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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094714
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】復調装置、及び復調方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20240703BHJP
   H04B 17/364 20150101ALI20240703BHJP
【FI】
H04L27/26 410
H04B17/364
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211439
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】松村 喜修
(57)【要約】
【課題】回路構成の増大を抑制しつつ、伝送路のプロファイルを算出できる復調装置などを提供する。
【解決手段】復調装置1は、第1の復調部10と、第2の復調部20とを備え、第1の復調部10は、第1のADC部11と、第1の時間軸処理部12と、第1のFFT部13と、第1の特性推定部14と、第1の等化部15と、第1のFEC部16とを有し、第2の復調部20は、第2のADC部21と、第2の時間軸処理部22と、選択的に高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う第2のFFT部23と、第2の特性推定部24と、第2の等化部25と、第2のFEC部26とを有し、第2のFFT部23は、第1の特性推定部14の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行い、第2の時間軸処理部22の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式で変調された第1の信号を復調する復調装置であって、
第1の復調部と、
第2の復調部とを備え、
前記第1の復調部は、
AD(Analog-to-Digital)変換を行う第1のADC(Analog-to-Digital Converter)部と、
OFDMシンボルの同期を行う第1の時間軸処理部と、
高速フーリエ変換を行う第1のFFT(Fast Fourier Transform)部と、
第1の伝送路特性を推定する第1の特性推定部と、
前記第1の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第1の等化部と、
誤り訂正を行う第1のFEC(Forward Error Correction)部とを有し、
前記第2の復調部は、
AD変換を行う第2のADC部と、
OFDMシンボルの同期を行う第2の時間軸処理部と、
選択的に高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う第2のFFT部と、
第2の伝送路特性を推定する第2の特性推定部と、
前記第2の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第2の等化部と、
誤り訂正を行う第2のFEC部とを有し、
前記第2のFFT部は、前記第1の特性推定部の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行い、前記第2の時間軸処理部の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換を行う
復調装置。
【請求項2】
前記第2のFFT部は、前記第1の復調部が前記第1の信号を復調している間に、前記第1の特性推定部の出力信号に対して高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う
請求項1に記載の復調装置。
【請求項3】
前記第2のFFT部は、前記第1の特性推定部の出力信号に対して逆高速フーリエ変換を行うことで、前記第1の信号の遅延プロファイルを算出する
請求項1又は2に記載の復調装置。
【請求項4】
前記第2のFFT部は、前記第1の特性推定部の出力信号に対して高速フーリエ変換を行うことで、前記第1の信号のドップラープロファイルを算出する
請求項1又は2に記載の復調装置。
【請求項5】
前記第2の復調部は、選択部を有し、
前記選択部は、前記第1の特性推定部の出力信号、及び、前記第2の時間軸処理部の出力信号が入力され、前記選択部の動作を制御する制御信号に基づいて、前記第1の特性推定部の出力信号、及び、前記第2の時間軸処理部の出力信号の一方を、前記第2のFFT部へ選択的に出力する
請求項1又は2に記載の復調装置。
【請求項6】
前記第2の復調部は、積算部を有し、
前記積算部は、前記遅延プロファイルをOFDMシンボル毎に積算する
請求項3に記載の復調装置。
【請求項7】
OFDM方式で変調された第1の信号を復調する復調装置を用いた復調方法であって、
前記復調装置は、
第1の復調部と、
第2の復調部とを備え、
前記第1の復調部は、
AD変換を行う第1のADC部と、
OFDMシンボルの同期を行う第1の時間軸処理部と、
高速フーリエ変換を行う第1のFFT部と、
第1の伝送路特性を推定する第1の特性推定部と、
前記第1の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第1の等化部と、
誤り訂正を行う第1のFEC部とを有し、
前記第2の復調部は、
AD変換を行う第2のADC部と、
OFDMシンボルの同期を行う第2の時間軸処理部と、
選択的に高速フーリエ変換、又は、逆高速フーリエ変換を行う第2のFFT部と、
第2の伝送路特性を推定する第2の特性推定部と、
前記第2の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第2の等化部と、
誤り訂正を行う第2のFEC部とを有し、
前記復調方法は、
前記第1のFFT部が、前記第1の時間軸処理部の出力信号に対して高速フーリエ変換を行う第1の変換ステップと、
前記第2のFFT部が、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う第2の変換ステップとを含み、
前記第2の変換ステップにおいて、前記第2のFFT部に前記第1の特性推定部の出力信号が入力される場合には、前記第2のFFT部は、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行い、かつ、前記第2のFFT部に前記第2の時間軸処理部の出力信号が入力される場合には、前記第2のFFT部は、高速フーリエ変換を行う
復調方法。
【請求項8】
前記復調装置は、第1のモードと、第2のモードとを有し、
前記第1のモードにおいて、前記第2の変換ステップは、前記第1の特性推定部の出力信号に対して逆高速フーリエ変換を行うことで遅延プロファイルを算出し、
前記第2のモードにおいて、前記第2の変換ステップは、前記第1の特性推定部の出力信号に対して高速フーリエ変換を行うことでドップラープロファイルを算出する
請求項7に記載の復調方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、復調装置、及び復調方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地上デジタル放送の電波を用いて、当該電波の伝送路(つまり、伝搬経路)の情報を取得する技術の研究が行われている。例えば、地上デジタル放送であるISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)の電波(以下、地上デジタル放送波とも称する)を用いた水蒸気量推定の研究が行われている(非特許文献1など参照)。雨を降らす雲になる前段階である大気中の水蒸気量の変化を推定することで、ゲリラ豪雨などの局所的に発生する降雨を予測できる可能性がある。
【0003】
