(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094586
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】再生ビーズ発泡体の製造方法及び再生ビーズ発泡体
(51)【国際特許分類】
B29C 44/44 20060101AFI20240703BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B29C44/44
B29C44/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211223
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】501028194
【氏名又は名称】有限会社タキコウ縫製
(74)【代理人】
【識別番号】100099047
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】滝川 進
【テーマコード(参考)】
4F214
【Fターム(参考)】
4F214AA50
4F214AB02
4F214AC01
4F214AG20
4F214AJ08
4F214AR15
4F214UA21
4F214UB01
4F214UF01
(57)【要約】
【課題】回収したつぶれて変形してしまったビーズ発泡体を発泡スチロール成形体の材料とする以外にビーズ発泡体のままで再利用できるように再生した再生ビーズ発泡体の製造方法及び再生ビーズ発泡体を提供すること。
【解決手段】第1の重量の原料ビーズをドラム2内で加熱し、発泡するビーズ発泡体の集合物が所定の量に達したことを光電センサ19で検出して加熱を終了して例えば発泡率40%のビーズ発泡体を得るようにするビーズ発泡体の製造装置を用い、同様にドラム2に、第1の重量となる外圧によって変形したビーズ発泡体を含む回収したビーズ発泡体の集合物を投入し、加熱することで再発泡させ、光電センサ19で再発泡したビーズ発泡体の集合物が所定の量に達したことを検出して加熱を終了して発泡率40%の再生ビーズ発泡体を得るようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第1の重量の原料ビーズを加熱して発泡させるための加熱手段と、前記加熱手段によって発泡させられたビーズ発泡体を収容する容器と、前記ビーズ発泡体の集合物が前記容器内において所定の量に達したことを検出する検出手段と、を備え、前記検出手段からの検出信号に基づいて前記ビーズ発泡体への加熱処理を終了して所定の発泡率の前記ビーズ発泡体を得るようにしたビーズ発泡体の製造装置を使用し、
外圧によって変形した前記ビーズ発泡体を含む前記ビーズ発泡体の集合物を所定の第2の重量分を計量して前記容器内に投入し、前記検出手段によって前記ビーズ発泡体の集合物が所定の量に達したことを検出し、前記検出手段からの検出信号に基づいて前記ビーズ発泡体への加熱処理を終了して前記所定の第1の重量と前記所定の第2の重量の比に基づいた所定の発泡率の再生ビーズ発泡体を得るようにした再生ビーズ発泡体の製造方法。
【請求項2】
前記所定の第1の重量と前記所定の第2の重量は同じ重量であることを特徴とする請求項1に記載の再生ビーズ発泡体の製造方法。
【請求項3】
前記加熱手段による前記所定の重量の前記原料ビーズの加熱処理は前記容器内で行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の再生ビーズ発泡体の製造方法。
【請求項4】
前記検出手段は前記容器内で発泡して膨張する前記ビーズ発泡体の集合物の末端を検出することを特徴とする請求項3に記載の再生ビーズ発泡体の製造方法。
【請求項5】
変形した前記ビーズ発泡体の予定する発泡率は変形する前の前記ビーズ発泡体の発泡率と同等であるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の再生ビーズ発泡体の製造方法。
【請求項6】
前記ビーズ発泡体への加熱処理の終了は、前記容器内の所定の発泡率の前記ビーズ発泡体を前記容器から排出することである請求項1又は2に記載の再生ビーズ発泡体の製造方法。
