(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094608
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】コネクタおよび接続方法
(51)【国際特許分類】
H01R 12/77 20110101AFI20240703BHJP
H01R 12/61 20110101ALI20240703BHJP
【FI】
H01R12/77
H01R12/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211261
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】橋口 徹
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA30
5E223AC35
5E223BA04
5E223BA08
5E223BB12
5E223CA15
5E223CB22
5E223CB26
5E223CB31
5E223CD02
5E223DB08
5E223EA03
5E223EA33
5E223EA36
(57)【要約】
【課題】フレキシブル導体が接続対象物の表面および裏面のいずれに露出していても、コンタクトを接続対象物のフレキシブル導体に電気的に接続することができるコネクタを提供する。
【解決手段】インナーコンタクト18は、嵌合軸に直交する方向に弾性変位可能で且つ凹部13C内でプラグコンタクト13に接触する接点部と、嵌合軸に直交する方向に弾性変位可能で且つ凹部13C内でボトムインシュレータ17の突起17Cの側面に接触する突起接触部P1と、嵌合軸に直交する方向に弾性変位可能で且つ凹部13Cの内面に対向する押し付け部P2を有し、シート状導電部材15の一部が、嵌合軸に直交する方向において押し付け部P2とプラグコンタクト13の凹部13Cの内面との間に挟まれ、凹部13Cの内面がシート状導電部材15の表面に接触し、押し付け部P2がシート状導電部材15の裏面に接触する。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合軸に沿って延びる凹部を有する導電性のプラグコンタクトと、
前記凹部内に挿入された導電性のインナーコンタクトと、
前記嵌合軸に沿って延び且つ前記凹部内に挿入される突起を有するボトムインシュレータと
を備え、
前記インナーコンタクトは、
前記嵌合軸に直交する方向に弾性変位可能で且つ前記凹部内で前記プラグコンタクトに接触する接点部と、
前記嵌合軸に直交する方向に弾性変位可能で且つ前記凹部内で前記突起の側面に接触する突起接触部と、
前記嵌合軸に直交する方向に弾性変位可能で且つ前記凹部の内面に対向する押し付け部と
を有し、
少なくとも一方の面にフレキシブル導体が露出しているシート状の接続対象物の一部が、前記嵌合軸に直交する方向において前記押し付け部と前記凹部の前記内面との間に挟まれ、前記凹部の前記内面が前記接続対象物の表面に接触し、前記押し付け部が前記接続対象物の裏面に接触することにより、前記フレキシブル導体が前記接続対象物の表面に露出する場合は、前記プラグコンタクトが直接前記フレキシブル導体に電気的に接続され、前記フレキシブル導体が前記接続対象物の裏面に露出する場合は、前記プラグコンタクトが前記インナーコンタクトを介して前記フレキシブル導体に電気的に接続されるコネクタ。
【請求項2】
前記インナーコンタクトは、前記凹部内において前記凹部の底面に対向する基部と、前記嵌合軸に直交する第1方向における前記基部の両端からそれぞれ少なくとも前記嵌合軸に沿った方向に延び且つ互いに前記第1方向に対向する一対の第1腕部とを有し、
前記一対の第1腕部の中間部分にそれぞれ前記突起接触部が配置され、前記一対の第1腕部の先端部分にそれぞれ前記押し付け部が配置されている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記一対の第1腕部の前記中間部分は、前記第1方向において互いに凸となるように屈曲する一対の第1屈曲部を有し、
前記一対の第1屈曲部の互いに対向する凸面によりそれぞれ前記突起接触部が形成され、
前記一対の第1腕部の先端部分に配置された前記押し付け部は、前記第1方向に沿って互いに反対方向を向いている請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記インナーコンタクトは、前記嵌合軸に直交し且つ前記第1方向に直交する第2方向における前記基部の両端からそれぞれ少なくとも前記嵌合軸に沿った方向に延び且つ互いに前記第2方向に対向する一対の第2腕部を有し、
前記一対の第2腕部の先端部分にそれぞれ前記接点部が配置されている請求項2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記一対の第2腕部の先端部分に配置された前記接点部は、前記第2方向に沿って互いに反対方向を向いている請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記一対の第1腕部の前記基部との接続部分と前記中間部分の間にそれぞれ前記接点部が配置されている請求項2に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記一対の第1腕部は、前記基部との接続部分と前記中間部分の間に位置し且つ互いに前記第1方向に沿った反対方向に向かって凸となるように屈曲する一対の第2屈曲部を有し、
前記一対の第2屈曲部の互いに反対方向を向いた凸面によりそれぞれ前記接点部が形成されている請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記突起は、互いに前記第1方向の反対側に位置する部分の側面において前記嵌合軸に沿って延び且つ前記一対の第1腕部が挿入される一対の第1腕部挿入溝を有し、
前記一対の第1腕部の前記突起接触部が、前記一対の第1腕部挿入溝の底面に接触することにより、前記突起接触部に接続された前記押し付け部は、前記凹部の内面に向けて押し付けられる請求項2に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記突起は、互いに前記第2方向の反対側に位置する部分の側面において前記嵌合軸に沿って延び且つ前記一対の第2腕部が挿入される一対の第2腕部挿入溝を有する請求項4に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記プラグコンタクトは、前記嵌合軸に沿って突出する突出部と、前記突出部の基端から前記嵌合軸に直交する方向に延びるフランジとを有し、
前記凹部は、前記突出部の内部からなる請求項1に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記プラグコンタクトは、筒状部からなる前記突出部と、前記筒状部の基端の外周から径方向に延びる円板状の前記フランジとを有する請求項10に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記プラグコンタクトは、U形状部からなる前記突出部と、前記U形状部の両端から互いに反対方向に延びる一対の平板状の前記フランジとを有する請求項10に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記接続対象物と前記プラグコンタクトと前記インナーコンタクトを保持するための絶縁性のハウジングを備え、
前記ハウジングは、
