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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094849
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】開き戸における戸当り構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/36 20060101AFI20240703BHJP
   E05F 1/06 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
E06B7/36 Z
E05F1/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211695
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128392
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 秀一
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】脇坂 京嗣
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐三
(57)【要約】
【課題】トイレブースTの出入り口Eの開閉をするドア体1を、出入り口Eよりも幅広として、ドア体1の戸先側、戸尻側の両端縁部1a、1bが正面パネル体2に対して室外側で重合する構成し、グレビティヒンジ4を用いて開閉できる構成のものにおいて、指詰め防止をする。
【解決手段】
戸尻側パネル部2bに、ドア体1が全開したときグレビティヒンジ4の左右方向外方側に隣接する部位でドア体1の戸尻側端面1bbが当接して戸当りとなる戸当り部材6を設けて指詰め防止をする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に間隙を存して配した戸先側、戸尻側パネル部間を出入り口とし、戸尻側パネル部に蝶番を介して開閉自在に軸支した開き戸方式のドア体を備え、
前記ドア体を、左右幅が出入り口の間口幅よりも幅広として、該ドア体の戸先側、戸尻側の両端縁部が戸先側、戸尻側パネル部に対して室内外何れか一方側で重合するように構成してなる開き戸において、
前記蝶番は、筒状の軸支部が設けられ、戸尻側パネル部のドア体と重合する部位のパネル面に取り付けられるヒンジ下側半部と、前記軸支部に回動自在に軸支される軸部が設けられ、ドア体の戸尻側パネル部と重合する部位のドア面に取り付けられるヒンジ上側半部とを備えたヒンジであり、
戸尻側パネル部のパネル面に、ドア体が全開したときヒンジの左右方向外方側に隣接する部位でドア体の戸尻側端縁が当接して戸当りとなる戸当り部材が設けられていることを特徴とする開き戸における戸当り構造。
【請求項2】
戸当り部材は、ヒンジ下側半部の左右方向外方部位に隣接する部位に戸尻側パネル部のパネル面から突出して設けられていることを特徴とする請求項1記載の開き戸における戸当り構造。
【請求項3】
戸当り部材には、全開したドア体との当接部位を覆蓋する凸状部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の開き戸における戸当り構造。
【請求項4】
戸当り部材は、戸尻側パネル部にビス固定されるものであり、戸当り部材と戸尻側パネル部との間には、戸当り部材が回動するのを規制する回動規制手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載の開き戸における戸当り構造。
【請求項5】
ドア体の戸尻側端縁部には、戸当り部材の全開したドア体との当接部位を覆蓋する凸状部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の開き戸における戸当り構造。
【請求項6】
