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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094588
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】車載器
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20240101AFI20240703BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20240703BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20240703BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20240703BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
G02F1/1333
H05K9/00 Q
B60R16/02 640K
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211225
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】荒▲瀬▼ 和基
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼森 徹示
(72)【発明者】
【氏名】澤村 慧
【テーマコード(参考)】
2H189
3D344
5E321
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA54
2H189AA55
2H189AA62
2H189AA63
2H189AA64
2H189AA70
2H189AA90
2H189HA16
2H189MA08
3D344AA03
3D344AA12
3D344AA19
3D344AA27
3D344AD01
3D344AD13
5E321AA01
5E321CC22
5E321GG01
5E321GG05
(57)【要約】
【課題】液晶表示部の設置面積の拡大を図ることができる車載器を提供する。
【解決手段】車載器は、前面側に表示ユニット50を備えている。表示ユニット50は、情報表示を行う液晶部51a及び液晶部51aを制御する電子回路部51bを有する液晶表示部51と、液晶表示部51のうち電子回路部51bからのノイズを遮断するシールド部材52と、液晶表示部51の後面側に設けられて液晶表示部51が設置されるホルダ54と、液晶表示部51の前面側に設けられた光透過性のカバー55とを有している。シールド部材52は、電子回路部51bの前面側を覆う前面覆い部52aと、前面覆い部52aからホルダ54の設置領域内においてホルダ54の裏面側に回り込んでグランドパターンに接触する接触片52dと、ホルダ54に対して係止される係止部52eとを有し、これらが1枚の金属板によって構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に表示ユニットを備えた車載器であって、
前記表示ユニットは、情報表示を行う液晶部及び前記液晶部を制御する電子回路部を有する液晶表示部と、前記液晶表示部のうち前記電子回路部からのノイズを遮断するシールド部材と、前記液晶表示部の後面側に設けられて前記液晶表示部が設置されるホルダと、前記液晶表示部の前面側に設けられた光透過性のカバーと、を有し、
前記シールド部材は、前記電子回路部の前面側を覆う前面覆い部と、前記前面覆い部から前記ホルダの設置領域内において前記ホルダの裏面側に回り込んでアース側の他部材に接触する接触片と、前記ホルダに対して係止される係止部とを有し、これらが1枚の金属板によって構成されている
ことを特徴とする車載器。
【請求項2】
前記電子回路部は、矩形状の前記液晶表示部の一側に沿って形成され、
前記シールド部材は、前記一側を覆う一側覆い部を有し、
前記接触片は、前記一側覆い部から延びて前記ホルダの裏面側に回り込んでおり、
前記係止部は、前記前面覆い部から後方に片持ち状に延びると共に係止孔を有し、
前記ホルダは、前記前面側且つ前記一側に傾斜する係止片を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の車載器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タクシーメータ、運行記録計、及びドライブレコーダ等の車載器が知られている(例えば特許文献1参照)。このような車載器は、前面側に液晶表示部を含む表示ユニットを備えており、表示ユニットを通じて各種情報を乗員に提供可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-197776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図7は、比較例に係る表示ユニットの分解斜視図である。図7に示すように、比較例に係る表示ユニット100において、液晶表示部101は、液晶部101aと、液晶部101aを制御する電子回路部101bとを有する。電子回路部101bは、ノイズを放射してしまう。このため、電子回路部101bには車載器外の他の機器にノイズによる影響を与えないよう、金属板により構成されたシールド部材102が設けられる。シールド部材102は、電子回路部101bの前面側及び上方等を覆う覆い部102aと、ノイズ成分をアースするためにアース側の他部材に接触する幅方向に突出した接触片102bとを備えている。また、液晶表示部101は、後面側が例えば両面テープ103を介してホルダ104に取り付けられている。ここで、上記接触片102bは、組付状態においてホルダ104の幅方向外側にはみ出した状態となっている。さらに、車載器は、透明カバー105を備えている。透明カバー105は、液晶表示部101の前面側と四側方とを覆う構成となっている。上記のシールド部材102は、液晶表示部101(電子回路部101b)と透明カバー105とによって挟み込まれることで電子回路部101bの前面側と上方とを覆う位置で保持される。
