(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094796
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20240703BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240703BHJP
B41J 2/165 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B41J2/175 151
B41J2/01 301
B41J2/165 401
B41J2/165 303
B41J2/175 119
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211578
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩徳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 昭洋
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056FA10
2C056JB04
2C056JB15
2C056JC27
2C056KC02
2C056KC05
(57)【要約】
【課題】インクまたは洗浄液の補充容器を装着する際または装着された後にインクまたは洗浄液が漏れた場合に、漏れたインクまたは洗浄液の拡散を抑制する。
【解決手段】インクジェットプリンタは、インクが貯留されたインク補充容器C1を着脱可能な装着部100、または、洗浄液が貯留された洗浄液補充容器を着脱可能な装着部を備える。装着部100は、インク補充容器C1が収納される収納部110と、収納部110の内部に設けられるとともにインク補充容器C1が接続される接続部120と、収納部110の内部であって接続部120の下方に配置されたトレイ130と、を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルが形成されたノズル面を有するインクヘッドと、
前記ノズルから吐出されるインクが貯留されたインク補充容器を着脱可能な装着部、または、前記ノズル面を洗浄する洗浄液が貯留された洗浄液補充容器を着脱可能な装着部と、を備え、
前記装着部は、
前記インク補充容器または前記洗浄液補充容器が収納される収納部と
前記収納部の内部に設けられるとともに、前記インク補充容器または前記洗浄液補充容器が接続される接続部と、
前記収納部の内部であって前記接続部の下方に配置されたトレイと、を備えている、
インクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記トレイは、上方に向かって突出し、前記インク補充容器または前記洗浄液補充容器の下面を支持する支持部を備えている、
請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記収納部は、前記インク補充容器または前記洗浄液補充容器が挿入される挿入口を側面に備え、
前記支持部は、前記インク補充容器または前記洗浄液補充容器の挿入方向に延びており、かつ、前記挿入方向に直交する幅方向の長さが前記インク補充容器または前記洗浄液補充容器よりも短く構成されている、
請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記トレイは、上下方向に貫通し前記インクまたは前記洗浄液が滴下される排出口を備え、
前記収納部は、前記トレイが載置される載置面を備え、
前記載置面には、平面視において前記排出口と重なるように配置され上下方向に貫通する貫通孔が形成され、
前記排出口および前記貫通孔の下方に設けられ、前記排出口から滴下される前記インクまたは前記洗浄液を回収可能な回収部をさらに備えている、
請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記排出口は、上下方向に延びる筒状に構成され、前記貫通孔を通って前記収納部よりも下方まで延びている、
請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記トレイは、下方に向かって凹むように構成され前記インクまたは前記洗浄液を収容可能な収容部を備え、
前記収容部は、
最も下方に位置し、前記排出口が設けられた底部と、
前記底部に接続され、前記底部に向かって下降傾斜した傾斜面と、を備えている、
請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記トレイは、側面に設けられ樹脂によって形成された突起を備え、
前記収納部の内側の側面には、前記突起に係合する係合部が形成されている、
請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記インクヘッドを払拭するワイパーと、
前記接続部に接続された第1端部と、前記ワイパーに向かって開口した第2端部と、を有する洗浄液供給路と、をさらに備え、
前記装着部には、前記洗浄液補充容器が装着される、
