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特開2024-94757蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094757
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/124 20210101AFI20240703BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240703BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20240703BHJP
   H01M 50/169 20210101ALI20240703BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20240703BHJP
   H01M 50/159 20210101ALI20240703BHJP
   H01M 50/117 20210101ALI20240703BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20240703BHJP
【FI】
H01M50/124
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/169
H01M50/119
H01M50/159
H01M50/117
H01G11/78
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211512
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】奥畑 佑介
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
【Fターム(参考)】
5E078AB06
5E078HA23
5H011AA09
5H011BB03
5H011CC05
5H011CC06
5H011DD09
5H011DD13
(57)【要約】
【課題】溶融凝固部の外装体外方へのはみ出しを抑制することにより、寸法精度の信頼性を有する、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】
ここで開示される蓄電デバイス100は、電極を有する電極体と、底部と、該底部の周縁から延びる側壁12aと、側壁12aで囲まれた開口部15と、を有し、上記電極体を収容する外装体12と、上記開口部15を封口する封口板18と、外装体12の開口部15と封口板18との嵌合部11に形成された環状の溶融凝固部50と、を備える。そして、蓄電デバイス100は、外装体12の開口部15の周縁のうち少なくとも一部にはみ出し防止層60を有することにより、溶融凝固部50が外装体12の外方に形成されるのを防ぐことができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を有する電極体と、
底部と、前記底部の周縁から延びる側壁と、前記側壁で囲まれた開口部と、を有し、前記電極体を収容する外装体と、
前記開口部を封口する封口板と、
前記外装体の前記開口部と前記封口板との嵌合部に形成された環状の溶融凝固部と、を備え、
前記外装体の前記開口部の周縁のうち少なくとも一部に、前記溶融凝固部が前記外装体の外方に形成されるのを防止するはみ出し防止層を有する、
蓄電デバイス。
【請求項2】
前記封口板は、略矩形かつ板状であり、
前記底部は、一対の短辺と一対の長辺を有する略矩形状であり、
前記側壁は、前記底部の前記長辺から延び相互に対向する一対の長側壁と、前記底部の前記短辺から延び相互に対向する一対の短側壁と、を含む、
請求項1に記載の蓄電デバイス。
【請求項3】
前記はみ出し防止層は、少なくとも一対の前記短側壁に配置される、
請求項2に記載の蓄電デバイス。
【請求項4】
前記はみ出し防止層は、少なくとも一対の前記長側壁に配置される、
請求項2に記載の蓄電デバイス。
【請求項5】
前記はみ出し防止層は、前記外装体の前記開口部の周縁全周に亘って配置される、
請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
【請求項6】
前記はみ出し防止層は、酸化アルミニウムを主体とする、
請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
【請求項7】
前記はみ出し防止層は、前記外装体のうち、前記側壁の外面と、前記側壁の上端面の少なくとも一部とに配置される、
請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
【請求項8】
前記はみ出し防止層は、前記外装体のうち、前記側壁の外面に配置され、
前記はみ出し防止層の上端部が、前記側壁の外面と前記側壁の上端面とが交差する周縁部に達しない位置に配置される、
請求項1または2に記載の蓄電デバイス。
【請求項9】
電極を有する電極体と、
