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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094727
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】燃料電池用セパレータ
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0247 20160101AFI20240703BHJP
   H01M 8/2483 20160101ALI20240703BHJP
   H01M 8/0258 20160101ALI20240703BHJP
   H01M 8/0271 20160101ALI20240703BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20240703BHJP
【FI】
H01M8/0247
H01M8/2483
H01M8/0258
H01M8/0271
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211461
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山浦 訓寛
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA08
5H126AA12
5H126AA13
5H126AA23
5H126BB06
5H126DD04
5H126DD05
5H126EE03
5H126EE11
5H126EE22
(57)【要約】
【課題】反りを抑制できる燃料電池用セパレータを提供する。
【解決手段】セパレータ40は、流体が供給または排出されるとともに第1方向Aに並ぶ複数のマニホールド41と、流体が流れる流路42と、外周縁に沿って延びる外周リブ45とを有している。流路42は、第2方向Bにおいて複数のマニホールド41に隣り合って設けられるとともに第2方向Bにおいて直線状に延びる直線部42aを有している。複数のマニホールド41の周囲には、当該マニホールド41の外周に沿って延びるとともに流体の漏洩を抑制するシールラインSLが設けられている。第2方向Bにおいて複数のマニホールド41を挟んで流路42とは反対側の部分であって、シールラインSLよりも外周側の部分には、第2方向Bに交差する方向に延びる補強リブ46が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が供給または排出されるとともに第1方向に並ぶ複数のマニホールドと、前記流体が流れる流路と、外周縁に沿って延びる外周リブと、を有する燃料電池用セパレータであって、
前記第1方向と前記セパレータの板厚方向との双方に直交する方向を第2方向とするとき、
前記流路は、前記第2方向において前記複数のマニホールドに隣り合って設けられるとともに前記第2方向において直線状に延びる直線部を有しており、
前記複数のマニホールドの周囲には、当該マニホールドの外周に沿って延びるとともに前記流体の漏洩を抑制するシールラインが設けられており、
前記第2方向において前記複数のマニホールドを挟んで前記流路とは反対側の部分であって、前記シールラインよりも外周側の部分には、前記第2方向に交差する方向に延びる補強リブが設けられている、
燃料電池用セパレータ。
【請求項2】
前記補強リブは、前記シールラインと前記外周リブとの間の部分に設けられている、
請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
【請求項3】
前記補強リブの長さ方向における両端は、前記外周リブのうち前記第1方向における両側の部分にそれぞれ連結されている、
請求項2に記載の燃料電池用セパレータ。
【請求項4】
前記補強リブは、前記外周リブのうち前記第1方向に延びる部分に設けられている、
請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
【請求項5】
前記補強リブは、前記第1方向に延びている、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用セパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体を供給または排出する複数のマニホールドと、流体が流れる流路とを有する燃料電池用セパレータが知られている。
特許文献1に記載のセパレータは、平面視において、長辺及び短辺を有する長方形状をなしている。セパレータは、長辺方向において直線状に延びる冷却水流路を有している。冷却水流路は、セパレータの長辺方向における両端部に設けられたマニホールドとしての冷却水供給孔と冷却水排出孔との間に設けられている。
