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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094558
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】ショベル
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
E02F9/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211184
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】502246528
【氏名又は名称】住友建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 大史
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015HA03
2D015HB05
2D015HB06
2D015HB07
(57)【要約】
【課題】設定項目の内容を操作者がより容易に理解できるようにすること。
【解決手段】ショベル100は、下部走行体1と、下部走行体1に旋回可能に搭載される上部旋回体3と、上部旋回体3に搭載されるキャビン10と、キャビン10に配置される表示装置40と、を有する。表示装置40には、高さ又は深さを設定するための画面(設定表示画像41q)が表示され、その画面には、設定内容を表す図形41q5が同時に表示される。表示装置40には、高さを設定するための第1画面(高さ警報機能用サブ画面)と深さを設定するための第2画面(深さ警報機能用サブ画面)とが別々に表示されてもよい。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体に旋回可能に搭載される上部旋回体と、
前記上部旋回体に搭載される運転室と、
前記運転室に配置される表示装置と、を有するショベルであって、
前記表示装置には、高さ又は深さを設定するための画面が表示され、
前記画面には、設定内容を表す図形が同時に表示される、
ショベル。
【請求項2】
前記表示装置には、前記高さを設定するための第1画面と前記深さを設定するための第2画面とが別々に表示される、
請求項1に記載のショベル。
【請求項3】
前記設定内容を表す図形は、所定の高さ又は所定の深さを表す線分、ショベル図形、及び、地面図形を含む、
請求項1に記載のショベル。
【請求項4】
前記ショベル図形は、アーム図形及びバケット図形を含み、
前記アーム図形及び前記バケット図形のそれぞれは、前記線分に接している状態と前記線分に接していない状態とが区別できるように表示される、
請求項3に記載のショベル。
【請求項5】
前記高さは、前記上部旋回体に取り付けられるアタッチメントが到達可能な最大高さであり、
前記深さは、前記アタッチメントが到達可能な最大深さであり、
前記アタッチメントが前記最大高さ又は前記最大深さに達すると警報を出力する、
請求項1に記載のショベル。
【請求項6】
前記高さは、前記上部旋回体に取り付けられるアタッチメントの現在の最高到達点に基づいて設定され、
前記深さは、前記上部旋回体に取り付けられるアタッチメントの現在の最深到達点に基づいて設定される、
請求項1に記載のショベル。
【請求項7】
前記高さは、基準面に対する高さであり、
前記深さは、前記基準面に対する深さであり、
前記基準面は、予め固定的に設定され、又は、動的に変更される、
請求項1に記載のショベル。
【請求項8】
前記高さは、正値で表され、
前記深さは、負値で表される、
請求項7に記載のショベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ショベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ショベルの操作の支援に利用される各種設定値を設定するための画面を表示させるショベルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/035427号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のショベルでは、複数の設定項目が一画面に表示される。しかしながら、この画面には複数の設定項目と各設定項目に対応する設定値が表示されるのみであるため、ショベルの操作者は、各設定項目の内容が分かりにくいと感じてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、設定項目の内容を操作者がより容易に理解できるようにすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るショベルは、下部走行体と、前記下部走行体に旋回可能に搭載される上部旋回体と、前記上部旋回体に搭載される運転室と、前記運転室に配置される表示装置と、を有するショベルであって、前記表示装置には、高さ又は深さを設定するための画面が表示され、前記画面には、設定内容を表す図形が同時に表示される。
【発明の効果】
【0007】
上述のショベルによれば、操作者は、画面に表示された設定項目の内容をより容易に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るショベルの構成例を示す図である。
図2図1のショベルの上面図である。
図3図1のショベルに搭載される基本システムの構成例を示す図である。
図4】ショベルの詳細構成の一例を示す図である。
図5】表示装置の画像表示部及び操作部の構成例を示す図である。
図6】画像表示部に表示されるメニュー画像の構成例を示す図である。
図7】画像表示部に表示されるメニュー画像の構成例を示す図である。
図8】画像表示部に表示されるメニュー画像の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同じ構成要素には同じ符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
最初に、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る掘削機としてのショベル100について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るショベル100の構成例を示す側面図である。図2は、図1のショベル100の上面図である。
【0011】
図1に示されるように、ショベル100は、クローラ式の下部走行体1の上に、旋回機構2を介して、上部旋回体3を旋回可能に搭載している。上部旋回体3には、作業要素としてのブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端には作業要素としてのアーム5が取り付けられ、アーム5の先端には作業要素及びエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。エンドアタッチメントは、グラップル、ブレーカ、又はリフティングマグネット等であってもよい。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例である掘削アタッチメントを構成している。ブーム4はブームシリンダ7により駆動され、アーム5はアームシリンダ8により駆動され、バケット6はバケットシリンダ9により駆動される。また、掘削アタッチメントには、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及び、バケット角度センサS3が取り付けられている。
【0012】
ブーム角度センサS1は、ブーム4に取り付けられ、ブーム4の上部旋回体3に対する回動角度(ブーム角度)を検出する。ブーム角度は、例えば、側面視において、上部旋回体3の旋回平面(旋回軸に垂直な平面)に対してブーム4の両端の点(連結ピンの中心点)を結ぶ直線が成す角度である。ブーム角度センサS1は、例えば、ロータリエンコーダ、加速度センサ、6軸センサ、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)、又は、それらの組み合わせ等である。また、ブーム角度センサS1は、可変抵抗器を利用したポテンショメータ、ブーム角度に対応する油圧シリンダ(ブームシリンダ7)のストローク量を検出するシリンダセンサ等で構成されていてもよい。アーム角度センサS2及びバケット角度センサS3についても同様である。ブーム角度センサS1によるブーム角度に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0013】
アーム角度センサS2は、アーム5に取り付けられ、アーム5のブーム4に対する回動角度(アーム角度)を検出する。アーム角度は、例えば、側面視において、ブーム4の両端の点(連結ピンの中心点)を結ぶ直線に対してアーム5の両端の点(連結ピンの中心点)を結ぶ直線が成す角度である。アーム角度センサS2によるアーム角度に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0014】
バケット角度センサS3は、バケット6に取り付けられ、バケット6のアーム5に対する回動角度(バケット角度)を検出する。バケット角度は、例えば、側面視において、アーム5の両端の点(連結ピンの中心点)を結ぶ直線に対してバケット6の支点(連結ピンの中心点)と先端(刃先)とを結ぶ直線が成す角度である。バケット角度センサS3によるバケット角度に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。なお、バケット角度センサS3は省略されてもよい。この場合、コントローラ30は、操作センサ29の出力に基づいてバケット角度を推定してもよい。
【0015】
上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10が設けられ、且つ、エンジン11等の動力源が搭載されている。また、上部旋回体3には、旋回油圧モータ、コントローラ30、通信装置44、撮像装置80、及び測位装置D1等が取り付けられている。旋回油圧モータは旋回用電動発電機であってもよい。
【0016】
測位装置D1は、上部旋回体3の位置を測定するように構成されている。図示例では、測位装置D1は、GNSS(Global Navigation Satellite System)コンパスであり、上部旋回体3の位置及び向きを検出し、上部旋回体3の位置及び向きに対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。なお、上部旋回体3の向きは、上部旋回体3に取り付けられた方位センサ等の別の装置により検出されてもよい。
【0017】
キャビン10の内部には、操作装置26、表示装置40、及び警報装置49等が設けられている。なお、本開示では、便宜上、上部旋回体3における、ブーム4等の作業要素が取り付けられている側を前側とし、カウンタウェイトが取り付けられている側を後側とする。
【0018】
コントローラ30は、ショベル100を制御できるように構成されている。図1に示す例では、コントローラ30は、CPU、RAM、NVRAM、ROM、及び入出力インターフェース等を備えたコンピュータで構成されている。この場合、コントローラ30は、各機能要素に対応するソフトウェア(プログラム)をROMから読み出してRAMに読み込み、対応する処理をCPUに実行させる。但し、各機能要素は、ハードウェアで構成されていてもよく、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせで構成されていてもよい。
【0019】
通信装置44は、例えば、基地局を末端とする移動体通信網、上空の通信衛星を利用する衛星通信網、又は、インターネット網等を含む、ショベル100の外部の通信ネットワークに接続し、外部装置との間で通信を行う。
【0020】
撮像装置80は、ショベル100の周囲を撮像するように構成されている。撮像装置80は、例えば、単眼カメラ、ステレオカメラ、距離画像カメラ、赤外線カメラ、又は、LIDAR等である。図1に示す例では、撮像装置80は、上部旋回体3の上面の後端に取り付けられた後カメラ80B、上部旋回体3の上面の左端に取り付けられた左カメラ80L、及び上部旋回体3の上面の右端に取り付けられた右カメラ80Rを含む。
