(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094756
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】中継装置、その不正利用抑制方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/38 20150101AFI20240703BHJP
【FI】
H04B1/38
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211511
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】清水 達成
【テーマコード(参考)】
5K011
【Fターム(参考)】
5K011AA01
5K011DA01
5K011JA08
5K011KA17
(57)【要約】
【課題】ケーシングを開けた改造を確実に検出することに貢献することができる中継装置等を提供すること。
【解決手段】中継装置は、内部空間を覆うように組み合わさった複数のケーシングと、アンテナと、内部空間に実装されるとともにアンテナを介して無線で接続された端末に対して通信処理を行う無線通信部と、内部空間において複数のケーシングのそれぞれに取り付けられるとともに、複数のケーシングが正常に組み合わさったときに、光が入らない暗室空間を作る複数のカバー部と、暗室空間に実装されるとともに、光を検出する光検出部と、情報を表示する表示部と、内部空間に実装されるとともに、無線通信部、光検出部、及び表示部を制御する制御部と、を備え、制御部は、光検出部で光を検出したときに、異常な状態であることを表示部に表示させる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を覆うように組み合わさった複数のケーシングと、
電流と電波を相互に変換するように構成されたアンテナと、
前記内部空間に実装されるとともに、前記アンテナを介して無線で接続された端末に対して通信処理を行うように構成された無線通信部と、
前記内部空間において前記複数のケーシングのそれぞれに取り付けられるとともに、前記複数のケーシングが正常に組み合わさったときに、光が入らない暗室空間を作るように構成された複数のカバー部と、
前記暗室空間に実装されるとともに、光を検出するように構成された光検出部と、
情報を表示するように構成された表示部と、
前記内部空間に実装されるとともに、少なくとも前記無線通信部、前記光検出部、及び前記表示部を制御するように構成された制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記光検出部で光を検出したときに、異常な状態であることを前記表示部に表示させるように構成されている、
中継装置。
【請求項2】
前記内部空間に実装されるとともに、前記光検出部で光を検出したときに、前記無線通信部に出力する電力を制限するように構成された電源回路部を備える、
請求項1記載の中継装置。
【請求項3】
前記光検出部は、電源と接地との間にフォトレジスタと抵抗とが直列に接続された構成となっており、
前記電源回路部は、前記フォトレジスタと前記抵抗との接点に電気的に接続されている、
請求項2記載の中継装置。
【請求項4】
前記電源回路部は、
前記光検出部で光を検出したときに電力を制限するように構成された電源制御部と、
前記電源制御部の電力の制限に応じて前記無線通信部に向けて出力する電力を制限するように構成された無線用電源出力部と、
を備える、請求項3記載の中継装置。
【請求項5】
前記内部空間に実装されるとともに、情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記光検出部で光を検出したときの光検出信号を受け取ったときに、前記光検出信号に関する履歴情報を前記記憶部に記憶させるように構成されている、
請求項1記載の中継装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記光検出部で光を検出したときの光検出信号を受け取ったときに、前記無線通信部の動作を制限するように構成されている、
請求項1記載の中継装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記無線通信部の動作を制限した後に、前記光検出部からの前記光検出信号が無くなっても前記無線通信部の動作を制限したままにするように構成されている、
請求項6記載の中継装置。
【請求項8】
前記アンテナは、前記内部空間に実装され、
前記光検出部は、前記カバー部又は前記ケーシングに取り付けられるとともに、ケーブルを介して前記制御部に電気的に接続され、かつ、前記複数のケーシングが正常に組み合わされた状態で光が当たらないように少なくとも前記カバー部及び前記アンテナに覆われた前記暗室空間に配置される、
請求項1記載の中継装置。
【請求項9】
前記内部空間に実装されるとともに、前記中継装置の電源が入っているときに点灯するように構成された発光部を備える、
請求項1乃至8のいずれか一に記載の中継装置。
【請求項10】
内部空間を覆うように組み合わさった複数のケーシングと、
電流と電波を相互に変換するように構成されたアンテナと、
前記内部空間に実装されるとともに、前記アンテナを介して無線で接続された端末に対して通信処理を行うように構成された無線通信部と、
前記内部空間において前記複数のケーシングのそれぞれに取り付けられるとともに、前記複数のケーシングが正常に組み合わさったときに、光が入らない暗室空間を作るように構成された複数のカバー部と、
前記暗室空間に実装されるとともに、光を検出するように構成された光検出部と、
情報を表示するように構成された表示部と、