前記プラグコンタクトの前記突出部が貫通するコンタクト用貫通孔が形成されたトップインシュレータと、
前記ボトムインシュレータと
を有し、
前記コンタクト用貫通孔に前記プラグコンタクトの前記突出部を貫通させると共に前記接続対象物と前記フランジを前記トップインシュレータと前記ボトムインシュレータとの間に挟むように前記トップインシュレータが前記ボトムインシュレータに固定される請求項10に記載のコネクタ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の前記コネクタを用いて前記プラグコンタクトを前記接続対象物の前記フレキシブル導体に接続する接続方法であって、
前記接続対象物の少なくとも一方の面に露出している前記フレキシブル導体が前記プラグコンタクトの前記凹部の開口端部に位置するように前記プラグコンタクトに対して前記接続対象物を配置し、
前記接続対象物を押し込みながら前記インナーコンタクトを前記凹部に挿入することにより、前記インナーコンタクトの前記接点部を前記凹部内で前記プラグコンタクトに接触させ且つ前記嵌合軸に直交する方向において前記インナーコンタクトの前記押し付け部と前記凹部の前記内面との間に前記接続対象物を挟み、
前記凹部に前記ボトムインシュレータの前記突起を挿入して前記突起の側面を前記インナーコンタクトの前記突起接触部に接触させることにより、前記凹部の前記内面が前記接続対象物の表面に接触し、前記押し付け部が前記接続対象物の裏面に接触し、前記フレキシブル導体が前記接続対象物の表面に露出する場合は、前記プラグコンタクトが直接前記フレキシブル導体に電気的に接続され、前記フレキシブル導体が前記接続対象物の裏面に露出する場合は、前記プラグコンタクトが前記インナーコンタクトを介して前記フレキシブル導体に電気的に接続される接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタおよび接続方法に係り、特に、少なくとも一方の面にフレキシブル導体が露出しているシート状の接続対象物に接続されるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、着用するだけで心拍数、体温等のユーザの生体情報を取得することができる、いわゆるスマート衣料が注目を浴びている。このスマート衣料は、計測箇所に配置された電極を備え、電極に計測機器としてのウエアラブルデバイスを電気的に接続することで、生体情報をウエアラブルデバイスに伝送することが可能となる。
電極とウエアラブルデバイスとの接続は、例えば、電極から引き出されたフレキシブル導体に接続されるコネクタを用いることにより行うことができる。
【0003】
この種のコネクタとして、例えば、特許文献1に、
図33に示されるようなコネクタが開示されている。コネクタは、フレキシブル基板1を間に挟んでフレキシブル基板1の両側に配置されたハウジング2およびベース部材3を有し、コンタクト4の筒状部4Aがハウジング2のコンタクト用貫通孔2Aに通され、コンタクト4のフランジ4Bがハウジング2とフレキシブル基板1の表面に露出するフレキシブル導体1Aとの間に挟まれる。
【0004】
この状態で、ベース部材3をハウジング2に向けて押し込むことで、
図34に示されるように、ベース部材3の突起3Aが、フレキシブル基板1を間に挟んでコンタクト4の突起収容部4Cに挿入され、突起収容部4Cの内面がフレキシブル導体1Aに所定の接触力で接触し、これによりコンタクト4がフレキシブル導体1Aに電気的に接続される。
また、
図34に示されるように、ベース部材3に突出形成されたハウジング固定用ポスト3Bをハウジング2のポスト収容部2Bに圧入することで、ハウジング2とベース部材3が、互いに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたコネクタにウエアラブルデバイスを嵌合することにより、フレキシブル導体からなる電極にウエアラブルデバイスを接続することができる。
しかしながら、フレキシブル導体1Bがフレキシブル基板1の裏面上に露出している場合には、特許文献1のコネクタでは、フレキシブル導体1Bをコンタクト4に電気的に接続することができないという問題がある。
【0007】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、フレキシブル導体が接続対象物の表面および裏面のいずれに露出していても、コンタクトを接続対象物のフレキシブル導体に電気的に接続することができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るコネクタは、
嵌合軸に沿って延びる凹部を有する導電性のプラグコンタクトと、
凹部内に挿入された導電性のインナーコンタクトと、
嵌合軸に沿って延び且つ凹部内に挿入される突起を有するボトムインシュレータと
を備え、
インナーコンタクトは、
嵌合軸に直交する方向に弾性変位可能で且つ凹部内でプラグコンタクトに接触する接点部と、
嵌合軸に直交する方向に弾性変位可能で且つ凹部内で突起の側面に接触する突起接触部と、
嵌合軸に直交する方向に弾性変位可能で且つ凹部の内面に対向する押し付け部と
を有し、
少なくとも一方の面にフレキシブル導体が露出しているシート状の接続対象物の一部が、嵌合軸に直交する方向において押し付け部と凹部の内面との間に挟まれ、凹部の内面が接続対象物の表面に接触し、押し付け部が接続対象物の裏面に接触することにより、フレキシブル導体が接続対象物の表面に露出する場合は、プラグコンタクトが直接フレキシブル導体に電気的に接続され、フレキシブル導体が接続対象物の裏面に露出する場合は、プラグコンタクトがインナーコンタクトを介してフレキシブル導体に電気的に接続されるものである。
【0009】
インナーコンタクトは、凹部内において凹部の底面に対向する基部と、嵌合軸に直交する第1方向における基部の両端からそれぞれ少なくとも嵌合軸に沿った方向に延び且つ互いに第1方向に対向する一対の第1腕部とを有し、
一対の第1腕部の中間部分にそれぞれ突起接触部が配置され、一対の第1腕部の先端部分にそれぞれ押し付け部が配置されていることが好ましい。
【0010】
一対の第1腕部の中間部分は、第1方向において互いに凸となるように屈曲する一対の第1屈曲部を有し、
一対の第1屈曲部の互いに対向する凸面によりそれぞれ突起接触部が形成され、
一対の第1腕部の先端部分に配置された押し付け部は、第1方向に沿って互いに反対方向を向いていることが好ましい。
【0011】
インナーコンタクトは、嵌合軸に直交し且つ第1方向に直交する第2方向における基部の両端からそれぞれ少なくとも嵌合軸に沿った方向に延び且つ互いに第2方向に対向する一対の第2腕部を有し、一対の第2腕部の先端部分にそれぞれ接点部が配置されているように構成することができる。
この場合、一対の第2腕部の先端部分に配置された接点部は、第2方向に沿って互いに反対方向を向いていることが好ましい。
【0012】
一対の第1腕部の基部との接続部分と中間部分の間にそれぞれ接点部が配置されているように構成することもできる。
この場合、一対の第1腕部は、基部との接続部分と中間部分の間に位置し且つ互いに第1方向に沿った反対方向に向かって凸となるように屈曲する一対の第2屈曲部を有し、一対の第2屈曲部の互いに反対方向を向いた凸面によりそれぞれ接点部が形成されていることが好ましい。
【0013】
突起は、互いに第1方向の反対側に位置する部分の側面において嵌合軸に沿って延び且つ一対の第1腕部が挿入される一対の第1腕部挿入溝を有し、一対の第1腕部の突起接触部が、一対の第1腕部挿入溝の底面に接触することにより、突起接触部に接続された押し付け部は、凹部の内面に向けて押し付けられることが好ましい。。
