(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094580
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240703BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211211
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】500478112
【氏名又は名称】エン・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 拓央
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】対象者の対話の内容や仕方について適切な評価を実現し、ひいては対象者の対話スキルを適切に向上させること。
【解決手段】サーバ1は、所定案件についての対象者たる一般ユーザUIと対話相手Cとの対話の様子が映る動画を、対話動画として取得する。サーバ1は、対話動画を解析することで、当該対話の1以上の要素の数値化情報を含む情報を、評価支援情報として生成する。サーバ1は、対話動画及び評価支援情報を含む視覚化情報VJとして生成し、評価者端末3に提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定案件についての対象者と対話相手との対話の様子が映る動画を、当該所定案件の対話動画として取得する対話動画取得手段と、
前記所定案件の前記対話動画を解析することで、当該所定案件の前記対話の1以上の要素の数値化情報を含む情報を、対話内容解析情報として生成する解析手段と、
前記対話内容解析情報を少なくとも含む情報であって、前記所定案件の前記対話又は前記対象者に対する評価を行う場合に支援となる情報を、評価支援情報として生成する評価支援情報生成手段と、
前記所定案件についての前記対話動画及び前記対話内容解析情報に基づいて、所定の表示デバイスに表示されることで人が視認可能となる情報を視覚化情報として生成し、当該視覚化情報を、前記評価を行う評価者の端末に提供する視覚化手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記視覚化手段は、さらに、前記評価の対象となる複数の評価項目のうち、1以上の評価項目についての前記評価者による入力操作を受け付ける第1領域を含むGUI(Graphical User Interface)を、前記視覚化情報に含めて前記評価者の端末に提供する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記GUIは、さらに、前記対話動画を閲覧した前記評価者によるフィードバックの入力操作を受け付ける第2領域を含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定案件の前記対話内容解析情報に基づいて、前記複数の評価項目のうち1以上の評価項目について評価を実行する評価手段と、
前記GUIにより受け付けられた前記評価、及び、前記評価手段により評価された前記評価の夫々の内容を含む情報を、評価情報として生成する評価情報生成手段と、
複数の案件毎に、前記対話動画、前記評価支援情報、及び、支援情報を含む案件情報を生成する案件情報生成手段と、
をさらに備え、
前記視覚化手段は、
複数の案件のうち1以上の案件の夫々の前記案件情報の少なくとも一部に基づいて、前記可視化情報を生成し、
当該可視化情報を、前記対象者及び前記評価者を含む複数者のうち少なくとも一部の端末に提供する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数の評価項目は、前記対話についての、視覚、聴覚、及び会話内容の夫々の項目を含み、
前記GUIの前記第1領域は、前記所定案件の前記対話についての、前記視覚、前記聴覚、及び前記会話内容に対する評価を入力する領域である、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数の評価項目は、前記対話内の、会話量、疑問文、及び会話スピードの夫々の項目を含み、
前記所定案件の前記対話内容解析情報は、前記対象者及び前記対話相手の前記会話量、前記疑問文、及び前記会話スピードの夫々に関する情報を含む、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数の評価項目は、予め設定されたキーワードが前記対話に含まれるかという観点の項目を含み、
前記所定案件の前記対話内容解析情報は、前記対話における、前記対象者の前記キーワードを含む会話に関する情報を含む、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記視覚化手段は、
複数の案件のうち2以上の案件の前記評価情報を比較可能な位置に夫々配置した前記可視化情報を生成する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記視覚化手段は、
前記評価情報に含まれる前記複数の評価項目の夫々を所定の評価基準で可視化した情報を含む前記可視化情報を生成する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
所定案件についての対象者と対話相手との対話の様子が映る動画を、当該所定案件の対話動画として取得する対話動画取得ステップと、
前記所定案件の前記対話動画を解析することで、当該所定案件の前記対話の1以上の要素の数値化情報を含む情報を、対話内容解析情報として生成する解析ステップと、
前記対話内容解析情報を少なくとも含む情報であって、前記所定案件の前記対話又は前記対象者に対する評価を行う場合に支援となる情報を、評価支援情報として生成する評価支援情報生成ステップと、
前記所定案件についての前記対話動画及び前記対話内容解析情報に基づいて、所定の表示デバイスに表示されることで人が視認可能となる情報を視覚化情報として生成し、当該視覚化情報を、前記評価を行う評価者の端末に提供する視覚化ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
所定案件についての対象者と対話相手との対話の様子が映る動画を、当該所定案件の対話動画として取得する対話動画取得ステップと、
前記所定案件の前記対話動画を解析することで、当該所定案件の前記対話の1以上の要素の数値化情報を含む情報を、対話内容解析情報として生成する解析ステップと、
前記対話内容解析情報を少なくとも含む情報であって、前記所定案件の前記対話又は前記対象者に対する評価を行う場合に支援となる情報を、評価支援情報として生成する評価支援情報生成ステップと、
