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特開2024-94851施解錠装置、制御装置、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094851
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】施解錠装置、制御装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
E05B47/00 J
E05B47/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211702
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 啓輔
(57)【要約】
【課題】開閉体を施錠させる施解錠装置の利便性を高める。
【解決手段】磁気センサ11は、ドア21の開閉状態に対応する第一信号S1を出力する。施解錠検出センサ12は、ドア21が施錠されたことを示す第二信号S2を出力する。制御装置13は、ドア21が閉じられていることを示す第一条件を第一信号S1が満たしている場合に、施解錠機構22にドア21を施錠させる。制御装置13は、第二信号S2を受け付けていながら第一信号S1が第一条件を満たしていない場合に、当該第一信号S1がドア21が閉じられていることを示すように第一条件を変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体の開閉状態に対応する第一信号を出力する第一センサと、
前記開閉体が施錠されたことを示す第二信号を出力する第二センサと、
前記開閉体が閉じられていることを示す第一条件を前記第一信号が満たしている場合に、施解錠機構に前記開閉体を施錠させる制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記第二信号を受け付けていながら前記第一信号が前記第一条件を満たしていない場合に、当該第一信号が前記開閉体が閉じられていることを示すように前記第一条件を変更する、
施解錠装置。
【請求項2】
前記第二センサは、前記開閉体が解錠されたことを示す第三信号を出力し、
前記制御装置は、前記第三信号を受け付けてから前記第二信号を受け付けるまでの時間が第一閾値を上回る場合に、前記第一条件の変更を行なう、
請求項1に記載の施解錠装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第三信号を受け付けてから前記第二信号を受け付けるまでの時間が前記第一閾値よりも長い第二閾値を上回る場合に、前記第一条件の変更を行なわない、
請求項2に記載の施解錠装置。
【請求項4】
開閉体の開閉状態に対応する第一信号と前記開閉体が施錠されたことを示す第二信号を受け付けるインタフェースと、
前記開閉体が閉じられていることを示す第一条件を前記第一信号が満たしている場合に、施解錠機構に前記開閉体を施錠させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、前記第二信号を受け付けていながら前記第一信号が前記第一条件を満たしていない場合に、当該第一信号が前記開閉体が閉じられていることを示すように前記第一条件を変更する、
制御装置。
【請求項5】
制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置に、
開閉体の開閉状態に対応する第一信号と前記開閉体が施錠されたことを示す第二信号を受け付けさせ、
前記開閉体が閉じられていることを示す第一条件を前記第一信号が満たしている場合に、施解錠機構に前記開閉体を施錠させ、
前記第二信号を受け付けていながら前記第一信号が前記第一条件を満たしていない場合に、当該第一信号が前記開閉体が閉じられていることを示すように前記第一条件を変更させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施解錠装置に関連する。本開示は、当該施解錠装置に搭載される制御装置、および当該制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、磁場の変化に基づいて開閉体が開いた状態から閉じた状態に変化したと判断した場合に開閉体を施錠させる施解錠装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/003487号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開閉体を施錠させる施解錠装置の利便性を高めることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される一態様例は、施解錠装置であって、