【請求項7】
請求項1又は2の再生ビーズ発泡体の製造方法で製造された再生ビーズ発泡体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生ビーズ発泡体の製造方法及び再生ビーズ発泡体等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビーズ発泡体は発泡プラスチック製の球体である。発泡プラスチックとして例えばスチレンモノマー系樹脂あるいはポリスチレン系樹脂を主原料として重合された発泡スチロールが用いられている。ビーズ発泡体を更に原料として発泡スチロール成形体を製造する場合もあるが、近年では袋状に立体縫製された外皮内にビーズ発泡体を充填して使用するビーズクッションと呼ばれるクッション体の内容物として多く用いられるようになっている。クッション体の一例として特許文献1を示す。例えば特許文献1の
図3に示すように、クッション体1の外皮2内の内袋4内に発泡ポリスチレン製のビーズ発泡体としての多数の小粒のビーズ9が充填されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなビーズ9(ビーズ発泡体)が充填されたクッション体1では、人が座ったり寄りかかったりして経年使用し続けると押されたり押しつぶされたりして、
図3のように徐々に小さくしぼんだように変形してしまい、ビーズ発泡体は当初のきれいな球体ではなくなってしまう。このようにビーズ発泡体が変形してしまったクッション体はビーズ発泡体を補充することで使用を続けられるものの全体につぶれたビーズ発泡体が多くなれば最終的には廃棄しなければならなくなる。
このようなつぶれて変形してしまったビーズ発泡体を回収するサービスを行うビーズ発泡体の供給メーカーがある。このようなメーカーではビーズ発泡体を回収して燃料にしたり再生発泡スチロール成形体の材料として利用する。
しかし、回収したつぶれて変形してしまったビーズ発泡体を発泡スチロール成形体の材料とする以外にビーズ発泡体のままで再利用することが模索されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための第1の手段として、所定の第1の重量の原料ビーズを加熱して発泡させるための加熱手段と、前記加熱手段によって発泡させられたビーズ発泡体を収容する容器と、前記ビーズ発泡体の集合物が前記容器内において所定の量に達したことを検出する検出手段と、を備え、前記検出手段からの検出信号に基づいて前記ビーズ発泡体への加熱処理を終了して所定の発泡率の前記ビーズ発泡体を得るようにしたビーズ発泡体の製造装置を使用し、外圧によって変形した前記ビーズ発泡体を含む前記ビーズ発泡体の集合物を所定の第2の重量分を計量して前記容器内に投入し、前記検出手段によって前記ビーズ発泡体の集合物が所定の量に達したことを検出し、前記検出手段からの検出信号に基づいて前記ビーズ発泡体への加熱処理を終了して前記所定の第1の重量と前記所定の第2の重量の比に基づいた所定の発泡率の再生ビーズ発泡体を得るようにした。
このような方法によって、変形したビーズ発泡体を再度球形に膨らんだ発泡率がわかる再生ビーズ発泡体として得ることができる。
発明者は変形してしまったビーズ発泡体であっても原料ビーズを加熱する際の手順に準じることで、使用前のビーズ発泡体と同等の再生ビーズ発泡体を得ることができることを確認した。しかし、再生ビーズ発泡体の発泡率をどのように設定するか不明であったが、このように重量とその重量について対応する発泡率を基準として発泡率の明確な再生ビーズ発泡体を得ることができる。
【0006】
本発明でのビーズ発泡体はビーズ法で製造される。ビーズ法で用いられる「原料ビーズ」は、例えばスチレンモノマー系樹脂あるいはポリスチレン系樹脂を主原料として重合された発泡性の粒子に少なくとも発泡剤を含浸させることで調整されることがよい。
原料ビーズの大きさは例えば0.05~2mm程度がよい。発泡後の未使用のビーズ発泡体は発泡率は同じであっても原料ビーズの大きさの違いで発泡後の大きさも区々である。一方、外圧によって変形したビーズ発泡体はつぶれてしまっているため、当初の発泡率ではない部分を有することとなる。
