(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094688
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】吐水装置
(51)【国際特許分類】
E03C 1/10 20060101AFI20240703BHJP
E03C 1/046 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
E03C1/10
E03C1/046
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211388
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】河原 敏行
(72)【発明者】
【氏名】太田 憲利
(72)【発明者】
【氏名】藤井 建吾
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA05
2D060BB03
2D060BC30
2D060BE20
2D060BF03
2D060CC20
2D060CD01
2D060CD03
2D060CD09
(57)【要約】
【課題】商品価値を高めた吐水装置を提供する。
【解決手段】吐水装置は、キャビネットの上部に配置されたシンクに吐水する。吐水装置は、吐水部と、吐水部に給水する流路と、流路上に設けられる改質ユニット104と、を備える。改質ユニット104は、キャビネットの内壁112aに取り付けられるハウジング70と、ハウジング70に着脱可能に保持される、吐水部に給水する水を改質する改質カートリッジ48と、を含み、改質カートリッジ48は、ハウジング70に保持される被保持部と、ハウジングから露出する把持部48bと、を含み、ハウジング70は把持部48bを環囲する環囲壁72eを有し、当該環囲壁72eの周方向における一部分が開放されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットの上部に配置されたシンクに吐水する吐水装置であって、
吐水部と、
前記吐水部に給水する流路と、
前記流路上に設けられる改質ユニットと、
を備え、
前記改質ユニットは、
前記キャビネットの内壁に取り付けられるハウジングと、
前記ハウジングに着脱可能に保持される、前記吐水部に給水する水を改質する改質カートリッジと、
を含み、
前記改質カートリッジは、
前記ハウジングに保持される被保持部と、
前記ハウジングから露出する把持部と、
を含み、
前記ハウジングは前記把持部を環囲する環囲壁を有し、当該環囲壁の周方向における一部分が開放されている吐水装置。
【請求項2】
前記被保持部は前記改質カートリッジの長手方向における一端に位置し、前記長手方向における前記被保持部の範囲は、前記一端から前記長手方向における前記改質カートリッジの中央までの長さよりも短い請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記改質カートリッジの着脱方向が前後方向と一致するように前記キャビネットの内壁に取り付けられ、
前記改質ユニットの少なくとも一部は、前記キャビネット内のスペースのうちの前記シンクの前面に配置される幕板の背後のスペースに位置し、
前記一部分は、前記環囲壁のうちの前記改質カートリッジの下方に位置する部分である請求項1に記載の吐水装置。
【請求項4】
前記改質ユニットは、前記ハウジングを前記内壁に取り付けるための取付け部材をさらに備え、
前記取付け部材は、前記内壁に固定される固定部と、前記ハウジングを下方から支持する支持部と、前記ハウジングの背面が当接する当接部と、を含み、
前記当接部は、前記背面に設けられた突起部が嵌まる嵌合穴を有する請求項1に記載の吐水装置。
【請求項5】
前記ハウジングおよび前記取付け部材は、前記ハウジングを前記固定部に摺動させて前記当接部に当接させると、前記突起部が前記嵌合穴に嵌まるように構成されている請求項4に記載の吐水装置。
【請求項6】
前記取付け部材は、前記ハウジングに上方から当接する、前記支持部と対向する別の支持部をさらに備える請求項4に記載の吐水装置。
【請求項7】
前記キャビネット内に収納される複数の機能ユニットをさらに備え、
前記複数の機能ユニットのうちの一の機能ユニットには電力が電源から直接供給され、他の機能ユニットには電力が当該一の機能ユニットを介して供給される請求項1に記載の吐水装置。
【請求項8】
前記複数の機能ユニットは、第1、第2機能ユニットを含み、
前記第2機能ユニットは、制御装置であり、通常モードの吐止水制御と、前記第1機能ユニットを備えない場合の限定モードの吐水制御と、を実行可能である請求項7に記載の吐水装置。
【請求項9】
前記複数の機能ユニットは、第1、第2機能ユニットを含み、
前記第1機能ユニットは、前記一の機能ユニットであり、
前記第2機能ユニットは、前記第1機能ユニットを介さずに電源から電力を受電することも可能である請求項7に記載の吐水装置。
【請求項10】
キャビネットの上部に配置されたシンクに吐水する吐水装置であって、
吐水部と、
前記吐水部に給水する流路と、
前記流路上に設けられる開閉弁と、
前記キャビネット内に収納される機能ユニットと、
を備え、
