(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094839
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】電子媒体に基づく特典付与システム、特典付与プログラム及び特典付与方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240703BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240703BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20240703BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/79
A63F13/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211674
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 郁雄
(72)【発明者】
【氏名】小林 繁議
(57)【要約】
【課題】ユーザが所有する電子媒体の状況に応じてユーザに特典を付与する新たな仕組みを利用した特典付与システムを提供する。
【解決手段】電子媒体毎にポイントが割り当てられており、ユーザが所有する電子媒体について当該電子媒体に割り当てられたポイントを当該電子媒体の所定の属性毎に加算した累計値に応じてユーザに特典を付与する特典付与システムとする。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子媒体毎にポイントが割り当てられており、ユーザが所有する電子媒体について当該電子媒体に割り当てられたポイントを当該電子媒体の所定の属性毎に加算した累計値に応じて前記ユーザに特典を付与することを特徴とする特典付与システム。
【請求項2】
請求項1に記載の特典付与システムであって、
前記属性は、電子媒体のモチーフを示す属性であることを特徴とする特典付与システム。
【請求項3】
請求項2に記載の特典付与システムであって、
前記モチーフは、現実の人物、仮想のキャラクタ及びこれらが属するグループの少なくとも1つであることを特徴とする特典付与システム。
【請求項4】
請求項1に記載の特典付与システムであって、
前記属性毎に、ポイントに応じて与えられる特典が異なることを特徴とする特典付与システム。
【請求項5】
請求項1に記載の特典付与システムであって、
前記電子媒体に割り当てられたポイントは、当該電子媒体が有償である場合に無償である場合に比べて高いことを特徴とする特典付与システム。
【請求項6】
請求項1に記載の特典付与システムであって、
前記特典は、前記ユーザに対する投票権であることを特徴とする特典付与システム。
【請求項7】
請求項1に記載の特典付与システムであって、
前記電子媒体は、NFTであることを特徴とする特典付与システム。
【請求項8】
電子媒体毎にポイントを関連付けた電子媒体データベースにアクセス可能なコンピュータを、
ユーザが所有する電子媒体について当該電子媒体に割り当てられたポイントを当該電子媒体の所定の属性毎に加算した累計値に応じて前記ユーザに特典を付与するように機能させることを特徴とする特典付与プログラム。
【請求項9】
電子媒体毎にポイントを関連付けた電子媒体データベースにアクセス可能なコンピュータを、
ユーザが所有する電子媒体について当該電子媒体に割り当てられたポイントを当該電子媒体の所定の属性毎に加算した累計値に応じて前記ユーザに特典を付与するように機能させることを特徴とする特典付与方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子媒体に基づく特典付与システム、特典付与プログラム及び特典付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのゲーム媒体の保有状況に応じて特典を付与する技術が開示されている。例えば、ユーザに付与された付与要素が重複して所定数以上付与された場合、所定数を超えて付与された付与要素の数に応じて特典を付与する技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが所有する電子媒体の状況に応じてユーザに特典を付与する新たな仕組みを利用した特典付与システム、特典付与プログラム及び特典付与方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様は、電子媒体毎にポイントが割り当てられており、ユーザが所有する電子媒体について当該電子媒体に割り当てられたポイントを当該電子媒体の所定の属性毎に加算した累計値に応じて前記ユーザに特典を付与することを特徴とする特典付与システムである。
【0006】
