(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094738
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】後発泡性ジェルスプレー組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20240703BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20240703BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20240703BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240703BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240703BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240703BHJP
C09K 3/30 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/33
A61K8/31
A61K8/73
A61K8/81
A61K8/34
C09K3/30 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211474
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】391021031
【氏名又は名称】株式会社ダイゾー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 典子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AC012
4C083AC061
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC542
4C083AD092
4C083AD202
4C083AD282
4C083AD352
4C083AD532
4C083BB01
4C083CC01
4C083DD08
4C083DD27
4C083EE03
4C083EE07
4C083FF04
(57)【要約】
【課題】ミスト状に噴射することができ、付着面上で薄膜状のジェル(ジェル状の膜)を形成し、その後発泡し、容易に洗い流すことのできる、後発泡性ジェルスプレー組成物を提供する。
【解決手段】水性原液と、沸点が15~50℃の親油性溶剤と、ジメチルエーテルとを含み、水性原液は、会合型増粘剤と、会合型増粘剤以外の増粘剤と、界面活性剤と、水とを含む、後発泡性ジェルスプレー組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性原液と、沸点が15~50℃の親油性溶剤と、ジメチルエーテルとを含み、
前記水性原液は、会合型増粘剤と、前記会合型増粘剤以外の増粘剤と、界面活性剤と、水とを含む、後発泡性ジェルスプレー組成物。
【請求項2】
前記水性原液は、アルコール類を含む、請求項1記載の後発泡性ジェルスプレー組成物。
【請求項3】
前記水性原液は、油剤を含む、請求項1または2記載の後発泡性ジェルスプレー組成物。
【請求項4】
前記水性原液は、水を50~97質量%含む、請求項1または2記載の後発泡性ジェルスプレー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後発泡性ジェルスプレー組成物に関する。より詳細には、本発明は、ミスト状に噴射することができ、付着面上で薄膜状のジェル(ジェル状の膜)を形成し、その後発泡し、容易に洗い流すことのできる、後発泡性ジェルスプレー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗布面においてゲル状で付着するジェルスプレー組成物が知られている。ゲル状の吐出物は、高粘度であるため、塗布面において長く密着することができる。しかしながら、ゲルは、立体的に形成されると、垂れ落ちやすい。そこで、ミスト状に噴射でき、塗布面で増粘してゲル状となるジェル(ゲル)スプレー組成物が知られている(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲルスプレー用エアゾール組成物は、ミスト状に噴射され、付着面においてゲル状となる。しかしながら、特許文献1に記載のゲルは、付着面から洗い流しにくい。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、ミスト状に噴射することができ、付着面上で薄膜状のジェル(ジェル状の膜)を形成し、その後発泡し、容易に洗い流すことのできる、後発泡性ジェルスプレー組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
【0007】
(1)水性原液と、沸点が15~50℃の親油性溶剤と、ジメチルエーテルとを含み、前記水性原液は、会合型増粘剤と、前記会合型増粘剤以外の増粘剤と、界面活性剤と、水とを含む、後発泡性ジェルスプレー組成物。
【0008】
このような構成によれば、後発泡性ジェルスプレー組成物は、ミスト状に噴射することができる。後発泡性ジェルスプレー組成物のミストは、付着面上で舞い散りにくく、薄膜状のジェル(ジェル状の膜)を形成する。そのため、ジェルの膜は、付着面から垂れ落ちにくく、適宜、有効成分を付着面に付与させやすい。また、ジェルの膜は、その後発泡する。そのため、発泡したジェルは、たとえば、付着面上の汚れを浮き上がらせたりすることができることに加え、容易に洗い流すことができる。
【0009】
(2)前記水性原液は、アルコール類を含む、(1)記載の後発泡性ジェルスプレー組成物。
