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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094551
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/06 20060101AFI20240703BHJP
   E06B 3/92 20060101ALI20240703BHJP
   A47H 23/01 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
E06B9/06 620H
E06B3/92
A47H23/01 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211172
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】阿坂 翼
【テーマコード(参考)】
2E015
2E182
【Fターム(参考)】
2E015AA07
2E015AA10
2E015BA09
2E015CA03
2E015DA01
2E015DA02
2E182AA01
2E182AC17
2E182DF43
2E182DF46
2E182EE01
(57)【要約】
【課題】遮蔽材の一部を容易に交換することが可能な遮蔽装置を提供する。
【解決手段】本発明の遮蔽装置は、柔軟性を有する生地からなるとともに、第1方向に複数配列された遮蔽材と、遮蔽材を保持する支持部材と、を有し、遮蔽材は、第1方向における両端部に被保持部をそれぞれ有し、支持部材は、遮蔽材の第1方向における両端部に設けられた装着部の少なくとも一方の装着部を保持する保持部を備えているものである。なお、保持部は、隣り合う2つの遮蔽材のうち、一方の遮蔽材の第1方向における一端部に設けられた被保持部と、他方の遮蔽材の第1方向における他端部に設けられた被保持部と、を保持することが好ましい。
【選択図】 図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有する生地からなるとともに、第1方向に複数配列された遮蔽材と、
前記遮蔽材を保持する支持部材と、
を有し、
前記遮蔽材は、前記第1方向における両端部に被保持部をそれぞれ有し、
前記支持部材は、前記遮蔽材の前記第1方向における両端部に設けられた前記被保持部の少なくとも一方の被保持部を保持する保持部を備えている
ことを特徴とする遮蔽装置。
【請求項2】
前記保持部は、隣り合う2つの遮蔽材のうち、一方の遮蔽材の前記第1方向における一端部に設けられた被保持部と、他方の遮蔽材の前記第1方向における他端部に設けられた被保持部と、を保持する
ことを特徴とする請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項3】
前記保持部は、
前記隣り合う2つの遮蔽材のうち、一方の遮蔽材の前記第1方向における一端部に設けられた被保持部を保持する第1の保持部と、
前記他方の遮蔽材の前記第1方向における他端部に設けられた被保持部を保持するとともに、前記第1の保持部に対して回動自在となるように、前記支持部材に軸支される第2の保持部と、を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の遮蔽装置。
【請求項4】
前記保持部は、
前記第1方向に直交し、且つ前記支持部材の延在方向である第2方向に延びるとともに、前記被保持部が収納される収納空間と、
前記収納空間に収納された遮蔽材を挿通させた状態で、前記被保持部が前記収納空間から離脱することを防止する一対の離脱防止片と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項5】
前記保持部は、
前記被保持部が収納される収納空間と、前記収納空間の近傍に設けられるとともに、前記第1方向に直交し、且つ前記支持部材の延在方向である第2方向に延びる円柱部と、を有し、
前記被保持部は、前記被保持部が前記収納空間に収納された状態で、前記円柱部と嵌合される嵌合部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項6】