本発明の別の態様は、電子媒体毎にポイントを関連付けた電子媒体データベースにアクセス可能なコンピュータを、ユーザが所有する電子媒体について当該電子媒体に割り当てられたポイントを当該電子媒体の所定の属性毎に加算した累計値に応じて前記ユーザに特典を付与するように機能させることを特徴とする特典付与プログラムである。
【0007】
本発明の別の態様は、電子媒体毎にポイントを関連付けた電子媒体データベースにアクセス可能なコンピュータを、ユーザが所有する電子媒体について当該電子媒体に割り当てられたポイントを当該電子媒体の所定の属性毎に加算した累計値に応じて前記ユーザに特典を付与するように機能させることを特徴とする特典付与方法である。
【0008】
ここで、前記属性は、電子媒体のモチーフを示す属性であることが好適である。
【0009】
また、前記モチーフは、現実の人物、仮想のキャラクタ及びこれらが属するグループの少なくとも1つであることが好適である。
【0010】
また、前記属性毎に、ポイントに応じて与えられる特典が異なることが好適である。
【0011】
また、前記電子媒体に割り当てられたポイントは、当該電子媒体が有償である場合に無償である場合に比べて高いことが好適である。
【0012】
また、前記特典は、前記ユーザに対する投票権であることが好適である。
【0013】
また、前記電子媒体は、NFTであることが好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザが所有する電子媒体の状況に応じてユーザに特典を付与する新たな仕組みを利用した特典付与システム、特典付与プログラム及び特典付与方法を提供することができる。本発明の実施の形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態における特典付与システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態におけるサーバの構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態におけるクライアントの構成を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態における電子ゲームの処理を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施の形態における電子媒体データベースの例を示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態における電子媒体選択画面の例を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態における電子媒体選択画面の例を示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態におけるユーザデータベースの例を示す図である。
【
図9】本発明の実施の形態における特典付与の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[システム構成]
本発明の実施の形態における特典付与システム100は、
図1に示すように、サーバ102及びクライアント104を含んで構成される。クライアント104は、単数であってもよいし、複数であってもよい。サーバ102及びクライアント104は、インターネット等の情報通信網106を介して相互に情報交換可能に接続される。
【0017】
なお、情報通信網106は、インターネットに限定されるものではなく、サーバ102及びクライアント104の間を通信可能に相互に接続できるものであればよい。例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(LocalAreaNetwork)、無線LAN等であってもよく、又はインターネットとこれらを組み合わせてもよい。
【0018】
サーバ102は、
図2に示すように、処理部10、記憶部12、入力部14、出力部16及び通信部18を含んで構成される。処理部10は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部10は、記憶部12に記憶されている特典付与サーバプログラムを実行することによって、本実施の形態における特典付与システム100においてクライアント104に対して特典を付与するための機能を実現する。また、記憶部12に記憶されている電子ゲームサーバプログラムを実行することによって、本実施の形態における電子ゲームに関するサービスを提供するための機能を実現する。記憶部12は、半導体メモリやメモリカード等の記憶手段を含む。記憶部12は、処理部10とアクセス可能に接続され、特典付与サーバプログラム、電子ゲームサーバプログラム、その処理に必要な情報を記憶する。入力部14は、情報を入力する手段を含む。入力部14は、例えば、管理者からの入力を受けるキーボード、タッチパネル、ボタン等を備える。出力部16は、管理者から入力情報を受け付けるためのユーザインターフェース画面(UI)等のサーバ102での処理結果を出力する手段を含む。出力部16は、例えば、管理者に対して画像を呈示するディスプレイを備える。通信部18は、情報通信網106を介して、クライアント104との情報の通信を行うインターフェースを含んで構成される。通信部18による通信は有線及び無線を問わない。
