(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009479
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】支持装置および支持方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111031
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】當摩 明紀
(72)【発明者】
【氏名】丸山 孝之
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA11
5F131AA12
5F131AA13
5F131AA15
5F131AA21
5F131AA22
5F131AA23
5F131BA53
5F131CA32
5F131DB87
5F131EA07
5F131EA14
5F131EA24
5F131EB01
5F131EB11
5F131EB31
5F131EB42
5F131EB46
5F131EC32
5F131EC33
5F131EC34
5F131EC35
5F131EC37
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC68
5F131EC72
5F131HA42
5F131HA43
5F131HA44
5F131KA12
5F131KA14
5F131KA40
5F131KA54
5F131KB06
5F131KB30
(57)【要約】
【課題】支持手段を回転させなくてもバーコードシンボルを読み取ることができる支持装置および支持方法を提供する。
【解決手段】支持装置EAは、支持対象物WKを支持する支持手段10と、支持手段10の所定の位置を回転中心CPとして支持手段10を回転させる回転手段20とを備え、支持手段10は、回転中心CPを中心とする複数の円で構成されたバーコードシンボル13を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持対象物を支持する支持手段と、
前記支持手段の所定の位置を回転中心として当該支持手段を回転させる回転手段とを備え、
前記支持手段は、前記回転中心を中心とする複数の円で構成されたバーコードシンボルを備えていることを特徴とする支持装置。
【請求項2】
前記支持手段は、前記支持対象物を支持する支持面を備え、
前記支持面に前記バーコードシンボルが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
前記支持手段は、前記回転中心を中心とする角柱状、円柱状、角錐台状または円錐台状とされて側面を備え、
前記側面に前記バーコードシンボルが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の支持装置。
【請求項4】
前記バーコードシンボルを読み取る読取手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の支持装置。
【請求項5】
支持対象物を支持手段で支持する支持工程と、
前記支持手段の所定の位置を回転中心として当該支持手段を回転させる回転工程とを実施し、
前記支持工程では、前記回転中心を中心とする複数の円で構成されたバーコードシンボルを備えた支持手段で前記支持対象物を支持することを特徴とする支持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持装置および支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
支持対象物を支持する支持装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された加工装置1(支持装置)では、二次元バーコード201(バーコードシンボル)がチャックテーブル14(支持手段)の外縁部の一部領域に設けられているため、支持手段を回転させてバーコードシンボルを撮像ユニット44-2(読取手段)による読取位置に配置しないと、バーコードシンボルを読み取ることができないという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、支持手段を回転させなくてもバーコードシンボルを読み取ることができる支持装置および支持方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、支持手段が、回転中心を中心とする複数の円で構成されたバーコードシンボルを備えているため、支持手段を回転させなくてもバーコードシンボルを読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る支持装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を
図1(A)、(B)に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1(A)の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1(A)中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
支持装置EAは、支持対象物WKを支持する支持工程を実施する支持手段10と、支持手段10の所定の位置を回転中心CPとして当該支持手段10を回転させる回転工程を実施する回転手段20と、バーコードシンボル13を読み取る読取工程を実施する読取手段30とを備えている。
【0011】
支持手段10は、テーブル11と、配管12Aを介してテーブル11に接続された減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)12と、回転中心CPを中心とする複数の円で構成されたバーコードシンボル13とを備えている。
テーブル11は、減圧手段12によって吸着保持が可能とされ、支持対象物WKを支持する支持面11Aと、支持面11Aに設けられ、配管12Aを介して減圧手段12と連通する凹部11Bと、凹部11B内に配置され、上面が支持面11Aとされた多孔質部材11Cとを備え、支持対象物WKの種類、大きさ、形状等に応じて交換可能となっている。なお、本実施形態の場合、テーブル11は、支持面11Aにバーコードシンボル13が設けられ、回転中心CPを中心とする円柱状とされて側面11Dを備えている。
【0012】
回転手段20は、出力軸21Aでテーブル11を支持する駆動機器としての回動モータ21を備えている。
【0013】
読取手段30は、所定の読取位置でバーコードシンボル13を読み取る情報読取手段としてのバーコードリーダ31と、バーコードリーダ31に電気的に接続されたパーソナルコンピュータやシーケンサ等の制御手段32とを備えている。
【0014】
以上の支持装置EAの動作を説明する。
