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特開2024-94673支援システム、支援装置、支援方法、及び支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094673
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】支援システム、支援装置、支援方法、及び支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/68 20230101AFI20240703BHJP
   E03C 1/046 20060101ALI20240703BHJP
   B67D 1/07 20060101ALN20240703BHJP
【FI】
C02F1/68 530L
C02F1/68 510B
C02F1/68 530K
C02F1/68 530B
C02F1/68 540D
C02F1/68 540B
C02F1/68 520D
C02F1/68 520C
C02F1/68 520B
E03C1/046
B67D1/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211369
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 建吾
(72)【発明者】
【氏名】大西 直和
(72)【発明者】
【氏名】久志本 篤
(72)【発明者】
【氏名】羽柴 千明
(72)【発明者】
【氏名】原 伶奈
(72)【発明者】
【氏名】山下 尊史
(72)【発明者】
【氏名】小西 佐和子
(72)【発明者】
【氏名】石母田 和樹
【テーマコード(参考)】
2D060
3E082
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060BA05
2D060BC30
2D060CD10
3E082AA10
3E082BB01
3E082DD20
3E082FF01
(57)【要約】
【課題】水の利用を支援する技術を提供する。
【解決手段】支援システム1は、上水にミネラルを添加するミネラル添加部と、ミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水を吐水するための吐水装置と、基準時からの経過時間又はミネラル水の使用量に基づいてミネラル添加部のメンテナンスの時期を算出するメンテナンス時期算出部と、ミネラル添加部がメンテナンスされたときに基準時をリセットするリセット部と、ミネラル添加部がメンテナンスされたにもかかわらず基準時がリセットされていないことを検出した場合にその旨を報知する報知部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上水にミネラルを添加するミネラル添加部と、
前記ミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水を吐水するための吐水装置と、
基準時からの経過時間又は前記ミネラル水の使用量に基づいて前記ミネラル添加部のメンテナンスの時期を算出するメンテナンス時期算出部と、
前記ミネラル添加部がメンテナンスされたときに前記基準時をリセットするリセット部と、
前記ミネラル添加部がメンテナンスされたにもかかわらず前記基準時がリセットされていないことを検出した場合にその旨を報知する報知部と、
を備える支援システム。
【請求項2】
基準時からの経過時間、又は、上水にミネラルを添加するミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水の前記基準時からの使用量に基づいて、前記ミネラル添加部のメンテナンスの時期を算出するメンテナンス時期算出部と、
前記ミネラル添加部がメンテナンスされたときに前記基準時をリセットするリセット部と、
前記ミネラル添加部がメンテナンスされたにもかかわらず前記基準時がリセットされていないことを検出した場合にその旨を報知する報知部と、
を備える支援装置。
【請求項3】
前記報知部は、前記基準時がリセットされていない旨を報知してから所定時間が経過しても前記基準時がリセットされない場合、前記基準時がリセットされていない旨を再度報知する
請求項2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記報知部は、前記基準時をリセットする方法を報知する
請求項2又は3に記載の支援装置。
【請求項5】
前記報知部は、前記メンテナンス時期算出部により算出されたメンテナンスの時期を報知する
