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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094931
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240703BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211856
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】小林 伸一
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】保健指導を受ける対象者が、相談員から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことを支援する。
【解決手段】情報処理装置は、保健指導を受ける対象者の性格に関する性格情報を取得する性格情報取得部と、前記対象者の健康診断の結果を含む健康情報を取得する健康情報取得部と、前記健康情報に基づいて、前記対象者の減量目標を設定する目標設定部と、前記性格情報及び前記減量目標が入力されると、前記性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち前記減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、前記対象者に対する指導内容として出力する学習済みモデルを予め記憶する記憶部と、前記性格情報及び前記減量目標を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容を含む指導レポートを生成するレポート生成部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保健指導を受ける対象者の性格に関する性格情報を取得する性格情報取得部と、
前記対象者の健康診断の結果を含む健康情報を取得する健康情報取得部と、
前記健康情報に基づいて、前記対象者の減量目標を設定する目標設定部と、
前記性格情報及び前記減量目標が入力されると、前記性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち前記減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、前記対象者に対する指導内容として出力する学習済みモデルを予め記憶する記憶部と、
前記性格情報及び前記減量目標を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容を含む指導レポートを生成するレポート生成部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記性格情報取得部は、前記対象者のやる気の有無、意思の強さ、及び我の強さを、前記性格情報として取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記性格情報取得部は、前記対象者の問診で使用された問診票またはアンケートの結果を、前記性格情報として取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記性格情報取得部は、前記対象者に対して実施されたジョハリの窓による性格分析の結果を、前記性格情報として取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記健康情報は、前記健康診断の結果として、前記対象者のウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧の診断結果を含み、
前記目標設定部は、前記ウエスト周囲径、前記中性脂肪、前記空腹時の血糖値、及び前記血圧の診断結果が、メタボリックシンドロームの診断基準値未満となるように前記減量目標を設定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
保健指導を受ける対象者の性格に関する性格情報を取得することと、
前記対象者の健康診断の結果を含む健康情報を取得することと、
前記健康情報に基づいて、前記対象者の減量目標を設定することと、
前記性格情報及び前記減量目標が入力されると、前記性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、前記対象者に対する指導内容として出力する学習済みモデルを、記憶部から読み出すことと、
前記性格情報及び前記減量目標を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容を含む指導レポートを生成することと、
をコンピューターに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、保健指導対象者が継続的に保健指導を受けられるようにし、保健指導実績の向上を図ることができる保健指導支援計画作成システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-64065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、特定保健指導の対象者の性格を反映させずに、対象者の活動に関する指導を行っているため、活動に対する対象者のやる気を低下させる場合があり、対象者が相談員から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様の情報処理装置は、保健指導を受ける対象者の性格に関する性格情報を取得する性格情報取得部と、前記対象者の健康診断の結果を含む健康情報を取得する健康情報取得部と、前記健康情報に基づいて、前記対象者の減量目標を設定する目標設定部と、前記性格情報及び前記減量目標が入力されると、前記性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち前記減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、前記対象者に対する指導内容として出力する学習済みモデルを予め記憶する記憶部と、前記性格情報及び前記減量目標を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容を含む指導レポートを生成するレポート生成部と、を備える。
【0006】