ドア体には、ドア体が全開した状態で戸当り部材に当接する当接部がドア体の戸尻側端縁から突出する状態で設けられていることを特徴とする請求項1記載の開き戸における戸当り構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレブースやバスルーム等の小部屋の出入り口に開閉自在に建て付けられる開き戸における戸当り構造の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、トイレブース等の小部屋の出入り口を、左右に配した戸先側、戸尻側の正面パネル(正面板)の対向間(対向幅)を間口幅(左右幅)として構成し、該出入り口の開閉するため、戸尻側端縁部を蝶番(丁番)を介して正面パネル体に開閉自在に軸支した開き戸方式のドア体が設けられた構成にすることがあり、このようなドア体のなかには、ドア体の左右幅を前記間口幅よりも幅広なものにして、ドア体の戸先側、戸尻側の両端縁部を、対応する正面パネル体の戸先側、戸尻側パネル部のパネル面に対して室外側(または室内側)に重合(重複、積層)するように配したものがあり、このような構成とする場合に、ドア体は、戸尻側端縁部を戸尻側パネル部に対して蝶番を介して開閉自在に軸支するものとなり、このようなドア体は、幼稚園や保育園のような幼児が使用するトイレブースに採用されることが多い。
そしてこの場合に採用される蝶番としては、筒状の軸支部が設けられる下側半部を正面パネル側に取り付け、軸支部に回動自在に挿入する軸部が設けられる上側半部をドア体側に取り付けるようにした所謂グレビティヒンジが採用されることがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6708406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで前記グレビティヒンジが採用されたドア体を開放操作したときに、ドア体の戸尻側端縁部が、戸尻側パネル部の表面に近接または当接することになり、この場合に、ドア体の戸尻側端縁部と戸尻側パネル部のパネル表面とのあいだに形成される隙間に指を挟む惧れがあり、これを回避するため前記従来のものは、ドア体に、閉鎖したときに蝶番を被覆するための被覆部材を設ける一方、戸尻側パネル部に、ドア体が開放したとき被覆部材の先端が当接する当接部材を設けるようにして指挟み防止をするようにしている。
しかしながらこのものでは、被覆部材と当接部材との両部品が必要になって部品点数が多くなる等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、左右に間隙を存して配した戸先側、戸尻側パネル部間を出入り口とし、戸尻側パネル部に蝶番を介して開閉自在に軸支した開き戸方式のドア体を備え、前記ドア体を、左右幅が出入り口の間口幅よりも幅広として、該ドア体の戸先側、戸尻側の両端縁部が戸先側、戸尻側パネル部に対して室内外何れか一方側で重合するように構成してなる開き戸において、前記蝶番は、筒状の軸支部が設けられ、戸尻側パネル部のドア体と重合する部位のパネル面に取り付けられるヒンジ下側半部と、前記軸支部に回動自在に軸支される軸部が設けられ、ドア体の戸尻側パネル部と重合する部位のドア面に取り付けられるヒンジ上側半部とを備えたヒンジであり、戸尻側パネル部のパネル面に、ドア体が全開したときヒンジの左右方向外方側に隣接する部位でドア体の戸尻側端縁が当接して戸当りとなる戸当り部材が設けられていることを特徴とする開き戸における戸当り構造である。
請求項2の発明は、戸当り部材は、ヒンジ下側半部の左右方向外方部位に隣接する部位に戸尻側パネル部のパネル面から突出して設けられていることを特徴とする請求項1記載の開き戸における戸当り構造である。
請求項3の発明は、戸当り部材には、全開したドア体との当接部位を覆蓋する凸状部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の開き戸における戸当り構造である。
請求項4の発明は、戸当り部材は、戸尻側パネル部にビス固定されるものであり、戸当り部材と戸尻側パネル部との間には、戸当り部材が回動するのを規制する回動規制手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載の開き戸における戸当り構造である。
請求項5の発明は、ドア体の戸尻側端縁部には、戸当り部材の全開したドア体との当接部位を覆蓋する凸状部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の開き戸における戸当り構造である。
