(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094642
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240703BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211314
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆寛
(72)【発明者】
【氏名】島田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智也
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦明
(72)【発明者】
【氏名】生駒 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】採点状態に応じて学習者の解答の表示を変えることで、採点作業においてマウスを移動する手間を削減する。
【解決手段】情報処理装置は、まず、同一の設問に対する複数の学習者による複数の解答を取得する。そして、情報処理装置は、取得した複数の解答を一覧表示した画面を出力する。また、情報処理装置は、ユーザによる採点に対する入力を受け付け、複数の解答のうちの一の解答が採点されたときに、画面においてその解答が表示されていたエリアに、次に採点すべき解答を表示する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の設問に対する複数の学習者による複数の解答を取得する解答取得部と、
前記複数の解答を一覧表示した画面を出力する解答画面出力部と、
ユーザによる採点に対する入力を受け付ける採点部と、
前記複数の解答のうちの一の解答が採点されたときに、前記画面において前記一の解答が表示されていたエリアに、次に採点すべき解答を表示する解答移動部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記学習者に関する情報に基づいて、前記複数の解答に表示順序を設定する表示順序設定部を備え、
前記解答画面出力部は、前記表示順序に従って前記複数の解答を一覧表示した画面を出力する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記一の解答の採点結果と、採点時に前記画面中で前記一の解答が表示されていたエリアとを含む採点関連情報を取得する採点関連情報取得部と、
前記一の解答の表示順序を最後とし、前記一の解答以外の全ての解答の表示順序を示す数値を1つずつ繰り上げる表示順序更新部と、を備え、
前記解答移動部は、前記表示順序更新部により更新された表示順序に従って各解答を表示する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画面は、前記解答の採点の有無を示す採点状態が未採点である解答を表示する未採点エリアと、前記採点状態が採点済みである解答を表示する採点済エリアとを有しており、
前記表示順序設定部は、前記採点状態が未採点の解答に未採点表示順序を、前記採点状態が採点済みの解答に採点済表示順序をそれぞれ設定し、
前記解答画面出力部は、前記未採点表示順序に従って各解答を前記未採点エリアに表示し、前記採点済表示順序に従って各解答を前記採点済エリアに表示した画面を出力する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記一の解答の採点結果と、採点時に前記画面中で前記一の解答が表示されていたエリアとを含む採点関連情報を取得する採点関連情報取得部と、
前記一の解答に設定された前記未採点表示順序を削除して新たに前記採点済表示順序を設定し、前記一の解答以外の解答に設定された前記未採点表示順序を示す数値を1ずつ繰り上げる表示順序更新部と、を備え、
前記解答移動部は、前記表示順序更新部により更新された前記未採点表示順序に従って各解答を前記未採点エリアに表示し、前記採点済表示順序に従って各解答を前記採点済エリアに表示する請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記一の解答の採点結果を含む採点関連情報を取得する採点関連情報取得部と、
前記複数の解答と、前記複数の解答の表示順序と、前記複数の解答の採点の有無を示す採点状態とを対応付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記画面は、採点対象の解答を表示して採点を行う採点専用エリアを有しており、
前記記憶部は、前記採点関連情報に基づいて、前記採点状態を更新し、
前記解答画面出力部は、前記記憶部を参照し、前記採点状態が未採点、且つ、前記表示順序を示す数値が最も小さい解答を前記採点専用エリアに表示した画面を出力する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、
同一の設問に対する複数の学習者による複数の解答を取得する解答取得部、
前記複数の解答を一覧表示した画面を出力する解答画面出力部、
ユーザによる採点に対する入力を受け付ける採点部、
前記複数の解答のうちの一の解答が採点されたときに、前記画面において前記一の解答が表示されていたエリアに、次に採点すべき解答を表示する解答移動部、
として前記コンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置の画面上で採点を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙媒体で実施されたテストの採点を端末装置の画面上で行うシステムが知られている。特許文献1には多数のテストの解答用紙から多数の答案画像を作成し、採点者が端末装置を用いて所定の答案画像をダウンロードして採点するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、端末装置の画面上でテストの設問毎に採点を行う場合、対象となる設問の上にマウスを移動し、クリック等の操作をする必要がある。そのため、設問毎にマウスを移動する手間がかかり、多くの設問を採点する場合は採点者の負荷が大きくなっていた。
【0005】
