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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094618
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】清掃用具
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/20 20060101AFI20240703BHJP
   A47L 13/254 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A47L13/20 A
A47L13/254
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211274
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】高井 勉
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA07
3B074AB01
3B074EE01
3B074EE02
(57)【要約】
【課題】 清掃時に操作用ハンドルの被清掃面に対する傾斜角を自由に可変することができると共に、操作用ハンドルの回動軸への負荷を軽減させることができる清掃用具を提供する。
【解決手段】 清掃用具10は、清掃ヘッド本体1と、清掃ヘッド本体1の上部略中央に設けられたジョイント部材2とを有する清掃ヘッド3と、清掃ヘッド3のジョイント部材2と連結される操作用ハンドル4とを有しており、ジョイント部材2は、一対の軸受部材5、5と、上面に凹の略円弧状の摩擦面6aを有する摩擦部材6とを備えている。また、操作用ハンドル4は、第1の回動軸7と、第1の回動軸7の外周側であって、側面視が略円弧状の押圧面8aを有する第1押圧部8と、が形成された回動部材9と、側面視が略円弧状の押圧面11aを有する第2押圧部11が形成された把持部材12とを備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略長方形状であって、短手方向が主たる清掃方向である清掃ヘッド本体と該清掃ヘッド本体の上部略中央に設けられたジョイント部材とを有する清掃ヘッドと、
前記清掃ヘッドのジョイント部材と連結される操作用ハンドルと、を有する清掃用具において、
前記ジョイント部材は、
一対の軸受部材と、該一対の軸受部材の間に形成されると共に、上面に凹の略円弧状の摩擦面を有する摩擦部材と、を備え、
前記操作用ハンドルは、
前記一対の軸受部材に軸支される第1の回動軸と、該第1の回動軸の外周側であって、側面視が略円弧状の押圧面を有する第1押圧部と、が形成された回動部材と、
前記回動部材と一体的又は別体として略棒状に延び、側面視が略円弧状の押圧面を有する第2押圧部が形成された把持部材と、を備え、
前記第2押圧部の押圧面は、前記第1押圧部の押圧面の延長面上に形成されているものであって、
前記操作用ハンドルの回動時は、前記第1押圧部及び/又は前記第2押圧部が前記摩擦部材に当接しつつ、摺動することを特徴とする清掃用具
【請求項2】
摩擦部材の摩擦面と、回動部材の第1押圧部及び/又は把持部材の第2押圧部の押圧面とは、第1の回動軸を中心とする略同心円の面であることを特徴とする請求項1に記載の清掃用具
【請求項3】
摩擦部材の摩擦面と、回動部材の第1押圧部及び/又は把持部材の第2押圧部の押圧面とは、当接させた際に一致する略同一の曲面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用具
【請求項4】
操作用ハンドルは、回動部材が清掃ヘッドの短手方向に回動可能であると共に、把持部材は前記回動部材に対して第2の回動軸を有し、前記把持部材が前記清掃ヘッドの長手方向に回動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用具
【請求項5】
第1の回動軸と、第2の回動軸とが略同一平面上に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の清掃用具
【請求項6】
第1押圧部は、第1の回動軸を中心として、操作用ハンドルの先端を含む略180度の範囲内に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用具