請求項6の発明は、ドア体には、ドア体が全開した状態で戸当り部材に当接する当接部がドア体の戸尻側端縁から突出する状態で設けられていることを特徴とする請求項1記載の開き戸における戸当り構造である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、ドア体が出入り口の間口幅よりも幅広であって、ドア体の戸先側、戸尻側の両端縁部が戸先側、戸尻側パネル部に対して重合するものにおいて、筒状の軸支部が設けられるヒンジ下側半部と、前記軸支部に回動自在に軸支される軸部が設けられるヒンジ上側半部とを備えたヒンジを蝶番として用いたものである場合に、戸尻側パネル部のパネル面に、ドア体が全開したときヒンジの左右方向外方側に隣接する部位でドア体の戸尻側端縁が当接して戸当りとなる戸当り部材が設けられたものである結果、部品点数を少なくした状態で指詰め防止ができることになる。
請求項2の発明とすることにより、戸当り部材が隣接しているヒンジ下側半部は、ドア体の閉鎖過程において不動である結果、ドア体の閉鎖作動と同時回動するヒンジ上側半部に隣接する部位に設けた場合のように、回動するヒンジ上側半部と戸当り部材とのあいだに指が巻き込まれてしまうことを防止できることになる。
請求項3の発明とすることにより、戸当り部材に、全開したドア体との当接部位を覆蓋する凸状部が形成されている結果、戸当り部材の部位においての指詰め防止も図れることになる。
請求項4の発明とすることにより、戸当り部材が1本のビスを介して取り付けられたものであっても、戸当り部材の回動規制が回動規制手段によってなされることになって、前記凸状部による覆蓋位置が変化してしまうことを防止できることになる。
請求項5の発明とすることにより、ドア体の戸尻側端縁部に設けた凸状部が、ドア体を全開したときに戸当り部材との当接部位を覆蓋することになって戸当り部材の部位においての指詰め防止も図れることになる。
請求項6の発明とすることにより、ドア体に、ドア体が全開した状態で戸当り部材に当接する当接部がドア体の戸尻側端縁から突出する状態で設けられていることで、この場合においても指詰め防止が図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】トイレブースの正面図である。
図2】トイレブースの平面図である。
図3】トイレブースの側面図である。
図4】(A)(B)はドア体の全閉姿勢、全開姿勢の状態の平面図である。
図5】(A)(B)はドア体の戸尻側部位の平面図、正面図である。
図6】(A)(B)はドア体の戸尻側部位の側面図、断面図である。
図7】(A)(B)(C)(D)(E)は戸当り部材の正面図、平面図、背面図、側面図、斜視図である。
図8】(A)(B)(C)は第二、第三、第四の実施の形態のドア体の戸尻側部位を示す平面図である。
図9】(A)(B)は第一、第二参考例を示すドア体の戸尻側部位を示す平面図である。
図10】(A)(B)は第三、第四参考例を示すドア体の戸尻側端縁部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は躯体壁部Wに沿って設けられるトイレブースT用のドア体であって、トイレブースTは、正面パネル部2と奥行きパネル部3とによって平面視で矩形状に仕切られたものとなっており、正面パネル部2は、左右に隣接する正面パネル部2同士の対向間が出入り口Eを構成し、前記ドア体1は、蝶番である後述のグレビティヒンジ4を介して正面パネル部2に開閉自在に取り付けられた開き戸方式のものに構成される。
【0009】
前記正面パネル部2は、奥行きパネル部3を境として戸先側パネル部2aと戸尻側パネル部2bとを備えたものに構成されるが、左右端部側の正面パネル部2については、その構成上、戸先側パネル部2aまたは戸尻側パネル部2bだけ備えたものとなっている。
一方、前記ドア体1は、左右幅が出入り口Eの間口幅よりも幅広に形成されたものであって、戸先側、戸尻側の両端縁部(左右両端縁部)1a、1bが、戸先側、戸尻側パネル部2a、2bのパネル表面2aa、2baに重合するようにして配され、ドア体1の戸尻側端縁部1bのドア裏面1baと戸尻側パネル部2bのパネル表面2baとが前記グレビティヒンジ4を介して開閉自在に連結されている。尚、ドア体1としては、本実施の形態のものはブース外側(正面側)に向けて開閉できる構成にしたが、ブース内側に向けて開閉できるようにしたものであっても勿論よいことは言うまでもない。
【0010】
