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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094897
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】クレーン
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/86 20060101AFI20240703BHJP
   B66C 23/36 20060101ALI20240703BHJP
   B66D 1/08 20060101ALI20240703BHJP
   F15B 11/17 20060101ALI20240703BHJP
   F15B 11/02 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B66C23/86 A
B66C23/36 A
B66D1/08
F15B11/17
F15B11/02 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211802
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】503032946
【氏名又は名称】住友重機械建機クレーン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 格
【テーマコード(参考)】
3F205
3H089
【Fターム(参考)】
3F205AA07
3F205DA01
3F205DA20
3F205KA10
3H089AA72
3H089BB15
3H089CC01
3H089CC11
3H089DA03
3H089DB43
3H089DB47
3H089DB49
3H089GG02
3H089JJ08
(57)【要約】
【課題】複合操作時に操作性を向上させる。
【解決手段】本発明に係るクレーンは、第2操作手段(26)が操作されたときに第3制御弁(132)及び第4制御弁(132-1)の内、第3制御弁(132)が先に作動して第1油圧ポンプ(30)からの圧油を第2アクチュエータ(131)に供給する第1制御モード(独立モード)と、第2操作手段(26)が操作されたときに第4制御弁(132-1)が作動して第2油圧ポンプ(130)からの圧油を第2アクチュエータ(131)に供給した後に、第3制御弁(132)が作動して第2油圧ポンプ(130)からの圧油に第1油圧ポンプ(30)からの圧油を合流させて第2アクチュエータ(131)に供給する第2制御モード(合流モード)と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ウインチを駆動する第1アクチュエータと、
第2ウインチを駆動する第2アクチュエータと、
第3ウインチを駆動する第3アクチュエータと、
第1油圧ポンプと、
第2油圧ポンプと、
前記第1アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する第1制御弁と、
前記第2アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する第3制御弁及び第4制御弁と、
前記第3アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する第5制御弁と、
前記第3制御弁及び前記第4制御弁を操作する第2操作手段と、を備え、
前記第1制御弁、前記第3制御弁、及び前記第1油圧ポンプを直列的に接続して前記第1油圧ポンプから吐出された圧油が流れる第1シリーズ回路が構成される共に、
前記第4制御弁、前記第5制御弁、及び前記第2油圧ポンプを直列的に接続して、前記第2油圧ポンプから吐出された圧油が流れる第2シリーズ回路が構成されたクレーンにおいて、
前記第2操作手段が操作されたときに前記第3制御弁及び前記第4制御弁の内、前記第3制御弁が先に作動して前記第1油圧ポンプからの圧油を前記第2アクチュエータに供給する第1制御モードと、
前記第2操作手段が操作されたときに前記第4制御弁が作動して前記第2油圧ポンプからの圧油を前記第2アクチュエータに供給した後に、前記第3制御弁が作動して前記第2油圧ポンプからの圧油に前記第1油圧ポンプからの圧油を合流させて前記第2アクチュエータに供給する第2制御モードと、を有する、
ことを特徴とするクレーン。
【請求項2】
請求項1に記載のクレーンにおいて、
前記第3制御弁及び前記第4制御弁は、それぞれ電気的に制御可能な電磁比例弁で構成される、
ことを特徴とするクレーン。
【請求項3】
請求項1に記載のクレーンにおいて、