前記機能ユニットの少なくとも一部は、前記キャビネット内のスペースのうちの前記シンクの前面に配置される幕板の背後のスペースに位置する吐水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吐水装置の高機能化が進んでおり、その一例として、原水を改質する改質カートリッジを給水ライン上に備える吐水装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は係る状況においてされたものであり、その例示的な目的の1つは、商品価値を高めた吐水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のある態様の吐水装置は、キャビネットの上部に配置されたシンクに吐水する吐水装置であって、吐水部と、吐水部に給水する給水路と、給水路上に設けられる改質ユニットと、を備える。改質ユニットは、キャビネットの内壁に取り付けられるハウジングと、ハウジングに着脱可能に保持される、吐水部に給水する水を改質する細長い改質カートリッジと、を含む。改質カートリッジは、ハウジングに保持される被保持部と、改質カートリッジの長手方向において被保持部の一方側に位置する、給水路と接続される接続部と、長手方向において被保持部の他方側に位置する、ハウジングから露出する把持部と、を含む。ハウジングは把持部を環囲する環囲壁を有し、当該環囲壁の周方向における一部分が開放されている。
【0006】
本開示のある態様の吐水装置は、キャビネットの上部に配置されたシンクに吐水する吐水装置であって、吐水部と、吐水部に給水する給水路と、給水路上に設けられる開閉弁と、キャビネット内に収納される機能ユニットと、を備える。機能ユニットの少なくとも一部は、キャビネット内のスペースのうちのシンクの前面に配置される幕板の背後のスペースに位置する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態の吐水装置を模式的に示す全体構成図である。
【
図2】
図1の制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1の吐水装置を備えるシステムキッチンを示す正面図である。
【
図4】
図1の吐水装置を備えるシステムキッチンを示す側面図である。
【
図5】
図1の改質ユニットを斜め上前方から見た斜視図である。
【
図6】
図1の改質ユニットを斜め下後方から見た斜視図である。
【
図7】
図1の改質ユニットのハウジング本体の一部を破断した平面図である。
【
図9】
図1の改質ユニットをキャビネットの内壁に取り付ける様子を示す図である。
【
図10】
図1の改質ユニットを斜め上前方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。また、本明細書において、「上」、「下」、「左」、「右」はそれぞれ、吐水装置を利用するユーザから見た上、下、左、右であり、「前」、「後」はそれぞれ、ユーザから見て手前側、奥側である。
【0009】
図1を参照する。吐水装置12は、例えばキッチンに設置される。吐水装置12は、吐水部28が設けられた吐水装置本体16と、吐水部28に給水する第1給水ライン18および第2給水ライン20と、制御装置22と、を備える。第1給水ライン18および第2給水ライン20は、特に限定されないが、互いに種類の異なる水を吐水装置12の吐水部28に給水する。本実施の形態では、第1給水ライン18は吐水部28に原水(湯水混合水)を給水し、第2給水ライン20は吐水部28に改質水を給水する。
【0010】
吐水装置本体16は、吐水管部26と、吐水部28と、第1操作部30と、第2操作部32と、を備える。吐水管部26は、特に限定されないが、いわゆるグースネック状をなしている。吐水部28は、本実施の形態では、吐水管部26の先端に設けられる。吐水部28は、第1,第2操作部30,32に対する操作に応じて第1,第2給水ライン18,20から供給される水を吐水する。
【0011】
第1給水ライン18は、上水道等の給水源34から原水(常温水)が供給される水流路36と、給湯器等の湯源38から湯が供給される湯流路40と、水流路36から供給される常温水と湯流路40から供給される湯とを混合する止水機能付きの混合弁42と、混合弁42により混合された湯水混合水を吐水部28に給水する混合水流路44と、を備える。
【0012】
混合弁42における常温水と湯の混合比率および混合弁42から給水される湯水混合水の流量(流量がゼロの場合、すなわち給水を停止する場合を含む)は、吐水装置本体16の第1操作部30を操作することにより調整可能である。第1操作部30は、例えばシングルレバーである。
【0013】
第2給水ライン20は、給水流路46と、開閉弁54と、改質ユニット104と、冷却ユニット106と、を備える。給水流路46は、水流路36から分岐して吐水部28に繋がる流路である。開閉弁54、改質ユニット104、冷却ユニット106は、いずれも給水流路46上に設けられ、上流側からこの順に並んでいる。
【0014】
開閉弁54は、電磁弁、電動弁等の自動開閉弁である。開閉弁54は、制御装置22の指示にしたがって開閉する。開閉弁54は、本実施の形態では改質ユニット104よりも上流側に設けられる。開閉弁54は、改質ユニット104よりも下流側、例えば改質ユニット104と冷却ユニット106との間に設けられてもよい。
【0015】
改質ユニット104は、改質カートリッジ48と、添加液保持部58と、送液部60と、除菌部62と、を備える。
【0016】
