(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094880
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】ダンプトラック
(51)【国際特許分類】
B60P 1/04 20060101AFI20240703BHJP
B60K 8/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B60P1/04 Z
B60K8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211765
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 佑太
(72)【発明者】
【氏名】前田 良輔
(72)【発明者】
【氏名】石川 悠喜
(72)【発明者】
【氏名】黒田 将史
(72)【発明者】
【氏名】上阪 周平
【テーマコード(参考)】
3D235
【Fターム(参考)】
3D235AA06
3D235AA19
3D235BB26
3D235BB57
3D235CC22
3D235FF02
3D235FF44
3D235FF47
3D235HH16
3D235HH31
(57)【要約】
【課題】排土性を向上し且つ消費電力を削減することができる。
【解決手段】ダンプトラックは、車体フレームに対して回動自在に結合され且つ積載物を搭載するダンプボディを備えるダンプトラックにおいて、超音波を発する超音波機器を備え、前記超音波機器は、前記ダンプボディに設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームに対して回動自在に結合され且つ積載物を搭載するダンプボディを備えるダンプトラックにおいて、
超音波を発する超音波機器を備え、
前記超音波機器は、前記ダンプボディに設けられる、
ダンプトラック。
【請求項2】
前記超音波機器は、前記ダンプボディの前側下部に設けられる、
請求項1に記載のダンプトラック。
【請求項3】
前記ダンプトラックは、内燃機関を有しない、
請求項1又は2に記載のダンプトラック。
【請求項4】
前記ダンプトラックは、水素を燃料とする駆動源を有する、
請求項1又は2に記載のダンプトラック。
【請求項5】
前記超音波機器は、オペレータからの指令により作動する、
請求項1又は2に記載のダンプトラック。
【請求項6】
前記超音波機器は、前記ダンプトラックで発生する余剰電力を用いて作動する、
請求項1又は2に記載のダンプトラック。
【請求項7】
前記超音波機器は、
電力を電気信号に変換する発振器と、
前記発振器により変換された前記電気信号を超音波振動に変える振動子と、を備え、
前記発振器は、前記車体フレームに設けられ、
前記振動子は、前記ダンプボディに設けられる、
請求項1又は2に記載のダンプトラック。
【請求項8】
前記発振器及び前記振動子は、前記ダンプボディの着座状態で通電する、
請求項7に記載のダンプトラック。
【請求項9】
前記振動子は、前記ダンプボディの前側下部の外側隅部に設けられる、
請求項7に記載のダンプトラック。
【請求項10】
前記ダンプボディは、
前記ダンプボディの内側に設けられ、前記積載物が搭載される内壁と、
前記内壁に対して前記ダンプボディの外側に設けられる外壁と、を備え、
前記振動子は、前記内壁と外壁との間に設けられる、
請求項7に記載のダンプトラック。
【請求項11】
前記内壁は、前記ダンプボディの着座状態で下方に向かって湾曲又は屈曲する内側底部を有し、
前記振動子は、前記内側底部において前記積載物が搭載される部分とは反対側の面に設けられる、
請求項10に記載のダンプトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンプトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンニュートラルに向けて、鉱山機械及び建設機械等のゼロエミッション化が急務である。ゼロエミッション化を図るための有力な案として、バッテリを備えたトロリー車や燃料電池車がある。既存のダンプトラックでは、エンジンの排気ガスの廃熱を利用してダンプボディを加熱している。これにより、寒冷地での運搬土砂の凍結を防止したり、粘性の高い土砂を乾燥させたりして、排土性を高めている。しかし、バッテリを備えたトロリー車や燃料電池車では、エンジン車に対して廃熱の温度が低い。そのため、バッテリを備えたトロリー車や燃料電池車において排土性を向上させるためには、廃熱を利用したダンプボディの加熱に代わる仕組みが必要とされる。
【0003】
例えば、特許文献1には、荷台を加熱する荷台加熱手段を有するダンプトラックが開示されている。荷台加熱手段は、荷台に設けられた電熱線を含む。例えば、リターダブレーキ操作によって発生する電力を熱エネルギーに変換する抵抗器を有する電気駆動式のダンプトラックの場合は、電熱線は、抵抗器の一部から構成される。例えば、バッテリ及び制御ユニットを備えるダンプトラックの場合は、制御ユニットによってバッテリから電力を電熱線に供給する。例えば、架線から電力を得る集電装置を有するトロリー式のダンプトラックの場合は、集電装置によって架線から得た電力を電熱線に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、電熱線は局所的に熱が伝わることから、荷台における電熱線の設置態様によっては、電熱線に過大な電力を供給する必要が生じる。そのため、消費電力を削減する上で改善の余地がある。