本発明の一つの態様のプログラムは、保健指導を受ける対象者の性格に関する性格情報を取得することと、前記対象者の健康診断の結果を含む健康情報を取得することと、前記健康情報に基づいて、前記対象者の減量目標を設定することと、前記性格情報及び前記減量目標が入力されると、前記性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、前記対象者に対する指導内容として出力する学習済みモデルを、記憶部から読み出すことと、前記性格情報及び前記減量目標を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容を含む指導レポートを生成することと、をコンピューターに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態における情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】やる気の有無、意思の強さ、及び我の強さから導き出される性格パターンの一例を示す図である。
図3】対象者に対して設定される減量目標の一例を示す図である。
図4】学習済みモデルが生成される手順を示す第1図である。
図5】学習済みモデルが生成される手順を示す第2図である。
図6】指導レポート生成処理を示すフローチャートである。
図7】ジョハリの窓を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度を実際とは異ならせている場合がある。
【0009】
図1は、本実施形態における情報処理装置100の概略構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、相談員P1が対象者P2に対して行う特定保健指導を支援する装置である。例えば、情報処理装置100は、PC(Personal Computer)である。
【0010】
例えば、対象者P2は、定期的に実施される健康診断により、メタボリックシンドロームと診断された人物である。健康診断の結果のうち、ウエスト周囲径の診断結果と、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧(収縮期血圧及び拡張期血圧)のうち少なくとも2つの診断結果とが、メタボリックシンドロームの診断基準値に該当する場合、健康診断を受けた人物は、メタボリックシンドロームと診断され、特定保健指導の対象者となる。本明細書では、特定保健指導を保健指導と略す場合がある。
【0011】
例えば、ウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧に関するメタボリックシンドロームの診断基準値は、以下の通りである。
【0012】
[メタボリックシンドロームの診断基準値]
(a)ウエスト周囲径:男性85cm以上、女性90cm以上
(b)中性脂肪:150mg/dl以上
(c)空腹時の血糖値:110mg/dl以上
(d)血圧:収縮期血圧130mmHg以上、拡張期血圧85mmHg以上
【0013】
対象者P2の健康診断の結果は、健康保険組合から相談員P1に提供される。健康診断の結果を相談員P1に提供する方法は特に限定されない。例えば、対象者P2自身が、健康診断の結果が印刷された印刷物を相談員P1に提供してもよい。または、対象者P2が、健康診断の結果の電子ファイルが添付された電子メールを、相談員P1が使用可能なスマートフォンまたはタブレット端末等に送信してもよい。いずれの方法においても、対象者P2の健康診断の結果は、対象者P2の識別情報と紐づけられた状態で、相談員P1に提供される。例えば、対象者P2の識別情報は、対象者P2が加入している健康保険組合の保険者番号、及び対象者P2の被保険者番号などを含む。
【0014】
相談員P1は、健康保険組合から対象者P2の健康診断の結果を受け取ると、対象者P2と連絡を取り合い、面談の日時を決定する。対象者P2は、面談の日時に相談員P1との面談を行い、相談員P1からの質問に回答する。相談員P1は、質問に対する対象者P2の回答及び反応に基づいて、対象者P2の性格情報を取得する。例えば、相談員P1は、やる気の有無、意思の強さ、及び我の強さを、対象者P2の性格情報として取得する。
【0015】
例えば、相談員P1は、保健指導の取り組みに対しての対象者P2の姿勢及び危機感の有無などに基づいて、対象者P2のやる気の有無を判断する。例えば、相談員P1は、対象者P2が、改善の取り組みに対して前向きである、健康に関する情報を自ら収集している、及び危機感を持っている等の少なくとも1つに該当する場合、やる気が有ると判断する。一方、相談員P1は、対象者P2が、改善の取り組みに対して後向き(嫌々参加させられている)である、及び危機感を持っていない等の少なくとも1つに該当する場合、やる気が無いと判断する。
【0016】
例えば、相談員P1は、対象者P2が継続力を有するかどうかを判断することにより、対象者P2の意思の強さを判断する。例えば、相談員P1は、対象者P2が、自分に厳しい、及び既に何かしらの活動を継続的に行っている等の少なくとも1つに該当する場合、対象者P2の意思の強さは強いと判断する。一方、相談員P1は、対象者P2が、自分に甘い、言い訳をしやすい、及び三日坊主になることが多い等の少なくとも1つに該当する場合、対象者P2の意思の強さは弱いと判断する。
【0017】
例えば、相談員P1は、対象者P2の話を聞く姿勢及び質問への受け答えに基づいて、対象者P2の我の強さを判断する。例えば、相談員P1は、対象者P2が、アドバイスを求めている、及び相談員P1の意見を素直に受け止める等の少なくとも1つに該当する場合、対象者P2の我の強さは弱いと判断する。一方、相談員P1は、対象者P2が、自分の意見を曲げたくない、及び相談員P1の意見に対して反論が多い等の少なくとも1つに該当する場合、対象者P2の我の強さは強いと判断する。
【0018】
図2は、やる気の有無、意思の強さ、及び我の強さから導き出される性格パターンの一例を示す図である。図2に示すように、やる気が有り、意思の強さが弱く、且つ我の強さが弱い場合の性格パターンを第1の性格パターンと定義する。やる気の有無、意思の強さ、及び我の強さから導き出される性格パターンが第1の性格パターンに該当する対象者P2の人物像は、以下の通りである。
【0019】
[第1の性格パターンに該当する対象者P2の人物像]
・取組みに対して前向きで、やる気が有る。
・危機感が有る。
・自分に甘いため取組みを中断しがちで、言い訳をしがちである。
・知識が少ない。
・人からアドバイスが欲しく、相談員P1の意見を素直に受け止める。
・何をしたらよいかわからないから何も取り組んでいない。
・問題点には気づいているが、行動に移せない。
【0020】
