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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094610
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】モビリティ外部ディスプレイ構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20240703BHJP
   B60Q 1/50 20060101ALI20240703BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20240703BHJP
   B60R 13/00 20060101ALI20240703BHJP
   B60L 3/00 20190101ALN20240703BHJP
【FI】
B60R11/02 C
B60Q1/50 Z
B60Q1/00 E
B60R13/00
B60L3/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211263
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】523061973
【氏名又は名称】ソニー・ホンダモビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】高木 紀明
(72)【発明者】
【氏名】志水 曜介
【テーマコード(参考)】
3D020
3D024
3K339
5H125
【Fターム(参考)】
3D020BA05
3D020BB01
3D020BC19
3D020BD03
3D020BD09
3D020BD10
3D024BA03
3D024BA08
3D024BA13
3D024BA15
3K339AA02
3K339AA25
3K339AA31
3K339BA02
3K339BA22
3K339BA30
3K339CA01
3K339CA12
3K339CA30
3K339EA01
3K339EA02
3K339EA05
3K339EA10
3K339FA02
3K339FA09
3K339FA11
3K339FA12
3K339GB01
3K339KA06
3K339KA07
3K339MC78
5H125AA01
5H125CD03
5H125EE27
(57)【要約】
【課題】モビリティの外観デザインを維持しつつ、外部ディスプレイを容易に配置することができるモビリティ外部ディスプレイ構造を提供する。
【解決手段】モビリティ外部ディスプレイ構造は、車両1の湾曲する外面に情報を表示する。モビリティ外部ディスプレイ構造は、外面に沿って湾曲したカバー曲面3aを形成した外部ディスプレイカバー3と、外部ディスプレイカバー3の内側に配置される複数の分割ディスプレイ2と、を備えている。複数の分割ディスプレイ2は、カバー曲面3aに応じて配列されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モビリティの湾曲する外面に情報を表示するためのモビリティ外部ディスプレイ構造であって、
前記外面に沿って湾曲したカバー曲面を形成した外部ディスプレイカバーと、
前記外部ディスプレイカバーの内側に配置される複数の分割ディスプレイと、を備え、
前記複数の分割ディスプレイは、前記カバー曲面に応じて配列されていることを特徴とするモビリティ外部ディスプレイ構造。
【請求項2】
隣接する前記複数の分割ディスプレイ同士は、前記カバー曲面に応じた位置又は角度で配置されていることを特徴とする請求項1に記載のモビリティ外部ディスプレイ構造。
【請求項3】
隣接する前記分割ディスプレイ同士は、前記分割ディスプレイの厚み方向、およびディスプレイ表示面と平行な方向、のうち少なくとも一方の方向に段差部を設けて配置されていることを特徴とする請求項2に記載のモビリティ外部ディスプレイ構造。
【請求項4】
前記段差部は、モビリティ外壁面の不透過領域に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のモビリティ外部ディスプレイ構造。
【請求項5】
前記外部ディスプレイカバーは、透過領域と不透過領域とを有することを特徴とする請求項3に記載のモビリティ外部ディスプレイ構造。
【請求項6】
隣接する前記分割ディスプレイは、ディスプレイ表示面の一辺を回転軸として、隣接する前記分割ディスプレイの一方が他方に対して前記カバー曲面に応じて回転させた角度を設けて配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のモビリティ外部ディスプレイ構造。
【請求項7】