突起は、互いに第2方向の反対側に位置する部分の側面において嵌合軸に沿って延び且つ一対の第2腕部が挿入される一対の第2腕部挿入溝を有することができる。
【0014】
プラグコンタクトは、嵌合軸に沿って突出する突出部と、突出部の基端から嵌合軸に直交する方向に延びるフランジとを有し、凹部は、突出部の内部からなることが好ましい。
プラグコンタクトは、筒状部からなる突出部と、筒状部の基端の外周から径方向に延びる円板状のフランジとを有する、あるいは、U形状部からなる突出部と、U形状部の両端から互いに反対方向に延びる一対の平板状のフランジとを有することができる。
また、接続対象物とプラグコンタクトとインナーコンタクトを保持するための絶縁性のハウジングを備え、ハウジングは、プラグコンタクトの突出部が貫通するコンタクト用貫通孔が形成されたトップインシュレータと、ボトムインシュレータとを有し、コンタクト用貫通孔にプラグコンタクトの突出部を貫通させると共に接続対象物とフランジをトップインシュレータとボトムインシュレータとの間に挟むようにトップインシュレータがボトムインシュレータに固定されることが好ましい。
【0015】
この発明に係る接続方法は、
上記のコネクタを用いてプラグコンタクトを接続対象物のフレキシブル導体に接続する接続方法であって、
接続対象物の少なくとも一方の面に露出しているフレキシブル導体がプラグコンタクトの凹部の開口端部に位置するようにプラグコンタクトに対して接続対象物を配置し、
接続対象物を押し込みながらインナーコンタクトを凹部に挿入することにより、インナーコンタクトの接点部を凹部内でプラグコンタクトに接触させ且つ嵌合軸に直交する方向においてインナーコンタクトの押し付け部と凹部の内面との間に接続対象物を挟み、
凹部にボトムインシュレータの突起を挿入して突起の側面をインナーコンタクトの突起接触部に接触させることにより、凹部の内面が接続対象物の表面に接触し、押し付け部が接続対象物の裏面に接触し、フレキシブル導体が接続対象物の表面に露出する場合は、プラグコンタクトが直接フレキシブル導体に電気的に接続され、フレキシブル導体が接続対象物の裏面に露出する場合は、プラグコンタクトがインナーコンタクトを介してフレキシブル導体に電気的に接続される方法である。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、プラグコンタクトの凹部内に挿入されるインナーコンタクトは、嵌合軸に直交する方向に弾性変位可能で且つ凹部内でプラグコンタクトに接触する接点部と、嵌合軸に直交する方向に弾性変位可能で且つ凹部内で突起の側面に接触する突起接触部と、突起接触部に接続され且つ凹部の内面に対向する押し付け部とを有し、接続対象物の一部が、嵌合軸に直交する方向において、押し付け部と凹部の内面との間に挟まれ、凹部の内面が接続対象物の表面に接触し、押し付け部が接続対象物の裏面に接触することにより、フレキシブル導体が接続対象物の表面に露出する場合は、プラグコンタクトが直接フレキシブル導体に電気的に接続され、フレキシブル導体が接続対象物の裏面に露出する場合は、プラグコンタクトがインナーコンタクトを介してフレキシブル導体に電気的に接続されるので、フレキシブル導体が接続対象物の裏面に露出していても、コンタクトを接続対象物のフレキシブル導体に電気的に接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態1に係るコネクタを示す斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係るコネクタの組立図である。
【
図3】実施の形態1のコネクタに用いられるトップインシュレータを示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1のコネクタに用いられるプラグコンタクトを示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1のコネクタに用いられるプラグコンタクトを示す断面図である。
【
図6】実施の形態1のコネクタに用いられるボトムインシュレータを示す斜視図である。
【
図7】実施の形態1のコネクタに用いられるボトムインシュレータの突起を示す斜視図である。
【
図8】実施の形態1のコネクタに用いられるボトムインシュレータの突起を第1方向から見た側面図である。
【
図9】実施の形態1のコネクタに用いられるボトムインシュレータの突起を第2方向から見た側面図である。
【
図10】実施の形態1のコネクタに用いられるボトムインシュレータの突起を第2方向から見た側面断面図である。
【
図11】実施の形態1のコネクタに接続される接続対象物を斜め上方から見た斜視図である。
【
図12】実施の形態1のコネクタに接続される接続対象物を斜め下方から見た斜視図である。
【
図13】実施の形態1のコネクタに用いられる補強シートを示す斜視図である。
【
図14】実施の形態1のコネクタに用いられるインナーコンタクトを示す斜視図である。
【
図15】実施の形態1のコネクタに用いられるインナーコンタクトを第2方向から見た側面図である。
【
図16】実施の形態1のコネクタに用いられるインナーコンタクトを第1方向から見た側面図である。
【
図17】実施の形態1におけるボトムインシュレータの突起に保持されたインナーコンタクトを示す斜視図である。
【
図18】組み立て途中の実施の形態1のコネクタにおけるプラグコンタクト内の状態を第2方向から見た部分側面断面図である。
【
図19】接続対象物に接続された実施の形態1のコネクタにおけるプラグコンタクト内の状態を第2方向から見た部分側面断面図である。
【
図20】接続対象物に接続された実施の形態1のコネクタにおけるプラグコンタクト内の状態を第1方向から見た部分側面断面図である。
【
図21】実施の形態2に係るコネクタの組立図である。
【
図22】実施の形態2のコネクタに用いられるボトムインシュレータを示す斜視図である。
【
図23】実施の形態2のコネクタに用いられるボトムインシュレータの突起を示す斜視図である。
【
図24】実施の形態2のコネクタに用いられるインナーコンタクトを示す斜視図である。
【
図25】実施の形態2のコネクタに用いられるインナーコンタクトを第2方向から見た側面図である。
【
図26】組み立て途中の実施の形態2のコネクタにおけるプラグコンタクト内の状態を第2方向から見た部分側面断面図である。
【
図27】接続対象物に接続された実施の形態2のコネクタにおけるプラグコンタクト内の状態を第2方向から見た部分側面断面図である。
【
図28】実施の形態3に係るコネクタを示す斜視図である。
【
図29】実施の形態3のコネクタに用いられるプラグコンタクトを示す斜視図である。
【
図30】実施の形態3のコネクタに用いられるプラグコンタクトを示す側面図である。
【
図31】組み立て途中の実施の形態3のコネクタにおけるプラグコンタクト内の状態を第2方向から見た部分側面断面図である。
【
図32】接続対象物に接続された実施の形態3のコネクタにおけるプラグコンタクト内の状態を第2方向から見た部分側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係るコネクタ11を示す。コネクタ11は、例えば、ウエアラブルデバイスを嵌合するための衣服側コネクタとして使用されるもので、絶縁性材料からなるハウジング12を有している。ハウジング12には、4つのプラグコンタクト13が保持され、さらに、ハウジング12により、補強シート14とシート状導電部材15が互いに重ねられた状態で保持されている。シート状導電部材15は、コネクタ11が接続される接続対象物を構成している。