前記第3制御弁及び前記第4制御弁は、それぞれ同じ操作特性を有し、下流側から上流側への圧油の流れを阻止する構造を備える、
ことを特徴とするクレーン。
【請求項4】
請求項1に記載のクレーンにおいて、
前記第1制御モードにおいて、前記第1ウインチ、前記第2ウインチ、及び前記第3ウインチの内、少なくとも何れかに作用する負荷が所定値以下の場合に、さらに、前記第4制御弁の作動が許可され、前記第4制御弁が作動して前記第2油圧ポンプからの圧油を前記第1油圧ポンプからの圧油に合流させて前記第2アクチュエータに供給する、
ことを特徴とするクレーン。
【請求項5】
請求項4に記載のクレーンにおいて、
前記第2シリーズ回路に前記第2油圧ポンプと直列的に設けられ、前記第1アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する第2制御弁と、
前記第1制御弁及び前記第2制御弁を操作する第1操作手段と、を備え、
前記第1制御モードにおいて、前記第1操作手段が操作されたときに、前記第1制御弁及び前記第2制御弁の内、前記第1制御弁が先に作動して前記第1油圧ポンプからの圧油を前記第1アクチュエータに供給し、前記第1ウインチ、前記第2ウインチ、及び前記第3ウインチの内、少なくとも何れかに作用する負荷が所定値以下の場合に、さらに、前記第2制御弁の作動が許可され、前記第2制御弁が作動して前記第2油圧ポンプからの圧油を前記第1油圧ポンプからの圧油に合流させて前記第1アクチュエータに供給する、
ことを特徴とするクレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンでは多数のアクチュエータを同時に高速で駆動するため、ウインチを駆動する各油圧モータを、油圧ポンプに対して直列的に接続したシリーズ回路(油圧回路)を備え、油圧ポンプから吐出される圧油を上流側の油圧モータから下流側の油圧モータへと順次供給する構成としている場合がある。また、それぞれの油圧モータをより高速で駆動できるようにするために、1つの油圧モータに対して、一方の油圧ポンプから供給される圧油と他方の油圧ポンプから供給される圧油とを合流させる合流回路を設ける構成も知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4840459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したシリーズ回路及び合流回路を備えた従来のクレーンでは、1つの油圧ポンプに対して複数のウインチが直列的に接続されているため、1つのウインチを駆動中に他のウインチを駆動すると、圧力変動に伴ってウインチの速度変化が生じてしまい、操作性が悪い場合があるという課題がある。
【0005】
本発明は、上記従来のクレーンにおいて、複合操作時に操作性を向上させることを目的として考案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、代表的な本発明に係るクレーンは、第1ウインチを駆動する第1アクチュエータと、第2ウインチを駆動する第2アクチュエータと、第3ウインチを駆動する第3アクチュエータと、第1油圧ポンプと、第2油圧ポンプと、前記第1アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する第1制御弁と、前記第2アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する第3制御弁及び第4制御弁と、前記第3アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する第5制御弁と、前記第3制御弁及び前記第4制御弁を操作する第2操作手段と、を備える。
さらに、本発明に係るクレーンは、前記第1制御弁、前記第3制御弁、及び前記第1油圧ポンプを直列的に接続して前記第1油圧ポンプから吐出された圧油が流れる第1シリーズ回路が構成される共に、前記第4制御弁、前記第5制御弁、及び前記第2油圧ポンプを直列的に接続して、前記第2油圧ポンプから吐出された圧油が流れる第2シリーズ回路が構成されている。
そして、本発明に係るクレーンは、前記第2操作手段が操作されたときに前記第3制御弁及び前記第4制御弁の内、前記第3制御弁が先に作動して前記第1油圧ポンプからの圧油を前記第2アクチュエータに供給する第1制御モードと、前記第2操作手段が操作されたときに前記第4制御弁が作動して前記第2油圧ポンプからの圧油を前記第2アクチュエータに供給した後に、前記第3制御弁が作動して前記第2油圧ポンプからの圧油に前記第1油圧ポンプからの圧油を合流させて前記第2アクチュエータに供給する第2制御モードと、を有する、ことを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、複合操作時に操作性を向上させることができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るクレーンの側面図である。
