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特開2024-94792決済システム、処理実行方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094792
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】決済システム、処理実行方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20240703BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20240703BHJP
   G06Q 20/36 20120101ALI20240703BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
G06Q20/32
G06Q20/36
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211573
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 朋希
(72)【発明者】
【氏名】岸本 祐有亮
(72)【発明者】
【氏名】坂▲崎▼ 和彦
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA15
5L020AA64
5L020AA68
5L055AA15
5L055AA64
5L055AA68
(57)【要約】
【課題】複数の決済手段を利用可能なユーザの利便性を高める。
【解決手段】決済システムの関連付け部(101)は、第1決済手段を識別可能な第1識別情報と、第2決済手段を識別可能な第2識別情報と、を関連付ける。第2処理実行部(106)は、第2決済手段に対応していない決済端末(40)により、第1識別情報を記憶するICチップが読み取られた場合に、当該第1識別情報に関連付けられた第2識別情報により識別される第2決済手段を利用するための第2処理を実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1決済手段を識別可能な第1識別情報と、第2決済手段を識別可能な第2識別情報と、を関連付ける関連付け部と、
前記第2決済手段に対応していない決済端末により、前記第1識別情報を記憶するICチップが読み取られた場合に、当該第1識別情報に関連付けられた前記第2識別情報により識別される前記第2決済手段を利用するための第2処理を実行する第2処理実行部と、
を含む決済システム。
【請求項2】
前記決済システムは、前記第1決済手段及び前記第2決済手段のうち、優先的に利用する方に関する優先利用設定を行う優先利用設定部を更に含み、
前記第2処理実行部は、前記優先利用設定が前記第2決済手段を示す場合に、前記第2処理を実行する、
請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記決済システムは、前記優先利用設定が前記第2決済手段を示し、かつ、前記第2決済手段の残高が足りない場合に、前記第1決済手段を利用するための第1処理を実行する第1処理実行部を更に含む、
請求項2に記載の決済システム。
【請求項4】
前記第2処理実行部は、前記優先利用設定が前記第1決済手段を示し、かつ、前記第1決済手段の残高が足りない場合に、前記第2処理を実行する、
請求項2又は3に記載の決済システム。
【請求項5】
前記決済端末により前記第1識別情報が読み取られた場合に、前記第2決済手段を利用して前記第1決済手段に関するチャージが実行され、当該チャージが実行された後の前記第1決済手段に基づいて決済が実行され、
前記第2処理は、前記第2決済手段の残高から、前記チャージに応じた額を減らす処理である、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項6】
前記チャージは、前記決済端末により前記第1識別情報が読み取られた場合に、前記決済システムと連携する連携先システムにより実行され、
前記決済システムは、前記連携先システムから、前記チャージの実行結果に関する第2実行データを受信する受信部を更に含み、
前記第2処理実行部は、前記第2実行データに基づいて、前記第2処理を実行する、
請求項5に記載の決済システム。
【請求項7】
前記ICチップには、前記第2決済手段を利用して前記チャージが実行されたことを示す第1履歴データが記録され、
前記決済システムは、前記チャージが実行された場合に、前記第2決済手段を利用して前記チャージが実行されたことを示す第2履歴データを、前記第1識別情報に関連付けてデータベースに保存する保存部を更に含む、
請求項5に記載の決済システム。
【請求項8】
前記関連付け部は、複数の前記第1識別情報と、前記第2識別情報と、を関連付け、
前記第2処理実行部は、前記複数の第1識別情報のうちの何れが前記決済端末により読み取られたとしても、前記第2処理を実行可能である、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項9】
前記第1識別情報ごとに、前記第2決済手段を利用するか否かに関する利用要否設定が可能であり、
前記第2処理実行部は、前記第2決済手段を利用することを示す前記利用要否設定が行われた前記第1決済手段の前記第1識別情報が前記決済端末により読み取られた場合に、前記第2処理を実行する、
請求項8に記載の決済システム。
【請求項10】
前記決済システムは、前記第1決済手段の残高と、前記第2決済手段の残高と、の合計が不足する場合に、第3決済手段に基づいて、前記第1決済手段及び前記第2決済手段の少なくとも一方に関するオートチャージを実行するオートチャージ実行部を更に含む、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項11】
前記決済システムは、決済が完了した場合に、前記第1決済手段及び前記第2決済手段の少なくとも一方に関するオートチャージを実行するオートチャージ実行部を更に含む、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項12】
前記オートチャージ実行部は、前記第1決済手段の残高が閾値未満の場合に、前記第2決済手段を利用して前記第1決済手段に関するオートチャージを実行する、
請求項11に記載の決済システム。
【請求項13】
前記決済システムは、前記決済端末により前記第1識別情報が読み取られた場合に、前記第1識別情報及び前記第2識別情報の少なくとも一方に関連付けられたクーポンを提示することなく、当該クーポンを利用するためのクーポン処理を実行するクーポン処理実行部を更に含む、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項14】
前記決済システムは、前記クーポン処理が実行された場合に、提示せずに利用した前記クーポンを識別可能なクーポン識別情報を含むレシートを出力するためのレシート処理を実行するレシート処理実行部を更に含む、
請求項13に記載の決済システム。
【請求項15】
前記第2処理実行部は、前記ICチップを含むICカードが前記決済端末により読み取られた場合に、前記第2処理を実行する、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項16】
第1決済手段を識別可能な第1識別情報と、第2決済手段を識別可能な第2識別情報と、を関連付ける関連付けステップと、
前記第2決済手段に対応していない決済端末により、前記第1識別情報を記憶するICチップが読み取られた場合に、当該第1識別情報に関連付けられた前記第2識別情報により識別される前記第2決済手段を利用するための第2処理を実行する第2処理実行ステップと、
を含む処理実行方法。
【請求項17】
第1決済手段を識別可能な第1識別情報と、第2決済手段を識別可能な第2識別情報と、を関連付ける関連付け部、
前記第2決済手段に対応していない決済端末により、前記第1識別情報を記憶するICチップが読み取られた場合に、当該第1識別情報に関連付けられた前記第2識別情報により識別される前記第2決済手段を利用するための第2処理を実行する第2処理実行部、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、決済システム、処理実行方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子的な決済手段を利用した決済サービスが普及している。例えば、特許文献1には、複数のイシュアの各々が発行した電子マネーを集中的に管理するサーバが、複数の加盟店の各々から、電子マネーの利用ログを受信する技術が記載されている。特許文献1のサーバは、加盟店から受信した利用ログに基づいて、電子マネーが利用された後の現金の清算を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-141428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、ユーザは、自身が訪れた加盟店が契約しているイシュアの電子マネーしか利用できない。例えば、加盟店XがイシュアAと契約しているがイシュアBと契約していない場合には、加盟店Xでは、イシュアAの電子マネーしか利用できない。この点は、従来の他の技術も同様であり、特許文献1の技術に限られない。このため、従来の技術では、複数の決済手段を利用可能なユーザの利便性を十分に高めることができなかった。
【0005】
本開示の目的の1つは、複数の決済手段を利用可能なユーザの利便性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る決済システムは、第1決済手段を識別可能な第1識別情報と、第2決済手段を識別可能な第2識別情報と、を関連付ける関連付け部と、前記第2決済手段に対応していない決済端末により、前記第1識別情報を記憶するICチップが読み取られた場合に、当該第1識別情報に関連付けられた前記第2識別情報により識別される前記第2決済手段を利用するための第2処理を実行する第2処理実行部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、複数の決済手段を利用可能なユーザの利便性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】決済システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】第1決済手段及び第2決済手段を連携させるために行われる設定の一例を示す図である。
図3】ユーザが第1決済手段のICカードを利用して第2決済手段を利用する様子の一例を示す図である。
図4】決済システムで実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図5】第1決済手段データベースの一例を示す図である。
図6】第2決済手段データベースの一例を示す図である。
図7】関連付けデータベースの一例を示す図である。
図8】決済システムで実行される処理の一例を示す図である。
図9】決済システムで実行される処理の一例を示す図である。
図10】変形例で実現される機能の一例を示す図である。
図11】変形例1の関連付けデータベースの一例を示す図である。
図12】変形例4におけるオートチャージの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.決済システムの全体構成]
本開示に係る決済システムの実施形態の一例を説明する。図1は、決済システムの全体構成の一例を示す図である。例えば、決済システム1は、決済サーバ10を含む。決済システム1は、連携先システム2と連携する。ここでの連携とは、共通の目的のために情報処理を実行することを意味する。ある情報処理を実行するために互いに通信することは、連携に相当する。連携先システム2は、連携先サーバ20を含む。決済サーバ10及び連携先サーバ20の各々は、インターネット又はLAN等のネットワークNに接続可能である。ネットワークNには、ユーザ端末30及び決済端末40も接続可能である。
【0010】
決済サーバ10は、決済事業者のサーバコンピュータである。決済事業者は、決済サービスを提供する事業者である。決済サービスは、電子決済(キャッシュレス決済)に関するサービスである。例えば、決済サーバ10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含む。制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。記憶部12は、RAM等の揮発性メモリと、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリと、を含む。通信部13は、有線通信用の通信インタフェースと、無線通信用の通信インタフェースと、の少なくとも一方を含む。
【0011】
連携先サーバ20は、連携先のサーバコンピュータである。連携先サーバ20は、サーバと呼ばれたとしても、実際にはパーソナルコンピュータであってもよい。連携先は、決済事業者と連携する組織である。例えば、連携先は、他の決済事業者であってもよいし、決済事業者以外の他の事業者であってもよい。決済サーバ10を管理する決済事業者と同じであってもよい。連携先は、決済サーバ10を管理する決済事業者の関連会社であってもよいし、資本的な関係がない会社であってもよい。
【0012】
例えば、連携先サーバ20は、制御部21、記憶部22、及び通信部23を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。シンクライアントと呼ばれる技術で利用されるコンピュータが連携先サーバ20に相当してもよい。例えば、連携先サーバ20は、決済のたびに決済サーバ10と通信する。連携先サーバ20は、他のタイミングで決済サーバ10と通信してもよく、例えば、定期的に決済サーバ10と通信してもよいし、何らかの操作が行われた場合に決済サーバ10と通信してもよい。
【0013】