4つのプラグコンタクト13は、互いに平行な2列に配列された状態で、シート状導電部材15に対して垂直に突出するように配置されている。
【0019】
ここで、便宜上、補強シート14およびシート状導電部材15がXY面に沿って延び、4つのプラグコンタクト13の配列方向をY方向、4つのプラグコンタクト13がそれぞれ突出する方向を+Z方向と呼ぶことにする。Z方向は、コネクタ11が相手側コネクタと嵌合する嵌合方向となる。
【0020】
図2に、コネクタ11の組立図を示す。コネクタ11は、トップインシュレータ16およびボトムインシュレータ17を有しており、これらトップインシュレータ16およびボトムインシュレータ17によりハウジング12が構成されている。
【0021】
トップインシュレータ16に4つのプラグコンタクト13が保持され、また、トップインシュレータ16の-Z方向側の裏面上に補強シート14が配置され、補強シート14の-Z方向側にシート状導電部材15が配置されている。さらに、シート状導電部材15の-Z方向側に4つのインナーコンタクト18が配置され、インナーコンタクト18の-Z方向側にボトムインシュレータ17が配置されている。4つのインナーコンタクト18は、4つのプラグコンタクト13にそれぞれ対応している。
【0022】
図3に示されるように、トップインシュレータ16は、+Z方向に向かって開いている凹部16Aと、凹部16A内に形成された4つのコンタクト用貫通孔16Bを有している。凹部16Aは、図示しない相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を構成するものであり、4つのコンタクト用貫通孔16Bは、4つのプラグコンタクト13に対応している。また、トップインシュレータ16の-Z方向を向いた面に、それぞれ-Z方向に突出する複数のボス16Cが形成されている。
【0023】
4つのプラグコンタクト13は、それぞれ、金属等の導電性材料から形成され、トップインシュレータ16の凹部16Aに図示しない相手側コネクタの一部が収容された場合に、相手側コネクタの対応するコンタクトに接続されるものである。
図4に示されるように、プラグコンタクト13は、嵌合軸Cに沿って+Z方向に突出する突出部、具体的には、円筒形状の筒状部13Aと、筒状部13Aの-Z方向の基端の外周からXY面に沿って径方向に延びる円板状のフランジ13Bを有している。
図5に示されるように、筒状部13Aの内部には、-Z方向に向かって開放された凹部13Cが形成されている。
【0024】
なお、嵌合軸Cは、筒状部13Aの中心を通り且つコネクタ11と相手側コネクタとの嵌合方向に延びる軸である。
また、筒状部13Aは、円筒形状を有しているが、内部に凹部13Cを有するものであれば、断面形状は円形に限らず、楕円、多角形等の各種の断面形状を有することもできる。
なお、4つのプラグコンタクト13は、いずれも、電気信号を伝送するための端子として使用することができる。
【0025】
図6に示されるように、ボトムインシュレータ17は、平板部17Aを有し、平板部17Aに、それぞれ+Z方向に向かって開いている4つの円形の凹部17Bが形成されている。4つの凹部17Bは、4つのプラグコンタクト13に対応している。4つの凹部17Bには、それぞれ凹部17Bの中央部から+Z方向に突出する4つの突起17Cが形成されている。
また、平板部17Aには、トップインシュレータ16の複数のボス16Cに対応する複数の貫通孔17Dが形成されている。
【0026】
図7に示されるように、ボトムインシュレータ17の凹部17Bに形成された突起17Cは、凹部17Bに対応して配置されるプラグコンタクト13の嵌合軸Cに沿ってZ方向に延びる円柱形状を有している。突起17Cの互いにX方向の反対側に位置する部分の側面に、それぞれ、Z方向に延びる第1腕部挿入溝17Eが形成され、突起17Cの互いにY方向の反対側に位置する部分の側面に、それぞれ、Z方向に延びる第2腕部挿入溝17Fが形成されている。
【0027】
すなわち、円柱形状の突起17Cの側面のうち、+X方向を向いた部分と-X方向を向いた部分に、それぞれ第1腕部挿入溝17Eが形成され、+Y方向を向いた部分と-Y方向を向いた部分に、それぞれ第2腕部挿入溝17Fが形成されている。
図8に示されるように、第1腕部挿入溝17Eは、突起17Cの+Z方向端部から-Z方向端部まで突起17CのZ方向の高さ全体にわたって延びており、
図9に示されるように、第2腕部挿入溝17Fは、突起17Cの+Z方向端部からZ方向の中間部まで延びている。
【0028】
また、
図10に示されるように、それぞれの第1腕部挿入溝17Eは、+Z方向側部分においてYZ面に沿って延びる第1底面17Gと、-Z方向側部分においてYZ面に沿って延び且つ第1底面17Gよりも嵌合軸CからX方向に離れた位置に配置された第2底面17Hと、第1底面17Gと第2底面17Hとを接続し且つ嵌合軸Cに対して斜めに傾いた傾斜底面17Jとを有している。
突起17Cは、一対の第1腕部挿入溝17Eを通るXZ面内において、第1底面17Gが形成されているZ方向位置では、X方向の厚さD1を有し、第2底面17Hが形成されているZ方向位置では、第1底面17GのZ方向位置における厚さD1よりも厚いX方向の厚さD2を有している。
【0029】
シート状導電部材15は、それぞれフレキシブル導体から形成された複数の配線層と、複数の絶縁層とが積層された多層構造を有している。
図11に示されるように、シート状導電部材15の+Z方向を向いた表面上に4つのプラグコンタクト13を配置するための4つのコンタクト配置領域15Aが区画されている。4つのコンタクト配置領域15Aにおいては、それぞれ、シート状導電部材15を貫通する開口部15Bが形成され、さらに、コンタクト配置領域15Aの+X方向側縁部および-X方向側縁部から開口部15B内に突出する一対のほぼ三角形状の突出部15Cが形成されている。4つの開口部15B内に突出する突出部15Cには、それぞれ配線層15Dが+Z方向に向けて露出しており、4つの開口部15B以外の領域には、絶縁層15Eが露出している。
【0030】
シート状導電部材15の-Z方向を向いた裏面においては、4つの開口部15B内に突出する突出部15Cに、それぞれ配線層15Fが-Z方向に向けて露出しており、4つの開口部15B以外の領域には、絶縁層15Gが露出している。
また、
図11および
図12に示されるように、シート状導電部材15の周縁部には、トップインシュレータ16の複数のボス16Cに対応する複数の貫通孔15Hが形成されている。
【0031】
図13に示されるように、補強シート14は、コネクタ11が実装される図示しない衣服等の実装対象物を補強するためのもので、絶縁性材料からなり、中央に形成された開口部14Aを有している。さらに、補強シート14の開口部14Aの周縁に沿って,トップインシュレータ16の複数のボス16Cに対応する複数の切り欠き14Bが形成されている。
【0032】
図14にインナーコンタクト18の構成を示す。インナーコンタクト18は、金属等の導電性材料により形成され且つ屈曲された板部材からなり、嵌合軸C上に位置し且つXY面に沿って延びる基部18Aと、基部18Aの+X方向端部および-X方向端部からそれぞれ少なくとも-Z方向に延びる一対の第1腕部18Bと、基部18Aの+Y方向端部および-Y方向端部からそれぞれ少なくとも-Z方向に延びる一対の第2腕部18Cを有している。なお、X方向が、嵌合軸Cに直交する第1方向を形成し、Y方向が、嵌合軸Cに直交し且つ第1方向に直交する第2方向を形成している。
