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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094726
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】燃料電池の単セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0273 20160101AFI20240703BHJP
   H01M 8/1004 20160101ALI20240703BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20240703BHJP
【FI】
H01M8/0273
H01M8/1004
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211460
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山浦 訓寛
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA02
5H126AA15
5H126BB06
5H126DD05
5H126DD14
5H126EE03
5H126EE11
5H126GG18
5H126JJ09
(57)【要約】
【課題】膜電極ガス拡散層接合体の熱変形に対する追従性の向上と剛性の確保とを両立することができる燃料電池の単セルを提供する。
【解決手段】燃料電池の単セルは、MEA11及びMEAを挟む一対のGDL12,13を含むMEGA10と、MEGAの外周縁11aに対して第1方向Xにおいて接着剤を介して接合される内周縁21aを有する枠部材20とを備えている。また、燃料電池の単セルは、カソード側セパレータ30と、アノード側セパレータ40とを備えている。カソード側セパレータは、枠部材の一方の面20aに重ねられている。アノード側セパレータは、枠部材の他方の面20bに重ねられている。枠部材は、カソード側セパレータとアノード側セパレータとにより挟持される枠部材本体25と、枠部材本体の内周面26cから内周側に突出して内周縁を形成する軟質部27とを有している。軟質部は、枠部材本体よりも軟質な材料により形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜電極接合体及び前記膜電極接合体を挟む一対のガス拡散層を含む膜電極ガス拡散層接合体と、
前記膜電極ガス拡散層接合体の外周縁に対して前記膜電極ガス拡散層接合体の厚み方向において接着剤を介して接合される内周縁を有する枠部材と、
前記枠部材の一方の面に重ねられるとともに、前記膜電極ガス拡散層接合体のカソード側の面を覆うカソード側セパレータと、
前記枠部材の他方の面に重ねられるとともに、前記膜電極ガス拡散層接合体のアノード側の面を覆うアノード側セパレータと、を備える燃料電池の単セルであって、
前記枠部材は、
前記カソード側セパレータと前記アノード側セパレータとにより挟持される枠部材本体と、
前記枠部材本体の内周面から内周側に突出して前記内周縁を形成するとともに、前記枠部材本体よりも軟質な材料により形成された軟質部と、を有する、
燃料電池の単セル。
【請求項2】
前記枠部材本体の前記内周面は、前記膜電極ガス拡散層接合体の前記外周縁よりも外周側に位置している、
請求項1に記載の燃料電池の単セル。
【請求項3】
前記軟質部は、前記枠部材本体の全周にわたって設けられている、
請求項1に記載の燃料電池の単セル。
【請求項4】
前記枠部材本体は、熱可塑性樹脂製であり、
前記軟質部は、熱可塑性樹脂製であり、
前記枠部材本体及び前記軟質部は、二色成形により一体に形成されている、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池の単セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の単セルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池の単セルが記載されている。
特許文献1に記載の単セルは、枠状のシール用接着積層体と、シール用接着積層体の開口を覆う膜電極接合体と、シール用接着積層体を挟むアノード側セパレータ及びカソード側セパレータとを備える。シール用接着積層体の内周縁と膜電極接合体の外周縁とは、接着剤によって接着されている。シール用接着積層体は、樹脂製のコア層と、コア層を挟むとともにコア層よりも軟質な一対の樹脂製の接着層とを有している。アノード側セパレータは、コア層の一方の面に設けられた接着層に接着されている。カソード側セパレータは、コア層の他方の面に設けられた接着層に接着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-140880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした単セルにおいては、膜電極接合体が、発電時に自身の発熱により膨張する一方、発電停止時に冷却されることで収縮する。こうした熱変形が繰り返されることで膜電極接合体が接着層から剥離するおそれがある。
【0005】