【0010】
このような構成によれば、後発泡性ジェルスプレー組成物は、ミスト状に噴射しやすい。また、後発泡性ジェルスプレー組成物は、付着面上で発泡が遅くなり、薄膜状のジェルの状態を持続させやすい。
【0011】
(3)前記水性原液は、油剤を含む、(1)または(2)記載の後発泡性ジェルスプレー組成物。
【0012】
このような構成によれば、後発泡性ジェルスプレー組成物は、発泡が抑えられやすく、付着面上に油剤を長く接触させることができる。そのため、後発泡性ジェルスプレー組成物は、油剤を配合する効果(泡の硬度を調整したり、油性の汚れを除去する等の効果)が得られやすい。
【0013】
(4)前記水性原液は、水を50~97質量%含む、(1)または(2)記載の後発泡性ジェルスプレー組成物。
【0014】
このような構成によれば、後発泡性ジェルスプレー組成物は、ミスト状に噴射されやすく、付着面上で薄膜状のジェルを形成しやすい。また、後発泡性ジェルスプレー組成物は、後発泡しやすい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ミスト状に噴射することができ、付着面上で薄膜状のジェル(ジェル状の膜)を形成し、その後発泡し、容易に洗い流すことのできる、後発泡性ジェルスプレー組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<後発泡性ジェルスプレー組成物>
本発明の一実施形態の後発泡性ジェルスプレー組成物は、水性原液と、沸点が15~50℃の親油性溶剤と、ジメチルエーテルとを含む。水性原液は、会合型増粘剤と、会合型増粘剤以外の増粘剤と、界面活性剤と、水とを含む。以下、それぞれについて説明する。
【0017】
(水性原液)
水性原液は、会合型増粘剤と、会合型増粘剤以外の増粘剤と、界面活性剤と、水とを含む。
【0018】
・会合型増粘剤
会合型増粘剤は、水に分散して中和することで増粘し、水性原液の粘度を上昇させてジェルを形成し、噴射された際はミスト状になりやすく、水性原液を薄膜状のジェルとして付着面に付着させ、密着させるために配合される。
【0019】
会合型増粘剤は特に限定されない。一例を挙げると、会合型増粘剤は、カルボキシビニルポリマー等の架橋型のポリアクリル酸、(アクリル酸/イタコン酸ステアレス)コポリマー、(アクリル酸/イタコン酸セテス)コポリマー、アクリル酸/アミノアクリレート/C10-30アルキルPEG-20イタコン酸)コポリマー等のアクリル酸とイタコン酸エステルの共重合体、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体等である。これらの中でも、会合型増粘剤は、ミスト状に噴射されやすい点から、カルボキシビニルポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス)コポリマーであることが好ましい。
【0020】
会合型増粘剤の含有量は、水性原液中に固形分で、0.1質量%以上であることが好ましく、0.15質量%以上であることがより好ましい。また、会合型増粘剤の含有量は、水性原液中に固形分で、2.0質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがより好ましい。会合型増粘剤の含有量が上記範囲内であることにより、水性原液は、ミスト状に噴射されやすく、付着面に付着した後に発泡し始めやすい。
【0021】
なお、会合型増粘剤によって水性原液が増粘されやすいように、水性原液は、pH調整剤が配合されることが好ましい。pH調整剤は特に限定されない。一例を挙げると、pH調整剤は、トリエタノールアミン(TEA)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、ジエタノールアミン(DEA)、モノエタノールアミン(MEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、2-アミノ-2-メチル-1、3-プロパンジオール(AMPD)などの有機アルカリ、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ、クエン酸、グリコール酸、乳酸、リン酸などの有機酸、塩酸などの無機酸等である。
【0022】
pH調整剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、pH調整剤の含有量は、水性原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.15質量%以上であることがより好ましい。また、pH調整剤の含有量は、水性原液中、5.0質量%以下であることが好ましく、4.5質量%以下であることがより好ましい。
【0023】
・会合型増粘剤以外の増粘剤
会合型増粘剤以外の増粘剤は、水性原液が付着面に付着したときに粘度の戻りを速くして、付着性を向上させるなどの目的で用いられる。
【0024】
会合型増粘剤以外の増粘剤は特に限定されない。一例を挙げると、会合型増粘剤以外の増粘剤は、セルロースナノファイバー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系高分子、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガム等のガム質、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ポリウレタン、デキストラン、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デキストリン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等である。
【0025】