【0021】
後カメラ80B、左カメラ80L、及び右カメラ80Rは何れも、光軸が斜め下方を向くように、且つ、上部旋回体3の一部が撮像範囲に含まれるように上部旋回体3に取り付けられている。そのため、後カメラ80B、左カメラ80L、及び右カメラ80Rのそれぞれの撮像範囲は、例えば、上面視で約180度の視野角を有する。図2に示す例では、撮像範囲ABは後カメラ80Bの撮像範囲の一例を表し、撮像範囲ALは左カメラ80Lの撮像範囲の一例を表し、撮像範囲ARは右カメラ80Rの撮像範囲の一例を表す。
【0022】
撮像装置80は、ショベル100の周囲における所定領域内の所定物体を検出する物体検出装置として機能してもよい。この場合、撮像装置80は、画像処理装置を含んでいてもよい。画像処理装置は、撮像装置80が撮像した画像(入力画像)に既知の画像処理を施して入力画像に含まれる所定物体の画像を検出する。所定物体の画像を検出した場合、撮像装置80は、物体検出信号をコントローラ30に対して出力する。所定物体は、例えば、人、動物、車両、又は機械等である。画像処理装置は、動体を検出する構成であってもよい。画像処理装置は、コントローラ30に統合されていてもよい。物体検出装置は、LIDAR、超音波センサ、ミリ波センサ、レーザレーダセンサ、又は赤外線センサ等であってもよい。
【0023】
また、ショベル100は、撮像装置80(後カメラ80B、左カメラ80L、及び右カメラ80R)とは別に、物体検出手段としての物体検出装置(LIDAR、ミリ波レーダ、又はステレオカメラ等)を有するように構成されていてもよい。この場合、ショベル100は、物体検出装置によって検出された物体に関する情報を表示装置40に表示させてもよい。
【0024】
次に、図3を参照して、ショベル100に搭載される基本システムについて説明する。図3は、ショベル100に搭載される基本システムの構成例を示す概略図である。図3において、機械的動力伝達ラインは二重線、作動油ラインは太い実線、パイロットラインは破線、電力ラインは細い実線、電気制御ラインは一点鎖線でそれぞれ示されている。
【0025】
図3に示されるように、基本システムは、主に、エンジン11、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブユニット17、操作装置26、操作センサ29、コントローラ30、切換弁35、表示装置40、警報装置49、ダイヤル75、ECOボタン76、ゲートロックレバーD4、及びキースイッチD5等を含む。
【0026】
エンジン11は、負荷の増減とは無関係にエンジン回転数を一定に維持するアイソクロナス制御を採用したディーゼルエンジンである。エンジン11における燃料噴射量、燃料噴射タイミング、及びブースト圧等は、エンジンコントロールユニット74により制御される。
【0027】
エンジン11の回転軸は、油圧ポンプとしてのメインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの回転軸に接続されている。メインポンプ14は、作動油ラインを介してコントロールバルブユニット17に接続されている。
【0028】
コントロールバルブユニット17は、ショベル100の油圧系の制御を行う油圧制御装置である。コントロールバルブユニット17は、左走行油圧モータ、右走行油圧モータ、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、及び旋回油圧モータ等の油圧アクチュエータに接続されている。
【0029】
具体的には、コントロールバルブユニット17は、各油圧アクチュエータに対応する複数のスプール弁を含む。各スプール弁は、PCポートの開口面積及びCTポートの開口面積を増減できるように、パイロットポートに作用する制御圧であるパイロット圧に応じて変位可能に構成されている。PCポートは、メインポンプ14と油圧アクチュエータとを連通させるポートである。CTポートは、油圧アクチュエータと作動油タンクTとを連通させるポートである。
【0030】
パイロットポンプ15は、パイロットラインを介して操作装置26に接続されている。操作装置26は、例えば、左操作レバー、右操作レバー、及び走行操作装置を含む。走行操作装置は、例えば、走行レバー及び走行ペダルを含む。本実施形態では、操作装置26のそれぞれは、油圧式操作装置であり、パイロットラインを介してコントロールバルブユニット17内にある対応するスプール弁のパイロットポートに接続されている。但し、操作装置26は、電気式操作装置であってもよい。
【0031】
また、パイロットポンプ15は、省略されてもよい。この場合、パイロットポンプ15が担っていた機能は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、コントロールバルブユニット17に作動油を供給する機能とは別に、絞り等により作動油の圧力を低下させた後で操作装置26等に作動油を供給する機能を備えていてもよい。
【0032】
操作センサ29は、操作装置26の操作内容を検出するように構成されている。また、操作センサ29は、検出値をコントローラ30に対して出力するように構成されている。図示例では、操作センサ29は、操作装置26によって生成されるパイロット圧を検出する圧力センサである。但し、操作装置26の操作内容は、電気的に検出されてもよい。
【0033】
切換弁35は、操作装置26の有効状態と無効状態とを切り換えできるように構成されている。操作装置26の有効状態は、操作者が操作装置26を用いて油圧アクチュエータを操作できる状態である。操作装置26の無効状態は、操作者が操作装置26を用いて油圧アクチュエータを操作できない状態である。本実施形態では、切換弁35は、ゲートロック弁とも称され、コントローラ30からの指令に応じて動作するように構成された電磁弁である。具体的には、切換弁35は、パイロットポンプ15と操作装置26とを繋ぐパイロットラインに配置され、コントローラ30からの指令に応じてパイロットラインの遮断と連通とを切り換えできるように構成されている。操作装置26は、例えば、ゲートロックレバーD4が引き上げられて切換弁35(ゲートロック弁)が開かれたときに有効状態となり、ゲートロックレバーD4が押し下げられて切換弁35(ゲートロック弁)が閉じられたときに無効状態となる。なお、切換弁35は、複数の油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置の有効状態と無効状態とを個別に切り換えることができるように構成されていてもよい。
【0034】
表示装置40は、各種の情報を表示するように構成されている。本実施形態では、表示装置40は、撮像装置80が撮像した一つ又は二つ以上の撮像画像を表示できるように構成されている。表示装置40は、蓄電池70から電力の供給を受けて動作する。表示装置40は、制御部40a、画像表示部41、及び操作部42を有する。
【0035】
制御部40aは、画像表示部41に表示される画像を制御する。本実施形態では、制御部40aは、CPU、RAM、NVRAM、ROM、及び入出力インターフェース等を備えたコンピュータで構成されている。この場合、制御部40aは、各機能要素に対応するソフトウェア(プログラム)をROMから読み出してRAMに読み込み、対応する処理をCPUに実行させる。但し、各機能要素は、ハードウェアで構成されていてもよく、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせで構成されていてもよい。また、画像表示部41に表示される画像は、コントローラ30又は撮像装置80によって制御されてもよい。
【0036】
画像表示部41は、撮像装置80の少なくとも一つが撮像した撮像画像を含むホーム画面を表示する。撮像画像は、例えば、後カメラ80Bが撮像した後方画像、左カメラ80Lが撮像した左方画像、及び、右カメラ80Rが撮像した右方画像のうちの何れかであってもよい。また、撮像画像は、例えば、後カメラ80B、左カメラ80L、及び右カメラ80Rによってそれぞれ撮像された撮像画像が合成された俯瞰画像であってもよい。また、撮像画像は、後方画像、左方画像、右方画像、及び俯瞰画像から選択される二つ以上の画像であってもよい。ホーム画面は、ショベル100の状態を示す状態情報、又は、ショベル100の各種設定の内容を示す設定情報等を含む。
【0037】
操作部42は、ハードウェアスイッチを含むスイッチパネルである。操作部42は、タッチパネルであってもよい。図示例では、操作部42は、画像表示部41の下側に配置されており、画像表示部41が表示する画面又は画像を変更する(切り換える)ためのプッシュスイッチ42aを含む。但し、操作部42の配置は、上記した例に限定されるものではなく、例えば、操作レバーに配置されていてもよいし、運転席の左右両側の左側コンソール又は右側コンソールに配置されてもよい。表示装置40に設けられる操作部42に加えて、操作部42と同じ機能を有する運転席側操作部50が、操作レバー、左側コンソール、及び右側コンソールのうちの少なくとも一つに配置されてもよい。
【0038】
本実施形態では、画像表示部41は、図5に示すように、撮像装置80が撮像した右方画像RG、後方画像BG、及び俯瞰画像TGを含むホーム画面を表示している状態で操作部42における所定のプッシュスイッチ42aが操作されると別の画面を表示する。例えば、画像表示部41は、操作部42のプッシュスイッチ42aが操作される前後で右方画像RG及び後方画像BGの大きさを変更することなく、俯瞰画像TGを表示していた部分に別の情報を表示する。具体的には、画像表示部41は、現在表示されている俯瞰画像TGを、所定のプッシュスイッチ42aに対応する画像である、ショベル100の状態を示す状態表示画像(状態表示用サブ画面)、又は、ショベル100の各種設定を示す設定表示画像(設定表示用サブ画面)等のメニュー画像(メニュー表示用サブ画面)に切り換える。
【0039】
画像表示部41は、ショベル100の操作が可能な状態及びショベル100の操作が不能な状態の何れであっても、操作部42のプッシュスイッチ42aが操作されるとメニュー画像を表示するように構成されていてよい。或いは、画像表示部41は、ショベル100の操作が不能な状態であるときに限り、操作部42のプッシュスイッチ42aが操作されたときにメニュー画像を表示するように構成されていてもよい。また、画像表示部41は、例えば切換スイッチ等の切換手段によって、ショベル100の操作が可能な状態でメニュー画像を表示可能とするか否かを切換できるように構成されていてもよい。ショベル100の操作が可能な状態とは、例えば、ゲートロックレバーD4が引き上げられて切換弁35が開かれることで操作装置26が有効になっている状態(操作装置26を操作すると対応する油圧アクチュエータが動作する状態)である。このときのゲートロックレバーD4の状態は、ロック解除状態と称される。一方、ショベル100の操作が不能な状態とは、例えば、ゲートロックレバーD4が押し下げられて切換弁35が閉じられることで操作装置26が無効になっている状態(操作装置26を操作しても対応する油圧アクチュエータが動作しない状態)である。このときのゲートロックレバーD4の状態は、ロック状態と称される。
【0040】
蓄電池70は、例えば、オルタネータ11aで発電した電気で充電される。蓄電池70の電力は、コントローラ30等にも供給される。例えば、エンジン11のスタータ11bは、蓄電池70からの電力で駆動されてエンジン11を始動する。
【0041】
エンジンコントロールユニット74は、冷却水温等、エンジン11の状態に関するデータをコントローラ30に送信する。メインポンプ14のレギュレータ13は、斜板傾転角に関するデータをコントローラ30に送信する。吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧に関するデータをコントローラ30に送信する。作動油タンクTとメインポンプ14との間の管路に設けられた油温センサ14cは、その管路を流れる作動油の温度に関するデータをコントローラ30に送信する。操作センサ29は、操作装置26が操作されたときに生成される制御圧としてのパイロット圧に関するデータをコントローラ30に送信する。コントローラ30は一時記憶部(メモリ)にこれらのデータを蓄積しておき、必要なときに表示装置40に送信できる。