【0005】
ここで、このような構成の表示ユニット100は、シールド部材102の接触片102bがホルダ104外に突出してしまい、幅方向に車載器の前面のスペースを奪ってしまう。このため、液晶表示部101(液晶部101a)の設置面積が小さくなってしまう。さらに、透明カバー105が液晶表示部101の四側方を覆う。このため、透明カバー105は、液晶表示部101の上方(更には下方)にも位置することとなり、透明カバー105の厚み分だけ上下方向においても車載器の前面のスペースを奪ってしまい、液晶表示部101の設置面積が小さくなってしまう。
【0006】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、液晶表示部の設置面積の拡大を図ることができる車載器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車載器は、前面側に表示ユニットを備えた車載器であって、前記表示ユニットは、情報表示を行う液晶部及び前記液晶部を制御する電子回路部を有する液晶表示部と、前記液晶表示部のうち前記電子回路部からのノイズを遮断するシールド部材と、前記液晶表示部の後面側に設けられて前記液晶表示部が設置されるホルダと、前記液晶表示部の前面側に設けられた光透過性のカバーと、を有し、前記シールド部材は、前記電子回路部の前面側を覆う前面覆い部と、前記前面覆い部から前記ホルダの設置領域内において前記ホルダの裏面側に回り込んでアース側の他部材に接触する接触片と、前記ホルダに対して係止される係止部とを有し、これらが1枚の金属板によって構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、液晶表示部の設置面積の拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る車載器を示す前方斜視図である。
図2図1に示した表ケースユニットの斜視図である。
図3図2に示した表示ユニットの分解斜視図である。
図4図2に示した表示ユニットの後方斜視図である。
図5図2に示した表示ユニットの一部拡大図である。
図6図3に示したホルダの一部拡大図である。
図7】比較例に係る表示ユニットの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0011】
図1は、本実施形態に係る車載器を示す前方斜視図である。図1に示す車載器1は、例えば車両のセンターコンソールに形成された凹部に嵌め込まれて車両搭載されるものであって、本実施形態においてはデジタルタコグラフの機能部とドライブレコーダの機能部とを有した機器として構成されたものである。前者機能部は、車両走行時等における運行記録を行う機能部であり、車両に設置された各種センサからの信号に基づいて車速、加減速度、及びエンジン回転数等の情報を記録するものである。後者機能部は、映像記録を行う機能部であって、少なくとも急加減速や事故の衝撃に相当する加速度があった前後の映像解析に利用されるものである。なお、後者機能部は、常時映像記録するものが好ましいが、急加減速前後等のみの映像を記録するものであってもよい。また、車載器1は、デジタルタコグラフの機能部とドライブレコーダの機能部とを備えるものに限らず、いずれか一方のみの機能部を備えるものであってもよい。また、車載器1は、上記機能部に限らず、タクシーメータの機能部や、有料道路等の自動料金収受機能部等、他の機能部のみを備えるもの等であってもよい。
【0012】
このような車載器1は、内部に上記機能部の制御基板(不図示)を収納した筐体Hを備えている。筐体Hは、上ケース10、下ケース20、及び表ケース30を有している。上ケース10は、筐体Hの上側を構成する部品であって、例えばアルミニウム等の放熱性に優れる部材によって構成されている。下ケース20は、上ケース10の下側に組み付けられる部品であって、筐体Hの下側を構成する。表ケース30は、筐体Hの表側(前側)に設けられるものである。表ケース30には、他の構成が組み付けられて表ケースユニットYとされている。
【0013】
図2は、図1に示した表ケースユニットYの斜視図である。図2に示すように、表ケースユニットYは、表ケース30に加えて、複数(6つ)の押し釦40、表示ユニット50、及び表示基板60を備えている。
【0014】
複数の押し釦40は、図2に示すように、表ケース30の前面部31のうち、幅方向一方(向かって右側)の下部に設けられている。複数の押し釦40は、互いに間隔を有して幅方向に並んで配置されている。間隔は、少なくとも各押し釦40の最大幅よりも大きいものとされている。
【0015】
表示ユニット50は、表示基板60によって表示制御されるものであって、運転者等に情報提供するものである。この表示ユニット50は、図2に示すように、表ケース30の後側に設けられている。なお、表ケース30の前面部31は、少なくとも右側が表示ユニット50の表示光を透過可能な部材とされている。