会合型増粘剤以外の増粘剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、会合型増粘剤以外の増粘剤の含有量は、水性原液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、会合型増粘剤以外の増粘剤の含有量は、水性原液中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。会合型増粘剤以外の増粘剤の含有量が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、粘度の戻りが速く、付着しやすく、泡の硬度が調整されやすい。
【0026】
(界面活性剤)
界面活性剤は、後発泡性の調整や、水性原液と沸点15~50℃の親油性溶剤とジメチルエーテルとを乳化させるために配合される。また、界面活性剤は、後発泡性ジェルスプレー組成物を洗浄剤として使用する場合は有効成分としても配合される。
【0027】
界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等である。
【0028】
非イオン性界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、非イオン性界面活性剤は、ラウリルグルコシド、(カプリリル/カプリル)グルコシド、コカミドDEA、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル等である。
【0029】
アニオン性界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、アニオン性界面活性剤は、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸カリウム(ココイルグルタミン酸カリウム)、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ラウロイル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ラウロイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウムおよびN-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウムなどのN-アシルグルタミン酸塩、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウムおよびN-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN-アシルグリシン塩;N-ヤシ油脂肪酸アシル-DL-アラニントリエタノールアミンなどのN-アシルアラニン塩等のアミノ酸石鹸、脂肪酸石鹸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等である。
【0030】
カチオン性界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、カチオン性界面活性剤は、アルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン等である。
【0031】
両性界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、両性界面活性剤は、ラウロアンホ酢酸ナトリウムなどのイミダゾリン、ココアンホ酢酸ナトリウムなどのアミドベタイン、アルキルベタイン、アミドアミンオキシド、アミドスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、カルボベタイン等である。
【0032】
界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤の含有量は、水性原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、界面活性剤の含有量は、水性原液中、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、ジェル状の膜を形成した後に、発泡しやすい。
【0033】
・水
水は、水性原液の主溶剤として配合される。水は、会合型増粘剤と会合型増粘剤以外の増粘剤とによって粘度が上昇し、水性原液を後述する粘度に調整する。
【0034】
水は特に限定されない。一例を挙げると、水は、精製水、イオン交換水、生理食塩水、海洋深層水等である。
【0035】
水の含有量は、特に限定されない。一例を挙げると、水の含有量は、水性原液中、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。また、水の含有量は、水性原液中、97質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。水の含有量が上記範囲内であることにより、水性原液は、ミスト状に噴射されやすく、付着面で後発泡しやすい。
【0036】
・任意成分
水性原液は、上記した増粘剤、界面活性剤、水のほか、適宜アルコール類、油剤、有効成分、パウダー等の任意成分を含んでもよい。
【0037】
本実施形態の水性原液は、アルコール類を含むことが好ましい。これにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、ミスト状に噴射されやすい。また、後発泡性ジェルスプレー組成物は、付着面上で発泡が遅くなり、薄膜状のジェルの状態を持続させやすい。
【0038】
アルコール類は特に限定されない。一例を挙げると、アルコール類は、1価アルコールと多価アルコールである。
【0039】
1価アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、1価アルコールは、エタノール、イソプロパノール等である。