底部と、前記底部の周縁から延びる側壁と、前記側壁で囲まれた開口部と、を有し、前記電極体を収容する外装体と、
前記開口部を封口する封口板と、
前記外装体の前記開口部と前記封口板との嵌合部に形成された環状の溶融凝固部と、を備える蓄電デバイスの製造方法であって、
前記外装体の前記開口部の周縁のうち少なくとも一部に、はみ出し防止層を形成する防止層形成工程と、
前記外装体内に前記電極体を収容し、前記封口板を前記外装体の前記開口部に嵌合する封口板嵌合工程と、
前記封口板嵌合工程の後、前記外装体と前記封口板との嵌合部を、レーザ溶接することにより、前記溶融凝固部を形成するレーザ溶接工程と、を有する、
蓄電デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記外装体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、
前記防止層形成工程は、アルマイト処理によって行われる、
請求項9に記載の蓄電デバイスの製造方法。
【請求項11】
前記防止層形成工程において、前記はみ出し防止層を、前記外装体のうち前記側壁の外面と、前記側壁の上端面の少なくとも一部とに形成する、
請求項9または10に記載の蓄電デバイスの製造方法。
【請求項12】
前記防止層形成工程において、前記はみ出し防止層の上端部が、前記側壁の外面と前記側壁の上端面とが交差する周縁部に達しないように形成する、
請求項9または10に記載の蓄電デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスは、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。従来、底部と該底部の周縁から延びる側壁と該側壁で囲まれた開口部を有する外装体と、上記開口部を封口する封口板とを有し、該外装体と該封口板との嵌合部に溶融凝固部を備えた蓄電デバイスが知られる。例えば、特許文献1には、上記嵌合部の内側にレーザービームのスポット中心をオフセットすることを特徴とする製造方法が開示されている。また、特許文献2には、ビード(溶融凝固部)形状の安定性を目的として、ケース(外装体)の側壁の上部の厚みが、該ケースの内側に向かって張り出すように、部分的にあらかじめ厚肉化されていることを特徴とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-315788号公報
【特許文献2】特開2016-66583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の蓄電デバイスにおいては、溶融凝固部の外装体外方へのはみ出しによって、蓄電デバイスの寸法にぶれが生じる。蓄電デバイスはその普及に伴い、寸法精度の安定性が求められていると共に、溶接品質の安定性や、高エネルギー化等をはじめとした高い信頼性が要求されている。従って、本発明者は、溶接条件や外装体の内寸を変更することなく、蓄電デバイスの溶融凝固部の外装体外方へのはみ出しを抑制することが望ましいと考えている。
【0005】
ここに開示される技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶融凝固部の外装体外方へのはみ出しを抑制することにより、寸法精度の信頼性を有する、蓄電デバイスおよび蓄電デバイスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示される技術は、電極を有する電極体と、底部と、該底部の周縁から延びる側壁と、該側壁で囲まれた開口部と、を有し、上記電極体を収容する外装体と、上記開口部を封口する封口板と、前記外装体の前記開口部と前記封口板との嵌合部に形成された環状の溶融凝固部と、を備える蓄電デバイスに関する。そして、ここに開示される蓄電デバイスは、上記外装体の開口部の周縁のうち少なくとも一部に、上記溶融凝固部が上記外装体の外方に形成されるのを防止するはみ出し防止層を有する。
【0007】
かかる構成によると、上記溶融凝固部が形成される際、該溶融凝固部が外装体の外方への飛び出しが、はみ出し防止層によって抑制される。従って、寸法精度の信頼性を有する蓄電デバイスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る蓄電デバイスを模式的に示す斜視図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。
図3図3は、外装体と封口板を模式的に示す上面図である。
図4図4は、一実施形態に係る溶融凝固部の近傍を示す縦断面図である。
図5図5は、一実施形態に係る蓄電デバイスの製造方法を示すフロー図である。
図6図6は、一実施形態に係るレーザ溶接工程を模式的に示す縦断面図である。
図7図7は、第1の変形例に係る図4対応図である。
図8図8は、第2の変形例に係る図4対応図である。
