(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094672
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】支援システム、支援装置、支援方法、及び支援プログラム
(51)【国際特許分類】
B67D 1/12 20060101AFI20240703BHJP
C02F 1/68 20230101ALI20240703BHJP
【FI】
B67D1/12
C02F1/68 510B
C02F1/68 520D
C02F1/68 520B
C02F1/68 530K
C02F1/68 530L
C02F1/68 530B
C02F1/68 540D
C02F1/68 540H
C02F1/68 540B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211368
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 建吾
(72)【発明者】
【氏名】大西 直和
(72)【発明者】
【氏名】久志本 篤
(72)【発明者】
【氏名】羽柴 千明
(72)【発明者】
【氏名】原 伶奈
(72)【発明者】
【氏名】山下 尊史
(72)【発明者】
【氏名】小西 佐和子
(72)【発明者】
【氏名】石母田 和樹
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA10
3E082BB01
3E082CC03
3E082DD01
3E082EE01
(57)【要約】
【課題】水の利用を支援する技術を提供する。
【解決手段】支援システム1は、上水にミネラルを添加するミネラル添加部と、ミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水を吐水するための吐水装置と、吐水装置から吐水されたミネラル水の量を、ミネラル水使用量として検出する使用量検出部と、使用量検出部により検出されたミネラル水使用量を通知する通知部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上水にミネラルを添加するミネラル添加部と、
前記ミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水を吐水するための吐水装置と、
前記吐水装置から吐水されたミネラル水の量を、ミネラル水使用量として検出する使用量検出部と、
前記使用量検出部により検出されたミネラル水使用量を通知する通知部と、
を備える支援システム。
【請求項2】
前記吐水装置は、ミネラルが添加されない非ミネラル水を吐水し、
前記使用量検出部は、前記吐水装置から吐水された非ミネラル水の量を非ミネラル水使用量として検出し、
前記通知部は、前記使用量検出部により検出されたミネラル水使用量又は非ミネラル水使用量を通知する
請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
吐水装置から吐水された、上水にミネラルを添加するミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水の量をミネラル水使用量として検出する使用量検出部と、
前記使用量検出部により検出されたミネラル水使用量を通知する通知部と、
を備える支援装置。
【請求項4】
前記使用量検出部は、前記吐水装置から吐水された、ミネラルが添加されない非ミネラル水の量を非ミネラル水使用量として検出し、
前記通知部は、前記使用量検出部により検出されたミネラル水使用量又は非ミネラル水使用量を通知する
請求項3に記載の支援装置。
【請求項5】
前記使用量検出部は、ミネラル水の流路に設けられた流量センサにより検知されたミネラル水の流量に基づいてミネラル水使用量を検出する
請求項3又は4に記載の支援装置。
【請求項6】
前記使用量検出部は、前記ミネラル添加部において上水に添加されるミネラル源の残量を検知する残量センサにより検知されたミネラル源の残量に基づいてミネラル水使用量を検出する
請求項3又は4に記載の支援装置。
【請求項7】
前記使用量検出部は、前記ミネラル添加部において上水に添加されるミネラル源の送液量に基づいてミネラル水使用量を検出する
請求項3又は4に記載の支援装置。
【請求項8】
前記使用量検出部は、前記ミネラル源を送液する送液ポンプの動作時間に基づいてミネラル水使用量を検出する
請求項7に記載の支援装置。
【請求項9】
前記使用量検出部は、ミネラル水又は非ミネラル水の流路に設けられた弁の動作回数又は動作時間に基づいてミネラル水使用量又は非ミネラル水使用量を検出する