【0042】
ダイヤル75は、エンジン11の目標回転数を調整できるように構成されている。具体的には、ダイヤル75は、エンジン11の目標回転数の設定状態を示す情報をコントローラ30に送信できるように構成されている。図示例では、ダイヤル75は、第1レベル(最も低い目標回転数に対応するレベル)から第10レベル(最も高い目標回転数に対応するレベル)の10段階で目標回転数を切り換えできるように構成されている。エンジン11の実際の回転数は、ダイヤル75で選択された目標回転数となるように制御される。
【0043】
ECOボタン76は、ECOモードのON・OFFを切り換えるための操作具の一例である。ECOモードは、ショベル100の作業モードの一つであり、燃料の消費を抑制するための機能が実行される作業モードである。本実施形態では、ショベル100の作業モードは、ECOボタン76が押される度に、ECOモードと通常モードとの間で切り換わるように構成されている。通常モードは、ショベル100の作業モードの一つであり、燃料の消費を抑制するための機能が実行されない作業モードである。ECOモードで実行される機能は、例えば、アタッチメントの動きを遅くする機能を含む。アタッチメントの動きを遅くする機能が実行されると、操作レバーを中立位置から遠ざけるときのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9のそれぞれの伸縮加速度が所定値以下に制限される。本実施形態では、最大伸縮速度は制限されないが、最大伸縮速度も制限されるように構成されてもよい。また、本実施形態では、操作レバーを中立位置に戻すときの伸縮加速度は制限されないが、操作レバーを中立位置に戻すときの伸縮加速度も制限されるように構成されてもよい。この機能は、例えば、制御弁174、175L、175R、176L、176Rのストローク加速度(パイロット圧の増加率)を制限することによって実現される。このECOボタン76を使用することにより、ショベル100の操作者は、必要に応じて、燃料の消費を抑制することができる。そのため、ショベル100は、例えば、操作者がショベル100の作業性を制限してでも燃料の消費を抑制したいと考える場合に対応できる。
【0044】
警報装置49は、ショベル100の作業に携わる人の注意を喚起するための装置である。警報装置49は、例えば、室内警報装置及び室外警報装置の組み合わせで構成される。室内警報装置は、キャビン10内にいるショベル100の操作者の注意を喚起するための装置であり、例えば、キャビン10内に設けられた音出力装置、振動発生装置、及び発光装置の少なくとも一つを含む。室内警報装置は、表示装置40であってもよい。室外警報装置は、ショベル100の周囲で作業する作業者の注意を喚起するための装置であり、例えば、キャビン10の外に設けられた音出力装置及び発光装置の少なくとも一つを含む。室外警報装置としての音出力装置は、例えば、上部旋回体3の底面に取り付けられている走行アラーム装置であってもよい。また、室外警報装置は、上部旋回体3上に設けられる発光装置であってもよい。但し、室外警報装置は省略されてもよい。警報装置49は、例えば、物体検出装置として機能する撮像装置80が所定物体を検出した場合に、ショベル100の作業に携わる人にその旨を報知してもよい。
【0045】
キースイッチD5は、ショベル100を始動させるための装置である。図3に示す例では、キースイッチD5は、メカニカルキーが差し込まれるキーシリンダで構成されている。但し、キースイッチD5は、スマートエントリーシステム等で用いられるボタン式の装置であってもよい。具体的には、キースイッチD5は、キーシリンダに差し込まれたメカニカルキーを回動させることによって四つの回動位置のうちの一つが選択されるように構成されている。四つの回動位置は、OFF位置、ACC位置、ON位置、及びSTART位置である。メカニカルキーの回動位置がOFF位置のときには、コントローラ30への電源供給が遮断される。メカニカルキーの回動位置がACC位置又はON位置のときには、コントローラ30への電源供給が行われる。メカニカルキーの回動位置がSTART位置のときには、エンジン11のスタータ11bへの電源供給が行われる。
【0046】
次に、図4を参照し、ショベル100の詳細構成の一例について説明する。図4は、ショベル100の詳細構成の一例を示す図である。なお、図中、機械的動力ラインは二重線、作動油ラインは実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御ラインは点線でそれぞれ示される。
【0047】
本実施形態に係るショベル100の油圧アクチュエータを油圧駆動する油圧駆動系は、エンジン11と、メインポンプ14L、14Rと、コントロールバルブユニット17を含む。また、本実施形態に係るショベル100の油圧駆動系は、上述の如く、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6のそれぞれを油圧駆動する左走行油圧モータ1L、右走行油圧モータ1R、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9等の油圧アクチュエータを含む。
【0048】
エンジン11は、油圧駆動系における動力源であり、例えば、上部旋回体3の後部に搭載される。具体的には、エンジン11は、コントローラ30による制御の下、予め設定される目標回転数で一定回転し、メインポンプ14L、14R及びパイロットポンプ15を駆動する。エンジン11は、例えば、軽油を燃料とするディーゼルエンジンである。
【0049】
メインポンプ14L、14Rは、それぞれ、例えば、エンジン11と同様、上部旋回体3の後部に搭載され、作動油ラインを通じてコントロールバルブユニット17に作動油を供給する。メインポンプ14L、14Rのそれぞれは、上述の如く、エンジン11により駆動される。メインポンプ14L、14Rは、例えば、可変容量式油圧ポンプであり、後述するコントローラ30による制御の下、レギュレータ13L、13Rにより斜板の角度(傾転角)が調整されることでピストンのストローク長が調整され、吐出流量(吐出圧)が制御される。
【0050】
コントロールバルブユニット17は、例えば、上部旋回体3の中央部に搭載され、操作者等による操作装置26に対する操作に応じて、油圧駆動系の制御を行う油圧制御装置である。コントロールバルブユニット17は、上述の如く、作動油ラインを介してメインポンプ14L、14Rと接続され、メインポンプ14L、14Rから供給される作動油を、操作装置26の操作内容に応じて、油圧アクチュエータである左走行油圧モータ1L(左側のクローラ用)、右走行油圧モータ1R(右側のクローラ用)、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9に選択的に供給する。具体的には、コントロールバルブユニット17は、メインポンプ14L、14Rから油圧アクチュエータのそれぞれに供給される作動油の流量と流れる方向を制御する制御弁171、172、173、174、175L、175R、176L、176Rを含む。
【0051】
当該油圧駆動系は、エンジン11により駆動されるメインポンプ14L、14Rのそれぞれから、センタバイパス油路C1L、C1R、パラレル油路C2L、C2Rを経て作動油タンクまで作動油を循環させる。
【0052】
センタバイパス油路C1Lは、メインポンプ14Lを起点として、コントロールバルブユニット17内に配置される制御弁171、173、175L、176Lを順に通過し、作動油タンクに至る。
【0053】
センタバイパス油路C1Rは、メインポンプ14Rを起点として、コントロールバルブユニット17内に配置される制御弁172、174、175R、176Rを順に通過し、作動油タンクに至る。
【0054】
制御弁171は、メインポンプ14Lが吐出する作動油を左走行油圧モータ1Lへ供給し、且つ、左走行油圧モータ1Lが吐出する作動油を作動油タンクに排出させるスプール弁である。
【0055】
制御弁172は、メインポンプ14Rが吐出する作動油を右走行油圧モータ1Rへ供給し、且つ、右走行油圧モータ1Rが吐出する作動油を作動油タンクへ排出させるスプール弁である。
【0056】
制御弁173は、メインポンプ14Lが吐出する作動油を旋回油圧モータ2Aへ供給し、且つ、旋回油圧モータ2Aが吐出する作動油を作動油タンクへ排出させるスプール弁である。
【0057】
制御弁174は、メインポンプ14Rが吐出する作動油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出させるスプール弁である。
【0058】
制御弁175L、175Rは、それぞれ、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出させるスプール弁である。
【0059】
制御弁176L、176Rは、それぞれ、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出させる。
【0060】
制御弁171、172、173、174、175L、175R、176L、176Rは、それぞれ、パイロットポートに作用するパイロット圧に応じて、油圧アクチュエータに給排される作動油の流量を調整したり、流れる方向を切り換えたりする。
【0061】
パラレル油路C2Lは、センタバイパス油路C1Lとは別に、制御弁171、173、175L、176Lにメインポンプ14Lの作動油を供給できるように構成されている。具体的には、パラレル油路C2Lは、制御弁171の上流側でセンタバイパス油路C1Lから分岐し、制御弁171、173、175L、176Lのそれぞれにメインポンプ14Lの作動油を供給できるように構成されている。これにより、パラレル油路C2Lは、制御弁171、173、175Lの何れかによってセンタバイパス油路C1Lを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
【0062】
パラレル油路C2Rは、センタバイパス油路C1Rとは別に、制御弁172、174、175R、176Rにメインポンプ14Rの作動油を供給できるように構成されている。具体的には、パラレル油路C2Rは、制御弁172の上流側でセンタバイパス油路C1Rから分岐し、制御弁172、174、175R、176Rのそれぞれにメインポンプ14Rの作動油を供給できるように構成されている。これにより、パラレル油路C2Rは、制御弁172、174、175Rの何れかによってセンタバイパス油路C1Rを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
【0063】
本実施形態に係るショベル100の操作系は、パイロットポンプ15と、操作装置26を含む。
【0064】
パイロットポンプ15は、例えば、エンジン11と同様、上部旋回体3の後部に搭載され、パイロットラインを介して操作装置26に作動油を供給する。パイロットポンプ15は、例えば、固定容量式油圧ポンプであり、上述の如く、エンジン11により駆動される。
【0065】
操作装置26は、キャビン10の操縦席付近に設けられ、操作者等が各種作業要素(下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等)の操作を行うための操作入力手段である。換言すれば、操作装置26は、それぞれの作業要素を駆動する油圧アクチュエータ(即ち、左走行油圧モータ1L、右走行油圧モータ1R、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9等)の操作を行うための操作入力手段である。操作装置26は、例えば、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6のそれぞれを操作する四つのレバー装置を含む。また、操作装置26は、例えば、下部走行体1の左側のクローラ及び右側のクローラ(つまり、左走行油圧モータ1L、右走行油圧モータ1R)のそれぞれを操作する二つの走行操作装置を含む。操作装置26は、パイロットラインを介して、コントロールバルブユニット17に接続される。すなわち、コントロールバルブユニット17には、操作装置26における下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の操作内容に応じたパイロット信号(パイロット圧)が入力される。具体的には、左側クローラ(左走行油圧モータ1L)及び右側クローラ(右走行油圧モータ1R)を操作する二つの走行操作装置の二次側のパイロット圧は、それぞれ、制御弁171、172のパイロットポートに作用する。また、上部旋回体3(旋回油圧モータ2A)を操作するレバー装置の二次側のパイロット圧は、制御弁173のパイロットポートに作用する。また、ブーム4(ブームシリンダ7)を操作するレバー装置の二次側のパイロット圧は、制御弁175L、175Rのパイロットポートに作用する。また、アーム5(アームシリンダ8)を操作するレバー装置の二次側のパイロット圧は、制御弁176L、176Rのパイロットポートに作用する。また、バケット6(バケットシリンダ9)を操作するレバー装置の二次側のパイロット圧は、制御弁174のパイロットポートに作用する。そのため、コントロールバルブユニット17は、操作装置26の操作内容に応じて、それぞれの油圧アクチュエータを駆動することができる。