図2】クレーンの油圧回路の全体構成を示す概略図である。
図3】クレーンの電気的構成を示す図である。
図4】(a)独立モードにおける方向制御弁の動作を示す図、(b)合流モードにおける方向制御弁の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るクレーンの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係るクレーンの側面図である。図1に示すクレーン1は、クローラクレーンであり、走行体2と、旋回装置3を介して走行体2上に旋回可能に搭載された旋回体4と、旋回体4の先端部に起伏可能に取り付けられたブーム5と、ブーム5の先端に設けられたシーブ10,11及びシーブ17,18とを有している。シーブ10及びシーブ17を経由した主巻ロープ12と、シーブ11及びシーブ18を経由した補巻ロープ13とによって、アタッチメントの一例であるバケット16が吊り下げられている。
【0011】
なお、旋回体4にはキャブ9が設けられており、オペレータはキャブ9内で操作レバー25,26等(後述)を操作して、クレーン1のクレーン作業(吊り荷作業)、掘削作業等を行う。ちなみに、操作レバー25,26は、非操作状態では中立位置にあり、低速と高速の2段階の操作が可能である。なお、操作レバー25,26を高速に設定する場合には、必ず低速を経由する必要がある。そして、オペレータが所定の方向に操作レバー25,26を傾けることで、所望の操作が可能となる。
【0012】
主巻ロープ12、補巻ロープ13は旋回体4に搭載された主巻ウインチ(第1ウインチ)6、補巻ウインチ(第2ウインチ)7にそれぞれ巻回され、各ウインチ6,7の駆動によって各ロープ12,13が巻き取りまたは繰り出されて、吊り荷が昇降する。そして、バケット16を主巻ロープ12及び補巻ロープ13で吊り下げて、主巻ウインチ6と補巻ウインチ7とを同時に駆動することで、バケット16を巻上げまたは巻下げること(即ち、掘削作業)ができる。
【0013】
なお、ブーム5の先端部にはペンダントロープ14が接続されており、旋回体4に搭載された起伏ウインチ8の駆動により起伏ロープ15が巻き取りまたは繰り出されると、ペンダントロープ14を介してブーム5が起伏される。このブーム5の起伏操作は、キャブ9内の操作レバー27により行われる。
【0014】
図2は、クレーン1の油圧回路の全体構成を示す概略図である。図2に示すように、クレーン1は、主巻ウインチ6を駆動する油圧モータ31(第1油圧モータ)、補巻ウインチ7を駆動する油圧モータ131(第2油圧モータ)の他に、起伏ウインチ8を駆動する油圧モータ231(第3油圧モータ)、走行用の油圧モータ331,431、及び旋回モータ(図示せず)を備えている。各油圧モータ31,131,231,331,431は、油圧ポンプ30(第1油圧ポンプ)及び/または油圧ポンプ130(第2油圧ポンプ)から供給される圧油によって駆動される。なお、油圧ポンプ30,130は何れも可変容量式であり、図示しないエンジンによって駆動される。また、油圧モータ31,131,231,331,431も可変容量式のものが用いられている。これら油圧モータは、本発明のアクチュエータに相当するものである。
【0015】
油圧モータ31,131,431は、油圧ポンプ30に対して直列的に接続されてシリーズ回路S1(第1シリーズ回路)を構成する。具体的には、油圧ポンプ30に対して圧油の流れの上流側から順に、走行用の油圧モータ431、補巻ウインチ7用の油圧モータ131、主巻ウインチ6用の油圧モータ31が、それぞれ方向制御弁432,132,32を介してセンター管路L1上に直列に配置されている。
【0016】
油圧ポンプ30から吐出された圧油は、センター管路L1を流れて、まず、油圧モータ431に流入する。油圧モータ431から流出した圧油は、次に油圧モータ131に流入する。油圧モータ131から流出した圧油は、次に油圧モータ31へと流入し、油圧モータ31から流出した圧油は、タンク34に戻る。このように、シリーズ回路S1は、1つの油圧ポンプ30によって、油圧モータ431,131,31に順番に圧油を供給して、3つの油圧モータを駆動できる。
【0017】
同様に、油圧モータ31,131,231,331は、油圧ポンプ130に対して直列的に接続されてシリーズ回路S2(第2シリーズ回路)を構成する。具体的には、油圧ポンプ130に対して圧油の流れの上流側から順に、走行用の油圧モータ331、起伏ウインチ8用の油圧モータ231、補巻ウインチ7用の油圧モータ131、主巻ウインチ6用の油圧モータ31が、それぞれ方向制御弁332,232,132-1,32-1を介してセンター管路L2上に直列に配置されている。