【0006】
そこで本発明は、排土性を向上し且つ消費電力を削減することができるダンプトラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るダンプトラックは、車体フレームに対して回動自在に結合され且つ積載物を搭載するダンプボディを備えるダンプトラックにおいて、超音波を発する超音波機器を備え、前記超音波機器は、前記ダンプボディに設けられる。
【発明の効果】
【0008】
上記態様によれば、排土性を向上し且つ消費電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るダンプトラックの側面図。
【
図2】第1実施形態に係るダンプボディにおける超音波機器の設置場所の説明図。
【
図3】第1実施形態に係る内側底部における振動子の設置場所の説明図。
【
図4】第1実施形態に係る燃料電池システムにおける走行中の電気等の流れの説明図。
【
図5】第1実施形態に係る燃料電池システムにおける回生中の電気等の流れの説明図。
【
図6】第2実施形態に係るダンプトラックの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態においては、燃料電池システムを構成する作業車両として、鉱山などの作業現場を走行して積荷を運搬する運搬車両であるダンプトラックを挙げて説明する。
【0011】
<第1実施形態>
<ダンプトラック>
図1は、第1実施形態に係るダンプトラック2の側面図である。
図2は、第1実施形態に係るダンプボディ12における超音波機器40の設置場所の説明図である。
図3は、第1実施形態に係る内側底部63における振動子42の設置場所の説明図である。
図1から
図3を併せて参照し、ダンプトラック2は、水素を燃料とする駆動源30を搭載した車体フレーム10と、車体フレーム10と回動部11で回動自在に結合され且つ積載物を搭載するダンプボディ12(ベッセルに相当)と、車体フレーム10を支持する走行装置13と、を備える。
【0012】
本実施形態では、ダンプトラック2は、内燃機関を有しない。ダンプトラック2では、内燃機関の排気ガスは生じない。例えば、ダンプトラック2は、運転者による運転操作によらずに無人で駆動する無人ダンプトラックでもよいし、運転者による運転操作に基づいて駆動する有人ダンプトラックでもよい。
【0013】
以下、ダンプトラック2の前進方向(車体前方)、後進方向(車体後方)及び車両幅方向(車体左右方向)を「車両前方(車両前後方向一方側)」、「車両後方(車両前後方向他方側)」及び「車両幅方向」と称する。車両幅方向は、「左側(車両幅方向一方側)」又は「右側(車両幅方向他方側)」と称する場合もある。ダンプトラック2が前進する方向に対して右手を右側、ダンプトラック2が前進する方向に対して左手を左側と称する。ダンプトラック2の車両上下方向(車体上下方向)、車両上方(車体上方)及び車両下方(車体下方)を単に「上下方向」、「上方」及び「下方」と称する。図の例では、ダンプトラック2は、水平面(水平な地面)に配置されている。ダンプトラック2の車両上下方向(車体上下方向)、車両上方(車体上方)及び車両下方(車体下方)は、ダンプトラック2が水平面に配置された状態の上下方向(鉛直方向)、鉛直上方及び鉛直下方とそれぞれ一致する。
【0014】
車体フレーム10は、車両前後方向に延びている。車体フレーム10は、回動部11を介して、ダンプボディ12を回動自在に支持する。回動部11は、車体フレーム10上において車両幅方向に延びる軸部(ダンプボディ12の回動中心軸に相当)を含む部分である。車体フレーム10は、走行装置13に支持されている。
【0015】
ダンプボディ12は、車体フレーム10と回動部11で回動自在に結合される。ダンプボディ12は、積荷が積載される部材(荷台に相当)である。ダンプボディ12の少なくとも一部は、車体フレーム10よりも上方に配置される。ダンプボディ12は、ダンプ動作及び下げ動作を行うことが可能である。
【0016】
ダンプ動作とは、ダンプボディ12を車体フレーム10から離隔させてダンプ方向に傾斜させる動作を意味する。ダンプ方向は、車体フレーム10の後方である。実施形態において、ダンプ動作は、ダンプボディ12の前端部を上昇させて、ダンプボディ12を後方に傾斜させることを含む。ダンプ動作により、ダンプボディ12の積載面は、後方に向かって下方に傾斜する。
【0017】
下げ動作とは、ダンプボディ12を車体フレーム10に接近させる動作を意味する。下げ動作は、ダンプ動作とは逆方向の動作である。実施形態において、下げ動作は、ダンプボディ12の前端部を下降させることを含む。
【0018】
ダンプ動作及び下げ動作により、ダンプボディ12は、ダンプ姿勢及び積載姿勢に調整される。ダンプ姿勢とは、ダンプボディ12が上昇している姿勢を意味する。積載姿勢とは、ダンプボディ12が下降している姿勢を意味する。
図1の例では、積載姿勢のダンプボディ12を実線で示し、ダンプ姿勢のダンプボディ12を二点鎖線で示している。
【0019】
例えば、排土作業を実施する場合、ダンプボディ12は、積載姿勢からダンプ姿勢に変化するように、ダンプ動作する。ダンプボディ12に積荷が積載されている場合、積荷は、ダンプ動作により、ダンプボディ12の後端部から後方に排出される。一方、積込作業が実施される場合、ダンプボディ12は、積載姿勢に調整される。