【0003】
セパレータの短辺方向における両端部には、補強リブが設けられている。補強リブは、セパレータの長辺方向、すなわち、冷却水流路が延びる方向に延びている。補強リブによってセパレータの剛性が高められることにより、セパレータの反りが抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-86708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の補強リブは、冷却水流路の延びる方向に延びている。このため、セパレータの短辺方向に直交する断面を視たときの板厚方向におけるセパレータの反りが抑制される。一方、セパレータの長辺方向に直交する断面を視たときの板厚方向におけるセパレータの反りは抑制されにくい。このため、セパレータの反りを抑制する上では、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための燃料電池用セパレータは、流体が供給または排出されるとともに第1方向に並ぶ複数のマニホールドと、前記流体が流れる流路と、外周縁に沿って延びる外周リブと、を有する燃料電池用セパレータであって、前記第1方向と前記セパレータの板厚方向との双方に直交する方向を第2方向とするとき、前記流路は、前記第2方向において前記複数のマニホールドに隣り合って設けられるとともに前記第2方向において直線状に延びる直線部を有しており、前記複数のマニホールドの周囲には、当該マニホールドの外周に沿って延びるとともに前記流体の漏洩を抑制するシールラインが設けられており、前記第2方向において前記複数のマニホールドを挟んで前記流路とは反対側の部分であって、前記シールラインよりも外周側の部分には、前記第2方向に交差する方向に延びる補強リブが設けられている。
【0007】
同構成によれば、流路の直線部が第2方向に延びている。このため、セパレータの第1方向に直交する断面を視たときの板厚方向におけるセパレータの反りが生じにくくなる。また、補強リブが第2方向に交差する方向に延びている。このため、セパレータの第2方向に直交する断面を視たときの板厚方向におけるセパレータの反りが生じにくくなる。したがって、セパレータ全体の反りを抑制できる。
【0008】
また、補強リブは、複数のマニホールドを挟んで流路とは反対側の部分であって、シールラインよりも外周側の部分に設けられている。このため、補強リブは、セパレータのうち流体が流通しない部分に設けられている。したがって、補強リブが流体の流通を阻害することを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態の燃料電池用セパレータが設けられるセルスタックの概略構成を示す断面図である。
図2図2は、図1のセパレータの平面図である。
図3図3は、図2の3-3線に沿った位置における発電セルの断面図である。
図4図4は、第1変更例のセパレータの平面図である。
図5図5は、第2変更例のセパレータが設けられた発電セルの断面図である。
図6図6は、第3変更例のセパレータの平面図である。
図7図7は、第4変更例のセパレータの平面図である。
図8図8は、第5変更例のセパレータが設けられた発電セルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図3を参照して、燃料電池用セパレータの一実施形態について説明する。
(燃料電池)
図1に示すように、燃料電池は、複数の発電セル11が積層されたセルスタック10を備えている。
【0011】
発電セル11は、膜電極ガス拡散層接合体20と、樹脂フレーム30と、2つのセパレータ40とを備えている。膜電極ガス拡散層接合体20は、シート状をなしている。樹脂フレーム30は、膜電極ガス拡散層接合体20の外周部を支持している。2つのセパレータ40は、膜電極ガス拡散層接合体20及び樹脂フレーム30を厚さ方向において挟持している。
【0012】
膜電極ガス拡散層接合体20は、膜電極接合体21と、アノードガス拡散層25と、カソードガス拡散層26とを有している。
膜電極接合体21は、電解質膜22と、アノード電極層23と、カソード電極層24とを有している。電解質膜22は、例えば、固体高分子膜によって形成されている。アノード電極層23及びカソード電極層24は、電解質膜22を厚さ方向において挟持している。
【0013】
アノードガス拡散層25は、アノード電極層23における電解質膜22とは反対側の面を覆っている。カソードガス拡散層26は、カソード電極層24における電解質膜22とは反対側の面を覆っている。アノードガス拡散層25及びカソードガス拡散層26は、例えば、共に炭素繊維によって形成されている。
【0014】
