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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094641
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】コネクタおよびコネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/77 20110101AFI20240703BHJP
【FI】
H01R12/77
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211312
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】芦部 健太
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA30
5E223AC21
5E223BA01
5E223BA04
5E223BA08
5E223BB12
5E223CA15
5E223CD02
5E223DA03
5E223EC22
5E223EC47
5E223EC63
(57)【要約】
【課題】衣服等の実装対象物に実装されても心地の低下を抑えることができるコネクタを提供する。
【解決手段】フレキシブルな絶縁性のシートからなるシート部材12の少なくとも表面上にフレキシブル導体14が配置され、シート部材12の嵌合部FPに導電性のコンタクト部材15および位置決め部材16が配置され、フレキシブル導体14は、シート部材12の嵌合部FPに配置され且つコンタクト部材15に電気的に接続された第1接続部14Aと、シート部材12の実装部MPに配置され且つ実装対象物の配線部に電気的に接続される第2接続部14Bと、第1接続部14Aおよび第2接続部14Bを互いに連結する連結部14Cを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線部が配置されている実装対象物に実装され且つ相手側コネクタに嵌合するコネクタであって、
フレキシブルな絶縁性のシート部材と、
前記シート部材の少なくとも表面上に配置されたフレキシブル導体と、
前記シート部材に取り付けられ且つ前記相手側コネクタの相手側コンタクトに電気的に接続される導電性のコンタクト部材と、
前記相手側コネクタに対して前記シート部材を位置決めするための位置決め部材と
を備え、
前記シート部材は、前記相手側コネクタに嵌合する嵌合部と、前記実装対象物に実装される実装部を有し、
前記コンタクト部材および前記位置決め部材は、前記シート部材の前記嵌合部に配置され、
前記フレキシブル導体は、前記シート部材の前記嵌合部に配置され且つ前記コンタクト部材に電気的に接続された第1接続部と、前記シート部材の前記実装部に配置され且つ前記実装対象物の前記配線部に電気的に接続される第2接続部と、前記第1接続部および前記第2接続部を互いに連結する連結部を有するコネクタ。
【請求項2】
前記コンタクト部材は、前記シート部材の前記嵌合部に形成されたコンタクト用貫通孔の周縁部に取り付けられたリング状の導電性部材からなる請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記コンタクト部材は、前記シート部材の前記嵌合部に取り付けられた平板状の導電部を有する請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記シート部材は、布地または編地から形成され、
前記フレキシブル導体は、前記シート部材に刺繍された、または、編み込まれた導電糸により形成されている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コンタクト部材は、前記シート部材に刺繍された、または、編み込まれた前記導電糸により形成されている請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記シート部材は、絶縁性樹脂フィルムから形成され、
前記フレキシブル導体は、前記シート部材に配置された導電層により形成されている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記位置決め部材は、前記シート部材の前記嵌合部に形成された位置決め用貫通孔の周縁に取り付けられたリング状部材からなり、
前記位置決め用貫通孔および前記位置決め部材が前記相手側コネクタに形成された位置決めピンに嵌められることにより、前記シート部材は、前記相手側コネクタに対して位置決めされる請求項1に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記位置決め部材は、前記シート部材の前記嵌合部を囲むように前記嵌合部の周縁に取り付けられたフレーム状部材からなり、
