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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094568
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】コンベヤのパレット反転装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/248 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
B65G47/248 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211196
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391008283
【氏名又は名称】高浜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150533
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 雅登
(72)【発明者】
【氏名】中村 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】石川 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 孝二
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA10
3F081AA40
3F081BE03
3F081BE09
3F081CA04
3F081CC01
3F081DA08
3F081DB03
3F081DB04
(57)【要約】
【課題】表面と裏面とが異なる型のパレットを反転させる際に、コンベヤの搬送を停止させることのないコンベヤのパレット反転装置を提供すること。
【解決手段】表面14と裏面16とが異なる型を備えたパレットPを搬送するコンベヤにおいて、パレットPを搬送方向に対して回転自在に設け、パレットPの一端に被引っ掛け部12を設け、コンベヤのテールの回転軸の一方に、同期して回転する回転ユニット13を設け、被引っ掛け部12に対して進退自在、かつ、搬送方向に対して回転自在に備えた引っ掛け部31、37を回転ユニット13に設け、被引っ掛け部12に引っ掛け部31、37を引っ掛けて180度回転させることにより、パレットPを搬送方向に対して反転させることを特徴とするコンベヤのパレット反転装置。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と裏面とが異なる型を備えたパレットを搬送するコンベヤにおいて、
パレットの中心にシャフトを設けて、パレットを搬送方向に対して回転自在に設け、
シャフトの一端に被引っ掛け部を設け、
コンベヤのヘッド又はテールの回転軸の一方に、同期して回転する回転ユニットを設け、
搬送方向に対して回転自在に備えた引っ掛け部を回転ユニットに設け、
被引っ掛け部に引っ掛け部を引っ掛けて180度回転させることにより、パレットを搬送方向に対して反転させることを特徴とするコンベヤのパレット反転装置。
【請求項2】
表面と裏面とが異なる型を備えたパレットを搬送するコンベヤにおいて、
パレットの中心にシャフトを設けて、パレットを搬送方向に対して回転自在に設け、
シャフトの一端に被引っ掛け部を設け、
コンベヤのヘッド又はテールの回転軸の一方に、同期して回転する回転ユニットを設け、
被引っ掛け部に対して進退自在、かつ、搬送方向に対して回転自在に備えた引っ掛け部を回転ユニットに設け、
被引っ掛け部に引っ掛け部を引っ掛けて180度回転させることにより、パレットを搬送方向に対して反転させることを特徴とするコンベヤのパレット反転装置。
【請求項3】
前記被引っ掛け部が外側に突出した一枚の板材からなり、
前記引っ掛け部がコンベヤ側に平行に突出した二枚の板材からなり、
一枚の板材を二枚の板材の間に入れて引っ掛けることを特徴とする請求項1又は2記載のコンベヤのパレット反転装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤのパレット反転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、表面と裏面とが異なる型のパレットを搬送するコンベヤの途中に設けられたパレット反転装置であって、パレットの両側を挟んで持つ挟持機構部をコンベヤの両側に配置させ、パレットに対して進退自在、かつ、パレットを回転自在に制御し、更にパレットを昇降自在に制御したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のコンベヤのパレット反転装置は、挟持機構部によって、パレットの両側を挟持し、コンベヤ上からパレットを上昇させて反転させた後、下降させてコンベヤ上にパレットを置くことによって、表面から裏面へ、又は裏面から表面へとパレットの型を交換することができた。