【0033】
図15に示されるように、一対の第1腕部18Bは、互いにX方向に対向し、嵌合軸Cを通るYZ面に対して対称の形状を有している。
一対の第1腕部18Bは、Z方向における中間部分に、互いに近接して凸形状を形成するように屈曲する一対の第1屈曲部18Dを有し、一対の第1屈曲部18Dの互いに対向する凸面により、嵌合軸Cに対して直交するX方向に弾性変位可能な一対の突起接触部P1が形成されている。
また、一対の第1腕部18Bは、-Z方向の先端部分に、互いにX方向に沿って反対方向を向いた一対の凸面を有しており、これら一対の凸面により、嵌合軸Cに対して直交するX方向に弾性変位可能な一対の押し付け部P2が形成されている。
【0034】
インナーコンタクト18に外力が作用していない状態において、一対の突起接触部P1のX方向の間隔L1は、
図10に示されるボトムインシュレータ17の突起17Cの厚さD1にほぼ等しく且つ厚さD2より小さい寸法を有しており、一対の押し付け部P2のX方向の間隔L2は、プラグコンタクト13の凹部13Cの内径からシート状導電部材15の厚さの2倍を減じた値にほぼ等しいか、または、わずかに小さい寸法を有している。
【0035】
図16に示されるように、一対の第2腕部18Cは、基部18Aの+Y方向端部および-Y方向端部から-Z方向に向かうほど互いにY方向の間隔が次第に広がるように斜めに延び、互いにY方向に対向し、嵌合軸Cを通るXZ面に対して対称の形状を有している。
一対の第2腕部18Cは、-Z方向の先端部分に、互いにY方向に沿って反対方向を向いた一対の凸面を有しており、これら一対の凸面により、嵌合軸Cに対して直交するY方向に弾性変位可能な一対の接点部P3が形成されている。
インナーコンタクト18に外力が作用していない状態において、一対の接点部P3のY方向の間隔L3は、プラグコンタクト13の凹部13Cの内径よりも大きい寸法を有している。
【0036】
コネクタ11を組み立てる際には、まず、
図17に示されるように、それぞれのインナーコンタクト18が、ボトムインシュレータ17の対応する突起17Cに仮保持される。インナーコンタクト18は、一対の第1腕部18Bが突起17Cの一対の第1腕部挿入溝17Eに挿入され、一対の突起接触部P1が、
図10に示される第1腕部挿入溝17Eの第1底面17Gに接触した状態で突起17Cに仮保持される。
インナーコンタクト18が突起17Cに仮保持された状態においては、インナーコンタクト18の一対の第2腕部18Cは、まだ、突起17Cの一対の第2腕部挿入溝17Fに挿入されていない。
【0037】
次に、トップインシュレータ16の複数のボス16Cが補強シート14の複数の切り欠き14Bに挿入される。このとき、トップインシュレータ16の4つのコンタクト用貫通孔16Bは、補強シート14の開口部14A内に位置している。
さらに、トップインシュレータ16の4つのコンタクト用貫通孔16Bにそれぞれ対応するプラグコンタクト13の筒状部13Aが-Z方向から挿入され、筒状部13Aの凹部13Cの開口端部にシート状導電部材15の対応する開口部15Bおよび一対の突出部15Cが位置するように、シート状導電部材15が4つのプラグコンタクト13の-Z方向側に配置される。
【0038】
この状態で、シート状導電部材15を間に挟んで、ボトムインシュレータ17がトップインシュレータ16に向けて+Z方向に押し付けられる。このとき、
図18に示されるように、それぞれのプラグコンタクト13のフランジ13Bが、シート状導電部材15の対応するコンタクト配置領域15Aの上に位置し、ボトムインシュレータ17に仮保持されているそれぞれのインナーコンタクト18がシート状導電部材15の対応する一対の突出部15Cを押し込みながら、対応するプラグコンタクト13の凹部13Cに挿入される。
【0039】
これにより、プラグコンタクト13の凹部13C内に押し込まれたシート状導電部材15の一対の突出部15Cは、インナーコンタクト18の一対の第1腕部18Bの-Z方向端部に形成されている一対の押し付け部P2とプラグコンタクト13の凹部13Cの内面との間に挟まれる。
ただし、
図15に示されるように、インナーコンタクト18に外力が作用していない状態においては、一対の押し付け部P2は、プラグコンタクト13の凹部13Cの内径からシート状導電部材15の厚さの2倍を減じた値にほぼ等しいか、または、わずかに小さいX方向の間隔L2を有しているため、シート状導電部材15の一対の突出部15Cは、インナーコンタクト18から大きな力を受けて擦れることなく、円滑にプラグコンタクト13の凹部13C内に挿入されることとなる。
【0040】
なお、インナーコンタクト18の一対の突起接触部P1は、突起17Cの一対の第1腕部挿入溝17Eの第1底面17Gに接触した状態にあり、ボトムインシュレータ17がトップインシュレータ16に向けて+Z方向に押し付けられることで、インナーコンタクト18の基部18Aは、プラグコンタクト13の凹部13Cの+Z方向端部に位置する底面に接触する。
【0041】
さらに、ボトムインシュレータ17がトップインシュレータ16に向けて押し付けられると、インナーコンタクト18の一対の突起接触部P1は、X方向に弾性変位しつつ、一対の第1腕部挿入溝17Eの第1底面17Gから傾斜底面17Jを通って第2底面17Hへと、突起17Cに対して-Z方向に相対的に移動する。
【0042】
また、ボトムインシュレータ17をトップインシュレータ16に押し付けることにより、トップインシュレータ16の複数のボス16Cが、補強シート14の複数の切り欠き14B、シート状導電部材15の複数の貫通孔15Hおよびボトムインシュレータ17の複数の貫通孔17Dを順次貫通する。そして、ボトムインシュレータ17の-Z方向側に突出する複数のボス16Cの先端を熱変形させることにより、トップインシュレータ16とボトムインシュレータ17が互いに固定され、コネクタ11の組み立てが完了する。
なお、それぞれのプラグコンタクト13は、フランジ13Bがトップインシュレータ16とボトムインシュレータ17の間に挟まれることによりトップインシュレータ16およびボトムインシュレータ17に固定される。
【0043】
このようにして組み立てられたコネクタ11においては、
図19に示されるように、インナーコンタクト18の一対の突起接触部P1が、突起17Cの一対の第1腕部挿入溝17Eの第2底面17Hに接触することから、一対の突起接触部P1の間のX方向の間隔が押し広げられ、これに伴って、一対の押し付け部P2に、X方向に押し広げようとする弾性力が作用する。このため、インナーコンタクト18の一対の押し付け部P2とプラグコンタクト13の凹部13Cの内面との間に挟まれているシート状導電部材15の一対の突出部15Cは、それぞれ、プラグコンタクト13の凹部13Cの内面に向けて押し付けられる。
【0044】
ここで、
図11および
図12に示されるように、シート状導電部材15の開口部15B内の一対の突出部15Cには、+Z方向を向いた表面に配線層15Dが露出し、-Z方向を向いた裏面に配線層15Fが露出している。
従って、突出部15Cの表面の配線層15Dがプラグコンタクト13の凹部13Cの内面に所定の接触圧で接触し、また、突出部15Cの裏面の配線層15Fがインナーコンタクト18の押し付け部P2に所定の接触圧で接触する。
【0045】
また、
図20に示されるように、プラグコンタクト13の凹部13Cに挿入されたインナーコンタクト18の一対の第2腕部18Cの先端部分に形成されている一対の接点部P3がプラグコンタクト13の凹部13Cの内面に押し付けられ、これにより、インナーコンタクト18がプラグコンタクト13に電気的に接続される。