請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式によって記録媒体に画像を印刷するインクジェットプリンタが従来から知られている。インクジェットプリンタの中には、インクカートリッジ等によってインクを補充する方式のものが存在する。例えば、特許文献1には、インクが貯留されたインクケースを着脱するインクジェットプリンタが開示されている。特許文献1に記載のインクジェットプリンタは、インクケースと一体的に設けられた廃液受体を備えている。特許文献1によれば、パージング等によって垂れたインク廃液を廃液受体により回収することができる、とされている。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、インクヘッドのノズル面を拭うワイパーを備えたインクジェットプリンタが開示されている。特許文献2に記載のインクジェットプリンタは、ワイパーが浸漬される洗浄液が貯留された洗浄槽を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4-19150号公報
【特許文献2】特開2022-40650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここでは、インクまたは洗浄液が貯留された補充容器を装着する際または装着された後にインクまたは洗浄液が漏れた場合に、漏れたインクまたは洗浄液の拡散を抑制できるインクジェットプリンタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示するインクジェットプリンタは、ノズルが形成されたノズル面を有するインクヘッドと、前記ノズルから吐出されるインクが貯留されたインク補充容器を着脱可能な装着部、または、前記ノズル面を洗浄する洗浄液が貯留された洗浄液補充容器を着脱可能な装着部と、を備える。前記装着部は、前記インク補充容器または前記洗浄液補充容器が収納される収納部と、前記収納部の内部に設けられるとともに、前記インク補充容器または前記洗浄液補充容器が接続される接続部と、前記収納部の内部であって前記接続部の下方に配置されたトレイと、を備えている。
【0007】
上記インクジェットプリンタによれば、インク補充容器または洗浄液補充容器を接続部に接続する際または接続した後に接続部から収納部内にインクまたは洗浄液が漏れたとしても、漏れたインクまたは洗浄液は、収納部の内部であって接続部の下方に設けられたトレイに収容される。そのため、漏れたインクまたは洗浄液が装着部の外部に拡散することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】インクカートリッジ装着部の一部破断斜視図である。
【
図4】インクカートリッジ装着部の縦断面図である。
【
図5】インクトレイを上方側から見た斜視図である。
【
図6】インクトレイを下方側から見た斜視図である。
【
図7】複数のインクカートリッジ装着部およびドレン容器を下方側から見た一部破断斜視図である。
【
図8】洗浄液カートリッジ装着部の一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下単に「プリンタ」と称する)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0010】
[プリンタの構成]
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の正面図である。以下の説明では、左、右、上、下とは、プリンタ10の正面にいる作業者から見た左、右、上、下をそれぞれ意味することとする。また、作業者がプリンタ10の正面を向いているときにプリンタ10の後部から作業者に向かう方向を前方、作業者からプリンタ10の後部に向かう方向を後方とする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。
【0011】
プリンタ10は、記録媒体5に印刷を行うものである。記録媒体5は、例えば、記録紙である。ただし、記録媒体5は、記録紙に限定されない。記録媒体5には、普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類以外に、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリエステル等の樹脂材料から形成されたものや、アルミや鉄等から形成された金属板、ガラス板、木材板および段ボール等から形成されたものが含まれる。
【0012】
図1に示すように、プリンタ10は、プラテン15と、キャリッジ20と、キャリッジ20に搭載された複数のインクヘッド25と、キャリッジ移動装置30と、記録媒体5の搬送装置40と、インクヘッド25を払拭するワイピング装置50と、ワイパー洗浄装置60と、を備えている。プリンタ本体11は、プラテン15、キャリッジ20、複数のインクヘッド25、キャリッジ移動装置30、搬送装置40、ワイピング装置50、およびワイパー洗浄装置60を収容している。
【0013】
プラテン15は、記録媒体5を支持する支持台である。プラテン15は、左右方向および前後方向に延びている。キャリッジ20は、プラテン15の上方に設けられている。インクヘッド25は、キャリッジ20に設けられ、下方に向かってインクを吐出する。これにより、インクは、プラテン15上に載置された記録媒体5に吐出される。インクヘッド25から吐出されるインクは、特に限定されない。インクヘッド25から吐出されるインクは、例えば、ソルベント系(溶剤系)顔料インク、水性インク、光硬化性インク(例えば紫外線を受けて硬化する紫外線硬化型顔料インク、いわゆるUVインク)等であってもよい。