【0018】
油圧ポンプ130から吐出された圧油は、センター管路L2を流れて、まず、油圧モータ331に流入する。油圧モータ331から流出した圧油は、次に油圧モータ231に流入する。油圧モータ231から流出した圧油は、次に油圧モータ131へと流入する。油圧モータ131から流出した圧油は、次に油圧モータ31に流入する。油圧モータ31から流出した圧油は、タンク34に戻る。このように、シリーズ回路S2は、1つの油圧ポンプ130によって、油圧モータ331,231,131,31に順番に圧油を供給して、4つの油圧モータを駆動できる。
【0019】
なお、図2において、補巻ウインチ7用の油圧モータ131が主巻ウインチ6用の油圧モータ31よりも油圧ポンプ30及び油圧ポンプ130に対してそれぞれ上流側に設けられているが、両者の位置は逆でも良い。
【0020】
さらに、本実施形態では、シリーズ回路S1とシリーズ回路S2とを合流させる合流回路M1.M2が設けられている。
【0021】
合流回路M1は、油圧ポンプ30から油圧モータ31へ圧油を供給するメイン管路37,38に対して油圧ポンプ130からの圧油を合流させるための回路であって、管路71,72を備える。管路71はメイン管路37と、管路72はメイン管路38とそれぞれ接続されており、油圧ポンプ130からの圧油が、管路71,72を介して油圧モータ31へ供給可能となっている。よって、油圧モータ31を、2つの油圧ポンプ30,130によって駆動できる。
【0022】
合流回路M2は、油圧ポンプ130から油圧モータ131へ圧油を供給するメイン管路137,138に対して油圧ポンプ30からの圧油を合流させるための回路であって、管路171,172を備える。管路171はメイン管路137と、管路172はメイン管路138とそれぞれ接続されており、油圧ポンプ30からの圧油が、管路171,172を介して油圧モータ131へ供給可能となっている。よって、油圧モータ131を、2つの油圧ポンプ30,130によって駆動できる。
【0023】
なお、シリーズ回路S1では、回路内の圧力を制限するために、油圧ポンプ30と方向制御弁432との間の位置にリリーフ弁35が設けられている。同様に、シリーズ回路S2には、リリーフ弁36が設けられている。
【0024】
ここで、本実施形態では、電気的に制御可能な電磁比例弁である方向制御弁32,32-1,132,132-1,232,332,432が用いられており、コントローラ60と電気配線E4~E13を介して接続されている(図3参照)。よって、各種操作レバー25,26,27等の操作に応じて、コントローラ60からの電気信号が方向制御弁32,32-1,132,132-1,232,332,432に入力され、方向制御弁32,32-1,132,132-1,232,332,432が所定の位置に切り換わる。例えば、方向制御弁32の位置が切り換わることで、油圧モータ31が巻上方向または巻下方向に回転する。その他の方向制御弁と油圧モータの動作についても同様である。なお、このこと自体は周知であるため、詳しい説明は省略する。
【0025】
また、図2に示すように、方向制御弁32,32-1,132,132-1には、それぞれ圧力補償弁40,41,42,43が設けられている。さらに、方向制御弁132,132-1には、それぞれチェック弁44,45が内蔵されている。これらチェック弁44,45によって、管路171から方向制御弁132,132-1の上流側(油圧ポンプ側)に圧油が逆流するのを防止している。
【0026】
なお、本実施形態では、チェック弁44,45が内蔵された方向制御弁132,132-1を採用しているが、圧油の逆流を防止できる構造であれば何れの形式であっても構わない。例えば、方向制御弁132,132-1のポートをブロックするスプールを備えた構造を採用できる。また、方向制御弁132,132-1は、操作特性が同じものを用いている。ここで、同じ操作特性とは、ある制御指令に対して、同じ動きをすることが可能なことを言う。例えば、同じ方向制御弁を用いれば、操作特性は同じとなる。即ち、本実施形態において、方向制御弁132と方向制御弁132-1とは同一の弁である。
【0027】
次に、クレーン1の電気的構成について説明する。図3は、クレーン1の電気的構成を示す図である。図3に示すように、コントローラ60の入力側には、電気式の操作レバー25,26,27が電気配線E1,E2,E3を介して接続されている。また、コントローラ60の出力側には、方向制御弁32(第1制御弁)、方向制御弁32-1(第2制御弁)、方向制御弁132(第3制御弁)、方向制御弁132-1(第4制御弁)、方向制御弁232(第5制御弁)が電気配線E4~E13を介して接続されている。また、コントローラ60には、後述する制御モードを切り換えるモード切換スイッチ70が電気配線E14を介して接続されると共に、起伏ロープ15に作用するロープ張力(荷重)を検出するラインプル検出器65が電気配線E15を介して接続されている。なお、図3において、走行用の操作レバーと走行用の方向制御弁332,432の図示は省略している。