図9図9は、従来例に係る溶融凝固部の近傍を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながらここに開示される技術に係る実施の形態を説明する。なお、本明細書において言及していない事柄であって、ここに開示される技術の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここに開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。なお、本明細書において「A~B」として表現される数値範囲には、AおよびBが含まれるとともに、「好ましくはAより大きい」および「好ましくはBより小さい」の意を包含するものとする。また、本明細書において「主体」とは、全成分のうち70重量%以上を占める成分のことをいう。
【0010】
本明細書において「蓄電デバイス」とは、充電と放電を行なうことができるデバイスをいう。蓄電デバイスには、一般にリチウムイオン電池やリチウム二次電池などと称される電池の他、リチウムポリマー電池、リチウムイオンキャパシタなどが包含される。二次電池とは、正負極間の電荷担体の移動に伴って繰り返しの充放電が可能な電池一般をいう。ここでは、蓄電デバイスの一形態として、リチウムイオン二次電池を例示する。
【0011】
<蓄電デバイス100>
図1は、第1実施形態に係る蓄電デバイス100を模式的に示す斜視図である。図2は、図1中のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。図3は、外装体12と封口板18を模式的に示す上面図である。図2および図3では、外装体12と封口板18は溶接される前(溶融凝固部50が形成される前)である。なお、以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表す。また、図面中の符号Xは、蓄電デバイス100の短辺方向(厚み方向ともいう。)を示し、符号Yは、蓄電デバイス100の長辺方向を示し、符号Zは、蓄電デバイス100の上下方向(高さ方向ともいう。)を示す。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、蓄電デバイス100の設置形態を何ら限定するものではない。
【0012】
図1図2に示すように、蓄電デバイス100は、ケース1と、電極体20と、正極端子6と、負極端子8と、正極集電部材35と、負極集電部材45と、を備えている。図示は省略するが、蓄電デバイス100は、ここではさらに電解液を備えている。蓄電デバイス100は、ここに開示されるはみ出し防止層60を備えることによって特徴付けられ、それ以外の構成は従来同様であってよい。蓄電デバイス100は、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池であることが好ましい。
【0013】
ケース1は、電極体20を収容する筐体である。図1および図2に示すように、ケース1は、開口部15を有する外装体12と、開口部15を封口する封口板18と、を備えている。外装体12および封口板18は、電極体20の収容数(1つまたは複数。)や、サイズ等に応じた大きさを有している。ケース1は、金属製であることが好ましく、アルミニウムまたはアルミニウムを主体としたアルミニウム合金からなることがより好ましい。ここでは、ケース1はアルミニウム製である。ケース1は、図1に示すように、ここでは扁平かつ有底の略直方体形状(角型)を有する。しかし、これに限定されず、ケース1の形状は、例えば円筒型等であってもよい。
【0014】
外装体12は、図1図2に示すように、一側面(ここでは上面)に開口部15を有する有底かつ略直方体形状の容器である。外装体12は、図1に示すように、一対の短辺と一対の長辺を有する略矩形状の底部12dと、底部12dの短辺から上方に延び相互に対向する一対の短側壁12a、12bと、底部12dの長辺から上方に延び相互に対向する一対の長側壁12e、12fと、を備えている。なお、本明細書において「略矩形状」とは、完全な矩形状(長方形状)に加えて、例えば、矩形状の長辺と短辺とを接続する角部がR状になっている形状や、角部に切り欠きを有する形状等をも包含する用語である。なお、短側壁12a、12bおよび長側壁12e、12fは、ここに開示される「側壁」の一例である。
【0015】
外装体12の一側面には、一対の短側壁12a、12bと一対の長側壁12e、12fで囲まれた開口部15が形成されている。図2に示すように、底部12dは開口部15と対向している。図2に示すように、ここでは、外装体12は上端面13を有する。上端面13は、一対の短辺部13a、13bと、一対の長辺部13e、13fと、を有する(図3参照)。短辺部13a、13bは、短側壁12a、12bの上縁である。長辺部13e、13fは、長側壁12e、12fの上縁である。さらに、ここでは、外装体12は短側壁12a、12bおよび長側壁12e、12fの外面と、上端面13とが交差する周縁部16を有する。
【0016】
封口板18は、図1および図2に示すように、外装体12の開口部15を封口する部材である。ここでは、封口板18は、平面略矩形の板状部材である。図2に示すように、封口板18には、注液孔71と、ガス排出弁73と、端子引出孔74,75と、が設けられている。封口板18は、外装体12の底部12dと対向している。詳しくは後述するが、ケース1は、外装体12の開口部15と封口板18とが嵌合し、かかる嵌合部11が溶接接合されることによって、一体化されている。これによって、ケース1は気密に封止(密閉)されている。