【0016】
図3は、図2に示した表示ユニット50の分解斜視図であり、図4は、図2に示した表示ユニット50の後方斜視図である。なお、図4においては、表示基板60についても図示している。
【0017】
図3に示すように、表示ユニット50は、液晶表示部51と、シールド部材52と、両面テープ53と、ホルダ54と、カバー55とを備えている。液晶表示部51は、情報表示を行う液晶部51aと、液晶部51aを制御する電子回路部51bとを有する。電子回路部51bは、矩形状の液晶表示部51の上部(一側)に設けられている。さらに、液晶表示部51は、図4に示すように、上部中央から後方(表示基板60側)に延びるフレキシブルフラットケーブルWを備えている。フレキシブルフラットケーブルWは表示基板60に取り付けられる。
【0018】
シールド部材52は、電子回路部51bから放射されるノイズを遮断するためのものであって、1枚の金属板が折り曲げ加工等されることで形成されている。ホルダ54は、液晶表示部51の取付部となるものであって、液晶表示部51の後面側に設けられている。液晶表示部51とホルダ54とは両面テープ53を介して固定される。カバー55は、液晶表示部51及びシールド部材52の前面側に設けられる光透過性の部材である。カバー55は、幅方向の両端に係止孔55aを有した側壁55bを備えている。ホルダ54は、幅方向の両端部に第1係止片54aを備えている。作業者は、液晶表示部51等を搭載したホルダ54に対して前方からカバー55を取り付けることで、第1係止片54aと係止孔55aとを嵌合させることができる。なお、カバー55は、図3に示すように下壁55cを有するが、図4に示すように上壁を有しない構成となっている。
【0019】
さらに、本実施形態に係る表示ユニット50において、シールド部材52は、前面覆い部52aと、一側覆い部52bと、電線覆い部52cと、接触片52dと、係止部52eとを備えている。
【0020】
前面覆い部52aは、電子回路部51bの前面を覆う板部材である。一側覆い部52bは、電子回路部51bが液晶表示部51の一側(上部)に形成されることに対応して、液晶表示部51の一側(上部)を覆う板材である。一側覆い部52bは、前面覆い部52aの上端部から後方に向かって延びている。電線覆い部52cは、液晶表示部51のフレキシブルフラットケーブルWを覆う板材であって、フレキシブルフラットケーブルWの位置に対応して、前面覆い部52aの上端中央から後方に向かって延びている。なお、本実施形態において一側覆い部52bと電線覆い部52cとの間に隙間を有しているが、特にこれに限らず、両者は一体であってもよい。
【0021】
接触片52dは、ノイズ成分をアースするためにアース側の他部材に接触するものである。図4に示すホルダ54は、後面において後方に突出する円柱状のボス部54cと、後面に形成されたネジ孔部54dとを備えている。第1接触片52d1は、ボス部54cと合致するように下方が開放された略U字形状とされている。第2接触片52d2は、ネジ孔部54dに対応する円形の貫通孔が形成されている。ボス部54cは、表示基板60に形成された円形開口61に嵌り込む。ネジ孔部54dは、表示基板60に形成された円形開口62を介してネジ締めされる。さらに、図2に示すように、表示基板60の前面側において円形開口61,62の周囲にはグランドパターンGP(アース側の他部材の一例)が形成されている。このため、接触片52dは、表示基板60上のグランドパターンGPに接触して、各覆い部52a~52cにて遮断したノイズ成分をアースするようになっている。
【0022】
加えて、本実施形態において接触片52dは、図3及び図4に示すように、前面覆い部52aから一側覆い部52bを介してホルダ54の裏面側(ホルダ54の設置領域内において裏面側)に回り込むように形成されている。このため、接触片52dは、ホルダ54の幅方向(外側)に突出することがない構成となってる。
【0023】
図5は、図2に示した表示ユニット50の一部拡大図であり、図6は、図3に示したホルダ54の一部拡大図である。図3及び図5に示すように、係止部52eは、前面覆い部52aの両端部から後方に向かって形成されている。この係止部52eには矩形状の孔部(係止孔)52fが形成されている。さらに、図3に示すように、ホルダ54は、第1係止片54aの上方側に第2係止片(係止片)54bが形成されている。第2係止片54bは、図6に示すように、前方から後方に向かって延びる弾性片となっており、上方(一側)に向かって傾斜する第1傾斜面54b1と、前方に向かって傾斜する第2傾斜面54b2とを有している。
【0024】
次に、本実施形態に係る車載器1の表示ユニット50の組付方法を説明する。まず、作業者は、ホルダ54及び両面テープ53を用意し、ホルダ54の前面に両面テープ53を貼り付ける。次に、作業者は、液晶表示部51をホルダ54上に載置する。この際、両面テープ53によって液晶表示部51がホルダ54に対して固定される。
【0025】
次に、作業者は、ホルダ54に液晶表示部51が固定された一体物の上方からシールド部材52を嵌め込むようにして取り付ける。この際、ホルダ54の第2係止片54bがシールド部材52の係止部52eに形成される孔部52fに嵌り込む。ここで、図3及び図5に示すように、係止部52eは後方に延びる片持ち状となっている。さらに、図3及び図6に示すように、第2係止片54bについても後方に延びる片持ち状となっている。また、シールド部材52はホルダ54の上方から組み付けられる。このように、係止部52eと第2係止片54bとの延びる方向と組付方向とが直交する。しかし、第2係止片54bは、上方に向かって傾斜する第1傾斜面54b1と、前方に向かって傾斜する第2傾斜面54b2との双方を有していることから、円滑な組付固定が行われる。