【0028】
図3に示すように、操作レバー25,26,27を操作すると、コントローラ60は、所望の方向制御弁32,32-1,132,132-1,232に対して電気信号を出力する。方向制御弁32,32-1,132,132-1,232は、入力された電気信号に従い、スプール位置を所定の位置(A0,A1,A2等)に切り換える。このとき、コントローラ60は、モード切換スイッチ70からの切換信号に基づいて、方向制御弁132,132-1の作動を切り換えるよう制御している(詳細後述)。
【0029】
次に、クレーン1の油圧回路の動作について、図4を適宜参照しつつ説明する。図4(a)は独立モードにおける方向制御弁の動作を示す図、図4(b)は合流モードにおける方向制御弁の動作を示す図である。図4(a),(b)において、「低速」は以下に説明する低速巻上げ操作時に作動することを示しており、「高速」は以下に示す高速巻上げ操作時に作動することを示している。また、括弧付の「高速」は、変形例として後述する吊り荷の荷重が小さい場合に作動させても良いことを示している。
【0030】
本実施形態では、「独立モード」と「合流モード」の2つの制御モードを備えており、オペレータがキャブ9内に設けられたモード切換スイッチ70(図3参照)を手動で操作することにより、制御モードを合流モードまたは独立モードに切り換えることができるよう構成されている。以下、各制御モードの代表的な操作について説明する。なお、独立モードは本発明の「第1制御モード」、合流モードは本発明の「第2制御モード」に相当する。
【0031】
-独立モード-
この独立モードは、ブーム5の起伏操作を優先する制御モードであり、補巻ウインチ7の巻上げ操作(クレーン作業)と、起伏ウインチ8によるブーム5の起伏操作との複合操作を、両ウインチ7,8の速度変化を抑えつつ可能にした制御モードである。独立モードでは、コントローラ60の制御により、主に以下の操作が可能である。
【0032】
(低速巻上げ操作)
オペレータが主巻ウインチ6用の操作レバー25(第1操作手段)を低速(1段目)に入れて巻上げ操作(第1操作)すると、方向制御弁32(第1制御弁)が位置A0から位置A1に切り換わる。すると、油圧ポンプ30から吐出された圧油がメイン管路38を流れて油圧モータ31に流入し、油圧モータ31を低速で回転させる。油圧モータ31から流出した圧油は、メイン管路37を流れて最終的にタンク34に戻される。こうして、主巻ウインチ6が低速で主巻ロープ12を巻上げる。なお、本実施形態では、低速巻上げ操作において、方向制御弁32及び方向制御弁32-1の内、方向制御弁32のみが先に作動し、方向制御弁32-1は作動しない。勿論、高速巻上げ操作を行った場合には、方向制御弁32-1が作動するようにしてもよい。
【0033】
オペレータが補巻ウインチ7用の操作レバー26(第2操作手段)を低速(1段目)に入れて巻上げ操作(第3操作)すると、方向制御弁132(第3制御弁)が位置A20から位置A21に切り換わる。すると、油圧ポンプ30から吐出された圧油が管路172及びメイン管路138を流れて油圧モータ131に流入し、油圧モータ131を低速で回転させる。油圧モータ131から流出した圧油は、メイン管路137及び管路171を流れて最終的にタンク34に戻される。こうして、補巻ウインチ7が低速で補巻ロープ13を巻上げる。なお、本実施形態では、低速巻上げ操作において、方向制御弁132及び方向制御弁132-1の内、方向制御弁132のみが先に作動し、方向制御弁132-1は作動しない。勿論、高速巻上げ操作を行った場合には、方向制御弁132-1が作動するようにしてもよい。
【0034】
このように、独立モードにおいて低速巻上げ操作を行うと、コントローラ60は、方向制御弁32,132を作動させて、油圧ポンプ30からの圧油で油圧モータ31,131を駆動するよう制御する。なお、通常は、主巻ウインチ6または補巻ウインチ7の一方を用いてクレーン作業が行われるため、作動する方向制御弁は、方向制御弁32または方向制御弁132の何れか一方である。
【0035】
(起伏操作)