ユーザ端末30は、ユーザのコンピュータである。本実施形態では、決済サービスの加盟店ではなく、決済サービスのエンドユーザを、ユーザと記載する。例えば、ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、又はパーソナルコンピュータである。例えば、ユーザ端末30は、制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、及び表示部35を含む。制御部31、記憶部32、及び通信部33の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。操作部34は、タッチパネル又はマウス等の入力デバイスである。表示部35は、液晶又は有機ELのディスプレイである。
【0014】
決済端末40は、決済で利用されるコンピュータである。例えば、決済端末40は、POS(Point Of Sales)端末、自動販売機、自動改札機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォンである。例えば、決済端末40は、制御部41、記憶部42、通信部43、操作部44、及び表示部45を含む。制御部41、記憶部42、通信部43、操作部44、及び表示部45の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、通信部13、操作部34、及び表示部35と同様であってよい。
【0015】
本実施形態では、決済端末40には、リーダライタ46が接続される。リーダライタ46は、決済端末40の内部に組み込まれてもよい。リーダライタ46は、情報記憶媒体の読み取り及び書き込みをする装置である。情報記憶媒体は、何らかの情報を記憶可能な媒体であればよく、例えば、ICカード、ユーザ端末30に含まれるICチップ、磁気カード、又はメモリである。決済端末40には、読み取りの機能を有するが書き込みの機能を有しないリーダ装置が接続されてもよい。
【0016】
なお、記憶部12,22,32,42に記憶されるプログラムは、ネットワークNを介して供給されてもよい。また、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されたプログラムが、情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、光ディスクドライブやメモリカードスロット)、又は、外部機器とデータの入出力をするための入出力部(例えば、USBポート)を介して供給されてもよい。
【0017】
また、決済システム1及び連携先システム2の各々は、少なくとも1つのコンピュータを含めばよく、図1の例に限られない。例えば、決済システム1は、決済サーバ10と、他のサーバコンピュータと、を含んでもよい。当該他のサーバコンピュータにより、連携先サーバ20の処理が実行されてもよい。この場合、連携先システム2が存在しないようにしてもよい。決済システム1は、決済サーバ10と、決済事業者の担当者が操作する端末と、を含んでもよい。
【0018】
[2.決済システムの概要]
本実施形態では、ユーザは、複数の決済手段を利用可能である。決済手段は、決済で利用される手段である。本実施形態では、電子的な決済で利用される決済手段を説明する。決済手段は、支払手段と呼ばれることもある。決済手段は、電子的な価値を有するという意味で電子バリューと呼ばれることもある。決済手段は、任意の種類であってよく、例えば、電子マネー、ポイント、口座(銀行口座を含む)、ウォレット、暗号資産、クレジットカード、デビットカード、又はその他の名前で呼ばれる手段であってもよい。決済手段は、残高の概念が存在する者に限られず、残高の概念がないものであってもよい。
【0019】
本実施形態では、ユーザが第1決済手段及び第2決済手段といった2つの決済手段を利用する場合を例に挙げる。更に、第1決済手段の一例として、ICカード型の電子マネーを説明する。第2決済手段の一例として、オンライン型の電子マネーを説明する。第1決済手段及び第2決済手段の組み合わせは、任意の組み合わせであってよく、本実施形態の例に限られない。他の組み合わせの例は、後述の変形例で説明する。ユーザは、3つ以上の決済手段を利用可能であってもよい。以降、第1決済手段及び第2決済手段を区別しない時は、単に決済手段という。
【0020】
例えば、決済端末40は、第1決済手段に対応しているが、第2決済手段には対応していないものとする。決済手段に対応するとは、決済手段を利用可能であることを意味する。例えば、決済手段を利用するためのハードウェア(設備)及びソフトウェア(機能)の両方を有することは、決済手段に対応することに相当する。当該ハードウェア及び当該ソフトウェアの少なくとも一方を有しなければ、原則として、決済を利用できないので、決済手段に対応していないことになる。決済端末40が店舗に配置される場合には、店舗が決済手段に関する加盟店であることは、決済手段に対応することに相当する。
【0021】
例えば、決済端末40は、第1決済手段のICカードをリーダライタ46で読み取ることはできるが、第2決済手段を利用するための情報(例えば、表示部35に表示された二次元コード又はバーコード)については、リーダライタ46で読み取ることはできない。従来の技術では、第2決済手段に対応していない決済端末40では、第2決済手段を利用できないが、本実施形態では、第1決済手段及び第2決済手段を連携させることによって、第2決済手段を利用できるようになっている。ただし、ユーザは、事前に設定を行う必要があるものとする。
【0022】
図2は、第1決済手段及び第2決済手段を連携させるために行われる設定の一例を示す図である。例えば、ユーザが、ユーザ端末30を操作して決済サーバ10にアクセスすると、第1決済手段のウェブサイトであるホーム画面SC1が表示部35に表示される。本実施形態では、ホーム画面SC1がブラウザで表示される場合を説明するが、ホーム画面SC1は、第1決済手段専用のアプリケーションで表示されてもよい。
【0023】
図2の例では、「AAAマネー」が第1決済手段に相当する。「BBBキャッシュ」が第2決済手段に相当する。ユーザは、第1決済手段を識別可能な第1識別情報と、第2決済手段を識別可能な第2識別情報と、の関連付けを、事前に済ませているものとする。第1識別情報及び第2識別情報の詳細は、後述する。例えば、ユーザがボタンB10を選択すると、設定の開始を案内するためのモーダルM11がホーム画面SC1に表示される。ユーザが、ボタンB12を選択すると、設定内容を指定するためのモーダルM13がホーム画面SC1に表示される。
【0024】
本実施形態では、利用要否設定及び優先利用設定の2つの設定が存在する場合を例に挙げる。利用要否設定は、第2決済手段を利用するか否かに関する設定である。例えば、利用要否設定は、第2決済手段を利用することを示す第1の値、又は、第2決済手段を利用しないことを示す第2の値の何れかになる。図2の例では、ユーザがボタンB14をオンにすると、利用要否設定が第1の値になる。ユーザがボタンB14をオフにすると、利用要否設定が第2の値になる。
【0025】
優先利用設定は、第1決済手段及び第2決済手段のうち、優先的に利用する方に関する設定である。例えば、優先利用設定は、第1決済手段を優先的に利用することを示す第1の値、又は、第2決済手段を優先的に利用することを示す第2の値の何れかになる。図2の例では、ユーザがボタンB15を選択すると、優先利用設定が第1の値になる。ユーザがボタンB16を選択すると、優先利用設定が第2の値になる。
【0026】
例えば、第2決済手段を利用せずに第1決済手段を利用することは、第1決済手段を優先的に利用することに相当する。別の言い方をすれば、第1決済手段だけで決済を完了できる場合に第2決済手段を利用しないことは、第1決済手段を優先的に利用することに相当する。第1決済手段及び第2決済手段を併用する場合には、第1決済手段の利用額が第2決済手段の利用額よりも多いことが、第1決済手段を優先的に利用することに相当してもよい。
【0027】
例えば、第1決済手段を利用せずに第2決済手段を利用することは、第2決済手段を優先的に利用することに相当する。別の言い方をすれば、第2決済手段だけで決済を完了できる場合に第1決済手段を利用しないことは、第2決済手段を優先的に利用することに相当する。第1決済手段及び第2決済手段を併用する場合には、第2決済手段の利用額が第1決済手段の利用額よりも多いことが、第2決済手段を優先的に利用することに相当してもよい。
【0028】
例えば、ユーザが、ボタンB14をオンにしてボタンB16を選択したとする。この状態で、ユーザがモーダルM13を閉じると、第2決済手段を利用し、かつ、第2決済手段を優先的に利用することを示す情報(図2の右下の例では、「BBBキャッシュを使う(BBBキャッシュ優先)」の文言)がホーム画面SC1に表示される。更に、第1決済手段の残高だけではなく、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、の合計がホーム画面SC1に表示されるようになる。
【0029】
図3は、ユーザが第1決済手段のICカードを利用して第2決済手段を利用する様子の一例を示す図である。例えば、ユーザは、第1決済手段のICカードCを、リーダライタ46にかざす。ICカードCには、第1決済手段を利用するための種々の情報が記録されているが、原則として、第2決済手段を利用するための情報(例えば、後述の第2識別情報や第2決済手段の残高等)は、記録されていない。ICカードCのうち、少なくとも決済時に読み取られる記憶領域には、第2決済手段を利用するための情報は記録されていない。他の領域には、第2決済手段に関する何らかの情報が記録されていてもよい。
【0030】
例えば、リーダライタ46がICカードCを読み取ると、決済端末40は、連携先サーバ20と通信し、決済に必要な処理が実行される。この処理の詳細は後述する。図3の例では、決済前の第1決済手段の残高は、600円である。決済前の第2決済手段の残高は、3000円である。決済金額は、1000円である。例えば、第2決済手段を利用しないことを利用要否設定が示す場合(図3の例では、「BBBキャッシュを利用しない」の分岐)、第1決済手段の残高不足により、決済がエラーになる。決済がエラーになるので、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、は変わらない。
【0031】
例えば、第2決済手段を利用することを利用要否設定が示し、かつ、第1決済手段を優先的に利用することを優先利用設定が示す場合(図3の例では、「BBBキャッシュを利用する(AAAマネー優先)」の分岐)、第1決済手段の残高である600円が優先的に利用される。第1決済手段の残高だけでは足りないので、第2決済手段の残高のうち、不足分の400円が利用される。決済後の第1決済手段の残高は、0円になる。決済後の第2決済手段の残高は、2600円になる。
【0032】
例えば、第2決済手段を利用することを利用要否設定が示し、かつ、第2決済手段を優先的に利用することを優先利用設定が示す場合(図3の例では、「BBBキャッシュを利用する(BBBキャッシュ優先)」の分岐)、第2決済手段の残高である3000円が優先的に利用される。第2決済手段の残高だけで足りるので、第1決済手段の残高は、利用されない。決済後の第1決済手段の残高は、600円のまま変わらない。決済後の第2決済手段の残高は、2000円になる。
【0033】
以上のように、本実施形態では、第2決済手段に対応していない決済端末40だったとしても、第1決済手段のICカードCを決済端末40にかざすことによって、第2決済手段を利用できるようになっている。これにより、第2決済手段に対応していない決済端末40だったとしても、第1決済手段のICカードCがあれば第2決済手段を利用できるようになるので、ユーザの利便性が高まるようになっている。以降、決済システム1の詳細を説明する。
【0034】
[3.決済システムで実現される機能]
図4は、決済システム1で実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
【0035】
[3-1.決済サーバで実現される機能]
例えば、決済サーバ10は、データ記憶部100、関連付け部101、利用要否設定部102、優先利用設定部103、受信部104、第1処理実行部105、第2処理実行部106、及び保存部107を含む。データ記憶部100は、記憶部12により実現される。関連付け部101、利用要否設定部102、優先利用設定部103、受信部104、第1処理実行部105、第2処理実行部106、及び保存部107は、制御部11により実現される。
【0036】
[データ記憶部]
データ記憶部100は、決済サービスの提供に必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部100は、第1決済手段データベースDB1、第2決済手段データベースDB2、及び関連付けデータベースDB3を記憶する。
【0037】
図5は、第1決済手段データベースDB1の一例を示す図である。第1決済手段データベースDB1は、第1決済手段に関する情報が格納されたデータベースである。例えば、第1決済手段データベースDB1には、第1識別情報、残高、利用履歴情報、及びチャージ履歴情報が格納される。第1決済手段データベースDB1には、第1決済手段に関する他の情報が格納されてもよい。第1決済手段データベースDB1に格納される情報は、図5の例に限られない。例えば、第1決済手段データベースDB1には、第1決済手段のチャージで利用する他の決済手段に関する情報といった他の情報が格納されてもよい。
【0038】
第1識別情報は、第1決済手段を識別可能な情報である。例えば、第1識別情報は、他の第1識別情報と重複しないように発行された第1決済手段のID又は番号である。第1識別情報は、文字、数字、記号、又はこれらの組み合わせによって表現される。第1識別情報は、第1決済手段のID又は番号に限られない。例えば、第1識別情報は、第1決済手段を保有するユーザのメールアドレス又は電話番号であってもよい。ある第1識別情報の第1決済手段のチャージ又は決済が実行されると、この第1識別情報に関連付けられた残高が変わる。第1識別情報に関連付けられた残高には、利用可能な店舗又は商品の制限が設けられていてもよい。
【0039】