【請求項7】
清掃ヘッドは、摩擦部材を操作用ハンドル側に押圧する付勢手段を有し、該付勢手段は、前記摩擦部材を直接的に押圧する第1の押圧体と、該第1の押圧体を押圧することによって、前記摩擦部材を間接的に押圧する第2の押圧体とで構成されており、前記第1の押圧体と前記第2の押圧体とは異なる部材で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用具
【請求項8】
第1の押圧体は、清掃ヘッドと一体化して形成された樹脂部材であると共に、第2の押圧体は、前記清掃ヘッドとは別体として形成された金属部材であることを特徴とする請求項7に記載の清掃用具
【請求項9】
第1の押圧体は、清掃ヘッドに一端が固定されていると共に、他端が回動可能な自由端となるように形成されており、第2の押圧体は、前記第1の押圧体の他端を押圧していることを特徴とする請求項7に記載の清掃用具
【請求項10】
第2の押圧体は、清掃ヘッドに対して着脱可能に固定されていることを特徴とする請求項7に記載の清掃用具
【請求項11】
回動部材の第1押圧部及び/又は把持部材の第2押圧部は、摩擦部材に対して線接触又は面接触していることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃ヘッドと操作用ハンドルとを備えた清掃用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から柄棒の先端に連結された拭布取付部材に、紙や布帛等からなる拭布を交換可能に取り付けたモップの発明が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載のモップは、払掃用の拭布と、該拭布を交換可能に装着するための扁平で細長い拭布取付部材と、該拭布取付部材に連結された操作用の柄棒とからなっていて、 上記柄棒が、該柄棒に設けた連結孔に、拭布取付部材の上面に幅方向に設けた連結軸を挿通することにより、該拭布取付部材の長手方向に略180度の範囲で回動可能に連結されると共に、上記連結孔を、軸線方向中央部が最も小径で、両端に行くに従って孔径が少なくとも柄棒の軸線方向に次第に広がった形に形成することにより、拭布取付部材の幅方向に少なくとも15度以上傾斜可能となるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3457402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に記載のモップは、主たる清掃方向である拭布取付部材の短手方向における操作用の柄棒との傾斜角度が所定の角度に固定されると共に、清掃時には連結軸に直接大きな負荷が加わる為、連結軸が破損し易いという課題を有するものであった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、清掃時に操作用ハンドルの被清掃面に対する傾斜角を自由に可変することができると共に、操作用ハンドルの回動軸への負荷を軽減させることができる清掃用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、略長方形状であって、短手方向が主たる清掃方向である清掃ヘッド本体と該清掃ヘッド本体の上部略中央に設けられたジョイント部材とを有する清掃ヘッドと、前記清掃ヘッドのジョイント部材と連結される操作用ハンドルとを有する清掃用具において、前記ジョイント部材は、一対の軸受部材と、該一対の軸受部材の間に形成されると共に、上面に凹の略円弧状の摩擦面を有する摩擦部材と、を備え、前記操作用ハンドルは、前記一対の軸受部材に軸支される第1の回動軸と、該第1の回動軸の外周側であって、側面視が略円弧状の押圧面を有する第1押圧部と、が形成された回動部材と、前記回動部材と一体的又は別体として略棒状に延び、側面視が略円弧状の押圧面を有する第2押圧部が形成された把持部材とを備え、前記第2押圧部の押圧面は、前記第1押圧部の押圧面の延長面上に形成されているものであって、前記操作用ハンドルの回動時は、前記第1押圧部及び/又は前記第2押圧部が前記摩擦部材に当接しつつ、摺動することを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、操作用ハンドルを第1の回動軸回りに、摩擦部材による抵抗を受けながら回動させることができるので、清掃時に操作用ハンドルの被清掃面に対する傾斜角を自由に可変できると共に、操作性の良好な傾斜角で安定して使用することができる。