開閉体の開閉状態に対応する第一信号を出力する第一センサと、
前記開閉体が施錠されたことを示す第二信号を出力する第二センサと、
前記開閉体が閉じられていることを示す第一条件を前記第一信号が満たしている場合に、施解錠機構に前記開閉体を施錠させる制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記第二信号を受け付けていながら前記第一信号が前記第一条件を満たしていない場合に、当該第一信号が前記開閉体が閉じられていることを示すように前記第一条件を変更する。
【0006】
本開示により提供される一態様例は、制御装置であって、
開閉体の開閉状態に対応する第一信号と前記開閉体が施錠されたことを示す第二信号を受け付けるインタフェースと、
前記開閉体が閉じられていることを示す第一条件を前記第一信号が満たしている場合に、施解錠機構に前記開閉体を施錠させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、前記第二信号を受け付けていながら前記第一信号が前記第一条件を満たしていない場合に、当該第一信号が前記開閉体が閉じられていることを示すように前記第一条件を変更する。
【0007】
本開示により提供される一態様例は、制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
開閉体の開閉状態に対応する第一信号と前記開閉体が施錠されたことを示す第二信号を受け付けさせ、
前記開閉体が閉じられていることを示す第一条件を前記第一信号が満たしている場合に、施解錠機構に前記開閉体を施錠させ、
前記第二信号を受け付けていながら前記第一信号が前記第一条件を満たしていない場合に、当該第一信号が前記開閉体が閉じられていることを示すように前記第一条件を変更させる。
【0008】
施解錠装置は、開閉体が閉じられていることを示す第一条件を第一信号が満たしている場合、施解錠機構により開閉体を施錠させる。しかしながら、第一センサの位置ずれや第一信号が示す値に影響を及ぼす物体の設置などにより、第一信号が第一条件を満たさなくなることがある。この場合、施解錠装置により開閉体を施錠させることができないので、ユーザ自身が開閉体を施錠させる必要性が生じる。また、ユーザ自身が施解錠装置により開閉体を施錠させることができるように第一条件を変更する必要性が生じる。上記の各態様例に係る構成によれば、ユーザにより開閉体が施錠されると、施解錠装置は、第二信号に基づいて、開閉体が閉じられていることを示すように自動的に第一条件を変更する。したがって、上記のような必要性が生じることに伴う煩わしさが抑制され、開閉体を施錠させる施解錠装置の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る施解錠装置の機能構成を例示している。
図2図1の施解錠装置が設置される住宅を例示している。
図3図1の制御装置のプロセッサにより実行される処理の流れの一例を示している。
図4図1の制御装置のプロセッサにより実行される処理の流れの別例を示している。
図5図1の制御装置のプロセッサにより実行される処理の流れの別例を示している。
図6図1の制御装置のプロセッサにより実行される処理の流れの別例を示している。
図7】施解錠装置の機能構成の別例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。
【0011】
図1は、一実施形態に係る施解錠装置10の機能構成を例示している。施解錠装置10は、図2に例示される住宅20のドア21に設置される。本例においては、施解錠装置10は、ドア21の内部に配置されている。
【0012】
施解錠装置10は、ドア21を施解錠機構22に施解錠させる装置である。施解錠機構22は、例えばサムターン221とデッドボルト222を有する。サムターン221が回動されることにより、デッドボルト222がドア21から突出するまたはドア21内に没入することによりドア21が施錠または解錠される。ドア21は、開閉体の一例である。サムターン221は、屋外からの住宅20のユーザによる機械キーの操作により、または屋内からの住宅20のユーザによる手動操作により回動されうる。あるいは、サムターン221は、施解錠装置10より施解錠機構22に内蔵された不図示のモータが作動されることにより回動されてもよい。
【0013】