利用履歴情報は、第1決済手段の利用履歴に関する情報である。例えば、利用履歴情報は、利用日時、利用場所、決済金額、及び決済後の残高を示す。ある第1識別情報の第1決済手段が利用されると、利用履歴情報が生成されて、この第1識別情報に関連付けられる。チャージ履歴情報は、第1決済手段のチャージの履歴に関する情報である。例えば、チャージ履歴情報は、チャージ日時、チャージ方法、チャージ金額、及びチャージ後の残高を示す。ある第1識別情報の第1決済手段のチャージが実行されると、チャージ履歴情報が生成されて、この第1識別情報に関連付けられる。
【0040】
図6は、第2決済手段データベースDB2の一例を示す図である。第2決済手段データベースDB2は、第2決済手段に関する情報が格納されたデータベースである。例えば、第2決済手段データベースDB2には、第2識別情報、残高情報、利用履歴情報、及びチャージ履歴情報が格納される。第2決済手段データベースDB2には、第2決済手段に関する他の情報が格納されてもよい。第2決済手段データベースDB2に格納される情報は、図6の例に限られない。例えば、第2決済手段データベースDB2には、第2決済手段のチャージで利用する決済手段に関する情報といった他の情報が格納されてもよい。
【0041】
第2識別情報は、第2決済手段を識別可能な情報である。第2識別情報は、他の第2識別情報と重複しないように発行された第2決済手段のID又は番号である。第2識別情報は、文字、数字、記号、又はこれらの組み合わせによって表現される。第2識別情報は、第2決済手段のID又は番号に限られない。例えば、第2識別情報は、第2決済手段を保有するユーザのメールアドレス又は電話番号であってもよい。
【0042】
図6の例では、第2識別情報は、第2決済手段を保有するユーザのメールアドレスである。このメールアドレスは、ユーザが、第2決済手段のサービスにログインする時だけではなく、第1決済手段のサービスにログインする場合にも利用されてもよい。即ち、ログインのための情報は、第1決済手段及び第2決済手段で同じであってもよい。ある第2識別情報の第2決済手段のチャージ又は決済が実行されると、この第2識別情報に関連付けられた残高が変わる。第2識別情報に関連付けられた残高には、利用可能な店舗又は商品の制限が設けられていてもよい。
【0043】
利用履歴情報は、第2決済手段の利用履歴に関する情報である。例えば、利用履歴情報は、利用日時、利用場所、決済金額、及び決済後の残高を示す。ある第2識別情報の第2決済手段が利用されると、利用履歴情報が生成されて、この第2識別情報に関連付けられる。チャージ履歴情報は、第2決済手段のチャージ履歴に関する情報である。例えば、チャージ履歴情報は、チャージ日時、チャージ方法、チャージ金額、及びチャージ後の残高を示す。ある第2識別情報の第2決済手段のチャージが実行されると、チャージ履歴情報が生成されて、この第2識別情報に関連付けられる。
【0044】
図7は、関連付けデータベースDB3の一例を示す図である。関連付けデータベースDB3は、第1識別情報及び第2識別情報の関連付けを示すデータベースである。例えば、関連付けデータベースDB3には、第1識別情報、第2識別情報、利用要否設定、及び優先利用設定が格納される。関連付けデータベースDB3に格納される情報は、図7の例に限られない。例えば、関連付けデータベースDB3には、第1識別情報及び第2識別情報だけが格納されてもよい。関連付けデータベースDB3ではなく、第1決済手段データベースDB1又は第2決済手段データベースDB2に、第1識別情報及び第2識別情報が関連付けられていてもよい。
【0045】
例えば、ユーザが第1決済手段及び第2決済手段を連携させる操作を行うと、決済サーバ10は、関連付けデータベースDB3に新たなレコードを作成する。決済サーバ10は、当該新たなレコードに、第1識別情報、第2識別情報、利用要否設定、及び優先利用設定を格納する。第1識別情報、第2識別情報、利用要否設定、及び優先利用設定は、ホーム画面SC1又はその他の画面から、ユーザによって入力されるようにすればよい。第1識別情報及び第2識別情報は、ユーザによる手入力ではなく、ユーザ端末30によって読み取られてもよい。
【0046】
なお、データ記憶部100が記憶するデータは、上記の例に限られない。データ記憶部100は、任意のデータを記憶可能である。例えば、データ記憶部100は、ホーム画面SC1を表示させるための表示データを記憶してもよい。ブラウザでホーム画面SC1を表示させる場合、表示データは、HTMLデータである。専用のアプリケーションでホーム画面SC1を表示させる場合、表示データは、アプリケーションで何らかの画面を表示させるために利用される画像データである。
【0047】
[関連付け部]
関連付け部101は、第1決済手段を識別可能な第1識別情報と、第2決済手段を識別可能な第2識別情報と、を関連付ける。関連付けるとは、複数の情報のうちの何れかの情報から他の情報を検索可能な状態にすることである。本実施形態では、関連付けデータベースDB3の同じレコードに第1識別情報及び第2識別情報を格納することが、第1識別情報及び第2識別情報を関連付けることに相当する。
【0048】
例えば、関連付け部101は、ホーム画面SC1又はその他の画面から、互いに関連付ける第1識別情報及び第2識別情報をユーザが入力した場合に、当該入力された第1識別情報及び第2識別情報を関連付けデータベースDB3に格納することによって、これらを関連付ける。互いに関連付ける第1識別情報及び第2識別情報は、ユーザが入力するのではなく、決済事業者によって入力されてもよい。
【0049】
[利用要否設定部]
利用要否設定部102は、第2決済手段を利用するか否かに関する利用要否設定を行う。利用要否設定を行うとは、ユーザが指定した利用要否設定の内容を記録することである。本実施形態では、関連付けデータベースDB3に利用要否設定が格納されるので、利用要否設定部102は、ユーザが指定した利用要否設定を、関連付けデータベースDB3に格納する。
【0050】
例えば、ユーザは、ホーム画面SC1を表示させる前に、第1決済手段の決済サービスである第1決済サービスにログインする。決済サーバ10は、ログインによって、ユーザが利用している第1決済手段の第1識別情報を特定できる。利用要否設定部102は、ログイン中のユーザが利用している第1決済手段の第1識別情報と、ユーザがホーム画面SC1で指定した利用要否設定と、を関連付けデータベースDB3に格納する。
【0051】
[優先利用設定部]
優先利用設定部103は、第1決済手段及び第2決済手段のうち、優先的に利用する方に関する優先利用設定を行う。優先利用設定を行うとは、ユーザが指定した優先利用設定の内容を記録することである。本実施形態では、関連付けデータベースDB3に優先利用設定が格納されるので、優先利用設定部103は、ユーザが指定した優先利用設定を、関連付けデータベースDB3に格納する。
【0052】
例えば、ユーザは、ホーム画面SC1を表示させる前に、第1決済サービスにログインする。利用要否設定部102は、ログイン中のユーザが利用している第1決済手段の第1識別情報と、ユーザがホーム画面SC1で指定した優先利用設定と、を関連付けデータベースDB3に格納する。なお、優先利用設定には、優先的に利用する方の利用額が指定されてもよい。例えば、1000円までであれば第2決済手段を優先的に利用し、1000円を超える額については、第1決済手段を利用するといった優先利用設定が可能であってもよい。
【0053】
[受信部]
受信部104は、連携先サーバ20から種々のデータを受信する。受信部104は、ユーザ端末30又は決済端末40から種々のデータを受信してもよい。本実施形態では、第2決済手段が利用される場合に、第2決済手段から第1決済手段にチャージが実行されて、その後に、第1決済手段が利用されるようになっている。更に、このチャージは、決済端末40により第1識別情報が読み取られた場合に、決済システム1と連携する連携先システム2により実行される。
【0054】
例えば、受信部104は、連携先システム2から、上記チャージの実行結果に関する第2実行データを受信する。第2実行データは、チャージによって第2決済手段がどの程度利用されたかを示す。例えば、第2実行データは、チャージの実行日時と、チャージ額と、を含む。後述する連携先システム2の決済実行部202は、第2決済手段から第1決済手段へのチャージを実行すると、第2実行データを生成して決済サーバ10に送信する。受信部104は、連携先システム2から、第2実行データを受信する。
【0055】
[第1処理実行部]
第1処理実行部105は、第1決済手段を利用するための第1処理を実行する。第1処理は、第1決済手段の残高を減らす処理である。本実施形態では、第1決済手段の残高が第1決済手段データベースDB1に格納されているので、第1処理実行部105は、第1決済手段データベースDB1に格納された第1決済手段の残高を減らすことによって、第1処理を実行する。
【0056】
本実施形態では、決済サーバ10は、決済端末40と直接的には通信しない。決済端末40は、連携先サーバ20と直接的に通信する。後述する連携先サーバ20の決済実行部202は、決済端末40との通信内容に基づいて、第1決済手段を利用した決済を実行する。受信部104は、連携先サーバ20から、第1決済手段を利用した決済の実行結果に関する第1実行データを受信する。例えば、第1実行データには、第1識別情報、決済場所、決済金額、及び決済日時が示されている。
【0057】
例えば、第1処理実行部105は、第1決済手段データベースDB1のうち、第1実行データが示す第1識別情報に関連付けられた第1決済手段の残高を、第1実行データが示す決済金額だけ減らす。第1実行データには、決済後の第1決済手段の残高が示されていてもよい。この場合、第1処理実行部105は、第1決済手段データベースDB1のうち、第1実行データが示す第1識別情報に関連付けられた第1決済手段の残高を、第1実行データが示す決済後の第1決済手段の残高と一致するように更新する。これらの一連の処理の全部又は一部が、第1処理に相当する。
【0058】
本実施形態では、第1処理実行部105は、優先利用設定が第2決済手段を示し、かつ、第2決済手段の残高が足りない場合に、第1処理を実行する。第1処理実行部105は、第2決済手段の残高の不足分だけ第1決済手段の残高が減るように、第1処理を実行する。受信部104が連携先サーバ20から受信する第1実行データには、当該不足分が示されている。第1処理実行部105は、第1実行データが示す不足分だけ第1決済手段の残高が減るように、第1処理を実行する。第1実行データには、不足分を差し引いた後の第1決済手段の残高が示されていてもよい。この場合、第1処理実行部105は、第1決済手段データベースDB1のうち、第1実行データが示す第1識別情報に関連付けられた第1決済手段の残高を、第1実行データが示す不足分を差し引いた後の第1決済手段の残高と一致するように更新すればよい。
【0059】
例えば、第1処理実行部105は、優先利用設定が第1決済手段を示す場合も、第1処理を実行する。第1処理実行部105は、第2決済手段を利用しないことを利用要否設定が示す場合も、第1処理を実行する。第1処理実行部105は、第1決済手段及び第2決済手段を連携させていないユーザが第1決済手段を利用した場合も、第1処理を実行する。これらの第1処理は、受信部104が連携先サーバ20から受信する第1実行データに基づいて実行されるようにすればよい。本実施形態では、第2決済手段を利用することを利用要否設定が示し、かつ、第2決済手段の残高が足りる場合にも、第2決済手段から第1決済手段へのチャージが実行されて第1決済手段の残高が減るので、第1処理実行部105は、この場合にも、第1決済手段の残高を減らす第1処理を実行する。
【0060】
なお、決済サーバ10は、連携先サーバ20を仲介するのではなく、決済端末40と直接的に通信してもよい。この場合、決済サーバ10は、決済端末40から決済要求を受信する。決済要求は、決済の実行を要求するための所定形式のデータである。例えば、決済要求には、第1識別情報及び決済金額が含まれる。第1処理実行部105は、決済要求が示す第1識別情報に関連付けられた第1決済手段の残高を、決済要求が示す決済金額だけ減らすことによって、第1処理を実行する。第1処理自体は、公知の決済サービスで利用されている他の処理も適用可能である。決済要求には、決済端末40を識別可能な情報、又は、ユーザが購入する商品に関する情報が含まれていてもよい。
【0061】
[第2処理実行部]
第2処理実行部106は、第2決済手段を利用するための第2処理を実行する。第2処理は、第2決済手段の残高を減らす処理である。本実施形態では、第2決済手段の残高が第2決済手段データベースDB2に格納されているので、第2処理実行部106は、第2決済手段データベースDB2に格納された第2決済手段の残高を減らすことによって、第2処理を実行する。なお、第2処理実行部106は、第2決済手段を利用しないことを利用要否設定が示す場合には、第2処理を実行しない。
【0062】
本実施形態では、決済サーバ10は、決済端末40と直接的には通信しないので、後述する連携先サーバ20の決済実行部202は、決済端末40との通信内容に基づいて、第2決済手段を利用した決済を実行する。受信部104は、連携先サーバ20から、第2決済手段を利用した決済の実行結果に関する第2実行データを受信する。例えば、第2実行データには、第2識別情報、決済場所、決済金額、及び決済日時が示されている。
【0063】
例えば、第2処理実行部106は、第2決済手段データベースDB2のうち、第2実行データが示す第2識別情報に関連付けられた第2決済手段の残高を、第2実行データが示す決済金額だけ減らす。第2実行データには、決済後の第2決済手段の残高が示されていてもよい。この場合、第2処理実行部106は、第2決済手段データベースDB2のうち、第2実行データが示す第2識別情報に関連付けられた第2決済手段の残高を、第2実行データが示す決済後の第2決済手段の残高と一致するように更新する。これらの一連の処理の全部又は一部が、第2処理に相当する。
【0064】