本発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、採点状態に応じて学習者の解答の表示を変えることで、採点作業においてマウスを移動する手間を削減する情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、同一の設問に対する複数の学習者による複数の解答を取得する解答取得部と、前記複数の解答を一覧表示した画面を出力する解答画面出力部と、ユーザによる採点に対する入力を受け付ける採点部と、前記複数の解答のうちの一の解答が採点されたときに、前記画面において前記一の解答が表示されていたエリアに、次に採点すべき解答を表示する解答移動部と、を備える。この態様によれば、情報処理装置は、画面上に表示された複数の解答のうちの一の解答が採点されたときに、その解答が表示されていたエリアに、次に採点すべき解答を表示する。そのため、画面を用いて採点を行うユーザは、次の解答の採点のためにマウスを移動する手間が少なくなり、情報処理装置は、採点の効率化、ユーザの負荷低減を実現することができる。
【0007】
上記の情報処理装置の一態様では、前記学習者に関する情報に基づいて、前記複数の解答に表示順序を設定する表示順序設定部を備え、前記解答画面出力部は、前記表示順序に従って前記複数の解答を一覧表示した画面を出力する。この態様によれば、学習者に関する情報に基づいて各解答に表示順序を設定するため、情報処理装置は、例えば、学習者の氏名の五十音順に並べて解答を表示することができる。
【0008】
上記の情報処理装置の一態様では、前記一の解答の採点結果と、採点時に前記画面中で前記一の解答が表示されていたエリアとを含む採点関連情報を取得する採点関連情報取得部と、前記一の解答の表示順序を最後とし、前記一の解答以外の全ての解答の表示順序を示す数値を1つずつ繰り上げる表示順序更新部と、を備え、前記解答移動部は、前記表示順序更新部により更新された表示順序に従って各解答を表示する。この態様によれば、情報処理装置は、表示順序を更新することにより、採点済みとなった解答を最後尾に移動し、未採点の解答の表示を繰り上げることができる。
【0009】
上記の情報処理装置の一態様では、前記画面は、前記解答の採点の有無を示す採点状態が未採点である解答を表示する未採点エリアと、前記採点状態が採点済みである解答を表示する採点済エリアとを有しており、前記表示順序設定部は、前記採点状態が未採点の解答に未採点表示順序を、前記採点状態が採点済みの解答に採点済表示順序をそれぞれ設定し、前記解答画面出力部は、前記未採点表示順序に従って各解答を前記未採点エリアに表示し、前記採点済表示順序に従って各解答を前記採点済エリアに表示した画面を出力する。この態様によれば、情報処理装置は、解答を表示するエリアを未採点エリアと採点済エリアに分けているため、画面を用いて採点を行うユーザは、いずれの解答が未採点又は採点済みであるかを一目で確認することができる。
【0010】
上記の情報処理装置の一態様では、前記一の解答の採点結果と、採点時に前記画面中で前記一の解答が表示されていたエリアとを含む採点関連情報を取得する採点関連情報取得部と、前記一の解答に設定された前記未採点表示順序を削除して新たに前記採点済表示順序を設定し、前記一の解答以外の解答に設定された前記未採点表示順序を示す数値を1ずつ繰り上げる表示順序更新部と、を備え、前記解答移動部は、前記表示順序更新部により更新された前記未採点表示順序に従って各解答を前記未採点エリアに表示し、前記採点済表示順序に従って各解答を前記採点済エリアに表示する。この態様によれば、情報処理装置は、採点済みとなった解答を採点済エリアに移動させることで、未採点エリアにおいて未採点の解答を繰り上げて表示する。これにより、画面を用いて採点を行うユーザは、マウスを移動させることなく次の解答の採点を行うことができる。
【0011】
上記の情報処理装置の一態様では、前記一の解答の採点結果を含む採点関連情報を取得する採点関連情報取得部と、前記複数の解答と、前記複数の解答の表示順序と、前記複数の解答の採点の有無を示す採点状態とを対応付けて記憶する記憶部と、を備え、前記画面は、採点対象の解答を表示して採点を行う採点専用エリアを有しており、前記記憶部は、前記採点関連情報に基づいて、前記採点状態を更新し、前記解答画面出力部は、前記記憶部を参照し、前記採点状態が未採点、且つ、前記表示順序を示す数値が最も小さい解答を前記採点専用エリアに表示した画面を出力する。この態様によれば、情報処理装置は、採点専用エリアにおいて、採点済みとなった解答を消し、未採点の解答を繰り上げて表示する。これにより、画面を用いて採点を行うユーザは、マウスを移動させることなく次の解答の採点を行うことができる。
【0012】
本発明の別の観点では、コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、同一の設問に対する複数の学習者による複数の解答を取得する解答取得部、前記複数の解答を一覧表示した画面を出力する解答画面出力部、ユーザによる採点に対する入力を受け付ける採点部、前記複数の解答のうちの一の解答が採点されたときに、前記画面において前記一の解答が表示されていたエリアに、次に採点すべき解答を表示する解答移動部、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータにインストールして実行させることで、本発明に係る情報処理装置を構成させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る情報処理装置によれば、採点状態に応じて学習者の解答の表示を変えることで、採点作業においてマウスを移動する手間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明のサーバを適用した学習支援システムの構成を示す。
【
図2】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】答案画像から検出した解答欄領域を示す図である。
【
図10】第1変形例における採点前の採点画面と採点DBの一例である。
【
図11】第1変形例における採点後の採点画面と採点DBの一例である。
【
図12】第2変形例における採点前の採点画面と採点DBの一例である。
【
図13】第2変形例における採点後の採点画面と採点DBの一例である。
【
図14】第3変形例における学習支援システムの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