改質カートリッジ48は、容器状のカートリッジであり、その内部を経由する原水を改質する。以下、改質カートリッジ48により改質された水を改質水という。「原水」は、改質カートリッジ48による改質の対象となる水をいう。「改質」は、物理変化または化学変化を経て、特定の成分を原水から除去または原水に付与することをいう。例えば原水が水道水の場合、改質カートリッジ48は、水道水に含まれる塩素成分を除去するすなわち水道水を改質水としての浄水に改質する浄水カートリッジであってもよい。改質は、美容成分、匂い成分、炭酸成分、水素成分等を原水に付与することであってもよい。
【0017】
添加液保持部58は、添加液を保持する。添加液保持部58の構成は特に限定されず、各種容器、タンク等を採用できる。添加液は、例えば、希釈用飲料原液、食品添加物濃縮液、調味液等の飲用に用いられる。この他にも、添加液は、石けん水、化粧水、ボディオイル等の人体に触れる用途で用いられてもよい。この人体に触れる用途には、前述の飲用に用いられる希釈用飲料原液等が含まれる。
【0018】
送液部60は、添加液を送液する。送液部60は、添加液保持部58から吸い出した添加液を給水流路46側に吐き出すことで添加液を送液する。送液部60の構成は特に限定されず、例えば、ポンプ、コンプレッサ等である。送液部60は、本実施の形態では有電源で動作するが、無電源で動作してもよい。この場合、送液部60は、例えば、給水流路46を流れる水の流れを用いて駆動する水流駆動型ポンプ等でもよい。
【0019】
除菌部62は、添加液保持部58から吸い出された添加液を除菌する。除菌部62は、例えば、中空糸膜フィルタ、光触媒、紫外線等を用いて構成される。
【0020】
送液部60によって送液された添加液は、改質水に添加される。これにより、添加液を改質水で希釈した希釈水が生成される。つまり、改質ユニット104は、添加液を改質水で希釈した希釈水を供給する。
【0021】
改質ユニット104は、改質カートリッジ48を含まなくてもよい。この場合、添加液は原水に添加される。これにより、添加液を原水で希釈した希釈水が生成される。つまり、改質ユニット104は、添加液を原水で希釈した希釈水を供給する。
【0022】
改質ユニット104は、添加液保持部58、送液部60および除菌部62を含まなくてもよい。この場合、改質ユニット104は、改質水を供給する。
【0023】
冷却ユニット106は、冷水タンク52と、常温水開閉弁55_1および冷水開閉弁55_2と、電力変換部64と、を含む。給水流路46は、冷却ユニット106内において、常温水流路46aおよび冷水流路46bの2つの流路に分岐し、冷却ユニット106内において合流している。
【0024】
冷水タンク52は冷水流路46bに設けられる。冷水タンク52には、冷水タンク52内の水の温度を検知する温度センサ53と冷水タンク52内の水を冷却する冷却機56が組み付けられる。冷却機56は、制御装置22による制御にしたがって温度センサ53により検知される温度が設定温度(例えば、3℃~5℃)以下となるように冷水タンク52内の水を冷却する。
【0025】
開閉弁55_1,55_2は、開閉弁54と同様に電磁弁、電動弁等の自動開閉弁である。開閉弁55_1,55_2は、制御装置22の指示にしたがって開閉する。常温水開閉弁55_1は、常温水流路46aに設けられる。開閉弁55_2は、冷水タンク52よりも下流側において冷水流路46bに設けられる。詳しくは後述するように、常温水を吐水する場合、常温水開閉弁55_1が開状態にされ、冷水を吐水する場合、冷水開閉弁55_2が開状態にされる。
【0026】
電力変換部64には、電源部66から電力が供給される。電源部66は、例えば、コンセント(商用電源)に接続されたACアダプタであってもよい。この場合、電力変換部64は、DC-DCコンバータを含み、ACアダプタから供給される直流電力を所定の電圧の直流電力に降圧する。
【0027】
電源部66は、コンセント(商用電源)に接続されたコンセントプラグであってもよい。この場合、電力変換部64は、AC-DCコンバータを含み、電源部66から供給される交流電力を直流電力に変換する。電力変換部は、AC-DCコンバータの出力を降圧するDC-DCコンバータをさらに含んでもよい。
【0028】
いずれにせよ電力変換部64は、直流電力を、温度センサ53および冷却機56に供給する。また、電力変換部64は、直流電力を、制御装置22に供給する。
【0029】
制御装置22は、吐水装置12を統括的に制御する。制御装置22には、上述したように、冷却ユニット106から電力が供給されるが、制御装置22は、冷却ユニット106を介さずに、電源部68、例えばコンセントに接続されたACアダプタから電力を受電することも可能である。制御装置22は、詳しくは後述するように、第2操作部32からの指示にしたがって、吐水部28から吐水させ、あるいは吐水部28からの吐水を停止させる。
【0030】
以上が吐水装置12の基本構成である。
【0031】
なお、吐水装置12は、冷却ユニット106を備えない構成も可能である。吐水装置12が冷却ユニット106を備えない場合としては、冷却ユニット106を備えない安価なモデルが選択された場合の他、故障やメンテナンスなどのために冷却ユニット106が一時的に取り外された場合も含まれる。これらの場合、制御装置22には、電源部68から直流電力が供給されればよい。
【0032】
図2を参照する。
図2に示す各ブロックは、ハードウエア構成としてはCPU(Central Processing Unit)やメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウエア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0033】