オペレータが起伏ウインチ8用の操作レバー27(第3操作手段)を操作すると、方向制御弁232が位置A40から位置A41または位置A42に切り換わり、油圧ポンプ130からの圧油が油圧モータ231に供給され、起伏ウインチ8がブーム5を起立または倒伏させる方向に駆動する。独立モードでは、油圧ポンプ130からの圧油でブーム5の起伏操作を行いつつ、油圧ポンプ30からの圧油で補巻ウインチ7(または主巻ウインチ6)による低速でのクレーン作業を同時に行うことができる。このとき、起伏ウインチ8と補巻ウインチ7とは、別々の油圧ポンプ30,130により駆動されるため、起伏操作と巻上げ操作を同時に行った場合であっても、各ウインチ7,8の速度変化を抑えることができる。このように、独立モードは、ブーム5の起伏操作を行いつつ、補巻ウインチ7による巻上げ操作(クレーン作業)を同時に行いたい場合に適したモードである。
【0036】
-合流モード-
この合流モードは、主巻ウインチ6または補巻ウインチ7を高速で巻上げ操作したい場合や、主巻ウインチ6と補巻ウインチ7とを同時に巻上げて掘削作業を行う場合に適したモードである。合流モードでは、コントローラ60の制御により、主に以下の操作が可能である。
【0037】
(低速巻上げ操作)
オペレータが主巻ウインチ6用の操作レバー25を低速(1段目)に入れて巻上げ操作(第1操作)すると、方向制御弁32(第1制御弁)が位置A0から位置A1に切り換わる。すると、油圧ポンプ30から吐出された圧油がメイン管路38を流れて油圧モータ31に流入し、油圧モータ31を低速で回転させる。油圧モータ31から流出した圧油は、メイン管路37を流れて最終的にタンク34に戻される。こうして、主巻ウインチ6が低速で主巻ロープ12を巻上げる。
【0038】
オペレータが補巻ウインチ7用の操作レバー26を低速(1段目)に入れて巻上げ操作(第3操作)すると、方向制御弁132-1(第4制御弁)が位置A30から位置A31に切り換わる。すると、油圧ポンプ130から吐出された圧油がメイン管路138を流れて油圧モータ131に流入し、油圧モータ131を低速で回転させる。油圧モータ131から流出した圧油は、メイン管路137を流れて最終的にタンク34に戻される。こうして、補巻ウインチ7が低速で補巻ロープ13を巻上げる。
【0039】
このように、主巻ウインチ6及び補巻ウインチ7を低速で巻上げ操作すると、主巻ウインチ6は油圧ポンプ30からの圧油のみで駆動され、補巻ウインチ7用の油圧モータ131は油圧ポンプ130からの圧油のみで駆動される。つまり、主巻ウインチ6と補巻ウインチ7とは別々の油圧ポンプにより駆動される。そのため、両ウインチ6,7を同時に低速で巻上げ操作する場合(掘削作業を行う場合)において、両ウインチ6,7をそれぞれ強い張力で巻上げることができる。
【0040】
(高速巻上げ操作)
オペレータが主巻ウインチ6用の操作レバー25を低速から高速(2段目)に入れて巻上げ操作(第2操作)すると、方向制御弁32(第1制御弁)が位置A0から位置A1に切り換わった後に、方向制御弁32-1(第2制御弁)が位置A10から位置A11に切り換わる。すると、油圧ポンプ30から吐出された圧油がメイン管路38を流れて油圧モータ31に流入した後、さらに、油圧ポンプ130から吐出された圧油が合流回路M1の管路72を流れてメイン管路38に合流し、油圧モータ31に流入する。
【0041】
つまり、油圧ポンプ30から吐出された圧油と油圧ポンプ130から吐出された圧油とが、低速と約2倍の流量で油圧モータ31に流入し、油圧モータ31を高速で回転させる。油圧モータ31から流出した圧油は、メイン管路37及び合流回路M1の管路71を流れて最終的にタンク34に戻される。こうして、主巻ウインチ6が高速で主巻ロープ12を巻上げる。
【0042】
オペレータが補巻ウインチ7用の操作レバー26を低速から高速(2段目)に入れて巻上げ操作(第4操作)すると、方向制御弁132-1(第4制御弁)が位置A30から位置A31に切り換わった後に、方向制御弁132(第3制御弁)が位置A20から位置A21に切り換わる。すると、油圧ポンプ130から吐出された圧油がメイン管路138を流れて油圧モータ131に流入した後、さらに、油圧ポンプ30から吐出された圧油が合流回路M2の管路172を流れてメイン管路138に合流し、油圧モータ131に流入する。
【0043】
つまり、油圧ポンプ130から吐出された圧油と油圧ポンプ30から吐出された圧油とが、低速と約2倍の流量で油圧モータ131に流入し、油圧モータ131を高速で回転させる。油圧モータ131から流出した圧油は、メイン管路137及び合流回路M2の管路171を流れて最終的にタンク34に戻される。こうして、補巻ウインチ7が高速で補巻ロープ13を巻上げる。
【0044】
このように、主巻ウインチ6及び補巻ウインチ7を高速で同時に巻上げ操作すると、主巻ウインチ6及び補巻ウインチ7が、それぞれ油圧ポンプ30と油圧ポンプ130の両方からの圧油で駆動される。そして、両ウインチ6,7が油圧ポンプ30,130により駆動されるため、両ウインチ6,7を高速で同時に巻上げ操作する掘削作業においても、両ウインチ6,7の速度変化を抑えることができる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