【0017】
注液孔71は、外装体12に封口板18を組み付けた後、ケース1の内部に電解液を注液するための貫通孔である。注液孔71は、ここでは、電解液の注液後に封止部材72によって封止されている。ガス排出弁73は、ケース1内の圧力が所定値以上になったときに破断して、ケース1内のガスを外部に排出するように構成された薄肉部である。
【0018】
電解液としては、従来公知において使用されているものを特に制限なく使用できる。一例として、非水系溶媒(有機溶媒)に支持塩(電解質塩)を溶解させた非水電解液が好ましく用いられる。非水系溶媒の一例として、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート系溶媒が挙げられる。支持塩の一例として、LiPF等のフッ素含有リチウム塩が挙げられる。電解液は、必要に応じて添加剤を含有してもよい。
【0019】
正極端子6は、封口板18の長辺方向Yの一方の端部(図2の左端部)に取り付けられている。負極端子8は、封口板18の長辺方向Yの他方の端部(図2の右端部)に取り付けられている。図2に示すように、正極端子6および負極端子8は、端子引出孔74,75に挿通され、封口板18の外側の表面に露出している。図2に示すように、正極端子6は、外装体12の内部で、正極集電部材35を介して電極体20の正極3と電気的に接続されている。負極端子8は、外装体12の内部で、負極集電部材45を介して電極体20の負極4と電気的に接続されている。正極端子6および負極端子8は、ガスケット76およびインシュレータ78によって封口板18と絶縁されている。また、正極端子6と正極集電部材35との間または負極端子8と負極集電部材45との間に、電流遮断機構(CID)を設置してもよい。
【0020】
正極端子6は、金属製であることが好ましく、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることがより好ましい。負極端子8は、金属製であることが好ましく、例えば銅または銅合金からなることがより好ましい。負極端子8は、2つの導電部材が接合され一体化されて構成されていてもよい。例えば、負極集電部材45と接続される部分が銅または銅合金からなり、封口板18の外側の表面に露出する部分がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなっていてもよい。
【0021】
ガスケット76やインシュレータ78には、耐薬品性や耐候性に優れた材料が用いられるとよい。ガスケット76やインシュレータ78は、電気絶縁性を有し、弾性変形が可能な樹脂材料、例えば、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)等のフッ素化樹脂や、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、脂肪族ポリアミド等で構成されていてもよい。
【0022】
ここでは、正極端子6は、ケース1の外側において、板状の正極外部導電部材36と電気的に接続されている。同様に、負極端子8は、ケース1の外側において、板状の負極外部導電部材46と電気的に接続されている。正極外部導電部材36および負極外部導電部材46は、バスバー等の外部接続部材を介して、他の蓄電デバイスや外部機器と接続される。正極外部導電部材36および負極外部導電部材46は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の導電性に優れた金属から構成されていることが好ましい。ただし、正極外部導電部材36および負極外部導電部材46は必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。
【0023】
電極体20は従来と同様でよく、特に制限はない。図2に示すように、電極体20は、正極3および負極4を有する。ここでは、電極体20は、帯状の正極3と帯状の負極4とが帯状のセパレータ7を介して絶縁された状態で積層され、捲回軸を中心として捲回されてなる扁平な捲回電極体である。ただし、電極体20は、方形状(典型的には矩形状)の正極3と方形状(典型的には矩形状)の負極4とが絶縁された状態で積み重ねられてなる積層電極体であってもよい。また、1つの外装体12の内部に配置される電極体20の数は特に限定されず、2個以上(複数)であってもよい。なお、正極3および負極4は、ここに開示される技術における「電極」の一例である。
【0024】
図2に示すように、正極3は、正極集電体30と、正極集電体30上に固着された正極活物質層31と、を有する。正極集電体30は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。正極活物質層31は、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質(例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物)を含む層である。