前記支持部材は、前記第1方向及び前記支持部材の延在方向である第2方向のそれぞれに直交する第3方向における両端部に前記保持部を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の遮蔽装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の空間を遮蔽する、又は、空間を区画する(仕切る)装置として、例えば、アコーディオンカーテンなどの遮蔽装置がある(特許文献1参照)。特許文献1に開示される遮蔽装置は、例えば、ハンガーレールに沿って移動可能な移動框と、当該移動框の移動に伴って伸縮するパンタグラフ構造の骨組みと、当該骨組みの前後両側に設けられたカーテン材(遮蔽材)とを備えた構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-23575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示される遮蔽装置では、骨組みの前後に設けられる遮蔽材として、1枚の柔軟性の高い生地が用いられている。この遮蔽材は、例えば固定用テープを縫製したり、遮蔽材の端部を折り返して縫製したりすることで骨組みに取り付けられている。このような遮蔽装置では、遮蔽材の一部分が破れる、または、遮蔽材の一部が汚れる場合には、破れていない箇所や、汚れていない箇所があるにも関わらず、遮蔽材全体を交換する必要がある。したがって、遮蔽装置では、未だ使用できる箇所も交換してしまうため、遮蔽材の交換にコストがかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、遮蔽材の一部を容易に交換することができる遮蔽装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点の遮蔽装置は、柔軟性を有する生地からなるとともに、第1方向に複数配列された遮蔽材と、遮蔽材を保持する支持部材と、を有し、遮蔽材は、第1方向における両端部に被保持部をそれぞれ有し、支持部材は、遮蔽材の第1方向における両端部に設けられた装着部の少なくとも一方の装着部を保持する保持部を備えている、ことを特徴とする。
【0007】
また、上述の発明において、保持部は、隣り合う2つの遮蔽材のうち、一方の遮蔽材の第1方向における一端部に設けられた被保持部と、他方の遮蔽材の第1方向における他端部に設けられた被保持部と、を保持する、ことが好ましい。
【0008】
また、上述の発明において、保持部は、隣り合う2つの遮蔽材のうち、一方の遮蔽材の第1方向における一端部に設けられた被保持部を保持する第1の保持部と、他方の遮蔽材の第1方向における他端部に設けられた被保持部を保持するとともに、第1の保持部に対して回動自在となるように、支持部材に軸支される第2の保持部と、を含む、ことが好ましい。
【0009】
また、上述の発明において、保持部は、第1方向に直交し、且つ支持部材の延在方向である第2方向に延びるとともに、被保持部が収納される収納空間と、収納空間に収納された遮蔽材を挿通させた状態で、被保持部が収納空間から離脱することを防止する一対の離脱防止片と、を有する、ことが好ましい。
【0010】
また、上述の発明において、保持部は、被保持部が収納される収納空間と、収納空間の近傍に設けられるとともに、第1方向に直交し、且つ支持部材の延在方向である第2方向に延びる円柱部と、を有し、被保持部は、被保持部が収納空間に収納された状態で、円柱部と嵌合される嵌合部を有する、ことが好ましい。
【0011】
また、上述の発明において、支持部材は、第1方向及び支持部材の延在方向である第2方向のそれぞれに直交する第3方向における両端部に保持部を備えている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、遮蔽材の一部を容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る遮蔽装置の図である。
図2図2は、骨組みの構成を示す斜視図である。
図3図3は、骨組みユニットの上部構成を分解して示す斜視図である。
図4図4は、支持部材の構成を示す上面図である。
図5図5は、遮蔽材の構成を示す図である。