非特許文献1に記載された水蒸気量推定方法では、地上デジタル放送波の到達時間が、水蒸気量に応じて遅延することを利用している。非特許文献1に記載された水蒸気量推定方法では、地上デジタル放送波の遅延プロファイルを算出する。これにより、地上デジタル放送波の送信点から受信点へ直接到達する直達波と、当該送信点から送信された地上デジタル放送波が、反射体で反射されてから受信点へ到達する反射波との到達時間の差の変化量を測定することで、水蒸気量を推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-42574号公報
【特許文献2】特開平11-110370号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】花土弘,外2名,“地デジ放送波を用いた水蒸気量推定手法の研究開発-首都圏における多点観測-”,[online],1997年7月27日,SIP防災シンポジウム2017,[2022年12月14日検索],インターネット<URL:https://www.jst.go.jp/sip/dl/k08/sympo2017/poster_05.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
地上デジタル放送波の遅延プロファイルの算出方法として、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform;FFT)及び逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform;IFFT)を用いる方法がある(例えば、特許文献1など参照)。特許文献1に記載されているように、地上デジタル放送波に含まれるOFDM方式で変調された信号を高速フーリエ変換した信号の中から、OFDMフレームに分散して配置されているSP(Scattered Pilot)信号に基づいて算出した伝送路特性を、逆高速フーリエ変換することで、時間インパルス応答である遅延プロファイルを算出できる。なお、高速フーリエ変換、及び逆高速フーリエ変換を行う回路は公知である(例えば、特許文献2など参照)。特許文献2に記載されている回路においては、バタフライ演算過程の極性と回転子とを変更することで、当該回路において行う演算を、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換に切り替えることができる。
【0007】
例えば、テレビジョン受像機などに含まれる復調装置は、地上デジタル放送波に含まれるOFDM方式で変調された信号を高速フーリエ変換する回路を有する。このため、復調装置に、逆高速フーリエ変換を行う回路を追加することで、遅延プロファイルを算出することが可能となるが、復調装置の回路規模が増大し、復調装置に要するコストが増大する。
【0008】
本開示は、回路構成の増大を抑制しつつ、伝送路のプロファイルを算出できる復調装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一形態における復調装置は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式で変調された第1の信号を復調する復調装置であって、第1の復調部と、第2の復調部とを備え、前記第1の復調部は、AD(Analog-to-Digital)変換を行う第1のADC(Analog-to-Digital Converter)部と、OFDMシンボルの同期を行う第1の時間軸処理部と、高速フーリエ変換を行う第1のFFT部と、第1の伝送路特性を推定する第1の特性推定部と、前記第1の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第1の等化部と、誤り訂正を行う第1のFEC(Forward Error Correction)部とを有し、前記第2の復調部は、AD変換を行う第2のADC部と、OFDMシンボルの同期を行う第2の時間軸処理部と、選択的に高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う第2のFFT部と、第2の伝送路特性を推定する第2の特性推定部と、前記第2の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第2の等化部と、誤り訂正を行う第2のFEC部とを有し、前記第2のFFT部は、前記第1の特性推定部の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行い、前記第2の時間軸処理部の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換を行う。
【0010】
本開示の一形態における復調方法は、OFDM方式で変調された第1の信号を復調する復調装置を用いた復調方法であって、前記復調装置は、第1の復調部と、第2の復調部とを備え、前記第1の復調部は、AD変換を行う第1のADC部と、OFDMシンボルの同期を行う第1の時間軸処理部と、高速フーリエ変換を行う第1のFFT部と、第1の伝送路特性を推定する第1の特性推定部と、前記第1の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第1の等化部と、誤り訂正を行う第1のFEC部とを有し、前記第2の復調部は、AD変換を行う第2のADC部と、OFDMシンボルの同期を行う第2の時間軸処理部と、選択的に高速フーリエ変換、又は、逆高速フーリエ変換を行う第2のFFT部と、第2の伝送路特性を推定する第2の特性推定部と、前記第2の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第2の等化部と、誤り訂正を行う第2のFEC部とを有し、前記復調方法は、前記第1のFFT部が、前記第1の時間軸処理部の出力信号に対して高速フーリエ変換を行う第1の変換ステップと、前記第2のFFT部が、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う第2の変換ステップとを含み、前記第2の変換ステップにおいて、前記第2のFFT部に前記第1の特性推定部の出力信号が入力される場合には、前記第2のFFT部は、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行い、かつ、前記第2のFFT部に前記第2の時間軸処理部の出力信号が入力される場合には、前記第2のFFT部は、高速フーリエ変換を行う。
【0011】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、回路構成の増大を抑制しつつ、伝送路のプロファイルを算出できる復調装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施の形態1に係る復調装置の機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態1に係る第1のモードにおいて第2のFFT部に入力される信号を示す図である。
図3図3は、実施の形態1に係る第2のモードにおいて第2のFFT部に入力される信号を示す図である。
図4図4は、実施の形態1に係る復調装置の第1のADC部及び第2のADC部以外の機能をソフトウェアにより実現するコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態1に係る復調装置を用いた第1の信号の復調方法の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態1に係る復調装置を用いた第2の信号の復調方法の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、実施の形態2に係る復調装置の機能構成を示すブロック図である。
図8図8は、実施の形態2に係る復調装置を用いた第1の信号の復調方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の一形態に係る実現形態を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。本開示の実現形態は、現行の独立請求項に限定されるものではなく、他の独立請求項によっても表現され得る。
【0015】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0016】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る復調装置及び復調方法について説明する。