前記内部空間に実装されるとともに、少なくとも前記無線通信部、前記光検出部、及び前記表示部を制御するように構成された制御部と、
を備えた中継装置の不正利用を抑制する不正利用抑制方法であって、
前記制御部が、前記光検出部で光を検出したときに、異常な状態であることを前記表示部に表示させる、
中継装置の不正利用抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置、その不正利用抑制方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LAN(Local Area Network)通信可能なスマートフォン、タブレット端末等の端末の増加に伴い、無線LAN通信を利用するユーザの多様化が進み、さらにユーザのスキル向上に加え、インターネットに公開される様々な情報により、悪意あるユーザによる無線LANルータ、ゲートウェイ機器等の中継装置のハードウェア改造やソフトウェア改変を試みているという事例も発生している。中継装置のハードウェア改造等が行われると、電波法に違反したり、セキュリティが低下する可能性がある。そのため、中継装置においては、ハードウェア改造等によって電波法違反やセキュリティ低下とならないように、ケーシング構造を複雑化して装置分解を容易にはできないようにしたり、組み立てや分解に特殊な工具を必要とするような構造にする等の対策が行われている。
【0003】
しかしながら、ユーザによってはケーシングを物理的に破壊したり、特殊工具を自前で手配して装置分解を行い、ハードウェア改造等を試みることが可能であるという問題があった。また、ユーザによる中継装置のケーシング分解や物理的な加工により、工場での装置製造時と異なる組み立て状況やケーシング状態にされてしまうことにより、無線の指向性や、受信特性が設計値から外れてしまい、当該装置の周辺にある機器への電波干渉や電波障害を引き起こす可能性がある。特に、中継装置の処理速度や通信速度の高速化や高機能化に伴い、中継装置の消費電力は増加し、その発熱も大きくなる傾向にあるため、中継装置の熱対策や安全対策などを行うべく、ケーシングや電子部品の配置を計算した熱設計を行っているが、ハードウェア改造等によりケーシングや電子部品の位置関係が変化すると、設計通りの放熱効果を得ることができなくなってしまう可能性がある。
【0004】
そこで、ハードウェア改造等による問題を解決する手法として、例えば、筐体(ケーシング)を開けたときの外部の光を検知したときに送信性能や受信性能などを制限するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、ケーシングを開けてハードウェア改造等が行われても、外部の光を検知できない状態にあれば、正常な状態であると判断されてしまう。
【0008】
本発明の主な課題は、ケーシングを開けた改造を確実に検出することに貢献することができる中継装置、その不正利用抑制方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の視点に係る中継装置は、内部空間を覆うように組み合わさった複数のケーシングと、電流と電波を相互に変換するように構成されたアンテナと、前記内部空間に実装されるとともに、前記アンテナを介して無線で接続された端末に対して通信処理を行うように構成された無線通信部と、前記内部空間において前記複数のケーシングのそれぞれに取り付けられるとともに、前記複数のケーシングが正常に組み合わさったときに、光が入らない暗室空間を作るように構成された複数のカバー部と、前記暗室空間に実装されるとともに、光を検出するように構成された光検出部と、情報を表示するように構成された表示部と、前記内部空間に実装されるとともに、少なくとも前記無線通信部、前記光検出部、及び前記表示部を制御するように構成された制御部と、を備え、前記制御部は、前記光検出部で光を検出したときに、異常な状態であることを前記表示部に表示させるように構成されている。
【0010】
第2の視点に係る中継装置の不正利用抑制方法は、内部空間を覆うように組み合わさった複数のケーシングと、電流と電波を相互に変換するように構成されたアンテナと、
前記内部空間に実装されるとともに、前記アンテナを介して無線で接続された端末に対して通信処理を行うように構成された無線通信部と、前記内部空間において前記複数のケーシングのそれぞれに取り付けられるとともに、前記複数のケーシングが正常に組み合わさったときに、光が入らない暗室空間を作るように構成された複数のカバー部と、前記暗室空間に実装されるとともに、光を検出するように構成された光検出部と、情報を表示するように構成された表示部と、前記内部空間に実装されるとともに、少なくとも前記無線通信部、前記光検出部、及び前記表示部を制御するように構成された制御部と、を備えた中継装置の不正利用を抑制する不正利用抑制方法であって、前記制御部が、前記光検出部で光を検出したときに、異常な状態であることを前記表示部に表示させる。
【0011】
第3の視点に係るプログラムは、内部空間を覆うように組み合わさった複数のケーシングと、電流と電波を相互に変換するように構成されたアンテナと、前記内部空間に実装されるとともに、前記アンテナを介して無線で接続された端末に対して通信処理を行うように構成された無線通信部と、前記内部空間において前記複数のケーシングのそれぞれに取り付けられるとともに、前記複数のケーシングが正常に組み合わさったときに、光が入らない暗室空間を作るように構成された複数のカバー部と、前記暗室空間に実装されるとともに、光を検出するように構成された光検出部と、情報を表示するように構成された表示部と、前記内部空間に実装されるとともに、少なくとも前記無線通信部、前記光検出部、及び前記表示部を制御するように構成された制御部と、を備えた中継装置の前記制御部に実行させるプログラムであって、前記光検出部で光を検出したときに、異常な状態であることを前記表示部に表示させる処理を前記制御部に実行させる。