【0014】
図2は、キャリッジ20の下面の構成を示す平面図である。
図2に示すように、複数のインクヘッド25は、左右方向に並んでいる。インクヘッド25は、それぞれインクを吐出する複数のノズル26が形成されたノズル面25aを有している。ノズル面25aは、ここでは、インクヘッド25の下面である。各インクヘッド25において、複数のノズル26は、前後方向に並んでノズル列26aを形成している。ノズル26から吐出されるインクは、インクカートリッジC1(
図1参照)から供給される。インクカートリッジC1は、ノズル26から吐出されるインクが貯留されたインク補充容器の一例である。本実施形態では、1つのインクカートリッジC1のインクは、1つのノズル列26aのノズル26から吐出される。インクカートリッジC1内のインクが消費されると、そのインクカートリッジC1は交換される。詳しくは後述するが、プリンタ10には、複数のインクカートリッジC1が装着可能である。
【0015】
キャリッジ移動装置30は、キャリッジ20を左右方向に移動させる。
図1に示すように、キャリッジ移動装置30は、ガイドレール31と、左右のプーリ32と、無端状のベルト33と、スキャンモータ34と、を有している。ガイドレール31は、プラテン15の上方に配置されている。ガイドレール31は、左右方向に延びている。キャリッジ20は、ガイドレール31に沿って左右方向に移動可能に構成されている。キャリッジ20には、ベルト33が固定されている。ベルト33は、左右のプーリ32に巻き掛けられている。スキャンモータ34は、一方のプーリ32に接続されている。スキャンモータ34が駆動して、一方のプーリ32が回転することで、ベルト33が走行する。これにより、キャリッジ20が左右方向に移動する。インクヘッド25は、キャリッジ20とともに左右方向に移動する。
【0016】
搬送装置40は、記録媒体5を前後方向に移動させる。
図1に示すように、搬送装置40は、グリットローラ41と、ピンチローラ42と、を有している。グリットローラ41は、プラテン15に埋設されている。各グリットローラ41の一部は、プラテン15に露出している。搬送装置40は、グリットローラ41を回転させる図示しないフィードモータを備えている。ピンチローラ42は、記録媒体5を上から押さえつけるものである。ピンチローラ42は、グリットローラ41の上方に配置されている。ピンチローラ42は、グリットローラ41と対向する位置に設けられている。ピンチローラ42は、上下方向に移動可能に構成されている。グリットローラ41とピンチローラ42との間に記録媒体5が挟まれた状態で、フィードモータが駆動してグリットローラ41が回転すると、記録媒体5は前後方向に搬送される。
【0017】
ワイピング装置50は、インクヘッド25のノズル面25aを払拭する。
図1に示すように、ワイピング装置50は、インクヘッド25を払拭するワイパー51と、ワイパー移動装置52と、を備えている。ワイパー51は、左右方向および上下方向に伸びる板状の部材である。ワイパー51の上端部は、インクヘッド25のノズル面25aよりも僅かに上方に位置している。ワイパー51は、例えば、ゴムにより形成されている。ワイパー移動装置52は、ワイパー51を前後方向に移動させる。ワイパー移動装置52がワイパー51を前後方向に移動させることにより、インクヘッド25のノズル面25aは、ワイパー51に払拭される。ただし、ワイピング装置50の構成は、上記したものに限定されない。例えば、ワイピング装置50は、キャリッジ20の左右方向の動きを利用してインクヘッド25を左右方向に払拭するように構成されていてもよい。
【0018】
ワイパー洗浄装置60は、ワイパー51を洗浄して、インクヘッド25の払拭によってワイパー51に付着したインクを除去する。本実施形態では、ワイパー洗浄装置60は、ワイパー51に洗浄液を滴下することによって、ワイパー51に付着したインクを除去する。その結果、ワイピング装置50は、ワイパー洗浄装置60によってワイパー51に供給された洗浄液を使ってインクヘッド25のノズル面25aを洗浄する。洗浄液は、インクヘッド25のノズル面25aを洗浄する洗浄液でもある。ただし、洗浄液は、単にワイパー51を洗浄する液であってもよい。
図1に示すように、ワイパー洗浄装置60は、後述する洗浄液カートリッジ装着部150に接続されている。ワイパー洗浄装置60は、洗浄液カートリッジ装着部150に装着された洗浄液カートリッジC2内の洗浄液をワイパー51に滴下する。洗浄液カートリッジC2には、洗浄液が貯留されている。
【0019】
図1に示すように、ワイパー洗浄装置60は、洗浄液カートリッジ装着部150に接続された洗浄液供給路61と、洗浄液供給路61内のインクを送る送液ポンプ62と、を備えている。洗浄液供給路61は、洗浄液カートリッジ装着部150の接続部152(
図8も参照)に接続された入口側端部61aと、ワイパー51に向かって開口した出口側端部61bと、を有している。洗浄液カートリッジ装着部150の接続部152は、洗浄液カートリッジC2が接続される機構である。洗浄液供給路61内には、洗浄液カートリッジC2から供給され、送液ポンプ62によって送られる洗浄液が流れる。洗浄液供給路61は、例えば、チューブである。ただし、洗浄液供給路61はチューブには限定されない。洗浄液供給路61の出口側端部61bは、そこから流出した洗浄液がワイパー51に直接滴下されるように固定されている。ワイパー洗浄装置60は、洗浄液供給路61および送液ポンプ62の他に、例えば、バルブ等を備えていてもよい。