したがって、製品ごとに交換が必要となるパレットの交換作業の手間を大幅に削減し、表面と裏面とが異なる型の一種類のパレットで、二品種の製品を生産することができた。
【0004】
しかし、従来のコンベヤのパレット反転装置は、パレットを反転させる際に、コンベヤの搬送を、いったん、停止させなければならなかった。
このため、この点が、製品の生産効率を落とす要因となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-43301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するため、表面と裏面とが異なる型のパレットを反転させる際に、コンベヤの搬送を停止させることのないコンベヤのパレット反転装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の課題解決手段は、表面と裏面とが異なる型を備えたパレットを搬送するコンベヤにおいて、パレットの中心にシャフトを設けて、パレットを搬送方向に対して回転自在に設け、シャフトの一端に被引っ掛け部を設け、コンベヤのヘッド又はテールの回転軸の一方に、同期して回転する回転ユニットを設け、搬送方向に対して回転自在に備えた引っ掛け部を回転ユニットに設け、被引っ掛け部に引っ掛け部を引っ掛けて180度回転させることにより、パレットを搬送方向に対して反転させることを特徴とするコンベヤのパレット反転装置である。
【0008】
本発明の第2の課題解決手段は、表面と裏面とが異なる型を備えたパレットを搬送するコンベヤにおいて、パレットの中心にシャフトを設けて、パレットを搬送方向に対して回転自在に設け、シャフトの一端に被引っ掛け部を設け、コンベヤのヘッド又はテールの回転軸の一方に、同期して回転する回転ユニットを設け、被引っ掛け部に対して進退自在、かつ、搬送方向に対して回転自在に備えた引っ掛け部を回転ユニットに設け、被引っ掛け部に引っ掛け部を引っ掛けて180度回転させることにより、パレットを搬送方向に対して反転させることを特徴とするコンベヤのパレット反転装置である。
【0009】
本発明の第3の課題解決手段は、第1又は第2の課題解決手段であって、前記被引っ掛け部が外側に突出した一枚の板材からなり、前記引っ掛け部がコンベヤ側に平行に突出した二枚の板材からなり、一枚の板材を二枚の板材の間に入れて引っ掛けることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1~3の課題解決手段は、コンベヤの搬送速度に同期して、パレットを反転させて、表面から裏面へ、又は裏面から表面へとパレットの型を交換することができる。
したがって、製品ごとに交換が必要となるパレットの交換作業の手間を大幅に削減し、表面と裏面とが異なる型の一種類のパレットで、二品種の製品を生産することができる。
さらに、パレットを反転させる際に、コンベヤの搬送速度を減速させないことはもちろん、コンベヤの搬送を停止させることがないため、製品の生産効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】コンベヤのパレット反転装置の説明側面図である。
図2】コンベヤの部分拡大説明側面図である。
図3】コンベヤのパレット反転装置の説明正面図である。
図4】パレットの拡大説明側面図である。
図5】コンベヤのパレット反転装置の部分拡大説明側面図である。
図6】回転ユニットと被引っ掛け部との説明図である。
図7】パレットの反転搬送の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のコンベヤのパレット反転装置10を説明する。
【0013】
パレット反転装置10は、複数のパレットPを順次搬送するコンベヤ11のテールTに設けられたものである。
コンベヤ11は、ヘッドHの回転軸(図示しない)に駆動手段である減速機付きモータMが接続された公知のチェーンコンベヤである(図1、2参照)。
【0014】
なお、コンベヤ11は、チェーンコンベヤに限定されない。
パレット反転装置10は、主に、パレットPに設けられた被引っ掛け部12と回転ユニット13とを有するものである(図3参照)。
【0015】
パレットPは、五つのパレットPを横並びに組み合わせることによって、一つの製品の型を形成するために、五つの型に分割されたパレットである(図2参照)。
パレットPのそれぞれは、表面14の型15と裏面16の型17とが異なるパレットからなる(図3、4参照)。
【0016】
コンベヤ11によって順次搬送される五つのパレットPを横並びに組み合わせた型の上に、作業者が製品Wを置き、作業を行う。
なお、本発明のコンベヤのパレット反転装置10におけるパレットPは、上記のような分割されたパレットに限定されない。
【0017】
パレットPの表面14の型15と裏面16の型17とは、中央に水平に備えられた平板材18によって、上下方向に区切られて配置されている。
【0018】