請求項2又は3に記載の支援装置。
【請求項6】
コンピュータに、
基準時からの経過時間、又は、上水にミネラルを添加するミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水の前記基準時からの使用量に基づいて、前記ミネラル添加部のメンテナンスの時期を算出するステップと、
前記ミネラル添加部がメンテナンスされたときに前記基準時をリセットするステップと、
前記ミネラル添加部がメンテナンスされたにもかかわらず前記基準時がリセットされていないことを検出した場合にその旨を報知するステップと、
を実行させる支援方法。
【請求項7】
コンピュータを、
基準時からの経過時間、又は、上水にミネラルを添加するミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水の前記基準時からの使用量に基づいて、前記ミネラル添加部のメンテナンスの時期を算出するメンテナンス時期算出部と、
前記ミネラル添加部がメンテナンスされたときに前記基準時をリセットするリセット部と、
前記ミネラル添加部がメンテナンスされたにもかかわらず前記基準時がリセットされていないことを検出した場合にその旨を報知する報知部と、
として機能させるための支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水の利用を支援する支援システム、制御装置、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人が生きていくために、飲料水を欠くことはできない。我々が毎日口にする飲料水には、清潔であることだけでなく、健康で豊かな暮らしを支えるための様々な機能が求められるようになっている。例えば、地下水などから採取された天然水、ミネラル分を多く含むミネラルウォーター、味や香りがつけられたフレーバーウォーターなど、数多くの種類の飲料水が市販されている。
【0003】
水道水などの原水を浄化して供給することが可能な給水システムも提供されている。例えば、特許文献1には、上流側から供給された原水を浄化カートリッジに通すことで浄水を生成し、浄水を下流側にある被給水部に給水する給水流路を備える給水システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-239688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、このような給水システムの利用者の利便性を向上させるために、給水システムにより供給される水の利用を支援する技術が必要であることを課題として認識し、本開示の技術に想到した。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、水の利用を支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の支援システムは、上水にミネラルを添加するミネラル添加部と、ミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水を吐水するための吐水装置と、基準時からの経過時間又はミネラル水の使用量に基づいてミネラル添加部のメンテナンスの時期を算出するメンテナンス時期算出部と、ミネラル添加部がメンテナンスされたときに基準時をリセットするリセット部と、ミネラル添加部がメンテナンスされたにもかかわらず基準時がリセットされていないことを検出した場合にその旨を報知する報知部と、を備える。
【0008】
本開示の別の態様は、支援装置である。この装置は、基準時からの経過時間、又は、上水にミネラルを添加するミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水の基準時からの使用量に基づいて、ミネラル添加部のメンテナンスの時期を算出するメンテナンス時期算出部と、ミネラル添加部がメンテナンスされたときに基準時をリセットするリセット部と、ミネラル添加部がメンテナンスされたにもかかわらず基準時がリセットされていないことを検出した場合にその旨を報知する報知部と、を備える。
【0009】
本開示のさらに別の態様は、支援方法である。この方法は、コンピュータに、基準時からの経過時間、又は、上水にミネラルを添加するミネラル添加部によりミネラルが添加されたミネラル水の基準時からの使用量に基づいて、ミネラル添加部のメンテナンスの時期を算出するステップと、ミネラル添加部がメンテナンスされたときに基準時をリセットするステップと、ミネラル添加部がメンテナンスされたにもかかわらず基準時がリセットされていないことを検出した場合にその旨を報知するステップと、を実行させる。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る支援システムの構成を示す図である。