図2に示すように、やる気が有り、意思の強さが強く、且つ我の強さが弱い場合の性格パターンを第2の性格パターンと定義する。やる気の有無、意思の強さ、及び我の強さから導き出される性格パターンが第2の性格パターンに該当する対象者P2の人物像は、以下の通りである。
【0021】
[第2の性格パターンに該当する対象者P2の人物像]
・取組みに対して前向きで、やる気が有る。
・危機感が有る。
・既に何かしらの運動に取り組んでおり、体重計測を定期的に行っている。
・知識が少ない。
・人からアドバイスが欲しく、相談員P1の意見を素直に受け止める。
・食事管理に意識がある。
【0022】
図2に示すように、やる気が無く、意思の強さが弱く、且つ我の強さが強い場合の性格パターンを第3の性格パターンと定義する。やる気の有無、意思の強さ、及び我の強さから導き出される性格パターンが第3の性格パターンに該当する対象者P2の人物像は、以下の通りである。
【0023】
[第3の性格パターンに該当する対象者P2の人物像]
・取組みに対して後向きで、嫌々参加している。
・危機感が無い。
・自分に甘いため取組みを中断しがちで、言い訳をしがちである。
・知識が少ない。
・相談員P1の意見に対して反論が多い。
【0024】
図2に示すように、やる気が有り、意思の強さが強く、且つ我の強さが強い場合の性格パターンを第4の性格パターンと定義する。やる気の有無、意思の強さ、及び我の強さから導き出される性格パターンが第4の性格パターンに該当する対象者P2の人物像は、以下の通りである。
【0025】
[第4の性格パターンに該当する対象者P2の人物像]
・取組みに対して前向きで、やる気が有る。
・危機感が有る。
・既に何かしらの運動に取り組んでおり、体重計測を定期的に行っている。
・知識が多い。
・自分の行っていることが正しいという自信があり、相談員P1の意見に対して反論が多い。
【0026】
以下、図1に戻って説明を続ける。上記のように、相談員P1は、やる気の有無、意思の強さ、及び我の強さを、対象者P2の性格情報として取得した後、情報処理装置100を操作することにより、対象者P2の識別情報、性格情報及び健康診断の結果を、情報処理装置100に入力する。情報処理装置100に入力される健康診断の結果とは、対象者P2がメタボリックシンドロームと診断されたときの健康診断の結果である。
【0027】
情報処理装置100は、相談員P1によって入力された対象者P2の性格情報及び健康診断の結果に基づいて、対象者P2に対する指導内容を含む指導レポートを生成する。情報処理装置100は、生成した指導レポートを相談員P1に提供する。指導レポートを相談員P1に提供する方法は特に限定されない。例えば、情報処理装置100にプリンターが接続されている場合には、情報処理装置100は、プリンターを介して、指導レポートの内容が印刷された印刷物を相談員P1に提供してもよい。または、情報処理装置100は、指導レポートの電子ファイルが添付された電子メールを、相談員P1が使用可能なスマートフォンまたはタブレット端末等に送信してもよい。
【0028】
相談員P1は、指導レポートの内容を確認した後、指導レポートを対象者P2に提供する。指導レポートを対象者P2に提供する方法は特に限定されない。例えば、相談員P1が指導レポートを印刷物として入手した場合には、指導レポートの印刷物を対象者P2に提供してもよい。または、相談員P1が指導レポートを電子ファイルとして入手した場合には、指導レポートの電子ファイルが添付された電子メールを、対象者P2のユーザー端末に送信してもよい。対象者P2のユーザー端末は、例えば、対象者P2が使用可能なスマートフォンまたはタブレット端末等である。
【0029】
以下、情報処理装置100の構成について詳細に説明する。図1に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、操作部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150と、を備える。
【0030】
通信部110は、外部装置と通信する通信インターフェース装置である。例えば、指導レポートの電子ファイルが添付された電子メールを相談員P1に提供する場合、通信部110は、制御部150からの指示に従って、指導レポートの電子ファイルが添付された電子メールを、相談員P1が使用可能なスマートフォンまたはタブレット端末等に送信する。
【0031】
操作部120は、情報処理装置100に対する相談員P1の入力操作を受け付ける装置である。例えば、操作部120は、キーボード及びマウス等の入力装置である。操作部120は、キーボード及びマウス等が操作されることで生じる電気信号を操作信号として制御部150に出力する。操作部120は、相談員P1から、対象者P2の識別情報、性格情報及び健康診断の結果の入力操作を受け付けると、それらの入力操作によって生じる電気信号を操作信号として制御部150に出力する。
【0032】
表示部130は、制御部150から制御されることにより、所定の画像を表示する。表示部130は、例えば、液晶モニター又は有機EL(Electro Luminescence)モニター等である。
【0033】
記憶部140は、制御部150が各種処理を実行するのに必要なプログラム及びデータ等を記憶する。例えば、記憶部140は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリー、及びROM(Read Only Memory)などの不揮発性記憶装置と、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置と、を含む。
【0034】
記憶部140は、プログラム141及び学習済みモデル142等を記憶する。プログラム141は、OS(Operating System)及びアプリケーションプログラムに加えて、後述の指導レポート生成処理を制御部150に実行させるプログラム等を含む。以下の説明では、指導レポート生成処理を制御部150に実行させるプログラムを、指導レポート生成プログラムと呼称する。学習済みモデル142についての詳細は後述する。
【0035】
制御部150は、記憶部140に記憶されたプログラム141に従って、情報処理装置100の全体動作を制御する。例えば、制御部150は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーである。制御部150は、性格情報取得部151と、健康情報取得部152と、目標設定部153と、レポート生成部154と、を含む。これらの構成要素は、制御部150が上記の指導レポート生成プログラムを実行することによって実現される機能である。