特許文献1に記載の単セルの場合、シール用接着積層体が軟質な接着層を有しているとはいえ、接着層同士の間に硬質のコア層が設けられている。このため、膜電極接合体が厚み方向に膨張することに追従して接着層が弾性変形することがコア層によって阻害されやすい。したがって、膜電極接合体の熱変形に対するシール用接着積層体の形状追従性において改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための燃料電池の単セルは、膜電極接合体及び前記膜電極接合体を挟む一対のガス拡散層を含む膜電極ガス拡散層接合体と、前記膜電極ガス拡散層接合体の外周縁に対して前記膜電極ガス拡散層接合体の厚み方向において接着剤を介して接合される内周縁を有する枠部材と、前記枠部材の一方の面に重ねられるとともに、前記膜電極ガス拡散層接合体のカソード側の面を覆うカソード側セパレータと、前記枠部材の他方の面に重ねられるとともに、前記膜電極ガス拡散層接合体のアノード側の面を覆うアノード側セパレータと、を備える燃料電池の単セルであって、前記枠部材は、前記カソード側セパレータと前記アノード側セパレータとにより挟持される枠部材本体と、前記枠部材本体の内周面から内周側に突出して前記内周縁を形成するとともに、前記枠部材本体よりも軟質な材料により形成された軟質部と、を有する。
【0007】
同構成によれば、軟質部が、枠部材本体の内周面から内周側に突出して上記内周縁を形成しているので、膜電極ガス拡散層積層体の厚み方向への熱変形に追従して軟質部が弾性変形しやすくなる。したがって、膜電極ガス拡散層接合体の熱変形に対する枠部材の形状追従性を高めることができる。
【0008】
また、上記構成によれば、枠部材のうち2つのセパレータにより挟持される枠部材本体は、軟質部よりも硬質な材料により形成されている。このため、枠部材全体を軟質な材料により形成することにより2つのセパレータにより挟持される部分の剛性が不足することを抑制できる。
【0009】
したがって、膜電極ガス拡散層接合体の熱変形に対する追従性の向上と剛性の確保とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る燃料電池の単セルの分解斜視図である。
図2図2は、図1の枠部材の平面図である。
図3図3は、図1の3-3線に沿った断面図である。
図4図4は、変更例の枠部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図3を参照して、燃料電池の単セルの一実施形態について説明する。
なお、各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示しているため、各構成の寸法比率が実際とは異なる場合がある。
【0012】
図1に示すように、単セルは、膜電極ガス拡散層接合体10(Membrane Electrode and Gas diffusion Layer Assembly、以下、MEGA10)と、MEGA10を囲む枠部材20とを備えている。また、単セルは、MEGA10及び枠部材20を挟持するカソード側セパレータ30及びアノード側セパレータ40を備えている。単セルは、全体として長方形板状である。
【0013】
なお、以降では、カソード側セパレータ30、MEGA10及び枠部材20、アノード側セパレータ40の積層方向、すなわちMEGA10の厚み方向を第1方向Xとして説明する。
【0014】
また、単セルの長辺の延在方向及び短辺の延在方向を、それぞれ第2方向Y及び第3方向Zとして説明する。
<MEGA10>
図1及び図3に示すように、MEGA10は、膜電極接合体11(Membrane Electrode Assembly、以下、MEA11)と、MEA11を挟む一対のガス拡散層12,13(Gas diffusion Layer、以下、GDL12,13)とを有している。
【0015】
MEA11は、固体高分子電解質膜(以下、電解質膜)を有している。また、MEA11は、電解質膜の第1方向Xの一方(図1及び図3の上側)の面に接合されたカソード電極と、電解質膜の第1方向Xの他方(図1及び図3の下側)の面に接合されたアノード電極(いずれも図示略)とを有している。
【0016】
MEA11の第1方向Xの一方(図1及び図3の上側)の面の全体には、GDL12が接合されている。MEA11の第1方向Xの他方(図1及び図3の下側)の面には、GDL13が接合されている。MEA11の第1方向Xの他方(図1及び図3の下側)の面のうちMEA11の外周縁11aの部分は、外周縁11aの全周にわたってGDL13から露出している。
【0017】
<枠部材20>
図1及び図2に示すように、枠部材20は、長方形枠状であり、中央に平面視長方形状の開口部21を有している。開口部21は、MEGA10によって覆われている。開口部21の周縁には、MEGA10の外周縁11aに対して第1方向Xにおいて接着剤を介して接合される内周縁21aが設けられている。
【0018】
図1図3に示すように、枠部材20は、枠部材本体25と、軟質部27とを有している。
図1及び図3に示すように、枠部材本体25は、カソード側セパレータ30が重ねられる第1方向Xの一方の面20aと、一方の面20aとは反対側の面であって、アノード側セパレータ40が重ねられる第1方向Xの他方の面20bとを有している。枠部材本体25は、カソード側セパレータ30とアノード側セパレータ40とにより挟持されている。枠部材本体25は、例えばカソード側セパレータ30及びアノード側セパレータ40と接着剤を介して接着されている。枠部材本体25は、熱可塑性樹脂製である。熱可塑性樹脂は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)である。