図2】給水システムの構成を示す図である。
図3】実施の形態に係る支援装置の構成を示す図である。
図4】実施の形態に係る支援方法の手順を示すフローチャートである。
図5】実施の形態に係る支援装置により提示される画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、実施の形態に係る支援システム1の構成を示す。支援システム1は、給水システム10により供給される水の利用を支援する。支援システム1は、給水システム10、支援装置200、利用者端末300、及びこれらの装置を通信可能に接続する通信網2を備える。
【0013】
給水システム10は、原水や改質水など複数の種類の水を供給する。改質水は、例えば、水道水に含まれる塩素成分を除去した浄水や、原水又は浄水にミネラル分を添加したミネラル水などである。
【0014】
支援装置200は、給水システム10、利用者端末300などから得られる情報を用いて、給水システム10により供給される水の利用を支援する。
【0015】
利用者端末300は、給水システム10の利用者が使用する端末である。利用者端末300は、利用者から受け付けた制御指示を給水システム10に送信する。利用者端末300は、利用者から受け付けた情報を支援装置200に送信する。利用者端末300は、支援装置200から受信した情報を利用者に提示する。
【0016】
図2は、給水システム10の構成を示す。給水システム10は、ミネラル水を生成するミネラル浄水ユニット60を備える。給水システム10は、被給水部12に複数の種類の水を給水するために用いられる。本実施形態の被給水部12は、水を吐き出す吐水装置14の吐水部である。ここでは、吐水装置14の一例として吐水管を示す。この他にも、吐水装置14は、例えば、シャワーヘッド等でもよい。
【0017】
給水システム10は、被給水部12に改質水を給水するための第1給水ライン16と、被給水部12に改質水とは種類の異なる水として湯水混合水を給水するための第2給水ライン18と、を備える。第1給水ライン16及び第2給水ライン18のいずれも飲料水(改質水、湯水混合水)を給水する。
【0018】
第2給水ライン18は、上水道等の給水源20から水道水である常温水が供給される水流路22と、給湯器等の湯源24から湯が供給される湯流路26と、水流路22及び湯流路26から供給される常温水及び湯を混合する混合弁28と、混合弁28により混合された湯水混合水を被給水部12に給水する混合水流路30と、を備える。混合弁28における常温水と湯の混合比率及び混合弁28から給水される湯水混合水の流量は、吐水装置14に設けられるシングルレバー32により操作可能である。水流路22には手動操作により開閉可能な第1止水栓34が設けられ、湯流路26には手動操作により開閉可能な第2止水栓36が設けられる。水流路22には流れ方向に間を空けて上流側への逆流を阻止する第1逆止弁38及び第2逆止弁40が設けられる。湯流路26には上流側への逆流を阻止する第3逆止弁42が設けられる。
【0019】
第1給水ライン16は、水流路22から分岐し被給水部12に繋がる給水流路50と、給水流路50に設けられる改質カートリッジ52と、改質カートリッジ52を迂回するように給水流路50から分岐して給水流路50に合流するバイパス流路54と、給水流路50とバイパス流路54との分岐部に設けられる三方弁等の切替弁68と、を備える。水流路22から給水流路50が分岐する分岐部46は、水流路22の第1逆止弁38と第2逆止弁40の間に設けられる。原水の具体例は特に問わず、例えば、水道水の他にも天然水等でもよい。
【0020】
切替弁68は、給水流路50の改質カートリッジ52を経由するカートリッジ経由部とバイパス流路54とのそれぞれに原水通流経路を切り替え可能である。被給水部12にミネラル水を給水するときは、原水が改質カートリッジ52を経由するように切替弁68により原水通流経路が切り替えられる。給水流路50とバイパス流路54との合流部よりも下流側の流路部分を、原水としての塩素入りの水道水により洗浄するときは、原水がバイパス流路54を経由するように切替弁68により原水通流経路が切り替えられる。
【0021】
第1給水ライン16は、この他に、ミネラル源の原液を溜める液源61と、給水流路50につながる原液流路62と、原液流路62に設けられる送液部64と、を備える。
【0022】