「外圧によって変形した前記ビーズ発泡体を含む前記ビーズ発泡体の集合物」は、一部に変形をしていないビーズ発泡体を含んでいてもよい意である。もちろん、すべてが外圧によって変形していてもよい。
所定の第1の重量と所定の第2の重量は同じでもよく、異なっていてもよい。異なっている場合では、例えばAkgで原料ビーズが50倍の発泡率となるビーズ発泡体の製造装置であったとして、Akgの半分の重量であれば他の条件にもよるものの、概ね50倍×2=100倍の発泡率の再生ビーズ発泡体を得ることができる。
「加熱手段」は、例えばスチームによる加熱がよいが、ビーズ発泡体の素材に応じて他の最適な加熱方法を選択することが可能である。直接的な熱を与えてもよく、マイクロ波のような電磁波による加熱であってもよい。
「検出手段」はビーズ発泡体の全体的な容量を検出できればよく、例えば光電センサ、近接スイッチ、リミットスイッチ等がよい。光電センサが熱に影響されにくいため特によい。
「所定の量」とは加熱によってビーズ発泡体の集合物、つまりある密閉空間に収容されたビーズ発泡体の全体が容積を拡大して全体が大きくなっていくときの、その拡大する量をいう。
【0007】
また、第2の手段として、前記所定の第1の重量と前記所定の第2の重量は同じ重量であるようにした。
これによって、その製造装置で製造する未使用のビーズ発泡体の発泡率と同じ発泡率の再生ビーズ発泡体を得ることができる。
また、第3の手段として、前記加熱手段による前記所定の重量の前記原料ビーズの加熱処理は前記容器内で行われるようにした。
原料ビーズの加熱処理が同じ容器内で行われることで、迅速な発泡処理と正確な発泡率の原料ビーズを得ることができるからである。
また、第4の手段として、前記検出手段は前記容器内で発泡して膨張する前記ビーズ発泡体の集合物の末端を検出するようにした。
このように検出することで、検出手段は安定して同じ発泡率のビーズ発泡体の集合物を検出することができる。
また、第5の手段として、変形した前記ビーズ発泡体の予定する発泡率は変形する前の前記ビーズ発泡体の発泡率と同等であるようにした。
これによって、その製造装置で製造する未使用のビーズ発泡体の発泡率と同等の発泡率の再生ビーズ発泡体を得ることができる。同等の発泡率とするために上記のように所定の第1の重量と所定の第2の重量を同じ重量とすることがよい。同じ重量とは同等の発泡率を目標とした重量である。同等の発泡率とは同じ又は同じとみなせる発泡率を意味する。
また、第6の手段として、前記ビーズ発泡体への加熱処理の終了は、前記容器内の所定の発泡率の前記ビーズ発泡体を前記容器から排出するようにした。
これによって、ビーズ発泡体は加熱完了後に容器から排出されることとなり、速やかに温度を下げることとなって正確に予定された発泡率のビーズ発泡体を得ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、このような方法によって、変形したビーズ発泡体を再度球形に膨らんだ発泡率がわかる再生ビーズ発泡体として得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態において使用するビーズ発泡体の製造装置を模式的に説明するイメージ図。
【
図2】同じビーズ発泡体の製造装置の計量装置内の構成を説明するイメージ図。
【
図3】ビーズ発泡体の変形前と変形後のイメージ図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態の再生ビーズ発泡体の製造方法及び再生ビーズ発泡体について図面に基づいて説明する。
まず、
図1に基づいて本実施の形態のビーズ発泡体の製造装置1(以下、製造装置1)の概要について説明する。本発明と直接関係のない構成については省略する。
図1に示すように、製造装置1は容器としてのドラム2を備えている。ドラム2上部側方位置には上流から供給される発泡原料を一定量ずつドラム2内に導入するための計量装置3が設置されている。計量装置3内には複数のホッパとホッパ間に配置されたセンサ等が配設されており、設定された所定の重量の発泡原料が所定のタイミングでドラム2内に供給される構成となっている。計量装置3は、具体的には例えば