【0020】
ただし、ワイパー洗浄装置60の構成は、上記したものには限定されない。例えば、ワイパー洗浄装置60は、洗浄液カートリッジC2内の洗浄液を洗浄液容器内に供給し、ワイパー51を洗浄液容器内の洗浄液に浸すことにより洗浄するように構成されていてもよい。
【0021】
[インクカートリッジ装着部の構成]
以下では、インクカートリッジC1が装着されるインクカートリッジ装着部100の構成、および、洗浄液カートリッジC2が装着される洗浄液カートリッジ装着部150の構成について説明する。まず、インクカートリッジ装着部100の構成について説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係るプリンタ10は、複数のインクカートリッジ装着部100を備えている。1つのインクカートリッジ装着部100には、1つのインクカートリッジC1が装着される。複数のインクカートリッジ装着部100は、プリンタ本体11の左上部分に配置されている。複数のインクカートリッジ装着部100は、左右方向に並んで設けられている。インクカートリッジC1は、前方からインクカートリッジ装着部100に挿入される。ただし、インクカートリッジ装着部100の位置は上記した位置には限定されない。インクカートリッジC1の挿入方向も特に限定されない。
【0023】
インクカートリッジC1は、インクを貯留したパウチと、パウチを収容するケースと、を備えている。インクカートリッジC1は、略直方体状に構成されている。ただし、インクの補充容器は、このようなインクカートリッジC1には限定されず、例えば、ケースに収容されないパウチや、ボトルであってもよい。
【0024】
図3は、インクカートリッジ装着部100の一部破断斜視図である。
図4は、インクカートリッジ装着部100の縦断面図である。
図3および
図4では、1つのインクカートリッジ装着部100だけを図示している。
図3ではインクカートリッジC1が装着されていない状態のインクカートリッジ装着部100を、
図4ではインクカートリッジC1を装着した状態のインクカートリッジ装着部100を図示している。
図3および
図4に示すように、インクカートリッジ装着部100は、インクカートリッジC1を着脱可能に構成されている。インクカートリッジ装着部100は、インクカートリッジC1が収納される箱状の収納部110と、収納部110の内部に設けられ収納部110に収納されたインクカートリッジC1が接続される接続部120と、を備えている。収納部110の形状は、インクカートリッジC1に対応している。接続部120は、インク供給路S1を介してインクヘッド25に連通している(
図1も参照)。インク供給路S1は、例えば、可撓性のチューブを含んでいる。接続部120は、ここでは、インクカートリッジC1のパウチを貫通し、パウチ内のインクを通す中空のニードル121を備えている。
【0025】
図3に示すように、収納部110は、底面110Dと、左側面110Lと、右側面110Rと、天面110Uと、後面110Rrと、を備えている。左側面110Lおよび右側面110Rは、それぞれ、底面110Dの左端および右端に接続され、上方に向かって延びている。後面110Rrは、底面110Dの後端に接続され、上方に向かって延びている。天面110Uは、左側面110L、右側面110R、および後面110Rrの上端に接続されている。天面110Uは、底面110Dと向かい合っている。収納部110の1側面、ここでは前面は、インクカートリッジC1が挿入される挿入口111を構成している。ただし、収納部110の壁面の構成は、上記したものには限定されない。例えば、収納部110は、例えば天面がない不完全な箱状の形状を有していてもよい。収納部110は、底面110Dを有し、インクカートリッジC1の少なくとも一部が挿入可能であって、接続部120を設けることが可能である限りにおいて特に限定されない。底面110Dは、収納部110の下面の全面にわたって形成されていなくてもよく、収納部110の下面の一部にのみ形成されていてもよい。
【0026】
図3に示すように、収納部110は、内部に収容されたインクカートリッジC1の抜けを防止する第1板バネ115と、インクカートリッジC1を押圧する第2板バネ116と、を備えている。第1板バネ115は、天面110Uに設けられている。第1板バネ115の一部は、天面110Uを貫通している。第1板バネ115は、収納部110の内部空間に突出している。第1板バネ115は、インクカートリッジC1が収納部110から取り外される方向に移動したとき(ここでは前方に移動したとき)に、インクカートリッジC1の一部と接触し、インクカートリッジC1が収納部110から不意に抜けることを抑制する。第2板バネ116は、収納部110の左側面110Lに設けられている。第2板バネ116は、左側面110Lの上側に2つ、下側に2つ設けられている。第2板バネ116の一部は、左側面110Lを貫通している。第2板バネ116は、収納部110の内部空間に突出している。第2板バネ116は、インクカートリッジC1を右方に押圧する。これにより、収納部110において、インクカートリッジC1を左右方向の所定位置に配置することができる。
【0027】
図3に示すように、ニードル121は、収納部110の後面110Rrに設けられている。インクカートリッジC1を挿入口111から収納部110インクカートリッジ装着部100に挿入し、ニードル121がパウチを突き破るまで後方まで押し込むことにより、インクカートリッジC1と接続部120とが接続される。インクカートリッジC1と接続部120とは、収納部110の内部において接続される。