給水流路50には、上流側の給水源20から給水圧を付与された原水が供給される。本実施形態の給水流路50には、給水源20から水流路22を介して原水が供給される。給水流路50と原液流路62との合流部84において原水に原液が添加されることでミネラル水が生成される。ミネラル水は、給水流路50と原液流路62との合流部84よりも下流側を通流して被給水部12に給水される。原水は、改質カートリッジ52を経由することにより改質されてもよいし、改質されなくてもよい。
【0023】
給水流路50には、給水流路50と原液流路62との合流部84よりも給水流路50の上流側に、上流側への逆流を阻止する第4逆止弁72が設けられる。
【0024】
改質カートリッジ52は、自身の内部に給水流路50の一部が設けられ、その自身の内部を経由して通流する原水を改質可能である。ここでの「改質」とは、物理変化又は化学変化を経て、特定の成分を原水から除去又は原水に付与することをいう。本実施形態の改質カートリッジ52は、原水として流入する水道水に含まれる塩素成分を除去する浄水カートリッジであり、原水を浄化することで浄水を生成する。この他にも、原水の改質態様として、美容成分、匂い成分、炭酸成分、水素成分等を原水に付与してもよい。改質カートリッジ52は、不図示のカートリッジホルダーに着脱可能に保持される。なお、給水システム10は、改質カートリッジ52を備えずともよい。
【0025】
液源61は、不図示の原液ホルダーに着脱可能に保持される。液源61の具体例は特に限定されず、各種容器、タンク等を採用してもよい。原液は、ミネラル分として、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどを含んでもよい。
【0026】
原液流路62には、液源61から供給される原液が通流し、その原液が給水流路50を通流する原水に添加される。原液流路62には送液部64よりも上流側に第5逆止弁76が設けられる。第5逆止弁76は、原液流路62において外気の下流側への流れを阻止する。原液流路62には原液流路62内での原液の有無を検知するセンサ78が設けられる。原液の残量を検知する液面センサなどの残量センサが液源61に設けられてもよい。
【0027】
原液流路62には送液部64よりも下流側に第6逆止弁80が設けられる。第6逆止弁80は、原液流路62において上流側への逆流を阻止する。これにより、給水流路50の原水に混入した微生物等の第6逆止弁80よりも原液流路62の上流側への流入を抑制でき、原液流路62内の原液の衛生性を良好に保つことができる。第6逆止弁80は、送液部64による送液の有無に連動して無電源で開閉するように構成される。これを実現するうえで、第6逆止弁80は、送液部64により送液しているときは上流側から作用する原液の内圧により開き、送液部64により送液していないときは下流側から作用する液体(原水等)の内圧により閉じるように構成される。第6逆止弁80はダックビル弁等の各種逆止弁を採用してもよい。
【0028】
原液流路62には原液流路62を通流する原液を除菌する除菌部82が設けられる。除菌部82は、自身の内部に原液流路62の一部が設けられ、その自身を経由して原液流路62内を通流する原液を除菌する。除菌部82は、例えば、中空糸膜フィルタ、光触媒、紫外線等を用いて原液を除菌するように構成される。
【0029】
送液部64は、液源61側から吸い出した原液を給水流路50側に向けて吐き出すことで原液を送液する。本実施形態の送液部64は、後述する制御部98から供給される駆動電圧又は駆動電流により駆動され、その駆動電圧又は駆動電流に応じた原液の瞬間流量となるように連続的に原液を送液する。ここでの送液部64は、駆動電圧により駆動されてもよい。これを実現する本実施形態の送液部64は、ポンプの他に、ポンプを駆動するモータを備え、モータを駆動する駆動電圧の電圧値を大きくするほどポンプから送液される原液流量を大きくすることができる。この他にも、送液部64は、例えば、ポンプの他に、ポンプを駆動するソレノイドを備え、ソレノイドを駆動する駆動電流に応じて原液流量を変更可能にしてもよい。本実施形態の送液部64のポンプはチューブポンプであるが、この他にも、ギヤポンプ、ベーンポンプ等の各種ポンプを採用してもよい。本実施形態の送液部64はポンプを用いて構成されるが、その具体例は特に限定されず、例えば、コンプレッサー等でもよい。
【0030】
給水システム10は、第1給水ライン16に設けられる切替弁68と、給水流路50に設けられる少なくとも一つの開閉弁70A、70Bと、切替弁68及び開閉弁70A、70Bを制御する制御部98と、給水流路50を通流する水の流量を検出する流量センサ74と、を備える。
【0031】