【0012】
なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。また、本開示では、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェイスを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェイスを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備える。
【発明の効果】
【0013】
前記第1~第3の視点によれば、ケーシングを開けた改造を確実に検出することに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態1に係る中継装置の外観構成の一例を模式的に示した展開斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る中継装置の正しく組み込まれた状態の構成の一例を模式的に示した断面図である。
【
図3】実施形態1に係る中継装置の回路構成及びその周辺の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
【
図4】実施形態1に係る中継装置における光検出部、電源回路部及び無線通信部間の詳細な回路構成を模式的に示したブロック図である。
【
図5】実施形態2に係る中継装置の外観構成の一例を模式的に示した展開斜視図である。
【
図6】実施形態2に係る中継装置の回路構成及びその周辺の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
【
図7】実施形態2に係る中継装置の組み込み状態を判定する時の動作を模式的に示したフローチャート図である。
【
図8】実施形態3に係る中継装置の正しく組み込まれた状態の構成の一例を模式的に示した断面図である。
【
図9】実施形態3に係る中継装置の回路構成及びその周辺の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
【
図10】実施形態4に係る中継装置の回路構成を模式的に示したブロック図である。
【
図11】ハードウェア資源の構成を模式的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。また、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェイスも同様である。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0016】
[実施形態1]
実施形態1に係る中継装置について図面を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係る中継装置の外観構成の一例を模式的に示した展開斜視図である。
図2は、実施形態1に係る中継装置の正しく組み込まれた状態の構成の一例を模式的に示した断面図である。
【0017】
中継装置10は、スマートフォン50、パーソナルコンピュータ(
図3の60)等の端末とインターネット(
図3の80)の回線終端装置(
図3の70)との間を中継する装置である(
図1、
図2参照)。中継装置10は、有線-有線間の中継、無線-有線間の中継、無線-無線間の中継、それらの組み合わせの中継を行うものであってもよい。中継装置10は、ユーザの自宅、オフィス等で用いることができる。中継装置10として、例えば、無線LANルータ、ゲートウェイ機器等が挙げられる。なお、実施形態1では、中継装置10として、無線LAN付きのゲートウェイ機器を例に説明する。中継装置10は、ユーザによる装置分解、モジュール基板13やケーシング11、12のハードウェア改造、ソフトウェア改造といった不正利用を抑制できるようにした構成を備える。中継装置10は、ケーシング11、12と、モジュール基板13と、光検出部14と、カバー部15、16と、アンテナ17と、ケーブル18と、を備える。
【0018】
ケーシング11、12は、回路部品(モジュール基板13、光検出部14、アンテナ17、及びケーブル18等の電子部品)及びカバー部15、16を内側に実装して覆う構造部材である(
図1、
図2参照)。ケーシング11とケーシング12とは、内側同士を対向させて組み合わせ可能に構成されている。なお、
図1、
図2では、1つの中継装置10において2つのケーシング11、12が組み合わさる構成となっているが、3つ以上のケーシングが組み合わさる構成であってもよい。ケーシング11、12は、内部空間を覆うように組み合わさり、当該内部空間に回路部品が実装されている。ケーシング11は、カバー部15と一体になっていてもよく、カバー部15を取付(組付、接着、溶着、係合等)けた構成であってもよい。ケーシング12は、カバー部16と一体になっていてもよく、カバー部16を取付けた構成であってもよい。
【0019】
モジュール基板13は、スマートフォン50、パーソナルコンピュータ60等の端末とインターネット80との間の中継処理を行うための電子部品、コネクタ等を搭載した基板である(
図1、
図2参照)。モジュール基板13は、組み合わさったケーシング11、12の内側に実装されている。モジュール基板13は、例えば、ケーシング11、12の一方に取付(ねじ止め、係合等)けたり、ケーシング11、12で挟み込んだりして、ケーシング11、12の内側に実装される。モジュール基板13は、ケーシング11、12が組み合わさったときにカバー部15、16と抵触しないように配置されている。モジュール基板13は、光検出部14を搭載していてもよい。モジュール基板13は、ケーブル18を介してアンテナ17と電気的に接続されている。モジュール基板13の詳細な構成については、後述する。