制御装置22は、入力部81と、制御部82と、記憶部84と、を備える。制御部82は、各種のデータ処理を実行する。記憶部84は、制御部82により参照され、および/または、更新されるデータを記憶する。記憶部84は、メモリやストレージにより実現される。
【0034】
入力部81は、吐止水制御の複数の動作モードから1つの動作モードを選択する入力を受け付ける。入力部81は、例えば、ディップスイッチであってもよいし、プッシュスイッチであってもよい。本実施の形態において選択可能な動作モードは、「通常モード」と「制限モード」である。「制限モード」は、吐水装置12が冷却ユニット106を備えない場合に選択されるべき動作モードである。
【0035】
制御部82は、動作モード登録部90と、吐止水指示取得部92と、吐止水制御部94と、を含む。記憶部84は、動作モード記憶部96を含む。制御部82および記憶部84の構成要素は、本実施の形態において注目する構成要素のみを示している。
【0036】
動作モード登録部90は、入力部81が受け付けた動作モードを動作モード記憶部96に格納する。
【0037】
吐止水指示取得部92は、第2操作部32が出力する吐止水指示を取得する。ここで、第2操作部32は、本実施の形態では、複数の回転位置に切り替え可能な回転ハンドルであり、回転位置に対応する指示を制御装置22に出力する。第2操作部32により選択可能な指示は、吐水部28から常温の改質水を吐水させる「常温水吐水指示」と、吐水部28から冷水された改質水を吐水させる「冷水吐水指示」と、吐水部28からの吐水を停止させる「止水指示」である。
【0038】
吐止水制御部94は、選択されている動作モード、すなわち動作モード記憶部96に記憶される動作モードに応じた吐止水の制御を実行する。
【0039】
(通常モードの場合)吐止水制御部94は、吐止水指示取得部92が「常温水吐水指示」を取得した場合、開閉弁54と常温水開閉弁55_1を開状態(冷水開閉弁55_2は閉状態)にして常温の希釈水を吐水させる。吐止水制御部94は、吐止水指示取得部92が「冷水吐水指示」を取得した場合、開閉弁54と冷水開閉弁55_2を開状態(常温水開閉弁55_1は閉状態)にして冷却された希釈水を吐水させる。吐止水制御部94は、吐止水指示取得部92が「止水指示」を取得した場合、すべての開閉弁54,55_1,55_2を閉状態にし、吐水を停止させる。
【0040】
(制限モードの場合)吐止水制御部94は、吐止水指示取得部92が「常温水吐水指示」を取得した場合、開閉弁54を開状態にして常温の希釈水を吐水させる。吐止水制御部94は、吐止水指示取得部92が「冷水吐水指示」を取得した場合、その指示を無視して吐水させない。なお、吐止水制御部94は、吐止水指示取得部92が「冷水吐水指示」を取得した場合も開閉弁54を開状態にして常温の希釈水を吐水させてもよい。吐止水制御部94は、吐止水指示取得部92が「止水指示」を取得した場合、開閉弁54を閉状態にし、吐水を停止させる。
【0041】
図3、4を参照する。システムキッチン110は、吐水装置12と、キャビネット112と、カウンタ114と、シンク116と、を備える。カウンタ114およびシンク116は、キャビネット112の上部に配置される。カウンタ114には、吐水装置12の吐水管部26が設置される。シンク116は、吐水装置12から吐水された水を受ける。シンク116は、幕板118によって隠蔽されている。
【0042】
キャビネット112は、シンク116の下部に、物品を収納可能な収納スペース120を有する。収納スペース120には、引出し122が引き出し自在に収納されている。引出し122の前面は、幕板118と実質的に面一であり、キャビネット112の前面を構成する。キャビネット112は、図示しない棚板を備えてもよい。
【0043】
制御装置22、改質ユニット104および冷却ユニット106は、互いに別個の筐体を有する。別の言い方をすると、制御装置22、改質ユニット104および冷却ユニット106は、機能ごとに別個の筐体を有するように分割されていると捉えることもできる。
【0044】
制御装置22、改質ユニット104および冷却ユニット106は、それらのうちの少なくとも1つの少なくとも一部が、幕板118の背後のスペースである非収納スペース123に位置するように配置される。すなわち、複数の機能ユニットは、それらのうちの少なくとも1つの少なくとも一部が、非収納スペース123に位置するように配置される。
【0045】
図3、4の例では、制御装置22は、その全体が非収納スペース123に、具体的にはシンク116の右横のスペースに位置するように配置されている。
【0046】
図3、4の例では、改質ユニット104は、その一部が非収納スペース123に、具体的には幕板118の背後かつシンク116の下のスペースに位置するように配置されている。改質ユニット104は、収納スペース120の上部、すなわち引出し122の底板から比較的遠い位置に配置される。言い換えると、改質ユニット104は、引出し122の収納を比較的邪魔しない位置に配置される。改質ユニット104は、例えば後述のように取付け部材130を介して、キャビネット112の内壁112aに固定される。
【0047】
改質ユニット104は、その全体が非収納スペース123に配置されてもよい。また、改質ユニット104は、その全体が収納スペース120に配置されてもよく、例えば、シンク116の排水口116aから延びる排水管124の左右のスペースに配置されてもよい。この場合、改質ユニット104は、改質カートリッジ48が上下方向に延在するように縦向きに配置されてもよい。