また、清掃ヘッドを被清掃面上で移動させる際に、清掃ヘッドの浮き上がりや、裏返りを防止することができる。また、操作用ハンドルの回動時は、第1押圧部及び/又は第2押圧部が摩擦部材に当接しつつ、摺動するので、操作用ハンドルの第1の回動軸への負荷を軽減させることができると共に、操作用ハンドルの回動範囲を大きく設計することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、摩擦部材の摩擦面と、回動部材の第1押圧部及び/又は把持部材の第2押圧部の押圧面とは、第1の回動軸を中心とする略同心円の面であることを特徴としている。これにより、摩擦面の全体を押圧面によって押圧させることができ、摩擦力を高めることができる。また、摩擦部材の局所的な摩耗を防ぎ、耐久性を高めることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、摩擦部材の摩擦面と、回動部材の第1押圧部及び/又は把持部材の第2押圧部の押圧面とは、当接させた際に一致する略同一の曲面であることを特徴としている。これにより、摩擦面の全体を押圧面によって押圧させることができ、摩擦力を高めることができる。また、摩擦部材の局所的な摩耗を防ぎ、耐久性を高めることができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、操作用ハンドルは、回動部材が清掃ヘッドの短手方向に回動可能であると共に、把持部材は前記回動部材に対して第2の回動軸を有し、前記把持部材が前記清掃ヘッドの長手方向に回動可能であることを特徴としている。これにより、操作用ハンドルの操作性を高めることができ、狭い空間の清掃を行うことができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、第1の回動軸と、第2の回動軸とが略同一平面上に形成されていることを特徴としている。これにより、清掃ヘッドの短手方向への回動と、清掃ヘッドの長手方向への回動とをスムーズに切り替えることができ、操作用ハンドルの操作性を一層高めることができ、狭い空間の清掃を行うことができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1又は2の発明において、第1押圧部は、第1の回動軸を中心として、操作用ハンドルの先端を含む略180度の範囲内に形成されていることを特徴としている。これにより、操作用ハンドルの第1の回動軸への負荷を確実に軽減させることができると共に、第1押圧部の押圧面を確実に摩擦部材に当接させることができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1又は2の発明において、清掃ヘッドは、摩擦部材を操作用ハンドル側に押圧する付勢手段を有し、該付勢手段は、前記摩擦部材を直接的に押圧する第1の押圧体と、該第1の押圧体を押圧することによって、前記摩擦部材を間接的に押圧する第2の押圧体とで構成されており、前記第1の押圧体と前記第2の押圧体とは異なる部材で形成されていることを特徴としている。これにより、摩擦部材と第1押圧部及び/又は第2押圧部との摩擦力を一層高めることができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、第1の押圧体は、清掃ヘッドと一体化して形成された樹脂部材であると共に、第2の押圧体は、前記清掃ヘッドとは別体として形成された金属部材であることを特徴としている。これにより、第1の押圧体を摩擦部材に安定して当接させることができると共に、摩擦部材による回動部材の第1押圧部及び/又は把持部材の第2押圧部の押圧面への押圧を確実に行うことができる。また、摩擦部材の摩耗による摩擦力の低下を防ぐことができる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項7の発明において、第1の押圧体は、清掃ヘッドに一端が固定されていると共に、他端が回動可能な自由端となるように形成されており、第2の押圧体は、前記第1の押圧体の他端を押圧していることを特徴としている。これにより、第1の押圧体を摩擦部材に安定して当接させることができると共に、摩擦部材による回動部材の第1押圧部及び/又は把持部材の第2押圧部の押圧面への押圧を確実に行うことができる。また、第1の押圧体の他端側の押圧力の低下を防ぐことができ、摩擦部材と第1押圧部及び/又は第2押圧部との摩擦力を一層高めることができる。