前記所定案件についての前記対話動画及び前記対話内容解析情報に基づいて、所定の表示デバイスに表示されることで人が視認可能となる情報を視覚化情報として生成し、当該視覚化情報を、前記評価を行う評価者の端末に提供する視覚化ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、対話(商談)を利用した営業活動は一般的に行われており、これを支援する技術も存在する(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を含め従来の技術では、営業のセールス等の所定案件が営業担当者(対象者)と顧客(対話相手)との対話(商談)により行われる場合に、適切な評価は困難であった。
即ち、従来の技術では、対象者の評価は、対話の内容や仕方についての考慮はなされておらず、営業成績による評価(例えば成約率、成約数)や、顧客からの評価(例えばアンケート)等に限られていた。
しかしながら、営業のセールス等の成功率を向上させるためには、対話スキル(商談スキル)も重要であり、そのためには、対象者の対話(商談)の内容や仕方について適切な評価が必要なところ、特許文献1に記載の技術を含め従来の技術では、適切な評価は困難であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、営業のセールス等の所定案件が対象者と対話相手との対話により行われる場合に、対象者の対話の内容や仕方について適切な評価を実現し、ひいては対象者の対話スキルを適切に向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
所定案件についての対象者と対話相手との対話の様子が映る動画を、当該所定案件の対話動画として取得する対話動画取得手段と、
前記所定案件の前記対話動画を解析することで、当該所定案件の前記対話の1以上の要素の数値化情報を含む情報を、対話内容解析情報として生成する解析手段と、
前記対話内容解析情報を少なくとも含む情報であって、前記所定案件の前記対話又は前記対象者に対する評価を行う場合に支援となる情報を、評価支援情報として生成する評価支援情報生成手段と、
前記所定案件についての前記対話動画及び前記対話内容解析情報に基づいて、所定の表示デバイスに表示されることで人が視認可能となる情報を視覚化情報として生成し、当該視覚化情報を、前記評価を行う評価者の端末に提供する視覚化手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応する方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、営業のセールス等の所定案件が対象者と対話相手との対話により行われる場合に、対象者の対話の内容や仕方について適切な評価を実現し、ひいては対象者の対話スキルを適切に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムにより実現可能な本サービスの概要を示すイメージ図である。
【
図2】
図1の本サービスを実現化させる情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図2の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図3のサーバの機能的構成例を示す機能ブロック図である。
【
図5】対話動画及び対話内容解析情報を含む評価支援情報についての視覚化情報の一例を示す図である。
【
図6】評価支援情報のひとつであるGUIについての視覚化情報の一例を示す図である。
【
図7】対話内容解析情報を含む評価支援情報についての視覚化情報の一例を示す図である。
【
図8】
図7の視覚化情報のうち優位性とネクストアクション表示領域の具体例を示す図である。
【
図9】対話内容解析情報を含む評価支援情報についての視覚化情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を適宜参照しつつ説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムにより実現可能なサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要を示すイメージ図である。
【0012】
本サービスは、顧客又は顧客候補たる対話相手Cに対して対話(商談)によるセールスを行う一般ユーザUIについて、当該対話相手Cとの対話の複数種類の要素を数値化して可視化することにより、当該対話又は一般ユーザUIの適切な評価を実現し、ひいては一般ユーザUIの商談スキルの向上を支援するサービスである。
【0013】
具体的には例えば、本サービスでは、セールスの所定案件に関する一般ユーザUIと対話相手Cの対話の様子は録画され、その結果得られる動画データ(以下、「対話動画」と呼ぶ)がサーバ1に提供される。
【0014】
サーバ1において、対話動画の内容は解析されて、対話の複数種類の要素が数値化された情報が得られる。このような情報を、以下、「対話内容解析情報」と呼ぶ。対話内容解析情報は、後述するように、対話又は一般ユーザUIを評価する評価者UHに対して、その評価を支援するものとして提示される。なお、対話又は一般ユーザUIの評価をするために支援となる情報を、以下、「評価支援情報」と呼ぶ。
対話内容解析情報は、評価支援情報の一例である。
【0015】
対話内容解析情報に数値化された状態で含まれる「対話の要素」としては、例えば、一般ユーザUIと対話相手Cとの夫々の会話量や、一般ユーザUIの対話相手Cに対する拡大質問や限定質問の回数が存在する。これらの具体例については、
図5を参照して後述する。
また例えば、一般ユーザUIと対話相手Cとの夫々の1秒当たりの話量文字数(対話スピード)や、対話全体に関するワードクラウドも、「対話の要素」の一例である。これらの具体例については
図7を参照して後述する。
また例えば、予め登録されたキーワードが対話に含まれているか否かも解析可能であるため、キーワードも「対話の要素」の一例である。ここでいう「キーワードが対話に含まれている」とは、1つのワード(単語)又はフレーズ(句、文言)が対話に含まれていることに限定されず、ワードやフレーズの複数の組合せが対話に含まれていることも含む意である。キーワードの具体例、例えば優位性キーワードやネクストアクションキーワード等については、
図7や
図8を参照して後述する。
【0016】
このようにして、評価者UHは、セールスの所定案件の対話動画を閲覧すると共に、対話の要素が数値化された対話内容解析情報を評価支援情報として利用することで、対話又は一般ユーザUIに対する適切な評価をすることができる。