切替弁68は、制御部98による制御に従って動作可能である。切替弁68は、制御部98により通電されていないOFF状態にあるとき、カートリッジ経由部が原水通流経路となるように切り替える。切替弁68は、制御部98により通電されているON状態にあるとき、バイパス流路54が原水通流経路となるように切り替える。
【0032】
開閉弁70A、70Bは給水流路50に設けられる。開閉弁70A、70Bは、電磁弁、電動弁等の自動開閉弁である。開閉弁70A、70Bは、制御部98による制御に従って動作可能である。開閉弁70A、70Bは、制御部98により通電されていないOFF状態にあるときに閉状態となる。開閉弁70A、70Bは、制御部98により通電されているON状態にあるときに開状態となる。
【0033】
開閉弁70A、70Bは、上流側の開閉弁70Aと、上流側の開閉弁70Aよりも下流側に設けられる少なくとも一つの下流側の開閉弁70Bとを含む。
【0034】
制御部98は、例えば、マイクロコンピュータ等であり、CPU、ROM、RAM等の組み合わせにより構成される。制御部98は、切替弁68及び開閉弁70A、70Bを制御可能である。制御部98は、利用者による給水操作部44に対する操作に従って動作する通常モードと、給水流路50の下流側流路部を原水により洗浄する洗浄モードとを実行可能である。制御部98は、洗浄モードにあるとき、給水操作部44から出力される指示を無効にする。
【0035】
給水操作部44は、被給水部12への給水の有無を切り替えるために利用者により操作される。本実施形態の給水操作部44は複数の回転位置に切り替え可能な回転ハンドルであり、吐水装置14に組み込まれる。この給水操作部44は、利用者による操作に従って複数の回転位置のそれぞれに切り替えられることで、その回転位置に対応する指示を制御部98に出力可能である。給水操作部44の具体例は特に限定されない。給水操作部44は、この他にも、情報処理端末(スマートフォン、タブレット等)により構成されてもよい。この場合、給水操作部44としての情報処理端末は、給水システム10を操作するためのアプリケーションを実行し、そのアプリケーションに対する操作に従って選択された指示を制御部98に出力する。
【0036】
給水操作部44は、利用者による操作に従って複数の指示のいずれかを選択可能であり、その選択された指示を制御部98に出力する。給水操作部44により選択可能な指示は、被給水部12に給水するための給水指示と、被給水部12への給水を停止するための止水指示とを含んでいる。
【0037】
制御部98は、送液部64を駆動するための駆動電圧又は駆動電流(ここでは駆動電圧)に関するパラメータを設定し、その設定したパラメータの駆動電圧又は駆動電流を送液部64に供給することで、送液部64から送液される原液流量を制御可能である。これを実現するうえで、本実施形態の制御部98は、駆動電圧に関するパラメータとして、PWM(Pulse Width Modulation)制御により生成される駆動電圧のデューティー比を設定する。この他にも、この駆動電圧に関するパラメータは、駆動電圧の電圧値等でもよい。駆動電流により送液部64を駆動する場合、駆動電流に関するパラメータは、駆動電流の電流値等でもよい。
【0038】
図3は、実施の形態に係る支援装置200の構成を示す。支援装置200は、通信装置201、表示装置202、入力装置203、記憶装置270、及び処理装置260を備える。支援装置200は、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピュータなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0039】
通信装置201は、通信網2を介した他の装置との間の通信を制御する。通信装置201は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。表示装置202は、処理装置260により生成される画面を表示する。表示装置202は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置203は、指示入力を受け付けて処理装置260に伝達する。入力装置203は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置202及び入力装置203は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0040】
記憶装置270は、処理装置260により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置270は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置270には、基準時保持部271及びミネラル水使用量保持部272が格納される。
