(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094555
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】組立式墓石
(51)【国際特許分類】
E04H 13/00 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
E04H13/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211179
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】300089242
【氏名又は名称】酒井 正美
(72)【発明者】
【氏名】酒井 正美
(57)【要約】
【課題】本発明は、軽量で宅配便等で輸送可能で、かつ故人の遺品等を保管する機能を兼ね備えた組立式墓石を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも、石塔、芝台、花立及び水鉢を構成部材とする組立式墓石において、該石塔を石塔前面部と石塔後背部との2つの構成部材に分割するとともに、前記各構成部材の重量を10kg以上でかつ30kg以下として、石塔を構成する2つの構成部材の接合面において、少なくとも片方の構成部材に凹部を設けることにより、宅配便等で輸送可能となり、かつ故人の遺品等を墓石内に保管することを可能とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも石塔及び台座を構成部材とする組立式墓石において、該石塔を複数の構成部材に分割するとともに、前記各構成部材の重量を10kg以上でかつ30kg以下とすることを特徴とする組立式墓石。
【請求項2】
前記石塔を構成する複数の構成部材の接合面において、少なくとも片方の構成部材に凹
部を設けることを特徴とする前記請求項1記載の組立式墓石。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式の墓石構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
墓所は、基本的に、墓石、その下部に大地とつながる納骨室及び周囲を区画する外柵で構成されている。納骨室は骨を納める部屋である。墓石は、納骨室の上部に位置する芝台、中台や上台等の台座、台座上に積まれる墓石の本体である石塔(竿石、墓標)、更には、花立や水鉢、香炉、拝石等で構成されている。
【0003】
しかしながら従来の墓石は、大量の石材を使用しなければならないことから、石材費が高価であり、運搬や設置等における取扱等が面倒であった。そこで、組立式で計量化、低価格化等を図るようにした墓石が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-270258号公報
【特許文献2】登録特許第3060645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように組立式で軽量化された墓石構造は種々提案されている。一方、宅配便等の重量制限は概ね30kg以下とされている。宅配便等で全国的に簡単に流通させるためには、各構成部品が30kg以下に設定する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するため、少なくとも、石塔及び台座を構成部材とする組立式墓石において、該石塔を複数の構成部材に分割するとともに、前記各構成部材の重量を10kg以上でかつ30kg以下とすることを発明した。
また、前記石塔を構成する複数の構成部材の接合面において、少なくとも片方の構成部材に凹部を設けることを発明した。
【発明の効果】
【0007】
石塔、芝台・上台・中台等の台座、花立や水鉢等を構成部材とする組立式墓石において、該石塔を石塔前面部と石塔後背部との2つの構成部材、あるいは3つ以上の構成部材に分割するとともに、前記各構成部材の重量を10kg以上でかつ30kg以下とする本発明により、宅配便等で輸送可能となり、低価格で組立式墓石セットを全国的に供給することができるようになるものである。
また、石塔を構成する2つの構成部材の接合面、あるいは石塔を構成する複数の構成部材の接合面の一方において、少なくとも一方の構成部材に凹部を設けることにより、故人の遺品等を墓石内に秘密裏にかつ安全に保管することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る墓石の外観図であり、
図2は組立図である。本発明の墓石構造は、
図1及び
図2に示すように、石塔前面部1と石塔後背部2が接合面を介して組み合わされて石塔を形成し、その下に台座として芝台5が設置される。芝台5は2つに分割されている。芝台5の上面で石塔の前面部には花立3と水鉢香炉4が設置される。また芝台5の正面側には拝石6が設置される。また図示しないものの、芝台5の下部には納骨室(カロート)が設けられている。
【0010】
図3は石塔前面部1を後方から見た図である。石塔前面部接合面7の一部に石塔前面部凹部9が形成されている。また
図4は石塔後背部2を前方から見た図である。石塔後背部接合8の一部に石塔後背部凹部10が形成されている。なお、石塔前面部凹部9と石塔後背部凹部10は、石塔前面部接合面7と石塔後背部接合面8とが接合された際には同位置となるように形成されており、両凹部が組み合わされて一つの小室が作られる。この石塔前面部凹部9と石塔後背部凹部10から形成される小室が故人の遺品等を秘密裏に保管することを可能とする。なおこの小室は一旦組立てると、墓石外部からはわからなくなり、安全に故人の遺物を保存することができるものである。またこの小室はタイムカプセルとしても利用できるものである。また、前記石塔前面部凹部9と石塔後背部凹部10は、石塔前面部1と石塔後背部2の軽量化にも寄与するものである。
【0011】
本発明の施工手順は、先ず納骨室(カロート)を地下に設営し、その上に芝台5、その上に石塔前面部1と石塔後背部2、また花立3と水鉢香炉4、更には芝台5の隣に拝石6を設置して、各構成部材間をセメントや接着剤で相互に固定することで容易に施工することができる。その際に、故人の遺品等をカプセル等に収納して、石塔前面部1と石塔後背部2との間に形成される小室に納めておくことができる。
【0012】
また、石塔を石塔前面部1と石塔後背部2との分割し、かつ芝台5も2つに分割するなどして、墓石を構成する各構成部材を極力軽量化することで、各構成部材重量を30kg以下に抑えてある。よって、主要な宅配業者において、通常の宅配荷物として取扱い可能となることから、全国的に安価に流通させることができる。また軽量・安価であることから、専門業者でなくても簡単に設置施工を行うことができる。
【0013】
図5は本発明に係る第2の実施例に係る墓石の外観図であり、
図6は組立図である。
石塔を3分割して頭部に石塔頭部12を設けるものであり、上記と同様に石塔前面部1には石塔前面部凹部9を設けている。
【0014】
図7は本発明に係る第3の実施例に係る墓石の外観図であり、
図8は組立図である。
本実施例は和式の組み立て式墓石であり、石塔を2分割しており、その下には上台及び中台もそれぞれ分割して設けてある。
【0015】
また近年、墓所の管理の問題からお墓を解体・撤去(墓じまい)することが増えているが、本発明に係る組立式墓石であれば、墓石設置施工時と同様に墓石の解体・撤去作業も専門業者を煩わせることなく容易に行うことができるものである。
【符号の説明】
【0016】
1 石塔前面部
2 石塔後背部
3 花立
4 水鉢香炉
5 芝台
6 拝石
7 石塔前面部接合面
8 石塔後背部接合面
9 石塔前面部凹部
10 石塔後背部凹部
11 石塔中間部
12 石塔頭部
13 和形石塔前面部
14 和形石塔後背部
15 上台
16 水鉢香炉
17 中台(左右)
18 中台(後部)