例えば、評価者UHは、対話動画を閲覧して、その対話についての「視覚、聴覚、会話内容」に対する評価を、チェック項目を用いてすることができる。また、評価者UHや管理者UKは、対話の全体又は一部について、文章入力によるフィードバックをすることができる。フィードバックとしては、ポジティブな内容(高評価内容)と、ネガティブな内容(低評価内容)とが存在する。
このような評価をするためのチェック項目や、フィードバックを入力するための欄もまた、GUI(Graphical User Interface)として評価者UH等に提供されるため、評価支援情報の一例である。
このようなGUI画面の具体例については、
図6を参照して後述する。
【0017】
このようにして、セールスの所定案件の対話又は一般ユーザUIに対する評価は、評価者UH等により実行されるだけではなく、さらに本実施形態では、サーバ1又は本サービスの提供者によりも実行される。
評価者UH等のみならずサーバ1又は本サービスの提供者により実行された評価の結果を示す情報を、以下、「評価情報」と呼ぶ。
なお、評価情報には、評価の結果の他、対話内容解析情報も適宜含まれる。
評価情報の具体例については、
図9を参照して後述する。
【0018】
以上まとめると、k回目(kは1乃至nのうち任意の整数値)のセールスの所定案件について一般ユーザUIと対話相手Cとの対話がなされると、対話動画、評価支援情報、及び評価情報が生成され、これらを含む情報が対話案件情報TJkとしてサーバ1に保存される。
即ち、1乃至n回目の夫々の所定案件の履歴情報として、対話案件情報TJ1乃至TJnがサーバ1において記憶されて管理される。
【0019】
対話案件情報TJ1乃至TJnの夫々は、一般ユーザUI、評価者UH、及び管理者UKにより利用される場合には、サーバ1において視覚化情報VJに変換されて提供される。
視覚化情報VJとは、所定の表示デバイスに表示されることで人(
図1の例では、一般ユーザUI、評価者UH、及び管理者UK)が視認可能となる情報をいう。したがって、数字や文字(文章)から構成されるテキスト情報、例えば後述のフィードバックの内容も、視覚化情報VJの一例である。ただし、人(
図1の例では、一般ユーザUI、評価者UH、及び管理者UK)が視認するだけで、その意味内容を容易に理解することが可能な情報、例えば、タイムライン、各種グラフやチャートが、視覚化情報VJに含まれていると好適である。
視覚化情報VJの具体例については、
図5乃至
図9を参照して後述する。
【0020】
例えば、一般ユーザUIは、視覚化情報VJを、自身が管理する端末2(以下、「一般ユーザ端末2」と呼ぶ)に表示させて、次のような利用をすることができる。
即ち、一般ユーザUIは、k回目の所定案件について対話相手Cと対話をする際に、一般ユーザ端末2を用いて録画の指示をし、対話動画をサーバ1に格納させる。
その後、k回目の所定案件又は一般ユーザUIの評価についての評価支援情報及び評価情報を含む対話案件情報TJkが生成されると、一般ユーザUIは、当該対話案件情報TJkを視覚化情報VJとして一般ユーザ端末2に表示させることで、評価等を閲覧する。
また、一般ユーザUIは、p回目(pはk以外の1乃至nのうち任意の整数値)の対話案件情報TJp内の対話動画(蓄積された対話動画アーカイブ)と、k回目の対話案件情報TJk内の対話動画(自身の対話動画)とを視覚化情報VJとして一般ユーザ端末2に表示させる。これにより、一般ユーザUIは、蓄積された対話動画アーカイブと自身の対話動画とを比較して、改善点等を学ぶことができる。
【0021】
以上まとめると、一般ユーザUIが、一般ユーザ端末2を操作して本サービスを利用可能な機能としては、次のような機能が存在する。
一般ユーザUIが、自身の商談(所定案件の対話)を録画して、対話動画としてサーバ1に保存する機能が存在する。
サーバ1に保存された自身の対話動画を閲覧して共有する機能が存在する。
サーバ1に保存された他者の対話動画を検索して閲覧する機能が存在する。
サーバ1に保存された自身の対話動画についての後述の
図9の詳細評価(自身の評価情報)を閲覧する機能が存在する。
サーバ1に保存された自身の対話動画へのフィードバック(自身の評価情報の一部として評価者UH又は管理者UKからのフィードバック)に返信する機能が存在する。
【0022】
また例えば、評価者UHは、視覚化情報VJを、自身が管理する端末3(以下、「評価者端末3」と呼ぶ)に表示させて、次のような利用をすることができる。
即ち、評価者UHは、一般ユーザUIと対話相手Cとの対話によるk回目の所定案件についての対話動画を視覚化情報VJとして評価者端末3に表示させることで、当該対話動画を閲覧する。
そして、評価者UHは、k回目の所定案件についての評価支援情報を視覚化情報VJとして評価者端末3に表示させて、評価者端末3を操作して、チェック項目に対してチェックしたり、フィードバックの欄に文章を入力したりすることで、k回目の所定案件についての対話又は一般ユーザUIの評価を実行する。
また、評価者UHは、一般ユーザUIについての蓄積された対話動画や評価情報(対話動画アーカイブ)を用いて体系的なトレーニングを設計し、一般ユーザUIの技術育成を図ることもできる。
【0023】
以上まとめると、評価者UHが、評価者端末3を操作して本サービスを利用可能な機能としては、次のような機能が存在する。
サーバ1に保存された一般ユーザUIの対話動画を閲覧して共有する機能が存在する。
サーバ1に保存された(一般ユーザUIからみて)他者の対話動画を検索して閲覧する機能が存在する。
サーバ1に保存された一般ユーザUI及び他者の夫々についての後述の
図9の詳細評価(一般ユーザUI及び他者の夫々の評価情報)を閲覧する機能が存在する。
サーバ1に保存された一般ユーザの対話動画へのフィードバックや評価を登録する機能(評価支援情報の一部としてのフィードバックの入力欄やチェック項目への入力機能)が存在する。
自身が登録したフィードバックに対して一般ユーザUIから返信があった場合、再返信を行う機能が存在する。
【0024】
また例えば、管理者UKは、視覚化情報VJを、自身が管理する端末4(以下、「管理者端末4」と呼ぶ)に表示させて、次のような利用をすることができる。
即ち、管理者UKは、管理者端末4を操作して、一般ユーザUI及び評価者UHを含む自身の管理下に存在する者のアカウント権限管理を行う。
管理者UKは、管理者端末4を操作して、本サービスにおいて重要となる「キーワード」の登録や設定を行い、本サービスの運用における全体方針を設計したり運用したりする。なお、キーワードの具体例、例えば優位性キーワードやネクストアクションキーワード等については、
図7や
図8を参照して後述する。
【0025】
以上まとめると、管理者UKが、管理者端末4を操作して本サービスを利用可能な機能としては、次のような機能が存在する。