【0066】
本実施形態に係るショベル100の制御系は、コントローラ30と、レギュレータ13L、13Rと、ネガティブコントロール用の絞り18L、18Rと、制御圧センサ19L、19Rと、吐出圧センサ28L、28Rと、操作センサ29と、表示装置40と、操作部42としての操作入力装置と、通信装置44とを含む。
【0067】
コントローラ30は、例えば、操作者等の操作により予め設定される作業モード等に基づき、目標回転数を設定し、直接的に、或いは、エンジン11の専用の制御装置を介して、エンジン11を一定回転させる駆動制御を行う。
【0068】
また、コントローラ30は、レギュレータ13L、13Rを制御し、メインポンプ14L、14Rの斜板の傾転角を調節することにより、メインポンプ14L、14Rの吐出量を制御する。コントローラ30は、吐出圧センサ28L、28Rにより検出されるメインポンプ14L、14Rの吐出圧に応じて、レギュレータ13L、13Rを制御し、メインポンプ14L、14Rの吐出量を制御してもよい。より具体的には、コントローラ30は、メインポンプ14Lの吐出圧の増大に応じて、レギュレータ13Lを通じて、メインポンプ14Lの斜板の傾転角を調節し、メインポンプ14Lの吐出量を減少させてよい。レギュレータ13Rについても同様である。これにより、コントローラ30は、吐出圧と吐出量との積で表されるメインポンプ14L、14Rの吸収馬力がエンジン11の出力馬力を超えないように、メインポンプ14L、14Rの全馬力制御を行うことができる。
【0069】
また、コントローラ30は、制御圧センサ19L、19Rから入力される、絞り18L、18Rにより発生する制御圧に対応する検出信号に応じて、レギュレータ13L、13Rを制御し、メインポンプ14L、14Rの吐出量を制御してよい。具体的には、コントローラ30は、制御圧が大きいほどメインポンプ14L、14Rの吐出量を減少させ、制御圧が小さいほどメインポンプ14L、14Rの吐出量を増大させてもよい。
【0070】
ショベル100における油圧アクチュエータが何れも操作されていない待機状態の場合(図4の状態)、メインポンプ14L、14Rから吐出された作動油は、センタバイパス油路C1L、C1Rを通って絞り18L、18Rに至る。そして、メインポンプ14L、14Rから吐出される作動油の流れは、絞り18L、18Rの上流で発生する制御圧を増大させる。制御圧が所定圧を上回ると、コントローラ30は、メインポンプ14L、14Rの吐出量を許容最小吐出量まで減少させ、吐出される作動油がセンタバイパス油路C1L、C1Rを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制させる。
【0071】
一方、操作装置26により何れかの油圧アクチュエータが操作された場合、メインポンプ14L、14Rから吐出される作動油は、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁を介して、操作対象の油圧アクチュエータに流れ込む。そして、メインポンプ14L、14Rから吐出される作動油の流れは、絞り18L、18Rに至る量を減少或いは消失させ、絞り18L、18Rの上流で発生する制御圧を低下させる。制御圧が低下すると、コントローラ30は、メインポンプ14L、14Rの吐出量を増大させ、操作対象の油圧アクチュエータに十分な作動油を循環させ、操作対象の油圧アクチュエータを確実に駆動させることができる。
【0072】
このように、コントローラ30は、油圧駆動系の待機状態において、メインポンプ14L、14Rから吐出される作動油がセンタバイパス油路C1L、C1Rで発生させるポンピングロスを含む、メインポンプ14L、14Rによる無駄なエネルギ消費を抑制することができる。また、コントローラ30は、油圧アクチュエータが作動する場合、メインポンプ14L、14Rから必要十分な作動油を作動対象の油圧アクチュエータに供給できる。
【0073】
なお、コントローラ30の機能の一部は、他のコントローラにより実現されてもよい。即ち、コントローラ30の機能要素は、複数のコントローラに分散して配置されていてもよい。
【0074】
レギュレータ13L、13Rは、それぞれ、コントローラ30による制御の下、メインポンプ14L、14Rの斜板の傾転角を調節することによって、メインポンプ14L、14Rの吐出量を調節する。
【0075】
絞り18L、18Rは、センタバイパス油路C1L、C1Rにおけるそれぞれの最も下流にある制御弁176L、176Rのそれぞれと作動油タンクとの間に設けられる。これにより、メインポンプ14L、14Rにより吐出された作動油の流れは、絞り18L、18Rで制限され、絞り18L、18Rは、上述の制御圧を発生させる。
【0076】
制御圧センサ19L、19Rは、制御圧を検出し、検出された制御圧に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0077】
吐出圧センサ28L、28Rは、それぞれ、メインポンプ14L、14Rの吐出圧を検出し、検出された吐出圧に対応する検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0078】
操作センサ29は、操作装置26の二次側のパイロット圧、即ち、操作装置26におけるそれぞれの動作要素(油圧アクチュエータ)の操作内容に対応するパイロット圧を検出する。操作センサ29による操作装置26における下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の操作内容に対応するパイロット圧の検出信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0079】
表示装置40は、キャビン10内の操縦席付近の操作者等が視認し易い場所(例えば、キャビン10内の右前部のピラー部分等)に設けられ、コントローラ30による制御の下、各種情報画像を表示する。表示装置40は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、操作部を兼ねるタッチパネル式であってもよい。
【0080】
操作部42は、キャビン10内に着座した操作者の手が届く範囲に設けられ、操作者による各種操作を受け付ける。操作部42は、各種情報画像を表示する表示装置40のディスプレイに実装されるタッチパネル、表示装置40のディスプレイとは別に設けられるタッチパッド、操作装置26に含まれるレバー装置のレバー部の先端に設けられるノブスイッチ、表示装置40の周囲に設置される、或いは、表示装置40から比較的離れた場所に配置されるボタンスイッチ、レバー、又はトグル等を含む。操作部42に対する操作内容に対応する信号は、コントローラ30に取り込まれる。
【0081】
コントローラ30は、高さ警報機能及び深さ警報機能の少なくとも一方を有するように構成されていてもよい。図示例では、コントローラ30は、高さ警報機能及び深さ警報機能を実行する警報部31を有する。
【0082】
高さ警報機能は、掘削アタッチメントにおける複数の所定部位のうちの何れか一つの部位が所定の高さより高い位置に達した場合に警報を出力する機能である。図示例では、警報部31は、掘削アタッチメントの所定部位の位置が所定の高さより高い位置に達した場合に、警報装置49に対して制御指令を出力して警報装置49を作動させる。この場合、警報部31は、切換弁35に対して制御指令を出力して掘削アタッチメントの動きを停止させてもよい。なお、所定の高さは、例えば、操作者によって設定された高さである。但し、所定の高さは、コントローラ30によって動的に設定される高さであってもよい。
【0083】
深さ警報機能は、掘削アタッチメントにおける複数の所定部位のうちの何れか一つの部位が所定の深さより深い位置に達した場合に警報を出力する機能である。図示例では、警報部31は、掘削アタッチメントの所定部位の位置が所定の深さより深い位置に達した場合に、警報装置49に対して制御指令を出力して警報装置49を作動させる。この場合、警報部31は、切換弁35に対して制御指令を出力して掘削アタッチメントの動きを停止させてもよい。なお、所定の深さは、例えば、操作者によって設定された深さである。但し、所定の深さは、コントローラ30によって動的に設定される深さであってもよい。
【0084】
図示例では、警報部31は、掘削アタッチメントの姿勢を検出する姿勢センサの出力に基づき、掘削アタッチメントの所定部位の位置が所定の高さより高い位置に達したか否か、及び、掘削アタッチメントの所定部位の位置が所定の深さより深い位置に達したか否かを判定する。姿勢センサは、例えば、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3を含む。
【0085】
次に、図5を参照して、表示装置40の画像表示部41及び操作部42の構成例について説明する。図5は、表示装置40の画像表示部41及び操作部42の構成例を示す図である。図5に示す例では、画像表示部41に、操作部42のプッシュスイッチ42aが操作される前に表示される画面として、右方画像RG、後方画像BG、及び俯瞰画像TGを含むホーム画面が表示されている状態を示す。ホーム画面は、ショベル100の動作中に表示される画面である。
【0086】
まず、画像表示部41について説明する。図5に示されるように、画像表示部41は、日時表示領域41a、走行モード表示領域41b、アタッチメント表示領域41c、燃費表示領域41d、エンジン制御状態表示領域41e、エンジン稼働時間表示領域41f、冷却水温表示領域41g、燃料残量表示領域41h、回転数レベル表示領域41i、尿素水残量表示領域41j、作動油温表示領域41k、エアコン運転状態表示領域41m、画像表示領域41n、及びスイッチ画像表示領域41pを含む。
【0087】
走行モード表示領域41b、アタッチメント表示領域41c、エンジン制御状態表示領域41e、回転数レベル表示領域41i、及びエアコン運転状態表示領域41mは、ショベル100の設定状態に関する情報である設定状態情報を表示する領域である。燃費表示領域41d、エンジン稼働時間表示領域41f、冷却水温表示領域41g、燃料残量表示領域41h、尿素水残量表示領域41j、及び作動油温表示領域41kは、ショベル100の稼動状態に関する情報である稼動状態情報を表示する領域である。
【0088】
具体的には、日時表示領域41aは、現在の日時を表示する領域である。走行モード表示領域41bは、現在の走行モードを表示する領域である。アタッチメント表示領域41cは、現在装着されているアタッチメントを表す画像を表示する領域である。燃費表示領域41dは、コントローラ30によって算出された燃費情報を表示する領域である。燃費表示領域41dは、生涯平均燃費又は区間平均燃費を表示する平均燃費表示領域41d1、瞬間燃費を表示する瞬間燃費表示領域41d2を含む。
【0089】
エンジン制御状態表示領域41eは、エンジン11の制御状態を表示する領域である。エンジン稼働時間表示領域41fは、エンジン11の累積稼働時間を表示する領域である。冷却水温表示領域41gは、現在のエンジン冷却水の温度状態を表示する領域である。燃料残量表示領域41hは、燃料タンクに貯蔵されている燃料の残量状態を表示する領域である。回転数レベル表示領域41iは、ダイヤル75によって設定された現在のレベルを画像で表示する領域である。図5は、第1レベルが選択された状態を示している。尿素水残量表示領域41jは、尿素水タンクに貯蔵されている尿素水の残量状態を画像で表示する領域である。作動油温表示領域41kは、作動油タンク内の作動油の温度状態を表示する領域である。