【0028】
図3に示すように、本実施形態に係るインクカートリッジ装着部100は、インクを収容可能なインクトレイ130を備えている。インクトレイ130は、収納部110の内部であって接続部120の下方に配置されている。ここでは、インクトレイ130は、収納部110の底面110Dに載置されている。収納部110の底面110Dは、インクトレイ130が載置される載置面の一例である。インクトレイ130は、インクカートリッジC1と接続部120との接続の際または接続の後で接続部120からインクが漏れた場合に、漏れたインクを受けるものである。
図5は、インクトレイ130を上方側から見た斜視図である。
図6は、インクトレイ130を下方側から見た斜視図である。
図5に示すように、インクトレイ130は、下方に向かって凹み、インクを収容可能な収容部130Aを備えている。収容部130Aは、接続部120の下方に設けられインクを受ける底面130Bと、底面130Bの周囲から上方に伸びる側壁130Sとによって区画されている。インクトレイ130は、ここでは、インクに対する耐性を有する樹脂、例えば、POMによって形成されている。
【0029】
図5に示すように、インクトレイ130は、左右の側面に設けられた複数の係合突起131を備えている。
図3に示すように、収納部110の左側面110Lおよび右側面110Rには、係合突起131が嵌め込まれる係合孔112(左側面110Lに形成された左側の2つの係合孔112Lのみ図示)がそれぞれ形成されている。左側の2つの係合突起131Lは、収納部110の左側面110Lに形成された2つの左側の係合孔112Lに嵌め込まれる。右側の3つの係合突起131Rは、収納部110の右側面110Rに形成された3つの右側の係合孔(図示せず)に嵌め込まれる。インクトレイ130は、その材料である樹脂の弾性により、スナップフィット方式で収納部110に固定される。係合突起131も、インクトレイ130の一部であり、樹脂で形成されている。係合孔112は、収納部110の内側の側面に形成され係合突起131が係合される係合部の一例である。係合部は、ここでは、左側面110Lおよび右側面110Rを左右方向に貫通する係合孔112である。ただし、係合部は、貫通孔には限定されず、例えば、不貫通の凹部であってもよい。
【0030】
図5に示すように、収容部130Aの底面130Bは、収容部130Aのうちで最も下方に位置した最底部132と、側壁130Sから最底部132に向かって下降傾斜した傾斜面133と、を備えている。傾斜面133は、最底部132に接続されている。これにより、接続部120から漏れ、底面130B上に落ちたインクは、最底部132に集まる。最底部132は、ここでは、インクトレイ130の左右方向の中央であって、前後方向の中心線よりもやや後方に設けられている。最底部132には、インクが排出される排出口136が設けられている。最底部132は、排出口136を形成しやすいよう、平坦に構成されている。
【0031】
図5に示すように、傾斜面133は、最底部132の左端部に接続され、最底部132から左方に延びる左側の第1傾斜面134Lと、最底部132の右端部に接続され、最底部132から右方に延びる右側の第1傾斜面134Rと、を含んでいる。左側の第1傾斜面134Lおよび右側の第1傾斜面134Rは、いずれも帯状に延びている。左側の第1傾斜面134Lは、右方に向かって下降傾斜し、右端が最底部132の左端に接続されている。右側の第1傾斜面134Rは、左方に向かって下降傾斜し、左端が最底部132の右端に接続されている。
【0032】
傾斜面133はさらに、第1傾斜面134Lおよび134Rよりも前方に設けられ第1傾斜面134Lおよび134Rに接続された前方側の第2傾斜面135Fと、第1傾斜面134Lおよび134Rよりも後方に設けられ第1傾斜面134Lおよび134Rに接続された後方側の第2傾斜面135Rrと、を備えている。前方側の第2傾斜面135Fは、後方に向かって下降傾斜し、後端が第1傾斜面134Lおよび134Rの前端に接続されている。後方側の第2傾斜面135Rrは、前方に向かって下降傾斜し、前端が第1傾斜面134Lおよび134Rの後端に接続されている。
【0033】
図5に示すように、インクトレイ130は、収納部110に収納されたインクカートリッジC1の下面を支持する支持部137を備えている。支持部137は、第2傾斜面135Fおよび135Rrよりも上方に突出している。支持部137は、インクトレイ130の左右方向の中央部に形成され、前後方向に延びている。支持部137により、前方側の第2傾斜面135Fおよび後方側の第2傾斜面135Rrは、それぞれ左右に分断されている。一方、支持部137は、最底部132上では切れており、前後に分割されている。
【0034】