図2のように構成される。計量装置3は上方から順に第1ホッパ4A~第4ホッパ4Dを備えている。第1ホッパ4Aと第2ホッパ4Bの間にはリミットスイッチ5が配設されている第2ホッパ4Bと第3ホッパ4Cの間にはロードセル6が配設されている。第3ホッパ4Cの下端にはロータリーアクチュエーター7が配設されている。第4ホッパ4Dの内部には発泡原料を下方に放出させるためのシリンダ装置8が配設されている。第2ホッパ4Bには第3ホッパ4Cに発泡原料を流下させる複数のノズル9が形成されており、各ノズル9にはロードセル6の検出値に基づいて通路が開閉されるシャッタ装置10が併設されている。
計量装置3に導入された発泡原料がドラム2に至るまでの挙動について説明する。
第1ホッパ4Aから導入された発泡原料は第2ホッパ4B内に供給される。リミットスイッチ5によって発泡原料が検出されることで供給が停止し、その検出がなくなると検出信号に基づいて供給が再開される。つまり、常時発泡原料が第2ホッパ4B内に一定量蓄積されるように制御されている。第2ホッパ4Bから第3ホッパ4Cに発泡原料が供給されると、ロードセル6によって所定の重量が計量され、第3ホッパ4C内に所定の重量の発泡原料が貯留される。本実施の形態の所定の重量はこの製造装置1において40%の発泡率を目標とした重量Pkgに設定されている。第4ホッパ4Dからドラム2内に前回の所定の重量の発泡原料が供給されることで、ロータリーアクチュエーター7が起動して第3ホッパ4C内の所定の重量が発泡原料が空になった第4ホッパ4D内に供給されて待機状態となる。第3ホッパ4Cへは改めて所定の重量が計量され所定の重量の発泡原料が貯留される。尚、上記において所定の重量Pkgはロードセル6の検出値に対するシャッタ装置10の駆動タイミングを作業者が図示しない制御盤を調整することで任意の重量に変更することができる。
【0011】
計量装置3上部には切り替えバルブ11が配設されており、計量装置3内への発泡原料の切り替えを行う。切り替えバルブ11にはそれぞれ発泡原料としての原料ビーズの供給用のパイプライン12と、発泡原料としての使用済みの回収ビーズ発泡体の供給用のパイプライン13が接続されている。パイプライン12、13にはそれぞれ発泡原料を送出するための供給ブロア14が接続されている。
ドラム2内には撹拌用のプロペラ15が配設されている。プロペラ15の回動軸16はドラム2の上部中央位置において発泡原料撹拌用のモーター17に接続されている。ドラム2の上部寄り側方にはスチーム用ダクト18が接続されている。スチーム用ダクト18は図示しないスチーム装置から供給されるスチームの供給口となり、またドラム2内に供給されたスチームの排気口となる。スチーム用ダクト18の下側であってドラム2の壁面には検出手段としての反射型の光電センサ19が配設されている。光電センサ19はドラム2内におけるビーズ発泡体の上端位置を検出する。
ドラム2の下部寄り側方には発泡が完了したビーズ発泡体を排出する排出ダクト20が形成されている。排出ダクト20のドラム2寄りの開口部20a位置にはシリンダ装置21のピストン21a先端に形成された扉22が配設され、ピストン21aの進退によって開口部20aが開閉される。
排出ダクト20の下方位置にはビーズ発泡体を受け止めるビーズ収容ケース23が配置されている。ビーズ収容ケース23の底部寄りにはパイプライン24が接続されており、パイプライン24に隣接配置された排出ブロア25によってビーズ発泡体は図示しない下流のサイロ内に収容される。ドラム2の底部にはドレーン26が形成されている。ドレーン26には図示しない排出パイプが接続される。
【0012】
このような製造装置1は例えば図示しないコントローラによるシーケンス制御によって動作させられる。具体的な制御の一例について説明する。
(1)前回のビーズ発泡体が扉22が開放されて排出ダクト20から排出されると、扉22が開放された状態でスチーム用ダクト18からドラム2内の排気がされ、ドラム2内の温度が一旦基準以下の温度に下がる。そして、扉22が再度閉じられて、計量装置3から所定の重量Pkgの発泡原料がドラム2内に投入される。
(2)スチーム用ダクト18から密閉状態のドラム2内に加熱用のスチームが導入され、モーター17が駆動されてプロペラ15によって内部が撹拌される。つまり、発泡原料は撹拌されながら加熱されることとなる。