請求項3又は4に記載の支援装置。
【請求項10】
前記通知部は、ミネラル水使用量を、購入可能なミネラル水の量に換算して通知する
請求項3又は4に記載の支援装置。
【請求項11】
前記使用量検出部により検出されたミネラル水使用量及び非ミネラル水使用量に基づいて、ミネラル水の使用に関する提案を使用者に提示する提案部を備える
請求項4に記載の支援装置。
【請求項12】
非ミネラル水使用量がミネラル水使用量より多い場合、前記提案部は、ミネラル水の使用を使用者に提案する
請求項11に記載の支援装置。
【請求項13】
前記使用量検出部により検出されたミネラル水使用量及び非ミネラル水使用量に基づいて、ミネラル水の使用に関するアンケートを使用者に実施するアンケート実施部を備える
請求項4に記載の支援装置。
【請求項14】
非ミネラル水使用量がミネラル水使用量より多い場合、前記アンケート実施部は、ミネラル水使用量が少ない理由を使用者に問うためのアンケートを実施する
請求項13に記載の支援装置。
【請求項15】
コンピュータに、
吐水装置から吐水された、上水にミネラルを添加するミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水の量を、ミネラル水使用量として検出するステップと、
検出されたミネラル水使用量を通知するステップと、
を実行させる支援方法。
【請求項16】
コンピュータを、
吐水装置から吐水された、上水にミネラルを添加するミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水の量をミネラル水使用量として検出する使用量検出部と、
前記使用量検出部により検出されたミネラル水使用量を通知する通知部と、
として機能させるための支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水の利用を支援する支援システム、制御装置、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人が生きていくために、飲料水を欠くことはできない。我々が毎日口にする飲料水には、清潔であることだけでなく、健康で豊かな暮らしを支えるための様々な機能が求められるようになっている。例えば、地下水などから採取された天然水、ミネラル分を多く含むミネラルウォーター、味や香りがつけられたフレーバーウォーターなど、数多くの種類の飲料水が市販されている。
【0003】
水道水などの原水を浄化して供給することが可能な給水システムも提供されている。例えば、特許文献1には、上流側から供給された原水を浄化カートリッジに通すことで浄水を生成し、浄水を下流側にある被給水部に給水する給水流路を備える給水システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、このような給水システムの利用者の利便性を向上させるために、給水システムにより供給される水の利用を支援する技術が必要であることを課題として認識し、本開示の技術に想到した。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、水の利用を支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の支援システムは、上水にミネラルを添加するミネラル添加部と、ミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水を吐水するための吐水装置と、吐水装置から吐水されたミネラル水の量を、ミネラル水使用量として検出する使用量検出部と、使用量検出部により検出されたミネラル水使用量を通知する通知部と、を備える。
【0008】
本開示の別の態様は、支援装置である。この装置は、吐水装置から吐水された、上水にミネラルを添加するミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水の量をミネラル水使用量として検出する使用量検出部と、使用量検出部により検出されたミネラル水使用量を通知する通知部と、を備える。
【0009】
本開示のさらに別の態様は、支援方法である。この方法は、コンピュータに、吐水装置から吐水された、上水にミネラルを添加するミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水の量を、ミネラル水使用量として検出するステップと、検出されたミネラル水使用量を通知するステップと、を実行させる。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係る支援システムの構成を示す図である。
【
図3】実施の形態に係る支援装置の構成を示す図である。