【0041】
基準時保持部271は、給水システム10において上水にミネラルを添加するミネラル添加部のメンテナンス時期を算出するための基準時を保持する。ミネラル添加部は、液源61、除菌部82、送液部64などを含む。ミネラル添加部のメンテナンスは、液源61の交換、原液の補充、除菌部82の交換、送液部64の修理や交換などを含む。
【0042】
ミネラル水使用量保持部272は、給水システム10において使用されたミネラル水の量を保持する。ミネラル水使用量保持部272は、時間毎、日毎、週毎、月毎、年毎のミネラル水使用量を保持してもよいし、それまでに使用されたミネラル水の総量を保持してもよい。
【0043】
処理装置260は、検知情報取得部261、ミネラル水使用量検出部262、メンテナンス時期算出部263、メンテナンス完了情報受付部264、リセット部265、判定部266、及び報知部267を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意の回路、コンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0044】
検知情報取得部261は、給水システム10に設けられた各種のセンサから検知情報を取得する。検知情報取得部261は、流量センサ74、センサ78などから検知情報を取得する。
【0045】
ミネラル水使用量検出部262は、検知情報取得部261により取得された検知情報に基づいて、給水システム10において吐水装置14から吐出されたミネラル水の量をミネラル水使用量として検出し、ミネラル水使用量保持部272に格納する。ミネラル水使用量検出部262は、ミネラル水の吐出が指示されているときに流量センサ74により検知された水の流量に基づいて、吐水装置14から吐出されたミネラル水の量を検出してもよい。ミネラル水使用量検出部262は、液源61内の原液の残量を検知する残量センサにより検知された原液の残量に基づいて、吐水装置14から吐出されたミネラル水の量を検出してもよい。ミネラル水使用量検出部262は、送液部64からの送液量に基づいて、吐水装置14から吐出されたミネラル水の量を検出してもよい。ミネラル水使用量検出部262は、ポンプの駆動電流、駆動時間などに基づいて、ポンプの送液量を検出してもよい。ミネラル水使用量検出部262は、ミネラル水の流路に設けられた開閉弁70Bの動作回数又は動作時間に基づいて、吐水装置14から吐出されたミネラル水の量を検出してもよい。ミネラル水使用量検出部262は、開閉弁70Bが1回開かれたときに流れるミネラル水の量や、開閉弁70Bが単位時間開かれたときに流れるミネラル水の量を予め保持し、それらに基づいて吐水装置14から吐出されたミネラル水の量を検出してもよい。
【0046】
メンテナンス時期算出部263は、基準時からの経過時間、吐水装置14からの吐水量、ミネラル水の使用量、原液の残量などに基づいて、ミネラル添加部のメンテナンスの時期を算出する。メンテナンス時期算出部263は、基準時に所定時間を加算した時点をメンテナンス時期として算出してもよい。この場合、基準時保持部271は、基準時からの経過時間を計測するためのカウンタなどであってもよい。メンテナンス時期算出部263は、基準時からの吐水量の総量が所定量に達する時点をメンテナンス時期として算出してもよい。この場合、メンテナンス時期算出部263は、吐水量の履歴を記憶装置270に保持しておき、吐水量の履歴に基づいて、基準時からの吐水量の総量が所定量に達する時点を推定してもよい。メンテナンス時期算出部263は、基準時からのミネラル水の使用量の総量が所定量に達する時点をメンテナンス時期として算出してもよい。この場合、メンテナンス時期算出部263は、ミネラル水使用量保持部272に保持されたミネラル水使用量の履歴に基づいて、基準時からのミネラル水使用量の総量が所定量に達する時点を推定してもよい。メンテナンス時期算出部263は、液源61内の原液の残量を検知する残量センサにより検知された原液の残量に基づいて、メンテナンス時期を算出してもよい。この場合、メンテナンス時期算出部263は、原液の残量が所定量を下回る時点をメンテナンス時期として算出してもよい。メンテナンス時期算出部263は、原液の残量の履歴を記憶装置270に保持しておき、原液の残量の履歴に基づいて、原液の残量が所定量を下回る時点を推定してもよい。
【0047】