<実施形態>
[全体構成]
図1は、本発明のサーバを適用した学習支援システムの構成を示す。学習支援システム200は、採点状態に応じて学習者の解答の表示を変えることで、ユーザによる採点を支援するシステムである。ここで、ユーザは、学習者の解答を採点する教師等である。また、学習者は、テストやテキストの設問に解答する生徒等である。学習支援システム200は、サーバ10と、複数の教師用端末20とがインターネット等のネットワーク5を介して通信可能に構成されている。なお、本実施形態では、一例として、テストを構成する設問に対する生徒の解答を、採点画面を用いて教師が採点するものとする。
【0016】
サーバ10は、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置であって、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ(PC)または汎用のタブレット等である。また、サーバ10は、後述する答案画像データベース(以下、「データベース」を「DB」と記す。)31、解答DB32、及び、採点DB33と接続されている。サーバ10は、本発明の情報処理装置の一例である。
【0017】
教師用端末20は、生徒の解答を採点する教師が使用するものであって、例えば、タブレットやPC等の情報処理機器である。具体的に、教師用端末20は、サーバ10から画面情報を取得して採点画面を表示したり、後述する画面要求や採点関連情報をサーバ10に送信したりする端末装置である。また、教師用端末20は、詳細は後述するが、スキャナーと接続されており、生徒によりテストの解答が記入された答案用紙をスキャナーによりスキャンして画像化することで答案画像を作成し、サーバ10に送信する。
【0018】
[サーバの構成]
図2は、サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、記録媒体14と、表示部15と、入力部16とを備える。なお、これらの構成要素と、答案画像DB31と、解答DB32と、採点DB33とは、バス19を介して相互に接続されている。
【0019】
なお、サーバ10はコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良いし、仮想マシンで分散して実行しても良い。
【0020】
通信部11は、ネットワーク5を通じて教師用端末20と通信を行うための通信ユニットである。具体的に、通信部11は、教師用端末20から採点画面の画面要求や教師による解答の採点に関する採点関連情報を受信したり、採点画面に関する画面情報を教師用端末20に送信したりする。
【0021】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を含み、記憶部13に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、サーバ10に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、プログラムは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。なお、
図2では制御部12を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0022】
記憶部13はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部12が処理を実行するために必要なプログラム又はデータ等を記憶している。また、記憶部13は、制御部12が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0023】
記録媒体14は、ディスク状記録媒体、半導体メモリ等の不揮発性で非一時的な記録媒体であり、サーバ10に対して着脱可能に構成される。記録媒体14は、制御部12が実行する各種プログラムを記録している。サーバ10が画面出力処理を実行する際には、記録媒体14に記録されているプログラムが記憶部13にロードされ、制御部12により実行される。
【0024】
表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部12の指示に従い各種情報を表示する。入力部16は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報を制御部12へ出力する。
【0025】
答案画像DB31は、テストを識別するテストIDと、生徒を識別する生徒氏名と、生徒によりテストの解答が記入された答案画像とを対応付けて記憶している。具体的に、答案画像は、生徒によりテストの解答が記入された答案用紙をスキャンすることで作成した画像である。本実施形態では、教師が教師用端末20を用いて、テスト後に全生徒の答案用紙をスキャンすることで答案画像を作成し、予めサーバ10に送信しておくものとする。
【0026】
なお、本実施形態では、教師用端末20は、スキャナーを用いて作成した答案画像をサーバ10に送信することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定のDBや他の端末装置から取得した答案画像をサーバ10に送信することとしてもよい。換言すると、サーバ10が答案画像を取得する方法は、任意に設定することができる。
【0027】
解答DB32は、テストを識別するテストIDと、テストを構成する設問を識別する設問番号と、生徒を識別する生徒氏名と、設問に対する生徒の解答とを対応付けて記憶している。ここで、生徒の解答は、詳細は後述するが、答案画像から取得した解答画像でもよいし、OCR(Optical Character Reader)を用いて解答画像から光学的に読み取った数字や文字であってもよい。
【0028】
図3は、採点DB33のデータ構成の一例である。
図3に示すように、採点DB33は、テストを識別するテストIDと、テストを構成する設問を識別する設問番号と、採点画面上で各生徒の解答を表示する順序を示す表示順序と、生徒を識別する生徒氏名と、生徒の解答の採点結果とを対応付け、採点情報として記憶している。ここで、採点結果は、正解、不正解のみならず、まだ採点されていない未採点を含むものとする。これにより、採点結果を参照することで、生徒の解答の採点が完了しているか否かを示す採点状態も確認することができる。本実施形態において採点状態は、採点が完了していない「未採点」、採点結果が正解又は不正解である「採点済み」のいずれかであるものとする。また、本実施形態では、生徒氏名を、説明の便宜上、「学習者A」、「学習者B」等とする。