【0017】
[1-1.復調装置の機能構成]
本実施の形態に係る復調装置の機能構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る復調装置1の機能構成を示すブロック図である。なお、図1には、復調装置1の制御を行う制御部2も併せて示されている。
【0018】
復調装置1は、OFDM方式で変調された第1の信号を復調する装置である。本実施の形態では、復調装置1は、第1の信号に加えて、第2の信号を復調することができる。なお、以下では、第1の信号を復調するとは、第1の信号に対応する第1のTS(Transport Stream)パケットを生成することを意味し、第2の信号を復調するとは、第2の信号に対応する第2のTSパケットを生成することを意味する。
【0019】
第1の信号、及び第2の信号の各々は、例えば、アンテナによって受信されたISDB-Tの電波のようなRF(Radio Frequency)信号を変換したIF信号であってもよいし、他の信号であってもよい。IF信号は、RF信号のRF周波数を中間周波数(Intermediate Frequency;IF)に変換した信号である。例えば、第1の信号、及び第2の信号の各々は、ベースバンド信号であってもよい。本実施の形態では、第1の信号、及び第2の信号の各々はIF信号である。
【0020】
図1に示されるように、復調装置1は、第1の復調部10と、第2の復調部20とを備える。本実施の形態では、第1の復調部10は、第1の信号を復調することができる。また、第2の復調部20は、第2の信号を復調することができる。なお、第2の信号は、復調装置1に必ずしも入力されなくてもよい。
【0021】
また、本実施の形態では、復調装置1は、第1の信号の遅延プロファイルを算出する第1のモード、第1の信号のドップラープロファイルを算出する第2のモード、及び、第2の復調部20において第2の信号の復調を行う第3のモードの三つのモード(動作モード)を有する。遅延プロファイル、及びドップラープロファイルの各々は、信号が伝搬する伝送路のプロファイルを示す。遅延プロファイルは、信号の到達時間の遅延を示すプロファイルである。遅延プロファイルは、信号の到達時間と、各到達時間における信号の強度との関係を示す。ドップラープロファイルは、信号の周波数のずれを示すプロファイルである。ドップラープロファイルは、信号の周波数と、各周波数における信号の強度との関係を示す。
【0022】
復調装置1のモードは、制御信号によって制御される。制御信号は、例えば、復調装置1を制御する制御部2から復調装置1へ入力される。
【0023】
第1の復調部10は、第1のADC部11と、第1の時間軸処理部12と、第1のFFT部13と、第1の特性推定部14と、第1の等化部15と、第1のFEC部16とを有する。
【0024】
第1のADC部11は、AD変換を行う処理部である。本実施の形態では、第1のADC部11は、アナログ信号である第1の信号のAD変換を行い、第1の信号に対応するデジタル信号を第1の時間軸処理部12へ出力する。
【0025】
第1の時間軸処理部12は、時間軸処理として、OFDMシンボルの同期を行う処理部である。本実施の形態では、第1の時間軸処理部12は、第1の信号に含まれるOFDMシンボルの同期を行い、出力信号を第1のFFT部13へ出力する。第1の信号がIF信号である場合には、第1の時間軸処理部12は、IF信号をベースバンド信号に変換してもよい。
【0026】
第1のFFT部13は、高速フーリエ変換を行う処理部である。本実施の形態では、第1のFFT部13は、第1の時間軸処理部12の出力信号に対して高速フーリエ変換を行い、周波数領域の信号に変換する。第1のFFT部13は、当該周波数領域の信号を含む出力信号を第1の特性推定部14及び第1の等化部15へ出力する。
【0027】
第1の特性推定部14は、第1の伝送路特性を推定する処理部である。本実施の形態では、第1の特性推定部14は、第1の伝送路特性として、第1の信号の伝送路(以下、第1の伝送路とも称する)の特性を推定する。具体的には、第1のFFT部13から出力される高速フーリエ変換された信号のうち、OFDMフレームに分散して配置されるSP信号に基づいて、各サブキャリアに対して第1の伝送路の応答である第1の伝送路特性を推定する。第1の特性推定部14は、第1の伝送路特性を含む出力信号を第1の等化部15へ出力する。第1の特性推定部14は、出力信号を第2の復調部20へも出力する。より具体的には、第1の特性推定部14は、出力信号を第2の復調部20の選択部27へ出力する。
【0028】
第1の等化部15は、第1の特性推定部14によって推定された第1の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う処理部である。本実施の形態では、第1の等化部15は、第1の信号が第1の伝送路で受けた振幅位相歪を補正する。第1の等化部15は、第1のFFT部13の出力信号である高速フーリエ変換された信号の振幅位相歪を補正する。第1の等化部15は、振幅位相歪を補正された信号を第1のFEC部16へ出力する。
【0029】
第1のFEC部16は、誤り訂正を行う処理部である。本実施の形態では、第1のFEC部16は、第1の信号の誤り訂正を行う。第1のFEC部16は、第1の等化部15の出力信号に対して、周波数デインターリーブ処理、又は時間デインターリーブ処理と、誤り訂正処理とを行う。さらに、第1のFEC部16は、第1の等化部15の出力信号に対して復号処理を行うことで、第1のTSパケットを出力する。第1のFEC部16は、例えば、デコーダなどの、復調装置1の外部の機器などへ第1のTSパケットを出力する。
【0030】
MPEG(Moving Picture Experts Group)-2方式などで圧縮されている第1のTSパケットに対して、デコーダにおいてデコード処理を行うことで、映像信号を得ることができる。
【0031】
第2の復調部20は、第2のADC部21と、第2の時間軸処理部22と、第2のFFT部23と、第2の特性推定部24と、第2の等化部25と、第2のFEC部26と、選択部27とを有する。
【0032】
第2のADC部21は、AD変換を行う処理部である。本実施の形態では、第2のADC部21は、アナログ信号である第2の信号のAD変換を行い、第2の信号に対応するデジタル信号を第2の時間軸処理部22へ出力する。
【0033】
第2の時間軸処理部22は、OFDMシンボルの同期を行う処理部である。本実施の形態では、第2の時間軸処理部22は、第2の信号に含まれるOFDMシンボルの同期を行い、出力信号を選択部27へ出力する。第2の信号がIF信号である場合には、第2の時間軸処理部22は、IF信号をベースバンド信号に変換してもよい。
【0034】
選択部27は、第1の特性推定部14の出力信号、及び、第2の時間軸処理部22の出力信号が入力され、選択部27の動作を制御する制御信号に基づいて、第1の特性推定部14の出力信号、及び、第2の時間軸処理部22の出力信号の一方を第2のFFT部23へ選択的に出力する。本実施の形態では、選択部27の動作を制御する制御信号は、復調装置1におけるモードを示す信号であり、制御部2から選択部27へ入力される。制御信号は、復調装置1において第1の信号の遅延プロファイルを算出する第1のモード、復調装置1において第1の信号のドップラープロファイルを算出する第2のモード、及び、第2の復調部20において第2の信号の復調を行う第3のモードのいずれか一つを示す信号である。制御信号が第1のモード、又は第2のモードを示す信号である場合には、選択部27は、第1の特性推定部14の出力信号を第2のFFT部23へ出力する。制御信号が第3のモードを示す信号である場合には、選択部27は第2の時間軸処理部22の出力信号を、第2のFFT部23へ出力する。
【0035】
第2のFFT部23は、選択的に高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う処理部である。第2のFFT部23は、第1の特性推定部14の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行い、第2の時間軸処理部の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換を行う。