サーバ1に保存された一般ユーザUIの対話動画を閲覧して共有する機能が存在する。
サーバ1に保存された(一般ユーザUIからみて)他者の対話動画を検索して閲覧する機能が存在する。
サーバ1に保存された一般ユーザUI及び他者の夫々についての後述の
図9の詳細評価(一般ユーザUI及び他者の夫々の評価情報)を閲覧する機能が存在する。
サーバ1に保存された一般ユーザの対話動画へのフィードバックを登録する機能(評価支援情報の一部としてのフィードバックの入力欄への入力機能)が存在する。
自身が登録したフィードバックに対して一般ユーザUIから返信があった場合、再返信を行う機能が存在する。
アカウントの追加又は削除を行う機能が存在する。
各種キーワードの登録を行う機能が存在する。
【0026】
このように、
図1の本サービスによれば、営業のセールス等の所定案件が一般ユーザUIと対話相手Cとの対話(商談)により行われる場合に、一般ユーザUIの対話の内容や仕方についての客観的な情報である評価支援情報や評価情報が、容易に視認可能な視覚化情報VJの形態で評価者UHに提示される。
これにより、一般ユーザUIの対話(商談)の内容や仕方について適切な評価を実現し、ひいては一般ユーザUIの対話スキル(商談スキル)を適切に向上させることが可能になる。
【0027】
次に、
図1に示す本サービスを実現化させる情報処理システムの構成について説明する。
図2は、
図1の本サービスを実現化させる情報処理システム、即ち、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【0028】
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、一般ユーザ端末2と、評価者端末3と、管理者端末4とを含むように構成されている。
サーバ1、一般ユーザ端末2、評価者端末3、及び管理者端末4は、インターネット等の所定のネットワークを介して相互に接続されている。
【0029】
サーバ1は、
図1の本サービスの提供者(
図1に図示せず)により管理される情報処理装置である。サーバ1は、一般ユーザ端末2、評価者端末3、及び管理者端末4と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0030】
一般ユーザ端末2は、一般ユーザUIが操作する情報処理装置である。
評価者端末3は、評価者UHが操作する情報処理装置である。
管理者端末4は、管理者UKが操作する情報う処理装置である。
一般ユーザ端末2、評価者端末3、及び管理者端末4の夫々は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成され、インターネット等のネットワークを介してサーバ1から提供される視覚化情報VJを表示するとともに、当該視覚化情報VJのうちGUI画面(例えば後述の
図6のGUI画面)に入力された情報をネットワークを介してサーバ1に提供される。
【0031】
図3は、
図2の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0033】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0034】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0035】
入力部16は、各種ハードウェアボタン等で構成され、操作者の指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
【0036】
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(一般ユーザ端末2、評価者端末3、及び管理者端末4)との間で行う通信を制御する。
【0037】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0038】
なお、図示はしないが、
図2の情報処理システムのうち、一般ユーザ端末2、評価者端末3、及び管理者端末4も、
図2に示すハードウェア構成を有している。
【0039】
このような
図1の各情報処理装置との協働により、サーバ1において、各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者(図示せず)は、一般ユーザUI、評価者UH、及び管理者UKに対し、上述の本サービスを提供することができる。
【0040】
図4は、
図3のサーバの機能的構成例を示す機能ブロック図である。
【0041】
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、録画制御部51と、対話動画取得部52と、解析部53と、評価支援情報生成部54と、評価フィードバック受付部55と、評価部56と、評価情報生成部57と、案件情報生成部58と、視覚化部59と、キーワード登録部60とが機能する。
【0042】
録画制御部51は、セールスの所定案件についての一般ユーザUIと対話相手Cとの対話の様子を一般ユーザ端末2に対して録画させる制御を実行する。
これにより、所定案件についての一般ユーザUIと対話相手Cとの対話の様子が映る動画が、所定案件の対話動画として一般ユーザ端末2からサーバ1に送信されてくる。
対話動画取得部52は、所定案件の対話動画を取得する。
【0043】
解析部53は、所定案件の対話動画を解析することで、当該所定案件の対話の1以上の要素を数値化した情報を含む情報を、対話内容解析情報として生成する。対話内容解析情報の具体例については、
図5、
図7、及び
図8を参照して説明する。
【0044】
評価支援情報生成部54は、所定案件の対話内容解析情報を含む、当該所定案件の対話又は一般ユーザUIの評価の支援となる情報を、評価支援情報として生成する。
【0045】
例えば、評価支援情報生成部54は、評価者UH等による評価の入力操作を受け付けるためのGUIを、評価支援情報のひとつとして生成する。ここで、評価の入力操作は、特に限定されないが、本実施形態では、後述の
図6に示すように、対話についての「視覚、聴覚、会話内容」に対する評価を、チェック項目を用いて行う入力操作や、対話の全体又は一部についてのフィードバックとして文章を入力する操作等が存在する。
このような所定案件の対話内容解析情報やGUIを含む評価支援情報は、後述の視覚化部59により視覚化情報VJに変換されて、評価者端末3に提供される。
評価者UHは、評価者端末3のブラウザに表示される視覚化情報VJ(例えば後述の
図5乃至
図8の画面)を視認して、GUIを用いて所定案件の対話についてのフィードバックを含む評価を入力する操作をする。
なお、フィードバックを入力する操作については、管理者UKによって管理者端末4に対して適宜なされる場合もある。