前記位置決め部材が前記相手側コネクタに形成された位置決め用溝部に嵌められることにより、前記シート部材は、前記相手側コネクタに対して位置決めされる請求項1に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記実装対象物として衣服に実装される請求項1に記載のコネクタ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の前記コネクタと、
前記コネクタが嵌合する前記相手側コネクタと
を備えるコネクタ組立体。
【請求項11】
前記相手側コネクタの前記相手側コンタクトは、進退可能に配置されたプランジャと、前記プランジャを弾性的に進退させるためのコンタクト用バネ部材を有する請求項10に記載のコネクタ組立体。
【請求項12】
前記相手側コネクタは、前記相手側コンタクトが配置されたコネクタ本体と、前記コネクタ本体に対して開閉可能に取り付けられた蓋体を有し、
前記相手側コンタクトの上に配置された前記コネクタの前記シート部材の前記嵌合部を前記蓋体により前記コネクタ本体に向けて押し付けることにより、前記コネクタの前記コンタクト部材が前記相手側コネクタの前記相手側コンタクトに電気的に接続される請求項11に記載のコネクタ組立体。
【請求項13】
前記相手側コネクタは、前記蓋体を前記コネクタ本体に向けて押し付ける蓋体用バネ部材を有する請求項12に記載のコネクタ組立体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタに係り、特に、衣服等の実装対象物に実装され且つ相手側コネクタに嵌合するコネクタに関する。
また、この発明は、このようなコネクタと相手側コネクタを備えるコネクタ組立体にも関している。
【背景技術】
【0002】
近年、着用するだけで心拍数、体温等のユーザの生体情報を取得することができる、いわゆるスマート衣料が注目を浴びている。このスマート衣料は、計測箇所に配置された電極を備え、電極に計測機器としてのウエアラブルデバイスを電気的に接続することで、生体情報をウエアラブルデバイスに伝送することが可能となる。
電極とウエアラブルデバイスとの接続は、例えば、電極から引き出された配線部に接続されるコネクタを用いることにより行うことができる。
【0003】
この種のコネクタとして、例えば、特許文献1に、図26および27に示されるようなコネクタが開示されている。コネクタは、絶縁性材料からなるコネクタ本体1を有している。コネクタ本体1は、衣服2の表面側に配置される第1インシュレータ3と、衣服2の裏面側に配置される第2インシュレータ4を有し、タブシート5と共に衣服2に取り付けられている。タブシート5は、衣服2を補強するためのものである。第1インシュレータ3に複数のコンタクト6が保持されており、これら複数のコンタクト6が、衣服2に配置された配線部7に接続されている。
【0004】
このようなコネクタを衣服側コネクタとして使用し、衣服側コネクタに図示しないモジュール側コネクタを嵌合することにより、生体情報を計測モジュールに伝送して計測等を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-80493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コネクタ本体1を構成する第1インシュレータ3および第2インシュレータ4は、柔軟性に乏しい絶縁性材料から形成されており、特に、第2インシュレータ4が衣服2の裏面側に配置されていることから、ユーザは違和感を覚え、着心地が低下するおそれがある。
【0007】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、衣服等の実装対象物に実装されても心地の低下を抑えることができるコネクタを提供することを目的とする。
また、この発明は、このようなコネクタと相手側コネクタからなるコネクタ組立体を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るコネクタは、
配線部が配置されている実装対象物に実装され且つ相手側コネクタに嵌合するコネクタであって、
フレキシブルな絶縁性のシート部材と、
シート部材の少なくとも表面上に配置されたフレキシブル導体と、
シート部材に取り付けられ且つ相手側コネクタの相手側コンタクトに電気的に接続される導電性のコンタクト部材と、
相手側コネクタに対してシート部材を位置決めするための位置決め部材と
を備え、
シート部材は、相手側コネクタに嵌合する嵌合部と、実装対象物に実装される実装部を有し、
コンタクト部材および位置決め部材は、シート部材の嵌合部に配置され、
フレキシブル導体は、シート部材の嵌合部に配置され且つコンタクト部材に電気的に接続された第1接続部と、シート部材の実装部に配置され且つ実装対象物の配線部に電気的に接続される第2接続部と、第1接続部および第2接続部を互いに連結する連結部を有することを特徴としている。
【0009】
コンタクト部材は、シート部材の嵌合部に形成されたコンタクト用貫通孔の周縁部に取り付けられたリング状の導電性部材から形成することができる。
あるいは、コンタクト部材は、シート部材の嵌合部に取り付けられた平板状の導電部を有していてもよい。
【0010】
また、シート部材は、布地または編地から形成され、フレキシブル導体は、シート部材に刺繍された、または、編み込まれた導電糸により形成することができる。