【0025】
負極4は、負極集電体40と、負極集電体40上に固着された負極活物質層41と、を有する。負極集電体40は、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。負極活物質層41は、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質(例えば、黒鉛等の炭素材料)を含む層である。
【0026】
セパレータ7は、正極3の正極活物質層31と、負極4の負極活物質層41と、を絶縁する部材である。セパレータ7としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂からなる多孔性の樹脂製シートが好適である。なお、セパレータ7の表面には、無機フィラーを含む耐熱層(Heat Resistance Layer:HRL)が設けられていてもよい。
【0027】
図2に示すように、電極体20の長辺方向Yの左端部には、正極活物質層31の形成されていない正極集電体30の一部分(正極集電体露出部)が積層部分からはみ出している。正極集電体露出部には、正極集電部材35が付設されている。正極集電部材35は、正極集電体30と同じ金属材料、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっていてもよい。また、電極体20の長辺方向Yの右端部には、負極活物質層41の形成されていない負極集電体40の一部分(負極集電体露出部)が積層部分からはみ出している。負極集電体露出部には、負極集電部材45が付設されている。負極集電部材45の材質(金属種)は正極集電部材35と異なっていてもよい。負極集電部材45は、負極集電体40と同じ金属種、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっていてもよい。
【0028】
蓄電デバイス100は、外装体12と封口板18とを嵌合し、かかる嵌合部11を溶接することによって構成される。ここでは、封口板18と外装体12(上端面13)は平面視において、面一である。具体的には、図3に示すように、封口板18の外周面と外装体12(開口部15)の内面とが嵌合部11で対向するように配置(嵌合)される。そして、嵌合部11を全周に亘ってレーザ溶接することで、環状の溶融凝固部50が形成されるとともに、封口板18と外装体12とが接合される(図4および図9参照)。
【0029】
図9は、従来例に係る溶融凝固部50の近傍を示す縦断面図である。ところで、上記の溶接を行う際、図9に示すように、封口板18と外装体12の一部(仮想線で図示)が溶融し、かかる溶融部が凝固することで、溶融凝固部50が形成される。溶融凝固部50の形状は、例えば、溶融金属の流動や表面張力の影響等によって決まる。詳述すれば、溶融凝固部50は、溶融金属の表面張力によって盛り上がった形状で凝固することで形成される。そのため、図9に示すように、溶融凝固部50の一部が外装体12より外方にはみ出す(突出する)虞がある。かかる溶融凝固部50のはみ出しにより、長辺方向Yおよび短辺方向Xについて、蓄電デバイス100(ケース1)のサイズにばらつきが出る。なお、本明細書における「外装体の外方に形成される(はみ出す)」とは、溶融凝固部50の少なくとも一部が、外装体12より長辺方向Yあるいは短辺方向Xに突出することを示す。溶融凝固部50の少なくとも一部が、上下Z方向への突出することは、「外方にはみ出す」には包含されない。
【0030】
ここで開示される蓄電デバイス100は、上記した課題に鑑みて創出されたものであり、はみ出し防止層60を備えることで特徴づけられる。図4は、一実施形態に係る溶融凝固部50の近傍を示す縦断面図である。図4は、従来例を示す図9に対応する図である。図4では、説明の便宜上、溶融凝固部50形成前(レーザ照射前)の外装体12および封口板18を仮想線で示す。
【0031】
ここに開示される技術において、蓄電デバイス100は、開口部15の周縁のうち少なくとも一部にはみ出し防止層60を備える。はみ出し防止層60は、溶融凝固部50より融点の高い層である。図4に示すように、はみ出し防止層60は、ここでは外装体12の短側壁12aの外面に形成されている。はみ出し防止層60の上端(U側)は、ここでは周縁部16に達するように配置されている。なお、本明細書において「開口部の周縁」とは、外装体12の短側壁12a,12bおよび長側壁12e、12fの外面の一部および、上端面13の一部を指す。
【0032】
上記したように、本実施形態における蓄電デバイス100を構成する際、外装体12と封口板18との嵌合部11にレーザLを照射することにより(図6参照)、外装体12と封口板18の一部が溶融する(図4参照)。かかる溶融部から溶融凝固部50が形成される際、溶融部の表面張力等によって溶融凝固部50の一部が外装体12の外方に形成されよう(はみ出そう)とする。一方で、はみ出し防止層60の融点は、溶融凝固部50の融点より高い。これにより、はみ出し防止層60は、溶融凝固部50が外装体12より外方(図4では、長辺方向Y)にはみ出すのを抑制する役割を持つ。従って、溶融凝固部50の一部が外装体12より外方にはみ出すのを防ぐことができる。