【0029】
なお、上述した各DBの記憶形態は一例であり、データ間の関係が維持されていれば、他の記憶形態であってもよい。また、各DBは、例えばHDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)等の記録媒体により実現される。本実施形態において、記憶部13と各DBは一体の記憶装置として構成されていてもよいし、別々の記憶装置であってもよい。また、各DBは、サーバ10に接続された外部記憶装置であってもよく、その構成は任意に設定することができる。
【0030】
図4は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。サーバ10は、答案画像DB31、解答DB32、及び、採点DB33に接続されており、機能的には、答案画像取得部41と、解答取得部42と、対象設問番号取得部43と、表示順序設定部44と、画面出力部45と、採点関連情報取得部46と、表示順序更新部47とを備える。
【0031】
なお、答案画像取得部41、解答取得部42、対象設問番号取得部43、表示順序設定部44、画面出力部45、採点関連情報取得部46、及び、表示順序更新部47は、制御部12がプログラムを実行することにより実現される。
【0032】
答案画像取得部41は、教師用端末20から、テスト後に解答が記入された全生徒の答案画像を取得する。そして、答案画像取得部41は、答案画像に対応するテストIDと、各答案画像に解答を記入した生徒の生徒氏名とを特定し、テストIDと、生徒氏名と、答案画像とを対応付けて答案画像DB31に記憶する。テストID及び生徒氏名の特定方法は、答案画像や教師用端末20から取得した情報に基づく任意の方法を適用することができる。例えば、サーバ10は、答案画像にOCRをかけることでテストID及び生徒氏名を特定することができる。サーバ10は、特定したテストIDと生徒氏名とをその答案画像に対応付けて答案画像DB31に記憶する。
【0033】
図5は、答案画像の一例である。答案画像30は、テストに関する情報を表示するテスト情報表示エリア35と、生徒により学年、組、番号、氏名が記入される生徒情報記入エリア36と、設問番号が表示され生徒により解答が記入される解答記入エリア37と、教師により採点が記入される採点記入エリア38とを有する。解答記入エリア37は、各設問の解答が記入される複数の解答欄から構成される。例えば、点線39で囲まれた解答欄は、設問番号「1」の設問の解答を記入する解答欄である。なお、点線39は説明の便宜上設けたものであり、答案画像30には表示されない。
【0034】
解答取得部42は、答案画像30から、各設問の解答欄である解答欄領域を検出し、生徒による解答を取得する。領域検出方法は、例えば、R-CNN(Rich feature hierarchies for accurate object detection and semantic segmentation)等、ディープラーニングを用いて画像に写る物体を矩形領域として検出する方法を適用することができる。
図6は、答案画像30から検出した解答欄領域を示す図である。
図6に示すように、解答取得部42は、答案画像30から、太線で囲む複数の解答欄領域を検出する。
【0035】
解答取得部42は、答案画像から解答欄領域の画像である解答画像を生徒の解答として取得し、OCRを用いて、解答画像から光学的に数字や文字を読み取ることで設問番号を特定する。例えば、解答取得部42は、解答欄領域40の解答画像からOCRを用いて「(1)」を読み取り、設問番号「1」を特定する。そして、解答取得部42は、答案画像に基づくテストID及び生徒氏名と、特定した設問番号と、取得した解答とを対応付けて解答DB32に記憶する。
【0036】
なお、解答取得部42は、解答画像を解答として取得しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、OCRを用いて解答画像から光学的に読み取った数字や文字を解答として取得してもよい。例えば、解答取得部42は、解答欄領域40の解答画像からOCRを用いて読み取った「13.6」を解答として取得してもよい。また、解答取得部42は、自動的に解答欄領域を検出して解答を取得しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、答案画像毎に事前に各設問の位置を手動で設定し、その情報を基に解答欄を認識して解答を取得することとしてもよい。
【0037】
対象設問番号取得部43は、教師用端末20から、採点の対象となる設問の設問番号(以下、「対象設問番号」ともいう。)を取得する。具体的に、教師は、採点画面を用いて採点を行う場合、まず、所定のサイトにログインし、採点したいテストのテストIDと、対象設問番号とを画面要求としてサーバ10に送信する。対象設問番号取得部43は、教師用端末20からテストID及び対象設問番号を取得すると、解答DB32から、対応する全生徒の解答を取得する。
【0038】
なお、本実施形態では、解答DB32から、テストID及び対象設問番号に対応する全生徒の解答を取得することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、画面要求に採点対象となる組が含まれていれば、その組に属する生徒の解答のみを取得することとしてもよい。つまり、解答を取得する対象は任意に設定することができる。
【0039】
表示順序設定部44は、生徒に関する情報に基づいて、解答DB32から取得した各生徒の解答に対し、採点画面上で表示する際の順序である表示順序を設定する。設定した表示順序は、採点情報として採点DB33に記憶される。具体的に、生徒に関する情報は、出席番号や生徒氏名であり、表示順序設定部44は、各生徒の解答に対し、出席番号順や生徒氏名の五十音順に表示順序を設定する。例えば、本実施形態では、詳細は後述するが、採点画面上に生徒氏名「学習者A」~「学習者L」の12名の解答を表示するものとする。この場合、表示順序設定部44は、生徒氏名「学習者A」に表示順序「1」、生徒氏名「学習者B」に表示順序「2」のように生徒氏名の五十音順に表示順序を設定する。そして、表示順序設定部44は、対象設問番号取得部43が取得したテストID及び採点の対象となる設問の設問番号と、設定した表示順序と、生徒氏名と、採点結果とを対応付けて採点DB33に記憶する。このとき、まだ教師による採点は行われていないため、採点結果は全て「未採点」となっている。