【0090】
エアコン運転状態表示領域41mは、現在の吹出口の位置を表示する吹出口表示領域41m1、現在の運転モードを表示する運転モード表示領域41m2、現在の設定温度を表示する温度表示領域41m3、及び現在の設定風量を表示する風量表示領域41m4を含む。
【0091】
画像表示領域41nは、撮像装置80が撮像した画像を表示する領域である。図5に示す例では、画像表示領域41nは、右方画像RG、後方画像BG、及び俯瞰画像TGを表示している。右方画像RGは、ショベル100の右方の空間を映し出す画像であり、上部旋回体3の上面右端の画像GC1を含む。右方画像RGは、制御部40aによって生成される実視点画像であり、右カメラ80Rが取得した画像に基づいて生成される。後方画像BGは、ショベル100の後方の空間を映し出す画像であり、カウンタウェイトの画像GC2を含む。後方画像BGは、制御部40aによって生成される実視点画像であり、後カメラ80Bが取得した画像に基づいて生成される。俯瞰画像TGは、制御部40aによって生成される仮想視点画像であり、後カメラ80B、左カメラ80L、及び右カメラ80Rのそれぞれが取得した画像に基づいて生成される。また、俯瞰画像の中央部分には、ショベル100に対応するショベル図形が配置されている。ショベル100とショベル100の周囲に存在する物体との位置関係を操作者により直感的に把握させるためである。
【0092】
また、画像表示領域41nは、上方に位置する第1画像表示領域41n1と下方に位置する第2画像表示領域41n2を有する。図5に示す例では、右方画像RG及び後方画像BGが第1画像表示領域41n1に配置され、且つ、俯瞰画像TGが第2画像表示領域41n2に配置されている。なお、画像表示領域41nは、俯瞰画像TGを第1画像表示領域41n1に配置し、且つ、後方画像BG及び右方画像RGを第2画像表示領域41n2に配置してもよい。
【0093】
また、画像表示領域41nは、左方画像を同時に表示するように構成されていてもよい。この場合、画像表示領域41nは、左方画像と右方画像RGとを第1画像表示領域41n1に配置し、且つ、後方画像BGと俯瞰画像TGとを第2画像表示領域41n2に配置してもよい。この場合、左方画像は、第1画像表示領域41n1の左側に配置され、右方画像RGは、第1画像表示領域41n1の右側に配置されてもよい。
【0094】
また、図5に示す例では、右方画像RGと後方画像BGとは左右に隣接して配置されているが、間隔を空けて配置されていてもよい。また、図5に示す例では、画像表示領域41nが縦長の領域であるが、画像表示領域41nは横長の領域であってもよい。画像表示領域41nが横長の領域である場合、画像表示領域41nは、左側に第1画像表示領域41n1として俯瞰画像TGを配置し、右側に第2画像表示領域41n2として後方画像BG及び右方画像RGを配置してもよい。この場合、左右に間隔を空けて配置してもよいし、俯瞰画像TGの位置と後方画像BG及び右方画像RGの位置とを入れ換えてもよい。
【0095】
スイッチ画像表示領域41pは、スイッチ画像41p1~41p7を有する。図5に示す例では、画像表示部41の最下部に、スイッチ画像41p1~41p7が左右に互いに間隔を空けて配置されている。スイッチ画像41p1~41p7には、対応するプッシュスイッチ42a1~42a7の機能を表すアイコンが表示される。
【0096】
スイッチ画像41p1には、メニュー詳細項目を表示するためのメニュー詳細項目アイコンが表示されている。操作者によりスイッチ画像41p1に対応するプッシュスイッチ42a1が操作されると、スイッチ画像41p2~41p7に表示されているアイコンがメニュー詳細項目に関連付けされたアイコンに切り換わる。
【0097】
図5に示す例では、スイッチ画像41p4には、デジタル水準器に関する情報を表示するためのアイコンが表示されている。操作者によりスイッチ画像41p4に対応するプッシュスイッチ42a4が操作されると、第2画像表示領域41n2に表示されていた俯瞰画像TGがデジタル水準器に関する情報を示す画像(サブ画面)に切り換わる。一方で、第1画像表示領域41n1に表示されていた後方画像BG及び右方画像RGはそのままの大きさで継続的に表示される。但し、デジタル水準器に関する情報を示す画像(サブ画面)は、第1画像表示領域41n1に表示されてもよい。この場合、第1画像表示領域41n1に表示されていた後方画像BG及び右方画像RGは、俯瞰画像TGの代わりに、第2画像表示領域41n2に表示されてもよい。
【0098】
スイッチ画像41p6には、情報化施工に関する情報を表示するためのアイコンが表示されている。操作者によりスイッチ画像41p6に対応するプッシュスイッチ42a6が操作されると、第2画像表示領域41n2に表示されていた俯瞰画像TGが情報化施工に関する情報を示す画像(サブ画面)に切り換わる。一方で、第1画像表示領域41n1に表示されていた後方画像BG及び右方画像RGはそのままの大きさで継続的に表示される。但し、情報化施工に関する情報を示す画像(サブ画面)は、第1画像表示領域41n1に表示されてもよい。この場合、第1画像表示領域41n1に表示されていた後方画像BG及び右方画像RGは、俯瞰画像TGの代わりに、第2画像表示領域41n2に表示されてもよい。
【0099】
スイッチ画像41p7には、クレーンモードに関する情報を表示するためのアイコンが表示されている。操作者によりスイッチ画像41p7に対応するプッシュスイッチ42a7が操作されると、第2画像表示領域41n2に表示されていた俯瞰画像TGがクレーンモードに関する情報を示す画像(サブ画面)に切り換わる。一方で、第1画像表示領域41n1に表示されていた後方画像BG及び右方画像RGはそのままの大きさで継続的に表示される。但し、クレーンモードに関する情報を示す画像(サブ画面)は、第1画像表示領域41n1に表示されてもよい。この場合、第1画像表示領域41n1に表示されていた後方画像BG及び右方画像RGは、俯瞰画像TGの代わりに、第2画像表示領域41n2に表示されてもよい。
【0100】
図5に示す例では、スイッチ画像41p2、41p3、41p5には、アイコンが表示されていない。このため、操作者によりスイッチ画像41p2、41p3、41p5に対応するプッシュスイッチ42a2、42a3、42a5が操作されても、画像表示部41に表示される画像に変化は生じない。
【0101】
なお、スイッチ画像41p1~41p7に表示されるアイコンは上記した例に限定されるものではなく、他の情報を表示するためのアイコンが表示されていてもよい。
【0102】
次に、操作部42について説明する。図5に示されるように、操作部42は、スイッチ画像41p1~41p7のそれぞれに対応するボタン式のスイッチであるプッシュスイッチ42aにより構成されている。図5に示す例では、操作部42は、上段に配置された7つのプッシュスイッチ42a1~42a7と、下段に配置された7つのプッシュスイッチ42a8~42a14と、を含む。プッシュスイッチ42a8~42a14は、プッシュスイッチ42a1~42a7のそれぞれの下方に配置されている。但し、操作部42のプッシュスイッチ42aは、その数、形態、及び配置が上記した例に限定されるものではなく、例えば、ジョグホイール又はジョグスイッチ等のように複数のボタン式のスイッチの機能を一つにまとめた形態であってもよい。また、操作部42は、表示装置40とは別の部材として構成されていてもよい。また、画像表示部41と操作部42とが一体となったタッチパネルでスイッチ画像41p1~41p7を直接タッチ操作する方式でもよい。
【0103】
プッシュスイッチ42a1~42a7は、スイッチ画像41p1~41p7の下方に、それぞれスイッチ画像41p1~41p7に対応して配置されており、それぞれスイッチ画像41p1~41p7を選択するプッシュスイッチとして機能する。プッシュスイッチ42a1~42a7がそれぞれスイッチ画像41p1~41p7の下方に、それぞれスイッチ画像41p1~41p7に対応して配置されているので、操作者は直感的にスイッチ画像41p1~41p7を選択できる。
【0104】
プッシュスイッチ42a8は、画像表示領域41nに表示される撮像画像を切り換えるスイッチである。プッシュスイッチ42a8が操作されるごとに画像表示領域41nの第1画像表示領域41n1に表示される撮像画像が、例えば、後方画像、左方画像、右方画像、及び俯瞰画像の間で切り換わるように構成されている。また、プッシュスイッチ42a8が操作されるごとに画像表示領域41nの第2画像表示領域41n2に表示される撮像画像が、例えば、後方画像、左方画像、右方画像、及び俯瞰画像の間で切り換わるように構成されていてもよい。また、プッシュスイッチ42a8が操作されるごとに画像表示領域41nの第1画像表示領域41n1に表示される撮像画像と第2画像表示領域41n2に表示される撮像画像とが入れ換わるように構成されていてもよい。このように、操作部42としてのプッシュスイッチ42a8は、第1画像表示領域41n1又は第2画像表示領域41n2に表示される撮像画像を切り換えるために利用されてもよいし、第1画像表示領域41n1に表示される撮像画像と第2画像表示領域41n2に表示される撮像画像とを切り換えるために利用されてもよい。また、第2画像表示領域41n2に表示される画面を切り換えるためのスイッチが別に設けられていてもよい。
【0105】
プッシュスイッチ42a9、42a10は、エアコンの風量を調節するスイッチである。図5に示す例では、プッシュスイッチ42a9が操作されるとエアコンの風量が小さくなり、プッシュスイッチ42a10が操作されるとエアコンの風量が大きくなるように構成されている。
【0106】
プッシュスイッチ42a11は、冷房・暖房機能のON・OFFを切り換えるスイッチである。図5に示す例では、プッシュスイッチ42a11が操作されるごとに冷房・暖房機能のON・OFFが切り換わるように構成されている。
【0107】
プッシュスイッチ42a12、42a13は、エアコンの設定温度を調節するスイッチである。図5に示す例では、プッシュスイッチ42a12が操作されると設定温度が低くなり、プッシュスイッチ42a13が操作されると設定温度が高くなるように構成されている。
【0108】
プッシュスイッチ42a14は、エンジン稼働時間表示領域41fの表示を切り換得るスイッチである。
【0109】
また、プッシュスイッチ42a2~42a6、42a9~42a13は、それぞれのスイッチ又はスイッチ近傍に表示された数字を入力可能に構成されている。また、プッシュスイッチ42a3、42a4、42a5、42a11は、画像表示領域41nにカーソルが表示された際、カーソルをそれぞれ左、上、右、下に移動させることができるように構成されている。
【0110】
なお、上述したプッシュスイッチ42a1~42a7、42a8~42a14に割り当てられる機能は一例であり、他の機能が割り当てられてもよい。
【0111】
以上に説明したように、画像表示領域41nに右方画像RG、後方画像BG、及び俯瞰画像TGが表示されている状態で、スイッチ画像41p1に対応するプッシュスイッチ42a1が操作されると、右方画像RG及び後方画像BGが表示された状態でスイッチ画像41p2~41p7に新たなアイコン(プッシュスイッチ42a1~42a7のそれぞれに新たに割り当てられた機能を表すアイコン)が表示される。このため、操作者は、右方画像RG及び後方画像BGを確認しながら、新たなアイコンを確認できる。
【0112】
また、上述の例では、画像表示領域41nに右方画像RG、後方画像BG、及び俯瞰画像TGが表示されている状態でスイッチ画像41p2~41p7に対応するプッシュスイッチ42a1~42a7のうちの一つが操作されると、俯瞰画像TGが、選択されたスイッチ画像に対応する情報を示すメニュー画像に切り換わる。このように、右方画像RGと後方画像BGとを表示した状態でメニュー画像が表示されるので、操作者は、メニュー画像を表示している状態においても周囲(後方及び右方の空間)の監視を継続できる。そのため、操作者は、メニュー画像を表示した状態でショベル100を操作できる。
【0113】