【0020】
光検出部14は、光を検出する機能部である(
図1、
図2参照)。光検出部14は、少なくともカバー部15、16によって覆われた暗室空間に配されており、ケーシング11、12やモジュール基板13によっても覆われていてもよい。光検出部14は、モジュール基板13と電気的に接続されている。光検出部14は、
図1、
図2ではモジュール基板13に搭載されているが、ケーブルやコネクタなどを介してモジュール基板13に電気的に接続してケーシング11、12やカバー部15、16に取付けてもよい。光検出部14は、モジュール基板13とケーシング11、12とが正常に組み合わされた状態では、光検出部14の周囲の明るさが十分暗くなる(光が当たらない)ように配置されている。光検出部14の詳細な構成については、後述する。
【0021】
カバー部15、16は、ケーシング11、12を組み合わせたときに光検出部14を覆い、光検出部14への光を遮断する構造部である(
図1、
図2参照)。カバー部15は、ケーシング11と一体になっていてもよく、ケーシング11に取付(組付、接着、溶着、係合等)けた構成であってもよい。カバー部16は、ケーシング12と一体になっていてもよく、ケーシング12に取付けた構成であってもよい。カバー部15、16は、
図2のようにモジュール基板13を2つのケーシング11、12に正常に組み込んだときにモジュール基板13上の光検出部14への光を遮断し、光検出部14の周囲を暗くする暗室空間ができるように構成される。これにより、正常に組み込まれていない状態で中継装置10を動作させた時に、光検出部14で周囲の明るさを検知し、検知した明るさにより中継装置10の動作を制御(制限)することができる。
【0022】
アンテナ17は、電流と電波を相互に変換する構造体である(
図1、
図2参照)。アンテナ17は、スマートフォン50と無線LANで通信可能に接続される。アンテナ17は、ケーブル18を介してモジュール基板13と電気的に接続されている。アンテナ17は、
図2ではケーシング11、12の内側に実装されているが、ケーシング11、12の外部に取り付けた構成であってもよい。
【0023】
以上のような中継装置10では、ケーシング11、12、モジュール基板13及びカバー部15、16を利用して、ケーシング11、12が組み合わされた状態でモジュール基板13がケーシング11、12内の正しい位置に配置され、かつ、カバー部15、16が組み合わされたときに、光検出部14への光が遮断されるような構造にしておく。また、中継装置10では、ケーシング11、12が分解された時や、ケーシング11、12、モジュール基板13又はカバー部15、16が正しく組み合わされていない時や、カバー部15、16が不足している時は、光検出部14に光を遮断する構造が除去されてしまう仕組みにしておく。
【0024】
次に、実施形態1に係る中継装置の回路構成について図面を用いて説明する。
図3は、実施形態1に係る中継装置の回路構成及びその周辺の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
図4は、実施形態1に係る中継装置における光検出部、電源回路部及び無線通信部間の詳細な回路構成を模式的に示したブロック図である。
【0025】
中継装置10は、モジュール基板13の回路構成において、WAN(Wide Area Network)ポート21と、LAN(Local Area Network)ポート22と、制御部23と、有線通信部24と、無線通信部25と、記憶部26と、表示部27と、スイッチ部28と、電源回路部29と、光検出部14と、アンテナ17と、ケーブル18と、を備える(
図3参照)。
【0026】
WANポート21は、インターネット80に接続するために回線終端装置70と通信可能に接続されるポートである(
図3参照)。WANポート21は、有線通信部24に通信可能に接続されており、有線通信部24によって制御される。
【0027】
LANポート22は、パーソナルコンピュータ60などの端末と有線で通信可能に接続されるポートである(
図3参照)。LANポート22は、
図3では複数あるが、1つでもよい。LANポート22は、有線通信部24に通信可能に接続されており、有線通信部24によって制御される。
【0028】
制御部23は、有線通信部24、無線通信部25、記憶部26、表示部27、スイッチ部28、光検出部14を制御する機能部である(
図3参照)。制御部23は、記憶部26に記憶された所定のプログラムを実行することで所定の制御や情報処理を行う。
【0029】
有線通信部24は、WANポート21及びLANポート22と有線(有線WAN、有線LAN)で接続された回線終端装置70やパーソナルコンピュータ60等の端末に対して通信処理を行う機能部である(
図3参照)。有線通信部24は、制御部23によって制御され、WANポート21及びLANポート22を制御する。
【0030】
無線通信部25は、アンテナ17を介して無線LANで接続されたスマートフォン50等の端末に対して通信処理を行う機能部である(
図3、
図4参照)。無線通信部25は、ケーブル18を介してアンテナ17と電気的に接続されている。無線通信部25は、制御部23によって制御される。無線通信部25は、電源回路部29によって電力制御される。
【0031】
記憶部26は、各種情報を記憶する機能部である(
図3参照)。記憶部26は、プログラムや設定情報を記憶する。記憶部26は、制御部23によって制御される。
【0032】
表示部27は、情報を表示する機能部である(
図3参照)。表示部27として、例えば、ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を用いることができる。表示部27は、制御部23によって制御される。表示部27は、中継装置10の動作状態を表示(所定の色で発光、点滅等による表示でも可)するようにしてもよい。表示部27は、光検出部14で光を検出したときに、中継装置10が分解又は加工により非正常(異常)であることを表示するようにしてもよい。
