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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094928
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】電動ベッドユニット
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/00 20060101AFI20240703BHJP
   A47C 17/04 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A61G7/00
A47C17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211852
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】松林 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】米田 直輝
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA03
4C040DD01
4C040EE05
4C040EE08
(57)【要約】
【課題】使い勝手のよい電動ベッドユニットを提供する。
【解決手段】電気的に作動する複数の機能部と、前記機能部の作動を制御する制御装置と、前記制御装置に接続され、前記機能部を作動させるために操作される手元スイッチと、を備えた電動ベッドユニットであって、前記制御装置は、AC電源から電力供給されることにより、前記機能部の作動を制御するAC電源モードと、乾電池から電力供給されることにより、前記機能部の作動を制御する乾電池モードと、を有し、前記乾電池モードは、前記複数の機能部のうち少なくとも1つの機能部の作動が制限されることを特徴とする電動ベッドユニット。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に作動する複数の機能部と、前記機能部の作動を制御する制御装置と、前記制御装置に接続され、前記機能部を作動させるために操作される手元スイッチと、を備えた電動ベッドユニットであって、
前記制御装置は、
AC電源から電力供給されることにより、前記機能部の作動を制御するAC電源モードと、
乾電池から電力供給されることにより、前記機能部の作動を制御する乾電池モードと、
を有し、
前記乾電池モードは、前記複数の機能部のうち少なくとも1つの機能部の作動が制限されることを特徴とする電動ベッドユニット。
【請求項2】
前記制御装置は、前記乾電池の電圧を検知することにより、前記AC電源モードから前記乾電池モードに移行させることを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。
【請求項3】
前記制御装置は、第1閾値と、前記第1閾値よりも小さい値の第2閾値と、を有し、
作動が制限される前記機能部の数は、前記乾電池の容量が前記第1閾値以上の場合よりも前記第1閾値未満で前記第2閾値以上の場合の方が多いことを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。
【請求項4】
前記機能部は、ベッドのボトムを起倒させる駆動装置を有し、
前記乾電池モードは、前記駆動装置により前記ボトムを平坦にする作動以外の機能部の作動が禁止されることを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。
【請求項5】
前記機能部は、
ベッドの背ボトムを起倒させる第1駆動装置と、
前記ベッドの膝ボトムを起倒させる第2駆動装置と、
を有し、
前記乾電池モードは、前記乾電池の容量が閾値以上の場合に、前記第1駆動装置と前記第2駆動装置とを一緒に作動させる連動作動が禁止されることを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。
【請求項6】
前記機能部は、
ベッドの背ボトムを起倒させる第1駆動装置と、
前記ベッドの膝ボトムを起倒させる第2駆動装置と、
前記ベッドの高さを変える第3駆動装置と、
を有し、
前記制御装置は、第1閾値と、前記第1閾値よりも小さい値の第2閾値と、を有し、
前記乾電池モードは、
前記乾電池の容量が前記第1閾値以上の場合に、前記第1駆動装置と前記第2駆動装置とを一緒に作動させる連動作動が禁止され、
前記乾電池の容量が前記第1閾値未満で前記第2閾値以上の場合に、前記連動作動の禁止に加えて前記第3駆動装置の作動が禁止されることを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。
【請求項7】
前記制御装置は、前記第2閾値よりも小さい値の第3閾値、をさらに有し、
前記乾電池モードは、前記乾電池の容量が前記第2閾値未満で前記第3閾値以上の場合に、前記連動作動の禁止および前記第3駆動装置の作動の禁止に加えて、前記背ボトムを上げるための前記第1駆動装置の作動と前記膝ボトムを上げるための前記第2駆動装置の作動とが禁止されることを特徴とする請求項6に記載の電動ベッドユニット。
【請求項8】
前記機能部は、
ベッドの背ボトムを起倒させる第1駆動装置と、
前記ベッドの膝ボトムを起倒させる第2駆動装置と、
前記ベッドの高さを変える第3駆動装置と、
を有し、
前記手元スイッチは、前記第1駆動装置、前記第2駆動装置、および前記第3駆動装置をそれぞれ作動させるための複数の操作ボタンを有し、
前記乾電池モードは、前記複数の操作ボタンのうち、上げボタンが無効とされることを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。
【請求項9】