【0040】
画面出力部45は、採点DB33を参照し、設定された表示順序に従って生徒の解答を表示した採点画面を作成し、出力する。具体的に、画面出力部45は、採点画面を作成し、採点画面に関する画面情報を教師用端末20に送信する。教師用端末20は、サーバ10から取得した画面情報に基づいて、採点画面を表示することができる。教師は、教師用端末20に表示された採点画面により採点を行うことができる。
【0041】
図7は、採点前の採点画面と採点DBの一例である。具体的に、画面出力部45は、
図7に示すように、採点DB33aを参照し、表示順序に従って左上から順に解答を表示した採点画面を作成し、出力する。
【0042】
ここで、採点画面について説明する。
図7に示すように、採点画面50aは、実施日表示エリア51、学年表示エリア52、組表示エリア53、教科表示エリア54、問題種別表示エリア55、切替エリア56、採点ボタンエリア57、表示順序選択エリア58、及び、解答一覧エリア60を有する。
【0043】
実施日表示エリア51は、テストの実施日を表示するエリアである。学年表示エリア52及び組表示エリア53は、それぞれテストを実施した生徒の属する学年及び組を表示するエリアである。教科表示エリア54は、テストの教科を表示するエリアであり、問題種別表示エリア55は、採点対象の設問の種別を表示するエリアである。
【0044】
切替エリア56は、設問番号エリア56a、全設問数表示エリア56b、設問切替ボタン56c及び56dを有する。設問番号エリア56aは、採点対象の設問、すなわち、解答一覧エリア60に各生徒の解答が表示されている設問の設問番号を表示するエリアである。設問番号エリア56aに、他の設問番号を入力することで採点対象の設問を切り替えることができる。全設問数表示エリア56bは、テストを構成する全設問数を表示するエリアである。設問切替ボタン56cを押下することで前の設問、設問切替ボタン56dを押下することで次の設問に採点対象を切り替えることができる。
【0045】
採点ボタンエリア57は、正解ボタン57a、不正解ボタン57b及び戻すボタン57cを有する。正解ボタン57aは、解答一覧エリア60に表示されている全ての解答を正解とするボタンである。不正解ボタン57bは、解答一覧エリア60に表示されている全ての解答を不正解とするボタンである。戻すボタン57cは、1つ前の操作に戻すボタンである。
【0046】
表示順序選択エリア58は、選択ボックス58a、昇順及び降順のラジオボタンを有する。選択ボックス58aは、表示順序を選択できるボックスであり、具体的に、プルダウンにより「学習者順」、「出席番号順」等を選択することができる。ここで、学習者順とは生徒氏名の五十音順とする。また、ラジオボタンにより、昇順又は降順も選択することができる。表示順序設定部44は、表示順序選択エリア58の選択内容に基づいて各解答の表示順序を改めて設定し、画面出力部45は、改めて設定された表示順序に従って解答一覧エリア60に各解答を表示した採点画面を作成、出力する。なお、表示順序選択エリア58による表示順序の変更は、教師による採点が行われていない「未採点」の解答のみに対して有効である。
【0047】
解答一覧エリア60は、設問表示エリア61、及び、複数の生徒解答エリアを有する。設問表示エリア61は、採点対象の設問を表示するエリアである。生徒解答エリアは、各生徒の解答をそれぞれ表示するエリアであり、例えば、
図7に示す生徒解答エリア62は、表示順序「1」である生徒氏名「学習者A」の解答を表示するエリアであり、左上に位置する。このように、解答一覧エリア60では、表示順序に従って左上から順に各生徒の解答が表示されている。
【0048】
採点関連情報取得部46は、教師用端末20から、教師による採点に対する入力を受け付け、解答の採点結果を含む採点関連情報を取得し、採点DB33の採点情報を更新する。教師は、教師用端末20に表示された採点画面を用いて、マウス操作により所定の解答の採点を行う。例えば、学習者Aの解答を採点する場合、教師は、
図7に示す採点画面50aの生徒解答エリア62内にマウスポインタを移動させ、クリック操作により採点を行う。本実施形態では、左クリック1回が正解、右クリック1回が不正解に対応しているが、これに限定されるものではなく、クリック操作と正解又は不正解の対応は任意に設定することができる。
【0049】
図8は、採点後の採点画面と採点DBの一例である。
図8では、説明の便宜上、マウスポインタを模式的にマウスで表す。教師がマウスを操作し、生徒解答エリア62内にマウスポインタ65を移動させ左クリックを1回した場合、
図8に示すように、採点画面50bは、生徒解答エリア62上に正解を示す〇を表示する。このとき、教師用端末20は、採点した学習者Aの解答が表示されていた生徒解答エリア62と正解を示す採点結果を採点関連情報としてサーバ10へ送信する。具体的に、採点関連情報は、採点画面上での生徒解答エリア62を示す位置座標と、正解を示す採点結果とを含む。採点関連情報取得部46は、教師用端末20から取得した採点関連情報に基づいて、
図8に示すように、点線で示す学習者Aの採点結果を「未採点」から「正解」に更新して採点DB33bとする。
【0050】
なお、本実施形態では、採点時の〇や×の表示は、サーバ10を経由せず可能とする。
【0051】
表示順序更新部47は、採点DB33を参照し、採点状態が未採点から採点済みに更新された場合、各生徒の解答を採点画面上で表示する際の表示順序を更新する。例えば、
図8に示すように、採点DB33bを参照し、学習者Aの採点状態が未採点から採点済みである正解に更新された場合、表示順序更新部47は、学習者Aの解答の表示順序を最後とし、学習者Aの解答以外の全ての解答の表示順序を1つずつ繰り上げる。具体的に、表示順序更新部47は、学習者Aの解答の表示順序を最後である「12」とし、学習者Bの解答の表示順序を「1」、学習者Cの解答の表示順序を「2」のように1ずつ繰り上げる。そして、表示順序更新部47は、
図8に示すように、点線で示す表示順序を更新して採点DB33cとする。
【0052】
画面出力部45は、表示順序更新部47により表示順序が更新されると、採点DB33を参照し、更新された表示順序に従って生徒の解答を表示した採点画面を作成し、出力する。具体的に、画面出力部45は、