この場合、コンタクト部材は、シート部材に刺繍された、または、編み込まれた導電糸により形成することもできる。
あるいは、シート部材は、絶縁性樹脂フィルムから形成され、フレキシブル導体は、シート部材に配置された導電層により形成することもできる。
【0011】
位置決め部材は、シート部材の嵌合部に形成された位置決め用貫通孔の周縁に取り付けられたリング状部材からなり、位置決め用貫通孔および位置決め部材が相手側コネクタに形成された位置決めピンに嵌められることにより、シート部材は、相手側コネクタに対して位置決めされるように構成することができる。
位置決め部材は、シート部材の嵌合部を囲むように嵌合部の周縁に取り付けられたフレーム状部材からなり、位置決め部材が相手側コネクタに形成された位置決め用溝部に嵌められることにより、シート部材は、相手側コネクタに対して位置決めされるように構成してもよい。
また、実装対象物として衣服にコネクタを実装することができる。
【0012】
この発明に係るコネクタ組立体は、
上記のコネクタと、
コネクタが嵌合する相手側コネクタと
を備えることを特徴とする。
【0013】
相手側コネクタの相手側コンタクトは、進退可能に配置されたプランジャと、プランジャを弾性的に進退させるためのコンタクト用バネ部材を有することができる。
相手側コネクタは、相手側コンタクトが配置されたコネクタ本体と、コネクタ本体に対して開閉可能に取り付けられた蓋体を有し、相手側コンタクトの上に配置されたコネクタのシート部材の嵌合部を蓋体によりコネクタ本体に向けて押し付けることにより、コネクタのコンタクト部材が相手側コネクタの相手側コンタクトに電気的に接続されるように構成することができる。
この場合、相手側コネクタは、蓋体をコネクタ本体に向けて押し付ける蓋体用バネ部材を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、フレキシブルな絶縁性のシートからなるシート部材の少なくとも表面上にフレキシブル導体が配置され、シート部材の嵌合部に導電性のコンタクト部材および位置決め部材が配置され、フレキシブル導体は、シート部材の嵌合部に配置され且つコンタクト部材に電気的に接続された第1接続部と、シート部材の実装部に配置され且つ実装対象物の配線部に電気的に接続される第2接続部と、第1接続部および第2接続部を互いに連結する連結部を有するので、衣服等の実装対象物に実装されても心地の低下を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態1に係るコネクタ組立体を示す斜視図である。
図2】実施の形態1で用いられるコネクタを示す平面図である。
図3】実施の形態1で用いられるコネクタを示す部分斜視図である。
図4図2のA-A線断面図である。
図5】実施の形態1で用いられる相手側コネクタを示す斜視図である。
図6】実施の形態1で用いられる相手側コネクタを示す正面図である。
図7図6のB-B線断面図である。
図8図7の要部拡大図である。
図9】実施の形態1に係るコネクタ組立体を示す部分断面図である。
図10図9の要部拡大図である。
図11】実施の形態2で用いられるコネクタを示す平面図である。
図12】実施の形態2で用いられるコネクタを示す部分斜視図である。
図13図11のC-C線断面図である。
図14】実施の形態3に係るコネクタ組立体を示す斜視図である。
図15】実施の形態3で用いられるコネクタを示す平面図である。
図16図15のD-D線断面図である。
図17】実施の形態3で用いられる相手側コネクタを示す斜視図である。
図18】実施の形態3で用いられる相手側コネクタを示す正面図である。
図19図18のE-E線断面図である。
図20】実施の形態3に係るコネクタ組立体を示す部分断面図である。
図21図20の要部拡大図である。
図22】実施の形態4で用いられるコネクタを示す平面図である。
図23図22のF-F線断面図である。
図24】実施の形態5で用いられるコネクタを示す平面図である。
図25】実施の形態6で用いられるコネクタを示す平面図である。
図26】従来のコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図27】従来のコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係るコネクタ組立体を示す。コネクタ組立体は、コネクタ11と、コネクタ11が嵌合する相手側コネクタ21を備えている。
コネクタ11は、シート形状を有しており、コネクタ11の一部が相手側コネクタ21の内部に挿入された状態で相手側コネクタ21に嵌合する。
図1は、コネクタ11が、実装対象物である衣服Gに実装されることで衣服側コネクタとして使用され、モジュール側コネクタとなる相手側コネクタ21に嵌合している状態を示している。
【0017】
ここで、便宜上、シート形状のコネクタ11がXY面に沿って延び、コネクタ11から相手側コネクタ21に向かう方向を-X方向、XY面に垂直な方向をZ方向と呼ぶことにする。
【0018】