前記機能部は、
ベッドの背ボトムを起倒させる第1駆動装置と、
前記ベッドの膝ボトムを起倒させる第2駆動装置と、
前記ベッドの高さを変える第3駆動装置と、
を有し、
前記手元スイッチは、前記第1駆動装置、前記第2駆動装置、および前記第3駆動装置をそれぞれ作動させるための複数の操作ボタンを有し、
前記乾電池モードは、前記複数の操作ボタンの全てを、前記背ボトム、前記膝ボトム、および前記ベッドの高さを下げる下げボタンに変更することを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。
【請求項10】
前記機能部は、ベッドに付属される付属ユニットをさらに備え、
前記乾電池モードは、前記付属ユニットの作動が禁止されることを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。
【請求項11】
前記手元スイッチは、振動部をさらに有し、
前記振動部は、前記乾電池モードで前記機能部が作動しているときに作動することを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。
【請求項12】
前記手元スイッチは、音声出力部をさらに有し、
前記音声出力部は、前記乾電池モードで前記機能部が作動しているときに音声を出力することを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。
【請求項13】
前記手元スイッチは、表示部をさらに有し、
前記表示部は、前記乾電池モードで前記機能部が作動しているときに前記乾電池で作動していることを表示することを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。
【請求項14】
前記手元スイッチは、表示部をさらに有し、
前記表示部は、前記乾電池の残量を表示することを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドユニット。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動ベッドユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
乾電池を用いて作動させることができる電動ベッドが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-206332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、停電が起きた場合に、乾電池を用いて電動ベッドを作動させることが考えられる。このような場合に、電動ベッドの作動回数が増えると、乾電池の容量減少が早くなってしまい、使い勝手が悪くなるおそれがある。
【0005】
本発明の実施形態の目的は、使い勝手のよい電動ベッドユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る電動ベッドユニットは、電気的に作動する複数の機能部と、前記機能部の作動を制御する制御装置と、前記制御装置に接続され、前記機能部を作動させるために操作される手元スイッチと、を備えている。前記制御装置は、AC電源から電力供給されることにより、前記機能部の作動を制御するAC電源モードと、乾電池から電力供給されることにより、前記機能部の作動を制御する乾電池モードと、を有し、前記乾電池モードは、前記複数の機能部のうち少なくとも1つの機能部の作動が制限されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、使い勝手のよい電動ベッドユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る電動ベッドユニットを示す側面図である。
図2】電動ベッドユニットの制御装置を示す斜視図である。
図3】第1手元スイッチを単体で示す正面図である。
図4】電動ベッドユニットの電気系を示すブロック図である。
図5】制御装置が実行する制御処理を示す流れ図である。
図6】乾電池の残量に基づく作動可能な機能を示す一覧表である。
図7】本発明の第2実施形態に係る電動ベッドユニットの制御処理を示す流れ図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る電動ベッドユニットの制御処理を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る電動ベッドユニットについて、図1図8を参照して説明する。図1図6は、第1実施形態に係る電動ベッドユニットを示している。
【0010】
図1は、本発明の第1実施形態に係る電動ベッドユニットを示す側面図である。
図2は、電動ベッドユニットの制御装置を示す斜視図である。
図3は、第1手元スイッチを単体で示す正面図である。
図4は、電動ベッドユニットの電気系を示すブロック図である。
【0011】
図1に示す電動ベッドユニット10は、例えば介護施設、病院、および個人宅に用いられ、背もたれや膝部などを起倒させることができるとともに、ベッド20の高さを電動で作動可能となっている。図1に示す電動ベッドユニット10は、簡易的に示したものであり、背もたれや膝部などを起倒させたり、ベッド20の高さを変えたりするための駆動装置を省略して示している。実施形態では、ベッド20に横たわる使用者Hの頭側を前側とし、足側を後側として説明する。そして、電動ベッドユニット10は、ベッド20と、機能部30と、制御装置50と、手元スイッチ(第1、第2手元スイッチ60、67)と、を備えている。
【0012】