(3)加熱に従って発泡原料が発泡していくと徐々に全体の容積が増加し、光電センサ19が発泡原料由来のビーズ発泡体の上端を検出することとなる。この段階が予定された発泡率(ここでは40%)である。検出と同時にビーズ発泡体が扉22が開放されて排出ダクト20から排出され(1)~(3)が繰り返される。ビーズ収容ケース23に排出されたビーズ発泡体はパイプライン24を介して図示しないサイロに格納される。
【0013】
次に、発泡原料として原料ビーズを用いる場合と使用済みの回収ビーズ発泡体を用いる場合の対応について説明する。
原料ビーズを用いる場合と使用済みの回収ビーズ発泡体を用いる場合について、いずれか処理量の多い方を主発泡原料として、処理量の少ない方をサブ発泡原料とする。ここでは原料ビーズを用いる場合を一例として主発泡原料とする。使用済みの回収ビーズ発泡体はもともと未使用の状態で発泡率を40%に設定したものである。例えば、同じ製造装置1で同じ条件で製造したビーズ発泡体が経年使用されて一部あるいはほぼ全部が
図3のように変形したビーズ発泡体である。
作業者は主発泡原料をメインに上記の制御工程に従ってサブ発泡原料から再生ビーズ発泡体を製造する。そして、サブ発泡原料に切り替える際には図示しない制御盤を操作して、一旦製造装置1の上記処理を停止させ、改めて切り替えバルブ11のポートをパイプライン12からパイプライン13に切り替える操作をし、計量装置3へサブ発泡原料を導入するようにする。このとき、計量装置3で計量されるサブ発泡原料の所定の重量は重量Pkgで主発泡原料と変わっていないため、再発泡されたサブ発泡原料(再生ビーズ発泡体)は再発泡して光電センサ19に検出されても発泡率は主発泡原料と同じ40%に制御されることとなる。
【0014】
このように構成される再生ビーズ発泡体の製造方法では次のような効果が奏される。
(1)原料ビーズと使用済みの回収ビーズ発泡体は大きさがまったく異なり、かつ使用済みの回収ビーズ発泡体は形状も多くは球体が変形した形状となっている。しかし、上記のような重量ベースでかつ、光電センサ19によって一定の位置まで膨張したビーズ発泡体の集合体を検出することで再生ビーズ発泡体を得るようにしているため、原料ビーズを用いた未使用のビーズ発泡体と同じ発泡率を達成することができる。
(2)未使用のビーズ発泡体を製造する製造装置1と同じ製造装置1を使用することができるため、使用済みの回収ビーズ発泡体を再生させるための別の装置を用意しなくともよくなる。
(3)切り替えバルブ11のポートをパイプライン12からパイプライン13に切り替えるだけで、主発泡原料からサブ発泡原料へと変更することができ(その逆もでき)、簡単に原料の異なる同じ発泡率のビーズ発泡体を得ることができる。
(4)主発泡原料に対してサブ発泡原料の重量を変更すれば簡単に発泡率の異なる任意の2種類のビーズ発泡体を得ることができる。
【0015】
上記実施の形態は本発明の原理およびその概念を例示するための具体的な実施の形態として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば次のように変更した態様で具体化することも可能である。
・上記実施の形態の製造装置1の構成は一例である。そのため、他の形状の製造装置を用いるようにしてもよい。例えば、加熱手段もスチームに限定されるものではない。検出手段も光電センサ19に限定されるものではない。
・上記実施の形態では、主発泡原料とサブ発泡原料の切り替えを切り替えバルブ11のポートの切り替えで行っていたが、そのような切り替えバルブ11を設けずとも計量装置3への原料パイプラインを作業者がそのたびに付け替えるようにしてもよい。また、切り替える場合であっても切り替えバルブ11を設けずに計量装置3に至る原料パイプラインの切り替えを手動で行うようにしてもよい。
・上記実施の形態では主発泡原料とサブ発泡原料の重量を同じにして同じ発泡率としたが、重量を変えることで積極的に異なる発泡率とするようにしてもよい。
本発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または特許出願への変更等において権利取得する意思を有する。
【符号の説明】
【0016】
1…ビーズ発泡体の製造装置、2…容器としてのドラム、19…検出手段としての光電センサ。