【0046】
合流モードでは、低速巻上げ操作において、主巻ウインチ6を駆動する油圧ポンプ30と、補巻ウインチ7を駆動する油圧ポンプ130とが独立しているため、2つのウインチ6,7を用いて同時にバケット16を低速で巻上げる掘削作業を力強く行うことができる。また、高速巻上げ操作においても、主巻ウインチ6及び補巻ウインチ7が、それぞれ油圧ポンプ30と油圧ポンプ130との圧油により駆動されるため、高速での掘削作業も安定して行うことができる。
【0047】
また、独立モードでは、油圧ポンプ30を用いて油圧モータ131を駆動して補巻ウインチ7による巻上げ操作を行いつつ、独立した油圧ポンプ130を用いて油圧モータ231を駆動して起伏ウインチ8による起伏操作を行えるため、両ウインチ7,8の速度変化を抑えることができる。そのため、巻上げ操作と起伏操作を安定して行うことができる。
【0048】
また、合流モードと独立モードとをオペレータがモード切換スイッチ70を操作して手動で切り換えることができるため、使い勝手が良い。勿論、合流モードと独立モードとを、アタッチメントの情報に基づいてコントローラ60が自動的に判断して、制御モードを切り換える構成としても構わない。このように、本実施形態によれば、操作性が向上する。
【0049】
(その他の実施形態への言及)
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0050】
例えば、独立モードにおいて、コントローラ60がラインプル検出器65(図3参照)からのロープ張力のデータを監視し、ロープ張力が所定値以下の場合に限って、補巻ウインチ7を高速で巻上げるようにしても良い。勿論、主巻ウインチ6も同様の構成としても良い。具体的には、オペレータが操作レバー26を高速に入れて巻上げ操作(第4操作)した場合において、コントローラ60は、ロープ張力が所定値以下であるか否かを判断する。そして、ロープ張力が所定値以下の場合に、コントローラ60は、方向制御弁132-1を作動させるよう制御する(図4(a)の(高速)を参照)。
【0051】
即ち、オペレータが操作レバー26を低速に入れた場合には、コントローラ60は、方向制御弁132及び方向制御弁132-1の内、方向制御弁132を先に作動させるよう制御し、オペレータが操作レバー26を高速に入れた場合には、コントローラ60はロープ張力が所定値以下の場合に、方向制御弁132-1の作動を許可するよう制御する。
【0052】
同様に、オペレータが操作レバー25を低速に入れた場合には、コントローラ60は、方向制御弁32及び方向制御弁32-1の内、方向制御弁32を先に作動させるよう制御し、オペレータが操作レバー25を高速に入れた場合には、コントローラ60はロープ張力が所定値以下の場合に、方向制御弁32-1の作動を許可するよう制御する。
【0053】
この構成によれば、吊り荷の荷重が所定値以下の場合に限って、補巻ウインチ7(あるいは主巻ウインチ6)を高速で巻上げ操作するので、吊り荷の荷重が重い場合において安定したクレーン作業を行うことができ、かつ、吊り荷の荷重が軽い場合により高速で効率良くクレーン作業を行うことができる。しかも省エネルギ運転が可能である。なお、上記所定値は、安定したクレーン作業を行える範囲で、設計値や経験値に照らして適宜設定すれば良い。
【0054】
ここで、上記の例では、起伏ウインチ8に作用する負荷をラインプル検出器65にて検出して、補巻ウインチ7あるいは主巻ウインチ6を高速で巻上げ操作する構成を説明したが、補巻ウインチ7または主巻ウインチ6に作用する負荷をラインプル検出器などの手段を用いて検出し、所望のウインチを高速で巻上げ操作する構成としても良い。即ち、主巻ウインチ6、補巻ウインチ7、及び起伏ウインチ8の内、少なくとも何れかに作用する負荷が所定値以下の場合に、コントローラ60が方向制御弁の作動を制御すれば良い。
【0055】
また、タワー作業を行う場合、補巻ウインチ7は、ジブの起伏に使用されるジブ起伏ウインチとして用いられる。補巻ウインチ7はジブの起伏用としては十分に速度が速く、また主巻ウインチ6とのシリーズ運転による速度変化を避けるため、方向制御弁132-1のみで駆動される設定になる。よって、タワー作業の場合、合流モードと独立モードとで、方向制御弁132と方向制御弁132-1の作動順序の切り換えは不要である。
【0056】