図6図6は、隣り合う2つの支持部材に跨って遮蔽材を取り付ける直前の状態を示す斜視図である。
図7図7は、隣り合う2つの支持部材に跨って遮蔽材を取り付けた状態を示す斜視図である。
図8図8は、収納部を有する回動部材が着脱位置にあるときの支持部材の構成を上面図である。
図9図9は、回動部材が使用位置にあるときの支持部材の構成を示す上面図である。
図10図10は、回動部材に設けた円柱部に、装着部が有する嵌合部を嵌合させることで、遮蔽材を支持部材に取り付ける場合の支持部材の構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る遮蔽装置の一実施の形態を、図面を用いて説明する。図1に示すように、遮蔽装置10は、ハンガーレール100にスライド自在に吊り下げ支持されて、空間を仕切る間仕切りとして構成されている。ハンガーレール100は、後述する複数のランナー31が移動可能なように下端側が開口している略四角筒状の部材である。ハンガーレール100の上端面は、不図示のブラケットを介して、或いは直接的に天井側の取付面に固定されている。
【0015】
遮蔽装置10は、骨組み20、固定框70と、移動框80と、遮蔽材90を備えている。遮蔽装置10は、骨組み20の伸縮方向における一端側に固定框70が接続されており、当該骨組み20の伸縮方向における他端側に移動框80が接続されている。そして、遮蔽装置10は、移動框80を固定框70から離間する方向、或いは近接する方向に移動させることで、骨組み20が開閉(伸縮)可能となっている。
【0016】
以下、骨組み20が開閉(伸縮)する方向を左右方向、固定框70や移動框80の延在方向を上下方向、左右方向及び上下方向のそれぞれに直交する方向を前後方向と称する場合がある。なお、左右方向は請求項に記載の第1方向に、上下方向は請求項に記載の第2方向に相当する。また、前後方向は、請求項に記載の第3方向に相当する。
【0017】
図2に示すように、骨組み20は、複数の骨組みユニット30から構成されている。骨組みユニット20は、ランナー31と、上保持部材32と、下保持部材33と、上連結部材34と、下連結部材35と、支持部材36と、を有している。
【0018】
ランナー31は、上保持部材32に保持される部材である。ランナー31は、ハンガーレール100に案内される被案内部31aと、被案内部31aを回動自在に支持する支持部31bとを備えている。なお、ランナー31の構成は、図2に限定されるものではなく、例えば、前後方向を回転中心とする2つのローラと、当該2つのローラが同軸となるように2つのローラを軸支する支持部の構成としてもよい。
【0019】
図3に示すように、上保持部材32は、支持部材36の上端部に固定される部材である。上保持部材32には、ランナー31の支持部31bが保持されている。また、上保持部材32は、不図示のコマ部材を内部に有している。不図示のコマ部材には、回動ピン37が取り付けられている。回動ピン37は、上保持部材32の下端部から下方に突出して、上連結部材34を軸支している。なお、図示を省略するが、回動ピン37の下端部の先端には、雄ねじ部が設けられており、上連結部材34を軸支した状態で、不図示のナットが締め付けられる。これにより、上保持部材32は、上連結部材34を保持している。
【0020】
図2に戻って説明すると、下保持部材33は、支持部材36の下端部に固定される部材である。上保持部材32と同様に、下保持部材33の内部には、不図示のコマ部材を有している。不図示のコマ部材には、不図示の回動ピンが取り付けられている。不図示の回動ピンは、下保持部材33から上方に突出して、下連結部材35を軸支している。なお、図示は省略するが、回動ピンの先端部には、雄ねじ部が設けられており、下連結部材35を軸支した状態でナット(不図示)が締め付けられる。これにより、下保持部材33は、下連結部材35を保持している。
【0021】
上連結部材34は、一対のリンク部材41,42を有する。一対のリンク部材41,42の各々には、長手方向における中央近傍に挿通孔が設けられ、上保持部材の下端部から突出する回動ピン37が挿通されている。したがって、一対のリンク部材41,42は、上連結部材34の平面視において(つまり、上下方向から見た際に)X字状に交差した状態で回動自在に、保持されている。