【0036】
本実施の形態では、第2のFFT部23は、制御部2から入力される制御信号に基づいて動作する。制御信号が第1のモードを示す信号である場合には、第2のFFT部23は、第1の特性推定部14の出力信号に対して逆高速フーリエ変換を行うことで、第1の信号の遅延プロファイルを算出する。制御信号が第2のモードを示す信号である場合には、第2のFFT部23は、第1の特性推定部14の出力信号に対して高速フーリエ変換を行うことで、第1の信号のドップラープロファイルを算出する。第2のFFT部23は、遅延プロファイル又はドップラープロファイルを含む出力信号を、例えば、サーバなどの復調装置1以外の機器などへ出力する。
【0037】
サーバでは、複数のプロファイルを集約する。サーバでは、例えば、遅延プロファイルに含まれる所定の遅延サンプルの位相変化に基づいて、水蒸気量を推定する。
【0038】
ここで、第1のモード及び第2のモードにおける第2のFFT部23への信号の入力の仕方の違いについて、図2及び図3を用いて説明する。図2及び図3は、それぞれ、本実施の形態に係る第1のモード及び第2のモードにおいて第2のFFT部23に入力される信号を示す図である。図2及び図3の横軸は、周波数に対応し、縦軸は、時間に対応する。図2及び図3に示される複数の丸印は、第1の特性推定部14の出力信号を示し、複数の丸印の各々は、OFDMサブキャリアを示す。
【0039】
遅延プロファイルを算出する第1のモードにおいては、図2に示されるように、第1の伝送路に対する時間のインパルス応答を算出するために、所定のOFDMシンボルにおける複数のサブキャリアの伝送路推定値が、第2のFFT部23に入力される。ここで、複数のサブキャリアは、それぞれ、複数の周波数と1対1で対応する。
【0040】
一方、ドップラープロファイルを算出する第2のモードにおいては、図3に示されるように、第1の伝送路に対する周波数のインパルス応答を算出するために、所定のサブキャリアにおける複数のOFDMシンボルの伝送路推定値が、第2のFFT部23に入力される。ここで、複数のOFDMシンボルは、それぞれ、複数の時点と1対1で対応する。
【0041】
制御信号が第3のモードを示す信号である場合には、第2のFFT部23は、第2の時間軸処理部22の出力信号に対して高速フーリエ変換を行うことで、周波数領域の信号に変換する。第2のFFT部23は、当該周波数領域の信号を含む出力信号を第2の特性推定部24及び第2の等化部25へ出力する。
【0042】
第1の信号が、ISDB-Tの電波に含まれる場合、サブキャリアの本数は、5617であり、第1のFFT部13で8192ポイントにおいて高速フーリエ変換が行われる。このとき、サブキャリア以外のポイントの値は、0に設定される。第1のモードにおいては、例えば、第1の特性推定部14の出力信号からの5617ポイントのサブキャリアの情報を用いて、第2のFFT部23で8192ポイントにおいて逆高速フーリエ変換が行われる。なお、第2のFFT部23での算出態様は、これに限定されない。例えば、第2のFFT部23で4096ポイントにおいて逆高速フーリエ変換が行われてもよい。このように、第2のFFT部23における、第2の時間軸処理部22の出力信号に対して高速フーリエ変換を行うポイント数と、第1の特性推定部14の出力信号に対して逆高速フーリエ変換、又は高速フーリエ変換を行うポイント数とは異なってもよい。また、第1の特性推定部14の信号の5617ポイントのサブキャリア全てを使用せず、例えば4サブキャリア毎に間引いたサブキャリアを第2のFFT部23に入力し、8192ポイントにおいて逆高速フーリエ変換を行ってもよい。このとき、4間引きしたサブキャリアは連続するように詰めて入力し、残りのポイントは0埋めされる。このことにより、遅延プロファイルの分解能を上げることができる。
【0043】
第2の特性推定部24は、第2の伝送路特性を推定する処理部である。本実施の形態では、第2の特性推定部24は、第2の伝送路特性として、第2の信号の伝送路(以下、第2の伝送路とも称する)の特性を推定する。具体的には、第2のFFT部23から出力される高速フーリエ変換された信号のうち、OFDMフレームに分散して配置されるSP信号に基づいて、各サブキャリアに対して第2の伝送路の応答である第2の伝送路特性を推定する。第2の特性推定部24は、第2の伝送路特性を含む出力信号を第2の等化部25へ出力する。
【0044】
第2の等化部25は、第2の特性推定部24によって推定された第2の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う処理部である。本実施の形態では、第2の等化部25は、第2の信号が第2の伝送路で受けた振幅位相歪を補正する。第2の等化部25は、第2のFFT部23の出力信号である高速フーリエ変換された信号の振幅位相歪を補正する。第2の等化部25は、振幅位相歪を補正された信号を第2のFEC部26へ出力する。
【0045】
第2のFEC部26は、誤り訂正を行う処理部である。本実施の形態では、第2のFEC部26は、第2の信号の誤り訂正を行う。第2のFEC部26は、第2の等化部25の出力信号に対して、周波数デインターリーブ処理、又は時間デインターリーブ処理と、誤り訂正処理とを行う。さらに、第2のFEC部26は、第2の等化部25の出力信号に対して復号処理を行うことで、第2のTSパケットを出力する。第2のFEC部26は、例えば、デコーダなどの、復調装置1の外部の機器などへ第2のTSパケットを出力する。
【0046】
制御部2は、復調装置1を制御する処理部である。本実施の形態では、制御部2は、制御信号を、復調装置1の第2のFFT部23及び選択部27へ出力する。
【0047】
以上のように、本実施の形態に係る復調装置1は、第1の復調部10及び第2の復調部20を備える。第1の復調部10で算出された第1の伝送路特性に対して、第2の復調部20が有する第2のFFT部23を用いて、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換が行われる。これにより、第1の伝送路の遅延プロファイル、及びドップラープロファイルの少なくとも一方を算出できる。したがって、これらのプロファイルを用いて、例えば、第1の伝送路における水蒸気量などを推定できる。さらに、本実施の形態に係る復調装置1の回路規模は、従来のテレビジョン受像機などにおいて広く用いられている二つの復調部を備える構成(つまり、デュアルチューナ構成)と同程度に抑えられる。つまり、本実施の形態に係る復調装置1によれば、回路規模の増大を抑制しつつ、伝送路のプロファイルを算出できる。
【0048】
また、本実施の形態では、第2のFFT部23は、第1の復調部10が第1の信号を復調している間に(言い換えると、第1の復調部10における動作を中断することなく)、第1の特性推定部14の出力信号に対して高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う。これにより、例えば、復調装置1をテレビジョン受像機などに適用した場合、第1の復調部10で第1の信号を復調して、第1の信号に基づく画像及び音声を再生しながら、第2のFFT部23において、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行うことができる。したがって、第1の信号に基づく画像及び音声を再生しながら、第1の伝送路のプロファイルを算出できる。
【0049】
[1-2.復調装置のハードウエア構成]
本実施の形態に係る復調装置1のハードウエア構成について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態に係る復調装置1の第1のADC部11及び第2のADC部21以外の機能をソフトウェアにより実現するコンピュータ1000のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0050】