次に、図6を参照して、表示装置40の画像表示部41に表示されるメニュー画像の構成例について説明する。図6は、表示装置40の画像表示部41に表示されるメニュー画像の一例である設定表示画像41qを示す図である。図6の画像表示部41に表示される設定表示画像41qは、例えば、不図示の設定情報アイコンを含むスイッチ画像(図5のスイッチ画像41p1~41p7のうちの一つ)に対応するプッシュスイッチ42aが操作されたときに表示される。
【0114】
図6に示す例では、設定表示画像41qは、タイトル画像41q1、タブ画像41q2、設定項目画像41q3、及び、カーソル画像41q4を含む。
【0115】
スイッチ画像41p1には、メニュー画面が表示される前に表示されていた画面を表示することを意味するアイコン(反転矢印アイコン)が表示されている。操作者によりスイッチ画像41p1に対応するプッシュスイッチ42a1が操作されると、現在表示されているメニュー画面が前画面(メニュー画面が表示される前に表示されていた画面)に切り換えられる。
【0116】
スイッチ画像41p2には、現在のタブ画像41q2を左隣のタブ画像41q2に切り換えることを表すアイコン(丸で囲まれた左向き矢印のアイコン)が表示されている。操作者によりスイッチ画像41p2に対応するプッシュスイッチ42a2が操作されると、現在選択されているタブ画像41q2は、左隣のタブ画像41q2に切り換えられる。現在選択されているタブ画像41q2が最も左側のタブ画像41q2である場合には、現在選択されているタブ画像41q2は、最も右側のタブ画像に切り換えられてもよい。なお、タブ画像41q2の切り換えは、タブ画像41q2に対応する設定項目画像41q3の切り換えを伴う。
【0117】
スイッチ画像41p3には、選択されている設定項目の値を増加させることを表すアイコン(左向きの三角形のアイコン)が表示されている。操作者によりスイッチ画像41p3に対応するプッシュスイッチ42a3が操作されると、現在選択されている設定項目の値は増加する。
【0118】
スイッチ画像41p4には、選択されている設定項目を指し示すカーソル画像41q4を上下させることを表すアイコン(上向きの三角形のアイコンと下向きの三角形のアイコンとの組み合わせ)が表示されている。操作者によりスイッチ画像41p4に対応するプッシュスイッチ42aの一つであるプッシュスイッチ42a4が操作されると、カーソル画像41q4は上に移動する。また、操作者によりスイッチ画像41p4に対応するプッシュスイッチ42aの別の一つであるプッシュスイッチ42a11が操作されると、カーソル画像41q4は下に移動する。
【0119】
スイッチ画像41p5には、選択されている設定項目の値を減少させることを表すアイコン(右向きの三角形のアイコン)が表示されている。操作者によりスイッチ画像41p5に対応するプッシュスイッチ42a5が操作されると、現在選択されている設定項目の値は減少する。
【0120】
スイッチ画像41p6には、現在のタブ画像41q2を右隣のタブ画像41q2に切り換えることを表すアイコン(丸で囲まれた右向き矢印のアイコン)が表示されている。操作者によりスイッチ画像41p6に対応するプッシュスイッチ42a6が操作されると、現在選択されているタブ画像41q2は、右隣のタブ画像41q2に切り換えられる。現在選択されているタブ画像41q2が最も右側のタブ画像41q2である場合には、現在選択されているタブ画像41q2は、最も左側のタブ画像に切り換えられてもよい。
【0121】
スイッチ画像41p7には、ホーム画面を表示することを意味するアイコン(家の形をしたアイコン)が表示されている。操作者によりスイッチ画像41p7に対応するプッシュスイッチ42a7が操作されると、現在表示されているメニュー画面は、ホーム画面に切り換えられる。
【0122】
タイトル画像41q1は、設定対象を示す表題の画像である。図示例では、タイトル画像41q1は、高さ警報機能及び深さ警報機能に関する画面であることを示す「HEIGHT AND DEPTH ALARM」というテキスト画像を含む。
【0123】
タブ画像41q2は、設定項目画像41q3の内容を切り換えて表示するためのGUIウィジェットを表す画像である。図示例では、タブ画像41q2は、歯車の画像を含む第1タブ画像41q2a、テキスト画像「HEIGHT」を含む第2タブ画像41q2b、及び、テキスト画像「DEPTH」を含む第3タブ画像41q2cを含む。
【0124】
タブ画像41q2は、プッシュスイッチ42aを操作することによって切り換えられる。図示例では、第1タブ画像41q2aが選択された状態(図6に示す状態)において、スイッチ画像41p6に対応するプッシュスイッチ42a6が操作されると、タブ画像41q2は、第2タブ画像41q2bが選択された状態(図7に示す状態)に切り換わり、スイッチ画像41p2に対応するプッシュスイッチ42a2が操作されると、タブ画像41q2は、第3タブ画像41q2cが選択された状態(図8に示す状態)に切り換わる。
【0125】
タブ画像41q2は、選択されている状態と選択されていない状態とを操作者が区別できるように表示される。図示例では、タブ画像41q2は、選択されている状態で表示される画像(歯車の画像、テキスト画像「HEIGHT」、又はテキスト画像「DEPTH」)が、選択されていない状態では反転表示されるように構成されている。図6に示す例では、選択されている状態にある第1タブ画像41q2aにおける歯車の画像が通常表示され、選択されていない状態にある第2タブ画像41q2bにおけるテキスト画像「HEIGHT」と、選択されていない状態にある第3タブ画像41q2cにおけるテキスト画像「DEPTH」とが反転表示されている。
【0126】
設定項目画像41q3は、設定項目を表す画像である。図示例では、設定項目画像41q3は、第1設定項目画像41q3a(図6参照)、第2設定項目画像41q3b(図7参照)、及び、第3設定項目画像41q3c(図8参照)を含む。
【0127】
第1設定項目画像41q3aは、第1タブ画像41q2aが選択されているときに表示され、第2設定項目画像41q3bは、第2タブ画像41q2bが選択されているときに表示され、第3設定項目画像41q3cは、第3タブ画像41q2cが選択されているときに表示される。
【0128】
具体的には、第1設定項目画像41q3aは、一行目画像LG1及び二行目画像LG2を含む。一行目画像LG1は、高さ警報機能を表すテキスト画像「HEIGHT」と、高さ警報機能がON(稼働中)であることを表すテキスト画像「ON」と、高さ警報が作動する高さ(閾値)である警報高さの値が15メートルであることを表すテキスト画像「+15.0 m」とを含む。二行目画像LG2は、深さ警報機能を表すテキスト画像「DEPTH」と、深さ警報機能がOFF(停止中)であることを表すテキスト画像「OFF」と、深さ警報が作動する深さ(閾値)である警報深さの値が7メートルであることを表すテキスト画像「-7.0 m」とを含む。
【0129】
なお、テキスト画像「+」は、基準面よりも高いことを表し、テキスト画像「-」は、基準面よりも低いことを表す。基準面は、予め固定的に設定される仮想的な平面である。図示例では、基準面は、所定時点における接地面(下部走行体1が接する地面に対応する仮想平面)と旋回軸との交点である基準点(旋回中心)を含む仮想平面であり、ショベル100の傾き(ピッチ角及びロール角)の大きさにかかわらず、水平面に平行となるように設定されている。そのため、「高さ」又は「深さ」は、水平な基準面に対する高さ又は深さを意味する。所定時点は、例えば、警報高さ又は警報深さを設定する時点である。この場合、ショベル100の移動によってショベル100(下部走行体1)が接地している地面の高さが変化したとしても基準面の高さは変化しない。すなわち、ショベル100(下部走行体1)が接地している地面の高さが高くなれば、その地面と警報高さとの間の距離は小さくなり、その地面と警報深さとの間の距離は大きくなる。反対に、ショベル100(下部走行体1)が接地している地面の高さが低くなれば、その地面と警報高さとの間の距離は大きくなり、その地面と警報深さとの間の距離は小さくなる。具体的には、基準面の高さ、警報高さ、及び警報深さは、例えば、測位装置D1の出力に基づき、基準座標系を用いて表される。そして、掘削アタッチメントの所定部位の高さも、基準座標系を用いて表され、例えば、測位装置D1、姿勢センサ、傾斜センサ、及び旋回角速度センサの出力に基づいて導き出される。基準座標系は、例えば、世界測地系である。
【0130】
また、ショベル100が傾斜面に位置し、ショベル100が傾いている場合であっても、基準面は水平であり、基準面よりも所定の高さだけ上方に設定される警報高さを表す仮想面又は仮想線も水平であり、基準面よりも所定の深さだけ下方に設定される警報深さを表す仮想面又は仮想線も水平である。そのため、コントローラ30の警報部31は、例えば、操作者が掘削アタッチメントを動かさずにその場で上部旋回体3を旋回させた場合であっても、掘削アタッチメントの所定部位が警報高さに達したときには、警報を出力でき、或いは、上部旋回体3の旋回を停止させることができる。そのため、警報部31は、例えば、傾斜面に位置するショベル100の上空において水平に張られた電線等の障害物が存在する場合であっても、掘削アタッチメントと障害物との接触を効果的に抑制或いは防止できる。傾斜面を構成する地盤の地中に、水平となるように埋設された配管等の障害物に対しても同様である。
【0131】
但し、基準面は、測位装置D1等の出力に基づいて動的に設定される仮想的な平面であってもよい。この場合、ショベル100の移動によってショベル100が接地している地面の高さが変化すると基準面の高さも変化する。すなわち、ショベル100(下部走行体1)が接地している地面の高さが高くなっても、その地面と警報高さとの間の距離、及び、その地面と警報深さとの間の距離は変化しない。同様に、ショベル100(下部走行体1)が接地している地面の高さが低くなっても、その地面と警報高さとの間の距離、及び、その地面と警報深さとの間の距離は変化しない。具体的には、基準面の高さ、警報高さ、及び警報深さは、例えば、現在の旋回中心の位置に基づき、局所座標系を用いて表される。そして、掘削アタッチメントの所定部位の高さも、その局所座標系を用いて表され、例えば、測位装置D1、姿勢センサ、傾斜センサ、及び旋回角速度センサの出力に基づいて導き出される。
【0132】
また、基準面は、ショベル100が傾斜面に位置する場合には、その傾斜面に平行となるように、すなわち水平面に対して傾斜するように設定されてもよい。この場合、警報部31は、例えば、傾斜面に位置するショベル100の上空において傾斜面に平行となるように張られた電線等の障害物が存在する場合であっても、掘削アタッチメントと障害物との接触を効果的に抑制或いは防止できる。傾斜面を構成する地盤の地中に、傾斜面に平行となるように埋設された配管等の障害物に対しても同様である。
【0133】
カーソル画像41q4は、設定項目画像41q3のうちの選択されている行を指し示すための画像である。操作者は、スイッチ画像41p4に対応するプッシュスイッチ42aの一つであるプッシュスイッチ42a4を操作することによってカーソル画像41q4を上方に移動させ、高さ警報機能のON・OFFを切り換え可能な状態に移行できる。また、操作者は、スイッチ画像41p4に対応するプッシュスイッチ42aの別の一つであるプッシュスイッチ42a11を操作することによってカーソル画像41q4を下方に移動させ、深さ警報機能のON・OFFを切り換え可能な状態に移行できる。図示例では、カーソル画像41q4は、一行目画像LG1が選択されている状態を示している。そのため、一行目画像LG1におけるテキスト画像「ON」は反転表示されている。反転表示されたテキスト画像「ON」は、高さ警報機能のON・OFFが切り換え可能であることを操作者に直感的に認識させることができる。また、テキスト画像「ON」の左側には左向きの三角形の図形G1が表示され、テキスト画像「ON」の右側には右向きの三角形の図形G2が表示されている。左向きの三角形の図形G1は、スイッチ画像41p3に表示されているアイコンに対応している。そのため、図形G1は、スイッチ画像41p3に対応するプッシュスイッチ42a3の押下に応じて高さ警報機能のON・OFFが切り換わることを操作者に直感的に認識させることができる。同様に、右向きの三角形の図形G2は、スイッチ画像41p5に表示されているアイコンに対応している。そのため、図形G2は、スイッチ画像41p5に対応するプッシュスイッチ42a5の押下に応じて高さ警報機能のON・OFFが切り換わることを操作者に直感的に認識させることができる。