【
図4】実施の形態に係る支援方法の手順を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態に係る支援装置により提示される画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、実施の形態に係る支援システム1の構成を示す。支援システム1は、給水システム10により供給される水の利用を支援する。支援システム1は、給水システム10、支援装置200、利用者端末300、及びこれらの装置を通信可能に接続する通信網2を備える。
【0013】
給水システム10は、原水や改質水など複数の種類の水を供給する。改質水は、例えば、水道水に含まれる塩素成分を除去した浄水、原水又は浄水にミネラル分を添加したミネラル水などである。
【0014】
支援装置200は、給水システム10、利用者端末300などから得られる情報を用いて、給水システム10により供給される水の利用を支援する。
【0015】
利用者端末300は、給水システム10の利用者が使用する端末である。利用者端末300は、利用者から受け付けた制御指示を給水システム10に送信する。利用者端末300は、利用者から受け付けた情報を支援装置200に送信する。利用者端末300は、支援装置200から受信した情報を利用者に提示する。
【0016】
図2は、給水システム10の構成を示す。給水システム10は、ミネラル水を生成するミネラル浄水ユニット60を備える。給水システム10は、被給水部12に複数の種類の水を給水するために用いられる。本実施形態の被給水部12は、水を吐き出す吐水装置14の吐水部である。ここでは、吐水装置14の一例として吐水管を示す。この他にも、吐水装置14は、例えば、シャワーヘッド等でもよい。
【0017】
給水システム10は、被給水部12に改質水を給水するための第1給水ライン16と、被給水部12に改質水とは種類の異なる水として湯水混合水を給水するための第2給水ライン18と、を備える。第1給水ライン16及び第2給水ライン18のいずれも飲料水(改質水、湯水混合水)を給水する。
【0018】
第2給水ライン18は、上水道等の給水源20から水道水である常温水が供給される水流路22と、給湯器等の湯源24から湯が供給される湯流路26と、水流路22及び湯流路26から供給される常温水及び湯を混合する混合弁28と、混合弁28により混合された湯水混合水を被給水部12に給水する混合水流路30と、を備える。混合弁28における常温水と湯の混合比率及び混合弁28から給水される湯水混合水の流量は、吐水装置14に設けられるシングルレバー32により操作可能である。水流路22には手動操作により開閉可能な第1止水栓34が設けられ、湯流路26には手動操作により開閉可能な第2止水栓36が設けられる。水流路22には流れ方向に間を空けて上流側への逆流を阻止する第1逆止弁38及び第2逆止弁40が設けられる。湯流路26には上流側への逆流を阻止する第3逆止弁42が設けられる。
【0019】
第1給水ライン16は、水流路22から分岐し被給水部12に繋がる給水流路50と、給水流路50に設けられる改質カートリッジ52と、改質カートリッジ52を迂回するように給水流路50から分岐して給水流路50に合流するバイパス流路54と、給水流路50とバイパス流路54との分岐部に設けられる三方弁等の切替弁68と、を備える。水流路22から給水流路50が分岐する分岐部46は、水流路22の第1逆止弁38と第2逆止弁40の間に設けられる。原水の具体例は特に問わず、例えば、水道水の他にも天然水等でもよい。
【0020】
切替弁68は、給水流路50の改質カートリッジ52を経由するカートリッジ経由部とバイパス流路54とのそれぞれに原水通流経路を切り替え可能である。被給水部12にミネラル水を給水するときは、原水が改質カートリッジ52を経由するように切替弁68により原水通流経路が切り替えられる。給水流路50とバイパス流路54との合流部よりも下流側の流路部分を、原水としての塩素入りの水道水により洗浄するときは、原水がバイパス流路54を経由するように切替弁68により原水通流経路が切り替えられる。
【0021】
第1給水ライン16は、この他に、ミネラル源の原液を溜める液源61と、給水流路50につながる原液流路62と、原液流路62に設けられる送液部64と、を備える。
【0022】
給水流路50には、上流側の給水源20から給水圧を付与された原水が供給される。本実施形態の給水流路50には、給水源20から水流路22を介して原水が供給される。給水流路50と原液流路62との合流部84において原水に原液が添加されることでミネラル水が生成される。ミネラル水は、給水流路50と原液流路62との合流部84よりも下流側を通流して被給水部12に給水される。原水は、改質カートリッジ52を経由することにより改質されてもよいし、改質されなくてもよい。