【0036】
制御部150の機能の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はGPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0037】
性格情報取得部151は、操作部120から出力される操作信号に基づいて、対象者P2の性格に関する性格情報を取得する。例えば、性格情報取得部151は、やる気の有無、意思の強さ、及び我の強さを、対象者P2の性格情報として取得する。
【0038】
健康情報取得部152は、操作部120から出力される操作信号に基づいて、対象者P2の健康診断の結果を含む健康情報を取得する。例えば、健康情報は、健康診断の結果として、対象者P2の体重、胸囲、ウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、血圧(収縮期血圧及び拡張期血圧)、及びBMI(Body Mass Index)などの診断結果を含む。これらの診断項目は一例であり、健康診断の結果は、他の診断項目の診断結果を含んでいてもよい。
【0039】
目標設定部153は、健康情報に基づいて、対象者P2の減量目標を設定する。例えば、目標設定部153は、対象者P2のウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧の診断結果が、メタボリックシンドロームの診断基準値未満となるように減量目標を設定する。
【0040】
図3は、対象者P2に対して設定される減量目標の一例を示す図である。図3の例では、対象者P2が40歳の男性であり、ウエスト周囲径の診断結果が90cmであり、中性脂肪の診断結果が155mg/dlであり、空腹時の血糖値の診断結果が115mg/dlであり、収縮期血圧の診断結果が132mmHgであり、拡張期血圧の診断結果が87mmHgである場合を示している。
【0041】
この場合、目標設定部153は、ウエスト周囲径の減量目標を-6cmに設定し、中性脂肪の減量目標を-6mg/dlに設定し、空腹時の血糖値の減量目標を-6mg/dlに設定し、収縮期血圧の減量目標を-3mmHgに設定し、拡張期血圧の減量目標を-3mmHgに設定する。
【0042】
また、目標設定部153が設定する対象者P2の減量目標は、対象者P2の体重と腹囲に関する目標であってもよい。対象者P2の体重に関する目標は、例えば、対象者P2がメタボリックシンドロームと診断された健康診断における対象者P2の体重に対して、1ヶ月ごとに数%程度の減量を目標として設定しても良く、対象者P2のBMIが25以下となる体重を目標として設定しても良い。減量目標を対象者P2の体重に関する目標とすることで、対象者P2は、自身が行った活動の成果を容易に確認できるため、活動に対するモチベーションの維持がしやすくなる。
【0043】
図1に戻り、レポート生成部154は、性格情報及び減量目標を学習済みモデル142に入力し、学習済みモデル142から出力される指導内容を含む指導レポートを生成する。学習済みモデル142は、性格情報及び減量目標が入力されると、性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、対象者P2に対する指導内容として出力する数理モデルである。指導レポートは、学習済みモデル142から出力される指導内容に加えて、健康診断の結果及び減量目標などの他の情報を含んでいてもよい。
【0044】
例えば、アドバイス候補は、運動に関するアドバイスを含む。例えば、運動に関するアドバイスとは、対象者P2が行う運動の紹介、対象者P2が行う運動へのアドバイス、日常生活での歩き方のアドバイス等である。アドバイス候補は、上記のような運動に関するアドバイスだけでなく、食事及び睡眠に関するアドバイスを含んでいてもよい。例えば、食事に関するアドバイスとは、食事の量、食事をとる時間、及び食事の栄養バランス等に関するアドバイスである。例えば、睡眠に関するアドバイスとは、起床時間及び就寝時間についてのアドバイスである。
【0045】
例えば、性格情報に基づく複数のアドバイス候補は、以下のような、簡単な指導内容と、高度な指導内容と、とても簡単な指導内容と、本人の意思を尊重する指導内容と、を含む。
【0046】
[簡単な指導内容]
・食事に関する指導:炭水化物や脂っぽいものを控える、間食を控えるように指導。
・運動に関する指導:ウォーキング、スクワットや歩き方についての指導。
・睡眠に関する指導:睡眠時間を一定にするように指導。
・アドバイスの傾向:継続をサポートするような助言。
【0047】
[高度な指導内容]
・食事に関する指導:簡単な指導よりも炭水化物や脂っぽいものを控えさせ、野菜やたんぱく質多めの食事を促し、間食を控えるように指導。
・運動に関する指導:ランニング、スクワットや歩き方についての指導。
・睡眠に関する指導:就寝時間および起床時間を一定にするように指導。
・アドバイスの傾向:取組みをほめる、成果をほめるような助言。
【0048】
[とても簡単な指導内容]
・食事に関する指導:食事の内容の記録、間食を控えるように指導。
・運動に関する指導:ウォーキングや歩き方についての指導。
・睡眠に関する指導:睡眠時間を一定にするように指導。
・アドバイスの傾向:現状の問題点に気づかせるような助言。
【0049】
[本人の意思を尊重する指導内容]
・食事に関する指導:食事の内容の記録。
・運動に関する指導:本人が行っている運動についての指導、相談員P1が勧める運動についての情報を記載。
・睡眠に関する指導:相談員P1が勧める睡眠時間に関する指導の情報を記載。
・アドバイスの傾向:本人の行動を褒め、本人の行動による成果(数値の増減)のありのままを伝える助言。
【0050】
例えば、学習済みモデル142は、第1の性格パターンを表す性格情報が入力されると、上記のアドバイス候補のうち、簡単な指導内容を出力するように学習される。このように、第1の性格パターンの場合に簡単な指導内容が採用される理由は、対象者P2の意思が弱いので、活動を継続させることに注力し、継続を褒めるような助言で活動へのやる気の維持を図る指導であるためである。
【0051】
第1の性格パターンの場合に高度な指導内容が採用されない理由は、対象者P2は、やる気は有るが意思が弱いので、高度な指導だと活動の継続が難しくなるためである。第1の性格パターンの場合にとても簡単な指導内容が採用されない理由は、簡単すぎる内容であるため、活動へのやる気が低下するためである。第1の性格パターンの場合に本人の意思を尊重する指導内容が採用されない理由は、対象者P2は、知識が少ないため何をやるか具体的に示さないと行動に移せないためである。
【0052】