【0022】
一対のリンク部材41,42のうち、リンク部材41は、長手方向の一端側に第1連結部41aを備え、他端側に第2連結部41bを備えている。また、リンク部材42は、長手方向の一端側に第1連結部42aを備え、他端側に第2連結部42bを備えている。一対のリンク部材41,42は、隣接する骨組みユニット30の間において、リンク部材41の第1連結部41aとリンク部材42の第2連結部42b、リンク部材41の第2連結部41bとリンク部材42の第1連結部42aがそれぞれ連結ピン(不図示)を介して回動可能に接続されることで、隣接する骨組みユニット30が、各々、連結されている。
【0023】
下連結部材35は、上連結部材34と同様に、一対のリンク部材43,44により構成されている。本実施形態において、下連結部材35と上連結部材34は同一の構成となっているため、下連結部材35の構成については詳細な説明を省略する。
【0024】
上述した移動框80が固定框70に対して左右方向に移動すると、上連結部材34は、一対のリンク部材41,42がパンタグラフ状に開閉(伸縮)し、同時に、下連結部材35は、一対のリンク部材43,44がパンタグラフ状に開閉(伸縮)する。これにより、隣り合う骨組みユニット30間の距離、すなわち、隣り合う支持部材36間の距離が伸縮する。
【0025】
図4に示すように、支持部材36は、当該支持部材36を上方から視認したときに、支持部材の左右方向を中心として線対称となる部材である。支持部材36には、2つの収納部45,46と、これら収納部45,46を接続する接続部47とから構成されている。ここで、収納部45,46は請求項に記載の保持部に相当する。
【0026】
収納部45は、支持部材36の上下方向に直交する断面形状が略C字形状となっている。収納部45の開口部分45aに連なる両端部には、収納部45の内部に設けた空間45bに向けて折れ曲がる折曲片48,49が設けられている。また、収納部45には、収納部45の空間45bに向けて突出する突条50が設けられている。なお、支持部材36の上下方向に直交する収納部45の空間の断面形状は、例えば矩形状である。
【0027】
収納部45の内部に設けられる空間45bのうち、図4中ハッチングで示す領域51及び領域52が、遮蔽材90の端部が収納される収納空間として機能し、開口部分が、遮蔽材90が挿通される空間として機能する。また、折曲片48,49及び突条50を設けることで、領域51及び領域52のそれぞれに収納された遮蔽材90の端部が収納部45から離脱することを防止している。ここで、収納部45の内部に設けた領域51,52が請求項に記載の収納空間に相当する。また、折曲片48及び突条50と、折曲片49及び突条50とが、請求項に記載の一対の離脱防止片に相当する。
【0028】
収納部46は、収納部45と同一形状である。すなわち、収納部46は、支持部材36の上下方向に直交する断面形状が略C字形状となっており、収納部46の開口部分46aに連なる両端部には、収納部46の内部に設けた溝形状の空間46bに向けて折れ曲がる折曲片55,56が設けられている。また、収納部46には、収納部46の空間46bに向けて突出する突条57が設けられている。収納部46の内部に設けられる空間46bのうち、図4中ハッチングで示す領域58及び領域59が、遮蔽材90の端部が収納される収納空間として機能し、開口部分が、遮蔽材90が挿通される空間として機能する。
【0029】
収納部45と接続部47との間、収納部46と接続部47との間には、環状部61,62がそれぞれ設けられている。これら環状部61,62の上端部及び下端部には、上保持部材32及び下保持部材33を支持部材36にそれぞれ固定するための雌ねじ部(不図示)がそれぞれ設けられている。
【0030】
図1に戻って説明すると、遮蔽材90は、複数の骨組みユニット30のうち、隣り合う2つの骨組みユニット30の支持部材36の各々に跨って取り付けられる。なお、遮蔽材90は、骨組みユニット30の前側及び後側のそれぞれに取り付けられている。したがって、本実施の形態における遮蔽装置10において、遮蔽材90は、左右方向に複数配列されている。
【0031】