ベッド20は、床面Fに載置されるベースフレーム21と、ベースフレーム21の上方に位置するメインフレーム22と、メインフレーム22に対して起倒可能なボトム23と、を有している。メインフレーム22は、ベッド20の左右方向(短手方向)に離間して2個設けられ、前後方向に延びている。メインフレーム22は、例えば昇降機構を介してベースフレーム21に支持されている。メインフレーム22は、後述する第3駆動装置35により、ベースフレーム21に対して上下方向に移動可能となっている。
【0013】
ボトム23は、上面がマットレスの載置面となっている。この例では、マットレスとして、ASM41(アクティブスリープマットレス)が載置されている。ASM41については、後で説明する。図1に示すように、ボトム23は、ASM41を介して使用者Hを支持している。そして、ボトム23は、背ボトム23a、腰ボトム23b、膝ボトム23c、および脚ボトム23dを有している。
【0014】
背ボトム23aは、ベッド20上に横たわる使用者Hの頭部ないし背中を支持する。背ボトム23aは、後述する第1駆動装置31により、起倒可能となっている。図1では、背ボトム23aが上がった状態を示している。腰ボトム23bは、背ボトム23aの後方に位置している。腰ボトム23bは、ベッド20上に横たわる使用者Hの腰部ないし臀部を支持する。
【0015】
膝ボトム23cは、腰ボトム23bの後方に位置している。膝ボトム23cは、ベッド20上に横たわる使用者Hの大腿部を支持する。脚ボトム23dは、膝ボトム23cの後方に位置している。脚ボトム23dは、ベッド20上に横たわる使用者Hの下腿部を支持する。膝ボトム23cと脚ボトム23dとは、後述する第2駆動装置33により、起倒可能となっている。
【0016】
ボトム23の下方には、背ボトム23aを起倒させる背もたれ機構、膝ボトム23cおよび脚ボトム23dを起倒させる膝上げ機構、メインフレーム22およびボトム23を昇降させる昇降機構(いずれも図示せず)、および各機構の作動を制御する制御装置50が設けられている。
【0017】
背もたれ機構、膝上げ機構、および昇降機構は、例えば電動シリンダからなる駆動装置により作動される。背もたれ機構は、第1駆動装置31の作動により、背ボトム23aを起倒させる。膝上げ機構は、第2駆動装置33の作動により、膝ボトム23cと脚ボトム23dとを山折り状に屈曲させる。昇降機構は、第3駆動装置35の作動により、メインフレーム22およびボトム23を昇降させる。これにより、ベッド20は、床面Fからボトム23までの高さが調節される。第1駆動装置31、第2駆動装置33、および第3駆動装置35は、電気的に作動する機能部30を構成している。
【0018】
電動ベッドユニット10は、機能部30としての付属ユニット40をさらに備えている。付属ユニット40は、電気的に作動する機能部30であり、例えばASM41(アクティブスリープマットレス)、ASA43(アクティブスリープアナライザ)、NCU(ナースコール中継ユニット)、およびUSB給電となっている。なお、付属ユニット40は、ベッド20に付属される他の機能部でもよい。付属ユニット40は、必要に応じて設けられている。
【0019】
ASM41は、ボトム23に敷かれ、使用者Hを支持する。ASM41は、ポンプと、ポンプに接続された複数のエアセル(いずれも図示せず)と、を有している。ポンプは、制御装置50により制御されている。ASM41は、ポンプによりエアセルの吸排気が行われることで、硬さを調節することができるようになっている。これにより、ASM41は、使用者Hの好みの硬さのマットレスとすることができる。
【0020】
ASA43は、ボトム23に敷かれたり、ASM41(マットレス)の内部に設けられたりする。ASA43は、ベッド20上の使用者Hの体動や呼吸を検出して、睡眠状態を分析するものである。ASA43は、制御装置50により制御されている。
【0021】
NCU45は、ベッド20上の使用者Hの状態(例えば、起上り、端座位、離床、睡眠など)をナースステーションに通信するためのものである。NCU45は、制御装置50により制御されている。
【0022】
USB給電47は、例えばUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)を接続するためのものとなっている。USB給電47は、例えばベッド20のサイドテーブル、ヘッドボード、および手元スイッチホルダ(いずれも図示せず)などに設けられている。USB給電47は、図示しないケーブルなどにより制御装置50に接続されている。
【0023】
制御装置50は、例えばボトム23の下方に設けられている。制御装置50は、各機能部30と接続され、各機能部30の作動を制御する。図2に示すように、制御装置50は、AC電源100から制御装置50に電力供給するためのケーブル102が接続される第1接続部51と、乾電池105が接続される第2接続部53と、を有している。制御装置50は、AC電源100からの電力供給または乾電池105からの電力供給がなされることにより作動する。
【0024】
この例では、乾電池105として、2個の9V角型乾電池が第2接続部53に接続されている。乾電池105は、例えば第2接続部53に収納されたケーブル(図示せず)に接続される。なお、乾電池105は、第2接続部53にスライド挿入させて接続されてもよい。電動ベッドユニット10は、例えば停電が起きた場合などに、乾電池105による電力供給で機能部30を作動させることができるようになっている。乾電池105は、乾電池の形状をした充電をすることができるニッケル水素電池のような二次電池でも構わない。
【0025】
制御装置50は、第1~第3駆動装置31、33、35の作動を制御する。制御装置50は、第1~第3駆動装置31、33、35を操作するための第1手元スイッチ60に接続されている。また、制御装置50は、付属ユニット40の作動を制御する。制御装置50は、付属ユニット40を操作するための第2手元スイッチ67に接続されている。
【0026】