例えば、学習済みモデル142は、第2の性格パターンを表す性格情報が入力されると、上記のアドバイス候補のうち、高度な指導内容を出力するように学習される。このように、第2の性格パターンの場合に高度な指導内容を採用する理由は、対象者P2は、やる気もあり意思も強いため、簡単な指導内容だとやる気の維持が難しく、活動を継続しなくなるためである。また、活動や活動での成果を褒めることで、やる気の更なる向上を促す指導であるためである。
【0053】
第2の性格パターンの場合に簡単な指導内容が採用されない理由は、簡単すぎる内容であるため、活動へのやる気が低下するためである。第2の性格パターンの場合にとても簡単な指導内容が採用されない理由は、簡単すぎる内容であるため、活動へのやる気が低下するためである。第2の性格パターンの場合に本人の意思を尊重する指導内容が採用されない理由は、対象者P2は、知識が少ないため何をやるか具体的に示さないと行動に移せないためである。
【0054】
例えば、学習済みモデル142は、第3の性格パターンを表す性格情報が入力されると、上記のアドバイス候補のうち、とても簡単な指導内容を出力するように学習される。このように、第3の性格パターンの場合にとても簡単な指導内容を採用する理由は、対象者P2は、やる気もなく意思も弱いため、まずは活動に興味を持ってもらうことを目標にするためである。また、そのために現状の問題点や、行っている活動の意味について理解できる指導であるためである。
【0055】
第3の性格パターンの場合に簡単な指導内容が採用されない理由は、対象者P2は、やる気もなく意思が弱いので、簡単すぎる内容であっても、活動へのやる気が低下するためである。第3の性格パターンの場合に高度な指導内容が採用されない理由は、対象者P2は、やる気もなく意思が弱いので、高度な指導だと活動の継続が難しくなるためである。第3の性格パターンの場合に本人の意思を尊重する指導内容が採用されない理由は、対象者P2は、知識が少ないため何をやるか具体的に示さないと行動に移せないためである。
【0056】
例えば、学習済みモデル142は、第4の性格パターンを表す性格情報が入力されると、上記のアドバイス候補のうち、本人の意思を尊重する指導内容を出力するように学習される。このように、第4の性格パターンの場合に本人の意思を尊重する指導内容を採用する理由は、食事、運動などの内容を無理やり指導すると活動へのやる気をなくすので、本人がやりたい運動をどのくらいの頻度で行うべきかを提示し、本人が行う運動の結果や成果をありのまま伝えることで、少しでもこちらの意見に耳を傾けるきっかけを作れる指導であるためである。
【0057】
第4の性格パターンの場合に簡単な指導内容が採用されない理由は、運動や食事の内容を指導するものであるため、本人のやる気を低下させるためである。第4の性格パターンの場合に高度な指導内容が採用されない理由は、運動や食事の内容を指導するものであるため、本人のやる気を低下させるためである。第4の性格パターンの場合にとても簡単な指導内容が採用されない理由は、運動や食事の内容を指導するものであるため、本人のやる気を低下させるためである。
【0058】
学習済みモデル142は、例えばディープラーニング等の機械学習によって生成された数理モデルである。以下、図4及び図5を参照しながら、学習済みモデル142が生成される手順について説明する。
【0059】
図4において、対象者P3は、定期的に実施される健康診断により、メタボリックシンドロームと診断された人物であり、対象者P2とは異なる人物である。対象者P3の健康診断の結果は、健康保険組合から相談員P1に提供される。
【0060】
相談員P1は、健康保険組合から対象者P3の健康診断の結果を受け取ると、対象者P3と連絡を取り合い、面談の日時を決定する。対象者P3は、面談の日時に相談員P1との面談を行い、相談員P1からの質問に回答する。相談員P1は、質問に対する対象者P3の回答及び反応に基づいて、対象者P3の性格情報を取得する。例えば、相談員P1は、やる気の有無、意思の強さ、及び我の強さを、対象者P3の性格情報として取得する。
【0061】
また、相談員P1は、健康保険組合から提供された健康診断の結果に基づいて、対象者P3の減量目標を設定する。メタボリックシンドロームの診断基準に関する目標を設定する場合には、相談員P1は、対象者P3のウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧の診断結果が、メタボリックシンドロームの診断基準値未満となるように減量目標を設定する。
【0062】
そして、相談員P1は、対象者P3の性格情報に基づいて、複数のアドバイス候補のうち、減量目標を達成するためのアドバイス候補を、対象者P3に対する指導内容として決定する。例えば、相談員P1は、性格情報が第1の性格パターンを表す場合、簡単な指導内容を、対象者P3に対する指導内容として決定する。相談員P1は、性格情報が第2の性格パターンを表す場合、高度な指導内容を、対象者P3に対する指導内容として決定する。相談員P1は、性格情報が第3の性格パターンを表す場合、とても簡単な指導内容を、対象者P3に対する指導内容として決定する。相談員P1は、性格情報が第4の性格パターンを表す場合、本人の意思を尊重する指導内容を、対象者P3に対する指導内容として決定する。
【0063】
相談員P1は、上記のように決定した指導内容と、対象者P3の健康診断の結果と、減量目標とを含む指導レポートを作成する。相談員P1は、作成した指導レポートを対象者P3に提供する。
【0064】
図5に示すように、対象者P3は、相談員P1から受け取った指導レポートに従って日常生活を送った後、再診断を受ける。例えば、再診断とは、対象者P3が指導レポートを受け取った後に受ける健康診断である。再診断は、対象者P2がメタボリックシンドロームと診断された健康診断と同様の診断であってもよく、対象者P2がメタボリックシンドロームと診断された健康診断よりも簡易的な診断、例えば、体重および腹囲を測定する診断であってもよい。再診断が体重および腹囲を測定する診断である場合には、減量目標として設定される目標は、体重および腹囲に関する目標が好ましい。
【0065】
対象者P3が再診断を受けると、対象者P3の再診断の結果が相談員P1に提供される。ここで、相談員P1は、対象者P3の再診断の結果を健康保険組合を介して受け取ってもよく、健康保険組合を介さずに受け取ってもよい。
【0066】
相談員P1は、対象者P3の再診断の結果に基づいて、指導レポートに記載された指導内容によって対象者P3の減量目標が達成されたかどうかを確認する。すなわち、減量目標をメタボリックシンドロームの診断基準に関する目標とした場合には、相談員P1は、再診断の結果のうち、対象者P3のウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧の診断結果が、メタボリックシンドロームの診断基準値未満であるか否かを確認する。