【0020】
ダンプボディ12は、運転室15を上方から保護するプロテクタ16を備える。プロテクタ16は、ダンプボディ12が積載姿勢にあるときは運転室15を上方から覆うように配置される。プロテクタ16は、ダンプボディ12の前端側に設けられている。プロテクタ16は、運転室15よりも上方に配置されている。プロテクタ16は、車両幅方向に延びている。例えば、運転室15は、車両幅方向中央よりも車両左側に配置されている。
【0021】
運転室15は、プラットフォーム17に支持されている。プラットフォーム17は、車体フレーム10の前部上方に設けられている。プラットフォーム17は、オペレータの運転室15への乗降時の足場確保のために設けられている。プラットフォーム17は、ダンプトラック2の搭載機器の整備時の足場確保のために設けられている。プラットフォーム17は、プロテクタ16よりも下方に配置されている。プラットフォーム17は、車輪21,22よりも上方に配置されている。プラットフォーム17は、車両幅方向に延びている。プラットフォーム17は、車両前後方向及び車両幅方向に平行な板状に形成されている。
【0022】
走行装置13は、車体フレーム10を支持する。走行装置13は、ダンプトラック2を走行させる。走行装置13は、ダンプトラック2を前進又は後進させる。走行装置13の少なくとも一部は、車体フレーム10よりも下方に配置される。走行装置13は、複数の車輪21,22を備える。複数の車輪21,22は、前輪21と、前輪21よりも後方に配置される後輪22と、を含む。
【0023】
前輪21は、ダンプトラック2の進行方向を変えるために操舵される操舵輪である。前輪21は、左右一対配置されている。左右一対の前輪21は、車体フレーム10の前部を介して車両幅方向に間隔をあけて配置されている。前輪21は、左右に1つずつ(計2つ)設けられている。
【0024】
後輪22は、駆動源30により駆動される駆動輪である。後輪22は、左右一対配置されている。左右一対の後輪22は、車体フレーム10の後部を介して車両幅方向に間隔をあけて配置されている。後輪22は、左右に2つずつ(計4つ)設けられている。
【0025】
<超音波機器>
ダンプトラック2は、超音波を発する超音波機器40を備える。超音波機器40は、ダンプボディ12に設けられる。本実施形態では、超音波機器40は、ダンプボディ12の前側下部に設けられる。ダンプボディ12の積荷と接する前側下部は、ダンプボディ12の後部と比較して土砂や砕石等の積荷(図示略)が付着しやすい。
【0026】
本実施形態では、超音波機器40は、オペレータからの指令により作動する。例えば、オペレータは、寒冷地において運搬土砂が凍結する前に超音波機器40を作動させてもよい。例えば、オペレータは、粘性の高い土砂が固着する前に超音波機器40を作動させてもよい。例えば、超音波機器40の作動タイミングは、上記に限らず、設計仕様に応じて変更することができる。
【0027】
超音波機器40は、電力を電気信号に変換する発振器41と、発振器41により変換された電気信号を超音波振動に変える振動子42と、を備える。発振器41は、車体フレーム10に設けられる。振動子42は、ダンプボディ12に設けられる。
【0028】
発振器41及び振動子42は、ダンプボディ12の着座状態で通電する。ダンプボディ12の着座状態は、ダンプボディ12が積載姿勢(ダンプボディ12が下降している姿勢)にある状態を意味する。
図1の例では、ダンプボディ12の着座状態を実線で示す。
【0029】
発振器41は、前輪21と後輪22との間に設けられる。発振器41は、車両幅方向における車体フレーム10の外側部に設けられる。例えば、車体フレーム10の外側部には、発振器41を支持するための支持部材(例えば、ブラケット等)が設けられてもよい。
【0030】
振動子42は、ダンプボディ12の前側下部の外側隅部60に設けられる。外側隅部60は、車両幅方向におけるダンプボディ12の外側の角部に相当する。
図2の例では、2個の振動子42がダンプボディ12の前側下部の両外側隅部60に1つずつ設けられている。なお、振動子42の個数は、上記に限らない。例えば、振動子42の数は、1個又は3個以上であってもよい。例えば、振動子42の個数は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0031】
ダンプボディ12は、ダンプボディ12の内側に設けられ、積載物が搭載される内壁61と、内壁61に対してダンプボディ12の外側に設けられる外壁62と、を備える。振動子42は、内壁61と外壁62との間に設けられる。
図3においては、外壁62の図示を省略している。
【0032】
内壁61は、ダンプボディ12の着座状態で下方に向かって湾曲又は屈曲する内側底部63を有する。
図3の例では、内側底部63は、前側下方に向かって弧状に湾曲している。振動子42は、内側底部63において積載物が搭載される部分とは反対側の面64(以下「底部下面64」ともいう。)に設けられる。
【0033】
本実施形態では、発振器41及び振動子42は、配線50(電線に相当)により互いに接続されている。配線50は、車体フレーム10に設けられる第1部分51と、ダンプボディ12に設けられる第2部分52と、を含む。
【0034】