図1に例示されるように、施解錠装置10は、磁気センサ11を備えている。磁気センサ11は、磁場(磁束密度)を検出し、検出された磁場の強さに応じた第一信号S1を出力するように構成されている。磁気センサ11は、例えば磁気抵抗素子やホール素子などにより実現されうる。本例においては、図2に例示されるように、ドア枠23にマグネット24が設けられており、磁気センサ11はドア21内においてドア21が閉じられたときにマグネット24に対向する位置に設けられている。磁気センサ11は、ドア21の開閉状態に応じて変化するマグネット24による磁場を検出する。図1に例示されるように、磁気センサ11は、ドア21の開閉状態に対応する第一信号S1を出力する。磁気センサ11は、第一センサの一例である。
【0014】
施解錠装置10は、施解錠検出センサ12を備えている。施解錠検出センサ12は、ドア21が施錠されたことを検出し、ドア21の施錠を示す第二信号S2を出力するように構成されている。また、施解錠検出センサ12は、ドア21が解錠されたことを検出し、ドア21の解錠を示す第三信号S3を出力するように構成されている。例えば、施解錠検出センサ12は、サムターン221の回動角度を検出するセンサにより実現されうる。施解錠検出センサ12は、第二センサの一例である。
【0015】
施解錠装置10は、制御装置13を備えている。制御装置13は、入力インタフェース131を備えている。入力インタフェース131は、第一信号S1、第二信号S2、および第三信号S3を受け付けるハードウェアインタフェースとして構成されている。第一信号S1、第二信号S2、および第三信号S3の各々は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。第一信号S1、第二信号S2、および第三信号S3の少なくとも一つがアナログ信号である場合、入力インタフェース131は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0016】
制御装置13は、プロセッサ132を備えている。プロセッサ132は、施解錠機構22の動作を制御するように構成されている。例えば、プロセッサ132は、住宅20のユーザによる携帯が可能な不図示の電子キーまたはモバイル装置からユーザによる解錠指示を受け取った場合に、施解錠機構22にドア21の解錠動作を実行させる第一制御信号CS1を出力する。あるいは、例えば、プロセッサ132は、電子キーまたはモバイル装置を携帯するユーザがドア21に近づき、ユーザの認証が成立した場合に、第一制御信号CS1を出力する。認証処理は、プロセッサ132により行われてもよく、不図示の認証装置により行われてもよい。また、例えば、プロセッサ132は、電子キーまたはモバイル装置からユーザにより施錠指示を受け取った場合に、施解錠機構22にドア21の施錠動作を実行させる第二制御信号CS2を出力する。
【0017】
また、プロセッサ132は、磁気センサ11の磁場検出動作を制御するように構成されている。具体的には、プロセッサ132は、磁気センサ11に磁場の検出動作を実行させる第三制御信号CS3を出力する。また、プロセッサ132は、磁気センサ11に磁場の検出動作を停止させる第四制御信号CS4を出力する。
【0018】
また、プロセッサ132は、ドア21が閉じられていることを示す第一条件を第一信号S1が満たしている場合に、施解錠機構22にドア21の施錠動作を実行させる第二制御信号CS2を出力する。
【0019】
第一条件としては、例えば、第一信号S1に対応する磁場の強さが閾値Th以上であるかが判断される。閾値Thは、ドア21が閉じられた状態で検出される磁場の強さに基づいて設定される。例えば、ユーザは、磁気センサ11とマグネット24の設置時に磁気センサ11により検出された磁場の強さに基づいて閾値Thを設定する。設定された閾値Thは、不図示の記憶装置に格納される。
【0020】
また、プロセッサ132は、ドア21の施錠を示す第二信号S2を受け付けていながら第一信号S1が第一条件を満たしていない場合に、当該第一信号S1がドア21が閉じられていることを示すように第一条件を変更するように構成されている。例えば、閾値Thは、ドア21が閉じられた状態で磁気センサ11から出力される第一信号S1に対応する磁場の強さになるように、更新される。
【0021】
制御装置13は、出力インタフェース133を備えている。プロセッサ132は、施解錠機構22の施解錠動作を制御する第一制御信号CS1と第二制御信号CS2、および磁気センサ11の磁気検出動作を制御する第三制御信号CS3と第四制御信号CS4を、出力インタフェース133から出力するように構成されている。
【0022】
