(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094694
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】外科用メス刃の装着及び収納システム
(51)【国際特許分類】
A61B 50/20 20160101AFI20240703BHJP
【FI】
A61B50/20
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211399
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】515182129
【氏名又は名称】米澤 きく子
(71)【出願人】
【識別番号】515182130
【氏名又は名称】株式会社メディソレーユ
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】米澤 きく子
(57)【要約】 (修正有)
【課題】メス刃ホルダのハンドル部の簡易な操作で、ケースに収納した状態でメス刃に触れることなくフィンガ部にメス刃を装着し、使用後にはメス刃をホルダのフィンガ部から離脱させて再び収納ケース内に再収納する。
【解決手段】外科手術用のメス刃10の後端部に接合するメス刃装着部を備えたメス刃ホルダ13と、メス刃を着脱可能に支持するメス刃支持台14を備えたメス刃収納ケース15と、から成り、メス刃はメス刃支持台に嵌合する嵌合部12が形成され、メス刃ホルダは、メス刃の後端部にメス刃装着部を挿入し、メス刃ホルダのハンドル部を一の方向に回転することによりメス刃をメス刃ホルダ内に装着して使用し、メス刃の使用後は、メス刃の嵌合部をメス刃収納ケースの支持台に嵌合させた状態で、メス刃ホルダのハンドル部を他の方向に回転させることにより、メス刃をメス刃支持台から離脱させてメス刃をメス刃ホルダ内に再収納する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用のメス刃と、
前記メス刃の後端部に接合するメス刃装着部を備えたメス刃ホルダと、
前記メス刃を収納し、当該メス刃を着脱可能に支持するメス刃支持台を備えたメス刃収納ケースと、から成り、
前記メス刃は、その先端部のメス刃部と前記メス刃の後端部の間に、前記メメス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合する嵌合部が形成され、
前記メス刃ホルダは、
前記メス刃収納ケース内に支持されている前記メス刃の後端部に前記メス刃装着部を挿入し、当該メス刃ホルダのハンドル部を第1の方向に回転することにより、前記メス刃を前記メス刃ホルダに装着して、前記メス刃収納ケースから前記メス刃を離脱させて使用し、
前記メス刃を使用後は、前記メス刃を装着した状態で前記メス刃の嵌合部を前記メス刃収納ケースの支持台に嵌合させた状態で、当該メス刃ホルダのハンドル部を前記第1の方向とは逆方向の第2の方向に回転させることにより、前記メス刃を当該メス刃ホルダから離脱させて前記メス刃を前記メス刃ホルダ内に再収納させる、
ことを特徴とする外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項2】
前記メス刃の嵌合部は、その断面における一方の方向の幅が他方の方向の幅よりも短い矩形状を成し、
前記メス刃ホルダのメス刃装着部は、
前記メス刃の嵌合部を前記幅が短い方向から受け入れる前記矩形状に適合するスペースが形成され、
前記スペースの形状が、前記メス刃ホルダの回転に伴って前記一方の方向の幅から前記他方の方向の幅に合わせて撓む弾性部材で形成され、
前記メス刃の嵌合部を前記幅が短い方向から受け入れた後、前記メス刃ホルダのハンドル部を前記第1の方向に回転させて前記メス刃を装着する際に、前記メス刃の嵌合部の回転を抑止するようにした爪部が前記スペースの入口に形成された、
ことを特徴とする請求項1に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項3】
前記メス刃の使用後においては、前記メス刃の嵌合部を前記幅が短い方向から前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に挿入させた後、前記メス刃ホルダのハンドル部を前記第2の方向に回転させることにより、前記メス刃を前記メス刃収納ケース内に離脱させて再収納する、ことを特徴とする請求項2に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項4】
前記メス刃のメス刃装着部は、雄ネジで形成され、
前記メス刃ホルダのメス刃装着部は、前記雄ネジに適合する雌ねじで形成された、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかの項に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項5】
前記メス刃装着部における入口に設けられた前記爪部は、前記メス刃の嵌合部が前記スペース内に挿入され易くするように入口上方に向けて広がるテーパ形状を成す、ことを特徴とする請求項4に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項6】
前記メス刃ホルダは、ステンレス素材又はチタン若しくはチタン合金素材により形成された、請求項4に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項7】
前記メス刃ホルダのハンドル部には、網目状のローレット加工が施されたことを特徴とする請求項6に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項8】