【0067】
上記のように、相談員P1は、対象者P3に関する情報として、性格情報と、健康診断の結果と、減量目標と、指導内容と、再診断の結果と、を取得する。再診断の結果は、指導レポートに記載された指導内容によって対象者P3の減量目標が達成されたかどうかを示す情報である。
【0068】
周知のように、機械学習の手法の1つである教師あり学習とは、入力すべきデータ(学習データ)と出力すべきデータ(正解データ)とのセットを教師データとして用いることにより、学習データと正解データとの相関関係を学習する手法である。このような教師データを大量に使用して教師あり学習を行うことにより、未知のデータが入力されると、入力されたデータに対応する正解データを出力する学習済みモデルが生成される。
【0069】
相談員P1は、対象者P3に関する情報のうち、性格情報及び減量目標を、入力すべきデータ、すなわち学習データとして取得する。また、相談員P1は、対象者P3に関する情報のうち、対象者P3の減量目標を達成できた指導内容を、出力すべきデータ、すなわち正解データとして取得する。
【0070】
相談員P1は、上記のような学習データと正解データとのセットを教師データとして取得し、取得した教師データを、対象者P3の識別情報と紐づけて学習用PC200に保存する。学習用PC200は、情報処理装置100と同じPCでもよいし、情報処理装置100とは異なるPCでもよい。なお、相談員P1は、対象者P3の減量目標を達成できなかった場合には、対象者P3に関する教師データを取得しなくてもよい。
【0071】
上記と同じ手順が対象者P3以外の対象者にも順次適用されることにより、対象者P3以外の対象者の識別情報に紐づけられた教師データが、学習用PC200に順次保存される。相談員P1は、学習用PC200に保存された教師データの数が所定の数に達した場合、保存された教師データに基づいて教師あり学習が行われるように、学習用PC200を操作する。
【0072】
その結果、未知の対象者の性格情報及び減量目標を含むデータが入力されると、入力されたデータに対応する正解データ、すなわち、複数のアドバイス候補のうち、未知の対象者の減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、未知の対象者に対する指導内容として出力する学習済みモデルが生成される。
【0073】
このように学習用PC200によって生成される学習済みモデルが、本実施形態における学習済みモデル142である。すなわち、学習済みモデル142は、未知の対象者である対象者P2の性格情報及び減量目標が入力されると、性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち、対象者P2の減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、対象者P2に対する指導内容として出力する数理モデルである。
【0074】
次に、上記のように構成された情報処理装置100の動作について説明する。
図6は、制御部150が実行する指導レポート生成処理を示すフローチャートである。制御部150は、操作部120から出力される操作信号に基づいて、相談員P1から指導レポートの生成を指示する操作を受け付けたことを検知すると、記憶部140から指導レポート生成プログラムを読み出して実行することにより、図6で示される指導レポート生成処理を実行する。
【0075】
図6に示すように、制御部150は、指導レポート生成処理を開始すると、まず、操作部120から出力される操作信号に基づいて、対象者P2の性格に関する性格情報を取得する(ステップS1)。例えば、制御部150は、やる気の有無、意思の強さ、及び我の強さを、対象者P2の性格情報として取得する。このステップS1の処理は、性格情報取得部151が実行する処理と同じであるので、ステップS1に関する詳細な説明は省略する。
【0076】
続いて、制御部150は、操作部120から出力される操作信号に基づいて、対象者P2の健康診断の結果を含む健康情報を取得する(ステップS2)。例えば、健康情報は、健康診断の結果として、対象者P2の体重、胸囲、ウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、血圧(収縮期血圧及び拡張期血圧)、及びBMIなどの診断結果を含む。このステップS2の処理は、健康情報取得部152が実行する処理と同じであるので、ステップS2に関する詳細な説明は省略する。なお、ステップS1及びS2を実行する順序は、逆転してもよい。すなわち、ステップS2の処理を実行した後に、ステップS1の処理を実行してもよい。
【0077】
続いて、制御部150は、健康情報に基づいて、対象者P2の減量目標を設定する(ステップS3)。例えば、ステップS3において、制御部150は、対象者P2のウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧の診断結果が、メタボリックシンドロームの診断基準値未満となるように減量目標を設定する。このステップS3の処理は、目標設定部153が実行する処理と同じであるので、ステップS3に関する詳細な説明は省略する。
【0078】
続いて、制御部150は、記憶部140から学習済みモデル142を読み出す(ステップS4)。そして、制御部150は、性格情報及び減量目標を学習済みモデル142に入力し、学習済みモデル142から出力される指導内容を含む指導レポートを生成する(ステップS5)。制御部150は、学習済みモデル142から出力される指導内容に加えて、健康診断の結果及び減量目標などの他の情報を含む指導レポートを生成してもよい。このステップS5の処理は、レポート生成部154が実行する処理と同じであるので、ステップS5に関する詳細な説明は省略する。
【0079】
(本実施形態の効果)
以上のように、本実施形態の情報処理装置100は、保健指導を受ける対象者P2の性格に関する性格情報を取得する性格情報取得部151と、対象者P2の健康診断の結果を含む健康情報を取得する健康情報取得部152と、健康情報に基づいて、対象者P2の減量目標を設定する目標設定部153と、性格情報及び減量目標が入力されると、性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、対象者P2に対する指導内容として出力する学習済みモデル142を予め記憶する記憶部140と、性格情報及び減量目標を学習済みモデル142に入力し、学習済みモデル142から出力される指導内容を含む指導レポートを生成するレポート生成部154と、を備える。