【0023】
給水流路50には、給水流路50と原液流路62との合流部84よりも給水流路50の上流側に、上流側への逆流を阻止する第4逆止弁72が設けられる。
【0024】
改質カートリッジ52は、自身の内部に給水流路50の一部が設けられ、その自身の内部を経由して通流する原水を改質可能である。ここでの「改質」とは、物理変化又は化学変化を経て、特定の成分を原水から除去又は原水に付与することをいう。本実施形態の改質カートリッジ52は、原水として流入する水道水に含まれる塩素成分を除去する浄水カートリッジであり、原水を浄化することで浄水を生成する。この他にも、原水の改質態様として、美容成分、匂い成分、炭酸成分、水素成分等を原水に付与してもよい。改質カートリッジ52は、不図示のカートリッジホルダーに着脱可能に保持される。なお、給水システム10は、改質カートリッジ52を備えずともよい。
【0025】
液源61は、不図示の原液ホルダーに着脱可能に保持される。液源61の具体例は特に限定されず、各種容器、タンク等を採用してもよい。原液は、ミネラル分として、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどを含んでもよい。
【0026】
原液流路62には、液源61から供給される原液が通流し、その原液が給水流路50を通流する原水に添加される。原液流路62には送液部64よりも上流側に第5逆止弁76が設けられる。第5逆止弁76は、原液流路62において外気の下流側への流れを阻止する。原液流路62には原液流路62内での原液の有無を検知するセンサ78が設けられる。原液の残量を検知する液面センサなどの残量センサが液源61に設けられてもよい。
【0027】
原液流路62には送液部64よりも下流側に第6逆止弁80が設けられる。第6逆止弁80は、原液流路62において上流側への逆流を阻止する。これにより、給水流路50の原水に混入した微生物等の第6逆止弁80よりも原液流路62の上流側への流入を抑制でき、原液流路62内の原液の衛生性を良好に保つことができる。第6逆止弁80は、送液部64による送液の有無に連動して無電源で開閉するように構成される。これを実現するうえで、第6逆止弁80は、送液部64により送液しているときは上流側から作用する原液の内圧により開き、送液部64により送液していないときは下流側から作用する液体(原水等)の内圧により閉じるように構成される。第6逆止弁80はダックビル弁等の各種逆止弁を採用してもよい。
【0028】
原液流路62には原液流路62を通流する原液を除菌する除菌部82が設けられる。除菌部82は、自身の内部に原液流路62の一部が設けられ、その自身を経由して原液流路62内を通流する原液を除菌する。除菌部82は、例えば、中空糸膜フィルタ、光触媒、紫外線等を用いて原液を除菌するように構成される。
【0029】
送液部64は、液源61側から吸い出した原液を給水流路50側に向けて吐き出すことで原液を送液する。本実施形態の送液部64は、後述する制御部98から供給される駆動電圧又は駆動電流により駆動され、その駆動電圧又は駆動電流に応じた原液の瞬間流量となるように連続的に原液を送液する。ここでの送液部64は、駆動電圧により駆動されてもよい。これを実現する本実施形態の送液部64は、ポンプの他に、ポンプを駆動するモータを備え、モータを駆動する駆動電圧の電圧値を大きくするほどポンプから送液される原液流量を大きくすることができる。この他にも、送液部64は、例えば、ポンプの他に、ポンプを駆動するソレノイドを備え、ソレノイドを駆動する駆動電流に応じて原液流量を変更可能にしてもよい。本実施形態の送液部64のポンプはチューブポンプであるが、この他にも、ギヤポンプ、ベーンポンプ等の各種ポンプを採用してもよい。本実施形態の送液部64はポンプを用いて構成されるが、その具体例は特に限定されず、例えば、コンプレッサー等でもよい。
【0030】
給水システム10は、第1給水ライン16に設けられる切替弁68と、給水流路50に設けられる少なくとも一つの開閉弁70A、70Bと、切替弁68及び開閉弁70A、70Bを制御する制御部98と、給水流路50を通流する水の流量を検出する流量センサ74と、を備える。
【0031】
切替弁68は、制御部98による制御に従って動作可能である。切替弁68は、制御部98により通電されていないOFF状態にあるとき、カートリッジ経由部が原水通流経路となるように切り替える。切替弁68は、制御部98により通電されているON状態にあるとき、バイパス流路54が原水通流経路となるように切り替える。
【0032】