【0033】
はみ出し防止層60の材質は、ケース1(外装体12および封口板18)の材質(融点)、レーザの照射強度などに併せて適宜選択し得る。これに限定されないが、例えば、ケース1がアルミニウム製あるいはアルミニウム合金製である場合、はみ出し防止層60は融点が約800℃以上、好ましくは約850℃以上であり得る。例えば、はみ出し防止層60は、酸化アルミニウム(例えば、アルミナ、ベーマイト、バイヤライトなど)、セラミック、無電解ニッケルめっき、無電解ニッケル・セラミックスめっき、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コート、真性カーボン膜(ICF)コート、超硬合金溶射、超硬金属溶射(WC)、鉄系アモルファス溶射等が採用され得、好適には、酸化アルミニウム、セラミック、無電解ニッケルめっき、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コート、真性カーボン膜(ICF)コート等が採用され得、より好適には、酸化アルミニウム、無電解ニッケルめっきが採用され得る。
【0034】
はみ出し防止層60の厚さは、溶融凝固部50のはみ出しを抑制する効果を発現する観点から、0.1μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。一方で、外装体12の寸法精度の観点から、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。また、封口板18の厚み方向(上下方向Z)から見たはみ出し防止層60の高さは、レーザ溶接時のレーザ強度や、ケース1の材質(融点)によって適宜調整し得る。はみ出し防止層の高さは、溶融凝固部50のはみ出しを抑制する効果を発現する観点から、0.8mm以上が好ましく、0.9mm以上がより好ましい。
【0035】
ここでは、図3に示すように、外装体12は、短側壁12a,12bと長側壁12e,12fとの間に設けられたR部12g、12h,12i、12jを有する。ここでは、外装体12のR部12g、12h,12i、12jについても、はみ出し防止層60が配置される。かかる構成をとる場合においても、溶融凝固部50の外装体12外方へのはみ出し抑制効果を発現することができる。ただし、かかる構成は必須ではなく、省略することができる。
【0036】
はみ出し防止層60は、ここでは、開口部15の周縁全周に亘って配置されている。しかし、これに限定されず、はみ出し防止層60を必ずしも全周に亘って配置する必要はない。例えば、外装体12のうち短側壁12a,12bのみにはみ出し防止層60を配置してもよい。かかる構成によると、溶融凝固部50に対し、外装体12より長辺方向Yへのはみ出しを抑制する。これにより、長辺方向Yに対する溶融凝固部50による蓄電デバイス100の寸法ずれを好適に抑制することができる。また、外装体12のうち長側壁12e,12fのみにはみ出し防止層60を配置してもよい。かかる構成によると、溶融凝固部50に対し、外装体12より長辺方向Yへのはみ出しを抑制する。これにより、短辺方向Xに対する溶融凝固部50による蓄電デバイス100の寸法ずれを好適に抑制することができる。
【0037】
<蓄電デバイス100の製造方法>
以上、本実施形態に係る蓄電デバイス100の構造について説明した。一方、ここに開示される技術の他の側面として、蓄電デバイス100の製造方法が提供される。図5は、一実施形態に係る蓄電デバイス100の製造方法を示すフロー図である。蓄電デバイス100の製造方法は、防止層形成工程S10を行うことで特徴づけられる。ここに開示される蓄電デバイス100は、防止層形成工程S10と、封口板嵌合工程S20と、レーザ溶接工程S30と、を含む製造方法によって製造することができる。ここに開示される蓄電デバイス100の製造方法では、上記の工程に加え、任意の段階でさらに他の工程を含んでもよく、それ以外の製造プロセスは従来と同様であってよい。
【0038】
(防止層形成工程S10)
防止層形成工程S10では、外装体12の開口部15の周縁のうち、少なくとも一部に、はみ出し防止層60を形成する。防止層形成工程でのはみ出し防止層60の形成に使われうる処理は、特に限定されるものではないが、例えば、アルマイト処理、ベーマイト処理またはバイヤライト処理等の酸化アルミニウム皮膜処理、セラミック溶射等のセラミックコーティング処理、ガラスコーティング処理、DLC(Diamond-like Carbon)コーティング処理、真性カーボン膜(ICF)コーティング処理、無電解ニッケルめっき処理等が挙げられる。外装体12がアルミニウムまたはアルミニウム合金製である場合、防止層形成工程S10は、アルマイト処理を好適に採用することができる。アルマイト処理を施すことにより、高融点(約2000℃)を有する、はみ出し防止層60としての酸化アルミニウム皮膜を形成することができる。
【0039】