遮蔽材90は、例えば柔軟性の高い生地から構成されている。図5に示すように、遮蔽材90の左右方向の両端部における裏面側には、上下方向に延びる薄板91がそれぞれ固定されている。薄板91は、例えば合成樹脂から形成されている。以下、遮蔽材90の右端部90aに固定される薄板91を薄板91aと称し、遮蔽材90の左端部90bに固定される薄板91を薄板91bと称する場合がある。
【0032】
なお、薄板91(91a,91b)の遮蔽材90への固定方法は、薄板91(91a,91b)の上下方向における複数個所を、例えばホチキスなどにより遮蔽材90に留めることで遮蔽材90に固定する、又は、薄板91(91a,91b)を遮蔽材90に縫い付け固定するなど、薄板91が遮蔽材90から離脱しない方法であれば、適宜の方法を用いてよい。また、薄板91を遮蔽材90の両端部90a,90bに固定する代わりに、遮蔽材90の両端部90a,90bを複数回折り返し、折り返した箇所を縫着してもよい。したがって、薄板91が固定される遮蔽材90の右端部90a及び左端部90bが、請求項に記載の被保持部に相当する。
【0033】
次に、遮蔽材90の支持部材36への取り付けについて説明する。上述したように、遮蔽材90は、隣り合う2つの骨組みユニット30の支持部材36の各々に跨って取り付けられている。以下、隣り合う2つの骨組みユニット30の支持部材36のうち、右側に位置する骨組みユニット30の支持部材36に対して符号“a”を、左側に位置する骨組みユニット30の支持部材36に対して符号“b”を付して説明する。また、遮蔽材90の右端部に符号90a、遮蔽材90の左端部に符号90bを付して説明する。
【0034】
図6に示すように、例えば遮蔽材90の右端部90a及び左端部90bを、薄板91とともに、それぞれ、当該遮蔽材90の裏側に折り返す。そして、折り返した状態の遮蔽材90の右端部90aの下端側を、当該遮蔽材90に固定された薄板91aとともに、支持部材36aの上端側から支持部材36aの収納部45に挿入する。同時に、折り返した状態の遮蔽材90の左端部90bの下端側を、当該遮蔽材90に固定された薄板91bとともに、支持部材36bの上端側から支持部材36bの収納部45に挿入する。
【0035】
ここで、折り返した状態の遮蔽材90の右端部90aの上端側を支持部材36aの収納部45に挿入すると、折り返した遮蔽材90の右端部90a及び当該右端部90aに固定された薄板91aが、支持部材36aの収納部45の領域52に挿入される。また、折り返した状態の遮蔽材90の左端部90bの上端側を支持部材36bの収納部45に挿入すると、折り返した遮蔽材90の左端部90b及び当該左端部90bに固定された薄板91bが、支持部材36bの収納部45の領域51に挿入される。そして、遮蔽材90の上端を隣り合う2つの支持部材36a,36bの下端まで移動させる。これにより、図7に示すように、遮蔽材90は、隣り合う2つの支持部材36a,36bの各々に跨って取り付けられる。
【0036】
遮蔽材90は、隣り合う2つの支持部材36a,36bの各々に跨って取り付けると、折り返した状態の遮蔽材90の右端部90aは、支持部材36aの収納部45の領域52に収納された状態で保持され、折り返した状態の遮蔽材90の左端部90bは、支持部材36bの収納部45の領域51に収納された状態で保持されている。このとき、遮蔽材90を前側に引っ張ったときには、遮蔽材90の右端部90aに設けられた薄板91aは、領域52に収納されるので、支持部材36aの収納部45に設けた折曲片49及び突条50に当接して、遮蔽材90の右端部90aが支持部材36aの収納部45からの離脱を防止する。同時に、遮蔽材90の左端部90bに設けられた薄板91bは、領域51に収納されるので、支持部材36bの収納部45に設けた折曲片48及び突条50に当接して、遮蔽材90の左端部90bが支持部材36bの収納部45からの離脱を防止する。
【0037】
なお、支持部材36a,36bには、収納部45の他に、収納部46が設けられているので、裏面側に配置される遮蔽材90も同様の方法で遮蔽材が取り付けられる。このようにして、隣り合う2つの骨組みユニット30の支持部材36の各々に跨って、遮蔽材90が、遮蔽装置10の前側及び裏側の各々に取り付けられる。
【0038】
上記の取り付け方法では、遮蔽材90の下端側を、支持部材36a,36bの上端側から、支持部材36a,36bの収納部45にそれぞれ挿入する場合を説明しているが、遮蔽材90の上端側を、支持部材36a,36bの下端側から支持部材36a,36bの収納部45に挿入することも可能である。