開閉弁70A、70Bは給水流路50に設けられる。開閉弁70A、70Bは、電磁弁、電動弁等の自動開閉弁である。開閉弁70A、70Bは、制御部98による制御に従って動作可能である。開閉弁70A、70Bは、制御部98により通電されていないOFF状態にあるときに閉状態となる。開閉弁70A、70Bは、制御部98により通電されているON状態にあるときに開状態となる。
【0033】
開閉弁70A、70Bは、上流側の開閉弁70Aと、上流側の開閉弁70Aよりも下流側に設けられる少なくとも一つの下流側の開閉弁70Bとを含む。
【0034】
制御部98は、例えば、マイクロコンピュータ等であり、CPU、ROM、RAM等の組み合わせにより構成される。制御部98は、切替弁68及び開閉弁70A、70Bを制御可能である。制御部98は、利用者による給水操作部44に対する操作に従って動作する通常モードと、給水流路50の下流側流路部を原水により洗浄する洗浄モードとを実行可能である。制御部98は、洗浄モードにあるとき、給水操作部44から出力される指示を無効にする。
【0035】
給水操作部44は、被給水部12への給水の有無を切り替えるために利用者により操作される。本実施形態の給水操作部44は複数の回転位置に切り替え可能な回転ハンドルであり、吐水装置14に組み込まれる。この給水操作部44は、利用者による操作に従って複数の回転位置のそれぞれに切り替えられることで、その回転位置に対応する指示を制御部98に出力可能である。給水操作部44の具体例は特に限定されない。給水操作部44は、この他にも、情報処理端末(スマートフォン、タブレット等)により構成されてもよい。この場合、給水操作部44としての情報処理端末は、給水システム10を操作するためのアプリケーションを実行し、そのアプリケーションに対する操作に従って選択された指示を制御部98に出力する。
【0036】
給水操作部44は、利用者による操作に従って複数の指示のいずれかを選択可能であり、その選択された指示を制御部98に出力する。給水操作部44により選択可能な指示は、被給水部12に給水するための給水指示と、被給水部12への給水を停止するための止水指示とを含んでいる。
【0037】
制御部98は、送液部64を駆動するための駆動電圧又は駆動電流(ここでは駆動電圧)に関するパラメータを設定し、その設定したパラメータの駆動電圧又は駆動電流を送液部64に供給することで、送液部64から送液される原液流量を制御可能である。これを実現するうえで、本実施形態の制御部98は、駆動電圧に関するパラメータとして、PWM(Pulse Width Modulation)制御により生成される駆動電圧のデューティー比を設定する。この他にも、この駆動電圧に関するパラメータは、駆動電圧の電圧値等でもよい。駆動電流により送液部64を駆動する場合、駆動電流に関するパラメータは、駆動電流の電流値等でもよい。
【0038】
図3は、実施の形態に係る支援装置200の構成を示す。支援装置200は、通信装置201、表示装置202、入力装置203、記憶装置270、及び処理装置260を備える。支援装置200は、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピュータなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0039】
通信装置201は、通信網2を介した他の装置との間の通信を制御する。通信装置201は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。表示装置202は、処理装置260により生成される画面を表示する。表示装置202は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置203は、指示入力を受け付けて処理装置260に伝達する。入力装置203は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置202及び入力装置203は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0040】
記憶装置270は、処理装置260により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置270は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置270には、ミネラル水使用量保持部271及び非ミネラル水使用量保持部272が格納される。
【0041】
ミネラル水使用量保持部271は、給水システム10において使用されたミネラル水の量を保持する。ミネラル水使用量保持部271は、時間毎、日毎、週毎、月毎、年毎のミネラル水使用量を保持してもよいし、それまでに使用されたミネラル水の総量を保持してもよい。