アルマイト処理の方法は、従来公知の処理と同様でよい。たとえば、まず外装体12のうち、はみ出し防止層60を形成しない箇所に対し、マスキングを施す。ここでは、開口部15の内側面および、上端面13に対しマスキングを施す。次に、外装体12の開口部15周縁をアルマイト処理液に浸漬し、アルミニウム陽極酸化処理を行う。その後、マスキング部分をはがすことにより、はみ出し防止層60を形成することができる。なお、はみ出し防止層60の厚みはアルマイト処理液や温度や電圧および処理時間等で制御することで調整することができる。また、はみ出し防止層60の形成領域は、例えば、外装体12のマスキング箇所や、外装体12に対するアルマイト処理液の浸漬深さなどで調整することができる。
【0040】
アルマイト処理液は、一般的にアルマイト処理に用いられるものの中から特に限定することなく用いることができる。一例として、硫酸、硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、リン酸、リン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、炭酸アンモニウム、クロム酸、重クロム酸、スルファミン酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、クエン酸アンモニウム、蟻酸、アンモニア水、水酸化ナトリウム、フッ化アンモニウム、フェリシアン化カリウム、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、過酸化水素水、チタン酸シュウ酸カリウム、スルホサリチル酸、スルホフタル酸、スルホイソフタル酸、フェノールスルホン酸などが挙げられる。
【0041】
(封口板嵌合工程S20)
封口板嵌合工程S20では、外装体12内に電極体20を収容し、封口板18を外装体12の開口部15に嵌合する。これにより、外装体12(上端面13)と封口板18とが、面一となる。また、封口板18の外周面と外装体12(開口部15)の内面とが対向し、嵌合部11が形成される。
【0042】
(レーザ溶接工程S30)
レーザ溶接工程S30では、封口板嵌合工程S20で形成した、外装体12と封口板18との嵌合部11を、レーザ溶接する。詳述すれば、嵌合部11を全周に亘ってレーザ溶接することにより、環状の溶融凝固部50を形成する。図6は、実施例に係るレーザ溶接工程S30を模式的に示す縦断面図である。図6は、図4に対応する。図6に示すように、レーザ溶接工程S30では、嵌合部11に対しレーザLを照射する。レーザLの照射により、外装体12と封口板18の一部が溶融する。そして、防止層形成工程S10にて開口部15の周縁に形成したはみ出し防止層60によって、上記溶融部の外装体12より外方への飛び出しが抑制された状態で該溶融部が凝固し、溶融凝固部50が形成される。なお、レーザ溶接に使用するレーザ光の種類やレーザ溶接の条件については、従来と同様よく、特に限定されない。また、レーザ照射方向と外装体12(上端面13)と封口板18(水平面)とのなす角は、典型的には90±10°程度であり、例えば90±5°程度である。
【0043】
以上の通り、ここに開示される蓄電デバイス100の製造方法により、好適に溶融凝固部50の外装体12から外方へのはみ出しを抑制する蓄電デバイス100が提供される。
【0044】
ここに開示される蓄電デバイス100は各種用途に利用可能であるが、典型的には、各種の車両、例えば、乗用車、トラック等に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(BEV)等が挙げられる。
【0045】
以上、ここに開示される技術におけるいくつかの実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。ここに開示される技術は、他にも種々の形態にて実施することができる。ここに開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形態様に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形態様を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
【0046】
上記した実施形態では、はみ出し防止層60は、外装体12の側壁の外面に配置される一方で、上端面13に配置されていなかった。しかし、これに限定されない。図7は、第1の変形例に係る蓄電デバイス200の図4対応図である。ここでは、蓄電デバイス200は、はみ出し防止層260を備えること以外は蓄電デバイス100と同様であってよい。図7に示すように、はみ出し防止層260は、外装体12の短側壁12aの外面に加え、更に、上端面13の一部に配置されている。換言すれば、ここでは、はみ出し防止層260は逆L字状である。これにより、はみ出し防止層260のうち、上端面13側に設けられた部位が返しの役割を持つ。したがって、より好適に溶融凝固部50のはみ出しを抑制することができる。なお、上端面13にはみ出し防止層260を配置する場合、レーザLの照射予定部位(たとえば、開口部15)にはみ出し防止層260を形成しないことが好ましい。
【0047】