【0019】
サーバ102は、特典付与のサービスや電子ゲームのサービスを受ける各ユーザのクライアント104からの情報通信網106を介したアクセスを受け付けて、各ユーザに関する情報をデータベース等の記憶装置に蓄積して管理し、各ユーザに情報通信網106を介したサービスを提供する。
【0020】
クライアント104は、
図3に示すように、処理部20、記憶部22、入力部24、出力部26及び通信部28を含んで構成される。クライアント104は、通信端末とも称される。処理部20は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部20は、記憶部22に記憶されている特典付与クライアントプログラムを実行することによって、本実施の形態における特典付与システム100におけるクライアント端末としての機能を実現する。また、処理部20は、記憶部22に記憶されている電子ゲームクライアントプログラムを実行することによって、本実施の形態における電子ゲームに関する機能を実現する。記憶部22は、半導体メモリやメモリカード等の記憶手段を含む。記憶部22は、処理部20とアクセス可能に接続され、特典付与クライアントプログラム、電子ゲームクライアントプログラム、その処理に必要な情報を記憶する。入力部24は、情報を入力する手段を含む。入力部24は、例えば、ユーザからの入力を受けるキーボード、タッチパネル、ボタン、モーションセンサー等を備える。出力部26は、ユーザから入力情報を受け付けるための画面やユーザインターフェース画面(UI)等の画像情報を表示するディスプレイ等、クライアント104での処理に必要な情報を出力する手段を含む。通信部28は、情報通信網106を介して、サーバ102との情報の通信を行うインターフェースを含んで構成される。通信部28による通信は有線及び無線を問わない。
【0021】
クライアント104は、特典付与のサービスや電子ゲームのサービスを提供するためのクライアントプログラムを実行可能な情報処理装置であれば様々なものを適用できる。例えば、クライアント104としては、据置型または携帯型のゲーム専用機、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(PersonalHandy-phoneSystem)端末、携帯情報端末(PDA:PersonalDigitalAssistant)、情報処理機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)等が適用できる。
【0022】
[サービスの概要]
本実施の形態では、ユーザが所有する電子媒体を利用して電子ゲームをプレイし、また、電子媒体に応じてユーザに特典を付与するサービスが提供される。
【0023】
本実施の形態では、電子ゲームにおいて使用されるゲーム媒体を電子媒体の例として説明する。電子媒体は、例えば、現実又は仮想のスポーツチームに所属する選手をモチーフとしたプレイングカード(以下、単にカードという)とすることができる。例えば、当該選手の肖像、当該選手のプレイ中の様子を示す写真、当該選手のサイン等を図柄にしたカードとすることができる。
【0024】
カードは、電子ゲームに使用することができる。電子ゲームの種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態ではスポーツにおいて活躍する選手を予想する電子ゲームに使用される例を説明する。
【0025】
なお、カードの獲得方法は、特に限定されるものではないが、ユーザに対してプレゼントとして無償で獲得できるようにしてもよいし、ユーザが金銭等の何らかの対価を支払うことによって有償で獲得できるようにしてもよい。
【0026】
例えば、オンラインショップにてカードを購入できるようにしてもよい。また、例えば、無償又は有償のランダムの抽選によってカードを付与するようにしてもよい。また、例えば、ファンクラブへの入会の特典としてカードを付与するようにしてもよい。また、例えば、所定のSNSのイベントに参加することによってカードを付与するようにしてもよい。ただし、カードの取得方法は、これらの方法に限定されるものではなく、どのような取得方法であってもよい。
【0027】
図4は、電子ゲームにおける処理を示すフローチャートである。以下、
図4のフローチャートを参照して、本実施の形態における電子ゲームの処理について説明する。
【0028】