コンピュータ1000は、図4に示されるように、入力装置1001、出力装置1002、CPU1003、内蔵ストレージ1004、RAM1005、読取装置1007、送受信装置1008、及びバス1009を備える。入力装置1001、出力装置1002、CPU1003、内蔵ストレージ1004、RAM1005、読取装置1007及び送受信装置1008は、バス1009により接続される。
【0051】
入力装置1001はキーボード、マウス、入力ボタン、タッチパッド、タッチパネルディスプレイなどのユーザインタフェースとなる装置であり、ユーザの操作を受け付ける。なお、入力装置1001は、ユーザの接触操作を受け付ける他、音声での操作、リモコン等での遠隔操作を受け付ける構成であってもよい。
【0052】
出力装置1002は、コンピュータ1000からの信号を出力する装置であり、信号出力端子の他、ディスプレイ、スピーカなどのユーザインタフェースとなる装置であってもよい。
【0053】
内蔵ストレージ1004は、フラッシュメモリなどである。また、内蔵ストレージ1004は、復調装置1の機能を実現するためのプログラム、及び、復調装置1の機能構成を利用したアプリケーションの少なくとも一方が、予め記憶されていてもよい。
【0054】
RAM1005は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory)であり、プログラム又はアプリケーションの実行に際してデータ等の記憶に利用される。
【0055】
読取装置1007は、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体から情報を読み取る。読取装置1007は、上記のようなプログラムやアプリケーションが記録された記録媒体からそのプログラムやアプリケーションを読み取り、内蔵ストレージ1004に記憶させる。
【0056】
送受信装置1008は、無線又は有線で通信を行うための通信回路である。送受信装置1008は、例えばネットワークに接続されたサーバと通信を行い、サーバから上記のようなプログラムやアプリケーションをダウンロードして内蔵ストレージ1004に記憶させる。
【0057】
CPU1003は、中央演算処理装置(Central Processing Unit)であり、内蔵ストレージ1004に記憶されたプログラム、アプリケーションなどをRAM1005にコピーし、コピーしたプログラム、アプリケーションなどに含まれる命令をRAM1005から順次読み出して実行する。
【0058】
[1-3.復調方法]
本実施の形態に係る復調装置1を用いた復調方法について、図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は、それぞれ、本実施の形態に係る復調装置1を用いた第1の信号及び第2の信号の復調方法の流れを示すフローチャートである。
【0059】
まず、第1の信号の復調方法について、図5を用いて説明する。
【0060】
図5に示されるように、第1の信号を、第1のADC部11によってAD変換する(第1のAD変換ステップS11)。
【0061】
続いて、第1の時間軸処理部12によって、AD変換された第1の信号(つまり、第1のADC部11の出力信号)の時間軸処理を行う(第1の時間軸処理ステップS12)。第1の時間軸処理ステップS12において、第1の時間軸処理部12は、時間軸処理として、AD変換された第1の信号に含まれるOFDMシンボルの同期を行う。第1の信号がIF信号である場合には、第1の時間軸処理ステップS12において、IF信号をベースバンド信号に変換してもよい。
【0062】
続いて、第1のFFT部13は、高速フーリエ変換を行う(第1の変換ステップS13)。本実施の形態では、第1のFFT部13は、第1の時間軸処理部12の出力信号に対して高速フーリエ変換を行い、周波数領域の信号に変換する。
【0063】
続いて、第1の特性推定部14は、第1の伝送路特性を推定する(第1の特性推定ステップS14)。
【0064】
続いて、第1の等化部15は、第1の特性推定部14によって推定された第1の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う(第1の等化ステップS15)。
【0065】
続いて、第1のFEC部16は、誤り訂正を行う(第1のFECステップS16)。本実施の形態では、第1のFECステップS16において、第1のFEC部16は、第1の等化部15の出力信号に対して、周波数デインターリーブ処理、又は時間デインターリーブ処理と、誤り訂正処理とを行う。さらに、第1のFECステップS16において、第1のFEC部16は、第1の等化部15の出力信号に対して復号処理を行うことで、第1のTSパケットを出力する。
【0066】
また、第1の等化ステップS15及び第1のFECステップS16と並行して(つまり、第1の復調部10が第1の信号を復調している間に)、第1の特性推定部14は、出力信号を第2の復調部20の選択部27へ出力し、第2の復調部20において、第1の特性推定部14の出力信号を処理する。
【0067】
第1の特性推定部14の出力信号の第2の復調部20での処理について説明する。まず、復調装置1は、どのモードで動作しているのかを判断する(モード判断ステップS30)。具体的には、制御部2から復調装置1に入力される制御信号に基づいて、モードを判断する。
【0068】
復調装置1が第1のモードで動作している場合(モード判断ステップS30で第1のモード)には、選択部27は、第2のFFT部23へ出力する信号として、第2の時間軸処理部22の出力信号、及び、第1の特性推定部14の出力信号のうち、第1の特性推定部14の出力信号を選択する(第1のモードにおける選択ステップS31)。より具体的には、選択部27は、第1の特性推定部14の出力信号に含まれる、所定のOFDMシンボルにおける複数のサブキャリアの伝送路推定値を第2のFFT部23へ出力する。
【0069】
続いて、第2のFFT部23は、第1の特性推定部14の出力信号に対して逆高速フーリエ変換を行う(第1のモードにおける第2の変換ステップS32)。これにより算出される遅延プロファイルを第2のFFT部23は出力する。
【0070】
復調装置1が第2のモードで動作している場合(モード判断ステップS30で第2のモード)には、選択部27は、第2のFFT部23へ出力する信号として、第2の時間軸処理部22の出力信号、及び、第1の特性推定部14の出力信号のうち、第1の特性推定部14の出力信号を選択する(第2のモードにおける選択ステップS41)。より具体的には、選択部27は、第1の特性推定部14の出力信号に含まれる、所定のサブキャリアにおける複数のOFDMシンボルの伝送路推定値を第2のFFT部23へ出力する。
【0071】
続いて、第2のFFT部23は、第1の特性推定部14の出力信号に対して高速フーリエ変換を行う(第2のモードにおける第2の変換ステップS42)。これにより算出されるドップラープロファイルを第2のFFT部23は出力する。
【0072】
復調装置1が第3のモードで動作している場合(モード判断ステップS30で第3のモード)、第1の特性推定部14の出力信号に対する第2の復調部20での処理を終了する。
【0073】
次に、第2の信号の復調方法について、図6を用いて説明する。
【0074】
図6に示されるように、最初に、復調装置1がどのモードで動作しているのかを判断する(モード判断ステップS30)。具体的には、制御部2から復調装置1に入力される制御信号に基づいて、モードを判断する。
【0075】
復調装置1が第3のモード以外のモードで動作している場合(モード判断ステップS30で第3のモード以外)には、復調装置1は、第2の信号に対する第2の復調部20での処理を終了する。
【0076】
復調装置1が第3のモードで動作している場合(モード判断ステップS30で第3のモード)には、第2の信号を、第2のADC部21によってAD変換する(第2のAD変換ステップS21)。
【0077】
続いて、第2の時間軸処理部22によって、AD変換された第2の信号(つまり、第2のADC部21の出力信号)の時間軸処理を行う(第2の時間軸処理ステップS22)。第2の時間軸処理ステップS22において、第2の時間軸処理部22は、時間軸処理として、AD変換された第2の信号に含まれるOFDMシンボルの同期を行う。第2の信号がIF信号である場合には、第2の時間軸処理ステップS22において、IF信号をベースバンド信号に変換してもよい。
【0078】