前記メス刃における、前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合する嵌合部と前記メス刃装着部は、プラスチック素材で形成されている、請求項6に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項9】
前記メス刃は、種々の外科手術に対応して複数種類のメス刃が準備され、
前記メス刃収納ケースは、メス刃部の形状と長さが異なる複数種類のメス刃を収納可能とするように、収納する複数種類のメス刃部の最も長いメス刃を収納可能な長さのメス刃収納部を有する、
ことを特徴とする請求項8に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項10】
前記メス刃収納ケースにおける前記メス刃収納部には、メス刃の保管時においてメス刃部の位置に合わせた位置にメス刃を除菌又は殺菌するための酸化エチレンガス、過酸化水素ガス等のガスをメス刃部収納ケース内に導入するための複数の穴が設けられている、ことを特徴とする請求項9に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用メス刃(以下、適宜「メス刃」という)を収納しているメス刃収納ケース(以下、適宜「収納ケース」という)と、収納ケースからメス刃をその先端部に装着し取り出してメス刃を操作するメス刃ホルダ(以下、適宜「ホルダ」という)とから成、使用後にメス刃を元の収納ケースに戻すことにより安全に廃棄し、ホルダを再利用するようにした外科用メス刃の装着及び収納システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、メス刃は、先端部にメス刃を装着する装着フィンガ部(以下、適宜「フィンガ部」という)を有するホルダと一体的に形成され、使用後はメス刃をホルダと一体的に廃棄するタイプのものと、メス刃とホルダとを別個に構成して製造し、使用時においてメス刃をホルダに装着して使用しするタイプのものが知られている。
【0003】
後者のホルダとメス刃とを別々に製作し供給し、使用時にメス刃をホルダに装着し、使用後はメス刃のみを廃棄するタイプのものは、ホルダがステンレス等の素材から成り、操作し易く使用感が良いことから、高度な外科手術に用いられることが多い。また、ホルダを再利用できることから、環境的にも優しく結果的にコストパフォーマンスにも優れる。
【0004】
しかし、メス刃はその先端や刃部が鋭く鋭利であるため、外科手術等の施術の際に、メス刃を収納ケースから離脱させてホルダのフィンガ部へ装着したり、使用後にメス刃をフィンガ部から離脱させて再び収納ケース内に収納させる時は、外科手術の執刀者や看護師等の補助者に怪我などの負傷をさせてはならず、確実な安全性を担保しなければならない。
【0005】
特に、使用後にメス刃をホルダのフィンガ部から離脱させて収納ケース内に再収納させる際には、メス刃に被手術者の体液や血液が付着していることから、万が一にも、外科手術執刀者やその補助者が怪我を負わないようにしなければならず、メス刃をホルダに安全かつ容易に装着及び離脱させることが要求される。
【0006】
メス刃を収納ケースから離脱させてホルダに装着させる例としては、メス刃にケース状のガードを設け、このガードをホルダのフィンガ部に嵌合装着し、装着後使用時に内部のメス刃をホルダ側に設けた操作スライダでガード外部に突出させて使用する構造が提案されている。この例では、ホルダにメス刃を内蔵したガードを装着固定して使用し、使用後にはメス刃をガードと一緒にホルダのフィンガ部から取り外して例えば、廃棄ボックス等に廃棄している。その後、前記ガードを滅菌処理して流通させることによりホルダに装着して使用する際の感染を防止することが記載されている(例えば、「特許文献1」を参照)。
【0007】
また、メス刃を収納ケースから離脱させてホルダのフィンガ部へ装着させる他の例としては、メス刃に形成された嵌合孔に装着するフィンガ部と、このフィンガ部を摺動自在に内蔵したホルダと、内部に収納されたメス刃の姿勢位置を保持する保持手段と、外部からフィンガ部を挿入案内する挿入案内孔とを有する収納ケースとを備え、ホルダのフィンガ部をブレード装着位置に固定手段で固定し、次いで、装着位置に固定されたフィンガ部を収納ケースの挿入案内孔に挿入してメス刃に形成された嵌合孔にフィンガ部に形成された係合部を嵌合して装着して使用するようにしたメス刃装着方法が知られている(例えば、「特許文献2」を参照)。
【特許文献1】特表2003-504145号公報
【特許文献2】特許第4493036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に開示されているメス刃装着方法は、ホルダのフィンガ部をブレード装着位置に固定手段で固定し、次いで、この装着位置に固定された装着フィンガ収納ケースの挿入案内孔に挿入してメス刃に形成された嵌合孔に装着フィンガに形成された係合部を嵌合して装着して使用するには優れているものの、ホルダ本体とフィンガ部の形状及び構造が複雑であり、操作性に優れているとは言い難い。使用後は、メス刃を何らかの防具手段で囲われた状態で廃棄するものではなく、廃棄作業等において鋭利なメス刃によって怪我を負う危険性は排除できない。
【0009】
体液や血液が付着した使用後のメス刃は、手術後にガーゼ等と共に廃棄用の容器や箱に投棄したとしても、刃がむき出した状態のメス刃の廃棄作業においては、怪我を負う事態を確実に排除することは極めて難しく、従来から、医療従事者が、メス刃の廃棄作業中にメス刃によって指等を傷つけてしまい、ウイルスや黴菌に感染する事故を完全に防ぐことはできなかった。
【0010】
また、特許文献2に開示された公知技術は、ホルダのフィンガ部をブレード装着位置に固定手段で固定し、装着位置に固定されたフィンガ部をブレード収納ケースの挿入案内孔に挿入してメス刃に形成された嵌合孔にフィンガ部に形成された係合部を嵌合して装着して使用するものであり、引用文献1と同様、使用後にメス刃をホルダのフィンガ部から離脱させて再び収納ケース内に収納させるようには構成されてはいない。