表面14の型15の側面には、型15を識別するための識別コード22が取り付けられている。
裏面16の型17の側面には、型17を識別するための識別コード23が取り付けられている。
コンベヤ11の一端側に設けられた、上の識別センサ24及び下の識別センサ44は、識別コード22又は23を読み取って、パレットPの型15又は17を識別するためのものである。
【0019】
平板材18の中央の両端は、シャフト19、19に接続されている。
シャフト19、19は、パレット用軸受20、20によって、回転自在に支持されている。
これにより、パレットPの中心にシャフト19、19が設けられた形となり、パレットPがシャフト19、19を中心に、コンベヤ11の搬送方向に対して回転自在に設けられることとなる。
【0020】
パレット用軸受20、20の下端同士は、アタッチメント21を介して接続されている。
アタッチメント21は、コンベヤ11のチェーン25、25に接続されている。
これにより、パレットPがコンベヤ11の駆動によって搬送されることとなる。
【0021】
被引っ掛け部12は、一方のシャフト19の一端に接続されたものである。
被引っ掛け部12は、コンベヤ11の外側に突出した一枚の板材からなり、平板材18と同一線上に水平に設けられたものである。
これにより、被引っ掛け部12をコンベヤ11の搬送方向に対して180度回転させると、同期して平板材18も180度回転し、パレットPが反転することとなる。
【0022】
被引っ掛け部12は、コンベヤ11のテールTにおいて、下側のガイド40に案内された後、後述する回転ユニット13の引っ掛け部31、37に案内され、再び、曲がり材41と水平材42とからなる上側のガイドの間に案内される(図5参照)。
【0023】
このため、パレットPの搬送中に、被引っ掛け部12は、常に案内されることとなるため、誤って回転することがない。
したがって、コンベヤ11のテールTにおいて、パレットPが、誤って反転することはない。
【0024】
なお、水平材42の上面は、スプリング材からなる緩衝材43、43が接しているため、水平材42自体が上下方向に余裕を持って動くこととなる。
このため、案内される被引っ掛け部12が、上側のガイドの間に引っ掛かって停止することがない。
【0025】
回転ユニット13は、第一の回転ユニット26と、第二の回転ユニット27と、を有するものである(図3、6参照)。
回転ユニット13は、第一の回転ユニット26と第二の回転ユニット27とを、直線上に対向させて接続材32を介して接続したものである。
なお、付随するプログラム制御、エア配管、電気配線、及びアンプ等の説明は省略する。
【0026】
回転ユニット13は、接続材32の中心を介して、コンベヤ11のテールTの回転軸33の外側の一方に、回転ユニット13がコンベヤ11の搬送方向に対して同期して回転自在となるように取り付けられている。
これにより、コンベヤ11の駆動に伴い、回転軸33に同期して回転ユニット13が回転し、第一の回転ユニット26と第二の回転ユニット27とが、コンベヤ11の搬送速度に同期して回転することとなる。
【0027】
回転軸33は、コンベヤ用軸受38、38によって、回転自在に支持されている。
一方の回転軸33の端には、公知のロータリジョイント39が設けられているため、回転ユニット13の回転に伴うエア配管等(図示しない)の捻れが解消されている。
【0028】
なお、回転ユニット13は、接続材32の中心を介して、コンベヤ11のヘッドHの回転軸(図示しない)の外側の一方に、回転ユニット13がコンベヤ11の搬送方向に対して同期して回転自在となるように取り付けても良い。
【0029】
第一の回転ユニット26は、コンベヤ11側に進退自在となるように設けられた、進退手段である第一のエアシリンダ28と、第一のエアシリンダ28のロッドの先端に接続された第一の進退部材29と、第一の進退部材29に接続された第一の回転シリンダ30と、第一の回転シリンダ30に接続されることによって、コンベヤ11の搬送方向に対して回転自在に設けられた第一の引っ掛け部31と、を有するものである。
なお、第一の回転ユニット26の進退手段は、エアシリンダに限定されない。
【0030】
第一の引っ掛け部31は、コンベヤ11側に平行に突出した二枚の板材からなるものである。
第一の引っ掛け部31は、被引っ掛け部12である一枚の板材を、二枚の板材の間に入れて、引っ掛けて回転させることができるように、第一の回転ユニット26に配置されたものである。
なお、第一の引っ掛け部31は、前述のとおり、被引っ掛け部12を案内するためのガイドの役割も果たしている。
【0031】
また、第一の回転ユニット26は、パレットPの搬送に伴って移動する被引っ掛け部12に、第一の引っ掛け部31が同期して対向できる配置となるように、接続材32を介して、回転軸33の外側の一方に、予め調節されて取り付けられている。
【0032】
これにより、第一の回転ユニット26は、コンベヤ11の搬送方向に対して回転しながら、第一の引っ掛け部31を、被引っ掛け部12に対して進退自在、かつ、コンベヤ11の搬送方向に対して回転自在に備えることとなる。
【0033】