第一制御信号CS1、第二制御信号CS2、第三制御信号CS3、および第四制御信号CS4の各々は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。出力インタフェース133は、ハードウェアインタフェースとして構成されている。第一制御信号CS1と第二制御信号CS2、第三制御信号CS3、および第四制御信号CS4の少なくとも一つがアナログ信号である場合、出力インタフェース133は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0023】
図3を参照しつつ、上記のように構成された制御装置13のプロセッサ132により行われる処理の流れの一例について説明する。
【0024】
図3に例示されるように、プロセッサ132は、ドア21が解錠されたことを検出すると(STEP1)、磁気センサ11に磁場の検出を開始させる(STEP2)。具体的には、プロセッサ132は、ドア21が解錠されたことを示す第三信号S3を受信すると、磁気センサ11に磁場の検出動作を実行させる第三制御信号CS3を出力する。これにより、磁気センサ11が磁場の検出を開始する。ドア21の解錠は、ユーザによる機械キーの操作により、あるいは、ユーザが携帯する電子キーまたはモバイル装置を通じて制御装置13により行われる。
【0025】
続いて、プロセッサ132は、磁気センサ11から出力される第一信号S1が、ドア21が閉じられていることを示す第一条件を満たしているかを判断する(STEP3)。具体的には、プロセッサ132は、磁気センサ11から第一信号S1を受信し、第一信号S1に対応する磁場の強さが閾値Th以上であるかを判断する。
【0026】
第一信号S1が第一条件を満たすと判断されると(STEP3においてYES)、プロセッサ132は、第一信号S1が第一条件を満たしてから所定の時間が経過したかを判断する(STEP4)。所定の時間が経過したと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP4においてNO)。所定の時間は、ユーザにより適宜設定可能である。
【0027】
所定の時間が経過したと判断されると(STEP4においてYES)、プロセッサ132は、施解錠機構22にドア21を施錠させる(STEP5)。具体的には、プロセッサ132は、施解錠機構22にドア21の施錠動作を実行させる第二制御信号CS2を出力する。これにより、ユーザによる施錠操作なしに、ドア21が施錠される。
【0028】
一方、STEP3において、第一信号S1が第一条件を満たさないと判断されると(STEP3においてNO)、プロセッサ132は、ドア21の施錠が検出されたかを判断する(STEP6)。具体的には、プロセッサ132は、ドア21が施錠されたことを示す第二信号S2を受信した場合に、ドア21が施錠されたと判断する。ドア21の施錠が検出されていない判断された場合は(STEP6においてNO)、STEP3の処理に戻る。
【0029】
ドア21の施錠が検出されたと判断されると(STEP6においてYES)、プロセッサ132は、ドア21が閉じられていることを示す第一条件を変更する(STEP7)。具体的には、プロセッサ132は、ドア21の施錠を示す第二信号S2を受信後に取得した第一信号S1に対応する磁場の強さを閾値Thとして設定する(STEP7)。これにより、閾値Thが更新される。
【0030】
続いて、プロセッサ132は、磁気センサ11に磁場の検出を停止させる(STEP8)。具体的には、図2に例示されるように、プロセッサ132は、磁気センサ11に磁場の検出動作を停止させる第四制御信号CS4を出力する。
【0031】
施解錠装置10は、ドア21が閉じられていることを示す第一条件を第一信号S1が満たしている場合、施解錠機構22によりドア21を施錠させる。しかしながら、磁気センサ11の位置ずれや第一信号S1が示す値に影響を及ぼす物体(マグネットを使用した収納など)のドア21への設置などにより、第一信号S1が第一条件を満たさなくなることがある。この場合、施解錠装置10によりドア21を施錠させることができないので、ユーザ自身がドア21を施錠させる必要性が生じる。また、ユーザ自身が、施解錠装置10によりドア21を施錠させることができるように第一条件を変更する必要性が生じる。しかしながら、本実施形態に係る施解錠装置10によれば、ユーザによりドア21が施錠されると、施解錠装置10は、第二信号S2に基づいて、ドア21が閉じられていることを示すように自動的に第一条件を変更する。したがって、上記のような必要性が生じることに伴う煩わしさが抑制され、ドア21を施錠させる施解錠装置10の利便性を高めることができる。
【0032】