【0033】
スイッチ部28は、ユーザの操作により中継装置10の動作モードの切替や初期化を行う機能部である(
図3参照)。スイッチ部28として、例えば、プッシュスイッチ、タッチセンサ等を用いることができる。スイッチ部28は、制御部23によって制御される。
【0034】
電源回路部29は、WANポート21、LANポート22、制御部23、有線通信部24、無線通信部25、記憶部26、表示部27、スイッチ部28及び光検出部14を構成する各種の電子部品に供給する電力を生成する回路部である(
図3参照)。電源回路部29は、光検出部14と無線通信部25との間の回路において、電源制御部41と、無線用電源出力部42と、を備える。
【0035】
電源制御部41は、光検出部14で光を検出したときに無線用電源出力部42から出力される電力制御(電力制限)する機能部である(
図4参照)。無線用電源出力部42は、電源制御部41の電力制御に応じて無線通信部25に向けて電力を出力する機能部である(
図4参照)。
【0036】
光検出部14として、例えば、電源33(例えば、3.3V)と接地34との間にフォトレジスタ31(例えば、CdS(硫化カドミウム)セル)と抵抗32(例えば、10kΩ)とが直列に接続されたものを用いることができる。フォトレジスタ31に当たる光が強く明るい場合は、フォトレジスタ31は10kΩ程度と抵抗値が小さくなり、フォトレジスタ31に当たる光が弱い(暗い)場合は、フォトレジスタ31の抵抗値は1000kΩと大きくなる。光検出部14は、フォトレジスタ31と抵抗32との間の配線から分岐して電源回路部29に接続される。
【0037】
図4のような光検出部14、電源回路部29、及び無線通信部25の回路構成では、
図2のようにモジュール基板13とケーシング11、12が正常に組み込まれている場合は、光検出部14は暗い状態となるため、光検出部14のフォトレジスタ31の抵抗値が1000kΩと大きくなり、電源制御部41に接続されている端子の入力電圧値は約1.65Vとなり、電圧が低い状態となる。このとき、電源制御部41は、その入力電圧値から正常に組み込まれている状態と判断し、無線用電源出力部42の電源出力を有効にして無線通信部25に電源を供給することにより、中継装置10の無線通信動作が可能となる。
【0038】
一方、ケーシング11、12が分解され、光検出部14に光が照射され明るい状態のときは、フォトレジスタ31の抵抗値が10kΩと小さくなることにより、電源制御部41の端子の入力電圧値は約3.2Vとなり、電圧が高い状態となる。このとき、電源制御部41は、その入力電圧値から、組み込み状態が異常であることを判断し、無線用電源出力部42の電源出力を無効にすることにより、無線通信部25への電源供給が停止されて、無線通信動作を停止させる。
【0039】
このようにして、無線LAN通信装置がユーザによって、意図的に装置分解といった処置をされているか否かを光検出部14からの信号により判断し、ハードウェア改造やソフトウェア改変などの適用がされているおそれがあるものに対して、光検出部14からの信号を利用して無線通信部25への電源供給を停止させることにより、中継装置の無線通信動作を停止させる処置を施す。
【0040】
実施形態1によれば、中継装置10において、カバー部15、16に覆われるように配される光検出部14により、モジュール基板13がケーシング11、12に正常に組み込まれているか否かを判断することができるので、不正分解によりにケーシング11、12を開けた改造を確実に検出することに貢献することができる。
【0041】
また、実施形態1によれば、中継装置10において、カバー部15、16に覆われるように配される光検出部14によりケーシング11、12に物理的加工が施されているかを判断することができるので、不正にケーシング11、12を加工して利用されることを防ぐことができる。
【0042】
また、実施形態1によれば、中継装置10において、不正にケーシング11、12を分解して利用されることを抑制することにより、ユーザによる中継装置10を分解し、ハードウェア改造、ソフトウェア改変の処置を行うといった試みを抑制することができる。
【0043】
また、実施形態1によれば、ユーザによる中継装置10のケーシング11、12の分解、改造などといった処置が実施されることを抑制することができるので、ユーザによるハードウェア改造、ソフトウェア改造を防ぎ、設計時の特性を維持することができる。
【0044】
また、実施形態1によれば、中継装置10において、カバー部15、16に覆われるように配される光検出部14により、モジュール基板13とは別の機構部品やサブ基板などがある場合にも、中継装置10に正常に組み込まれた状態であるかを判断することができるので、組み立て精度が必要な場合において、精度の確保をすることができる。
【0045】
また、実施形態1によれば、光検出部14、電源回路部29、及び無線通信部25の回路構成により中継装置10が正常に組み込まれた状態であるかを判断することができるので、ソフトウェア制御なしでの利用が可能である。
【0046】
また、実施形態1によれば、ユーザにより中継装置10が分解されていることの確認や、中継装置10のモジュール基板13がケーシング11、12に正常に組み込まれていない状態、ケーシング11、12が物理的に加工・破壊された異常状態であるといったことを確認することにより、ユーザによる不正改造の抑制や不正改造状態での利用を抑制することができる。
【0047】
また、実施形態1によれば、中継装置10にカバー部15、16及び光検出部14を追加することにより、ユーザにより中継装置10のケーシング11、12が分解され何らかの改変の試みが行われた場合、中継装置10がそのことを自動的に判定し、その動作に制限を設けることにより、無線LAN通信装置の不正利用を抑制することを可能とすることができる。