本実施形態では、第2処理実行部106は、第2決済手段に対応していない決済端末40により、第1識別情報を記憶するICチップが読み取られた場合に、当該第1識別情報に関連付けられた第2識別情報により識別される第2決済手段を利用するための第2処理を実行する。例えば、第2処理実行部106は、ICチップを含むICカードCが決済端末40により読み取られた場合に、第2処理を実行する。
【0065】
なお、第1識別情報は、ICカードC以外の他の情報記憶媒体に記憶されていてもよい。例えば、第1識別情報は、ユーザ端末30のICチップに記憶されていてもよい。第1識別情報は、ICチップ以外の他の情報記憶媒体に記憶されていてもよい。第1識別情報は、ICチップではなく、磁気カードに記憶されていてもよい。第1識別情報は、カードではなく、近距離無線通信が可能な通信機器に記憶されていてもよい。第1識別情報は、ICタグに記憶されていてもよい。
【0066】
また、第1識別情報は、情報記憶媒体に記憶されているのではなく、カードの券面に印刷されていてもよい。この場合、決済端末40は、カードの券面に印刷された第1識別情報をカメラで撮影することによって読み取る。更に、第1識別情報は、バーコード又は二次元コードによってコード化されていてもよい。この場合、決済端末40は、コード化された第1識別情報を、コードリーダ又はカメラで読み取る。
【0067】
上記のように、第1識別情報を記憶するICチップが読み取られる態様以外の他の態様も考えられる。他の態様の場合には、第2処理実行部106は、上記説明した何れかの読取方法で決済端末40により第1識別情報が読み取られた場合に、当該第1識別情報に関連付けられた第2識別情報により識別される第2決済手段を利用するための第2処理を実行すればよい。
【0068】
本実施形態では、第2実行データには、決済端末40によって読み取られた第1識別情報に関連付けられた第2識別情報が示されている。第2処理実行部106は、第2実行データが示す第2識別情報に関連付けられた第2決済手段の残高を、第2実行データが示す決済金額だけ減らす。例えば、第2処理実行部106は、優先利用設定が第2決済手段を示す場合に、第2処理を実行する。第2処理実行部106は、優先利用設定が第2決済手段を示す場合に、連携先サーバ20から受信した第2実行データに基づいて、第2処理を実行する。第2処理実行部106は、優先利用設定が第1決済手段を示す場合には、第2処理を実行しないようにしてもよい。この場合、第1決済手段及び第2決済手段を併用した決済は実行されなくなる。この場合、利用可否設定が存在しなくてもよい。
【0069】
例えば、第2処理実行部106は、優先利用設定が第1決済手段を示し、かつ、第1決済手段の残高が足りない場合に、第2処理を実行する。第2処理実行部106は、第1決済手段の残高の不足分だけ第2決済手段の残高が減るように、第2処理を実行する。受信部104が連携先サーバ20から受信する第2実行データには、当該不足分が示されている。第2処理実行部106は、第2実行データが示す不足分だけ第2決済手段の残高が減るように、第2処理を実行する。第2実行データには、不足分を差し引いた後の第2決済手段の残高が示されていてもよい。この場合、第2処理実行部106は、第2決済手段データベースDB2のうち、第2実行データが示す第2識別情報に関連付けられた第2決済手段の残高を、第2実行データが示す不足分を差し引いた後の第2決済手段の残高と一致するように更新すればよい。
【0070】
本実施形態では、決済端末40により第1識別情報が読み取られた場合に、第2決済手段を利用して第1決済手段に関するチャージが実行される。更に、当該チャージが実行された後の第1決済手段に基づいて決済が実行される。このため、第2処理は、第2決済手段の残高から、チャージに応じた額を減らす処理である。第2実行データが示す決済金額は、チャージ額を意味する。第2処理実行部106は、第2実行データに基づいて、第2処理を実行する。第2処理実行部106は、第2決済手段データベースDB2のうち、第2実行データが示す第2識別情報に関連付けられた第2決済手段の残高を、第2実行データが示すチャージ額だけ減らすことによって、第2処理を実行する。
【0071】
本実施形態では、ユーザは、ICカードCを利用して第1決済手段を利用するので、第2処理実行部106は、第1識別情報を記憶するICカードCが決済端末40により読み取られた場合に、第2処理を実行する。第1識別情報は、ICカードC以外の他の情報記憶媒体に記憶されていてもよい。例えば、第1識別情報は、ユーザ端末30の記憶部32又はICチップに記憶されていてもよい。
【0072】
なお、第1識別情報は、ICカードCではなく、磁気カードに記憶されていてもよい。第1識別情報は、券面に印刷されていてもよい。この場合、決済端末40は、券面に印刷された第1識別情報をカメラで撮影することによって読み取る。更に、第1識別情報は、バーコード又は二次元コードによってコード化されていてもよい。この場合、決済端末40は、コード化された第1識別情報を、コードリーダ又はカメラで読み取る。
【0073】
また、決済サーバ10は、連携先サーバ20を仲介するのではなく、決済端末40と直接的に通信してもよい。この場合、決済サーバ10は、決済端末40から決済要求を受信する。決済要求は、決済の実行を要求するための所定形式のデータである。例えば、決済要求には、第2識別情報及び決済金額が含まれる。第2処理実行部106は、決済要求が示す第2識別情報に関連付けられた第2決済手段の残高を、決済要求が示す決済金額だけ減らすことによって、第2処理を実行する。第2処理自体は、公知の決済サービスで利用されている他の処理も適用可能である。
【0074】
[保存部]
保存部107は、チャージが実行された場合に、第2決済手段を利用してチャージが実行されたことを示す第2履歴データを、第1識別情報に関連付けて第1決済手段データベースDB1に保存する。第2履歴データは、第2決済手段が利用される場合の第1決済手段へのチャージに関するデータである。例えば、第2履歴データは、チャージ日時、チャージ方法、チャージ金額、及びチャージ後の残高を示す。チャージ方法は、チャージで利用された決済手段を示すので、ここでは、チャージで利用された第2決済手段の第2識別情報が示されている。
【0075】
本実施形態では、保存部107は、第2履歴データを、チャージ履歴情報として第1決済手段データベースDB1に保存する。例えば、連携先サーバ20は、第2決済手段から第1決済手段へのチャージを実行すると第2履歴データを生成し、決済サーバ10に送信する。この第2履歴データには、チャージが実行された第1決済手段の第1識別情報が関連付けられているものとする。保存部107は、連携先サーバ20から受信した第1識別情報に関連付けて、チャージ履歴情報として第2履歴データを第1決済手段データベースDB1に保存する。
【0076】
本実施形態では、決済端末40は、第1識別情報を記憶する情報記憶媒体(例えば、ICカードC)を読み取る。この情報記憶媒体には、第2決済手段を利用してチャージが実行されたことを示す第1履歴データが記録されるものとする。第1履歴データは、第2履歴データと同様の内容を示す。例えば、第1履歴データは、チャージ日時、チャージ方法、チャージ金額、及びチャージ後の残高を示す。チャージ方法は、チャージで利用された第2決済手段の第2識別情報、が示されている。
【0077】
[3-2.連携先サーバで実現される機能]
連携先サーバは、データ記憶部200、決済要求受信部201、及び決済実行部202を含む。データ記憶部200は、記憶部22により実現される。決済要求受信部201及び決済実行部202は、制御部21により実現される。
【0078】
[データ記憶部]
データ記憶部200は、決済サービスを提供するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部200は、関連付けデータベースDB3を記憶する。データ記憶部200に記憶される関連付けデータベースDB3は、データ記憶部100に記憶される関連付けデータベースDB3と同様であってよい。決済サーバ10及び連携先サーバ20の間で、関連付けデータベースDB3の整合性が定期的又は不定期的に取られるようにしてもよい。
【0079】
なお、データ記憶部200は、第1決済手段データベースDB1及び第2決済手段データベースDB2を記憶してもよい。この場合、決済サーバ10及び連携先サーバ20の間で、第1決済手段データベースDB1及び第2決済手段データベースDB2の整合性が定期的又は不定期的に取られるようにしてもよい。データ記憶部200は、その他にも、本実施形態で説明する処理に必要なデータを記憶できる。
【0080】
[決済要求受信部]
決済要求受信部201は、決済端末40から、決済要求を受信する。本実施形態では、決済要求受信部201は、ICカードCが決済端末40により読み取られた場合に、決済端末40から決済要求を受信する。
【0081】
[決済実行部]
決済実行部202は、決済端末40から受信した決済要求に基づいて、決済を実行する。本実施形態では、第2決済手段に対応していない決済端末40から受信する決済要求には、第1識別情報が含まれている。例えば、決済実行部202は、データ記憶部200に記憶された関連付けデータベースDB3を参照し、決済要求に含まれる第1識別情報に第2識別情報が関連付けられているか否かを判定する。決済要求に含まれる第1識別情報に第2識別情報が関連付けられていないと判定された場合には、決済実行部202は、従来と同様の方法で、第1決済手段を利用した決済を実行する。
【0082】
例えば、決済要求に含まれる第1識別情報に第2識別情報が関連付けられていると判定された場合には、決済実行部202は、関連付けデータベースDB3を参照し、当該第1識別情報及び当該第2識別情報に関連付けられた利用要否設定を取得する。第2決済手段を利用しないことを利用要否設定が示す場合には、決済実行部202は、従来と同様の方法で、第1決済手段を利用した決済を実行する。
【0083】
例えば、第2決済手段を利用することを利用要否設定が示す場合には、決済実行部202は、関連付けデータベースDB3を参照し、当該利用要否設定と同じレコードに格納された優先利用設定を取得する。更に、決済実行部202は、決済サーバ10に対し、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、を参照するための参照要求を送信する。第1決済手段データベースDB1及び第2決済手段データベースDB2がデータ記憶部200に記憶されている場合には、参照要求が送信されずに、これらのデータベースが参照されるようにすればよい。
【0084】
例えば、参照要求には、残高の参照対象となる第1識別情報及び第2識別情報が含まれる。決済サーバ10は、第1決済手段データベースDB1を参照し、参照要求に含まれる第1識別情報に関連付けられた第1決済手段の残高を取得する。決済サーバ10は、第2決済手段データベースDB2を参照し、参照要求に含まれる第2識別情報に関連付けられた第2決済手段の残高を取得する。決済サーバ10は、連携先サーバ20に対し、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、を送信する。
【0085】
なお、ICカードCには、第1決済手段の残高が書き込まれているので、連携先サーバ20は、決済サーバ10に第1決済手段の残高を問い合わせなくてもよい。この場合には、参照要求に第1識別情報が含まれない。連携先サーバ20は、決済端末40から、ICカードCに書き込まれた第1決済手段の残高を取得する。決済実行部202は、決済端末40から取得した第1決済手段の残高に基づいて、決済を実行してもよい。更に、決済サーバ10及び連携先サーバ20に第1決済手段の残高が記憶されておらず、ICカードCにだけ第1決済手段の残高が書き込まれていてもよい。
【0086】
また、第1決済手段の残高がICカードCに書き込まれておらず、第1決済手段の残高が決済サーバ10に記憶されている場合には、連携先サーバ20は、参照要求によって、決済サーバ10から第1決済手段の残高を取得すればよい。更に、第1決済手段の残高がICカードCに書き込まれておらず、第1決済手段の残高が連携先サーバ20に記憶されている場合には、連携先サーバ20は、自身が記憶する第1決済手段の残高を取得すればよい。
【0087】
例えば、連携先サーバ20は、決済サーバ10から、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、を受信する。決済実行部202は、これらの残高と、決済要求に含まれる決済金額と、に基づいて、決済を実行する。決済実行部202は、優先利用設定に第1決済手段が示されている場合には、第1決済手段の残高と、決済要求に含まれる決済金額と、に基づいて、第1決済手段だけで足りるか否かを判定する。第1決済手段だけで足りると判定された場合には、決済実行部202は、従来と同様の方法で、第1決済手段を利用した決済を実行する。
【0088】
例えば、第1決済手段だけでは足りないと判定された場合には、決済実行部202は、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、合計が決済要求に含まれる決済金額以上である否かを判定する。決済実行部202は、合計が決済金額未満であると判定した場合には、残高不足によるエラーとする。残高不足によるエラーの処理自体は、公知の処理を利用すればよい。決済実行部202は、合計が決済金額以上であると判定した場合には、第2決済手段から第1決済手段へのチャージを実行する。
【0089】
例えば、決済実行部202は、決済要求に含まれる決済金額から第1決済手段の残高を引いた値を、第1決済手段の不足分として計算する。決済実行部202は、第2決済手段の残高を利用して、当該不足部だけ第1決済手段をチャージする。チャージ自体は、公知の処理を利用可能である。第2決済手段の残高は、チャージ分だけ減る。決済実行部202は、チャージ後の第1決済手段に基づいて、決済を実行する。決済後の第1決済手段の残高は、0になる。
【0090】
例えば、決済実行部202は、チャージ及び決済の実行結果に基づいて、先述した第1実行データ及び第2実行データを生成して決済サーバ10に送信する。決済実行部202は、決済端末40に対し、決済が完了したことを示す通知を送信する。この通知自体は、第1決済手段だけで決済する時と同じものである。このため、連携先サーバ20及び決済端末40の間の通信は、第1決済手段だけで決済する時と同じ仕組みを利用可能である。例えば、連携先サーバ20及び決済端末40の間で送信されるデータのフォーマット(例えば、APIのフォーマット)は、第1決済手段だけで決済する時と同じである。