図8に示すように、採点DB33cを参照し、解答一覧エリア60において更新された表示順序に従って生徒の解答を表示した採点画面50cを作成し、採点画面50cに関する画面情報を教師用端末20に送信する。教師用端末20は、サーバ10から取得した画面情報に基づいて、採点画面50cを表示する。採点画面50cでは、
図8に示すように、採点済みとなった学習者Aの生徒解答エリア62は最後尾に移動し、学習者Bの生徒解答エリアが左上の先頭に表示される。つまり、採点画面上で採点済みの生徒の解答を最後尾に移動することで、未採点の生徒の解答の表示を繰り上げる。これにより、採点画面上でマウスポインタ65がある位置に未採点の生徒解答エリアが表示されることとなり、教師はマウスを移動させることなく次の解答の採点を行うことができる。
【0053】
なお、
図8は、解答一覧エリア60において左上にマウスポインタ65を置き、先頭の生徒解答エリアをクリックすることで所定の解答の採点を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、左上ではない所定の位置にマウスポインタ65を置いた場合であっても、採点済みとなった生徒の解答が最後尾に移動し、未採点の生徒の解答の表示が繰り上がる。よって、教師はマウスを移動させることなく次の解答の採点を行うことができる。
【0054】
上記の構成において、サーバ10の答案画像取得部41、解答取得部42、表示順序設定部44及び表示順序更新部47は、それぞれ本発明の答案画像取得部、解答取得部、表示順序設定部及び表示順序更新部の一例である。また、画面出力部45は、本発明の解答画面出力部及び解答移動部の一例であり、採点関連情報取得部46は、本発明の採点部及び採点関連情報取得部の一例である。また、採点DB33は、本発明の記憶部の一例である。
【0055】
[画面出力処理]
次に、教師の画面要求に応じて採点画面を出力する画面出力処理について説明する。
図9は、画面出力処理のフローチャートである。この処理は、サーバ10が予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0056】
サーバ10は、教師用端末20から、テストを実施した全生徒の答案画像を取得する(ステップS11)。このとき、サーバ10は、答案画像からテストID及び生徒氏名を特定し、テストIDと、生徒氏名と、答案画像とを対応付けて答案画像DB31に記憶する。そして、サーバ10は、答案画像から解答欄領域を検出し、全生徒の各設問に対する解答を取得する(ステップS12)。このとき、サーバ10は、解答欄領域の解答画像から設問番号を特定し、テストIDと、設問番号と、生徒氏名と、解答とを対応付けて解答DB32に記憶する。
【0057】
教師は、採点画面による採点を行う場合、教師用端末20を使用して所定のサイトにログインし、採点したいテストのテストIDと、対象設問番号とを画面要求としてサーバ10に送信する。これにより、サーバ10は、教師用端末20からテストID及び対象設問番号を取得する(ステップS13)。サーバ10は、取得したテストID及び対象設問番号に基づいて、解答DB32から対応する全生徒の解答を取得し、各解答に表示順序を設定する。このとき、サーバ10は、テストIDと、設問番号と、表示順序と、生徒氏名と、採点結果とを採点DB33に記憶する。採点結果は、まだ教師による採点は行われていないため、全て「未採点」となる。
【0058】
サーバ10は、採点DB33を参照し、表示順序に従って生徒の解答を表示した採点画面を出力する(ステップS14)。具体的に、サーバ10は、作成した採点画面に関する画面情報を教師用端末20に送信する。教師用端末20は、サーバ10から取得した画面情報に基づいて、採点画面を表示することができる。
【0059】
教師は、教師用端末20に表示された採点画面を用いて、マウス操作により所定の解答の採点を行う。すると、教師用端末20は、採点結果を含む採点関連情報をサーバ10へ送信する。これにより、サーバ10は、教師用端末20から採点関連情報を取得し、採点DB33において、採点された解答に対応する採点結果を更新する。そして、サーバ10は、未採点の解答が採点されたか否かを判定する(ステップS15)。具体的に、サーバ10は、採点DB33の採点結果を参照し、採点状態が未採点から採点済みに更新されたか否かを判定する。
【0060】
未採点の解答が採点されていないと判定された場合(ステップS15;No)、サーバ10は、ステップS14の処理に戻る。一方、未採点の解答が採点されたと判定された場合(ステップS15;Yes)、サーバ10は、各生徒の解答を採点画面上で表示する際の表示順序を更新し、更新した表示順序を採点DB33に記憶する(ステップS16)。そして、サーバ10は、採点DB33を参照し、更新された表示順序に従って生徒の解答を表示した採点画面を出力する(ステップS17)。
【0061】
サーバ10は、採点が終了したか否かを判定する(ステップS18)。採点を終了する場合、教師が採点画面上で所定の操作を行い、教師用端末20からサーバ10へ終了情報が送信される。サーバ10は、教師用端末20から終了情報を取得すると、採点が終了したと判定し(ステップS18;Yes)、画面出力処理は終了する。一方、終了情報を取得せず、採点が終了していないと判定した場合(ステップS18;No)、教師は採点画面を用いて採点作業を継続しているため、サーバ10は、ステップS15の処理に戻る。
【0062】
なお、本実施形態では、サーバ10に答案画像DB31及び解答DB32が接続されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、答案画像DB31及び解答DB32が接続されていなくても、サーバ10が答案画像や生徒の解答を取得できればよい。
【0063】
本実施形態の学習支援システム200は、採点画面において、採点済みとなった生徒の解答を最後尾に移動し、未採点の生徒の解答の表示を繰り上げる。換言すると、採点画面上に表示された複数の解答のうちの一の解答が採点されたときに、その解答が表示されていたエリアに、次に採点すべき解答が表示される。これを繰り返すことにより、採点画面上でマウスポインタがある位置に未採点の生徒解答エリアが次々と表示されることとなり、採点者であるユーザはマウスを移動させることなく次の解答の採点を行うことができる。このように、採点状態に応じて採点画面上での解答の表示を変えることにより、ユーザはマウスを移動する手間が少なくなり、採点の効率化、ユーザの負荷低減を実現することができる。