本実施形態では、支持部137は、インクカートリッジC1が挿入口111から収納部110に挿入される際にインクカートリッジC1の下面を支持するガイドとしても機能する。支持部137は、挿入口111から収納部110に挿入される際のインクカートリッジC1の挿入方向である前後方向に延びている。そのため、支持部137は、インクカートリッジC1の底部を挿入方向に沿って支持可能である。支持部137の幅(すなわち、インクカートリッジC1の挿入方向に直交する方向の長さ、ここでは左右方向の幅)は、インクカートリッジC1の幅よりも短く構成されている。詳しくは、支持部137は、2頂点が底面130Bに接し、他の1頂点が底面130Bよりも上方に位置するような略三角形の断面を有している。上方の1頂点は、前後方向に伸びる尾根状の支持ライン137aを形成している。インクトレイ130は、支持ライン137aによってインクカートリッジC1の下面を支持する。支持部137は、接続部120に対するインクカートリッジC1の高さを決めるものであって、インクカートリッジC1に線(支持ライン137a)で接することにより、接続部120に対するインクカートリッジC1の高さを正確に決定することができる。インクカートリッジC1は、第1板バネ115により上方から、第2板バネ116により側方から押圧され、左右方向および上下方向に安定した状態で保持されている。この場合、支持部137が、ある程度以上の幅を有していると、インクカートリッジC1と接触する箇所が一定せず、インクカートリッジC1と接触する箇所の高さにばらつきが発生する。本実施形態では、支持部137は、インクカートリッジC1に線(支持ライン137a)で接するように構成されている。そのため、インクカートリッジC1と接触する箇所の高さにばらつきが発生せず、インクカートリッジC1を正確に位置決めすることができる。また、支持部137が、ある程度以上の幅を有する場合に比べて、インクカートリッジC1を収納部110に挿入する際の摩擦抵抗を軽減できる。そのため、インクカートリッジC1の挿入作業を容易に行うことができる。接続部120に対するインクカートリッジC1の高さを決めるため、支持部137は、接続部120の下方には少なくとも形成されることが好ましい。
【0035】
排出口136は、インクトレイ130の最底部132に設けられている。排出口136は、インクが滴下される開口部である。排出口136は、インクトレイ130を上下方向に貫通している。
図6に示すように、本実施形態では、排出口136は、上下方向に延びる筒状に形成されている。ただし、排出口136は、例えば、上下方向に貫通する単純な貫通孔であってもよい。
図5に示すように、排出口136の上端部136Uは、最底部132に開口している。
図6に示すように、排出口136の下端部136Dは、底面130Bよりも下方に位置している。排出口136の下端部136Dは、インクの切れがよくなるように斜めにカットされている。
【0036】
図4に示すように、収納部110の底面110Dには、排出口136を通す貫通孔113が形成されている。貫通孔113は、平面視において排出口136と重なるように配置され、上下方向に貫通している。ここでは、貫通孔113は、側方視において排出口136と重なるような上下位置に配置されている。排出口136は、貫通孔113に挿入されている。
図4に示すように、排出口136は、貫通孔113を通って収納部110よりも下方まで延びている。ただし、貫通孔113は、排出口136よりも下方に配置されていてもよい。
【0037】
インクトレイ130の下面には、インクトレイ130を収納部110に対して位置決めする複数の位置決め突起138が設けられている。位置決め突起138は、インクトレイ130の下面から下方に向かって延びている。
図4に示すように、収納部110の底面110Dには、複数の位置決め突起138がそれぞれ挿入される複数の位置決め孔114が設けられている。複数の位置決め孔114は、ここでは、収納部110の底面110Dを上下方向に貫通している。ただし、位置決め突起138が挿入されるのは、不貫通の凹部であってもよい。
【0038】
図7は、複数のインクカートリッジ装着部100を下方側から見た一部破断斜視図である。
図7に示すように、左右方向に並んだ複数のインクカートリッジ装着部100の下方には、ドレン容器140が設けられている。ドレン容器140は、複数のインクカートリッジ装着部100の排出口136から落ちるインクを受けるものである。ドレン容器140は、インクトレイ130の排出口136および収納部110の貫通孔113の下方に設けられており、排出口136から滴下されるインクを貯留可能である。ドレン容器140は、平面視において、その内方に全ての排出口136が位置するように設けられている。ドレン容器140は、1つのインクカートリッジC1に貯留されたインクの全量を収容可能なように構成されている。これにより、何らかの理由により1つのインクカートリッジC1に貯留されたインクの大半がこぼれた場合でも、こぼれたインクを全てドレン容器140に収容することができる。
【0039】
[洗浄液カートリッジ装着部の構成]
次に、洗浄液カートリッジ装着部150の構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態では、洗浄液カートリッジ装着部150は、プリンタ本体11の右側部分に配置されている。洗浄液カートリッジC2は、右方から洗浄液カートリッジ装着部150に挿入される。ただし、洗浄液カートリッジ装着部150の位置も上記した位置には限定されない。洗浄液カートリッジC2の挿入方向も特に限定されない。
【0040】
図8は、洗浄液カートリッジ装着部150の一部破断斜視図である。
図8に示すように、洗浄液カートリッジ装着部150は、洗浄液カートリッジC2(