なお、STEP2において、プロセッサ132は、ドア21が解錠されてから所定の時間が経過した後に磁気センサ11に磁場の検出を開始させるように構成されてもよい。所定の時間は、例えばドア21が解錠されてからドア21が開かれるまでの時間として想定される最小値に基づいて設定されうる。これにより、STEP3においてドア21が解錠されてドア21が開く前にドア21が施錠されることを防ぐことができる。
【0033】
また、STEP4において、プロセッサ132は、所定の時間が経過する前にドア21の施錠を検出した場合には、STEP5の処理は行わずに、STEP8の処理を実行するように構成されてもよい。例えば、ドア21が自動的に施錠される前に、ユーザにより機械キーあるいは電子キーまたはモバイル装置を用いてドア21が施錠された場合には、プロセッサ132は制御処理を終了してもよい。
【0034】
上記の実施形態においては、STEP6においてドア21の施錠が検出されたと判断された場合に、第一条件が変更されている。しかしながら、プロセッサ132は、ドア21の施錠の検出に加えて、ドア21の解錠からドア21の施錠までの時間に基づいて第一条件の変更を行うように構成されてもよい。
【0035】
例えば、プロセッサ132は、ドア21の解錠を示す第三信号S3を受け付けてからドア21の施錠を示す第二信号S2を受け付けるまでの時間が第一閾値を上回る場合に、第一条件の変更を行うように構成されてもよい。
【0036】
図4を参照しつつ、上記のように構成された制御装置13のプロセッサ132により行われる処理の流れの別例について説明する。図3に例示される処理と実質的に同じ処理については、同一の参照符号を付与して繰り返しとなる説明を省略する。
【0037】
図4に例示されるように、プロセッサ132は、ドア21が解錠されたことを検出すると(STEP1)、不図示の内部タイマによる時間Tの測定を開始する(STEP11)。
【0038】
そして、STEP6においてドア21の施錠が検出されたと判断されると(STEP6においてYES)、時間Tが第一閾値Th1を上回るかを判断する(STEP12)。第一閾値Th1は、不図示の記憶装置に予め格納されている。第一閾値Th1は、例えば、ユーザが意図せずに、ドア21が解錠されて開けられた直後に施錠されるまでの時間として想定される最大値に応じて設定されうる。
【0039】
時間Tが第一閾値Th1を上回ると判断されると(STEP12においてYES)、プロセッサ132は、ドア21が閉じられていることを示す第一条件を変更する(STEP7)。そして、プロセッサ132は、時間Tの測定を終了する(STEP13)。
【0040】
時間Tが第一閾値Th1を上回らないと判断されると(STEP12においてNO)、第一条件を変更せずに、時間Tの測定を終了する(STEP13)。
【0041】
例えば図3のSTEP6とSTEP7では、ユーザがドア21を閉めた後にSTEP4とSTEP5のドア21の施錠が自動的に行われないことに気づいてドア21を施錠したという想定に基づいて第一条件を変更している。しかしながら、ユーザが意図せずに、ドア21が閉められていない状態でドア21の施錠が行われる事態が発生する場合がありうる。例えばいたずらによりドア21が解錠されて開けられた直後にドア21が閉められていない状態でドア21の施錠操作がなされる場合がある。本実施形態に係る施解錠装置10によれば、ドア21の解錠を示す第三信号S3を受け付けてからドア21の施錠を示す第二信号S2を受け付けるまでの時間Tが第一閾値Th1を上回る場合に第一条件を変更している。したがって、いたずらなどの予期せぬ行為により、ユーザの意図しない第一条件の変更がなされることを抑制できる。
【0042】
なお、プロセッサ132は、ドア21の解錠を示す第三信号S3を受け付けてからドア21の施錠を示す第二信号S2を受け付けるまでの時間Tが第一閾値Th1を上回る場合であっても、時間Tが第一閾値Th1よりも長い第二閾値Th2を上回る場合には、第一条件の変更を行ないように構成されてもよい。
【0043】
具体的には、図4に例示されるように、時間Tが第一閾値Th1を上回ると判断されると(STEP12においてYES)、プロセッサ132は、時間Tが第二閾値Th2を上回るかを判断する(STEP14)。第二閾値Th2は、不図示の記憶装置に予め格納されている。第二閾値Th2は、例えば、ユーザが意図せずに、ドア21が開いた状態が長時間継続した後に施錠されると想定される最小の時間に応じて設定されうる。
【0044】
時間Tが第二閾値Th2を上回らないと判断されると(STEP14においてNO)、プロセッサ132は、第一条件を変更する(STEP7)。
【0045】