前記グレビティヒンジ4は、自閉機能を備えた汎用のヒンジであって、筒状の軸支部4aaが設けられ、戸尻側パネル部2bの、ドア体戸尻側端縁部1bと重合する部位のパネル表面2baに取り付けられるヒンジ下側半部4aと、前記軸支部4aaに嵌入して回動自在に軸支される軸部4baが設けられ、ドア体1の、戸尻側パネル部2bと重合する部位のドア裏面1baに取り付けられるヒンジ上側半部4bとを備えて構成される。
そしてグレビティヒンジ4は、ドア体1の戸尻側端縁部1bと戸尻側パネル部2bとのあいだの上下二か所に設けられたものとなっており、これによってドア体1は、戸先側端縁部1aのドア裏面1aaが、戸先側パネル部2aのパネル表面2aaに設けた戸先側の戸当り部材5に当接する全閉姿勢と、戸尻側端縁部1bが戸尻側パネル部2bのパネル表面2baに設けた戸尻側の戸当り部材6に当接する全開姿勢とに開閉揺動できるよう構成されている。
因みにドア体1を開閉自在に軸支する蝶番(ヒンジ)としては、本実施の形態において採用するグレビティヒンジのように自閉機能を備えたものに限定されないことは勿論であって、前述したような上側半部と下側半部とを備えた汎用のヒンジであれば自閉機能のないものであっても良いことは勿論である。
【0011】
次に、戸尻側の戸当り部材6について詳述するが、該戸当り部材6は、グレビティヒンジ4のヒンジ下側半部4a側の左右方向外方側に隣接する部位に、パネル表面2baから突出する状態で設けられている。
具体的には、該戸当り部材6は、円柱形状をし、天面6aから有底状に穿設される取り付け孔6bから1本のビス7を戸尻側パネル部2bに螺入することで、該戸尻側パネル部2bに取り付けられるが、この場合に本実施の形態のものでは、戸当り部材6の底面6cに設けた突起6dを、戸尻側パネル部2bのパネル表面2baに設けた嵌入孔2bbに嵌入する状態で前記ビス7を用いた締結をするよう構成され、このようにすることにより、戸当り部材6は、ビス7を軸心とする軸周り方向の位置決めがなされるとともに、ビス7を軸心とする不用意な回動が規制されることになり、本発明の回動規制手段を構成している。
因みに回動規制手段としては、前記実施の形態のものに限定されず、パネル部表面2ba側に設けた突起が、戸当り部材6側に設けた嵌入孔に嵌入する構成にしてもよいことは勿論である。
【0012】
そして本実施の形態のものでは、ドア体1が全閉姿勢に対して略90度回動して全開姿勢に操作した場合、ドア体1の戸尻側端面(木口面)1bbが戸当り部材6の天面6aに当接することになり、これによって該戸当り部材6部位以外のところでは、ドア体1の戸尻側端面1bbと戸尻側パネル部2bのパネル表面2baとのあいだが戸当り部材6の高さ分、離間した状態となって指詰め防止機能が発揮されるよう構成されている。
しかも戸当り部材6は、グレビティヒンジ4のヒンジ下側半部4aに隣接する状態で設けられているが、ヒンジ下側半部4aは、ドア体1を開閉操作した場合においてヒンジ上側半部4bのようにドア体1と共に回動することがない不動のものである結果、回動するヒンジ上側半部4bに触れている指がヒンジ上側半部4bと戸当り部材6とのあいだに巻き込まれてしまうことが回避される。
【0013】
さらに前記戸当り部材6には、前記軸心周りの位置決め取り付けがなされた状態で左右方向外側の天面6aの周縁部位から前後方向外方に向けて突出した薄板円弧状の凸状部6eが形成されており、該凸状部6eが、前記ドア体1が全開する直前位置から戸当り材6のドア体1の戸尻側端縁1bとの当接部位を覆蓋することになって、該部位での指詰めを防止するよう配慮されている。
因みに戸当り部材(特に凸状部6e)6を、柔軟性を有したゴム質弾性材で構成することが指詰め防止機能を向上するためには好ましいといえる。
【0014】
叙述の如く構成された本実施の形態において、開き戸方式のドア体1が、出入り口Eの間口幅よりも幅広であって、ドア体1の戸先側、戸尻側の両端縁部1a、1bが戸先側、戸尻側パネル部2a、2bに対して重合するものにおいて、軸支部4aaが設けられるヒンジ下側半部4aと、前記軸支部4aaに回動自在に軸支される軸部4baが設けられるヒンジ上側半部4bとを備えたグレビティヒンジ4を蝶番として用いて構成されたものであるが、このものにおいて、戸尻側パネル部2bのパネル表面2baに、ドア体1が全開したときグレビティヒンジ4の左右方向外方側に隣接する部位においてドア体1の戸尻側端面1bbが当接して戸当りとなる戸当り部材6が設けられたものである結果、部品点数を少なくした状態で指詰め防止ができることになる。