制御装置50は、記憶部50aを有している。記憶部50aには、機能部30を作動させるためのプログラムが記憶されている。制御装置50は、第1手元スイッチ60または第2手元スイッチ67から送信された指令信号に基づいて、機能部30を作動させる。
【0027】
また、制御装置50は、AC電源100から電力供給されることにより、機能部30の作動を制御するAC電源モードと、乾電池105から電力供給されることにより、機能部30の作動を制御する乾電池モードと、を有している。記憶部50aには、AC電源モード用のプログラムと、乾電池モード用のプログラムと、が記憶されている。また、記憶部50aには、乾電池モードで使用される閾値が記憶されている。
【0028】
AC電源モードの場合には、機能部30の作動が制限されずに、全ての機能部30の作動が可能となっている。一方、乾電池モードの場合には、少なくとも1つの機能部30の作動が制限される。乾電池モードでは、例えば乾電池105の容量が機能部30を作動させることができる場合であっても、機能部30の作動を強制的に制限させる。乾電池モードでの制御処理については、後で説明する。
【0029】
第1手元スイッチ60は、ベッド20の第1~第3駆動装置31、33、35を作動させるためのリモコンとなっている。第1手元スイッチ60は、有線または無線により制御装置50に接続されている。使用者Hは、第1手元スイッチ60を操作することにより、背ボトム23a、膝ボトム23c、および脚ボトム23dの起倒および床面Fからの高さを変更させることができる。
【0030】
図3に示すように、第1手元スイッチ60は、複数の操作ボタン61を有している。操作ボタン61は、例えば第1~第10ボタン61a~61jとなっている。なお、操作ボタン61は、タッチパネルなどでもよい。
【0031】
第1、第2ボタン61a、61bは、第1駆動装置31を作動させるためのものである。第1ボタン61aは、第1駆動装置31のロッドを伸長させて、背ボトム23aを上げるために操作される背上げボタンである。第2ボタン61bは、第1駆動装置31のロッドを縮小させて、背ボトム23aを下げるために操作される背下げボタンである。
【0032】
第3、第4ボタン61c、61dは、第2駆動装置33を作動させるためのものである。第3ボタン61cは、第2駆動装置33のロッドを伸長させて、膝ボトム23cおよび脚ボトム23dを上げるために操作される膝上げボタンである。第4ボタン61dは、第2駆動装置33のロッドを縮小させて、膝ボトム23cおよび脚ボトム23dを下げるために操作される膝下げボタンである。
【0033】
第5、第6ボタン61e、61fは、第3駆動装置35を作動させるためのものである。第5ボタン61eは、第3駆動装置35のロッドを伸長させて、ボトム23の高さを上げるために操作される高さ上げボタンである。第6ボタン61fは、第3駆動装置35のロッドを縮小させて、ボトム23の高さを下げるために操作される高さ下げボタンである。
【0034】
第7、第8ボタン61g、61hは、第1駆動装置31と第2駆動装置33とを一緒に作動させるためのものである。第7ボタン61gは、第1駆動装置31のロッドと第2駆動装置33のロッドとを伸長させて、背ボトム23aと膝ボトム23cおよび脚ボトム23dを連動して上げる連動上げボタンである。第8ボタン61hは、第1駆動装置31のロッドと第2駆動装置33のロッドとを縮小させて、背ボトム23aと膝ボトム23cおよび脚ボトム23dを連動して下げる連動下げボタンである。
【0035】
第9、第10ボタン61i、61jは、例えば制御装置50の記憶部50aに記憶されたベッド20の姿勢にするボタンとなっている。例えば、第9、第10ボタン61i、61jには、例えば使用者Hが好む姿勢(よく使う姿勢)を記憶させることができる。この例では、ボトム23の2姿勢を記憶することができるようになっている。
【0036】
第1手元スイッチ60は、表示部62、振動部63、音声出力部64、および制御部65を有している。第1手元スイッチ60は、制御装置50が乾電池モードに設定されていることを、制御装置50から受信することができるようになっている。表示部62、振動部63、および音声出力部64は、それぞれ必要に応じて設けられている。
【0037】
制御装置50は、機能部30が乾電池モードで作動している場合に、第1手元スイッチ60に向けて乾電池作動信号を送信する。制御部65は、制御装置50から乾電池作動信号を受信すると、表示部62に乾電池105で作動していることを表示させる。なお、制御部65は、表示部62に乾電池モードであること(乾電池105が接続されていること)を表示させてもよい。また、制御部65は、乾電池105の残量を表示部62に表示させてもよい。
【0038】
また、制御部65は、制御装置50からの乾電池作動信号を受信すると、振動部63を作動させてもよい。これにより、使用者Hは、第1手元スイッチ60の振動で、機能部30が乾電池105で作動していることを認識できる。なお、制御部65は、振動部63を作動させて、乾電池モードであること(乾電池105が接続されていること)を報知させてもよい。
【0039】
また、制御部65は、制御装置50からの乾電池作動信号を受信すると、音声出力部64から音声を出力させてもよい。これにより、使用者Hは、第1手元スイッチ60から出力される音声で、機能部30が乾電池105で作動していることを認識できる。なお、制御部65は、音声出力部64から出力される音声で、乾電池モードであること(乾電池105が接続されていること)を報知させてもよい。
【0040】
第2手元スイッチ67は、付属ユニット40を作動させるためのリモコンとなっている。第2手元スイッチ67は、有線または無線により制御装置50に接続されている。使用者Hは、第2手元スイッチ67を操作することにより、付属ユニット40を作動させることができる。第2手元スイッチ67は、第1手元スイッチ60と同様の構成となっていてもよい。なお、第1手元スイッチ60と第2手元スイッチ67とは、1つの手元スイッチとなっていてもよい。また、付属ユニット40ごとに個別の手元スイッチが設けられていてもよい。