図2に示されるように、コネクタ11は、ほぼ矩形のシート部材12を有している。シート部材12は、-X方向側部分に区画され且つ相手側コネクタ21に嵌合する嵌合部FPと、+X方向側部分に区画され且つ衣服Gに実装される実装部MPを有しており、嵌合部FPは、実装部MPよりもY方向の幅が狭く形成されている。
シート部材12は、例えば、絶縁性の布地または編地から形成されるフレキシブルな部材であり、シート部材12に、刺繍糸により縫い表された刺繍パターン13が形成されている。
【0019】
刺繍パターン13を形成する刺繍糸として導電糸を使用することで、シート部材12の少なくとも表面上に導電性を有する複数のフレキシブル導体14が形成されている。例えば、刺繍糸のうち、シート部材12の+Z方向側の表面に露出する部分にのみ導電糸を使用し、シート部材12の-Z方向側の裏面に露出する部分に絶縁性の糸を使用することにより、シート部材12の少なくとも表面上に配置された複数のフレキシブル導体14を形成することができる。
【0020】
それぞれのフレキシブル導体14は、シート部材12の嵌合部FPに配置され且つX方向に延びる直線状の第1接続部14Aと、シート部材12の実装部MPに配置された矩形の第2接続部14Bと、第1接続部14Aおよび第2接続部14Bを互いに連結する連結部14Cを有している。
【0021】
複数のフレキシブル導体14の第1接続部14Aは、所定の配列ピッチP1でY方向に沿って直線状に配列され、複数のフレキシブル導体14の第2接続部14Bは、第1接続部14Aの配列ピッチP1より大きい配列ピッチP2でY方向に沿って直線状に配列されている。
また、それぞれのフレキシブル導体20の第2接続部14Bは、第1接続部14Aよりも広いY方向の幅を有している。
【0022】
コネクタ11は、シート部材12の嵌合部FPに取り付けられ且つ複数のフレキシブル導体14の第1接続部14Aに電気的に接続された複数のコンタクト部材15を有している。
コンタクト部材15は、対応するフレキシブル導体14の第1接続部14Aに重なるようにシート部材12に取り付けられた、金属等からなるリング状の導電性部材である。複数のコンタクト部材15は、互いに短絡しないように、いわゆる千鳥状に互い違いに配列されている。
【0023】
さらに、コネクタ11は、シート部材12の嵌合部FPにおいて、複数のコンタクト部材15の+Y方向側および-Y方向側に配置された一対の位置決め部材16を有している。位置決め部材16は、相手側コネクタ21に対してシート部材12を位置決めするためのものである。
【0024】
図3および図4に示されるように、リング状のコンタクト部材15は、対応するフレキシブル導体14の第1接続部14Aが配置されるシート部材12に形成されたコンタクト用貫通孔12Aの周縁部に取り付けられている。コンタクト部材15としては、例えば、いわゆる「ハトメ」と呼ばれるリング状金具を用いることができる。
また、図3に示されるように、位置決め部材16は、シート部材12の嵌合部FPに形成された位置決め用貫通孔12Bの周縁に取り付けられたリング状部材であり、フレキシブルなシート部材12よりも高い剛性を有している。このため、位置決め部材16は、位置決め用貫通孔12Bの周辺を補強する機能も備えている。位置決め部材16としても、コンタクト部材15よりも大きいサイズの、いわゆる「ハトメ」と呼ばれるリング状金具を用いることができる。
【0025】
図5に示されるように、相手側コネクタ21は、コネクタ本体22と、コネクタ本体22に対して開閉可能に取り付けられた蓋体23を有している。
コネクタ本体22は、絶縁性材料から形成されており、コネクタ本体22の-X方向端部においてY方向に延びている基部22Aと、基部22Aから+X方向に向かって延びる平板部22Bを有している。平板部22Bの+Z方向を向いた表面には、+X方向に向かって開放された凹部22Cが形成されている。
【0026】
平板部22Bの凹部22Cには、複数の相手側コンタクト24が配置されている。複数の相手側コンタクト24は、コネクタ11の複数のコンタクト部材15に対応しており、複数のコンタクト部材15と同様に、いわゆる千鳥状に互い違いに配列されている。
さらに、平板部22Bの凹部22Cには、複数の相手側コンタクト24の+Y方向側および-Y方向側に配置された一対の位置決めピン22Dが+Z方向に向けて突出形成されている。
蓋体23は、基部22Aに取り付けられており、Y方向に延びる回転軸の回りに回転することにより、平板部22Bの+Z方向を向いた表面を開放する、あるいは、閉じることができる。
【0027】
図6に示されるように、複数の相手側コンタクト24は、それぞれ、平板部22Bの凹部22Cから+Z方向に突出している。
また、蓋体23には、平板部22Bの+Z方向を向いた表面を閉じたときに、平板部22Bの一対の位置決めピン22Dが収容される一対のピン収容孔23Aが形成されている。
【0028】
図7に示されるように、基部22Aには、蓋体23を平板部22Bの+Z方向を向いた表面に向けて押し付けるための蓋体用バネ部材25が配置されている。蓋体用バネ部材25の弾性力に抗して、蓋体23の-X方向端部に形成された押し付け部23Bをコネクタ本体22の基部22Aに向けて-Z方向に押し下げると、蓋体23の+X方向部分が+Z方向に持ち上がって平板部22Bの+Z方向を向いた表面は開放され、押し付け部23Bに作用していた押し付け力を除去すると、蓋体用バネ部材25の弾性力により、蓋体23の+X方向部分が-Z方向に下降して平板部22Bの+Z方向を向いた表面は閉じられる。