【0011】
そこで、本発明は、ケースに収納した状態でメス刃に触れることなくホルダのフィンガ部にメス刃のみを極めて容易な操作で装着することが可能であり、さらには、使用後にメス刃をホルダのフィンガ部から離脱させて再び収納ケース内に安全確実に収納させる(戻す)ことが可能とすることを目的とする。
【0012】
本発明は、さらには、同一の被施術者に対する同じ手術中に、収納ケース内に収納したメス刃を再びホルダに再装着して何度も使用することができると共に、当該メス刃の使用を終了した後においては、収納ケースに収められたメス刃のみを安全に廃棄し、ホルダを再利用できることから、経済的に優れ、環境的にも優しくコストパフォーマンスに優れた外科用メス刃の装着及び収納システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題に鑑みて、本発明は、外科手術用のメス刃と、前記メス刃の後端部に接合するメス刃装着部を備えたメス刃ホルダと、前記メス刃を収納し、当該メス刃を着脱可能に支持するメス刃支持台を備えたメス刃収納ケースと、から成り、前記メス刃は、その先端部のメス刃部と前記メス刃の後端部の間に、前記メメス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合する嵌合部が形成され、前記メス刃ホルダは、前記メス刃収納ケース内に支持されている前記メス刃の後端部に前記メス刃装着部を挿入し、当該メス刃ホルダのハンドルを第1の方向に回転することにより、前記メス刃を前記メス刃ホルダに装着して、前記メス刃収納ケースから前記メス刃を離脱させて使用し、前記メス刃の使用後は、前記メス刃を装着した状態で前記メス刃の嵌合部を前記メス刃収納ケースの支持台に嵌合させた状態で、当該メス刃ホルダのハンドルを前記第1の方向とは逆方向の第2の方向に回転させることにより、前記メス刃を当該メス刃ホルダから離脱させて前記メス刃を前記メス刃ホルダ内に再収納させる、ことを特徴とする外科用メス刃の装着及び収納システムを提供するものである。
【0014】
このように、本発明は、メス刃ホルダのハンドルの回転操作だけで、ケースに収納した状態でメス刃に触れることなくフィンガ部にメス刃のみを容易に装着し、使用後にメス刃をホルダのフィンガ部から離脱させて再び収納ケース内に安全確実に収納させることが可能としている。
【0015】
このように、本発明に係る外科用メス刃の装着及び収納システムにおいては、メス刃ホルダのハンドルを第1の方向に回転することにより、前記メス刃を前記メス刃ホルダに装着して、前記メス刃収納ケースから前記メス刃を離脱させて使用し、前記メス刃の使用後は、前記メス刃を装着した状態で前記メス刃の嵌合部を前記メス刃収納ケースの支持台に嵌合させた状態で、当該メス刃ホルダのハンドルを前記第1の方向とは逆方向の第2の方向に回転させることにより、前記メス刃を当該メス刃ホルダから離脱させて前記メス刃を前記メス刃ホルダ内に再収納させることが何度でもできることから、同一の被施術者に対する同じ手術中に、収納ケース内に収納したメス刃を再びホルダに再装着して何度も使用することを可能としている。
【0016】
ここで、前記メス刃の嵌合部は、その断面における一方の方向の幅が他方の方向の幅よりも短い矩形状を成し、前記メス刃ホルダのメス刃装着部は、前記メス刃の嵌合部を前記幅が短い方向から受け入れる前記矩形状に適合するスペースが形成され、前記スペースの形状が、前記メス刃ホルダの回転に伴って前記一方の方向の幅から前記他方の方向の幅に合わせて撓む弾性部材で形成され、前記メス刃の嵌合部を前記幅が短い方向から受け入れた後、前記メス刃ホルダのハンドル部を前記第1の方向に回転させて前記メス刃を装着する際に、前記メス刃の嵌合部の回転を抑止するようにした爪部が前記スペースの入口に形成されている。
【0017】
そして、前記メス刃の使用後においては、前記メス刃の嵌合部を前記幅が短い方向から前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に挿入させた後、前記メス刃ホルダのハンドル部を前記第2の方向に回転させることにより、前記メス刃を前記メス刃収納ケース内に離脱させて再収納するのである。
【0018】
ここで、前記メス刃のメス刃装着部は、雄ネジで形成され、前記メス刃ホルダのメス刃装着部は、前記雄ネジに適合する雌ねじで形成するようにするのが、簡易であり好適である。
【0019】
また、前記メス刃装着部における入口に設けられた前記爪部は、前記メス刃の嵌合部が前記スペース内に挿入され易くするように入口上方に向けて広がるテーパ形状を成すようにしている。
【0020】
そして、前記メス刃ホルダは、好適には、ステンレス素材又はチタン若しくはチタン合金素材により形成することにより、何度も再使用することができる。ここで、前記メス刃ホルダのハンドル部には、網目状のローレット加工を施すことにより、施術時にメス刃ホルダのハンドルを操作し易くすると共に、メス刃の装着及び離脱のための上記回転操作を容易にしている。
【0021】
さらに、前記メス刃における、前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合する嵌合部と前記メス刃装着部は、弾性を有しばね効果を奏するプラスチック素材で形成されている。
【0022】
ところで、前記メス刃は、種々の外科手術に対応して複数種類のメス刃が準備され、前記メス刃収納ケースは、メス刃部の形状と長さが異なる複数種類のメス刃を収納可能とするように、収納する複数種類のメス刃部の最も長いメス刃を収納可能な長さのメス刃収納部を有する。これにより、メス刃の種類毎に異なるメス刃収納ケースを準備する必要がない。、
ここで、前記メス刃収納ケースにおける前記メス刃収納部には、メス刃の保管時においてメス刃部の位置に合わせた位置にメス刃を除菌又は殺菌するための酸化エチレンガス、過酸化水素ガス等のガスをメス刃部収納ケース内に導入するための複数の穴が設けられている。これにより、メス刃収納ケース内に収納されているメス刃の殺菌、除菌状態は維持される。