【0046】
その結果、シート状導電部材15の突出部15Cの表面に露出している配線層15Dは、直接プラグコンタクト13に電気的に接続され、シート状導電部材15の突出部15Cの裏面に露出している配線層15Fは、インナーコンタクト18を介してプラグコンタクト13に電気的に接続される。すなわち、配線層15Dおよび15Fの双方が、プラグコンタクト13に接続されることとなる。
【0047】
このように、コネクタ11によれば、インナーコンタクト18を用いることにより、シート状導電部材15の表面側に配置されたフレキシブル導体からなる配線層15Dと裏面側に配置されたフレキシブル導体からなる配線層15Fの双方を、1つのプラグコンタクト13に電気的に接続することが可能となる。
従って、表面側にのみフレキシブル導体が露出しているシート状導電部材にコネクタ11を接続すれば、プラグコンタクト13をシート状導電部材の表面側のフレキシブル導体に電気的に接続することができ、また、裏面側にのみフレキシブル導体が露出しているシート状導電部材にコネクタ11を接続すれば、プラグコンタクト13をシート状導電部材の裏面側のフレキシブル導体に電気的に接続することができる。
【0048】
さらに、この実施の形態1におけるシート状導電部材15のように、表面側および裏面側にそれぞれフレキシブル導体が露出しているシート状導電部材にコネクタ11を接続すれば、プラグコンタクト13をシート状導電部材の表面側のフレキシブル導体と裏面側のフレキシブル導体の双方に電気的に接続することができる。例えば、表面側および裏面側にそれぞれシールド層を構成するフレキシブル導体が露出し、これらのシールド層の間に信号配線層を構成するフレキシブル導体が双方のシールド層から絶縁された状態で積層された多層構造のシート状導電部材を接続対象物とすれば、表面側および裏面側のシールド層に接続されたプラグコンタクト13をグランド電位に接続することで、信号配線層に対するシールド効果が発揮され、電磁波等による外乱の影響を抑制した高精度の信号伝送を行うことが可能となる。
【0049】
また、シート状導電部材15の一対の突出部15Cは、プラグコンタクト13の凹部13C内に挿入される際に、インナーコンタクト18から大きな力を受けて擦れることがなく、このため、シート状導電部材15の配線層15Dおよび15Fを形成するフレキシブル導体が破損することが防止され、フレキシブル導体とプラグコンタクト13との電気的接続の信頼性を確保することが可能となる。
【0050】
実施の形態1のコネクタ11では、ボトムインシュレータ17とトップインシュレータ16との間に補強シート14が配置されているが、コネクタ11が取り付けられる衣服等の実装対象物を補強する必要がない場合には、補強シート14を省略することができる。
【0051】
実施の形態2
図21に、実施の形態2に係るコネクタ21の組立図を示す。コネクタ21は、実施の形態1のコネクタ11において、ボトムインシュレータ17の代わりにボトムインシュレータ27を用いてトップインシュレータ16およびボトムインシュレータ27によりハウジング22を構成し、さらに、4つのインナーコンタクト18の代わりに4つのインナーコンタクト28を用いたものである。その他の構成は、実施の形態1のコネクタ11と同様である。
【0052】
すなわち、トップインシュレータ16に4つのプラグコンタクト13が保持され、また、トップインシュレータ16の-Z方向側の裏面上に補強シート14が配置され、補強シート14の-Z方向側にシート状導電部材15が配置されている。さらに、シート状導電部材15の-Z方向側に4つのインナーコンタクト28が配置され、インナーコンタクト28の-Z方向側にボトムインシュレータ27が配置されている。
【0053】
図22に示されるように、ボトムインシュレータ27は、実施の形態1のコネクタ11で用いられたボトムインシュレータ17において、4つの突起17Cの代わりに、4つの突起27Cを用いたものである。
すなわち、ボトムインシュレータ27は、平板部17Aを有し、平板部17Aに、それぞれ+Z方向に向かって開いている4つの円形の凹部17Bが形成され、それぞれの凹部17Bの中央部から+Z方向に突出する4つの突起27Cが形成されている。
【0054】
図23に示されるように、ボトムインシュレータ27の突起27Cは、凹部17Bに対応して配置されるプラグコンタクト13の嵌合軸Cに沿ってZ方向に延びる円柱形状を有している。突起27Cの互いにX方向の反対側に位置する部分の側面に、それぞれ、Z方向に延びる第1腕部挿入溝17Eが形成されている。この第1腕部挿入溝17Eは、実施の形態1における突起17Cの第1腕部挿入溝17Eと同一のものである。なお、突起27Cの互いにY方向の反対側に位置する部分の側面には、溝は形成されていない。
【0055】
図24にインナーコンタクト28の構成を示す。インナーコンタクト28は、金属等の導電性材料により形成され且つ屈曲された板部材からなり、嵌合軸C上に位置し且つXY面に沿って延びる基部28Aと、基部28Aの+X方向端部および-X方向端部からそれぞれ少なくとも-Z方向に延びる一対の第1腕部28Bを有している。
【0056】
図25に示されるように、一対の第1腕部28Bは、互いにX方向に対向し、嵌合軸Cを通るYZ面に対して対称の形状を有している。
一対の第1腕部28Bは、実施の形態1におけるインナーコンタクト18の一対の第1腕部18Bと同様に、Z方向における中間部分に形成され且つX方向に弾性変位可能な一対の突起接触部P1と、-Z方向の先端部分に形成され且つX方向に弾性変位可能な一対の押し付け部P2を有している。
【0057】
さらに、一対の第1腕部28Bは、基部28Aとの接続部分と一対の突起接触部P1の間に、互いにX方向に沿った反対方向に向かって凸となるように屈曲する一対の第2屈曲部28Eを有し、一対の第2屈曲部28Eの互いに反対方向を向いた凸面により、嵌合軸Cに対して直交するX方向に弾性変位可能な一対の接点部P3が形成されている。
インナーコンタクト28に外力が作用していない状態において、一対の接点部P3のX方向の間隔L4は、プラグコンタクト13の凹部13Cの内径にほぼ等しいか、または、わずかに小さい寸法を有している。
【0058】
コネクタ21を組み立てる際には、まず、それぞれのインナーコンタクト28が、ボトムインシュレータ27の対応する突起27Cに仮保持される。インナーコンタクト28は、一対の第1腕部28Bが突起27Cの一対の第1腕部挿入溝27Eに挿入された状態で突起27Cに仮保持される。
【0059】
次に、トップインシュレータ16の複数のボス16Cが補強シート14の複数の切り欠き14Bに挿入され、さらに、トップインシュレータ16の4つのコンタクト用貫通孔16Bにそれぞれ対応するプラグコンタクト13の筒状部13Aが-Z方向から挿入され、筒状部13Aの凹部13Cの開口端部にシート状導電部材15の対応する開口部15Bおよび一対の突出部15Cが位置するように、シート状導電部材15が4つのプラグコンタクト13の-Z方向側に配置される。
【0060】
この状態で、シート状導電部材15を間に挟んで、ボトムインシュレータ27がトップインシュレータ16に向けて+Z方向に押し付けられる。このとき、
図26に示されるように、それぞれのプラグコンタクト13のフランジ13Bが、シート状導電部材15の対応するコンタクト配置領域15Aの上に位置し、ボトムインシュレータ27に仮保持されているそれぞれのインナーコンタクト28がシート状導電部材15の対応する一対の突出部15Cを押し込みながら、対応するプラグコンタクト13の凹部13Cに挿入される。