【0017】
請求項10の発明は、請求項7の発明において、第2の押圧体は、清掃ヘッドに対して着脱可能に固定されていることを特徴としている。これにより、第2の押圧体の押圧力が低下した際に容易に交換することができる。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1又は2の発明において、回動部材の第1押圧部及び/又は把持部材の第2押圧部は、摩擦部材に対して線接触又は面接触していることを特徴としている。これにより、摩擦部材と第1押圧部及び/又は第2押圧部との摩擦力を一層高めることができると共に、摩擦部材の局所的な摩耗を防ぎ、耐久性を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明は、清掃時に操作用ハンドルを摩擦部材による抵抗を受けながら回動させることで被清掃面に対する傾斜角を自由に可変できると共に、操作性の良好な傾斜角で安定して使用することができる。また、操作用ハンドルの第1の回動軸への負荷を軽減させることができる。請求項2及び3の発明は、摩擦面の全体を押圧面によって押圧させることができ、摩擦力を高めることができると共に、摩擦部材の局所的な摩耗を防ぎ、耐久性を高めることができる。請求項4及び5の発明は、操作用ハンドルの操作性を高めることができ、狭い空間の清掃を行うことができる。
【0020】
請求項6の発明は、操作用ハンドルの第1の回動軸への負荷を確実に軽減させることができると共に、第1押圧部の押圧面を確実に摩擦部材に当接させることができる。また、請求項7、9及び11の発明は、摩擦部材と第1押圧部及び/又は第2押圧部との摩擦力を一層高めることができる。
【0021】
請求項8の発明は、第1の押圧体を摩擦部材に安定して当接させることができると共に、摩擦部材による回動部材の第1押圧部及び/又は把持部材の第2押圧部の押圧面への押圧を確実に行うことができる。また、摩擦部材の摩耗による摩擦力の低下を防ぐことができる。また、請求項10の発明は、第2の押圧体の押圧力が低下した際に容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態の清掃用具を示す斜視図
図2】(a)第1実施形態の清掃用具を示す一部拡大斜視図(b)同正面図(c)同右側面図
図3】(a)図2(a)のA-A断面図(b)、(c)操作用ハンドル可動時の状態を示す断面図
図4】保管時の第1実施形態の清掃用具を示す斜視図
図5】(a)保管時の第1実施形態の清掃用具を示す右側面図(b)同一部拡大断面図
図6】清掃ヘッド本体を分解した状態の第1実施形態の清掃用具を示す斜視図
図7】第2実施形態の清掃用具を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。図1は、第1実施形態の清掃用具を示す斜視図である。また、図2(a)は、第1実施形態の清掃用具を示す一部拡大斜視図であり、図2(b)は、同正面図、図2(c)は、同右側面図である。また、図3(a)は、図2(a)のA-A断面図であり、図3(b)及び(c)は、操作用ハンドル可動時の状態を示す断面図である。これらの図を用いて本発明に係る清掃用具の第1実施形態について以下に説明する。
【0024】
第1実施形態の清掃用具10は、。略長方形状であって、短手方向が主たる清掃方向である清掃ヘッド本体1と、清掃ヘッド本体1の上部略中央に設けられたジョイント部材2とを有する清掃ヘッド3と、清掃ヘッド3のジョイント部材2と連結される操作用ハンドル4とを有している。
【0025】
ジョイント部材2は、一対の軸受部材5、5と、一対の軸受部材5、5の間に形成されると共に、上面に凹の略円弧状の摩擦面6aを有する摩擦部材6とを備えている。
【0026】
操作用ハンドル4は、一対の軸受部材5、5に軸支される第1の回動軸7と、第1の回動軸7の外周側であって、側面視が略円弧状の押圧面8aを有する第1押圧部8と、が形成された回動部材9と、回動部材9と一体的又は別体として略棒状に延び、側面視が略円弧状の押圧面11aを有する第2押圧部11が形成された把持部材12とを備えている。