ステップS10では、ユーザ(プレイヤ)によるログイン処理が行われる。当該ステップの処理によって、特典付与システム100はログイン処理手段として機能する。ユーザは、クライアント104の入力部24を用いて、電子ゲームへのログインに必要な情報、例えばユーザID及びパスワード等、を入力し、通信部28を介してサーバ102へ当該情報を送信する。サーバ102は、情報通信網106及び通信部18を介して、クライアント104からログインのための情報を受信する。サーバ102は、受信した情報が電子ゲームのシステムへのログインの条件を満たしていればユーザに対するログインを許可し、条件を満たしていなければユーザに対するログインを許可しない。
【0029】
ステップS12では、試合において活躍すると予想する選手のカードを選択する処理が行われる。当該ステップの処理によって、特典付与システム100は電子媒体選択手段として機能する。サーバ102は、ログインが許可されたユーザが使用するクライアント104に対して当該ユーザが所有するカードの情報を送信する。サーバ102は、記憶部12に記憶されている電子媒体データベースを参照して、ログインが許可されたユーザに関連付けられているカードの情報を読み出す。そして、サーバ102は、通信部18を介して、読み出したカードの情報をクライアント104へ送信する。
【0030】
カードに関する情報は、
図5に示すように、電子媒体データベースとしてサーバ102の記憶部12に記憶される。電子媒体データベースには、カードID、ユーザID、カードの属性、ファンポイント、取得時期、カード画像データ等の情報が関連付けて記憶される。カードIDは、電子媒体であるカードを識別するためにカード毎に特有に割り当てられたIDである。ユーザIDは、カードを所有するユーザを識別するためにユーザ毎に特有に割り当てられたIDである。カードの属性は、カードの特性を示す情報である。本実施の形態では、カードのモチーフとなった選手名、当該選手が所属しているスポーツチーム名、カードの価格(有償又は無償の情報)がカードの属性として登録されている。ファンポイントは、後述する特典付与処理において仕様されるポイントを示す情報である。本実施の形態では、ファンポイントは、時間によって変化しない通常ファンポイントと、時間と共に変化するボーナスファンポイントと、の2種類のファンポイントが登録されている。カード画像データは、カードの図柄を構成する画像データである。取得時期は、ユーザがカードを取得した時期を示す情報である。カード画像データは、カードのモチーフに関する画像を含む画像データであることが好適である。例えば、カードのモチーフとなった選手の肖像、スポーツをプレイしているときの写真、選手のサイン等の図柄を含む画像データとしてもよい。
【0031】
クライアント104は、情報通信網106及び通信部28を介して、サーバ102から送信されたカードの情報を受信する。そして、クライアント104は、出力部26を用いて、受信したカードの情報をユーザに提示する。カード情報は、例えば
図6に示すように、電子媒体選択画面200の所有媒体表示領域202にユーザが所有するカードを示す情報を表示させる。このとき、カード画像データに基づく画像と共に表示させることが好適である。
図6の例では、ユーザAが所有するカードの情報として、カードIDが「カード1」であり「選手a」を属性とするカード、カードIDが「カード3」であり「選手a」を属性とするカード、カードIDが「カード4」であり「選手b」を属性とするカード・・・が表示されている。なお、ユーザが所有するカードが多数である場合、所有媒体表示領域202のスクロールボタン202aを操作することによって、所有媒体表示領域202をスクロールさせて他のカードを表示させるようにしてもよい。
【0032】
ユーザは、所有媒体表示領域202に表示されたカードから所定数のカードを選択する。本実施の形態では、実際のスポーツの試合で活躍する選手を予想する電子ゲームであるので、所有媒体表示領域202に表示されたカードからスポーツで活躍しそうな選手の属性を有するカードを選択する。ユーザは、クライアント104の入力部24を用いて、所有媒体表示領域202に表示されている自身が所有するカードから活躍しそうな選手の属性を有するカードをデッキ選択領域204に移動させることでカードを選択する。
【0033】
図7は、2枚のカードが選択された電子媒体選択画面200の例を示す。本実施の形態では、第1クオータ(1Q)、第2クオータ(2Q)、第3クオータ(3Q)、第4クオータ(4Q)の各々において活躍しそうな選手を属性に有するカードを選択できる構成としている。
図7では、所有媒体表示領域202に表示されていたカードのうち、第1クオータ(1Q)に対してカードIDが「カード1」であり「選手a」を属性とするカードが選択され、第2クオータ(2Q)に対してカードIDが「カード4」であり「選手b」を属性とするカードが選択された例を示している。同様に、第3クオータ(3Q)及び第4クオータ(4Q)に対してもカードを選択することができる。カードの選択を終了する場合、ユーザは、決定ボタン206を操作することによってカードの処理を終了させることができる。
【0034】
選択されたカードの情報は、通信部28を介してサーバ102へ送信される。サーバ102は、情報通信網106及び通信部18を介して、クライアント104から選択されたカードの情報を受信する。選択されたカードの情報は、サーバ102の記憶部12に記憶される。
【0035】
ステップS14では、試合において活躍した選手を決定する処理が行われる。当該ステップの処理によって、特典付与システム100は的中媒体決定手段として機能する。サーバ102の管理者等は、実際のスポーツにおいて活躍した選手、例えば試合においてMVPを獲得した選手や試合で得点を獲得した選手、を入力する。
【0036】
具体的には、サーバ102の入力部14を用いて選手名を入力する。例えば、試合において選手aがMVPを獲得した場合、サーバ102の入力部14を用いて「選手a」が入力される。あるいは、対象となる試合のスタッツ(スポーツ等の試合におけるチームや個人選手の成績を記録した統計情報)を取得し、所定条件を満たした選手を入力してもよい。活躍した選手の決定は、試合毎に限定されるものでなく、クオータ毎に行ってもよい。
【0037】
ステップS16では、活躍した選手が的中したか否かを判定する処理が行われる。当該ステップの処理によって、特典付与システム100は的中判定手段として機能する。サーバ102は、ステップS12において選択されたカードについて、選手名の属性がステップS14において決定された選手の選手名と一致するカードが存在するか否かが判定される。選手名の属性がステップS14において決定された選手の選手名と一致するカードが存在する場合にはステップS18に処理を移行させ、一致するカードが存在しない場合には処理を終了する。
【0038】
例えば、
図7に示したようにカードIDが「カード1」であり「選手a」を属性とするカードが選択されており、選手aがMVPを獲得した場合、ステップS14において決定された選手名と一致するカードが存在するのでステップS18に処理が移行される。
【0039】
ステップS18では、的中ポイントを付与する処理が行われる。当該ステップの処理によって、特典付与システム100は的中ポイント付与手段として機能する。サーバ102
は、活躍した選手に該当する属性を有するカードを選択したユーザに対して的中ポイントを付与する。
【0040】
的中ポイントは、付与されたユーザに関連付けてユーザデータベースとしてサーバ102の記憶部12に記憶される。
図8は、ユーザデータベースの例を示す。
図8の例では、ユーザIDが「ユーザA」であるユーザが獲得している的中ポイントは300であり、ユーザIDが「ユーザB」であるユーザが獲得している的中ポイントは50である。
【0041】
的中ポイントの使用方法は、特に限定されるものでなく、獲得したユーザに特典を与えるために使用できるようにしてもよい。的中ポイントに応じた特典の内容は、特に限定されるものではなく、例えば、電子ゲームにおいて有利な効果を与えるような特典としてもよい。また、的中ポイントに応じた特典は、後述する特典付与処理におけるファンポイントの累計値に補正を与えるものとしてもよい。例えば、的中ポイントが高いほど、ファンポイントにより高い係数を乗算して累計値を算出するようにしてもよい。
【0042】
[特典付与処理]
図9は、本実施の形態における特典付与処理を示すフローチャートである。以下、
図9を参照しつつ、本実施の形態における特典付与処理について説明する。
【0043】
ステップS20では、ファンポイントの累計値を算出する処理が行われる。当該ステップの処理によって、特典付与システム100はポイント算出手段として機能する。サーバ102は、記憶部12に記憶されている電子媒体データベースを参照して、ユーザ(ユーザID)及び属性の組み合わせ毎にカードに割り当てられているファンポイントを加算して累計値を算出する。
【0044】
本実施の形態では、ユーザ(ユーザID)毎にモチーフである選手名の属性が同じであるカードのファンポイントを加算して累計値を算出する。例えば、
図5に示した電子媒体データベースの例では、ユーザIDが「ユーザA」であるユーザについて、選手名の属性が「選手a」のカードに割り当てられているファンポイントを加算して累計値を算出する。「ユーザA」及び「選手a」の組み合わせの場合、「カード1」、「カード3」、「カード6」が該当するので、これらのカードに割り当てられている通常ファンポイントとボーナスファンポイントをすべて加算して累計値は460となる。同様に、ユーザIDが「ユーザA」であるユーザについて、選手名の属性が「選手b」のカードに割り当てられているファンポイントを加算して累計値を算出する。「ユーザA」及び「選手b」の組み合わせの場合、「カード4」のみが該当するので、このカードに割り当てられている通常ファンポイントとボーナスファンポイントをすべて加算して累計値は60となる。他のユーザ及び選手名の組み合わせについても同様に累計値を算出する。