【0040】
多価アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、多価アルコールは、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等である。
【0041】
アルコール類が配合される場合、アルコール類の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、アルコール類の含有量は、水性原液中、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、アルコール類の含有量は、水性原液中、55質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。アルコール類の含有量が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、ミスト状に噴射されやすい。また、後発泡性ジェルスプレー組成物は、付着面上で発泡が遅くなり、薄膜状のジェルの状態を持続させやすい。
【0042】
1価アルコールが配合される場合、1価アルコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、1価アルコールの含有量は、水性原液中、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、1価アルコールの含有量は、水性原液中、50質量%以下であることが好ましく、38質量%以下であることがより好ましい。1価アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、ミスト状に噴射されやすい。また、後発泡性ジェルスプレー組成物は、付着面上で発泡が遅くなり、薄膜状のジェルの状態を持続させやすい。
【0043】
多価アルコールが配合される場合、多価アルコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、多価アルコールの含有量は、水性原液中、5質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましい。また、多価アルコールの含有量は、水性原液中、54.5質量%以下であることが好ましく、44質量%以下であることがより好ましい。多価アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、ミスト状に噴射されやすい。また、後発泡性ジェルスプレー組成物は、付着面上で発泡が遅くなり、薄膜状のジェルの状態を持続させやすい。
【0044】
本実施形態の水性原液は、油剤を含むことが好ましい。これにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、発泡が抑えられやすく、付着面上に油剤を長く接触させることができる。そのため、後発泡性ジェルスプレー組成物は、油剤を配合する効果(泡の硬度を調整したり、油性の汚れを除去する等の効果)が得られやすい。
【0045】
油剤は特に限定されない。一例を挙げると、油剤は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、コハク酸ジエトキシエチル、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル油、リモネン、流動パラフィン、ケロシン、スクワレン、スクワラン、イソパラフィン等の炭化水素油、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、麦芽油、ヤシ油、パーム油等の油脂、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシクロシロキサン等のシリコーンオイル等である。
【0046】
油剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、油剤の含有量は、水性原液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、油剤の含有量は、水性原液中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。油剤の含有量が上記範囲内であることにより、油剤を配合することによる効果(泡の硬度を調整したり、油性の汚れを除去する等の効果)が得られやすい。
【0047】
有効成分は、後発泡性ジェルスプレー組成物の用途や目的などに応じて適宜選択することができる。一例を挙げると、有効成分は、天然香料、合成香料などの各種香料、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノールなどの防腐剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、パラクロルメタクレゾールなどの殺菌消毒剤、ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、緑茶エキスなどの消臭剤、フェノプロパトリン、トランスフルトリン、エトフェンプロクス、ペルメトリン、メトフルトリン、フェノトリンなどの害虫防除剤、亜硝酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウムなどの防錆剤、N,N-ジエチル-m-トルアミド(ディート)、安息香酸ベンジルなどの害虫忌避剤、l-メントール、カンフル、ハッカ油などの清涼剤、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、dl-α-トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、ジベンゾイルチアミン、リボフラビンおよびこれらの混合物などのビタミン類、アスコルビン酸、α-トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸、コラーゲン、ヒアルロン酸、カロニン酸、乳酸ナトリウム、dl-ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチン、尿素などの保湿剤、ローヤルゼリーエキス、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などの抽出液、酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤、アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレンなどの抗炎症剤、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、オキシベンゾン、ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤、酸化亜鉛、酸化チタン、オクチルトリメトキシシラン被覆酸化チタンなどの紫外線散乱剤、アルブチン、コウジ酸などの美白剤、クロロヒドロキシアルミニウム、イソプロピルメチルフェノールなどの制汗剤、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなどの消炎鎮痛剤等である。
【0048】
有効成分が配合される場合、有効成分の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分の含有量は、水性原液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.03質量%以上であることがより好ましい。また、有効成分の含有量は、水性原液中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。有効成分の含有量が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、有効成分を配合することによる効果が得られやすい。
【0049】
パウダーは、使用感を向上させる等の目的で用いられる。
【0050】
パウダーは特に限定されない。一例を挙げると、パウダーは、タルク、シリカ、ゼオライト、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム等である。
【0051】
パウダーが配合される場合、パウダーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、パウダーの含有量は、水性原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、パウダーの含有量は、水性原液中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。パウダーの含有量が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、パウダーを配合することによる効果が得られやすい。
【0052】
水性原液の粘度(20℃)は特に限定されない。一例を挙げると、水性原液の粘度は、100mPa・s以上であることが好ましく、500mPa・s以上であることがより好ましい。また、水性原液の粘度は、100000mPa・s以下であることが好ましく、90000mPa・s以下であることがより好ましい。水性原液の粘度が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、ミスト状に噴射されて付着面に付着した後、付着面において密着しやすく、垂れ落ちにくい。なお、水性原液の粘度は、20℃にて、B型回転粘度計により測定し得る。
【0053】
水性原液の調製方法は特に限定されない。水性原液は、従来公知の方法により調製することができる。たとえば、水性原液は、増粘剤、界面活性剤および任意成分を、水や温水に添加することにより調製し得る。
【0054】
水性原液の含有量は、後発泡性ジェルスプレー組成物中、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、水性原液の含有量は、後発泡性ジェルスプレー組成物中、85質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。水性原液の含有量が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、薄膜状のジェルで密着するように付着し、後発泡することで汚れ等を浮かばせて除去しやすい。
【0055】
(沸点が15~50℃の親油性溶剤)
沸点が15~50℃の親油性溶剤は、噴射された後発泡性ジェルスプレー組成物を後発泡させるための起泡剤として配合される。
【0056】
沸点が15~50℃の親油性溶剤は特に限定されない。一例を挙げると、沸点が15~50℃の親油性溶剤は、イソペンタン(沸点27℃)、ノルマルペンタン(沸点36℃)などの炭化水素、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E)、沸点19℃)、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(Z)、沸点39℃)などのハイドロフルオロオレフィン等である。これらの中でも、沸点が15~50℃の親油性溶剤は、後発泡性ジェルスプレー組成物がミスト状で噴射されやすく、付着してから後発泡しやすい点から、イソペンタンであることが好ましい。
【0057】