時間Tが第二閾値Th2を上回ると判断されると(STEP14においてYES)、プロセッサ132は、第一条件を変更せずに、時間Tの測定を終了する(STEP13)。
【0046】
このような構成によれば、例えばドア21の工事などでドア21が解錠されて開けられた状態で作業がなされた後に動作確認で施錠操作がなされる場合など、ユーザの意図しない第一条件の変更がなされることを抑制できる。
【0047】
これまで説明した各種の機能を有する制御装置13のプロセッサ132は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されうる。この場合、当該記憶素子は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0048】
あるいは、プロセッサ132は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されうる。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。この場合、当該汎用メモリは、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。当該コンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、制御装置13が接続可能な無線通信ネットワークを介して外部サーバ装置からダウンロードされた後、汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、当該外部サーバ装置は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0049】
プロセッサ132は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。
【0050】
これまで説明した各構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。例示された各構成は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や他の構成との組合せがされうる。
【0051】
上記の実施形態例においては、磁気センサ11は、ドア枠23に設けられたマグネット24による磁場の変化を検出している。しかしながら、例えばドア枠23が磁性材料で構成されている場合は、マグネット24は使用されなくてもよい。
【0052】
上記の実施形態例においては、施解錠装置10は、第一センサとして磁気センサ11を備えており、磁気センサ11により検出された磁場の変化に基づきドア21の開閉状態を検出している。しかしながら、施解錠装置10は、第一センサとして、磁気センサ11の代わりに、受光部を備えてもよい。この場合、例えば、発光部が、ドア枠23におけるドア21が閉じられたときに受光部に対向する位置に設けられうる。あるいは、施解錠装置10は、受光部と共に発光部を有しており、反射板が、ドア枠23におけるドア21が閉じられたときに受光部と発光部に対向する位置に設けられうる。受光部は、ドア21の開閉状態に応じて変化する発光部から出射された光を検出し、検出された光の強さに応じて信号を出力するようにこうせいされる。あるいは、施解錠装置10は、第一センサとして、磁気センサ11や受光部の代わりに、加速度センサを備えてもよい。この場合、加速度センサは、ドア21の開閉状態に応じて変化する加速度を検出し、検出された加速度に応じた信号を出力するように構成される。
【0053】
上記の実施形態例においては、図3図4に例示されるように、プロセッサ132は、ドア21の解錠から自動施錠を行う一連の制御処理の中で第一条件の変更を行うように構成されている。しかしながら、プロセッサ132は、第一条件の変更を行う制御処理のみを行うように構成されてもよい。
【0054】
図5を参照しつつ、このような場合に制御装置13のプロセッサ132により行われる処理の流れの別例について説明する。図3に例示される処理と実質的に同じ処理については、同一の参照符号を付与して繰り返しとなる説明を省略する。
【0055】
図5に例示されるように、プロセッサ132は、STEP2において磁気センサ11に磁場の検出を開始させた後、ドア21の施錠が検出されたかを判断する(STEP21)。具体的には、プロセッサ132は、ドア21が施錠されたことを示す第二信号S2を受信した場合に、ドア21が施錠されたと判断する。ドア21の施錠が検出されていないと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP21においてNO)。
【0056】