【0041】
かくして、上述した電動ベッドユニット10は、上述の如き構成を有するもので、次にAC電源モードと乾電池モードとについて説明する。
【0042】
図5は、制御装置が実行する制御処理を示す流れ図である。図5に基づく制御処理プログラムは、制御装置50の記憶部50aに記憶されている。図5の制御処理は、所定の周期で繰り返し実行される。また、図5では、各ステップを「S」で示している。
図6は、乾電池の残量に基づく作動可能な機能を示す一覧表である。図6に示す「〇」は、作動可能な機能を示し、「×」は、作動が禁止された機能を示している。
【0043】
まず、S1では、AC電源に接続されているか否かを判定する。制御装置50は、例えば電源回路から10V以上の電圧を検出することにより、AC電源100から電力供給がなされているか否かを判定する。そして、S1で「YES」、すなわちAC電源100に接続されていると判定された場合には、S2に進む。一方、S1で「NO」、すなわちAC電源100に接続されていないと判定された場合には、S3に進む。
【0044】
AC電源100から電力供給がされている場合には、AC電源モードが設定される。S2において、AC電源モードでは、機能部30の作動は制限されない。すなわち、AC電源モードでは、全ての機能部30が作動可能となっており、エンドとなる。使用者Hは、第1手元スイッチ60や第2手元スイッチ67を操作して、機能部30を作動させることができる。なお、第1手元スイッチ60や第2手元スイッチ67から、表示、音声、振動などによりAC電源モードであることが報知されてもよい。
【0045】
S3では、乾電池に接続されているか否かを判定する。制御装置50は、例えば電源回路から1V以上10V未満の電圧を検出することにより、乾電池105から電力供給がなされているか否かを判定する。なお、乾電池接続の確認は、電圧の検出に限らず、機械的に検出してもよい。例えば、制御装置50の第2接続部53に乾電池105が挿入されたことを検出してもよい。
【0046】
そして、S3で「YES」、すなわち乾電池105に接続されていると判定された場合には、S4に進む。一方、S1で「NO」、すなわち乾電池105に接続されていないと判定された場合には、エンドとなる。
【0047】
乾電池105から電力供給がされている場合には、乾電池モードが設定される。S4では、乾電池容量Bvが第1閾値Bv1以上か否かを判定する(Bv≧Bv1)。第1閾値Bv1は、制御装置50の記憶部50aにあらかじめ記憶されている。第1閾値Bv1は、乾電池105の満容量(例えば、9V)に近い値となっている。第1閾値Bv1は、例えば乾電池105の電圧でもよいし、乾電池105の残容量(%)でもよい。
【0048】
そして、S4で「YES」、すなわち乾電池容量Bvが第1閾値Bv1以上と判定された場合には、S5に進む。一方、S4で「NO」、すなわち乾電池容量Bvが第1閾値Bv1未満と判定された場合には、S6に進む。
【0049】
S5では、複数の機能部30のうち、連動作動禁止および付属ユニット作動禁止を実行する。すなわち、制御装置50は、第1~第3駆動装置31、33、35のうち少なくとも2つ以上の駆動装置を一緒に動かす連動作動を禁止する。この場合、制御装置50は、乾電池105の容量Bv1が第1閾値Bvである場合に、連動作動が可能な場合でも連動作動を禁止させる。また、制御装置50は、付属ユニット40(ASM41、ASA43、NCU45、USB給電47)の作動を禁止する。
【0050】
これにより、制御装置50は、例えば第1手元スイッチ60の第7ボタン61gや第8ボタン61hが操作されても、第1駆動装置31と第2駆動装置33とを作動させない。このように、乾電池モードでは、乾電池105の容量減少が大きくなるおそれがある連動作動を最初に禁止させる。従って、乾電池105の寿命を向上できる。
【0051】
S6では、乾電池容量Bvが第2閾値Bv2以上か否かを判定する(Bv1>Bv≧Bv2)。第2閾値Bv2は、制御装置50の記憶部50aにあらかじめ記憶されている。第2閾値Bv2は、第1閾値Bv1よりも小さい値となっている。
【0052】
そして、S6で「YES」、すなわち乾電池容量Bvが第2閾値Bv2以上と判定された場合には、S7に進む。一方、S6で「NO」、すなわち乾電池容量Bvが第2閾値Bv2未満と判定された場合には、S8に進む。
【0053】
S7では、連動作動禁止、付属ユニット作動禁止に加えて、高さ作動禁止を実行する。すなわち、制御装置50は、さらに第3駆動装置35の作動を禁止する。これにより、制御装置50は、例えば第1手元スイッチ60の第5ボタン61eや第6ボタン61fが操作されても、第3駆動装置35を作動させない。このように、乾電池105の容量が第1閾値未満で第2閾値以上である場合には、作動が制限される機能部30の数を多くする。従って、乾電池105の寿命を向上できる。
【0054】
S8では、乾電池容量Bvが第3閾値Bv3以上か否かを判定する(Bv2>Bv≧Bv3)。第3閾値Bv3は、制御装置50の記憶部50aにあらかじめ記憶されている。第3閾値Bv3は、第2閾値Bv2よりも小さい値となっている。第3閾値Bv3は、例えば第1駆動装置31のロッドの縮小および第2駆動装置33のロッドの縮小をすることができる最低容量値に近い値となっている。
【0055】
そして、S8で「YES」、すなわち乾電池容量Bvが第3閾値Bv3以上と判定された場合には、S9に進む。一方、S8で「NO」、すなわち乾電池容量Bvが第3閾値Bv3未満と判定された場合には、S10に進む。
【0056】