メンテナンス完了情報受付部264は、ミネラル添加部のメンテナンスが完了したことを示す情報を受け付ける。メンテナンス完了情報受付部264は、給水操作部44などに設けられた、ミネラル添加部のメンテナンスが完了した旨を示すリセットボタンなどが入力されたときに、メンテナンスが完了したことを受け付けてもよい。メンテナンス完了情報受付部264は、液源61に設けられたICチップなどの電子的手段により、液源61が交換されたことが検知されたときに、ミネラル添加部のメンテナンスが完了したことを受け付けてもよい。メンテナンス完了情報受付部264は、液源61の残量を検知する残量センサにより検知された原液の残量などの物理的手段により、液源61が交換されたことが検知されたときに、ミネラル添加部のメンテナンスが完了したことを受け付けてもよい。
【0048】
リセット部265は、メンテナンス完了情報受付部264が、ミネラル添加部のメンテナンスが完了したことを示す情報を受け付けたときに、基準時保持部271に保持された基準時をリセットする。
【0049】
判定部266は、ミネラル添加部のメンテナンスと基準時のリセットが正常に完了したか否かを判定する。判定部266は、液源61に設けられたICチップなどの電子的手段により、ミネラル添加部のメンテナンスが正常に完了したか否かを判定してもよい。判定部266は、液源61の残量を検知する残量センサにより検知された原液の残量などの物理的手段により、ミネラル添加部のメンテナンスが正常に完了したか否かを判定してもよい。判定部266は、基準時保持部271を参照して、基準時のリセットが正常に行われたか否かを判定してもよい。判定部266は、(1)ミネラル添加部のメンテナンスが正常に完了し、基準時のリセットが正常に行われた場合、(2)ミネラル添加部のメンテナンスが正常に完了していないにもかかわらず、基準時のリセットが行われた場合、(3)ミネラル添加部のメンテナンスが正常に完了したにもかかわらず、基準時のリセットが行われていない場合、のいずれに該当するかを判定する。
【0050】
報知部267は、判定部266により、(3)ミネラル添加部のメンテナンスが正常に完了したにもかかわらず、基準時保持部271に保持された基準時がリセットされていないと判定された場合に、その旨を使用者に報知する。報知部267は、液源61内の原液の残量が無いことがセンサ78により検知されたときに、液源61の交換が必要であることを示す交換ランプを点灯し、交換ランプが所定時間以上点灯し続けた場合に、その旨を使用者に報知してもよい。報知部267は、給水システム10に設けられたランプなどを用いて報知してもよいし、利用者端末300に通知してもよい。これにより、ミネラル添加部のメンテナンス時期を適切に管理することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0051】
報知部267は、基準時がリセットされていない旨を報知してから所定時間が経過しても基準時がリセットされない場合、基準時がリセットされていない旨を再度報知する。報知部267は、所定の時間間隔で定期的に報知してもよいし、報知の回数を重ねるごとに次の報知までの時間間隔を狭くしてもよい。これにより、ミネラル添加部のメンテナンス時期を適切に管理することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0052】
報知部267は、基準時をリセットする方法を報知してもよい。報知部267は、基準時をリセットするためのリセットボタンなどの設置位置や、基準時をリセットするための操作の内容などを報知してもよい。これにより、使用者の利便性を向上させることができる。また、ミネラル添加部のメンテナンス時期を適切に管理することができる。
【0053】
報知部267は、メンテナンス時期算出部263により算出されたメンテナンスの時期を報知してもよい。これにより、ミネラル添加部のメンテナンス時期を適切に管理することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0054】
報知部267は、判定部266により、(2)ミネラル添加部のメンテナンスが正常に完了していないにもかかわらず、基準時のリセットが行われたと判定された場合に、その旨を使用者に報知してもよい。報知部267は、ミネラル添加部をメンテナンスする方法を報知してもよい。これにより、ミネラル添加部を適切にメンテナンスすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。リセット部265は、基準時保持部271に保持された基準時をリセット前の状態に戻してもよい。これにより、ミネラル添加部のメンテナンス時期を適切に管理することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0055】