第1部分51の上流端は、発振器41に接続されている。例えば、第1部分51は、発振器41から回動部11の近傍まで延びている。例えば、第1部分51と第2部分52とを回動部11の近傍で結合する部分には、配線50自体とは別に、屈曲自在又は伸縮自在な部材が設けられてもよい。
【0035】
第2部分52の下流端は、振動子42に接続されている。例えば、第2部分52は、回動部11の近傍から振動子42まで延びている。例えば、第2部分52の少なくとも一部は、内壁61と外壁62との間に設けられてもよい。
【0036】
ダンプボディ12は、ダンプボディ12の一面に沿うリブ65を備える。例えば、リブ65は、ダンプボディ12の補強部材として機能する。例えば、第2部分52の少なくとも一部は、リブ65に沿って設けられてもよい。例えば、リブ65は、矩形断面形状を有してもよい。例えば、第2部分52の少なくとも一部は、リブ65の内部空間に配置されてもよい。
【0037】
ダンプボディ12は、ダンプボディ12を補強するためのクロスメンバ66を備える。クロスメンバ66は、車両幅方向に延びる。例えば、クロスメンバ66は、U字断面形状に形成される。クロスメンバ66は、底部下面64に設けられる。例えば、クロスメンバ66は、底部下面64に溶接等で接合されている。
【0038】
クロスメンバ66は、複数のリブ65に結合されている。
図3の例では、クロスメンバ66は、ダンプボディ12の下面(ダンプボディ12の一面に一例)に沿って前後方向に延びる複数のリブ65の前端側上部に結合されている。クロスメンバ66は、ダンプボディ12の前面(ダンプボディ12の一面に一例)に沿って上下方向に延びるリブ65の下端にも結合されている。
【0039】
例えば、振動子42は、底部下面64においてクロスメンバ66の外側部分に設けられてもよい。クロスメンバ66の外側部分は、底部下面64においてクロスメンバ66の外側空間に面する部分に相当する。以下、クロスメンバ66の外側部分に設けられる振動子42Aを「メンバ外側振動子42A」ともいう。
図3の例では、1個のメンバ外側振動子42Aが示されている。なお、メンバ外側振動子42Aの個数は、上記に限らず、2個以上であってもよい。例えば、メンバ外側振動子42Aの個数は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0040】
例えば、振動子42は、底部下面64においてクロスメンバ66の内側部分に設けられてもよい。クロスメンバ66の内側部分は、底部下面64においてクロスメンバ66の内側空間に面する部分に相当する。以下、クロスメンバ66の内側部分に設けられる振動子42Bを「メンバ内側振動子42B」ともいう。
図3の例では、1個のメンバ内側振動子42Bが示されている。なお、メンバ内側振動子42Bの個数は、上記に限らず、2個以上であってもよい。例えば、メンバ内側振動子42Bの個数は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0041】
<燃料電池システム>
図4は、第1実施形態に係る燃料電池システム1における走行中の電気等の流れの説明図である。
図5は、第1実施形態に係る燃料電池システム1における回生中の電気等の流れの説明図である。図中において、電気の流れを実線矢印、水素の流れを破線矢印、生成水(水)の流れを一点鎖線矢印でそれぞれ示す。
【0042】
図4及び
図5を併せて参照し、燃料電池システム1(システムの一例)は、駆動源30(FCスタックに相当)と、水素タンク31と、走行モータ35と、バッテリ36と、超音波機器40と、を備える。例えば、燃料電池システム1の構成要素は、超音波機器40の振動子42等(配線50の第2部分52を含む)を除き、車体フレーム10に搭載されている。
【0043】
駆動源30は、燃料ガスである水素と酸化ガスである酸素とを化学反応させて発電する燃料電池(FC)である。例えば、燃料電池は、複数の単位セルが積層されたスタック構造を有する。例えば、燃料電池は、外気に含まれる酸素を利用して発電する。なお、燃料電池は、酸化ガス供給装置(不図示)により酸素を含む空気が供給されてもよい。
【0044】
水素タンク31は、水素を貯蔵するタンクである。例えば、水素タンク31は、円筒形状を有することが好ましい。図の例では、1個の水素タンク31を示している。なお、水素タンク31の形状及び個数は、上記に限らない。例えば、水素タンク31は、扁平形状であってもよい。例えば、水素タンク31の数は、2個以上であってもよい。例えば、水素タンク31の形状及び個数は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0045】
走行モータ35は、ダンプトラック2を走行させるためのモータである。走行モータ35は、駆動源30と電気的に接続されている。走行モータ35は、走行装置13の後輪22に接続されている。走行モータ35が発生した回転力は、走行装置13の後輪22に伝達される。
【0046】
例えば、バッテリ36は、リチウムイオンバッテリ等の二次電池である。バッテリ36は、走行モータ35と電気的に接続されている。例えば、バッテリ36に充電された電力は、ダンプトラック2の力行時の駆動エネルギーとして利用される。バッテリ36は、ダンプトラック2の降坂又は減速時に発生する走行モータ35の回生電力を蓄える。なお、バッテリ36は、駆動源30で発生した電力を蓄えてもよい。
【0047】