また、上記した実施形態では、はみ出し防止層60の上端は、外装体12の周縁部16に達するように配置されていた。しかし、これに限定されない。はみ出し防止層60の上端は、必ずしも外装体12の周縁部16に達する必要はない。図8は、第2の変形例に係る蓄電デバイス300の図4対応図である。ここでは、蓄電デバイス300は、はみ出し防止層360を備えること以外は蓄電デバイス100と同様であってよい。図8に示すように、はみ出し防止層360の上端部は、周縁部16に達していない。図8に示すように、ここに示す変形例では、周縁部16がレーザ照射により溶融している一方で、溶融凝固部50は、外装体12の外部に形成されるのを抑制される。即ち、はみ出し防止層360の上端は周縁部16まで形成されない場合においても、溶融凝固部50が外装体12より外方に形成されるのを抑制する効果を発現する。
【0048】
なお、上記した変形例に係るはみ出し防止層260、360は、例えば、上記した防止層形成工程S10において、外装体12へのマスキング箇所を調整することにより形成することができる。ただし、形成方法はこれに限定されない。
【0049】
以上の通り、ここで開示される技術の具体的な態様として、以下の各項に記載のものが挙げられる。
項1:電極を有する電極体と、底部と、上記底部の周縁から延びる側壁と、上記側壁で囲まれた開口部と、を有し、上記電極体を収容する外装体と、上記開口部を封口する封口板と、上記外装体の上記開口部と上記封口板との嵌合部に形成された環状の溶融凝固部と、を備え、上記外装体の上記開口部の周縁のうち少なくとも一部に、上記溶融凝固部が上記外装体の外方に形成されるのを防止するはみ出し防止層を有する、蓄電デバイス。
項2:上記封口板は、略矩形かつ板状であり、上記底部は、一対の短辺と一対の長辺を有する略矩形状であり、上記側壁は、上記底部の上記長辺から延び相互に対向する一対の長側壁と、上記底部の上記短辺から延び相互に対向する一対の短側壁と、を含む、項1に記載の蓄電デバイス。
項3:上記はみ出し防止層は、少なくとも一対の上記短側壁に配置される、項2に記載の蓄電デバイス。
項4:上記はみ出し防止層は、少なくとも一対の上記長側壁に配置される、項2に記載の蓄電デバイス。
項5:上記はみ出し防止層は、上記外装体の上記開口部の周縁全周に亘って配置される、項1または2に記載の蓄電デバイス。
項6:上記はみ出し防止層は、酸化アルミニウムを主体とする、項1~5のいずれか一つに記載の蓄電デバイス。
項7:上記はみ出し防止層は、上記外装体のうち、上記側壁の外面と、上記側壁の上端面の少なくとも一部とに配置される、項1~6のいずれか一つに記載の蓄電デバイス。
項8:上記はみ出し防止層は、上記外装体のうち、上記側壁の外面に配置され、上記はみ出し防止層の上端部が、上記側壁の外面と上記側壁の上端面とが交差する周縁部に達しない位置に配置される、項1~6のいずれか一つに記載の蓄電デバイス。
項9:電極を有する電極体と、底部と、上記底部の周縁から延びる側壁と、上記側壁で囲まれた開口部と、を有し、上記電極体を収容する外装体と、上記開口部を封口する封口板と、上記外装体の上記開口部と上記封口板との嵌合部に形成された環状の溶融凝固部と、を備える蓄電デバイスの製造方法であって、上記外装体の上記開口部の周縁のうち少なくとも一部に、はみ出し防止層を形成する防止層形成工程と、上記外装体内に上記電極体を収容し、上記封口板を上記外装体の上記開口部に嵌合する封口板嵌合工程と、上記封口板嵌合工程の後、上記外装体と上記封口板との嵌合部を、レーザ溶接することにより、上記溶融凝固部を形成するレーザ溶接工程と、を有する、蓄電デバイスの製造方法。
項10:上記外装体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、上記防止層形成工程は、アルマイト処理によって行われる、項9に記載の蓄電デバイスの製造方法。
項11:上記防止層形成工程において、上記はみ出し防止層を、上記外装体のうち上記側壁の外面と、上記側壁の上端面の少なくとも一部とに形成する、項9または10に記載の蓄電デバイスの製造方法。
項12:上記防止層形成工程において、上記はみ出し防止層の上端部が、上記側壁の外面と上記側壁の上端面とが交差する周縁部に達しないように形成する、項9または10に記載の蓄電デバイスの製造方法。
【符号の説明】
【0050】
1 ケース
3 正極
4 負極
6 正極端子
7 セパレータ
8 負極端子
11 嵌合部
12 外装体
12d 底部
12a、12b 短側壁
12e、12f 長側壁
13 上端面
13a、13b 短辺部
13e、13f 長辺部
15 開口部
16 周縁部
18 封口板
71 注液孔
20 電極体
30 正極集電体
31 正極活物質層
35 正極集電部材
36 正極外部導電部材
40 負極集電体
41 負極活物質層
45 負極集電部材
46 負極外部導電部材
50 溶融凝固部
60、260、360 はみ出し防止層
74,75 端子引出孔
76 ガスケット
78 インシュレータ
100 蓄電デバイス
L レーザ
S10 防止層形成工程
S20 封口板嵌合工程
S30 レーザ溶接工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9