【0039】
なお、遮蔽材90は、支持部材36a,36bの上端側又は下端側から引き出すことで、支持部材36a,36bのそれぞれから取り外される。
【0040】
従来の遮蔽装置のように、例えば1枚の遮蔽材を伸縮させる遮蔽装置の場合には、使用される1枚の遮蔽材を交換する必要があり、遮蔽材の使用できる部分も好感してしまうことになるが、本実施の形態における遮蔽装置10では、交換する必要のない遮蔽材90は残し、交換する必要のある遮蔽材90を、当該遮蔽材90が取り付けられた支持部材36から取り外して、新たな遮蔽材90を取り付けるだけで済む。これによれば、遮蔽材90の交換作業を簡素化でき、また、遮蔽材90の交換に伴うコストも抑制することができる。
【0041】
上述した実施形態では、支持部材36の収納部45に設けられる領域51に、隣り合う2つの遮蔽材90の一方の遮蔽材90の左端部90bを、支持部材36の収納部45に設けられる領域52に、他方の遮蔽材90の右端部90aをそれぞれ挿入することで、隣り合う2つの遮蔽材90の端部をそれぞれ保持するようにしている。この場合、遮蔽材90の厚みがある生地が用いられた場合には、2つの遮蔽材90の端部を開口部分45aに挿入しづらい場合もある。したがって、隣り合う2つの遮蔽材90のうち、一方の遮蔽材90の左端部90bを収納保持する部材と、他方の遮蔽材90の右端部90aを収納保持する部材とから支持部材を構成して、これら部材の一方を他方に対して回動させるようにしてもよい。このような、回動させる部位を有する支持部材(支持部材110)について、以下に説明する。
【0042】
図8に示すように、例えば、支持部材110は、本体111と、2つの回動部材112,113とを有する。本体111は、2つの収納部120,121と、当該2つの収納部120,121のそれぞれに配置される軸部123,124と、2つの収納部120,121を接続する接続部125とから構成されている。ここで、2つの収納部120,121が請求項に記載の第1の保持部に相当する。
【0043】
収納部120は、図8中左側が開口された略C字形状をしている。略C字形状の収納部120の内部空間120aには、例えば遮蔽材90の左端部90bが収納保持される。収納部120の形状を略C字形状とすることで、収納部120の開口部分120bから、遮蔽材90が収納部120の外方へ導出される。なお、開口部分120bの幅は、遮蔽材90の左端部90bに固定される薄板91bの幅よりも狭く設定されている。これにより、収納部120の内部空間120aに収納される遮蔽材90の左端部90bが収納部120から離脱することを防止している。なお、収納部121も、収納部120と同一の形状をしているため、ここでは、その詳細を省略する。
【0044】
軸部123は、一端が収納部121と接続される、少なくとも半円部分を有する部位である。軸部123には、回動部材112の軸受部132が係合する。なお、軸部124も、軸部123と同一の形状をしているため、ここでは、その詳細を省略する。
【0045】
回動部材112は、本体111に設けた軸部123に係合されることで、軸部123を中心として回動自在な部材である。回動部材112は、収納部131と、軸受部132とを有している。収納部131は、支持部材110の本体111に設けた収納部120と同様に、略C字形状をしている。ここで、収納部131は、請求項に記載の第2の保持部に相当する。収納部131の内部空間131aには、例えば遮蔽材90の右端部90aが収納保持される。収納部131の形状を略C字形状とすることで、収納部131の開口部分131bから、遮蔽材90が収納部131の外方へ導出される。なお、開口部分131bの幅は、遮蔽材90の右端部90aに固定される薄板91aの幅よりも狭く設定されている。これにより、収納部131の内部空間131aに収納される遮蔽材90の右端部90aが収納部131から離脱することを防止している。
【0046】
軸受部132は、略フック形状をしている。軸受部132の内部空間132aには、本体111の軸部123が嵌め込まれる。例えば回動部材112が本体111の軸部123を回動中心として回動したとき、軸受部132の一端部132bは、本体111の軸部123の内部に挿入される。