先ず、支持装置EAに対し、当該支持装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の操作手段を介して、テーブル11の情報を入力するとともに、自動運転開始の信号を入力する。次いで、読取手段30がバーコードリーダ31を駆動し、バーコードシンボル13を読み取って復号する。ここで、バーコードシンボル13は、テーブル11の回転中心CPを中心とする複数の円で構成されているため、テーブル11の回転位置に関係なくバーコードシンボル13の各バーが所定の読取位置に配置され、テーブル11を回転させなくても、読取手段30がバーコードシンボル13を読み取ることができる。その後、読取手段30が制御手段32により、バーコードシンボル13から復号した情報と、操作手段を介して入力された情報との対応を検証し、テーブル11が適格なものか不適格なものかを判定する。その結果、テーブル11が不適格なものであると判断されると、読取手段30が制御手段32からスピーカや表示器等の図示しない警告手段に所定の信号を出力し、当該警告手段を介して音や光等の警告シグナルを発することで、テーブル11の交換が必要であることを使用者に知らせる。
【0015】
一方、テーブル11が適格なものであると判断された場合、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、
図1(A)、(B)に示すように、支持対象物WKを支持面11A上の所定の位置に載置すると、支持手段10が減圧手段12を駆動し、支持面11Aでの支持対象物WKの吸着保持を開始する。次に、回転手段20が回動モータ21を駆動し、テーブル11を回転させる。そして、支持対象物WKを位置決めする位置決め手段や、支持対象物WKを検査する検査手段等の図示しない処理手段が、支持対象物WKに所定の処理としての位置決めや検査等を施すと、回転手段20が回動モータ21の駆動を停止する。次いで、支持手段10が減圧手段12の駆動を停止し、支持面11Aでの支持対象物WKの吸着支持を解除する。その後、使用者または図示しない搬送手段が支持対象物WKを次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0016】
以上のような実施形態によれば、テーブル11が、回転中心CPを中心とする複数の円で構成されたバーコードシンボル13を備えているため、テーブル11を回転させなくてもバーコードシンボル13を読み取ることができる。
【0017】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0018】
例えば、支持手段10は、多孔質部材11Cに代えてまたは併用して、支持面11Aに形成された吸引孔によって支持対象物WKを吸着保持してもよいし、バーコードシンボル13の一部または全部が支持面11Aにおける支持対象物WKの吸着保持領域内に設けられていてもよいし、支持面11Aのみにバーコードシンボル13を設けてもよいし、
図2に示すように、側面11Dのみにバーコードシンボル13を設けてもよいし、支持面11Aの反対側に位置する反対面11Eのみにバーコードシンボル13を設けてもよいし、支持面11Aと側面11Dとの両方のみにバーコードシンボル13を設けてもよいし、支持面11Aと反対面11Eとの両方のみにバーコードシンボル13を設けてもよいし、側面11Dと反対面11Eとの両方のみにバーコードシンボル13を設けてもよいし、支持面11Aと側面11Dと反対面11Eとにバーコードシンボル13を設けてもよいし、支持面11A、側面11Dおよび反対面11Eのうちの少なくとも1つの面に複数のバーコードシンボル13を設けてもよい。
支持手段10は、回動モータ21の出力軸21Aに支持された基台と、基台に支持されたテーブル11と、テーブル11を基台に押さえ付ける押え部材(例えば、特開2006-339344号に記載されたリング状部材40等)とを備え、押え部材にバーコードシンボル13が設けられてもよい。
テーブル11は、回転中心CPを中心とする角柱状、円柱状、角錐台状または円錐台状とされて側面を備え、当該側面にバーコードシンボル13が設けられてもよく、テーブル11が角柱状や角錐台状の場合、三角、または五角以上の角柱状や角錐台状でもよい。
バーコードシンボル13は、接着シート、紙、布、金属板、樹脂板等のシート部材に印刷され、当該シート部材がテーブル11に貼付されていてもよいし、テーブル11に直接印刷されたり記載されたり刻印されたりしてもよく、表示方法は何ら限定されるものではない。
【0019】
回転手段20は、例えば、回動モータ21の出力軸21Aからギアやベルトを介してテーブル11を回転させてもよいし、駆動機器としての回動モータの出力軸に支持された駆動ローラをテーブル11の支持面11A、側面11Dまたは反対面11Eに当接させ、当該駆動ローラでテーブル11を回転させてもよい。
【0020】
読取手段30は、バーコードリーダ31に代えてまたは併用して、カメラや投影機等の撮像手段や、画像センサや光電センサ等の各種センサ等からなる情報読取手段を備えていてもよいし、角柱状、円柱状、角錐台状または円錐台状とされたテーブル11の側面に設けられたバーコードシンボル13を読み取ってもよいし、本発明の支持装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0021】
処理手段は、例えば、支持対象物WKを研磨する研磨手段や研削する研削手段、支持対象物WKを切断する切断刃等の切断手段、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段で支持対象物WKに接着シートを貼付するシート貼付手段、支持対象物WKに貼付された接着シートを支持対象物WKから剥離する剥離板や剥離ローラ等のシート剥離手段、支持対象物WKに紫外線や赤外線等の電磁波を照射する照射手段、支持対象物WKを清掃する清掃手段等、支持対象物WKに所定の処理を施すものであればどのようなものでもよい。
【0022】
支持対象物WKは、接着シートを介してフレーム部材としてのリングフレームと一体化されていてもよい。
フレーム部材は、リングフレーム以外に、環状でない(外周が繋がっていない)ものや、円形、楕円形、多角形、その他の形状であってもよい。
【0023】
シート部材、接着シートおよび支持対象物WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、シート部材、接着シートおよび支持対象物WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、シート部材および接着シートは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着形態のものが採用された場合は、当該シート部材および接着シートを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このようなシート部材および接着シートは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、支持対象物WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0024】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、回転手段は、支持手段の所定の位置を回転中心として当該支持手段を回転させるものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0025】
EA…支持装置
10…支持手段
11A…支持面
11D…側面
13…バーコードシンボル
20…回転手段
30…読取手段
CP…回転中心
WK…支持対象物