【0019】
図1及び図2に示すように、枠部材本体25は、燃料ガス、冷却媒体、及び酸化剤ガスを単セル内にそれぞれ導入するための導入孔221,222,223を有している。また、枠部材本体25は、単セル内の燃料ガス、冷却媒体、及び酸化剤ガスをそれぞれ外部へ導出するための排出孔231,232,233を有している。導入孔221,222,223及び排出孔231,232,233は、枠部材本体25を第1方向Xに貫通している。導入孔221及び排出孔232,233は、第2方向Yにおける枠部材本体25の一側(図1及び図2の左右方向における左側)に設けられている。導入孔221及び排出孔232,233は、第3方向Zにおいて互いに間隔をあけて順に並んでいる。排出孔231及び導入孔222,223は、第2方向Yにおける枠部材本体25の他側(図1及び図2の右側)に設けられている。排出孔231及び導入孔222,223は、第3方向Zにおいて互いに間隔をあけて順に並んでいる。
【0020】
図2及び図3に示すように、軟質部27は、枠部材本体25の内周面26cから内周側に突出して内周縁21aを形成するとともに、枠部材本体25よりも軟質な材料により形成されている。
【0021】
図3に示すように、枠部材本体25の内周縁25aには、段差部26が設けられている。段差部26の第1方向Xの一方の面26aは、枠部材本体25の一方の面20aよりも他方の面20b側に位置している。段差部26の第1方向Xの他方の面26bは、枠部材本体25の他方の面20bと面一である。段差部26は、枠部材本体25の内周縁25aの全周にわたって設けられている(図2参照)。段差部26の内周面26cは、MEGA10の外周縁11aよりも外周側に位置している。なお、段差部26の内周面26cが、本発明における内周面である。
【0022】
本実施形態では、軟質部27は、段差部26の内周面26cから内周側に突出している。軟質部27は、内周縁21aの第1方向Xの全体にわたって設けられている。軟質部27は、枠部材本体25の内周縁25aの全周にわたって設けられている。軟質部27の第1方向Xの一方(図3の上側)の面は、接着剤を介してMEA11の第1方向Xの他方(図3の下側)の面と接着されている。軟質部27は、熱可塑性樹脂製であることが好ましい。熱可塑性樹脂は、例えばポリプロピレン(PP)である。
【0023】
枠部材本体25及び軟質部27は、二色成形により一体に形成されている。
枠部材本体25の内周縁25aとMEA11及びGDL12との間には、隙間S1が設けられている。軟質部27とGDL13との間には、隙間S2が設けられている。
【0024】
<カソード側セパレータ30>
図1に示すように、カソード側セパレータ30は、枠部材20の一方の面20aに重ねられるとともに、MEGA10のカソード側の面10aを覆っている。カソード側セパレータ30は、ステンレス鋼などの金属製の基材と、基材の表面を覆う導電層とを有している。
【0025】
カソード側セパレータ30は、導入孔221,222,223,及び排出孔231,232,233とそれぞれ接続されている導入孔321,322,323,及び排出孔331,332,333を有している。
【0026】
カソード側セパレータ30は、枠部材20及びMEGA10と重なる第1面30aと、第1面30aとは反対側の面である第2面30bとを有している。
カソード側セパレータ30は、酸化剤ガスが流通する複数の溝流路34と、冷却媒体が流通する複数の溝流路35とを有している。溝流路34は、第1面30aに設けられている。溝流路35は、第2面30bに設けられている。
【0027】
なお、図1には、カソード側セパレータ30において、複数の溝流路34が形成された部分の外縁と、複数の溝流路35が形成された部分の外縁をそれぞれ簡略化して示している。
【0028】
<アノード側セパレータ40>
図1に示すように、アノード側セパレータ40は、枠部材20の他方の面20bに重ねられるとともに、MEGA10のアノード側の面10bを覆っている。アノード側セパレータ40は、ステンレス鋼などの金属製の基材と、基材の表面を覆う導電層とを有している。
【0029】
アノード側セパレータ40は、導入孔221,222,223,及び排出孔231,232,233とそれぞれ接続されている導入孔421,422,423,及び排出孔431,432,433を有している。
【0030】
アノード側セパレータ40は、枠部材20及びMEGA10と重なる第1面40aと、第1面40aとは反対側の面である第2面40bとを有している。
アノード側セパレータ40は、燃料ガスが流通する複数の溝流路44と、冷却媒体が流通する複数の溝流路45とを有している。溝流路44は、第1面40aに設けられている。溝流路45は、第2面40bに設けられている。
【0031】
なお、図1には、アノード側セパレータ40において、複数の溝流路44が形成された部分の外縁と、複数の溝流路45が形成された部分の外縁をそれぞれ簡略化して示している。
【0032】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図3に示すように、軟質部27が、枠部材本体25の内周面26cから内周側に突出して内周縁21aを形成しているので、MEGA10の第1方向Xへの熱変形に追従して軟質部27が弾性変形しやすくなる。また、軟質部27が内周縁21aを形成しているので、MEGA10の第2方向Y及び第3方向Zへの熱変形に追従して軟質部27が弾性変形しやすくなる。したがって、MEGA10の熱変形に対する枠部材20の形状追従性を高めることができる。