S9では、連動作動禁止、付属ユニット作動禁止、高さ作動禁止に加えて、背・膝上げ作動禁止を実行する。すなわち、制御装置50は、さらに第1駆動装置31および第2駆動装置33によるボトム23の上げ作動を禁止する。これにより、制御装置50は、例えば第1手元スイッチ60の第1ボタン61aや第3ボタン61cが操作されても、第1駆動装置31および第2駆動装置33を作動させない。
【0057】
すなわち、乾電池105の容量Bvが第2閾値Bv2未満第3閾値Bv3以上の場合には、複数の機能部30のうち、第1駆動装置31のロッドの縮小と、第2駆動装置33のロッドの縮小のみが許容される。換言すると、第1手元スイッチ60は、第2ボタン61bと第4ボタン61dのみが有効となり、その他のボタンは無効となる。
【0058】
例えば、使用者Hがボトム23を平坦にしようとした場合に、間違えて第1手元スイッチ60を操作した場合には、乾電池105の容量が減少して、次にボトム23を平坦にできなくなってしまうおそれがある。本実施形態によれば、乾電池105の残量が少ない場合でも、ボトム23を平坦にさせることができる。
【0059】
S10では、乾電池容量不足報知を行う。制御装置50は、第1手元スイッチ60や第2手元スイッチ67に向けて、乾電池105が容量不足であることの制御信号を送信する。第1手元スイッチ60や第2手元スイッチ67は、表示部62、振動部63、音声出力部64などから乾電池105の容量不足を報知する。例えば、表示部62に「乾電池の容量が不足しています」といった表示をしたり、アイコンや記号で乾電池105の容量不足を示す表示をしたり、音声出力部64から「乾電池の容量が不足しています」といったアナウンスをしたり、ビープ音などで乾電池105の容量不足を示してもよい。
【0060】
かくして、第1実施形態による電動ベッドユニット10によれば、制御装置50は、AC電源100から電力供給されることにより、機能部30の作動を制御するAC電源モードと、乾電池105から電力供給されることにより、機能部30の作動を制御する乾電池モードと、を有している。乾電池モードは、乾電池105の容量と、容量に対応する閾値とに基づいて、複数の機能部30のうち少なくとも1つの機能部の作動が制限される。
【0061】
例えば、停電が起きた場合に、乾電池105を用いて無制限に機能部30を作動させていると、使用者Hが就寝するときに乾電池105の容量不足となり、ボトム23を平坦にすることができなくなってしまうおそれがある。本実施形態では、乾電池モードでは、機能部30の作動を制限させて、乾電池105の容量が減少するのを抑制することができる。
【0062】
また、制御装置50は、乾電池105の電圧を検知することにより、AC電源モードから乾電池モードに移行させる。これにより、複雑な構成を用いることなく、乾電池105が接続されたことを認識することができる。
【0063】
また、閾値は、第1閾値Bv1と、第1閾値Bv1よりも小さい値の第2閾値Bv2と、を有し、作動が制限される機能部30の数は、乾電池105の容量が第1閾値Bv1以上の場合よりも第1閾値Bv1未満で第2閾値Bv2以上の場合の方が多くなっている。この例では、第2閾値Bv2よりも小さい値の第3閾値Bv3をさらに有している。そして、乾電池105の容量が第2閾値Bv2未満で第3閾値Bv3以上の場合には、ボトム23を平坦にする作動しかできないようにしている。これにより、乾電池105の寿命をより向上させることができるとともに、停電の場合に就寝するときにボトム23を平坦にさせることができる。
【0064】
次に、本発明の第2実施形態に係る電動ベッドユニットの制御処理について、図7を参照して説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同様の構成に同じ符号を付し、その説明を省略する。第2実施形態に係る制御処理は、乾電池モードに移行した場合に、第1手元スイッチ60の上げボタンを無効とするものである。
【0065】
図7は、本発明の第2実施形態に係る電動ベッドユニットの制御処理を示す流れ図である。図7に示す制御処理は、所定の周期で繰り返し実行される。図7では、各ステップを「S」で示している。
【0066】
S11~S13では、図5中のS1~S3と同様の制御処理が実行される。次のS14では、付属ユニットの作動を禁止する。すなわち、制御装置50は、乾電池105の容量が付属ユニット40を作動させるのに十分であったとしても、付属ユニット40の作動を禁止させる。これにより、乾電池105の寿命を向上できる。
【0067】
次のS15では、乾電池容量Bvが閾値Bvx以上か否かを判定する。閾値Bvxは、制御装置50の記憶部50aにあらかじめ記憶されている。閾値Bvxは、例えばボトム23の下げ動作を行うのに必要な乾電池105の容量として設定されている。すなわち、閾値Bvxは、例えば第1~第3駆動装置31、33、35のロッドを縮小するために必要な乾電池105の容量として設定されている。
【0068】
そして、S15で「YES」、すなわち乾電池容量Bvが閾値Bvx以上と判定された場合には、S16に進む。一方、S15で「NO」、すなわち乾電池容量Bvが閾値Bvx未満と判定された場合には、S17に進む。
【0069】
S16では、手元スイッチの上げボタンを無効とする。すなわち、制御装置50は、第1手元スイッチ60の下げボタンのみを有効とする。換言すると、制御装置50は、ベッド20の下げ作動のみ有効とし、その他の作動を禁止させる。制御装置50は、第1手元スイッチ60操作ボタン61のうち、第2ボタン61b、第4ボタン61d、および第6ボタン61fの操作のみを有効として、エンドとする。なお、制御装置50は、連動下げを行うための第8ボタン61hも加えて有効としていてもよい。また、制御装置50は、ベッド20の平坦作動のみを有効(すなわち、第2ボタン61bと第4ボタン61dのみを有効)としてもよい。
【0070】