【発明の効果】
【0023】
上記したように、本発明に係る外科用メス刃の装着及び収納システムは、ケースに収納した状態でメス刃に触れることなくホルダのフィンガ部にメス刃のみを極めて容易な操作で装着可能とし、さらには、使用後にメス刃をホルダのフィンガ部から離脱させて再び収納ケース内に安全確実に再収納可能としていることから、体液や血液が付着した使用後のメス刃の廃棄作業において、怪我を負う事態を確実に排除し、医療従事者が、メス刃の廃棄作業中にメス刃によって指等を傷つけてしまい、ウイルスや黴菌に感染する事故の危険性を排除し、さらに、比較的に高価なステンレス又はチタン合金素材等のホルダを再利用可能とするコストパフォーマンスに優れた外科用メス刃の装着及び収納システムの提供を実現したのである。
【0024】
本発明は、さらに、同一の被施術者に対する同じ手術中に、収納ケース内に収納したメス刃を、極めて安全に再びホルダに再装着して何度も使用することができるので、経済的に優れた外科用メス刃の装着及び収納システムを提供したのである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係る収納システムを構成する外科用メス刃を収納するメス刃収納ケースとメス刃ホルダを示し、(a)は、メス刃をメス刃ホルダに装着する前の斜視図を示し、(b)は、同上面図を示す。尚、(b)に示すメス刃ホルダは、断面図を示す。
【
図2】メス刃ホルダに外科用メス刃を装着する説明図を示す。(a)は平面外観図を示し、(b)は装着部の断面図を示す。
【
図3】外科用メス刃と、外科用メス刃がメス刃収納ケースに収納されている状態を示す。(a)は外科用メス刃の例を示し、(b)は外科用メス刃がメス刃収納ケースに収納されている状態の上面を示し、(c)は、(b)のB断面図を示す。
【
図4】外科用メス刃が、メス刃収納ケースにおけるメス刃支持台に支持されている状態のメス刃支持台の断面図を示す。
【
図5】(a)は外科用メス刃をメス刃収納ケースにおけるメス刃支持台に収納させようとする際のメス刃支持台の断面図を示し、(b)は外科用メス刃が、メス刃収納ケースにおけるメス刃支持台に固定的に支持されている状態のメス刃支持台の断面図を示す。
【
図6】メス刃ホルダがメス刃収納ケース内のメス刃に装着された状態を示す。
【
図7】メス刃ホルダが、メス刃収納ケース内に装着されているメス刃を離脱させる際のメス刃支持台の断面図を示す。
【
図8】メス刃ホルダが、メス刃収納ケース内に装着されているメス刃を離脱させる際のメス刃支持台の断面図を示す。
【
図9】メス刃の方向を示す突起を有する種々のメス刃が、メス刃収納ケース内に装着されている場合のメス刃の装着と再収納の状態を示す。
【
図10】異なる種類や長さのメス刃の長さに対応したメス刃収納ケースの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る外科用メス刃の装着及び収納システムの好適な実施例について、図面に基づいて詳しく説明する。
【0027】
図1乃至10に示すように、本発明に係る外科用メス刃の装着及び収納システムは、外科手術用のメス刃10と、このメス刃10を収納するメス刃収納ケース15と、メス刃10をメス刃収納ケース15から離脱させてメス刃10を装着するメス刃ホルダ13と、から構成される。
【0028】
メス刃10は、その先端のメス刃部10aと、メス刃収納ケース15内に着脱可能に支持されるための嵌合部12と、メス刃10がメス刃ホルダ13に装着される際に、メス刃ホルダ13のメス刃装着部11に螺合状態に接合されるメス刃接合部11が形成される。
【0029】
そして、メス刃収納ケース15は、メス刃10、10aの全長さに合わせてメス刃10、10a全体を収納するものであり、上述したように、メス刃10を支持するためのメス刃支持台14と、を備える。
【0030】
ここで、メス刃ホルダ13は、外科手術の際にメス刃を操作するためのホルダであって、ステンレス又はチタン合金等の金属素材により形成され、本発明においては、使用後に洗浄および殺菌処理を行うことにより繰り返し使用可能である。メス刃ホルダ13は、施術者の手指が触れるハンドル13bと、ハンドル部13bの先端部に形成されたメス刃装着部13aが形成される。そして、メス刃ホルダ13のハンドル部13bには、網目状のローレット加工が施される。
【0031】
また、外科用メス刃10のメス刃部10aは、当然のことながら鋭利な鉄又はチタン合金等の金属であり、そのメス刃収納ケース15の嵌合部12とメス刃ホルダ13との接合部11は、加工がし易いようにプラスチック素材により形成される。
【0032】
図1は、本発明に係る収納システムを構成する外科用メス刃10を収納するメス刃収納ケース15とメス刃ホルダ13を示し、
図1(a)は、メス刃10をメス刃ホルダ13に装着していない状態の斜視図を示し、
図1(b)は、同上面図を示し、(b)に示すメス刃ホルダ13は、その断面図の例を示す。
【0033】
図1に示すように、メス刃10は、メス刃収納ケース15内に固定的に支持されている。この固定的な支持は、メス刃10のほぼ中央部に形成された断面が細くなっている嵌合部12が、メス刃収納ケース15に形成されたメス刃支持台14に嵌合されることにより行われる。また、メス刃10におけるメス刃部10aの逆側後端には、上述したように、メス刃接合部11が形成される。
【0034】
そして、後に詳しく説明するように、メス刃ホルダ13には、施術者の手指が触れるハンドル部13bと、ハンドル部13bの先端部に形成されたメス刃装着部13aが形成される。このメス刃装着部13aは、メス刃ホルダ13のメス刃装着部13aがメス刃10に形成されたメス刃接合部11に螺合状態に接合されるのである。そのため、メス刃装着部13aは、その内部の円筒内周面にメス刃接合部11を受け入れる雌ネジ13aが形成され、この雌ネジ13aに適合する雄ネジが形成されたメス刃接合部11と螺合接合される。