【0048】
図3、4の例では、冷却ユニット106は、その全体が収納スペース120に配置されている。詳しくは、冷却ユニット106は、排水管124と左右に並ぶように配置される。本実施の形態のキャビネット112は引出しタイプのキャビネットであり、引出し122が閉じた状態において引出し112の先板(不図示)よりも奥側のスペースに冷却ユニット106が配置される。
【0049】
図5~9を参照する。改質ユニット104は、ハウジング70と、ハウジング70をキャビネット112の内壁112aに取り付けるための取付け部材130と、をさらに備える。ハウジング70は、ハウジング本体72と、改質カートリッジを着脱可能に保持するカートリッジホルダ74(
図7参照)と、を含む。ハウジング本体72は、特に限定されないが、略直方体状の箱である。カートリッジホルダ74は、ハウジング本体72内においてハウジング本体72に固定される。ハウジング本体72は、カートリッジホルダ74に対応する開口である抜差し口72gを有する。
【0050】
カートリッジホルダ74は、ホルダ部76と、流入部78aと、流出部78bと、を含む。ホルダ部76は、改質カートリッジ48の被保持部(後述)を着脱可能に保持する。流入部78aは、給水流路46から改質カートリッジ48に原水を流入させる。流出部78bは、改質カートリッジ48を経由した改質水を給水流路46へと流出させる。カートリッジホルダ74に改質カートリッジ48が装着されたとき、カートリッジホルダ74の流入部78a、改質カートリッジ48、流出部78bの順に水が流れる流路が形成される。
【0051】
改質カートリッジ48は、細長い形状を有し、被保持部48aと、把持部48bと、を含む。被保持部48aは、改質カートリッジ48の長手方向における一端(
図7では後端側)に位置する。把持部48bは、概ね、改質カートリッジ48の長手方向における他端側(
図7では前端側)に位置する。なお、被保持部48aと把持部48bとの間にそれら以外の部分が設けられてもよい。
【0052】
被保持部48aは、ホルダ部76に保持される部分である。本実施の形態では、被保持部48aの外周面48cには、改質カートリッジ48の長手方向を中心軸とする図示しない雄ねじが形成されている。ホルダ部76の対応する挿通孔76aの周面76bには、被保持部48aの雄ねじに対応する図示しない雌ねじが形成されている。被保持部48aの雄ねじがホルダ部76の雌ねじに螺合することで、改質カートリッジ48はホルダ部76ひいてはハウジング70に保持される。この場合、改質カートリッジ48を例えば右回りに回転させることで、改質カートリッジ48をハウジング70に取り付けられる。改質カートリッジ48を例えば左回りに回転させることで、改質カートリッジ48をハウジング70から取り外すことができる。なお、ホルダ部76が被保持部48aを保持する保持構造は、ねじ構造に限定されず、例えばスナップフィットや磁力等を用いたものであってもよい。
【0053】
把持部48bは、改質カートリッジ48がハウジング70に保持された状態においてハウジング70から露出する部分である。改質カートリッジ48を交換等する場合、把持部48bを把持して改質カートリッジ48を着脱すればよい。
【0054】
続いて、取付け部材130について説明する。以降では、便宜上、上下前後左右の方向の表記を用いて取付け部材130を説明するが、そのような方向の表記は、取付け部材130がハウジング70を内壁112aに取り付けるときの姿勢を制限するものではない。例えば
図10で後述するように、ハウジング70は、改質カートリッジ48の長手方向が上下方向と一致するように内壁112aに取り付けられてもよい。
【0055】
取付け部材130は、ハウジング70をキャビネット112の内壁(
図5~9の例では左側の内壁)112aに取り付ける。ハウジング70は、改質カートリッジ48の長手方向が前後方向と一致するように内壁112aに取り付けられている。取付け部材130は、ハウジング70を片持ち状に支持する。ここで、ハウジング70を両持ち状に支持する場合、具体的には例えば
図5~9の例においてハウジング70の右側をさらに支持する場合、当該右側を支持するための支持構造が必要となり、それにより収納スペース120が無駄に消費される。これに対し、取付け部材130がハウジング70を片持ち状に支持することで、そのような支持構造は不要となり、収納スペース120が無駄に消費されるのを避けられる。
【0056】
取付け部材130は、キャビネット112の内壁112aに固定される固定部132と、上下に互いに離間し、固定部132から左右方向に延在する第1支持部134および第2支持部136と、第1支持部134および第2支持部136の前端部よりも後ろ側において固定部132から左右方向に延在し、正面視において(前方から前後方向に見て)少なくとも一部が2つの支持部134,136の間に位置する当接部138と、を含む。
【0057】
固定部132、2つの支持部134,136および当接部138は、
図5~9の例ではいずれも板状である。固定部132は、矩形板状を有する。固定部132には、1つまたは複数の挿通穴(貫通穴)132aが形成される。固定部132は、挿通穴132aを挿通するビス等の締結具140によりキャビネット112の内壁112aに固定される。なお、固定部132は、両面テープ等によって内壁112aに固定されてもよい。この場合、挿通穴132aは不要である。
【0058】