【0091】
例えば、決済実行部202は、優先利用設定に第2決済手段が示されている場合には、第2決済手段の残高と、決済要求に含まれる決済金額と、に基づいて、第2決済手段だけで足りるか否かを判定する。第2決済手段だけで足りると判定された場合には、決済実行部202は、第2決済手段の残高に基づいて、決済金額だけ第1決済手段にチャージする。第2決済手段の残高は、チャージ分だけ減る。決済実行部202は、チャージ後の第1決済手段に基づいて、決済を実行する。決済後の第1決済手段の残高は、決済前と変わらない。第1実行データ及び第2実行データが生成される点と、決済端末40に対して通知が送信される点と、は先述した通りである。
【0092】
例えば、第2決済手段だけでは足りないと判定された場合には、決済実行部202は、決済実行部202は、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、合計が決済要求に含まれる決済金額以上である否かを判定する。決済実行部202は、合計が決済金額未満であると判定した場合には、残高不足によるエラーとする。残高不足によるエラーの処理自体は、公知の処理を利用すればよい。決済実行部202は、合計が決済金額以上であると判定した場合には、第2決済手段から第1決済手段へのチャージを実行する。
【0093】
例えば、決済実行部202は、第2決済手段の全額を、第1決済手段にチャージする。第2決済手段の残高は、0になる。決済実行部202は、チャージ後の第1決済手段に基づいて、決済を実行する。決済後の第1決済手段の残高は、不足分だけ減る。第1実行データ及び第2実行データが生成される点と、決済端末40に対して通知が送信される点と、は先述した通りである。
【0094】
なお、第2決済手段から第1決済手段へのチャージが実行されずに、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、が併用されるようにしてもよい。この場合、決済実行部202は、第2決済手段から第1決済手段へのチャージを実行することなく、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、の両方を減らしてもよい。決済実行部202は、第2決済手段から第1決済手段へのチャージを実行することなく、第2決済手段の残高を減らしてもよい。
【0095】
[3-3.ユーザ端末で実現される機能]
ユーザ端末30は、データ記憶部300、表示制御部301、及び操作受付部302を含む。データ記憶部300は、記憶部32により実現される。表示制御部301、及び操作受付部302は、制御部31により実現される。
【0096】
[データ記憶部]
データ記憶部300は、決済サービスを利用するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部300は、ブラウザ又は専用のアプリケーションを記憶する。
【0097】
[表示制御部]
表示制御部301は、各種画面を表示部35に表示させる。例えば、表示制御部301は、ホーム画面SC1を表示部35に表示させる。
【0098】
[操作受付部]
操作受付部302は、ユーザによる各種操作を受け付ける。例えば、操作受付部302は、ホーム画面SC1に対する操作を受け付ける。
【0099】
[3-4.決済端末で実現される機能]
決済端末40は、データ記憶部400、取得部401、及び決済要求送信部402を含む。データ記憶部400は、記憶部42により実現される。取得部401及び決済要求送信部402は、制御部41により実現される。
【0100】
[データ記憶部]
データ記憶部400は、決済サービスを提供するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部400は、決済要求を生成して送信するためのプログラムを記憶する。
【0101】
[取得部]
取得部401は、決済端末40により読み取られた第1識別情報を取得する。第1識別情報を読み取る方法自体は、公知の種々の方法を利用可能である。例えば、磁気を利用する方法、電磁波を利用する方法、近距離無線通信を利用する方法、画像を光学的に読み取る方法、音声を利用する方法、又はその他の方法が利用されてもよい。決済端末40には、これらの方法に必要な機器が含まれる又は接続されるようにすればよい。例えば、決済端末40には、リーダライタ46以外にも、リーダ端末、無線受信機、カメラ、スキャナ、マイク、又はその他の機器が含まれる又は接続されてもよい。
【0102】
本実施形態では、ICカードCに第1識別情報が記憶されているので、取得部401は、ICカードCに記憶された第1識別情報を取得する。例えば、決済端末40は、ICカードCの読み取りだけではなく、ICカードCへの書き込みの機能も有する。ICカードCには、決済履歴及びチャージ履歴といった情報が書き込まれる。決済時に第2決済手段から第1決済手段へのチャージが実行された場合には、このチャージのチャージ履歴もICカードCに書き込まれる。
【0103】
[決済要求送信部]
決済要求送信部402は、決済サーバ10に対し、決済要求を送信する。例えば、決済要求送信部402は、決済端末40で決済のための操作が行われて、ICカードCがリーダライタ46により読み取られた場合に、決済サーバ10に対し、決済要求を送信する。
【0104】
[4.決済システムで実行される処理]
図8及び図9は、決済システム1で実行される処理の一例を示す図である。図8及び図9の処理は、制御部11,21,31,41がそれぞれ記憶部12,22,32,42に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。
【0105】
図8のように、ユーザ端末30は、決済サーバ10との間で、ログイン処理を実行してホーム画面SC1を表示部35に表示させる(S1)。ユーザ端末30は、決済サーバ10との間で、第1決済手段及び第2決済手段を連携させるための処理を実行する(S2)。S2では、ユーザは、ホーム画面SC1又は他の画面で、第1識別情報、第2識別情報、連携要否設定、及び優先利用設定を入力する。決済サーバ10は、ユーザが入力したこれらの情報を互いに関連付けて関連付けデータベースDB3に格納する。決済サーバ10は、連携先サーバ20に対し、関連付けデータベースDB3を共有する(S3)。
【0106】
以降、ユーザは、第2決済手段に対応していない決済端末40で、第1決済手段のICカードCを利用して第2決済手段を利用できるようになる。ユーザがリーダライタ46にICカードCをかざすと、決済端末40は、リーダライタ46を利用してICカードCに記憶された第1識別情報を読み取る(S4)。決済端末40は、S4で読み取った第1識別情報に基づいて、連携先サーバ20に対し、決済要求を送信する(S5)。決済要求に含まれる第1識別情報以外の他の情報(決済金額等)は、事前に決済端末40に対して入力されているものとする。他の情報として、ユーザが購入する商品の情報が含まれてもよい。
【0107】
連携先サーバ20は、決済要求を受信すると(S6)、関連付けデータベースDB3に基づいて、決済要求に含まれる第1識別情報に第2識別情報が関連付けられているか否かを判定する(S7)。第2識別情報が関連付けられていないと判定された場合(S7:N)、連携先サーバ20は、決済サーバ10及び決済端末40の各々と通信して、第1決済手段を利用した決済を実行し(S8)、本処理は終了する。S8の処理は、第1決済手段だけで決済を実行する従来の方法と同様である。
【0108】
S7において、第2識別情報が関連付けられていると判定された場合(S7:Y)、連携先サーバ20は、決済要求に含まれる第1識別情報に関連付けられた利用要否設定に基づいて、第2決済手段を利用するか否かを判定する(S9)。第2決済手段を利用しないと判定された場合(S9:N)、S8の処理に移行し、本処理は終了する。S9において、第2決済手段を利用すると判定された場合(S9:Y)、連携先サーバ20は、決済サーバ10との間で、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、を取得する処理を実行する(S10)。なお、連携先サーバ20は、決済サーバ10から第1決済手段の残高を取得せずに、ICカードCに書き込まれた第1決済手段の残高に基づいて、以降の処理を実行してもよい。
【0109】
連携先サーバ20は、決済要求に含まれる第1識別情報に関連付けられた優先利用設定を参照する(S11)。優先利用設定が第1決済手段を示す場合(S11:第1決済手段)、連携先サーバ20は、決済要求に含まれる決済金額と、第1決済手段の残高と、に基づいて、第1決済手段の残高だけで足りるか否かを判定する(S12)。第1決済手段の残高だけで足りると判定された場合(S12:Y)、連携先サーバ20は、S8の処理に移行し、本処理は終了する。
【0110】
S12において、第1決済手段の残高だけでは足りないと判定された場合(S12:N)、連携先サーバ20は、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、の合計で足りるか否かを判定する(S13)。S13において、合計で足りないと判定された場合(S13:N)、連携先サーバ20は、決済端末40に対し、残高不足によるエラーを通知し(S14)、本処理は終了する。合計で足りると判定された場合(S13:Y)、図9に移り、連携先サーバ20は、第2決済手段から第1決済手段へのチャージを実行する(S15)。このチャージにおけるチャージ額は、第1決済手段の残高が不足している不足分になる。S15の後に実行されるS18の処理は、後述する。
【0111】
S11において、優先利用設定が第2決済手段を示す場合(S11:第2決済手段)、図9に移り、連携先サーバ20は、決済要求に含まれる決済金額と、第2決済手段の残高と、に基づいて、第2決済手段の残高だけで足りるか否かを判定する(S16)。第2決済手段の残高だけで足りると判定された場合(S16:Y)、S15に移行する。この場合のチャージ額は、決済要求に含まれる決済金額になる。
【0112】
S16において、第2決済手段の残高だけでは足りないと判定された場合(S16:N)、連携先サーバ20は、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、の合計で足りるか否かを判定する(S17)。合計で足りると判定された場合(S17:Y)、S15の処理に移行する。この場合のチャージ額は、第2決済手段の残高の全額となる。S16において、合計で足りないと判定された場合(S17:N)、S14の処理に移行し、本処理は終了する。
【0113】
連携先サーバ20は、S15におけるチャージ後の第1決済手段の残高に基づいて、決済を実行する(S18)。連携先サーバ20は、決済端末40に対し、決済が完了したことを示す決済完了通知を送信する(S19)。決済端末40は、決済完了通知を受信すると(S20)、リーダライタ46を利用して、ICカードCに対し、最新の残高と、第1履歴データと、の書き込みを行い(S21)、本処理は終了する。
【0114】
連携先サーバ20は、決済サーバ10に対し、第1実行データ及び第2実行データを送信する(S22)。決済サーバ10は、第1実行データ及び第2実行データを受信すると(S23)、第1実行データに基づいて、第1決済手段の残高を更新する(S24)。決済サーバ10は、第2実行データに基づいて、第2決済手段の残高を更新し(S25)、本処理は終了する。第2履歴データの保存も、S22~S25の流れの中で実行される。
【0115】
本実施形態の決済システム1は、第2決済手段に対応していない決済端末40により第1識別情報が読み取られた場合に、当該第1識別情報に関連付けられた第2識別情報により識別される第2決済手段を利用するための第2処理を実行する。これにより、第2決済手段に対応していない決済端末40だったとしても、第1識別情報及び第2識別情報の関連付けによって第2決済手段を利用できるので、ユーザの利便性が高まる。第2決済手段を利用できる決済端末40が増えるので、第2決済手段の利用を促進できる。第2決済手段に対応するための改修を決済端末40に加える必要もなくなる。例えば、決済端末40が店舗に配置される場合には、決済端末40を改修する必要がないので、店舗の利便性が高まる。
【0116】
また、決済システム1は、優先利用設定が第2決済手段を示す場合に、第2処理を実行する。これにより、第1決済手段を優先的に利用するか、第2決済手段を優先的に利用するか、を設定できるので、ユーザの利便性がより高まる。例えば、第1決済識別情報及び第2識別情報を関連付けたユーザについては、特に優先利用設定をせずにデフォルトで第2決済手段を優先するといった態様も可能である。この態様も、本開示に含まれる。ただし、この態様にすると、ユーザが第1決済手段を利用するためには、第2決済手段の残高を0にする、又は、第1決済識別情報及び第2識別情報の関連付けを解除する必要がある。この点、ユーザは、優先利用設定を変えることによって、好きな時に第1決済手段を利用できるようになるので、自由度の高い決済が可能になる。
【0117】
また、決済システム1は、優先利用設定が第2決済手段を示し、かつ、第2決済手段の残高が足りない場合に、第1処理を実行する。これにより、第2決済手段の残高が足りなかったとしても、第1決済手段を併用することによって、残高不足によるエラーを回避できる。例えば、ユーザが、主に第2決済手段を利用し、補助的に第1決済手段を利用したい場合には、補助的な第1決済手段で第2決済手段の残高の不足分を補うことによって、第2決済手段をチャージする手間を省くことができる。ユーザが第2決済手段の残高を気にしなくて済む。
【0118】
また、決済システム1は、優先利用設定が第1決済手段を示し、かつ、第1決済手段の残高が足りない場合に、第2処理を実行する。これにより、第1決済手段の残高が足りなかったとしても、第2決済手段を併用することによって、残高不足によるエラーを回避できる。例えば、ユーザが、主に第1決済手段を利用し、補助的に第2決済手段を利用したい場合には、補助的な第2決済手段で第1決済手段の残高の不足分を補うことによって、第1決済手段をチャージする手間を省くことができる。ユーザが第1決済手段の残高を気にしなくて済む。