【0035】
図2は、メス刃ホルダ13に外科用メス刃10を装着する際の説明図を示す。(a)は平面外観図を示し、(b)は装着部の断面図を示す。
【0036】
上述したように、メス刃ホルダ13のホルダメス刃装着部13aは、その内部の円筒内周面にメス刃接合部11を受け入れる雌ネジ13aが形成され、この雌ネジ13aに適合する雄ネジが形成されたメス刃接合部11と螺合接合される。この螺合接合は、後に詳しく説明するように、メス刃ホルダ13のメス刃装着部13aの先端をメス刃10のメス刃接合部11に挿入して、螺合接合するように、メス刃ホルダ13のハンドル部13bを、一方の方向に回転(例えば右回転)させることにより行われる。
【0037】
図3は、外科用メス刃と、外科用メス刃10がメス刃収納ケース15内に収納されている状態の拡大図である。(a)は外科用メス刃の例を示し、(b)は外科用メス刃がメス刃収納ケースに収納されている状態の上面を示し、(c)は、(b)のB断面図(横側面断面図)を示す。
【0038】
メス刃10は、上述したように、その先端のメス刃部10aと、メス刃収納ケース15内に着脱可能に支持されるための嵌合部12と、メス刃10がメス刃ホルダ13に装着される際に、メス刃ホルダ13のメス刃装着部13aに螺合状態に接合されるメス刃接合部11が形成される。
【0039】
図4は、外科用メス刃10が、メス刃収納ケース15内に設けられた左右一対のメス刃支持台14に支持されている状態のメス刃支持台における断面図を示す。メス刃収納ケース15は、そのメス刃支持台14と共に一体的に一定の弾性を有するプラスチック素材により形成される。そして、メス刃10の嵌合部12は、その断面形状が矩形を成し、この矩形を成すメス刃10の嵌合部12が、
図4に示すように、メス刃収納ケース15内に設けられたメス刃支持台14に挟み込まれるように支持されるのである。
【0040】
ここで、
図4に示すように、メス刃支持台14は、メス刃10の嵌合部12を左右から挟み付けた状態で支持している。ここで、
図4に示すように、メス刃支持台14におけるメス刃10の嵌合部の挿入口となるメス刃支持台14の上部14aの幅をaとし、その下部14bの幅をbとすると、a<bとなっており、幅が狭い上部14aによって、メス刃の嵌合部12を固定し、メス刃10がメス刃支持台14の間に挿入しやすいものの、メス刃支持台14から容易に外れたり、または落下しないように形成されている。すなわち、
図4に示すaは、メス刃支持台14における落下防止機構の内寸法を意味し、
図4に示すbは、メス刃10における嵌合部の幅寸法を意味する。
【0041】
そして、メス刃ホルダ13に、メス刃10を装着してメス刃支持台14から離脱させ、さらには、メス刃10を再びメス刃支持台14に戻して再収納させる際は、メス刃ホルダ13のハンドル部13bを回転操作により、メス刃10のメス刃収納ケース15からの離脱及び再収納を行うのである。
【0042】
図5は、メス10をメス刃収納ケース15に収納させる際のメス刃嵌合部12とメス刃支持台14の作用を示すものであり、(a)は外科用メス刃10をメス刃収納ケース15のメス刃支持台14に収納させようとする際のメス刃支持台14の断面図を示し、(b)は外科用メス刃10が、メス刃収納ケースにおけるメス刃支持台に固定的に支持されている状態のメス刃支持台14の断面図を示す。
【0043】
図5(a)に示すように、メス刃ホルダ13に装着されているメス刃10を、メス刃収納ケースに収納させる際は、メス刃ホルダ13の操作によって、メス刃10を90度程度回転させた状態で、メス刃10の嵌合部12をメス刃収納ケース15の左右一対のメス刃支持台14の間に押し入れて下方に下げる。
【0044】
これによって、
図5(b)に示すように、メス刃10の嵌合部12は、メス刃収納ケース15のメス刃支持台14の間に挟まれた状態でしっかりと収まるのである。この際、
図4に示したように、メス刃支持台14におけるメス刃10の嵌合部12の挿入口となるメス刃支持台14の上部14aが上部が広く下方に向かって広くなるようなテーパ形状に形成されていることによりメス刃10がメス刃支持台14に挿入し易くなっている。
【0045】
さらには、そのテーパ形状部の下側に、メス刃10の嵌合部12の断面に適合する矩形のスペースが形成されていることにより、メス刃の嵌合部12は安定的にメス刃収納ケース15内にしっかりと外れないように支持され、メス刃10は、メス刃支持台14から容易に外れたり、落下しないことになる。
【0046】
図6(a)は、メス刃ホルダ13がメス刃収納ケース15内に収納されているメス刃に装着されている状態を示す。
図6(b)に示すように、メス刃ホルダ13がメス刃収納ケース15内に収納されているメス刃に装着されている場合は、左右一対のメス刃支持台14のばね効果により、メス刃10の嵌合部12は、メス刃収納ケース15内において支持が緩んでガタついたり、外れることはない。
【0047】
図7(a)は、メス刃ホルダ13が、メス刃10に装着された状態でメス刃収納ケース15内に収納されている状態を示し、
図7(b)は、
図7(a)の状態から、メス刃10をメス刃ホルダ13から離脱させる際のメス刃支持台の断面図を示す。
【0048】
上述したように、メス刃ホルダ13には、施術者の手指が触れるハンドル部13bと、ハンドル部13bの先端部に形成されたメス刃装着部13aが形成される。メス刃装着部13aは、メス刃ホルダ13のメス刃装着部13aがメス刃10に形成されたメス刃10のメス刃10aの反対側の端に形成された接合部11に螺合状態に接合される。そのため、
図1乃至3に示すように、メス刃装着部13aは、その内部の円筒内周面にメス刃接合部11を受け入れる雌ネジ13aが形成され、
図7(a)の状態においては、メス刃ホルダ13のメス刃装着部13aには雌ネジが形成され、これに適合する雄ネジが形成されたメス刃接合部11と螺合接合されている。
【0049】
図7(b)は、