【0027】
そして、第2押圧部11の押圧面11aは、第1押圧部8の押圧面8aの延長面上に形成されているものであって、操作用ハンドル4の回動時は、第1押圧部8及び/又は第2押圧部11が摩擦部材6に当接しつつ、摺動する構成としている。
【0028】
前述のように構成された第1実施形態の清掃用具10は、操作用ハンドル4を第1の回動軸7回りに回動させることができるので、清掃時に操作用ハンドル4の被清掃面に対する傾斜角を自由に可変させることができる。また、操作性の良好な傾斜角を維持することができるので、清掃ヘッド3を被清掃面上で移動させる際に、清掃ヘッド3の浮き上がりや、裏返りを防止することができ、安定して使用することができる。また、操作用ハンドル4の回動時は、第1押圧部8及び/又は第2押圧部11が摩擦部材6に当接しつつ、摺動するので、操作用ハンドル4の第1の回動軸7への負荷を軽減させることができると共に、操作用ハンドル4の回動範囲を大きく設計することができる。
【0029】
ここで、図3(a)は、操作用ハンドル4は、清掃ヘッド3の底面が当接する被清掃面に対して90度の方向に延出している場合であり、摩擦部材6の摩擦面6aは、回動部材9の第1押圧部8の押圧面8aに当接している。また、図3(b)は、操作用ハンドル4が被清掃面に対して45度の方向に延出している場合であり、摩擦部材6の摩擦面6aは、回動部材9の第1押圧部8の押圧面8aと、把持部材12の第2押圧部11の押圧面11aの両方に当接している。また、図3(c)は、操作用ハンドル4を被清掃面側に倒した方向に延出している場合であり、摩擦部材6の摩擦面6aは、把持部材12の第2押圧部11の押圧面11aに当接している。
【0030】
尚、摩擦部材6の摩擦面6aと、回動部材9の第1押圧部8及び/又は把持部材12の第2押圧部11の押圧面8a、11aとは、第1の回動軸7を中心とする略同心円の面であることが好ましい。また、摩擦部材6の摩擦面6aと、回動部材9の第1押圧部8及び/又は把持部材12の第2押圧部11の押圧面8a、11aとは、当接させた際に一致する略同一の曲面であることが好ましい。また、回動部材9の第1押圧部8及び/又は把持部材12の第2押圧部11は、摩擦部材6に対して線接触又は面接触しているのが好ましい。これにより、摩擦面6aの全体を押圧面8a、11aによって押圧させることができ、摩擦力を高めることができると共に、摩擦部材6の局所的な摩耗を防ぎ、耐久性を高めることができる。さらに、操作用ハンドル4の回動時に、使用者が受ける抵抗が略一定となるため、操作性が向上し、使用者の負荷を軽減することができる。
【0031】
清掃用具10の操作用ハンドル4は、回動部材9が清掃ヘッド3の短手方向に回動可能であると共に、把持部材12は回動部材9に対して第2の回動軸13を有しており、把持部材12が清掃ヘッド3の長手方向に回動可能な構成としている。これにより、操作用ハンドル4の操作性を高めることができ、狭い空間の清掃を行うことができる。
【0032】
清掃用具10は、図3(a)に示すように、第1の回動軸7と、第2の回動軸13とが略同一の平面X上に形成されている。これにより、清掃ヘッド3の短手方向への回動と、清掃ヘッド3の長手方向への回動とをスムーズに切り替えることができ、操作用ハンドル4の操作性を一層高めることができ、狭い空間の清掃を行うことができる。また、第1押圧部8は、第1の回動軸7を中心として、操作用ハンドル4の先端を含む略180度の範囲内に形成されているのが好ましい。これにより、操作用ハンドル4の第1の回動軸7への負荷を確実に軽減させることができると共に、第1押圧部の押圧面を確実に摩擦部材に当接させることができる。尚、第2の回動軸13を、第1の回動軸7よりも下方に位置させることも可能であり、回動操作位置をより低位置に設けることで、安定した回動動作を行うことできる。かかる場合は、第1押圧部8の押圧面8aが、第1の回動軸7を中心として180度未満の角となるが、第2押圧部11の押圧面11aが第1押圧部8の押圧面8aの延長面上に形成されているため、操作用ハンドル4はスムーズに略180度回転可能となる。
【0033】
清掃用具10の清掃ヘッド3は、図3(a)~(c)に示すように、摩擦部材を操作用ハンドル側に押圧する付勢手段14、15を有しており、この付勢手段14、15は、摩擦部材6を直接的に押圧する第1の押圧体14と、この第1の押圧体14を押圧することによって、摩擦部材6を間接的に押圧する第2の押圧体15とで構成されている。また、第1の押圧体14と第2の押圧体15とは異なる部材で形成されている。これにより、摩擦部材6と第1押圧部8及び/又は第2押圧部11との摩擦力を一層高めることができる。