評価フィードバック受付部55は、このような評価者UH(必要に応じて管理者UK)によって入力された、所定案件についてのフィードバックを含む評価を受け付ける。
【0046】
評価部56は、所定案件の対話内容解析情報に基づいて、当該所定案件の対話に対する評価を、自律的な判断で実行する。
【0047】
評価情報生成部57は、評価部56から出力された評価、及び、評価フィードバック受付部55により受け付けられた、評価者UH(必要に応じて管理者UK)によるフィードバックを含む評価に基づいて、評価情報を生成する。
【0048】
案件情報生成部58は、所定案件についての、対話動画、評価支援情報、及び評価情報を、当該所定案件の案件情報として
図3の記憶部18に記憶させる。
【0049】
このようにして、複数の案件の夫々についての案件情報が記憶部18に蓄積されていく。
【0050】
視覚化部59は、一般ユーザ端末2、評価者端末3、及び管理者端末4のうち所定端末が(以下「アクセス端末」と呼ぶ)アクセスしてくると、複数の案件の夫々の案件情報のうち、アクセス端末により要求された1以上の案件についての1以上の情報を抽出して、抽出した1以上の情報を視覚化情報VJに変換する。視覚化情報VJはアクセス端末に提示される。
【0051】
キーワード登録部60は、解析部53による解析対象となるキーワードであって、管理者UKによる管理者端末4への操作により指定されたキーワードを登録する。
即ち、解析部53は、所定案件の対話動画を解析するに際し、当該所定案件の対話の中に、キーワード登録部60により登録されたキーワードが存在するか否か、存在する場合には何回登場してきたのかを解析する。
このキーワードの登場回数等のキーワードについての解析部53の解析結果も、対話内容解析情報(評価支援情報)に含まれる。これらの詳細については、
図7及び
図8を参照して後述する。
【0052】
さらに以下、
図5乃至
図9を参照して、対話動画、評価支援情報、及び評価情報の視覚化情報VJの具体例について説明する。
【0053】
図5は、対話動画及び対話内容解析情報を含む評価支援情報についての視覚化情報の一例を示している。
図5の視覚化情報VJには、再生領域61、対話内容解析情報提示領域62、会話内検索領域63、及び、フィードバック提示領域64が含まれている。
【0054】
再生領域61は、セールスの所定案件についての一般ユーザUIと対話相手Cとの対話の様子が映る動画、即ち対話動画が再生される領域である。
【0055】
対話内容解析情報提示領域62には、対話内容を時間方向に可視化したタイムライン(以下、「対話タイムライン」と呼ぶ)として、フェーズタイムライン621、一般ユーザタイムライン622、対話相手タイムライン623、沈黙時間タイムライン624、及び自問自答タイムライン625が含まれている。
【0056】
フェーズタイムライン621は、所定案件の対話の内容が複数のフェーズに区分される場合において、当該複数のフェーズの夫々がどの時間帯にどの程度の割合で含まれるのかを示すタイムラインである。
即ち、解析部53(
図4)は、所定案件の対話動画を解析して、所定案件の対話の内容を複数のフェーズに区分して、当該複数のフェーズの夫々についての時間帯及び割合を算出して、それらを対話内容解析情報の一部に含める。
図5の例では、時間的な順番で、雑談(20%)、外部環境(20%)、説明(20%)、ニーズ確認(15%)、提案条件(7%)といった情報が対話内容解析情報の一部として生成される。視覚化部59は、当該情報に基づいて、フェーズタイムライン621を生成する。
【0057】
一般ユーザタイムライン622は、所定案件の対話における、一般ユーザUIの会話量(会話の長さと時間帯)を黒色で示すタイムラインである。
対話相手タイムライン623は、所定案件の対話における、対話相手Cの会話量(会話の長さと時間帯)を黒色で示すタイムラインである。
即ち、解析部53(
図4)は、所定案件の対話動画を解析して、所定案件の対話のうち、一般ユーザUIの会話量(会話の長さと時間帯)と、対話相手Cの会話量(会話の長さと時間帯)を算出して、それらを対話内容解析情報の一部に含める。
視覚化部59は、当該情報に基づいて、一般ユーザタイムライン622及び対話相手タイムライン623の夫々を生成し、
図5に示すように、一般ユーザUIと対話相手Cの会話量の比較を行えるように上下に並べて配置させる。
【0058】
ここで、一般ユーザタイムライン622及び対話相手タイムライン623の夫々において、マークOQは、拡大質問(オープンクエスチョン)がなされた箇所であることを示し、マークCQは、限定質問(クローズドクエスチョン)がなされた箇所であることを示している。
即ち、解析部53(
図4)は、所定案件の対話動画を解析して、所定案件の対話のうち、一般ユーザUI又は対話相手Cが拡大質問をした箇所と限定質問をした箇所とを検出し、その検出情報(検出箇所及び検出回数=拡大質問/限定質問の回数)を対話内容解析情報の一部に含める。
視覚化部59は、当該検出情報に基づいて、一般ユーザタイムライン622及び対話相手タイムライン623の夫々において、拡大質問がなされた箇所にはマークOQを付し、限定質問がなされた箇所にはマークCQを付す。
【0059】
沈黙時間タイムライン624は、所定案件の対話における、一般ユーザUI又は対話相手Cの沈黙時間(会話の長さと時間帯)を黒色で示すタイムラインである。
即ち、解析部53(
図4)は、所定案件の対話動画を解析して、所定案件の対話のうち、一般ユーザUI又は対話相手Cの沈黙時間(沈黙の長さと時間帯)を検出して、その検出情報を対話内容解析情報の一部に含める。
視覚化部59は、当該検出情報に基づいて、沈黙時間タイムライン624を生成する。
【0060】
自問自答タイムライン625は、所定案件の対話における、一般ユーザUI又は対話相手Cの(同一話者による)自問自答を黒色で示すタイムラインである。
即ち、解析部53(
図4)は、所定案件の対話動画を解析して、所定案件の対話のうち、一般ユーザUI又は対話相手Cの自問自答の長さと時間帯を検出して、その検出情報を対話内容解析情報の一部に含める。
視覚化部59は、当該検出情報に基づいて、自問自答タイムライン625を生成する。
【0061】
会話内検索領域63は、所定案件の対話の中で、所定のキーワード、特定語句、又は接続詞が登場する箇所を検索するための領域である。
フィードバック提示領域64は、所定案件の対話全体又は所定箇所に対してなされたフィードバックの内容を提示する領域である。フィードバックについては、
図6を参照して後述する。
【0062】
図6は、評価支援情報のひとつであるGUIについての視覚化情報の一例を示している。
図6の視覚化情報VJには、チェック項目領域71、及び、フィードバック領域72が含まれている。
【0063】