【0134】
図示例では、操作者は、警報高さの値が15メートルであることを視認しながら、スイッチ画像41p3に対応するプッシュスイッチ42a3を押すことによってOFF状態にある高さ警報機能をON状態に切り換えることができ、スイッチ画像41p5に対応するプッシュスイッチ42a5を押すことによってON状態にある高さ警報機能をOFF状態に切り換えることができる。また、カーソル画像41q4が二行目画像LG2を指し示している状態では、操作者は、警報深さの値が7メートルであることを視認しながら、スイッチ画像41p3に対応するプッシュスイッチ42a3を押すことによってOFF状態にある深さ警報機能をON状態に切り換えることができ、スイッチ画像41p5に対応するプッシュスイッチ42a5を押すことによってON状態にある深さ警報機能をOFF状態に切り換えることができる。
【0135】
また、図6に示す第1設定項目画像41q3aを含む設定表示画像41qは、スイッチ画像41p6に対応するプッシュスイッチ42a6が一回操作されると、第1設定項目画像41q3aが第2設定項目画像41q3b(図7参照)に切り換えられ、プッシュスイッチ42a6が更にもう一回操作されると、第2設定項目画像41q3bが第3設定項目画像41q3c(図8参照)に切り換えられる。図7は、第2設定項目画像41q3bを含む設定表示画像41qの構成例を示し、図8は、第3設定項目画像41q3cを含む設定表示画像41qの構成例を示している。なお、以下では、図6に示す第1設定項目画像41q3aを含む設定表示画像41qは、「警報機能用サブ画面」とも称される。同様に、図7に示す第2設定項目画像41q3bを含む設定表示画像41qは、「高さ警報機能用サブ画面」とも称され、図8に示す第3設定項目画像41q3cを含む設定表示画像41qは、「深さ警報機能用サブ画面」とも称される。
【0136】
図7に示す高さ警報機能用サブ画面では、第2設定項目画像41q3bは、一行目画像LG11、二行目画像LG12、及び三行目画像LG13を含む。一行目画像LG11は、高さ警報機能を表すテキスト画像「HEIGHT ALARM」と高さ警報機能がONであることを表すテキスト画像「ON」とを含む。二行目画像LG12は、警報高さを表すテキスト画像「ALARM HEIGHT」とその警報高さの値が15メートルであることを表すテキスト画像「+15.0 m」とを含む。三行目画像LG13は、現在の高さ(掘削アタッチメントの最高到達点)を警報高さ(許容最高到達点)として設定することを表すテキスト画像「SET ALARM TO CURRENT HEIGHT」を含む。
【0137】
なお、図7に示す例では、カーソル画像41q4は、二行目画像LG12が選択されている状態を示している。そのため、二行目画像LG12におけるテキスト画像「+15.0 m」のうちの画像「+15.0」は反転表示されている。そのため、反転表示された画像「+15.0」は、警報高さの値が変更可能であることを操作者に直感的に認識させることができる。また、画像「+15.0」の左側には左向きの三角形の図形G1が表示され、画像「+15.0」の右側には右向きの三角形の図形G2が表示されている。左向きの三角形の図形G1は、スイッチ画像41p3に表示されているアイコンに対応している。そのため、図形G1は、スイッチ画像41p3に対応するプッシュスイッチ42a3の押下に応じて警報高さの値が増加することを操作者に直感的に認識させることができる。同様に、右向きの三角形の図形G2は、スイッチ画像41p5に表示されているアイコンに対応している。そのため、図形G2は、スイッチ画像41p5に対応するプッシュスイッチ42a5の押下に応じて警報高さの値が減少することを操作者に直感的に認識させることができる。
【0138】
この状態において、操作者は、スイッチ画像41p3に対応するプッシュスイッチ42a3を押すことによって警報高さの値を増加させることができ、スイッチ画像41p5に対応するプッシュスイッチ42a5を押すことによって警報高さの値を減少させることができる。
【0139】
また、操作者は、スイッチ画像41p4に対応するプッシュスイッチ42aの一つであるプッシュスイッチ42a4を押すことによってカーソル画像41q4を一行分だけ上に移動させ、一行目画像LG11におけるテキスト画像「ON」を反転表示させることができる。反転表示された画像「ON」は、高さ警報機能のON・OFFが変更可能であることを操作者に直感的に認識させることができる。この場合、反転表示された画像「ON」の右側には右向きの三角形の図形G2が表示されてもよい。スイッチ画像41p5に対応するプッシュスイッチ42a5の押下に応じて高さ警報機能がOFFに切り換えられることを操作者に直感的に認識させるためである。
【0140】
また、操作者は、スイッチ画像41p4に対応するプッシュスイッチ42aの別の一つであるプッシュスイッチ42a11を押すことによってカーソル画像41q4を一行分だけ下に移動させることができる。この場合、スイッチ画像表示領域41pの上には、すなわち、スイッチ画像表示領域41pと設定表示画像41qとの間には、現在の高さ(現時点における掘削アタッチメントの最高到達点)を警報高さとして設定する方法を説明するテキスト画像である追加情報画像41q6(図8参照)が表示される。
【0141】
図8の追加情報画像41q6は、現在の深さ(現時点における掘削アタッチメントの最深到達点)を警報深さ(許容最深到達点)として設定する方法を説明するテキスト画像であるが、現在の高さ(現時点における掘削アタッチメントの最高到達点)を警報高さとして設定する場合にも同様のテキスト画像が表示される。例えば、現在の高さを警報高さとして設定する方法を説明するテキスト画像は、所定のプッシュスイッチ42aを長押しすることによって現在の高さが警報高さとして設定されることを表すテキスト画像「LONG-PUSH TO SET ALARM FOR CURRENT HEIGHT」である。所定のプッシュスイッチ42aは、例えば、スイッチ画像41p3に対応するプッシュスイッチ42a3、又は、スイッチ画像41p5に対応するプッシュスイッチ42a5である。
【0142】
また、図7に示す高さ警報機能用サブ画面には、設定内容を表す図形41q5が表示されている。具体的には、図形41q5は、第2設定項目画像41q3bの下に表示される図形(イラスト画像)であり、ショベル図形G11、地面図形G12、及び、所定の高さを表す線分G13を含む。
【0143】
ショベル図形G11は、ショベル100を表す図形である。図7に示す例では、ショベル図形G11は、下部走行体1を表す図形である走行体図形、上部旋回体3を表す図形である旋回体図形、ブーム4を表す図形であるブーム図形、アーム5を表す図形であるアーム図形、及び、バケット6を表す図形であるバケット図形を含む。
【0144】
具体的には、図7に示す例では、図形41q5は、左側図形41q5L及び右側図形41q5Rを含む。そして、左側図形41q5Lは、左側ショベル図形G11L、左側地面図形G12L、及び、左側線分G13Lを含み、右側図形41q5Rは、右側ショベル図形G11R、右側地面図形G12R、及び、右側線分G13Rを含む。
【0145】
左側図形41q5Lは、掘削アタッチメントの最高到達点がアーム5の近位端になり得ることを表す図形である。なお、アーム5の近位端は、アーム5の両端のうちのブーム4に連結される側の端部を意味する。また、アーム5の遠位端は、アーム5の両端のうちのバケット6に連結される側の端部を意味する。そのため、左側図形41q5Lでは、アーム図形は、他の図形(走行体図形、旋回体図形、ブーム図形、及びバケット図形)と区別されるように反転表示され、且つ、左側地面図形G12Lよりも上方に位置する左側線分G13Lと接するように表示されている。この左側図形41q5Lを見たショベル100の操作者は、掘削アタッチメントの最高到達点がアーム5の近位端になり得ることを直感的に理解することができる。
【0146】
右側図形41q5Rは、掘削アタッチメントの最高到達点がバケット6の先端(爪先)になり得ることを表す図形である。そのため、右側図形41q5Rでは、バケット図形は、他の図形(走行体図形、旋回体図形、ブーム図形、及びアーム図形)と区別されるように反転表示され、且つ、右側地面図形G12Rよりも上方に位置する右側線分G13Rと接するように表示されている。この右側図形41q5Rを見たショベル100の操作者は、掘削アタッチメントの最高到達点がバケット6の先端になり得ることを直感的に理解することができる。
【0147】
したがって、図7に示す高さ警報機能用サブ画面を見たショベル100の操作者は、掘削アタッチメントの最高到達点がアーム5の近位端にもバケット6の先端にもなり得ること、線分G13で表される高さが警報高さ(図7に示す例では15メートル)であること、及び、警報高さが地面図形G12によって表される基準面に対する高さであることを直感的に認識することができる。
【0148】
図8に示す深さ警報機能用サブ画面では、第3設定項目画像41q3cは、一行目画像LG21、二行目画像LG22、及び三行目画像LG23を含む。一行目画像LG21は、深さ警報機能を表すテキスト画像「DEPTH ALARM」と深さ警報機能がONであることを表すテキスト画像「ON」とを含む。二行目画像LG22は、警報深さを表すテキスト画像「ALARM DEPTH」とその警報深さの値が7メートルであることを表すテキスト画像「-7.0 m」とを含む。三行目画像LG23は、現在の深さ(現時点における掘削アタッチメントの最深到達点)を警報深さとして設定することを表すテキスト画像「SET ALARM TO CURRENT DEPTH」を含む。
【0149】
なお、図8に示す例では、カーソル画像41q4は、三行目画像LG23が選択されている状態を示している。そのため、スイッチ画像表示領域41pの上には、すなわち、スイッチ画像表示領域41pと設定表示画像41qとの間には、現在の深さを警報深さとして設定する方法を説明するテキスト画像である追加情報画像41q6が表示されている。なお、追加情報画像41q6は、カーソル画像41q4によって三行目画像LG23が選択されていない場合には消去される。図8の追加情報画像41q6は、所定のプッシュスイッチ42aを長押しすることによって現在の深さが警報深さとして設定されることを表すテキスト画像「LONG-PUSH TO SET ALARM FOR CURRENT DEPTH」を含む。所定のプッシュスイッチ42aは、例えば、スイッチ画像41p3に対応するプッシュスイッチ42a3、又は、スイッチ画像41p5に対応するプッシュスイッチ42a5である。
【0150】
この状態において、操作者は、例えば、スイッチ画像41p3に対応するプッシュスイッチ42a3を長押しすることによって現在の深さ(現時点における掘削アタッチメントの最深到達点)を警報深さとして設定することができる。
【0151】
具体的には、操作者は、例えば、操作装置26を操作して掘削アタッチメントを動作させ、バケット6の爪先を所望の深さに位置付けた時点でプッシュスイッチ42a3を長押しすることによって現在の深さを警報深さとして設定することができる。この場合、二行目画像LG22に表示される警報深さの値は、掘削アタッチメントの動作(バケット6の爪先の実際の深さ)に応じて変化してもよい。
【0152】
また、図8に示す深さ警報機能用サブ画面には、設定内容を表す図形41q5が表示されている。具体的には、図形41q5は、第3設定項目画像41q3cの下に表示される図形であり、ショベル図形G21、地面図形G22、及び、所定の高さを表す線分G23を含む。
【0153】
ショベル図形G11は、ショベル100を表す図形である。図8に示す例では、図7に示す例と同様に、ショベル図形G11は、走行体図形、旋回体図形、ブーム図形、アーム図形、及び、バケット図形を含む。
【0154】
図8に示す図形41q5は、掘削アタッチメントの最深到達点がバケット6の先端(爪先)になり得ることを表す図形である。そのため、図8に示す図形41q5では、バケット図形は、他の図形(走行体図形、旋回体図形、ブーム図形、及びアーム図形)と区別されるように反転表示され、且つ、地面図形G22よりも下方に位置する線分G23と接するように表示されている。この図形41q5を見たショベル100の操作者は、掘削アタッチメントの最深到達点がバケット6の先端(爪先)になり得ることを直感的に理解することができる。