超音波機器40は、電力を用いて超音波を発する。本実施形態では、超音波機器40が発した超音波により、ダンプボディ12に搭載される積載物に含まれる水分を振動させる。例えば、粘土質の土(積載物の一例)も水分が含まれるため、超音波により水分を振動させることで、排土性の向上に寄与する。本実施形態では、排土性を向上させるために、エンジン(内燃機関)の排気ガスの廃熱を利用したダンプボディ12の加熱に代えて、超音波を利用している。
【0048】
超音波機器40は、走行モータ35と電気的に接続されている。超音波機器40は、ダンプトラック2で発生する余剰電力を用いて作動する。例えば、超音波機器40は、電力として、ダンプトラック2の降坂又は減速時に発生する走行モータ35の回生電力を用いる。超音波機器40は、電力として、走行モータ35が発生する回生電力のうちバッテリ36に充電されない余剰電力を用いる。
【0049】
例えば、バッテリ36に充電可能な電力(以下「バッテリ容量」ともいう。)、走行モータ35が発生する回生電力(以下「モータ発電量」ともいう。)に関する情報は、コントローラ(不図示)に入力されてもよい。例えば、コントローラは、モータ発電量がバッテリ容量を超えたときに、走行モータ35が発生する回生電力がバッテリ36に充電されないと判断してもよい。例えば、コントローラは、モータ発電量からバッテリ容量(具体的には、バッテリ36の残容量)を引いた分を余剰電力として算出してもよい。
【0050】
<走行中の電気等の流れ>
次に、
図4等を参照してダンプトラック2の走行中の電気等の流れの一例を説明する。
駆動源30には、水素タンク31内の水素が供給される。駆動源30は、燃料ガスである水素と酸化ガスである酸素とを化学反応させて発電する。駆動源30は、外気に含まれる酸素を利用して発電する。駆動源30から生成された生成水は、排水(例えば、外部に排出)される。
【0051】
駆動源30で発生した電力(以下「FC出力」ともいう。)は、走行モータ35の駆動エネルギーとして利用される。走行モータ35の駆動により、駆動輪である後輪22が回転する。これにより、ダンプトラック2が走行する。バッテリ36に充電された電力は、ダンプトラック2の力行時(例えば、積車走行、登坂時など)における走行モータ35の駆動エネルギーとして利用される。FC出力の不足分は、バッテリ36が放電して補う。
【0052】
<回生中の電気等の流れ>
次に、
図5等を参照してダンプトラック2の回生中(例えば、降坂又は減速中)の電気等の流れの一例を説明する。
バッテリ36には、ダンプトラック2の降坂又は減速時に発生する走行モータ35の回生電力が充電される。走行モータ35が発生する回生電力のうちバッテリ36に充電されない余剰電力は、超音波機器40が用いる電力として利用される。
【0053】
超音波機器40では、余剰電力により、発振器41及び振動子42が通電する。発振器41は、余剰電力を電気信号に変換する。振動子42は、発振器41により変換された電気信号を超音波振動に変える。発振器41の超音波振動(超音波機器40が発した超音波に相当)により、ダンプボディ12に搭載される積載物に含まれる水分が振動する。これにより、超音波機器40は、排土性向上のための手段として利用される。
【0054】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態のダンプトラック2は、車体フレーム10に対して回動自在に結合され且つ積載物を搭載するダンプボディ12を備える。ダンプトラック2は、超音波を発する超音波機器40を備える。超音波機器40は、ダンプボディ12に設けられる。
この構成によれば、超音波機器40が発する超音波により、ダンプボディ12に搭載される積載物に含まれる水分を振動させることで、排土性を向上することができる。加えて、荷台に電熱線を設ける場合と比較して、過大な電力を供給する必要はない。したがって、排土性を向上し且つ消費電力を削減することができる。
【0055】
本実施形態では、超音波機器40は、ダンプボディ12の前側下部に設けられる。
ダンプボディ12の前側下部は、ダンプボディ12の後部と比較して土砂や砕石等の積荷が付着しやすい。そのため、超音波機器40がダンプボディ12の後部に設けられる場合と比較して、より効果的に排土性を向上し且つ消費電力を削減することができる。
【0056】
本実施形態では、ダンプトラック2は、内燃機関を有しない。
この構成によれば、内燃機関の排気ガスは生じない。そのため、カーボンニュートラルに向けたゼロエミッション化を図ることができる。例えば、内燃機関の排気ガスの廃熱を利用してダンプボディ12を加熱する場合は、排気ガスによる煤の蓄積、熱による塗装焼けの問題が生じる可能性が高い。これに対し本構成によれば、排気ガスの廃熱を利用したダンプボディ12の加熱に代えて、超音波を利用しているため、上記の問題は生じない。したがって、塗装焼け等を防止することができ、外観品質の向上に寄与する。
【0057】
本実施形態では、ダンプトラック2は、水素を燃料とする駆動源30を有する。
この構成によれば、水素を燃料とした駆動が可能となるため、カーボンニュートラルに向けたゼロエミッション化を図ることができる。
【0058】
本実施形態では、超音波機器40は、オペレータからの指令により作動する。
この構成によれば、超音波機器40を任意のタイミングで作動させることができる。そのため、超音波機器40を常時作動させる場合と比較して、消費電力を削減することができる。