前記分割ディスプレイは、ディスプレイ表示面を水平面に対して上向きに傾斜させて配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のモビリティ外部ディスプレイ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モビリティ外部ディスプレイ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両等のモビリティにおける外部ディスプレイとして、例えば特許文献1に提示されるように、車両の車体外表面の側面にバッテリ残量を表示する液晶パネルを配置する構成のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-50291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の外部ディスプレイは、車両の車体外表面にディスプレイを配置する場合、ディスプレイの構造上、車両の外形が平面となるところのみにディスプレイを配置するしかない。すなわち、車体外表面におけるディスプレイを配置する場所が平面部に制限されてしまう。そのため、車両の外観デザインを維持しながら外部ディスプレイを配置することが困難であることから、その点で改善の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、車両等モビリティの外観デザインを維持しつつ、外部ディスプレイを容易に配置することができるモビリティ外部ディスプレイ構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るモビリティ外部ディスプレイ構造は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係るモビリティ外部ディスプレイ構造は、モビリティ(例えば、実施形態の車両1)の湾曲する外面に情報を表示するためのモビリティ外部ディスプレイ構造(例えば、実施形態の外部ディスプレイ体10)であって、前記外面に沿って湾曲したカバー曲面(例えば、実施形態のカバー曲面3a)を形成した外部ディスプレイカバー(例えば、実施形態の外部ディスプレイカバー3)と、前記外部ディスプレイカバーの内側に配置される複数の分割ディスプレイと、を備え、前記複数の分割ディスプレイ(例えば、実施形態の分割ディスプレイ2)は、前記カバー曲面に応じて配列されていることを特徴とする。
【0007】
上記の構成により、モビリティ外面に沿うカバー曲面を形成した外部ディスプレイカバーを設け、この外部ディスプレイカバーの内側に複数の分割ディスプレイをカバー曲面に応じた配列にすることができる。これにより、本発明では、モビリティの外観デザインを阻害することなく、外部ディスプレイをモビリティの外面のうち曲面部分にも配置して情報を表示することができる。
【0008】
隣接する前記複数の分割ディスプレイ同士は、前記カバー曲面に応じた位置又は角度で配置されていても良い。
【0009】
この場合、カバー曲面に応じた位置又は角度にして配置することにより、モビリティの外観デザインを阻害することなく、より効果的に外部ディスプレイをモビリティの外面のうち曲面部分にも配置して情報を表示することができる。
【0010】
隣接する前記分割ディスプレイ同士は、前記分割ディスプレイの厚み方向、およびディスプレイ表示面と平行な方向、のうち少なくとも一方の方向に段差部(例えば、実施形態の段差部21)を設けて配置されていても良い。
【0011】
この場合、隣接する分割ディスプレイのうち一方のディスプレイ表示面と他方のディスプレイ表示面とを平行に配置することができる。すなわち、本構成を採用した場合には、隣接する分割ディスプレイのディスプレイ表示面同士が平行となるため、表示する映像をモビリティの外形に合わせて一方向から視認しやすい状態で表示することができる。
【0012】
前記段差部は、モビリティ外壁面の不透過領域に配置されていても良い。
【0013】
この場合、隣接する分割ディスプレイの間に形成される段差部が、モビリティ外壁面の不透過領域によってモビリティの外から隠れて見えない状態となり、モビリティ外壁面の外縁部がモビリティの外から見たときに複数の分割ディスプレイの輪郭を形成する。このため、本構成を採用した場合には、モビリティの外から複数の分割ディスプレイの輪郭が整って滑らかに見え、モビリティの外観デザインを向上させることができる。
【0014】
前記外部ディスプレイカバーは、透過領域と不透過領域とを有していても良い。
【0015】
この場合、隣接する分割ディスプレイの間に形成される段差部が、外部ディスプレイカバーの不透過領域によってモビリティの外から隠れて見えない状態となり、外部ディスプレイカバーにおける透過領域の不透過領域との境界線がモビリティの外から見たときに複数の分割ディスプレイの輪郭を形成する。すなわち、外部ディスプレイカバーの不透過領域が上記モビリティ外壁面を形成する。このため、本構成を採用した場合には、モビリティの外から複数の分割ディスプレイの輪郭が整って滑らかに見え、モビリティの外観デザインを向上させることができる。