樹脂フレーム30は、膜電極ガス拡散層接合体20の外周部を取り囲む枠状をなしている。樹脂フレーム30は、例えば、合成樹脂材料によって形成されている。
(セパレータ40)
セパレータ40は、アノードセパレータ50及びカソードセパレータ60の総称である。アノードセパレータ50は、アノードガス拡散層25におけるアノード電極層23とは反対側の面に接触している。カソードセパレータ60は、カソードガス拡散層26におけるカソード電極層24とは反対側の面に接触している。
【0015】
図2に示すように、セパレータ40は、例えば、長辺及び短辺を有する長方形板状をなしている。
以降において、セパレータ40の短辺方向を第1方向Aと称し、第1方向Aとセパレータ40の板厚方向と双方に直交する方向を第2方向Bと称する。第2方向Bは、セパレータ40の長辺方向と一致している。
【0016】
セパレータ40の材料としては、例えば、チタンやステンレス鋼などの金属材料や、導電性粒子及び樹脂材料を含む複合材料が挙げられる。
セパレータ40は、流体が供給または排出される複数のマニホールド41と、流体が流れる流路42とを有している。流体としては、例えば、水素を含有する燃料ガス、空気を含有する酸化ガス、及び冷却水が挙げられる。
【0017】
セパレータ40の第2方向Bにおける両端部には、第1方向Aに並ぶマニホールド41が3つずつ設けられている。セパレータ40の第2方向Bにおける第1端部40aには、マニホールド41A,マニホールド41F,マニホールド41Dが第1方向Aの一方側から順に並んでいる。セパレータ40の第2方向Bにおける第1端部40aとは反対側の第2端部40bには、マニホールド41C,マニホールド41E,マニホールド41Bが第1方向Aの一方側から順に並んでいる。
【0018】
図1に示すように、流路42は、第1方向Aに並列する複数の突条43と、隣り合う2つの突条43の間に形成された溝44とを有している。すなわち、セパレータ40には、突条43と溝44とが交互に並列して設けられている。
【0019】
隣接する2つの発電セル11の間には、冷却水が流れる冷却流路47が設けられている。冷却流路47は、アノードセパレータ50の突条43とカソードセパレータ60の突条43とによって区画されている。
【0020】
燃料ガスは、マニホールド41Aから供給された後、流路42を経由してマニホールド41Bから排出される。酸化ガスは、マニホールド41Cから供給された後、流路42を経由してマニホールド41Dから排出される。冷却水は、マニホールド41Eから供給された後、冷却流路47を経由してマニホールド41Fから排出される。
【0021】
図2に示すように、流路42は、第2方向Bにおいて直線状に延びる直線部42aを有している。流路42は、例えば、直線部42aのみによって構成されている。直線部42aは、第2方向Bにおいて複数のマニホールド41に隣り合って設けられている。
【0022】
図2に二点鎖線にて示すように、複数のマニホールド41の周囲には、当該マニホールド41の外周に沿って延びるとともに流体の漏洩を抑制するシールラインSLが設けられている。
【0023】
図3に示すように、樹脂フレーム30には、セパレータ40に向かって突出するとともにマニホールド41を取り囲む突出部31が設けられている。シールラインSLは、例えば、セパレータ40のうち突出部31が接触する部分である。突出部31は、セパレータ40に接触することで、流体の流通領域を画定するとともに流体の漏洩を抑制する部分として機能する。シールラインSLは、セパレータ40のうちセパレータ40と樹脂フレーム30との間の部分をシールする部位であるとも言える。
【0024】
以降では、シールラインSLの一例として、カソードセパレータ60に設けられるシールラインSLの構成について説明する。
図2に示すように、シールラインSLは、複数のシールラインSL1~SL5を含む。シールラインSL1は、マニホールド41Aの外周を取り囲んでいる。シールラインSL2は、マニホールド41Fの外周を取り囲んでいる。シールラインSL3は、マニホールド41D、流路42、及びマニホールド41Cの外周を取り囲んでいる。シールラインSL4は、マニホールド41Eの外周を取り囲んでいる。シールラインSL5は、マニホールド41Bの外周を取り囲んでいる。
【0025】
セパレータ40は、外周縁に沿って延びる外周リブ45を有している。外周リブ45は、セパレータ40の外周縁の全周にわたって延びている。すなわち、外周リブ45は、平面視において枠状をなしている。
【0026】
図1に示すように、外周リブ45は、セパレータ40の外周縁がその他の部分よりも板厚方向の一方側、より詳しくは、樹脂フレーム30が位置する側に突出することにより形成されている。
【0027】