【0029】
また、図7に示されるように、コネクタ本体22には、平板部22Bの内部にモジュール基板26が配置されており、モジュール基板26に相手側コンタクト24が取り付けられている。
図8に示されるように、相手側コンタクト24は、Z方向に延びるバレル24Aと、バレル24A内をZ方向に進退可能に配置されたプランジャ24Bと、プランジャ24Bに対して+Z方向の弾性力を付与するコンタクト用バネ部材24Cを有している。プランジャ24Bの+Z方向端部が平板部22Bの凹部22Cの表面から+Z方向に突出した状態で、プランジャ24Bは、コンタクト用バネ部材24Cの作用により、Z方向に弾性的に進退するように構成されている。
【0030】
コネクタ11を相手側コネクタ21に嵌合する際には、図7に示されるように、相手側コネクタ21の蓋体23の押し付け部23Bを-Z方向に押し下げることにより、蓋体23の+X方向部分を+Z方向に持ち上げて、平板部22Bの+Z方向を向いた表面を開放した状態で、コネクタ11のシート部材12の嵌合部FPが+X方向から平板部22Bと蓋体23の間に挿入される。
【0031】
コネクタ11のシート部材12の嵌合部FPに形成されている一対の位置決め部材16を相手側コネクタ21の平板部22Bの凹部22Cに形成されている一対の位置決めピン22Dに嵌め合わせることにより、コネクタ11の複数のコンタクト部材15は、相手側コネクタ21の複数の相手側コンタクト24に位置合わせされ、複数の相手側コンタクト24のプランジャ24Bの上に位置することとなる。
なお、位置決め部材16は、シート部材12よりも高い剛性を有しているため、シート部材12が、柔軟性に富む布地または編地から形成されていても、位置決め部材16を相手側コネクタ21の位置決めピン22Dに嵌め合わせることで、シート部材12の嵌合部FPを相手側コンタクト24に確実に位置合わせすることができる。
【0032】
この状態で、相手側コネクタ21の蓋体23の押し付け部23Bに作用していた押し付け力を除去すると、蓋体用バネ部材25の弾性力により、蓋体23の+X方向部分が-Z方向に下降して、図9に示されるように、コネクタ11のシート部材12の嵌合部FPが、相手側コネクタ21の平板部22Bに向けて押し付けられる。
【0033】
このため、図10に示されるように、コネクタ11のコンタクト部材15は、相手側コネクタ21の対応する相手側コンタクト24のコンタクト用バネ部材24Cの弾性力に抗してプランジャ24Bを弾性的に-Z方向に押し下げ、プランジャ24Bに所定の接触圧で接触する。これにより、コネクタ11のコンタクト部材15が、相手側コネクタ21の対応する相手側コンタクト24に電気的に接続される。
【0034】
図1に示されるように、実装対象物となる衣服Gの裏面には、コネクタ11の複数のフレキシブル導体14に対応する複数の導電性の配線部G1が形成されており、コネクタ11のシート部材12の実装部MPに配置されている複数の第2接続部14Bを、それぞれ、例えば導電性の縫合糸を用いて衣服Gの対応する配線部G1の一端に縫い合わせることで、複数のフレキシブル導体14は、衣服Gの複数の配線部G1にそれぞれ電気的に接続される。
【0035】
その結果、コネクタ11の複数のコンタクト部材15および複数のフレキシブル導体14を介して、相手側コネクタ21の複数の相手側コンタクト24を、衣服Gの複数の配線部G1にそれぞれ電気的に接続することが可能となる。
なお、複数の配線部G1の他端は、衣服Gの裏面に沿って、衣服Gに取り付けられている図示しない電極まで延びているものとする。
従って、相手側コネクタ21に内蔵されているモジュール基板26に所定の電子回路を搭載することで、電極を介して取得された生体情報を電子回路により計測する、あるいは、電子回路から遠隔の計測装置に伝送することが可能となる。
【0036】
実施の形態1におけるコネクタ11は、絶縁性の布地または編地から形成されるフレキシブルなシート部材12に、複数のフレキシブル導体14と複数のリング状のコンタクト部材15と一対のリング状の位置決め部材16が配置された、シート形状を有しているので、コネクタ11を衣服Gに実装しても、違和感を生じることがなく、衣服Gの着心地の低下を抑えることができる。
また、コネクタ11を衣服Gの外側に実装することにより、コネクタ11に相手側コネクタ21を嵌合しても、衣服Gの着心地の低下を抑制することが可能となる。
【0037】
実施の形態2
上記の実施の形態1では、コネクタ11のシート部材12に取り付けられたコンタクト部材15が、リング状の導電性部材から形成されているが、これに限るものではない。
【0038】
図11に、実施の形態2で用いられるコネクタ31を示す。コネクタ31は、実施の形態1におけるコネクタ11において、複数のコンタクト部材15の代わりに、複数のコンタクト部材35がシート部材12の嵌合部FPに取り付けられたものであり、その他の構成はコネクタ11と同様である。すなわち、シート部材12に複数のフレキシブル導体14が形成され、シート部材12の嵌合部FPに、複数のコンタクト部材35と一対の位置決め部材16が配置されている。