【0045】
このように、1人のユーザが同じ選手をモチーフとしたカードを多く持っているほど、当該選手に対するファンポイントの累計値は大きくなる傾向を示す。すなわち、ユーザが特定の選手を熱烈に支持しており、当該選手をモチーフとしたカードを多く持っているほど当該選手に対する当該ユーザのファンポイントの累計値は大きくなる傾向を示す。換言すると、ファンポイントの累計値は、ユーザの選手に対するファンである度合いを示すといえる。
【0046】
なお、本実施の形態では、無償で取得されたカードには通常ファンポイントのみが割り当てられており、ボーナスファンポイントは割り当てられていない。他方、有償で取得されたカードには通常ファンポイント及びボーナスファンポイントの両方が割り当てられている。通常ファンポイント及びボーナスファンポイントの両方を加算して累積値を算出することが好適である。すなわち、有償で取得したカードの方が無償で取得したカードよりもファンポイントが高く換算される。
【0047】
これによって、対価を支払って取得した有償のカードを所有しているユーザほど当該選手に対するファンポイントの累計値は大きくなる傾向を示す。すなわち、ユーザが特定の選手を熱烈に支持しており、対価を支払って取得した有償のカードを多く持っているほど当該選手に対する当該ユーザのファンポイントの累計値は大きくなる傾向を示す。このように算出されたファンポイントの累計値は、ユーザの選手に対するファンである度合いを示すといえる。また、ユーザに対して、有償のカードを取得する動機付けとなる。
【0048】
また、カードに割り当てられるファンポイントは、時間の経過と共に変化するようにしてもよい。本実施の形態では、通常ファンポイントは時間の経過によらず一定の値とし、ボーナスファンポイントは時間の経過と共に変化する。例えば、ボーナスファンポイントは、カードを取得した時期から所定の有効期間が経過した場合には累計値を算出する際に加算しないようにする。有効期間は、特に限定されるものではないが、例えば1年、6ヶ月、1ヶ月等とすることができる。
【0049】
具体的には、
図5に示した電子媒体データベースの例では、累積値を算出する日時が2022/12/20であり、ボーナスファンポイントの有効期間が1年である場合、「カード3」の取得時期は2021/12/1であるので「カード3」のボーナスファンポイントは有効期間を過ぎている。したがって、ユーザIDが「ユーザA」であるユーザについて、選手名の属性が「選手a」のカードに割り当てられているファンポイントを加算して累計値を算出する場合には「カード3」のボーナスファンポイントを加算しない。すなわち、「ユーザA」及び「選手a」の組み合わせの場合、累計値は400となる。
【0050】
なお、有効期間中であればボーナスファンポイントを与え、有効期間を過ぎるとボーナスファンポイントを0とするのではなく、有効期間までの経過時間と共に累計値に加算するボーナスファンポイントを徐々に減らすようにしてもよい。例えば、有効期間が1年である場合、ボーナスファンポイントを12等分し、カードの取得時期から1ヶ月経過する毎に累計値に加算するボーナスファンポイントを1/12ずつ減少させるようにしてもよい。
【0051】
また、ファンポイントは、カードを所有するユーザについてモチーフである選手が所属するチーム毎に累計値を算出してもよい。例えば、
図5に示した電子媒体データベースの例では、ユーザIDが「ユーザA」であるユーザについて、チーム名の属性が「チームX」のカードに割り当てられているファンポイントを加算して累計値を算出する。「ユーザA」及び「チームX」の組み合わせの場合、「カード1」、「カード3」、「カード4」、「カード6」が該当するので、これらのカードに割り当てられている通常ファンポイントとボーナスファンポイントをすべて加算して累計値は520となる。ユーザ及びチーム名の他の組み合わせについても同様に累計値を算出する。
【0052】
このように、1人のユーザが同じチームに所属する選手をモチーフとしたカードを多く持っているほど、当該チームに対するファンポイントの累計値は大きくなる傾向を示す。すなわち、ユーザが特定のチームを熱烈に支持しており、当該チームに所属する選手をモチーフとしたカードを多く持っているほど当該チームに対する当該ユーザのファンポイントの累計値は大きくなる傾向を示す。換言すると、ファンポイントの累計値は、ユーザのチームに対するファンである度合いを示すといえる。
【0053】
チーム毎に累計値を算出する場合も、無償及び有償のカードに対するファンポイントの扱いや有効期間に対するボーナスファンポイントの加算方法は選手毎に累計値を算出する場合としてもよい。
【0054】