【0061】
これにより、プラグコンタクト13の凹部13C内に押し込まれたシート状導電部材15の一対の突出部15Cは、インナーコンタクト28の一対の第1腕部28Bの-Z方向端部に形成されている一対の押し付け部P2とプラグコンタクト13の凹部13Cの内面との間に挟まれる。
ただし、実施の形態1と同様に、インナーコンタクト28に外力が作用していない状態においては、一対の押し付け部P2は、プラグコンタクト13の凹部13Cの内径からシート状導電部材15の厚さの2倍を減じた値にほぼ等しいか、または、わずかに小さいX方向の間隔を有しているため、シート状導電部材15の一対の突出部15Cは、インナーコンタクト28から大きな力を受けて擦れることなく、円滑にプラグコンタクト13の凹部13C内に挿入されることとなる。
【0062】
なお、インナーコンタクト28の一対の突起接触部P1は、突起27Cの一対の第1腕部挿入溝17Eの第1底面17Gに接触した状態にあり、ボトムインシュレータ27がトップインシュレータ16に向けて+Z方向に押し付けられることで、インナーコンタクト28の基部28Aは、プラグコンタクト13の凹部13Cの+Z方向端部に位置する底面に接触する。
【0063】
さらに、ボトムインシュレータ27がトップインシュレータ16に向けて押し付けられると、インナーコンタクト28の一対の突起接触部P1は、X方向に弾性変位しつつ、一対の第1腕部挿入溝17Eの第1底面17Gから傾斜底面17Jを通って第2底面17Hへと、突起27Cに対して-Z方向に相対的に移動する。
【0064】
また、ボトムインシュレータ27をトップインシュレータ16に押し付けることにより、トップインシュレータ16の複数のボス16Cが、補強シート14の複数の切り欠き14B、シート状導電部材15の複数の貫通孔15Hおよびボトムインシュレータ27の複数の貫通孔17Dを順次貫通する。そして、ボトムインシュレータ27の-Z方向側に突出する複数のボス16Cの先端を熱変形させることにより、トップインシュレータ16とボトムインシュレータ27が互いに固定され、コネクタ11の組み立てが完了する。
【0065】
このようにして組み立てられたコネクタ21においては、
図27に示されるように、インナーコンタクト28の一対の突起接触部P1が、突起27Cの一対の第1腕部挿入溝17Eの第2底面17Hに接触することから、一対の突起接触部P1の間のX方向の間隔が押し広げられ、これに伴って、一対の押し付け部P2に、X方向に押し広げようとする弾性力が作用する。このため、インナーコンタクト28の一対の押し付け部P2とプラグコンタクト13の凹部13Cの内面との間に挟まれているシート状導電部材15の一対の突出部15Cは、それぞれ、プラグコンタクト13の凹部13Cの内面に向けて押し付けられる。
【0066】
従って、突出部15Cの表面の配線層15Dがプラグコンタクト13の凹部13Cの内面に所定の接触圧で接触し、また、突出部15Cの裏面の配線層15Fがインナーコンタクト28の押し付け部P2に所定の接触圧で接触する。
【0067】
また、インナーコンタクト28の一対の突起接触部P1の間のX方向の間隔が押し広げられることに伴って、一対の第1腕部28Bの、基部28Aとの接続部分と一対の突起接触部P1の間に形成されている一対の接点部P3に、X方向に押し広げようとする弾性力が作用する。このため、一対の接点部P3が、プラグコンタクト13の凹部13Cの内面に押し付けられ、インナーコンタクト28がプラグコンタクト13に電気的に接続される。
【0068】
その結果、シート状導電部材15の突出部15Cの表面に露出している配線層15Dは、直接プラグコンタクト13に電気的に接続され、シート状導電部材15の突出部15Cの裏面に露出している配線層15Fは、インナーコンタクト28を介してプラグコンタクト13に電気的に接続される。すなわち、配線層15Dおよび15Fの双方が、プラグコンタクト13に接続されることとなる。
【0069】
このように、コネクタ21においても、インナーコンタクト28を用いることにより、シート状導電部材15の表面側に配置されたフレキシブル導体からなる配線層15Dと裏面側に配置されたフレキシブル導体からなる配線層15Fの双方を、1つのプラグコンタクト13に電気的に接続することが可能となる。
従って、実施の形態1と同様に、表面側にのみフレキシブル導体が露出しているシート状導電部材にコネクタ21を接続すれば、プラグコンタクト13をシート状導電部材の表面側のフレキシブル導体に電気的に接続することができ、また、裏面側にのみフレキシブル導体が露出しているシート状導電部材にコネクタ21を接続すれば、プラグコンタクト13をシート状導電部材の裏面側のフレキシブル導体に電気的に接続することができる。
【0070】
また、シート状導電部材15の一対の突出部15Cは、プラグコンタクト13の凹部13C内に挿入される際に、インナーコンタクト28から大きな力を受けて擦れることがなく、このため、シート状導電部材15の配線層15Dおよび15Fを形成するフレキシブル導体が破損することが防止され、フレキシブル導体とプラグコンタクト13との電気的接続の信頼性を確保することが可能となる。
【0071】
実施の形態3
図28に、実施の形態3に係るコネクタ31を示す。コネクタ31は、実施の形態2のコネクタ21において、トップインシュレータ16の代わりにトップインシュレータ36を用いてトップインシュレータ36およびボトムインシュレータ27によりハウジング32を構成し、さらに、4つのプラグコンタクト13の代わりに4つのプラグコンタクト33を用いたものである。その他の構成は、実施の形態2のコネクタ21と同様である。
【0072】
トップインシュレータ36に4つのプラグコンタクト33が保持されている。トップインシュレータ36は、
図3に示されるトップインシュレータ16と同様に、+Z方向に向かって開いている凹部36Aを有している。凹部36A内には、それぞれ+Z方向に向かって突出する2つの凸部36Dおよび36Eが形成されている。凸部36Dおよび36Eは、互いにX方向に間隔を隔てて配置され且つそれぞれY方向に延びている。凸部36Dおよび36Eには、それぞれ、トップインシュレータ36をZ方向に貫通する2つのコンタクト用貫通孔36Bが形成されており、これらのコンタクト用貫通孔36Bを通して対応するプラグコンタクト33が+Z方向に向けて露出している。
なお、トップインシュレータ36の-Z方向を向いた面には、
図3に示されるトップインシュレータ16と同様に、それぞれ-Z方向に突出する複数のボス16Cが形成されているものとする。
【0073】
プラグコンタクト33の構成を
図29および
図30に示す。プラグコンタクト33は、屈曲された金属板から形成され、嵌合軸Cに沿って+Z方向に突出するU形状部33Aからなる突出部を有している。U形状部33Aは、XY面に沿って延びる上板部33Dと、上板部33Dの+X方向端部および-X方向端部からそれぞれYZ面に沿って-Z方向に延びる一対の側板部33Eにより形成されている。さらに、プラグコンタクト33は、一対の側板部33Eの-Z方向端部から互いにXY面に沿って反対方向に延びる一対の平板状のフランジ33Bを有している。
また、U形状部33Aの内部には、凹部33Cが形成されている。
【0074】
このようなトップインシュレータ36と4つのプラグコンタクト33を用いても、実施の形態2と同様にしてコネクタ31を組み立てることができる。
すなわち、
図24および