【0034】
尚、第1の押圧体14は、清掃ヘッド3と一体化して形成された樹脂部材であり、第2の押圧体15は、清掃ヘッド3とは別体として形成された金属部材としている。具体的には、第1の押圧体14は樹脂製のU字状ばねを採用しており、第2の押圧体15は金属製の圧縮コイルばねを採用している。これにより、摩擦部材6の摩耗が進んだ場合に、第1の押圧体14が略一定の押圧力で付勢できる範囲を超えた場合であっても、第2の押圧体15により押圧力を補えるため、摩擦力の低下を防ぐことができる。さらに、第1の押圧体14は清掃ヘッド3と一体化して形成されているため、第1の押圧体14を摩擦部材6に安定して当接させることができると共に、摩擦部材6による回動部材9の第1押圧部8及び/又は把持部材12の第2押圧部11の押圧面8a、11aへの押圧を確実に行うことができる。また、第2の押圧体15は、清掃ヘッド3に対して着脱可能に固定されている。これにより、第2の押圧体15の押圧力が低下した際に容易に交換することができる。
【0035】
図4は、保管時の第1実施形態の清掃用具を示す斜視図である。また、図5(a)は、保管時の第1実施形態の清掃用具を示す右側面図あり、図5(b)は、同一部拡大断面図である。これらの図を用いて第1実施形態の清掃用具10の使用態様について説明する。
【0036】
清掃用具10を壁面に立てかけて保管する場合には、清掃ヘッド3の底面を壁面に当接させると共に、側面を床面に設置させて、操作用ハンドル4を壁面側に倒して保管することができる。この場合には、図5(b)に示すように、摩擦部材6の摩擦面6aは、把持部材12の第2押圧部11の押圧面11aに当接している。また、付勢手段である第1の押圧体14が摩擦部材6の摩擦面6aとは反対側の面に当接して第2押圧部11側に押圧している。また、付勢手段である第2の押圧体15は、第1の押圧体14の一方の端部を摩擦部材6側に押圧している。これにより、操作用ハンドル4が壁面と反対側に倒れることなく、清掃用具10を安定して立てかけて保管することができる。
【0037】
図6は、清掃ヘッド本体を分解した状態の第1実施形態の清掃用具を示す斜視図である。この図に示すように、起毛布等の清掃体が固定されている清掃部材1a、1aは、清掃ヘッド本体1に対して着脱可能な構成としている。具体的には、清掃部材1aに形成された係止片が清掃ヘッド本体1に形成された係止溝に係合することによって着脱可能に固定される構造としている。これにより、清掃体が汚れた場合には、清掃部材1aを取り外して洗浄し、又は交換することができる。
【0038】
図7は、第2実施形態の清掃用具を示す断面図である。第2実施形態の清掃用具20は、第1の押圧体24が清掃ヘッド23に、一端が軸体16によって回動可能に固定されていると共に、他端が回動可能な自由端となるように形成されており、第2の押圧体25は、第1の押圧体24の他端を押圧するように構成されている。これにより、第1の押圧体24を摩擦部材26に安定して当接させることができると共に、摩擦部材26による回動部材の第1押圧部28及び/又は把持部材の第2押圧部31の押圧面への押圧を確実に行うことができる。また、第1の押圧体24の他端側の押圧力の低下を防ぐことができ、摩擦部材26と第1押圧部28及び/又は第2押圧部31との摩擦力を一層高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る清掃用具は、室内における床や壁、階段等の汚れや塵埃等を除去する掃除道具として利用される。
【符号の説明】
【0040】
1 清掃ヘッド本体
1a 清掃部材
2 ジョイント部材
3、23 清掃ヘッド
4 操作用ハンドル
5 軸受部材
6、26 摩擦部材
6a 摩擦面
7 第1の回動軸
8、28 第1押圧部
8a 押圧面
9 回動部材
10、20 清掃用具
11、31 第2押圧部
11a 押圧面
12 把持部材
13 第2の回動軸
14、24 第1の押圧体(付勢手段)
15、25 第2の押圧体(付勢手段)
16 軸体
X 平面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7