チェック項目領域71は、所定案件の対話に対する「視覚、聴覚、会話内容」に対する評価を行うための複数のチェック項目が表示され、当該複数のチェック項目のうち評価者UHが該当すると判断する項目をチェックする領域である。
フィードバック領域72は、所定案件の対話に対する「フィードバック」を評価者UH(必要に応じて管理者UK)がポジティブラベル72P又はネガティブラベル72Nと共にテキスト形式で入力する領域である。
なお、一般ユーザUIは、一般ユーザ端末2を操作して、フィードバック領域72における当該「フィードバック」に対して返信をすることもできる。
【0064】
図7は、対話内容解析情報を含む評価支援情報についての視覚化情報の一例を示している。
図7の視覚化情報VJは、評価者UHの評価対象(又は必要に応じて管理者UKの管理下)の複数の一般ユーザUIの夫々の対話内容解析情報をリスト表示したものである。
図7の視覚化情報VJには、疑問文検出結果表示領域81、会話スピード検出結果表示領域82、優位性とネクストアクション表示領域83、ワーククラウド表示領域84、会話内検索領域85、及び、フィードバック提示領域86が含まれている。
なお、会話内検索領域85及びフィードバック提示領域86については、
図5の会話内検索領域63及びフィードバック提示領域64と同様であるので、ここではその説明については省略する。
【0065】
疑問文検出結果表示領域81には、複数の一般ユーザUI(
図7の例では担当者A乃至C)又は複数の対話相手Cの夫々についての、対話内の拡大質問をした回数と限定質問をした回数とをリスト表示する領域である。
即ち、解析部53(
図4)は、複数の一般ユーザUI(
図7の例では担当者A乃至C)及び複数の対話相手Cの夫々についての対話動画を解析して、夫々の対話のうち、拡大質問をした箇所と限定質問をした箇所とを検出し、その検出情報(検出箇所及び検出回数=拡大質問/限定質問の回数)を夫々の対話内容解析情報の一部に含める。
視覚化部59は、複数の一般ユーザUI(
図7の例では担当者A乃至C)又は複数の対話相手Cの夫々についての当該検出情報に基づいて、疑問文検出結果表示領域81に
図7に示すようなリスト表示をする。
【0066】
会話スピード検出結果表示領域82には、複数の一般ユーザUI又は複数の対話相手C(
図7の例ではAさん乃至Dさん)の夫々についての、対話内の1秒当たりの話量文字数(会話のスピード)をリスト表示する領域である。
即ち、解析部53(
図4)は、複数の一般ユーザUI又は複数の対話相手C(
図7の例ではAさん乃至Dさん)の夫々についての対話動画を解析して、夫々の対話内の1秒当たりの話量文字数(会話のスピード)を検出し、その検出情報を夫々の対話内容解析情報の一部に含める。
視覚化部59は、複数の一般ユーザUI又は複数の対話相手C(
図7の例ではAさん乃至Dさん)の夫々についての当該検出情報に基づいて、会話スピード検出結果表示領域82に
図7に示すようなリスト表示をする。
【0067】
図8は、
図7の視覚化情報のうち優位性とネクストアクション表示領域の具体例を示している。
優位性とネクストアクション表示領域83には、
図8の例では、第1他者優位性フレーズ表示領域831と、第2他者優位性フレーズ表示領域832と、第1ネクストアクション表示領域833と、第2ネクストアクション表示領域834とが含まれている。
【0068】
ここで、前提として、管理者UKは、管理者端末4を操作して、1以上の第1他者優位性キーワード、1以上の第2他者優位性キーワード、1以上の第1ネクストアクションキーワード、及び、1以上の第2ネクストアクションキーワードを事前にサーバ1に登録しているものとする。
即ち、キーワード登録部60(
図4)は、1以上の第1他者優位性キーワード、1以上の第2他者優位性キーワード、1以上の第1ネクストアクションキーワード、及び、1以上の第2ネクストアクションキーワードを記憶部18(
図3)に登録する。
第1他者優位性キーワードとは、セールスの案件について、管理者UKが属する団体(法人等)が、他者(ライバル他社等)と比較して優位であることを示すワード(単語)又はフレーズ(句、文言)である。
第2他者優位性キーワードとは、管理者UKが属する団体(法人等)がセールスの案件について課題解決できることのイメージを示すワード(単語)又はフレーズ(句、文言)である。
第1ネクストアクションキーワードは、直近スケジュールを示すワード(単語)又はフレーズ(句、文言)である。
第2ネクストアクションキーワードは、次回アクションを示すワード(単語)又はフレーズ(句、文言)である。
【0069】
第1他者優位性フレーズ表示領域831には、タイムラインが含まれる。
タイムラインは、所定案件の対話において、一般ユーザUIの会話中に第1他者優位性キーワードを含む箇所(会話の長さと時間帯)を黒色で示すタイムラインである。
即ち、解析部53(
図4)は、所定案件の対話動画を解析して、所定案件の対話のうち、一般ユーザUIが第1他者キーワードを含む会話をしている箇所(会話の長さと時間帯)を検出して、その検出情報を対話内容解析情報の一部に含める。
視覚化部59は、当該検出情報に基づいて、タイムラインを生成する。
【0070】
第1他者優位性フレーズ表示領域831には、さらに、評価情報のひとつとして実施判定が含まれる。
実施判定は、所定案件の対話における適切なタイミング(適切なフェーズ等)で、第1他者優位性キーワードの組合せを含む会話が一般ユーザUIにより実施されたか否かの判定である。
即ち、評価部56(
図4)は、
図8の第1他者優位性フレーズ表示領域831のタイムラインの元となる検出情報に基づいて、一般ユーザUIが第1他者キーワードの組合せを含む会話を適切なタイミングで実施したか否かを判定する。即ち、商談(対話)の中で、第1他者優位性キーワードを対話相手Cに対して適切なタイミングでアピールできたか否かが判定される。
ここで、適切なタイミングとして、例えば対話の後半部の価値提示フェーズが採用されているものとする。この場合、
図8の第1他者優位性フレーズ表示領域831のタイムラインによれば、対話の後半部の価値提示フェーズにおいて黒色が示されているので、即ち、対話の後半部の価値提示フェーズにおいて一般ユーザUIが第1他者キーワードの組合せを含む会話を実施しているので、実施判定の結果は「〇」になる。
【0071】
第2他者優位性フレーズ表示領域832にも、タイムライン及び実施判定が含まれる。
第2他者優位性フレーズ表示領域832におけるタイムライン及び実施判定の説明は、第1他者優位性フレーズ表示領域831におけるタイムライン及び実施判定の説明に対して、第1他者優位性キーワードを第2他者優位性キーワードに置き換えたものと等価である。よって、ここではその説明は省略する。
ただし、適切なタイミングとして、例えば対話の後半部の価値提示フェーズが採用されているものとする場合、