【0080】
上記のように、情報処理装置100は、対象者P2の性格情報及び減量目標を学習済みモデル142に入力し、学習済みモデル142から出力される指導内容を含む指導レポートを生成する。学習済みモデル142は、対象者P2の性格情報及び減量目標が入力されると、性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、対象者P2に対する指導内容として出力するように、機械学習によって生成された数理モデルである。そのため、どのような性格情報及び減量目標が学習済みモデル142に入力されたとしても、学習済みモデル142からは常に正解の指導内容、すなわち過去の実績において減量目標を達成できた指導内容が出力される。
従って、本実施形態の情報処理装置100によれば、保健指導を受ける対象者P2の性格に適した指導内容を含む指導レポートを生成できるため、対象者P2が相談員P1から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことを支援することができる。
【0081】
本実施形態において、性格情報取得部151は、対象者P2のやる気の有無、意思の強さ、及び我の強さを、対象者P2の性格情報として取得する。
このような本実施形態によれば、対象者P2のやる気の有無、意思の強さ、及び我の強さを対象者P2の性格情報として使用することにより、対象者P2の性格に、より適した指導内容を含む指導レポートを生成できるため、対象者P2が相談員P1から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことを、より効果的に支援することができる。
【0082】
本実施形態において、健康情報は、健康診断の結果として、対象者P2のウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧の診断結果を含み、目標設定部153は、ウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧の診断結果が、メタボリックシンドロームの診断基準値未満となるように減量目標を設定する。
本実施形態によれば、対象者P2のウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧の診断結果が、メタボリックシンドロームの診断基準値未満となるように減量目標を設定することにより、対象者P2の健康診断の結果に応じて減量目標を適切に設定することができる。
【0083】
本実施形態のプログラム141は、保健指導を受ける対象者P2の性格に関する性格情報を取得することと(ステップS1)、対象者P2の健康診断の結果を含む健康情報を取得することと(ステップS2)、健康情報に基づいて、対象者P2の減量目標を設定することと(ステップS3)、性格情報及び減量目標が入力されると、性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、対象者P2に対する指導内容として出力する学習済みモデル142を、記憶部140から読み出すことと(ステップS4)、性格情報及び減量目標を学習済みモデル142に入力し、学習済みモデル142から出力される指導内容を含む指導レポートを生成することと(ステップS5)、をコンピューターに実行させる。
本実施形態のプログラム141によれば、保健指導を受ける対象者P2の性格に適した指導内容を含む指導レポートを生成できるため、対象者P2が相談員P1から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことを支援することができる。
【0084】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0085】
例えば、上記実施形態では、性格情報取得部151は、対象者P2のやる気の有無、意思の強さ、及び我の強さを、対象者P2の性格情報として取得する場合を例示した。性格情報取得部151は、対象者P2のやる気の有無、意思の強さ、及び我の強さに替えて、対象者P2の問診で使用された問診票またはアンケートの結果を、対象者P2の性格情報として取得してもよい。
【0086】
例えば、対象者P2の性格を診断するためのアンケートとして、特開2004-164087号公報の図2に示されるようなアンケートを用いることができる。このように、対象者P2の問診で使用された問診票またはアンケートの結果を対象者P2の性格情報として使用することにより、対象者P2の性格に、より適した指導内容を含む指導レポートを生成できるため、対象者P2が相談員P1から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことを、より効果的に支援することができる。
【0087】
また、性格情報取得部151は、対象者P2のやる気の有無、意思の強さ、及び我の強さに替えて、対象者P2に対して実施されたジョハリの窓による性格分析の結果を、対象者P2の性格情報として取得してもよい。図7は、ジョハリの窓を示す図である。周知のように、ジョハリの窓とは、自己分析に使用される心理学モデルの一つであり、自分自身が見た自己の情報と、他人から見た自己の情報とを分析することにより、自分自身の特性を4つの窓に分類する手法である。
【0088】
図7に示すように、4つの窓は、開放の窓と、盲点の窓と、秘密の窓と、未知の窓と、を含む。開放の窓とは、自分も他人も知っている自己のことであり、自分も他人も理解している自分の性格などが、この窓に該当する。盲点の窓とは、自分では気づくことができていないが、他人は知っている自己のことであり、自分自身の思考の癖や思わぬ長所または短所などが、この窓に該当する。秘密の窓とは、他人には知られておらず、自分だけが知っている隠された自己のことであり、コンプレックスまたはトラウマなどが、この窓に該当する。未知の窓とは、自分も他人も知らない自己のことであり、秘められた才能または性格などが、この窓に該当する。
【0089】
例えば、相談員P1は、特開2020-166621号公報に開示されているようなアンケートを活用することにより、対象者P2の盲点の窓に該当する性格を分析し、盲点の窓に該当する性格の分析結果を、性格情報として情報処理装置100に入力する。これにより、性格情報取得部151は、対象者P2の盲点の窓に該当する性格の分析結果を、性格情報として取得できる。上記のように、盲点の窓に該当する性格とは、自分では気づいていないが、他人が知っている自分の性格などである。このように、ジョハリの窓による性格分析の結果を対象者P2の性格情報として使用することにより、対象者P2の性格に、より適した指導内容を含む指導レポートを生成できるため、対象者P2が相談員P1から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことを、より効果的に支援することができる。