【0016】
隣接する前記分割ディスプレイは、ディスプレイ表示面の一辺を回転軸として、隣接する前記分割ディスプレイの一方が他方に対して前記カバー曲面に応じて回転させた角度を設けて配置されていても良い。
【0017】
この場合、分割ディスプレイを、モビリティの外面および外部ディスプレイカバーの表面に対して角度をもたせた向きに配置することが可能となる。このため、本構成を採用した場合には、外部ディスプレイの視認性を向上させることができる。
【0018】
前記分割ディスプレイは、ディスプレイ表示面をモビリティの水平面に対して上向きに傾斜させて配置されていても良い。
【0019】
この場合、モビリティの外にいる人の視線方向にディスプレイ表示面を向けて分割ディスプレイを配置することができる。このため、本構成を採用した場合には、外部ディスプレイの視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るモビリティ外部ディスプレイ構造は、モビリティの外観デザインを維持しつつ、外部ディスプレイを容易に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本実施形態の車両の前部を正面から見た図である。
図2図2は、図1に示すII部であって、外部ディスプレイ体を拡大した図である。
図3図3は、図1において外部ディスプレイカバーを取り外した状態の車両を示す正面図である。
図4図4は、図2の車両の車体前部を前側左斜め上方から見た図である。
図5図5は、図4に示すIII部であって、複数の分割ディスプレイを拡大した図である。
図6図6は、図3に示す車両の前部を側方から見た図である。
図7図7は、図6に示す複数の分割ディスプレイのディスプレイ表示面を垂直方向IVから見た図である。
図8図8は、図6に示す複数の分割ディスプレイをディスプレイ表示面を含む面方向Vから見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下で説明する各実施形態では、共通部分に同一符号が付されている。
また、以下の説明において、前後や上下、左右については、特別に断らない限り、前進方向を向く車両についての前後や上下、左右を意味するものとする。図面の適所には、車両の上方を指す矢印UPと、車両の前方を指す矢印FRと、車両の左側方を指す矢印LHが記されている。
【0023】
<実施形態>
図1は、本実施形態の車両1の前部を正面から見た図である。
図1において、符号10は、車両1(モビリティ)の前面に設けられた外部ディスプレイ体(モビリティ外部ディスプレイ構造)であり、符号2は、外部ディスプレイ体10を構成する複数の分割ディスプレイであり、符号3は、複数の分割ディスプレイ2をディスプレイ表示面2a側から覆う外部ディスプレイカバーである。本実施形態では、外部ディスプレイ体10を車両1の前側の左右方向両側のヘッドライト16間に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0024】
車両1は、車体11の前部がフロントバンパー12、左右のフェンダーパネル13やフード14等により覆われている。フード14の内側には、車両1の駆動源である図示しない内燃機関やモータ等が配置されている。フロントバンパー12の上方には、車幅方向の中央部においてフード14との間の車体前部11aに前部外装部材である本実施形態の外部ディスプレイ体10が設置され、車幅方向の両側においてフェンダーパネル13及びフード14との間に左右のヘッドライト16が設置されている。
【0025】
フロントバンパー12は、車幅方向に沿うように長尺に形成され、車幅方向の両端部が、左右のフェンダーパネル13の各前端部に締結固定されている。本実施形態では、左右のフェンダーパネル13の各前部領域が車体11の車幅方向外側の外側固定領域とされている。フロントバンパー12の主要部は樹脂材料によって形成されている。外部ディスプレイ体10は、フロントバンパー12の車幅方向中央領域の上部に組付けられている。フロントバンパー12の上部のうちの、外部ディスプレイ体10(および車体前部11a)の左右両側位置には、前照灯や方向指示灯等の複数の灯体要素が内蔵されたヘッドライト16が配置されている。
【0026】
車体前部11aは、車幅方向中央から両側に向かうに従って漸次、車両後方に向かうように湾曲している。
【0027】
図2は、図1に示すII部であって、外部ディスプレイ体10を拡大した図である。
図1及び図2に示すように、車両1の外部ディスプレイ体10は、車両1の湾曲する車体前部11aにおいて表示部(後述する分割ディスプレイ2のディスプレイ表示面2a)を前方に向けた状態で、所定の情報を表示するための構造である。外部ディスプレイ体10は、車体前部11aに沿って湾曲したカバー曲面3aを形成した外部ディスプレイカバー3と、外部ディスプレイカバー3の内側に配置される複数の分割ディスプレイ2と、を備えている。複数の分割ディスプレイ2と外部ディスプレイカバー3とは、一体に組付けられている。