【0042】
非ミネラル水使用量保持部272は、給水システム10において使用された非ミネラル水の量を保持する。非ミネラル水は、ミネラルが添加されない水の総称である。非ミネラル水使用量保持部272は、時間毎、日毎、週毎、月毎、年毎の非ミネラル水使用量を保持してもよいし、それまでに使用された非ミネラル水の総量を保持してもよい。
【0043】
処理装置260は、検知情報取得部261、ミネラル水使用量検出部262、非ミネラル水使用量検出部263、使用量換算部264、使用量通知部265、提案部266、及びアンケート実施部267を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意の回路、コンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0044】
検知情報取得部261は、給水システム10に設けられた各種のセンサから検知情報を取得する。検知情報取得部261は、流量センサ74、センサ78などから検知情報を取得する。
【0045】
ミネラル水使用量検出部262は、検知情報取得部261により取得された検知情報に基づいて、給水システム10において吐水装置14から吐出されたミネラル水の量をミネラル水使用量として検出し、検出されたミネラル水使用量をミネラル水使用量保持部271に格納する。ミネラル水使用量検出部262は、ミネラル水の吐出が指示されているときに流量センサ74により検知された水の流量に基づいて、吐水装置14から吐出されたミネラル水の量を検出してもよい。ミネラル水使用量検出部262は、液源61内の原液の残量を検知する残量センサにより検知された原液の残量に基づいて、吐水装置14から吐出されたミネラル水の量を検出してもよい。ミネラル水使用量検出部262は、送液部64からの送液量に基づいて、吐水装置14から吐出されたミネラル水の量を検出してもよい。ミネラル水使用量検出部262は、ポンプの駆動電流、駆動時間などに基づいて、ポンプの送液量を検出してもよい。ミネラル水使用量検出部262は、ミネラル水の流路に設けられた切替弁68の動作回数又は動作時間に基づいて、吐水装置14から吐出されたミネラル水の量を検出してもよい。ミネラル水使用量検出部262は、切替弁68が1回開かれたときに流れるミネラル水の量や、切替弁68が単位時間開かれたときに流れるミネラル水の量を予め保持し、それらに基づいて吐水装置14から吐出されたミネラル水の量を検出してもよい。
【0046】
非ミネラル水使用量検出部263は、検知情報取得部261により取得された検知情報に基づいて、給水システム10において吐水装置14から吐出された非ミネラル水の量をミネラル水使用量として検出し、検出された非ミネラル水使用量を非ミネラル水使用量保持部272に格納する。非ミネラル水使用量検出部263は、非ミネラル水の吐出が指示されているときに流量センサ74により検知された水の流量に基づいて、吐水装置14から吐出された非ミネラル水の量を検出してもよい。非ミネラル水使用量検出部263は、非ミネラル水の流路に設けられた切替弁68の動作回数又は動作時間に基づいて、吐水装置14から吐出された非ミネラル水の量を検出してもよい。非ミネラル水使用量検出部263は、切替弁68が1回開かれたときに流れる非ミネラル水の量や、切替弁68が単位時間開かれたときに流れる非ミネラル水の量を予め保持し、それらに基づいて吐水装置14から吐出された非ミネラル水の量を検出してもよい。
【0047】
使用量換算部264は、ミネラル水使用量保持部271に格納されたミネラル水使用量を、購入可能なミネラル水の量に換算する。使用量換算部264は、ミネラル水使用量保持部271に格納されたミネラル水使用量を、購入可能なミネラル水のボトル、缶、タンクなどの容器の容量で除すことにより、購入可能なミネラル水のボトル、缶、タンクなどの数に換算してもよい。使用量換算部264は、購入可能なミネラル水のボトルなどを製造するのに必要なエネルギーや二酸化炭素排出量などに基づいて、ミネラル水使用量を、給水システム10を利用することにより節減されたエネルギーや二酸化炭素排出量などに換算してもよい。
【0048】
使用量通知部265は、使用量換算部264により換算されたミネラル水使用量を利用者端末300に通知する。これにより、購入可能なミネラル水を購入した場合の数を利用者に知らせることができるので、給水システム10によってミネラル水を使用したことによる利用者の負担の軽減度や環境への貢献度を利用者に知らせることができる。
【0049】