【0033】
また、上記構成によれば、枠部材20のうち2つのセパレータ30,40により挟持される枠部材本体25は、軟質部27よりも硬質な材料により形成されている。このため、枠部材20全体を軟質な材料により形成することにより2つのセパレータ30,40により挟持される部分の剛性が不足することを抑制できる。
【0034】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)枠部材20は、カソード側セパレータ30とアノード側セパレータ40とにより挟持される枠部材本体25と、枠部材本体25の内周面26cから内周側に突出して内周縁21aを形成する軟質部27とを有している。軟質部27は、枠部材本体25よりも軟質な材料により形成されている。
【0035】
こうした構成によれば、上記作用を奏することから、MEGA10の熱変形に対する追従性の向上と剛性の確保とを両立することができる。
(2)枠部材本体25の内周面26cは、MEGA10の外周縁11aよりも外周側に位置している。
【0036】
こうした構成によれば、枠部材20のうちMEGA10の外周縁11aが接着される部分が全て軟質部27となる。このため、MEGA10の外周縁11aの位置にかかわらず、MEGA10の熱変形に対する枠部材20の形状追従性を高めることができる。
【0037】
(3)軟質部27は、枠部材本体25の全周にわたって設けられている。
こうした構成によれば、MEGA10の熱変形に対する枠部材20の形状追従性を高めることができるという上記効果(1)を枠部材20の全周にわたって発揮することができる。
【0038】
(4)枠部材本体25及び軟質部27は、二色成形により一体に形成されている。
こうした構成によれば、枠部材本体25と軟質部27とを各別に形成した後、枠部材本体25に対して軟質部27を接着する場合と比べて、枠部材20を容易に形成することができる。
【0039】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0040】
・軟質部27は、ゴム製でもよい。
・本実施形態では、枠部材本体25及び軟質部27が二色成形により一体に形成されるようにしたが、接着剤によって枠部材本体25の内周面26cに軟質部27が接着されてもよい。
【0041】
・本実施形態では、枠部材本体25の全周にわたって軟質部27を設けるようにしたが、これに限らない。例えば、図4に示すように、枠部材本体25の内周面26cのうち、第3方向Zに延びる部分にのみ軟質部27を設けるようにしてもよい。
【0042】
・本実施形態では、枠部材本体25の内周面26cが、MEGA10の外周縁11aよりも外周側に位置するようにしたが、これに限らない。枠部材本体25の内周面26cがMEGA10の外周縁11aよりも内周側に位置するようにしてもよい。
【0043】
<付記>
上記実施形態は、以下の付記に記載する構成を含む。
[付記1]膜電極接合体及び前記膜電極接合体を挟む一対のガス拡散層を含む膜電極ガス拡散層接合体と、前記膜電極ガス拡散層接合体の外周縁に対して前記膜電極ガス拡散層接合体の厚み方向において接着剤を介して接合される内周縁を有する枠部材と、前記枠部材の一方の面に重ねられるとともに、前記膜電極ガス拡散層接合体のカソード側の面を覆うカソード側セパレータと、前記枠部材の他方の面に重ねられるとともに、前記膜電極ガス拡散層接合体のアノード側の面を覆うアノード側セパレータと、を備える燃料電池の単セルであって、前記枠部材は、前記カソード側セパレータと前記アノード側セパレータとにより挟持される枠部材本体と、前記枠部材本体の内周面から内周側に突出して前記内周縁を形成するとともに、前記枠部材本体よりも軟質な材料により形成された軟質部と、を有する、燃料電池の単セル。
【0044】
[付記2]前記枠部材本体の前記内周面は、前記膜電極ガス拡散層接合体の前記外周縁よりも外周側に位置している、[付記1]に記載の燃料電池の単セル。
[付記3]前記軟質部は、前記枠部材本体の全周にわたって設けられている、[付記1]または[付記2]に記載の燃料電池の単セル。
【0045】
[付記4]前記枠部材本体は、熱可塑性樹脂製であり、前記軟質部は、熱可塑性樹脂製であり、前記枠部材本体及び前記軟質部は、二色成形により一体に形成されている、[付記1]~[付記3]のいずれか一つに記載の燃料電池の単セル。
【符号の説明】
【0046】
10…膜電極ガス拡散層接合体
10a…カソード側の面
10b…アノード側の面
11…膜電極接合体
11a…外周縁
12,13…ガス拡散層
20…枠部材
20a…一方の面
20b…他方の面
21…開口部
21a…内周縁
25…枠部材本体
25a…内周縁
26…段差部
26a…一方の面
26b…他方の面
26c…内周面
27…軟質部
30…カソード側セパレータ
30a…第1面
30b…第2面
34…溝流路
35…溝流路
40…アノード側セパレータ
40a…第1面
40b…第2面
44…溝流路
45…溝流路
221…導入孔
222…導入孔
223…導入孔
231…排出孔
232…排出孔
233…排出孔
321…導入孔
322…導入孔
323…導入孔
331…排出孔
332…排出孔
333…排出孔
421…導入孔
422…導入孔
423…導入孔
431…排出孔
432…排出孔
433…排出孔
図1
図2
図3
図4