続いて、選択部27は、第2のFFT部23へ出力する信号として、第2の時間軸処理部22の出力信号、及び、第1の特性推定部14の出力信号のうち、第2の時間軸処理部22の出力信号を選択する(第3のモードにおける選択ステップS51)。
【0079】
続いて、第2のFFT部23は、高速フーリエ変換を行う(第3のモードにおける第2の変換ステップS23)。本実施の形態では、第2のFFT部23は、第2の時間軸処理部22の出力信号に対して高速フーリエ変換を行い、周波数領域の信号に変換する。
【0080】
続いて、第2の特性推定部24は、第2の伝送路特性を推定する(第2の特性推定ステップS24)。
【0081】
続いて、第2の等化部25は、第2の特性推定部24によって推定された第2の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う(第2の等化ステップS25)。
【0082】
続いて、第2のFEC部26は、誤り訂正を行う(第2のFECステップS26)。本実施の形態では、第2のFECステップS26において、第2のFEC部26は、第2の等化部25の出力信号に対して、周波数デインターリーブ処理、又は時間デインターリーブ処理と、誤り訂正処理とを行う。さらに、第2のFECステップS26において、第2のFEC部26は、第2の等化部25の出力信号に対して復号処理を行うことで、第2のTSパケットを出力する。
【0083】
以上のように、本実施の形態に係る復調装置1の復調方法では、第1のモードにおいて、第1の復調部10で第1の信号を復調している間に、第2の復調部20で第1の信号の遅延プロファイルを算出できる。また、第2のモードにおいて、第1の復調部10で第1の信号を復調している間に、第2の復調部20で第1の信号のドップラープロファイルを算出できる。また、第3のモードにおいて、第1の復調部10で第1の信号を復調している間に、第2の復調部20で第2の信号を復調できる。
【0084】
[1-4.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る復調装置1は、OFDM方式で変調された第1の信号を復調する。復調装置1は、第1の復調部10と、第2の復調部20とを備える。第1の復調部10は、AD変換を行う第1のADC部11と、OFDMシンボルの同期を行う第1の時間軸処理部12と、高速フーリエ変換を行う第1のFFT部13と、第1の伝送路特性を推定する第1の特性推定部14と、第1の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第1の等化部15と、誤り訂正を行う第1のFEC部16とを有する。第2の復調部20は、AD変換を行う第2のADC部21と、OFDMシンボルの同期を行う第2の時間軸処理部22と、選択的に高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う第2のFFT部23と、第2の伝送路特性を推定する第2の特性推定部24と、第2の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第2の等化部25と、誤り訂正を行う第2のFEC部26とを有し、第2のFFT部23は、第1の特性推定部14の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行い、第2の時間軸処理部22の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換を行う。
【0085】
このように、第2のFFT部23によって、第1の伝送路特性に対して逆高速フーリエ変換を行うことで、第1の伝送路の遅延プロファイルを算出できる。また、第2のFFT部23によって、第1の伝送路特性に対して高速フーリエ変換を行うことで、第1の伝送路のドップラープロファイルを算出できる。さらに、本実施の形態に係る復調装置1の回路規模は、従来のテレビジョン受像機などにおいて広く用いられている二つの復調部を備える構成と同程度に抑えられる。つまり、本実施の形態に係る復調装置1によれば、回路規模の増大を抑制しつつ、伝送路のプロファイルを算出できる。
【0086】
また、復調装置1で、第1の信号及び第2の信号をそれぞれ復調することで、例えば、二つのチャンネルの番組の同時視聴が可能となる。
【0087】
本実施の形態に係る復調装置1において、第2のFFT部23は、第1の復調部10が第1の信号を復調している間に、第1の特性推定部14の出力信号に対して高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行ってもよい。
【0088】
これにより、例えば、復調装置1をテレビジョン受像機などに適用した場合、第1の復調部10で第1の信号を復調して、第1の信号に基づく画像及び音声を再生しながら、第2のFFT部23において、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行うことができる。したがって、第1の信号に基づく画像及び音声を再生しながら、第1の伝送路のプロファイルを算出できる。
【0089】
本実施の形態に係る復調装置1において、第2のFFT部23は、第1の特性推定部14の出力信号に対して逆高速フーリエ変換を行うことで、第1の信号の遅延プロファイルを算出してもよい。
【0090】
これにより、遅延プロファイルを用いて、第1の伝送路における水蒸気量などを推定することができる。したがって、第1の伝送路における降雨を予測できる。
【0091】
本実施の形態に係る復調装置1において、第2のFFT部23は、第1の特性推定部の出力信号に対して高速フーリエ変換を行うことで、第1の信号のドップラープロファイルを算出してもよい。
【0092】
これにより、ドップラープロファイルを用いて、第1の伝送路における電波の反射体の移動速度を推定できる。
【0093】
本実施の形態に係る復調装置1において、第2の復調部20は、選択部27を有し、選択部27は、第1の特性推定部14の出力信号、及び、第2の時間軸処理部22の出力信号が入力され、選択部27の動作を制御する制御信号に基づいて、第1の特性推定部14の出力信号、及び、第2の時間軸処理部22の出力信号の一方を、第2のFFT部23へ選択的に出力してもよい。
【0094】
これにより、第2のFFT部23に入力される信号を復調装置1のモードに合わせて適切に選択できる。
【0095】
本実施の形態に係る復調装置1を用いた復調方法は、OFDM方式で変調された第1の信号を復調する復調装置1を用いた復調方法である。復調装置1は、第1の復調部10と、第2の復調部20とを備える。第1の復調部10は、AD変換を行う第1のADC部11と、OFDMシンボルの同期を行う第1の時間軸処理部12と、高速フーリエ変換を行う第1のFFT部13と、第1の伝送路特性を推定する第1の特性推定部14と、第1の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第1の等化部15と、誤り訂正を行う第1のFEC部16とを有する。第2の復調部20は、AD変換を行う第2のADC部21と、OFDMシンボルの同期を行う第2の時間軸処理部22と、選択的に高速フーリエ変換、又は、逆高速フーリエ変換を行う第2のFFT部23と、第2の伝送路特性を推定する第2の特性推定部24と、第2の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第2の等化部25と、誤り訂正を行う第2のFEC部26とを有する。復調装置1を用いた復調方法は、第1のFFT部13が、第1の時間軸処理部12の出力信号に対して高速フーリエ変換を行う第1の変換ステップ(S13)と、第2のFFT部23が、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う第2の変換ステップ(S23、S32、及びS42)とを含み、第2の変換ステップにおいて、第2のFFT部23に第1の特性推定部14の出力信号が入力される場合には、第2のFFT部23は、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行い、かつ、第2のFFT部23に第2の時間軸処理部22の出力信号が入力される場合には、第2のFFT部23は、高速フーリエ変換を行う。