図4は、実施の形態に係る支援方法の手順を示すフローチャートである。検知情報取得部261は、給水システム10に設けられた各種のセンサから検知情報を取得する(S10)。ミネラル水使用量検出部262は、検知情報取得部261により取得された検知情報に基づいて、給水システム10において吐水装置14から吐出されたミネラル水の量をミネラル水使用量として検出し、ミネラル水使用量保持部272に格納する(S12)。
【0056】
メンテナンス時期算出部263は、ミネラル水使用量などに基づいてミネラル添加部のメンテナンス時期を算出する(S14)。報知部267は、メンテナンス時期算出部263により算出されたメンテナンス時期を報知する(S16)。
【0057】
使用者がミネラル添加部のメンテナンスを実施すると(S18)、リセットボタンを入力する。メンテナンス完了情報受付部264は、リセットボタンの入力を、ミネラル添加部のメンテナンスが完了したことを示す情報として受け付ける。リセット部265は、メンテナンス完了情報受付部264が、ミネラル添加部のメンテナンスが完了したことを示す情報を受け付けたときに、基準時保持部271に保持された基準時をリセットする(S20)。
【0058】
報知部267は、ミネラル添加部がメンテナンスされたにもかかわらず、基準時保持部271に保持された基準時がリセットされていないと判定部266により判定された場合に(S22のY)、リセットされていない旨を使用者に報知する(S24)。報知部267は、基準時をリセットする方法を報知する(S26)。
【0059】
リセットされていない旨を報知してから所定時間が経過するまで待機し(S28のN)、所定時間が経過すると(S28のY)、S22に戻って、基準時がリセットされたか否かを判定する(S22)。リセットされていない場合は(S22のY)、報知部267は、リセットされていない旨を再度報知し(S24)、リセットする方法を報知する(S26)。
【0060】
基準時がリセットされると(S22のN)、S10に戻り、以上の手順を繰り返す。
【0061】
図5は、実施の形態に係る支援装置200により提示される画面の例を示す。報知部267は、利用者端末300などに、ミネラル添加部のメンテナンス時期を報知する。ミネラル添加部がメンテナンスされたにもかかわらず、基準時保持部271に保持された基準時がリセットされていないと判定部266により判定された場合、報知部267は、基準時がリセットされていない旨を報知する。また、報知部267は、基準時をリセットする方法を報知する。
【0062】
次に、ここまで説明した各構成要素の変形形態を説明する。
【0063】
給水システム10は第2給水ライン18を備えなくともよい。この場合、第1給水ライン16の給水流路50には給水源20から水道水等の原水が供給されていればよい。
【0064】
開閉弁70Aは、給水流路50の下流側流路部に設けられていてもよい。
【0065】
制御部98は、給水流路50から被給水部12への給水を開始する場合、上流側の開閉弁70Aを先に開いてから下流側の開閉弁70Bを開いてもよい。制御部98は、給水流路50から被給水部12への給水を停止する場合、下流側の開閉弁70Bを先に閉じてから上流側の開閉弁70Aを閉じてもよい。
【0066】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が当然に許容される。
【符号の説明】
【0067】
1…支援システム、2…通信網、10…給水システム、12…被給水部、14…吐水装置、16…第1給水ライン、18…第2給水ライン、20…給水源、22…水流路、24…湯源、26…湯流路、28…混合弁、30…混合水流路、32…シングルレバー、34…第1止水栓、36…第2止水栓、38…第1逆止弁、40…第2逆止弁、42…第3逆止弁、44…給水操作部、46…分岐部、50…給水流路、52…改質カートリッジ、54…バイパス流路、56…合流部、60…ミネラル浄水ユニット、61…液源、62…原液流路、64…送液部、68…切替弁、70A…開閉弁、70B…開閉弁、72…第4逆止弁、74…流量センサ、76…第5逆止弁、78…センサ、80…第6逆止弁、82…除菌部、84…合流部、98…制御部、200…支援装置、201…通信装置、202…表示装置、203…入力装置、260…処理装置、261…検知情報取得部、262…ミネラル水使用量検出部、263…メンテナンス時期算出部、264…メンテナンス完了情報受付部、265…リセット部、266…判定部、267…報知部、270…記憶装置、271…基準時保持部、272…ミネラル水使用量保持部、300…利用者端末。
図1
図2
図3
図4
図5