【0047】
回動部材112は、上下方向を回動中心として、図9に示す使用位置と、図8に示す着脱位置との間で回動する。なお、使用位置では、回動部材112の収納部131の一端部に設けられた当接面131cが、本体111の収納部120に設けられた当接面120cと当接した状態となる。この状態では、本体111の収納部120の開口部分120bと、回動部材112の収納部131の開口部分131bとは、対面している。また、着脱位置は、使用位置から図8中方向に回転した位置であり、回動部材112の収納部131の開口部分131bや、本体111の収納部120の開口部分120bが外部に露呈する位置である。
【0048】
支持部材110を本体111と、2つの回動部材112,113とからなる構成とすることで、遮蔽材90の着脱時には、例えば回動部材112を使用位置から着脱位置まで回動させた後、本体111の収納部120に収納保持した遮蔽材90の左端部90b、又は回動部材112の収納部131に収納保持した遮蔽材90の右端部90aの着脱を行う。そして、遮蔽材90の着脱を行った後、回動部材113を着脱位置から、使用位置まで回動させればよい。これによれば、遮蔽材90の着脱作業を容易に行うことが可能となる。
【0049】
本実施の形態では、遮蔽材90の裏面の両端部に、薄板91をそれぞれ固定した状態で、支持部材36,110に取り付ける場合を説明しているが、遮蔽材90を支持部材36,110に取り付ける方法は、上記に説明した取り付け方法に限定されるものではない。図10に示すように、例えば、支持部材140の本体141の収納部142,143や、回動部材144,145の収納部146,147に、円柱部151,152,153,154をそれぞれ設ける。また、図10に示す構成では、遮蔽材170の両端部に、C字形状の嵌合部166を一端に有する装着板165を固定する。
【0050】
例えば、遮蔽材170の右端部170aを回動部材144に取り付けるときには、遮蔽材170の右端部170aに固定した装着板165が回動部材144の収納部146の空間146aに収納された状態で、装着板165の嵌合部166を、回動部材144の収納部146に設けた円柱部153に係合させる。また、遮蔽材170の左端部170bを本体141に取り付けるときには、遮蔽材170の左端部170bに固定した装着板167が収納部142の空間142aに収納された状態で、装着板167の嵌合部168を、本体141の収納部142に設けた円柱部151に係合させる。これによれば、遮蔽材170の両端部に固定される装着板165の嵌合部166を、回動部材144,145の収納部146,147に設けた円柱部153,154、又は、本体141の収納部142に設けた円柱部151,152に係合させるだけで済むので、遮蔽材170の装着作業を容易に行うことが可能となる。
【0051】
本実施の形態では、骨組み20の一端に固定框70を、骨組み20の他端に移動框80を取り付けた遮蔽装置10について説明しているが、骨組み20の両端に移動框を取り付けて、両側を開閉可能な遮蔽装置とすることも可能である。また、本実施の形態に係る遮蔽装置10を左右方向に複数配置し、両開きの間仕切りとして構成することも可能である。この場合、遮蔽装置の移動框同士を連結して、幅広の間仕切りとして使用することも可能である。
【0052】
本実施の形態では、遮蔽装置10はハンガーレール100に吊り下げられ、空間を仕切る間仕切りについて説明しているが、ハンガーレール100の代わりに、窓枠に取り付けたカーテンレールに本実施の形態に示す遮蔽装置を吊り下げて、日射遮蔽装置として用いることも可能である。また、この他に、本実施の形態に示す遮蔽装置10をハンガーレール100に吊り下げるのではなく、各骨組みユニットの下端部に車輪を設けて、移動框の左右方向への移動に合わせて伸張して、空間を仕切る間仕切りとして使用してもよい。
【0053】
<効果について>
【0054】
本実施の形態における遮蔽装置10は、柔軟性を有する生地からなるとともに、左右方向に複数配列された遮蔽材90,170と、遮蔽材90,170を保持する支持部材36,110,140と、を有し、遮蔽材90,170は、被保持部として機能する、左右方向における両端部90a,90b,170a,170bをそれぞれ有し、支持部材36,110,140は、遮蔽材90,170の被保持部として機能する両端部90a,90b,170a,170bの少なくとも一方を保持する収納部45,46,120,131,142,143,146,147を備えているものである。