【0048】
さらに、実施形態1によれば、光検出部14を利用することで、悪意あるユーザによる不正利用において、動作制限の判定を行っている部品を分かりにくくすることができる。
【0049】
[実施形態2]
実施形態2に係る中継装置について図面を用いて説明する。
図5は、実施形態2に係る中継装置の外観構成の一例を模式的に示した展開斜視図である。
図6は、実施形態2に係る中継装置の回路構成及びその周辺の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
【0050】
実施形態2は、実施形態1の変形例であり、中継装置10の生産工場において、モジュール基板13の他にサブ基板や機構部品をケーシング11、12に組み込むときに、組み込み精度が必要な箇所に、光検出部14を配置したものである(
図5参照)。例えば、中継装置10において、アンテナ17のケーシング11、12への組み込み位置は、無線特性に影響するため、ケーシング11、12の正しい場所への組み込みに精度が求められる。モジュール基板13及びアンテナ17をケーシング11、12に対して正しい場所に組み込んだときに、光検出部14をモジュール基板13、アンテナ17、カバー部15、16で、完全に覆い、光検出部14に光が当たらないような構造にしておく。アンテナ17がケーシング11、12の正しくない場所に組み込まれた場合は、光検出部14に光が当たるようにしておく。光検出部14は、ケーブル18を介してモジュール基板13に電気的に接続されている。
【0051】
また、実施形態2では、光を検出した光検出部14からの信号を、電源回路部29ではなく、制御部23で受け取り、制御部23により無線通信部25の機能を制御(制限、無効、停止)するようにしている(
図6参照)。また、光を検出した光検出部14からの光検出信号を受け取った制御部23は、当該光検出信号に関する履歴情報(受取日時、受取時間、受取回数など)を記憶部26に記憶させる。制御部23において、履歴情報を利用することにより、光検出部14で光を検出(中継装置10の組み込み異常を検出)している間だけでなく、中継装置10の組み込み異常が解除された後も、制御部23が無線通信部25の機能を無効のままにしておき、製造業者でのみ、無線通信部25の機能の無効化の解除をすることができるようにしておく。また、光検出部14で検出する明るさ情報を制御部23で処理することにより、光検出部14で光を検出してユーザにより中継装置10が不正分解、改造等されているときに、中継装置10の表示部27にてユーザに中継装置10が状態異常であることを表示する。
【0052】
その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0053】
次に、実施形態2に係る中継装置の組み込み状態を判定する時の動作について図面を用いて説明する。
図7は、実施形態2に係る中継装置の組み込み状態を判定する時の動作を模式的に示したフローチャート図である。なお、中継装置の構成については、
図5、
図6を参照されたい。
【0054】
まず、作業者は、中継装置10の組み込みを実施する(ステップA1)。
【0055】
次に、作業者は、検査のための中継装置10の動作を開始(電源ON)し(ステップA2)、これに伴い、光検出部14も動作を開始する(ステップA3)。
【0056】
次に、光検出部14で光を検出しているか否か(中継装置10の組み込み状態が異常であるか否か)を判定する(ステップA4)。
【0057】
光検出部14が光を検出している(組み込み状態が異常である)場合(ステップA4のYES)、制御部23は、光検出部14から光検出信号を受け取って、中継装置10の分解、モジュール基板13やケーシング11、12のハードウェア改造、ソフトウェア改造等の異常状態であると判断し、表示部27に異常状態であることを表示させる(ステップA5)。これにより、作業者に再組み込みを促すことができる。
【0058】
次に、制御部23は、中継装置10の動作を制限(停止)する(ステップA6)。
【0059】
次に、作業者は、中継装置10の動作を終了(電源OFF)させ(ステップA7)、その後、ステップA1に戻って、作業者は、中継装置10の再組み込みを実施することになる。
【0060】
光検出部14が光を検出していない(組み込み状態が正常である)場合(ステップA4のNO)、制御部23は、光検出部14から光検出信号を受け取らずに、中継装置10が正常状態であると判断し、中継装置10に通常動作を継続させる(ステップA8)。これにより、中継装置10のアンテナ17の組み込み位置の精度を上げることができる。
【0061】
最後に、作業者は、中継装置10の動作を終了(電源OFF)させ(ステップA9)、その後、終了する。
【0062】
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、ケーシング11、12を開けた改造を確実に検出することに貢献することができるとともに、中継装置10の組み込み状態が正常であるか否かを判定して、表示部27に組み込み状態が異常状態であることを表示させているので、中継装置10において部品の組み込み位置に精度を求められる場合において、組み込み状態が異常状態である場合には作業者への再組み込みを促し、製造工程での精度(特に、アンテナ17の組み込み精度)を高めることができ、設計通りの無線特性を確保することができる。
【0063】
また、実施形態2によれば、中継装置10の組み込み状態が正常であるか否かを判定しているので、ユーザに正常状態で利用することを促したり、ユーザへの不正利用(装置分解、物理的加工等)の抑止をすることができる。
【0064】
[実施形態3]
実施形態3に係る中継装置について図面を用いて説明する。