【0155】
また、図示例では、表示装置40には、高さ警報機能用サブ画面と深さ警報機能用サブ画面とが異なるタイミングで別々に表示される。そのため、ショベル100の操作者は、警報高さの値と警報深さの値とを混同することなく、警報高さの値と警報深さの値とを適切に設定することができる。
【0156】
また、図示例では、コントローラ30は、警報高さの値の下限を0メートルとし、警報高さが基準面よりも低い位置に設定されるのを防止している。但し、警報高さは、基準面よりも低い位置に設定されてもよい。同様に、コントローラ30は、警報深さの値の上限を0メートルとし、警報深さが基準面よりも高い位置に設定されるのを防止している。但し、警報深さは、基準面よりも高い位置に設定されてもよい。
【0157】
また、高さ警報機能用サブ画面で設定される警報高さと、コントローラ30が警報を出力させるときの実際の高さ、又は、コントローラ30がアタッチメントの動きを停止させるときの実際の高さとは異なる値であってもよい。例えば、コントローラ30が警報を出力させるときの実際の高さは、設定された警報高さに所定の値を加えた高さであってもよく、設定された警報高さから所定の値を差し引いた高さであってもよい。また、コントローラ30が警報を出力させるときの実際の高さと、コントローラ30がアタッチメントの動きを停止させるときの実際の高さとは同じであってもよく、異なっていてもよい。また、コントローラ30が警報を出力させるときの実際の高さは、1つであってもよく、複数であってもよい。例えば、コントローラ30は、アタッチメントの高さが警報高さから1メートル低い高さに達したときに一回目の警報を行い、アタッチメントの高さが警報高さに達したときに二回目の警報を行うように構成されていてもよい。警報深さについても同様である。
【0158】
上述のように、本開示の実施形態に係るショベル100は、図1に示すように、下部走行体1と、下部走行体1に旋回可能に搭載される上部旋回体3と、上部旋回体3に搭載される運転室としてのキャビン10と、キャビン10に配置される表示装置40と、を有する。そして、表示装置40には、高さ又は深さを設定するための画面が表示され、その画面には、設定内容を表す図形が同時に表示される。具体的には、表示装置40には、図7に示すように、警報高さを設定するための画面である高さ警報機能用サブ画面が表示され、その高さ警報機能用サブ画面には、警報高さがどのような高さであるかを表す図形41q5が同時に表示されている。また、表示装置40には、図8に示すように、警報深さを設定するための画面である深さ警報機能用サブ画面が表示され、その深さ警報機能用サブ画面には、警報深さがどのような深さであるかを表す図形41q5が同時に表示されている。
【0159】
なお、「高さを設定するための画面」における「高さ」は、積み込み作業の際のバケット6の下限高さ、又は、クレーン作業の際のバケット6の最低持ち上げ高さ等、警報高さ以外の高さであってもよい。そして、設定された「高さ」の値は、警報を出力する以外に、バケット6を所定の高さに誘導したり、掘削アタッチメントの動きを自動的に支援したりする等、様々な機能を実現するために利用されてもよい。同様に、「深さを設定するための画面」における「深さ」は、掘削作業の際の目標掘削深さ、又は、均し作業の際の目標均し深さ等、警報深さ以外の深さであってもよい。そして、設定された「深さ」の値は、警報を出力する以外に、バケット6を所定の深さに誘導したり、掘削アタッチメントの動きを自動的に支援したりする等、様々な機能を実現するために利用されてもよい。この構成により、ショベル100は、画面に表示された設定項目の内容を操作者により直感的に理解させることができるという効果をもたらす。
【0160】
また、表示装置40には、高さを設定するための第1画面と深さを設定するための第2画面とが別々に表示されてもよい。図示例では、表示装置40には、第1画面としての高さ警報機能用サブ画面と、第2画面としての深さ警報機能用サブ画面とが別々のタイミングで表示されている。この構成により、ショベル100は、例えば、操作者が高さの値と深さの値とを混同してしまうのを抑制できるという効果をもたらす。操作者が高さの値と深さの値とを混同した状態で各値を設定してしまった場合、ショベル100は、例えば、アタッチメントと周囲の物体との接触を防止できない、又は、操作者が意図しないところでアタッチメントの動きを停止させるといった状況が発生してしまうおそれがある。その結果、操作者は、警報機能等の利用を控えてしまうおそれがある。しかしながら、上述の構成を備えるショベル100は、操作者が高さの値と深さの値とを混同してしまうのを抑制することにより、このような状況が発生してしまうのを抑制でき、ひいては、警報機能等の安全機能の利用の促進を図ることができ、事故等の発生を抑制できるという効果をもたらす。但し、高さを設定するための第1画面と深さを設定するための第2画面とは、上述のような操作者による混同を抑制できる態様で表示されるのであれば、同一画面で同時に表示されてもよい。上述のような操作者による混同を抑制できる態様は、例えば、それぞれが別々の枠で囲まれた態様、又は、第1画面と第2画面との間に別の画像が配置される態様等である。
【0161】
また、設定内容を表す図形は、所定の高さ又は所定の深さを表す線分、ショベル図形、及び、地面図形を含んでいてもよい。この構成により、ショベル100は、「高さ」又は「深さ」が地面(基準面)を基準とする距離であることを操作者に直感的に認識させることができるという効果をもたらす。
【0162】
また、ショベル図形は、アーム図形及びバケット図形を含んでいてもよい。そして、アーム図形及びバケット図形のそれぞれは、所定の高さ又は所定の深さを表す線分に接している状態とその線分に接していない状態とが区別できるように表示されてもよい。この構成により、ショベル100は、「高さ」又は「深さ」が掘削アタッチメントの何れの部位の高さ又は深さであるのかを操作者に直感的に認識させることができるという効果をもたらす。
【0163】
また、「高さ」は、上部旋回体3に取り付けられるアタッチメントが到達可能な最大高さであってもよく、「深さ」は、アタッチメントが到達可能な最大深さであってもよい。この場合、ショベル100は、アタッチメントが最大高さ又は最大深さに達すると警報を出力するように構成されていてもよい。この構成により、ショベル100は、高さ警報機能又は深さ警報機能等の機能で利用される閾値を操作者が直感的に設定できるようになるという効果をもたらす。
【0164】
また、「高さ」は、上部旋回体3に取り付けられるアタッチメントの現在の最高到達点に基づいて設定されてもよく、「深さ」は、上部旋回体3に取り付けられるアタッチメントの現在の最深到達点に基づいて設定されてもよい。なお、アタッチメントの現在の最高到達点は、ブーム4上の点であってもよく、アーム5上の点であってもよく、バケット6等のエンドアタッチメント上の点であってもよい。アタッチメントの現在の最深到達点についても同様である。この構成により、ショベル100は、操作者による高さ又は深さに関する値の設定を容易にできるという効果をもたらす。
【0165】
また、「高さ」は、基準面に対する高さであってもよく、「深さ」は、基準面に対する深さであってもよい。この場合、基準面は、予め固定的に設定されていてもよく、動的に変更されてもよい。この構成により、予め固定的に設定された基準面を利用する場合、ショベル100は、例えば、現在の接地面(下部走行体1の下面が接する地面に対応する仮想平面)の高さが変化しても、基準面に対する所定の高さより高い位置に掘削アタッチメントが達してしまうのを抑制でき、又は、基準面に対する所定の深さより深い位置に掘削アタッチメントが達してしまうのを抑制できる。或いは、動的に変更される基準面を利用する場合、ショベル100は、例えば、現在の接地面(下部走行体1の下面が接する地面に対応する仮想平面)の高さが変化しても、現在の接地面に対する所定の高さより高い位置に掘削アタッチメントが達してしまうのを抑制でき、或いは、現在の接地面に対する所定の深さより深い位置に掘削アタッチメントが達してしまうのを抑制できる。
【0166】
また、「高さ」は、正値で表されてもよく、「深さ」は、負値で表されてもよい。この構成により、ショベル100は、画面に表示された高さ又は深さに関する数値が基準面よりも高い位置を表しているのか基準面よりも低い位置を表しているのかを操作者に直感的に認識させることができる。
【0167】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形、置換等が適用され得る。また、別々に説明された特徴は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0168】
1・・・下部走行体 1L・・・左走行油圧モータ 1R・・・右走行油圧モータ 2・・・旋回機構 2A・・・旋回油圧モータ 3・・・上部旋回体 4・・・ブーム 5・・・アーム 6・・・バケット 7・・・ブームシリンダ 8・・・アームシリンダ 9・・・バケットシリンダ 10・・・キャビン 11・・・エンジン 11a・・・オルタネータ 11b・・・スタータ 13、13L、13R・・・レギュレータ 14、14L、14R・・・メインポンプ 14c・・・油温センサ 15・・・パイロットポンプ 17・・・コントロールバルブユニット 18L、18R・・・絞り 19L、19R・・・制御圧センサ 26・・・操作装置 28、28L、28R・・・吐出圧センサ 29・・・操作センサ 30・・・コントローラ 31・・・警報部 35・・・切換弁 40・・・表示装置 40a・・・制御部 41・・・画像表示部 41a・・・日時表示領域 41b・・・走行モード表示領域 41c・・・アタッチメント表示領域 41d・・・燃費表示領域 41e・・・エンジン制御状態表示領域 41f・・・エンジン稼働時間表示領域 41g・・・冷却水温表示領域 41h・・・燃料残量表示領域 41i・・・回転数レベル表示領域 41j・・・尿素水残量表示領域 41k・・・作動油温表示領域 41m・・・エアコン運転状態表示領域 41m1・・・吹出口表示領域 41m2・・・運転モード表示領域 41m3・・・温度表示領域41m3 41m4・・・風量表示領域 41n・・・画像表示領域 41n1・・・第1画像表示領域 41n2・・・第2画像表示領域 41p・・・スイッチ画像表示領域 41p1~41p7・・・スイッチ画像 41q・・・設定表示画像 41q1・・・タイトル画像 41q2・・・タブ画像 41q2a・・・第1タブ画像 41q2b・・・第2タブ画像 41q2c・・・第3タブ画像 41q3・・・設定項目画像 41q3a・・・第1設定項目画像 41q3b・・・第2設定項目画像 41q3c・・・第3設定項目画像 41q4・・・カーソル画像 41q5・・・図形 41q6・・・追加情報画像 42・・・操作部 42a、42a1~42a14・・・プッシュスイッチ 44・・・通信装置 49・・・警報装置 50・・・運転席側操作部 70・・・蓄電池 74・・・エンジンコントロールユニット 75・・・ダイヤル 76・・・ECOボタン 80・・・撮像装置 80B・・・後カメラ 80L・・・左カメラ 80R・・・右カメラ 100・・・ショベル 171~174、175L、175R、176L、176R・・・制御弁 BG・・・後方画像 C1L、C1R・・・センタバイパス油路 C2L、C2R・・・パラレル油路 D1・・・測位装置 D4・・・ゲートロックレバー D5・・・キースイッチ G1、G2・・・図形 G11・・・ショベル図形 G11L・・・左側ショベル図形 G11R・・・右側ショベル図形 G12・・・地面図形 G12L・・・左側地面図形 G12R・・・右側地面図形 G13・・・線分 G13L・・・左側線分 G13R・・・右側線分 G21・・・ショベル図形 G22・・・地面図形 G23・・・線分 GC1、GC2・・・画像 LG1、LG11・・・一行目画像 LG2、LG12・・・二行目画像 LG13・・・三行目画像 RG・・・右方画像 S1・・・ブーム角度センサ S2・・・アーム角度センサ S3・・・バケット角度センサ T・・・作動油タンク TG・・・俯瞰画像
図1
図2
図3
図4
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図7
図8