第1支持部134は、固定部132の下端から右側に延びる。第1支持部134は、上方を向いた(すなわち法線が上下方向に延びる)第1支持面134aを有する。第2支持部136は、第1支持面134aと上下方向に対向する(すなわち下方を向いた)第2支持面136aを有する。第1支持面134aは、ハウジング本体72の下面72aに当接し、第2支持面136aは、ハウジング本体72の上面72bに当接する。
【0059】
第1支持部134は、挿通穴134bを挿通する図示しないビス等の締結具でハウジング本体72の下面72aに固定される。これにより、ハウジング70は、第1支持部134によって下方から支持される。第1支持部134に加えてあるいは第1支持部134に代えて、第2支持部136がビス等の締結具でハウジング本体72の上面72bに固定されてもよい。これにより、ハウジング70は第2支持部136によって上方から支持される。
【0060】
ここで、
図5~9の例のように第1支持面134aが比較的小さく、第1支持面134aがハウジング70の重心の真下を支持できない場合、ビス等で第1支持部134に固定する前にハウジング70から手を離すとハウジング70が第1支持部134から落下する。これに対し、第2支持面がハウジングの上面に当接する(すなわち上面を押える)ことにより、改質ユニット104の落下を抑止できる。したがって、第1支持面134aと第2支持面136aとの間にハウジング70を挟み込めば、ハウジング70から手を離して両手で第1支持部134をハウジング本体72の下面72aに固定できる。つまり、作業性が向上する。
【0061】
当接部138は、固定部132の後端から右側に延びる。当接部138は、前方を向いた当接面138aを有する。当接面138aには、ハウジング本体72の背面72cが当接される。当接部138は、背面72cに形成された突起部72dが嵌まる嵌合穴138bを有する。嵌合穴138bと突起部72dとは、後方から前後方向に見て、相補的な形状を有する、言い換えると対応する形状を有する、さらに言い換えると実質的に同一の形状を有する。
図6の例では、嵌合穴138bおよび突起部72dは、縦長である。突起部72dが嵌合穴138bに嵌合することで、第1支持面134aが改質ユニットの重心の真下を支持できない場合における改質ユニット104の落下を抑止できる。当接部138が複数の嵌合穴138bを有し、また背面72cが複数の突起部72dを有し、複数の突起部72dが複数の嵌合穴138bに嵌合してもよい。
【0062】
改質ユニット104の施工時は、まず、取付け部材130をキャビネット112の内壁112aに固定する。次に、ハウジング70を2つの支持部134,136の間に前方から差し込んでスライドさせて当接部138に当接させる。この際、ハウジング本体72の左側面72eを固定部132に摺動させて当接部138に当接させると、言い換えるとハウジング本体72の左側面72eを固定部132に当接させた状態でハウジング本体72をスライドさせて当接部138に当接させると、突起部72dが嵌合穴138bに嵌まる。ここで、ハウジング本体72の左側面72eを固定部132に摺動させるとは、固定部132がビス等の締結具140によって内壁112aに固定されている場合は、左側面72eを締結具140に摺動させること、つまり左側面72eを締結具140に当接させた状態でスライドさせることをいう。締結具140あるいは固定部132から嵌合穴138bまでの左右方向における距離と、ハウジング本体72の左側面72eから突起部72dまでの左右方向における距離とが実質的に同一であることによって、上述のような容易な嵌合が実現される。なお、改質ユニット104の施工時は、改質カートリッジ48は装着されていても、装着されていなくてもよい。
【0063】
ハウジング本体72は、改質カートリッジ48の把持部48bを環囲する環囲壁72fを有する。環囲壁72fは、周方向における一部分が開放されている、言い換えると切り欠かれている。環囲壁72fは、
図5の例では、下方に面する部分が、すなわち引出し122を介してキャビネット112の底板112(
図3、4参照)に面する部分が開放されている。言い換えると、環囲壁72fは、装着された改質カートリッジ48の把持部48bの下方に位置する部分が開放されている。以下、環囲壁72fの開放されている部分を開放部分72hともいう。開放部分72hの左右方向の幅Wは、好ましくは、改質カートリッジ48の幅方向(長手方向に直交する方向)の寸法Sよりも大きい。環囲壁72fが開放部分72hを有することにより、改質カートリッジ48を取り外すとき、改質カートリッジ48の被保持部48aがホルダ部76を抜けたら、環囲壁72fが開放されている下方に向かって(すなわち
図5における矢印D1の向きに)改質カートリッジ48を抜き取ることができる。また、改質カートリッジ48を装着するとき、環囲壁72fが開放されている下方から抜差し口72gに向かって(すなわち
図5における矢印D2の向きに)改質カートリッジ48を差し込むことができる。
【0064】
ここで、改質ユニット104の少なくとも一部が非収納スペース123に位置するように配置される場合、改質カートリッジ48を前後方向にしか抜き差しできないと、幕板118が干渉して改質カートリッジ48を抜き差ししにくい。これに対し、本実施の形態では、改質カートリッジ48を下方に抜いたり下方から差し込んだりできるため、幕板118との干渉を避けることができ、改質カートリッジ48を抜き差ししやすい。すなわち改質カートリッジ48を交換しやすい。
【0065】
改質カートリッジ48の被保持部48aは、その全体が、改質カートリッジ48の長手方向における中央C(