【0039】
図12および図13に示されるように、コンタクト部材35は、シート部材12の+Z方向側の表面および-Z方向側の裏面にそれぞれ露出する一対の平板状の導電部35Aを有するものであり、実施の形態1におけるリング状のコンタクト部材15のような中心部の孔を有していない。
【0040】
コネクタ31を、実施の形態1で用いられている相手側コネクタ21に嵌合すると、コネクタ31のシート部材12の裏面に露出するコンタクト部材35の導電部35Aが、相手側コネクタ21の対応する相手側コンタクト24のプランジャ24Bに押し付けられ、コネクタ31のコンタクト部材35が、相手側コネクタ21の対応する相手側コンタクト24に電気的に接続される。
従って、コネクタ31を衣服Gに実装することにより、実施の形態1と同様に、衣服Gの着心地の低下を抑えつつ、相手側コネクタ21の複数の相手側コンタクト24を、衣服Gの複数の配線部G1にそれぞれ電気的に接続することが可能となる。
【0041】
実施の形態3
図14に、実施の形態3に係るコネクタ組立体を示す。このコネクタ組立体は、コネクタ41と、コネクタ41が嵌合する相手側コネクタ51を備えている。
【0042】
図15に示されるように、コネクタ41は、実施の形態1におけるコネクタ11において、一対の位置決め部材16の代わりに位置決め部材46がシート部材12の嵌合部FPの周縁に取り付けられたものであり、その他の構成はコネクタ11と同様である。すなわち、シート部材12に複数のフレキシブル導体14が形成され、シート部材12の嵌合部FPに、複数のコンタクト部材15と位置決め部材46が配置されている。
【0043】
位置決め部材46は、シート部材12の嵌合部FPの周縁、具体的には、嵌合部FPの-Y方向の縁部と-X方向の縁部と+Y方向の縁部に沿って連続的に配置されたフレーム状の部材から形成されている。図16に示されるように、位置決め部材46は、位置決め部材46が延びる方向に直交する横断面において、シート部材12の+Z方向側の表面からシート部材12の側面を介してシート部材12の-Z方向側の裏面にまで至るように、シート部材12の縁部を囲っている。
位置決め部材46としては、屈曲された金属板からなるフレーム状金具を用いることができる。このような位置決め部材46をシート部材12の嵌合部FPに取り付けることにより、嵌合部FPの剛性を高めて嵌合部FPを補強することができる。
【0044】
図17に示されるように、相手側コネクタ51は、実施の形態1で用いられる相手側コネクタ21と同様に、コネクタ本体52と、コネクタ本体52に対して開閉可能に取り付けられた蓋体53を有している。コネクタ本体52は、基部52Aと平板部52Bを有し、平板部52Bの+Z方向を向いた表面に、+X方向に向かって開放された凹部52Cが形成され、凹部52Cに複数の相手側コンタクト24が配置されている。
さらに、相手側コネクタ51においては、平板部52Bの凹部52Cの周辺に位置決め用溝部52Dが形成されている。
【0045】
図18に示されるように、複数の相手側コンタクト24は、それぞれ、平板部52Bの凹部52Cから+Z方向に突出している。
また、図19に示されるように、基部52Aに蓋体用バネ部材25が配置されており、実施の形態1で用いられる相手側コネクタ21と同様に、蓋体用バネ部材25の弾性力に抗して、蓋体53の-X方向端部に形成された押し付け部53Bをコネクタ本体52の基部52Aに向けて-Z方向に押し下げると、蓋体53の+X方向部分が+Z方向に持ち上がって平板部52Bの+Z方向を向いた表面は開放され、押し付け部53Bに作用していた押し付け力を除去すると、蓋体用バネ部材25の弾性力により、蓋体53の+X方向部分が-Z方向に下降して平板部52Bの+Z方向を向いた表面は閉じられる。
【0046】
コネクタ41を相手側コネクタ21に嵌合する際には、図19に示されるように、相手側コネクタ51の蓋体53の+X方向部分を+Z方向に持ち上げて、平板部52Bの+Z方向を向いた表面を開放した状態で、コネクタ41のシート部材12の嵌合部FPが+X方向から平板部52Bと蓋体53の間に挿入される。
【0047】
コネクタ41のシート部材12の嵌合部FPに取り付けられている位置決め部材46を相手側コネクタ51の平板部52Bの凹部52Cの周辺に形成されている位置決め用溝部52Dに嵌め込むことにより、コネクタ41の複数のコンタクト部材15は、相手側コネクタ51の複数の相手側コンタクト24に位置合わせされ、複数の相手側コンタクト24のプランジャ24Bの上に位置することとなる。
なお、位置決め部材46は、フレーム状金具等からなり、シート部材12よりも高い剛性を有しているため、シート部材12が、柔軟性に富む布地または編地から形成されていても、位置決め部材46を相手側コネクタ51の位置決め用溝部52Dに嵌め込むことで、シート部材12の嵌合部FPを相手側コンタクト24に確実に位置合わせすることができる。
【0048】