沸点が15~50℃の親油性溶剤の含有量は、後発泡性ジェルスプレー組成物中、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、沸点が15~50℃の親油性溶剤の含有量は、後発泡性ジェルスプレー組成物中、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましい。沸点が15~50℃の親油性溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、付着面に付着してジェル状の膜が形成された後に、後発泡しやすい。
【0058】
(ジメチルエーテル)
ジメチルエーテルは、後発泡性ジェルスプレー組成物をミスト状に噴射し、付着面で薄膜状のジェルにするために配合される。また、ジメチルエーテルは、親水性の液化ガスである。そのため、ジメチルエーテルは、上記した親油性溶剤とは異なるタイミングで揮発し得る。
【0059】
ジメチルエーテルの含有量は、後発泡性ジェルスプレー組成物中、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、ジメチルエーテルの含有量は、後発泡性ジェルスプレー組成物中、55質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。ジメチルエーテルの含有量が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、ミスト状に噴射されやすく、付着面で薄膜状のジェルを形成しやすい。
【0060】
本実施形態の後発泡性ジェルスプレー組成物は、ジメチルエーテル以外の、液化ガスが併用されてもよい。液化ガスは特に限定されない。一例を挙げると、液化ガスは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(HFO-1234ze、沸点-19℃)、トランス-2,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(HFO-1234yf、沸点-29℃)などの沸点が5℃未満のハイドロフルオロオレフィン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタンおよびこれらの混合物からなる炭素数3~4個の脂肪族炭化水素、およびこれらの混合物等である。これらの液化ガスが併用されることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、後発泡の速さを調整し得る。
【0061】
液化ガスが配合される場合において、液化ガスの含有量は、後発泡性ジェルスプレー組成物中、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、液化ガスの含有量は、後発泡性ジェルスプレー組成物中、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。液化ガスの含有量が上記範囲内であることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、後発泡の速さが調整されやすい。
【0062】
また、後発泡性ジェルスプレー組成物は、圧縮ガスが併用されてもよい。圧縮ガスは特に限定されない。一例を挙げると、圧縮ガスは、窒素、空気、酸素、水素、二酸化炭素、亜酸化窒素等である。
【0063】
圧縮ガスが使用される場合、圧縮ガスは、25℃におけるエアゾール容器内の圧力が0.3MPa以上となるよう充填されることが好ましく、0.5MPa以上となるよう充填されることがより好ましい。また、圧縮ガスは、25℃におけるエアゾール容器内の圧力が1.0MPa以下となるよう充填されることが好ましく、0.8MPa以下となるよう充填されることがより好ましい。圧力が上記範囲内になるよう圧縮ガスが充填されることにより、後発泡性ジェルスプレー組成物は、ミスト状に噴射されやすく、付着面で薄膜状のジェルを形成しやすい。
【0064】
<後発泡性ジェルスプレー製品>
本発明の一実施形態の後発泡性ジェルスプレー製品は、上記した後発泡性ジェルスプレー組成物を含む。本実施形態の後発泡性ジェルスプレー製品は、後発泡性ジェルスプレー組成物を充填することにより、調製することができる。具体的には、容器本体に水性原液を充填してバルブを固着し、バルブから沸点が15~50℃の親油性溶剤とジメチルエーテルとを充填し、水性原液と沸点が15~50℃の親油性溶剤とジメチルエーテルとを混合することによって後発泡性ジェルスプレー組成物を調製するとともに、後発泡性ジェルスプレー組成物が充填された後発泡性ジェルスプレー製品を調製することができる。
【0065】
容器本体は、後発泡性ジェルスプレー組成物が充填される容器であり、有底筒状である。容器本体の開口部には、バルブが取り付けられる。
【0066】
容器本体の材質は特に限定されない。一例を挙げると、容器本体の材質は、アルミニウム、ブリキ等の金属、各種合成樹脂、耐圧ガラス等である。
【0067】
バルブは、容器本体の開口部を閉止して密封するための部材である。また、バルブは、容器本体の開口部に装着されるマウンティングカップに保持されるハウジングと、容器本体の内外を連通するステム孔が形成されたステムと、ステム孔の周囲に取り付けられ、ステム孔を閉止するためのステムラバーとを主に備える。ハウジングは、ステムと、ステムラバーと、ステムを上方に付勢するスプリングとを収容する。ステムの上端には、後発泡性ジェルスプレー組成物を噴霧するための噴射部材が取り付けられる。
【0068】
噴射部材は、バルブの開閉を操作して後発泡性ジェルスプレー組成物を噴射するための部材であり、ステムの上端に取り付けられる。噴射部材は、噴射孔が形成されたノズル部と、使用者が指等により操作する操作部とを主に備える。噴射孔からは、後発泡性ジェルスプレー組成物が噴射される。噴射孔の数および形状は特に限定されない。噴射孔は、複数であってもよい。また、噴射孔の形状は、略円形状、略角形状等であってもよい。