また、ファンポイントは、ユーザ毎に所有するすべてのカードについて累計値を算出してもよい。この場合、当該累計値はユーザ毎のトータルファンポイントとなる。
【0055】
トータルファンポイントを算出する場合も、無償及び有償のカードに対するファンポイントの扱いや有効期間に対するボーナスファンポイントの加算方法は選手毎に累計値を算出する場合としてもよい。
【0056】
なお、カードがスポーツチームに所属する選手をモチーフにしたものである場合、当該選手がチームを退団した後のファンポイントの扱いは適宜設定すればよい。例えば、選手がチームを退団した後であってもトータルファンポイントを算出する際には、当該選手をモチーフとしたカードのファンポイントを加算するようにしてもよい。また、例えば、選手がチームを退団した後にトータルファンポイントを算出する際には、当該選手をモチーフとしたカードのファンポイントを加算しないようにしてもよい。
【0057】
ただし、選手がチームを退団した後、当該選手をモチーフとしたカードは電子ゲームでは使用できないようにすることが好適である。
【0058】
また、カードを他人に譲渡や売却した場合、電子媒体データベースにおける所有者を示すユーザIDを新たなユーザのユーザIDに更新し、元のユーザに対するファンポイントの累計値の算出に当該カードのファンポイントは加算されないようにすることが好適である。
【0059】
ステップS22では、ファンポイントの累計値に応じた特典を付与する。当該ステップの処理によって、特典付与システム100は特典付与手段として機能する。サーバ102は、ステップS20で算出されたファンポイントの累計値に応じて各ユーザに対して特典を付与する処理を行う。
【0060】
特典を付与する処理は、ファンポイントの累計値に応じてファン証明カードをユーザに付与する処理とすることができる。ユーザ及び選手名の組み合わせ毎にファンポイントの累計値を算出した場合、サーバ102は、ファンポイントの累計値が所定基準値以上である場合に当該ユーザに対して当該選手に対するファン証明カードをユーザに付与する処理を行う。サーバ102は、通信部18を介して、当該ユーザが使用しているクライアント104に対してファン証明カードを発行する。クライアント104は、情報通信網106及び通信部28を介して、クライアント104から発行されたファン証明カードを受信する。これによって、ユーザはファン証明カードを取得する。
【0061】
このとき、ユーザ及び選手名の組み合わせ毎に算出されたファンポイントの累計値に応じて、ファン証明カードのランクを変更するようにしてもよい。例えば、ファンポイントの累計値が第1基準値以上であれば当該選手に対するブロンズファン証明カードを付与し、ファンポイントの累計値が第1基準値より大きい第2基準値以上であれば当該選手に対するシルバーファン証明カードを付与し、ファンポイントの累計値が第2基準値より大きい第3基準値以上であれば当該選手に対するゴールドファン証明カードを付与するようにしてもよい。
【0062】
ここで、ファン証明カードは、ブロックチェーン等の技術を用いて取引が管理された代替不可能なトークン(NFT)等の電子媒体とすることが好適である。この場合、ファン証明カードは、発行対象としたユーザ以外に譲渡や販売等の二次流通が不可能とすることが好適である。
【0063】
なお、累計値を算出した属性に応じてユーザに付与する特典を変更してもよい。このとき、累計値を算出した属性に関する特典をユーザに付与することが好適である。例えば、属性が選手aについて算出された累計値に応じて選手aのファン証明カードを付与し、属性が選手bについて算出された累計値に応じて選手aのファン証明カードを付与するようにしてもよい。
【0064】
また、ユーザ及びチーム名の組み合わせ毎にファンポイントの累計値を算出した場合、サーバ102は、ファンポイントの累計値が所定基準値以上である場合に当該ユーザに対して当該チームに対するファン証明カードをユーザに付与する処理を行うようにしてもよい。この場合、ユーザ及び選手名の組み合わせ毎にファンポイントの累計値を算出した場合と同様に処理することができる。
【0065】
なお、累計値を算出した属性の種類に応じてユーザに付与する特典を変更してもよい。このとき、累計値を算出した属性の種類に応じた特典をユーザに付与することが好適である。例えば、選手名の属性について算出された累計値に応じて特定を付与する場合には当該選手のファン証明カードを付与し、チーム名の属性について算出された累計値に応じて特典を付与する場合には当該チームのファン証明カードを付与するようにしてもよい。
【0066】
また、特典を付与する処理は、ファンポイントの累計値に応じて投票権をユーザに付与する処理とすることができる。ユーザ及び選手名の組み合わせ毎にファンポイントの累計値を算出した場合、サーバ102は、クライアント104を介してオンラインの投票を実行する際にファンポイントの累計値に応じた投票権を当該ユーザに付与する処理を行う。例えば、ファンポイントの累計値における1ポイントで1票の投票権を与えるように処理を行えばよい。