【0064】
<変形例>
次に、上記の実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は適宜組み合わせて上記の実施形態に適用することができる。
【0065】
(第1変形例)
上記の実施形態では、採点画面を、
図7に示す採点画面50aのようなレイアウトとしているが、本発明はこれに限定さるものではなく、
図10に示す採点画面70aのようなレイアウトとしてもよい。
図10は、第1変形例における採点画面と採点DBの一例である。具体的に、画面出力部45は、
図10に示すように、採点DB33dを参照し、表示順序に従って解答を表示した採点画面70aを作成し、出力する。
【0066】
図10に示すように、採点画面70aは、実施日表示エリア71、学年表示エリア72、組表示エリア73、教科表示エリア74、問題種別表示エリア75、切替エリア76、採点ボタンエリア77、表示順序選択エリア78、及び、解答一覧エリア80を有する。なお、解答一覧エリア80以外のエリアは、
図7に示す採点画面50aと同様であるため、便宜上説明は省略する。
【0067】
解答一覧エリア80は、設問表示エリア81、未採点エリア82、及び、採点済エリア83を有する。設問表示エリア81は、採点対象の設問を表示するエリアである。未採点エリア82は、採点状態が未採点の解答を未採点表示順序に従って表示するエリアであり、採点済エリア83は、採点状態が採点済みの解答を採点済表示順序に従って表示するエリアである。
【0068】
なお、
図10の採点DB33dに示すように、本変形例の表示順序設定部44は、教師による採点が行われておらず採点結果が全て「未採点」であるため、生徒氏名の五十音順に「1」~「12」の未採点表示順序をそれぞれ各生徒の解答に設定している。そのため、未採点エリア82は、12個の生徒解答エリアから構成されている。
図10の未採点エリア82には、6個の生徒解答エリアしか表示されていないが、スクロールバーを操作することにより全ての生徒解答エリアを表示することができる。生徒解答エリアは、各生徒の解答をそれぞれ表示するエリアであり、例えば、
図10に示す生徒解答エリア84は、未採点表示順序「1」である生徒氏名「学習者A」の解答を表示するエリアであり、未採点エリア82の左上に位置する。このように、未採点エリア82では、未採点表示順序に従って左上から順に各生徒の解答が表示されている。
【0069】
採点関連情報取得部46は、教師用端末20から、教師による解答の採点結果を含む採点関連情報を取得し、採点DB33dの採点情報を更新する。教師は、教師用端末20に表示された採点画面を用いて、マウス操作により所定の解答の採点を行う。例えば、学習者Aの解答を採点する場合、教師は、
図10に示す採点画面70aの生徒解答エリア84内にマウスポインタを移動させ、クリック操作により採点を行う。
【0070】
図11は、第1変形例における採点後の採点画面と採点DBの一例である。
図11では、説明の便宜上、マウスポインタを模式的にマウスで表す。教師がマウスを操作し、生徒解答エリア84内にマウスポインタ85を移動させ左クリックを1回した場合、
図11に示すように、採点画面70bは、生徒解答エリア84上に正解を示す〇を表示する。このとき、教師用端末20は、採点した学習者Aの解答が表示されていた生徒解答エリア84と正解を示す採点結果を採点関連情報としてサーバ10へ送信する。具体駅に、採点関連情報は、採点画面上での生徒解答エリア84を示す位置座標と、正解を示す採点結果とを含む。採点関連情報取得部46は、教師用端末20から取得した採点関連情報に基づいて、
図11に示すように、点線で示す学習者Aの採点結果を「未採点」から「正解」に更新して採点DB33eとする。
【0071】
なお、本変形例では、採点時の〇や×の表示は、サーバ10を経由せず可能とする。
【0072】
表示順序更新部47は、採点DB33eを参照し、学習者Aの採点状態が未採点から採点済みに更新された場合、学習者Aの解答に設定された未採点表示順序「1」を削除し、新たに採点済表示順序「S1」を設定する。ここで、「S1」は、採点済エリア83において解答を表示する順序を表す。例えば、採点済表示順序「S1」の解答は採点済エリア83の左上の先頭、採点済表示順序「S2」の解答は採点済表示順序「S1」の解答の右隣、採点済表示順序「S3」の解答は採点済表示順序「S1」の解答の下というように、本実施形態の採点済エリア83では、採点済表示順序に従って左上から順に解答が表示される。
【0073】
また、表示順序更新部47は、学習者Aの解答以外の解答に設定された未採点表示順序を1つずつ繰り上げる。具体的に、表示順序更新部47は、学習者Bの解答の表示順序を「1」、学習者Cの解答の表示順序を「2」のように1ずつ繰り上げる。そして、表示順序更新部47は、
図11に示すように、点線で示す表示順序を更新して採点DB33fとする。
【0074】
画面出力部45は、表示順序更新部47により表示順序が更新されると、採点DB33fを参照し、更新された表示順序に従って生徒の解答を表示した採点画面を作成し、出力する。具体的に、画面出力部45は、
図11に示すように、採点DB33fを参照し、未採点表示順序に従って学習者B~学習者Lの解答を未採点エリア82に表示し、採点済表示順序に従って学習者Aの解答を採点済エリア83に表示した採点画面70cを作成し、当該採点画面90cの画面情報を教師用端末20に送信する。
【0075】
採点画面70cでは、
図11に示すように、採点済みとなった学習者Aの生徒解答エリア84は採点済エリア83に移動し、学習者Bの生徒解答エリアが未採点エリア82の左上の先頭に表示される。つまり、採点済みの生徒の解答を採点済エリア83に移動することで、未採点エリア82において未採点の生徒の解答の表示を繰り上げる。これにより、採点画面上でマウスポインタ85がある位置に未採点の生徒解答エリアが表示されることとなり、教師はマウスを移動させることなく次の解答の採点を行うことができる。また、未採点エリア82と採点済エリア83に分けることで、教師はいずれの解答が未採点又は採点済みであるかを一目で確認することができる。
【0076】
なお、