ドア21の施錠が検出されたと判断されると(STEP21においてYES)、プロセッサ132は、磁気センサ11から出力される第一信号S1が、ドア21が閉じられていることを示す第一条件を満たしているかを判断する(STEP22)。
【0057】
第一信号S1が第一条件を満たすと判断されると(STEP22においてYES)、プロセッサ132は、磁気センサ11に磁場の検出を停止させる(STEP8)。
【0058】
第一信号S1が第一条件を満たさないと判断されると(STEP22においてNO)、プロセッサ132は、ドア21が閉じられていることを示す第一条件を変更する(STEP7)。具体的には、プロセッサ132は、ドア21の施錠を示す第二信号S2を受信後に取得した第一信号S1に対応する磁場の強さを閾値Thとして設定する(STEP7)。これにより、閾値Thが更新される。
【0059】
このような構成においても、施解錠装置10により自動的に第一条件が変更されるので、ドア21を施錠させる施解錠装置10の利便性を高めることができる。
【0060】
なお、STEP22において第一信号S1が第一条件を満たさないと判断された場合に、プロセッサ132は、ドア21の解錠からドア21の施錠までの時間Tに基づいて第一条件の変更を行うように構成されてもよい。
【0061】
例えば図6に示されるように、プロセッサ132は、ドア21が解錠されたことを検出すると(STEP1)、不図示の内部タイマによる時間Tの測定を開始する(STEP31)。
【0062】
そして、STEP22において第一信号S1が第一条件を満たさないと判断されると(STEP22においてNO)、時間Tが第一閾値Th1を上回るかを判断する(STEP32)。
【0063】
時間Tが第一閾値Th1を上回ると判断されると(STEP32においてYES)、プロセッサ132は、ドア21が閉じられていることを示す第一条件を変更する(STEP7)。
【0064】
時間Tが第一閾値Th1を上回らないと判断されると(STEP32においてNO)、第一条件を変更せずに、時間Tの測定を終了する(STEP33)。
【0065】
なお、プロセッサ132はさらに、図6に例示されるように、時間Tが第二閾値Th2を上回らないと判断された場合に(STEP34においてNO)、第一条件を変更する(STEP7)ように構成されてもよい。
【0066】
このような構成によれば、ユーザが意図せずに、ドア21が閉められていない状態でドア21の施錠が行われる事態の発生を抑制できる。
【0067】
上記の実施形態例においては、施解錠装置10は、ドア21内に配置されている。しかしながら、図2に例示されるように、施解錠装置10Aは、ドア21の外側に設置されうる。例えば、施解錠装置10Aは、サムターン221を覆うように設置されうる。
【0068】
図7は、施解錠装置10Aの機能構成を例示している。図1に例示される処理と実質的に同じ処理については、同一の参照符号を付与して繰り返しとなる説明を省略する。
【0069】
施解錠装置10は、駆動部14を有している。駆動部14は、施解錠機構22を駆動するように構成されている。駆動部14は、制御装置13から出力される第一制御信号CS1または第二制御信号CS2に基づいて、施解錠機構22を駆動する。例えば、駆動部14は、サムターン221と係合するように構成されており、第一制御信号CS1または第二制御信号CS2に基づいてサムターン221を回動させる。
【0070】
施解錠装置10は、図2に例示されるように、ユーザによるサムターン221の回動操作を受け付ける操作部15を有してもよい。操作部15は、例えばサムターン221と係合するように構成されている。ユーザは、操作部15を回動させることにより、サムターン221を回動させることができる。
【0071】
このような構成によれば、施解錠装置10Aを後からドア21に設置することができる。
【0072】
施解錠装置10、10Aは、住宅20以外の建物のドアに設置されうる。
【符号の説明】
【0073】
10、10A:施解錠装置、11:磁気センサ(第一センサ)、12:施解錠検出センサ(第二センサ)、13:制御装置、20:住宅、21:ドア、22:施解錠機構、23:ドア枠、24:マグネット、131:入力インタフェース、132:プロセッサ、133:出力インタフェース、221:サムターン、222:デッドボルト、CS1:第一制御信号、CS2:第二制御信号、CS3:第三制御信号、CS4:第四制御信号、S1:第一信号、S2:第二信号、S3:第三信号、T:時間、Th:閾値、Th1:第一閾値、Th2:第二閾値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7