ここで、上記した実施形態では、電磁比例弁である方向制御弁32,32-1,132,132-1,232,332,432を用いたが、これらの弁は電磁比例弁に限定されない。例えば、方向制御弁32,32-1をパイロット圧で駆動する油圧制御弁とし、これら2つの油圧制御弁を1つの電磁比例弁によって駆動する構成としてもよい。この場合、コントローラ60は、電磁比例弁を駆動させて、方向制御弁32,32-1に並列にパイロット圧を導入する。
【0057】
方向制御弁32と方向制御弁32-1とでは、それぞれスプールのバネ圧が異なるようになっており、具体的には、方向制御弁32のスプールのバネ圧が、方向制御弁32-1のスプールのバネ圧より小さい設定となっている。そのため、両者に並列にパイロット圧を導入すると、方向制御弁32の方が先に作動を開始する。
【0058】
これにより、主巻ウインチ6が低速で駆動する。さらに、操作レバー25を高速にセットすると、パイロット圧が方向制御弁32-1のバネ圧を超えるため、方向制御弁32-1が作動して、主巻ウインチ6が高速で駆動する。このような構成であっても、上記した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。しかも、作動の順番を変更しなくてよい方向制御弁32,32-1を1つの電磁比例弁で制御できるため、コストを抑えることができるうえ、制御を簡素化できる利点もある。
【0059】
また、方向制御弁132,132-1についても上記と同様に油圧制御弁に置き換え、これらの油圧制御弁を1つの電磁比例弁で制御する構成としてもよい。この場合は、大がかりな構造または作業が必要にはなるが、方向制御弁132,132-1のバネ圧を変更して交換可能な構成にすることで方向制御弁の作動の順番を変更すればよい。また、方向制御弁132,132-1を油圧制御弁に置き換えて、油圧制御弁それぞれを別の2つの電磁比例弁で制御する構成にしてもよい。その他の方向制御弁232,332,432についても、同様に油圧制御弁に置き換えてもよい。また、主巻ウインチ6用の方向制御弁32,32-1のみ油圧制御弁に変更しても良いし、補巻ウインチ7の方向制御弁132,132-1のみ油圧制御弁に変更しても良いし、その両方とも油圧制御弁に変更してもよい。即ち、方向制御弁32,32-1,132,132-1,232,332,432の形式については、全て電磁比例弁としてもよいし、全て油圧制御弁としてもよいし、両者の組み合わせとしてもよい。
【0060】
なお、操作レバー25,26等の各ウインチの操作レバーはクレーン1のキャブ9ではなく、例えばクレーン1とは遠隔の遠隔操作室に配置されていても良い。また、操作レバー25,26,27の代わりに操作ダイヤル等の装置を用いても良いし、タッチパネルや携帯端末などからウインチ6,7,8等を操作しても良い。
【0061】
また、クレーンの一例として、クローラクレーンを例示したが、本発明は、これに限らず、ホイールクレーン、トラッククレーン、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン等の他の移動式クレーンに加えて、タワークレーン、天井クレーン、ジブクレーン、引込みクレーン、スタッカークレーン、門型クレーン、アンローダ、アースドリル等の基礎機械等のあらゆるクレーンに適用可能である。また、アタッチメントの一例として、図1に示すようにグラブバケット16を例示したが、本発明は、複数のウインチで動作するアタッチメントであればあらゆる形式のものを用いることができ、例えば、クラムシェル、ハンマグラブ、連壁装置なども適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 クレーン
2 走行体
3 旋回装置
4 旋回体
5 ブーム
6 主巻ウインチ(第1ウインチ)
7 補巻ウインチ(第2ウインチ)
8 起伏ウインチ(第3ウインチ)
9 キャブ
10,11 シーブ
12 主巻ロープ
13 補巻ロープ
14 ペンダントロープ
15 起伏ロープ
16 バケット(アタッチメント)
17,18 シーブ
25 操作レバー(第1操作手段)
26 操作レバー(第2操作手段)
27 操作レバー(第3操作手段)
30 油圧ポンプ(第1油圧ポンプ)
31 油圧モータ(第1アクチュエータ)
32 方向制御弁(第1制御弁)
32-1 方向制御弁(第2制御弁)
40,41,42,43 圧力補償弁
44,45 チェック弁
60 コントローラ
65 ラインプル検出器
70 モード切換スイッチ
130 油圧ポンプ(第2油圧ポンプ)
131 油圧モータ(第2アクチュエータ)
132 方向制御弁(第3制御弁)
132-1 方向制御弁(第4制御弁)
232 方向制御弁
231 油圧モータ(第3アクチュエータ)
331 油圧モータ(走行用)
431 油圧モータ(走行用)
E1~E15 電気配線
S1 シリーズ回路(第1シリーズ回路)
S2 シリーズ回路(第2シリーズ回路)
図1
図2
図3
図4