【0059】
本実施形態では、超音波機器40は、ダンプトラック2で発生する余剰電力を用いて作動する。
この構成によれば、ダンプトラック2で発生する余剰電力を、超音波機器40を作動させるための電力として有効に利用することができる。したがって、余剰電力のロスを抑制することができる。
【0060】
本実施形態では、超音波機器40は、電力を電気信号に変換する発振器41と、発振器41により変換された電気信号を超音波振動に変える振動子42と、を備える。発振器41は、車体フレーム10に設けられる。振動子42は、ダンプボディ12に設けられる。
この構成によれば、発振器41及び振動子42をそれぞれ車体フレーム10及びダンプボディ12に対して別々に設けることができるため、発振器41及び振動子42のレイアウトの自由度を高めることができる。例えば、発振器41及び振動子42が一体型の超音波機器40をダンプボディ12に設ける場合と比較して、ダンプボディ12のデッドスペースを利用して振動子42を配置することができる。
【0061】
本実施形態では、発振器41及び振動子42は、ダンプボディ12の着座状態で通電する。
この構成によれば、超音波機器40をダンプボディ12の着座状態で作動させることができる。そのため、超音波機器40を常時作動させる場合(例えば、着座状態及びダンプ状態の両方で作動させる場合)と比較して、消費電力を削減することができる。なお、ダンプ状態は、ダンプボディ12がダンプ姿勢(ダンプボディ12が上昇している姿勢)にある状態(排土時に相当)を意味する。
【0062】
本実施形態では、振動子42は、ダンプボディ12の前側下部の外側隅部60に設けられる。
この構成によれば、ダンプボディ12の前側下部の外側隅部60から振動子42により超音波振動が付与される。ダンプボディ12の前側下部の外側隅部60は、ダンプボディ12の前側下部の中でも特に土砂や砕石等の積荷が付着しやすい。そのため、振動子42がダンプボディ12の前側下部の中央部(車両幅方向の中央部)に設けられる場合と比較して、より効果的に排土性を向上し且つ消費電力を削減することができる。
【0063】
本実施形態では、ダンプボディ12は、ダンプボディ12の内側に設けられ、積載物が搭載される内壁61と、内壁61に対してダンプボディ12の外側に設けられる外壁62と、を備える。振動子42は、内壁61と外壁62との間に設けられる。
この構成によれば、ダンプボディ12の内壁61及び外壁62により、振動子42を保護することができる。したがって、振動子42に外的要因(例えば、飛び石等)が及ぶことを回避することができる。
【0064】
本実施形態では、内壁61は、ダンプボディ12の着座状態で下方に向かって湾曲又は屈曲する内側底部63を有する。振動子42は、内側底部63において積載物が搭載される部分とは反対側の面64に設けられる。
ダンプボディ12の内側底部63は、ダンプボディ12の内壁61の中でも特に土砂や砕石等の積荷が付着しやすい。そのため、内側底部63において積載物が搭載される部分とは反対側の面64から振動子42により超音波振動が付与されることで、より効果的に排土性を向上し且つ消費電力を削減することができる。
【0065】
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態に係るダンプトラック2の側面図である。第1実施形態では、発振器41及び振動子42が配線50により互いに接続されている例(
図1参照)を挙げて説明した。第2実施形態では、
図6に示すように、発振器241及び振動子242が端子241T,242T(接点の一例)により互いに接続される点で第1実施形態と相違している。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
図6を併せて参照し、本実施形態では、発振器241及び振動子242は、端子241T,242Tにより互いに接続される。以下、発振器241が有する端子241Tを「発振器側端子241T」、振動子242が有する端子242Tを「振動子側端子242T」ともいう。発振器側端子241Tは、発振器241と共に車体フレーム10に設けられる。振動子側端子242Tは、振動子242と共にダンプボディ12に設けられる。
【0067】
本実施形態では、振動子側端子242Tは、ダンプボディ12の着座状態で発振器側端子241Tと接触する。一方、振動子側端子242Tは、ダンプボディ12のダンプ状態では発振器側端子241Tと接触しない。本実施形態では、発振器241及び振動子242は、ダンプボディ12の着座状態で通電し、ダンプ状態では通電しない。
【0068】
例えば、ダンプボディ12と車体フレーム10との間には、ダンプボディ12が動作する際に車体フレーム10から受ける衝撃を和らげる緩衝部材として機能するパッドが設けられてもよい。ダンプボディ12と車体フレーム10との間にパッドが設けられる場合は、パッドの中心に端子を配置することが好ましい。例えば、ダンプボディ12にパッドが設けられる場合は、パッドの下面中心に振動子側端子242Tを配置することが好ましい。
【0069】
<作用効果>
本実施形態では、発振器241及び振動子242は、端子241T,242Tにより互いに接続される。
この構成によれば、発振器241及び振動子242を接続するための配線50が不要となる。したがって、配線50の部品点数を削減し、低コスト化を図ることができる。加えて、配線50の設置作業に手間をかけずに済む。