【0055】
これによれば、例えば1枚の遮蔽材を有する遮蔽装置の場合には、1枚の大きな遮蔽材を交換する必要があるが、本実施の形態における遮蔽装置10では、細分化された遮蔽材90か複数並べられることで大きな遮蔽材ユニットが構成され、その遮蔽材ユニットを構成する遮蔽材90の中で、交換する必要のある遮蔽材90を、当該遮蔽材90が取り付けられた支持部材36から取り外して、新たな遮蔽材90を取り付けるだけで済む。これによれば、遮蔽材90の交換作業を簡素化できる。また、遮蔽材90の交換に伴うコストも抑制することができる。
【0056】
また、収納部45,46,120,131,142,143,146,147は、隣り合う2つの遮蔽材90,170のうち、一方の遮蔽材90,170の左右方向における右端部90a,170aと、他方の遮蔽材90の左右方向における左端部90b,170bと、を保持するものである。
【0057】
これによれば、左右方向に遮蔽材90を複数配置する遮蔽装置10において、隣り合う2つの遮蔽材90の端部を支持部材に確実に保持することができる。
【0058】
また、収納部120,131,142,143,146,147は、隣り合う2つの遮蔽材90,170のうち、一方の遮蔽材90,170の左右方向における左端部90b,170bを保持する収納部120と、他方の遮蔽材90,170の左右方向における右端部90a,170aを保持するとともに、収納部120,142,143に対して回動自在となるように、支持部材110,140に軸支される収納部131,146,147と、を含むものである。
【0059】
これによれば、隣り合う2つの遮蔽材90を着脱するときの作業効率を向上させることができる。
【0060】
また、収納部45,46は、左右方向に直交し、且つ支持部材36,110,140の延在方向である上下方向に延びるとともに、薄板91が収納される領域51,52と、領域51,52に収納された遮蔽材90を挿通させた状態で、遮蔽材90の左右方向における両端部90a,90bのいずれか一方が領域51,52から離脱することを防止する一対の離脱防止片として機能する折曲片48と突条50、又は折曲片49と突条50と、を有するものである。
【0061】
これによれば、隣り合う2つの遮蔽材90を取り付けた後で、遮蔽材90が支持部材36から離脱する事象の発生を防止することができる。
【0062】
また、収納部142,146は、遮蔽材170の左右方向における両端部170a,170bのいずれか一方が収納される空間142a,146aと、空間142a,146aの近傍に設けられるとともに、左右方向に直交し、且つ支持部材36,110,140の延在方向である上下方向に延びる円柱部151,153と、を有し、遮蔽材170の左右方向における両端部170a,170bは、遮蔽材170の左右方向における両端部170a,170bが空間142a,146aに収納された状態で、円柱部151,153と嵌合される嵌合部168,166を有するものである。
【0063】
これによれば、隣り合う2つの遮蔽材170を着脱するときの作業効率を向上させることができる。
【0064】
また、支持部材36,110,140は、左右方向及び支持部材36,110,140の延在方向に直交する前後方向における両端部に収納部45,46,120,121,131,146,147を備えているものである。
【0065】
これによれば、前側及び後側に遮蔽材90を備えた遮蔽装置10の場合であっても、交換する遮蔽材90のみの交換が可能となるので、遮蔽材90の交換作業を簡素化でき、また、遮蔽材90の交換に伴うコストも抑制することができる。
【符号の説明】
【0066】
10…遮蔽装置
36,110,140…支持部材
45,46…収納部
51,52…領域
48,49…折曲片
50…突条
90,170…遮蔽材
151,153…円柱部
165,167…装着板
166,168…嵌合部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10