【0090】
〔本開示のまとめ〕
以下、本開示のまとめを付記する。
【0091】
(付記1)保健指導を受ける対象者の性格に関する性格情報を取得する性格情報取得部と、前記対象者の健康診断の結果を含む健康情報を取得する健康情報取得部と、前記健康情報に基づいて、前記対象者の減量目標を設定する目標設定部と、前記性格情報及び前記減量目標が入力されると、前記性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち前記減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、前記対象者に対する指導内容として出力する学習済みモデルを予め記憶する記憶部と、前記性格情報及び前記減量目標を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容を含む指導レポートを生成するレポート生成部と、を備える、情報処理装置。
【0092】
上記のように、付記1に記載の情報処理装置は、対象者の性格情報及び減量目標を学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力される指導内容を含む指導レポートを生成する。学習済みモデルは、対象者の性格情報及び減量目標が入力されると、性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、対象者に対する指導内容として出力するように、機械学習によって生成された数理モデルである。そのため、どのような性格情報及び減量目標が学習済みモデルに入力されたとしても、学習済みモデルからは常に正解の指導内容、すなわち過去の実績において減量目標を達成できた指導内容が出力される。
従って、付記1に記載の情報処理装置によれば、保健指導を受ける対象者の性格に適した指導内容を含む指導レポートを生成できるため、対象者が相談員から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことを支援することができる。
【0093】
(付記2)前記性格情報取得部は、前記対象者のやる気の有無、意思の強さ、及び我の強さを、前記性格情報として取得する、付記1に記載の情報処理装置。
【0094】
付記2に記載の情報処理装置によれば、対象者のやる気の有無、意思の強さ、及び我の強さを対象者の性格情報として使用することにより、対象者の性格に、より適した指導内容を含む指導レポートを生成できるため、対象者が相談員から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことを、より効果的に支援することができる。
【0095】
(付記3)前記性格情報取得部は、前記対象者の問診で使用された問診票またはアンケートの結果を、前記性格情報として取得する、付記1に記載の情報処理装置。
【0096】
付記3に記載の情報処理装置によれば、対象者の問診で使用された問診票またはアンケートの結果を対象者の性格情報として使用することにより、対象者の性格に、より適した指導内容を含む指導レポートを生成できるため、対象者が相談員から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことを、より効果的に支援することができる。
【0097】
(付記4)前記性格情報取得部は、前記対象者に対して実施されたジョハリの窓による性格分析の結果を、前記性格情報として取得する、付記1に記載の情報処理装置。
【0098】
付記4に記載の情報処理装置によれば、ジョハリの窓による性格分析の結果を対象者の性格情報として使用することにより、対象者の性格に、より適した指導内容を含む指導レポートを生成できるため、対象者が相談員から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことを、より効果的に支援することができる。
【0099】
(付記5)前記健康情報は、前記健康診断の結果として、前記対象者のウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧の診断結果を含み、前記目標設定部は、前記ウエスト周囲径、前記中性脂肪、前記空腹時の血糖値、及び前記血圧の診断結果が、メタボリックシンドロームの診断基準値未満となるように前記減量目標を設定する、付記1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0100】
付記5に記載の情報処理装置によれば、対象者のウエスト周囲径、中性脂肪、空腹時の血糖値、及び血圧の診断結果が、メタボリックシンドロームの診断基準値未満となるように減量目標を設定することにより、対象者の健康診断の結果に応じて減量目標を適切に設定することができる。
【0101】
(付記6)保健指導を受ける対象者の性格に関する性格情報を取得することと、前記対象者の健康診断の結果を含む健康情報を取得することと、前記健康情報に基づいて、前記対象者の減量目標を設定することと、前記性格情報及び前記減量目標が入力されると、前記性格情報に基づく複数のアドバイス候補のうち減量目標を達成すると推測されるアドバイス候補を、前記対象者に対する指導内容として出力する学習済みモデルを、記憶部から読み出すことと、前記性格情報及び前記減量目標を前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される前記指導内容を含む指導レポートを生成することと、をコンピューターに実行させる、プログラム。
【0102】
付記6に記載のプログラムによれば、保健指導を受ける対象者の性格に適した指導内容を含む指導レポートを生成できるため、対象者が相談員から指導される内容に基づく活動を継続的に行うことを支援することができる。
【符号の説明】
【0103】
100…情報処理装置、110…通信部、120…操作部、130…表示部、140…記憶部、141…プログラム、142…学習済みモデル、150…制御部、151…性格情報取得部、152…健康情報取得部、153…目標設定部、154…レポート生成部、P1…相談員、P2、P3…対象者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7