【0028】
図2に示すように、外部ディスプレイカバー3は、複数の分割ディスプレイ2全体を車両前方側から覆う。外部ディスプレイカバー3は、薄板状に形成され、車体前部11aの湾曲形状に略沿って車幅方向に延びて湾曲している。
【0029】
外部ディスプレイカバー3は、外部ディスプレイカバー3の高さ方向の上部に設けられる透過性を有する透過領域31と、下部に設けられる不透過領域32と、をそれぞれ有する。ここで、外部ディスプレイカバー3における「透過性」とは、外部ディスプレイカバー3を前方側から見たときに、分割ディスプレイ2による表示を視認できる状態であり、「不透過」とは、分割ディスプレイ2が隠れて見えない状態で、分割ディスプレイ2のディスプレイ表示面2aによる表示が視認できない状態である。
【0030】
このように外部ディスプレイカバー3は、複数の分割ディスプレイ2と外部ディスプレイカバー3とが車体前部11aに組付けられた状態において、複数の分割ディスプレイ2の下部を不透過領域32によって覆い隠す。すなわち、複数の分割ディスプレイ2の下部は、車両前方側からは視認不可となる。
【0031】
図3は、図1において外部ディスプレイカバー3を取り外した状態の車両1を示す正面図である。図4は、図2の車両1の車体前部11aを前側左斜め上方から見た図である。図5は、図3に示すIII部であって、複数の分割ディスプレイ2を拡大した図である。図6は、図3に示す車両1の前部を側方から見た図である。図7は、図6に示す複数の分割ディスプレイ2におけるディスプレイ表示面2aの垂直方向IVから見た図である。図8は、図6に示す複数の分割ディスプレイ2におけるディスプレイ表示面2aの面方向Vから見た図である。
複数の分割ディスプレイ2は、外部ディスプレイカバー3のカバー曲面3aの曲線方向である長手方向に沿って配列されている。
【0032】
分割ディスプレイ2は、平板状のディスプレイ表示面2aを有するLEDモジュールである。分割ディスプレイ2の平面形状は、図7に示すように矩形状である。
【0033】
分割ディスプレイ2は、例えば、車両1として電気自動車(電動車両)の場合等の充電状態(バッテリー残量)等の種々の情報を表示するものである。分割ディスプレイ2における表示形式としては、例えば各種文字、グラフィック表示、数値、記号などが挙げられる。また、複数の分割ディスプレイ2において、表示色、表示色彩度、表示色輝度、表示柄パターンで点灯表示することも可能である。そして、分割ディスプレイ2による表示は、複数の分割ディスプレイ2全体を使用して1つパターンの情報を表示することも可能であり、あるいは分割ディスプレイ2毎に1つパターンの情報を表示することも可能である。
【0034】
図7に示すように、車幅方向に隣接する分割ディスプレイ2は、カバー曲面3aに応じた角度、位置で配置されている。具体的に複数の分割ディスプレイ2における、隣接する前記分割ディスプレイ2は、分割ディスプレイ2の厚み方向、およびディスプレイ表示面2aと平行な方向、のうち少なくとも一方の方向に段差部21を設けて配置されている。本実施形態では、隣接する分割ディスプレイ2のうち一方のディスプレイ表示面2aを垂直方向から見て、一方に対して他方が上下方向にずらした段差部21を設けて配置されている。そして、車幅方向中央より一方の端部側の各段差部21は、同一方向(ここでは上側)にずれている。
【0035】
それぞれの段差部21の段差S(ずれ量)は、外部ディスプレイカバー3のカバー曲面3aに対応した寸法に設定されるので、全ての段差部21の段差Sが同じであることに制限されることはない。図7では、車幅方向中央から離れるほど段差部21の段差S1~S4が大きくなる。つまり、図7において、第1段差S1より第2段差S2が大きく、第4段差S4が最も大きくなる。なお、全ての段差Sが一定の寸法に設定されていてもよい。
【0036】
また、図2に示すように、段差部21は、外部ディスプレイカバー3(車両外壁面)の不透過領域32に配置される。つまり、段差部21は、外部ディスプレイカバー3の不透過領域32によって前方側から覆われている。
【0037】
図6に示すように、複数の分割ディスプレイ2は、ディスプレイ表示面2aを車両の水平面に対して上向きに傾斜させて配置されている。
【0038】
また、図8に示すように、隣接する分割ディスプレイ2は、ディスプレイ表示面2aの一辺を回転軸として、隣接する分割ディスプレイ2の一方が他方に対してカバー曲面3a(図2参照)に応じて回転させた角度θを設けて配置されている。
【0039】
<実施形態の効果>