図7(a)に示したメス刃ホルダ13のメス刃装着部13aメス刃接合部11と螺合接合されている状態から、メス刃10をメス刃ホルダ13から離脱させる際の、メス刃支持台14の状態を示す。
【0050】
メス刃収納ケース15内に支持されているメス刃10の後端部にメス刃ホルダが装着されている場合、メス刃ホルダ13のハンドル部13bを、例えば右回転(第1の方向に回転)操作することにより、メス刃10は、メス刃ホルダ13に装着されるが、メス刃収納ケース15からメス刃10を離脱させる場合は、左回転(第2の方向に回転)操作することにより、メス刃10は、メス刃ホルダ13から離脱する。この際、メス刃嵌合部12の断面は、一方の長さが他方の長さよりも長い矩形形状をしていることにより、メス刃嵌合部12は、メス刃支持台14に挟まれた状態で、概ね90度程度回転するものの、メス刃支持台14の弾性の強さによってそれ以上に回転することは阻止され、メス刃10は、メス刃ホルダ13に装着されることになる。
【0051】
メス刃10の使用後は、メス刃ホルダ13がメス刃10を装着した状態でメス刃10の嵌合部12をメス刃収納ケース15のメス刃支持台14に嵌合させた状態で、メス刃ホルダ13のハンドル部13bを右回転(第1の回転方向)とは逆方向の左回転(第2の回転方向)することにより、メス刃10をメス刃ホルダ13から離脱させてメス刃10をメス刃ホルダ15内に再収納させるのである。
【0052】
図8は、メス刃ホルダ13が、メス刃収納ケース15内に装着されているメス刃を離脱させる際のメス刃支持台14の断面図を示す。上述したように、メス刃支持台14におけるメス刃10の嵌合部12の挿入口となるメス刃支持台14の上部14aが上部が広く下方に向かって広くなるようなテーパ形状に形成されていることから、メス刃10がメス刃支持台14に挿入し易くなっており、さらには、そのテーパ形状部の下側に、メス刃10の嵌合部12の断面に適合する矩形のスペースが形成されていることにより、メス刃支持台14のこのテーパ形状に形成されている上部14aによって、メス刃の嵌合部12はしっかりと外れないように支持され、且つメス刃10は、メス刃支持台14から容易に外れたり、落下しない状態で収納される。
【0053】
図9は、施術者が、メス刃10のメス刃部10aの方向を認識し易いようにメス刃10の嵌合部12のメス刃部10a側に突起が形成された種々のメス刃10が、メス刃収納ケース15内に装着されている場合のメス刃10の装着と再収納の状態を示す。
【0054】
図9に示すように、メス刃10において、メス刃部10aの方向を認識するための突起が形成されている種々のメス刃10に対しても、本発明に係る外科用メス刃10の装着及び収納システムは、対応可能である。
【0055】
図10は、異なる種類や長さのメス刃の長さに対応したメス刃収納ケースの例を示す。
【0056】
図10に示すように、メス刃10は、種々の外科手術に対応して複数種類のメス刃10が存在しているが、本発明においては、メス刃収納ケース15は、メス刃10とメス刃部10aの形状と長さが異なる多くの種類のメス刃10を収納可能とするように、収納する複数種類のメス刃部10aの最も長いメス刃10を収納可能な長さのメス刃収納部10準備することにより、多種類のメス刃10に対して少ないメス刃収納部10で対応可能にすることができる。
【0057】
また、本発明においては、メス刃収納ケース15におけるメス刃収納部の下面には、メス刃10の保管時においてメス刃部10aの位置に合わせた位置にメス刃10を除菌又は殺菌するための、例えば、酸化エチレンガス、過酸化水素ガス等のガスをメス刃部収納ケース15内に導入するための複数の穴が設けられている。これにより、メス刃10の保管時における衛生状態は保たれることになる。
【0058】
本発明は、上述した構成により、メス刃収納ケース15に収納した状態でメス刃10に触れることなくメス刃ホルダ13の先端部に設けられたメス刃装着部13aにメス刃10容易な操作で装着することが可能であり、さらには、使用後にメス刃10をメス刃ホルダ13から離脱させて再び収納ケース15内に安全確実に収納させる(戻す)ことが可能である。
【0059】
本発明は、さらには、同一の被施術者に対する同じ手術中に、メス刃収納ケース15内に収納したメス刃10を再びメス刃ホルダ13に再装着して何度も使用することができる。そして、当該メス刃の使用を終了した後においては、メス刃収納ケース15に収められたメス刃10のみを安全に廃棄し、メス刃ホルダ13を再利用できるのである。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、メス刃ホルダが、メス刃収納ケースに収納されたメス刃を安全かつ確実に装着し且つ装着して使用したメス刃を再びメス刃収納ケースに戻す(再収納)ようにした外科用メス刃の装着及び収納システムに関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0061】
10 メス刃
10a メス刃部
11 メス刃におけるメス刃ホルダとの接合部
12 メス刃におけるメス刃支持体との嵌合部
13 メス刃ホルダ
13a メス刃ホルダのメス刃装着部
13b メス刃ホルダのハンドル部
14 メス刃ホルダのメス刃支持台
14a メス刃支持台に形成された突起
15 メス刃収納ケース
【手続補正書】
【提出日】2023-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用のメス刃と、
前記メス刃の後端部に接合するメス刃装着部を備えたメス刃ホルダと、
前記メス刃を収納し、当該メス刃を着脱可能に支持するメス刃支持台を備えたメス刃収納ケースと、から成り、
前記メス刃は、その先端部のメス刃部と前記メス刃の後端部の間に、前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合する嵌合部が形成され、
前記メス刃の嵌合部は、その断面における一方の幅が他方の方向の幅よりも短い矩形状を成し、