この状態で、相手側コネクタ51の蓋体53の押し付け部53Bに作用していた押し付け力を除去すると、蓋体用バネ部材25の弾性力により、蓋体53の+X方向部分が-Z方向に下降して、図20に示されるように、コネクタ41のシート部材12の嵌合部FPが、相手側コネクタ51の平板部52Bに向けて押し付けられる。
【0049】
このため、図21に示されるように、コネクタ41のコンタクト部材15は、相手側コネクタ51の対応する相手側コンタクト24のコンタクト用バネ部材24Cの弾性力に抗してプランジャ24Bを弾性的に-Z方向に押し下げ、プランジャ24Bに所定の接触圧で接触する。これにより、コネクタ41のコンタクト部材15が、相手側コネクタ51の対応する相手側コンタクト24に電気的に接続される。
【0050】
実施の形態3においても、コネクタ41を衣服Gに実装することにより、実施の形態1と同様に、衣服Gの着心地の低下を抑えつつ、相手側コネクタ51の複数の相手側コンタクト24を、衣服Gの複数の配線部G1にそれぞれ電気的に接続することが可能となる。
【0051】
実施の形態4
図22に、実施の形態4で用いられるコネクタ61を示す。コネクタ61は、実施の形態3におけるコネクタ41において、複数のコンタクト部材15の代わりに、複数のコンタクト部材35がシート部材12の嵌合部FPに取り付けられたものであり、その他の構成はコネクタ31と同様である。すなわち、シート部材12に複数のフレキシブル導体14が形成され、シート部材12の嵌合部FPに、複数のコンタクト部材35とフレーム状の位置決め部材46が配置されている。
【0052】
コンタクト部材35は、実施の形態2で用いられるコンタクト部材35と同じもので、図23に示されるように、シート部材12の+Z方向側の表面および-Z方向側の裏面にそれぞれ露出する一対の平板状の導電部35Aを有している。
【0053】
コネクタ61を、実施の形態3で用いられている相手側コネクタ51に嵌合すると、コネクタ61のシート部材12の裏面に露出するコンタクト部材35の導電部35Aが、相手側コネクタ51の対応する相手側コンタクト24のプランジャ24Bに押し付けられ、コネクタ61のコンタクト部材35が、相手側コネクタ51の対応する相手側コンタクト24に電気的に接続される。
従って、コネクタ61を衣服Gに実装することにより、実施の形態3と同様に、衣服Gの着心地の低下を抑えつつ、相手側コネクタ51の複数の相手側コンタクト24を、衣服Gの複数の配線部G1にそれぞれ電気的に接続することが可能となる。
【0054】
実施の形態5
図24に、実施の形態5で用いられるコネクタ71を示す。コネクタ71は、実施の形態1におけるコネクタ11において、複数のコンタクト部材15および一対の位置決め部材16の代わりに、複数のコンタクト部材75および一対の位置決め部材76がシート部材12の嵌合部FPに取り付けられたものであり、その他の構成はコネクタ31と同様である。すなわち、シート部材12に複数のフレキシブル導体14が形成され、シート部材12の嵌合部FPに、複数のコンタクト部材75と一対の位置決め部材76が配置されている。
【0055】
複数のコンタクト部材75および一対の位置決め部材76は、それぞれ、シート部材12に刺繍された、または、編み込まれた導電糸により形成されている。フレキシブル導体14も、導電糸を用いた刺繍により形成されているが、シート部材12に対して、導電糸を多重に刺繍する、または、導電糸を多重に編み込むことにより、コンタクト部材75および位置決め部材76は、フレキシブル導体14よりも厚く且つ高い剛性を有している。
【0056】
また、コンタクト部材75および位置決め部材76は、それぞれ、実施の形態1におけるコンタクト部材15および位置決め部材16と同様に、リング形状を有し、図3に示されるようにシート部材12に形成されたコンタクト用貫通孔12Aの周縁部および位置決め用貫通孔12Bの周縁部に取り付けられている。
【0057】
このため、コネクタ71を、実施の形態1で用いられている相手側コネクタ21に嵌合すると、実施の形態1と同様に、コネクタ71のシート部材12の嵌合部FPに形成されている一対の位置決め部材76を相手側コネクタ21の一対の位置決めピン22Dに嵌め合わせることにより、コネクタ71の複数のコンタクト部材75を、相手側コネクタ21の複数の相手側コンタクト24に位置合わせすることができる。
【0058】
さらに、相手側コネクタ21のそれぞれの相手側コンタクト24のプランジャ24Bが、弾性的にコネクタ71の対応するコンタクト部材75に押し付けられ、所定の接触圧で接触する。これにより、コネクタ71の複数のコンタクト部材75が、相手側コネクタ21の複数の相手側コンタクト24に電気的に接続される。
従って、コネクタ71を衣服Gに実装することにより、実施の形態1と同様に、衣服Gの着心地の低下を抑えつつ、相手側コネクタ21の複数の相手側コンタクト24を、衣服Gの複数の配線部G1にそれぞれ電気的に接続することが可能となる。
【0059】
なお、実施の形態2におけるコンタクト部材35のように、リング形状ではなく、中心部の孔を有していない平板状のコンタクト部材を、シート部材12に刺繍された、または、編み込まれた導電糸により形成しても、同様にして、衣服Gの着心地の低下を抑えつつ、相手側コネクタ21の複数の相手側コンタクト24を、衣服Gの複数の配線部G1にそれぞれ電気的に接続することができる。