このように、第2実施形態による電動ベッドユニット10、乾電池モードは、複数の操作ボタン61のうち、上げボタンが無効とされる。これにより、例えば使用者Hが誤って第1手元スイッチ60の上げボタンを操作した場合の乾電池105の不必要な容量減少を抑制することができる。従って、例えば停電が起きているときに就寝する場合に、乾電池105でベッド20を平坦にすることができ、使い勝手のよい電動ベッドユニット10とすることができる。
【0071】
S17では、図5中のS10と同様の制御処理が実行されて、エンドとなる。
【0072】
次に、本発明の第3実施形態に係る電動ベッドユニットの制御処理について、図8を参照して説明する。第3実施形態では、第1実施形態と同様の構成に同じ符号を付し、その説明を省略する。第3実施形態に係る制御処理は、乾電池モードに移行した場合に、第1手元スイッチ60の全てのボタンを下げボタンとするものである。
【0073】
S21~S25およびS27は、図7中のS11~S15およびS17と同様の制御処理が実行される。そして、S26では、第1手元スイッチ60の全てのボタンを下げボタンに変更させる。すなわち、制御装置50は、乾電池105の容量Bvが閾値Bvx以上の場合には、ベッド20の下げ作動のみを有効とし、その他の作動を禁止させる。
【0074】
具体的には、第1手元スイッチ60の第1~第10ボタン61a~61jのどの操作ボタンが操作されても、ボトム23を平坦にするとともに、床面Fからの高さを最低高さにする。換言すると、乾電池モードでは、いずれかの操作ボタン61が操作された場合に、第1~第3駆動装置31、33、35のロッドを縮小させる。
【0075】
この場合、制御装置50は、第1~第3駆動装置31、33、35を一緒に作動(連動作動)させてもよいし、各駆動装置を1個ずつ個別に作動させてもよい。なお、乾電池モードでは、いずれかの操作ボタン61が操作された場合に、高さを変更することなく、ベッド20のボトム23を平坦にする作動のみが実行されてもよい。
【0076】
このように、第3実施形態による電動ベッドユニット10によれば、乾電池105を使用している場合に、第1手元スイッチ60のどの操作ボタン61を操作してもベッド20を平坦にすることができる。従って、例えば使用者Hは、停電が起きた場合などに暗闇の中で第1手元スイッチ60の下げボタンを確認する必要がない。その結果、使い勝手のよい電動ベッドユニット10とすることができる。
【0077】
上述した第1実施形態では、乾電池105が満容量に近い第1閾値Bv1以上に連動作動を禁止させた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば乾電池105が満容量に近い第1閾値Bv1以上の場合には、機能部30の作動制限がなく、第1閾値Bv1未満となった場合に、少なくとも一部の機能部30の作動が制限されてもよい。
【0078】
上述した第1実施形態では、第1閾値Bv1以上の場合には、連動作動と付属ユニット40の作動とが禁止され、第2閾値Bv2以上の場合には、高さ作動が加えて禁止され、第3閾値Bv3以上の場合には、背・膝上げ作動がさらに加えて禁止された場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば各閾値で禁止される機能部30の作動は、他の機能部30でもよい。
【0079】
上述した第2、3実施形態では、乾電池容量Bvが閾値Bvx以上の場合に、機能部30の上げ作動を禁止した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば乾電池105の容量が閾値以上の場合は、機能部30を制限なく作動可能とし、乾電池105の容量が閾値未満となった場合に、ベッド20の上げ作動が禁止となるようにしてもよい。
【0080】
上述した第3実施形態では、乾電池モードでは、全てのボタンを下げボタンに変更した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば乾電池105が接続されてから(乾電池モードに移行してから)所定時間が経過したときに、自動でベッド20のボトム23の平坦作動が実行されてもよい。この場合、ボトム23の平坦作動に加えて、ベッドの高さ下げ作動も実行されてもよい。
【0081】
上述した実施形態では、乾電池モードでは、付属ユニット40の全てが作動禁止となった場合を例に挙げて説明した。しかし、複数の付属ユニット40のうち、一部の付属ユニット40は、作動可能としていてもよい。例えば、NCU45などは、停電が起きた場合などに緊急性が高くなる可能性があるので、作動可能としていてもよい。
【0082】
上述した実施形態では、乾電池モードでは、乾電池105の容量と、その容量に対応する閾値とに基づいて、機能部30の作動を制限した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば乾電池モードでは、乾電池105が接続されたことをセンサや機械機構などで検出して、機能部30の作動を制限させてもよい。
【0083】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
(構成1)
電気的に作動する複数の機能部と、前記機能部の作動を制御する制御装置と、前記制御装置に接続され、前記機能部を作動させるために操作される手元スイッチと、を備えた電動ベッドユニットであって、
前記制御装置は、
AC電源から電力供給されることにより、前記機能部の作動を制御するAC電源モードと、
乾電池から電力供給されることにより、前記機能部の作動を制御する乾電池モードと、
を有し、
前記乾電池モードは、前記複数の機能部のうち少なくとも1つの機能部の作動が制限されることを特徴とする電動ベッドユニット。
(構成2)
前記制御装置は、前記乾電池の電圧を検知することにより、前記AC電源モードから前記乾電池モードに移行させることを特徴とする構成1に記載の電動ベッドユニット。
(構成3)