前記メス刃収納ケースのメス刃支持台は、前記メス刃の嵌合部を前記一方の幅の側から受け入れる前記矩形状に適合するスペースが形成され、当該スペースは、前記メス刃ホルダの回転に伴って前記一方の幅の側から前記他方の方向の幅に合わせて撓む弾性部材で形成され、
前記メス刃収納ケース内に支持されている前記メス刃の後端部に前記メス刃ホルダのメス刃装着部を挿入し、当該メス刃ホルダのハンドル部を第1の方向に回転することにより前記メス刃を前記メス刃ホルダに装着し、前記メス刃ホルダを前記メス刃収納ケースのメス刃支持台の上方に持ち上げることにより前記メス刃を前記メス刃収納ケースから離脱させて使用し、
前記メス刃の使用後は、前記メス刃の嵌合部の幅が短い面側を前記メス刃収納ケースのメス刃支持台の上方から下方に押し下げることにより前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合させた状態で、当該メス刃ホルダのハンドル部を前記第1の方向とは逆の第2の方向に回転させることにより、前記メス刃を前記メス刃ホルダから離脱させて前記メス刃収納ケースに再収納させる、
ことを特徴とする外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項2】
前記メス刃支持台の入口部には爪部が設けられ、当該爪部は、前記メス刃の嵌合部が前記スペース内に挿入され易くするように入口上方に向けて広がるテーパ形状を成す、ことを特徴とする請求項1に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項3】
前記メス刃における、前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合する嵌合部と前記メス刃装着部は、プラスチック素材で形成されている、請求項1又は2に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項4】
前記メス刃のメス刃装着部は、雄ネジで形成され、
前記メス刃ホルダのメス刃装着部は、前記雄ネジに適合する雌ねじで形成された、ことを特徴とする請求項3に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項5】
前記メス刃ホルダは、ステンレス素材又はチタン若しくはチタン合金素材により形成された、請求項4に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項6】
前記メス刃ホルダのハンドル部には、網目状のローレット加工が施されたことを特徴とする請求項5に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項7】
前記メス刃は、種々の外科手術に対応して複数種類のメス刃が準備され、
前記メス刃収納ケースは、メス刃部の形状と長さが異なる複数種類のメス刃を収納可能とするように、収納する複数種類のメス刃部の最も長いメス刃を収納可能な長さのメス刃収納部を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項8】
前記メス刃収納ケースにおける前記メス刃収納部には、メス刃の保管時においてメス刃部の位置に合わせた位置にメス刃を除菌又は殺菌するための酸化エチレンガス、過酸化水素ガス等のガスをメス刃部収納ケース内に導入するための複数の穴が設けられている、ことを特徴とする請求項7に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
上記課題に鑑みて、本発明は、外科手術用のメス刃と、前記メス刃の後端部に接合するメス刃装着部を備えたメス刃ホルダと、前記メス刃を収納し、当該メス刃を着脱可能に支持するメス刃支持台を備えたメス刃収納ケースと、から成り、前記メス刃は、その先端部のメス刃部と前記メス刃の後端部の間に、前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合する嵌合部が形成され、前記メス刃の嵌合部は、その断面における一方の幅が他方の方向の幅よりも短い矩形状を成し、前記メス刃収納ケースのメス刃支持台は、前記メス刃の嵌合部を前記一方の幅の側から受け入れる前記矩形状に適合するスペースが形成され、当該スペースは、前記メス刃ホルダの回転に伴って前記一方の幅の側から前記他方の方向の幅に合わせて撓む弾性部材で形成され、前記メス刃収納ケース内に支持されている前記メス刃の後端部に前記メス刃ホルダのメス刃装着部を挿入し、当該メス刃ホルダのハンドル部を第1の方向に回転することにより前記メス刃を前記メス刃ホルダに装着し、前記メス刃ホルダを前記メス刃収納ケースのメス刃支持台の上方に持ち上げることにより前記メス刃を前記メス刃収納ケースから離脱させて使用し、前記メス刃の使用後は、前記メス刃の嵌合部の幅が短い面側を前記メス刃収納ケースのメス刃支持台の上方から下方に押し下げることにより前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合させた状態で、当該メス刃ホルダのハンドル部を前記第1の方向とは逆の第2の方向に回転させることにより、前記メス刃を前記メス刃ホルダから離脱させて前記メス刃収納ケースに再収納させる、ことを特徴とする外科用メス刃の装着及び収納システムを提供するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
10 メス刃
10a メス刃部
11 メス刃におけるメス刃ホルダとの接合部
12 メス刃におけるメス刃支持体との嵌合部
13 メス刃ホルダ
13a メス刃ホルダのメス刃装着部
13b メス刃ホルダのハンドル部
14 メス刃収納ケースのメス刃支持台
14a メス刃支持台に形成された突起
15 メス刃収納ケース
【手続補正書】
【提出日】2023-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用のメス刃と、