外周リブ45の突出高さは、例えば、流路42の突条43における突出高さと同一である。外周リブ45の突端面は、樹脂フレーム30に接触している。
図2に示すように、セパレータ40の第1端部40a及び第2端部40bには、補強リブ46が1つずつ設けられている。補強リブ46は、セパレータ40の板厚方向の一方側、より詳しくは、樹脂フレーム30が位置する側に突出している。
【0028】
補強リブ46は、セパレータ40のうち第2方向Bにおいて複数のマニホールド41を挟んで流路42とは反対側の部分に設けられている。補強リブ46は、シールラインSLよりも外周側の部分に設けられている。より詳しくは、補強リブ46は、シールラインSLと外周リブ45との間の部分に設けられている。補強リブ46は、セパレータ40のうち流体が流通しない部分に設けられている。
【0029】
第1端部40aに設けられた補強リブ46は、シールラインSL1,SL2,SL3よりも外周側の部分において3つのマニホールド41A,41F,41Dに隣り合うとともに第1方向Aに延びている。第2端部40bに設けられた補強リブ46は、シールラインSL3,SL4,SL5よりも外周側の部分において3つのマニホールド41C,41E,41Bに隣り合うとともに第1方向Aに延びている。すなわち、補強リブ46は、流路42の延びる方向と直交する方向に延びている。補強リブ46は、外周リブ45のうち第1方向Aに延びる部分と平行に延びている。
【0030】
図3に示すように、補強リブ46の突出高さは、例えば、外周リブ45の突出高さと同一である。補強リブ46の突端面は、樹脂フレーム30に接触している。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0031】
(1)流路42は、第2方向Bにおいて複数のマニホールド41に隣り合って設けられるとともに第2方向Bにおいて直線状に延びる直線部42aを有している。セパレータ40のうち、第2方向Bにおいて複数のマニホールド41を挟んで流路42とは反対側の部分であって、シールラインSLよりも外周側の部分には、第1方向Aに延びる補強リブ46が設けられている。
【0032】
こうした構成によれば、外周リブ45の第1方向Aにおける両端部と、直線部42aとが第2方向Bに延びている。このため、セパレータ40の第1方向Aに直交する断面を視たときの板厚方向におけるセパレータ40の反りが生じにくくなる。また、外周リブ45の第2方向Bにおける両端部と、補強リブ46が第1方向Aに延びている。このため、セパレータ40の第2方向Bに直交する断面を視たときの板厚方向におけるセパレータ40の反りが生じにくくなる。したがって、セパレータ40全体の反りを抑制できる。
【0033】
また、補強リブ46が第1方向Aに延びているため、補強リブ46がセパレータ40の面方向において第1方向A及び第2方向Bに対して傾斜して延びる場合と比較して、セパレータ40の反りを効果的に抑制できる。
【0034】
また、補強リブ46は、複数のマニホールド41を挟んで流路42とは反対側の部分であって、シールラインSLよりも外周側の部分に設けられている。このため、補強リブ46は、セパレータ40のうち流体が流通しない部分に設けられている。したがって、補強リブ46が流体の流通を阻害することを回避できる。
【0035】
(2)補強リブ46は、シールラインSLと外周リブ45との間の部分に設けられている。
こうした構成によれば、セパレータ40のうちシールラインSL及び外周リブ45が設けられていない部分に補強リブ46が設けられている。したがって、セパレータ40のうち流体が流通しない部分に補強リブ46が設けられているため、当該部分を有効的に活用できる。
【0036】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0037】
なお、以下の図4図7に示す第1~第4変更例において、本実施形態に対応する構成については同一の符号を付すことで重複する説明を省略する。
図4に示すように、補強リブ46の長さ方向における両端は、外周リブ45のうち第1方向Aにおける両側の部分、すなわち、外周リブ45のうち第2方向Bに延びる部分にそれぞれ連結されていてもよい。こうした構成によれば、補強リブ46と外周リブ45とが一体化されるため、セパレータ40の剛性が高まる。したがって、セパレータ40の反りを抑制できる。
【0038】
図5に示すように、補強リブ46は、外周リブ45のうち第1方向Aに延びる部分に設けられていてもよい。本変更例の補強リブ46は、外周リブ45から樹脂フレーム30とは反対側に突出している。本変更例の補強リブ46は、例えば、外周リブ45のうち第1方向Aに延びる部分の全体にわたって設けられている。こうした構成によれば、補強リブ46によって外周リブ45のうち第1方向Aに延びる部分の剛性が高められる。このため、セパレータ40の第2方向Bに直交する断面を視たときの板厚方向におけるセパレータ40の反りが生じにくくなる。したがって、セパレータ40の反りを抑制できる。また、上記構成によれば、シールラインSLと外周リブ45との間に補強リブ46を設定するスペースが不足していた場合であっても、セパレータ40に補強リブ46を設定できる。