前記制御装置は、第1閾値と、前記第1閾値よりも小さい値の第2閾値と、を有し、
作動が制限される前記機能部の数は、前記乾電池の容量が前記第1閾値以上の場合よりも前記第1閾値未満で前記第2閾値以上の場合の方が多いことを特徴とする構成1または2に記載の電動ベッドユニット。
(構成4)
前記機能部は、ベッドのボトムを起倒させる駆動装置を有し、
前記乾電池モードは、前記駆動装置により前記ボトムを平坦にする作動以外の機能部の作動が禁止されることを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の電動ベッドユニット。
(構成5)
前記機能部は、
ベッドの背ボトムを起倒させる第1駆動装置と、
前記ベッドの膝ボトムを起倒させる第2駆動装置と、
を有し、
前記乾電池モードは、前記乾電池の容量が閾値以上の場合に、前記第1駆動装置と前記第2駆動装置とを一緒に作動させる連動作動が禁止されることを特徴とする構成1または2に記載の電動ベッドユニット。
(構成6)
前記機能部は、
ベッドの背ボトムを起倒させる第1駆動装置と、
前記ベッドの膝ボトムを起倒させる第2駆動装置と、
前記ベッドの高さを変える第3駆動装置と、
を有し、
前記制御装置は、第1閾値と、前記第1閾値よりも小さい値の第2閾値と、を有し、
前記乾電池モードは、
前記乾電池の容量が前記第1閾値以上の場合に、前記第1駆動装置と前記第2駆動装置とを一緒に作動させる連動作動が禁止され、
前記乾電池の容量が前記第1閾値未満で前記第2閾値以上の場合に、前記連動作動の禁止に加えて前記第3駆動装置の作動が禁止されることを特徴とする構成1または2に記載の電動ベッドユニット。
(構成7)
前記制御装置は、前記第2閾値よりも小さい値の第3閾値、をさらに有し、
前記乾電池モードは、前記乾電池の容量が前記第2閾値未満で前記第3閾値以上の場合に、前記連動作動の禁止および前記第3駆動装置の作動の禁止に加えて、前記背ボトムを上げるための前記第1駆動装置の作動と前記膝ボトムを上げるための前記第2駆動装置の作動とが禁止されることを特徴とする構成6に記載の電動ベッドユニット。
(構成8)
前記機能部は、
ベッドの背ボトムを起倒させる第1駆動装置と、
前記ベッドの膝ボトムを起倒させる第2駆動装置と、
前記ベッドの高さを変える第3駆動装置と、
を有し、
前記手元スイッチは、前記第1駆動装置、前記第2駆動装置、および前記第3駆動装置をそれぞれ作動させるための複数の操作ボタンを有し、
前記乾電池モードは、前記複数の操作ボタンのうち、上げボタンが無効とされることを特徴とする構成1または2に記載の電動ベッドユニット。
(構成9)
前記機能部は、
ベッドの背ボトムを起倒させる第1駆動装置と、
前記ベッドの膝ボトムを起倒させる第2駆動装置と、
前記ベッドの高さを変える第3駆動装置と、
を有し、
前記手元スイッチは、前記第1駆動装置、前記第2駆動装置、および前記第3駆動装置をそれぞれ作動させるための複数の操作ボタンを有し、
前記乾電池モードは、前記複数の操作ボタンの全てを、前記背ボトム、前記膝ボトム、および前記ベッドの高さを下げる下げボタンに変更することを特徴とする構成1または2に記載の電動ベッドユニット。
(構成10)
前記機能部は、ベッドに付属される付属ユニットをさらに備え、
前記乾電池モードは、前記付属ユニットの作動が禁止されることを特徴とする構成1~9のいずれか1つに記載の電動ベッドユニット。
(構成11)
前記手元スイッチは、振動部をさらに有し、
前記振動部は、前記乾電池モードで前記機能部が作動しているときに作動することを特徴とする構成1~10のいずれか1つに記載の電動ベッドユニット。
(構成12)
前記手元スイッチは、音声出力部をさらに有し、
前記音声出力部は、前記乾電池モードで前記機能部が作動しているときに音声を出力することを特徴とする構成1~11のいずれか1つに記載の電動ベッドユニット。
(構成13)
前記手元スイッチは、表示部をさらに有し、
前記表示部は、前記乾電池モードで前記機能部が作動しているときに前記乾電池で作動していることを表示することを特徴とする構成1~12のいずれか1つに記載の電動ベッドユニット。
(構成14)
前記手元スイッチは、表示部をさらに有し、
前記表示部は、前記乾電池の残量を表示することを特徴とする構成1~13のいずれか1つに記載の電動ベッドユニット。
【0084】
前述の実施形態は、本発明を具現化した例であり、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、前述の実施形態において、いくつかの構成要素を追加、削除または変更したものも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
10 電動ベッドユニット
20 ベッド
21 ベースフレーム
22 メインフレーム
23 ボトム
23a 背ボトム
23b 腰ボトム
23c 膝ボトム
23d 脚ボトム
30 機能部
31 第1駆動装置
33 第2駆動装置
35 第3駆動装置
40 付属ユニット
41 ASM
43 ASA
45 NCU
47 USB給電
50 制御装置
50a 記憶部
51 第1接続部
53 第2接続部
60 第1手元スイッチ
61 操作ボタン
61a 第1ボタン(背上げ)
61b 第2ボタン(背下げ)
61c 第3ボタン(膝上げ)
61d 第4ボタン(膝下げ)
61e 第5ボタン(高さ上げ)
61f 第6ボタン(高さ下げ)
61g 第7ボタン(連動上げ)
61h 第8ボタン(連動下げ)
61i 第9ボタン(第1記憶)
61j 第10ボタン(第2記憶)
62 表示部
63 振動部
64 音声出力部
65 制御部
67 第2手元スイッチ
100 AC電源
102 ケーブル
105 乾電池
F 床面
H 使用者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8