【0119】
また、決済端末40により第1識別情報が読み取られた場合に、第2決済手段を利用して第1決済手段に関するチャージが実行される。当該チャージが実行された後の第1決済手段に基づいて決済が実行される。本実施形態の第2処理は、第2決済手段の残高から、チャージに応じた額を減らす処理である。これにより、第2決済手段から第1手段へのチャージの仕組みさえ導入すれば、第2決済手段に対応していない決済端末40で第2決済手段を利用できるようになるので、決済システム1全体としての改修量を低減できる。例えば、個々の決済端末40に改修を加えなくても、連携先サーバ20に上記チャージの仕組みを導入すれば済むので、決済システム1全体としての改修量を低減できる。決済端末40としては、既存の第1決済手段の仕組みだけで、実質的に第2決済手段を利用できるようになる。
【0120】
また、第2決済手段から第1決済手段へのチャージは、決済端末40により第1識別情報が読み取られた場合に、決済システム1と連携する連携先システム2により実行される。決済システム1は、連携先システム2から受信した第2実行データに基づいて、第2処理を実行する。これにより、決済システム1及び連携先システム2で処理を分散できるので、決済システム1の処理負荷を軽減できる。連携先システム2の処理負荷も軽減する。例えば、決済に時間がかかると、ユーザがICカードCをリーダライタ46から離してしまいエラーになる可能性が高まるが、処理を分散させることによって、決済を迅速に完了できるので、エラーを回避しやすくなる。
【0121】
また、ICカードCには、第2決済手段を利用してチャージが実行されたことを示す第1履歴データが記録される。決済システム1は、チャージが実行された場合に、第2決済手段を利用してチャージが実行されたことを示す第2履歴データを、第1識別情報に関連付けて第1決済手段データベースDB1に保存する。これにより、ICカードC側で、なぜ第1決済手段の残高が一時的に増えたかを、第1履歴データによって把握できる。例えば、ユーザ端末30でICカードCを読み取ることによって、ユーザがチャージ履歴を確認できるようにする場合に、第1履歴データによって、第1決済手段ではなく、第2決済手段が利用されたことをユーザが把握できる。例えば、第1決済手段の残高が減っていないにもかかわらず、なぜ決済が完了したかをユーザが把握できる。第1決済手段データベースDB1にも、第1履歴データと同様の内容を示す第2履歴データが保存されるので、決済事業者側でも、なぜ第1決済手段の残高が一時的に増えたかを把握できる。例えば、不正なチャージが実行されたか否かを判断するために、ICカードC側で把握している履歴と、決済事業者側で把握している履歴と、を突合することもできる。このような突合をしても、不正なチャージではないことを確認できる。
【0122】
また、決済システム1は、第1識別情報を記憶するICカードCが決済端末40により読み取られた場合に、第2処理を実行する。これにより、ユーザが決済端末40にICカードCをかざすといった簡易な操作によって、第2決済手段を利用できるようになるので、ユーザの利便性が高まる。例えば、第2決済手段が、ユーザ端末30に二次元コードを表示させるタイプだったとすると、ユーザ端末30を起動し、ロックを解除し、専用のアプリケーションを起動し、二次元コードを表示させるといった一連の操作ではなく、ICカードCをかざすといった簡易な操作によって、第2決済手段を利用できるので、ユーザの利便性が高まる。
【0123】
[5.変形例]
なお、本開示は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0124】
図10は、変形例で実現される機能の一例を示す図である。図10のように、変形例では、オートチャージ実行部108、クーポン処理実行部109、及びレシート処理実行部110が実現される。オートチャージ実行部108、クーポン処理実行部109、及びレシート処理実行部110は、制御部11により実現される。
【0125】
[5-1.変形例1]
例えば、実施形態では、第1識別情報及び第2識別情報が1対1で対応する場合を例に挙げた。即ち、1つの第1決済手段を、1つの第2決済手段と連携させる場合を例に挙げた。第1識別情報及び第2識別情報は、多対1で対応してもよい。即ち、複数の第1決済手段を、1つの第2決済手段と連携させてもよい。なお、第1識別情報及び第2識別情報は、1対多又は多対多で対応してもよい。即ち、1つの第1決済手段を複数の第2決済手段と連携させてもよいし、複数の第1決済手段を複数の第2決済手段と連携させてもよい。これらの態様も、本開示の範囲に含まれる。
【0126】
図11は、変形例1の関連付けデータベースDB3の一例を示す図である。変形例1の関連付け部101は、複数の第1識別情報と、第2識別情報と、を関連付ける。例えば、ユーザが複数のICカードCを保有している場合に、関連付け部101は、当該複数のICカードCの各々が記憶する第1識別情報と、第2識別情報と、を関連付ける。例えば、ユーザが家族のICカードCもまとめて管理する場合に、関連付け部101は、ユーザのICカードCが記憶する第1識別情報、家族のICカードCが記憶する第1識別情報、及び第2識別情報を関連付ける。
【0127】
変形例1では、第1識別情報ごとに、利用要否設定及び優先利用設定を指定できるものとする。このため、関連付けデータベースDB3には、第1識別情報ごとに、利用要否設定及び優先利用設定が格納される。複数の第1識別情報で共通の利用要否設定及び優先利用設定としてもよい。この場合、第1識別情報と、利用要否設定及び優先利用設定と、は多対1で対応する。なお、利用要否設定及び優先利用設定の流れ自体は、実施形態で説明した通りである。例えば、ICカードCを保有する者(ユーザ又は家族)は、図2と同様の流れによって、利用要否設定及び優先利用設定を行う。
【0128】
変形例1の第2処理実行部106は、複数の第1識別情報のうちの何れが決済端末40により読み取られたとしても、第2処理を実行可能である。ここでの実行可能とは、ある第2識別情報に関連付けられた複数の第1識別情報のうち、どの第1識別情報が決済端末40により読み取られたとしても、第2処理を実行できる状態にあることを意味する。このため、全ての第1識別情報について第2処理を実行しなければならないわけではなく、第2決済手段を利用しないことを示す利用要否設定が関連付けられた第1識別情報が決済端末40により読み取られた場合には、第2処理は実行されない。
【0129】
なお、第2識別情報に複数の第1識別情報が関連付けられている点で実施形態とは異なるが、第2処理を実行するための流れ自体は、実施形態と同様である。変形例1でも連携先サーバ20は、決済端末40からの決済要求を受信した場合に、関連付けデータベースDB3を参照し、決済要求に含まれる第1識別情報に第2識別情報が関連付けられているか否かを判定すればよい。更に、連携先サーバ20は、関連付けデータベースDB3を参照し、決済要求に含まれる第1識別情報に関連付けられた利用要否設定及び優先利用設定に基づいて、決済を実行すればよい。第2処理実行部106は、連携先サーバ20から受信した第2実行データに基づいて、第2処理を実行すればよい。
【0130】
変形例1の決済システム1は、複数の第1識別情報と、第2識別情報と、を関連付ける。決済システム1は、複数の第1識別情報のうちの何れが決済端末により読み取られたとしても、第2処理を実行可能である。これにより、複数の第1決済手段を第2決済手段に連携させることができるので、ユーザの利便性がより高まる。例えば、複数のICカードCを保有しているユーザだったとしても、連携する第2決済手段を1つにまとめることができる。例えば、ユーザの家族もICカードCを保有していたとしても、家族のICカードCと連携する第2決済手段を1つにまとめることができる。
【0131】
[5-2.変形例2]
例えば、変形例1で説明したように、複数の第1識別情報と、第2識別情報と、を関連付ける場合には、第1識別情報ごとに、第2決済手段を利用するか否かに関する利用要否設定が可能である。第2処理実行部106は、第2決済手段を利用することを示す利用要否設定が行われた第1決済手段の第1識別情報が決済端末40により読み取られた場合に、第2処理を実行する。第1識別情報ごとに、利用要否設定が可能という点で実施形態とは異なるが、利用要否設定に基づく決済の流れ自体は、実施形態と同様である。
【0132】
変形例2の決済システム1は、第1識別情報ごとに、第2決済手段を利用するか否かに関する利用要否設定が可能である。決済システム1は、第2決済手段を利用することを示す利用要否設定が行われた第1決済手段の第1識別情報が決済端末40により読み取られた場合に、第2処理を実行する。これにより、第1識別情報ごとに、利用要否設定が可能になり、より柔軟な決済を実行できるので、ユーザの利便性がより高まる。
【0133】
[5-3.変形例3]
例えば、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、の合計が不足した場合に、残高不足でエラーになるのではなく、オートチャージが実行されて決済が完了できるようにしてもよい。オートチャージは、ユーザがチャージのための操作をすることなく、自動的に実行されるチャージである。オートチャージは、予め定められた決済手段に基づいて実行される。以降、この決済手段を、第3決済手段という。
【0134】
変形例3の決済システム1は、オートチャージ実行部108を含む。オートチャージ実行部108は、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、の合計が不足する場合に、第3決済手段に基づいて、第1決済手段及び第2決済手段の少なくとも一方に関するオートチャージを実行する。変形例3では、クレジットカードが第3決済手段に相当する場合を説明するが、第3決済手段は、第1決済手段及び第2決済手段とは異なる決済手段であればよく、クレジットカードに限られない。例えば、第3決済手段は、第1決済手段及び第2決済手段とは異なる他の電子マネー、ポイント、デビットカード、口座(銀行口座を含む)、暗号資産、又はウォレットといった他の決済手段であってもよい。
【0135】
なお、第3決済手段を識別可能な第3識別情報は、第1決済手段データベースDB1、第2決済手段データベースDB2、関連付けデータベースDB3、又はその他のデータベースに格納されているものとする。第3識別情報は、第1識別情報及び第2識別情報の少なくとも一方と関連付けられている。変形例3では、第3識別情報は、クレジットカード番号である。第3識別情報は、クレジットカードの有効期限又は名義人といった他の情報を含んでもよい。第3決済手段がクレジットカード以外の他の決済手段である場合には、第3識別情報は、他の決済手段を識別可能な情報を含めばよい。この情報自体は、公知の情報であってよい。
【0136】
例えば、連携先サーバ20は、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、の合計が不足する場合に、決済サーバ10に対し、オートチャージ要求を送信する。オートチャージ要求は、オートチャージの実行を要求するための所定形式のデータである。例えば、オートチャージ要求は、第1識別情報、第2識別情報、及び第3識別情報のうちの少なくとも1つを含む。オートチャージ要求には、オートチャージ額等の他の情報が含まれてもよい。決済サーバ10がオートチャージ要求を受信すると、オートチャージ実行部108は、オートチャージ要求に基づいて、オートチャージを実行する。
【0137】
なお、オートチャージ自体は、公知の処理を利用可能である。例えば、ユーザがオートチャージ設定を予め指定してもよいし、決済サービス側で用意されたデフォルトのオートチャージ設定が利用されてもよい。オートチャージ設定は、オートチャージのトリガとなる第1決済手段の残高、オートチャージのトリガとなる第2決済手段の残高、オートチャージ額、及びオートチャージで利用する第3決済手段の少なくとも1つである。
【0138】
オートチャージ設定自体は、任意の設定であってよく、例えば、「残高が不足する場合に、所定金額だけチャージする」といったオートチャージ設定、「残高が不足する場合に、不足分だけチャージする」といったオートチャージ設定、又は「残高が不足する場合に、決済後の第1決済手段及び第2決済手段の少なくとも一方の残高が所定金額になるようにチャージする」といったオートチャージ設定であってもよい。オートチャージ設定は、第1決済手段データベースDB1、第2決済手段データベースDB2、関連付けデータベースDB3、又は他のデータベースに、第1識別情報、第2識別情報、及び第3識別情報のうちの少なくとも1つと関連付けられて格納されているものとする。
【0139】
例えば、オートチャージ実行部108は、ひとまず第2決済手段にオートチャージを実行してもよい。その後に、オートチャージ実行部108は、オートチャージされた第2決済手段の残高に基づいて、第1決済手段にオートチャージを実行してもよい。オートチャージ実行部108は、第2決済手段を中継させるのではなく、第1決済手段に直接的にオートチャージしてもよい。複数の第3決済手段を併用したオートチャージが実行されてもよい。
【0140】
なお、オートチャージは、決済サーバ10ではなく、連携先サーバ20で実行されてもよい。この場合、連携先サーバ20は、オートチャージ実行部108と同様の機能を有する。連携先サーバ20に対し、オートチャージを依頼することが、決済サーバ10のオートチャージ実行部108によるオートチャージの実行に相当してもよい。決済サーバ10は、連携先サーバ20から、オートチャージの実行結果を示すデータを取得する。オートチャージが実行された後の決済の流れは、実施形態と同様であってよい。
【0141】
変形例3の決済システム1は、第1決済手段の残高と、第2決済手段の残高と、の合計が不足する場合に、第3決済手段に基づいて、第1決済手段及び第2決済手段の少なくとも一方に関するオートチャージを実行する。これにより、残高不足によるエラーを回避しやすくなる。
【0142】