【0039】
・補強リブ46は、セパレータ40の面方向において第1方向A及び第2方向Bに対して傾斜する方向に延びるものであってもよい。例えば、図6に示すように、セパレータ40には、第1方向A及び第2方向Bに対して傾斜して延びる複数の補強リブ46が、第1方向Aに並んで設けられていてもよい。
【0040】
図7に示すように、補強リブ46は、第1方向Aに延びる第1部分46aと、第1部分46aの長さ方向における端部から屈曲して第2方向Bに延びる第2部分46bとを有していてもよい。本変更例では、セパレータ40の第2方向Bにおける両端部に設けられた第1部分46aが一対の第2部分46bによって連結されている。本変更例における補強リブ46は、全体として枠状をなしている。本変更例において、第2部分46bは、第2方向Bにおいて互いに離間していてもよい。すなわち、補強リブ46は、平面視においてU字状をなすものであってもよい。
【0041】
・補強リブ46の突出高さは、外周リブ45の突出高さより小さくてもよい。
・複数の補強リブ46が、シールラインSLと外周リブ45との間の部分において、第2方向Bに並んで設けられていてもよい。
【0042】
・セパレータ40には、本実施形態の補強リブ46に加えて、上記各変更例における少なくとも1つの補強リブ46が設けられていてもよい。
・流路42は、直線部42aに加えて、直線部42aに対して傾斜して延びる部分を有するものであってもよい。例えば、流路42は、複数の直線部42aが折り返し部によって接続されることにより蛇行するように延びる所謂サーペンタイン形状をなすものであってもよい。
【0043】
図8に示すように、セパレータ40は、樹脂フレーム30に向かって突出するとともにマニホールド41を取り囲む突出部48を有していてもよい。この場合、シールラインSLは、突出部48が樹脂フレーム30に接触する部分であってもよい。またこの場合、樹脂フレーム30は、突出部31を有していなくてもよい。
【0044】
上記実施形態は、以下の付記に記載する構成を含む。
[付記1]流体が供給または排出されるとともに第1方向に並ぶ複数のマニホールドと、前記流体が流れる流路と、外周縁に沿って延びる外周リブと、を有する燃料電池用セパレータであって、前記第1方向と前記セパレータの板厚方向との双方に直交する方向を第2方向とするとき、前記流路は、前記第2方向において前記複数のマニホールドに隣り合って設けられるとともに前記第2方向において直線状に延びる直線部を有しており、前記複数のマニホールドの周囲には、当該マニホールドの外周に沿って延びるとともに前記流体の漏洩を抑制するシールラインが設けられており、前記第2方向において前記複数のマニホールドを挟んで前記流路とは反対側の部分であって、前記シールラインよりも外周側の部分には、前記第2方向に交差する方向に延びる補強リブが設けられている、燃料電池用セパレータ。
【0045】
[付記2]前記補強リブは、前記シールラインと前記外周リブとの間の部分に設けられている、[付記1]に記載の燃料電池用セパレータ。
[付記3]前記補強リブの長さ方向における両端は、前記外周リブのうち前記第1方向における両側の部分にそれぞれ連結されている、[付記2]に記載の燃料電池用セパレータ。
【0046】
[付記4]前記補強リブは、前記外周リブのうち前記第1方向に延びる部分に設けられている、[付記1]~[付記3]のいずれか一つに記載の燃料電池用セパレータ。
[付記5]前記補強リブは、前記第1方向に延びている、[付記1]~[付記4]のいずれか一つに記載の燃料電池用セパレータ。
【符号の説明】
【0047】
A…第1方向
B…第2方向
SL,SL1,SL2,SL3,SL4,SL5…シールライン
10…セルスタック
11…発電セル
20…膜電極ガス拡散層接合体
21…膜電極接合体
22…電解質膜
23…アノード電極層
24…カソード電極層
25…アノードガス拡散層
26…カソードガス拡散層
30…樹脂フレーム
31…突出部
40…セパレータ
40a…第1端部
40b…第2端部
41,41A,41B,41C,41D,41E,41F…マニホールド
42…流路
42a…直線部
43…突条
44…溝
45…外周リブ
46…補強リブ
46a…第1部分
46b…第2部分
47…冷却流路
48…突出部
50…アノードセパレータ
60…カソードセパレータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8