また、実施の形態3における位置決め部材46のように、シート部材12の嵌合部FPの周縁に配置される位置決め部材を、シート部材12に刺繍された、または、編み込まれた導電糸により形成しても、コネクタを相手側コネクタ51に対して位置合わせして、実施の形態3と同様のコネクタ組立体を構成することが可能となる。
【0060】
上記の実施の形態5では、コンタクト部材75および位置決め部材76の双方を、シート部材12に刺繍された、または、編み込まれた導電糸により形成しているが、コンタクト部材75および位置決め部材76のいずれか一方のみを導電糸により形成することもできる。
【0061】
実施の形態6
図25に、実施の形態6で用いられるコネクタ81を示す。コネクタ81は、実施の形態1におけるコネクタ11において、絶縁性の布地または編地から形成されるシート部材12の代わりにフレキシブルな絶縁性樹脂フィルムから形成されたシート部材82を用い、また、導電糸を用いた刺繍により形成される複数のフレキシブル導体14の代わりにシート部材82に配置された導電層により形成される複数のフレキシブル導体84を用いたものであり、その他の構成はコネクタ11と同様である。
【0062】
シート部材82は、実施の形態1におけるシート部材12と同様に、-X方向側部分に区画された嵌合部FPと、+X方向側部分に区画された実装部MPを有している。
また、複数のフレキシブル導体84は、それぞれ、実施の形態1におけるフレキシブル導体14と同様に、シート部材82の嵌合部FPに配置され且つX方向に延びる直線状の第1接続部84Aと、シート部材82の実装部MPに配置された矩形の第2接続部84Bと、第1接続部84Aおよび第2接続部84Bを互いに連結する連結部84Cを有している。
複数のコンタクト部材15は、複数のフレキシブル導体84の第1接続部84Aに電気的に接続されている。
【0063】
このようなコネクタ81を衣服Gに実装しても、実施の形態1と同様に、衣服Gの着心地の低下を抑えつつ、相手側コネクタ21の複数の相手側コンタクト24を、衣服Gの複数の配線部G1にそれぞれ電気的に接続することが可能となる。
なお、コネクタ81において、複数のリング状のコンタクト部材15の代わりに、実施の形態2で用いられている複数の平板状のコンタクト部材35を使用することもでき、また、一対のリング状の位置決め部材16の代わりに、実施の形態3で用いられているフレーム状の位置決め部材46を使用することもできる。
【0064】
なお、上記の実施の形態1における複数のコンタクト部材15、実施の形態2における複数のコンタクト部材35、実施の形態5における複数のコンタクト部材75が、それぞれ、千鳥状に互い違いに配列されているが、これに限るものではなく、1列に配列されていてもよい。また、この発明は、必ずしも複数のコンタクト部材15、35、75を必要とするものではなく、少なくとも1つのコンタクト部材を有していればよい。
【0065】
また、上記の実施の形態1~6では、コネクタ11、31、41、61、71、81が、実装対象物として衣服Gに実装されることで、着心地の低下を抑えつつ、相手側コネクタ21、51の複数の相手側コンタクト24を、衣服Gの複数の配線部G1にそれぞれ電気的に接続しているが、実装対象物は、衣服Gに限るものではない。例えば、ユーザが携帯または身に着けるバッグ類等にこの発明に係るコネクタを実装すれば、違和感を覚えることなく相手側コネクタ21、51を嵌合させることができ、また、ユーザの体を預けるシート、ベッド、寝具等にこの発明に係るコネクタを実装すれば、居心地の低下を来たすことなく相手側コネクタ21、51を嵌合させることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 コネクタ本体、2 衣服、3 第1インシュレータ、4 第2インシュレータ、5 タブシート、6 コンタクト、7 配線部、11,31,41,61,71,81 コネクタ、12,82 シート部材、12A コンタクト用貫通孔、12B 位置決め用貫通孔、13 刺繍パターン、14,84 フレキシブル導体、14A,84A 第1接続部、14B,84B 第2接続部、14C,84C 連結部、15,35,75 コンタクト部材、16,46,76 位置決め部材、21,51 相手側コネクタ、22,52 コネクタ本体、22A,52A 基部、22B,52B 平板部、22C,52C 凹部、22D 位置決めピン、23,53 蓋体、23A ピン収容孔、23B,53B 押し付け部、24 相手側コンタクト、24A バレル、24B プランジャ、24C コンタクト用バネ部材、25 蓋体用バネ部材、26 モジュール基板、35A 導電部、52D 位置決め用溝部、G 衣服、G1 配線部、FP 嵌合部、MP 実装部、P1,P2 配列ピッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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