図11は、未採点エリア82において左上にマウスポインタ85を置き、先頭の生徒解答エリアをクリックすることで所定の解答の採点を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、未採点エリア82において左上ではない所定の位置にマウスポインタ85を置いた場合であっても、採点済みとなった生徒の解答が採点済エリア83に移動し、未採点の生徒の解答の表示が繰り上がるため、教師はマウスを移動させることなく次の解答の採点を行うことができる。
【0077】
(第2変形例)
上記の実施形態では、採点画面を、
図7に示す採点画面50aのようなレイアウトとしているが、本発明はこれに限定さるものではなく、
図12に示す採点画面90aのようなレイアウトとしてもよい。
図12は、第2変形例における採点画面と採点DBの一例である。具体的に、画面出力部45は、
図12に示すように、採点DB33gを参照し、表示順序に従って採点専用エリアに解答を表示した採点画面90aを作成し、出力する。
【0078】
図12に示すように、採点画面90aは、実施日表示エリア91、学年表示エリア92、組表示エリア93、教科表示エリア94、問題種別表示エリア95、切替エリア96、採点ボタンエリア97、表示順序選択エリア98、及び、解答一覧エリア100を有する。なお、解答一覧エリア100以外のエリアは、
図7に示す採点画面50aと同様であるため、便宜上説明は省略する。
【0079】
解答一覧エリア100は、設問表示エリア101、採点専用エリア102、及び、解答表示エリア103を有する。設問表示エリア101は、採点対象の設問を表示するエリアである。採点専用エリア102は、マウス操作により採点を行うためのエリアであって、表示順序に従って未採点の生徒の解答を表示するエリアである。解答表示エリア103は、複数の生徒解答エリアから構成されており、全生徒の解答を表示するエリアである。
図12の解答表示エリア103には、8個の生徒解答エリアしか表示されていないが、スクロールバーを操作することにより全ての生徒解答エリアを表示することができる。生徒解答エリアは、各生徒の解答をそれぞれ表示するエリアであり、例えば、
図12に示す生徒解答エリア104は、表示順序「1」である生徒氏名「学習者A」の解答を表示するエリアであり、解答表示エリア103の左上に位置する。このように、解答表示エリア103では、表示順序に従って左上から順に各生徒の解答が表示されている。
【0080】
採点関連情報取得部46は、教師用端末20から、教師による解答の採点結果を含む採点関連情報を取得し、採点DB33gの採点情報を更新する。教師は、教師用端末20に表示された採点画面を用いて、マウス操作により所定の解答の採点を行う。例えば、学習者Aの解答を採点する場合、教師は、
図12に示す採点画面90aの採点専用エリア102内にマウスポインタを移動させ、クリック操作により採点を行う。
【0081】
図13は、第2変形例における採点後の採点画面と採点DBの一例である。
図13では、説明の便宜上、マウスポインタを模式的にマウスで表す。教師がマウスを操作し、採点専用エリア102内にマウスポインタ105を移動させ左クリックを1回した場合、
図13に示すように、採点画面90bは、採点専用エリア102上に正解を示す〇を表示する。このとき、教師用端末20は、正解を示す採点結果を採点関連情報としてサーバ10へ送信する。採点関連情報取得部46は、教師用端末20から取得した採点関連情報に基づいて、
図13に示すように、点線で示す学習者Aの採点結果を「未採点」から「正解」に更新して採点DB33hとする。
【0082】
画面出力部45は、採点DB33hを参照し、採点状態が未採点から採点済みに更新された場合、採点結果が「未採点」、且つ、「表示順序が最も小さい」解答を採点専用エリア102に表示した採点画面を作成し、出力する。具体的に、画面出力部45は、
図13に示すように、採点DB33hを参照し、採点結果が「未採点」で表示順序が「2」である学習者Bの解答を採点専用エリア102に表示した採点画面90cを作成し、採点画面90cに関する画面情報を教師用端末20に送信する。教師用端末20は、サーバ10から取得した画面情報に基づいて採点画面90cを表示する。
【0083】
なお、表示順序が更新されても、解答表示エリア103内の生徒解答エリアの位置は移動せず、採点結果のみが反映される。例えば、
図13に示すように、採点画面90bと採点画面90cを比較すると、学習者Aの生徒解答エリア104の位置は移動しておらず、採点結果として採点画面90cの生徒解答エリア104上に〇が表示されている。本変形例では、採点時や採点結果反映時の〇や×の表示は、サーバ10を経由せずに可能とする。
【0084】
このように、採点画面90cの採点専用エリア102は、
図13に示すように、採点済みとなった学習者Aの解答が消え、未採点である学習者Bの解答が表示される。つまり、採点専用エリア102に未採点の解答が繰り上げて表示される。これにより、マウスポインタ105がある採点専用エリア102に未採点の生徒の解答が表示されるため、教師はマウスを移動させることなく次の解答の採点を行うことができる。また、採点専用エリア102は生徒解答エリアより広く、採点専用エリア102内であればいずれにマウスポインタ105を置いてクリックしても採点を行うことができるため、教師の採点作業負荷を軽減することができる。
【0085】
(第3変形例)
上記の実施形態において、教師は教師用端末20を使用することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、教師はサーバ10の機能を有する教師用端末110を使用することとしてもよい。教師用端末110は、サーバ10と同様に、例えば、PCまたは汎用のタブレット等である。
【0086】
図14は、この場合の学習支援システム300の構成例を示す。教師用端末110は、答案画像DB111、解答DB112及び採点DB113が接続されている。教師用端末110は、サーバ10が行っていた画面出力処理を実行し、採点状態に応じて解答の表示を変えることで、教師による採点作業を支援することができる。
【符号の説明】
【0087】
5 ネットワーク
10 サーバ
20、110 教師用端末
31、111 答案画像DB
32、112 解答DB
33、113 採点DB
41 答案画像取得部
42 解答取得部
43 対象設問番号取得部
44 表示順序設定部
45 画面出力部
46 採点関連情報取得部
47 表示順序更新部
200、300 学習支援システム