168】
所定湿度は、任意に設定が可能である。所定湿度は、例えば、リモコン102で設定された湿度と、室外空気の湿度との差が5%以上である。なお、室外空気の温度は、室外温度センサ33で測定される値である。室外空気の湿度は、室外湿度センサ34で測定される値である。
【0169】
(6-13)変形例13
上記実施形態では、制御部130は、第2モードの要求を受け付けると、第2モードを開始するが、これに限定されない。本変形例では、制御部130は、さらに、室外から室内に人が入る、または、入ったことをさらに検知すると、第2モードを開始する。
【0170】
(6-14)変形例14
上記実施形態では、給気経路及び排気経路を形成する部材として、ホース6及び給排気口14を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0171】
例えば、給気経路及び排気経路を形成する部材はホース6とし、室内機2には給気口と排気口とは、別に形成されてもよい。この場合、給気運転の際には、ホース6から給気口を介して室外空気が室内に供給され、排気運転の際には、排気口を介して室内空気がホース6に導入される。なお、給気経路と排気経路とを形成する部材は、ホース6に限定されない。
【0172】
また、例えば、給気経路と排気経路とは、共通でなくてもよい。換言すると、給気経路を構成するホースと、排気経路を構成するホースとが、別部材であってもよい。
【0173】
(6-15)変形例15
上述した実施形態では、換気運転として給気運転及び排気運転を行う空気調和システム100を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本変形例の空気調和システムは、換気運転として、加湿運転をさらに行う。
【0174】
加湿運転は、室外空気を室内に供給する点で給気運転と同じであるが、室外空気を加湿して室内へ供給する点において異なる。
【0175】
(6-16)変形例16
上述した実施形態では、空気調和システム100は、空調運転及び換気運転を行う空気調和システムを例に挙げて説明したが、これに限定されない。本開示の空気調和システムは、換気運転のみを行うシステムを含む。
【0176】
(6-17)変形例17
上記実施形態では、冷房運転、除湿運転及び暖房運転を行う空気調和システム100を例に挙げて説明したが、本開示の空気調和システムは、換気運転を行うことができれば、これに限定されない。本変形例の空気調和システムは、冷房専用で、換気運転が可能である。
【0177】
(6-18)変形例18
上記実施形態では、換気装置1bを構成する換気ユニット4は、室外機3に設けられているが、これに限定されない。本変形例の換気ユニットは、室内機2に設けられる。換気ユニットは、室内機2と一体であってもよく、別体であってもよい。
【0178】
(6-19)変形例19
上述した実施形態では、壁掛け型の室内機2を例に挙げて説明したが、本開示の室内機は、これに限定されない。本開示の室内機は、天井埋込型、床置き型などの任意の型式を採用することができる。
【0179】
(6-20)変形例20
上述した実施形態では、1つの室内機2を備える空気調和システム100を例に挙げて説明したが、本開示の空気調和システムは、これに限定されない。本開示の空気調和システムは、複数の室内機2を備えるマルチタイプにも適用できる。
【0180】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0181】
100 :空気調和システム
1a :空調装置
1b :換気装置
2 :室内機(利用側装置)
3 :室外機(熱源側装置)
130、131、132、133:制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0182】