【0069】
本実施形態の後発泡性ジェルスプレー製品は、噴射部材が押し下げられると、バルブのステムが下方に押し下げられる。これにより、ステムラバーが下方に撓み、ステム孔が開放される。その結果、容器本体内と外部とが連通する。容器本体内と外部とが連通すると、容器本体内の圧力と外部との圧力差によって、後発泡性ジェルスプレー組成物がハウジング内に取り込まれ、次いで、ステム孔、ステム内通路を通過し、噴射部材に送られ、その後、噴射孔から噴射される。吐出された後発泡性ジェルスプレー組成物は、ミスト状に噴射され、付着面(たとえば窓ガラス、壁、便器、床などの対象物、腕や脚などの人体など)に付着する。後発泡性ジェルスプレー組成物は、付着面上で舞い散りにくく、薄膜状のジェル(ジェル状の膜)を形成する。そのため、ジェルの膜は、付着面から垂れ落ちにくく、適宜、有効成分を付着面に付与させやすい。
【0070】
また、ジェルの膜は、その後発泡する。具体的には、本実施形態の後発泡性ジェルスプレー組成物の膜は、付着面に付着した後、30秒~30分後(好ましくは40秒~25分後)に徐々に発泡する。そのため、発泡したジェルは、たとえば、付着面上の汚れを浮き上がらせたりすることができることに加え、容易に洗い流すことができる。このように、本実施形態の後発泡性ジェルスプレー組成物は、付着面に対して膜状に付着した後に、所定時間経過後に発泡する。
【実施例0071】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
【0072】
<実施例1>
以下の表1に示される処方に従って原液Aを調製し、表2に示される処方に従ってアルミニウム製容器本体に58g(58質量%)充填した。容器本体の開口部にバルブを固着し、バルブからイソペンタンを12.6g(12.6質量%)とジメチルエーテルを29.4g(29.4質量%)充填し、エアゾール容器内で原液Aとイソペンタンとジメチルエーテルとを混合し、後発泡性ジェルスプレー組成物および後発泡性ジェルスプレー製品を調製した。
【0073】
【0074】
【0075】
(実施例2~17、比較例1~3)
水性原液の処方を表1に記載の処方に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、原液を調製し、表2に記載の処方に従って後発泡性ジェルスプレー組成物を調製し、エアゾール容器に充填し、後発泡性ジェルスプレー製品を作製した。
【0076】
実施例1~17および比較例1~3において調製した後発泡性ジェルスプレー製品を用いて、以下の評価方法により、噴射状態、付着面の状態、後発泡性を測定した。結果を表2に示す。
【0077】
<噴射状態>
エアゾール製品を25℃の恒温水槽に1時間浸漬して、後発泡性ジェルスプレー組成物を25℃に調整し、付着面に付着する前の後発泡性ジェルスプレー組成物の状態を確認した。
<付着面の状態>
エアゾール製品を25℃の恒温水槽に1時間浸漬して、後発泡性ジェルスプレー組成物を25℃に調整し、付着面に付着させた後発泡性ジェルスプレー組成物の状態を確認した。
<後発泡性>
エアゾール製品を25℃の恒温水槽に1時間浸漬して、後発泡性ジェルスプレー組成物を25℃に調整し、ガラス面から15cm離して1秒間噴射し、ガラス面に付着した後発泡性ジェルエアゾール組成物を観察した状態を以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:付着面全体が発泡し、ジェルが全て泡に変化した。
△:付着面の一部にジェルが残ったがほとんどが泡に変化した。
×:付着面が変化しなかった。
【0078】
<噴射パターン>
エアゾール製品を25℃の恒温水槽に1時間浸漬して、後発泡性ジェルスプレー組成物を25℃に調整し、地面と垂直に立てたガラス面から15cm離して1秒間噴射し、ガラス面に付着した後発泡性ジェルエアゾール組成物の噴射パターンを以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:噴射パターンは、直径5cm以上であった。
△:噴射パターンは、直径1cm以上5cm未満であった。
×:噴射パターンは、直径1cm未満であった。
【0079】
表2に示されるように、沸点15~50℃の親油性溶剤とジメチルエーテルとを配合した実施例1~14、17のエアゾール組成物と、比較例1のエアゾール組成物とは、ミスト状に噴射されて付着面で薄膜状のジェルになった。界面活性剤を配合した実施例1~17のエアゾール組成物は、後発泡したが、界面活性剤を配合しなかった比較例1のエアゾール組成物は、後発泡しなかった。沸点15~50℃の親油性溶剤、もしくはジメチルエーテルを配合しなかった比較例2、3のエアゾール組成物は、泡状で噴射され、付着面でも泡状であり、後発泡しなかった。実施例1、2、4、9、12、17のエアゾール組成物は、付着面全体で発泡し、全て泡に変化した。界面活性剤を多く含んだ実施例3、6、10、11のエアゾール組成物は、一部ジェルが残ったが、ほとんどは泡に変化した。中和剤の種類をAMPにした実施例5のエアゾール組成物は、一部ジェルが残ったが、ほとんどは泡に変化した。沸点15~50℃の親油性溶剤を減らした実施例7のエアゾール組成物は、一部ジェルが残ったが、ほとんどは泡に変化した。沸点15~50℃の親油性溶剤を増やし、ジメチルエーテルを減らした実施例8のエアゾール組成物は、一部ジェルが残ったが、ほとんどは泡に変化し、噴射パターンが直径1cm以上5cm未満であった。エタノールを高配合した実施例13のエアゾール組成物は、一部ジェルが残ったが、ほとんどは泡に変化した。会合型増粘剤以外の増粘剤を変えた実施例14のエアゾール組成物は、付着面全体が発泡し、全て泡に変化したが、噴射パターンが直径1cm以上5cm未満であった。エタノールを配合しなかった実施例15、16のエアゾール組成物は、ミスト状に噴射されて付着面で微発泡したジェルであった。