図8は、実施形態3に係る中継装置の正しく組み込まれた状態の構成の一例を模式的に示した断面図である。
図9は、実施形態3に係る中継装置の回路構成及びその周辺の構成の一例を模式的に示したブロック図である。
【0065】
実施形態3は、実施形態2の変形例であり、発光部20(例えば、LED:Light Emitting Diode)を追加したものである(
図8、
図9参照)。中継装置10は常に明るい場所で使用されるわけではないので、光検出部14が異常を検出しない暗い環境においても、中継装置10の組み込み状態が異常状態であるときに光を検出できるように発光部20を設けている。発光部20は、中継装置10が動作しているとき(電源が入っているとき)は点灯(常時点灯、点滅でも可)する。光検出部14は、発光部20の光を検出しないようにカバー部15、16で覆われている。モジュール基板13やアンテナ17が正しくケーシング11、12に組み込まれている場合は、光検出部14は発光部20の光を検出することはないようにしておく。ケーシング11、12が分解された状態や、モジュール基板13やアンテナ17がケーシング11、12の正しい位置に組み込まれていない場合は、発光部20の光を光検出部14が検出する。その他の構成及び動作は、実施形態2と同様である。なお、実施形態3の発光部20の構成を実施形態1に適用してもよい。
【0066】
実施形態3によれば、実施形態1と同様に、ケーシング11、12を開けた改造を確実に検出することに貢献することができるとともに、暗い環境においても発光部20によって中継装置10の組み込み状態が異常であることを判定することができるので、中継装置10の分解、不正改造状態に対して抑制力をさらに高めることができる。
【0067】
[実施形態4]
実施形態4に係る中継装置について図面を用いて説明する。
図10は、実施形態4に係る中継装置の回路構成を模式的に示したブロック図である。
【0068】
中継装置10は、端末50との間の通信を中継する装置である(
図10参照)。中継装置10は、複数のケーシング11、12と、アンテナ17と、無線通信部25と、複数のカバー部15、16と、光検出部14と、制御部23と、を備える。
【0069】
ケーシング11、12は、内部空間を覆うように組み合わさっている。アンテナ17と、電流と電波を相互に変換するように構成されている。無線通信部25は、内部空間に実装されるとともに、アンテナ17を介して無線で接続された端末50に対して通信処理を行うように構成されている。カバー部15、16は、内部空間において複数のケーシング11、12のそれぞれに取り付けられるとともに、複数のケーシング11、12が正常に組み合わさったときに、光が入らない暗室空間を作るように構成されている。光検出部14は、暗室空間に実装されるとともに、光を検出するように構成されている。表示部27は、情報を表示するように構成されている。制御部23は、内部空間に実装されるとともに、少なくとも無線通信部25、光検出部14、及び表示部27を制御するように構成されている。制御部23は、光検出部14で光を検出したときに、異常な状態であることを表示部27に表示させるように構成されている。
【0070】
実施形態4によれば、中継装置10において、カバー部15、16に覆われるように配される光検出部14により、ケーシング11、12が正常に組み込まれているか否かを判断することができるので、不正分解によりにケーシング11、12を開けた改造を確実に検出することに貢献することができる。
【0071】
なお、実施形態1~4に係る中継装置は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、
図11に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源100は、内部バス104により相互に接続される、プロセッサ101、メモリ102、ネットワークインタフェイス103等を備える。
【0072】
なお、
図11に示す構成は、ハードウェア資源100のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源100は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。あるいは、装置に含まれるプロセッサ101等のユニットの数も
図11の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ101がハードウェア資源100に含まれていてもよい。プロセッサ101には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。
【0073】
メモリ102には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0074】
ネットワークインタフェイス103には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0075】
ハードウェア資源100の機能は、上述の処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ102に格納されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0076】
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0077】
[付記1]
内部空間を覆うように組み合わさった複数のケーシングと、
電流と電波を相互に変換するように構成されたアンテナと、
前記内部空間に実装されるとともに、前記アンテナを介して無線で接続された端末に対して通信処理を行うように構成された無線通信部と、