したがって、コンベヤ11の搬送速度に同期しながら、被引っ掛け部12に第一の引っ掛け部31を引っ掛けて180度回転させることにより、パレットPを反転させ、表面14の型15から裏面16の型17へ、又は裏面16の型17から表面14の型15へとパレットPの型を交換することができる。
【0034】
なお、回転ユニット13がコンベヤ11の搬送方向に対して回転する際に、第一の引っ掛け部31が、コンベヤ11の一部にぶつかるなどの障害とならなければ、第一の回転ユニット26を、第一の回転シリンダ30と、第一の引っ掛け部31のみからなるものとしても良い。
【0035】
第二の回転ユニット27は、コンベヤ11側に進退自在となるように設けられた、進退手段である第二のエアシリンダ34と、第二のエアシリンダ34のロッドの先端に接続された第二の進退部材35と、第二の進退部材35に接続された第二の回転シリンダ36と、第二の回転シリンダ36に接続されることによって、コンベヤ11の搬送方向に対して回転自在に設けられた第二の引っ掛け部37と、を有するものである。
なお、第二の回転ユニット27の進退手段は、エアシリンダに限定されない。
【0036】
第二の引っ掛け部37は、コンベヤ11側に平行に突出した二枚の板材からなるものである。
第二の引っ掛け部37は、被引っ掛け部12である一枚の板材を、二枚の板材の間に入れて、引っ掛けて回転させることができるように、第二の回転ユニット27に配置されたものである。
なお、第二の引っ掛け部37は、前述のとおり、被引っ掛け部12を案内するためのガイドの役割も果たしている。
【0037】
また、第二の回転ユニット27は、パレットPの搬送に伴って移動する被引っ掛け部12に、第二の引っ掛け部37が同期して対向できる配置となるように、接続材32を介して、回転軸33の外側の一方に、予め調節されて取り付けられている。
【0038】
これにより、第二の回転ユニット27は、コンベヤ11の搬送方向に対して回転しながら、第二の引っ掛け部37を、被引っ掛け部12に対して進退自在、かつ、コンベヤ11の搬送方向に対して回転自在に備えることとなる。
【0039】
したがって、コンベヤ11の搬送速度に同期しながら、被引っ掛け部12に第二の引っ掛け部37を引っ掛けて180度回転させることにより、パレットPを反転させ、表面14の型15から裏面16の型17へ、又は裏面16の型17から表面14の型15へとパレットPの型を交換することができる。
【0040】
なお、回転ユニット13がコンベヤ11の搬送方向に対して回転する際に、第二の引っ掛け部37が、コンベヤ11の一部にぶつかるなどの障害とならなければ、第二の回転ユニット27を、第二の回転シリンダ36と、第二の引っ掛け部37のみからなるものとしても良い。
【0041】
なお、回転ユニット13は、第一の回転ユニット26のみからなるものであっても良い。
また、回転ユニット13は、第一の回転ユニット26と第二の回転ユニット27とだけではなく、同じ構成を備える第三の回転ユニット以上のユニットの数を設けたものとしても良い。
【0042】
なお、被引っ掛け部12は、外側に突出した一枚の板材からなり、第一の引っ掛け部31と第二の引っ掛け部37とは、コンベヤ11側に平行に突出した二枚の板材からなるものに限定されない。
被引っ掛け部12を、第一の引っ掛け部31又は第二の引っ掛け部37によって引っ掛けて、反転させることができる関係が成り立つ形状のものであれば、どのようなものでも良い。
例えば、被引っ掛け部12を、公知の凸形状(又は公知の凹形状)とし、第一の引っ掛け部31又は第二の引っ掛け部37を公知の凹形状(又は公知の凸形状)とするものである。
【0043】
また、被引っ掛け部12を、コンベヤ11の外側に平行に突出した二枚の板材からなるものとし、第一の引っ掛け部31と第二の引っ掛け部37とを、コンベヤ11側に突出した一枚の板材からなるものとしても良い。
なお、第一の回転ユニット26と第二の回転ユニット27とは、プログラム制御によって、独立した動作又は同期した動作のいずれかをさせることができるものである。
【0044】
本発明のコンベヤのパレット反転装置10の作用を説明する(図1~7参照)。
【0045】
外方向(作業者が作業する面)が表面14の型15であり、内方向が裏面16の型17であるパレットPを反転させて、外方向が裏面16の型17であり、内方向が表面14の型15であるパレットPへと交換する場合を説明する。
【0046】
コンベヤ11によって、テールTにおける回転軸33の中心点から垂直方向下に、被引っ掛け部12が下側のガイド40に案内された、外方向が表面14の型15であり、内方向が裏面16の型17であるパレットPが搬送されると、下の識別センサ44が、外方向が表面14の型15の識別コード22を読み取り、パレットPの型15を識別する。
【0047】