[5-4.変形例4]
例えば、オートチャージ実行部108は、決済が完了した場合に、第1決済手段及び第2決済手段の少なくとも一方に関するオートチャージを実行してもよい。変形例4では、ユーザがオートチャージ設定を予め指定するものとする。変形例4では、変形例3で説明した第3決済手段によるオートチャージも利用可能である場合を説明するが、第3決済手段を利用せずに、第1決済手段又は第2決済手段の何れか一方だけを利用したオートチャージが実行されてもよい。
【0143】
変形例4のオートチャージ設定も、変形例3と同様、任意の設定であってよい。例えば、「残高が閾値未満になったら、所定金額だけチャージする」といったオートチャージ設定であってもよいし、「残高が閾値未満になったら、残高が所定金額になるようにチャージする」といったオートチャージ設定であってもよい。これらの例における閾値及び所定金額は、ユーザが任意の値を指定できるようにしてもよい。
【0144】
図12は、変形例4におけるオートチャージの一例を示す図である。図12の例では、「決済後の第1決済手段の残高が3000円になるようにオートチャージを実行する」といったオートチャージ設定が指定されているものとする。更に、図12の上側に記載した残高(第1決済手段「AAAマネー」の残高:600円、第2決済手段「BBBキャッシュ」の残高:3000円)の状態になった後に、オートチャージ設定が行われたものとする。オートチャージ設定は、ユーザ端末30に表示される任意の画面からユーザが行うことができる。
【0145】
図12の例では、決済金額、決済前の第1決済手段の残高、及び決済前の第2決済手段の残高の条件は、図3と同様である。例えば、オートチャージ実行部108は、決済後の第1決済手段の残高が3000円未満であるか否かを判定する。オートチャージ実行部108は、決済後の第1決済手段の残高が3000円以上であると判定された場合には、オートチャージを実行しない。オートチャージ実行部108は、決済後の第1決済手段の残高が3000円未満であると判定された場合に、第1決済手段の残高が3000円になるように、オートチャージを実行する。3000円から決済直後の残高を引いた数値がチャージ額になる。なお、オートチャージ設定に含まれる数値は、任意の数値であってよく、3000円に限られない。
【0146】
図12の例では、第2決済手段を利用しないことを利用要否設定が示す場合(「BBBキャッシュを利用しない」の分岐)には、第1決済手段だけでは足りないので、残高不足によってエラーになる。この場合に、エラーにするのではなく、変形例3と同様にして、第1決済手段へのオートチャージが実行されてもよい。優先利用設定が第1決済手段を示す場合(「BBBキャッシュを利用する(AAAマネー優先)」の分岐)、オートチャージ実行部108は、第2決済手段の残高を利用して、第1決済手段の残高が3000円になるように、オートチャージを実行する。
【0147】
例えば、第2決済手段の残高が十分にある場合には、第3決済手段を利用しなくても、第1決済手段の残高が3000円になるようなオートチャージが可能である。図12の例では、第2決済手段の残高だけでは足りないので、オートチャージ実行部108は、第3決済手段も併用してオートチャージを実行する。例えば、オートチャージ実行部108は、第3決済手段の一例であるクレジットカードを利用して、不足分の400円分をチャージする。優先利用設定が第2決済手段を示す場合(「BBBキャッシュを利用する(BBBキャッシュ優先)」の分岐)のオートチャージも、流れとしては同様である。
【0148】
なお、図12の例では、第1決済手段のオートチャージが実行される場合を説明したが、オートチャージ実行部108は、第2決済手段のオートチャージを実行してもよい。例えば、「決済後の第2決済手段の残高が2000円になるようにオートチャージを実行する」といったオートチャージ設定が指定されてもよい。オートチャージ実行部108は、第1決済手段のオートチャージと、第2決済手段のオートチャージと、の両方を実行してもよい。変形例4でも、オートチャージ実行部108は、第2決済手段を仲介させて第1決済手段のオートチャージを実行してもよい。
【0149】
変形例4の決済システム1は、決済が完了した場合に、第1決済手段及び第2決済手段の少なくとも一方に関するオートチャージを実行する。これにより、次回以降の決済において、第1決済手段及び第2決済手段の少なくとも一方が残高不足になりにくくなる。ユーザが手動でチャージを実行する手間を省ける。
【0150】
[5-5.変形例5]
例えば、変形例3,4で説明したように、オートチャージ実行部108は、第1決済手段の残高が閾値未満の場合に、第2決済手段を利用して第1決済手段に関するオートチャージを実行してもよい。オートチャージ実行部108は、第2決済手段の残高だけで足りる場合には、第2決済手段だけでオートチャージを実行する。オートチャージ実行部108は、第2決済手段の残高だけでは足りない場合には、第2決済手段及び第3決済手段を併用してオートチャージを実行してもよいし、第3決済手段を利用せずに、第2決済手段の全額でオートチャージを実行してもよい。オートチャージ設定は、変形例3,4と同様であってよい。
【0151】
変形例5の決済システム1は、第1決済手段の残高が閾値未満の場合に、第2決済手段を利用して第1決済手段に関するオートチャージを実行する。これにより、第1決済手段が残高不足になりにくくなる。ユーザが手動でチャージを実行する手間を省ける。例えば、決済が行われるたびに通信せずに、何らかの操作が行われたタイミング等で通信する端末も存在する。実施形態で説明した決済が実行された後に、このような端末で決済を利用する場合だったとしても、ある程度の残高を確保できるので、残高不足になりにくくなる。
【0152】
[5-6.変形例6]
例えば、第1識別情報及び第2識別情報の少なくとも一方に、クーポンが関連付けられていてもよい。クーポンは、ユーザに対する特典である。例えば、クーポンは、割引価格又は無料で商品を購入したりサービスを利用したりできる特典であってもよい。クーポンは、決済によって付与されるポイントが増える特典であってもよい。クーポンは、特定の加盟店、特定の商品、又は特定のサービスだけで利用できるようにしてもよいし、全ての加盟店、特定の商品、又は特定のサービスで利用できるようにしてもよい。例えば、クーポンは、特定の加盟店、特定の商品、又は特定のサービスだけで利用可能な第1決済手段又は第2決済手段であってもよい。変形例6では、ユーザが店舗でクーポンを提示しなくても、自身が保有するクーポンが自動的に適用される場合を説明する。
【0153】
変形例6では、第2識別情報にクーポンが関連付けられている場合を例に挙げる。変形例6の第2決済手段データベースDB2には、第2識別情報にクーポン情報が関連付けられているものとする。クーポン情報は、第1決済手段データベースDB1の第1識別情報に関連付けられていてもよいし、関連付けデータベースDB3の第1識別情報及び第2識別情報に関連付けられていてもよい。その他のデータベースに、クーポンが第1識別情報及び第2識別情報と関連付けられていてもよい。
【0154】
クーポン情報は、クーポンの内容に関する情報である。例えば、クーポン情報は、割引率、割引後の価格、対象となる商品若しくはサービス、利用可能な店舗、有効期間、その他の利用条件、又はこれらの組み合わせである。ユーザがクーポンを獲得すると、ユーザの第1識別情報及び第2識別情報の少なくとも一方に、クーポン情報が関連付けられる。クーポンの獲得時に実行される処理自体は、公知の処理を利用可能である。
【0155】
変形例6の決済システム1は、クーポン処理実行部109を含む。クーポン処理実行部109は、決済端末40により第1識別情報が読み取られた場合に、第1識別情報及び第2識別情報の少なくとも一方に関連付けられたクーポンを提示することなく、当該クーポンを利用するためのクーポン処理を実行する。クーポンを提示とは、ユーザ端末30の表示部35にクーポンを表示させることである。例えば、クーポンを利用するためのバーコード又は二次元コードを表示させることは、クーポンを提示することに相当する。クーポンの紙を提示することがクーポンの提示に相当してもよい。
【0156】
クーポン処理自体は、公知の処理であってよい。例えば、商品又はサービスの価格を減額する処理、商品又はサービスを無料で提供する処理、又は決済によって付与されるポイントを増やす処理は、クーポン処理に相当する。例えば、クーポン処理実行部109は、決済が実行される場合に、第1識別情報及び第2識別情報の少なくとも一方に関連付けられたクーポン情報を参照する。クーポン情報が利用条件を含む場合には、クーポン処理実行部109は、利用条件が満たされるか否かを判定する。
【0157】
例えば、クーポン処理実行部109は、クーポンが利用期限内であるか否か、クーポンの対象となる店舗、商品、若しくはサービスであるか否か、又は決済金額が閾値以上であるか否かを判定することによって、利用条件が満たされるか否かを判定する。クーポン処理実行部109は、利用条件を満たす全てのクーポンが適用されるように、クーポン処理を実行してもよいし、利用条件を満たす一部のクーポンだけが適用されるように、クーポン処理を実行してもよい。
【0158】
例えば、クーポン処理実行部109は、決済端末40で第1識別情報が読み取られた場合に、連携先サーバ20から、当該第1識別情報と、当該第1識別情報に関連付けられた第2識別情報と、の少なくとも一方を取得する。クーポン処理実行部109は、当該少なくとも一方に関連付けられたクーポン情報に基づいて、上記説明した一連の処理を実行する。クーポン処理実行部109は、連携先サーバ20に対し、利用対象となるクーポン情報を送信する。
【0159】
例えば、連携先サーバ20は、決済サーバ10から受信したクーポン情報に基づいて、クーポンを適用する処理を実行する。例えば、連携先サーバ20は、決済金額を減額する処理を実行する。なお、変形例6では、クーポンが自動的に適用される場合を説明したが、クーポンを自動的に適用するか否かをユーザが指定できるようにしてもよい。更に、自動的に適用するクーポンの条件をユーザが指定できるようにしてもよい。
【0160】
変形例6の決済システム1は、決済端末により第1識別情報が読み取られた場合に、第1識別情報及び第2識別情報の少なくとも一方に関連付けられたクーポンを提示することなく、当該クーポンを利用するためのクーポン処理を実行する。これにより、ユーザがクーポンを提示しなくても、自動的にクーポンが適用されるので、ユーザの利便性が高まる。
【0161】
[5-7.変形例7]
例えば、変形例6のようにクーポンを自動的に適用した場合、ユーザが、クーポンが適用されたことに気付かないことがある。このため、クーポンが適用されたことを示すレシートが出力されてもよい。レシートは、レシート用紙で出力されてもよいが、変形例7では、電子的なレシートである電子レシートが出力されるものとする。このため、電子レシートを表示させることが、レシートを出力することに相当する。電子レシートは、紙のレシートと同じレイアウトであってもよいし、紙のレシートとは異なるレイアウトであってもよい。電子レシートは、第1決済手段及び第2決済手段の少なくとも一方の利用履歴を表示する画面も含む意味である。
【0162】
変形例7の決済システム1は、レシート処理実行部110を含む。レシート処理実行部110は、クーポン処理が実行された場合に、提示せずに利用したクーポンを識別可能なクーポン識別情報を含むレシートを出力するためのレシート処理を実行する。レシート処理は、電子レシートをユーザ端末30に表示させるための処理である。例えば、電子レシートの画面の表示データをユーザ端末30に送信することがレシート処理に相当する。
【0163】
変形例7では、第1決済手段及び第2決済手段の少なくとも一方の利用履歴情報に、自動的に利用されたクーポンのクーポン情報が含まれるものとする。レシート処理実行部110は、ユーザがユーザ端末30から電子レシートを表示させるための操作を行った場合に、対象となる利用履歴情報に基づいて、自動的に利用されたクーポンの内容を特定する。レシート処理実行部110は、当該特定されたクーポンの内容を含む電子レシートの表示データを生成してユーザ端末30に送信する。なお、決済端末40側にある程度の改修を加える場合には、電子レシートではなく、紙レシートに、自動的に利用されたクーポンの情報が印刷されてもよい。
【0164】
変形例7の決済システム1は、クーポン処理が実行された場合に、提示せずに利用したクーポンを識別可能なクーポン識別情報を含むレシートを出力するためのレシート処理を実行する。これにより、クーポンが自動的に適用されたことにユーザが気付きやすくなる。例えば、決済システム1の利便性の高さをユーザに伝えやすくなる。
【0165】
[5-8.変形例8]
例えば、本開示は、実施形態及び変形例1~7で説明した構成のうち、実施形態で説明したチャージ情報に応じた処理を実行する構成を前提としない構成も含む。変形例8では、当該構成を前提としない構成について説明する。例えば、実施形態では、第2決済手段に対応していない決済端末40を説明したが、決済端末40は、第2決済手段に対応していてもよい。ユーザは、第2識別情報ではなく、あえて第1識別情報が記憶された情報記憶媒体を利用して、第2決済手段を利用してもよい。
【0166】
例えば、第1決済手段が、実施形態で説明したICカードCを利用するタイプだったとする。第2決済手段が、二次元コードを表示部35に表示させる必要があるタイプだったとする。この場合、第1決済手段及び第2決済手段の両方に対応している決済端末40は、リーダライタ46によりICカードCを読み取る機能と、カメラ又はコードリーダで二次元コードを読み取る機能と、を有する。
【0167】
上記の例において、ユーザが第2決済手段を利用しようとすると、従来の方法では、スマートフォン等のユーザ端末30を起動し、ユーザ端末30のロックを解除し、第2決済手段のアプリケーションを起動し、二次元コードを表示部35に表示させる必要がある。この点、ICカードCで第2決済手段を利用できるようにすれば、ユーザがこれらの一連の操作をする必要がなくなるので、ユーザの利便性も高まる。
【0168】