【0096】
これにより、本実施の形態に係る復調装置1と同様の効果が奏される。
【0097】
本実施の形態に係る復調装置1を用いた復調方法において、復調装置1は、第1のモードと、第2のモードとを有し、第1のモードにおいて、第2の変換ステップは、第1の特性推定部14の出力信号に対して逆高速フーリエ変換を行うことで遅延プロファイルを算出し、第2のモードにおいて、第2の変換ステップは、第1の特性推定部14の出力信号に対して高速フーリエ変換を行うことでドップラープロファイルを算出してもよい。
【0098】
これにより、遅延プロファイル、及びドップラープロファイルの両方を選択的に算出することができる。
【0099】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る復調装置、及び復調方法について説明する。本実施の形態に係る復調装置、及び復調方法は、第1の伝送路のプロファイルを積算する点において、実施の形態1に係る復調装置、及び復調方法と相違する。以下、本実施の形態に係る復調装置、及び復調方法について、実施の形態1に係る復調装置1、及び復調方法との相違点を中心に説明する。
【0100】
[2-1.復調装置の機能構成]
本実施の形態に係る復調装置の機能構成について、図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態に係る復調装置101の機能構成を示すブロック図である。なお、図7には、図1と同様に制御部2も併せて示されている。
【0101】
図7に示されるように、本実施の形態に係る復調装置101は、第1の復調部10と、第2の復調部120とを備える。
【0102】
本実施の形態に係る第2の復調部120は、積算部128を有する点において、実施の形態1に係る第2の復調部20と相違し、その他の点において一致する。
【0103】
積算部128は、第2のFFT部23が算出する第1の伝送路のプロファイルをOFDMシンボル毎に積算する処理部である。本実施の形態では、積算部128は、第1のモードにおいて、遅延プロファイルを積算し、第2のモードにおいて、ドップラープロファイルを積算する。積算部128は、各プロファイルを積算し、平均値を算出してもよい。積算部128は、積算した各プロファイルを出力する。
【0104】
このように積算部128によって、各プロファイルを積算することにより、各プロファイルに含まれる誤差の影響を低減できるため、より精度の高いプロファイルを算出できる。
【0105】
なお、積算部128において積算を行うためにメモリが必要となるが、積算を行うためのメモリとして、第2の特性推定部24、及び第2のFEC部26で使用するメモリの一部を利用できる。このため、積算部128を追加することに伴う回路規模の増大を抑制できる。
【0106】
[2-2.復調方法]
本実施の形態に係る復調装置101を用いた第1の信号の復調方法について、図8を用いて説明する。図8は、本実施の形態に係る復調装置101を用いた第1の信号の復調方法の流れを示すフローチャートである。なお、本実施の形態に係る復調装置101を用いた第2の信号の復調方法は、実施の形態1に係る復調装置1を用いた第2の信号の復調方法と同様であるため、説明を省略する。
【0107】
図8に示されるように、本実施の形態に係る復調装置101を用いた第1の信号の復調方法は、実施の形態1に係る復調装置1を用いた第1の信号の復調方法と同様に、第1のAD変換ステップS11から、第1のFECステップS16までの各ステップ、モード判断ステップS30から第1のモードにおける第2の変換ステップS32までの各ステップ、及び、第2のモードにおける選択ステップS41から第2のモードにおける第2の変換ステップS42までの各ステップを含む。
【0108】
本実施の形態に係る復調装置101を用いた復調方法では、第1のモードにおける第2の変換ステップS32に続いて、積算部128は、第1の信号の遅延プロファイルを積算する(第1のモードにおける積算ステップS33)。これにより算出される遅延プロファイルの積算値を積算部128は出力する。
【0109】
また、本実施の形態に係る復調装置101を用いた復調方法では、第2のモードにおける第2の変換ステップS42に続いて、積算部128は、第1の信号のドップラープロファイルを積算する(第2のモードにおける積算ステップS43)。これにより算出されるドップラープロファイルの積算値を積算部128は出力する。
【0110】
以上のように、本実施の形態では、各積算ステップによって各プロファイルを積算することにより、各プロファイルに含まれる誤差の影響を低減できるため、より精度の高いプロファイルを算出できる。なお、積算部128は、各プロファイルの積算値として、各プロファイルの平均値を算出及び出力してもよい。
【0111】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の態様に係る復調装置などについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本開示の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本開示の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本開示に含まれる。
【0112】
例えば、上記実施の形態では、復調装置は、二つの復調部を備えたが、三つ以上の復調部を備えてもよい。復調装置が、三つ以上の復調部を備える場合には、三つ以上の復調部のうちの一つが、上記実施の形態に係る第1の復調部10と同様の構成を有し、三つ以上の復調部のうち、他の一つが、上記実施の形態に係る第2の復調部20又は120と同様の構成を有してもよい。
【0113】
また、上記実施の形態に係る第1の信号及び第2の信号を含む電波は、ISDB-Tの電波であってもよいし、OFDMを用いる方式であれば、他の方式の電波であってもよい。例えば、第1の信号及び第2の信号を含む電波は、DVB-T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)、DVB-T2、ATSC(Advanced Television Systems Committee)3.0などであってもよいし、現在仕様検討がなされている次世代の地上高度化方式であってもよい。
【0114】
また、上記実施の形態では、制御部2は、復調装置に含まれないが、制御部2は、復調装置に含まれてもよい。
【0115】
また、上記の実施の形態では、復調装置は、第1のモード及び第2のモードの両方を有したが、第1のモード及び第2のモードの一方のみを有してもよい。つまり、復調装置1は、遅延プロファイル及びドップラープロファイルの一方のみを出力してもよい。
【0116】
また、第2の信号の復調方法において、モード判断ステップS30は最初に実行されたが、第2の信号の復調方法の態様はこれに限定されない。モード判断ステップS30は、選択ステップS51より前に実行されればよい。つまり、モード判断ステップS30は、第2のAD変換ステップS21を行った後、又は、第2のAD変換ステップS21及び第2の時間軸処理ステップS22を行った後に実行されてもよい。
【0117】
また、復調装置のモードは、制御部2からの制御信号に基づいて変化しなくてもよい。例えば、復調装置のモードは、いずれか一つのモードに固定されていてもよいし、ユーザが入力する入力信号に基づいて決定されてもよいし、時刻に応じて自動的に変化するように設定されていてもよい。
【0118】
また、例えば、復調装置をIC(Integrated Circuit)で実現する場合には、電子的にプログラム可能な電子ヒューズ(e-Fuse)などを用いて、モードが固定されてもよい。復調装置を第1のモード及び第2のモードで固定する場合には、第2の信号の入力が遮断されていてもよい。
【0119】
また、復調装置1が第1のモード又は第2のモードで動作する場合には、第2のADC部21、第2の時間軸処理部22、第2の特性推定部24、第2の等化部25、及び第2のFEC部26の少なくとも一つの動作を停止させてもよい。
【0120】
また、以下に示す形態も、本開示の1つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0121】