提案部266は、ミネラル水使用量検出部262により検出されたミネラル水使用量、及び非ミネラル水使用量検出部263により検出された非ミネラル水使用量に基づいて、ミネラル水の使用に関する提案を利用者端末300に提示する。例えば、非ミネラル水使用量がミネラル水使用量より多い場合、提案部266は、ミネラル水の使用を使用者に提案する。これにより、ミネラル水の利用を促進させることができる。
【0050】
アンケート実施部267は、ミネラル水使用量検出部262により検出されたミネラル水使用量、及び非ミネラル水使用量検出部263により検出された非ミネラル水使用量に基づいて、ミネラル水の使用に関するアンケートを利用者端末300に送信し、利用者端末300からアンケートの回答を取得する。例えば、非ミネラル水使用量がミネラル水使用量より多い場合、アンケート実施部267は、ミネラル水使用量が少ない理由を利用者に問うためのアンケートを実施する。
【0051】
図4は、実施の形態に係る支援方法の手順を示すフローチャートである。検知情報取得部261は、給水システム10に設けられた各種のセンサから検知情報を取得する(S10)。ミネラル水使用量検出部262は、検知情報取得部261により取得された検知情報に基づいて、給水システム10において吐水装置14から吐出されたミネラル水の量をミネラル水使用量として検出する(S12)。非ミネラル水使用量検出部263は、検知情報取得部261により取得された検知情報に基づいて、給水システム10において吐水装置14から吐出された非ミネラル水の量をミネラル水使用量として検出する(S14)
【0052】
使用量換算部264は、検出されたミネラル水使用量を、購入可能なミネラル水の量に換算する(S16)。使用量通知部265は、使用量換算部264により換算されたミネラル水使用量を利用者端末300に通知する(S18)。
【0053】
ミネラル水使用量が所定量よりも少ない場合(S20のY)、提案部266は、ミネラル水の使用に関する提案を利用者端末300に提示する(S22)。アンケート実施部267は、ミネラル水の使用に関するアンケートを利用者端末300に送信し、利用者端末300からアンケートの回答を取得する(S24)。ミネラル水使用量が所定量よりも多い場合(S20のN)、S22及びS24をスキップする。
【0054】
所定のタイミングにおいて、S10に戻り、以上の手順を繰り返す。
【0055】
図5は、実施の形態に係る支援装置200により提示される画面の例を示す。支援装置200は、ミネラル水使用量と非ミネラル水使用量を、日毎、週毎、月毎に画面に表示する。また、ミネラルの目標摂取量と、利用者が摂取したミネラルの量を画面に表示する。また、支援装置200は、ミネラル水の利用を提案するとともに、ミネラル水の利用に関するアンケートの質問を画面に表示する。
【0056】
次に、ここまで説明した各構成要素の変形形態を説明する。
【0057】
給水システム10は第2給水ライン18を備えなくともよい。この場合、第1給水ライン16の給水流路50には給水源20から水道水等の原水が供給されていればよい。
【0058】
開閉弁70Aは、給水流路50の下流側流路部に設けられていてもよい。
【0059】
制御部98は、給水流路50から被給水部12への給水を開始する場合、上流側の開閉弁70Aを先に開いてから下流側の開閉弁70Bを開いてもよい。制御部98は、給水流路50から被給水部12への給水を停止する場合、下流側の開閉弁70Bを先に閉じてから上流側の開閉弁70Aを閉じてもよい。
【0060】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が当然に許容される。
【符号の説明】
【0061】
1…支援システム、2…通信網、10…給水システム、12…被給水部、14…吐水装置、16…第1給水ライン、18…第2給水ライン、20…給水源、22…水流路、24…湯源、26…湯流路、28…混合弁、30…混合水流路、32…シングルレバー、34…第1止水栓、36…第2止水栓、38…第1逆止弁、40…第2逆止弁、42…第3逆止弁、44…給水操作部、46…分岐部、50…給水流路、52…改質カートリッジ、54…バイパス流路、56…合流部、60…ミネラル浄水ユニット、61…液源、62…原液流路、64…送液部、68…切替弁、70A…開閉弁、70B…開閉弁、72…第4逆止弁、74…流量センサ、76…第5逆止弁、78…センサ、80…第6逆止弁、82…除菌部、84…合流部、98…制御部、200…支援装置、201…通信装置、202…表示装置、203…入力装置、260…処理装置、261…検知情報取得部、262…ミネラル水使用量検出部、263…非ミネラル水使用量検出部、264…使用量換算部、265…使用量通知部、266…提案部、267…アンケート実施部、270…記憶装置、271…ミネラル水使用量保持部、272…非ミネラル水使用量保持部、300…利用者端末。