図1参照)が収納される収納部151と、収納部151の内部に設けられるとともに洗浄液カートリッジC2が接続される接続部152と、収納部151の内部であって接続部152の下方に配置された洗浄液トレイ153と、を備えている。洗浄液トレイ153は、洗浄液を収容可能に構成されている。洗浄液トレイ153は、接続部152から漏れた洗浄液を受けることができるように、接続部152の下方に配置されている。接続部152には、ワイパー洗浄装置60の洗浄液供給路61、詳しくは、洗浄液供給路61の入口側端部61aが接続されている。洗浄液カートリッジ装着部150の構成は、ここでは、インクカートリッジ装着部100の構成と同じである。ただし、洗浄液カートリッジ装着部150の構成は、インクカートリッジ装着部100の構成と異なっていてもよい。
【0041】
図8に示すように、洗浄液カートリッジ装着部150の排出口153aには、洗浄液排出路D2の一端が接続されている。洗浄液排出路D2の他端は、廃液を貯留可能な廃液容器160(
図1参照)に接続されている。洗浄液排出路D2は、例えば、可撓性のチューブを含んでいる。洗浄液カートリッジ装着部150の収納部151内で洗浄液が漏れた場合、漏れた洗浄液は、ドレン容器でいったん受けられることなく、廃液容器160に移動される。ただし、洗浄液カートリッジ装着部150の排出口153aは、インクカートリッジ装着部100の排出口136と同様に、下方のドレン容器に洗浄液を落下させるように構成されていてもよい。その場合、洗浄液カートリッジ装着部150の排出口153aは、インクカートリッジ装着部100の排出口136と同じ構成を有していてもよい。
【0042】
[実施形態の作用効果]
以下では、本実施形態に係るプリンタ10が奏することのできる作用効果について説明する。本実施形態に係るプリンタ10は、インクヘッド25と、インクが貯留されたインクカートリッジC1が着脱可能なインクカートリッジ装着部100と、を備えている。インクカートリッジ装着部100は、インクカートリッジC1が収納される収納部110と、収納部110の内部に設けられるとともにインクカートリッジC1が接続される接続部120と、インクを収容可能に構成され収納部110の内部であって接続部120の下方に配置されたインクトレイ130と、を備えている。
【0043】
かかるプリンタ10によれば、接続部120にインクカートリッジC1を接続する際または接続した後に接続部120から収納部110内にインクが漏れたとしても、漏れたインクは収納部110の内部であって接続部120の下方に設けられたインクトレイ130に収容される。そのため、漏れたインクが収納部110の外部に拡散することを抑制できる。
【0044】
また、かかるプリンタ10によれば、例えば特許文献1に記載されているようなインクジェットプリンタと比べて、インクカートリッジのコストを低減することができる。インクカートリッジとの接続部からインクが漏れることはあり得るものの稀であり、そのために消耗品であるインクカートリッジの全てにインク吸収体を設けることは、効率的とは言えない。本実施形態に係るプリンタ10によれば、インクを収容するインクトレイ130はインクカートリッジ装着部100に設けられている。そのため、インクカートリッジC1にインク吸収体を設ける必要がなく、インクに係るランニングコストを低減することができる。
【0045】
本実施形態では、インクトレイ130は、上方に向かって突出し、収納部110に収納されたインクカートリッジC1の下面を支持する支持部137を備えている。かかる構成によれば、漏れたインクを収容するインクトレイ130が、収納部110内でインクカートリッジC1を支持する役割も果たす。インクカートリッジC1を支持する部品を追加することなく、インクトレイ130により、インクカートリッジC1を収容部110内に確実に保持することができる。
【0046】
本実施形態では、収納部110は、インクカートリッジC1が挿入される挿入口111を側面に備えている。支持部137は、インクカートリッジC1の挿入方向に延びており、かつ、挿入方向に直交する幅方向の長さがインクカートリッジC1よりも短く構成されている。かかる構成によれば、支持部137がインクカートリッジC1の挿入方向に延びているため、挿入口111から収納部110にインクカートリッジC1を挿入する際、インクカートリッジC1の底部が挿入方向に沿って支持部137により支持される。そのため、支持部137により、インクカートリッジC1の収納部110への挿入をガイド可能である。また、かかる構成によれば、支持部137の幅は、インクカートリッジC1の幅よりも狭い。そのため、インクカートリッジC1を収納部110に挿入する際の摩擦抵抗が軽減される。
【0047】
本実施形態では、インクトレイ130は、上下方向に貫通しインクが滴下される排出口136を備えている。収納部110は、インクトレイ130が載置される載置面としての底面110Dを備え、底面110Dには、平面視において排出口136と重なるように配置され上下方向に貫通する貫通孔113が形成されている。プリンタ10は、排出口136および貫通孔113の下方に設けられ、排出口136から滴下されるインクを回収可能なドレン容器140をさらに備えている。かかる構成によれば、インクトレイ130に落ちたインクは、貫通孔113に挿通された排出口136を通ってドレン容器140に移動する。そのため、インクトレイ130内には一時的にしかインクは溜まらない。よって、インクトレイ130の外にインクが溢れることも少ない。
【0048】