本実施形態の車両外部ディスプレイ構造(外部ディスプレイ体10)は、車両外面の湾曲する曲面部分に沿うカバー曲面3aを形成した外部ディスプレイカバー3を設け、この外部ディスプレイカバー3の内側に複数の分割ディスプレイ2をカバー曲面3aに応じて配列することができる。これにより、本実施形態では、車両1の外観デザインを阻害することなく、外部ディスプレイを車両1の外面のうち曲面部分にも配置して情報を表示することができる。
【0040】
また、本実施形態の外部ディスプレイ体10は、隣接する分割ディスプレイ2が分割ディスプレイ2の厚み方向、およびディスプレイ表示面2aと平行な方向、のうち少なくとも一方の方向に段差部21を設けて配置されている。このため、隣接する分割ディスプレイ2のうち一方のディスプレイ表示面2aと他方のディスプレイ表示面2aとを平行に配置することができる。すなわち、本構成を採用した場合には、隣接する分割ディスプレイ2のディスプレイ表示面2a同士が平行となるため、表示する映像を車両1の外形に合わせて一方向から視認しやすい状態で表示することができる。
【0041】
また、本実施形態の外部ディスプレイ体10は、ディスプレイ表示面2aと垂直方向を向く面を備え、不透過領域32を有する外部ディスプレイカバー3が設けられている。段差部21は、外部ディスプレイカバー3の不透過領域32に配置されている。このため、隣接する分割ディスプレイ2同士の間に形成される段差部21が、外部ディスプレイカバー3の不透過領域32によって車外から隠れて見えない状態となり、外部ディスプレイカバー3の不透過領域32の透過領域31との外縁部が車外から見たときに複数の分割ディスプレイ2の輪郭を形成する。したがって、本構成を採用した場合には、車外から複数の分割ディスプレイ2の輪郭が整って滑らかに見え、車両の外観デザインを向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態の外部ディスプレイ体10は、隣接する分割ディスプレイ2がディスプレイ表示面2aの一辺を回転軸として、隣接する分割ディスプレイ2の一方が他方に対してカバー曲面3aに応じた角度θを設けて配置されている。このため、分割ディスプレイ2を、車両1の外面および外部ディスプレイカバー3の表面に対して角度をもたせた向きに配置することが可能となる。このため、本構成を採用した場合には、外部ディスプレイの視認性を向上させることができる。
【0043】
また、本実施形態の外部ディスプレイ体10は、分割ディスプレイ2がディスプレイ表示面2aを水平面に対して上向きに傾斜して配置されているので、車両1の外にいる人の視線方向にディスプレイ表示面2aを向けて分割ディスプレイ2を配置することができる。このため、本実施形態では、外部ディスプレイの視認性を向上させることができる。
【0044】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、車両1の外面のうち湾曲する車体前部11aで左右のヘッドライト16間に車両外部ディスプレイ構造を設ける一例を示したが、車両外部ディスプレイ構造を設ける位置としてこれに限定されることはなく、車両1において他の湾曲する外面に対して車両外部ディスプレイ構造を適用することが可能である。そのため、車両外部ディスプレイ構造を適用する車両1の外面の湾曲する向きや湾曲面の曲率においてもとくに制限されることはない。つまり、本実施形態では、複数の分割ディスプレイ2が車両1の車幅方向に沿って配列されているが、例えば車両の上下方向、あるいは前後方向に沿って複数の分割ディスプレイが配列される構成であってもよい。
【0045】
また、本実施形態では、隣接する分割ディスプレイ2において、ディスプレイ表示面2aと平行な方向にずらした段差部21、角度θ、上向き傾斜をもたせた角度及び位置で配置した構成としているが、これらの角度や位置であることに限定されることはない。例えば、段差部の場合、隣接する分割ディスプレイ2同士を、分割ディスプレイ2の厚み方向にずらした段差部であってもよいし、上記のディスプレイ表示面2aに平行な方向および厚み方向の両方向にずらした段差部であってもよい。
【0046】
また、本実施形態では、外部ディスプレイカバー3が透過領域31と車両外壁面を構成する不透過領域32とを有する構成としているが、透過領域31のみを有する外部ディスプレイカバー3であってもよい。この場合には、不透過領域を有する車両外壁面が設けられ、段差部が車両外壁面によって隠れるように配置することも可能である。
【0047】
本発明は、車両以外にも、内各種の移動体に適用できる。例えば、本発明は、二輪車、列車、航空機等にも適用できる。
【符号の説明】
【0048】
1…車両(モビリティ)
2…分割ディスプレイ
2a…ディスプレイ表示面
3…外部ディスプレイカバー(モビリティ外壁面)
3a…カバー曲面
10…外部ディスプレイ体(モビリティ外部ディスプレイ構造)
11…車体
11a…車体前部
21…段差部
31…透過領域
32…不透過領域
S、S1~S4…段差
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8