前記メス刃の後端部に接合するメス刃装着部を備えたメス刃ホルダと、
前記メス刃を収納し、当該メス刃を着脱可能に支持するメス刃支持台を備えたメス刃収納ケースと、から成り、
前記メス刃は、その先端部のメス刃部と前記メス刃の後端部の間に、前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合する嵌合部が形成され、
前記メス刃の嵌合部は、その断面における一方の幅が他方の方向の幅よりも短い矩形状を成し、
前記メス刃支持台は、前記メス刃の嵌合部を前記一方の幅の側から受け入れる前記矩形状に適合するスペースが形成され、当該スペースは、前記メス刃ホルダの回転に伴って前記一方の幅の側から前記他方の方向の幅に合わせて撓む弾性部材で形成され、且つ、当該メス刃支持台の入口部には爪部が設けられ、当該爪部は、前記メス刃の嵌合部が前記スペース内に挿入され易くするように入口上方に向けて広がるテーパ形状を成し、
前記メス刃収納ケース内に支持されている前記メス刃の後端部に前記メス刃ホルダのメス刃装着部を挿入し、当該メス刃ホルダのハンドル部を第1の方向に回転することにより前記メス刃を前記メス刃ホルダに装着し、前記メス刃ホルダを前記メス刃収納ケースのメス刃支持台の上方に持ち上げることにより前記メス刃を前記メス刃収納ケースから離脱させて使用し、
前記メス刃の使用後は、前記メス刃の嵌合部の幅が短い面側を前記メス刃収納ケースのメス刃支持台の上方から下方に押し下げることにより前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合させた状態で、当該メス刃ホルダのハンドル部を前記第1の方向とは逆の第2の方向に回転させることにより、前記メス刃を前記メス刃ホルダから離脱させて前記メス刃収納ケースに再収納させる、
ことを特徴とする外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項2】
前記メス刃における、前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合する嵌合部と前記メス刃装着部は、プラスチック素材で形成されている、請求項1に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項3】
前記メス刃のメス刃装着部は、雄ネジで形成され、
前記メス刃ホルダのメス刃装着部は、前記雄ネジに適合する雌ねじで形成された、ことを特徴とする請求項2に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項4】
前記メス刃ホルダは、ステンレス素材又はチタン若しくはチタン合金素材により形成された、請求項3に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項5】
前記メス刃ホルダのハンドル部には、網目状のローレット加工が施されたことを特徴とする請求項4に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項6】
前記メス刃は、種々の外科手術に対応して複数種類のメス刃が準備され、
前記メス刃収納ケースは、メス刃部の形状と長さが異なる複数種類のメス刃を収納可能とするように、収納する複数種類のメス刃部の最も長いメス刃を収納可能な長さのメス刃収納部を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【請求項7】
前記メス刃収納ケースにおける前記メス刃収納部には、メス刃の保管時においてメス刃部の位置に合わせた位置にメス刃を除菌又は殺菌するための酸化エチレンガス、過酸化水素ガス等のガスをメス刃部収納ケース内に導入するための複数の穴が設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載の外科用メス刃の装着及び収納システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
上記課題に鑑みて、本発明は、外科手術用のメス刃と、前記メス刃の後端部に接合するメス刃装着部を備えたメス刃ホルダと、前記メス刃を収納し、当該メス刃を着脱可能に支持するメス刃支持台を備えたメス刃収納ケースと、から成り、前記メス刃は、その先端部のメス刃部と前記メス刃の後端部の間に、前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合する嵌合部が形成され、前記メス刃の嵌合部は、その断面における一方の幅が他方の方向の幅よりも短い矩形状を成し、前記メス刃支持台は、前記メス刃の嵌合部を前記一方の幅の側から受け入れる前記矩形状に適合するスペースが形成され、当該スペースは、前記メス刃ホルダの回転に伴って前記一方の幅の側から前記他方の方向の幅に合わせて撓む弾性部材で形成され、且つ、当該メス刃支持台の入口部には爪部が設けられ、当該爪部は、前記メス刃の嵌合部が前記スペース内に挿入され易くするように入口上方に向けて広がるテーパ形状を成し、前記メス刃収納ケース内に支持されている前記メス刃の後端部に前記メス刃ホルダのメス刃装着部を挿入し、当該メス刃ホルダのハンドル部を第1の方向に回転することにより前記メス刃を前記メス刃ホルダに装着し、前記メス刃ホルダを前記メス刃収納ケースのメス刃支持台の上方に持ち上げることにより前記メス刃を前記メス刃収納ケースから離脱させて使用し、前記メス刃の使用後は、前記メス刃の嵌合部の幅が短い面側を前記メス刃収納ケースのメス刃支持台の上方から下方に押し下げることにより前記メス刃収納ケースのメス刃支持台に嵌合させた状態で、当該メス刃ホルダのハンドル部を前記第1の方向とは逆の第2の方向に回転させることにより、前記メス刃を前記メス刃ホルダから離脱させて前記メス刃収納ケースに再収納させる、ことを特徴とする外科用メス刃の装着及び収納システムを提供するものである。