【0067】
投票の内容は、特に限定されるものではないが、カードを使用する電子ゲームに関する投票、ファンポイントの累計値を算出した選手やチームに関するイベントやグッズに関する投票、カードの取得に関する投票等とすることができる。例えば、カードを使用する電子ゲームに関する投票として、電子ゲーム上においてユーザが行って欲しいイベントを選択する投票とすることができる。また、例えば、ファンポイントの累計値を算出した選手やチームに関するイベントやグッズに関する投票として、当該選手に関してユーザが欲しいグッズに関する投票や当該チームに関して行って欲しいイベントに関する投票等とすることができる。また、例えば、カードの取得に関する投票として、ユーザがカードを発行して欲しい選手に関する投票等とすることができる。
【0068】
また、特典として、グッズ抽選会への参加権、選手やマスコットキャラクタとの記念撮影権を与えるようにしてもよい。サーバ102は、ファンポイントの累計値に応じてユーザに参加権や記念撮影権を付与する処理を行う。例えば、ファンポイントの累計値における1ポイントで1票の投票権を与えるように処理を行えばよい。
【0069】
なお、本実施の形態では、特典付与の処理対象となる電子媒体をカードとしたが、これに限定されるものではない。特典付与の処理対象となる電子媒体は、電子的に処理できる媒体やオブジェクトであればよく、例えば、ブロックチェーン等の技術を用いて取引が管理された代替不可能なトークン(NFT)等の電子媒体等としてもよい。
【0070】
また、ファンポイントの累計値を算出する属性は、特に限定されるものでない。例えば、本実施の形態では、現実空間のスポーツチームに所属する選手の選手名を属性として処理を行ったが、仮想空間におけるスポーツチームに所属する選手の選手名を属性として処理を行ってもよい。また、スポーツチームに限定されるものでもなく、何らかの団体や組織、又は、それに所属する人物、動物、物等を属性として処理を行ってもよい。
【0071】
また、例えば、現実空間又は仮想空間におけるキャラクタをモチーフとした電子媒体について、当該キャラクタを属性としてファンポイントを割り当てておき、各ユーザに対してキャラクタ毎にファンポイントを加算して累計値を算出するようにしてもよい。
【0072】
[発明の構成]
[構成1]
電子媒体毎にポイントが割り当てられており、ユーザが所有する電子媒体について当該電子媒体に割り当てられたポイントを当該電子媒体の所定の属性毎に加算した累計値に応じて前記ユーザに特典を付与することを特徴とする特典付与システム。
[構成2]
構成1に記載の特典付与システムであって、
前記属性は、電子媒体のモチーフを示す属性であることを特徴とする特典付与システム。
[構成3]
構成2に記載の特典付与システムであって、
前記モチーフは、現実の人物、仮想のキャラクタ及びこれらが属するグループの少なくとも1つであることを特徴とする特典付与システム。
[構成4]
構成1~3のいずれか1項に記載の特典付与システムであって、
前記属性毎に、ポイントに応じて与えられる特典が異なることを特徴とする特典付与システム。
[構成5]
構成1~4のいずれか1項に記載の特典付与システムであって、
前記電子媒体に割り当てられたポイントは、当該電子媒体が有償である場合に無償である場合に比べて高いことを特徴とする特典付与システム。
[構成6]
構成1~5のいずれか1項に記載の特典付与システムであって、
前記特典は、前記ユーザに対する投票権であることを特徴とする特典付与システム。
[構成7]
構成1~6のいずれか1項に記載の特典付与システムであって、
前記電子媒体は、NFTであることを特徴とする特典付与システム。
[構成8]
電子媒体毎にポイントを関連付けた電子媒体データベースにアクセス可能なコンピュータを、
ユーザが所有する電子媒体について当該電子媒体に割り当てられたポイントを当該電子媒体の所定の属性毎に加算した累計値に応じて前記ユーザに特典を付与するように機能させることを特徴とする特典付与プログラム。
[構成9]
電子媒体毎にポイントを関連付けた電子媒体データベースにアクセス可能なコンピュータを、
ユーザが所有する電子媒体について当該電子媒体に割り当てられたポイントを当該電子媒体の所定の属性毎に加算した累計値に応じて前記ユーザに特典を付与するように機能させることを特徴とする特典付与方法。
【符号の説明】
【0073】
10 処理部、12 記憶部、14 入力部、16 出力部、18 通信部、20 処理部、22 記憶部、24 入力部、26 出力部、28 通信部、100 特典付与システム、102 サーバ、104 クライアント、106 情報通信網、200 電子媒体選択画面、202 所有媒体表示領域、202a スクロールボタン、204 デッキ選択領域、206 決定ボタン。