図7参照)よりも、反把持部側(すなわち後ろ側)に位置する。言い換えると、改質カートリッジ48の長手方向において、被保持部48aは把持部48bよりも短い。さらに言い換えると、改質カートリッジ48の長手方向における被保持部48aの範囲は、改質カートリッジ48の長手方向における一端(
図7では後端)から改質カートリッジ48の長手方向における中央Cまでの長さよりも短い。被保持部48aがホルダ部76を抜けるまでは改質カートリッジ48を前後方向に抜き差しする必要があるところ、その距離が短いため、改質カートリッジ48の抜き差しが容易となる。
【0066】
図5~9では、改質ユニット104が左側の内壁112aに取り付けられる場合について説明したが、これには限定されず、例えば、改質ユニット104は、右側の内壁112aに取り付けられてもよい。本実施の形態では、同一の取付け部材130により、ハウジング70の右側を保持して右側の内壁112aに取り付け可能である。この場合、取付け部材130の上下をひっくり返して固定部132を右側の内壁に固定すればよい。また、
図6に示されるように、背面72cは右側にも突起部72dを有し、この右側の突起部72dが嵌合穴138bに嵌まればよい。
【0067】
図10を参照する。
図10の例では、ハウジング70は、改質カートリッジ48の長手方向が上下方向と一致するように内壁112aに取り付けられている。詳しくは、取付け部材130は、第1支持部134と第2支持部136とが前後方向に対向するように図示しない右側の内壁112aに固定されている。ハウジング70は、環囲壁72fの開放部分72hが前方に面するように取付け部材130に支持されている。
【0068】
続いて、本実施の形態が奏する効果について説明する。
【0069】
制御装置22、改質ユニット104および冷却ユニット106を例えば一体型の装置(1つの筐体)とすると、その装置は当然ながら大型化するため、専用のキャビネットでないと装置が引出しの移動に干渉する、すなわち専用のキャビネットにしか装置を設置できないといった問題が生じうる。これに対し、本実施の形態によれば、制御装置22、改質ユニット104および冷却ユニット106は互いに別個の筐体を有する。別の言い方をすると、制御装置22、改質ユニット104および冷却ユニット106は、互いに別個の筐体を有するように分割されている。この場合、制御装置22、改質ユニット104および冷却ユニット106は、当然に、それらを一体型(1つの筐体)にした場合と比べて小型である。そのため、一例として
図3、4のように、制御装置22および改質ユニット104の少なくとも一部を非収納スペース123に配置できる。つまり、本実施の形態によれば、機能ユニットごとに別個の筐体を有するように分割することで個々の機能ユニットを小型にできる。その結果、種々のキャビネットにおいて、少なくとも1つの機能ユニットの少なくとも一部を非収納スペース123に配置することが可能となる。これにより、種々のキャビネットにおいて、引出しの移動に干渉しないように各機能ユニットを配置できる。以上より、本実施の形態によれば、種々のキャビネットへの設置が可能な吐水装置12を提供できる。これにより、吐水装置12を設置するための専用のキャビネットを用意する必要もなくなる。
【0070】
本実施の形態によれば、制御装置22には、冷却ユニット106から電力が供給される。つまり、コンセントに接続された1つの機能ユニットから、他の機能ユニットに電力が供給される。この場合、機能ユニットごとにコンセントに接続する必要がなく、コンセントは1つで足りる。したがって、吐水装置12は、コンセントが潤沢でないキャビネットでも利用できる。つまり、本実施の形態によれば、種々のキャビネットへの設置が可能な吐水装置12を提供できる。
【0071】
本実施の形態によれば、制御装置22は、冷却ユニット106を介さずに、コンセントに接続されたACアダプタから電力を受電することも可能であるため、例えば故障により一時的に冷却ユニット106を備えない場合でも、制御装置22ひいては吐水装置12を利用できる。
【0072】
本実施の形態によれば、収納スペース120における収納の邪魔にならないように改質ユニット104を内壁112aに固定できる。また、改質カートリッジ48を交換しやすい位置に改質ユニット104を設置できる。また、ハウジング70の環囲壁72fの周方向の一部分が開放されているため、その開放部分72hに向かって斜めに改質カートリッジ48を抜き取ることができる。また、開放部分72hから斜めに改質カートリッジ48を差し込むことができる。これにより、例えば、改質ユニット104の少なくとも一部が幕板118の背後のスペースである非収納スペース123に位置するように配置された場合において、幕板118が干渉しないように改質カートリッジ48を抜き差しすることが可能となる。つまり、収納スペース120を有効に利用でき、かつ、使い勝手の良い吐水装置12を実現できる。また、キャビネット112の内壁112a
【0073】
本実施の形態によれば、改質ユニット104は取付け部材130を備え、取付け部材130の支持部がハウジング70を下方から支持するとともに、当接部138の嵌合穴138bにハウジング70の突起部72dが嵌合する。これにより、取付け部材130は、支持部がハウジング70の重心を真下を支持できない場合でもハウジング70が支持部から落下しないように支持できる。したがって、ハウジング70から手を離して両手で支持部をハウジング本体72の下面72aに固定できる。
【0074】