なお、第1決済手段及び第2決済手段の両方に対応している決済端末40により第1識別情報が読み取られた場合に、第2決済手段を利用するための第2処理を実行する流れ自体は、実施形態と同様であってよい。第1決済手段及び第2決済手段の両方に対応している決済端末40を利用して決済をする決済システム1も、本開示の範囲に含まれる。
【0169】
[5-9.その他の変形例]
例えば、上記説明した変形例を組み合わせてもよい。
【0170】
例えば、第1決済手段及び第2決済手段は、任意の組み合わせであってよい。例えば、第1決済手段がICカード型の電子マネーであり、第2決済手段がポイントであってもよい。第1決済手段がポイントであり、第2決済手段がオンライン型の電子マネーであってもよい。ユーザが設定をしなくても、第1決済手段と第2決済手段が最初から連携していてもよい。例えば、デフォルトの設定として、第1決済手段と第2決済手段が連携していてもよい。
【0171】
例えば、決済サーバ10で実現されるものとして説明した機能は、複数のコンピュータで分担されてもよい。決済サーバ10で実現されるものとして説明した機能は、連携先サーバ20、ユーザ端末30、及び決済端末40の少なくとも1つにより実現されてもよい。連携先サーバ20で実現されるものとして説明した機能は、決済サーバ10、ユーザ端末30、及び決済端末40の少なくとも1つにより実現されてもよい。上記説明した機能は、決済システム1における少なくとも1つのコンピュータにより実現されるようにすればよい。
【0172】
[6.付記]
例えば、本開示に係る決済システムは、下記のような構成も可能である。
(1)
第1決済手段を識別可能な第1識別情報と、第2決済手段を識別可能な第2識別情報と、を関連付ける関連付け部と、
前記第2決済手段に対応していない決済端末により、前記第1識別情報を記憶するICチップが読み取られた場合に、当該第1識別情報に関連付けられた前記第2識別情報により識別される前記第2決済手段を利用するための第2処理を実行する第2処理実行部と、
を含む決済システム。
(2)
前記決済システムは、前記第1決済手段及び前記第2決済手段のうち、優先的に利用する方に関する優先利用設定を行う優先利用設定部を更に含み、
前記第2処理実行部は、前記優先利用設定が前記第2決済手段を示す場合に、前記第2処理を実行する、
(1)に記載の決済システム。
(3)
前記決済システムは、前記優先利用設定が前記第2決済手段を示し、かつ、前記第2決済手段の残高が足りない場合に、前記第1決済手段を利用するための第1処理を実行する第1処理実行部を更に含む、
(2)に記載の決済システム。
(4)
前記第2処理実行部は、前記優先利用設定が前記第1決済手段を示し、かつ、前記第1決済手段の残高が足りない場合に、前記第2処理を実行する、
(2)又は(3)に記載の決済システム。
(5)
前記決済端末により前記第1識別情報が読み取られた場合に、前記第2決済手段を利用して前記第1決済手段に関するチャージが実行され、当該チャージが実行された後の前記第1決済手段に基づいて決済が実行され、
前記第2処理は、前記第2決済手段の残高から、前記チャージに応じた額を減らす処理である、
(1)~(4)の何れかに記載の決済システム。
(6)
前記チャージは、前記決済端末により前記第1識別情報が読み取られた場合に、前記決済システムと連携する連携先システムにより実行され、
前記決済システムは、前記連携先システムから、前記チャージの実行結果に関する第2実行データを受信する受信部を更に含み、
前記第2処理実行部は、前記第2実行データに基づいて、前記第2処理を実行する、
(5)に記載の決済システム。
(7)
前記ICチップには、前記第2決済手段を利用して前記チャージが実行されたことを示す第1履歴データが記録され、
前記決済システムは、前記チャージが実行された場合に、前記第2決済手段を利用して前記チャージが実行されたことを示す第2履歴データを、前記第1識別情報に関連付けてデータベースに保存する保存部を更に含む、
(5)又は(6)に記載の決済システム。
(8)
前記関連付け部は、複数の前記第1識別情報と、前記第2識別情報と、を関連付け、
前記第2処理実行部は、前記複数の第1識別情報のうちの何れが前記決済端末により読み取られたとしても、前記第2処理を実行可能である、
(1)~(7)の何れかに記載の決済システム。
(9)
前記第1識別情報ごとに、前記第2決済手段を利用するか否かに関する利用要否設定が可能であり、
前記第2処理実行部は、前記第2決済手段を利用することを示す前記利用要否設定が行われた前記第1決済手段の前記第1識別情報が前記決済端末により読み取られた場合に、前記第2処理を実行する、
(8)に記載の決済システム。
(10)
前記決済システムは、前記第1決済手段の残高と、前記第2決済手段の残高と、の合計が不足する場合に、第3決済手段に基づいて、前記第1決済手段及び前記第2決済手段の少なくとも一方に関するオートチャージを実行するオートチャージ実行部を更に含む、
(1)~(9)の何れかに記載の決済システム。
(11)
前記決済システムは、決済が完了した場合に、前記第1決済手段及び前記第2決済手段の少なくとも一方に関するオートチャージを実行するオートチャージ実行部を更に含む、
(1)~(10)の何れかに記載の決済システム。
(12)
前記オートチャージ実行部は、前記第1決済手段の残高が閾値未満の場合に、前記第2決済手段を利用して前記第1決済手段に関するオートチャージを実行する、
(11)に記載の決済システム。
(13)
前記決済システムは、前記決済端末により前記第1識別情報が読み取られた場合に、前記第1識別情報及び前記第2識別情報の少なくとも一方に関連付けられたクーポンを提示することなく、当該クーポンを利用するためのクーポン処理を実行するクーポン処理実行部を更に含む、
(1)~(12)の何れかに記載の決済システム。
(14)
前記決済システムは、前記クーポン処理が実行された場合に、提示せずに利用した前記クーポンを識別可能なクーポン識別情報を含むレシートを出力するためのレシート処理を実行するレシート処理実行部を更に含む、
(13)に記載の決済システム。
(15)
前記第2処理実行部は、前記ICチップを含むICカードが前記決済端末により読み取られた場合に、前記第2処理を実行する、
(1)~(14)の何れかに記載の決済システム。
【符号の説明】
【0173】
1 決済システム、2 連携先システム、N ネットワーク、10 決済サーバ、11,21,31,41 制御部、12,22,32,42 記憶部、13,23,33,43 通信部、20 連携先サーバ、30 ユーザ端末、34,44 操作部、35,45 表示部、40 決済端末、46 リーダライタ、C ICカード、100 データ記憶部、101 関連付け部、102 利用要否設定部、103 優先利用設定部、104 受信部、105 第1処理実行部、106 第2処理実行部、107 保存部、108 オートチャージ実行部、109 クーポン処理実行部、110 レシート処理実行部、200 データ記憶部、201 決済要求受信部、202 決済実行部、300 データ記憶部、301 表示制御部、302 操作受付部、400 データ記憶部、401 取得部、402 決済要求送信部、B10,B12,B14,B15,B16 ボタン、M11,M13 モーダル、SC1 ホーム画面、DB1 第1決済手段データベース、DB2 第2決済手段データベース、DB3 関連付けデータベース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-04-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1決済手段を識別可能な第1識別情報と、オンライン型の第2決済手段を識別可能な第2識別情報と、をサーバのデータベースに関連付ける関連付け部と、
前記第2決済手段に対応していない決済端末により、前記第1識別情報を記憶し、かつ、前記第2識別情報を記憶しないICチップが読み取られた場合に、前記決済端末から当該第1識別情報を含む決済要求を受信する決済要求受信部と、
前記決済要求に含まれる前記第1識別情報に前記データベースで関連付けられた前記第2識別情報により識別される前記第2決済手段の残高を減らす第2処理を実行する第2処理実行部と、
を含む決済システム。
【請求項2】
前記決済システムは、前記第1決済手段及び前記第2決済手段のうち、優先的に利用する方に関する優先利用設定を行う優先利用設定部を更に含み、
前記第2処理実行部は、前記優先利用設定が前記第2決済手段を示す場合に、前記第2処理を実行する、
請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記決済システムは、前記優先利用設定が前記第2決済手段を示し、かつ、前記第2決済手段の残高が足りない場合に、前記第1決済手段の残高を減らす第1処理を実行する第1処理実行部を更に含む、
請求項2に記載の決済システム。
【請求項4】
前記第2処理実行部は、前記優先利用設定が前記第1決済手段を示し、かつ、前記第1決済手段の残高が足りない場合に、前記第2処理を実行する、
請求項2又は3に記載の決済システム。
【請求項5】
前記決済端末により前記第1識別情報が読み取られた場合に、前記第2決済手段を利用して前記第1決済手段に関するチャージが実行され、当該チャージが実行された後の前記第1決済手段に基づいて決済が実行され、
前記第2処理は、前記第2決済手段の残高から、前記チャージに応じた額を減らす処理である、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項6】
前記チャージは、前記決済端末により前記第1識別情報が読み取られた場合に、前記決済システムと連携する連携先システムにより実行され、
前記決済システムは、前記連携先システムから、前記チャージの実行結果に関する第2実行データを受信する受信部を更に含み、
前記第2処理実行部は、前記第2実行データに基づいて、前記第2処理を実行する、
請求項5に記載の決済システム。
【請求項7】
前記ICチップには、前記第2決済手段を利用して前記チャージが実行されたことを示す第1履歴データが記録され、
前記決済システムは、前記チャージが実行された場合に、前記第2決済手段を利用して前記チャージが実行されたことを示す第2履歴データを、前記第1識別情報に関連付けてデータベースに保存する保存部を更に含む、
請求項5に記載の決済システム。
【請求項8】
前記関連付け部は、複数の前記第1決済手段の各々の前記第1識別情報と、前記第2識別情報と、を関連付け、
前記第2処理実行部は、前記複数の第1識別情報のうちの何れが前記決済端末により読み取られたとしても、前記第2処理を実行可能である、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項9】
前記第1識別情報ごとに、前記第2決済手段を利用するか否かに関する利用要否設定が可能であり、
前記第2処理実行部は、前記第2決済手段を利用することを示す前記利用要否設定が行われた前記第1決済手段の前記第1識別情報が前記決済端末により読み取られた場合に、前記第2処理を実行する、
請求項8に記載の決済システム。
【請求項10】
前記決済システムは、前記第1決済手段の残高と、前記第2決済手段の残高と、の合計が不足する場合に、第3決済手段に基づいて、前記第1決済手段及び前記第2決済手段の少なくとも一方に関するオートチャージを実行するオートチャージ実行部を更に含む、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項11】
前記決済システムは、決済が完了した場合に、前記第1決済手段及び前記第2決済手段の少なくとも一方に関するオートチャージを実行するオートチャージ実行部を更に含む、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項12】
前記オートチャージ実行部は、前記第1決済手段の残高が閾値未満の場合に、前記第2決済手段を利用して前記第1決済手段に関するオートチャージを実行する、
請求項11に記載の決済システム。
【請求項13】
前記決済システムは、前記決済端末により前記第1識別情報が読み取られた場合に、前記第1識別情報及び前記第2識別情報の少なくとも一方に関連付けられたクーポンを提示することなく、当該クーポンを利用するためのクーポン処理を実行するクーポン処理実行部を更に含む、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項14】
前記決済システムは、前記クーポン処理が実行された場合に、提示せずに利用した前記クーポンを識別可能なクーポン識別情報を含むレシートを出力するためのレシート処理を実行するレシート処理実行部を更に含む、
請求項13に記載の決済システム。
【請求項15】
前記第2処理実行部は、前記ICチップを含むICカードが前記決済端末により読み取られた場合に、前記第2処理を実行する、
請求項1~3の何れかに記載の決済システム。
【請求項16】
第1決済手段を識別可能な第1識別情報と、オンライン型の第2決済手段を識別可能な第2識別情報と、をサーバのデータベースに関連付ける関連付けステップと、
前記第2決済手段に対応していない決済端末により、前記第1識別情報を記憶し、かつ、前記第2識別情報を記憶しないICチップが読み取られた場合に、前記決済端末から当該第1識別情報を含む決済要求を受信する決済要求受信ステップと、
前記決済要求に含まれる前記第1識別情報に前記データベースで関連付けられた前記第2識別情報により識別される前記第2決済手段の残高を減らす第2処理を実行する第2処理実行ステップと、
を含む処理実行方法。
【請求項17】
第1決済手段を識別可能な第1識別情報と、オンライン型の第2決済手段を識別可能な第2識別情報と、をサーバのデータベースに関連付ける関連付け部、
前記第2決済手段に対応していない決済端末により、前記第1識別情報を記憶し、かつ、前記第2識別情報を記憶しないICチップが読み取られた場合に、前記決済端末から受信された、当該第1識別情報を含む決済要求に含まれる前記第1識別情報に前記データベースで関連付けられた前記第2識別情報により識別される前記第2決済手段の残高を減らす第2処理を実行する第2処理実行部、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。