図8の第2他者優位性フレーズ表示領域832のタイムラインによれば、対話の後半部の価値提示フェーズにおいて黒色が示されていないので、即ち、対話の後半部の価値提示フェーズにおいて一般ユーザUIが第1他者キーワードの組合せを含む会話を実施していないので、実施判定の結果は「×」になる。
【0072】
第1ネクストアクション表示領域833にも、タイムライン及び実施判定が含まれる。
第1ネクストアクション表示領域833におけるタイムライン及び実施判定の説明は、第1他者優位性フレーズ表示領域831におけるタイムライン及び実施判定の説明に対して、第1他者優位性キーワードを第1ネクストアクションキーワードに置き換えたものと等価である。よって、ここではその説明は省略する。
【0073】
第2ネクストアクション表示領域834にも、タイムライン及び実施判定が含まれる。
第2ネクストアクション表示領域834におけるタイムライン及び実施判定の説明は、第1他者優位性フレーズ表示領域831におけるタイムライン及び実施判定の説明に対して、第1他者優位性キーワードを第2ネクストアクションキーワードに置き換えたものと等価である。よって、ここではその説明は省略する。
【0074】
図9は、対話内容解析情報を含む評価支援情報についての視覚化情報の一例を示している。
図9の視覚化情報VJは、セールスの所定案件の対話又は一般ユーザUIに対する評価結果を示す評価情報91Sと、他案件の評価結果を示す評価情報91Aとを比較可能な状態で並べて配置したものである。
【0075】
図9の例では、視覚、聴覚、会話内容、会話量、疑問文、会話スピード、優位性確認、及びネクストアクション確認の6つの評価項目が設けられており、これら6つの評価項目の夫々について、所定の基準で評価された結果がレーダチャートといった可視化された状態で提示されている。
なお、レーダチャートはイメージであり、特にこれに限定されない。また、評価項目も、
図9の例の6つの項目に特に限定されず、任意の個数の任意の種類の項目の組合せでよい。
即ち、評価情報としては、任意の個数の任意の種類の評価項目が、何らかの基準で可視化された視覚化情報VJを含めば足りる。
【0076】
さらに、評価情報91Sには、評価情報91Aと比較して良かった点、及び改善すべき点等がテキスト情報でフィードバックされる。ここでいうフィードバックは、評価者UH又は管理者UKにより入力されたものでもよいし、サーバ1の評価部56(
図4)又は
図1の本サービスの提供者により入力されたものでもよい。
【0077】
また、
図9の例では、6つの評価項目のうち、視覚、聴覚、及び会話内容の評価は、評価者UHの入力(
図6のチェック項目領域71参照)に基づくものである。
一方、6つの評価項目のうち、会話量、疑問文、会話スピード、優位性確認、及びネクストアクション確認の評価は、解析部53から出力された対話内容解析情報を用いた評価部56(
図4)の処理結果に基づくものである。具体的には例えば、会話量及び疑問文の評価は、
図5の対話内容解析情報提示領域62の表示内容及び
図7の疑問文検出結果表示領域81に基づくものである。会話スピードの評価は、
図7の会話スピード検出結果表示領域82に基づくものである。優位性確認の評価は、
図8の第1他者優位性フレーズ表示領域831、及び第2他者優位性フレーズ表示領域832に基づくものである。ネクストアクション確認の評価は、
図8の第1ネクストアクション表示領域833、第2ネクストアクション表示領域834に基づくものである。
【0078】
ただし、各評価項目の評価の手法は、
図9の例に特に限定されず、任意の手法を採用することができる。
例えば、視覚、聴覚、会話内容のうち少なくとも一部の評価を、機械学習による評価結果を採用するようにしてもよい。
【0079】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0080】
例えば、対話動画は、上述の実施形態では、対話がWeb会議でなされたものとして一般ユーザ端末2で録画されたものとされたが、特にこれに限定されない。例えば、ビデオカメラを別途用意して、通常の会議室での対面による会話の様子をビデオカメラで撮影した動画を、対話動画として採用してもよい。
【0081】
また例えば、本サービスの形態は、上述の実施形態では、サーバ1により管理されるWebサイトにアクセスすることで提供される(視覚化情報VJは端末側のブラウザに表示される)ものとしたが、特にこれに限定されない。
例えば、一般ユーザ端末2、評価者端末3、及び管理者端末4にインストールされた各種アプリケーションソフトウェアを起動させることで、一般ユーザ端末2、評価者端末3、及び管理者端末4において本サービスを利用することができるようにしてもよい。
【0082】
また、本発明を適用可能とする本サービスによれば、上述した機能の他に、以下の機能を実装することができる。
例えば、一般ユーザUIの特性や評価を踏まえたグルーピングや比較する機能を実装してもよい。具体的には例えば、独自指標による対話又は一般ユーザUIの評価を踏まえたグルーピングがなされ、検索、比較、及び閲覧できる機能を実装してもよい。
例えば、対話内における指定したワードやフレーズの発言時点を検索できる機能を実装してもよい。
例えば、録画された対話動画、その音声、及び書き起こされたテキストデータを蓄積しアーカイブ上でアクセス可能な状態にする機能を実装してもよい。
また例えば、録画された対話動画、その音声、及び書き起こされたテキストデータに対して、指定したワードやフレーズに該当する対話記録を検索及び閲覧できる機能を実装してもよい。
【0083】
また、
図3に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0084】
また、
図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に
図4の例に限定されない。
【0085】
また、機能ブロックの存在場所も、
図4に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0086】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0087】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0088】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0089】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【0090】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図4のサーバ1)は、