本実施の形態によれば、ハウジング70および取付け部材130は、ハウジング70を固定部132に摺動させて当接部138に当接させると、突起部72dが嵌合穴138bに嵌まるように構成されている。これにより、ハウジング70の細かな位置決めが不要であり、施工が容易となる。
【0075】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について説明する。
【0076】
(1)キャビネット112は、開き扉タイプのキャビネットであってもよい。
(2)実施の形態とは異なり、制御装置22から冷却ユニットに電力が供給されるように構成されてもよい。
(3)吐水装置12は、第1給水ライン18を備えなくてもよい。
(4)冷却ユニット106は、常温水流路46aを備えなくてもよい。
(5)冷却ユニット106に代えてまたは冷却ユニット106に加えて、温水タンクを設け、希釈水を加熱した温水を供給してもよい。
【0077】
以上の実施の形態および変形例は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施の形態および変形例の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施の形態および変形例の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施の形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施の形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が当然に許容される。
【0078】
(付記)本明細書には以下の技術が開示される。
【0079】
(項目1)
キャビネットの上部に配置されたシンクに吐水する吐水装置であって、
吐水部と、
前記吐水部に給水する流路と、
前記流路上に設けられる改質ユニットと、
を備え、
前記改質ユニットは、
前記キャビネットの内壁に取り付けられるハウジングと、
前記ハウジングに着脱可能に保持される、前記吐水部に給水する水を改質する改質カートリッジと、
を含み、
前記改質カートリッジは、
前記ハウジングに保持される被保持部と、
前記ハウジングから露出する把持部と、
を含み、
前記ハウジングは前記把持部を環囲する環囲壁を有し、当該環囲壁の周方向における一部分が開放されている吐水装置。
【0080】
(項目2)
前記被保持部は前記改質カートリッジの長手方向における一端に位置し、前記長手方向における前記被保持部の範囲は、前記一端から前記長手方向における前記改質カートリッジの中央までの長さよりも短い項目1に記載の吐水装置。
【0081】
(項目3)
前記ハウジングは、前記改質カートリッジの着脱方向が前後方向と一致するように前記キャビネットの内壁に取り付けられ、
前記改質ユニットの少なくとも一部は、前記キャビネット内のスペースのうちの前記シンクの前面に配置される幕板の背後のスペースに位置し、
前記一部分は、前記環囲壁のうちの前記改質カートリッジの下方に位置する部分である項目1または2に記載の吐水装置。
【0082】
(項目4)
前記改質ユニットは、前記ハウジングを前記内壁に取り付けるための取付け部材をさらに備え、
前記取付け部材は、前記内壁に固定される固定部と、前記ハウジングを下方から支持する支持部と、前記ハウジングの背面が当接する当接部と、を含み、
前記当接部は、前記背面に設けられた突起部が嵌まる嵌合穴を有する項目1から3のいずれかに記載の吐水装置。
【0083】
(項目5)
前記ハウジングおよび前記取付け部材は、前記ハウジングを前記固定部に摺動させて前記当接部に当接させると、前記突起部が前記嵌合穴に嵌まるように構成されている項目4に記載の吐水装置。
【0084】
(項目6)
前記取付け部材は、前記ハウジングに上方から当接する、前記支持部と対向する別の支持部をさらに備える項目4または5に記載の吐水装置。
【0085】
(項目7)
前記キャビネット内に収納される複数の機能ユニットをさらに備え、
前記複数の機能ユニットのうちの一の機能ユニットには電力が電源から直接供給され、他の機能ユニットには電力が当該一の機能ユニットを介して供給される項目1から6のいずれかに記載の吐水装置。
【0086】
(項目8)
前記複数の機能ユニットは、第1、第2機能ユニットを含み、
前記第2機能ユニットは、制御装置であり、通常モードの吐止水制御と、前記第1機能ユニットを備えない場合の限定モードの吐水制御と、を実行可能である項目7に記載の吐水装置。
【0087】
(項目9)
前記複数の機能ユニットは、第1、第2機能ユニットを含み、
前記第1機能ユニットは、前記一の機能ユニットであり、
前記第2機能ユニットは、前記第1機能ユニットを介さずに電源から電力を受電することも可能である項目7または8に記載の吐水装置。
【0088】
(項目10)
キャビネットの上部に配置されたシンクに吐水する吐水装置であって、
吐水部と、
前記吐水部に給水する流路と、
前記流路上に設けられる開閉弁と、
前記キャビネット内に収納される機能ユニットと、
を備え、
前記機能ユニットの少なくとも一部は、前記キャビネット内のスペースのうちの前記シンクの前面に配置される幕板の背後のスペースに位置する吐水装置。
【符号の説明】
【0089】
12 吐水装置、 28 吐水部、 46 給水流路、 48 改質カートリッジ、 48a 被保持部、 48b 把持部、 70 ハウジング、 72f 環囲壁、 104 改質ユニット、 112 キャビネット、 112a 内壁、 116 シンク。