前記内部空間において前記複数のケーシングのそれぞれに取り付けられるとともに、前記複数のケーシングが正常に組み合わさったときに、光が入らない暗室空間を作るように構成された複数のカバー部と、
前記暗室空間に実装されるとともに、光を検出するように構成された光検出部と、
情報を表示するように構成された表示部と、
前記内部空間に実装されるとともに、少なくとも前記無線通信部、前記光検出部、及び前記表示部を制御するように構成された制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記光検出部で光を検出したときに、異常な状態であることを前記表示部に表示させるように構成されている、
中継装置。
[付記2]
前記内部空間に実装されるとともに、前記光検出部で光を検出したときに、前記無線通信部に出力する電力を制限するように構成された電源回路部を備える、
付記1記載の中継装置。
[付記3]
前記光検出部は、電源と接地との間にフォトレジスタと抵抗とが直列に接続された構成となっており、
前記電源回路部は、前記フォトレジスタと前記抵抗との接点に電気的に接続されている、
付記2記載の中継装置。
[付記4]
前記電源回路部は、
前記光検出部で光を検出したときに電力を制限するように構成された電源制御部と、
前記電源制御部の電力の制限に応じて前記無線通信部に向けて出力する電力を制限するように構成された無線用電源出力部と、
を備える、付記3記載の中継装置。
[付記5]
前記内部空間に実装されるとともに、情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記光検出部で光を検出したときの光検出信号を受け取ったときに、前記光検出信号に関する履歴情報を前記記憶部に記憶させるように構成されている、
付記1記載の中継装置。
[付記6]
前記制御部は、前記光検出部で光を検出したときの光検出信号を受け取ったときに、前記無線通信部の動作を制限するように構成されている、
付記1記載の中継装置。
[付記7]
前記制御部は、前記無線通信部の動作を制限した後に、前記光検出部からの前記光検出信号が無くなっても前記無線通信部の動作を制限したままにするように構成されている、
付記6記載の中継装置。
[付記8]
前記アンテナは、前記内部空間に実装され、
前記光検出部は、前記カバー部又は前記ケーシングに取り付けられるとともに、ケーブルを介して前記制御部に電気的に接続され、かつ、前記複数のケーシングが正常に組み合わされた状態で光が当たらないように少なくとも前記カバー部及び前記アンテナに覆われた前記暗室空間に配置される、
付記1記載の中継装置。
[付記9]
前記内部空間に実装されるとともに、前記中継装置の電源が入っているときに点灯するように構成された発光部を備える、
付記1乃至8のいずれか一に記載の中継装置。
[付記10]
内部空間を覆うように組み合わさった複数のケーシングと、
電流と電波を相互に変換するように構成されたアンテナと、
前記内部空間に実装されるとともに、前記アンテナを介して無線で接続された端末に対して通信処理を行うように構成された無線通信部と、
前記内部空間において前記複数のケーシングのそれぞれに取り付けられるとともに、前記複数のケーシングが正常に組み合わさったときに、光が入らない暗室空間を作るように構成された複数のカバー部と、
前記暗室空間に実装されるとともに、光を検出するように構成された光検出部と、
情報を表示するように構成された表示部と、
前記内部空間に実装されるとともに、少なくとも前記無線通信部、前記光検出部、及び前記表示部を制御するように構成された制御部と、
を備えた中継装置の不正利用を抑制する不正利用抑制方法であって、
前記制御部が、前記光検出部で光を検出したときに、異常な状態であることを前記表示部に表示させる、
中継装置の不正利用抑制方法。
[付記11]
内部空間を覆うように組み合わさった複数のケーシングと、
電流と電波を相互に変換するように構成されたアンテナと、
前記内部空間に実装されるとともに、前記アンテナを介して無線で接続された端末に対して通信処理を行うように構成された無線通信部と、
前記内部空間において前記複数のケーシングのそれぞれに取り付けられるとともに、前記複数のケーシングが正常に組み合わさったときに、光が入らない暗室空間を作るように構成された複数のカバー部と、
前記暗室空間に実装されるとともに、光を検出するように構成された光検出部と、
情報を表示するように構成された表示部と、
前記内部空間に実装されるとともに、少なくとも前記無線通信部、前記光検出部、及び前記表示部を制御するように構成された制御部と、
を備えた中継装置の前記制御部に実行させるプログラムであって、
前記光検出部で光を検出したときに、異常な状態であることを前記表示部に表示させる処理を前記制御部に実行させる、プログラム。
【0078】
なお、上記の特許文献の開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本願発明の趣旨に則り、本願発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれる(属する)ものと、みなされる。
【符号の説明】
【0079】
10 中継装置
11、12 ケーシング
13 モジュール基板
14 光検出部
15、16 カバー部
17 アンテナ
18、19 ケーブル
20 発光部
21 WANポート
22 LANポート
23 制御部
24 有線通信部
25 無線通信部
26 記憶部
27 表示部
28 スイッチ部
29 電源回路部
31 フォトレジスタ
32 抵抗
33 電源
34 接地
41 電源制御部
42 無線用電源出力部
50 スマートフォン(端末)
60 パーソナルコンピュータ
70 回線終端装置
80 インターネット
100 ハードウェア資源
101 プロセッサ
102 メモリ
103 ネットワークインタフェイス
104 内部バス