本実施形態では、排出口136は、上下方向に延びる筒状に構成され、貫通孔113を通って収納部110よりも下方まで延びている。かかる構成によれば、インクトレイ130から排出されるインクが貫通孔113の周辺に飛び散ることがなく、飛び散ったインクによりインクトレイ130の下面が汚れるのを防止できる。
【0049】
本実施形態では、インクトレイ130は、下方に向かって凹むように構成されインクを収容可能な収容部130Aを備えている。収容部130Aは、その最も下方に位置し排出口136が設けられた最底部132と、最底部132に接続され最底部132に向かって下降傾斜した傾斜面133と、を備えている。かかる構成によれば、インクトレイの収容部130A上に落ちたインクは、傾斜面133から流れ落ちて最底部132に集まり、最底部132に設けられた排出口136からドレン容器140に排出される。そのため、インクの排出が早く、また、排出されずにインクトレイ130内に残るインクも少ない。
【0050】
本実施形態では、後方側の第2傾斜面135Rrの左側半分と前方側の第2傾斜面135Fの左側半分とに落ちたインクは、左側の第1傾斜面134Lを経由して最底部132に流れ込む。後方側の第2傾斜面135Rrの右側半分と前方側の第2傾斜面135Fの右側半分とに落ちたインクは、右側の第1傾斜面134Rを経由して最底部132に流れ込む。
【0051】
本実施形態では、インクトレイ130は、側面に設けられ樹脂によって形成された係合突起131を備えている。また、収納部110の内側の側面には、係合突起131に係合する係合部としての係合孔112が形成されている。かかる構成によれば、係合突起131を係合孔112に係合することにより、インクトレイ130を収納部110に固定することができる。係合突起131は樹脂によって形成されているため、樹脂の弾性力により、係合孔112にしっかりと固定される。樹脂の部品は、例えば、ねじ止めで固定すると潰れやすく、場合によっては再度の固定ができなくなる。係合突起131と係合孔112との嵌め合わせによる固定方法によれば、このようなインクトレイ130の破損を抑制することもできる。さらに、インクトレイ130は樹脂製であるため、成形時の内部応力で反っていることが多いが、係合突起131と係合孔112との嵌め合わせによる固定によって、反りを矯正することもできる。
【0052】
本実施形態に係るプリンタ10は、洗浄液カートリッジC2を着脱可能な洗浄液カートリッジ装着部150と、インクヘッド25を払拭するワイパー51と、洗浄液カートリッジ装着部150の接続部152に接続された洗浄液供給路61と、を備えている。洗浄液供給路61は、接続部152に接続された入口側端部61aと、ワイパー51に向かって開口した出口側端部61bと、を有している。洗浄液カートリッジ装着部150は、洗浄液カートリッジC2が収納される収納部151と、収納部151の内部に設けられるとともに洗浄液カートリッジC2が接続される接続部152と、収納部151の内部であって接続部152の下方に配置された洗浄液トレイ153と、を備えている。かかるプリンタ10によれば、インクカートリッジ装着部100の場合のインクと同様に、漏れた洗浄液が収納部151の外部に拡散することを抑制できる。
【0053】
本実施形態に係る洗浄液カートリッジ装着部150は、インクカートリッジ装着部100とほぼ共通した構成を備えている。そのため、インクに関してインクカートリッジ装着部100が奏することができるのと共通の作用効果を洗浄液に関して奏することができる。洗浄液カートリッジ装着部150は、対象の液体(インクか洗浄液か)を除いてインクカートリッジ装着部100と同じ構成を備えていてもよく、その場合、インクに関してインクカートリッジ装着部100が奏するのと同じ作用効果を洗浄液に関して奏することができる。
【0054】
[他の実施形態]
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【0055】
例えば上記した実施形態では、プリンタ10は記録媒体5がプラテン15上で搬送されるタイプのプリンタであったが、プリンタのタイプは限定されない。プリンタは、記録媒体5を載置して移動するフラットベッドを備えた、いわゆるフラットベッドタイプのプリンタであってもよい。
【0056】
上記した実施形態では、インクカートリッジC1および洗浄液カートリッジC2は略直方体に形成されていたが、他の形状でもよい。例えば、インクカートリッジC1および洗浄液カートリッジC2は円筒状であってもよい。
【0057】
その他、特に限定されない限りにおいて、実施形態は本発明を限定しない。例えば、ここに開示する液体トレイは、インクカートリッジ装着部または洗浄液カートリッジ装着部だけに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10 インクジェットプリンタ
25 インクヘッド
25a ノズル面
26 ノズル
51 ワイパー
60 ワイパー洗浄装置
61 洗浄液供給路
100 インクカートリッジ装着部(装着部)
110 収納部
111 挿入口
112 係合孔(係合部)
120 接続部
130 インクトレイ(トレイ)
130A 収容部
131 係合突起(突起)
132 最底部(底部)
133 傾斜面
136 排出口
137 支持部
140 ドレン容器(回収部)
150 洗浄液カートリッジ装着部(装着部)
151 収納部
152 接続部
153 洗浄液トレイ(トレイ)
153a 排出口
C1 インクカートリッジ(インク補充容器)
C2 洗浄液カートリッジ(洗浄液補充容器)