【0070】
本実施形態では、発振器241及び振動子242は、ダンプボディ12の着座状態で通電し、ダンプ状態では通電しない。
この構成によれば、発振器241及び振動子242を常時通電させる場合(例えば、着座状態及びダンプ状態の両方で通電させる場合)と比較して、消費電力を削減することができる。
【0071】
<変形例>
上述した実施形態では、超音波機器は、ダンプボディの前側下部に設けられる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、超音波機器は、ダンプボディの前側下部に設けられなくてもよい。例えば、超音波機器は、ダンプボディの後部に設けられてもよい。例えば、超音波機器の設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0072】
上述した実施形態では、ダンプトラックは、内燃機関を有しない例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ダンプトラックは、内燃機関を有してもよい。例えば、内燃機関の設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0073】
上述した実施形態では、排土性向上のために、エンジンの排気ガスの廃熱を利用したダンプボディの加熱に代えて、超音波を利用している例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、エンジンの排気ガスの廃熱を利用したダンプボディの加熱と共に、超音波を利用してもよい。例えば、排土性向上のための態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0074】
上述した実施形態では、超音波機器は、オペレータからの指令により作動する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、超音波機器は、オペレータからの指令によらず作動してもよい。例えば、超音波機器を常時作動させてもよい。例えば、超音波機器の作動態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0075】
上述した実施形態では、超音波機器は、ダンプトラックで発生する余剰電力を用いて作動する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、超音波機器は、ダンプトラックで発生する余剰電力を用いずに作動してもよい。例えば、超音波機器は、ダンプトラックに搭載された駆動源(例えば、燃料電池)、バッテリ等からの電力(余剰電力以外の電力)を用いて作動してもよい。例えば、超音波機器を作動するための電力の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0076】
上述した実施形態では、超音波機器は、電力を電気信号に変換する発振器と、発振器により変換された電気信号を超音波振動に変える振動子と、を備え、発振器は、車体フレームに設けられ、振動子は、ダンプボディに設けられる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、発振器及び振動子を、それぞれ車体フレーム及びダンプボディに対して別々に設けなくてもよい。例えば、発振器及び振動子が一体型の超音波機器をダンプボディに設けてもよい。例えば、発振器及び振動子の設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0077】
上述した実施形態では、発振器及び振動子は、ダンプボディの着座状態で通電する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、発振器及び振動子は、ダンプボディの着座状態以外で通電してもよい。例えば、発振器及び振動子は、ダンプボディの着座状態及びダンプ状態の両方で通電してもよい。例えば、発振器及び振動子を通電する態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0078】
上述した実施形態では、振動子は、ダンプボディの前側下部の外側隅部に設けられる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、超音波機器は、ダンプボディの前側下部の中央部(車両幅方向の中央部)に設けられてもよい。例えば、ダンプボディの前側下部における振動子の設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0079】
上述した実施形態では、ダンプボディは、ダンプボディの内側に設けられ、積載物が搭載される内壁と、内壁に対してダンプボディの外側に設けられる外壁と、を備え、振動子は、内壁と外壁との間に設けられる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、振動子は、外壁の外側に設けられてもよい。例えば、振動子は、内壁に内蔵されてもよい。例えば、ダンプボディの内壁及び外壁における振動子の設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0080】