【0015】
しかもこのものでは、戸当り部材6が隣接しているヒンジ下側半部4aは、ドア体1の開閉作動をする過程においてヒンジ上側半部4bとは異なって不動である結果、ドア体1の開放作動と同時回動するヒンジ上側半部4bに隣接する部位に戸当り部6を設けた場合のように、回動するヒンジ上側半部4bに触れている指が戸当り部材6とのあいだの隙間に巻き込まれてしまうことを防止できることになる。
そのうえ戸当り部材6に、全開したドア体1の戸尻側端面1bbとの当接部位を覆蓋する凸状部6eが設けられている結果、戸当り部材6部位においての指詰め防止も併せて図れることになる。
【0016】
そのうえ戸当り部材6は、戸尻側パネル部2bに1本のビス7を介して固定されるものであるため、該ビス7を軸心として回動する可能性があるが、戸当り部材6に形成された突起6dが戸尻側パネル部2bに形成された嵌入孔2bbに嵌入していて戸当り部材6のビス7を軸心として回動が規制されたものとなっており、この結果、戸当り部材6が回動することで凸状部6eが位置ずれすることを回避できることになる。
【0017】
尚、本発明は前記実施の形態のものに限定されないことは勿論であって、図8に示す第二、第三、第四の実施の形態のようにすることもできる。
図8(A)に示す第二の実施の形態のものは、戸当り部材6に、全開したドア体1の戸尻側端面1bbとの当接部位を覆蓋するための凸状部6fが形成されたものであるが、該凸状部6fは、底面部6cに延設した舌片6faから上方に延出形成されたものとなっている。
また図8(B)(C)に示す第三、第四の実施の形態のものは、ドア体1の戸尻側端縁部1bに、戸当り部材6の全開したドア体1との当接部位を覆蓋するための凸状部8aが形成された戸当り受け材8が設けられたものになっているが、第三の実施の形態のものは、戸当り受け材8が戸尻側端面1bbに取り付けられたものであり、第四の実施の形態のものは、戸当り受け材8の基部8bが、グレビティヒンジ4のヒンジ上側半部4bをドア体1に締結するためのビス4cによって共締めされる構成になっている。
【0018】
また図9、10は参考例を示したものであり、図9(A)(B)に示す第一、第二参考例において、図9(A)の第一参考例のものは、ドア体1の戸尻側端面1bbに戸当り受け部9を設けたものであって、ドア体1を全開姿勢としたときに戸当り受け部9が当接する戸当り部材10を、正面パネル2に埋設したものである。また図9(B)に示す第二参考例のものは、ドア体1の戸尻側端面1bbに設けた戸当り受け部9aが当接する戸当り部材10aを、パネル表面2baに突出状に設けたものである。このような戸当り部材10、10aを採用する場合に、戸当り部材10、10aとしては、戸当り受け部9、9aが当接する部位に相当するだけの短いものとしてもよいが、ドア体1の略全高さに亘る長尺物としてもよい。
また図10の第三、第四参考例のものは、ドア体1の戸尻側端面1bbに戸当り受け部9を設ける場合を示しているが、図10(A)の第三参考例のものは戸当り受け部9をドア体1の全高さに亘る部材として形成したものであり、図10(B)に示す第四参考例のものは戸当り受け部9として部分的に突出形成したものである。そしてこのような戸当り受け材9は、ドア体1に一体形成したものに限定されず、別部材として設けたものとすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、トイレブースやバスルーム等の小部屋の出入り口に開閉自在に建て付けられる開き戸における戸当り構造として利用することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 ドア体
1a 戸先側端縁部
1b 戸尻側端縁部
1bb 戸尻側端面
2 正面パネル部
2b 戸尻側パネル部
2ba パネル表面
2bb 嵌入孔
4 グレビティヒンジ
4a ヒンジ下側半部
4aa 軸支部
4b ヒンジ上側半部
4ba軸部
6 戸当り部材
6a 天面
6b 取り付け孔
6c 底面
6d 突起
6e 凸状部
7 ビス
E 出入り口
T トイレブース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10