【0026】
その後、作業者は、ホルダ54にシールド部材52が固定された一体物の前方からカバー55を取り付ける。この際、ホルダ54の第1係止片54aがカバー55の側壁55bに形成される係止孔55aに嵌り込む。以上により表示ユニット50が形成される。
【0027】
なお、この表示ユニット50の後方には表示基板60が設けられる。表示基板60の円形開口62は、シールド部材52の第2接触片52d2の貫通孔を介してネジ孔部54dと合致させられ、ネジS(図4参照)によってネジ締めされる。
【0028】
次に、本実施形態に係る車載器1(表示ユニット50)の作用を説明する。まず、本実施形態において表示ユニット50のシールド部材52は、アース接続するための接触片52dがホルダ54の設置領域内において裏面側に回り込んでいる。このため、表示ユニット50を正面視して接触片52dは、ホルダ54外に突出しないこととなる。よって、車載器1の前面部31に対して接触片52dの突出部分を確保するように液晶表示部51を搭載する必要がなく、液晶表示部51の設置面積の拡大を図ることとなる。
【0029】
加えて、シールド部材52はホルダ54に対して組み付けられている。すなわち、比較例のシールド部材102のように、ホルダ104と透明カバー105とによって挟み込むことで位置が保持されるものではない。特に、比較例に係るシールド部材102は挟み込んで位置を保持するために、上壁105a(図7参照)を備えることが必須となってしまう。上壁105aを有しない場合にシールド部材102が上方向にスライドするように外れてしまう可能性があるためである。しかし、本実施形態に係るシールド部材52は、ホルダ54に対して組み付けられていることから、カバー部材55が上壁105aを備える必要がない。従って、上壁105aの厚み分だけ、車載器1の前面部31におけるスペースを奪ってしまうこともない。よって、液晶表示部51の設置面積の拡大を図ることとなる。
【0030】
また、係止部52e及び第2係止片54bは後方に延びる片持ち状となっているのに対し、シールド部材52はホルダ54の上方から組み付けられる。しかし、ホルダ54の第2係止片54bは、上方に向かって傾斜する第1傾斜面54b1と、前方に向かって傾斜する第2傾斜面54b2とを有している。このため、ホルダ54の上方からの組付時において、係止部52e及び第2係止片54bを適切に撓ませて円滑な組付固定が行われる。
【0031】
このようにして、本実施形態に係る車載器1によれば、シールド部材52は、前面覆い部52aからホルダ54の設置領域内においてホルダ54の裏面側に回り込んでアース側の他部材に接触する接触片52dを有する。このため、アース側の他部材に接触させる接触片52dがホルダ54の側方等の外側に突出することが防止されている。また、シールド部材52は、1枚の金属板によって構成されると共にホルダ54への係止部52eを有する。このため、前面覆い部52aは係止部52eによって位置が保持されることとなる。故に、光透過性のカバー55は、シールド部材52を所定の位置に保持するために液晶表示部51の上方等を覆って抑え付ける必要がなく、上方等を覆う必要がない。従って、車載器1の前面における側方等のスペースや上方等のスペースを有効活用でき、液晶表示部51の設置面積の拡大を図ることができる。
【0032】
また、シールド部材52は、一側覆い部52bを有し、接触片52dは、一側覆い部52bから延びてホルダ54の裏面側に回り込んでいることから、前面覆い部52a、一側覆い部52b及び接触片52dによって、断面略U字状とされている。また、ホルダ54は、前面側且つ一側に傾斜する係止片54bを有する。このため、断面略U字状のシールド部材52をU字開放側からホルダ54に組み付ける際に、片持ち状に後方に延びるシールド部材52の係止部52eの撓みについても促す形状とでき、円滑な組付を行う組付構造とすることができる。
【0033】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。さらに、可能な範囲で公知又は周知の技術を組み合わせてもよい。
【0034】
例えば、上記実施形態において電子回路部51bは液晶表示部51の上方に設けられているが、これに限らず、側方又は下方に設けられていてもよい。なお、この場合、シールド部材52も側方又は下方に設けられることとなる。
【0035】
また、第2係止片54bは、上方に向かって傾斜する第1傾斜面54b1と、前方に向かって傾斜する第2傾斜面54b2とを有しているが、これに限らず、上方及び前方の双方に傾斜する1つの傾斜面を有していてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 :車載器
50 :表示ユニット
51 :液晶表示部
51a :液晶部
51b :電子回路部
52 :シールド部材
52a :前面覆い部
52b :一側覆い部
52c :電線覆い部
52d :接触片
52e :係止部
52f :孔部(係止孔)
54 :ホルダ
54b :第2係止片(係止片)
55 :カバー
GP :グランドパターン(アース側の他部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7