図25に示されるインナーコンタクト28が、ボトムインシュレータ27の対応する突起27Cに仮保持され、トップインシュレータ36の4つのコンタクト用貫通孔36Bにそれぞれ対応するプラグコンタクト33のU形状部33Aが-Z方向から挿入され、U形状部33Aの凹部33Cの開口端部にシート状導電部材15の対応する開口部15Bおよび一対の突出部15Cが位置するように、シート状導電部材15が4つのプラグコンタクト33の-Z方向側に配置される。
【0075】
この状態で、シート状導電部材15を間に挟んで、ボトムインシュレータ27がトップインシュレータ36に向けて+Z方向に押し付けられる。これにより、
図31に示されるように、ボトムインシュレータ27に仮保持されているそれぞれのインナーコンタクト28がシート状導電部材15の対応する一対の突出部15Cを押し込みながら、対応するプラグコンタクト33の凹部33Cに挿入される。
【0076】
プラグコンタクト33の凹部33C内に押し込まれたシート状導電部材15の一対の突出部15Cは、インナーコンタクト28の一対の押し付け部P2とプラグコンタクト33の凹部33Cの内面との間に挟まれる。
なお、インナーコンタクト28に外力が作用していない状態において、一対の接点部P3のX方向の間隔は、プラグコンタクト33の凹部33Cの内面のX方向の間隔にほぼ等しいか、または、わずかに小さい寸法を有しているものとする。
このため、シート状導電部材15の一対の突出部15Cは、インナーコンタクト28から大きな力を受けて擦れることなく、円滑にプラグコンタクト33の凹部33C内に挿入されることとなる。
【0077】
さらに、ボトムインシュレータ27がトップインシュレータ36に向けて押し付けられると、インナーコンタクト28の一対の突起接触部P1は、X方向に弾性変位しつつ、突起27Cの一対の第1腕部挿入溝17Eの第1底面17Gから傾斜底面17Jを通って第2底面17Hへと、突起27Cに対して-Z方向に相対的に移動する。
また、ボトムインシュレータ27の-Z方向側に突出するトップインシュレータ36の複数のボス16Cの先端を熱変形させることにより、トップインシュレータ36とボトムインシュレータ27が互いに固定され、コネクタ31の組み立てが完了する。
【0078】
このようにして組み立てられたコネクタ31においても、実施の形態2のコネクタ21と同様に、
図32に示されるように、インナーコンタクト28の一対の突起接触部P1が、突起27Cの一対の第1腕部挿入溝17Eの第2底面17Hに接触することから、一対の突起接触部P1の間のX方向の間隔が押し広げられる。これに伴って、一対の押し付け部P2に、X方向に押し広げようとする弾性力が作用し、シート状導電部材15の一対の突出部15Cは、それぞれ、プラグコンタクト33の凹部33Cの内面に向けて押し付けられる。
【0079】
従って、突出部15Cの表面の配線層15Dがプラグコンタクト33の凹部33Cの内面に所定の接触圧で接触し、また、突出部15Cの裏面の配線層15Fがインナーコンタクト28の押し付け部P2に所定の接触圧で接触する。
また、インナーコンタクト28の一対の接点部P3が、プラグコンタクト33の凹部33Cの内面に押し付けられ、インナーコンタクト28がプラグコンタクト33に電気的に接続される。
【0080】
その結果、シート状導電部材15の突出部15Cの表面に露出している配線層15Dは、直接プラグコンタクト33に電気的に接続され、シート状導電部材15の突出部15Cの裏面に露出している配線層15Fは、インナーコンタクト28を介してプラグコンタクト33に電気的に接続される。すなわち、配線層15Dおよび15Fの双方が、プラグコンタクト33に接続されることとなる。
【0081】
このように、コネクタ31においても、シート状導電部材15の表面側に配置されたフレキシブル導体からなる配線層15Dと裏面側に配置されたフレキシブル導体からなる配線層15Fの双方を、1つのプラグコンタクト33に電気的に接続することが可能となる。
従って、実施の形態1および2と同様に、表面側にのみフレキシブル導体が露出しているシート状導電部材にコネクタ31を接続すれば、プラグコンタクト33をシート状導電部材の表面側のフレキシブル導体に電気的に接続することができ、また、裏面側にのみフレキシブル導体が露出しているシート状導電部材にコネクタ31を接続すれば、プラグコンタクト33をシート状導電部材の裏面側のフレキシブル導体に電気的に接続することができる。
【0082】
また、シート状導電部材15の一対の突出部15Cは、プラグコンタクト33の凹部33C内に挿入される際に、インナーコンタクト28から大きな力を受けて擦れることがなく、このため、シート状導電部材15の配線層15Dおよび15Fを形成するフレキシブル導体が破損することが防止され、フレキシブル導体とプラグコンタクト33との電気的接続の信頼性を確保することが可能となる。
【0083】
上記の実施の形態1-3では、シート状導電部材15のコンタクト配置領域15Aに配置されたプラグコンタクト13、33が、シート状導電部材15の表面側に露出している配線層15Dとシート状導電部材15の裏面側に露出している配線層15Fの双方に接続されているが、例えば、シート状導電部材15の裏面側に露出している配線層15Dのみをコンタクト配置領域15Aに配置されたプラグコンタクト13、33に接続することもできる。
【0084】
上記の実施の形態1-3において用いられるシート状導電部材15は、多層構造を有しているが、これに限るものではなく、少なくとも一方の面に露出するフレキシブル導体を有するものであればよい。
また、上記の実施の形態1-3では、シート状導電部材15の配線層15Dおよび配線層15Fからなる2層のフレキシブル導体が、1つのプラグコンタクト13、33に接続されるが、これに限るものではなく、3層以上のフレキシブル導体を1つのプラグコンタクト13、33に接続することもできる。
【0085】
また、上記の実施の形態1-3に係るコネクタ11、21、31は、4つのプラグコンタクト13、33を有しているが、プラグコンタクト13、33の個数に限定されるものではなく、少なくとも、シート状導電部材15の少なくとも一方の面に露出するフレキシブル導体に電気的に接続される1つのプラグコンタクト13、33を有していればよい。
【符号の説明】
【0086】
1 フレキシブル基板、1A フレキシブル導体、2 ハウジング、2A コンタクト用貫通孔、2B ポスト収容部、3 ベース部材、3A 突起、3B ハウジング固定用ポスト、4 コンタクト、4A 筒状部、4B フランジ、4C 突起収容部、11,21 コネクタ、12,22,32 ハウジング、13,33 プラグコンタクト、13A 筒状部、13B,33B フランジ、13C,33C 凹部、14 補強シート、14A 開口部、14B 切り欠き、15 シート状導電部材、15A コンタクト配置領域、15B 開口部、15C 突出部、15D,15F 配線層、15E,15G 絶縁層、15H 貫通孔、16,36 トップインシュレータ、16A,36A 凹部、16B,36B コンタクト用貫通孔、16C ボス、17,27 ボトムインシュレータ、17A 平板部、17B 凹部、17C,27C 突起,17D 貫通孔、17E 第1腕部挿入溝、17F 第2腕部挿入溝、17G 第1底面、17H 第2底面、17J 傾斜底面、18,28 インナーコンタクト、18A,28A 基部、18B,28B 第1腕部、18C 第2腕部、18D 第1屈曲部、28E 第2屈曲部、33A U形状部、33D 上板部、33E 側板部、36D,36E 凸部、C 嵌合軸、P1 突起接触部、P2 押し付け部、P3 接点部、D1,D2 厚さ、L1,L2,L3,L4 間隔。