上述した実施形態では、内壁は、ダンプボディの着座状態で下方に向かって湾曲又は屈曲する内側底部を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、内側底部は、ダンプボディの着座状態で下方に向かって湾曲又は屈曲しなくてもよい。例えば、内側底部は、ダンプボディの着座状態で下方に向かって凸(例えば、鋭角)となるように折れた形状を有してもよい。例えば、内側底部の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0081】
上述した実施形態では、ダンプトラックは、ダンプトラックを走行させる走行モータを更に備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ダンプトラックは、走行モータを備えなくてもよい。例えば、駆動源が水素エンジンの場合は、ダンプトラックは、水素エンジンの駆動により走行してもよい。例えば、走行モータの設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0082】
上述した実施形態では、ダンプトラックは、走行モータが発生する回生電力を蓄えるバッテリを更に備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、駆動源が水素エンジンの場合は、ダンプトラックは、バッテリを備えなくてもよい。例えば、バッテリの設置態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0083】
上述した実施形態では、駆動源は、燃料ガスである水素と酸化ガスである酸素とを化学反応させて発電する燃料電池(FC)である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、駆動源は、水素を燃料とする内燃機関である水素エンジンであってもよい。例えば、駆動源は、燃料電池及び水素エンジンを含んでもよい。例えば、駆動源の構成態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0084】
上述した実施形態では、ダンプトラックは、駆動源として燃料電池を備える燃料電池車である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ダンプトラックは、架線から電力を得る集電装置を有するトロリー式のダンプトラック(トロリー車)であってもよい。例えば、ダンプトラックは、内燃機関を備えるエンジン車であってもよい。例えば、ダンプトラックの態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
【0085】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であり、上述した実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0086】
(付記1)
車体フレームに対して回動自在に結合され且つ積載物を搭載するダンプボディを備えるダンプトラックにおいて、
超音波を発する超音波機器を備え、
前記超音波機器は、前記ダンプボディに設けられる、
ダンプトラック。
【0087】
(付記2)
前記超音波機器は、前記ダンプボディの前側下部に設けられる、
付記1に記載のダンプトラック。
【0088】
(付記3)
前記ダンプトラックは、内燃機関を有しない、
付記1又は2に記載のダンプトラック。
【0089】
(付記4)
前記ダンプトラックは、水素を燃料とする駆動源を有する、
付記1から3の何れかに記載のダンプトラック。
【0090】
(付記5)
前記超音波機器は、オペレータからの指令により作動する、
付記1から4の何れかに記載のダンプトラック。
【0091】
(付記6)
前記超音波機器は、前記ダンプトラックで発生する余剰電力を用いて作動する、
付記1から5の何れかに記載のダンプトラック。
【0092】
(付記7)
前記超音波機器は、
電力を電気信号に変換する発振器と、
前記発振器により変換された前記電気信号を超音波振動に変える振動子と、を備え、
前記発振器は、前記車体フレームに設けられ、
前記振動子は、前記ダンプボディに設けられる、
付記1から6の何れかに記載のダンプトラック。
【0093】
(付記8)
前記発振器及び前記振動子は、前記ダンプボディの着座状態で通電する、
付記7に記載のダンプトラック。
【0094】
(付記9)
前記振動子は、前記ダンプボディの前側下部の外側隅部に設けられる、
付記7又は8に記載のダンプトラック。
【0095】
(付記10)
前記ダンプボディは、
前記ダンプボディの内側に設けられ、前記積載物が搭載される内壁と、
前記内壁に対して前記ダンプボディの外側に設けられる外壁と、を備え、
前記振動子は、前記内壁と外壁との間に設けられる、
付記7から9の何れかに記載のダンプトラック。
【0096】
(付記11)
前記内壁は、前記ダンプボディの着座状態で下方に向かって湾曲又は屈曲する内側底部を有し、
前記振動子は、前記内側底部において前記積載物が搭載される部分とは反対側の面に設けられる、
付記10に記載のダンプトラック。
【符号の説明】
【0097】
2…ダンプトラック(作業車両)、30…駆動源、40…超音波機器、41…発振器、42…振動子、60…外側隅部、61…内壁、62…外壁、63…内側底部、64…底部下面(内側底部において積載物が搭載される部分とは反対側の面)