(1)上記の復調装置を構成する構成要素の一部は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムであってもよい。前記RAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0122】
(2)上記の復調装置を構成する構成要素の一部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0123】
(3)上記の復調装置を構成する構成要素の一部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカード又は前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカード又は前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカード又は前記モジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0124】
(4)また、上記の復調装置を構成する構成要素の一部は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータで読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0125】
また、上記の復調装置を構成する構成要素の一部は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0126】
(5)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0127】
(6)また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0128】
(7)また、前記プログラム又は前記デジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、又は前記プログラム又は前記デジタル信号を、前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0129】
(8)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせてもよい。
【0130】
(付記)
また、以上の記載により、下記の技術が開示される。
【0131】
(技術1)OFDM方式で変調された第1の信号を復調する復調装置であって、第1の復調部と、第2の復調部とを備え、前記第1の復調部は、AD変換を行う第1のADC部と、OFDMシンボルの同期を行う第1の時間軸処理部と、高速フーリエ変換を行う第1のFFT部と、第1の伝送路特性を推定する第1の特性推定部と、前記第1の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第1の等化部と、誤り訂正を行う第1のFEC部とを有し、前記第2の復調部は、AD変換を行う第2のADC部と、OFDMシンボルの同期を行う第2の時間軸処理部と、選択的に高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う第2のFFT部と、第2の伝送路特性を推定する第2の特性推定部と、前記第2の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第2の等化部と、誤り訂正を行う第2のFEC部とを有し、前記第2のFFT部は、前記第1の特性推定部の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行い、前記第2の時間軸処理部の出力信号が入力される場合には、高速フーリエ変換を行う復調装置。
【0132】
(技術2)前記第2のFFT部は、前記第1の復調部が前記第1の信号を復調している間に、前記第1の特性推定部の出力信号に対して高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う技術1に記載の復調装置。
【0133】
(技術3)前記第2のFFT部は、前記第1の特性推定部の出力信号に対して逆高速フーリエ変換を行うことで、前記第1の信号の遅延プロファイルを算出する技術1又は2に記載の復調装置。
【0134】
(技術4)前記第2のFFT部は、前記第1の特性推定部の出力信号に対して高速フーリエ変換を行うことで、前記第1の信号のドップラープロファイルを算出する技術1又は2に記載の復調装置。
【0135】
(技術5)前記第2の復調部は、選択部を有し、前記選択部は、前記第1の特性推定部の出力信号、及び、前記第2の時間軸処理部の出力信号が入力され、前記選択部の動作を制御する制御信号に基づいて、前記第1の特性推定部の出力信号、及び、前記第2の時間軸処理部の出力信号の一方を、前記第2のFFT部へ選択的に出力する技術1~4のいずれか1つに記載の復調装置。
【0136】
(技術6)前記第2の復調部は、積算部を有し、前記積算部は、前記遅延プロファイルをOFDMシンボル毎に積算する技術3に記載の復調装置。
【0137】
(技術7)OFDM方式で変調された第1の信号を復調する復調装置を用いた復調方法であって、前記復調装置は、第1の復調部と、第2の復調部とを備え、前記第1の復調部は、AD変換を行う第1のADC部と、OFDMシンボルの同期を行う第1の時間軸処理部と、高速フーリエ変換を行う第1のFFT部と、第1の伝送路特性を推定する第1の特性推定部と、前記第1の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第1の等化部と、誤り訂正を行う第1のFEC部とを有し、前記第2の復調部は、AD変換を行う第2のADC部と、OFDMシンボルの同期を行う第2の時間軸処理部と、選択的に高速フーリエ変換、又は、逆高速フーリエ変換を行う第2のFFT部と、第2の伝送路特性を推定する第2の特性推定部と、前記第2の伝送路特性に基づいて、振幅位相歪の補正を行う第2の等化部と、誤り訂正を行う第2のFEC部とを有し、前記復調方法は、前記第1のFFT部が、前記第1の時間軸処理部の出力信号に対して高速フーリエ変換を行う第1の変換ステップと、前記第2のFFT部が、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行う第2の変換ステップとを含み、前記第2の変換ステップにおいて、前記第2のFFT部に前記第1の特性推定部の出力信号が入力される場合には、前記第2のFFT部は、高速フーリエ変換、又は逆高速フーリエ変換を行い、かつ、前記第2のFFT部に前記第2の時間軸処理部の出力信号が入力される場合には、前記第2のFFT部は、高速フーリエ変換を行う復調方法。
【0138】
(技術8)前記復調装置は、第1のモードと、第2のモードとを有し、前記第1のモードにおいて、前記第2の変換ステップは、前記第1の特性推定部の出力信号に対して逆高速フーリエ変換を行うことで遅延プロファイルを算出し、前記第2のモードにおいて、前記第2の変換ステップは、前記第1の特性推定部の出力信号に対して高速フーリエ変換を行うことでドップラープロファイルを算出する技術7に記載の復調方法。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本開示の復調装置などは、例えば、デジタル放送の放送信号を受信する受信装置などに利用できる。
【符号の説明】
【0140】
1、101 復調装置
2 制御部
10 第1の復調部
11 第1のADC部
12 第1の時間軸処理部
13 第1のFFT部
14 第1の特性推定部
15 第1の等化部
16 第1のFEC部
20、120 第2の復調部
21 第2のADC部
22 第2の時間軸処理部
23 第2のFFT部
24 第2の特性推定部
25 第2の等化部
26 第2のFEC部
27 選択部
128 積算部
1000 コンピュータ
1001 入力装置
1002 出力装置
1003 CPU
1004 内蔵ストレージ
1005 RAM
1007 読取装置
1008 送受信装置
1009 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8