所定案件についての対象者(例えば
図1の一般ユーザUI)と対話相手(例えば
図1の対話相手C)との対話の様子が映る動画を、当該所定案件の対話動画(例えば
図1参照)として取得する対話動画取得手段(例えば
図4の対話動画取得部52)と、
前記所定案件の前記対話動画を解析することで、当該所定案件の前記対話の1以上の要素の数値化情報を含む情報を、対話内容解析情報として生成する解析手段(例えば
図4の解析部53)と、
前記対話内容解析情報を少なくとも含む情報であって、前記所定案件の前記対話又は前記対象者に対する評価を行う場合に支援となる情報を、評価支援情報(例えば
図1参照)として生成する評価支援情報生成手段(例えば
図4の評価支援情報生成部54)と、
前記所定案件についての前記対話動画及び前記対話内容解析情報に基づいて、所定の表示デバイスに表示されることで人が視認可能となる情報を視覚化情報(例えば
図1、
図5、
図7、及び
図8の視覚化情報VJ)として生成し、当該視覚化情報を、前記評価を行う評価者(例えば
図1の評価者UH)の端末(例えば評価者端末3)に提供する視覚化手段(例えば
図4の視覚化部59)と、
を備える。
【0091】
このように、営業のセールス等の所定案件が対象者と対話相手との対話(商談等)により行われる場合に、対象者の対話の内容や仕方についての客観的な情報である評価支援情報が、容易に視認可能な視覚化情報の形態で評価者に提示される。
これにより、対象者の対話(商談)の内容や仕方について適切な評価を実現し、ひいては対象者の対話スキル(商談スキル等)を適切に向上させることが可能になる。
【0092】
前記視覚化手段は、さらに、前記評価の対象となる複数の評価項目のうち、1以上の評価項目(例えば、視覚、聴覚、会話内容)についての前記評価者による入力操作を受け付ける第1領域(例えば
図6のチェック項目領域71)を含むGUI(Graphical User Interface)(例えば
図6のGUI)を、前記視覚化情報に含めて前記評価者の端末に提供する、
ことができる。
【0093】
前記GUIは、さらに、前記対話動画を閲覧した前記評価者によるフィードバックの入力操作を受け付ける第2領域(例えば
図6のフィードバック領域72)を含む、
ことができる。
【0094】
前記所定案件の前記対話内容解析情報に基づいて、前記複数の評価項目のうち1以上の評価項目について評価を実行する評価手段(例えば
図4の評価部56)と、
前記GUIにより受け付けられた前記評価、及び、前記評価手段により評価された前記評価の夫々の内容を含む情報を、評価情報(例えば
図1参照)として生成する評価情報生成手段(例えば
図4の評価情報生成部57)と、
複数の案件毎に、前記対話動画、前記評価支援情報、及び、支援情報を含む案件情報(例えば
図1の対話案件情報TJ1乃至TJn)を生成する案件情報生成手段(例えば
図4の案件情報生成部58)と、
をさらに備え、
前記視覚化手段は、
複数の案件のうち1以上の案件の夫々の前記案件情報の少なくとも一部に基づいて、前記可視化情報を生成し、
当該可視化情報を、前記対象者及び前記評価者を含む複数者(例えば、
図1の一般ユーザUI、評価者UH、及び管理者UK)のうち少なくとも一部の端末(例えば、一般ユーザ端末2、評価者端末3、又は管理者端末4)に提供することができる。
【0095】
前記複数の評価項目は、前記対話についての、視覚、聴覚、及び会話内容の夫々の項目を含み(例えば
図9参照)、
前記GUIの前記第1領域は、前記所定案件の前記対話についての、前記視覚、前記聴覚、及び前記会話内容に対する評価を入力する領域(例えば
図6のチェック項目領域71)である、
ことができる。
【0096】
前記複数の評価項目は、前記対話内の、会話量、疑問文、及び会話スピードの夫々の項目を含み(例えば
図9参照)、
前記所定案件の前記対話内容解析情報は、前記対象者及び前記対話相手の前記会話量、前記疑問文、及び前記会話スピードの夫々に関する情報(例えば会話量については、
図5の一般ユーザタイムライン622及び対話相手タイムライン623の元となる情報、疑問文については例えば
図6のマークOQ及びCQの元となる情報、及び、会話スピードについては
図7の会話スピード検出結果表示領域82に表示される情報)を含む、
ことができる。
【0097】
前記複数の評価項目は、予め設定されたキーワード(例えば上述の第1及び第2他者優位性キーワード、並びに第1及び第2ネクストアクションキーワード)が前記対話に含まれるかという観点の項目を含み(例えば
図9参照)、
前記所定案件の前記対話内容解析情報は、前記対話における、前記対象者の前記キーワードを含む会話に関する情報(例えば
図8の優位性とネクストアクション表示領域83に示される情報)を含む、
ことができる。
【0098】
前記視覚化手段は、
複数の案件のうち2以上の案件の前記評価情報(例えば
図9の評価情報91S,91A)を比較可能な位置に夫々配置した前記可視化情報(例えば
図9参照)を生成する、
ことができる。
【0099】
前記視覚化手段は、
前記評価情報に含まれる前記複数の評価項目の夫々を所定の評価基準で可視化した情報(例えば
図9の評価情報91S,91Aの夫々の上方に表示されるレーダチャート)を含む前記可視化情報を生成する、
ことができる。
【符号の説明】
【0100】
1:サーバ、2:一般ユーザ端末、3:評価者端末、4:管理者端末、11:CPU、12:ROM、13:RAM、14:バス、15:入出力インターフェース、16:入力部、17:出力部、18:記憶部、19:通信部、20:ドライブ、31:リムーバブルメディア、51:録画制御部、52:対話動画取得部、53:解析部、54:評価支援情報生成部、55:評価フィードバック受付部、56:評価部、57:評価情報生成部、58:案件情報生成部、59:視覚化部、60:キーワード登録部、61:再生領域、62:対話内容解析情報提示領域、63:会話内検索領域、64:フィードバック提示領域、71:チェック項目領域、72:フィードバック領域、72P:ポジティブラベル、72N:ネガティブラベル、81:疑問文検出結果表示領域、82:会話スピード検出結果表示領域、83:優位性とネクストアクション表示領域、84:ワーククラウド表示領域、85:会話内検索領域、86:フィードバック提示領域、621:フェーズタイムライン、622:一般ユーザタイムライン、623:対話相手タイムライン、624:沈黙時間タイムライン、625:自問自答タイムライン、831:第1他者優位性フレーズ表示領域、832:第2他者優位性フレーズ表示領域、833:第1ネクストアクション表示領域、834:第2ネクストアクション表示領域、UI:一般ユーザ、UH:評価者、UK:管理者、C:対話相手、TJ1乃至TJn:案件情報、VJ:視覚化情報