このとき、第二の回転ユニット27は、第一の回転ユニット26の直線上の対向した位置にあり、テールTにおける回転軸33の中心点から垂直方向上に搬送された、外方向が裏面16の型17であり、内方向が表面14の型15に交換後の別のパレットPに対応し、第二のエアシリンダ34の第二の進退部材35が外側に縮み、被引っ掛け部12から、第二の回転シリンダ36に接続された第二の引っ掛け部37が離れ、第二の引っ掛け部37に案内された被引っ掛け部12が、曲がり材41と水平材42とからなる上側のガイドの間に案内される。
【0048】
なお、コンベヤ11によって、テールTにおける回転軸33の中心点から垂直方向上に、外方向が裏面16の型17であり、内方向が表面14の型15に交換後のパレットPが搬送されると、上の識別センサ24が、外方向が裏面16の型17の識別コード23を読み取って、パレットPの型17を識別し、型17への交換に間違いがないことを確認する。
このため、間違った型に作業者が誤って製品Wを置いて、作業を行うことがない。
【0049】
そして、下側のガイド40に案内された後の被引っ掛け部12を、第一の引っ掛け部31によって案内するために、回転軸33に同期して回転する回転ユニット13の第一の回転ユニット26の第一のエアシリンダ28の第一の進退部材29を、コンベヤ11側に伸ばす。
【0050】
第一の進退部材29をコンベヤ11側に伸ばすと、第一の回転シリンダ30に接続された第一の引っ掛け部31が、被引っ掛け部12に向けて伸び、被引っ掛け部12である一枚の板材を、第一の引っ掛け部31である二枚の板材の間に入れて、案内する。
【0051】
そして、外方向が裏面16の型17への交換信号をパレット反転装置10が受け取ると、外方向が表面14の型15であり、内方向が裏面16の型17であるパレットPを反転させて、外方向が裏面16の型17であり、内方向が表面14の型15であるパレットPへと交換させるため、直ちに、第一の引っ掛け部31を180度回転させ、第一の引っ掛け部31である二枚の板材の間に、被引っ掛け部12である一枚の板材を引っ掛けながら、180度回転させる。
なお、外方向が裏面16の型17への交換信号をパレット反転装置10が受け取らない場合は、第一の引っ掛け部31を180度回転させない。
【0052】
被引っ掛け部12である一枚の板材が180度回転すると、同期して平板材18も180度回転し、これに伴ってパレットPが反転する。
これにより、外方向が表面14の型15であり、内方向が裏面16の型17であるパレットPが、外方向が裏面16の型17であり、内方向が表面14の型15であるパレットPへと交換されることとなる。
【0053】
そして、そのままパレットPが、テールTにおける回転軸33の中心点から垂直方向上に搬送され、第一のエアシリンダ28の第一の進退部材29が外側に縮み、被引っ掛け部12から第一の引っ掛け部31が離れ、第一の引っ掛け部31に案内された被引っ掛け部12が、曲がり材41と水平材42とからなる上側のガイドの間に案内される。
そして、上の識別センサ24が、外方向が裏面16の型17の識別コード23を読み取って、パレットPの型17を識別し、型17への交換に間違いがないことを確認する。
【0054】
このとき、第二の回転ユニット27は、第一の回転ユニット26の直線上の対向した位置にあり、テールTにおける回転軸33の中心点から垂直方向下に搬送された、外方向が表面14の型15であり、内方向が裏面16の型17である交換前の新たなパレットPに、第一の回転ユニット26と同様に対応し始める。
【0055】
以上を繰り返し、搬送されるパレットPを停止させることなく、順次、外方向が表面14の型15であり、内方向が裏面16の型17であるパレットPを反転させて、外方向が裏面16の型17であり、内方向が表面14の型15であるパレットPへと交換する。
【0056】
なお、パレットPの反転は、上記のとおり、コンベヤ11の構造上、搬送中のパレットP同士の間隔が充分に空くテールT(又はヘッドH)で行うことにより、パレットP同士が、ぶつかることはない。
また、パレットPの反転を、上記のとおり、テールT(又はヘッドH)で行うことにより、テールT及びヘッドH以外の領域で行う作業者の作業を、中断させることがない。
【符号の説明】
【0057】
10 パレット反転装置
11 コンベヤ
12 被引っ掛け部
13 回転ユニット
14 表面(パレット)
15 型(パレット表面)
16 裏面(パレット)
17 型(パレット裏面)
18 平板材
19 シャフト
20 パレット用軸受
21 アタッチメント
22 識別コード(パレット表面の型)
23 識別コード(パレット裏面の型)
24 上の識別センサ
25 コンベヤのチェーン
26 第一の回転ユニット
27 第二の回転ユニット
28 第一のエアシリンダ
29 第一の進退部材
30 第一の回転シリンダ
31 第一の引っ掛け部
32 接続材
33 回転軸
34 第二のエアシリンダ
35 第二の進退部材
36 第二の回転シリンダ
37 第二の引っ掛け部
38 コンベヤ用軸受
39 ロータリジョイント
40 下側のガイド
41 曲がり材
42 水平材
43 緩衝材
44 下の識別センサ
P パレット
W 製品
T テール
H ヘッド
M 減速機付きモータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7